JP7517199B2 - 円すいころ軸受 - Google Patents

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本発明は、円すいころ軸受に関する。
特許文献1に記載の円すいころ軸受では、円すい台形の内輪軌道面の小径側の端部に小鍔部が設けられていない。このため、外輪が取り付けられていない状態では、円すいころ及び保持器が内輪から脱落することがある。このような円すいころ及び保持器の脱落を防止するため、内輪軌道面の小径側の端部に小鍔部を設けた円すいころ軸受がある。
内輪に小鍔部が設けられた円すいころ軸受では、保持器及び複数の円すいころによって構成される保持器アッシーと、内輪との組立を行う際に、小鍔部に円すいころが引っ掛かってしまう。そこで、ポケットと円すいころとの隙間が大きい保持器を用い、小鍔部を乗り越えることができるように円すいころを外側に移動(傾斜)させて、保持器アッシーを内輪に組み付けている。そして、組み付け後において保持器に対してカシメ加工を行い、ポケットと円すいころとの隙間を小さくすることによって、円すいころが小鍔部を乗り越えることができないようにしている。
特開2015-178888号公報
上述したような円すいころ軸受は、例えば、鉱山や砕石場で使用される鉱山用ダンプトラックの構成部品として用いられることがある。鉱山用ダンプトラックは、一度に大量の土砂を輸送するため、高負荷条件下で稼働する。このため、鉱山用ダンプトラックの構成部品である軸受にも高負荷容量が求められている。また、鉱山用ダンプトラックは、建設機械の中でもライフサイクルが比較的長く、維持コストが高い。そのため、補修の需要も多く、構成部品にはライフサイクルコストの改善が求められている。ライフサイクルコストを改善するための一例として、軸受を再使用することが挙げられる。
例えば鉱山用ダンプトラックでは、アクスルホイール部に円すいころ軸受が用いられている。この円すいころ軸受の再使用の可否を判断する場合、外輪及び内輪のそれぞれの軌道面と、円すいころの転動面の状態とを確認する必要がある。しかしながら、上述した内輪に小鍔部が設けられた円すいころ軸受において、保持器アッシーと内輪とを分解する際には、円筒ころが小鍔部に引っ掛かり、容易に分解を行うことができない。また、保持器アッシーと内輪との組立を行う際にはカシメ加工が必要となり、組立を容易に行うことができない。
そこで、本発明は、保持器アッシーと内輪との組立及び分解を容易に実施することができる円すいころ軸受を提供することを目的とする。
本発明の円すいころ軸受は、円すい台形の内輪軌道面を外周に有すると共に、内輪軌道面の小径側端部に設けられた小鍔部を有する内輪と、内周に外輪軌道面を有する外輪と、内輪軌道面と外輪軌道面との間に配置された複数の円すいころと、複数の円すいころのそれぞれを転動自在に保持する保持器と、を備え、保持器は、軸方向において互いに対向する小径円環部、及び小径円環部よりも大径の大径円環部と、小径円環部と大径円環部との間において周方向に沿って配列され、小径円環部及び大径円環部とによって複数のポケットを画定する複数の柱部と、を有し、複数の円すいころのそれぞれは、円すいころの小径側端面が小径円環部側を向き且つ円すいころの大径側端面が大径円環部側を向くように、複数のポケットにそれぞれ保持され、複数のポケットは、第1のポケットと、第2のポケットと、を含み、運転時の状態(小鍔部と大鍔部との間に円すいころが存在する状態)において、第1のポケットに保持された円すいころの小径側端面と第1のポケットの壁面との間のころ回転軸方向に沿った隙間は、第2のポケットに保持された円すいころの小径側端面と第2のポケットの壁面との間のころ回転軸方向に沿った隙間よりも大きく、第2のポケットに保持された円すいころの大径側端面と第2のポケットの壁面との間のころ回転軸方向に沿った隙間は、第1のポケットに保持された円すいころの大径側端面と第1のポケットの壁面との間のころ回転軸方向に沿った隙間よりも大きく、小鍔部には、第1のポケットに保持された円すいころが通過可能な切欠部が設けられている。
本発明の円すいころ軸受では、第1のポケットに保持された円すいころの小径側端面と第1のポケットの壁面との間に大きな隙間が設けられている。しかしながら、第1のポケットに保持された円すいころでは、外輪が取り付けられていない状態で円すいころの小径側の端部を内輪軌道面から軸受の径方向外側に離間させて円すいころを傾斜させようとしても、円すいころの大径側端面がポケットの壁面に当接し、小径側の端部が小鍔部を乗り越えることができる高さまで円すいころを傾斜させることができない。この第1のポケットに保持された円すいころを傾斜させるため、円すいころの大径側端面とポケットの壁面との隙間が広がるように保持器を軸方向にスライドさせることが考えられる。しかしながら、第2のポケットに保持された円すいころの小径側端面と第2のポケットの壁面とが当接し、保持器をスライドさせることができない。つまり、運転時の状態のときの位置に保持器が位置している場合、外輪が取り付けられていない状態であっても、第1のポケットに保持された円すいころを小鍔部を乗り越えるように傾斜させることができない。従って、保持器アッシーが内輪から脱落することはない。
