以下に、実施の形態にかかる検針システム、計測装置、携帯端末、検針処理プログラム、サーバ、および検針方法を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる検針システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる検針システム100は、検針対象の複数の計測装置1と、検針作業で使用される携帯端末2と、携帯端末2とネットワーク4を介して通信を行うサーバ3とを備える。ネットワーク4は、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)および移動体通信網などを含む構成であるが、かかる構成に限定されない。例えば、ネットワーク4は、無線LAN(Local Area Network)をさらに含む構成であってもよい。
計測装置1は、電力、ガス、または水道などを計測対象として計測を行う。計測装置1は、需要家における電力の使用量を計測する電力量計、ガスの使用量を計測するガスメーター、または水道の使用量を計測する水道メーターなどである。
計測装置1は、無線モジュールを備えており、無線モジュールを使用して携帯端末2と無線通信を行うことが可能である。計測装置1は、計測した結果を示す計測値を暗号化し、暗号化した計測値を含む計測データである暗号化計測データを無線モジュールから無線通信により周期的にブロードキャストする。以下においては、計測装置1で得られる計測値が主に電力量であるものとして説明するが、計測値は、ガスの使用量または水道の使用量またはその他の計測値であってもよい。
計測装置1の無線モジュールは、コネクションレス型通信によって、暗号化計測データを周期的にブロードキャストするが、計測装置1との通信が確立した携帯端末2に対して、暗号化計測データをブロードキャストすることもできる。
携帯端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、またはノートPC(Personal Computer)などでの汎用の携帯端末である。携帯端末2には、検針作業で必要な機能を実現するためのデータ収集プログラムがインストールされている。携帯端末2は、データ収集プログラムがフォアグラウンドまたはバックグラウンドで起動されることで、データを受信可能な待機状態となる。
ユーザに保持された携帯端末2は、データを受信可能な待機状態にある場合に、ユーザの移動に伴って計測装置1の無線通信範囲内に入ると、計測装置1から無線通信によって周期的に送信される暗号化計測データを受信する。携帯端末2は、受信した暗号化計測データを計測値が暗号化された状態でそのままサーバ3を宛先として無線通信により送信する。
検針システム100は、複数の携帯端末2を備えるが、図1に示すように、検針システム100に含まれる携帯端末2の数は、1つであってもよい。携帯端末2のユーザは、例えば、検針員または巡回警備員などであるが、計測対象が電力量である場合、電力を使用する需要家であってもよい。また、携帯端末2は、検針作業で使用することを目的として設計された専用の装置であってもよい。
サーバ3は、携帯端末2から送信される暗号化計測データを収集し、収集した暗号化計測データに含まれる計測値を復号化する。サーバ3は、復号化した計測値を記憶する。サーバ3は、例えば、1つ以上の電子計算機で構成され、パブリッククラウドまたはオンプレミスなどに構築される。パブリッククラウドには、例えば、AWS(Amazon Web Services)またはMicrosoft Azureなどがあるが、パブリッククラウドは、これらに限定されない。また、サーバ3は、パブリッククラウドまたはオンプレミス以外の1つ以上の電子計算機に構築されてもよい。
このように、検針システム100では、携帯端末2が、計測装置1から周期的にブロードキャストされる暗号化計測データを受信し、受信した暗号化計測データを計測値が暗号化された状態でそのままサーバ3を宛先として無線通信により送信する。このため、検針システム100では、携帯端末2を介してサーバ3によって収集される計測データは、計測値が暗号化された状態であり、携帯端末2によってデータの改ざんなどが行われることを抑制でき、セキュリティを向上させることができる。
さらに、検針システム100では、計測装置1からの計測データは周期的にブロードキャストされることから、作業効率を高めることができる。例えば、検針員は、携帯端末2を用いて検針作業を開始する前に携帯端末2にパスワード認証のためのパスワードなどを登録する作業などが不要となるため、検針作業の時間を低減することができる。また、携帯端末2が計測装置1の無線通信範囲内に入った時に、自動で暗号化計測データの収集処理が完了するため、検針員が検針ボタンを押すなどの作業が不要になり、これによっても、検針作業の時間を低減することができる。
以下、計測装置1、携帯端末2、およびサーバ3の構成についてさらに具体的に説明する。図2は、実施の形態1にかかる計測装置の構成の一例を示す図である。図2に示すように、計測装置1は、計測部11と、無線モジュール12と、処理部13と、記憶部14とを備える。
計測部11は、計測装置1が設置された需要家における電力使用量を計測し、計測した電力使用量を計測値として出力する。なお、計測部11は、計測装置1がガスメーターである場合、ガスの使用量を計測し、計測したガスの使用量を計測値として出力する。また、計測部11は、計測装置1が水道メーターである場合、水道の使用量を計測し、計測した水道の使用量を計測値として出力する。
無線モジュール12は、無線通信を行う無線通信部121を備える。かかる無線通信部121は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)の規格に基づく無線通信を行う機能を有する。なお、無線通信部121は、BLEの規格に基づく無線通信を行う機能に代えて、920MHz帯を用いたLoRa(Long Range)の規格に基づく無線通信を行う機能、IP(Internet Protocol)無線による無線通信を行う機能、または無線LANによる無線通信を行う機能を有する無線通信部であってもよい。
処理部13は、計測値取得部131と、暗号化処理部132と、送信用データ生成部133と、送信処理部134とを備える。計測値取得部131は、計測部11によって計測された電力使用量を計測値として特定周期で計測部11から取得し、取得した計測値を記憶部14に記憶させる。
暗号化処理部132は、記憶部14に記憶された計測値を暗号化する。暗号化処理部132において暗号化に用いる方式は、例えば、DES(Data Encryption Standard)またはAES(Advanced Encryption Standard)などがあるが、かかる例に限定されない。
暗号化処理部132において暗号化に用いる暗号キーは、計測装置1毎に固有の暗号キーであり、例えば、計測装置1毎に固有の文字列を含むが、複数の計測装置1に共通の文字列を含んでいてもよい。計測装置1毎に固有の文字列は、例えば、計測装置1の装置IDを含んでいてもよい。
送信用データ生成部133は、装置ID(IDntifier)と、計測日時と、暗号化処理部132によって暗号化された計測値とが含まれる計測データと計測装置1の識別子とを含む送信用データを生成する。
装置IDは、各計測装置1の識別情報であり、例えば、計測装置1の製造番号である。装置IDは、サーバ3で計測装置1の計測値の管理を行う際に、計測装置1を識別するために用いられている。装置IDは、計測装置1を識別可能な固有IDであればよく、計測装置1の製造番号に限定されない。
計測日時は、送信用データを生成する時点での現在日時である。なお、計測日時は、計測データに含まれる計測値が計測部11によって得られた日時であってもよい。計測装置1の識別子は、携帯端末2によって計測装置1の識別を行うために用いられ、例えば、「WHM」などのように他の装置から送信される無線信号との識別が容易なものであればよい。
送信処理部134は、送信用データ生成部133によって生成された送信用データに基づいて、無線通信部121から計測データを含む無線信号を特定周期でブロードキャストする処理を無線通信部121に実行させる。無線通信部121は、例えば、BLEの規格に基づく無線通信を行う機能を有する場合、暗号化計測データを含む無線信号をアドバタイズ信号として特定周期でブロードキャストする。かかる無線信号には、暗号化計測データに加え、計測装置1の識別子が含まれる。また、アドバタイズ信号は、ビーコンとも呼ばれる。
特定周期は、携帯端末2のユーザが、設置された計測装置1の周囲を通過する際に、携帯端末2がアドバタイズ信号を受信可能となる通信周期であり、計測装置1の工場出荷時、計測装置1のユーザ、または携帯端末2のユーザによって設定される。
