JP7516397B2 - メタンの酸化的カップリングのための触媒 - Google Patents

メタンの酸化的カップリングのための触媒 Download PDF

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関連出願の相互参照
本出願は、35U.S.C.§119(e)の下、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、2019年1月30日出願の、米国仮特許出願第62/798,896号の利益を主張する。
本開示は、概して、触媒、より詳細には、メタンの酸化的カップリングなどの様々な触媒反応における、不均一触媒として有用な水蒸気安定な触媒に関する。
オレフィンは、石油化学工業において重要な製品である。オレフィンを生産するため、様々な方法を使用することができる。これらの方法のうちのいくつかは、ナフサ、エタンまたはプロパンのクラッキング、およびメタンの酸化的カップリングである。メタンの酸化的カップリング(oxidative coupling of methane:OCM)法は、メタンから、エチレンおよびプロピレンを含めたオレフィンを生産する方法である。OCM法は、OCM反応器内に保持されるOCM活性触媒を利用する。メタンおよび酸素が反応器を流れて、炭化水素製品の混合物を生じる。
触媒作用とは、化学反応の速度が触媒により向上または低下するかのどちらか一方のプロセスのことである。正触媒は、遷移状態への律速自由エネルギー変化を低下させ、こうして、所与の温度における化学反応の速度が向上する。負触媒は、逆の作用を有する。触媒の活性を向上させる物質は、促進剤または活性化剤と呼ばれ、触媒を不活性化する物質は、触媒毒または脱活性化剤と呼ばれる。他の試薬とは異なり、触媒は、化学反応によって消費されないが、その代わりに、複数の化学変換に関与する。正触媒の場合、触媒反応は、一般に、対応する非触媒反応よりも低い遷移状態への律速自由エネルギー変化を有しており、同一温度における反応速度を増大させる。したがって、所与の温度では、正触媒は、望ましくない副生物の収率を低下させると同時に、所望の生成物の収率を増大させる傾向がある。触媒は、反応自体により消費されないが、触媒は、二次過程によって阻害されることがある、失活することがあるまたは破壊されることがあり、触媒活性を失う。
触媒作用は、任意の数の技術に関与するが、重要な特定領域の1つは、石油化学工業である。原油、ナフサおよび天然ガス液(NGL)のエネルギー集約的吸熱性水蒸気クラッキングが、現代の石油化学工業の基礎にある。クラッキングは、現在の用途における、ほぼすべての基礎化学中間体を生産するために使用される。この分野において、特に、炭化水素を直接酸化するための選択性の高い不均一触媒に関すると、非反応性石油化学原料(例えば、パラフィン、メタン、エタンなど)を変換して、反応性化学中間体(例えば、オレフィン)にすることを対象とする新規技術が依然として大いに必要とされている。
手短に述べると、本開示の実施形態は、天然ガスを高級炭化水素に変換するための、触媒および触媒材料、ならびにそれらの調製法、ならびに/または方法を対象とする。開示されている触媒および触媒材料は、様々な触媒反応に有用である。特定の一実施形態では、触媒および触媒材料は、メタンの酸化的カップリング、またはアルカンのオレフィンへの酸化的脱水素化(例えば、エタンからエチレン、プロパンからプロペン、ブタンからブテンなど)などの、石油化学触媒作用に有用である。
一態様では、触媒が提供される。本触媒は、該触媒が、少なくとも約400℃の温度および少なくとも約2barゲージ圧の圧力において、メタンの酸化的カップリングにおける不均一触媒として使用されると、少なくとも20%のC2+選択性を有する、ランタニド、酸化ランタニドまたはペロブスカイトを含む。
別の態様では、触媒材料が提供される。触媒材料は、担体上に触媒を含む担持触媒である。担体により、触媒の安定性が向上する。本触媒材料は、該触媒が、少なくとも約400℃の温度および少なくとも約2barゲージ圧の圧力において、メタンの酸化的カップリングにおける不均一触媒として使用されると、少なくとも20%のC2+選択性を備える。
さらに別の態様では、メタンの酸化的カップリングを行う方法が提供される。一部の実施形態では、メタン、酸素および水蒸気を含むフィードガスを使用して、OCM反応において、触媒または触媒材料を接触させる。水蒸気により、触媒の触媒性能が向上する。一部のさらなる実施形態では、フィードガスは、触媒の触媒性能をさらに改善するためにエタンも含む。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
以下の式:

(式中、
Aは、ナトリウム(Na)であり、
Bは、マンガン(Mn)、セリウム(Ce)またはそれらの組合せであり、
Cは、タングステン(W)であり、
Oは、酸素であり、
x、yおよびzは、独立して、0より大きな数であり、x、yおよびzは、A が0となる全電荷を有するように選択される)
を有する、メタンの酸化的カップリングのための触媒であって、
ランタニドから選択される少なくとも1種のドーパントをさらに含み、
少なくとも約400℃の温度および少なくとも約2barゲージ圧の圧力において、メタンの酸化的カップリング(OCM)における不均一触媒として使用されると、少なくとも20%のC2+選択性を備える、触媒。
(項目2)
NaMnWO を含む、項目1に記載の触媒。
(項目3)
NaCeWO を含む、項目1に記載の触媒。
(項目4)
NaMn Ce (1-q) WO を含み、qが、0より大きく1未満の数である、項目1に記載の触媒。
(項目5)
前記少なくとも1種のドーパントが、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tb、YbまたはLuを含む、項目1に記載の触媒。
(項目6)
前記少なくとも1種のドーパントが、少なくとも1種のランタニド元素の酸化物である、項目1から5のいずれか一項に記載の触媒。
(項目7)
少なくとも1種のランタニド元素の前記酸化物が、La 、Nd 、Er またはPr を含む、項目6に記載の触媒。
(項目8)
少なくとも1種のランタニド元素の前記酸化物が、Ln1 4-m Ln2 を含み、Ln1およびLn2が、それぞれ独立して、ランタニド元素であり、Ln1およびLn2が同じではなく、mは、0より大きく4未満の範囲の数である、項目6に記載の触媒。
(項目9)
少なくとも1種のランタニド元素の前記酸化物が、La NdO 、LaNd 、La 1.5 Nd 2.5 、La 2.5 Nd 1.5 、La 3.2 Nd 0.8 、La 3.5 Nd 0.5 、La 3.8 Nd 0.2 またはそれらの組合せを含む、項目8に記載の触媒。
(項目10)
前記少なくとも1種のドーパントがナノワイヤを含む、項目1から9のいずれか一項に記載の触媒。
(項目11)
以下の式:
α β χ
(式中、
、A およびA は、それぞれ独立して、周期表の第2族からの元素であり、
、B 、B およびB は、それぞれ独立して、周期表の第4族、第13族またはランタニドからの元素であり、
Oは、酸素であり、
α、β、χは、それぞれ独立して、0~1の範囲の数であり、α、βおよびχは、α、β、χの合計が約1になるように選択され、
w、x、yおよびzは、それぞれ独立して、0~1の範囲の数であり、w、xおよびyは、w、x、yおよびzの合計が約1となるように選択される)
を有するペロブスカイトを含む触媒であって、
少なくとも400℃の温度および少なくとも約2barゲージ圧の圧力において、メタンの酸化的カップリング(OCM)における不均一触媒として使用されると、少なくとも20%のC2+選択性を備える、触媒。
(項目12)
、A およびA が、それぞれ独立して、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)またはバリウム(Ba)である、項目11に記載の触媒。
(項目13)
が、セリウム(Ce)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)またはハフニウム(Hf)である、項目11から12のいずれか一項に記載の触媒。
(項目14)
がインジウム(In)である、項目11から13のいずれか一項に記載の触媒。
(項目15)
およびB が、それぞれ独立して、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)またはイッテルビウム(Yb)である、項目11から14のいずれか一項に記載の触媒。
(項目16)
前記ペロブスカイトが、Ca α Ba β Sr χ Ti In La Nd またはCa α Ba β Sr χ Ti In Nd Eu を含む、項目11から14に記載の触媒。
(項目17)
αが1であり、w、x、yおよびzの合計が約1である、項目11から14のいずれか一項に記載の触媒。
(項目18)
前記ペロブスカイトが、以下の式:

を有する、項目17に記載の触媒。
(項目19)
前記ペロブスカイトが、CaZr In La Nd 、CaZr In Nd Eu 、CaCe In La Nd 、CaTi In Nd Eu またはCaTi In La Nd を含む、項目17から18のいずれか一項に記載の触媒。
(項目20)
前記ペロブスカイトが、SrZr In La Nd 、SrZr In Nd Eu 、SrCe In La Nd またはSrCe In Nd Eu 、SrTi In Nd Eu またはSrTi In La Nd を含む、項目17から18のいずれか一項に記載の触媒。
(項目21)
前記ペロブスカイトが、BaZr In La Nd 、BaZr In Nd Eu 、BaCe In La Nd またはBaCe In Nd Eu 、BaTi In La Nd 、BaTi In Nd Eu 、BaHf In La Nd またはBaHf In Nd Eu を含む、項目17から18のいずれか一項に記載の触媒。
(項目22)
αが1であり、w、xおよびyの合計が約1である、項目11から14のいずれか一項に記載の触媒。
(項目23)
前記ペロブスカイトが、以下の式:

を有する、項目22に記載の触媒。
(項目24)
前記ペロブスカイトが、CaZr In La 、CaZr In Nd 、CaZr In Gd 、CaZr In Yb 、CaCe In La 、CaCe In Nd 、CaCe In Gd 、CaCe In Yb 、CaTi In La 、CaTi In Nd 、CaTi In Gd またはCaTi In Yb を含む、項目22から23のいずれか一項に記載の触媒。
(項目25)
前記ペロブスカイトが、SrZr In La 、SrZr In Nd 、SrZr In Gd 、SrZr In Yb 、SrCe In La 、SrCe In Nd 、SrCe In Gd 、SrCe In Yb 、SrTi In La 、SrTi In Nd 、SrTi In Gd またはSrTi In Yb を含む、項目22から23のいずれか一項に記載の触媒。
(項目26)
前記ペロブスカイトが、BaZr In La 、BaZr In Nd 、BaZr In Gd 、BaZr In Yb 、BaCe In La 、BaCe In Nd 、BaCe In Gd 、BaCe In Yb 、BaTi In La 、BaTi In Nd 、BaTi In Gd 、BaTi In Yb 、BaHf In La 、BaHf Nd 、BaHf In Gd またはBaHf In Yb を含む、項目22から23のいずれか一項に記載の触媒。
(項目27)
前記ペロブスカイトが、CaCe In Nd 、CaCe In Gd 、CaCe In Yb 、BaHf In La 、BaHf Nd 、BaHf In Gd またはBaHf In Yb を含む、項目22から23のいずれか一項に記載の触媒。
(項目28)
αが1であり、w、yおよびzの合計が約1である、項目11から14のいずれか一項に記載の触媒。
(項目29)
前記ペロブスカイトが、以下の式:

を有する、項目28に記載の触媒。
(項目30)
前記ペロブスカイトが、CaZr La Nd 、CaZr Nd Eu 、CaCe La Nd 、CaCe Nd Eu 、CaTi La Nd またはCaTi Nd Eu を含む、項目28から29のいずれか一項に記載の触媒。
(項目31)
前記ペロブスカイトが、SrZr La Nd 、SrZr Nd Eu 、SrCe La Nd 、SrCe Nd Eu 、SrTi La Nd またはSrTi Nd Eu を含む、項目28から29のいずれか一項に記載の触媒。
(項目32)
前記ペロブスカイトが、BaZr La Nd 、BaZr Nd Eu 、BaCe La Nd 、BaCe Nd Eu 、BaTi La Nd 、BaTi Nd Eu 、BaHf La Nd またはBaHf Nd Eu を含む、項目28から29のいずれか一項に記載の触媒。
(項目33)
αが1であり、wおよびyの合計が約1である、項目11から14のいずれか一項に記載の触媒。
(項目34)
前記ペロブスカイトが、以下の式:

を有する、項目33に記載の触媒。
(項目35)
前記ペロブスカイトが、BaHf La 、BaHf Nd 、BaHf Gd またはBaHf Yb を含む、項目33から34のいずれか一項に記載の触媒。
(項目36)
αが約1であり、前記wが1である、項目11から14のいずれか一項に記載の触媒。
(項目37)
前記ペロブスカイトが、以下の式:

を有する、項目36に記載の触媒。
(項目38)
前記ペロブスカイトが、CaZrO 、CaCeO 、CaTiO 、SrZrO 、SrCeO 、SrTiO 、BaZrO 、BaCeO 、BaTiO またはBaHfO を含む、項目36から37のいずれか一項に記載の触媒。
(項目39)
αおよびβの合計が約1であり、w、xおよびyの合計が約1である、項目11から14のいずれか一項に記載の触媒。
(項目40)
前記ペロブスカイトが、以下の式:
α β
を有する、項目39に記載の触媒。
(項目41)
前記ペロブスカイトが、Ba α Sr β Ti In La 、Ba α Sr β Ti In Nd 、Ba α Sr β Ti In Gd 、Ba α Sr β Ti In Yb 、Ca α Sr β Ti In La 、Ca α Sr β Ti In Nd 、Ca α Sr β Ti In Gd またはCa α Sr β Ti In Yb を含む、項目39から40のいずれか一項に記載の触媒。
(項目42)
αおよびβの合計が約1であり、w、yおよびzの合計が約1である、項目11から14のいずれか一項に記載の触媒。
(項目43)
前記ペロブスカイトが、以下の式:
α β
を有する、項目42に記載の触媒。
(項目44)
前記ペロブスカイトが、Ba α Sr β Ti La Nd 、Ba α Sr β Ti Nd Eu 、Ca α Sr β Ti La Nd またはCa α Sr β Ti Nd Eu を含む、項目42から43のいずれか一項に記載の触媒。
(項目45)
αおよびβの合計が約1であり、w、x、yおよびzの合計が約1である、項目11から14のいずれか一項に記載の触媒。
(項目46)
前記ペロブスカイトが、以下の式:
α β
を有する、項目45に記載の触媒。
(項目47)
前記ペロブスカイトが、Ba α Sr β Ti In La Nd 、Ba α Sr β Ti In Nd Eu 、Ca α Sr β Ti In La Nd またはCa α Sr β Ti In Nd Eu を含む、項目45から46のいずれか一項に記載の触媒。
(項目48)
α、βおよびχの合計が約1であり、w、xおよびyの合計が約1である、項目11から14のいずれか一項に記載の触媒。
(項目49)
前記ペロブスカイトが、以下の式:
α β χ
を有する、項目48に記載の触媒。
(項目50)
前記ペロブスカイトが、Ca α Ba β Sr χ Ti In La 、Ca α Ba β Sr χ Ti In Nd 、Ca α Ba β Sr χ Ti In Gd またはCa α Ba β Sr χ Ti In Yb を含む、項目48から49のいずれか一項に記載の触媒。
(項目51)
α、βおよびχの合計が約1であり、w、yおよびzの合計が約1である、項目11から14のいずれか一項に記載の触媒。
(項目52)
前記ペロブスカイトが、以下の式:
α β χ
を有する、項目51に記載の触媒。
(項目53)
前記ペロブスカイトが、Ca α Ba β Sr χ Ti La Nd またはCa α Ba β Sr χ Ti Nd Eu を含む、項目51から52のいずれか一項に記載の触媒。
(項目54)
第13族およびランタニドからの1種または複数種の元素から選択されるドーパントをさらに含む、項目11から53のいずれか一項に記載の触媒。
(項目55)
前記ドーパントが、複数のナノワイヤを含む、項目54に記載の触媒。
(項目56)
前記ドーパントが、第13族およびランタニドからの元素の酸化物を含む、項目54から55のいずれか一項に記載の触媒。
(項目57)
前記ドーパントが、La 、Nd 、Er 、Pr またはそれらの組合せを含む、項目56に記載の触媒。
(項目58)
前記ドーパントが、第13族およびランタニドからの2種またはそれより多い種類の元素の酸化物を含む、項目54から55のいずれか一項に記載の触媒。
(項目59)
前記酸化物が、二成分系金属混合酸化物または三成分系金属混合酸化物を含む、項目58に記載の触媒。
(項目60)
前記ドーパントが、La NdO 、LaNd 、La 1.5 Nd 2.5 、La 2.5 Nd 1.5 、La 3.2 Nd 0.8 、La 3.5 Nd 0.5 、La 3.8 Nd 0.2 またはそれらの組合せを含む、項目59に記載の触媒。
(項目61)
サマリウム(Sm)の酸化物、水酸化物またはオキシ水酸化物を含む触媒であって、少なくとも400℃の温度および少なくとも約2barゲージ圧の圧力において、メタンの酸化的カップリング(OCM)における不均一触媒として使用されると、少なくとも20%のC2+選択性を備える、触媒。
(項目62)
Ba、Sr、Ca、Na、Ce、Ba/Ce、Ba/Sr、Ca/SrまたはNa/Ceを含む、1種または複数種のドーパントをさらに含む、項目61に記載の触媒。
(項目63)
前記1種または複数種のドーパントがナノワイヤを含む、項目62に記載の触媒。
(項目64)
少なくとも600℃の温度および少なくとも約8barゲージ圧の圧力において、前記OCMにおける不均一触媒として使用されると、少なくとも20%のC2+選択性を備える、項目1から63のいずれか一項に記載の触媒。
(項目65)
前記メタンの酸化的カップリングにおいて、約1,000時間、不均一触媒として使用された後に、前記C2選択性の少なくとも90%を維持する、項目1から63のいずれか一項に記載の触媒。
(項目66)
前記メタンの酸化的カップリングにおいて、ガス毎時空間速度(GHSV)において、約1,000時間、不均一触媒として使用された後に、前記C2選択性の少なくとも90%を維持する、項目1から63のいずれか一項に記載の触媒。
(項目67)
担体と組み合わされた、項目1から63のいずれか一項に記載の触媒
(項目68)
前記担体上に配置された、その中に含浸された、またはそれらの組合せである、項目67に記載の触媒。
(項目69)
フィルムとして前記担体上に配置された、項目68に記載の触媒。
(項目70)
粒子として前記担体上に配置された、項目68に記載の触媒。
(項目71)
前記担体が、以下:
a. 少なくとも80%のアルミナ
b. 約0.3立方センチメートル/グラム(cc/g)より大きな細孔体積、または
c. 二峰性の細孔サイズ分布
のうちの少なくとも1つを含む、項目67から70のいずれか一項に記載の触媒。
(項目72)
前記担体が、アルファ相アルミナ、ガンマ相アルミナまたはそれらの組合せを含む、項目67から71のいずれか一項に記載の触媒。
(項目73)
前記アルミナが、少なくとも75%のアルファ相アルミナである、項目67から72のいずれか一項に記載の触媒。
(項目74)
前記二峰性の細孔サイズ分布が、細孔体積対細孔径のプロット上にある、項目67から73のいずれか一項に記載の触媒。
(項目75)
前記二峰性の細孔サイズ分布が、約5マイクロメートル未満である第1の極大細孔径、および約15マイクロメートルより大きな第2の極大細孔径を有する、項目74に記載の触媒。
(項目76)
前記担体がジルコニアを含む、項目67から70のいずれか一項に記載の触媒。
(項目77)
前記担体が、Yb、Ce、Alまたはそれらの組合せから選択される安定化剤をさらに含む、項目76に記載の触媒。
(項目78)
前記担体が、少なくとも0.5m /gの表面積を備える、項目67から77のいずれか一項に記載の触媒。
(項目79)
担体と組み合わせたOCM活性触媒を含む触媒材料であって、前記OCM活性触媒が、ランタニドからの1種または複数種の元素を含み、前記担体が、アルファ相アルミナ、ガンマ相アルミナまたはそれらの組合せを含む、触媒材料。
(項目80)
前記担体がアルファ相アルミナを含む、項目79に記載の触媒材料。
(項目81)
前記担体がガンマ相アルミナを含む、項目79に記載の触媒材料。
(項目82)
前記担体が少なくとも75%のアルファ相アルミナを含む、項目79に記載の触媒材料。
(項目83)
前記担体が、以下:
a. 少なくとも80%のアルミナ、
b. 約0.3立方センチメートル/グラム(cc/g)より大きな細孔体積、または
c. 二峰性の細孔サイズ分布
のうちの少なくとも1つを含む、項目79に記載の触媒材料。
(項目84)
前記OCM活性触媒が複数のナノワイヤを含む、項目79から84のいずれか一項に記載の触媒材料。
(項目85)
前記OCM活性触媒の前記担体に対する重量比が、95:5~5:95の範囲である、項目79から84のいずれか一項に記載の触媒材料。
(項目86)
前記OCM活性触媒が、ランタニドの酸化物またはランタニドの混合酸化物を含む、項目79から85のいずれか一項に記載の触媒材料。
(項目87)
前記OCM活性触媒が、Nd 、Eu 、Pr またはそれらの組合せを含む、項目86に記載の触媒材料。
(項目88)
少なくとも400℃の温度および少なくとも約2barゲージ圧の圧力において、前記OCMにおける不均一触媒として使用されると、少なくとも20%のC2+選択性を備える、項目79から87のいずれか一項に記載の触媒材料。
(項目89)
項目1から78のいずれか一項に記載の触媒または項目79から88のいずれか一項に記載の触媒材料を含む形成された触媒材料であって、ある特定の時間、水蒸気に曝露された後に、1N/mm より大きな破砕強度をさらに備える、形成された触媒材料。
(項目90)
押圧ペレット、押出成形物、キャスト成形物品またはモノリスである、項目89に記載の形成された触媒材料。
(項目91)
前記形成された触媒材料の形状が、円筒、ロッド、星形、リブ状、三葉、ディスク、中空、ドーナツ、環形状、ペレット、管、球形、ハニカム、カップ、ボールおよび不規則形状から選択される、項目89または90に記載の形成された触媒材料。
(項目92)
10N/mm より大きな破砕強度を備える、項目89から91のいずれか一項に記載の形成された触媒材料。
(項目93)
メタンの酸化的カップリング(OCM)の方法であって、約400℃~約950℃の範囲の温度において、メタンおよび酸素を含むフィードガスに、項目1から78のいずれか一項に記載の触媒または項目79から92のいずれか一項に記載の触媒材料を接触させて、C2+炭化水素を含む生成物ガスを形成させるステップを含む、方法。
(項目94)
約400℃~約900℃の範囲の入口温度において、前記フィードガスを導入するステップをさらに含む、項目93に記載の方法。
(項目95)
前記フィードガスが水蒸気をさらに含む、項目93から94のいずれか一項に記載の方法。
(項目96)
前記フィードガスがエタンをさらに含む、項目93から95のいずれか一項に記載の方法。
(項目97)
前記フィードガス中の水蒸気対メタンのモル比が、約0.25対1~約5対1の範囲である、項目95または96に記載の方法。
(項目98)
前記触媒または前記触媒材料が、少なくとも400℃の温度および少なくとも約2barゲージ圧の圧力において、前記OCMにおける不均一触媒として使用されると、前記触媒または前記触媒材料が、少なくとも20%のC2+選択性を備える、項目93から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目99)
前記触媒または前記触媒材料が、少なくとも600℃の温度および少なくとも約8barゲージ圧の圧力において、前記OCMにおける不均一触媒として使用されると、前記触媒または前記触媒材料が、少なくとも20%のC2+選択性を備える、項目93から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目100)
前記触媒または前記触媒材料が、1000h -1 より大きな毎時空間速度で前記フィードガスと接触される、項目93から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目101)
前記触媒または前記触媒材料が、10,000h -1 より大きな毎時空間速度で前記フィードガスと接触される、項目93から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目102)
前記フィードガスが水蒸気を含む場合の前記触媒または前記触媒材料のメタン変換率が、前記フィードガスが水蒸気を含まない場合の前記触媒または前記触媒材料のメタン変換率の少なくとも約150%である、項目95から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目103)
前記フィードガスが水蒸気を含む場合の前記触媒または前記触媒材料のC2+選択性が、前記フィードガスが水蒸気を含まない場合の前記触媒または前記触媒材料のメタン変換率の少なくとも約150%である、項目95から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目104)
前記触媒または前記触媒材料が、約1,000時間の前記フィードガスとの接触の後にC2選択性の少なくとも90%を維持する、項目93から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目105)
前記触媒または前記触媒材料が、約10,000時間の前記フィードガスとの接触の後にC2選択性の少なくとも90%を維持する、項目93から97のいずれか一項に記載の方法。
図面では、図面における要素の大きさおよび相対位置は、必ずしも縮尺通りに図示されていない。例えば、様々な要素および角度は、縮尺通りに図示されておらず、これらの要素のいくつかは、任意に拡大されており、図面の読み易さを改善するように位置づけられている。さらに、図示されている通りの要素の特定の形状は、その特定の要素の実際の形状に関するいずれかの情報を伝えることを意図するものではなく、図面における理解を単に容易にするよう選択されている。
図1は、メタンの酸化的カップリング(OCM)を概略して示す図である。
図2は、OCM活性触媒の搭載量の関数として、N吸着およびHg多孔度測定により測定した触媒材料の表面積を示す図である。
図3は、様々な圧力、温度および空間速度における、代表的な触媒材料のC+選択性を示す図である。
図4は、時間オンストリーム(time on stream:TOS)の関数として、式(I)の触媒およびアルミナ担体(A)を含む触媒材料(A)、ならびに式(I)の触媒およびシリカ担体(B)を含む触媒材料(B)に関する、C2+選択性の比較結果を示す図である。
図5は、2種の温度サイクル下での、それぞれ、触媒材料(A)および触媒材料(B)に関するTOSの関数としてのC2+選択性およびC2収率を示す図である。
図6は、式(I)の触媒を含む触媒材料(C)、および酸化ランタニドナノワイヤをドープした式(I)の触媒を含む触媒材料(D)に関する総収率データを提示する図である。
図7は、フィードガスが水蒸気を含有する場合と、フィードガスが水蒸気を含有しない場合の、式(IIE)の触媒に関する収率の比較結果を示す図である。
図8は、酸化ランタニドを含む触媒に関するC2収率、C2+選択性およびメタン変換率のデータを提示する図である。
図9は、酸化ランタニド混合物を含む触媒に関するC2収率、C2+選択性およびメタン変換率データを提示する図である。
以下の記載では、様々な実施形態の完全な理解をもたらすために、ある特定の詳細が説明されている。しかし、当業者は、本開示が、これらの詳細なしに行われ得ることを理解していよう。他の例では、周知の構造は、示されていないか、または実施形態の不必要な曖昧な記載を回避するために詳述されている。文脈上異なる解釈を要する場合を除き、以下の本明細書および特許請求の範囲の全体を通じて、語「含む(comprise)」、ならびに「含む(comprises)」および「含むこと(comprising)」などのその変化形は、オープンな包括的な意味で、すなわち「以下に限定されないが、含む」として、解釈されるものとする。さらに、本明細書において提示されている標題は、便宜的なものに過ぎず、特許請求されている開示の範囲または意味を解釈するものではない。
本明細書の全体にわたる、「一実施形態」または「実施形態」への言及は、その実施形態に関連して記載されている特定の特徴、構造または特性が、少なくとも一実施形態に含まれていることを意味する。したがって、本明細書の全体にわたり様々な場所における言い回し「一実施形態では」または「実施形態では」の出現は、必ずしもすべてが、同じ実施形態に言及しているとは限らない。さらに、特定の特性、構造または特徴が、任意の好適な方法で、1つまたは複数の実施形態に組み合わされてもよい。同様に、本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、その内容が別段の明確な指示をしない限り、複数の指示対象を含む。用語「または」は、その内容が特に明白に示さない限り、「および/または」を含む意味で一般に使用されていることにも留意すべきである。さらに、本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、用語「約」は、明記されている数値または範囲に関連して使用される場合、当業者によって「約」に帰するのが妥当な意味を有しており、すなわち、明記した値の±20%;明記した値の±19%;明記した値の±18%;明記した値の±17%;明記した値の±16%;明記した値の±15%;明記した値の±14%;明記した値の±13%;明記した値の±12%;明記した値の±11%;明記した値の±10%;明記した値の±9%;明記した値の±8%;明記した値の±7%;明記した値の±6%;明記した値の±5%;明記した値の±4%;明記した値の±3%;明記した値の±2%;または明記した値の±1%の範囲内までの明記した値または範囲よりいくらか高いまたはいくらか低いことを意味する。
定義
本明細書で使用する場合、および文脈が特に示さない限り、以下の用語は、以下に指定されている意味を有する。
「触媒」は、化学反応の速度を改変する物質を意味する。触媒は、化学反応速度を向上させる(すなわち、「正触媒」)、または反応速度を低下させる(すなわち、「負触媒」)かのどちらか一方とすることができる。触媒は、触媒が周期的に再生成されるよう、循環様式で反応に関与する。「触媒的な」は、触媒の特性を有することを意味する。
「触媒材料」とは、複数の触媒粒子を指し、この粒子は、担体、希釈剤および/または結合剤と必要に応じて組み合わされてもよい。
「触媒形成物」または「触媒的な形成物」とは、触媒材料の物理的な形成物を指す。例えば、触媒形成物は、以下にさらに詳細に議論されている、ハニカム構造体、グリッド、モノリスなどを含む、様々な形状に押出成形されたもしくはペレット化された、または様々な担体構造体上に配置された触媒および/または触媒材料を含む。
「触媒配合物」または「触媒的配合物」とは、触媒材料の化学組成物を指す。例えば、触媒配合物は、触媒、ならびに1種または複数種の担体、希釈剤および/または結合材料を含んでもよい。
「押出成形物」とは、適切な形状のダイまたは開口部から、触媒を含む半固体材料に力をかけることによって調製された材料(例えば、触媒材料)を指す。押出成形物は、当分野で公知の一般的な手段によって、様々な形状および構造体に調製することができる。
「形成された凝集物」または「形成された触媒材料」とは、単独の、または1種もしくは複数の他の材料、例えば、触媒材料、ドーパント、希釈剤、支持材料、結合剤などとの連携のどちらか一方で、単一粒子が形成される触媒材料粒子の凝集を指す。形成された凝集物は、非限定的に、「押出成形物」と呼ばれる押出成形粒子、圧縮またはキャスト形成粒子、例えば、錠剤、長円形、球状粒子などのペレット、被覆粒子、例えば、噴霧、浸漬またはパンコーティング粒子、パン凝集粒子、浸漬粒子、例えばモノリス、ホイル、発泡体、ハニカムなどを含む。形成された凝集物は、サイズが、個々の断面がミクロン範囲から断面がミリメートル範囲を有する粒子から、断面がセンチメートルの程度またはメートルさえもあり得るモノリシックな形成された凝集物などのさらに大きな粒子までの範囲とすることができる。
「ペレット」、「押圧ペレット」、「錠剤」または「錠剤化されている」とは、触媒を含む材料に圧力をかけて(すなわち、圧縮する)所望の形状にすることによって調製される材料(例えば、触媒材料)を指す。様々な寸法および形状を有するペレットは、当分野において共通の技法によって調製することができる。
「モノリス」または「モノリス担体」は、一般に、隣接する通路を分離する多孔質または非多孔質壁を有する、不規則または規則パターンのどちらか一方で、単一構造単位に配置されている通路を好ましくは有する、単一構造単位から形成された構造体である。このようなモノリシック担体の例は、例えば、セラミック構造体または金属発泡体様構造体または多孔質構造体を含む。単一構造単位は、従来的な微粒子または粒状触媒(例えば、ペレットまたは押出成形物)の代わりに、またはこれらに加えて使用されてもよい。このような不規則パターンのモノリス基材の例は、溶融金属に使用されるフィルターを含む。モノリスは、一般に、約60%~90%の範囲の多孔質画分、および類似した体積の充填床の流れ抵抗よりも実質的に小さな流れ抵抗(例えば、類似する体積の充填床の流れ抵抗の約10%~30%)を有する。規則的なパターンの基材の例には、自動車からの排ガスを精製するために使用される、ならびに様々な化学プロセスおよび不規則な通路を有するセラミック製発泡構造体に使用される、モノリスハニカム担体を含む。アルミナ、ジルコニア、イットリウム、炭化ケイ素およびそれらの混合物などの従来的な不応性材料またはセラミック製材料から作製された多数のタイプのモノリス担体構造体が、周知であり、とりわけ、Corning,Iac.;Vesuvius Hi-Tech Ceramics,Inc.;およびPorvair Advanced Materials,Inc.およびSiCAT(Sicatalyst.com)から市販されている。モノリスには、以下に限定されないが、発泡体、ハニカム、ホイル、メッシュ、ガーゼなどが含まれる。
「バルク触媒」または「バルク材料」は、ナノサイズの寸法を含まない触媒を指す。例えば、バルク触媒および材料は、一般に、100ナノメートルまたはそれより大きな寸法を有する。このような材料は、例えば、従来的な技法により、例えば、大きな触媒粒子をミル粉砕または磨砕して、より小さな/より高い表面積の触媒粒子を得ることによって調製することができる。
「ナノ構造触媒」は、ナノメートル程度(例えば、約1~100ナノメートルの間)の少なくとも1つの寸法を有する触媒を意味する。ナノ構造触媒の非限定例は、ナノ粒子触媒およびナノワイヤ触媒を含む。
「ナノ粒子」は、ナノメートル程度(例えば、約1~100ナノメートルの間)の少なくとも1つの直径を有する粒子を意味する。
「ナノワイヤ」は、ナノメートル程度(例えば、約1~100ナノメートルの間)の少なくとも1つの寸法、および10:1を超えるアスペクト比を有するナノワイヤ構造体を意味する。ナノワイヤの「アスペクト比」とは、ナノワイヤの実際長(L)の直径(D)に対する比のことである。アスペクト比は、L:Dとして表される。例示的なナノワイヤは、当分野で公知であり、その全体の全開示が、すべての目的のため、参照により本明細書に組み込まれている、同時係属米国特許出願第13/115,082号(米国公開第2012/0041246号);同第13/689,611号(米国公開第US-2013/0165728号);および同第13/689,514号(米国公開第2013/0158322号)により詳細に記載されている。
「多結晶性ナノワイヤ」は、複数の結晶ドメインを有するナノワイヤを意味する。多結晶性ナノワイヤは、対応する「単結晶性」ナノワイヤと比べると、異なる形態(例えば、屈曲状対線状)を有することが多い。
ナノワイヤの「有効長」は、5keVでの明視野モードで透過型電子顕微鏡法(TEM)によって測定される、ナノワイヤの2つの遠位端部間の最短距離を意味する。「平均有効長」とは、複数のナノワイヤ内の個々のナノワイヤの有効長の平均値を指す。
ナノワイヤの「実際長」は、5keVでの明視野モードでTEMによって測定される、ナノワイヤの骨格に沿って追跡されるナノワイヤの2つの遠位端部間の距離を意味する。「平均実際長」とは、複数のナノワイヤ内の個々のナノワイヤの実際長の平均値を指す。
ナノワイヤの「直径」は、ナノワイヤの実際長の軸に垂直(すなわち、ナノワイヤの骨格に対して垂直)な軸で測定される。ナノワイヤの直径は、ナノワイヤ骨格に沿って異なる点で測定すると、狭いところから広いところまで様々になるであろう。本明細書で使用する場合、ナノワイヤの直径は、最も多い(すなわち、最頻値)直径である。
「有効長の実際長に対する比」は、有効長を実際長により除算することによって求められる。「屈曲形態」を有するナノワイヤは、本明細書においてより詳細に記載されている通り、1未満の有効長の実際長に対する比を有する。真っすぐなナノワイヤは、本明細書においてより詳細に記載されている通り、1に等しい有効長の実際長に対する比を有する。
「無機の」は、金属または半金属元素を含む物質を意味する。ある特定の実施形態では、無機とは、金属元素を含む物質を指す。無機化合物は、1種もしくは複数の金属をその元素状態で含有することができるか、またはより典型的には、静電相互作用により金属イオンの正電荷のバランスをとり中和する、金属イオン(Mn+であり、nは、1、2、3、4、5、6または7)および陰イオン(Xm-であり、mは、1、2、3または4)により形成される化合物を含有することができる。無機化合物の非限定例には、金属元素の酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩およびそれらの組合せを含む。無機化合物の他の非限定例には、LiCO、LiPO、LiOH、LiO、LiCl、LiBr、LiI、Li、LiSO、NaCO、NaPO、NaOH、NaO、NaCl、NaBr、NaI、Na、NaSO、KCO、KPO、KOH、KO、KCl、KBr、KI、K、KSO、CsCO、CsPO、CsOH、CsO、CsCl、CsBr、CsI、CsC、CsSO、Be(OH)、BeCO、BePO、BeO、BeCl、BeBr、BeI、BeC、BeSO、Mg(OH)、MgCO、MgPO、MgO、MgCl、MgBr、MgI、MgC、MgSO、Ca(OH)、CaO、CaCO、CaPO、CaCl、CaBr、CaI、Ca(OH)、CaC、CaSO、Y、Y(CO、Y(PO、Y(OH)、YCl、YBr、YI、Y(CO4)、Y(SO4)、Zr(OH)、Zr(CO、Zr(PO、ZrO(OH)、ZrO2、ZrCl、ZrBr、ZrI、Zr(C、Zr(SO、Ti(OH)、TiO(OH)、Ti(CO、Ti(PO、TiO2、TiCl、TiBr、TiI、Ti(C、Ti(SO、BaO、Ba(OH)、BaCO、BaPO、BaCl、BaBr、BaI、BaC、BaSO、La(OH)、La(CO、La(PO、La、LaCl、LaBr、LaI、La(C、La(SO、Ce(OH)、Ce(CO、Ce(PO、CeO、Ce、CeCl、CeBr、CeI、Ce(C、Ce(SO、ThO、Th(CO、Th(PO、ThCl、ThBr、ThI、Th(OH)、Th(C、Th(SO、Sr(OH)、SrCO、SrPO、SrO、SrCl、SrBr、SrI、SrC、SrSO、Sm、Sm(CO、Sm(PO、SmCl、SmBr、SmI、Sm(OH)、Sm(CO3)、Sm(C、Sm(SO、LiCaBiCl、NaWO、K/SrCoO、K/Na/SrCoO、Li/SrCoO、SrCoO、酸化モリブデン、水酸化モリブデン、炭酸モリブデン、リン酸モリブデン、塩化モリブデン、臭化モリブデン、ヨウ化モリブデン、シュウ酸モリブデン、硫酸モリブデン、酸化マンガン、塩化マンガン、臭化マンガン、ヨウ化マンガン、水酸化マンガン、シュウ酸マンガン、硫酸マンガン、タングステン酸マンガン、酸化バナジウム、炭酸バナジウム、リン酸バナジウム、塩化バナジウム、臭化バナジウム、ヨウ化バナジウム、水酸化バナジウム、シュウ酸バナジウム、硫酸バナジウム、酸化タングステン、炭酸タングステン、リン酸タングステン、塩化タングステン、臭化タングステン、ヨウ化タングステン、水酸化タングステン、シュウ酸タングステン、硫酸タングステン、酸化ネオジム、炭酸ネオジム、リン酸ネオジム、塩化ネオジム、臭化ネオジム、ヨウ化ネオジム、水酸化ネオジム、シュウ酸ネオジム、硫酸ネオジム、酸化ユーロピウム、炭酸ユーロピウム、リン酸ユーロピウム、塩化ユーロピウム、臭化ユーロピウム、ヨウ化ユーロピウム、水酸化ユーロピウム、シュウ酸ユーロピウム、硫酸ユーロピウム 酸化レニウム、炭酸レニウム、リン酸レニウム、塩化レニウム、臭化レニウム、ヨウ化レニウム、水酸化レニウム、シュウ酸レニウム、硫酸レニウム、酸化クロム、炭酸クロム、リン酸クロム、塩化クロム、臭化クロム、ヨウ化クロム、水酸化クロム、シュウ酸クロム、硫酸クロム、モリブデン酸カリウムなどが含まれる。
「酸化物」とは、酸素を含む金属化合物を指す。酸化物の例には、以下に限定されないが、金属酸化物(M)、オキシハロゲン化金属(M)、金属オキシ硝酸塩(M(NO)、金属リン酸塩(M(PO)、金属オキシ炭酸塩(M(CO)、金属炭酸塩、金属オキシ水酸化物(M(OH))、金属水酸化物(M(OH))などが含まれ、Xは、独立して出現ごとに、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり、x、yおよびzは、1~100の数である。
「結晶ドメイン」は、連続領域であって、その領域全体にわたり物質が結晶性である連続領域を意味する。
「単結晶性ナノワイヤ」は、単結晶ドメインを有するナノワイヤを意味する。
「ターンオーバー数」とは、触媒が単位時間あたりに生成物分子に変換することができる、反応剤分子の数の尺度である。
「活性な」または「触媒的に活性な」とは、目的の反応において、実質的な活性を有する触媒を指す。例えば、一部の実施形態では、OCM活性な触媒(すなわち、OCM反応に活性を有する)は、該触媒が、950℃もしくはそれ未満、例えば900℃もしくはそれ未満、850℃もしくはそれ未満、800℃もしくはそれ未満、750℃もしくはそれ未満、または700℃もしくはそれ未満の温度で、メタンの酸化的カップリングにおける不均一触媒として使用されると、5%もしくはそれより高いC2+選択性および/または5%もしくはそれより高いメタン変換率を有する。
「不活性な」または「触媒的に不活性な」とは、目的の反応において、実質的な活性を有さない触媒を指す。例えば、一部の実施形態では、OCMに不活性な触媒は、該触媒が、950℃もしくはそれ未満、例えば900℃もしくはそれ未満、850℃もしくはそれ未満、800℃もしくはそれ未満、750℃もしくはそれ未満、または700℃もしくはそれ未満の温度で、メタンの酸化的カップリングにおける不均一触媒として使用されると、5%未満のC2+選択性および/または5%未満のメタン変換率を有する。
「メタン変換率」は、消費されるフィードガス中の酸素の割合である。
「活性化温度」とは、触媒が触媒的に活性になる温度を指す。
「ライトオフ温度」とは、触媒または触媒材料が、所望の反応を開始するのに十分な触媒活性を有する温度のことである。ある特定の実施形態では、例えば、OCMのような発熱反応の場合、ライトオフ温度は、触媒反応の開始を可能にするだけではなく、熱的に自給できる、例えば、開始温度またはそれより高い温度で反応温度を維持するほど十分な熱エネルギーを発生する速度で開始することができるほど十分なレベルにある。
「OCM活性」は、触媒がOCM反応を触媒する能力を指す。
「高いOCM活性」を有する触媒とは、該触媒を、特定の温度、例えば750℃またはそれ未満において、メタンの酸化的カップリングにおける不均一触媒として使用した場合、50%またはそれより高いC2+選択性および10%またはそれより高いメタン変換率を有する触媒を指す。
「中程度のOCM活性」を有する触媒とは、該触媒を、750℃またはそれ未満の温度において、メタンの酸化的カップリングにおける不均一触媒として使用した場合、約20~50%のC2+選択性および約5~10%のメタン変換率を有する触媒を指す。
「低いOCM活性」を有する触媒とは、該触媒を、750℃またはそれ未満の温度において、メタンの酸化的カップリングにおける不均一触媒として使用した場合、約5~20%のC2+選択性および約1~5%のメタン変換率を有する触媒を指す。
「基礎材料」は、触媒の主な触媒的に活性な構成成分を指す。例えば、ドーパントをドープした希土類酸化物は、希土類酸化物基礎材料を含む。
「ドーパント」、「ドープ剤」または「ドープ元素」は、触媒性能を最適化する(例えば、触媒活性を向上または低下させる)ため、触媒に添加または組み込まれる添加物である。ドープした触媒は、ドープしていない触媒に比べて、該触媒により触媒される反応の選択性、変換率および/または収率を向上または低下させることがある。ドーパントは、任意の量の基礎触媒中に存在してもよく、一部の実施形態では、基礎触媒に対して50重量%またはそれ未満で存在してもよいか、または他の実施形態では、基礎触媒に対して50重量%を超えて存在する。
「原子百分率」(at%またはat/at)または「原子比」とは、ナノワイヤドーパントの文脈において使用する場合、ナノワイヤ中のドーパント原子の総数の金属原子の総数に対する比を指す。例えば、リチウムをドープしたMgMnOナノワイヤ中のドーパントの原子百分率は、リチウム原子の総数を計算し、マグネシウムおよびマンガン原子の総数の合計によって除算し、100を乗算することによって決定される(すなわち、ドーパントの原子百分率=[Li原子/(Mg原子+Mn原子)]×100)。
「重量パーセント(重量/重量)」は、ナノワイヤドーパントの文脈において使用する場合、ドーパントの総重量のドーパントとナノワイヤとを合わせた総重量に対する比を指す。例えば、リチウムをドープしたMgMnOナノワイヤ中のドーパントの重量パーセントは、リチウムの総重量を計算し、リチウムとMgMnOとを合せた総重量の合計により除算し、100を乗算することによって決定される(すなわち、ドーパントの重量パーセント=[Li重量/(Li重量+MgMnO重量)]×100)。
本明細書で使用する場合、有効直径は、6×(体積)/(表面積)として計算される。
「第1族」元素は、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)およびフランシウム(Fr)を含む。
「第2族」元素は、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)およびラジウム(Ra)を含む。
「第3族」元素は、スカンジウム(Sc)およびイットリウム(Y)を含む。
「第4族」元素は、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)およびラザホージウム(Rf)を含む。
「第5族」元素は、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)およびドブニウム(Db)を含む。
「第6族」元素は、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)およびシーボーギウム(Sg)を含む。
「第7族」元素は、マンガン(Mn)、テクネチウム(Tc)、レニウム(Re)およびボーリウム(Bh)を含む。
「第8族」元素は、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)およびハッシウム(Hs)を含む。
「第9族」元素は、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)およびマイトネリウム(Mt)を含む。
「第10族」元素は、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)およびダームスタチウム(Ds)を含む。
「第11族」元素は、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)およびレントゲニウム(Rg)を含む。
「第12族」元素は、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、水銀(Hg)およびコペルニシウム(Cn)を含む。
「第13族」元素は、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)およびタリウム(Tl)を含む。
「第15族」元素は、窒素(N)、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)およびモスコビウム(Mc)を含む。
「ランタニド」には、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)およびルテチウム(Lu)が含まれる。
「アクチニド」には、アクチニウム(Ac)、トリウム(Th)、プロトアクチニウム(Pa)、ウラン(U)、ネプツニウム(Np)、プルトニウム(Pu)、アメリシウム(Am)、キュリウム(Cm)、バークリウム(Bk)、カリホルニウム(Cf)、アインスタイニウム(Es)、フェルミウム(Fm)、メンデレビウム(Md)、ノーベリウム(No)およびローレンシウム(Lr)が含まれる。
「希土類元素」は、第3族元素、ランタニドおよびアクチニドを含む。
「金属元素」または「金属」は、水素を除き、第1族から第12族、ランタニド、アクチニド、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、スズ(Sn)、タリウム(Tl)、鉛(Pb)およびビスマス(Bi)から選択される、任意の元素である。例えば、金属元素が、金属元素を含む化合物の形態で他の元素と一緒にされている場合、金属元素は、その元素形態にある金属元素、および酸化状態または還元状態にある金属元素を含む。例えば、金属元素は、水和物、塩、酸化物、およびそれらの様々な多形の形態などにあることができる。
「半金属元素」は、ホウ素(B)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)およびポロニウム(Po)から選択される元素を指す。
「非金属元素」とは、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)、フッ素(F)、リン(P)、硫黄(S)、塩素(Cl)、セレン(Se)、臭素(Br)、ヨウ素(I)およびアスタチン(At)から選択される元素を指す。
「C2」とは、2個の炭素原子しか有していない炭化水素(すなわち、炭素および水素原子からなる化合物)、例えばエタンおよびエチレンを指す。
「C3」とは、3個の炭素原子しか有していない炭化水素、例えばプロパンおよびプロピレンを指す。
「C2+」または「C2+化合物」とは、2個またはそれより多い炭素原子、例えば、2個の炭素原子(C2)、3個の炭素原子(C3)などを有する化合物を指す。C2+化合物は、非限定的に、2個またはそれより多い炭素原子を含有する、アルカン、アルケン、アルキンおよび芳香族を含む。いくつかの例では、C2+化合物は、アルデヒド、ケトン、エステルおよびカルボン酸を含む。C2+化合物の例には、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロペン、ブタン、ブテンなどが含まれる。
「非C2+不純物」とは、C2+化合物を含まない材料を指す。非C2+不純物の例には、窒素(N)、酸素(O)、水(HO)、アルゴン(Ar)、水素(H)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)およびメタン(CH)が含まれる。
「変換率」は、生成物(単数または複数)に変換された反応剤のモル分率(すなわち、パーセント)を意味する。
「選択性」とは、指定した生成物に向かった変換された反応剤の割合を指し、例えば、C2選択性は、エタンおよびエチレンを形成した変換されたメタンの%であり、C3選択性は、プロパンおよびプロピレンを形成した変換されたメタンの%であり、C2+選択性は、エタンおよびエチレン、プロパンおよびプロピレン、ならびに他の高級炭化水素を形成した変換されたメタンの%であり、CO選択性は、COを形成した変換されたメタンの%である。
「収率」は、得ることが可能な理論最大生成物に対して、得られた生成物の尺度(例えば、パーセント)である。収率は、得られた生成物のモル量をモル数での理論収率によって除算することによって計算される。パーセント収率は、この値に100を乗算することによって計算される。C2収率は、反応器出口に存在するエタンおよびエチレンの流れのモル数の合計に2を乗算し、入口のメタンの流れのモル数により除算したものとして定義される。C3収率は、反応器出口に存在するプロパンおよびプロピレンの流れのモル数の合計に3を乗算し、入口のメタンの流れのモル数により除算したものとして定義される。C2+収率は、C2収率およびC3収率の合計である。収率はまた、メタン変換率に関連する選択性を乗算することにより計算可能であり、例えば、C2収率は、メタン変換率にC2選択性を乗算したものに等しい。C2+収率は、メタン変換率にC2+選択性を乗算したものに等しい。
「アルカン」とは、直鎖状または分岐状の非環式または環式飽和脂肪族炭化水素を意味する。アルカンは、線状、分岐状および環式構造を含む。代表的な直鎖状アルカンには、メタン、エタン、n-プロパン、n-ブタン、n-ペンタン、n-ヘキサンなどが含まれる一方、分岐状アルカンには、sec-ブタン、イソ-ブタン、tert-ブタン、イソ-ペンタンなどが含まれる。代表的な環式アルカンには、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどが含まれる。
「アルケン」とは、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する、直鎖状または分岐状の非環式または環式不飽和脂肪族炭化水素を意味する。アルケンは、線状、分岐状および環式構造を含む。代表的な直鎖状および分岐状のアルケンは、エチレン、プロピレン、1-ブテン、2-ブテン、イソブチレン、1-ペンテン、2-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、2-メチル-2-ブテン、2,3-ジメチル-2-ブテンなどを含む。環式アルケンは、シクロヘキセンおよびシクロペンテンなどを含む。
「アルキン」は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する、直鎖状または分岐状の非環式または環式不飽和脂肪族炭化水素を意味する。アルキンは、線状、分岐状および環式構造を含む。代表的な直鎖状および分岐状のアルキンには、アセチレン、プロピン、1-ブチン、2-ブチン、1-ペンチン、2-ペンチン、3-メチル-1-ブチンなどが含まれる。代表的な環式アルキンには、シクロヘプチンなどが含まれる。
「アルキル」、「アルケニル」および「アルキニル」とは、それぞれ、アルカン、アルケンまたはアルキンラジカルを指す。
「芳香族」とは、非局在化した共役π系を形成する共役p軌道の環式系および4n+2(nは、0、1、2、3など)に等しいいくつかのπ電子を有する炭素環式部分を意味する。芳香族の代表例には、ベンゼンおよびナフタレンおよびトルエンが含まれる。「アリール」は、芳香族ラジカルを指す。例示的なアリール基には、以下に限定されないが、フェニル、ナフチルなどが含まれる。
「炭素含有化合物」は、炭素を含む化合物である。炭素含有化合物の非限定例は、炭化水素、COおよびCOを含む。
本明細書全体を通して使用する場合、E、EおよびEが、それぞれ独立して、元素、または1種もしくは複数の元素を含む化合物である、E/E/Eなどにより表される触媒組成物は、E、EおよびEの混合物からなる触媒組成物を指す。E/E/Eなどは、必ずしも等しい量で存在しておらず、互いに結合を形成する必要はない。例えば、Li/MgOを含む触媒は、LiおよびMgOを含む触媒を指し、例えば、Li/MgOは、LiをドープしたMgO触媒を指すことができる。一部の例では、触媒は、M1/M2によって表され、M1およびM2は、独立して、金属元素である。このような例では、触媒はまた、酸素を含むが(例えば、M1および/またはM2の酸化物)、具体的に図示されていないことが理解される。このような触媒はまた、1種または複数種のさらなる金属元素(M3、M4、M5など)をさらに含んでもよい。別の例として、NaMnO/MgOを含む触媒は、NaMnOおよびMgOの混合物からなる触媒を指す。ドーパントは、好適な形態で添加されてもよい。例えば、リチウムをドープした酸化マグネシウム触媒(Li/MgO)では、Liドーパントは、LiO、LiCO、LiOHの形態、または他の好適な形態で組み込まれ得る。Liは、MgO結晶格子(例えば、(Li,Mg)O)に完全に組み込まれていてもよい。他の触媒のためのドーパントも同様に組み込まれ得る。
「混合酸化物」または「金属混合酸化物」とは、少なくとも2種の異なる酸化されている金属を含む触媒を指す。様々な実施形態では、混合酸化物は、異なる酸化されている金属の「物理ブレンド」である。例えば、一部の実施形態では、混合酸化物は、物理ブレンドであり、M1z1/M2z2によって表され、M1およびM2は、同一または異なる金属元素であり、Oは、酸素であり、x、y、z1およびz2は、1~100の数であり、「/」は、2種の酸化されている金属が、接触している(例えば、物理ブレンドされている)が、共有結合性またはイオン性結合または結合の他のタイプにより必ずしも結合されていないことを示す。他の例では、混合酸化物は、2種またはそれより多い種類の酸化されている金属および酸素を含む化合物である(例えば、M1M2であり、M1およびM2は、同一または異なる金属元素であり、Oは酸素であり、x、yおよびzは、1~100の数である)。
混合酸化物は、様々な酸化状態の金属元素を含んでもよく、1種より多いタイプの金属元素を含んでもよい。例えば、マンガンおよびマグネシウムの混合酸化物は、マグネシウムおよびマンガンの酸化形態を含む。個々のマンガンおよびマグネシウム原子はそれぞれ、同じ酸化状態を有していてもよく、または有していなくてもよい。3種、4種、5種、6種またはそれより多い種類の金属元素を含む混合酸化物は、同様の方法で表すことができる。混合酸化物には、以下に限定されないが、金属酸化物(M)、オキシハロゲン化金属(M)、金属オキシ硝酸塩(M(NO)、金属リン酸塩(M(PO)、金属オキシ炭酸塩(M(CO)、金属炭酸塩、金属オキシ水酸化物(M(OH))など、およびそれらの組合せが含まれ、Xは、独立して出現ごとに、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり、x、yおよびzは、1~100の数である。混合酸化物は、M1-M2として本明細書において表されてもよく、M1およびM2は、それぞれ独立して、金属元素であり、M1およびM2は、酸化されている。3種、4種、5種、6種またはそれより多い種類の金属元素を含む混合酸化物は、同様の方法で表され得る。
「破砕強度」とは、形成体(例えば、押出成形触媒材料)などの材料を粉砕または破砕するのに必要な力である。破砕強度は、長さあたりの力(N/mm)で表すことができるか、または材料の面積あたりの力(N/mm)で表すことができる。例えば、破砕強度は、材料を破壊するのに必要な力を、材料の突出最大面積によって除算することにより求めることができる。例えば、円筒(直径=1mmおよび長さ=1mm)の突出最大面積は、直径を長さまたは1mmによって乗算したものになると思われる。破砕強度は、材料の長さに対して表される場合、材料を破壊するために必要な力を材料の長さ(かけた力の方向に)によって除算することにより求められる。この定義は、様々なサイズおよび形状の形成された触媒に適用可能である。
「空隙率」または「空隙体積」とは、自由空間、すなわち触媒自体により占有されていない空間の体積を触媒形成物により占有される全体積によって除算したもののことである。
例えば、環形状の触媒の空隙率は、中央の空隙(孔)に関連する体積を環により占有された全体積により除算したものである。触媒床の空隙率または空隙体積(例えば、複数の押出成形物または錠剤化触媒材料)は、個々の触媒形成物のそれぞれに関連する自由空間と触媒間空隙に関連する自由空間の体積を触媒床により占有された全体積により除算したものである。自由空間の計算は、上記の通り、触媒材料の多孔度に関連する任意の自由空間を含まない。
「多孔度」は、触媒自体内部の空隙の体積を触媒体積により除算したものである。この計算を目的とする場合、触媒体積は、任意の空隙率または空隙体積を含まない。
ある特定の反応(例えば、メタンの酸化的カップリング)「に対する活性を有する」触媒は、触媒の非存在下で行われた反応に比べた反応の条件下で、遷移状態を低下させる、反応速度を増大させる、反応剤の変換率を向上する、ある特定の生成物の選択性を向上する、またはそれらの組合せを行う触媒を指す。
1.触媒
本明細書に記載されている触媒(「活性触媒」または「基礎材料」とも本明細書において称される)は、様々な反応における、様々な元素構成成分および活性を有する。ある特定の実施形態では、触媒は、非触媒的メタンの酸化的カップリング(OCM)反応に比べて、OCM反応の速度を増大することができる、OCMに対する活性触媒(本明細書では、OCM活性触媒とも称される)である。他の実施形態では、触媒は、酸化的脱水素化(ODH)活性触媒である(すなわち、非触媒的ODH反応と比べてODH反応の速度が増大する)。OCMプロセスでは、メタン(CH)および酸素(O)を含むガス源が、OCM活性触媒を含有する反応器に注入される。メタンおよび酸素は、OCM活性触媒内部の活性部位に接触し、メタンは、C2+炭化水素および非C2+不純物に変換される。C2+炭化水素は、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロピレン、および4個またはそれより多い炭素原子を有する炭化水素(C4+炭化水素)を含むことができる。非C2+不純物は、CO、CO、水および/またはHを含むことができる。反応の選択性は、OCM反応において生成したC2+炭化水素のOCM反応において生成した非C2+不純物に対する比として定義される。反応の変換率は、C2+炭化水素および非C2+不純物に変換されたメタンの百分率として定義される。
触媒の正確な元素構成成分および/または形態形成物は限定されず、様々な実施形態は、異なる元素組成および/または形態を含む。この点では、本開示の様々な実施形態を実施するのに有用な触媒は、任意のバルク触媒および/またはナノ構造触媒(例えば、ナノワイヤ)を任意の組合せで含む。例えば、一部の実施形態では、触媒は、その全体の完全な開示が参照により明細書に組み込まれている、米国出願第13/115,082号(米国公開第2012/0041246号);同第13/479,767号(米国公開第2013/0023709号);同第13/689,611号(米国公開第2013/0165728号);同第13/689,514号(米国公開第2013/0158322号);同第13/901,319号(米国公開第2014/0121433号);同第14/212435号(米国公開第2014/0274671号);同第14/701,963号(米国公開第2015/0314267号)およびPCT公開番号WO2014/143880号に記載されている触媒を含む。一部の実施形態では、触媒は、金属酸化物、金属水酸化物、金属オキシ水酸化物、金属オキシ炭酸塩、金属炭酸塩またはそれらの組合せを含む、バルク触媒またはナノ構造触媒、例えばナノワイヤである。このような触媒は、1種または複数種のドーパントを必要に応じて含んでもよい。
一部の実施形態では、触媒は、第1族~第7族、ランタニド、アクチニドのいずれかからの1種もしくは複数の金属元素またはそれらの組合せ、および金属元素、半金属元素、非金属元素またはそれらの組合せを含むドーパントを含む。
一部のより特定の実施形態では、上述の触媒は、ナノワイヤ触媒である。一部の実施形態では、ナノワイヤは、多結晶性ナノワイヤである。一部の他の実施形態では、ナノワイヤは、5keVで明視野モードにおいてTEMによって測定すると、1未満の有効長の実際長に対する比、および10より大きなアスペクト比を有する。一部の他の実施形態では、ナノワイヤは、5keVで明視野モードにおいてTEMによって測定すると、1の有効長の実際長に対する比、および10より大きなアスペクト比を有する。
一部のより特定の実施形態では、触媒は、ランタニドからの1種または複数種の元素を含む。例えば、一部の実施形態では、触媒は、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luまたはそれらの組合せを含む。
一部の実施形態では、上述の触媒は、少なくとも4種の異なるドープ元素を含み、この場合、ドープ元素は、金属元素、半金属元素および非金属元素から選択される。他の実施形態では、上述の触媒は、少なくとも2種の異なるドープ元素を含み、この場合、ドープ元素は、金属元素、半金属元素および非金属元素から選択され、ドープ元素の少なくとも1種は、K、Sc、Ti、V、Nb、Ru、Os、Ir、Cd、In、Tl、S、Se、Po、Pr、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Lu、または第6族、第7族、第10族、第11族、第14族、第15族もしくは第17族のいずれかから選択される元素である。
一部の他の実施形態では、上述の触媒は、以下のドーパント組合せ:Eu/Na、Sr/Na、Na/Zr/Eu/Ca、Mg/Na、Sr/Sm/Ho/Tm、Sr/W、Mg/La/K、Na/K/Mg/Tm、Na/Dy/K、Na/La/Dy、Sr/Hf/K、Na/La/Eu、Na/La/Eu/In、Na/La/K、Na/La/Li/Cs、K/La、K/La/S、K/Na、Li/Cs、Li/Cs/La、Li/Cs/La/Tm、Li/Cs/Sr/Tm、Li/Sr/Cs、Li/Sr/Zn/K、Li/Ga/Cs、Li/K/Sr/La、Li/Na、Li/Na/Rb/Ga、Li/Na/Sr、Li/Na/Sr/La、Sr/Zr、Li/Sm/Cs、Ba/Sm/Yb/S、Ba/Tm/K/La、Ba/Tm/Zn/K、Sr/Zr/K、Cs/K/La、Cs/La/Tm/Na、Cs/Li/K/La、Sm/Li/Sr/Cs、Sr/Cs/La、Sr/Tm/Li/Cs、Zn/K、Zr/Cs/K/La、Rb/Ca/In/Ni、Sr/Ho/Tm、La/Nd/S、Li/Rb/Ca、Li/K、Tm/Lu/Ta/P、Rb/Ca/Dy/P、Mg/La/Yb/Zn、Rb/Sr/Lu、Na/Sr/Lu/Nb、Na/Eu/Hf、Dy/Rb/Gd、Sr/Ce、Na/Pt/Bi、Rb/Hf、Ca/Cs、Ca/Mg/Na、Hf/Bi、Sr/Sn、Sr/W、Sr/Nb、Sr/Ce/K、Zr/W、Y/W、Na/W、Bi/W、Bi/Cs、Bi/Ca、Bi/Sn、Bi/Sb、Ge/Hf、Hf/Sm、Sb/Ag、Sb/Bi、Sb/Au、Sb/Sm、Sb/Sr、Sb/W、Sb/Hf、Sb/Yb、Sb/Sn、Yb/Au、Yb/Ta、Yb/W、Yb/Sr、Yb/Pb、Yb/W、Yb/Ag、Au/Sr、W/Ge、Sr/Tb、Ta/Hf、W/Au、Ca/W、Au/Re、Sm/Li、La/K、Zn/Cs、Na/K/Mg、Zr/Cs、Ca/Ce、Na/Li/Cs、Li/Sr、Cs/Zn、La/Dy/K、Dy/K、La/Mg、Na/Nd/In/K、In/Sr、Sr/Cs、Rb/Ga/Tm/Cs、Ga/Cs、K/La/Zr/Ag、Lu/Fe、Sr/Tb/K、Sr/Tm、La/Dy、Sm/Li/Sr、Mg/K、Sr/Pr、Li/Rb/Ga、Li/Cs/Tm、Zr/K、Li/Cs、Li/K/La、Ce/Zr/La、Ca/Al/La、Sr/Zn/La、Sr/Cs/Zn、Sm/Cs、In/K、Ho/Cs/Li/La、Sr/Pr/K、Cs/La/Na、La/S/Sr、K/La/Zr/Ag、Lu/Tl、Pr/Zn、Rb/Sr/La、Na/Sr/Eu/Ca、K/Cs/Sr/La、Na/Sr/Lu、Sr/Eu/Dy、Lu/Nb、La/Dy/Gd、Na/Mg/Tl/P、Na/Pt、Gd/Li/K、Rb/K/Lu、Sr/La/Dy/S、Na/Ce/Co、Na/Ce、Na/Ga/Gd/Al、Ba/Rh/Ta、Ba/Ta、Na/Al/Bi、Sr/Hf/Rb、Cs/Eu/S、Sm/Tm/Yb/Fe、Sm/Tm/Yb、Hf/Zr/Ta、Rb/Gd/Li/K、Gd/Ho/Al/P、Na/Ca/Lu、Cu/Sn、Ag/Au、Al/Bi、Al/Mo、Al/Nb、Au/Pt、Ga/Bi、Mg/W、Pb/Au、Sn/Mg、Sr/B、Zn/Bi、Gd/Ho、Zr/Bi、Ho/Sr、Gd/Ho/Sr、Ca/Sr、Ca/Sr/W、Sr/Ho/Tm/Na、Na/Zr/Eu/Tm、Sr/Ho/Tm/Na、Sr/Pb、Sr/W/Li、Ca/Sr/WまたはSr/Hfのうちの少なくとも1つを含む。
他の実施形態では、本明細書において開示されており、本開示の様々な実施形態において有用な触媒は、酸化物、水酸化物またはオキシ水酸化物の形態にある、希土類元素(すなわち、ランタニド、アクチニドおよび第3族)を含む。ある特定の実施形態では、希土類元素は、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbまたはYである。一部の実施形態では、希土類元素は、Laである。一部の他の実施形態では、希土類元素は、Ceである。一部の他の実施形態では、希土類元素は、Prである。一部の他の実施形態では、希土類元素は、Ndである。一部の他の実施形態では、希土類元素は、Smである。一部の他の実施形態では、希土類元素は、Euである。一部の他の実施形態では、希土類元素は、Gdである。一部の他の実施形態では、希土類元素は、Ybである。一部の他の実施形態では、希土類元素は、Yである。
一部のより特定の実施形態では、触媒は、酸化ランタン(La)、酸化セリウム(Ce)、酸化プラセオジム(Pr)、酸化ネオジム(Nd)、酸化サマリウム(Sm)、酸化ユーロピウム(Eu)、酸化ガドリニウム(Gd)、酸化イッテルビウム(Yb)または酸化イットリウム(Y)などの希土類酸化物を含む。
一部のより特定の実施形態では、触媒は、水酸化ランタン(La(OH))、水酸化セリウム(Ce(OH))、水酸化プラセオジム(Pr(OH))、水酸化ネオジム(Nd(OH))、水酸化サマリウム(Sm(OH))、水酸化ユーロピウム(Eu(OH))、水酸化ガドリニウム(Gd(OH))、水酸化イッテルビウム(Yb(OH))または水酸化イットリウム(Y(OH))などの希土類水酸化物を含む。
一部のより特定の実施形態では、触媒は、オキシ水酸化ランタン(LaOOH)、オキシ水酸化セリウム(CeOOH)、オキシ水酸化プラセオジム(PrOOH)、オキシ水酸化ネオジム(NdOOH)、オキシ水酸化物サマリウム(SmOOH)、オキシ水酸化物ユーロピウム(EuOOH)、オキシ水酸化ガドリニウム(GdOOH)、オキシ水酸化イッテルビウム(YbOOH)またはオキシ水酸化イットリウム(YOOH)などの希土類オキシ水酸化物を含む。
酸化物、水酸化物またはオキシ水酸化物の形態の希土類元素を含む上述の触媒の様々な実施形態では、触媒は、第2族、第6族およびランタニドの元素から選択される、1種または複数種のドーパントをさらに含んでもよい。一部の実施形態では、ドーパントは、触媒の約1重量%~約10重量%で独立して存在する。ドーパントは、様々な形態、例えばナノワイヤ、ナノ粒子、バルクなどで存在することができる。一部の実施形態では、ドーパントはナノワイヤである。
酸化物、水酸化物またはオキシ水酸化物の形態の希土類元素、ならびに第2族、第6族およびランタニド中の元素から選択される1種または複数種のドーパントを含む上述の触媒の一部の実施形態では、第2族からのドーパントは、Beである。他の実施形態では、第2族からのドーパントは、Caである。他の実施形態では、第2族からのドーパントは、Srである。他の実施形態では、第2族からのドーパントは、Baである。
酸化物、水酸化物またはオキシ水酸化物の形態の希土類元素、ならびに第2族、第6族およびランタニド中の元素から選択される1種または複数種のドーパントを含む上述の触媒の一部の実施形態では、第6族からのドーパントは、Crである。他の実施形態では、第6族からのドーパントは、Moである。他の実施形態では、第6族からのドーパントは、Wである。
酸化物、水酸化物またはオキシ水酸化物の形態の希土類元素、ならびに第2族、第6族およびランタニド中の元素から選択される1種または複数種のドーパントを含む上述の触媒の一部の実施形態では、ランタニドからのドーパントは、Laである。他の実施形態では、ランタニドからのドーパントは、Ceである。他の実施形態では、ランタニドからのドーパントは、Prである。他の実施形態では、ランタニドからのドーパントは、Ndである。
酸化物、水酸化物またはオキシ水酸化物の形態の希土類元素、ならびに第2族、第6族およびランタニド中の元素から選択される1種または複数種のドーパントを含む上述の触媒の他の実施形態では、Sr/Sm、Sr/Gd、Sr/Dy、Sr/Er、Sr/Lu、Sr/W、Sr/Ba/B、Ba/B、Ba/Sr、Er/W、Sr/K、Ba/Ce、Ba/Hf、Ga/Mg、Mg/Er、Y/Ba、Sr/Ga/Mg、Sr/Y、Sr/B/Y、Ca/B、Sr/Al、Ba/W、B/W、Sr/Ba/W、Sr/W/B、Ba/W/B、Sr/Ce、Sr/Tb、Sr/BおよびSr/Hf/KおよびSr/Ba/W/Bから選択される、ドーパント組合せを含む。
他の実施形態では、本明細書において開示されており、本開示の様々な実施形態において有用な触媒は、2種またはそれより多い種類の希土類金属元素の混合酸化物を含む。一部の実施形態では、触媒は、式:Ln14-xLn2を有する混合酸化物であり、Ln1およびLn2は、それぞれ独立して、希土類金属元素であり、Ln1およびLn2は、同じではなく、xは、0より大きく4未満の範囲の数である。ある特定の実施形態では、触媒は、Y-La、Zr-La、Pr-La、Ce-La、Er-La、La-Nd、Y-Nd、Zr-Nd、Pr-Nd、Ce-Nd、Er-Nd、Y-Gd、Zr-Gd、Pr-Gd、Ce-Gd、Er-Gd、Y-Sm、Zr-Sm、Pr-Sm、Ce-Sm、Er-Sm、La-Sm、La-Gd、La-Eu、La-Ho、Nd-Gd、Nd-Sm、Nd-Eu、Nd-Ho、Sm-Gd、Sm-Ho、Sm-Eu、Gd-Ho、Gd-Eu、Eu-Ho、Y-Eu、Zr-Eu、Pr-Eu、Ce-Eu、Er-Eu、Y-Ho、Zr-Ho、Pr-Ho、Ce-HoまたはEr-Hoまたはそれらの組合せの混合酸化物を含む。
一部の特定の実施形態では、混合酸化物は、LaNdO、LaNd、La1.5Nd2.5、La2.5Nd1.5、La3.2Nd0.8、La3.5Nd0.5またはLa3.8Nd0.2などのLa-Ndの混合酸化物を含む。
さらに他の実施形態では、触媒は、3種またはそれより多い種類の希土類金属元素を含む混合酸化物である。一部の実施形態では、金属元素は、Y、Zr、La、Ce、Pr、Nd、Gd、Sm、Eu、HoおよびErから選択される。ある特定の他の実施形態では、触媒は、Y-La-Zr、Y-La-Ce、Y-La-Pr、Y-La-Nd、Y-La-Er、Zr-La-Ce、Zr-La-Pr、Zr-La-Nd、Zr-La-Er、Pr-La-Ce、Pr-La-Nd、Pr-La-Er、Ce-La-Pr、Ce-La-Nd、Ce-La-Er、Er-La-Nd、Y-Nd-Zr、Y-Nd-Ce、Y-Nd-Pr、Y-Nd-Er、Zr-Nd-Ce、Zr-Nd-Pr、Zr-Nd-Er、Pr-Nd-Ce、Pr-Nd-Er、Gd-Y-Zr、Gd-Y-La、Gd-Y-Ce、Gd-Y-Pr、Gd-Zr-La、Gd-Zr-Ce、Gd-Zr-Pr、Gd-Zr-Nd、Gd-Zr-Sm、Gd-Zr-Eu、Gd-Zr-Ho、Gd-Zr-Er、Gd-La-Ce、Gd-La-Pr、Gd-La-Nd、Gd-La-Sm、Gd-La-Eu、Gd-La-Ho、Gd-La-Er、Gd-Ce-Pr、Gd-Ce-Nd、Gd-Ce-Sm、Gd-Ce-Eu、Gd-Ce-Ho、Gd-Ce-Er、Gd-Pr-Nd、Gd-Pr-Sm、Gd-Pr-Eu、Gd-Pr-Ho、Gd-Pr-Er、Gd-Nd-Sm、Gd-Nd-Eu、Gd-Nd-Ho、Gd-Nd-Er、Gd-Sm-Eu、Gd-Sm-Ho、Gd-Sm-Er、Gd-Eu-Ho、Gd-Eu-Er、Gd-Ho-Er、Sm-Y-Zr、Sm-Y-La、Sm-Y-Ce、Sm-Y-Pr、Sm-Zr-La、Sm-Zr-Ce、Sm-Zr-Pr、Sm-Zr-Nd、Sm-Zr-Eu、Sm-Zr-Ho、Sm-Zr-Er、Sm-La-Ce、Sm-La-Pr、Sm-La-Nd、Sm-La-Eu、Sm-La-Ho、Sm-La-Er、Sm-Ce-Pr、Sm-Ce-Nd、Sm-Ce-Eu、Sm-Ce-Ho、Sm-Ce-Er、Sm-Pr-Nd、Sm-Pr-Eu、Sm-Pr-Ho、Sm-Pr-Er、Sm-Nd-Eu、Sm-Nd-Ho、Sm-Nd-Er、Sm-Eu-Ho、Sm-Eu-Er、Sm-Ho-Er、Eu-Y-Zr、Eu-Y-La、Eu-Y-Ce、Eu-Y-Pr、Eu-Zr-La、Eu-Zr-Ce、Eu-Zr-Pr、Eu-Zr-Nd、Eu-Zr-Ho、Eu-Zr-Er、Eu-La-Ce、Eu-La-Pr、Eu-La-Nd、Eu-La-Ho、Eu-La-Er、Eu-Ce-Pr、Eu-Ce-Nd、Eu-Ce-Ho、Eu-Ce-Er、Eu-Pr-Nd、Eu-Pr-Ho、Eu-Pr-Er、Eu-Nd-Eu、Eu-Nd-Ho、Eu-Nd-Er、Eu-Ho-Er、Ho-Y-Zr、Ho-Y-La、Ho-Y-Ce、Ho-Y-Pr、Ho-Zr-La、Ho-Zr-Ce、Ho-Zr-Pr、Ho-Zr-Nd、Ho-Zr-Er、Ho-La-Ce、Ho-La-Pr、Ho-La-Nd、Ho-La-Er、Ho-Ce-Pr、Ho-Ce-Nd、Ho-Ce-Er、Ho-Pr-Nd、Ho-Pr-Er、Ho-Nd-Er、Ce-Nd-Erおよびそれらの組合せから選択される混合酸化物である。
さらなる実施形態では、上述の混合酸化物触媒は、金属元素、半金属元素および非金属元素から選択される、少なくとも1種のドーパントでドープされている。一部の実施形態では、上述の混合酸化物触媒は、Sr/Sm、Sr/Gd、Sr/Dy、Sr/Er、Sr/Lu、Sr/W、Sr/Ba/B、Ba/B、Ba/Sr、Er/W、Sr/K、Ba/Ce、Ba/Hf、Ga/Mg、Mg/Er、Y/Ba、Sr/Ga/Mg、Sr/Y、Sr/B/Y、Ca/B、Sr/Al、Ba/W、B/W、Sr/Ba/W、Sr/W/B、Ba/W/B、Sr/Ce、Sr/Tb、Sr/BおよびSr/Hf/KおよびSr/Ba/W/Bから選択される、ドーパント組合せをさらに含んでもよい。
一部の実施形態では、ドーパントは、触媒の約1重量%~約10重量%で独立して存在する。ドーパントは、様々な形態、例えばナノワイヤ、ナノ粒子、バルクなどで存在することができる。一部の実施形態では、ドーパントはナノワイヤである。
他の実施形態では、本明細書において開示されており、本開示の様々な実施形態において有用な触媒は、以下の式(I):

