JP7511055B1 - 反射防止フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 0007511055000001
【課題】インライン検査における反射光及び透過光の検出精度を高めることができる反射防止フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】反射防止フィルム100の製造方法は、工程S1と工程S2と工程S3とを備える。工程S1では、透明フィルム基材11と、透明フィルム基材11の第1主面11a側に剥離可能に貼着された保護フィルム12とを有する積層体10を準備する。工程S2では、透明フィルム基材11の第2主面11b側に、2層以上の薄膜からなる反射防止層101を成膜する。工程S3では、反射防止層101を構成する少なくとも1つの層を成膜した後、当該層に可視光を照射し、その反射光及び透過光を検出する。工程S2及び工程S3は、積層体10を一方向に搬送しながら、連続して実施される。保護フィルム12の内部ヘイズ値は、4.0%以下である。
【選択図】図3

Description

本発明は、反射防止フィルムの製造方法に関する。
液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の画像表示装置の視認側には、外光の反射による画質低下の防止、コントラスト向上等を目的として、反射防止フィルムが配置されている。反射防止フィルムは、透明フィルム基材上に、屈折率の異なる複数の薄膜の積層体からなる反射防止層を備える。
反射防止層は、薄膜の多重反射干渉を利用して、可視光の反射率を低減している。そのため、薄膜の屈折率や膜厚が変動すると、反射率や反射光の色相等の反射光特性が変化する。反射防止層の形成において、薄膜の成膜条件を厳格に管理して一定に保った場合でも、原料の特性のばらつきや、成膜環境の経時的な変動等に起因して、薄膜の膜厚や屈折率等が変動する場合がある。
フィルム製造では、製造工程中でインライン測定を行い、その測定結果を前工程にフィードバックすることにより、フィルムの品質を一定に保持することが行われている。例えば、特許文献1では、反射防止フィルムの製造工程におけるインライン検査として、インラインで反射光特性を測定し、その測定結果を薄膜の成膜条件にフィードバックしている。
一般に、反射防止フィルムは、反射防止層形成面の可視光反射率が1%以下となるように設計されるのに対して、透明フィルム基材の裏面側(透明フィルム基材と空気との界面)での可視光反射率(裏面反射率)は4%程度である。反射防止層を形成した後のオフライン検査では、裏面反射の影響を排除して、表面側の反射光特性を測定できる。一方、反射防止フィルムの製造工程におけるインライン検査で検出される反射光の大半は裏面からの反射光であり、反射防止層形成面からの反射光の特性が変化しても、検出される反射光はほとんど変化しない。そのため、一般に、インラインで反射防止層形成面側からの反射光特性を正確に測定することは容易ではない。
これに対し、特許文献1に記載の技術によれば、光拡散粘着剤層を備える積層体上に反射防止層を形成することで、裏面反射が低減され、インライン検査における反射光の検出精度を高めることができる。
国際公開第2016/021733号
他方、反射防止層を連続的に成膜する際、成膜条件の変動等により反射防止層が色づく場合がある。特に、反射防止層を反応性スパッタ法により成膜する際は、金属領域と酸化物領域との中間の遷移領域を安定して維持することが難しいため、反射防止層が色づきやすくなる。
反射防止層の色づきをインライン検査により検知する方法としては、反射防止層の透過光特性を測定し、その測定結果を薄膜の成膜条件にフィードバックする方法が挙げられる。しかし、特許文献1に記載の技術だけでは、インライン検査における透過光の検出精度を高めることは難しい。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、インライン検査における反射光及び透過光の検出精度を高めることができる反射防止フィルムの製造方法を提供することである。
<本発明の態様>
本発明には、以下の態様が含まれる。
[1]透明フィルム基材と、前記透明フィルム基材の第1主面側に剥離可能に貼着された保護フィルムとを有する積層体を準備する工程S1と、
前記透明フィルム基材の第2主面側に、2層以上の薄膜からなる反射防止層を成膜する工程S2と、
前記反射防止層を構成する少なくとも1つの層を成膜した後、前記層に可視光を照射し、その反射光及び透過光を検出する工程S3とを備え、
前記工程S2及び前記工程S3は、前記積層体を一方向に搬送しながら、連続して実施され、
前記保護フィルムの内部ヘイズ値が、4.0%以下であり、
前記保護フィルムの前記透明フィルム基材側とは反対側の主面の表面ヘイズ値が、6.0%以上50.0%以下である、反射防止フィルムの製造方法。
[2]前記保護フィルムの前記透明フィルム基材側とは反対側の主面の表面ヘイズ値から前記保護フィルムの前記透明フィルム基材側の主面の表面ヘイズ値を引いた値が、5.0%以上である、前記[1]に記載の反射防止フィルムの製造方法。
[3]透明フィルム基材と、前記透明フィルム基材の第1主面側に剥離可能に貼着された保護フィルムとを有する積層体を準備する工程S1と、
前記透明フィルム基材の第2主面側に、2層以上の薄膜からなる反射防止層を成膜する工程S2と、
前記反射防止層を構成する少なくとも1つの層を成膜した後、前記層に可視光を照射し、その反射光及び透過光を検出する工程S3とを備え、
前記工程S2及び前記工程S3は、前記積層体を一方向に搬送しながら、連続して実施され、
前記保護フィルムの内部ヘイズ値が、4.0%以下であり、
前記保護フィルムの前記透明フィルム基材側とは反対側の主面の二乗平均平方根傾斜Sdqが、0.10以上0.50以下である、反射防止フィルムの製造方法。
[4]前記保護フィルムの前記透明フィルム基材側とは反対側の主面の二乗平均平方根傾斜Sdqから前記保護フィルムの前記透明フィルム基材側の主面の二乗平均平方根傾斜Sdqを引いた値が、0.05以上である、前記[3]に記載の反射防止フィルムの製造方法。
[5]前記工程S2において、反応性スパッタ法により前記反射防止層を成膜する、前記[1]~[4]のいずれか一つに記載の反射防止フィルムの製造方法。
[6]前記工程S3において、前記反射防止層を構成する全ての層を成膜した後、前記反射防止層に可視光を照射し、その反射光及び透過光を検出する、前記[1]~[5]のいずれか一つに記載の反射防止フィルムの製造方法。
[7]前記工程S3における前記反射光及び前記透過光の検出結果に応じて、前記工程S2における前記反射防止層の成膜条件が調整される、前記[1]~[6]のいずれか一つに記載の反射防止フィルムの製造方法。
[8]前記工程S3の後、前記透明フィルム基材から前記保護フィルムを剥離する工程S4を更に備える、前記[1]~[7]のいずれか一つに記載の反射防止フィルムの製造方法。
[9]前記透明フィルム基材は、透明フィルムと、前記透明フィルムの第1主面側に設けられたハードコート層とを備え、
前記積層体において、前記保護フィルムは、前記透明フィルムの第2主面側に貼着されている、前記[1]~[8]のいずれか一つに記載の反射防止フィルムの製造方法。
[10]前記工程S2の前に、前記透明フィルム基材の前記第2主面側にプライマー層を成膜する工程S5を更に備え、
前記工程S2において、前記プライマー層の前記透明フィルム基材側とは反対側の主面に前記反射防止層を成膜する、前記[1]~[9]のいずれか一つに記載の反射防止フィルムの製造方法。
本発明によれば、インライン検査における反射光及び透過光の検出精度を高めることができる反射防止フィルムの製造方法を提供できる。
透明フィルム基材と保護フィルムとを有する積層体の一例を示す断面図である。 反射防止層の成膜装置の一例を示す模式図である。 A、B及びCは、反射防止層形成工程の一例を示す工程別断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、本明細書中に記載された学術文献及び特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。
まず、本明細書中で使用される用語について説明する。「屈折率」は、温度23℃の雰囲気下における波長550nmの光に対する屈折率である。層状物(より具体的には、透明フィルム基材、透明フィルム、ハードコート層、プライマー層、反射防止層、保護フィルム、基材層、接着層、積層体等)の「主面」とは、層状物の厚み方向に直交する面をさす。層状物の「第1主面」とは、層状物の2つの主面のうちの一方を意味する。層状物の「第2主面」とは、層状物の第1主面側とは反対側の主面を意味する。
層状物の「厚み(膜厚)」の数値は、何ら規定していなければ、層状物を厚み方向に切断した断面を電子顕微鏡で観察し、断面画像から無作為に測定箇所を10箇所選択し、選択した10箇所の測定箇所の厚みを測定して得られた10個の測定値の算術平均値である。
「二乗平均平方根傾斜Sdq」は、ISO 25178に準じて測定される表面形状のパラメータであり、表面に存在する凸部の傾斜の程度を表す。「算術平均高さSa(表面粗さSa)」は、ISO 25178に準じて測定される表面形状のパラメータであり、表面の平均面に対する、各点の高さの差の絶対値の平均を表す。「二乗平均平方根高さSq」は、ISO 25178に準じて測定される表面形状のパラメータであり、表面の平均面からの高さの標準偏差に相当する。二乗平均平方根傾斜Sdq、算術平均高さSa及び二乗平均平方根高さSqの具体的な測定方法は、いずれも後述する実施例と同じ方法又はそれに準ずる方法である。