計測装置1の周囲は、計測装置1の無線通信部121の無線通信範囲であり、無線通信部121の通信規格がBLEのClass2である場合、通信最大距離は約10mである。例えば、無線通信部121の無線通信範囲を通過するために要する時間が5秒~10秒であると仮定した場合、特定周期を2秒に設定することで、携帯端末2のユーザが計測装置1の周囲を通過する間に、暗号化計測データを2回~5回受信することができる。
なお、上述した例では、暗号化処理部132において暗号化に用いる暗号キーは、計測装置1毎に固有の暗号キーであるが、すべての計測装置1に共通の暗号キーであってもよい。この場合、暗号化処理部132は、共通の暗号キーで計測値を暗号化することもできる。
図3は、実施の形態1にかかる携帯端末の構成の一例を示す図である。図3に示すように、携帯端末2は、無線通信部21と、処理部22と、記憶部23と、入力部24と、表示部25とを備える。入力部24は、例えば、マウス、キーボード、またはタッチパネルなどを含む。表示部25は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイである。
無線通信部21は、第1無線通信部211と、第2無線通信部212とを備える。第1無線通信部211は、計測装置1の無線通信部121と同じ通信規格に基づく無線通信を行う機能を有する。例えば、第1無線通信部211は、BLE、LoRa、IP無線、または無線LANによる無線通信を行う機能を有する。
第2無線通信部212は、例えば、ネットワーク4に含まれる移動体通信網の無線基地局と無線通信を行い、ネットワーク4を介してサーバ3との間でデータの送受信を行う。なお、第1無線通信部211がネットワーク4と無線通信を行うことができる場合、無線通信部21に第2無線通信部212が含まれない構成であってもよい。
処理部22は、データ取得部221と、送信処理部222と、データ削除部223とを備える。データ取得部221は、暗号化された計測値を含み且つ無線通信部21で受信された計測データである暗号化計測データ40を無線通信部21から取得する。データ取得部221は、取得した暗号化計測データ40を記憶部23に記憶させる。暗号化計測データ40には、装置ID401と、計測日時402と、暗号化された計測値である暗号化計測値403とが含まれる。以下において、計測装置1から送信される暗号化計測データを含めて暗号化計測データ40と記載する場合がある。
送信処理部222は、データ取得部221によって取得され記憶部23に記憶された暗号化計測データ40を計測値が暗号化された状態でそのままサーバ3へ送信する処理を無線通信部21に実行させる。データ削除部223は、送信処理部222によって無線通信部21からサーバ3へ送信された暗号化計測データ40を記憶部23から削除する。
図4は、実施の形態1にかかるサーバの構成の一例を示す図である。図4に示すように、サーバ3は、通信部31と、処理部32と、記憶部33とを備える。通信部31は、ネットワーク4に有線または無線によって接続され、ネットワーク4を介して携帯端末2との間でデータの送受信を行う。
処理部32は、計測データ取得部321と、復号化処理部322と、計測データ登録部323とを備える。計測データ取得部321は、計測装置1から周期的にブロードキャストされた暗号化計測データ40を携帯端末2からネットワーク4および通信部31を介して取得する。
復号化処理部322は、計測データ取得部321によって取得された暗号化計測データ40に含まれる暗号化計測値403を復号化する。記憶部33には、復号キー61が記憶されており、復号化処理部322は、記憶部33に記憶された復号キー61を用いて、暗号化計測値403を復号化する。
例えば、計測装置1毎に固有の暗号キーで暗号化計測値403が生成されているとする。この場合、復号キー61は、各計測装置1の装置IDに関連付けられて記憶部33に記憶される。そして、復号化処理部322は、計測データ取得部321によって取得された暗号化計測データ40に含まれる装置ID401に関連付けられた復号キー61を記憶部33から取得し、取得した復号キー61を用いて、暗号化計測値403を復号化する。
また、暗号化計測データ40がすべての計測装置1に共通の暗号キーで装置ID401、計測日時402、および暗号化計測値403が暗号化されたデータであるとする。この場合、復号化処理部322は、計測データ取得部321によって取得された暗号化計測データ40に含まれる装置ID401、計測日時402、および暗号化計測値403を共通の復号キーで復号化する。
計測データ登録部323は、復号化処理部322によって復号化された計測値である復号化計測値603を含む復号化計測データ60を記憶部33に記憶させる。復号化計測データ60には、装置ID601および計測日時602が含まれる。装置ID601および計測日時602は、装置ID401および計測日時402と同じである。
つづいて、検針システム100の動作について、さらに詳細に説明する。図5は、実施の形態1にかかる検針システムの計測装置、携帯端末、およびサーバにおける動作の流れを示すシーケンス図である。図5に示す例では、計測装置1が自動的に暗号化計測データ40を送信する処理を自動送信処理101とし、携帯端末2が自動的に検針を行う処理を自動検針処理102とし、サーバ3が暗号化計測データ40を受信して行う処理をデータ処理103として示している。
まず、計測装置1の自動送信処理101について説明する。図5に示すように、計測装置1は、電力使用量などの計測対象の計測を行い(ステップS1)、計測対象を計測した結果である計測値を暗号化して暗号化計測値403を生成する(ステップS2)。
そして、計測装置1は、装置ID401、計測日時402、および暗号化計測値403を含む暗号化計測データ40と、計測装置1の識別子とを含む送信用データを生成する(ステップS3)。計測装置1は、生成した送信用データに基づいて、暗号化計測データ40を含む無線信号を特定周期でブロードキャストする(ステップS4)。かかる無線信号には、計測装置1の識別子が含まれている。
次に、携帯端末2の自動検針処理102について説明する。図5に示す携帯端末2は、データ収集プログラムがフォアグラウンドまたはバックグラウンドで起動されており、データを受信可能な待機状態である。
図5に示すように、ユーザに保持された携帯端末2は、データを受信可能な待機状態にある場合に、ユーザの移動に伴って計測装置1の無線通信範囲内に入ると、計測装置1から無線通信によって周期的に送信される暗号化計測データ40を受信する(ステップS5)。
携帯端末2は、受信した暗号化計測データ40を記憶する(ステップS6)。そして、携帯端末2は、記憶した暗号化計測データ40を無線通信によってネットワーク4を介してサーバ3へ送信する(ステップS7)。携帯端末2は、ステップS7でネットワーク4を介してサーバ3へ送信した後、ステップS6で記憶した暗号化計測データ40を削除する(ステップS8)。
次に、サーバ3のデータ処理103について説明する。図5に示すように、サーバ3は、携帯端末2から送信された暗号化計測データ40をネットワーク4経由で受信する(ステップS9)。サーバ3は、ステップS9で受信した暗号化計測データ40に含まれる暗号化計測値403を復号化する(ステップS10)。サーバ3は、ステップS10で復号化した計測値である復号化計測値603を記憶する(ステップS11)。
つづいて、フローチャートを用いて計測装置1の自動送信処理101を説明する。図6は、実施の形態1にかかる計測装置の自動送信処理の一例を示すフローチャートである。
図6に示すように、計測装置1の処理部13は、定期送信タイマのカウントを開始する(ステップS20)。そして、処理部13は、定期送信タイマのカウントがN秒以上になったか否かを判定する(ステップS21)。Nは、例えば、1以上の整数である。N秒は、上述した特定周期であり、Nは、事前に計測装置1に設定される。
処理部13は、定期送信タイマのカウントがN秒以上になったと判定した場合(ステップS21:Yes)、計測部11に計測処理を実行させ、計測部11から計測値を取得する(ステップS22)。処理部13は、ステップS22で取得した計測値を暗号化し(ステップS23)、ステップS23で暗号化した計測値を含む送信用データを生成する(ステップS24)。
処理部13は、ステップS24で生成した送信用データに基づいて、暗号化計測データ40を含む無線信号をブロードキャストする処理を無線通信部121に実行させ(ステップS25)、定期送信タイマをリセットする(ステップS26)。
処理部13は、ステップS26の処理が終了した場合、または定期送信タイマのカウントがN秒以上になっていないと判定した場合(ステップS21:No)、動作終了の操作があるか否かを判定する(ステップS27)。処理部13は、動作終了の操作がないと判定した場合(ステップS27:No)、処理をステップS20へ移行し、動作終了の操作があると判定した場合(ステップS27:Yes)、図6に示す処理を終了する。