(I)
(式中、
Aは、ナトリウムであり、
Bは、マンガン(Mn)、セリウム(Ce)またはそれらの組合せであり、
Cは、タングステンであり、
Oは、酸素であり、
x、yおよびzは、独立して、0より大きな数であり、x、yおよびzは、Aが0の全電荷を有するように選択される)
を有する触媒を含む。
一部の実施形態では、触媒は、NaMnWOである。他の実施形態では、NaMnWO中のMnは、Ceにより完全に置換されている。したがって、触媒は、NaCeWOを含む。さらに他の実施形態では、NaMnWO中のMnは、Ceにより部分的に置換されている。したがって、触媒は、NaMnCe(1-q)WOを含み、qは、0より大きく1未満の範囲の数である。
式(I)の触媒のさらなる実施形態では、触媒は、該触媒の触媒活性を促進する、1種または複数種のドーパントをさらに含んでもよい。例えば、一部の実施形態では、ドーパントは、OCM反応における触媒の触媒活性を促進する。一部の実施形態では、ドーパントは、触媒の約1重量%~約10重量%で独立して存在する。ドーパントは、様々な形態、例えばナノワイヤ、ナノ粒子、バルクなどで存在することができる。一部の実施形態では、ドーパントはナノワイヤである。
一部の実施形態では、式(I)の触媒は、ランタニドからの元素から選択される、1種または複数種のドーパントをさらに含む。一部の実施形態では、ランタニドからのドーパントは、Laである。一部の他の実施形態では、ランタニドからのドーパントは、Ceである。一部の他の実施形態では、ランタニドからのドーパントは、Prである。一部の他の実施形態では、ランタニドからのドーパントは、Ndである。一部の他の実施形態では、ランタニドからのドーパントは、Pmである。一部の他の実施形態では、ランタニドからのドーパントは、Smである。一部の他の実施形態では、ランタニドからのドーパントは、Euである。一部の他の実施形態では、ランタニドからのドーパントは、Gdである。一部の他の実施形態では、ランタニドからのドーパントは、Tbである。一部の他の実施形態では、ランタニドからのドーパントは、Dyである。一部の他の実施形態では、ランタニドからのドーパントは、Hoである。一部の他の実施形態では、ランタニドからのドーパントは、Erである。一部の他の実施形態では、ランタニドからのドーパントは、Tbである。一部の他の実施形態では、ランタニドからのドーパントは、Ybである。一部の他の実施形態では、ランタニドからのドーパントは、Luである。
一部の他の実施形態では、式(I)の触媒は、ランタニドの酸化物から選択される、1種または複数種のドーパントをさらに含む。一部の実施形態では、触媒は、Laをさらに含む。一部の実施形態では、触媒は、Ndをさらに含む。一部の実施形態では、触媒は、Erをさらに含む。一部の実施形態では、触媒は、Prをさらに含む。
一部の他の実施形態では、式(I)の触媒は、ランタニドの混合酸化物をさらに含む。一部の実施形態では、混合酸化物は、以下の式:
Ln14-mLn2
(式中、
Ln1およびLn2は、異なるランタニド元素であり、
Oは、酸素であり、
mは、0より大きく4未満の範囲の数である)
を有する。
一部の実施形態では、Ln1は、Laであり、Ln2は、Ndである。例えば、一部の実施形態では、式(I)の触媒は、LaNdO、LaNd、La1.5Nd2.5、La2.5Nd1.5、La3.2Nd0.8、La3.5Nd0.5またはLa3.8Nd0.2を含む1種または複数種のドーパントをさらに含む。
一部の実施形態では、Ln1は、Laであり、Ln2は、Prである。例えば、一部の実施形態では、式(I)の触媒は、LaPrO、LaPr、La1.5Pr2.5、La2.5Pr1.5、La3.2Pr0.8、La3.5Pr0.5またはLa3.8Pr0.2を含む1種または複数種のドーパントをさらに含む。
他の実施形態では、本明細書において開示されており、本開示の様々な実施形態において有用な触媒は、ペロブスカイトを含む。ペロブスカイトは、チタン酸カルシウム(CaTiO)と同じタイプの結晶構造を有する任意の材料である。一部の実施形態では、本開示の文脈でのペロブスカイトは、以下の式(II):
α β χ
(II)
(式中、
、AおよびAは、それぞれ独立して、第2族からの元素であり、
、B、BおよびBは、それぞれ独立して、第4族、第13族またはランタニドからの元素であり、
Oは、酸素であり、
α、β、χは、それぞれ独立して、0~1の範囲の数であり、α、βおよびχは、α、β、χの合計が約1になるように選択され、
w、x、yおよびzは、それぞれ独立して、0~1の範囲の数であり、w、x、yおよびzは、w、x、yおよびzの合計が約1となるように選択される)
を有する。
式(II)のペロブスカイトの一部の実施形態では、A、AおよびAは、それぞれ独立して、Ca、SrまたはBaである。
式(II)のペロブスカイトのさらに多くの実施形態では、Bは、Ce、Ti、ZrまたはHfである。
式(II)のペロブスカイトのさらに多くの実施形態では、Bは、Inである。
式(II)のペロブスカイトのさらに多くの実施形態では、BおよびBは、それぞれ独立して、La、Nd、Eu、GdまたはYbである。
式(II)の上述のペロブスカイトの一部の実施形態では、α、β、χは、それぞれ独立して、0より大きく1未満の数であり、α、β、χの合計は、約1であり、w、x、yおよびzは、それぞれ独立して、0より大きく1未満の数であり、w、x、yおよびzの合計は、約1である場合、式(II)のペロブスカイトは、CaαBaβSrχTiInLaNdまたはCaαBaβSrχTiInNdEuを含む。
式(II)の上述のペロブスカイトのさらに他のさらなる実施形態では、αが1であり、w、x、yおよびzの合計が約1である場合、ペロブスカイトは、以下の式:

(IIA)
を有する。
一部の実施形態では、式(IIA)のペロブスカイトは、CaZrInLaNd、CaZrInNdEu、CaCeInLaNd、CaTiInNdEu、CaTiInLaNd、SrZrInLaNd、SrZrInNdEu、SrCeInLaNdまたはSrCeInNdEu、SrTiInNdEu、SrTiInLaNd、BaZrInLaNd、BaZrInNdEu、BaCeInLaNdまたはBaCeInNdEu、BaTiInLaNd、BaTiInNdEu、BaHfInLaNdまたはBaHfInNdEuを含む。
式(II)の上述のペロブスカイトのさらに他のさらなる実施形態では、αが1であり、w、xおよびyの合計が約1である場合、ペロブスカイトは、以下の式:

(IIB)
を有する。
一部の実施形態では、式(IIB)のペロブスカイトは、CaZrInLa、CaZrInNd、CaZrInGd、CaZrInYb、CaCeInLa、CaCeInNd、CaCeInGd、CaCeInYb、CaTiInLa、CaTiInNd、CaTiInGd、CaTiInYb、SrZrInLa、SrZrInNd、SrZrInGd、SrZrInYb、SrCeInLa、SrCeInNd、SrCeInGd、SrCeInYb、SrTiInLa、SrTiInNd、SrTiInGd、SrTiInYb、BaZrInLa、BaZrInNd、BaZrInGd、BaZrInYb、BaCeInLa、BaCeInNd、BaCeInGd、BaCeInYb、BaTiInLa、BaTiInNd、BaTiInGd、BaTiInYb、BaHfInLa、BaHfNd、BaHfInGdまたはBaHfInYbを含む。
式(II)の上述のペロブスカイトのさらに他のさらなる実施形態では、αが1であり、w、yおよびzの合計が約1である場合、ペロブスカイトは、以下の式:

(IIC)
を有する。
一部の実施形態では、式(IIC)のペロブスカイトは、CaZrLaNd、CaZrNdEu、CaCeLaNd、CaCeNdEu、CaTiLaNd、CaTiNdEu、SrZrLaNd、SrZrNdEu、SrCeLaNd、SrCeNdEu、SrTiLaNd、SrTiNdEu、BaZrLaNd、BaZrNdEu、BaCeLaNd、BaCeNdEu、BaTiLaNd、BaTiNdEu、BaHfLaNdまたはBaHfNdEuを含む。
式(II)の上述のペロブスカイトのさらに他のさらなる実施形態では、αが1であり、wおよびyの合計が約1である場合、ペロブスカイトは、以下の式:

(IID)
を有する。
一部の実施形態では、式(IID)のペロブスカイトは、BaHfLa、BaHfNd、BaHfGdまたはBaHfYbを含む。
式(II)の上述のペロブスカイトのさらに他のさらなる実施形態では、αが1であり、wが1である場合、ペロブスカイトは、以下の式:

(IIE)
を有する。
一部の実施形態では、式(IIE)のペロブスカイトは、CaZrO、CaCeO、CaTiO、SrZrO、SrCeO、SrTiO、BaZrO、BaCeO、BaTiOまたはBaHfOを含む。
式(II)の上述のペロブスカイトのさらに他のさらなる実施形態では、αおよびβの合計が約1であり、w、xおよびyの合計が約1である場合、ペロブスカイトは、以下の式:
α β
(IIF)
を有する。
一部の実施形態では、式(IIF)のペロブスカイトは、BaαSrβTiInLa、BaαSrβTiInNd、BaαSrβTiInGd、BaαSrβTiInYb、CaαSrβTiInLa、CaαSrβTiInNd、CaαSrβTiInGdまたはCaαSrβTiInYbを含む。
式(II)の上述のペロブスカイトのさらに他のさらなる実施形態では、αおよびβの合計が約1であり、w、yおよびzの合計が約1である場合、ペロブスカイトは、以下の式:
α β
(IIG)
を有する。
一部の実施形態では、式(IIG)のペロブスカイトは、BaαSrβTiLaNd、BaαSrβTiNdEu、CaαSrβTiLaNdまたはCaαSrβTiNdEuを含む。
式(II)の上述のペロブスカイトのさらに他のさらなる実施形態では、αおよびβの合計が約1であり、w、x、yおよびzの合計が約1である場合、ペロブスカイトは、以下の式:
α β
(IIH)
を有する。
一部の他の実施形態では、式(IIH)のペロブスカイトは、BaαSrβTiInLaNd、BaαSrβTiInNdEu、CaαSrβTiInLaNdまたはCaαSrβTiInNdEuを含む。
式(II)の上述のペロブスカイトのさらに他のさらなる実施形態では、α、βおよびχの合計が約1であり、w、xおよびyの合計が約1である場合、ペロブスカイトは、したがって、以下の式:
α β χ
(IIK)
を含む。
一部の他の実施形態では、式(IIK)のペロブスカイトは、CaαBaβSrχTiInLa、CaαBaβSrχTiInNd、CaαBaβSrχTiInGdまたはCaαBaβSrχTiInYbを含む。
式(II)の上述のペロブスカイトのさらに他のさらなる実施形態では、α、βおよびχの合計が約1であり、w、yおよびzの合計が約1である場合、ペロブスカイトは、以下の式:
α β χ
(IIL)
を有する。
一部の実施形態では、式(IIL)のペロブスカイトは、CaαBaβSrχTiLaNdまたはCaαBaβSrχTiNdEuを含む。
式(II)のペロブスカイトを含む触媒のさらなる実施形態では、触媒は、該触媒の触媒活性を促進する、1種または複数種のドーパントをさらに含む。例えば、一部の実施形態では、ドーパントは、OCM反応における触媒の触媒活性を促進する。一部の実施形態では、ドーパントは、触媒の約1重量%~約10重量%で独立して存在する。ドーパントは、様々な形態、例えばナノワイヤ、ナノ粒子、バルクなどで存在することができる。一部の実施形態では、ドーパントはナノワイヤである。
一部の実施形態では、式(II)のペロブスカイトを含む触媒は、第2族からの元素から選択される、1種または複数種のドーパントをさらに含む。例えば、一部の実施形態では、ドーパントは、Sr、Mg、Caまたはそれらの組合せから選択される。
一部の他の実施形態では、式(II)のペロブスカイトを含む触媒は、第3族からの元素から選択される、1種または複数種のドーパントをさらに含む。例えば、一部の実施形態では、ドーパントは、Sc、Yまたはそれらの組合せから選択される。
一部の他の実施形態では、式(II)のペロブスカイトを含む触媒は、第13族からの元素から選択される、1種または複数種のドーパントをさらに含む。例えば、一部の実施形態では、ドーパントは、B、Al、Gaおよびそれらの組合せから選択される。
一部の他の実施形態では、式(II)のペロブスカイトを含む触媒は、第15族からの元素から選択される、1種または複数種のドーパントをさらに含む。例えば、一部の実施形態では、ドーパントは、P、As、Sb、Biおよびそれらの組合せから選択される。
一部の他の実施形態では、式(II)のペロブスカイトを含む触媒は、ランタニドからの元素から選択される、1種または複数種のドーパントをさらに含む。例えば、一部の実施形態では、ドーパントは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tb、Yb、Luまたはそれらの組合せから選択される。
一部の他の実施形態では、式(II)のペロブスカイトを含む触媒は、ランタニドの酸化物から選択される、1種または複数種のドーパントをさらに含む。例えば、一部の実施形態では、ドーパントは、La、Nd、Er、Prまたはそれらの組合せから選択される。一部の実施形態では、触媒は、ランタニドの混合酸化物をさらに含む。一部の実施形態では、混合酸化物は、ランタニドの二成分系酸化物である。例えば、一部の実施形態では、ドーパントは、La-Nd、La-Ce、Nd-Ce、La-Sm、Nd-Sm、Nd-Er、La-Erまたはそれらの組合せの混合酸化物から選択される。一部の実施形態では、La-Ndの混合酸化物の例は、LaNdO、LaNd、La1.5Nd2.5、La2.5Nd1.5、La3.2Nd0.8、La3.5Nd0.5およびLa3.8Nd0.2を含む。一部の実施形態では、混合酸化物は、ランタニドの三成分系酸化物である。例えば、一部の実施形態では、ドーパントは、Ce-La-Nd、Ce-La-Pr、Gd-La-Ce、Ga-La-Ndまたはそれらの組合せの混合酸化物から選択される。
本明細書における様々な実施形態において開示されている触媒は、バルク形態またはナノ構造形態にあることができる。一部の実施形態では、触媒は、ナノワイヤなどのナノ構造触媒である。他の実施形態では、触媒は、バルク触媒である。
触媒は、メタンの酸化的カップリングなどの触媒反応に使用される場合、希釈剤または担体と組み合わされて、触媒材料を形成することが多い。このような触媒材料は、例えば、形成された触媒材料(例えば、押出成形物または錠剤化形成物)として、任意の数の形成物で提供され得る。
本明細書における様々な実施形態において開示されている上述の触媒は、メタンの酸化的カップリングにおける不均一触媒として使用する場合、少なくとも100℃、少なくとも200℃、少なくとも300℃、少なくとも400℃、少なくとも450℃、少なくとも480℃、少なくとも490℃、少なくとも500℃、少なくとも510℃、少なくとも520℃、少なくとも550℃、少なくとも600℃、少なくとも650℃、少なくとも700℃、少なくとも750℃、少なくとも800℃、少なくとも850℃、少なくとも900℃または少なくとも950℃の温度において、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%のC2+選択性で、メタンをC2+炭化水素に変換することが可能である。
本明細書における様々な実施形態において開示されている上述の触媒は、メタンの酸化的カップリングにおける不均一触媒として使用する場合、少なくとも100℃、少なくとも200℃、少なくとも300℃、少なくとも400℃、少なくとも450℃、少なくとも480℃、少なくとも490℃、少なくとも500℃、少なくとも510℃、少なくとも520℃、少なくとも550℃、少なくとも600℃、少なくとも650℃、少なくとも700℃、少なくとも750℃、少なくとも800℃、少なくとも850℃、少なくとも900℃または少なくとも950℃の温度において、少なくとも5%、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも18%、少なくとも20%、少なくとも22%または少なくとも25%のメタン変換率で、メタンをC2+炭化水素に変換することが可能である。
本明細書における様々な実施形態において開示されている上述の触媒は、メタンの酸化的カップリングにおける不均一触媒として使用する場合、少なくとも100℃、少なくとも200℃、少なくとも300℃、少なくとも400℃、少なくとも450℃、少なくとも480℃、少なくとも490℃、少なくとも500℃、少なくとも510℃、少なくとも520℃、少なくとも550℃、少なくとも600℃、少なくとも650℃、少なくとも700℃、少なくとも750℃、少なくとも800℃、少なくとも850℃または少なくとも900℃の入口温度において、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%のC2+選択性を達成することが可能である。
本明細書における様々な実施形態において開示されている上述の触媒は、メタンの酸化的カップリングにおける不均一触媒として使用する場合、100℃未満、200℃未満、300℃未満、400℃未満、450℃未満、480℃未満、490℃未満、500℃未満、510℃未満、520℃未満、550℃未満、600℃未満、650℃未満、700℃未満、750℃未満または800℃未満、少なくとも850℃または少なくとも900℃の入口温度において、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%のC2+選択性を達成することが可能である。
本明細書における様々な実施形態において開示されている上述の触媒は、メタンの酸化的カップリングにおける不均一触媒として使用する場合、少なくとも1barゲージ圧より高い、少なくとも約2barゲージ圧より高い、少なくとも約3barゲージ圧より高い、少なくとも約4barゲージ圧より高い、少なくとも約5barゲージ圧より高い、少なくとも約6barゲージ圧より高い、少なくとも約8barゲージ圧より高い、または少なくとも約10barゲージ圧より高い圧力において、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%のC2+選択性を達成することが可能である。
一部のより特定の実施形態では、本触媒は、該触媒が、少なくとも400℃の温度および少なくとも約2barゲージ圧の圧力において、メタンの酸化的カップリングにおける不均一触媒として使用されると、少なくとも20%のC2+選択性を備える。
他のより特定の実施形態では、本触媒は、該触媒が、少なくとも600℃の温度および少なくとも約8barゲージ圧の圧力において、OCMにおける不均一触媒として使用されると、少なくとも20%のC2+選択性を備える。
本明細書における様々な実施形態において開示されている触媒は、OCM反応温度の下で、所与の回数の操作の後に安定である。一部の実施形態では、触媒は、少なくとも約1,000時間、少なくとも約2,000時間、少なくとも約5,000時間、少なくとも約10,000時間または少なくとも約20,000時間、メタンの酸化的カップリングにおける不均一触媒として使用した後に、C2+選択性の少なくとも90%を維持することができる。一部の他の実施形態では、触媒は、該触媒が、ガス毎時空間速度(GHSV)において、少なくとも約1,000時間、少なくとも約2,000時間、少なくとも約5,000時間、少なくとも約10,000時間または少なくとも約20,000時間、メタンの酸化的カップリングにおける不均一触媒として使用した後に、C2+選択性の少なくとも90%を維持することができる。
2.触媒配合物
本明細書に記載されている様々な方法の実施に関すると、触媒は、単独で使用されてもよく、または触媒は、1種または複数種の結合剤、担体、希釈剤および/もしくは担体材料と必要に応じて組み合わされて、触媒材料を形成してもよい。様々な実施形態において有用な触媒配合物は、本明細書の以下に記載されており、一部の実施形態では、触媒配合物は、米国出願第13/115,082号(米国公開第2012/0041246号);同第13/479,767号(米国公開第2013/0023709号);同第13/689,611号(米国公開第2013/0165728号);同第13/689,514号(米国公開第2013/0158322号);同第13/901,319号(米国公開第2014/0121433号);同第14/212435号(米国公開第2014/0274671号);同第14/701,963号(米国公開第2015/0314267号)およびPCT公開番号WO2014/143880号に記載されている通りである。
一部の実施形態では、触媒材料は、OCM活性触媒および担体を含む。OCM活性触媒は、本明細書に記載されている触媒のいずれかとすることができる。一部の実施形態では、OCM活性触媒は、ナノワイヤ触媒、バルク触媒、またはそれらの両方を含む。ナノワイヤは、良好な接着特性を示し、したがって、膜反応器に有用である。担体は、多孔質であり、高い表面積を有する。OCM活性触媒は、担体に化学的にまたは物理的に結合している。したがって、担体は、OCM活性触媒に対する不活性ホスト(host)および多孔質ホストとして作用する。担持触媒では、OCM活性触媒は、ガスに接近することができない担体のバルク内よりもむしろ、ガスが接近可能な担体の表面に主に位置しており、そうして、OCM活性触媒はガスに接近可能となり、OCM反応に直接、関与する。
OCM活性触媒のための担体として使用可能となるよう、担体は、ガスに透過性で熱的に安定でなければならず、その結果、相転移および/または反応器入口のストリームの構成成分との反応は、操作温度(最大で1000℃)で起こる。担体はまた、他の層に類似した熱膨張係数を有する必要がある。
OCM活性触媒の性能に影響を及ぼす担体のいくつかの構造パラメーターには、細孔サイズ分布、平均または峰細孔径、表面積および粒子サイズが含まれる。担体の構造がOCM反応に影響を及ぼす1つの方法は、それぞれ、触媒部位を出入りする反応剤および生成物の拡散、熱および物質移動特徴を変化させることによる。OCM反応は、複数の平行な逐次的な速度論的経路を含むので、C2+炭化水素に対する選択性は、反応剤または生成物が、触媒部位に隣接する時間によって一部、支配される。反応剤がこれらの触媒部位に接近し、生成物がこれらの触媒部位から拡散して離れる能力は、担体の構造により制御され得る、触媒の構造によって影響を受ける。
担体の平均または峰細孔サイズおよび細孔サイズ分布は、OCM活性触媒が担体に導入された後に、OCM活性触媒の平均または峰細孔サイズおよび細孔サイズ分布に直接、影響を及ぼす。一部の実施形態では、担体は、単峰性の細孔サイズ分布、二峰性の細孔サイズ分布または三峰性の細孔サイズ分布を有する。したがって、担体上に存在するOCM活性触媒はまた、単峰性の細孔サイズ分布、二峰性の細孔サイズ分布または三峰性の細孔サイズ分布を有する。
一部の実施形態では、細孔サイズ分布は、細孔体積対細孔径のプロットを使用して分析される。二峰性の細孔サイズ分布は、細孔サイズ分布において、2つの極大値を特徴とする。三峰性の細孔サイズ分布は、細孔サイズ分布において、3つの極大値を特徴とする。一部の実施形態では、担体は、約1マイクロメートル(μm)より大きな、約2μmより大きな、約3μmより大きな、約4μmより大きな、約5μmより大きな、約10μmより大きな、約15μmより大きな、約20μmより大きな、約25μmより大きな、または約30μmより大きな極大細孔径を有する。
一部の実施形態では、担体は、少なくとも0.1平方メートル/グラム(m/g)、少なくとも0.2m/g、少なくとも0.3m/g、少なくとも0.4m/g、少なくとも0.5m/g、少なくとも0.6m/g、少なくとも0.7m/g、少なくとも0.8m/g、少なくとも0.9m/g、少なくとも1m/g、少なくとも5m/gまたは少なくとも10m/gの表面積を有する。
一部の実施形態では、担体は、約0.1立方センチメートル/グラム(cc/g)より大きな、約0.2cc/gより大きな、約0.3cc/gより大きな、約0.4cc/gより大きな、約0.5cc/gより大きな、約0.6cc/gより大きな、約0.7cc/gより大きな、約0.8cc/gより大きな、約0.9cc/gより大きな、または約1.0cc/gより大きな細孔体積を有する。
担体は、OCM反応温度下で安定でなければならず、分解高密度化および/または相変化を受けない。さらに、担体は、OCM反応温度下で、所与の回数の操作後に、安定なままでなければならない。OCM反応温度は、触媒床の入口温度、触媒が該床内で受ける最大温度、または該床の平均温度を特徴とすることができる。担体の安定性は、操作時の時間の関数としてのC2+選択性もしくはメタン変換率を測定することによって、またはX線回折、多孔度測定、N吸着、顕微鏡法もしくは分光法などの手段により、ex-situでのOCM活性触媒の分析によって決定することができる。
一部の実施形態では、約10%より高い、約20%より高い、約30%より高い、約40%より高い、約50%より高い、約60%より高い、約75%より高い、約85%より高い、約90%より高い、約95%より高いまたは約98%より高い純度を有する担体が提供される。高い純度の支持材料の使用は、担体の安定性を改善する一助となる。担体の純度は、粉末X線回折パターンまたは他の分析方法の微調節を特徴とすることができる。
一部の実施形態では、担体の安定性は、操作の時間に伴う触媒材料のC2+選択性の変化を特徴とする。1,000時間の操作、5,000時間の操作または10,000時間の操作後の触媒材料のC2+選択性は、その初期選択性の少なくとも99%、その初期選択性の少なくとも95%、その初期選択性の少なくとも90%、その初期選択性の少なくとも80%、その初期選択性の少なくとも70%、その初期選択性の少なくとも60%、またはその初期選択性の少なくとも50%である。
一部の他の実施形態では、担体の安定性は、操作の時間に伴う触媒材料の収率の変化を特徴とする。1,000時間の操作、5,000時間の操作または10,000時間の操作後の触媒材料の収率は、その初期収率の少なくとも99%、その初期収率の少なくとも95%、その初期収率の少なくとも90%、その初期収率の少なくとも80%、その初期収率の少なくとも70%、その初期収率の少なくとも60%、またはその初期収率の少なくとも50%である。
一部の実施形態では、担体は、アルミナ、ジルコニアまたは他のセラミックを含む。一部のさらなる実施形態では、担体は、アルファ相アルミナ、ガンマ相アルミナまたはそれらの組合せなどのアルミナを含む。一部のさらなる実施形態では、担体は、ジルコニアを含む。一部の実施形態では、ジルコニアは、Y、Ceおよび/またはAlにより安定化されている。
一部の実施形態では、担体は、以下:
a. 少なくとも80%のアルミナ
b. 約0.3cc/gより大きな細孔体積および/または
c. 二峰性の細孔サイズ分布
のうちの少なくとも1つを含む。
一部のさらなる実施形態では、アルミナは、少なくとも75%のアルファ相アルミナを含む。
OCM活性触媒は、担体上に配置される、その中に含浸される、またはそれらの組合せである。一部の実施形態では、生成する触媒材料は、0.1~200m/gまたは約1~50m/gの範囲の表面積を備える。他の実施形態では、生成する触媒材料は、かなり小さな表面積、例えば、約0.0001m/g~0.1m/g、またはより高い表面積、例えば約200m/g~2000m/gを備える。一部の実施形態では、触媒材料は、5%~90%または約20~90%の範囲の細孔体積率(すなわち、細孔に存在する全体積の割合)を備える。
担体上に存在するOCM活性触媒の最適量は、とりわけ、触媒の触媒活性に依存する。一部の実施形態では、担体上に存在する触媒の量は、担体100重量部あたり1~100重量部の触媒、または担体100重量部あたり10~50重量部の触媒の範囲である。他の実施形態では、担体上に存在する触媒の量は、担体100重量部あたり100~200重量部の触媒、担体100重量部あたり200~500重量部の触媒、または担体100重量部あたり500~1000重量部の触媒の範囲である。
担体は、OCM活性触媒の安定性を向上する一助となる。一部の実施形態では、触媒材料を、少なくとも約1,000時間、少なくとも約2,000時間、少なくとも約5,000時間、少なくとも約10,000時間または少なくとも約20,000時間、メタンの酸化的カップリングにおける不均一触媒として使用した後に、該触媒材料は、C2+選択性の少なくとも90%を維持することができる。一部の他の実施形態では、触媒材料を、GHSVにおいて、少なくとも約1,000時間、少なくとも約2,000時間、少なくとも約5,000時間、少なくとも約10,000時間または少なくとも約20,000時間、メタンの酸化的カップリングにおける不均一触媒として使用した後に、該触媒材料は、C2+選択性の少なくとも90%を維持することができる。
OCM活性触媒は、OCM反応が非常に発熱性の性質があるために、ホットスポットになる傾向があり得る。このような触媒を希釈することは、ホットスポットを管理する一助となる。したがって、一部の実施形態では、触媒材料は、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属リン酸塩、金属ハロゲン化物またはそれらの組合せを含む希釈剤をさらに含む。希釈剤は、希釈剤が、OCM活性触媒の性能に対して、なんら有害作用を有さないよう選択される。
一部の実施形態では、希釈剤は、アルカリ土類金属化合物、例えばアルカリ金属酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属硫酸塩またはアルカリ金属リン酸塩を含む。様々な実施形態において有用な希釈剤の例には、以下に限定されないが、MgO、MgCO、MgSO、Mg(PO、MgAl、CaO、CaCO、CaSO、Ca(PO、CaAl、SrO、SrCO、SrSO、Sr(PO、SrAl、BaO、BaCO、BaSO、Ba(PO、BaAlなどが含まれる。一部の特定の実施形態では、希釈剤は、MgO、CaO、SrO、MgCO、CaCO、SrCOまたはそれらの組合せである。
他の実施形態では、希釈剤は、Al、SiO、TiO、ZrO、ZnO、LiAlO、MgAl、MnO、MnO、Mn、La、CeO、Y2O、HfO、AlPO4、SiO/Al、B、Ga、In、BSrO、活性炭、シリカゲル、ゼオライト、活性化クレイ、活性化Al、SiC、珪藻土、アルミノシリケート、担体ナノワイヤまたはそれらの組合せを含む。例えば、希釈剤は、SiO、ZrOまたはLaを含んでもよい。
一部の実施形態では、希釈剤は、OCM活性触媒が操作される温度において、触媒活性が全くないから中程度の触媒活性を有する。一部の他の実施形態では、希釈剤は、OCM活性触媒が操作される温度よりも高い温度において、中程度から大きな触媒活性を有する。さらに一部の他の実施形態では、希釈剤は、OCM活性触媒が操作される温度において、触媒活性が全くないから中程度の触媒活性を有し、OCM活性触媒が操作される温度よりも高い温度において、中程度から大きな触媒活性を有する。本開示によるOCM反応を操作するための典型的な温度は、1000℃またはそれ未満、950℃またはそれ未満、930℃またはそれ未満、920℃またはそれ未満、900℃またはそれ未満、800℃またはそれ未満、750℃またはそれ未満、700℃またはそれ未満、650℃またはそれ未満、600℃またはそれ未満、550℃またはそれ未満、500℃またはそれ未満、450℃またはそれ未満、および400℃またはそれ未満である。
上述の様々な実施形態では、希釈剤は、バルク(例えば、市販グレード)、ナノ構造体(ナノワイヤ、ナノロッド、ナノ粒子など)、またはそれらの組合せから選択される形態を有する。一部の実施形態では、希釈剤は、ナノ構造化されている、例えばナノワイヤは、様々な実施形態における希釈剤として使用される。これらの実施形態の一部では、ナノワイヤは、ナノワイヤの形成に適した上述の希釈材料のうちの1つまたは複数を含む。例えば、一部の実施形態では、希釈剤ナノワイヤは、金属酸化物を含む。
一部の実施形態では、触媒/希釈剤混合物中の希釈剤部分は、約0.01%、10%、30%、50%、70%、90%または99.99%(重量パーセント)、または0.01%~99.9%の間の任意の他の値である。一部の実施形態では、希釈は、例えば焼成後に準備の整ったOCM活性触媒を用いて行われる。一部の他の実施形態では、希釈は、触媒の最終焼成の前に行われ、すなわち触媒および希釈剤は、一緒に焼成される。さらに一部の他の実施形態では、希釈は、合成の間にも行うことができ、したがって、例えば、混合酸化物が形成される。さらに多くの実施形態では、触媒希釈組成物は、最大限に分散された状態で均一化される。
ある特定の実施形態では、触媒材料の局所温度、触媒活性および機械特性を管理する所望の性能基準を満たすために、OCM活性触媒対希釈剤の比は、5:95~95:5(質量基準)の範囲である。これらの基準は、触媒充填床内の位置に応じて、該床内で様々となり得る。例えば、入口から出口までの反応器床に沿って大きな温度上昇を伴う固定床反応器の場合、活性触媒対不活性希釈剤のより大きな比またはより小さな比が、反応器の出口において使用される比よりも反応器入口において適用され得る。
一部の実施形態では、OCM活性触媒の希釈剤に対する比は、約1:99~99:1(質量基準)、例えば約5:95~95:5、約10:90~約90:10、約25:75~約75:25の範囲であるか、または約50:50である。活性触媒の希釈剤に対する比は、特定の触媒反応、反応条件、機械的強度の必要性、熱制御の必要性、触媒活性、および本明細書の他の場所に記載されている他の因子に応じて、様々となろう。当業者は、適切な比を決定する方法を認識していよう。例えば、ある特定の実施形態では、適切な比は、どの比が最適な触媒性能を実現するか、および/または望ましくない副反応(例えば、OCM中のメタンの改質)を防止するかを決定することによって、経験的に決定することができる。さらに、OCM活性触媒搭載物の希釈は、次に、触媒を含まない形成物と活性触媒を含有する形成物をブレンドすることによって容易に得ることができる。活性触媒を含有しない形成物は、活性触媒を有する形成物よりもかなり高い温度で結合することができ、通常、活性な複合体形成物よりも機械的強度がかなり高くなり得る。活性触媒を含まない形成物は、通常、触媒活性を有する形成物に比べて、収縮により復元力があり、したがって、これらの2つのタイプの触媒のブレンドは、収縮の低減した触媒床をもたらすことができる。
一部の実施形態では、触媒/希釈剤混合物は、1種より多い触媒、および/または1種より多い希釈剤を含む。一部の他の実施形態では、触媒/希釈剤混合物は、ペレット化されてサイズが整えられるか、または成形された押出成形物にされるか、またはモノリスもしくは発泡体に堆積されるか、またはそのまま使用される。このような触媒形成物は、以下により詳細に記載されている。本開示の実施形態の方法は、触媒を、この第1の触媒の操作温度においてOCM反応に完全にもしくは実質的に不活性であるか、または活性が低いが、より高温では活性な別の触媒を用いて希釈することによって、OCMの非常に発熱の性質を利用することを含む。これらの方法では、第1の触媒のホットスポットによって発生した熱は、第2の触媒が活発になるために必要な熱を供給する。
ある特定の実施形態では、触媒材料は、第2の触媒とブレンドされた第1の触媒を含み、この場合、第1および第2の触媒は、同じ条件下で同じ反応に異なる触媒活性を有する。例えば、一部の実施形態では、第1の触媒はナノワイヤ触媒であり、他の実施形態では、第2の触媒はバルク触媒である。他の実施形態では、第1および第2の触媒はそれぞれ、ナノワイヤ触媒である。さらに他の実施形態では、第1および第2の触媒のどちらも、バルク触媒である。
形成物全体または触媒床全体に大きな温度勾配が、OCMの操作条件下で一般に得られ、第2の触媒が、より高い温度でメタンのエタンおよびエチレンへの変換に寄与し得るので、上述の触媒材料のブレンドの実施形態は、ある特定の利点をもたらすと考えられる。例えば、一部の実施形態では、高温(例えば、700℃、750℃または800℃より高い)において、高いC2+選択性(例えば、>20%のメタン変換率において、>50%または>60%)を有するOCM活性触媒(例えば、バルク触媒)は、低温(例えば、700℃、650℃、600℃、550℃未満)において、高いC2+選択性(例えば、>20%メタン変換率において、>50%または>60%)を有するOCM活性触媒(例えば、触媒ナノヤイヤ)とブレンドされて、第2の触媒が第1の触媒よりも大きなOCM活性を有するほど局所床温度が十分に高くなると、OCMに対する選択性が向上する。この場合、高温触媒が、反応器の一部のより熱い領域において、非常に活性なOCM活性触媒と競争することが可能となるよう、反応器の非一様な搭載量または反応器全体にわたる第2の(例えば、バルク)触媒の非一様な分布が望ましい可能性がある。例えば、一部の実施形態では、断熱反応器の背面端部に向かって第2の触媒の割合を増加させながら反応器の長さ全体にわたって異なる組成物を使用すると、より効率的なOCMプロセスがもたらされる。さらに、ナノワイヤ触媒よりも小さい表面積を有する触媒(例えば、バルク触媒)をブレンドすると、触媒材料複合体におけるOCM活性の増大の実現に有利となり得る。
一部の実施形態では、触媒材料をメタンの酸化的カップリングにおける不均一触媒として使用すると、該触媒材料は、少なくとも100℃、少なくとも200℃、少なくとも300℃、少なくとも400℃、少なくとも450℃、少なくとも480℃、少なくとも490℃、少なくとも500℃、少なくとも510℃、少なくとも520℃、少なくとも550℃、少なくとも600℃、少なくとも650℃、少なくとも700℃、少なくとも750℃、少なくとも800℃、少なくとも850℃、少なくとも900℃または少なくとも950℃の温度において、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%のC2+選択性を備える。
一部の実施形態では、触媒材料をメタンの酸化的カップリングにおける不均一触媒として使用すると、該触媒材料は、少なくとも100℃、少なくとも200℃、少なくとも300℃、少なくとも400℃、少なくとも450℃、少なくとも480℃、少なくとも490℃、少なくとも500℃、少なくとも510℃、少なくとも520℃、少なくとも550℃、少なくとも600℃、少なくとも650℃、少なくとも700℃、少なくとも750℃、少なくとも800℃、少なくとも850℃、少なくとも900℃または少なくとも950℃の温度において、少なくとも5%、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも18%、少なくとも20%、少なくとも22%または少なくとも25%のメタン変換率を備える。
一部の実施形態では、触媒材料をメタンの酸化的カップリングにおける不均一触媒として使用すると、該触媒材料は、少なくとも約100℃、少なくとも約200℃、少なくとも約300℃、少なくとも約400℃、少なくとも450℃、少なくとも480℃、少なくとも490℃、少なくとも500℃、少なくとも510℃、少なくとも520℃、少なくとも550℃、少なくとも600℃、少なくとも650℃、少なくとも700℃、少なくとも750℃、少なくとも800℃、少なくとも850℃または少なくとも900℃の入口温度において、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%のC2+選択性を備える。
一部の実施形態では、触媒材料をメタンの酸化的カップリングにおける不均一触媒として使用すると、該触媒材料は、100℃未満、200℃未満、300℃未満、400℃未満、450℃未満、480℃未満、490℃未満、500℃未満、510℃未満、520℃未満、550℃未満、600℃未満、650℃未満、700℃未満、750℃未満または800℃未満の入口温度において、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%のC2+選択性を備える。
一部の実施形態では、触媒材料をメタンの酸化的カップリングにおける不均一触媒として使用すると、該触媒材料は、少なくとも約1barゲージ圧より高い、少なくとも約2barゲージ圧より高い、少なくとも約3barゲージ圧より高い、少なくとも約4barゲージ圧より高い、少なくとも約5barゲージ圧より高い、少なくとも約6barゲージ圧より高い、少なくとも約8barゲージ圧より高い、または少なくとも約10barゲージ圧より高い圧力において、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%のC2+選択性を備える。
一部のより特定の実施形態では、触媒材料を少なくとも400℃の温度および少なくとも約2barゲージ圧の圧力で、メタンの酸化的カップリングにおける不均一触媒として使用すると、該触媒材料は少なくとも20%のC2+選択性を備える。
他のより特定の実施形態では、触媒材料を少なくとも600℃の温度および少なくとも約8barゲージ圧の圧力で、OCMにおける不均一触媒として使用すると、該触媒材料は少なくとも20%のC2+選択性を備える。
様々な異なる実施形態では、本触媒材料は、本明細書の以下に記載されている形成された触媒材料である。
3.触媒形成物
触媒材料はまた、任意の数の形態で使用されてもよい。この点では、触媒材料の物理形態は、様々な触媒反応におけるその性能に寄与することがある。特に、触媒反応器のいくつかの操作パラメーターの性能は、触媒が反応器内に配置される形態によって影響を受ける。本明細書の他の場所に明記されている通り、触媒は、離散性粒子、例えば、ペレット、押出成形物もしくは他の形成凝集物粒子の形態で提供されてもよく、または1種または複数種のモノリシック形態、例えば、ブロック、ハニカム、ホイル、格子などで提供されてもよい。これらの操作パラメーターには、例えば、反応器床からの熱移動、流速および圧力低下、触媒の接近可能性、触媒寿命、凝集物強度、性能および管理のし易さが含まれる。
ある特定の実施形態では、触媒の形態は、触媒床からの流速および圧力低下に直接、影響を及ぼし得る。特に、Ergun式を使用して推定することができる触媒床全体の圧力低下は、床の空隙体積の関数であり、例えば触媒粒子間の空隙空間の増加は、触媒床を通るより容易な流れを実現し、したがって、触媒床全体の圧力低下はより小さくなる。床全体の圧力低下はまた、有効粒子径により定義される、形成された触媒粒子のサイズの関数:Dp、式=6Vp/Sp(式中、Vpは、形成された触媒の体積であり、Spは、触媒の表面積である)である。有効な粒子径が増大するにつれて、圧力低下が小さくなる。既に記載したOCM反応を参照すると、圧力低下の問題は、このような反応が、比較的高い圧力および小さな規模で行われたので、ほとんど重要ではなかった。しかし、本明細書に記載されている好ましい低圧OCM反応によれば、ガスおよび他の化学的処理システムにおいてより慣用的に見られる、圧力および他の操作条件で反応器システム全体を維持することが望ましい。したがって、反応器床全体に比較的制御された圧力低下を伴う、約15psiゲージ圧~約150psiゲージ圧の入口圧力で操作する反応器システムを実現することが望ましい。したがって、ある特定の実施形態によれば、触媒形成物は、反応器床の深さが約0.1psiゲージ圧/リニアフィートから反応器床の深さが約10psiゲージ圧/リニアフィートの間の平均値となる圧力低下を伴って、約15~300psiゲージ圧の間の入口圧力を有する反応器を実現するように選択される。通常、触媒形成物を含む床全体の圧力低下が、STPが約15,000h-1~STPが約50,000h-1の範囲のGHSVにおいて、約0.05bar/m~約0.4bar/mの範囲となるように、触媒形成物が選択される。一定のGHSVでは、触媒床の長さ/直径アスペクト比が向上するにつれて、および/または触媒床の直径が低下するにつれて、圧力低下は、通常、向上する。典型的な触媒床のアスペクト比(長さ対直径)は、約0.1~約3、0.1~約2、約0.3~約1、例えば、約0.5~約0.75の範囲である。典型的な触媒床の直径は、約3フィート~約20フィート、例えば、約5フィート~約15フィートの範囲である。
様々な触媒形成物は、本明細書に記載されているこれらのパラメーターを実現するよう使用されてもよい。特に、反応器内に、約35%~約70%、好ましくは約45%~約65%の間の空隙率を実現する触媒形成物は、有利な範囲の空隙率を一般に実現する。一部の実施形態では、空隙率は、60%~70%、例えば64%~67%の範囲である。上述であるにもかかわらず、有効な空隙率の範囲は、適切な粒子サイズを選択することによって選択され、必要な触媒活性を依然として実現しながら、望ましい圧力低下を満たすことができる。一般に、触媒粒子は、通常、少なくとも1つの断面寸法が約0.25mm~約50mmの範囲にあり、一部の実施形態は、少なくとも1つの断面寸法は、形成された凝集物の場合、約0.25mmから約50mmまたは約40mmまで、約4mm~約28mm、または約6mm~約25mm、または約2mm~約25mmの範囲の粒子サイズを有する。例えば、一部の実施形態では、触媒粒子は、通常、少なくとも1つの断面寸法が、約4mm~約28mmの間にあり、形成される凝集物の好ましい粒子サイズは、少なくとも1つの断面寸法が約10mm~約25mmの間である。他の実施形態では、少なくとも1つの断面寸法は、約10mm~約16mm、14mm~約20mm、または約18mm~約25mmの範囲である。
ある特定の実施形態によれば、上述のパラメーターは、所望の範囲の他のパラメーターを維持する状況で調節される。特に、空隙率および圧力低下の調節は、一般に、触媒活性または触媒寿命に悪影響を大きく及ぼさない方法で行われる。特に、好ましい触媒形成物は、所望の性能活性を実現し、かつ機械特性の規格も満たすと同時に、所望の圧力低下をもたらす。一般に、所望の空隙率を維持すると同時に、高い表面積対体積比を実現する触媒形成物が好ましい。有効粒子径が低下するにつれて、表面積対体積比が向上する。したがって、圧力低下要件を依然として満足しながら、できる限り小さな有効直径を有することが望ましい。より小さな有効直径を有する形成物を使用することができるが、空隙率は圧力低下要件を満足するよう増えなければならない。ある特定の実施形態では、これを達成する触媒形成物は、例えば、環、五角形、長円形、管、三葉、三葉環、ワゴンの車輪、モノリス、四葉(quadralobe)、四葉環、溝付き縁部を有する形状などが含まれる。一般に、本開示の形成された凝集物触媒粒子の表面積対体積比は、約0.1mm-1~10mm-1、一部の実施形態では、約0.5mm-1~約5mm-1および他の実施形態では、約0.1mm-1~約1mm-1の範囲となる。
さらなる態様では、使用される触媒形成物が、反応器システムの操作パラメーターを満たす破砕強度を有することも望ましい。特に、触媒の破砕強度は、一般に、操作条件、例えばガス入口圧力に起因する触媒粒子にかかる圧力と触媒床の重量の両方を支持するべきである。一般に、形成された触媒材料は、約0.2N/mmより大きい、一部の実施形態では、約2N/mmより大きい、例えば約0.5N/mmより大きい、好ましくは約2N/mmより大きい破砕強度を有することが望ましい。一部の実施形態では、破砕強度は、約0.25N/mmより大きい、または約1N/mmより大きい、例えば約10N/mmである。理解される通り、破砕強度は、一般に、より緻密な触媒形成物、例えばより小さな表面積対体積比を有するか、またはより高い触媒密度を有する触媒形成物の使用によって増大させることができる。しかし、このような形成物の採用は、性能に悪影響を及ぼす恐れがある。したがって、所望の活性範囲内の上記破砕強度、圧力低下などを実現する形成物が選択される。破砕強度はまた、結合剤の使用および調製方法(例えば、押出成形またはペレット化)によっても影響を受ける。
さらに、特に好ましい実施形態では、触媒ナノワイヤ材料が結合剤自体として機能し、したがってより高い構造的完全性および破砕強度を触媒粒子に付与することができるので、その使用は、破砕強度を増進させることができる。
総合的な反応器性能に影響を及ぼすことができる別の触媒形成物の特徴は、触媒粒子内での触媒材料の接近可能性である。これは、一般に、所与の触媒粒子の触媒部分の表面積対体積比の関数である。均一に分散した触媒の場合、これは粒子全体の表面積:体積比と関係する一方、触媒コーティング粒子または形成物の場合、これは触媒粒子のコーティングの細孔の表面積:体積比と関係すると思われる。この比は触媒粒子の形状の関数であり、例えば球形粒子は、他の形状よりも小さい表面積:体積比を有するが、触媒粒子の多孔度によっても実質的に影響を受け得る。特に、高度に多孔質の触媒粒子は、より大きな効果的な拡散性を有しており、これは、反応器中での形成された触媒のより高度な利用を可能にする。やはり、高度に多孔質の触媒粒子は、より大きな接近可能性をもたらすことができるが、それらの触媒粒子は、一般に、多孔度を増大させることによって悪影響を受け得る、所望の破砕強度などを維持しながら、より大きな接近可能性をもたらすべきである。特に好ましい態様では、触媒粒子または他の形成物は、約0.2N/mmを超える所望の破砕強度を維持しながら、約10%~約80%の間の多孔度を含む。より好ましい態様では、その多孔度は、約40%~約60%の間となる。
例えば、一部の実施形態では、触媒材料は、押出成形物またはペレットの形態にある。押出成形物は、触媒材料を含む半固体組成物を適切なオリフィスに通過させるか、または、成型もしくは他の適切な技法を使用することによって調製することができる。他の触媒形成物は、支持材料または構造体上に担持または含浸された触媒を含む。一般に、任意の支持材料または構造体を使用して、活性触媒を支持することができる。支持材料または構造体は、目的の反応(例えば、OCM)において不活性であってもよく、または触媒活性を有していてもよい。例えば、触媒は、モノリス担体上に担持されていてもよく、または含浸されていてもよい。一部の特定の実施形態では、活性触媒は、実際に、反応器自体の壁上に担持されており、この反応器は、反応熱をもっぱら反応器壁で発生させる(例えば、この場合、環状反応器およびより高い空間速度となる)ことによって、内壁での酸素濃度を最小化する、または熱交換を促進する役割を果たすことができる。本開示の実践において有用な例示的な触媒形成物は、以下により詳細に記載されている。
触媒形成物の表面積対体積比は、触媒形成物を出入りする試薬および生成物分子の最大流束を決定する際の重要なパラメーターである。相対表面積の増大は熱除去に有利に働いて、その形成物の厚さを最小化させる傾向があり、したがって粒子のコアでのピーク温度を抑制するので、このパラメーターはまた、その形成物全体にわたる温度勾配にも影響を及ぼす。一部の場合、触媒粒子と周囲ガスとの間に大きな温度差が存在するような触媒粒子からの熱除去は、有利ではない。この場合、より小さな触媒形成物エンベロープ表面積対触媒形成物エンベロープ体積比が望ましく、0.1mm-1~約4mm-1または0.1mm-1~約0.5mm-1の範囲である。OCM活性触媒形成物の特定の場合では、空間速度が、約10,000~約200,000h-1、例えば、20,000h-1~32,000h-1の範囲である場合、触媒形成物エンベロープ表面積対触媒形成物エンベロープ体積比は、約0.5~約4mm-1または約0.25mm-1~約4mm-1の範囲である。4mm-1より大きい比では、同じ触媒形成物は機械的に弱くなることがあり、この場合、コーティングされた基材が好ましいことがある。0.5より小さい比では、その形成物が厚くなり過ぎて、輸送限界が律速因子となる恐れがあるので、触媒の一部だけが、試薬へ接近可能である。
一部の場合、活性触媒材料が実質的に均一に分散されている触媒材料を提供することが特に望ましい。本明細書で使用する場合、均一に分散されているとは、所与の触媒粒子全体にわたって、活性触媒の濃度が25%を超えて変動しない、好ましくは10%以下であることを意味する。特に好ましい材料の場合、これは、例えば希釈剤、結合剤などを含む触媒配合物内でのより均一な分散プロファイルをもたらす、触媒ナノワイヤ材料の使用によって有利に実現される。
触媒形成物内で不均一に分散している触媒(例えば、担体の表面に配置されている触媒)の場合、その形成物の表面に活性触媒の構成成分を優先的に濃縮する(例えば、担体の表面に付着する)ことによって、使用される有効触媒を維持することができるので、上記の比は極めて小さくなる可能性がある(例えば、約0.1~約0.5)。
形成された触媒材料の密度は、多孔度、有効表面積、圧力低下、破砕強度などの様々な因子に影響を及ぼし得る。様々な実施形態では、形成された触媒材料の密度は、約0.5g/cmから約5.0g/cmまで、または約3.0g/cmまでの範囲である。例えば、一部のより特定の実施形態では、密度は、約1.50g/cmから約3.5g/cmまで、約3.0g/cmまで、または約2.0g/cm~約2.75g/cm、例えば、約2.5g/cmの範囲である。上記の密度は、触媒材料の多孔度および空隙体積に関連する体積を除く、触媒材料の密度を指す。
ある種の好ましい実施形態では、触媒材料は、上述のパラメーターの1つ、2つまたはそれより多くを満足する。例えば、触媒粒子(またはそれから作製された触媒材料、例えば、形成された凝集物)は、35%~70%の床の空隙体積率、1N/mmより大きな破砕強度、10%~80%の範囲の多孔度および0.1mm-1~10mm-1の範囲の表面積と対体積比をもたらす、1種または複数種の粒子サイズおよび/または形状を含むことができる。他の実施形態では、触媒粒子(またはそれから作製された触媒材料、例えば、形成された凝集物)は、45%~65%の床体積空隙率、1N/mmより大きな破砕強度、40%~60%の範囲の多孔度および0.1mm-1~5mm-1の範囲の表面積対体積比をもたらす、1種または複数種の粒子サイズを含むことができる。
さらに多くの実施形態では、触媒粒子(またはそれから作製された触媒材料、例えば、形成された凝集物)は、40%~60%の床体積空隙率、0.2N/mmより大きな破砕強度、10%~80%の範囲の多孔度および0.1mm-1~10mm-1の範囲の表面積対体積比をもたらす、1種または複数種の粒子サイズを含むことができる。一部の実施形態では、触媒粒子(またはそれから作製された触媒材料、例えば、形成された凝集物)は、35%~70%の床体積空隙率、0.2N/mmより大きな破砕強度、10%~80%の範囲の多孔度および0.1mm-1~10mm-1の範囲の表面積対体積比をもたらす、1種または複数種の粒子サイズを含むことができる。他の実施形態では、触媒粒子(またはそれから作製された触媒材料、例えば、形成された凝集物)は、35%~70%の床体積空隙率、1N/mmより大きな破砕強度、40%~60%の範囲の多孔度および0.1mm-1~10mm-1の範囲の表面積対体積比をもたらす、1種または複数種の粒子サイズを含むことができる。さらに他の実施形態では、触媒粒子(またはそれから作製された触媒材料、例えば、形成された凝集物)は、35%~70%の床体積空隙率、0.2/mmより大きな破砕強度、10%~80%の範囲の多孔度および0.1mm-1~5mm-1の範囲の表面積対体積比をもたらす、1種または複数種の粒子サイズを含むことができる。
上述の実施形態の一部では、触媒材料が、上述のパラメーターの1つ、2つまたはそれより多くを満足する場合、触媒粒子(またはそれから作製された触媒材料、例えば、形成された凝集物)は、0.25mm~50mmの範囲の少なくとも1つの断面寸法をさらに備える。他の実施形態では、少なくとも1つの断面寸法は、4mm~28mmの範囲である。上述の触媒材料のいずれも、約0.1m/g~約50m/gの範囲のBET表面積をやはり備えることができる。BET(Brunauer/Emmett/Teller)とは、不活性ガス、例えば窒素を使用し、材料に吸着されたガスの量を測定する、表面積を決定する技法を指し、材料の接近可能な表面積を決定するために使用することができる。
触媒形成物の重量基準の全表面積(細孔を含む)は、その形成物の組成(すなわち、触媒、結合剤、希釈剤など)によって主に決定される。低い表面積の希釈剤を使用する場合、固体の表面積の大部分は、OCM活性触媒に由来する。ある特定の実施形態では、触媒材料の表面積は、低い表面積の希釈剤材料を使用した場合、触媒希釈度に応じて、約0.1m/g~約50m/gの範囲である。