また、本発明の円すいころ軸受では、第2のポケットに保持された円すいころの大径側端面と第2のポケットの壁面との間に大きな隙間が設けられている。しかしながら、第2のポケットに保持された円すいころでは、外輪が取り付けられていない状態で円すいころの小径側の端部を内輪軌道面から軸受の径方向外側に離間させて円すいころを傾斜させようとしても、円すいころの小径側端面がポケットの壁面に当接し、小径側の端部が小鍔部を乗り越えることができる高さまで円すいころを傾斜させることができない。この第2のポケットに保持された円すいころを傾斜させるため、円すいころの小径側端面とポケットの壁面との隙間が広がるように保持器を軸方向にスライドさせることが考えられる。しかしながら、第1のポケットに保持された円すいころの大径側端面と第1のポケットの壁面とが当接し、保持器をスライドさせることができない。つまり、運転時の状態のときの位置に保持器が位置している場合、外輪が取り付けられていない状態であっても、第2のポケットに保持された円すいころを小鍔部を乗り越えるように傾斜させることができない。従って、保持器アッシーが内輪から脱落することはない。
このように、外輪が取り付けられていない状態であっても、運転時の状態のときの位置に保持器が位置している場合、第1のポケット及び第2のポケットに保持された円すいころの少なくともいずれかが小鍔部に引っ掛かるため、保持器アッシーが内輪から意図せず脱落することが抑制される。
次に、本発明の円すいころ軸受において、外輪が取り外された状態で、内輪から保持器アッシーを取り外すための構成について説明する。
まず、小鍔部に設けられた切欠部の周方向の位置に、第1のポケットに保持されたころを位置させる。上述したように、運転時の状態において、第1のポケットに保持された円すいころの小径側端面と第1のポケットの壁面との間には大きな隙間が設けられている。このため、第1のポケットに保持された円すいころの小径側の端部が切欠部内に入り込むように、円すいころを内輪軌道面上でスライドさせることができる。つまり、円すいころを小径円環部側にスライドさせることができる。
これにより、第1のポケットに保持された円すいころの大径側端面と、第1のポケットの壁面との間の隙間が大きくなる。また、上述したように、運転時の状態において、第2のポケットに保持された円すいころの大径側端面と第2のポケットの壁面との間には大きな隙間が設けられている。従って、保持器の大径円環部が円すいころの大径側端面に近づくように、保持器を、軸方向に沿ってスライドさせることができる。
保持器をスライドさせたことにより、第2のポケットに保持された円すいころの小径側端面と第2のポケットの壁面との間の隙間が大きくなる。この隙間を利用することにより、第2のポケットに保持された円すいころの小径側の端部が小鍔部を乗り越えることができる高さまで、円すいころを傾斜させることができる。このように、第2のポケットに保持された円すいころを小鍔部を乗り越えることができる高さまで傾斜させることができ、また、第1のポケットに保持された円すいころは小鍔部の切欠部の位置に位置している。このため、保持器アッシーを軸方向に沿ってスライドさせる(内輪軌道面の大径側端部側から小径側端部側に向ってスライドさせる)ことにより、保持器アッシーを内輪から容易に取り外すことができる。
また、円すいころ軸受の組立を行う場合、内輪から保持器アッシーを取り外すときの逆の手順によって、保持器アッシーを内輪に取り付けることができる。具体的には、第1のポケットに保持された円すいころを切欠部の位置に位置させ、第2のポケットに保持された円すいころを、小径側の端部が小鍔部を乗り越えることができるように傾斜させる。この状態で、保持器の大径円環部を先頭にして内輪軌道面の小径側端部から大径側端部に向って保持器アッシーをスライドさせて内輪の外側に保持器アッシーを嵌め込む。これにより、内輪と保持器アッシーとを組み立てることができる。最後に保持器アッシーの外側に外輪を嵌め込むことによって、円すいころ軸受の組立が完了する。すなわち、本発明における円すいころ軸受では、ポケットの大きさが大きい保持器を用いておらず、保持器から円すいころが脱落しないように保持器のポケットの大きさを小さくするためのカシメ加工を行うことが不要となっている。
このように、円すいころ軸受では、切欠部の位置に第1のポケットを位置させ、第1のポケットに保持された円すいころをスライドさせると共に保持器をスライドさせることにより、内輪から保持器アッシーを取り外すことができる。また、取り外しの逆の手順を行うことによって、内輪に保持器アッシーを取り付けることができる。このように、本発明の円すいころ軸受は、保持器アッシーと内輪との組立及び分解を容易に実施することができる。