つづいて、フローチャートを用いて携帯端末2の自動検針処理102を説明する。図7は、実施の形態1にかかる携帯端末の自動検針処理の一例を示すフローチャートである。
図7に示すように、携帯端末2の処理部22は、計測装置1から送信された暗号化計測データ40が無線通信部21で受信されたか否かを判定する(ステップS30)。処理部22は、暗号化計測データ40が無線通信部21で受信されたと判定した場合(ステップS30:Yes)、無線通信部21で受信された暗号化計測データ40を記憶部23に記憶させる(ステップS31)。
次に、処理部22は、記憶部23に記憶された暗号化計測データ40を無線通信部21に送信させる(ステップS32)。そして、処理部22は、ステップS32の処理が終了した場合、記憶部23に記憶された暗号化計測データ40を記憶部23から削除する(ステップS33)。
処理部22は、ステップS33の処理が終了した場合、または暗号化計測データ40が無線通信部21で受信されていないと判定した場合(ステップS30:No)、動作終了の操作があるか否かを判定する(ステップS34)。処理部22は、動作終了の操作がないと判定した場合(ステップS34:No)、処理をステップS30へ移行し、動作終了の操作があると判定した場合(ステップS34:Yes)、図7に示す処理を終了する。
つづいて、フローチャートを用いてサーバ3のデータ処理103を説明する。図8は、実施の形態1にかかるサーバのデータ処理の一例を示すフローチャートである。
図8に示すように、サーバ3の処理部32は、携帯端末2から送信された暗号化計測データ40が通信部31で受信されたか否かを判定する(ステップS40)。処理部32は、暗号化計測データ40が通信部31で受信されたと判定した場合(ステップS40:Yes)、復号化処理を行う(ステップS41)。ステップS41の復号化処理において、処理部32は、ステップS40で受信されたと判定した暗号化計測データ40に含まれる暗号化計測値403を復号化して、復号化計測値603を取得する。
次に、処理部32は、ステップS41の復号化処理で得られた復号化計測値603が正常であるか否かを判定する(ステップS42)。ステップS42の処理において、処理部32は、例えば、復号化計測値603が異常な値である場合に、復号化計測値603が正常ではないと判定する。
処理部32は、復号化計測値603が正常であると判定した場合(ステップS42:Yes)、ステップS41の復号化処理で得られた復号化計測値603を装置ID601および計測日時602に関連付けて記憶部33に記憶させる(ステップS43)。装置ID601および計測日時602は、携帯端末2から送信された暗号化計測データ40に含まれる装置ID401および計測日時402と同じである。処理部32は、復号化計測値603が正常でないと判定した場合(ステップS42:No)、ステップS41の復号化処理で得られた復号化計測値603を破棄する(ステップS44)。
処理部32は、ステップS43の処理が終了した場合、ステップS44の処理が終了した場合、または暗号化計測データ40が通信部31で受信されていないと判定した場合(ステップS40:No)、動作終了の操作があるか否かを判定する(ステップS45)。処理部32は、動作終了の操作がないと判定した場合(ステップS45:No)、処理をステップS40へ移行し、動作終了の操作があると判定した場合(ステップS45:Yes)、図8に示す処理を終了する。
図9は、実施の形態1にかかる処理部のハードウェア構成の一例を示す図である。図9に示すように、処理部13,22,32は、プロセッサ201と、メモリ202と、インタフェース回路203とを備えるコンピュータを含む。
プロセッサ201、メモリ202、およびインタフェース回路203は、例えば、バス204によって互いに情報の送受信が可能である。処理部13のプロセッサ201は、メモリ202に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、計測値取得部131、暗号化処理部132、送信用データ生成部133、および送信処理部134などの機能を実行する。処理部22のプロセッサ201は、メモリ202に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、データ取得部221、送信処理部222、およびデータ削除部223などの機能を実行する。処理部32のプロセッサ201は、メモリ202に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、計測データ取得部321、復号化処理部322、および計測データ登録部323などの機能を実行する。プロセッサ201は、例えば、処理回路の一例であり、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、およびシステムLSI(Large Scale Integration)のうち一つ以上を含む。
メモリ202は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、およびEEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)のうち一つ以上を含む。また、メモリ202は、コンピュータが読み取り可能なプログラムが記録された記録媒体を含む。かかる記録媒体は、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルメモリ、光ディスク、コンパクトディスク、およびDVD(Digital Versatile Disc)のうち一つ以上を含む。なお、処理部13,22,32は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路を含んでいてもよい。
サーバ3は、2以上の装置で構成されてもよい。例えば、サーバ3は、処理サーバと、データサーバとで構成されてもよい。
以上のように、実施の形態1にかかる検針システム100は、計測装置1と、携帯端末2と、サーバ3とを備える。計測装置1は、暗号化された計測値を含む計測データである暗号化計測データ40を無線通信により周期的にブロードキャストする。携帯端末2は、計測装置1から無線通信により暗号化計測データ40を受信し、受信した暗号化計測データ40を計測値が暗号化された状態で無線通信により送信する。サーバ3は、携帯端末2から送信される暗号化計測データ40を収集し、収集した計測データに含まれる計測値を復号化する。これにより、検針システム100は、検針対象の計測装置1から携帯端末2を介して計測値を含むデータを収集する際のセキュリティを向上させることができる。
また、携帯端末2は、計測装置1から受信した暗号化計測データ40を記憶し、暗号化計測データ40をサーバ3へ送信した後、記憶した暗号化計測データ40を削除する。これにより、暗号化計測データ40が携帯端末2に記憶され続けることが防止され、携帯端末2の記憶部23の使用量が多くなりすぎることを防止することができる。
また、計測装置1は、無線通信を行う無線通信部121と、計測対象に対する計測を行う計測部11と、暗号化処理部132と、送信処理部134とを備える。暗号化処理部132は、計測部11によって計測された計測対象の値である計測値を暗号化する。送信処理部134は、暗号化処理部132によって暗号化された計測値を含む計測データである暗号化計測データ40を周期的にブロードキャストする処理を無線通信部121に実行させる。これにより、計測装置1は、検針システム100において、検針対象の計測装置1から送信される計測値を含むデータを携帯端末2が収集する際のセキュリティを向上させることができる。
また、携帯端末2は、無線通信を行う無線通信部21と、データ取得部221と、記憶部23と、送信処理部222とを備える。データ取得部221は、暗号化された計測値を含み且つ無線通信部21で受信された計測データである暗号化計測データ40を無線通信部21から取得する。記憶部23は、データ取得部221によって取得された暗号化計測データ40を記憶する。送信処理部222は、記憶部23に記憶された暗号化計測データ40を計測値が暗号化された状態でサーバ3へ送信する処理を無線通信部21に実行させる。これにより、携帯端末2は、検針システム100において、検針対象の計測装置1から送信される計測値を含むデータを携帯端末2が送受信する際のセキュリティを向上させることができる。
また、サーバ3は、計測データ取得部321と、復号化処理部322とを備える。計測データ取得部321は、暗号化された計測値を含み計測装置1から周期的にブロードキャストされた計測データである暗号化計測データ40を携帯端末2から取得する。復号化処理部322は、計測データ取得部321によって取得された暗号化計測データ40に含まれ暗号化された計測値を復号化する。これにより、サーバ3は、検針対象の計測装置1から携帯端末2を介して計測値を含むデータを収集する際のセキュリティを向上させることができる。
実施の形態2.