ナノワイヤ構造触媒を用いた触媒材料の利点の1つは、それらが、相互接続した大きな細孔を呈する大きな細孔体積を有する凝集物を形成することができることである。通常、ナノワイヤ触媒を含有する触媒材料中の細孔体積率は20~90%(vol/vol)の範囲であり、一部の実施形態では、希釈剤(通常、より低い多孔度およびより小さい表面積)のナノワイヤ凝集物に対する比を調節することによって改変することができ、他の実施形態では、適切なアスペクト比を有するナノワイヤを選択することによって改変することができる。その細孔構造が、ナノワイヤ凝集物によって大部分占められている場合、20nmを超える細孔が、複合体形成物内の細孔体積の主要供給源である。一部の実施形態は、試薬および生成物分子に対して、高度に相互接続した大きい開口部を有する触媒形成物を含み、こうして、その形成物を通る拡散を促進する。この特性は、例えばディーゼル煤を除去するためのウオールスルーフローモノリスのように、反応剤の流れを強制的に複合体に通過させる場合にも使用することができる。
一部の例において、高度に発熱的な反応から生じる潜在的なホットスポットを軽減するために、触媒形成物が選択される。例えば、一部の実施形態では、形成物の熱伝導性を、高い熱伝導性を有する材料をその形成物中に含ませることによって増大させる。熱伝導性を増大させるのに使用される材料の例には、以下に限定されないが、SiCが含まれる。他の実施形態では、形成物の単位体積あたりの発熱速度は、例えば、不活性材料でその形成物を希釈することによって低下させて、こうして、形成物体積および形成物の多孔度あたりの触媒表面積を調節することができる。同時に、その形成物を通る熱移動を促進するための希釈剤の選択は、その形成物にわたる温度勾配を小さくするのに有益となり得る。この点で、本明細書に記載されている希釈剤のいずれかを、熱移動を促進しその形成物にわたる温度勾配を低下させるために、触媒形成物において使用することができる。
別の実施形態では、触媒形成物の熱移動特性は、その形成物全体にわたる活性触媒の不均一な搭載量によって制御される。例えば、一部の実施形態では、OCM活性触媒を、触媒的に不活性な担体上にコーティングし、形成物あたりの総合的に低い触媒搭載量、および形成物にわたる限られた温度勾配をもたらすことができる(粒子のコアに発熱がないので)。やはり、このようなコーティング層の厚さも、触媒の不活性担体に対する所望の比および/または触媒搭載量に依存する。他の実施形態では、充填床反応器のいくつかの位置において、形成物にわたる温度勾配を増大させることが望ましいことがある。この場合、活性触媒が、その形成物のコアに優先的に搭載されてもよく、外側シェルは少量の活性触媒を含有する。このような戦略が、以下により詳細に議論されている。
一部の実施形態では、担体(例えば、アルミナまたはジルコニア)は、ペレットまたは押出成形物またはモノリス(例えば、ハニカム)構造の形態で使用することができ、触媒をその上に含浸させる、または担持することができる。他の実施形態では、コア/シェル型配置が提供され、その支持材料はコアまたはシェルの一部を形成することができる。例えば、アルミナまたはジルコニアのコアを、触媒のシェルでコーティングしてもよい。担体上に形成される触媒層の厚さは、OCM反応の所望の速度に依存する。一部の実施形態では、触媒層の厚さは、1μm~1000μmの間、好ましくは5μm~100μmの間、さらにより好ましくは、5μm~50μmの間である。
ある特定の実施形態では、触媒材料は、基礎をなす触媒材料および多くの場合、本明細書の他の場所に記載されているドーパント、希釈剤、結合剤、担体または他の異なる触媒材料を含む1つまたは複数の追加材料を含む形成された凝集物として提供される。これらの形成された凝集物は、例えば、押出成形プロセス、キャスト形成プロセス、押圧形成プロセス、例えば錠剤プロセス、自由形態凝集プロセス(例えば、噴霧凝集)、浸漬、噴霧、パンもしくは他のコーティング、または含浸プロセス、および/または凝集/造粒技法を含む、多くの異なる形成プロセスによって調製することができる。これらの成形された凝集物は、小型粒子、例えば1mm未満の断面寸法から、例えば典型的なペレットまたは押出成形物のサイズにされた粒子の場合、1mm~2cmの範囲の断面寸法である中程度のサイズの粒子まで、例えばより大きな成形凝集物およびモノリス形態の場合、2cm~1メートルまたはそれを超える範囲の断面寸法であるずっと大きい形成物までのサイズの範囲であってよい。
一部の実施形態では、不均一触媒(例えば、OCM活性触媒)を含有する複合体形成された凝集物を形成させるために使用される希釈剤または結合剤は、炭化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、アルミナ、アルミノシリケート、炭酸塩、硫酸塩、コーディエライト(MgAlSi18)およびアルカリ土類金属アルミネート(例えば、CaAl、CaAl)などの低酸性度の耐火性酸化物から選択される。他の実施形態では、希釈剤は、上記の「触媒配合物」と題する項目に記載されている希釈剤の1つまたは複数から選択される。希釈剤表面と反応生成物中間体との間の潜在的な負の相互作用を最小化させるために、希釈剤は、小さい表面積および低い多孔度のものが優先される。
形成された凝集物の機械的強度(特に、破砕強度)を改善するために、追加的な結合剤を使用することもできる。一部の実施形態では、このような結合剤は、凝集物中の粒子間に架橋を形成することが可能な無機前駆体または無機クラスターであり、例えば、コロイド状シリカ、アルミナまたはジルコニアなどのコロイド状酸化物結合剤を使用することができる。しかし、OCM活性触媒の特定の場合、反応中間体に対して結合剤が不活性であることが一般に望ましい。標準的なコロイド状シリカおよびコロイド状アルミナは、OCM反応を妨害することが分かっているので、ある特定の実施形態は、これらのタイプの結合剤を含まない触媒材料を含み、ある特定の実施形態では、触媒材料は、触媒ナノワイヤを含み、結合剤を実質的に含まない(すなわち、ナノワイヤは結合剤材料として作用する)。一部の実施形態では、結合剤のレドックス活性が、複合体形成物のOCMのための総合的な触媒活性よりもずっと小さいという前提で、結合剤は低濃度のCeOを含んでもよい。
上記の構成成分とは別に、さらなる構成成分および補助剤を、形成される(例えば、押出成形される)ことになる混合物に、通常、添加する。水、および適切な場合、酸または塩基を使用してもよい。さらに、触媒形成物の形成中の処理の改善、ならびに/または押出成形された触媒材料の機械的強度および/もしくは所望の多孔度のさらなる増大に寄与する有機物質および無機物質を、補助剤としてさらに使用することができる。このような補助剤は、グラファイト、ステアリン酸、メチルステアレート、シリカゲル、シロキサン、セルロース化合物、デンプン、ポリオレフィン、炭水化物(糖)、ワックス、アルギネートおよびポリエチレングリコール(PEG)を含むことができる。
成形した凝集物において使用される活性触媒の結合剤に対する比は、所望の最終触媒形成物、触媒形成物の所望の触媒活性および/または機械的強度、ならびに触媒が何かに応じて変わる。押出成形物に関すると、所望の触媒材料を得るために、押出成形するペーストのレオロジーは変わり得る。
ある特定の実施形態では、OCM反応のために開示されている形成された触媒材料は、吸着の基礎ステップ、表面反応および脱着を含む、共通の触媒反応に使用される触媒材料とは異なって設計される。理論に拘泥することを望むものではないが、ある特定の実施形態では、OCM反応は、メタンが衝突によって触媒表面で活性化され、メチルラジカルを生成し、次に、触媒表面を取り囲む気相中で反応する、Eley-Rideal機構に従うと考えられる。このような機構では、触媒材料内の細孔体積は、高いメチルラジカル濃度で充填された状態になることができ、高い選択性のメチルラジカルカップリングおよびエタン形成をもたらす。
この機構は、非常に高いターンオーバー率を生じることができる触媒をもたらし、他の触媒反応に比べて、時間あたりより高いガス空間速度での操作が可能となる。高いアスペクト比(円筒形反応器の場合、長さ/直径の比)を有する反応容器が、商業規模では望ましいので、OCMの一部の実施形態では、商業規模では、高いガス線速度または空塔速度が好ましい。本明細書で使用する場合、「高い線速度」または「OCM線速度」はどちらも、約1m/s~約10m/sまたはある特定の実施形態では、約2m/s~約8m/s、および他の実施形態では、約2m/s~約4m/sの範囲である線速度を指す。類似した寸法を有する他の触媒反応に使用される典型的な商業的な反応器システムは、より低い空間速度、および約2m/s未満、または約1m/s未満などのかなり低い線速度で稼働する。これらの高い線流速は、小さな粒子サイズおよび低い空隙率を有する触媒床に対する流れ抵抗を増大させる。
したがって、OCM触媒材料に関連する難題の1つは、実際的な商業的配置のための圧力低下要件を満足しながら、非常に迅速な動力学を利用するために、反応器(および触媒)内部の物質移動の制限を最小化することである。物質移動の抵抗を最小化するため、外部および内部の物質移動のどちらも最小化しなければならない。ある特定の実施形態では、内部物質移動の抵抗は、最小限の触媒材料の直径および約10nmより大きな細孔サイズを維持することによって最小化される。他の実施形態では、外部物質移動の抵抗を最小化するため、このプロセスが、レイノルズ数が高く、かつ流れが乱れているガス速度で操作されるように、流体力学が制御される。レイノルズ数は、粒子の有効直径またはガス速度が向上するにつれて、増加する。本明細書におけるある特定の実施形態では、OCM反応は、レイノルズ数(粒子に基づく)が、100を超えるよう、例えば1,000を超える、または2,000を超えるような条件下で操作される。
内部物質移動の抵抗を最小化するために小さな有効直径と高いレイノルズ数の両方を満足するため、触媒材料のある特定の実施形態は、有効直径を最小化する形状を有するが、高い空隙率を有して、高いガス速度から生じる圧力低下を低減するように選択される。したがって、開示された触媒材料のある特定の実施形態は、環、五角形、長円形などの高い空隙形成物であって、各々が、必要に応じた溝付き縁部およびスルーホールを有する、高い空隙形成物で提供される。
したがって、一部の実施形態では、本開示の実施形態において有用な触媒材料は、様々な形状およびサイズで生成される。この点では、押出成形物または錠剤は、ある特定の実施形態に特定の有用性が見出されている。例示的な触媒材料は、その中を貫通する1つまたは複数の孔を有する上述の形状のいずれかを含む、押出成形されたまたは錠剤化された円筒、ロッド、星形またはリブ状粒子、三葉、中空形状、ドーナツまたは環状粒子、ペレット、管、球形、溝付き、ハニカムおよび不規則形状を含む。様々な実施形態では、触媒サイズおよび形状は、特定の反応器サイズおよび反応器の操作条件(例えば、温度、圧力、線速度など)について、選択性、活性および圧力低下要件を満足するよう選択される。触媒材料サイズおよび形状は、特定の反応器タイプに応じて、異なってもよい。触媒サイズは、通常、許容可能な程度の低い圧力低下を維持しながら、できる限り最大の表面積(例えば、反応剤ガスとの最大の接触)をもたらすように選択される。したがって、小型反応器は、通常、小さなサイズの粒子を使用する一方、大型反応器は、通常、より大きなサイズの粒子を使用する。一部の実施形態では、小型の押出成形物または錠剤は、サイズが0.5~10mm、好ましくは1~50mm、特に好ましくは6~25mmの範囲の外径を有する。他の実施形態では、小さな触媒材料の場合の長さの外径に対する平均比は、0.2:1~20:1、好ましくは0.7:1~10:1、特に好ましくは1:1~5:1である。大きな触媒材料の例示的な実施形態は、サイズ(有効直径)が、10~50mm、好ましくは10~30mm、特に好ましくは14~25mmの範囲の押出成形物または錠剤を含む。ある特定の他の実施形態では、大きな触媒材料の場合の長さの外径に対する平均比は、0.1:1~20:1、好ましくは0.7:1~10:1、特に好ましくは0.5:1~2:1である。
形成物の形状が、形成された粒子間の空隙率に大きな影響を及ぼすことがあるので、触媒材料の形状は、活性触媒体積搭載量を増大させるかまたは減少させるように選択することができる。例えば、一実施形態は、同じ直径の単なる円筒形状と比較した場合、この形成物中のドーナツ穴によってもたらされる追加的な空隙のため、より大きな内部充填(packbed)空隙率を有するドーナツ形状の粒子を対象とする。ある特定の実施形態では、商業規模で、許容される圧力低下および表面積をもたらす形状は、約0.6~0.7の間の床空隙率および約3~12mmの間の有効直径を有する。
本開示の様々な実施形態の実施に有用な他の触媒形成物は、中空触媒形成物(一般に押出成形またはキャスト成形により調製されるが、押圧形成されてもよい)を含む。このような実施形態は、多孔質で触媒的に活性な材料によって、異なるガスドメインの分離を可能にする。このような設計の1つの実施は、希釈剤材料を含むナノワイヤ触媒で作製されている壁を有する中空管におけるものである。管を使用して、試薬を別個のストリームで導入することができる。このような複合形成物の別の実施は、フィードガスと生成物ガスが触媒壁の別々の側面に存在する、ウォールフロースルーモノリスとすることができる。
ある特定の他の態様では、管または環状触媒粒子が使用される。理論に拘泥することを望むものではないが、壁または環の厚さが、性能に影響を及ぼし得ると考えられる。特に、壁または環の厚さがより大きくなると、OCM反応のためのより低いライトオフ温度を促進すると考えられる。言い換えると、外径の内径に対する比がより大きな環または管形状の触媒形成物または粒子は、OCM反応のためのより低いライトオフ温度を示す。特に好ましい態様では、OCM活性触媒粒子、例えば本明細書の他の場所に記載されているナノワイヤOCM活性触媒含有粒子の壁または環の厚さは、内径の外径に対する比が約0.3~0.7の間となるように選択される。例えば、一部の場合、触媒粒子の壁の厚さは、約1mm~約10mmの間とすることができ、特に好ましい触媒粒子は、約6mm~約2mmの間、より好ましくは約4mm~約1.4mmの間であり、さらにより好ましい壁の厚さは、約1mm~約50mmの間、好ましくは約4mm~約10mmの間の外径を有する触媒環または触媒管の場合、約1.5~1.9mmの間である。
環形状の触媒材料の他の実施形態は、約3mm~約50mmの外径を有する環を含む。ある特定の実施形態における内径は、約1mm~約25mmの範囲である。外径は、内径より大きくなるよう選択することができる。したがって、本開示の様々な実施形態の実施のための触媒材料の様々な実施形態は、複数のOCM活性触媒を含み、触媒材料は、約3mm~約50mmの範囲の外径、および約1mm~約25mmの範囲の内径を有する環の形状にあり、外径は内径よりも大きい。関連する実施形態では、環の内径の外径に対する比は、約0.3~約0.9、例えば、約0.4~約0.8または約0.65~約0.75の範囲である。環のアスペクト比(長さを外径により除算)は、異なる実施形態では、様々となる。ある特定の実施形態では、アスペクト比は、約0.5~約2、0.5~約2または約0.6~約1.2の範囲である。
様々な規模の反応は、通常、異なるサイズの環から利益を受ける。例えば、より小さな規模の反応の場合(例えば、パイロット、小型商業など)、環は、通常、約3mm~約15mm、約4mm~約10mmまたは約5~約10mmの範囲の外径を有する。様々な実施形態では、これらの環の内径は、約1mm~約10mm、例えば、約2~約7mmまたは約2~約5mmと様々となろう。例えば、一部の実施形態では、環は、約6mmの外径および約3mmの内径を有する。
より特定の実施形態では、環の形状の触媒材料は、約5mm~約10mmの範囲の外径、および約1mm~約4mmの範囲の内径を有する。他の実施形態では、外径は、約5mm~約7mmの範囲にあり、内径は、約2mm~約4mmの範囲である。一部の関連する実施形態では、外径は約6mmであり、内径は約3mmである。
より大きな規模の反応(例えば、実証規模、商業規模など)は、より大きな環サイズから利益を得ることができる。したがって、一部の実施形態では、環の外径は、約10mm~約50mm、例えば約15~約40mm、または約18mm~25mmの範囲である。このような実施形態では、環の内径は、約10mm~約25mm、例えば約10mm~約20mm、または約12mm~約18mmの範囲である。
上記の環のさらなる実施形態では、環は、約17mm~約19mmの範囲の外径、および約11mm~約13mmの範囲の内径を有する。他の実施形態では、環は、約18mm~約20mmの範囲の外径、および約12mm~約14mmの範囲の内径を有する。一部の他の実施形態では、環は、約19mm~約21mmの範囲の外径、および約13mm~約15mmの範囲の内径を有する。一部のより多くの実施形態では、環は、約21mm~約23mmの範囲の外径、および約14mm~約16mmの範囲の内径を有する。さらに多くの実施形態では、環は、約21mm~約23mmの範囲の外径、および約15mm~約17mmの範囲の内径を有する。さらに多くの実施形態では、環は、約24mm~約26mmの範囲の外径、および約16mm~約18mmの範囲の内径を有する。他の実施形態は、約21mm~約26mmの範囲の外径、および約17mm~約19mmの範囲の内径を有する環を含む。
上述のより特定の実施形態では、環は、約18mmの外径および約12mmの内径を有する。他の実施形態では、環は、約20mmの外径および約13mmの内径を有する。より多くの実施形態では、環は、約20mmの外径および約14mmの内径を有する。他の実施形態では、環は、約22mmの外径および約15mmの内径を有する。より多くの実施形態では、環は、約22mmの外径および約16mmの内径を有する。より多くの実施形態では、環は、約25mmの外径および約17mmの内径を有する。さらに多くの実施形態では、環は、約25mmの外径および約18mmの内径を有する。
上記の環のさらなる実施形態では、環は、約13mm~約15mmの範囲の外径、および約9mm~約11mmの範囲の内径を有する。例えば、一部の実施形態では、環は、約14mmの外径および約10mmの内径を有する。
本明細書に記載されている触媒材料の他の例示的な形状は、「ミニリス」を含む。ミニリスは、その中に空隙体積を有する小さなモノリシック材料である。ミニリスは、任意の数の様々な形状およびサイズで提供され得る。例えば、ある特定の実施形態では、ミニリス形状は、立方体から円筒形の範囲にあり、その不規則な形状を含む。ミニリス内の空隙体積はまた、サイズおよび形状が様々となり得る。典型的なミニリス中の空隙空間の数もまた、ミニリスあたり約1~約10、例えば、ミニリスあたり約3~約7と様々になろう。一部の実施形態では、空隙体積は、円筒形である。
開示されているミニリスのサイズに関すると、様々な実施形態は、約10mm~約50mm、例えば、約15~約40mm、または約18mm~25mmの範囲の最大外側寸法を有するミニリスを対象とする。ミニリスの「最大外側寸法」に関すると、この値は、ミニリスが適合する最小直径のパイプに基づいて決定される。例えば、円筒形ミニリスの最大外側寸法は、その直径となる一方、立方形ミニリスの場合、この寸法は、立方体の面の1つの対角線となる。
ある特定の実施形態では、ミニリスは、非平面充填形状を有する。非平面充填形状は、形成された触媒材料が、一緒に緊密に充填することができず、空隙空間が個々の形成された種の間で依然として存在するので、ある特定の実施形態では、有利である。したがって、一部の実施形態では、本方法は、触媒および結合剤または希釈剤を含む、形成された触媒材料であって、
a)非平面充填形状、
c)1mm~20mmの範囲の有効直径、および
d)0.3より大きな空隙率
を含む触媒材料を使用する。
一部の実施形態では、触媒は、OCM活性触媒である。一部の実施形態では、有効直径は、約5~約50mm、約15mm~約30mm、または約20~約28mmの範囲である。
空隙率は、最適な圧力低下および活性触媒の反応剤ガスとの接触をもたらすように最適化される。一部の実施形態では、空隙率は、約0.4~約0.8、例えば、約0.5~約0.7、または約0.6~約0.7の範囲である。より特定の実施形態では、空隙率は、約0.64~約0.67または約0.54~約0.58の範囲である。
密度も、破砕強度および多孔度などの因子に対して最適化される。例えば、ある特定の実施形態では、形成された触媒材料は、約0.5g/cm~約2.0g/cm、例えば、約0.8g/cm~約1.5g/cmまたは約0.9g/cm~1.2g/cmの範囲の総密度を有する。本明細書で使用する場合、用語「総密度」とは、形成された触媒材料全体の密度を指す(すなわち、任意の空隙体積および多孔度により占有される全体積を含む)。触媒床(すなわち、複数の形成された触媒材料または押出成形された触媒材料)に関すると、「総密度」はまた、触媒間空隙体積(個々の押出成形物または錠剤間の空隙体積など)を含む。
一部の実施形態では、触媒材料は、丸みのあるまたは面取りのされた縁部を備える。さらに、触媒床全体の圧力低下は、考慮する重要な因子であるので、形成された触媒材料のいくつかは、慣用的な平坦表面の代わりに、凸表面を備える。凸表面は、充填触媒床におけるさらなる空隙体積を可能にする(すなわち、形成された触媒材料は、緊密に充填していない)。
前述の実施形態の一部では、非平面充填形状は、五角形である。五角形は、不規則な五角形であってもよく、または規則的な五角形であってもよい。五角形形状の触媒材料のサイズは、通常、反応の規模に基づいて選択される。より大きな規模の反応は、通常、より大きな形成された触媒材料を利用する。一部の実施形態では、五角形は、約5mm~約50mm、例えば、約10mm~約30mmまたは約20~30mmの範囲の有効直径を有する。一部のより特定の実施形態では、有効直径は、約22~26mmの範囲である。
他の実施形態では、非平面充填形状は楕円である。やはり、楕円のサイズは、一般に、所望の反応の規模に基づいて選択される。一部の実施形態では、楕円は、約10mm~30mmの範囲の外径および約5mm~約20mmの範囲の内径を有する。他の実施形態では、外径は、約20mm~約30mmの範囲であり、内径は、約6mm~約18mmの範囲である。例えば、一部のより特定の実施形態では、外径は、約22mm~約26mmの範囲であり、内径は、約10mm~約14mmの範囲である。
他の実施形態では、非平面充填形状は円である。一部の実施形態では、円は、約5mm~30mmまたは約5mm~約20mmの範囲の直径を有する。他の実施形態では、直径は、約20mm~約30mmまたは約6mm~約18mmの範囲である。例えば、一部のより特定の実施形態では、直径は、約22mm~約26mmまたは約10mm~約14mmの範囲である。
様々な実施形態では、触媒床の空隙空間は、形成された触媒材料の縁部に溝(groove)および/または溝(flute)を含ませることによって制御される。溝は、通常、形成された触媒材料の外側縁部に裁断された凸形状(円形)をしている。一部の実施形態では、触媒材料は、1つまたは複数の溝付き縁部を備える。一部の他の実施形態では、1つまたは複数の溝は、約2~約10mm、例えば、約6mmの範囲の直径を有する。
前述の実施形態のいずれかにおいて、OCM活性触媒は、希土類酸化物を含む。一部の実施形態では、触媒はナノワイヤ触媒であり、他の実施形態では、触媒はバルク触媒である。
ミニリス中の空隙体積(例えば、環または非平面充填形状)は、ミニリスの全体積の約10%~約50%または約25%~約35%の範囲である。開示されているミニリスのアスペクト比(長さを外側寸法により除算)は、約0.5~約2または約0.6~約1.2の範囲である。
ある特定の実施形態では、ミニリス(例えば、環、五角形、楕円)は、3つの空隙空間を備える。他の実施形態では、ミニリスは、4つの空隙空間を備える。より多くの実施形態では、ミニリスは、5つの空隙空間を備える。一部の他の実施形態では、ミニリスは、6つの空隙空間を備える。さらに他の実施形態では、ミニリスは、7つの空隙空間を備える。ある特定の実施形態では、空隙空間は、円筒形である。
空隙空間の寸法は様々となり、空隙空間の最大の断面寸法に対して決定される。同じミニリス内の空隙空間は、同じとすることができ、または独立して異なることができる。空隙空間寸法は、通常、約2~約10mm、例えば、約3~約8mmまたは約3~約5mmまたは約5mmの範囲になる。
様々な他の実施形態では、ミニリスは、約15mm~約17mmの範囲の外側寸法、および約4~約6mmの範囲の空隙空間寸法を備える。他の実施形態では、ミニリスは、約17mm~約19mmの範囲の外側寸法、および約4~約6mmの範囲の空隙空間寸法を備える。より多くの実施形態では、ミニリスは、約15mm~約17mmの範囲の外側寸法、および約3~約5mmの範囲の空隙空間寸法を備える。他の実施形態では、ミニリスは、約21mm~約23mmの範囲の外側寸法、および約4~約6mmの範囲の空隙空間寸法を備える。さらに多くの実施形態では、ミニリスは、約17mm~約19mmの範囲の外側寸法、および約3~約5mmの範囲の空隙空間寸法を備える。さらに多くの実施形態では、ミニリスは、約19mm~約21mmの範囲の外側寸法、および約3~約5mmの範囲の空隙空間寸法を備える。他の実施形態では、ミニリスは、約21mm~約23mmの範囲の外側寸法、および約4~約6mmの範囲の空隙空間寸法を備える。より多くの実施形態では、ミニリスは、約17mm~約19mmの範囲の外側寸法、および約3~約4mmの範囲の空隙空間寸法を備える。さらに多くの実施形態では、ミニリスは、約19mm~約21mmの範囲の外側寸法、および約4~約5mmの範囲の空隙空間寸法を備える。より多くの実施形態では、ミニリスは、約21mm~約23mmの範囲の外側寸法、および約4~約5mmの範囲の空隙空間寸法を備える。
上述の様々な実施形態では、ミニリスは、3~9つの空隙空間、例えば、3~7つの空隙空間を備える。例えば、一部の実施形態では、ミニリスは、3つの空隙空間を備える。他の実施形態では、ミニリスは、4つの空隙空間を備える。より多くの実施形態では、ミニリスは、5つの空隙空間を備える。一部の他の実施形態では、ミニリスは、6つの空隙空間を備える。さらに他の実施形態では、ミニリスは、7つの空隙空間を備える。さらに他の実施形態では、ミニリスは、8つの空隙空間を備える。さらに他の実施形態では、ミニリスは、9つの空隙空間を備える。一部の実施形態では、触媒材料は、他の押出成形物またはキャスト成形物、型成形粒子もしくは圧縮粒子と同様の方法で形成され得る、線状の長い形状(すなわち、ロッドまたは円筒)の形態にある。一部の実施形態では、これらの触媒材料を、平行円筒の積層として組み立て、より大きい固体対空隙比を有するモノリスを通るチャネルの領域と類似したチャネルの領域を生み出す。空隙比を小さくすることは、これらのチャネルを通るガス線速度を増大させるのに有利となり得、より良好な反応器体積の利用を実現する可能性がある。
その他の寸法よりかなり長い長さを有する他の形成物を使用して、自己組織化モノリス様構造体を形成することもできる。一部の実施形態では、直線状の非入れ子らせん状リボンの形状の触媒材料を使用して、モノリスと発泡体の間のハイブリッド特性(相互接続した空隙およびラジアル混合であるが、より小さい圧力低下および優先的な熱流束方向である)を有するモノリス型構造体を形成する。
本開示のある特定の実施形態の変形形態では、大きなメソ細孔または小さいマクロ細孔の範囲の規定された多孔度を有する成形触媒材料が使用される。これらの触媒材料は、5nmより大きな細孔径の場合、>10%、>30%、>40%、>50%、またはさらには>60%の多孔度を有する。
上記の触媒形成物における活性触媒の搭載量は、担体構成成分1cmあたり、1~500mg、例えば、触媒材料1cmあたり5~100mgの範囲である。
本開示の様々な実施形態を実施するために形成された触媒材料は、形状、サイズ、および上記の他の特性のいずれかを有することができる。特定の実施形態も、以下に提示されている。例えば、一部の実施形態では、触媒材料は、1mm~30mm、例えば、約15mm~約30mmの範囲の有効直径を有する。
他の実施形態では、触媒材料の空隙率は、約0.5~約0.7または約0.6~約0.7の範囲である。
他の実施形態では、触媒材料は、約0.8g/cm~約3.0g/cmの範囲の密度を有する。
上述の触媒材料の物理形状に関すると、一部の実施形態では、触媒材料は、少なくとも1つの丸みのある縁部または面取りした縁部、例えば、すべてが丸みのある縁部または面取りした縁部を有する。
他の実施形態では、非平面充填形状は、五角形、例えば正五角形である。一部の実施形態では、五角形は、約10mm~約30mm、例えば、約20~30mmまたは約22~26mmの範囲の有効直径を有する。
他の実施形態では、非平面充填形状は楕円である。これらの実施形態の一部では、楕円は、約10mm~30mmの範囲の外径および約5mm~約20mmの範囲の内径を有する。他の実施形態では、外径は、約20mm~約30mmの範囲であり、内径は、約6mm~約18mmの範囲である。さらに多くの実施形態では、外径は、約22mm~約26mmの範囲であり、内径は、約10mm~約14mmの範囲である。
一部の異なる実施形態では、触媒材料は、1つまたは複数の溝付き縁部をさらに備える。例えば、一部の実施形態では、1つまたは複数の溝は、約2~約10mmの範囲、例えば約6mmの直径を有する。これらの実施形態の一部では、触媒材料は、1つまたは複数の溝を備えるミニリス(例えば、五角形、環、楕円など)である。
他の実施形態では、触媒材料は、空隙空間をさらに含む。例えば、一部の実施形態では、空隙空間は、円形であり、約2~約10mmの範囲の直径を有する。上述の触媒材料の他の実施形態では、触媒は希土類酸化物を含む。一部の異なる実施形態では、触媒は、ナノ構造触媒、例えばナノワイヤ触媒である。
他の実施形態は、形成物へと錠剤化または押出成形された複数のナノ構造触媒(例えば、ナノワイヤ)を含む形成された触媒材料であって、約2.0g/mL~約5.0g/mLの範囲の密度、約0.7~約0.2の範囲の多孔度、および約30m/g~約0.2m/gの範囲の表面積を有する、触媒材料を使用する。一部の実施形態では、形成された触媒材料は、約3N/mm~約30N/mmの範囲の破砕強度をさらに含む。他の実施形態では、形成された触媒材料は、押出成形物である。さらに異なる実施形態では、形成された触媒材料は、錠剤化された触媒材料である。
さらに他の実施形態は、OCM活性触媒を含む形成された触媒材料であって、その中を通る複数の貫通した孔を有する非平面充填形状を備える、触媒材料を使用する。これらの実施形態の一部では、OCM活性触媒は、ナノワイヤなどのナノ構造触媒である。
他の実施形態では、OCM反応の発熱は、活性な触媒材料を触媒的に不活性な材料とブレンドし、所望の形状、例えば、上で議論した成形ペレットまたは押出成形物に混合物を形成する(例えば、押圧または押出成形による)ことによって少なくとも部分的に制御され得る。一部の実施形態では、次に、これらの混合粒子は充填床反応器に搭載されてもよい。形成された凝集物は、約30%~70%の細孔体積および約1%(またはそれより低い)~99%の活性触媒(重量基準)を備える。一部の実施形態では、形成された凝集物は、約5~95%の活性触媒、約5~90%の活性触媒、約5~75%の活性触媒または約5~50%の活性触媒を含む。これらの実施形態において有用な不活性材料は、以下に限定されないが、本明細書の上に記載されているものを含む。ある種の特定の実施形態では、不活性材料は、SiCおよびコーディエライトから選択される。
触媒反応器内にホットスポットができる可能性を低減することに加え、触媒担体として大きな細孔体積を有する構造化セラミックを使用する別の利点は、同量の触媒を含有する充填床に対する、時間あたりの同じガス空間速度において流れ抵抗が低下することである。
ナノワイヤ形状の触媒は、特に、ペレットもしくは押出成形物などの形成された凝集物、または構造化担体、例えば約1~約100ミクロンの範囲の厚さの構造化担体上への堆積物に組み込むのに十分に適する。メッシュ型構造体を形成するナノワイヤ凝集物は、粗面に対して良好な粘度を有することができる。したがって、上述の形成された触媒材料の様々な実施形態は、本明細書に記載されており、参照により組み込まれているナノワイヤ触媒を含む。
メッシュ様構造体はまた、セラミック複合体において凝集力の改善をもたらすことができ、ナノワイヤ形状の触媒粒子を含有するペレットまたは押出成形物の機械特性が改善される。
代替的に、担体上またはペレット形態手法におけるこのようなナノワイヤを使用して、ODH、乾式メタン改質、フィッシャー-トロプッシュおよび他のすべての触媒反応などの、OCM以外の他の反応に使用することができる。
さらに他の実施形態では、触媒材料は、1つまたは複数の異なる触媒を含む。触媒は、本明細書において開示されているナノワイヤ触媒、および異なる触媒、例えばバルク触媒とすることができる。2種またはそれより多くの種類のナノワイヤ触媒の混合物も企図される。触媒材料は、触媒、例えば、良好なOCM活性を有するナノワイヤ触媒、およびODH反応において良好な活性を有する触媒を含んでもよい。これらの触媒の一方または両方が、本明細書において開示されているナノワイヤであってもよい。
上述の形成された触媒材料のいずれかを複数含む触媒床も提供されている。一部の実施形態では、このような触媒床は、約0.3~約1.0の範囲のアスペクト比、およびSTPにおいて15,000~30,000h-1のガスヘッド空間速度の場合、約0.05bar/m~約0.50bar/mの範囲の圧力低下を備える。一部の実施形態では、触媒床は、約0.3~約0.75の範囲のアスペクト比、およびSTPにおいて15,000~45,000h-1のガスヘッド空間速度の場合、約0.05bar/m~約0.50bar/mの範囲の圧力低下を備える。
破砕強度は、市販用途のための触媒の重要な物理特性である。一般に、本明細書に記載されている触媒およびそれから形成された触媒材料の破砕強度は、手動の油圧ペレットプレス器を使用する1トンの圧力で形成された6mmの円筒について、ASTM D4179により求めると、約1N/mm~約30N/mmまたはそれより高く様々となる。他の実施形態では、本明細書に記載されている触媒およびそれから形成された触媒材料の破砕強度は、手動の油圧ペレットプレス器を使用する約2トン~約10トンの範囲の圧力で形成された13mmの錠剤について、ASTM D4179により求めると、約1N/mm~約50N/mmと様々となる。他の実施形態では、本明細書に記載されている触媒およびそれから形成された触媒材料の破砕強度は、2mmの押出成形物の場合、30N/mmを超える。
4.調製
触媒および触媒材料は、任意の数の方法に従い調製することができる。ナノワイヤをベースとする触媒を調製するための例示的な手順は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国出願第13/115,082号(米国公開第2012/0041246号);同第13/479,767号(米国公開第2013/0023709号);同第13/689,611号(米国公開第2013/0165728号);同第13/689,514号(米国公開第2013/0158322号);同第13/901,319号(米国公開第2014/0121433号);同第14/212435号(米国公開第2014/0274671号);同第14/701,963号(米国公開第2015/0314267号)およびPCT公開番号WO2014/143880号に提示されている。手短に述べると、ナノワイヤ触媒の一部の実施形態は、バクテリオファージ鋳型を使用して調製することができる。ファージ溶液を最初に調製し、ここに金属イオンを含む金属塩前駆体が添加される。この後に、陰イオン前駆体が添加される。適切な条件下(例えば、pH、ファージと金属塩のモル比、金属イオンと陰イオンのモル比、添加速度など)、金属イオンおよび陰イオンは、ファージに結合した状態になり、核形成して、ナノワイヤへと成長する。焼成後、ナノワイヤは、必要に応じて、焼成されて、金属酸化物を形成する。ドープの必要に応じたステップは、ナノワイヤ中にドーパントを組み込む。ファージ以外の鋳型も使用されてもよい。
ナノワイヤ触媒を調製する非鋳型指向法もまた、使用されてもよい。例えば、上述の同時係属出願に記載されている水熱法またはゾルゲル法が使用されてもよい。その全開示が参照により本明細書に組み込まれている、米国公開第2013/0270180号に記載されているものなどの他の方法も使用されてもよい。例えば、エタノール中の金属イソプロポキシドのスラリーを最初に調製し、ろ過する。次に、湿潤ケーキを約230Cの温度で、24時間、水性水酸化物により処理し、こうして、ナノワイヤにする。
触媒材料は、個々の構成成分(すなわち、触媒、希釈剤、結合剤、担体など)の調製後に、それらの乾燥形態の個々の構成成分、例えば粉末のブレンドを混合することによって調製することができ、必要に応じて、ボールミル粉砕、磨砕、造粒または他の同様のサイズ低下工程などのミル粉砕を使用して粒子サイズを低下させる、および/または混合を増大させることができる。各構成成分を一緒に添加する、または順次、加えて、層化粒子を形成させることができる。個々の構成成分は、焼成前、焼成後に、または既に焼成済みの構成成分と未焼成構成成分とを混合することによって混合することができる。触媒材料はまた、その乾燥形態の個々の構成成分を混合し、必要に応じて、それらを一緒に押圧して「押圧ペレット」または押出成形物にし、次いで、400℃超まで焼成することによって調製されてもよい。
他の例では、触媒材料は、個々の構成成分を1種または複数種の溶媒と混合して、懸濁液またはスラリーにすることによって調製され、必要に応じた混合および/またはミル粉砕を使用して均質性を最大化し、粒子サイズを小さくすることができる。本文脈において有用なスラリー溶媒の例には、以下に限定されないが、水、アルコール、エーテル、カルボン酸、ケトン、エステル、アミド、アルデヒド、アミン、アルカン、アルケン、アルキン、芳香族などが含まれる。他の実施形態では、個々の構成成分は、アルミナおよびジルコニアなどの担体上に、または流動床造粒器を使用して、個々の構成成分を混合することによって堆積させる。上記の方法のいずれかの組合せもまた、使用されてもよい。
触媒材料を調製する他の方法は、すべての目的のため、その出願の全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国出願第13/757,036号(米国公開第2013/0253248号)に記載されている方法により単離した湿潤フィルターケーキの使用を含む。例えば、湿潤フィルターケーキ(すなわち、依然としていくらかの溶媒および/または洗液を含有する)を押出成形して、押出成形物を直接、形成させることができる。必要に応じた結合剤が、押出成形前に湿潤ケーキに含まれてもよい。さらに、この湿潤ケーキはまた、ドーパントを含有する溶液により必要に応じて洗浄されてもよく、または固体ドーパントを湿潤ケーキに加えてもよく、得られた湿潤ケーキを押出成形して、ドープした触媒材料を調製することができる。湿潤ケーキの溶媒含有量を制御して、湿潤ケーキのレオロジーを制御し、所望の押出成形物の特性を得ることができる。
一部の実施形態では、押出成形した触媒材料を調製する方法は、所望のドーパント(例えば、硝酸塩または炭酸塩などの可溶性塩として)を含む溶液の調製を含む。次に、この溶液をベースとする触媒材料またはその前駆体を含む組成物と一緒にする。例えば、一部の実施形態では、ドーパント溶液は、金属水酸化物と一緒にされる。次に、この混合物を約1~20%(例えば、約2%)の水分含量になるまでオーブン中で乾燥し、乾燥した組成物をミル粉砕し、ふるい(例えば、1.0mm)に通す。必要に応じた結合剤、希釈剤、滑沢剤、解膠剤および/または押出成形剤およびDI水を加えて、所望の水分含量(例えば、10~40%)に到達させる。次に、このペーストを所望の形状に押出成形し、乾燥して水を除去し、次に焼成する。
押圧した触媒(例えば、錠剤および他の形状)の調製に関する一部の実施形態では、ベースとなる触媒材料、ならびに必要に応じた結合剤、希釈剤、滑沢剤、解膠剤および/または押出成形剤を混合して、錠剤プレス器(例えば、Specac(登録商標)油圧ペレットプレス器)または他の類似機器を使用して、所望の形成物に押圧する。錠剤化の間に印加される圧力は、通常、約1トン~約20トン、例えば、約2トン~約10トンの範囲である。ドーパントは、事前形成された組成物に含まれてもよく(錠剤化の前)、または多くの他の手段により組み込まれてもよい。
上記の通り、様々な加工助剤が押出成形または錠剤化工程に使用されてもよい。例えば、一部の実施形態では、押圧された触媒材料を調製する方法は、ベースとなる触媒材料(これは、錠剤化工程前、その後またはその最中に、必要に応じてドープされてもよい)および加工剤(「事前形成された組成物」)を含む組成物を形成するステップを含む。一部の実施形態では、加工助剤は、有機酸、水、またはメチルセルロースを含むポリマーなどの炭水化物をベースとするポリマーである。これらの加工助剤の組合せもまた、使用されてもよい。様々な実施形態では、有機酸は酢酸である。他の実施形態では、炭水化物をベースとするポリマーは、メチルセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルメチルセルロースである。加工助剤の濃度は、約0%~約10%と様々となり得る。例えば、一部の実施形態では、加工助剤は、約0%~約5%の範囲、例えば約5%の濃度で事前形成された組成物中に存在する。一部のより特定の実施形態では、加工助剤は、事前形成された組成物の約5重量%で存在する、クエン酸、酢酸、コハク酸またはステアリン酸などのカルボン酸である。他の実施形態では、加工助剤は、クエン酸とメチルセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルメチルセルロースの両方を含む。
一部の他の実施形態では、錠剤化工程は、事前形成された組成物中に滑沢剤の使用を含む。滑沢剤は、存在する場合、約1%~約5%、例えば、約1%~約3%の範囲の量で存在してもよい。一部の実施形態では、滑沢剤は、ステアレートをベースとする部分またはポリマーである。例示的なステアレートをベースとする部分には、以下に限定されないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸メチル、ステアリン酸およびAcrawax(登録商標)が含まれる。一部の異なる実施形態では、ポリマーは、約2,000または約20,000の分子量を有するポリエチレングリコール、約23,000または約146,000の分子量を有するポリビニルアルコール、またはカルボキシメチルセルロースである。
ベースとなる触媒材料および/または事前形成された組成物の粒子サイズ分布は、錠剤化触媒の破砕強度および密度などの、最終特性に影響を及ぼし得る。一般に、より微細な粒子(ミル粉砕により生成されるものなど)は、より大きな粒子(振動造粒により生成するものなど)に比べて、より高い密度および破砕強度を有する触媒材料になる。
粒子サイズ分布は、特定のサイズ低下操作および/または機械的分離を使用する粉末の分級を使用して制御することができる。サイズ低下操作は、破砕機(ジョークラッシャー、ジャイラトリークラッシャー、クラッシャーロール)、グラインダー(ハンマーミル、インパクター、ローリングコンプレッションミル、アトリションミル、タンブリングミル)、超微細グラインダー(分級付きハンマーミル、流体エネルギーミル、撹拌ミル)、および切断機(ナイフカッター、ダイサー、スリッター)を含む。サイズ低下操作のタイプは、所望の粒子サイズに依存する。粒子を分離して、ふるいトレイを使用して分級することができる。
一部の実施形態では、錠剤化触媒材料または押出成形触媒材料を調製するため、所与の粉末組成物中の粒子の少なくとも50%は、該組成物中の粒子の平均粒子サイズから約20%、10%、5%、2%またはさらには1%の偏差の範囲内にある。他の実施形態では、錠剤化触媒材料または押出成形触媒材料を調製するため、所与の粉末組成物中の粒子の少なくとも80%は、該組成物中の粒子の平均粒子サイズから20%、10%、5%、2%またはさらには1%の偏差の範囲内にある。一部のより多くの実施形態では、錠剤化触媒材料または押出成形触媒材料を調製するための、所与の粉末組成物中の粒子の少なくとも90%は、該組成物中の粒子の平均粒子サイズから約20%、10%、5%、2%またはさらには1%の偏差の範囲内にある。さらに他の実施形態では、錠剤化触媒材料または押出成形触媒材料を調製するための、粉末組成物中の粒子の少なくとも95%は、該組成物中の粒子の平均粒子サイズの20%、10%、5%、2%またはさらには1%の偏差の範囲内にあり、例えば、一部の場合、粒子の少なくとも99%は、該組成物中の粒子の平均粒子サイズの約20%、10%、5%、2%またはさらには1%の偏差の範囲内にある。
サイズ分布に加えて、一部の態様では、本明細書に記載されている形成された触媒を調製する際に使用される粉末組成物は、通常、平均粒子径が、約1μmから平均粒子径が約1,000μmまで、または約500μmまでの範囲となる。理解される通り、平均径は、粒子の平均断面寸法を指すが、必ず球状である、または実質的に球状である粒子を必要としない。
触媒材料は、必要に応じて、ドーパントを含んでもよい。この点で、ドープ材料は、個々の構成成分の調製の間、個々の構成成分の調製後であるがこれらを乾燥する前、乾燥ステップ後であるが焼成前、または焼成後に添加されてもよい。ドーパントもまた、1種または複数種の異なる材料、例えば触媒材料、希釈剤、結合剤、他のドーパントなどの添加前に、形成した凝集物に含浸もしくはその上に接着されてもよく、または形成された凝集物のための担体に施用される層としてであってもよい。1種より多いドープ材料を使用する場合、各ドーパントは、一緒に添加されて、均質なドープを促進することができるか、または順次添加して、ドーパントの層を形成することができる。
ドープ材料はまた、乾燥構成成分として添加されてもよく、必要に応じて、ボールミル粉砕を使用して、混合を高めることができる。他の実施形態では、ドープ材料は、個々の乾燥触媒構成成分に、または触媒材料のブレンドに液体(例えば、溶液、懸濁液、スラリーなど)として添加される。液体の量は、必要に応じて、触媒を最適に湿潤するよう調節されてもよく、これにより、材料をドープすることによって、触媒粒子の最適被覆をもたらすことができる。混合、磨砕および/またはミル粉砕を使用して、ドープによる被覆および一様な分布を最大化することもできる。代替的に、ドープ材料は、溶媒中の触媒の懸濁液またはスラリーに液体(例えば、溶液、懸濁液、スラリーなど)として添加される。混合および/またはミル粉砕を使用して、ドープによる被覆および一様な分布を最大化することができる。本明細書の他の場所に記載されている方法のいずれかを使用して、ドーパントの組み込みを実現することもできる。
一部の実施形態では、ドーパントは、触媒基礎材料に金属硝酸塩(例えば、硝酸ストロンチウムなどのアルカリ土類金属硝酸塩)の溶液を接触させることによって、触媒基礎材料に組み込まれる。他の実施形態では、ドーパントは、ドーパントの炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩またはハロゲン化物の塩を使用して組み込まれる。例えば、触媒基礎材料、およびドーパントの炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩またはハロゲン化物の塩を含む混合物の調製、ならびに約400℃未満、またはさらに350℃という低い温度での混合物の焼成。