「ボンバード処理」とは、所定の気体(希ガス、酸素ガス等)を導入しながら透明フィルム基材の表面をプラズマ処理する表面処理をさす。
粒子の個数平均一次粒子径は、何ら規定していなければ、走査型電子顕微鏡及び画像処理ソフトウェア(例えば、アメリカ国立衛生研究所製「ImageJ」)を用いて測定した、100個の一次粒子の円相当径(ヘイウッド径:一次粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。
流量の単位「sccm(Standard Cubic Centimeter per Minute)」は、標準状態(温度:0℃、圧力:101.3kPa)における流量の単位「mL/min」である。
「平行線透過率」は、全光線透過率と拡散透過率とを測定し、式「平行線透過率=全光線透過率-拡散透過率」に基づいて算出される。全光線透過率及び拡散透過率は、ヘイズメーターを用いて、JIS K7105(現在廃止)(ISO 13468-2:1999)に記載の方法により測定される。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。また、化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、何ら規定していなければ、重合体の繰り返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。また、アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。
本明細書に例示の成分や官能基等は、特記しない限り、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
以下の説明において参照する図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の大きさ、個数、形状等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合がある。また、説明の都合上、後に説明する図面において、先に説明した図面と同一構成部分については、同一符号を付して、その説明を省略する場合がある。
<反射防止フィルムの製造方法>
本実施形態に係る反射防止フィルムの第1の製造方法(以下、「第1製造方法」と記載することがある)は、工程S1と工程S2と工程S3とを備える。工程S1では、透明フィルム基材と、透明フィルム基材の第1主面側に剥離可能に貼着された保護フィルムとを有する積層体を準備する。工程S2では、透明フィルム基材の第2主面側に、2層以上の薄膜からなる反射防止層を成膜する。工程S3では、反射防止層を構成する少なくとも1つの層を成膜した後、当該層に可視光を照射し、その反射光及び透過光を検出する。工程S2及び工程S3は、積層体を一方向に搬送しながら、連続して実施される。第1製造方法で使用される保護フィルムの内部ヘイズ値は、4.0%以下である。第1製造方法で使用される保護フィルムの透明フィルム基材側とは反対側の主面の表面ヘイズ値は、6.0%以上50.0%以下である。
本実施形態に係る反射防止フィルムの第2の製造方法(以下、「第2製造方法」と記載することがある)は、工程S1と工程S2と工程S3とを備える。工程S1では、透明フィルム基材と、透明フィルム基材の第1主面側に剥離可能に貼着された保護フィルムとを有する積層体を準備する。工程S2では、透明フィルム基材の第2主面側に、2層以上の薄膜からなる反射防止層を成膜する。工程S3では、反射防止層を構成する少なくとも1つの層を成膜した後、当該層に可視光を照射し、その反射光及び透過光を検出する。工程S2及び工程S3は、積層体を一方向に搬送しながら、連続して実施される。第2製造方法で使用される保護フィルムの内部ヘイズ値は、4.0%以下である。第2製造方法で使用される保護フィルムの透明フィルム基材側とは反対側の主面の二乗平均平方根傾斜Sdqは、0.10以上0.50以下である。
「内部ヘイズ値」の測定方法は、後述する実施例の測定方法(詳しくは、保護フィルムP1~P3の内部ヘイズ値の測定方法)と同じ方法又はそれに準ずる方法である。「表面ヘイズ値(外部ヘイズ値)」の測定方法は、後述する実施例の測定方法(詳しくは、保護フィルムP1~P3の表面ヘイズ値の測定方法)と同じ方法又はそれに準ずる方法である。
以下において、区別する必要がない場合には、第1製造方法及び第2製造方法の各々を、「本製造方法」と記載する。また、「保護フィルムの透明フィルム基材側とは反対側の主面」を、単に「背面」と記載することがある。また、「保護フィルムの透明フィルム基材側の主面」を、単に「接着面」と記載することがある。
以下、工程S1を、「積層体準備工程」と記載することがある。また、工程S2を、「反射防止層形成工程」と記載することがある。また、工程S3を、「インライン測定工程」と記載することがある。
本製造方法によれば、上記構成を備えるため、インライン検査における反射光及び透過光の検出精度を高めることができる。その理由は、以下のように推測される。
本製造方法では、「背面の表面ヘイズ値が6.0%以上」又は「背面の二乗平均平方根傾斜Sdqが0.10以上」の保護フィルムを透明フィルム基材に貼着した状態で反射防止層を成膜するため、反射防止層側から入射した光が保護フィルムの背面(裏面)において散乱しやすくなる傾向がある。その結果、裏面で反射した反射光(詳しくは、裏面で反射し、光検出部で検出される反射光)の光量(裏面反射率)が低減されるため、本製造方法によれば、インライン検査において、反射防止層形成面からの反射光の検出精度を高めることができる。
また、本製造方法では、「背面の表面ヘイズ値が50.0%以下」又は「背面の二乗平均平方根傾斜Sdqが0.50以下」であり、かつ「内部ヘイズ値が4.0%以下」の保護フィルムを透明フィルム基材に貼着した状態で反射防止層を成膜する。このため、本製造方法によれば、反射防止層側から入射して裏面から出射する光の平行成分の割合を大きくする(平行線透過率を高くする)ことができる。よって、本製造方法によれば、インライン検査において、反射防止層を透過し、裏面から出射する光(透過光)の検出精度を高めることができる。
本製造方法において、透過光の検出精度をより高めるためには、保護フィルムの内部ヘイズ値が、3.5%以下であることが好ましく、3.0%以下であることがより好ましい。また、本製造方法において、反射光の検出精度をより高めるためには、保護フィルムの内部ヘイズ値が、0.5%以上であることが好ましく、1.0%以上であることがより好ましい。
第1製造方法において、反射光の検出精度をより高めるためには、保護フィルムの背面の表面ヘイズ値が、6.1%以上であることが好ましく、6.2%以上であることがより好ましい。また、第1製造方法において、透過光の検出精度をより高めるためには、保護フィルムの背面の表面ヘイズ値が、45.0%以下であることが好ましく、43.0%以下であることがより好ましい。
第2製造方法において、反射光の検出精度をより高めるためには、保護フィルムの背面の二乗平均平方根傾斜Sdqが、0.11以上であることが好ましく、0.12以上であることがより好ましい。また、第2製造方法において、透過光の検出精度をより高めるためには、保護フィルムの背面の二乗平均平方根傾斜Sdqが、0.45以下であることが好ましく、0.40以下であることがより好ましく、0.35以下であることが更に好ましい。
以下、本実施形態に係る反射防止フィルムの製造方法(本製造方法)の詳細について、適宜図面を参照しながら説明する。
[積層体準備工程]
積層体準備工程は、透明フィルム基材と、透明フィルム基材の第1主面側に剥離可能に貼着された保護フィルムとを有する積層体を準備する工程である。まず、積層体について、図1を参照しながら説明する。図1は、積層体の一例を示す断面図である。
図1に示す積層体10は、透明フィルム基材11と、透明フィルム基材11の第1主面11a側に剥離可能に貼着された保護フィルム12とを有する。透明フィルム基材11の第2主面11bには、後述する反射防止層101(図3C参照)が形成される。
図1に示す例では、透明フィルム基材11は、透明フィルム13と、透明フィルム13の第1主面13a側に設けられたハードコート層14とを備える。また、図1に示す例では、保護フィルム12は、基材層15と、基材層15の透明フィルム基材11側に積層された接着層16とを有する。また、保護フィルム12は、透明フィルム13の第2主面13b側に貼着されている。つまり、透明フィルム13の第2主面13bは、保護フィルム12の接着面12bに貼着されている。図1に示す例では、透明フィルム基材11の第1主面11aと、透明フィルム13の第2主面13bとは、同一面である。
透過光の検出精度をより高めるためには、保護フィルム12の全光線透過率(JIS K 7375-2008)が、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることが更に好ましい。
