JP7496968B2 - 放射線検出器 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体材料が用いられた放射線検出器に関する。
放射線の空間線量を測定するために、各種の放射線検出器が使用されている。放射線検出器として、気体が放射線を吸収する際の電離を電気的に検出する電離箱と、半導体が放射線を吸収する際に形成された電子正孔対を電気的に検出する半導体放射線検出器が知られている。気体の密度は半導体(固体)よりも低く吸収係数が小さいことに起因して、単位体積当たりの検出感度は半導体放射線検出器の方が電離箱よりも高い。
半導体放射線検出器としては、例えば特許文献1に記載されるように、材料としては例えばシリコン(Si)やゲルマニウム(Ge)等が用いられ、そのpn接合(あるいはpin接合)を用いたものが知られている。この際、これらの材料で構成された半導体層は、検出する放射線(γ線等)が十分に吸収される程度に厚くされる。一方、吸収した放射線のエネルギーを認識するためには、放射線吸収に伴って生成された電子正孔対を全て電気的に検出する必要があるために、このような厚い半導体層は、一般的には外部電源を用いて検出時においては厚さ方向でほぼ全域にわたり空乏化される。
一方、半導体のpn接合を利用し、放射線ではなく可視光から起電力を発生させる太陽電池も知られている。太陽電池の構造は、例えば特許文献2に記載されている。太陽電池においても、例えばSiが用いられ、他にカドミウムテルル(CdTe)、インジウムガリウム燐(InGaP)、銅インジウムセレン(CuInSe)等の、禁制帯幅が1~2eVである化合物半導体も用いられる。これらの半導体材料中における可視光の吸収係数は、前記の放射線(γ線等)の吸収係数と比べて非常に大きいために、例えば数μmの厚さでも可視光はこれらの半導体層で充分吸収される。一方、発電効率を高くするためには半導体層は薄いことが好ましいため、太陽電池における半導体層の厚さは例えば数μm程度とされる。
このように、半導体放射線検出器と太陽電池は類似の材料で構成され、かつpn接合が用いられている点で類似している。このため、原理的には、非特許文献1に記載されるように、太陽電池を用いて半導体放射線検出器(太陽電池型放射線検出器)を実現することもできる。この場合には、大量生産される太陽電池を用いることによって、この太陽電池型放射線検出器を安価に得ることができる。
特開2018-17509号公報 特開2016-192499号公報
Y.Okuno、M.Yamaguchi、N.Okubo and M.Imaizumi、「Degradation Prediction of a γ-ray Radiation Dosimeter Using InGaP Solar Cells in a Primary Contaminent Vessel of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station」、 https//doi/org.10.1080/00223131.2019.1691072(2019年)
非特許文献1に記載されるように、このような太陽電池型放射線検出器においては、特に高線量率の環境下において、放射線線量の増加に伴って放射線検出器としての特性が劣化した。このため、放射線耐性の高い安価な放射線検出器が望まれた。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明の放射線検出器は、膜厚方向に入射した放射線のエネルギーの一部のみを吸収し、CdTe、GaAs、InGaP、CuInSe のいずれかを含み禁制帯幅が1~2eVである半導体材料で構成され、p型層とn型層とが前記膜厚方向で積層されたμm以下の厚さの板状の半導体層と、前記p型層に接続されたp側電極と、前記n型層に接続されたn側電極と、を具備する検出ユニットが、前記半導体層に対する可視光の入射が抑制された状態で、前記膜厚方向に沿って複数積層されたことを特徴とする。
本発明の放射線検出器は、複数の前記検出ユニットにおける前記p側電極同士が接続された共通の第1出力端子、及び複数の前記検出ユニットにおける前記n側電極同士が接続された共通の第2出力端子を、具備することを特徴とする。
本発明の放射線検出器において、前記p側電極又は前記n側電極が、前記半導体層に対する可視光の入射を抑制する遮光層とされたことを特徴とする