上記の円すいころ軸受では、運転時の状態において、第1のポケットに保持された円すいころの小径側端面と第1のポケットの壁面との間のころ回転軸方向に沿った隙間は、第2のポケットに保持された円すいころの大径側端面と第2のポケットの壁面との間のころ回転軸方向に沿った隙間よりも大きくてもよい。この場合、円すいころ軸受は、分解のために第1のポケットに保持された円すいころ及び保持器をスライドさせたときに、第2のポケットに保持された円すいころの小径側端部と第2のポケットの壁面との隙間を広く確保することができる。これにより、分解時において、円すいころ軸受は、第2のポケットに保持された円すいころの小径側の端部が第2のポケットの壁面に当接することを防止しつつ、小鍔部を乗り越えることができるように円すいころを傾斜させることができる。内輪に保持器アッシーを取り付ける際も同様に、円すいころ軸受は、小鍔部を乗り越えることができるように第2のポケットに保持された円すいころを傾斜させることができる。
上記の円すいころ軸受において、第1のポケットは周方向に沿って等間隔で複数設けられており、切欠部は、周方向における第1ポケットの設置位置の位相に合わせて、小鍔部に複数設けられていてもよい。この場合、小鍔部に設けられた切欠部の周方向の位置に、第1のポケットに保持された円すいころを位置させる際に、保持器アッシーを内輪に対して回転させる角度をより小さくすることができる。これにより、円すいころ軸受では、組立及び分解をより容易に行うことができる。
上記の円すいころ軸受において、第1のポケットの数は、第2のポケットの数よりも少なくてもよい。この場合、円すいころ軸受は、小鍔部の切欠部の周方向の位置に、第1のポケットに保持された円すいころが位置することを抑制し、意図せず保持器アッシーが内輪から脱落することを抑制できる。
本発明によれば、保持器アッシーと内輪との組立及び分解を容易に実施することができる円すいころ軸受を提供することが可能となる。
図1は、実施形態の円すいころ軸受の平面図である。 図2は、図1に示されるII-II線に沿っての円すいころ軸受の断面図である。 図3は、図1に示されるIII-III線に沿っての円すいころ軸受の断面図である。 図4は、運転時の状態における保持器と円すいころとの位置関係を示す図である。 図5は、図4に示されるV-V線に沿っての内輪及び保持器アッシーの端面図である。 図6は、円すいころ及び保持器をスライドさせた状態における第1のポケット周りの断面図である。 図7は、保持器をスライドさせ且つ円すいころを傾斜させた状態における第2のポケット周りの断面図である。 図8は、第1のポケットに保持された円すいころ及び保持器をスライドさせた状態における保持器と円すいころとの位置関係を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[円すいころ軸受の構成]
図1~図3に示されるように、円すいころ軸受1は、内輪2と、外輪3と、複数の円すいころ4及び保持器5によって構成される保持器アッシー10と、を備えている。以下、円すいころ軸受1の軸方向を軸方向Aといい、円すいころ軸受1の径方向を径方向Rといい、円すいころ軸受1の周方向を周方向Cという。
内輪2には、内輪軌道面21及び内径面22が形成されている。内輪軌道面21は、径方向Rにおける外側に向いた面であり、周方向Cに沿って円環状に延在している。また、内輪軌道面21は、軸方向Aに対して傾斜する円すい台形となっている。このように、内輪2は、円すい台形の内輪軌道面21を外周に有している。
内径面22は、径方向Rにおける内側に向いた面であり、周方向Cに沿って円環状に延在している。内径面22は、軸(図示省略)と嵌め合わされる。内輪2は、小鍔部23及び大鍔部24を有している。小鍔部23は、軸方向Aにおける内輪軌道面21の小径側端部に設けられている。大鍔部24は、軸方向Aにおける内輪軌道面21の大径側端部に設けられている。小鍔部23及び大鍔部24は、内輪軌道面21に対して径方向Rにおける外側に突出しており、周方向Cに沿って円環状に延在している。
小鍔部23には、切欠部23aが設けられている。切欠部23aは、図1に示すように内輪軌道面21から突出する小鍔部23が切り欠かれた形状となっている。すなわち、切欠部23aが設けられた位置では、内輪軌道面21の高さ位置から外側に突出する部材(小鍔部23)が存在しない。切欠部23aは、円すいころ4が通過可能な大きさとなっている。なお、図1では、小鍔部23が円弧状に切り欠かれた形状の切欠部23aが示されているが、円すいころ4が通過可能であれば切欠部23aの形状は限定されない。本実施形態において、切欠部23aは、周方向Cに沿って等間隔で複数設けられている。例えば、切欠部23aは、小鍔部23に対して周方向に等間隔で4つ設けられていてもよい。但し、切削によって切欠部23aを設ける際の加工工数を削減する観点から、切欠部23aの数を少なくしてもよい。
外輪3は、径方向Rにおける内輪2の外側に配置されている。外輪3には、外輪軌道面31及び外径面32が形成されている。外輪軌道面31は、径方向Rにおける内側に向いた面であり、周方向Cに沿って円環状に延在している。また、外輪軌道面31は、本実施形態においては軸方向Aに対して傾斜する円すい台形となっている。このように、外輪3は、円すい台形の外輪軌道面31を内周に有している。
外径面32は、径方向Rにおける外側に向いた面であり、周方向Cに沿って円環状に延在している。外径面32は、ハウジング(図示省略)と嵌め合わされる。外輪3は、鍔部を有していない。つまり、外輪3では、外輪軌道面31が最内周面となっている。