実施の形態2にかかる検針システムは、さらにユーザ端末を有し、ユーザ端末からの要求に応じて復号化計測値を含む計測データを検針結果としてサーバがユーザ端末へ提供する点で、実施の形態1にかかる検針システム100と異なる。以下においては、実施の形態1と同様の機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略し、実施の形態1の検針システム100と異なる点を中心に説明する。
図10は、実施の形態2にかかる検針システムの構成の一例を示す図である。図10に示すように、実施の形態2にかかる検針システム100Aは、サーバ3に代えてサーバ3Aを備える点、およびユーザ端末5を備える点で、検針システム100と異なる。
ユーザ端末5は、ネットワーク4に接続され、ネットワーク4を介してサーバ3Aとデータの送受信を行う。ユーザ端末5のユーザは、例えば、計測対象が電力量である場合、電力を使用する需要家である。ユーザ端末5は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、またはノートPCなどの汎用の携帯端末であるが、専用端末であってもよい。
検針システム100Aは、複数のユーザ端末5を備えるが、図10に示すように、検針システム100Aに含まれるユーザ端末5の数は、1つであってもよい。また、図10に示す検針システム100Aでは、携帯端末2とユーザ端末5とが互いに異なる端末であるが、携帯端末2がユーザ端末5の機能を含んでいてもよい。
図11は、実施の形態2にかかるユーザ端末の構成の一例を示す図である。図11に示すように、ユーザ端末5は、通信部51と、入力部52と、表示部53と、処理部54と、記憶部55とを備える。
通信部51は、ネットワーク4に接続され、ネットワーク4を介して有線または無線によってサーバ3Aとの間でデータの送受信を行う。入力部52は、例えば、マウス、キーボード、またはタッチパネルなどを含む。表示部53は、例えば、LCDまたは有機ELディスプレイである。
処理部54は、ユーザによる入力部52への操作に基づいて、ユーザのアカウントIDとパスワードを含むアカウント認証要求をサーバ3Aへネットワーク4を介して送信する処理を通信部51に実行させる。
また、処理部54は、アカウント認証要求に対してサーバ3Aによるアカウント認証が成功した場合、ユーザによる入力部52への操作に基づいて、データ送信要求をサーバ3Aへネットワーク4を介して送信する処理を通信部51に実行させる。処理部54は、データ送信要求に対してサーバ3Aから送信される計測日時602と復号化計測値603を含むデータが通信部51で受信された場合、通信部51で受信されたデータを記憶部55に記憶させ、記憶部55に記憶させたデータを表示部53に表示させる。
図12は、実施の形態2にかかるサーバの構成の一例を示す図である。図12に示すように、実施の形態2にかかるサーバ3Aは、処理部32および記憶部33に代えて、処理部32Aおよび記憶部33Aを備える点で、サーバ3と異なる。処理部32Aは、アカウント認証部324と、データ提供部325とをさらに備える点で、処理部32と異なる。
記憶部33Aは、アカウントデータ62をさらに記憶している点で、記憶部33と異なる。アカウントデータ62には、ユーザのアカウントIDとパスワードと機器IDとが互いに関連付けられた状態でユーザ端末5のユーザ毎に含まれている。
アカウント認証部324は、ユーザ端末5から送信されたアカウント認証要求がネットワーク4を介して通信部31によって受信された場合、アカウント認証処理を行う。アカウント認証部324は、アカウント認証処理において、通信部31によって受信されたアカウント認証要求に含まれるアカウントIDと一致するアカウントIDが処理部32Aに記憶されているアカウントデータ62に含まれているか否かを判定する。
アカウント認証部324は、アカウント認証要求に含まれるアカウントIDと一致するアカウントIDがアカウントデータ62に含まれていないと判定した場合、アカウント認証が失敗したと判定する。アカウント認証部324は、アカウント認証要求に含まれるアカウントと一致するアカウントIDがアカウントデータ62に含まれていると判定した場合、アカウント認証要求に含まれるアカウントIDと一致するアカウントIDに関連付けられたパスワードをアカウントデータ62から取得する。
アカウント認証部324は、アカウントデータ62から取得したパスワードと、アカウント認証要求に含まれるパスワードとが一致するか否かを判定する。アカウント認証部324は、アカウントデータ62から取得したパスワードと、アカウント認証要求に含まれるパスワードとが一致しないと判定した場合、アカウント認証が失敗したと判定する。アカウント認証部324は、アカウントデータ62から取得したパスワードと、アカウント認証要求に含まれるパスワードとが一致すると判定した場合、アカウント認証が成功したと判定する。
アカウント認証部324は、アカウント認証が失敗したと判定した場合、アカウント認証が失敗したことを示すデータをユーザ端末5へ送信する処理を通信部31に実行させる。また、アカウント認証部324は、アカウント認証が成功したと判定した場合、アカウント認証が成功したことを示すデータをユーザ端末5へ送信する処理を通信部31に実行させる。
データ提供部325は、ユーザ端末5のアカウント認証要求に対するアカウント認証が成功した後、ユーザ端末5からのデータ送信要求が通信部31で受信された場合、アカウントデータ62のうちデータ送信要求を送信したユーザ端末5のユーザのアカウントIDに関連付けられた装置IDを取得する。
そして、データ提供部325は、記憶部33Aに記憶された復号化計測データ60のうちアカウントデータ62から取得した装置IDと一致する装置ID601に関連付けられた計測日時602と復号化計測値603とを取得する。データ提供部325は、取得した計測日時602と復号化計測値603とを含むデータをユーザ端末5へ送信する処理を通信部31に実行させる。
つづいて、検針システム100Aの動作について、さらに詳細に説明する。図13は、実施の形態2にかかる検針システムの計測装置、携帯端末、サーバ、およびユーザ端末における動作の流れを示すシーケンス図である。図13に示す例では、サーバ3Aとユーザ端末5との間で計測データが送受信される動作であるデータ送受信処理104が実行される点で、図5に示す例と異なる。
図13に示すように、ユーザ端末5は、ネットワーク4を介してサーバ3Aへアカウント認証要求を送信する(ステップS51)。ユーザ端末5の処理部54は、例えば、サーバ3Aから送信されるアカウント認証画面情報に基づいて、アカウント認証画面を表示部53に表示させる。ユーザ端末5のユーザは、アカウント認証画面が表示部53に表示されている状態において、入力部52を操作してアカウントIDとパスワードを入力する。これにより、ユーザ端末5からアカウントIDとパスワードとを含むアカウント認証要求がサーバ3Aへ送信される。
サーバ3Aの処理部32Aは、ネットワーク4を介してユーザ端末5からアカウント認証要求を受信すると、ユーザ端末5のアカウント認証要求に対するアカウント認証処理を行う(ステップS52)。
サーバ3Aの処理部32Aは、アカウント認証処理による認証結果をユーザ端末5へ通知する(ステップS53)。例えば、処理部32Aは、ステップS52の処理において、アカウント認証が成功したと判定した場合、ネットワーク4を介してユーザ端末5へアカウント認証が成功したことを示すデータを認証結果としてユーザ端末5へ送信する、また、処理部32Aは、ステップS52の処理において、アカウント認証が失敗したと判定した場合、ネットワーク4を介してユーザ端末5へアカウント認証が失敗したことを示すデータを認証結果としてユーザ端末5へ送信する。