なお、図1に示す例では、透明フィルム基材がハードコート層を備えているが、本発明において使用可能な透明フィルム基材は、上述した例に限定されない。例えば、本発明において使用可能な透明フィルム基材は、ハードコート層を備えていなくてもよい。透明フィルム基材がハードコート層を備えていない場合、透明フィルム基材としては、例えば透明フィルム(図1に示す例では透明フィルム13)を使用できる。
本製造方法では、保護フィルム12の内部ヘイズ値が4.0%以下である。また、第1製造方法では、保護フィルム12の背面12aの表面ヘイズ値が、6.0%以上50.0%以下である。また、第2製造方法では、保護フィルム12の背面12aの二乗平均平方根傾斜Sdqが、0.10以上0.50以下である。
第1製造方法において、反射光及び透過光の検出精度をより高めるためには、保護フィルム12の背面12aの表面ヘイズ値から保護フィルム12の接着面12bの表面ヘイズ値を引いた値が、5.0%以上であることが好ましく、5.5%以上であることがより好ましい。第1製造方法において、保護フィルム12の背面12aの表面ヘイズ値から保護フィルム12の接着面12bの表面ヘイズ値を引いた値の上限は、特に限定されず、例えば40.0%以下である。
第2製造方法において、反射光及び透過光の検出精度をより高めるためには、保護フィルム12の背面12aの二乗平均平方根傾斜Sdqから保護フィルム12の接着面12bの二乗平均平方根傾斜Sdqを引いた値が、0.05以上であることが好ましく、0.07以上であることがより好ましい。第2製造方法において、保護フィルム12の背面12aの二乗平均平方根傾斜Sdqから保護フィルム12の接着面12bの二乗平均平方根傾斜Sdqを引いた値の上限は、特に限定されず、例えば0.30以下である。
第2製造方法において、反射光及び透過光の検出精度をより高めるためには、保護フィルム12の背面12aの算術平均高さSaが、0.05μm以上0.20μm以下であることが好ましく、0.06μm以上0.18μm以下であることがより好ましい。また、第2製造方法において、反射光及び透過光の検出精度をより高めるためには、保護フィルム12の背面12aの算術平均高さSaから保護フィルム12の接着面12bの算術平均高さSaを引いた値が、0.03μm以上であることが好ましく、0.04μm以上であることがより好ましい。第2製造方法において、保護フィルム12の背面12aの算術平均高さSaから保護フィルム12の接着面12bの算術平均高さSaを引いた値の上限は、特に限定されず、例えば0.20μm以下である。
第2製造方法において、反射光及び透過光の検出精度をより高めるためには、保護フィルム12の背面12aの二乗平均平方根高さSqが、0.05μm以上0.30μm以下であることが好ましく、0.07μm以上0.25μm以下であることがより好ましい。また、第2製造方法において、反射光及び透過光の検出精度をより高めるためには、保護フィルム12の背面12aの二乗平均平方根高さSqから保護フィルム12の接着面12bの二乗平均平方根高さSqを引いた値が、0.04μm以上であることが好ましく、0.05μm以上であることがより好ましい。第2製造方法において、保護フィルム12の背面12aの二乗平均平方根高さSqから保護フィルム12の接着面12bの二乗平均平方根高さSqを引いた値の上限は、特に限定されず、例えば0.25μm以下である。
保護フィルム12の内部ヘイズ値は、例えば、保護フィルム12中の粒子の含有率及び保護フィルム12中の粒子の粒径のうち、少なくとも一方を変更することにより調整できる。保護フィルム12の内部ヘイズ値を4.0%以下に容易に調整するためには、保護フィルム12中の粒子の含有率が0.1重量%以下であることが好ましく、保護フィルム12中に粒子が実質的に含まれていないことがより好ましい。
保護フィルム12の表面の二乗平均平方根傾斜Sdq、算術平均高さSa及び二乗平均平方根高さSq、並びに保護フィルム12の表面ヘイズ値は、例えば、保護フィルム12の表面の凹凸形状を変更することにより調整できる。保護フィルム12の表面の凹凸形状は、例えば、表面が凹凸加工された成形ロールを備えるロール成形機を用いて、保護フィルム12を成形することにより形成される。表面が凹凸加工された成形ロールを用いると、成形ロール表面の凹凸形状が、保護フィルム12の表面(例えば、保護フィルム12の背面12a)に転写される。
積層体準備工程は、市販品の積層体10を準備する工程であってもよく、透明フィルム基材11と保護フィルム12とを貼着する工程であってもよい。透明フィルム基材11と保護フィルム12とを貼着する方法は、特に限定されず、例えば、ロールトゥロール方式の貼着装置(不図示)を用いて、透明フィルム基材11を搬送しながら、透明フィルム基材11の第1主面11aに保護フィルム12を貼着する方法が挙げられる。
次に、積層体10が備える各層について詳述する。
(透明フィルム13)
透明フィルム13は、例えば可撓性を有する透明な樹脂フィルムである。透明フィルム13を構成する材料としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹脂、ノルボルネン樹脂、ポリアリレート樹脂、及びポリビニルアルコール樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、及びポリエチレンナフタレートが挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びシクロオレフィンポリマー(COP)が挙げられる。セルロース樹脂としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)が挙げられる。これらの材料は、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。透明フィルム13の材料としては、透明性及び強度の観点から、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、及びセルロース樹脂からなる群より選択される一種が好ましく、PET、COP及びTACからなる群より選択される一種がより好ましく、TACが更に好ましい。つまり、透明フィルム13としては、ポリエステル樹脂フィルム、ポリオレフィン樹脂フィルム、及びセルロース樹脂フィルムからなる群より選択される一種のフィルムが好ましく、PETフィルム、COPフィルム及びTACフィルムからなる群より選択される一種のフィルムがより好ましく、TACフィルムが更に好ましい。
透明フィルム13の厚みは、強度の観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、更に好ましくは20μm以上である。透明フィルム13の厚みは、取扱い性の観点から、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下である。
透明フィルム13の一方の主面又は両主面は、表面改質処理されていてもよい。表面改質処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、プライマー処理、グロー処理、及びカップリング剤処理が挙げられる。
透明フィルム13の全光線透過率(JIS K 7375-2008)は、反射防止フィルムの透明性を向上させる観点から、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上100%以下である。
(ハードコート層14)
ハードコート層14は、反射防止フィルムの硬度や弾性率等の機械的特性を高める層である。ハードコート層14は、例えば、硬化性樹脂組成物(ハードコート層形成用組成物)の硬化物からなる。硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂、アミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、及びメラミン樹脂が挙げられる。これらの硬化性樹脂は、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。ハードコート層14の硬度を高める観点から、硬化性樹脂としては、アクリル樹脂及びウレタンアクリレート系樹脂からなる群より選択される一種以上が好ましく、ウレタンアクリレート系樹脂がより好ましい。
また、硬化性樹脂組成物としては、例えば、紫外線硬化型の樹脂組成物、及び熱硬化型の樹脂組成物が挙げられる。反射防止フィルムの生産性向上の観点から、硬化性樹脂組成物としては、紫外線硬化型の樹脂組成物が好ましい。紫外線硬化型の樹脂組成物には、紫外線硬化型モノマー、紫外線硬化型オリゴマー及び紫外線硬化型ポリマーからなる群より選択される一種以上が含まれる。紫外線硬化型の樹脂組成物の具体例としては、特開2016-179686号公報に記載のハードコート層形成用組成物が挙げられる。
また、硬化性樹脂組成物は、個数平均一次粒子径が0.5μm以上の粒子(以下、「マイクロ粒子」と記載することがある)を含有してもよい。つまり、ハードコート層14は、マイクロ粒子を含有してもよい。硬化性樹脂組成物にマイクロ粒子を配合することにより、ハードコート層14における、硬さの調整、表面粗さの調整、屈折率の調整及び防眩性の調整が可能となる。マイクロ粒子としては、例えば、金属(又は半金属)の酸化物粒子、ガラス粒子、及び有機粒子が挙げられる。金属(又は半金属)の酸化物粒子の材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化カドミウム、及び酸化アンチモンが挙げられる。有機粒子の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリル-スチレン共重合体、ベンゾグアナミン、メラミン、及びポリカーボネートが挙げられる。