保持器アッシー10は、複数の円すいころ4と、円すいころ4を保持する保持器5とによって構成されている。複数の円すいころ4は、内輪2の内輪軌道面21と外輪3の外輪軌道面31との間に配置されている。円すいころ4は、小径側の端部と、大径側の端部とを有する円すい台形を呈している。
保持器5は、内輪2と外輪3との間において、複数の円すいころ4を転動自在に保持している。複数の円すいころ4は、複数の円すいころ4が周方向Cに沿って一定のピッチで配列されるように、保持器5によって保持されている。また、複数の円すいころ4は、各円すいころ4のころ回転軸K(図2及び図3参照)の延長線が円すいころ軸受1の軸線上の一点で交わるように、軸方向Aに対して傾斜した状態で内輪2と外輪3との間で保持器5によって保持されている。
[保持器の構成]
保持器5は、小径円環部51及び大径円環部52と、複数の柱部53と、を有している。保持器5は、例えば、銅合金、又は鉄等によって形成されている。
小径円環部51及び大径円環部52は、軸方向Aにおいて互いに対向している。小径円環部51は、径方向Rにおける内輪2の小鍔部23の外側に位置しており、周方向Cに沿って円環状に延在している。大径円環部52は、径方向Rにおける内輪2の大鍔部24の外側に位置しており、周方向Cに沿って円環状に延在している。大径円環部52は、小径円環部51よりも大径となっている。
図2~図4に示されるように、複数の柱部53は、小径円環部51と大径円環部52との間において周方向Cに沿って一定のピッチで配列されている。各柱部53は、それぞれ小径円環部51と大径円環部52とに架け渡されている。柱部53は、軸方向Aに対して傾斜した状態となっている。具体的には、柱部53における小径円環部51に連結される側の端部は、柱部53における大径円環部52に連結される側の端部よりも径方向Rの内側に位置している。
保持器5では、小径円環部51及び大径円環部52と柱部53とによって複数のポケットPが画定されている。各円すいころ4は、各ポケットPに保持されている。また、複数の円すいころ4のそれぞれは、円すいころ4の小径側端面4aが小径円環部51側を向き且つ円すいころ4の大径側端面4bが大径円環部52側を向くように、複数のポケットPにそれぞれ保持されている。なお、ポケットPにおける周方向Cの幅は、小径円環部51側の幅よりも大径円環部52側の幅の方が広くなっている。各ポケットPにおいて、円すいころ4は、内輪軌道面21に接触すると共に、ポケットPの開口部を介して外輪軌道面31に接触している。
また、図5に示されるように、保持器5において柱部53は、円すいころ4のころ回転軸Kよりも、径方向Rの外側に位置している。また、周方向C方向において隣接する柱部53同士の間隔は、円すいころ4が通過できない間隔となっている。つまり、保持器5は、外輪3が取り付けられていない状態において、内輪軌道面21に接触している円すいころ4がポケットPの開口を通過して径方向Rの外側に外れることを規制する。また、保持器5は、外輪3が取り付けられていない状態において、小鍔部23を乗り越えることができる高さまで円すいころ4が内輪軌道面21から浮き上がらないように(離間しないように)、柱部53によって円すいころ4を保持している。
複数のポケットPは、図4に示すように第1のポケットP1と、第2のポケットP2とを含む。本実施形態では、複数のポケットPのうち、第1のポケットP1以外のポケットPが、第2のポケットP2となっている。本実施形態において、第1のポケットP1の数は、第2のポケットP2の数よりも少ない。また、本実施形態において、第1のポケットP1は、周方向Cに沿って等間隔で複数設けられている。本実施形態においては、第1のポケットP1の数と、小鍔部23に設けられた切欠部23aの数とは互いに同じとなっている。切欠部23aは、周方向Cにおける第1のポケットP1の設置位置の位相に合わせて、小鍔部23に複数設けられている。例えば、第1のポケットP1は、周方向に等間隔で4つ設けられていてもよい。なお、図1及び図2は、小鍔部23に設けられた切欠部23aの周方向Cの位置に、第1のポケットP1に保持された円すいころ4が位置した状態が示されている。
次に、第1のポケットP1及び第2のポケットP2の形状の詳細について説明する。ここで、図4に示されるように、第1のポケットP1の壁面のうち、第1のポケットP1に保持された円すいころ4の小径側端面4aに対向する壁面(小径円環部51側の壁面)を第1の幅狭側壁面P1aといい、円すいころ4の大径側端面4bに対向する壁面(大径円環部52側の壁面)を第1の幅広側壁面P1bという。また、第2のポケットP2の壁面のうち、第2のポケットP2に保持された円すいころ4の小径側端面4aに対向する壁面(小径円環部51側の壁面)を第2の幅狭側壁面P2aといい、円すいころ4の大径側端面4bに対向する壁面(大径円環部52側の壁面)を第2の幅広側壁面P2bという。