ユーザ端末5の処理部54は、ネットワーク4を介してサーバ3Aから認証結果の通知があった場合、通知された認証結果を表示部53に表示させる(ステップS54)。認証結果が、アカウント認証が成功したことを示す場合、ユーザは、ユーザ端末5における不図示の操作部を操作して、データ送信要求をサーバ3Aへネットワーク4を介して送信させる処理をユーザ端末5に実行させる(ステップS55)。
サーバ3Aの処理部32Aは、データ送信要求をユーザ端末5からネットワーク4を介して受信した場合、データ送信要求に対応する計測日時602と復号化計測値603を記憶部33Aから取得し、取得した計測日時602と復号化計測値603を含むデータをユーザ端末5へ送信する処理を通信部31に実行させる(ステップS56)。ユーザ端末5は、サーバ3Aから送信されるデータをネットワーク4経由で受信した場合、受信したデータを表示する(ステップS57)。
なお、図13に示す例では、ステップS51~S54の処理は、データ処理103の前に行われているが、データ処理103の途中またはデータ処理103の後に実行されてもよい。
つづいて、フローチャートを用いてデータ送受信処理104のうちサーバ3Aが行う動作を説明する。図14は、実施の形態2にかかるデータ送受信処理のうちサーバが行う処理の一例を示すフローチャートである。
図14に示すように、サーバ3Aの処理部32Aは、ユーザ端末5からアカウント認証要求が通信部31で受信されたか否かを判定する(ステップS60)。処理部32Aは、アカウント認証要求が通信部31で受信されたと判定した場合(ステップS60:Yes)、記憶部33Aからアカウントデータ62を読み出し(ステップS61)、アカウント照合を行う(ステップS62)。アカウント照合は、アカウント認証要求に含まれるアカウントIDとパスワードとの組み合わせと一致するアカウントIDとパスワードとの組み合わせがアカウントデータ62に含まれているか否かの判定である。
処理部32Aは、ユーザ端末5のアカウント認証要求に対するアカウント認証が成功したか否かを判定する(ステップS63)。処理部32Aは、アカウント認証が成功したと判定した場合(ステップS63:Yes)、アカウント認証が成功したことを示すデータをユーザ端末5へネットワーク4を介して送信する処理を通信部31に実行させることで、アカウント認証の成功を通知する(ステップS64)。そして、処理部32Aは、認証状態を維持した状態でユーザ端末5との間の接続を維持する(ステップS65)。
次に、処理部32Aは、ユーザ端末5からデータ送信要求がネットワーク4を介して通信部31で受信されたか否かを判定する(ステップS66)。処理部32Aは、データ送信要求が受信されたと判定した場合(ステップS66:Yes)、データ送信要求に対応するデータを記憶部33Aから取得し、取得したデータをユーザ端末5へ送信させる処理を通信部31に実行させる(ステップS67)。
次に、処理部32Aは、ステップS67の処理が終了した場合、またはデータ送信要求を受信していないと判定した場合(ステップS66:No)、ユーザ端末5との接続が切断されたか否かを判定する(ステップS68)。処理部32Aは、ユーザ端末5との接続が切断されていないと判定した場合(ステップS68:No)、処理をステップS66へ移行する。
処理部32Aは、アカウント認証が成功していないと判定した場合(ステップS63:No)、アカウント認証が失敗したことを示すデータをユーザ端末5へネットワーク4を介して送信する処理を通信部31に実行させることで、アカウント認証の失敗を通知する(ステップS69)。
処理部32Aは、アカウント認証要求が通信部31で受信されていないと判定した場合(ステップS60:No)、ユーザ端末5との接続が切断されたと判定した場合(ステップS68:Yes)、またはステップS69の処理が終了した場合、動作終了の操作があるか否かを判定する(ステップS70)。処理部32Aは、動作終了の操作がないと判定した場合(ステップS70:No)、処理をステップS60へ移行し、動作終了の操作があると判定した場合(ステップS70:Yes)、図14に示す処理を終了する。
図15は、実施の形態2にかかるユーザ端末の処理部による処理の一例を示すフローチャートである。図15に示すように、ユーザ端末5の処理部54は、入力部52へのアカウント認証操作があるか否かを判定する(ステップS80)。処理部54は、アカウント認証操作があると判定した場合(ステップS80:Yes)、アカウント認証要求をサーバ3Aへ送信する処理を通信部51に実行させる(ステップS81)。
次に、処理部54は、アカウント認証が成功したか否かを判定する(ステップS82)。ステップS82の処理において、処理部54は、サーバ3Aからアカウント認証が成功したことを示すデータが通信部51で受信された場合に、アカウント認証が成功したと判定する。処理部54は、アカウント認証が成功したと判定した場合(ステップS82:Yes)、アカウント認証の成功を表示部53に表示させる(ステップS83)。
次に、処理部54は、入力部52へのデータ送信要求操作があるか否かを判定する(ステップS84)。処理部54は、データ送信要求操作があると判定した場合(ステップS84:Yes)、データ送信要求をサーバ3Aへネットワーク4を介して送信する処理を通信部51に実行させる(ステップS85)。
そして、処理部54は、サーバ3Aからのデータが通信部51で受信されたか否かを判定する(ステップS86)。処理部54は、サーバ3Aからのデータが通信部51で受信されていないと判定した場合(ステップS86:No)、ステップS86の処理を繰り返す。
処理部54は、サーバ3Aからのデータが通信部51で受信されたと判定した場合(ステップS86:Yes)、通信部51で受信されたデータを表示部53に表示させる(ステップS87)。処理部54は、ステップS87の処理が終了した場合、またはデータ送信要求操作がないと判定した場合(ステップS84:No)、接続終了の操作があるか否かを判定する(ステップS88)。
処理部54は、アカウント認証が成功していないと判定した場合(ステップS82:No)、アカウント認証の失敗を表示部53に表示させる(ステップS89)。処理部54は、接続終了の操作がないと判定した場合(ステップS88:No)、処理をステップS83へ移行する。
処理部54は、アカウント認証操作がないと判定した場合(ステップS80:No)、ステップS89の処理が終了した場合、または接続終了の操作があると判定した場合(ステップS88:Yes)、図15に示す処理を終了する。
実施の形態2にかかる処理部32A,54のハードウェア構成例は、図9に示す処理部13,22,32のハードウェア構成と同じである。処理部32Aのプロセッサ201は、メモリ202に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、復号化処理部322、計測データ登録部323、アカウント認証部324、およびデータ提供部325の機能を実行することができる。また、処理部54のプロセッサ201は、メモリ202に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、処理部54の機能を実行することができる。
以上のように、実施の形態2にかかる検針システム100Aのサーバ3Aは、ユーザ端末5からのアカウント認証要求に対してアカウント認証処理を行った後、ユーザ端末5からデータ送信要求を受信した場合に、復号化した計測値を含むデータをユーザ端末5へ送信する。これにより、検針システム100Aは、ユーザ端末5に検針結果を提供することができる。
実施の形態3.