ハードコート層14の防眩性を容易に調整するためには、マイクロ粒子の個数平均一次粒子径が、1.0μm以上5.0μm以下であることが好ましく、2.0μm以上4.0μm以下であることがより好ましい。
ハードコート層14の防眩性を容易に調整するためには、ハードコート層14におけるマイクロ粒子の量は、硬化性樹脂100重量部に対して、5重量部以上であることが好ましく、10重量部以上、20重量部以上又は30重量部以上であってもよい。ハードコート層14におけるマイクロ粒子の量の上限は、硬化性樹脂100重量部に対して、例えば90重量部であり、80重量部であることが好ましく、70重量部であってもよい。
また、硬化性樹脂組成物は、個数平均一次粒子径が0.5μm未満の粒子(以下、「ナノ粒子」と記載することがある)を含んでいてもよい。ハードコート層14がナノ粒子を含む硬化性樹脂組成物の硬化物からなる場合、ハードコート層14の表面に、微細な凹凸が形成され、ハードコート層14と、その上に形成される層との密着性が向上する傾向がある。
密着性向上に寄与する微細な凹凸形状を形成する観点から、ナノ粒子の個数平均一次粒子径は、20nm以上80nm以下であることが好ましく、25nm以上70nm以下であることがより好ましく、30nm以上60nm以下であることが更に好ましい。
ナノ粒子の材料としては、無機酸化物が好ましい。無機酸化物としては、酸化シリコン(シリカ)、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化セリウム、酸化マグネシウム等の金属(又は半金属)の酸化物が挙げられる。無機酸化物は、複数種の(半)金属の複合酸化物でもよい。例示の無機酸化物の中でも、密着性向上効果が高いことから、酸化シリコンが好ましい。つまり、ナノ粒子としては、酸化シリコンの粒子(シリカ粒子)が好ましい。ナノ粒子としての無機酸化物粒子の表面には、樹脂との密着性や親和性を高める目的で、アクリル基、エポキシ基等の官能基が導入されていてもよい。
ハードコート層14におけるナノ粒子の量は、硬化性樹脂100重量部に対して、5重量部以上であることが好ましく、10重量部以上、20重量部以上又は30重量部以上であってもよい。ナノ粒子の量が5重量部以上であれば、ハードコート層14上に形成される層との密着性をより向上させることができる。ハードコート層14におけるナノ粒子の量の上限は、硬化性樹脂100重量部に対して、例えば90重量部であり、80重量部であることが好ましく、70重量部であってもよい。
硬化性樹脂組成物(ハードコート層形成用組成物)は、例えば、上述した硬化性樹脂、及び重合開始剤(例えば光重合開始剤)を含み、必要に応じてこれらの成分を溶解又は分散可能な溶媒を含む。また、硬化性樹脂組成物(ハードコート層形成用組成物)は、上記成分の他に、マイクロ粒子、ナノ粒子、レベリング剤、粘度調整剤(チクソトロピー剤、増粘剤等)、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、分散剤、分散安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、界面活性剤、滑剤等の添加剤を含んでいてもよい。
ハードコート層14の厚みは、ハードコート層14の硬度を高める観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上である。ハードコート層14の厚みは、反射防止フィルムの柔軟性確保の観点から、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下、更に好ましくは35μm以下、更により好ましくは30μm以下である。
(ハードコート層14の形成方法)
ハードコート層14は、例えば、透明フィルム13の一方の主面(図1では、透明フィルム13の第1主面13a)に、硬化性樹脂組成物(ハードコート層形成用組成物)を塗布し、必要に応じて溶媒の除去及び樹脂の硬化を行うことにより、形成される。透明フィルム13の一方の主面にハードコート層14を設けることにより、図1に示すように、透明フィルム13とハードコート層14とを備える透明フィルム基材11が得られる。
ハードコート層形成用組成物の塗布方法としては、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、スロットオリフィスコート法、カーテンコート法、ファウンテンコート法、コンマコート法等の任意の適切な方法を採用し得る。塗布後の塗膜の乾燥温度は、ハードコート層形成用組成物の組成等に応じて、適切な温度に設定すればよく、例えば、50℃以上150℃以下である。ハードコート層形成用組成物中の樹脂成分が熱硬化性樹脂である場合は、加熱によって塗膜を硬化させる。ハードコート層形成用組成物中の樹脂成分が光硬化性樹脂である場合は、紫外線等の活性エネルギー線を照射することによって塗膜を硬化させる。照射光の積算光量は、好ましくは100mJ/cm以上500mJ/cm以下である。
ハードコート層14と、その上に形成される層との密着性を高めるために、ハードコート層14の透明フィルム13側とは反対側の主面(図1では、透明フィルム基材11の第2主面11b)をボンバード処理してもよい。ボンバード処理に使用するガスとしては、希ガス(具体的には、アルゴンガス等)及び酸素ガスからなる群より選択される一種以上が好ましい。
ハードコート層14と、その上に形成される層との密着性をより高めるためには、圧力0.1Pa以上1.0Pa以下の条件で、ハードコート層14の透明フィルム13側とは反対側の主面をボンバード処理することが好ましい。
ハードコート層14と、その上に形成される層との密着性をより高めるためには、ボンバード処理工程における実効パワー密度は、0.01W・min/cm・m以上であることが好ましく、0.02W・min/cm・m以上であることがより好ましく、0.03W・min/cm・m以上であることが更に好ましい。ボンバード処理工程における透明フィルム基材の変形を抑制するためには、ボンバード処理工程における実効パワー密度は、0.60W・min/cm・m以下であることが好ましく、0.55W・min/cm・m以下であることがより好ましく、0.50W・min/cm・m以下であることが更に好ましい。なお、実効パワー密度とは、プラズマ出力のパワー密度(W/cm)をロールトゥロール方式によるフィルムの搬送速度(m/min)で割った値である。プラズマ出力が同一でも搬送速度が大きい場合は、実効的な処理パワーは低下する。
(基材層15)
基材層15は、例えば、任意の適切なフィルムで形成される。当該フィルムの構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂等のポリシクロオレフィン系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、これらの共重体樹脂等が挙げられる。基材層15の硬度を高めるためには、当該基材の構成材料としては、ポリエステル系樹脂が好ましい。基材層15の厚みは、例えば10μm以上200μm以下であり、好ましくは20μm以上150μm以下である。なお、基材層15は2層以上の積層物であってもよい。
(接着層16)
接着層16は、例えば、任意の適切な粘着剤(感圧接着剤)から形成される。粘着剤としては、例えば、(メタ)アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が挙げられる。接着層16の厚みは、例えば1μm以上20μm以下であり、好ましくは2μm以上10μm以下である。
積層体10の搬送性を向上させるためには、基材層15と接着層16との合計厚み(保護フィルム12の厚み)が、15μm以上150μm以下であることが好ましく、20μm以上100μm以下であることがより好ましい。
[反射防止層形成工程及びインライン測定工程]
次に、図2及び図3A~Cを参照しながら、反射防止層形成工程及びインライン測定工程について説明する。図2は、反射防止層の成膜装置の一例を示す模式図である。図3A~Cは、反射防止層形成工程の一例を示す工程別断面図である。
まず、反射防止層の成膜装置の一例について説明する。図2に示す成膜装置は、積層体を一方向に搬送しながら反射防止層形成工程及びインライン測定工程を連続的に実施でき、かつインライン測定工程における検出結果を反射防止層形成工程の成膜条件に反映させることができる成膜装置である。図2に示す成膜装置は、第1成膜ロール281及び第2成膜ロール282を備える。各成膜ロール281及び282の周方向に沿って、隔壁で区切られた4つの成膜室(第1成膜室210、第2成膜室220、第3成膜室230及び第4成膜室240)が設けられている。各成膜室内にはカソードが設けられており、カソード214、224、234及び244は、それぞれ電源216、226、236及び246に接続されている。カソード214、224、234及び244上には、成膜ロール281及び282に対面するように、それぞれターゲット213、223、233及び243が配置されている。各成膜室210、220、230及び240には、ガス導入管が接続されており、ガス導入管の上流には、バルブ219、229、239及び249が設けられている。