図2及び図4に示されるように、円すいころ軸受1の運転時(回転動作時)の状態において、第1のポケットP1に保持された円すいころ4の小径側端面4aと第1のポケットP1の第1の幅狭側壁面P1aとの間のころ回転軸Kに沿った隙間S1は、第2のポケットP2に保持された円すいころ4の小径側端面4aと第2のポケットP2の第2の幅狭側壁面P2aとの間のころ回転軸Kに沿った隙間S2よりも大きい。つまり、第1のポケットP1の第1の幅狭側壁面P1aは、第2のポケットP2の第2の幅狭側壁面P2aよりも、保持器5の小径円環部51が設けられた端部側に位置している。
図3及び図4に示されるように、円すいころ軸受1の運転時の状態において、第2のポケットP2に保持された円すいころ4の大径側端面4bと第2のポケットP2の第2の幅広側壁面P2bとの間のころ回転軸K方向に沿った隙間T2は、第1のポケットP1に保持された円すいころ4の大径側端面4bと第1のポケットP1の第1の幅広側壁面P1bとの間のころ回転軸K方向に沿った隙間T1よりも大きい。つまり、第2のポケットP2の第2の幅広側壁面P2bは、第1のポケットP1の第1の幅広側壁面P1bよりも、保持器5の大径円環部52が設けられた端部側に位置している。なお、図4に示されるように、円すいころ軸受1の運転時の状態において、第1のポケットP1と円すいころ4との間の隙間S1は、第2のポケットP2と円すいころ4との間の隙間T2よりも大きい。
第1のポケットP1に保持された円すいころ4の大径側端面4bは、第1のポケットP1の第1の幅広側壁面P1bに当接することによって、保持器5が内輪2の大鍔部24側から小鍔部23側に向って軸方向Aに沿って移動することを規制する。同様に、第2のポケットP2に保持された円すいころ4の小径側端面4aは、第2のポケットP2の第2の幅狭側壁面P2aに当接することによって、保持器5が内輪2の小鍔部23側から大鍔部24側に向って軸方向Aに沿って移動することを規制する。このように、運転時の状態において保持器5は、円すいころ4の小径側端面4a及び大径側端面4bによって、軸方向Aの移動が規制されている。
[保持器アッシーが内輪から脱落しないための構成]
次に、外輪3が取り付けられていない状態において、保持器アッシー10(円すいころ4及び保持器5)が内輪2から脱落しない構成について説明する。まず、第1のポケットP1に保持された円すいころ4について、図2及び図4を用いて説明する。ここでは、運転時の状態のときの位置に保持器5が位置しているとする。また、図2では外輪3が示されているが、外輪3が取り付けられていない状態とする。また、図2では、小鍔部23の切欠部23aの位置に第1のポケットP1に保持された円すいころ4が位置しているが、切欠部23aと第1のポケットP1の円すいころ4との周方向Cの位置がズレた状態とする。つまり、第1のポケットP1に保持された円すいころ4の小径側端面4aが小鍔部23と対向している状態とする。
上述したように、第1のポケットP1に保持された円すいころ4の小径側端面4aと第1のポケットP1の第1の幅狭側壁面P1aとの間に大きな隙間S1が設けられている。このため、外輪3が取り付けられていない状態で円すいころ4の小径側の端部を持ち上げる(内輪軌道面21から離間させる)ことにより、円すいころ4の小径側端面4aが第1の幅狭側壁面P1aに接触することなく、円すいころ4の小径側の端部が小鍔部23を乗り越える高さまで円すいころ4が傾斜できるように見える。
しかしながら、第1のポケットP1に保持された円すいころ4では、外輪3が取り付けられていない状態で円すいころ4の小径側の端部を持ち上げて円すいころを傾斜させようとしても、円すいころ4の大径側端面4bが第1の幅広側壁面P1bに当接する。これにより、小径側の端部が小鍔部23を乗り越えることができる高さまで円すいころ4を傾斜させることができない。つまり、円すいころ4の大径側端面4bと第1のポケットP1の第1の幅広側壁面P1bとの隙間T1は、円すいころ4の小径側の端部が小鍔部23を超える高さまで傾斜できないように設定されている。このように、第1のポケットP1の第1の幅広側壁面P1bは、円すいころ4の小径側の端部が小鍔部23を超える高さまで傾斜できないように、円すいころ4の傾斜を規制している。言い替えると、運転時の状態のときの位置に保持器5が位置している場合、第1のポケットP1は、円すいころ4の小径側の端部が小鍔部23を乗り越える高さまで内輪軌道面21から離間(傾斜)できないように、円すいころ4を保持している。
従って、運転時の状態のときの位置に保持器5が位置し且つ小鍔部23と第1のポケットP1の円すいころ4との周方向Cの位置がズレている場合、円すいころ4は、小鍔部23を乗り越える高さまで傾斜することができず、さらに径方向Rの外側に向って第1のポケットP1の開口を介して脱落することもできない。
次に、第2のポケットP2に保持された円すいころ4について、図3及び図4を用いて説明する。ここでは、運転時の状態のときの位置に保持器5が位置しているとする。また、図3では外輪3が示されているが、外輪3が取り付けられていない状態とする。上述したように、第2のポケットP2に保持された円すいころ4の大径側端面4bと第2のポケットP2の第2の幅広側壁面P2bとの間に大きな隙間T2が設けられている。このため、外輪3が取り付けられていない状態で円すいころ4の小径側の端部を持ち上げる(内輪軌道面21から離間させる)ことにより、円すいころ4の大径側端面4bが第2の幅広側壁面P2bに接触することなく、円すいころ4の小径側の端部が小鍔部23を乗り越える高さまで円すいころ4が傾斜できるように見える。