実施の形態3にかかる検針システムでは、携帯端末による計測装置からの暗号化計測データの取得の有無および携帯端末によるサーバ装置への暗号化計測データの送信の有無を表示することができる点で、実施の形態2にかかる検針システム100Aと異なる。以下においては、実施の形態2と同様の機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略し、実施の形態2にかかる検針システム100Aと異なる点を中心に説明する。
図16は、実施の形態3にかかる検針システムの構成の一例を示す図である。図16に示すように、実施の形態3にかかる検針システム100Bは、携帯端末2に代えて携帯端末2Bを備える点で、検針システム100Aと異なる。
図17は、実施の形態3にかかる携帯端末の構成の一例を示す図である。図17に示すように、携帯端末2Bは、処理部22と記憶部23に代えて、処理部22Bと記憶部23Bとを備える点で、携帯端末2と異なる。処理部22Bは、リスト更新部224と、表示処理部225と、認証処理部226とをさらに備える点で、処理部22と異なる。また、記憶部23Bは、送受信ログデータ41をさらに記憶する点で、記憶部23と異なる。
送受信ログデータ41は、計測装置1から受信した暗号化計測データ40に含まれる装置ID401および計測日時402と、計測装置1から受信した暗号化計測データ40のサーバ3Aへの送信の有無を示す情報である送信有無情報とを暗号化計測データ40毎に含む。また、記憶部23Bには、処理部22Bによって認証された計測装置1の装置IDを含む認証済み情報が記憶される。
リスト更新部224は、計測装置1からの暗号化計測データ40が無線通信部21で受信される毎に、無線通信部21で受信された暗号化計測データ40に含まれる装置ID401および計測日時402を送受信ログデータ41に追加する。また、リスト更新部224は、暗号化計測データ40がサーバ3Aへ無線通信部21から送信される毎に、送受信ログデータ41に含まれる装置ID401および計測日時402に送信済みを示す情報を送信有無情報として関連付ける。
表示処理部225は、携帯端末2Bのユーザによる入力部24への操作が送受信ログ表示操作である場合、記憶部23Bから暗号化計測データ40を取得し、取得した暗号化計測データ40に基づいて、計測装置1の検針処理状態を示す検針状態リストを表示部25に表示させる。表示部25に表示される検針状態リストには、複数の計測装置1の検針処理状態を示す全体検針状態リストと、計測装置1毎の検針処理状態を示す装置別検針状態リストとがある。また、全体検針状態リストは、認証済計測装置リストと未認証計測装置リストとを含んでもよい。認証済計測装置リストは、認証処理部226によって認証が行われた計測装置1の検針処理状態を示し、未認証計測装置リストは、認証処理部226によって認証が行われていない計測装置1の検針処理状態を示す。検針状態リストは、送受信ログの一例である。
認証処理部226は、携帯端末2Bのユーザによる入力部24への操作によって、認証コードが入力された場合、入力された認証コードを含む通信接続要求を計測装置1へ送信する。認証コードは、例えば、計測装置1に内蔵された無線モジュール12に予め設定された認証用のパスワードである。例えば、計測装置1の出荷時に暗証コードが記載されたカードを同梱することにより、計測装置1の管理者であれば容易に把握することができ、かつ第3者には把握することが困難なパスワードである。
計測装置1の無線モジュール12は、携帯端末2Bから送信された通信接続要求に含まれる認証コードが無線モジュール12に予め設定された認証コードと一致するか否かを判定し、認証コードと一致すると判定した場合、計測装置1と携帯端末2Bとの通信接続を確立する。携帯端末2Bの処理部22Bは、計測装置1との通信接続が確立した場合、記憶部23Bに記憶される認証済み情報を更新する。認証済み情報の更新は、通信接続が確立できた計測装置1の装置IDを認証済み情報に追加することによって行われる。
携帯端末2Bの記憶部23Bには、暗号化計測データ40に含まれる暗号化計測値403を復号化する復号キーが記憶されている。認証処理部226は、計測装置1との間で通信接続が確立できた場合、認証が成功したと判定し、認証操作の対象となる暗号化計測データ40に含まれる暗号化計測値403を、記憶部23Bに記憶された復号キーによって復号化する。認証処理部226は、復号化した計測値を認証操作の対象となる暗号化計測データ40に関連付けて記憶部23Bに記憶させる。
記憶部23Bに記憶される復号キーは、計測装置1毎の復号キーである。計測装置1毎の復号キーは、装置IDに関連付けて記憶部23Bに記憶されており、認証処理部226は、認証操作の対象となる暗号化計測データ40に含まれる装置IDに関連付けられた復号キーによって、認証操作の対象となる暗号化計測データ40に含まれる暗号化計測値403を復号化する。なお、暗号化計測値403がすべての計測装置1に共通の暗号キーで暗号化されている場合、記憶部23Bに記憶される復号キーは、すべての計測装置1に共通の復号キーであってもよい。
上述した例では、携帯端末2Bに記憶される復号キーが用いられる例を示したが、復号キーは、携帯端末2Bに代えて、計測装置1に記憶されてもよい。計測装置1に復号キーが記憶される場合、携帯端末2Bは計測装置1から復号キーを取得する。例えば、認証処理部226は、通信接続が確立した計測装置1に対して復号キー要求を無線通信部21に送信させ、復号キー要求に対して計測装置1から送信される復号キーを無線通信部21に受信させる。認証処理部226は、無線通信部21から復号キーを取得し、取得した復号キーに基づいて、認証操作の対象となる暗号化計測データ40に含まれる暗号化計測値403を復号化する。
また、暗号化計測値403を復号化するための復号キーは、計測装置1の認証コードと同じであってもよい。この場合、認証処理部226は、携帯端末2Bのユーザによる入力部24への操作によって入力された認証コードを復号キーとして、認証操作の対象となる暗号化計測データ40に含まれる暗号化計測値403を復号化する。
図18は、実施の形態3にかかる携帯端末の表示部に表示される全体検針状態リストの一例を示す図である。図18に示すように、表示部25に表示される全体検針状態リスト80には、「計測装置No」の枠毎に「最終計測日」の枠および「送信済」の枠が含まれる。「計測装置No」の枠内には、装置ID401が示され、「最終計測日」の枠内には、携帯端末2Bで受信された最新の暗号化計測データ40に含まれる計測日時402で特定される計測日が示されるが、計測日時402が示されてもよい。「計測装置No」の枠内に示される情報および「最終計測日」の枠内に示される情報は、計測装置1からの暗号化計測データ40の受信ログの一例である。
「送信済」の枠には、サーバ3Aへ最新の暗号化計測データ40が送信済みであるか否かを示す情報が示される。例えば、サーバ3Aへ最新の暗号化計測データ40が送信済みである場合、「送信済」の枠内には、レ点が示される。また、サーバ3Aへ最新の暗号化計測データ40が送信済みではない場合、「送信済」の枠内は、ブランクである。レ点およびブランクは、暗号化計測データ40のサーバ3Aへの送信ログの一例を示す。暗号化計測データ40が送信済みであるとは、暗号化計測データ40のサーバ3Aへの送信が成功したことを意味し、暗号化計測データ40が送信済みではないとは、暗号化計測データ40のサーバ3Aへの送信が失敗したことを意味する。
図18に示す全体検針状態リスト80では、装置IDが「200000001」~「200000011」までの計測装置1から2020年12月22日に最新の暗号化計測データ40が受信されたことが示されている。また、図18に示す全体検針状態リスト80では、装置IDが「200000001」~「200000004」、「200000008」、および「200000010」の計測装置1から受信した最新の暗号化計測データ40がサーバ3へ送信済みであることが示されている。