準備室250内の巻出しロール251には、積層体10(図3A参照)の巻回体がセットされている。巻出しロール251から巻出された積層体10は、第1成膜ロール281上に搬送され、第1成膜室210、第2成膜室220へと順に導かれる。第1成膜室210で、ハードコート層14の透明フィルム13側とは反対側(図3Aでは、透明フィルム基材11の第2主面11b)に高屈折率層102が成膜され、第2成膜室220で、高屈折率層102上に低屈折率層103が成膜される(図3B参照)。高屈折率層102及び低屈折率層103が成膜された積層体10は、第2成膜ロール282上に搬送され、第3成膜室230及び第4成膜室240で、高屈折率層104及び低屈折率層105が順次成膜される(図3C参照)。なお、高屈折率層及び低屈折率層の詳細については、後述する。以上の反射防止層形成工程により、透明フィルム基材11の第2主面11bに、高屈折率層102、低屈折率層103、高屈折率層104及び低屈折率層105をこの順に有する反射防止層101が形成され、図3Cに示す反射防止フィルム100(積層構造体)が得られる。
反射防止層101が形成された反射防止フィルム100は、巻取室260へ導かれ、巻取りロール261で巻取られ、反射防止フィルム100の巻回体が得られる。
巻取室260内には、反射防止フィルム100の反射防止層101と対面するように、光照射部291及び光検出部293が配置されている。また、光照射部291及び光検出部293の下流側には、反射防止フィルム100を挟んで対向するように、光照射部294及び光検出部295が配置されている。インライン測定工程では、光照射部291から反射防止層101へ照射された光の反射光が光検出部293で検出され、続いて、光照射部294から反射防止層101へ照射された光の透過光が光検出部295で検出される。光照射部291及び光照射部294から照射される光は、可視光を含んでいれば、白色光でもよく、単色光でもよい。光照射は、連続的でも断続的でもよい。
光検出部293で検出された反射光及び光検出部295で検出された透過光は、それぞれ受光素子(不図示)により電気信号に変換され、必要に応じて演算部(不図示)で演算が行われる。演算部では、検出された反射光及び透過光のスペクトルの算出や、特定の表色系(例えば、XYZ表色系、L表色系等)への変換、あるいは膜厚の算出等が行われる。
更に、演算部では、検出された反射光の反射特性と、目的とする反射光特性との差異の判定が行われるとともに、検出された透過光の透過特性と、目的とする透過光特性との差異の判定が行われる。そして、差異が閾値を超えた場合に、薄膜の成膜条件を変更するように、制御部275に信号を送信する。制御部275は、反射光の特性(反射率や色相等)及び透過光の特性(スペクトル形状等)が所定の範囲内となるように、反射防止層101の成膜条件の調整を行う。
調整の対象となる成膜条件としては、成膜室内へのガス導入量、フィルムの搬送速度、投入電力量等が挙げられる。例えば、図2に示す成膜装置では、制御部275が、巻出しロール251、巻取りロール261、第1成膜ロール281及び第2成膜ロール282の回転速度、電源216、226、236及び246の投入電力量、並びにガス導入管のバルブ219、229、239及び249の開度を調整することにより、各成膜室内での薄膜の成膜条件を調整できる。例えば、反射光の特性の変化は、主に薄膜の膜厚の変動に起因する。従って、各成膜室内で成膜される薄膜の膜厚が設定値に近づくように、薄膜の成膜条件の調整が行われることが好ましい。また、透過光の特性の変化は、主に薄膜の色づきに起因する。従って、各成膜室内で成膜される薄膜の色づきが抑制されるように、薄膜の成膜条件の調整が行われることが好ましい。成膜条件の調整は、例えばPID制御により実行される。
目的とする反射光特性及び透過光特性との差異の判定を行うためには、基準となる反射光特性及び透過光特性を予め定めておく必要がある。基準となる反射光特性及び透過光特性は、製品の規格等により適宜に定められる。一例として、製品の規格範囲の中央を基準とする方法や、各層の設定膜厚及び屈折率から光学計算により算出される反射光スペクトル(特開2016-122173号公報の実施例参照)を基準とする方法が挙げられる。また、オフラインで測定した製品の反射光スペクトル及び透過光スペクトルを基準としてもよい。
本製造方法では、上述したように、インライン検査における反射光及び透過光の検出精度を高めることができるため、反射防止フィルムの反射光特性及び透過光特性を許容範囲内に容易に収めることができる。
反射防止フィルムの幅方向の反射光特性のばらつきを抑制するためには、光照射部291及び光検出部293を、それぞれ反射防止層101の幅方向に複数個設け、反射防止層101の幅方向の複数個所においてインライン反射光測定(可視光の照射及び反射光の検出)を行うことが好ましい。同様に、反射防止フィルムの幅方向の透過光特性のばらつきを抑制するためには、光照射部294及び光検出部295を、それぞれ反射防止層101の幅方向に複数個設け、反射防止層101の幅方向の複数個所においてインライン透過光測定(可視光の照射及び透過光の検出)を行うことが好ましい。この場合、例えば、各成膜室においてフィルムの幅方向に複数個のガス導入管を設けると、フィルムの幅方向の複数箇所で、ガス導入量を個別に調整することが可能となる。
反応性スパッタ法により反射防止層101を成膜する場合は、反射防止層101の成膜条件を調整する際、プラズマエミッションモニタリング(PEM)制御により、酸素ガス等の反応性ガスの導入量を制御することが好ましい。PEM制御では、スパッタ成膜のプラズマ発光強度を検知し、発光強度が所定の制御値(セットポイント、以下「SP」と記載することがある)となるように、反応性ガスの導入量の調整が行われる。プラズマ発光強度が一定となるようにガス導入量を自動調整することにより、遷移領域を維持して高レートでの成膜が可能となることに加えて、成膜レートを一定に保持できる。ただし、長時間連続して成膜を実施すると、ターゲットのエロージョン等の影響により、プラズマ発光強度が同一でも、成膜レートが変化する。よって、長時間の連続成膜を実施する場合に、反射防止フィルムの長手方向の反射光特性及び透過光特性の変動を抑制するためには、インライン測定工程での光学特性の測定結果に基づいて、PEMのSPを適宜調整することが好ましい。
PEM制御では、各成膜室内のスパッタ成膜の状態を制御するために、PEMによりプラズマ発光強度を常時モニタリングし、所定の範囲に設定した発光強度のSPに基づき、各成膜室内へのガス導入量がフィードバック制御される。フィルムの幅方向にPEMを複数設けることにより、それぞれのPEMにおいて個別にSPを設定することが可能となる。これにより、PEMに対応する幅方向の位置に導入されるガス導入量のバランスを調整できるため、幅方向に均一な膜厚を有する反射防止層101を成膜できる。例えば、インライン測定工程において反射光を検出し、その検出結果から膜厚を算出し、その算出結果に応じてフィルムの長手方向又は幅方向で反射防止層101の膜厚が均一になるようにSPを変更することにより、フィルムの長手方向又は幅方向の反射光特性を均一に保つことができる。
一般に、反応性スパッタ法により反射防止層を成膜する場合、遷移領域を安定して維持することが難しいため、反射防止層が色づきやすくなる。上述のように、本製造方法では、透過光の検出精度を高めることができるため、反射防止層の透過光特性を許容範囲内に容易に収めることができる。よって、本製造方法によれば、反応性スパッタ法を採用しても、反射防止層の透過光特性を許容範囲内に容易に収めることができるため、反射防止層の色づきを抑制できる。
本製造方法は、インライン測定工程後、透明フィルム基材11から保護フィルム12を剥離する工程S4を更に備えてもよい。保護フィルム12が剥離された後の透明フィルム基材11の第1主面11aには、例えば、偏光板等の光学層が積層される。
(反射防止層101)
次に、反射防止層101の詳細について説明する。反射防止層101は、2層以上の薄膜からなる。図3Cに示す反射防止層101は、ハードコート層14側から、高屈折率層102、低屈折率層103、高屈折率層104及び低屈折率層105の4層をこの順に有する。なお、反射防止フィルムの反射防止層は、反射防止層101のような4層構成に限定されず、2層構成、3層構成、5層構成、又は6層以上の積層構成であってもよい。空気界面での反射を低減するためには、反射防止フィルムの反射防止層は、最外層(透明フィルム基材から最も離れた層)が低屈折率層であることが好ましい。
一般に、反射防止層は、入射光と反射光の逆転した位相が互いに打ち消し合うように、薄膜の光学膜厚(屈折率と厚みの積)が調整される。反射防止層を、屈折率の異なる2層以上の薄膜の多層積層物とすることにより、可視光の広帯域の波長範囲において、反射率を小さくできる。
反射防止層101を構成する薄膜の材料としては、金属(又は半金属)の酸化物、窒化物、フッ化物等が挙げられる。反射防止層101は、好ましくは、高屈折率層と低屈折率層の交互積層物であり、より好ましくは、2層以上の高屈折率層と2層以上の低屈折率層との交互積層物である。