本発明は以上のように構成されているので、放射線耐性の高い安価な放射線検出器を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る放射線検出器の構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る放射線検出器において用いられる検出ユニットの構造を示す断面図である。 検出ユニットにおける放射線検出の原理を示す図である。 検出ユニットにおける出力電流と吸収線量の関係を測定した結果である。 本発明の実施の形態に係る放射線検出器の等価回路及び測定の際の接続を示す図である。 比較例及び実施例における出力電流と吸収線量の関係を測定した結果である。
本発明の実施の形態に係る放射線検出器1の構成を図1に模式的に示す。ここでは、放射線検出器1は、同一構造の検出ユニット10が5層に積層されており、検出ユニット10から、正側端子11Aと負側端子12Aが取り出される。全ての正側端子11Aは正側出力配線21に、全ての負側端子12Aは負側出力配線22に接続される。正側出力配線11Aは第1出力端子21Aに、負側出力配線22は第2出力端子22Aに接続され、第1出力端子21A、第2出力端子22Aからこの放射線検出器1の出力電流が取り出される。
各検出ユニット10は同一の薄板形状の構成を具備し、その膜厚方向にわたり検出ユニット10は積層されている。検知すべき対象となる放射線は、例えば60Coから放射されるγ線であり、その入射方向は図1において矢印で示されるように、検出ユニット10の積層方向(膜厚方向)と等しい。図1においては、隣接する検出ユニット10間は空隙とされているが、この構成を維持するために各検出ユニット10の外周部分を連結する支持部を設ける、あるいは隣接する検出ユニット10間に、放射線の吸収係数が小さくかつ絶縁性の材料で構成された層を介在させてもよい。
図2は、検出ユニット10の構造を示す厚さ方向に沿った断面図である。ここでは、p型の半導体からなるp型層13の上にn型の半導体からなるn型層14が形成された半導体層10Aが用いられる。p型層13、n型層14を構成する半導体材料としては、禁制帯幅Eが1~2eVの範囲である化合物半導体であるGaInP、GaAs、CdTe、CuInSeが用いられ、これらの間でpn接合が形成される。これらの材料は、可視光によって起電力を発生する太陽電池において用いられるものであり、p型層13、n型層14の積層構造についても、通常知られるこれらの材料を用いた太陽電池と同様である。なお、p型層13とn型層14が同一の材料で構成される必要はなく、これらの間でヘテロ接合が形成されていてもよい。この点についても太陽電池と同様である。また、半導体層10Aにおいて、上記のp型層13、n型層14以外の層が設けられていてもよい。
また、半導体層10Aの厚さは、1~100μmの範囲であり、例えば数μmとされる。この厚さも、太陽電池におけるものと同様である。可視光が仮にこの半導体層10Aに厚さ方向で入射した場合にはほぼ全てが吸収されるが、γ線がこの半導体層に入射した場合には、そのエネルギーの一部のみしか吸収されない。
また、図2における下面側には、p型層13とオーミック接触するp側電極11が、上面側にはn型層14とオーミック接触するn側電極12がそれぞれp型層13、n型層14の全面にわたり形成されている。p側電極11、n側電極12はそれぞれ光学的に不透明な金属材料で構成され、例えば半導体層をInGaPで構成した場合には、p側電極11の材料としてはAgZn、AuZn、n側電極12の材料としてAuGe/Niが用いられる。ただし、これらは複数の金属層からなる積層構造とされていてもよい。p側電極11、n側電極12の厚さは例えば100nm~500nm程度とされ、これらに対する可視光の透過率はほぼ零となるため、p側電極11、n側電極12は、半導体層10Aに対して入射する可視光を遮る遮光層として機能する。一方、これらによる放射線(γ線)の吸収は僅かであり、その透過率は100%に近い。すなわち、検出ユニット10は、半導体層10Aに対する可視光の入射が抑制されたこと以外については、既存の太陽電池と同様の構造を具備する。
また、図2において、図1における正側端子11Aは下面側のp側電極11の一部に対して接続され、図1における負側端子12Aは上面側のn側電極12の一部に対して接続される。このため、図1の構成においては、各検出ユニット10におけるpnダイオードが並列に接続される。