全体検針状態リスト80に含まれない装置IDの計測装置1から新たな暗号化計測データ40が携帯端末2Bで受信された場合、全体検針状態リスト80には、新たな暗号化計測データ40に含まれる装置IDと計測日時とが追加される。また、全体検針状態リスト80にすでに含まれている装置IDの計測装置1から新たな暗号化計測データ40が携帯端末2Bで受信されたとする。この場合、全体検針状態リスト80において新たな暗号化計測データ40に含まれる装置IDに関連付けられる計測日時が、新たな暗号化計測データ40に含まれる最新の計測日時に更新される。
携帯端末2Bのユーザによる入力部24への操作によって、全体検針状態リスト80において装置IDが示されている枠内の領域が指定された場合、表示処理部225は、計測装置選択操作が行われたと判定する。表示処理部225は、計測装置選択操作によって指定された領域に示されている装置IDに関連付けられた計測日時402と送信有無情報とを送受信ログデータ41から取得する。表示処理部225は、送受信ログデータ41から取得した計測日時402と送信有無情報とを含む装置別検針状態リストを表示部25に表示させる。
図19は、実施の形態3にかかる携帯端末の表示部に表示される装置別検針状態リストの一例を示す図である。図19に示すように、表示部25に表示される装置別検針状態リスト81には、「計測日時」の枠および「送信済」の枠が含まれる。
「計測日」の枠内には、携帯端末2Bで受信された暗号化計測データ40に含まれる計測日時402が示される。また、「送信済」の枠内には、サーバ3Aへ最新の暗号化計測データ40が送信済みであるか否かを示す情報が示される。例えば、サーバ3Aへ最新の暗号化計測データ40が送信済みである場合、「送信済」の枠内には、レ点が示される。
図19に示す装置別検針状態リスト81では、2020年10月21日の13時40分53秒から2020年12月22日の10時16分34秒までの間に、装置IDが「200000001」の計測装置1から暗号化計測データ40が11回ほど受信されたことが示されている。また、図19に示す装置別検針状態リスト81では、計測装置1から受信した11個の暗号化計測データ40のうち8個の暗号化計測データ40がサーバ3Aに送信されたことが示されている。
また、図19に示す装置別検針状態リスト81には、送信ボタン82が含まれている。携帯端末2Bのユーザは、入力部24を操作して複数の計測日時が示される複数の枠内の領域のうちの1つの枠内の領域を選択し、入力部24を操作して送信ボタン82を選択することができる。送信処理部222は、送信ボタン82が選択された場合、送信操作が行われたと判定し、ユーザによって指定された領域の計測日時を含む暗号化計測データ40を記憶部23Bから取得する。そして、送信処理部222は、取得した暗号化計測データ40をサーバ3Aへ送信する送信処理を無線通信部21に実行させ、送受信ログデータ41を更新する。
送信ボタン82の選択により暗号化計測データ40のサーバ3Aへの送信が行われた場合において、暗号化計測データ40のサーバ3Aへの送信が失敗した場合、送信処理部222は、送受信ログデータ41を更新しない。なお、装置別検針状態リスト81において、送信ボタン82は設けられなくてもよい。この場合、送信処理部222は、例えば、暗号化計測データ40のサーバ3Aへの送信を予め設定された回数だけ暗号化計測データ40のサーバ3Aへの送信を無線通信部21に実行させたり、暗号化計測データ40のサーバ3Aへの送信が成功するまで繰り返し暗号化計測データ40のサーバ3Aへの送信を無線通信部21に実行させたりする。
表示処理部225によって表示部25に表示される全体検針状態リストおよび装置別検針状態リストは、図18および図19に示す例に限定されない。図20は、実施の形態3にかかる携帯端末の表示部に表示される全体検針状態リストの他の例を示す図であり、図21は、実施の形態3にかかる携帯端末の表示部に表示される装置別検針状態リストの他の例を示す図である。
図20に示す全体検針状態リスト80Aには、認証済計測装置の送受信ログと、未認証計測装置の送受信ログとが含まれる。表示処理部225は、記憶部23Bに記憶された認証済情報に装置IDが含まれる計測装置1の送受信ログを認証済計測装置の送受信ログとして表示部25に表示させ、記憶部23Bに記憶された認証済情報に装置IDが含まれない計測装置1の送受信ログを未認証計測装置の送受信ログとして表示部25に表示させる。
認証済計測装置の送受信ログには、「計測装置No」の枠毎に「最終計測日」の枠、「計測値」の枠、および「送信済」の枠が含まれる。図20に示す「計測装置No」の枠、「最終計測日」の枠、および「送信済」の枠は、図18に示す「計測装置No」の枠、「最終計測日」の枠、および「送信済」の枠と同様である。
「計測値」の枠内には、暗号化計測データ40に含まれる暗号化計測値403が復号化された計測値が示される。「計測値」の枠内に示される計測値は、例えば、暗号化計測データ40に含まれる暗号化計測値403が認証処理部226によって復号化されて得られる計測値である。
未認証計測装置の送受信ログには、「計測装置No」の枠毎に「最終計測日」の枠、および「送信済」の枠が含まれるが、「計測値」の枠は含まれない。図20に示す「計測装置No」の枠、「最終計測日」の枠、および「送信済」の枠は、図18に示す「計測装置No」の枠、「最終計測日」の枠、および「送信済」の枠と同様である。
図20に示す全体検針状態リスト80Aには、認証ボタン86が含まれている。携帯端末2Bのユーザは、入力部24を操作して未認証計測装置の送受信ログにおける複数の計測装置1の装置IDを示す複数の枠内の領域のうちの1つの枠内の領域を選択し、入力部24を操作して認証ボタン86を選択することで計測装置選択操作と認証操作とを行うことができる。
認証処理部226は、認証ボタン86が選択された場合、選択された領域の計測装置1の装置ID401を含む暗号化計測データ40に含まれる暗号化計測値403を認証操作の対象とし、認証操作によって入力された認証コードを復号キーとして復号化する。認証処理部226は、復号化した計測値を認証操作の対象となった暗号化計測データ40に関連付けて記憶部23Bに記憶させる。また、表示処理部225は、認証操作の対象となる暗号化計測データ40に関連付けられた復号化した計測値を含む装置別検針状態リストを表示部25に表示させる。
図21に示すように、表示部25に表示される装置別検針状態リスト81Aには、「計測日時」の枠、「計測値」の枠、および「送信済」の枠が含まれる。図21に示す「計測日時」の枠および「送信済」の枠は、図19に示す「計測日時」の枠および「送信済」の枠と同じである。また、図21に示す「計測値」の枠は、図20に示す認証済計測装置の送受信ログの「計測値」の枠と同じである。
また、図21に示す装置別検針状態リスト81Aには、図19に示す装置別検針状態リスト81と同様に、送信ボタン82が含まれている。携帯端末2Bのユーザは、入力部24を操作して複数の計測日時を示す複数の枠内の領域のうちの1つの枠内の領域を選択し、入力部24を操作して送信ボタン82を選択することができる。送信処理部222は、送信ボタン82が選択された場合、送信操作が行われたと判定し、ユーザによって指定された領域の計測日時を含む暗号化計測データ40を記憶部23Bから取得する。そして、送信処理部222は、取得した暗号化計測データ40をサーバ3Aへ送信する処理を無線通信部21に実行させ、送受信ログデータ41を更新する。
つづいて、検針システム100Bの動作について、さらに詳細に説明する。図22は、実施の形態3にかかる検針システムの計測装置、携帯端末、サーバ、およびユーザ端末における動作の流れを示すシーケンス図である。図22に示す例では、自動検針処理102に代えて、自動検針処理102Bが実行される点で、図13に示す例と異なる。自動検針処理102BのステップS5~S7の処理は、自動検針処理102のステップS5~S7の処理と同じである。