しかしながら、第2のポケットP2に保持された円すいころ4では、外輪3が取り付けられていない状態で円すいころ4の小径側の端部を持ち上げて円すいころを傾斜させようとしても、円すいころ4の小径側端面4aが第2の幅狭側壁面P2aに当接する。これにより、小径側の端部が小鍔部23を乗り越えることができる高さまで円すいころ4を傾斜させることができない。つまり、円すいころ4の小径側端面4aと第2のポケットP2の第2の幅狭側壁面P2aとの隙間S2は、円すいころ4の小径側の端部が小鍔部23を超える高さまで傾斜できないように設定されている。このように、第2のポケットP2の第2の幅狭側壁面P2aは、円すいころ4の小径側の端部が小鍔部23を超える高さまで傾斜できないように、円すいころ4の傾斜を規制している。言い換えると、運転時の状態のときの位置に保持器5が位置している場合、第2のポケットP2は、円すいころ4の小径側の端部が小鍔部23を乗り越える高さまで内輪軌道面21から離間(傾斜)できないように、円すいころ4を保持している。
従って、運転時の状態のときの位置に保持器5が位置している場合、円すいころ4は、小鍔部23を乗り越える高さまで傾斜することができず、さらに径方向Rの外側に向って第2のポケットP2の開口を介して脱落することもできない。
このように、運転時の状態のときの位置に保持器5が位置し且つ小鍔部23の切欠部23aと第1のポケットP1の円すいころ4との周方向Cの位置がズレている場合、第1のポケットP1に保持された円すいころ4及び第2のポケットP2に保持された円すいころ4のいずれも小鍔部23を乗り越えることができる高さまで傾斜できない。また、円すいころ4は、小鍔部23を乗り越えることができる高さまで内輪軌道面21から浮き上がらないように、保持器5の柱部53によって、保持されている。これにより、円すいころ4が小鍔部23に引っ掛かるため、保持器アッシー10を内輪2の小径側の端部から取り外すことができない。従って、円すいころ軸受1では、外輪3が取り付けられていない状態において、保持器アッシー10が意図せず内輪2から脱落することを抑制できる。
[保持器アッシーを内輪から取り外すための構成]
次に、外輪3が取り付けられていない状態において、保持器アッシー10を内輪2から取り外すための構成について図6~図8を用いて説明する。まず、小鍔部23に設けられた切欠部23aの周方向Cの位置に、第1のポケットP1に保持された円すいころ4を位置させる。図4を用いて説明したように、運転時の状態において、第1のポケットP1に保持された円すいころ4の小径側端面4aと第1のポケットP1の第1の幅狭側壁面P1aとの間には大きな隙間S1が設けられている。このため、図6に示されるように、第1のポケットP1に保持された円すいころ4の小径側の端部が切欠部23a内に入り込むように、円すいころ4を内輪軌道面21上でスライドさせることができる。つまり、円すいころ4を小径円環部51側にスライドさせることができる。なお、図6において、ころ回転軸Kaは、円すいころ4をスライドさせる前の状態におけるころ回転軸の位置(図2及び図3におけるころ回転軸Kに相当)を示している。
これにより、図8に示されるように、第1のポケットP1に保持された円すいころ4の大径側端面4bと、第1のポケットP1の第1の幅広側壁面P1bとの間の隙間T1が大きくなる。また、図4を用いて説明したように、運転時の状態において、第2のポケットP2に保持された円すいころ4の大径側端面4bと第2のポケットP2の第2の幅広側壁面P2bとの間には大きな隙間T2が設けられている。従って、図7に示されるように、保持器5の大径円環部52が円すいころ4の大径側端面4bに近づくように、保持器5を軸方向Aにスライドさせることができる。つまり、保持器5を、内輪2の大鍔部24側から小鍔部23側に向って軸方向Aに沿ってスライドさせることができる。以下、内輪2の大鍔部24側から小鍔部23側に向う軸方向Aに沿った方向(保持器5の大径円環部52側から小径円環部51側に向う軸方向Aに沿った方向)を、取外方向Dという。このように、保持器5を、取外方向Dにスライドさせることができる。
保持器5を取外方向Dにスライドさせたことにより、図7及び図8に示されるように、第2のポケットP2に保持された円すいころ4の小径側端面4aと第2のポケットP2の第2の幅狭側壁面P2aとの間の隙間S2が大きくなる。また、円すいころ4の外周面と保持器5の柱部53との間隔も広くなる。この隙間S2及び柱部53との間隔を利用することにより、図7に示されるように、第2のポケットP2に保持された円すいころ4の小径側の端部が小鍔部23を乗り越えることができる高さまで、円すいころ4を傾斜させることができる。なお、図7において、ころ回転軸Kaは、円すいころ4を傾斜させる前の状態におけるころ回転軸の位置を示している。