また、p型層13、n型層14の不純物(アクセプタ、ドナー)濃度、厚さは、p側電極11、n側電極12にバイアスを印加しない場合において、半導体層中の空乏層が厚さ方向の大部分に形成されるように設定される。こうした構成の半導体層は、例えばエピタキシャル成長等によって製造することができる。上記の検出ユニット10の構造は、半導体層10Aに対して遮光がされている点以外については、上記の化合物半導体を用いた太陽電池と同様である。
このため、上記の検出ユニット10としては、既存の太陽電池を用いることができる。この際、太陽電池としてはp側電極又はn側電極として可視光透過率が高い透明電極が用いられている場合が多いが、透明電極上に金属等で構成された遮光層を形成することによって、実質的に上記の検出ユニット10と同等の構造を得ることができる。
周知のように、半導体層の禁制帯幅Eよりも大きなエネルギー、例えば2eV程度のエネルギーをもつ1個の可視光光子がこの半導体層に入射した場合には1組の電子正孔対が形成されると同時にこの可視光光子は消滅する。太陽電池は、これによって生成された電子正孔対に起因して起電力を出力する。
これに対して、1個のγ線光子(エネルギー>>E)がこの半導体層に入射した場合には、半導体層10Aがγ線光子のエネルギーからその一部Eを吸収して多数の電子正孔対が生成され、1組の電子正孔対を生成するエネルギーをεとすると、電子正孔対の数NEHはE/εとなる。
図3は、図2の検出ユニット10にγ線光子が入射した際の状況を模式的に示す図である。図3においては、このγ線光子の進路がGとして示されている。電子正孔対(正孔H、電子E)は、この進路Gに沿って多数形成される。電子正孔対における正孔Hは、空乏層D中の内部電界Einでp側電極11側に流れ、電子Eはn側電極12側に流れる。これによって、p側電極11・n側電極12間を短絡した場合の電流(短絡電流)が流れる。この電流はNEHに比例するため、Eに比例する。半導体層10Aが検出ユニット10の大部分を占める場合には、この検出ユニット10が吸収した放射線量(吸収線量:Gy)は、放射線による検出ユニット10の吸収エネルギーをEcell、検出ユニット10の質量Mcellを用いてEcell/Mcell(Gy)となる。一つのγ線光子の入射に際しての検出ユニット10の吸収エネルギーは半導体層10Aの吸収エネルギーEで近似できるため、結局、上記の電流値は放射線量に比例し、電流値より、検出ユニット10の吸収線量を算出することができる。
図4は、半導体層10AとしてCdTe、InGaPを用い、60Coからのγ線(1.17MeV、1.33MeV)を照射した場合における、上記の検出ユニット10となる太陽電池における線量率と出力電流の関係を測定した結果である。ここで、半導体層10Aの面積は0.5cm×2.0cmとされた。いずれの材料を用いた場合においても、線量率と電流は比例しており、上記の電流から検出ユニット10の吸収線量を算出することができる。
ここで、半導体層10Aが厚いほど半導体層10Aに吸収されるエネルギーであるEを大きくすることができ、NEHを大きくして出力電流を大きくして検出感度を高めることができる。一方で、非特許文献1に記載されたように、特に放射線量の高い環境下では、放射線(γ線)のドーズ量の増大に伴って出力電流が減少するという、放射線損傷による特性劣化が生ずる。これに対して、M.Yamaguchi、K-H Leel、K.Araki、 N.Kojima、Y.Okuno and M.Imaizumi、「Analysis for Radiation Degradation of Advanced Si Space Solar Cells」、IEEE 46th Photovoltaic Specialists Conference(2019年)で報告されたように、このような特性劣化は、半導体層10Aが厚いほど大きくなる。すなわち、放射線損傷による特性劣化を抑制するためには、半導体層10Aが薄いことが好ましい。このため、半導体層10Aを薄くすることによって、検出ユニット10の放射線損傷によって発生する劣化を抑制する、あるいは、個々の検出ユニット10の放射線損傷に対する寿命を長くすることができる。
このため、図1の構成においては、各検出ユニット10(半導体層10A)を薄くして各半導体層10AにおけるEを入射するγ線のエネルギーよりも十分に小さくすると共に、複数の検出ユニット10からの出力電流が積算されて第1出力端子21A、第2出力端子22Aから取り出される。各検出ユニット10が同一の構造を具備すれば、このように積算された出力電流は各検出ユニット10におけるEの総和に比例するため、この出力電流によって、放射線検出器1における吸収線量を算出することができる。