高屈折率層は、屈折率が、例えば1.9以上であり、好ましくは2.0以上である。高屈折率層の材料としては、酸化チタン、酸化ニオブ(Nb等)、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)等が挙げられる。中でも、酸化チタン及び酸化ニオブからなる群より選択される一種以上が好ましい。低屈折率層は、屈折率が、例えば1.6以下であり、好ましくは1.5以下である。低屈折率層の材料としては、酸化シリコン(SiO等)、窒化チタン、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化カルシウム、フッ化ハフニウム、フッ化ランタン等が挙げられる。中でも酸化シリコンが好ましい。特に、高屈折率層としての酸化ニオブ薄膜と、低屈折率層としての酸化シリコン薄膜とを交互に積層することが好ましい。低屈折率層と高屈折率層に加えて、屈折率1.6超1.9未満の中屈折率層が設けられてもよい。
高屈折率層及び低屈折率層の膜厚は、それぞれ、5nm以上200nm以下であることが好ましく、10nm以上150nm以下であることがより好ましい。屈折率や積層構成等に応じて、可視光の反射率が小さくなるように、各層の膜厚を設計すればよい。例えば、高屈折率層と低屈折率層の積層構成としては、透明フィルム基材11側から、光学膜厚20nm以上55nm以下の高屈折率層、光学膜厚35nm以上60nm以下の低屈折率層、光学膜厚65nm以上250nm以下の高屈折率層、及び光学膜厚100nm以上150nm以下の低屈折率層からなる4層構成が挙げられる。
反射防止層101が、高屈折率層としての酸化ニオブ薄膜と、低屈折率層としての酸化シリコン薄膜とを交互に積層させた、4層の交互積層物である場合、反射防止層101の構成としては、ハードコート層14側から、厚み5nm以上20nm以下の酸化ニオブ薄膜、厚み20nm以上60nm以下の酸化シリコン薄膜、厚み25nm以上120nm以下の酸化ニオブ薄膜、及び厚み50nm以上100nm以下の酸化シリコン薄膜をこの順に備える構成が挙げられる。
高温耐久性に優れる反射防止フィルムを得るためには、反射防止層101の厚みは、100nm以上300nm以下であることが好ましく、120nm以上280nm以下であることがより好ましく、140nm以上260nm以下であることが更に好ましく、160nm以上240nm以下であることが更により好ましい。なお、本明細書において、「反射防止層の厚み」は、反射防止層を構成する各層の厚みの合計(合計厚み)である。
反射防止層101の成膜方法は、特に限定されず、ウェットコーティング法及びドライコーティング法のいずれでもよい。膜厚が均一な薄膜を形成できることから、真空蒸着法、CVD法、スパッタ法等のドライコーティング法が好ましく、スパッタ法がより好ましい。生産性を高める観点から、反射防止層101の成膜方法としては、図2に示すようなロールトゥロール方式のスパッタ成膜装置を用いて成膜する方法(ロールトゥロール方式のスパッタ法)が好ましい。スパッタ法では、アルゴン等の不活性ガス、及び必要に応じて酸素等の反応性ガスを成膜室内に導入しながら成膜が行われる。スパッタ法で酸化物膜を成膜する場合、酸化物ターゲットを用いる方法、及び金属(又は半金属)ターゲットを用いる反応性スパッタ法のいずれでも実施できる。
酸化物ターゲットを用いて、酸化シリコン等の絶縁性の酸化物を成膜する場合、RF放電が必要であるため、成膜レートが小さく生産性が低くなる傾向がある。そのため、酸化物のスパッタ成膜は、金属ターゲットを用いた反応性スパッタ法が好ましい。反応性スパッタ法では、アルゴン等の不活性ガス及び酸素等の反応性ガスを成膜室内に導入しながら成膜が行われる。反応性スパッタ法では、金属領域と酸化物領域との中間の遷移領域となるように酸素量を調整することが好ましい。酸素量が不足する金属領域で成膜を行うと、得られる酸化物膜の酸素量が化学量論的組成に比して大幅に小さくなり、酸化物膜が金属光沢を帯びて透明性が低下する傾向がある。また、酸素量が大きい酸化物領域では、成膜レートが極端に低下する傾向がある。スパッタ成膜が遷移領域となるように酸素量を調整することにより、高レートで酸化物膜を成膜できる。反応性スパッタ法により反射防止層101を成膜する場合、上述したPEM制御により反応性ガスの導入量を制御できるため、反射防止層101の成膜条件の調整がより容易となる。反応性スパッタ法に用いるスパッタ電源としては、DC電源又はMFAC電源(周波数帯が数kHz~数MHzのAC電源)が好ましい。
スパッタ法を実施する際のパワー密度は、例えば0.1W/cm以上20W/cm以下であり、好ましくは1W/cm以上15W/cm以下である。スパッタ法を実施する際の成膜ロールの表面温度は、例えば-25℃以上25℃以下であり、好ましくは-20℃以上0℃以下である。スパッタ法を実施する際の成膜室内の圧力は、例えば0.01Pa以上10Pa以下であり、好ましくは0.1Pa以上1.0Pa以下である。
本製造方法で得られた反射防止フィルムは、例えば、液晶表示装置や有機EL表示装置等のディスプレイに用いられる。特に、ディスプレイの最表面層として用いた場合に、反射防止によるディスプレイの視認性が向上する。
[反射防止フィルムの製造方法の好ましい態様]
本製造方法において、インライン検査における反射光及び透過光の検出精度を更に高めるためには、下記条件1を満たすことが好ましく、下記条件2を満たすことがより好ましく、下記条件3を満たすことが更に好ましい。
条件1:保護フィルムの背面の表面ヘイズ値が6.0%以上50.0%以下であり、かつ保護フィルムの背面の二乗平均平方根傾斜Sdqが0.10以上0.50以下である。
条件2:上記条件1を満たし、かつ保護フィルムの背面の表面ヘイズ値から保護フィルムの接着面の表面ヘイズ値を引いた値が5.0%以上である。
条件3:上記条件2を満たし、かつ保護フィルムの背面の二乗平均平方根傾斜Sdqから保護フィルムの接着面の二乗平均平方根傾斜Sdqを引いた値が0.05以上である。
[他の実施形態]
以上、本実施形態に係る反射防止フィルムの製造方法について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、インライン測定工程は、少なくとも1層の薄膜を形成した後であれば、いずれの段階で行われてもよい。例えば、第1成膜ロール281上で高屈折率層102及び低屈折率層103を形成後、光照射部297(図2参照)から低屈折率層103へ可視光を照射し、その反射光を、光検出部299(図2参照)で検出することにより、反射光のインライン検出が行われてもよい。また、第1成膜ロール281上で高屈折率層102及び低屈折率層103を形成後、光照射部(不図示)から低屈折率層103へ可視光を照射し、その透過光を、光検出部(不図示)で検出することにより、透過光のインライン検出が行われてもよい。
また、図2では、反射光を検出した後、透過光を検出する例を示したが、本発明では、透過光を検出した後、反射光を検出してもよい。また、反射光と透過光を同時に検出してもよい。
また、2箇所以上でインライン検出が行われてもよい。例えば、高屈折率層102及び低屈折率層103を形成後、反射光及び透過光のインライン検出を行い、更に、高屈折率層104及び低屈折率層105を形成後、反射光及び透過光のインライン検出を行ってもよい。このように、2箇所以上でインライン測定を行えば、成膜条件を調整するべき成膜室の判定が容易となり、より緻密な制御が可能となる。
また、本発明の製造方法は、反射防止層形成工程の前に、透明フィルム基材の一方の主面(第2主面)側にプライマー層を成膜する工程S5を更に備えてもよい。本発明の製造方法が工程S5を更に備える場合、反射防止層形成工程において、プライマー層の透明フィルム基材側とは反対側の主面に反射防止層を成膜する。
プライマー層を設けることにより、透明フィルム基材と反射防止層との密着性が高くなる。プライマー層の材料としては、シリコン、ニッケル、クロム、スズ、金、銀、白金、亜鉛、チタン、インジウム、タングステン、アルミニウム、ジルコニウム、パラジウム等の金属(又は半金属);これらの金属(又は半金属)の合金;これらの金属(又は半金属)の酸化物、フッ化物、硫化物又は窒化物等が挙げられる。プライマー層を構成する酸化物は、酸化インジウムスズ(ITO)等の複合酸化物でもよい。中でも、プライマー層の材料としては、無機酸化物が好ましく、酸化シリコン、酸化インジウム又はITOがより好ましく、SiOx(x<2)が更に好ましい。
透明フィルム基材と反射防止層との密着性を高めつつ、プライマー層の光透過性を確保するためには、プライマー層の厚みは、0.5nm以上20nm以下であることが好ましく、0.5nm以上10nm以下であることがより好ましく、1.0nm以上10nm以下であることが更に好ましい。
プライマー層の成膜方法は、特に限定されず、ウェットコーティング法及びドライコーティング法のいずれでもよい。膜厚が均一な薄膜を形成できることから、真空蒸着法、CVD法、スパッタ法等のドライコーティング法が好ましく、スパッタ法がより好ましい。生産性を高める観点から、プライマー層の成膜方法としては、ロールトゥロール方式のスパッタ成膜装置を用いて成膜する方法(ロールトゥロール方式のスパッタ法)が好ましい。ロールトゥロール方式のスパッタ法では、長尺の積層体を長手方向(MD方向)に搬送しながら、例えば、プライマー層及び反射防止層を連続成膜できる。プライマー層をスパッタ法により成膜する際は、例えば、上述の反射防止層101の説明において例示した条件の中で、成膜条件を適宜設定することができる。