すなわち、保持器5を取外方向Dにスライドさせたことにより、円すいころ4の小径側端面4aが第2の幅狭側壁面P2aに当たることなく、小径側の端部が小鍔部23を乗り越えることができる高さまで円すいころ4を傾斜させることができる。なお、円すいころ4を傾斜させたときに円すいころ4の大径側端面4bが第2のポケットP2の第2の幅広側壁面P2bに当たらないように、保持器5のスライド量を調節する。
つまり、保持器5が取外方向Dにスライドさせられた状態において、第2のポケットP2は、円すいころ4の小径側の端部が小鍔部23を乗り越える高さまで傾斜できるように(内輪軌道面21から離間できるように)、円すいころ4を保持している。
また、図6に示されるように、第1のポケットP1に保持された円すいころ4は小鍔部23の切欠部23aの位置に位置している。このため、図6及び図7に示される状態で保持器アッシー10を軸方向Aに沿って取外方向Dにスライドさせることにより、円すいころ4が小鍔部23に引っ掛かることなく、保持器アッシー10を内輪2から取り外すことができる。つまり、円すいころ軸受1の分解を行う際には、まず、外輪3を取り外す。次に、上述したように第1のポケットP1に保持された円すいころ4を切欠部23aの位置に位置させ、さらに保持器5をスライドさせて第2のポケットP2に保持された円すいころ4を傾斜させる。次に、取外方向Dに保持器アッシー10をスライドさせる。これにより、小鍔部23に円すいころ4が引っ掛かることなく、内輪2から保持器アッシー10を取り外すことができる。
[円すいころ軸受の組み立て手順]
円すいころ軸受1の組立を行う場合、内輪2から保持器アッシー10を取り外すときの逆の手順によって、保持器アッシー10を内輪2に取り付けることができる。具体的には、第1のポケットP1に保持された円すいころ4を小鍔部23の切欠部23aの位置に位置させ、第2のポケットP2に保持された円すいころ4を、小径側の端部が小鍔部23を乗り越えることができるように傾斜させる。この状態で、内輪2の外側に保持器アッシー10を嵌め込むことにより、内輪2と保持器アッシー10とを組み立てることができる。最後に保持器アッシー10の外側に外輪3を嵌め込むことによって、円すいころ軸受1の組立が完了する。
[作用及び効果]
外輪3が取り付けられていない状態において、運転時の状態のときの位置に保持器5が位置し且つ小鍔部23の切欠部23aと第1のポケットP1の円すいころ4との周方向Cの位置がズレているとする。この場合、第1のポケットP1に保持された円すいころ4及び第2のポケットP2に保持された円すいころ4は、いずれも小鍔部23を乗り越えることができる高さまで傾斜できない。このため、外輪3が取り付けられていない状態であっても、保持器アッシー10を内輪2から取外方向Dに取り外すことができない。
また、外輪3が取り付けられていない状態において、運転時の状態のときの位置に保持器5が位置し且つ小鍔部23の切欠部23aの位置に第1のポケットP1の円すいころ4が位置している状態とする。この場合であっても、第1のポケットP1に保持された円すいころ4を切欠部23a側にスライドさせると共に保持器5を取外方向Dにスライドさせ、さらに小鍔部23を乗り越えることができるように第2のポケットP2に保持された円すいころ4を傾斜させない限り、保持器アッシー10を内輪2から取り外すことができない。つまり、小鍔部23に切欠部23aが設けられていたとしても、保持器アッシー10を内輪2から取り外すためには保持器5をスライドさせる等の作業が必要となる。従って、円すいころ軸受1では、保持器アッシー10が内輪2から意図せず脱落することを抑制できる。
また、円すいころ軸受1を分解する場合、外輪3が取り付けられていない状態において、小鍔部23の切欠部23aの位置に第1のポケットP1の円すいころ4を位置させる。そして、第1のポケットP1に保持された円すいころ4を切欠部23a側にスライドさせると共に保持器5を取外方向Dにスライドさせることにより、小鍔部23を乗り越えることができるように第2のポケットP2に保持された円すいころ4を傾斜させることができる。この状態で保持器アッシー10を取外方向Dにスライドさせることで、保持器アッシー10を内輪2から容易に取り外すことができる。
また、円すいころ軸受1の組立を行う場合、内輪2から保持器アッシー10を取り外すときの逆の手順によって、保持器アッシー10を内輪2に取り付けることができる。そして、保持器アッシー10の外側に外輪3を嵌め込むことによって、円すいころ軸受1の組立が完了する。このように、本実施形態における円すいころ軸受1では、ポケットの大きさが大きい保持器を用いておらず、保持器から円すいころが脱落しないように保持器のポケットの大きさを小さくするためのカシメ加工を行うことが不要となっている。
このように円すいころ軸受1は、保持器アッシー10と内輪2との組立及び分解を容易に実施することができる。