触媒材料は、アルミナまたはジルコニアなどの担体を必要に応じて含んでもよい。この点で、触媒材料は、触媒活性材料の前駆体の焼成時に、in-situで形成することができる。担体は、前駆体を担体に浸漬するために、活性材料前駆体を含む溶液に浸けることができる。これは、水、メタノール、エタノール、アセトン、または前駆体を溶解することができる他の溶媒などの溶媒中で行うことができる。前駆体は、金属陽イオンおよび無機陰イオンまたは有機陰イオン(例えば、硝酸イオン、塩化物イオン、クロム酸イオン、二クロム酸イオン、過マンガン酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン、クエン酸イオン、シアン化物イオン、フッ化物イオン、亜硝酸イオン、酸化物、リン酸イオン、メトキシドイオン、ホスホン酸イオン、ヒドラジニウム塩、尿酸イオン、ジアゾニウム塩、シュウ酸イオン、酒石酸イオン、イミニウム塩およびサリチル酸トロラミン)を含む金属塩の形態にあることができる。一部の実施形態では、触媒は、活性材料前駆体の複数の化学種の担体への含浸によって形成されてもよい。代替的に、一部の実施形態では、活性な触媒構成成分は、スラリー堆積または噴霧乾燥され得る。
一部の実施形態では、担体は、活性材料前駆体に含浸する前に乾燥されてもよく、または活性化されてもよい。含浸の後、含浸済み担体を焼成して、OCM活性触媒を含む触媒材料を生成することができる。一部の他の実施形態では、担体は、触媒材料中の活性構成成分の搭載量を増加させるため、必要に応じて、活性材料前駆体と共に含浸し、続いて活性材料前駆体の溶液に浸けることができる。
本明細書に記載されている触媒材料の一部の実施形態は、他の触媒材料に比べて収縮が低減する。このような触媒材料のある特定の実施形態を調製する方法は、
i)5m/gより大きなBET表面積を有する、第1のナノ構造OCM活性触媒を用意するステップ、
ii)1000℃を超える温度で第2のナノ構造OCM活性触媒を焼結し、2m/g未満のBET表面積を有する第3のOCM活性触媒を得るステップ、
iii)第1および第3のOCM活性触媒を混合するステップ、および
iv)混合物を形成して、形成された触媒材料を得るステップ
を含む。
一部の実施形態では、第2のナノ構造OCM活性触媒は、第1のナノ構造OCM活性触媒と同じである。他の実施形態では、第2のナノ構造OCM活性触媒は、第1のナノ構造OCM活性触媒とは異なる。差異には、以下に限定されないが、異なる組成および異なる表面積が挙げられる。
一部の実施形態では、本方法は、第1および第2のOCM活性触媒を混合する前に、500℃より高い温度、例えば約650℃で、二酸化炭素および窒素などの必要に応じた不活性ガスを含む雰囲気に第3のOCM活性触媒を曝露させるステップをさらに含む。
上記の方法により調製した形成された触媒材料は、他の触媒材料に比べると収縮は低減し、例えば、一部の実施形態では、形成された触媒材料は、空気中で100時間、900℃まで加熱されると、20%未満、または10%未満の体積喪失を有する。
上の方法の他の実施形態では、第1のOCM活性触媒は、10m/gより大きなBET表面積を有する。異なる実施形態では、第2のOCM活性触媒は、1m/g未満のBET表面積を有する。
さらに他の実施形態では、第1のOCM活性触媒は、ナノワイヤである。異なる実施形態では、第3のOCM活性触媒は、ナノ構造触媒、例えばナノワイヤである。異なる実施形態では、第3のOCM活性触媒は、バルク(すなわち、非ナノ構造触媒)である。
ある特定の実施形態では、第1のOCM活性触媒は、混合物中の第1のOCM活性触媒の重量パーセントが75%~99%の範囲となるよう、第3のOCM活性触媒と混合される。
異なる実施形態では、第1および第2のOCM活性触媒は、同じ元素組成を有する。他の実施形態では、第1および第2のOCM活性触媒は、異なる元素組成を有する。
上述の方法は、触媒の調製に使用することができる。上述の方法は、様々な形態の触媒材料の調製に使用することができる。一部の実施形態では、形成された触媒材料は、押出成形物である。他の実施形態では、形成された触媒材料は、錠剤化された触媒材料である。
他の実施形態では、触媒材料を調製する方法は、(a)ナノ構造触媒基礎材料およびドーパントである塩を含む混合物を調製するステップであって、塩がドーパントの炭酸塩の少なくとも95%w/wを構成する、ステップ、および(b)約300℃を超えて該混合物を焼成するステップ、および(c)錠剤化または押出成形により形成される触媒を形成するステップを含む。
本開示の実施形態において使用するための形成された触媒材料の調製に関する他の方法は、
a)(i)ナノ構造触媒をドーパントと混合し、(ii)ドープした(i)のナノ構造触媒を乾燥し、(iii)(ii)の乾燥済みナノ構造触媒をミル粉砕し、(iv)(iii)のミル粉砕済みナノ構造触媒を約600℃~約1200℃の範囲の温度で焼成して、ナノ構造触媒基礎材料を生成することによって、ナノ構造触媒基礎材料を形成するステップ、
b)(a)の混合物を押出成形または錠剤化し、形成された触媒材料を調製するステップ、および
c)約600℃~約1200℃、例えば約800℃~約1200℃の範囲の温度で、形成された触媒材料を焼成するステップ
を含む。
本明細書に記載されている方法では、必要に応じた焼成ステップは、通常のオーブンまたは真空オーブン中、T<200℃(通常、60~120℃)で必要に応じた乾燥ステップに続いてもよい。焼成は、触媒材料の個々の構成成分に対して、または触媒材料のブレンドに対して行われてもよい。一部の実施形態では、焼成は、構成成分の少なくとも1種が分解する、または相転換を受ける最低温度よりも高い温度で、オーブン/炉中で行われ、不活性雰囲気(例えば、N、Ar、Heなど)、酸化的雰囲気(空気、Oなど)または還元雰囲気(H、H/N、H/Arなど)中で行われ得る。雰囲気は、静的雰囲気もしくはガス流であってもよく、周囲圧、p<1barゲージ圧、真空でまたはp>1barゲージ圧で行われてもよい。アモルファスから結晶へとを含めた、相転換を誘発するため、高圧処理(任意の温度で)も使用されてもよい。焼成もまた、マイクロ波加熱を使用して行われることがある。
焼成は、一般に、昇温する、維持するおよび降温することを含むステップの任意の組合せで行われる。例えば、500℃まで昇温、500℃で5時間、維持、室温まで降温である。別の例は、100℃まで昇温、100℃で2時間、維持、300℃まで昇温、300℃で4時間、維持、550℃まで昇温、550℃で4時間、維持、室温まで降温を含む。焼成条件(圧力、雰囲気のタイプなど)は、焼成の間に変更され得る。一部の実施形態では、焼成は、触媒材料のブレンドの調製前(すなわち、個々の構成成分が焼成される)、触媒材料のブレンドの調製後であるがドープ前、個々の構成成分のドープまたは触媒材料のブレンド後に行われる。焼成はまた、例えば、触媒調製後、凝集物形成後、および/またはドープ後、ならびに個々の構成成分、例えば、ドーパント、触媒、希釈剤、担体などのいずれかまたはすべてが、形成された凝集物に添加される際に複数回、行われてもよい。
触媒材料内の個々の構成成分の粒子サイズはまた、触媒活性、およびその他の特性を変えることがある。したがって、一実施形態では、触媒は、目標平均粒子サイズまでミル粉砕され、必要に応じてふるいにかけられて、特定の粒子サイズ範囲を選択することができる。一部の態様では、触媒粉末は、押出成形物またはペレットへとさらに加工され、押出成形物またはペレットは、必要に応じて、ミル粉砕される、および/またはふるいにかけられて、所望の粒子サイズ分布を得る。
一部の場合、犠牲結合剤(本明細書において、ポロゲンとも称される)が使用されてもよい。犠牲結合剤は、形成された凝集物(例えば、ペレットまたは押出成形物)における特有のミクロ細孔を生成するために使用され得る。犠牲結合剤を除去した後の触媒の構造的完全性は、触媒(例えば、ナノワイヤ)の特別な結合特性によって確認される。例えば、一部の実施形態では、触媒材料は、結合剤を用いて調製され、次に、結合剤は、任意の数の技法(例えば、燃焼、焼成、酸浸食など)により除去され得る。この方法により、特有のマイクロ細孔(すなわち、マイクロ細孔は、犠牲結合剤のサイズなどの関数である)を有する触媒材料の設計および調製が可能となる。結合剤を使用することなく、ナノワイヤなどの触媒の異なる形態の凝集物(例えば、ペレット)を調製する能力は、ナノワイヤからの触媒材料の調製に有用であるだけではなく、ナノワイヤを支持材料(または、触媒材料および支持材料の両方)として使用することも可能である。この点で有用な犠牲結合剤および技法は、犠牲セルロース線維、または焼成によって容易に除去され得る他の有機ポリマーを含む。一部の実施形態では、犠牲結合剤を加えて、触媒材料のマクロ細孔(直径が20nmより大きな細孔)を増大させる。したがって、一部の実施形態では、触媒材料は、直径が20nmを超える、直径が50nmを超える、直径が75nmを超える、直径が100nmを超える、または直径が150nmを超える細孔を備える。
様々な触媒形成物を調製するための本明細書に記載されている方法は、滑沢剤、結合剤、解膠剤および/または押出成形助剤などの加工助剤の使用を必要に応じて含んでもよい。
形成された凝集物の形態にある触媒形成物は、例えば、結合剤、例えば本明細書に記載されている結合剤のいずれかと共に出発化合物を混錬またはパンミル粉砕し、形成し(例えば、押出成形、キャスト成形、型成形など)、続いて焼成することによって得ることができる。結合剤は、押出成形前に前処理され得る。これは、酸、例えばギ酸または硝酸によって好ましくは行われる。他の補助剤、カルボキシメチルセルロース、バレイショデンプンまたはステアリン酸などの例えば細孔形成剤が、押出成形前またはその最中にさらに添加され得る。
一般に、解膠剤の役割は、粒子の表面を帯電させることによって、安定なコロイド状溶液/懸濁液の形成を可能にし、こうして、反発力をもたらすことである。したがって、一部の実施形態では、解膠剤は、より一様なペースト、または押出成形触媒材料を調製するための所望のレオロジーを有するペーストを形成するよう、触媒(例えば、ナノワイヤ)および/またはドーパントの懸濁液/溶液に含まれる。触媒材料の調製に使用するための解膠剤はまた、最終材料の強度にも影響を及ぼすことがある(例えば、より高い破砕強度)。例示的な解膠剤には、塩化ナトリウムなどの塩、および硝酸、酢酸、クエン酸、塩酸などの酸が含まれる。
触媒形成物を調製するための他の方法は、このような乾燥ケーキを、例えば、磨砕、ミル粉砕などによる、mmサイズの小片への断片化前に、ろ過または遠心分離によって得られる複合体湿潤「ケーキ」を乾燥させるステップを含む。複合体湿潤ケーキは、一般に、活性触媒および結合剤および/または希釈剤/担体材料を含む。ペーストを含有する触媒のキャスト成形もまた、乾燥および焼成前に、複合形成物を生成するために使用される。触媒材料はまた、すべての目的のため、その出願の全体が参照により本明細書に組み込まれている、同時係属米国出願第13/757,036号(米国公開第2013/02532号)に記載されている手順に準拠して、単離および/またはドープされてもよい。
別の実施形態では、形成された凝集物は、最終触媒形成物の構成成分の逐次添加によって調製される。この場合、希釈剤または担体構成成分を必要に応じて不活性な結合剤と共に形成またはペレット化することが最初に行われる。次に、不活性な形成物は、高温で焼成されて、機械的に強力な物体を得る。次に、活性触媒をその形成物と接触させる。ある特定の実施形態では、触媒の可溶性塩前駆体は、このステップでは、高い表面積の担体(または希釈剤もしくは担体)を用いて使用され、担体上に分散された触媒の形成を促進する。
触媒がナノワイヤである実施形態では、触媒は、通常、沈殿または結晶化の制御により個別に合成され、一部のさらなる実施形態では、担体は、高い表面積を有する必要はない。しかし、触媒固体の均一分布を得ようとする場合、形成物内の大きな細孔は、固体のナノワイヤ形状の形成物内への拡散が可能になる必要がある。数ミクロン程度(例えば、約1~10または1~100ミクロン)の細孔が、この場合に望ましい。希釈剤(または担体)を容易に湿潤する液体中でのナノワイヤ懸濁液の分散を使用して、事前焼成済み形成物の細孔に活性構成成分を堆積させる。例えば、ナノワイヤ触媒は、ディップコーティング、噴霧コーティングおよび関連する方法などの従来の方法によって、不活性形成物上にコーティングされる。ある特定の実施形態では、ナノワイヤまたはナノコロイドは、ミクロンサイズの細孔を有する形成物上への繰り返し含浸による多量の触媒の添加を可能にすることによって、この含浸後プロセスにおける従来的なバルク触媒と比較すると、有利となることがある。
他の実施形態では、ナノワイヤ触媒を含む触媒材料はまた、選択された形成物をナノワイヤ合成溶液に添加することによって、多孔質形成物内で形成され得る。
さらに他の実施形態では、合成の異なる段階で、触媒材料の個別の焼成を使用することができる。このように、担体粒同士ならびに/または担体粒と結合剤との間の強力な結合が、活性触媒構成成分が分解することなく、最初の焼成ステップで形成され得る。
他の例では、活性触媒(例えば、OCM活性触媒)の構成成分を含有する形成物の湿潤含浸もまた使用されて、形成された材料の活性または選択性がさらに促進され得る。例えば、一部の実施形態では、触媒形成物は、ドーパントを含む可溶性塩と共に含浸され、こうして、ドープした触媒材料を生成する。触媒形成物上またはその内部にドーパントを含浸またはコーティングする方法は、上記の通り、ディップコーティングもしくは浸漬コーティング、および/または噴霧コーティングを含む。ある特定の実施形態では、小さい表面積の担体(または希釈剤)を使用し、触媒形成物内の表面積の大部分が、活性触媒それ自体に由来する。この形成物内の触媒構成成分と非触媒構成成分との間の高い表面積比は、活性触媒構成成分と形成物に添加されるドープ元素との間の相互作用に好都合となる。
成形後、形成された凝集物は、通常、乾燥されて、適切な場合、焼成される。触媒材料に対する通常の焼成温度は、5分間~5時間、例えば10分間~5時間または約4時間の焼成時間で、300~1000℃、400~800℃、500~700℃または550~650℃である。
モノリスなどの担体上の触媒の堆積は、モノリスの乾燥および焼成前に、触媒を含有するスラリーにモノリス壁を接触させて、過剰スラリーを除去する洗浄コーティングにより行われ得る。
担体上の触媒の堆積もまた、触媒(例えば、ナノワイヤ)を成長させるために使用される溶液にモノリスを浸漬することによって、モノリスチャネル内でナノワイヤを成長させることによって行われ得る。この場合、ワイヤメッシュは、乾燥前に、チャネルの体積のすべてを非低密度メッシュにより充填される可能性が高い。乾燥している間に、ゲルは収縮して、ほとんどが開放チャネルに残ることができるか、または壁の方向に固体メッシュを引っ張ることなく(液体の表面張力および壁への粘着に応じる)乾燥し、チャネル内に無機エアロゲルを残すことができる。
一部の他の実施形態では、触媒材料は、モノリスの形態にあり、活性触媒はナノワイヤを含む。このような実施形態では、モノリスは、押出成形またはキャスト成形によって、複合体混合物を含有するナノワイヤから調製されてもよい。
例示を容易にするため、触媒材料の上の記載は、多くの場合、OCMを指す。しかし、このような触媒材料は、以下に限定されないが、以下により詳細に議論されている通り、アルカンの対応するアルケンへの酸化的脱水素化(ODH)、アルカンおよびアルケンおよびアルキンの選択的酸化、COの酸化、メタンの乾式改質、芳香族の選択的酸化、フィッシャー-トロプッシュ、炭化水素の燃焼などを含めた他の触媒反応に有用である。
当業者は、上記の方法の様々な組合せまたは代替物が可能であること、およびこのような変形もまた、本開示の範囲内に含まれることを認識している。
触媒反応および方法
一部の実施形態では、本開示は、触媒反応および関連方法における、開示されている触媒および触媒材料の使用を提供する。触媒は、通常、触媒反応に使用するための触媒材料に組み込まれ、したがって、以下に続く開示は、一般に、触媒材料の使用を指すが、ある特定の実施形態では、触媒は、その粗原料形態(すなわち、追加の希釈剤および/または結合剤などを含まない)で使用されてもよいことが理解される。一部の実施形態では、触媒反応は、本明細書に記載されている反応のいずれかである。触媒材料中の触媒の形態および組成物は、限定されない。例えば、触媒は、屈曲形態または線状形態を有するナノワイヤとすることができ、任意の分子組成を有してもよく、または触媒は、バルク触媒もしくはそれらの任意の組合せであってもよい。
開示されている触媒材料は、不均一触媒によって触媒される任意の数の反応に有用となり得る。開示されている触媒および触媒材料が使用され得る反応の例は、それらの全体がそれぞれ本明細書に組み込まれている、米国出願第13/115,082号(米国公開第2012/0041246号);同第13/479,767号(米国公開第2013/0023709号);同第13/689,611号(米国公開第2013/0165728号);同第13/689,514号(米国公開第2013/0158322号);同第13/901,319号(米国公開第2014/0121433号);同第14/212435号(米国公開第2014/0274671号);同第14/701,963号(米国公開第2015/0314267号)およびPCT公開番号WO2014/143880号、およびFarrauto and Bartholomew, ”Fundamentals of Industrial Catalytic Processes” Blackie Academic and Professional, first edition, 1997に開示されている。開示されている触媒材料が使用され得る反応の非限定例は、メタンのエタンおよびエチレンへの酸化的カップリング(OCM)、アルカンの対応するアルケンへの酸化的脱水素化(ODH)、例えば、それぞれ、エタンまたはプロパンのエチレンまたはプロピレンへの酸化的脱水素化、アルカン、アルケンおよびアルキンの選択的酸化、COの酸化、メタンの乾式改質、芳香族の選択的酸化、フィッシャー-トロプッシュ、炭化水素のクラッキング;炭化水素の燃焼などを含む。開示されている触媒材料により触媒される反応の一部は、以下により詳細に議論されている。
開示された触媒材料は、一般に、第1の炭素含有化合物(例えば、炭化水素、COまたはCO)を第2の炭素含有化合物に変換する方法に有用である。一部の実施形態では、本方法は、本明細書において開示されている触媒材料に第1の炭素含有化合物および酸化剤を含むガスを接触させて、第2の炭素含有化合物を生成するステップを含む。一部の実施形態では、第1の炭素の含有化合物は、炭化水素、CO、CO、メタン、エタン、プロパン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタンまたはそれらの組合せである。他の実施形態では、第2の炭素の含有化合物は、炭化水素、CO、CO、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ヘキサン、ヘキセン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、ビシクロヘキサン、オクタン、オクテンまたはヘキサデカンである。一部の実施形態では、酸化剤は、酸素、オゾン、一酸化二窒素、一酸化窒素、二酸化炭素、水またはそれらの組合せである。
上述の他の実施形態では、第1の炭素含有化合物を第2の炭素含有化合物に変換する方法は、100℃未満、200℃未満、300℃未満、400℃未満、500℃未満、550℃未満、600℃未満、700℃未満、800℃未満、900℃未満または1000℃未満の温度で行われる。他の実施形態では、第1の炭素含有化合物を第2の炭素含有化合物に変換する方法は、0.5barゲージ圧より高い、1barゲージ圧より高い、2barゲージ圧より高い、5barゲージ圧より高い、8barゲージ圧より高い、10barゲージ圧より高い、25barゲージ圧より高い、または50barゲージ圧より高い圧力で行われる。
上述の方法のある特定の実施形態では、触媒材料は、ナノワイヤ触媒を含む。他の実施形態では、触媒材料はバルク触媒を含む。
本明細書に記載されている触媒反応は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第6,350,716号に記載されている、標準実験室装置を使用して行うことができる。
1. メタンの酸化的カップリング(OCM)
本開示は、OCM反応を含めて、任意の数の触媒反応の収率、選択性および/または変換率を改善するための触媒材料を提供する。本明細書に記載されているOCM法の実施に有用な反応器は、その出願の全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国出願第13/900,898号に記載されている。上記の通り、合成ガスを経由しない直接経路を使用して、高価値化学品(例えば、エチレン、およびそれから調製される製品)へとメタンを変換することに対処することが可能な触媒技術にとって大きな需要がある。この課題の達成は、原料製造と液体燃料生産のための非石油ベースの経路に劇的な影響を与えて再定義し、GHG排出量を削減し、新しい燃料源の供給をもたらす。
エチレンは、一部、プラスチック、界面活性剤および医薬品を含めた、広い範囲の下流の重要な工業製品に消費される総量が多いために、すべての工業用化学製品と比較して最大のカーボンフットプリントを有する。2008年には、全世界のエチレン生産量は、120Mメートルトンを超えると同時に、年間4%の堅調な成長を遂げている。米国は、世界の生産能力の28%の最大単一生産者となっている。エチレンは、ナフサの高温クラッキング(例えば、石油)、または天然ガスから分離されるエタンから主に製造される。カーボンフットプリントの真の測定は、原料および配分などの要因に依存し、いくつかの製品が同じプロセスの間に製造および分離されるので、困難となり得る。しかし、公表データに基づいて、いくつかの一般的な推定を行うことができる。
クラッキングは、エチレン生産に使用される総エネルギーのかなりの部分(約65%)を消費し、残りは、低温蒸留および圧縮を使用する分離のためである。エチレン1トンあたりのCO排出量の総トン数は、エタンクラッキングから0.9~1.2の間、およびナフサクラッキングから1~2の間と推定される。大まかには、生産されるエチレンの60%はナフサに由来し、35%はエタンに由来し、5%は、他の供給源に由来する(Ren, T.; Patel, M. Res. Conserv. Recycl. 53:513, 2009)。したがって、メジアン平均に基づくと、クラッキング工程からのCO排出量の推定量は、年間、114Mトンである(生産される120Mトンを基準とする)。次に、分離が、年間、61Mトンの追加のCOを占める。
開示されている触媒材料は、エネルギー集約的なクラッキングステップへの需要に代替肢を提供する。さらに、触媒材料は高い選択性があるために、幅広い範囲の炭化水素製品をもたらすクラッキングに比べると、下流での分離が劇的に単純化される。この反応も発熱的であり、したがって、自己熱プロセス機構により進行し得る。総合的に、従来の方法に比べると、CO排出量を潜在的に最大で75%削減することを実現し得ると推定される。これは、10年間にわたり、10億トンのCO削減に相当し、1日あたり1Mバレルを超える石油を節約すると思われる。
エチレンの高い反応性を考慮すると、触媒材料はまた、ガソリンまたはディーゼルなどの液体燃料にエチレンを変換することを可能にし、多数の刊行物が、実験室環境では、エチレンからガソリンおよびディーゼルへの高い収率の反応を実証している。井戸から自動車までのライフサイクルベースで、F-Tプロセス由来のガソリンおよびディーゼル燃料を使用するメタンから液体(methane to liquid)(MTL)への最近の解析では、石油に基づく生産よりも約20%多い排出量プロファイルが示されている(最悪ケースのシナリオに基づく)(Jaramillo, P., Griffin, M., Matthews, S., Env. Sci. Tech 42:7559, 2008)。モデルでは、プラントエネルギーに由来するCOの寄与は、60%の重要因子であった。したがって、クラッキングおよびF-Tプロセスの置き換えは、正味の排出量の顕著な低下を実現することが期待され、石油に基づく生産よりも少ないCO排出量で製造され得る。
さらに、天然ガスのかなりの部分が、市場またはパイプラインから遠隔にある地域に見出されている。このガスの大部分は、その低い経済的価値を考慮すると、燃やされる、石油貯留槽に再循環されて戻される、または排気される。世界銀行は、燃焼が毎年400MメートルトンのCOを大気にもたらし、メタン排出量の一因になると推定している。この開示のナノワイヤはまた、燃焼を止める経済的かつ環境的インセンティブをもたらす。同様に、メタンの燃料への変換は、石油に由来する燃料よりもいくつかの環境的な利点を有する。天然ガスは、すべての化石燃料のうち最もきれいなものであり、石油中で見出される水銀および他の重金属などのいくつかの不純物を含有しない。さらに、硫黄を含む汚染物質も、最初の天然ガスストリームから容易に分離される。得られた燃料は、測定可能な毒性汚染物質を含まないで、かなりきれいに燃焼し、現在の使用において、従来的なディーゼルおよびガソリンよりも少ない排出量をもたらす。
用途のその幅広い範囲を鑑みると、本開示の触媒材料を使用して、アルカンを選択的に活性化するばかりではなく、C-F、C-ClまたはC-O結合などの他のクラスの不活性な非反応性結合を活性化することができる。これは、例えば、CFC、PCB、ダイオキシンおよび他の汚染物質などの人工的な環境毒素の破壊に重要である。したがって、本開示は、本明細書に記載されているOCM反応および他の反応の文脈において、以下により詳細に記載されているが、触媒材料は、これらの特定の反応に決して限定されない。
選択的なメタンのエチレンへの触媒的酸化的カップリング(すなわち、OCM反応)は、以下の反応(1)により示される:
2CH+O → CHCH+2HO (1)
不均一触媒の表面でのOCM反応は、図1に概略的に示されている。この反応は、発熱的(反応熱は、-67kcal/モル)であり、通常、非常に高温(>700℃)で行われる。この反応の間に、メタン(CH)は、最初に酸化的にカップリングし、エタン(C)になり、続いて、このエタン(C)は酸化的に脱水素化して、エチレン(C)になると考えられる。この反応では高温が使用されるために、エタンは、表面で生成したメチル(CH)ラジカルの気相中でのカップリングによって主に生成することが示唆される。CHを活性化してCHラジカルを生成するために、反応性金属酸化物(酸素型のイオン)が明らかに必要である。CおよびCの収率は、気相中において、および触媒表面ではある程度で、さらなる反応によって限定される。メタンの酸化中に起こる可能な反応のいくつかが、反応(2)から(8)として以下に示されている:
CH → CHラジカル (2)
CHラジカル → C (3)
CHラジカル+2.5O → CO+1.5HO (4)
→ C+H (5)
+0.5O → C+HO (6)
+3O → 2CO+2HO (7)
CHラジカル+C+O → 高級HC’-酸化/CO+HO (8)
従来の不均一触媒および反応器システムの場合、報告されている性能は、一般に、合わせたC2+選択性が<80%で<25%のメタン変換率に限定され、性能特徴は低い変換率で高い選択性となるか、または高い変換率で低い選択性となる。対照的に、この開示の触媒材料は、活性が高く、必要に応じて、かなり低い温度で操作することができる。一実施形態では、本明細書において開示されている触媒材料は、950℃未満、900℃未満、800℃未満、700℃未満、600℃未満、550℃未満または500℃未満の温度で、メタンをエチレンに効率的に変換する(すなわち、高収率、変換率および/または選択性)ことが可能である。他の実施形態では、段階的な酸素の添加、設計された熱管理、迅速なクエンチおよび/または先進的な分離の使用もまた使用されてもよい。
したがって、本開示の一実施形態は、エタンおよび/またはエチレンの調製方法であって、本明細書において開示されている触媒または触媒材料の存在下で、メタンをエタンおよび/またはエチレンに変換するステップを含む、方法である。上述の方法のある特定の実施形態では、触媒材料は、担体と組み合わされたナノワイヤ触媒を含む。他の実施形態では、触媒材料は、担体と組み合わされたバルク触媒を含む。さらに他の実施形態では、触媒材料は、担体と組み合わされたナノワイヤとバルク触媒とのブレンドを含む。
一部の実施形態では、メタンの酸化的カップリングの方法は、メタンに本明細書において開示されている触媒または触媒材料を接触させて、それにより、メタンをC2炭化水素、C2+炭化水素またはそれらの組合せに変換するステップを含む。本方法の一部の実施形態では、本方法は、メタンの酸化的カップリングを約700℃またはそれ未満の温度で行うと、50%を超えるC2+選択性を有する。異なる実施形態では、本方法は、メタンの酸化的カップリングを約700℃またはそれ未満の温度で行うと、10%を超えるメタン変換率および50%を超えるC2+選択性を含む。OCM反応は、OCM活性触媒を含む触媒床にメタンおよび酸素を含むフィードガスを流すことによって、通常、行われる。本出願者らは、OCM活性触媒の表面積が触媒床全体で一定でない場合に、OCM反応の選択性(例えば、C2および/またはC2+選択性)が、予想外なことに改善されることを発見した。具体的には、活性なOCM活性触媒表面積の勾配を含む触媒床は、OCM活性触媒の一定の表面積を有する触媒床の使用を含む方法よりも、大きな選択性でC2炭化水素を生成することが見出された。したがって、一実施形態では、OCM活性触媒を含む触媒床の前端部から後端部にメタンおよび酸素を含むフィード(geed)ガスを流すステップを含む、メタンの酸化的カップリングを行う方法であって、触媒床が、合計で長さLおよび全OCM活性触媒表面積を有しており、全OCM活性触媒表面積の50%超が、前端部からLの50%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する、方法が提供される。
上述の方法の実施に有用な触媒および触媒材料は、本明細書に記載されているそのような触媒および触媒材料、ならびに当分野で公知の他の触媒および触媒材料を含む。
上述の方法の一部の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の60%超が、前端部からLの50%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の65%超が、前端部からLの50%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の70%超が、前端部からLの50%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の75%超が、前端部からLの50%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の80%超が、前端部からLの50%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の85%超が、前端部からLの50%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の90%超が、前端部からLの50%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の95%超が、前端部からLの50%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。
上述の方法のさらに他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の50%超が、前端部からLの60%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。Lの60%に等しい距離とは、触媒床において、触媒床の後端部からLの60%に等しい距離、離れている点(すなわち、前端部からLの40%離れている)を指す。Lの他の百分率は、同じ方法で測定される。一部の異なる実施形態では、全OCM活性触媒表面積の50%超は、前端部からLの65%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。一部の他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の50%超は、前端部からLの70%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の50%超は、前端部からLの75%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の50%超は、前端部からLの80%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の50%超は、前端部からLの85%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の50%超は、前端部からLの90%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の50%超は、前端部からLの95%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。
前端部、後端部およびOCM活性触媒を備えており、合計で長さLおよび全OCM活性触媒表面積を有する、上記の方法に使用するための触媒床であって、全OCM活性表面積の50%超が、前端部からLの50%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する、触媒床も提供される。
上述の触媒床の一部の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の60%超が、前端部からLの50%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の65%超が、前端部からLの50%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の70%超が、前端部からLの50%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の75%超が、前端部からLの50%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の80%超が、前端部からLの50%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の85%超が、前端部からLの50%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の90%超が、前端部からLの50%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の95%超が、前端部からLの50%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。
上述の触媒床のさらに他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の50%超が、前端部からLの60%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。一部の異なる実施形態では、全OCM活性触媒表面積の50%超は、前端部からLの65%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。一部の他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の50%超は、前端部からLの70%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の50%超は、前端部からLの75%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の50%超は、前端部からLの80%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の50%超は、前端部からLの85%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の50%超は、前端部からLの90%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。他の実施形態では、全OCM活性触媒表面積の50%超は、前端部からLの95%に等しい距離までの範囲の触媒床の部分に存在する。
反応の発熱性熱(自由エネルギー)は、上で図示した反応の次数に従い、活性部位が近接しているため、COおよびCOを形成する完全な酸化反応を最小限にしながら、エチレン形成が機構的に好都合となろう。OCM反応に有用な代表的な触媒組成物には、以下に限定されないが:一連の酸化ランタニドの上位のメンバーから選択される非常に塩基性の酸化物;Li/MgO、Ba/MgOおよびSr/Laなどの塩基性酸化物に担持されている第1族イオンまたは第2族イオン;ならびにVOなどの単一または混合遷移金属酸化物、および第1族イオンをやはり含有し得るRe/Ruが含まれる。OCM反応に有用な他の組成物は、本明細書において開示されている組成物のいずれか、例えば、MgO、La、NaWO、Mn、Mn、MgMnO、ZrMo、NaMnO、Mn/NaWO、Mn/NaWOまたはNa/MnO/MgO、Mn/WO4、Nd、Sm、Euまたはそれらの組合せを含む。ナノワイヤ触媒を含むOCM活性触媒の具体例は、米国出願第13/115,082号(米国公開第2012/0041246号);同第13/479,767号(米国公開第2013/0023709号);同第13/689,611号(米国公開第2013/0165728号);同第13/689,514号(米国公開第2013/0158322号);同第13/901,319号(米国公開第2014/0121433号);同第14/212435号(米国公開第2014/0274671号);同第14/701,963号(米国公開第2015/0314267号)およびPCT公開番号WO2014/143880号に記載されている。塩化物、硝酸塩および硫酸塩などの、活性促進剤(すなわち、ドーパント)、または上記のドーパントのいずれが使用されてもよい。
OCM反応における触媒材料の性能を測定するために使用される重要な性能パラメーターは、単回通過メタン変換率(すなわち、触媒または触媒床などの上を単回通過時に変換されるメタンの割合)、反応入口ガス温度、反応操作温度、全反応圧、メタン分圧、ガス毎時空間速度(GHSV)、O源、触媒安定性およびエチレン対エタン比から選択される。
本開示によるOCM反応を操作するための典型的な温度は、950℃またはそれ未満、900℃またはそれ未満、800℃またはそれ未満、750℃またはそれ未満、700℃またはそれ未満、650℃またはそれ未満、600℃またはそれ未満および550℃またはそれ未満である。本明細書で使用する場合、提示されている操作温度とは、通常、反応器入口に直接隣接する温度を指す。理解される通り、統合した温度制御システムがない場合、OCM反応の発熱性性質は、反応の進行を示す反応器全体に温度勾配をもたらすことができ、この場合、入口温度は、約400℃~約600℃の範囲であり得る一方、出口温度は、約700℃~約900℃の範囲である。通常、このような温度勾配は、約100℃~約500℃の範囲であり得る。段間冷却システムを備える断熱反応器を段階分けすることにより、例えば950℃を超える極端な温度を発生することなく、より完全な触媒反応を段階的に進めることができる。
ある特定の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料によって触媒されるOCM反応における入口ガス温度は、<900℃、<875℃、<850℃、<825℃、<800℃、<775℃、<750℃、<725℃、<700℃、<675℃、<650℃、<625℃、<600℃、<593℃、<580℃、<570℃、<560℃、<550℃、<540℃、<530℃、<520℃、<510℃、<500℃、<490℃、<480℃、またはさらに<470℃である。ある特定の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料によって触媒されるOCM反応における反応操作温度(すなわち、出口温度)は、<950℃、<925℃、<900℃、<875℃、<850℃、<825℃、<800℃、<775℃、<750℃、<725℃、<700℃、<675℃、<650℃、<625℃、<600℃、<593℃、<580℃、<570℃、<560℃、<550℃、<540℃、<530℃、<520℃、<510℃、<500℃、<490℃、<480℃、<470℃である。
開示されている触媒または触媒材料によって触媒されるOCM反応における単回通過メタン変換率は、一般に、>5%、>10%、>15%、>20%、>25%、>30%、>35%、>40%、>45%、>50%、>55%、>60%、>65%、>70%、>75%、またはさらに>80%である。
ある特定の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料によって触媒されるOCM反応における入口反応圧力は、>1barゲージ圧、>1.1barゲージ圧、>1.2barゲージ圧、>1.3barゲージ圧、>1.4barゲージ圧、>1.5barゲージ圧、>1.6barゲージ圧、>1.7barゲージ圧、>1.8barゲージ圧、>1.9barゲージ圧、>2barゲージ圧、>2.1barゲージ圧、>2.1barゲージ圧、>2.2barゲージ圧、>2.3barゲージ圧、>2.4barゲージ圧、>2.5barゲージ圧、>2.6barゲージ圧、>2.7barゲージ圧、>2.8barゲージ圧、>2.9barゲージ圧、>3.0barゲージ圧、>3.5barゲージ圧、>4.0barゲージ圧、>4.5barゲージ圧、>5.0barゲージ圧、>5.5barゲージ圧、>6.0barゲージ圧、>6.5barゲージ圧、>7.0barゲージ圧、>7.5barゲージ圧、>8.0barゲージ圧、>8.5barゲージ圧、>9.0barゲージ圧、>10.0barゲージ圧、>11.0barゲージ圧、>12.0barゲージ圧、>13.0barゲージ圧、>14.0barゲージ圧、>15.0barゲージ圧、>16.0barゲージ圧、>17.0barゲージ圧、>18.0barゲージ圧、>19.0barゲージ圧または>20.0barゲージ圧である。
一部の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料によって触媒されるOCM反応におけるメタン分圧は、>0.3barゲージ圧、>0.4barゲージ圧、>0.5barゲージ圧、>0.6barゲージ圧、>0.7barゲージ圧、>0.8barゲージ圧、>0.9barゲージ圧、>1barゲージ圧、>1.1barゲージ圧、>1.2barゲージ圧、>1.3barゲージ圧、>1.4barゲージ圧、>1.5barゲージ圧、>1.6barゲージ圧、>1.7barゲージ圧、>1.8barゲージ圧、>1.9barゲージ圧、>2.0barゲージ圧、>2.1barゲージ圧、>2.2barゲージ圧、>2.3barゲージ圧、>2.4barゲージ圧、>2.5barゲージ圧、>2.6barゲージ圧、>2.7barゲージ圧、>2.8barゲージ圧、>2.9barゲージ圧、>3.0barゲージ圧、>3.5barゲージ圧、>4.0barゲージ圧、>4.5barゲージ圧、>5.0barゲージ圧、>5.5barゲージ圧、>6.0barゲージ圧、>6.5barゲージ圧、>7.0barゲージ圧、>7.5barゲージ圧、>8.0barゲージ圧、>8.5barゲージ圧、>9.0barゲージ圧、>10.0barゲージ圧、>11.0barゲージ圧、>12.0barゲージ圧、>13.0barゲージ圧、>14.0barゲージ圧、>15.0barゲージ圧、>16.0barゲージ圧、>17.0barゲージ圧、>18.0barゲージ圧、>19.0barゲージ圧または>20.0barゲージ圧である。
一部の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料によって触媒されるOCM反応におけるGSHVは、>5,000/時、>10,000/時、>15,000/時、>20,000/時、>50,000/時、>75,000/時、>100,000/時、>120,000/時、>130,000/時、>150,000/時、>200,000/時、>250,000/時、>300,000/時、>350,000/時、>400,000/時、>450,000/時、>500,000/時、>750,000/時、>1,000,000/時、>2,000,000/時、>3,000,000/時、>4,000,000/時である。
本発明者らは、開示されている触媒または触媒材料によって触媒されるOCM反応は、純粋なO以外のO源を使用して行うことができる(および、依然として、高C2収率、C2+選択性、変換率などを維持する)ことを発見した。例えば、一部の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料によって触媒されるOCM反応におけるO源は、空気、酸素の富化した空気、純粋な酸素、窒素(または、別の不活性ガス)により希釈した酸素またはCOにより希釈した酸素である。ある特定の実施形態では、O源は、COまたは不活性ガス、例えば窒素により、>99%、>98%、>97%、>96%、>95%、>94%、>93%、>92%、>91%、>90%、>85%、>80%、>75%、>70%、>65%、>60%、>55%、>50%、>45%、>40%、>35%、>30%、>25%、>20%、>15%、>10%、>9%、>8%、>7%、>6%、>5%、>4%、>3%、>2%または>1%、希釈されたOである。
開示されている触媒または触媒材料も、任意の数の触媒反応、例えばOCM反応を行うために必要な条件下で、非常に安定である。触媒材料の安定性は、触媒が性能の有意な低下なしに、その触媒性能(例えば、>20%、>15%、>10%、>5%の低下、またはC2収率、C2+選択性または変換率が1%より高いなど)を維持する時間の長さとして定義される。一部の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料は、OCM反応に必要な条件下、>1時間、>5時間、>10時間、>20時間、>50時間、>80時間、>90時間、>100時間、>150時間、>200時間、>250時間、>300時間、>350時間、>400時間、>450時間、>500時間、>550時間、>600時間、>650時間、>700時間、>750時間、>800時間、>850時間、>900時間、>950時間、>1,000時間、>2,000時間、>3,000時間、>4,000時間、>5,000時間、>6,000時間、>7,000時間、>8,000時間、>9,000時間、>10,000時間、>11,000時間、>12,000時間、>13,000時間、>14,000時間、>15,000時間、>16,000時間、>17,000時間、>18,000時間、>19,000時間、>20,000時間、>1年間、>2年間、>3年間、>4年間または>5年間の安定性を有する。