また、本発明に係る反射防止フィルムの製造方法は、インライン測定工程後に、防汚層を形成する工程を備えてもよい。防汚層の材料としては、フッ素含有化合物が好ましい。
また、本発明に係る反射防止フィルムの製造方法では、保護フィルムが一層(基材層)のみで構成されていてもよい。基材層のみで構成された保護フィルムは、例えば一方の主面が粘着性を有する。
以下、本発明で使用可能な積層体の例と、それらの積層体を用いた反射防止フィルムの製造例について説明する。
<積層体の作製>
[保護フィルムの準備]
積層体を作製するための保護フィルムとして、表1に示す保護フィルムP1~P7を準備した。なお、保護フィルムP1は、一方の主面が粘着性を有する基材層(厚み:28μm)のみで構成されていた。また、保護フィルムP2~P7は、いずれも基材層及び接着層を備えていた。また、保護フィルムP5~P7は、接着層が粒子を含む光拡散粘着剤層であり、当該光拡散粘着剤層中の粒子の含有量が、それぞれ異なっていた。
Figure 0007511055000002
[ハードコート層の形成]
100重量部の紫外線硬化型ウレタンアクリレート系モノマー(屈折率:1.51)と、14重量部のポリスチレンビーズ(屈折率:1.59、個数平均一次粒子径:3.5μm)と、5重量部のアルキルフェノン系光重合開始剤と、135重量部のトルエンと、10重量部の酢酸エチルとを混合し、固形分濃度45重量%のハードコート層形成用組成物を調製した。次いで、透明フィルムとしてのTACフィルム(厚み:40μm、屈折率:1.49)の一方の主面に、上記ハードコート層形成用組成物を塗布し、塗膜を形成した。次いで、上記塗膜を、温度80℃で2分間加熱することにより乾燥させた後、紫外線照射により硬化させた。これにより、TACフィルムの一方の主面に厚み7μmの防眩性ハードコート層(表面に凹凸構造を有するハードコート層)を形成し、透明フィルム基材を得た。
[保護フィルムの貼着]
上述した保護フィルム(詳しくは、保護フィルムP1~P7のいずれか)の接着面に、上記手順で得られた透明フィルム基材のTACフィルム側の主面を貼着し、積層体を得た。以下、保護フィルムP1を用いて得られた積層体を、「積層体L1」と記載することがある。同様に、保護フィルムP2、P3、P4、P5、P6及びP7を用いて得られた積層体を、それぞれ「積層体L2、L3、L4、L5、L6及びL7」と記載することがある。
<反射防止フィルムの作製>
以下、製造例1~3及び比較製造例1~4の反射防止フィルムの作製方法を説明する。
[製造例1]
(ボンバード処理)
ロールトゥロール方式のプラズマ処理装置により、圧力0.6Paかつ実効パワー密度0.34W・min/cm・mの条件で、積層体L1を搬送しながら、積層体L1のハードコート層の主面(詳しくは、ハードコート層のTACフィルム側とは反対側の主面)をボンバード処理した。ボンバード処理する際は、アルゴンガス(流量:1050sccm)を装置内に導入しながら処理した。
次に、プライマー層形成工程及び反射防止層形成工程について説明する。なお、プライマー層形成工程及び反射防止層形成工程において、酸化物膜を形成(成膜)する際は、アルゴンガスと酸素ガスとを成膜室内に導入しながら成膜した。また、酸化物膜を形成(成膜)する際は、アルゴンガスの導入量及び排気量を調整することにより圧力を一定に保ちつつ、プラズマエミッションモニタリング(PEM)制御により、成膜モードが遷移領域を維持するように酸素ガスの導入量を調整した。
(プライマー層形成工程)
ボンバード処理後の積層体L1を、ロールトゥロール方式のスパッタ成膜装置に導入し、成膜室内を1×10-4Paまで減圧した。次いで、積層体L1を搬送しながら、成膜ロールの表面温度を-8℃とし、反応性スパッタ法により、ハードコート層のTACフィルム側とは反対側の主面に、プライマー層として厚み3.5nmのSiOx層(x<2)を形成(成膜)した。プライマー層の形成には、ターゲット材料として、Siターゲットを用いた。また、反応性スパッタ法により成膜する際は、電源をMFAC電源(周波数:40kHz)とし、パワー密度を3W/cmとし、成膜室内の圧力を0.4Paとした。
(反射防止層形成工程)
プライマー層の形成に続いて、ロールトゥロール方式のスパッタ成膜装置を用いてプライマー層形成後の積層体L1を搬送しながら、反応性スパッタ法により、プライマー層のハードコート層側とは反対側の主面に、第1層:厚み12nmの酸化ニオブ層(屈折率:2.33)、第2層:厚み28nmの酸化シリコン層(屈折率:1.46)、第3層:厚み100nmの酸化ニオブ層、及び第4層:厚み85nmの酸化シリコン層をこの順に成膜した。これにより、プライマー層の一方の主面に、4層構成(第1層、第2層、第3層及び第4層からなる4層構成)の反射防止層を形成し、製造例1の反射防止フィルムを得た。なお、第1層~第4層の各層の成膜では、いずれも、成膜ロールの表面温度を-8℃とし、電源をMFAC電源(周波数:40kHz)とした。また、第1層及び第3層の成膜では、いずれも、Nbターゲットを用い、パワー密度を13W/cmとし、成膜室内の圧力を0.5Paとした。また、第2層及び第4層の成膜では、いずれも、Siターゲットを用い、パワー密度を8W/cmとし、成膜室内の圧力を0.5Paとした。
[製造例2、製造例3及び比較製造例1~4]
積層体L1の代わりに積層体L2~L7をそれぞれ使用したこと以外は、実施例1と同じ方法で、製造例2、製造例3及び比較製造例1~4の反射防止フィルムを得た。
<内部ヘイズ値の測定>
[保護フィルムP1~P4の内部ヘイズ値の測定]
まず、厚み1.3mmのスライドガラスの一方の主面に、アクリル系粘着剤層(厚み:23μm)を介して保護フィルム(詳しくは、保護フィルムP1~P4のいずれか)の接着面を貼着した後、保護フィルムの背面にアクリル系粘着剤層(厚み:23μm)を介してPETフィルム(厚み:38μm)を貼着し、積層物Laを得た。別途、積層物Laを形成する際に使用したスライドガラス、アクリル系粘着剤層及びPETフィルムとそれぞれ同種の材料を用いて、スライドガラス(厚み1.3mm)/アクリル系粘着剤層(厚み:46μm)/PETフィルム(厚み:38μm)の層構成の積層物Lbを得た。次いで、ヘイズメーター(スガ試験機社製「HZ-2」)を用いて、JIS K7136-2000に記載の方法により積層物La及び積層物Lbのヘイズ値をそれぞれ測定した。そして、積層物Laのヘイズ値から積層物Lbのヘイズ値を差し引いた値を、保護フィルムP1~P4の内部ヘイズ値とした。なお、積層物La及び積層物Lbのヘイズ値を測定する際は、いずれもPETフィルム側から光を照射した。
[保護フィルムP5~P7の内部ヘイズ値の測定]
まず、厚み1.3mmのスライドガラスの一方の主面に、保護フィルム(詳しくは、保護フィルムP5~P7のいずれか)の接着面を貼着した後、保護フィルムの背面にアクリル系粘着剤層(厚み:23μm)を介してPETフィルム(厚み:38μm)を貼着し、積層物Lcを得た。別途、積層物Lcを形成する際に使用したスライドガラス、アクリル系粘着剤層及びPETフィルムとそれぞれ同種の材料を用いて、スライドガラス(厚み1.3mm)/アクリル系粘着剤層(厚み:23μm)/PETフィルム(厚み:38μm)の層構成の積層物Ldを得た。次いで、ヘイズメーター(スガ試験機社製「HZ-2」)を用いて、JIS K7136-2000に記載の方法により積層物Lc及び積層物Ldのヘイズ値をそれぞれ測定した。そして、積層物Lcのヘイズ値から積層物Ldのヘイズ値を差し引いた値を、保護フィルムP5~P7の内部ヘイズ値とした。なお、積層物Lc及び積層物Ldのヘイズ値を測定する際は、いずれもPETフィルム側から光を照射した。
<表面ヘイズ値の測定>
[保護フィルムP1~P4の背面の表面ヘイズ値の測定]
まず、積層物Laを形成する際に使用したスライドガラス及びアクリル系粘着剤層とそれぞれ同種の材料を用いて、スライドガラス(厚み1.3mm)/アクリル系粘着剤層(厚み:23μm)/保護フィルム(詳しくは、保護フィルムP1~P4のいずれか)の層構成の積層物Leを得た。なお、積層物Leを形成する際は、保護フィルムの接着面をアクリル系粘着剤層に貼着した。次いで、ヘイズメーター(スガ試験機社製「HZ-2」)を用いて、JIS K7136-2000に記載の方法により積層物Leのヘイズ値を測定した。そして、積層物Leのヘイズ値から保護フィルム(詳しくは、保護フィルムP1~P4のいずれか)の内部ヘイズ値を差し引いた値を、保護フィルムP1~P4の背面の表面ヘイズ値とした。なお、積層物Leのヘイズ値を測定する際は、保護フィルム側から光を照射した。
[保護フィルムP1~P4の接着面の表面ヘイズ値の測定]
まず、積層物Laを形成する際に使用したスライドガラス及びアクリル系粘着剤層とそれぞれ同種の材料を用いて、スライドガラス(厚み1.3mm)/アクリル系粘着剤層(厚み:23μm)/保護フィルム(詳しくは、保護フィルムP1~P4のいずれか)の層構成の積層物Lfを得た。なお、積層物Lfを形成する際は、保護フィルムの背面をアクリル系粘着剤層に貼着した。次いで、ヘイズメーター(スガ試験機社製「HZ-2」)を用いて、JIS K7136-2000に記載の方法により積層物Lfのヘイズ値を測定した。そして、積層物Lfのヘイズ値から保護フィルム(詳しくは、保護フィルムP1~P4のいずれか)の内部ヘイズ値を差し引いた値を、保護フィルムP1~P4の接着面の表面ヘイズ値とした。なお、積層物Lfのヘイズ値を測定する際は、保護フィルム側から光を照射した。