円すいころ軸受1の運転時の状態(図4に示される状態)において、第1のポケットP1に保持された円すいころ4の小径側端面4aと第1のポケットP1の第1の幅狭側壁面P1aとの間の隙間S1は、第2のポケットP2に保持された円すいころ4の大径側端面4bと第2のポケットP2の第2の幅広側壁面P2bとの間の隙間T2よりも大きい。この場合、円すいころ軸受1は、分解のために第1のポケットP1に保持された円すいころ4及び保持器5を図6に示されるようにスライドさせたときに、図7及び図8に示されるように第2のポケットP2に保持された円すいころ4の小径側端面4aと第2のポケットP2との隙間S2を広く確保することができる。これにより、分解時において、円すいころ軸受1は、第2のポケットP2に保持された円すいころ4の小径側の端部が第2のポケットP2の壁面に当接することを防止しつつ、小鍔部23を乗り越えることができるように円すいころ4を傾斜させることができる。内輪2に保持器アッシー10を取り付ける際も同様に、円すいころ軸受1は、小鍔部23を乗り越えることができるように第2のポケットP2に保持された円すいころ4を傾斜させることができる。
また、本実施形態における円すいころ軸受1では、第1のポケットP1が周方向Cに沿って等間隔で複数設けられており、切欠部23aが周方向Cにおける第1のポケットP1の設置位置の位相に合わせて、小鍔部23に複数設けられている。この場合、小鍔部23に設けられた切欠部23aの周方向Cの位置に、第1のポケットP1に保持された円すいころ4を位置させる際に、円すいころ4及び保持器5を内輪2に対して回転させる角度をより小さくすることができる。これにより、円すいころ軸受1では、組立及び分解をより容易に行うことができる。
本実施形態における円すいころ軸受1において、第1のポケットP1の数は、第2のポケットP2の数よりも少ない。この場合、円すいころ軸受1は、小鍔部23の切欠部23aの周方向Cの位置に、第1のポケットP1に保持された円すいころ4が位置することを抑制し、意図せず保持器アッシー10が内輪2から脱落することを抑制できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、小鍔部23に設けられた切欠部23aの数は、第1のポケットP1の数と同じであることに限定されず、第1のポケットP1の数よりも多くてもよい。
1…円すいころ軸受、2…内輪、3…外輪、4…円すいころ、4a…小径側端面、4b…大径側端面、5…保持器、21…内輪軌道面、23…小鍔部、23a…切欠部、31…外輪軌道面、51…小径円環部、52…大径円環部、53…柱部、A…軸方向、C…周方向、K…ころ回転軸、P…ポケット、P1…第1のポケット、P1a…第1の幅狭側壁面(第1のポケットの壁面)、P1b…第1の幅広側壁面(第1のポケットの壁面)、P2…第2のポケット、P2a…第2の幅狭側壁面(第2のポケットの壁面)、P2b…第2の幅広側壁面(第2のポケットの壁面)、S1,S2,T1,T2…隙間。

Claims (4)

  1. 円すい台形の内輪軌道面を外周に有すると共に、前記内輪軌道面の小径側端部に設けられた小鍔部を有する内輪と、
    内周に外輪軌道面を有する外輪と、
    前記内輪軌道面と前記外輪軌道面との間に配置された複数の円すいころと、
    前記複数の円すいころのそれぞれを転動自在に保持する保持器と、を備え、
    前記保持器は、
    軸方向において互いに対向する小径円環部、及び前記小径円環部よりも大径の大径円環部と、
    前記小径円環部と前記大径円環部との間において周方向に沿って配列され、前記小径円環部及び前記大径円環部とによって複数のポケットを画定する複数の柱部と、を有し、
    前記複数の円すいころのそれぞれは、前記円すいころの小径側端面が前記小径円環部側を向き且つ前記円すいころの大径側端面が前記大径円環部側を向くように、前記複数のポケットにそれぞれ保持され、
    前記複数のポケットは、第1のポケットと、第2のポケットと、を含み、
    運転時の状態において、前記第1のポケットに保持された前記円すいころの小径側端面と前記第1のポケットの壁面との間のころ回転軸方向に沿った隙間は、前記第2のポケットに保持された前記円すいころの小径側端面と前記第2のポケットの壁面との間のころ回転軸方向に沿った隙間よりも大きく、前記第2のポケットに保持された前記円すいころの大径側端面と前記第2のポケットの壁面との間のころ回転軸方向に沿った隙間は、前記第1のポケットに保持された前記円すいころの大径側端面と前記第1のポケットの壁面との間のころ回転軸方向に沿った隙間よりも大きく、
    前記小鍔部には、前記第1のポケットに保持された前記円すいころが通過可能な切欠部が設けられている、円すいころ軸受。
  2. 前記運転時の状態において、前記第1のポケットに保持された前記円すいころの小径側端面と前記第1のポケットの壁面との間のころ回転軸方向に沿った前記隙間は、前記第2のポケットに保持された前記円すいころの大径側端面と前記第2のポケットの壁面との間のころ回転軸方向に沿った前記隙間よりも大きい、請求項1に記載の円すいころ軸受。
  3. 前記第1のポケットは、周方向に沿って等間隔で複数設けられており、
    前記切欠部は、周方向における前記第1のポケットの設置位置の位相に合わせて、前記小鍔部に複数設けられている、請求項1又は2に記載の円すいころ軸受。
  4. 前記第1のポケットの数は、前記第2のポケットの数よりも少ない、請求項1~3のいずれか一項に記載の円すいころ軸受。

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