一部の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料によって触媒されるOCM反応におけるエチレンのエタンに対する比は、>0.3、>0.4、>0.5、>0.6、>0.7、>0.8、>0.9、>1、>1.1、>1.2、>1.3、>1.4、>1.5、>1.6、>1.7、>1.8、>1.9、>2.0、>2.1、>2.2、>2.3、>2.4、>2.5、>2.6、>2.7、>2.8、>2.9、>3.0、>3.5、>4.0、>4.5、>5.0、>5.5、>6.0、>6.5、>7.0、>7.5、>8.0、>8.5、>9.0、>9.5、>10.0である。
他の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料によって触媒されるOCM反応におけるメタンの変換率は、5%より高い、10%より高い、20%より高い、30%より高い、50%より高い、75%より高い、または90%より高い。他の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料によって触媒されるOCM反応におけるメタンのエチレンへの変換率は、5%より高い、10%より高い、20%より高い、30%より高い、50%より高い、75%より高いまたは90%より高い。一部の他の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料によって触媒されるOCM反応におけるエチレンの収率は、10%より高い、20%より高い、30%より高い、50%より高い、75%より高い、または90%より高い。一部の他の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料によって触媒されるOCM反応におけるC2収率は、5%より高い、10%より高い、20%より高い、30%より高い、50%より高い、75%より高い、または90%より高い。
一部の他の実施形態では、2種またはそれより多い種類の触媒を含む触媒材料の使用を含む、メタンをエタンおよび/またはエチレンに変換する方法が提供される。例えば、触媒混合物は、良好なOCM活性を有する触媒と良好なODH活性を有する触媒との混合物とすることができる。このような触媒混合物は、上でより詳細に記載されている。
通常、OCM反応は、酸素および窒素または他の不活性ガスの混合物中で行われる。このようなガスは高価であり、メタンからエチレンまたはエタンを調製することに関連する総合的な生産コストを増大させる。しかし、本発明者らは、このような高価なガスを必要としないこと、および事前に一括されて精製された酸素および他のガス源の代わりに、ガス混合物として空気を使用すると高収率、変換率、選択性などを得ることができることを今や発見した。したがって、一実施形態では、本開示は、開示されている触媒材料にメタンおよび空気を接触させることによって、空気中でOCM反応を行う方法を提供する。
メタンの酸化的カップリングのための上述の方法の様々な実施形態では、メタンを含むフィードガスを1m/sまたはそれより高い線速度で、充填触媒床に通過させるステップを含む、断熱条件下でのメタンのC2+炭化水素への酸化的カップリングの方法であって、充填触媒床が、本明細書に記載されている触媒材料のいずれかを含む、方法が提供される。これらの実施形態の一部では、触媒材料は、約3mm~約50mmの範囲の外径、および約1mm~約25mmの範囲の内径を有する環の形状にあり、外径は内径よりも大きい。
本明細書に記載されている実施形態のいずれかにおいて、OCM法における線速度は、約0.1m/s~約10m/s、例えば、約1m/s~約10m/sまたは約1~約5m/sの範囲である。一部の実施形態では、線速度は、約2m/s~約10m/s、例えば、約2m/s~約4m/sの範囲である。
他の実施形態では、メタンのC2+炭化水素への変換に関するC2+選択性は、約50%より大きい、例えば約55%より大きい、またはさらに約60%より大きい。さらに他の実施形態およびその部分実施形態では、このような方法に使用される触媒材料は、本明細書に記載されている環形状の触媒材料(例えば、複数のOCM活性触媒を含む触媒材料)であって、約3mm~約50mmの範囲の外径、および約1mm~約25mmの範囲の内径を有する環の形状にあり、外径は内径よりも大きい、環形状の触媒材料である。
本明細書に記載されているOCM法の一部の実施形態では、本方法は、エチレンの下流製品を製造するための出発材料として使用されるエチレンを生産する。本明細書に記載されているOCM法の他の実施形態では、最終製品は、ポリマー-グレードのエチレン製品である(99重量%より多い、例えば99.96重量%またはそれより多いエチレン)。
一部の実施形態では、メタンのC2+炭化水素への酸化的カップリングの方法は、メタン、酸素および水蒸気を含むフィードガスを、開示されている触媒または触媒材料を含有する反応器区域に注入するステップを含む。このフィードガスは、開示されている触媒または触媒材料に接触して、C2+炭化水素を含む生成物ガスを生じる。
このような実施形態では、開示されている触媒または触媒材料は、水蒸気対メタンのモル比が、少なくとも約0.25:1より高い、少なくとも約0.5:1より高い、少なくとも約0.75:1より高い、少なくとも約1:1より高い、少なくとも約1.5:1より高い、少なくとも約2:1より高い、少なくとも約3:1より高い、少なくとも約4:1より高い、または少なくとも約5:1より高い、上記のC2+選択性に到達することが可能である。
このような実施形態では、開示されている触媒または触媒材料は、水蒸気対メタンのモル比が、少なくとも約0.25:1より高い、少なくとも約0.5:1より高い、少なくとも約0.75:1より高い、少なくとも約1:1より高い、少なくとも約1.5:1より高い、少なくとも約2:1より高い、少なくとも約3:1より高い、少なくとも約4:1より高い、または少なくとも約5:1より高い、上記のメタン変換率に到達することが可能である。
一部の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料は、商業的操作に必要な最小物理強度特性を維持しながら、高温水蒸気の存在下で、OCM反応に対する改善された性能特徴を有することができる。他の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料は、フィードガス中に水蒸気が存在しない場合、商業的操作に必要な最小物理強度特性を維持しながら、同じレベルの高温水蒸気の存在下で、OCM反応に対する性能特徴を維持することができる。さらに他の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料は、従来の触媒よりも小さいある程度まで他の性能特徴を低下させると同時に、高温水蒸気の存在下で、OCM反応に対する改善された性能特徴を有することができる。
一部の実施形態では、フィードガスへの水蒸気の添加は、少なくとも約150%、少なくとも約200%、少なくとも約250%、少なくとも約300%または少なくとも約400%、OCM触媒上でのメタン変換率を向上することができる。
一部の実施形態では、メタンのC2+炭化水素への酸化的カップリングの方法は、メタン、酸素、エタンおよび水蒸気を含むフィードガスを、開示されている触媒または触媒材料を含有する反応器区域に注入するステップを含む。このフィードガスは、開示されている触媒または触媒材料に接触して、C2+炭化水素を含む生成物ガスを生じる。一部の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料は、商業的操作に必要な最小物理強度特性を維持しながら、高温水蒸気およびエタンの存在下で、OCM反応に対する改善された性能特徴を有することができる。他の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料は、フィードガス中に水蒸気およびエタンが存在しない場合、商業的操作に必要な最小物理強度特性を維持しながら、同じレベルの高温水蒸気およびエタンの存在下で、OCM反応に対する性能特徴を維持することができる。さらに他の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料は、従来の触媒よりも小さいある程度まで他の性能特徴を低下させると同時に、高温水蒸気およびエタンの存在下で、OCM反応に対する改善された性能特徴を有することができる。
一部の実施形態では、反応ガスに水蒸気およびエタンを添加すると、少なくとも約150%、少なくとも約200%、少なくとも約250%、少なくとも約300%または少なくとも約400%、OCM触媒上でメタン変換率を向上することができる。
一部の実施形態では、OCM反応器のOCM反応区域において反応ガスに水蒸気を添加すると、少なくとも約150%、少なくとも約200%、少なくとも約250%、少なくとも約300%または少なくとも約400%、その区域にあるOCM触媒上でメタン変換率を向上することができる。
一部の実施形態では、OCM反応器のOCM反応区域において反応ガスに水蒸気およびエタンを添加すると、少なくとも約150%、少なくとも約200%、少なくとも約250%、少なくとも約300%または少なくとも約400%、その区域にあるOCM触媒上でメタン変換率を向上することができる。
一部の実施形態では、OCM反応器のOCM反応区域において反応ガスに水蒸気を添加すると、少なくとも約125%、少なくとも約150%、少なくとも約200%、その区域にあるOCM触媒のC2+選択性を向上することができる。
一部の実施形態では、OCM反応器のOCM反応区域において反応ガスにエタンを添加すると、少なくとも約125%、少なくとも約150%、少なくとも約200%、その区域にあるOCM触媒のC2+選択性を向上することができる。
一部の実施形態では、OCM反応器のOCM反応区域において反応ガスに水蒸気およびエタンを添加すると、少なくとも約125%、少なくとも約150%、少なくとも約200%、その区域にあるOCM触媒のC2+選択性を向上することができる。
一部の実施形態では、メタンのC2+炭化水素への酸化的カップリングの方法は、エタンを含む注入ガスを、開示されている触媒または触媒材料を含有するOCM反応器のOCM反応区域に注入するステップを含む。この注入ガスは、開示されている触媒または触媒材料に接触して、C2+炭化水素を含む生成物ガスを生じる。一部の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料は、商業的操作に必要な最小物理強度特性を維持しながら、注入ガス中に高温エタンの存在下で、OCM反応に対する改善された性能特徴を有することができる。他の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料は、注入ガス中にエタンが存在しない場合、商業的操作に必要な最小物理強度特性を維持しながら、同じレベルの高温エタンの存在下で、OCM反応に対する性能特徴を維持することができる。さらに他の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料は、従来の触媒よりも小さいある程度まで他の性能特徴を低下させると同時に、注入ガス中に高温エタンの存在下で、OCM反応に対する改善された性能特徴を有することができる。
一部の実施形態では、メタンのC2+炭化水素への酸化的カップリングの方法は、水蒸気を含む注入ガスを、開示されている触媒または触媒材料を含有するOCM反応器のOCM反応区域に注入するステップを含む。この注入ガスは、開示されている触媒または触媒材料に接触して、C2+炭化水素を含む生成物ガスを生じる。一部の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料は、商業的操作に必要な最小物理強度特性を維持しながら、注入ガス中に高温水蒸気の存在下で、OCM反応に対する改善された性能特徴を有することができる。他の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料は、注入ガス中に水蒸気が存在しない場合、商業的操作に必要な最小物理強度特性を維持しながら、同じレベルの高温水蒸気の存在下で、OCM反応に対する性能特徴を維持することができる。さらに他の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料は、従来の触媒よりも小さいある程度まで他の性能特徴を低下させると同時に、注入ガス中に高温水蒸気の存在下で、OCM反応に対する改善された性能特徴を有することができる。
一部の実施形態では、メタンのC2+炭化水素への酸化的カップリングの方法は、エタンおよび水蒸気を含む注入ガスを、開示されている触媒または触媒材料を含有するOCM反応器のOCM反応区域に注入するステップを含む。この注入ガスは、開示されている触媒または触媒材料に接触して、C2+炭化水素を含む生成物ガスを生じる。一部の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料は、商業的操作に必要な最小物理強度特性を維持しながら、注入ガス中に高温水蒸気およびエタンの存在下で、OCM反応に対する改善された性能特徴を有することができる。他の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料は、注入ガス中に水蒸気およびエタンが存在しない場合、商業的操作に必要な最小物理強度特性を維持しながら、同じレベルの高温水蒸気およびエタンの存在下で、OCM反応に対する性能特徴を維持することができる。さらに他の実施形態では、開示されている触媒または触媒材料は、従来の触媒よりも小さいある程度まで他の性能特徴を低下させると同時に、注入ガス中に高温水蒸気およびエタンの存在下で、OCM反応に対する改善された性能特徴を有することができる。
2.酸化的脱水素化
アルケン、とりわけエチレンおよびプロピレンに対する世界的な需要は高い。アルケンの主要源は、水蒸気クラッキング、流体触媒的クラッキングおよび触媒的脱水素化を含む。エチレンおよびプロピレンを含めたアルケンを生産する現在の工業プロセスは、OCM反応に関して上に記載したものと同じ欠点のいくつかを被る。したがって、よりエネルギー効率的であり、かつ現在のプロセスよりも高い収率、選択性および変換率を有する、アルケンの調製法が必要とされている。本出願人らは、本開示の触媒材料は、この需要を満たし、関連する利点を実現することを今や見出した。
一実施形態では、開示されている触媒および触媒材料は、炭化水素(例えばアルカンおよびアルケン)の酸化的脱水素化(ODH)を触媒するのに有用である。例えば、一実施形態では、開示されている触媒および触媒材料は、それぞれ、エタンまたはプロパンをエチレンまたはプロピレンに変換するODH反応の触媒作用に有用である。反応スキーム(9)は、炭化水素の酸化的脱水素化を図示する:
+1/2O → Cy-2+HO (9)
ODH反応に有用な代表的な触媒には、以下に限定されないが、Zr、V、Mo、Ba、Nd、Ce、Ti、Mg、Nb、La、Sr、Sm、Cr、W、YもしくはCa、またはそれらの酸化物もしくは組合せを含む触媒(例えば、ナノワイヤ)が含まれる。P、K、Ca、Ni、Cr、Nb、Mg、Au、ZnもしくはMoまたはそれらの組合せを含む活性促進剤(すなわちドーパント)も使用されてもよい。
一部の実施形態では、触媒材料によって触媒されるODH反応における炭化水素のアルケンへの変換率は、10%より高い、20%より高い、30%より高い、50%より高い、75%より高い、または90%より高い。一部の他の実施形態では、触媒材料によって触媒されるODH反応におけるアルケンの収率は、10%より高い、20%より高い、30%より高い、50%より高い、75%より高い、または90%より高い。他の実施形態では、触媒材料によって触媒されるODH反応におけるアルケンの選択性は、50%より高い、60%より高い、70%より高い、80%より高い、90%より高い、または95%より高い。別の実施形態では、本明細書において開示されている触媒材料は、800℃未満、700℃未満、600℃未満、500℃未満、400℃未満、または300℃未満の温度で、炭化水素をアルケンに効率的に変換する(すなわち、高収率、変換率および/または選択性)ことが可能である。
触媒材料の安定性は、触媒材料が性能の有意な低下(例えば、ODH活性またはアルケン選択性の>20%、>15%、>10%、>5%または1%より高い低下など)なしに、その触媒性能を維持する時間の長さとして定義される。一部の実施形態では、触媒材料は、ODH反応に必要な条件下、>1時間、>5時間、>10時間、>20時間、>50時間、>80時間、>90時間、>100時間、>150時間、>200時間、>250時間、>300時間、>350時間、>400時間、>450時間、>500時間、>550時間、>600時間、>650時間、>700時間、>750時間、>800時間、>850時間、>900時間、>950時間、>1,000時間、>2,000時間、>3,000時間、>4,000時間、>5,000時間、>6,000時間、>7,000時間、>8,000時間、>9,000時間、>10,000時間、>11,000時間、>12,000時間、>13,000時間、>14,000時間、>15,000時間、>16,000時間、>17,000時間、>18,000時間、>19,000時間、>20,000時間、>1年間、>2年間、>3年間、>4年間または>5年間の安定性を有する。
メタンのエタンおよび/またはエチレンへの酸化的カップリングは、直列にまたは並列して行われるいくつかの基本反応を含むことが一般に理解される。理論に拘泥することを望むものではないが、OCM機構を精査すると、OCM反応の間に生成するエタンの自己熱クラッキングは、OCMにより生成した高級アルカンからのオレフィンの形成に寄与し得ることが示唆される。この機構の重要性は、比較的乾燥した天然ガス(すなわち、天然ガス中に限定量の高級炭化水素を含む)によって供給されるOCMプロセスに関して確認されるが、OCM固定床反応器による非常に湿った天然ガス(高級炭化水素含有量が5%よりも高い)の処理は、固定床の入口におけるC2+炭化水素の優先的な燃焼がOCMプロセスと競合し、オレフィンの選択性が低下するので問題がある。しかし、本発明者らは、触媒流動床反応器を使用することにより、湿った天然ガスを供給して高級炭化水素(C2+アルカン)の酸化的脱水素化のためのOCM活性触媒の使用が可能になると、固定床反応器の制約のいくつかを回避することが可能であることを見出した。この発見により、OCM-ODH水蒸気クラッキング複合式機能流動床反応器で効果的に使用されることになるC2+含有量の高いフィードガスを含む天然ガスの使用が可能になる。酸化反応が一旦、開始されて、触媒粒子のライトオフ温度より高い流動床温度を維持するのに十分な熱を発生すると、流動化触媒床は、触媒のライトオフ温度未満の温度でガスを供給することが可能となるよう、入口ガスのための熱交換器の役割を果たす。
したがって、一実施形態では、アルカンからエチレン、プロペン、ブテンなどのアルケンを調製する方法が提供される。一実施形態では、本方法は、エタンからのエチレンの調製のためのものであり、例えば、エタンは、OCMによりメタンフィードガスを酸化的にカップリングすることによって生産される。
上述のアルケンの調製方法の一部の実施形態では、本方法は、流動触媒床を備える反応器に、入口からアルカンおよび酸素を含むフィードガスを投入するステップ、およびアルカンをアルケンに変換するのに十分な期間、フィードガスを流動触媒床に接触させるステップを含み、入口におけるフィードガスの温度は、550℃またはそれ未満に維持され、流動触媒床は、650℃~950℃の範囲の温度に維持される。
一部の実施形態では、本方法は、エチレンの調製のためのものであり、アルカンはエタンである。エチレンが所望の生成物である場合、このような実施形態は、通常、流動触媒床を、約800℃を超える、例えば820℃を超えるまたは850℃を超える温度に維持するステップを含む。本方法の他の実施形態では、エチレンが所望の製品である場合、エタンは、フィードガス中に存在するメタンを酸化的にカップリングすることにより生産される。
一部の他の実施形態では、本方法は、プロピレンの調製のためのものであり、アルカンはプロパンである。プロピレンが所望の製品である場合、このような実施形態は、通常、約700℃を超える、例えば740℃を超えるまたは780℃を超える温度に流動触媒床を維持するステップを含む。本方法の他の実施形態では、プロピレンが所望の製品である場合、プロパンは、フィードガス中に存在するメタンを酸化的にカップリングすることにより生産される。
触媒は、本明細書に記載されている、または参照により組み込まれている触媒のいずれかであってもよい。一部の実施形態では、流動触媒床は、希土類触媒を含む。他の実施形態では、触媒は、ナノワイヤ触媒などのナノ構造触媒である。
他の実施形態では、フィードガス中にメタンを含むのが有利であり、したがって、このフィードガスはメタンをさらに含み、一部の実施形態では、メタンは酸化的にカップリングされてアルカンを形成する。これらの実施形態の一部では、エタンに対するメタンのモル%は、約25%~約90%の範囲である。これらの実施形態の一部では、メタンが含まれる場合、アルケンは、メタンのOCM反応により生産される。
上述の実施形態の一部では、アルキレン(例えば、エチレン)選択性は、60%もしくはそれより高い、65%もしくはそれより高い、70%もしくはそれより高い、またはさらに75%もしくはそれより高い。
他の実施形態では、アルカン(例えば、エタン)の変換率は、50%もしくはそれより高い、55%もしくはそれより高い、60%もしくはそれより高く、65%もしくはそれより高い、またはさらに70%もしくはそれより高い。
本明細書に記載されているODH法は、下流のプロセスと統合するのに特に良好に適しており、一部の実施形態では、本方法は、エチレンをオリゴマー化する1つまたは複数のステップをさらに含む。これらの実施形態では、天然ガス処理反応器の高いエチレン含有率は、所望のETL反応器の入口組成と良好に連携する。水は、ETL反応器の前またはその後に除去されてもよい。C5+画分の分離後の軽質炭化水素ガスは、次に、CO除去ユニットおよびメタン化反応器を通って処理され、このガスストリーム中のH2およびCO含有物を利用した後、追加のOSBL天然ガスおよび/またはエタンおよびOと共に、流動床OCM+ODH+クラッキング反応器に戻して再利用することができる。この実施形態では、流動床反応器中の液体用反応器にエチレンの軽質炭化水素副生物をクラッキングすることができることにより、3種だけの産出品ストリームを含む製品ストリーム、天然ガスフィードから来る不活性ループ品(looping)を除去するための少量のパージ、C5+液ストリームおよび廃水ストリームの取り扱いを単純化する。
一部の実施形態では、エタンおよびO源は、一緒に供給されてもよく、または流動床の異なる区域に個別に供給されてもよい。Oおよび燃料源が個別に供給される場合、いくつかの用途において必要とされる下流での分離を最小限にするため、複数の排ガスが、異なる組成を有するストリームを捕捉するために使用されてもよい。
従来的なエタンクラッキング設備に対する、複合式流動床OCM-ODH-水蒸気クラッキング反応器を使用する利点の1つは、反応器の複雑さの低減、ならびに経済的な小規模配置および燃料融通性を可能にする可能性である。固定床触媒反応器に対する流動床触媒反応器を使用する別の利点は、触媒温度プロファイルの差異である。流動床反応器における追加の等温プロファイルは、フィード不純物に対する触媒材料の耐性を改善する際に有利となることがある。例えば、フィード中の水蒸気は、オキシ水酸化物相が形成するために、低温では有害となることがある。流動床触媒反応器では、この温度範囲は、完全に回避されることがある。同様に、天然ガス中の硫黄化合物による安定なスルフェートまたはスルファイトの形成は、触媒床全体を650℃~700℃超に維持することによって、同様に回避することができる。触媒固体の連続混合もまた、床内の個々の粒子にとって熟成雰囲気の循環を可能にする。これは、例えば、炭素の堆積物が、反応器のO不足ゾーンに形成される場合に有利となり得、反応器の前端部に戻って運ばれる炭素堆積物は、酸化過程により除去されると思われる。望ましくない少量の化学種もまた、床のより良好な温度制御のおかげで、製品ストリームから優先的に除去され得る。固体によって運ばれる酸化電位はまた、アセチレンおよびジエンとして反応性の高い二次生成物を酸化する能力に寄与することがある。
様々な他の実施形態では、上記のエタンの自己熱クラッキングは、ポリマーグレードのエチレンまたは液状炭化水素製品(RBOBガソリンまたは芳香族など)の商業的生産のための下流のユニット(オリゴマー化反応、圧縮および分離など)と統合される。
本開示の様々な実施形態の裏付けとして、フィード中の炭素:酸素(C:O)比の関数としての、酸化剤源として空気を使用するエタンからのオレフィンの生産の選択性を評価する実験を行った。これらの実験は、C:O比が低下するにつれて、反応により発生する熱は、時間単位あたり向上し、流動床触媒の操作温度は向上することを実証した。データは、反応器出口において測定されるH生産量の増加によって例示される通り、床において約800℃を超えると、形成されるエチレンの一部は、水蒸気クラッキングにより得られることを示している。単一反応器内でのこの相乗的ODHおよび水蒸気クラッキングは、このプロセスによるエチレンの選択性および収率の両方を向上させる、非常に望ましい効果を有する。混合物のエタン+O2の均一なフィードの反応(reactivity)もまた、触媒床の温度を700℃~850℃で変動させながら、550℃未満の温度のフィードガスを流すことによって回避された。
それぞれ、65%および70%もの高いエタン変換率およびエチレン選択性は、上述の実験から得られた。選択性および収率は、流動床中の滞留時間を増大することによって、または環境への熱喪失を低減することによる反応器の温度の上昇によってさらに改善され得る。
プロペンまたはブタンなどの高級アルケンを調製する方法は、対応するアルカンがエタンの代わりに使用されることを除いて、上記のプロセスに類似する。
3. 触媒特性の評価
所与の反応、例えば上で議論したそのような反応における触媒材料の触媒特性を評価するため、様々な方法を使用して、速度の測定値、ならびに消費した反応剤および形成した生成物の量を含めたデータを収集および処理することができる。これらのデータはまた、触媒性能の評価を可能にすることに加え、大規模反応器の設計、モデルの実験による認証および触媒プロセスの最適化の一助となり得る。
例として、実験室設定では、下流に0.5mmのIDのキャピラリーを備える4mmのIDの石英管を使用して、Altamira Benchcat200を使用することができる。加圧反応のための金属製ジャケットを必要に応じて備える、2mm、6mm、8mmまたは16mmのIDを有する石英管(例えば、最大で12barゲージ圧またはそれより高い)も使用することができる。触媒材料は、いくつかの異なる条件下で試験する。
典型的な手順では、50mgの触媒材料を2mmの管に投入する。触媒材料の一方の側に、ガラスウールの小さなプラグを搭載して触媒材料を所定の位置に維持する。反応ゾーンにおける温度を得るため、ガラスウール内の触媒材料床の入口側に熱電対を置く。発熱がある場合、これを測定するため、別の熱電対を下流端部の触媒床自体に置くことができる。
一旦、反応器に搭載されると、反応器をAltamira機器および炉に挿入し、次に、温度および流量プログラムを開始する。一部の実施形態では、流量の合計は、50~100sccmのガスであるが、これは、様々とすることができ、時間によりプログラム化することができる。一実施形態では、この温度は、400℃~900℃の範囲である。反応剤ガスは、OCM反応の場合、空気または酸素(窒素またはアルゴンにより希釈)およびメタンを含み、酸化的脱水素化(ODH)反応の場合、酸素を含むエタンおよび/またはプロパンを含むガス混合物を含む。他のガス混合物を他の反応に使用することができる。
これらの酸化触媒作用の実施の一次分析は、フィードおよび排出ガスのガスクロマトグラフィー(GC)分析である。これらの分析から、酸素およびアルカンのフィードガスの変換は、容易に達成することができ、生成物および副生物の収率および選択性の推定値を決定することができる。
これらの実験のために開発したGC法は、分析を最適化するため、4本のカラムおよび2つの検出器および複雑な弁切り替えシステムを使用する。具体的には、水素炎イオン化検出器(FID)を炭化水素だけの分析に使用する。水素炎イオン化検出器は、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ならびに長さが最大で5個の炭素までの他のすべての単純アルカンおよびアルケンのppmレベルまでの正確かつ反復可能な分析をもたらす非常に高感度の検出器である。
この分析を行うため、直列の2本のカラムが存在し、第1のカラムは、極性物質(水副生物および任意の生成した含酸素化合物(oxygenate)を含む)を、サイクル中、後にバックフラッシュさせるまで捕捉するストリッパーカラム(アルミナ)である。FIDに接続されている第2のカラムは、軽質炭化水素の実際の分離を行う、PLOTカラムとして知られている、キャピラリーアルミナカラムである。水および含酸素化合物は、この方法では分析されない。
軽質非炭化水素ガスの分析の場合、その分析を行うため、2本のカラムをやはり使用する熱伝導性検出器(TCD)を使用することができる。この分析のための標的分子は、CO、エチレン、エタン、水素、酸素、窒素、メタンおよびCOである。ここで使用する2本のカラムは、CO、エチレンおよびエタンの分離の一部を行う、Hayes Sep Nとして知られている多孔質ポリマーカラムである。第2のカラムは、分離を行うサイズの差異を使用する、モレキュラーシーブカラムである。そのカラムは、H、O、N、メタンおよびCOの分離を担う。
この方法では、これらの2本のカラム間で、巧みかつ機敏に切り替えを行う。最初の2分間などにおいて、2本のカラムは直列に動作するが、約2分時に、モレキュラーシーブカラムがバイパスされ、最初の3種の構成成分の分離が完了する。次に、約5~7分時に、これらのカラムは直列に戻され、軽質ガスはその分子サイズに応じてふるいから排出する。
最後の結果は、これらの固定床気相反応に由来する前述の構成成分のすべての正確な分析である。上に具体的に記載されていない他の反応物およびガスの分析は、類似の方法で行われる。
4.下流製品
上記の通り、一実施形態では、本開示は、いくつかの高価値炭化水素化合物を調製するための触媒および触媒材料および方法を対象とする。例えば、一実施形態では、触媒または触媒材料は、OCM反応により、メタンからエチレンを調製するのに有用である。別の実施形態では、触媒または触媒材料は、それぞれ、エタンまたはプロパンの酸化的脱水素化により、エチレンまたはプロピレンの調製に有用である。エチレンおよびプロピレンは、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、二塩化エチレン、エチレンオキシド、エチルベンゼン、線状アルコール、酢酸ビニル、アルカン、アルファオレフィン、様々な炭化水素をベースとする燃料、エタノールなどを含めた、様々な消費者製品に変換され得る、高価値化合物である。次に、これらの化合物は、他の高価値化学品および消費者製品を得る方法を使用して、さらに処理され得る。プロピレンは、ポリプロピレン、プロピレンオキシド、プロパノールなどを含めた、様々な化合物および消費者製品に同様に変換され得る。
したがって、一実施形態では、本開示は、OCM反応により、C2炭化水素を調製する方法であって、本明細書に記載されている触媒または触媒材料にメタンを含むフィードガスを接触させるステップを含む、方法を対象とする。一部の実施形態では、C2炭化水素は、エタンおよびエチレンから選択される。他の実施形態では、本開示は、エチレンの下流製品を調製する方法を提供する。本方法は、エチレンをエチレンの下流製品に変換するステップであって、エチレンが、本明細書において開示されている触媒または触媒材料を使用する触媒反応(例えば、OCM)により調製される、ステップを含む。一部の実施形態では、エチレンの下流製品は、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、二塩化エチレン、エチレンオキシド、エチルベンゼン、エタノールまたは酢酸ビニルである。他の実施形態では、エチレンの下流製品は、天然ガソリンである。さらに他の実施形態では、エチレンの下流製品は、プロピレン、1-ブテン、2-ブテン、ブテン混合物、1-ヘキセン、1-オクテン、ヘキサン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはそれらの組合せを含む。
別の実施形態では、950℃未満、900℃未満、850℃未満、800℃未満、750℃未満、700℃未満または650℃未満の温度において、酸素およびメタンを含む混合物に本明細書において開示されている触媒または触媒材料を接触させるステップを含む、メタンからエチレンを調製する方法が提供される。
別の実施形態では、本開示は、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、二塩化エチレン、エチレンオキシド、エチルベンゼン、エタノールまたは酢酸ビニル、アルケン、プロピレン、アルカン、芳香族、アルコールまたはそれらの混合物を含む製品を調製する方法を提供する。本方法は、エチレンを低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、二塩化エチレン、エチレンオキシド、エチルベンゼン、エタノールまたは酢酸ビニルに変換するステップであって、エチレンが、本明細書において開示されている触媒材料を使用する触媒反応により調製される、ステップを含む。
上記の方法のいずれかのより特定の実施形態では、エチレンは、OCMもしくはODH反応またはそれらの組合せにより生産される。
特定の一実施形態では、本開示は、エチレンおよび/またはエタンの下流製品を調製する方法を提供する。例えば、エチレンの下流製品は、天然ガソリン、またはアルカン、アルケンおよび芳香族を含めたC~C14炭化水素などの炭化水素燃料とすることができる。一部の具体例には、プロピレン、1-ブテン、2-ブテン、ブテン混合物、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、ヘキサン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが含まれる。本方法は、本明細書において開示されている触媒材料の使用により、メタンをエチレン、エタンまたはそれらの組合せに変換するステップ、ならびにエチレンおよび/またはエタンをさらにオリゴマー化して、エチレンおよび/またはエタンの下流製品を調製するステップを含む。例えば、メタンは、上で議論されているOCM反応により、エチレン、エタンまたはそれらの組合せに変換され得る。触媒材料は任意の触媒を含んでもよく、触媒は、形態または組成に関して限定されない。触媒は、無機の触媒多結晶ナノワイヤであってもよく、このナノワイヤは、5keVにおいて明視野モードでのTEMによって測定すると、1未満の有効長の実際長に対する比および10より大きなアスペクト比を有しており、ナノワイヤは、第1族から第7族、ランタニド、アクチニドまたはそれらの組合せのいずれかからの1種または複数種の元素を含む。代替的に、触媒は、第1族~第7族、ランタニド、アクチニドまたはそれらの組合せのいずれかからの1種または複数種の金属元素、および金属元素、半金属元素、非金属元素またはそれらの組合せを含むドーパントを含む、無機ナノワイヤとすることができる。他の実施形態では、触媒材料は、バルク触媒を含む。触媒は、上で議論した任意の数のドープ元素をさらに含んでもよい。
本方法は、メタン(例えば、天然ガス中の構成成分として)をOCM反応器に投入することから始まる。次に、OCM反応は、任意の様々な条件下で、触媒または触媒材料を利用して行われてもよい。水およびCOは、排出物から必要に応じて除去され、未反応メタンは、OCM反応器に再循環される。
エチレンは、回収され、オリゴマー化反応器に投入される。必要に応じて、エチレンストリームは、CO、HO、N、エタン、C3の炭化水素および/または高級炭化水素を含有してもよい。次に、高級炭化水素(例えば、C~C14)へのオリゴマー化は、当業者に公知の任意の数の条件下で進行する。例えばオリゴマー化は、当業者に公知の任意の数の触媒の使用により行われてもよい。このような触媒の例は、触媒ゼオライト、結晶性ボロシリケートモレキュラーシーブ、均一金属ハロゲン化物触媒、ピロール配位子を有するCr触媒または他の触媒を含む。エチレンを高級炭化水素製品に変換するための例示的な方法は、以下の参照文献:その各々の全体が参照により本明細書に組み込まれている、Catalysis Science & Technology (2011), 1(1), 69-75;Coordination Chemistry Reviews (2011), 255(7-8), 861-880;欧州特許出願(2011)、EP2287142A1 20110223;Organometallics (2011), 30(5), 935-941;Designed Monomers and Polymers (2011), 14(1), 1-23;Journal of Organometallic Chemistry 689 (2004) 3641-3668;Chemistry--A European Journal (2010), 16(26), 7670-7676;Acc. Chem. Res. 2005, 38, 784-793;Journal of Organometallic Chemistry, 695 (10-11): 1541-1549 May 15 2010;Catalysis Today Volume 6, Issue 3, January 1990, Pages 329-349;米国特許第5,968,866号;米国特許第6,800,702号;米国特許第6,521,806号;米国特許第7,829,749号;米国特許第7,867,938号;米国特許第7,910,670号;米国特許第7,414,006号およびChem. Commun., 2002, 858-859に開示されている。
ある特定の実施形態では、例示的なOCMおよびオリゴマー化モジュールは、天然ガスの生産現場、例えば天然ガス田にあるよう適合されてもよい。したがって、天然ガスは、天然ガスを処理設備に輸送する必要なく、より高価値の容易に輸送可能な炭化水素コモディティに効率よく変換することができる。
本明細書で使用する場合、「天然ガソリン」とは、オリゴマー化エチレン製品の混合物を指す。この点では、天然ガソリンは、5個またはそれより多い炭素原子を含有する炭化水素を含む。天然ガソリンの例示的な構成成分は、線状、分岐状または環式アルカン、アルケンおよびアルキン、ならびに芳香族炭化水素を含む。例えば、一部の実施形態では、天然ガソリンは、1-ペンテン、1-ヘキセン、シクロヘキセン、1-オクテン、ベンゼン、トルエン、ジメチルベンゼン、キシレン、ナフタレン、もしくは他のオリゴマー化エチレン製品、またはそれらの組合せを含む。一部の実施形態では、天然ガソリンはまた、液体天然ガソリンに溶解したC3およびC4炭化水素を含むことができる。この混合物は、任意の数の工業用途において特に有用であり、例えば、天然ガソリンは、石油精製所の原料として、給油所の運転者による燃料ブレンドストックとして、石油パイプライン中の重油の希釈剤として、および他の用途で使用される。天然ガソリンのための他の用途は、当業者に周知である。
(実施例1)
0.15マイクロメートルの平均細孔径を有する担体を含む触媒材料
メタンの酸化的カップリングの触媒は、インシピエントウエットネス含浸手順によって調製した。アルミナ(Al)担体を粉砕し、担体の粒子サイズが2.0~2.7ミリメートル(mm)の範囲にあるようにふるいにかけた。細孔サイズの分布分析により、0.15マイクロメートルの平均細孔径が明らかになった。重量基準で20%のNd(NOを含有する水溶液にアルミナ粒子を浸けた。この材料を乾燥し、700℃で焼成した。得られた材料は重量基準で7.6%Ndであった。次に、この材料を充填床反応器に搭載した。充填床反応器を600℃に加熱した。メタンおよび酸素の混合物を21,000h-1の空間速度、および60psiの圧力で床の上に流した。これらの条件下では、C2+選択性は44.5%であった。
(実施例2)
20マイクロメートルの平均細孔径を有する担体を含む触媒材料
メタンの酸化的カップリングの触媒は、インシピエントウエットネス含浸手順によって調製した。アルミナ(Al)担体を粉砕し、担体の粒子サイズが2.0~2.7ミリメートル(mm)の範囲にあるようにふるいにかけた。細孔サイズの分布分析により、20マイクロメートルの平均細孔径が明らかになった。アルミナ粒子は、重量基準で20%のNd(NOを含有する水溶液に浸けた。この材料を乾燥し、700℃で焼成した。得られた材料は、重量基準で7.6%Ndであった。次に、この材料を充填床反応器に搭載した。充填床反応器を600℃に加熱した。メタンおよび酸素の混合物を21,000h-1の空間速度、および60psiの圧力で床の上に流した。これらの条件下では、C2+選択性は51.0%であった。
(実施例3)
NO、ならびに様々な細孔径および表面積を有する担体を含む触媒材料を使用するメタンの酸化的カップリング
表1は、実施例1および2により調製された様々な触媒材料のデータを提示している。異なる峰細孔サイズおよび表面積を有する担体を使用した。担体上の活性材料前駆体Nd(NOの1回または複数の含浸後、最終的なNd搭載レベルを測定した。Nd溶液により複数回、洗浄した後、約8重量%のNd搭載レベルがすべての触媒担体について達成された。
表2および3は、実施例1および2により調製された様々な触媒材料のC2+選択性に関するデータを提示している。異なる峰細孔サイズおよび表面積を有する担体を使用した。細孔径0.15μmを有する担体を含む触媒材料は、最低の選択性を示す一方、1μmを超える細孔径を有する担体を含む触媒材料は、かなり高いC2+選択性を示す。これらのデータは、担体の細孔サイズの増大および活性材料であるNd搭載レベルの向上に伴い、C2+選択性が向上することを示している。
OCM活性触媒による含浸後の触媒材料の表面積は、担体上のOCM活性触媒の搭載量と関連する。図2は、OCM活性触媒(例えば、N)の搭載量の関数として、N吸着およびHg多孔度測定により測定した触媒材料の表面積を示している。活性材料の搭載量の増加は、幅広い範囲の搭載物全体にわたる触媒の表面積を向上させる。触媒の表面積の増加により、より多くの触媒反応部位がもたらされ、これは、触媒材料の触媒性能を増大させる。
図3は、それぞれ、様々な圧力、温度および空間速度において、実施例1および2により調製した触媒材料の性能を示している。C2+選択性は、担体上のNd搭載レベルが向上するにつれて向上する。触媒材料中のNd搭載レベルは、2000h-1を超えるGHSVにおいて、7重量%より高いので、触媒材料のC2+選択性は、600℃を超える温度では、25%より大きい。C2+選択性は、より高いGHSVにおいてさらに向上する。例えば、GHSVは2000h-1より大きいので、触媒材料のC2+選択性は、600℃を超える温度では30%より高い。
(実施例4)
式(I)の触媒を含む触媒材料
式(I)の触媒を含む触媒材料は、その硝酸塩または酸化物中で適切な元素を混合し、得られた混合物を担体上に浸漬し、この混合物を焼成することによって調製した。
図4は、時間オンストリーム(TOS)の関数としての、式(I)の触媒およびアルミナ担体を含む触媒材料(A)、ならびに式(I)の触媒およびシリカ担体を含む触媒材料(B)に関する、C2+選択性の比較結果を示す。図4に示される通り、触媒がアルファ相アルミナによって担持されている触媒材料(A)は、約800℃の温度および約8barゲージ圧の圧力において65%よりも高いC2+選択性を有しており、これは、触媒がシリカにより担持されている触媒材料(B)のC2+選択性より高い。触媒材料(A)はまた、触媒材料(B)に比べると、安定性の改善を示す。同じTOS下で反応器中のC2+選択性を測定した場合、触媒材料(A)の場合のC2+選択性の変化は、触媒材料(B)の場合のC2+選択性の変化より小さい。
図5は、2種の温度サイクル下での、それぞれ、触媒材料(A)および触媒材料(B)に関するTOSの関数としてのC2+選択性およびC2収率を図示している。触媒材料(A)は、触媒材料(B)より高い安定性を有する。反応器中、300℃~800℃の2種の温度サイクルで加熱した後に、触媒材料(A)のC2+選択性およびC2収率の特徴は、触媒材料(A)は、C2+選択性とC2収率の両方の低下を示す触媒材料(B)よりも安定であることを示している。
(実施例5)
式(I)の触媒を含む触媒材料により触媒されるOCM
メタン、酸素および水蒸気を含むフィードガスを、式(I)の触媒を含む触媒材料と接触させる。図6は、式(I)の触媒を含む触媒材料(C)、および酸化ランタニドナノワイヤをドープした式(I)の触媒を含む触媒材料(D)に関する総収率データを提示している。図6に示される通り、どちらの触媒材料の総収率も、フィードガス中の水蒸気のモル百分率が増加するにつれて増加する。
(実施例6)
式(IIE)の触媒により触媒されるOCM
メタン、酸素および水蒸気を含むフィードガスを式(II)の触媒と接触させる。図7は、フィードガスが水蒸気を含有する場合、対フィードガスが水蒸気を含有しない場合の、式(IIE)の触媒に関する収率の比較結果を示している。式(IIE)の触媒は、約10%のBiドーパントを含む。図7に示される通り、式(IIE)の触媒は、水蒸気の存在下で、700℃を超える温度で10%より高い収率を有し、これは、同じ条件下で水蒸気が存在しない場合に相当する収率よりも高い。
(実施例7)
酸化ランタニドの触媒
酸化ランタニドの触媒は、その硝酸塩または酸化物の形態の適切な元素を混合し、得られた混合物を焼成することによって調製した。図8および9は、それぞれ、酸化ランタニドおよび酸化ランタニド混合物の触媒に関するC2収率、C2+選択性およびメタン変換率データを提示している。
酸化ランタニド(図8)は、カルシウムドーパントを含んだ。この触媒は、700℃を超える温度において、40%より高いC2+選択性を有した。
酸化ランタニド混合物(図9)は、Sr/Hf/Laドーパントと酸化ランタニド混合物ナノワイヤとをおよそ等量、含んだ。この触媒は、700℃を超える温度において、60%より高いC2+選択性を有した。
上記の様々な実施形態が組み合わされて、さらなる実施形態をもたらすことができる。以下に限定されないが、2016年3月16日出願の米国仮出願第62/309,284号を含めた、本明細書に言及されている、および/または出願データシートに列挙されている、米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許公開のすべての全体が、参照により本明細書に組み込まれている。実施形態の態様は、必要な場合、修正されて、様々な特許、出願および公開物の概念を使用し、さらなる実施形態をもたらすことがきる。これらの変更および他の変更は、上記の詳細説明に照らし合わせて、実施形態に行われ得る。一般に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、特許請求の範囲を明細書および特許請求の範囲に開示されている特定の実施形態に限定するものと解釈されるべきではないが、このような特許請求の範囲に権利が与えられている等価物の全範囲と共にすべての可能な実施形態を包含すると解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示によって限定されない。