[保護フィルムP5~P7の背面の表面ヘイズ値の測定]
まず、積層物Lcを形成する際に使用したスライドガラスと同種のスライドガラス(厚み1.3mm)に保護フィルム(詳しくは、保護フィルムP5~P7のいずれか)の接着面を貼着し、積層物Lgを得た。次いで、ヘイズメーター(スガ試験機社製「HZ-2」)を用いて、JIS K7136-2000に記載の方法により積層物Lgのヘイズ値を測定した。そして、積層物Lgのヘイズ値から保護フィルム(詳しくは、保護フィルムP5~P7のいずれか)の内部ヘイズ値を差し引いた値を、保護フィルムP5~P7の背面の表面ヘイズ値とした。なお、積層物Lgのヘイズ値を測定する際は、保護フィルム側から光を照射した。
<保護フィルムの表面形状の測定>
保護フィルム(詳しくは、保護フィルムP1~P7のいずれか)を試料として、形状解析レーザー顕微鏡(キーエンス社製「VK-X1000」)を用い、下記の条件により、保護フィルムの表面(詳しくは、背面及び接着面のいずれか)の三次元表面形状を測定し、ISO 25178に準じて、二乗平均平方根傾斜Sdq、算術平均高さSa及び二乗平均平方根高さSqを得た。
観察倍率:150倍
測定視野:50μm×50μm
<反射防止フィルムの裏面反射率の測定>
まず、基準試料として、反射防止フィルムFSを作製した。詳しくは、積層体を形成する際、透明フィルム基材のTACフィルム側の主面に、保護フィルムP1の代わりにアクリル系粘着剤層(厚み:23μm)及び黒色PETフィルム(厚み:50μm、可視光透過率:0.1%)を順次積層したこと以外は、製造例1の反射防止フィルムと同じ方法で、反射防止フィルムFSを作製した。反射防止フィルムFSの層構成は、黒色PETフィルム/アクリル系粘着剤層/TACフィルム/ハードコート層/プライマー層/反射防止層であった。次いで、反射防止フィルムFS、及び測定対象の反射防止フィルム(詳しくは、製造例1~3及び比較製造例1~4の反射防止フィルム)について、紫外可視近赤外分光光度計(日立ハイテク社製「U4100」)を用いて、反射防止層側から可視光(波長:550nm)を入射角度2°の条件で照射し、2°正反射の反射率(単位:%)を測定した。そして、測定対象の反射防止フィルム(詳しくは、製造例1~3及び比較製造例1~4の反射防止フィルムのいずれか)の反射率から反射防止フィルムFSの反射率を差し引いた値を、測定対象の反射防止フィルムの裏面反射率(単位:%)とした。裏面反射率が0.30%以下である場合、「裏面反射が低減されている」と評価した。一方、裏面反射率が0.30%を超える場合、「裏面反射が低減されていない」と評価した。
<反射防止フィルムの平行線透過率の測定>
測定対象の反射防止フィルム(詳しくは、製造例1~3及び比較製造例1~4の反射防止フィルム)について、ヘイズメーター(スガ試験機社製「HZ-2」)を用いて、JIS K7105(現在廃止)(ISO 13468-2:1999)に記載の方法により、反射防止層側から光を照射した際の全光線透過率(単位:%)及び拡散透過率(単位:%)を測定した。そして、測定対象の反射防止フィルムの平行線透過率(単位:%)を、式「平行線透過率=全光線透過率-拡散透過率」に基づいて算出した。平行線透過率が30.0%以上である場合、「平行線透過率が高い」と評価した。一方、平行線透過率が30.0%未満である場合、「平行線透過率が高くない」と評価した。
<結果>
製造例1~3及び比較製造例1~4の反射防止フィルムについて、使用した保護フィルムの種類、使用した保護フィルムのヘイズ値、使用した保護フィルムの表面形状、裏面反射率及び平行線透過率を表2に示す。なお、表2において、「-」は、測定しなかったことを意味する。
Figure 0007511055000003
表2に示すように、製造例1~3では、保護フィルムの内部ヘイズ値が4.0%以下であった。製造例1~3では、保護フィルムの背面の表面ヘイズ値が6.0%以上50.0%以下であった。製造例1~3では、保護フィルムの背面の二乗平均平方根傾斜Sdqが0.10以上0.50以下であった。
表2に示すように、製造例1~3では、裏面反射率が0.30%以下であった。よって、製造例1~3では、裏面反射が低減されていた。製造例1~3では、平行線透過率が30.0%以上であった。よって、製造例1~3では、平行線透過率が高かった。
表2に示すように、比較製造例1~4では、保護フィルムの内部ヘイズ値が4.0%を超えていた。比較製造例1では、保護フィルムの背面の表面ヘイズ値が50.0%を超えていた。比較製造例2~4では、保護フィルムの背面の二乗平均平方根傾斜Sdqが0.10未満であった。
表2に示すように、比較製造例1~3では、裏面反射率が0.30%を超えていた。よって、比較製造例1~3では、裏面反射が低減されていなかった。比較製造例1、3及び4では、平行線透過率が30.0%未満であった。よって、比較製造例1、3及び4では、平行線透過率が高くなかった。
以上の結果から、本発明によれば、インライン検査における反射光及び透過光の検出精度を高めることができる反射防止フィルムの製造方法を提供できることが示された。
10 :積層体
11 :透明フィルム基材
12 :保護フィルム
13 :透明フィルム
14 :ハードコート層
100 :反射防止フィルム
101 :反射防止層

Claims (10)

  1. 透明フィルム基材と、前記透明フィルム基材の第1主面側に剥離可能に貼着された保護フィルムとを有する積層体を準備する工程S1と、
    前記透明フィルム基材の第2主面側に、2層以上の薄膜からなる反射防止層を成膜する工程S2と、
    前記反射防止層を構成する少なくとも1つの層を成膜した後、前記層に可視光を照射し、その反射光及び透過光を検出する工程S3とを備え、
    前記工程S2及び前記工程S3は、前記積層体を一方向に搬送しながら、連続して実施され、
    前記保護フィルムの内部ヘイズ値が、4.0%以下であり、
    前記保護フィルムの前記透明フィルム基材側とは反対側の主面の表面ヘイズ値が、6.0%以上50.0%以下である、反射防止フィルムの製造方法。
  2. 前記保護フィルムの前記透明フィルム基材側とは反対側の主面の表面ヘイズ値から前記保護フィルムの前記透明フィルム基材側の主面の表面ヘイズ値を引いた値が、5.0%以上である、請求項1に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  3. 透明フィルム基材と、前記透明フィルム基材の第1主面側に剥離可能に貼着された保護フィルムとを有する積層体を準備する工程S1と、
    前記透明フィルム基材の第2主面側に、2層以上の薄膜からなる反射防止層を成膜する工程S2と、
    前記反射防止層を構成する少なくとも1つの層を成膜した後、前記層に可視光を照射し、その反射光及び透過光を検出する工程S3とを備え、
    前記工程S2及び前記工程S3は、前記積層体を一方向に搬送しながら、連続して実施され、
    前記保護フィルムの内部ヘイズ値が、4.0%以下であり、
    前記保護フィルムの前記透明フィルム基材側とは反対側の主面の二乗平均平方根傾斜Sdqが、0.10以上0.50以下である、反射防止フィルムの製造方法。
  4. 前記保護フィルムの前記透明フィルム基材側とは反対側の主面の二乗平均平方根傾斜Sdqから前記保護フィルムの前記透明フィルム基材側の主面の二乗平均平方根傾斜Sdqを引いた値が、0.05以上である、請求項3に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  5. 前記工程S2において、反応性スパッタ法により前記反射防止層を成膜する、請求項1又は3に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  6. 前記工程S3において、前記反射防止層を構成する全ての層を成膜した後、前記反射防止層に可視光を照射し、その反射光及び透過光を検出する、請求項1又は3に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  7. 前記工程S3における前記反射光及び前記透過光の検出結果に応じて、前記工程S2における前記反射防止層の成膜条件が調整される、請求項1又は3に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  8. 前記工程S3の後、前記透明フィルム基材から前記保護フィルムを剥離する工程S4を更に備える、請求項1又は3に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  9. 前記透明フィルム基材は、透明フィルムと、前記透明フィルムの第1主面側に設けられたハードコート層とを備え、
    前記積層体において、前記保護フィルムは、前記透明フィルムの第2主面側に貼着されている、請求項1又は3に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  10. 前記工程S2の前に、前記透明フィルム基材の前記第2主面側にプライマー層を成膜する工程S5を更に備え、
    前記工程S2において、前記プライマー層の前記透明フィルム基材側とは反対側の主面に前記反射防止層を成膜する、請求項1又は3に記載の反射防止フィルムの製造方法。

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