図22に示すように、携帯端末2Bの処理部22Bは、ステップS6の処理で暗号化計測データ40を記憶部23Bに記憶させた後、暗号化計測データ40に含まれる装置ID401および計測日時402を送受信ログデータ41に追加することで、送受信ログデータ41を更新する(ステップS12)。そして、処理部22Bは、ステップS7の処理で暗号化計測データ40を無線通信によってサーバ3Aへ送信できた場合、ステップS12で送受信ログデータ41に追加した装置ID401および計測日時402に送信済みを示す情報を送信有無情報として関連付けることで、送受信ログデータ41を更新する(ステップS13)。
つづいて、フローチャートを用いて携帯端末2Bの自動検針処理102Bを説明する。図23は、実施の形態3にかかる携帯端末の自動検針処理の一例を示すフローチャートである。図23に示すステップS90,S91,S93,S97は、図7に示すステップS30,S31,S32,S34と同じであるため、説明を省略する。
携帯端末2Bの処理部22Bは、ステップS91の処理で暗号化計測データ40を記憶部23Bに記憶させた後、送受信ログデータ41を更新する(ステップS92)。ステップS92の処理において、処理部22Bは、ステップS91の処理で記憶部23Bに記憶させた暗号化計測データ40に含まれる装置ID401および計測日時402を送受信ログデータ41に追加することによって、送受信ログデータ41を更新する。
また、処理部22Bは、ステップS93の処理で暗号化計測データ40をサーバ3Aへ無線通信部21に送信させた後、送受信ログデータ41を更新する(ステップS94)。ステップS94の処理において、処理部22Bは、ステップS92で送受信ログデータ41に追加した装置ID401および計測日時402に送信済みを示す情報を送信有無情報として関連付けることで、送受信ログデータ41を更新する。
処理部22Bは、ステップS94の処理が終了した場合、または暗号化計測データ40が無線通信部21で受信されていないと判定した場合(ステップS90:No)、送受信ログ表示操作があるか否かを判定する(ステップS95)。処理部22Bは、送受信ログ表示操作があると判定した場合(ステップS95:Yes)、送受信ログ表示処理を実行する(ステップS96)。ステップS96の送受信ログ表示処理は、図24に示すステップS101~S111の処理であり、後で詳述する。
処理部22Bは、ステップS96の処理が終了した場合、または送受信ログ表示操作がないと判定した場合(ステップS95:No)、動作終了の操作があるか否かを判定する(ステップS97)。
図24は、実施の形態3にかかる携帯端末の送受信ログ表示処理の一例を示すフローチャートである。図24に示すように、処理部22Bは、記憶部23Bに記憶された送受信ログデータ41に基づいて、全体検針状態リスト80,80Aのいずれかを表示部25に表示させる(ステップS101)。
次に、処理部22Bは、計測装置選択操作があるか否かを判定する(ステップS102)。処理部22Bは、計測装置選択操作があると判定した場合(ステップS102:Yes)、認証操作があるか否かを判定する(ステップS103)。処理部22Bは、認証操作があると判定した場合(ステップS103:Yes)、認証操作で入力された認証コードを計測装置1へ送信し、計測装置1との通信接続が成功したか否かを判定する(ステップS104)。
処理部22Bは、計測装置1との通信接続が成功したと判定した場合(ステップS104:Yes)、計測装置選択操作で指定された計測装置1の装置IDを含む暗号化計測値403を復号化する(ステップS105)。処理部22Bは、復号化した計測値を記憶部23Bに記憶させる(ステップS106)。
処理部22Bは、ステップS106の処理が終了した場合、認証操作がないと判定した場合(ステップS103:No)、または計測装置1との通信接続が成功していないと判定した場合(ステップS104:No)、装置別検針状態リスト81,81Aを表示部25に表示させる(ステップS107)。
次に、処理部22Bは、送信操作があるか否かを判定する(ステップS108)。処理部22Bは、送信操作があると判定した場合(ステップS108:Yes)、送信操作の対象となる暗号化計測データ40を送信する(ステップS109)。
処理部22Bは、ステップS109の処理が終了した場合、または送信操作がないと判定した場合(ステップS108:No)、全体検針状態リスト80,80Aが選択されたか否かを判定する(ステップS110)。処理部22Bは、全体検針状態リスト80,80Aが選択されたと判定した場合(ステップS110:Yes)、処理をステップS101に移行する。
処理部22Bは、全体検針状態リスト80,80Aが選択されていないと判定した場合(ステップS110:No)、または計測装置選択操作がないと判定した場合(ステップS102:No)、リスト表示終了操作があるか否かを判定する(ステップS111)。処理部22Bは、リスト表示終了操作がないと判定した場合(ステップS111:No)、処理をステップS102に移行し、リスト表示終了操作があると判定した場合(ステップS111:Yes)、図24に示す処理を終了する。
上述した例では、携帯端末2Bの処理部22Bは、計測装置1から受信した計測データに基づき、送受信ログデータ41に新たに装置ID401と計測日時402を追加するが、サーバ3Aから特定ユーザの装置IDのリストをさらに取得することもできる。携帯端末2Bのユーザが検針員である場合、特定ユーザの装置IDのリストは、検針対象となる計測装置1の装置IDのリストである。サーバ3Aは、携帯端末2Bのユーザ毎に装置IDのリストを記憶しており、携帯端末2Bからの要求に応じて、携帯端末2Bのユーザ毎に設定された装置IDのリストを携帯端末2Bへ送信することができる。処理部22Bは、特定ユーザの装置IDのリストと、実際に計測装置1から受信することで得られた装置IDとを比較し、比較した結果を表示部25に表示させることができる。これにより、携帯端末2Bのユーザは、検針漏れの有無を容易に把握することができる。
また、携帯端末2Bの処理部22Bは、検針対象となる計測装置1の位置が地図上に表示された地図データをサーバ3Aから取得し、取得した地図データに基づいて、計測装置1の位置が表示された地図を表示部25に表示させることができる。地図データに位置が表示される計測装置1は、例えば、特定ユーザの装置IDのリストに装置IDが含まれる計測装置1である。処理部22Bは、地図に示される検針漏れがある計測装置1を強調表示することができる。これにより、携帯端末2Bのユーザは、上述した比較結果に基づいて、検針漏れがある計測装置1を判定し、検針漏れがある計測装置1の位置が容易に把握できることから、検針システム100Bは、迅速な検針をサポートすることができる。
実施の形態3にかかる処理部22Bのハードウェア構成例は、図9に示す処理部22のハードウェア構成と同じである。処理部22Bのプロセッサ201は、メモリ202に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、データ取得部221、送信処理部222、データ削除部223、リスト更新部224、表示処理部225、および認証処理部226の機能を実行することができる。
以上のように、実施の形態3にかかる検針システム100Bの携帯端末2Bは、計測装置1からの暗号化計測データ40の受信ログと、暗号化計測データ40のサーバ3Aへの送信ログとを含む送受信ログを表示する。これにより、携帯端末2Bのユーザは、計測装置1から暗号化計測データ40を取得できたかどうかおよび携帯端末2Bからサーバ3Aへ正常に暗号化計測データ40を送信できたかどうかを容易に確認することができる。
また、携帯端末2Bは、記憶部23Bと、処理部22Bとを備える。記憶部23Bは、暗号化計測データに40含まれる暗号化された計測値を復号化する復号キーを記憶する。処理部22Bは、ユーザによって入力された認証コードに基づいて、計測装置1との間で通信接続を行うための処理を行い、通信接続が成功した場合に、記憶部23Bに記憶された復号キーで暗号化計測データ40に含まれる暗号化された計測値を復号化し、復号化した計測値を送受信ログに含めて表示部25に表示させる。これにより、携帯端末2Bのユーザは、計測値を容易に確認することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。