Claims (19)

  1. メタンの酸化的カップリングのための触媒材料であって、前記触媒材料は、担体と組み合わせたOCM活性触媒を含み、前記OCM活性触媒が、酸化物、水酸化物またはオキシ水酸化物の形態にあるランタニドからの1種または複数種の元素を含み、ここで、前記担体が、なくとも80%のアルミナを含み、前記担体が、1マイクロメートルより大きく、5マイクロメートル未満である第1の極大細孔径および15マイクロメートルより大きな第2の極大細孔径を有する二峰性の細孔サイズ分布を有する、
    触媒材料。
  2. 前記担体が、アルファ相アルミナ、ガンマ相アルミナまたはそれらの組合せを含む、請求項1に記載の触媒材料。
  3. 前記担体が少なくとも75%のアルファ相アルミナを含む、請求項1に記載の触媒材料。
  4. 前記OCM活性触媒が、担体上に配置されている、その中に含浸されている、またはそれらの組合せである、請求項1から3のいずれか一項に記載の触媒材料。
  5. 前記担体が、0.3立方センチメートル/グラム(cc/g)より大きな細孔体積を有し、ここで、前記細孔体積は、Hg多孔度測定により決定される、請求項1から4のいずれか一項に記載の触媒材料。
  6. 前記OCM活性触媒の前記担体に対する重量比が、95:5~5:95の範囲である、請求項1から5のいずれか一項に記載の触媒材料。
  7. 前記OCM活性触媒が、ランタニドの酸化物またはランタニドの混合酸化物を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の触媒材料。
  8. 前記OCM活性触媒が、Nd、Eu、Pr、La、Ce、Sm、Gd、Yb、Yまたはそれらの組合せを含む、請求項7に記載の触媒材料。
  9. 前記OCM活性触媒が、第2族および第6族の元素から選択される1種または複数種のドーパントをさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の触媒材料。
  10. 前記ドーパントが、第2族からの元素を含む、請求項9に記載の触媒材料。
  11. 前記1種または複数種のドーパントがそれぞれ独立して、前記OCM活性触媒の1重量%~10重量%で前記OCM活性触媒中に存在する、請求項9に記載の触媒材料。
  12. MgAl、CaAl、SrAlまたはBaAlから選択される希釈剤をさらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の触媒材料。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載の触媒材料を含む形成された触媒材料。
  14. a)前記形成された触媒材料が、押圧ペレット、押出成形物、キャスト成形物品またはモノリスである、
    b)前記形成された触媒材料の形状が、円筒、ロッド、星形、リブ、三葉、ディスク、ドーナツ、環形、管、球、ハニカム、カップ、ボールおよび不規則形状から選択される、あるいは
    c)前記形成された触媒材料が、1N/mmより大きな破砕強度を備える、
    請求項13に記載の形成された触媒材料。
  15. メタンの酸化的カップリング(OCM)の方法であって、400℃~950℃の範囲の温度において、メタンおよび酸素を含むフィードガスに、請求項1から12のいずれか一項に記載の触媒材料または請求項13または14に記載の形成された触媒材料を接触させて、C2+炭化水素を含む生成物ガスを形成させるステップを含む、方法。
  16. a)前記フィードガスが水蒸気をさらに含み、前記フィードガス中の水蒸気対メタンのモル比が、0.25対1~5対1の範囲であり、
    b)前記フィードガスがエタンをさらに含む、
    請求項15に記載の方法。
  17. a)請求項1から12のいずれか一項に記載の触媒材料または請求項13または14に記載の形成された触媒材料が、少なくとも400℃の温度および少なくとも2barゲージ圧の圧力において、前記OCMにおける不均一触媒として使用されると、前記触媒材料または前記形成された触媒材料が、少なくとも20%のC2+選択性を備える、あるいは
    b)前記触媒または前記触媒材料が、少なくとも600℃の温度および少なくとも8barゲージ圧の圧力において、前記OCMにおける不均一触媒として使用されると、請求項1から12のいずれか一項に記載の触媒材料または請求項13または14に記載の形成された触媒材料が、少なくとも20%のC2+選択性を備える、
    請求項15または16に記載の方法。
  18. a)請求項1から12のいずれか一項に記載の触媒材料または請求項13または14に記載の形成された触媒材料が、1000h-1より大きな毎時空間速度で前記フィードガスと接触される、あるいは
    b)請求項1から12のいずれか一項に記載の触媒材料または請求項13または14に記載の形成された触媒材料が、10,000h-1より大きな毎時空間速度で前記フィードガスと接触される、
    請求項15から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. a)前記フィードガスが水蒸気を含む場合の請求項1から12のいずれか一項に記載の触媒材料または請求項13または14に記載の形成された触媒材料のメタン変換率が、前記フィードガスが水蒸気を含まない場合の前記触媒のメタン変換率の少なくとも150%である、
    b)前記フィードガスが水蒸気を含む場合の請求項1から12のいずれか一項に記載の触媒材料または請求項13または14に記載の形成された触媒材料のC2+選択性が、前記フィードガスが水蒸気を含まない場合の前記触媒のメタン変換率の少なくとも150%である、
    c)請求項1から12のいずれか一項に記載の触媒材料または請求項13または14に記載の形成された触媒材料が、1,000時間の前記フィードガスとの接触の後にC2+選択性の少なくとも90%を維持する、あるいは
    d)請求項1から12のいずれか一項に記載の触媒材料または請求項13または14に記載の形成された触媒材料が、10,000時間の前記フィードガスとの接触の後にC2+選択性の少なくとも90%を維持する、
    請求項15から17のいずれか一項に記載の方法。
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