また、検出ユニット10単体の出力電流を大きくして検出感度を高めるためには、その面積(半導体層10Aの面積)を大きくすることが有効である。しかしながら、放射線量の測定は一般的には測定箇所毎に行われるため、この測定箇所に対しての位置分解能を高くするためには、検出ユニット10の面積は小さいことが好ましく、例えば半導体層10Aは1cm×1cm程度の大きさとされる。この場合においては、図4の結果より、前記の出力電流はpAレベルとなる場合があり、検出ユニット10単体からの出力電流の検出が困難となる場合がある。
これに対して、この放射線検出器1においては、複数の検出ユニット10からの出力電流が積算されて出力されるため、出力電流を大きくすることができ、これによって検出感度を高めることができる。図5は、この放射線検出器1の等価回路及びこれが使用される際の構成を示す図である。検出ユニット10の基本的構成はダイオードであるが、これに対する直列抵抗R、並列抵抗RSHが寄生成分として存在する。各検出ユニット10からの出力電流は右側からIR1、IR2、IR2・・・となり、この電流の向きはダイオードの逆方向となる。第1出力端子21A、第2出力端子22Aから取り出される出力電流はIR1、IR2、IR2・・・の総和となり、ピコアンメータ―(微小直流電流計)40で検出され、PC(パーソナルコンピュータ)50でその値を認識することができる。PC50においては、事前に記憶された換算係数を用いて電流値から線量率を算出することができる。この際、PC50、ピコアンメータ―40の電力源として電源60が用いられるが、従来の半導体放射線検出器においては検出時に半導体層全体を空乏化するために高電圧が用いられたのに対し、この放射線検出器1に対する電力供給は不要である。
図5において、並列抵抗RSHが小さな場合にはRSHを介した経路に電流が流れやすくなるために第1出力端子21A、第2出力端子22A側への電流が抑制される。同様に、直列抵抗Rが大きな場合にも、第1出力端子21A、第2出力端子22A側に流れる電流が抑制される。このため、並列抵抗RSHは十分大きく(理想的には無限大)、Rは十分小さい(理想的には0Ω)であることが好ましい。半導体層10A(p型層13、n型層14)の不純物濃度等は、こうした点を考慮して設定される。
あるいは、既存の太陽電池用に製造された半導体層10Aとして、こうした特徴を有するものを選定して用いることができる。このため、上記の放射線検出器1を容易かつ安価に製造することができる。
上記のように各検出ユニット10における放射線損傷による劣化を抑制するためには、各検出ユニット10におけるEを小さくすることが有効であり、このためには半導体層10Aを薄くすることが好ましい。この場合には図5における個々の出力電流IR1等が小さくなるために、使用する検出ユニット10の数を増やして積算後の出力電流を大きくすることが好ましい。
従来の半導体放射線検出器においては、入射したγ線光子のカウント数だけでなくγ線光子のエネルギーも同時に認識するために、1個のγ線光子のエネルギーのうち半導体放射線検出器で吸収される割合を高くすることが必要となり、かつ、1回のγ線光子の入射によって生成された電子正孔対の数NEHに対応した出力を認識することが必要となった。このためには、γ線光子の入射が1回ずつ分離されて認識されることが要求され、これは、放射線線量率が低い場合に対応する。
これに対して、この放射線検出器1においては、電離箱型線量計と同様に、入射したγ線光子のエネルギーに関する情報を得ることは不要であり、入射したγ線光子のエネルギーのうち、この放射線検出器1(全ての検出ユニット10)で吸収されるエネルギーの割合を低くしてもよい。更に、放射線線量率は、一定時間内におけるγ線光子の入射数に対応し、これは、複数回のγ線光子の入射によって生成された電子正孔対の数NEHの総数に対応し、個々のγ線光子の入射が分離されて認識される必要はない。このため、この放射線検出器1を、放射線線量率が高い場合に好ましく用いることができる。更に、前記のようにこの放射線検出器1における放射線損傷による劣化は小さいため、この放射線検出器1を、特に放射線線量率が高い場合に好ましく用いることができる。また、電離箱と異なり、素子が空気でなく固体で構成されるため、検出素子の単位体積あたりの感度は10-3高い。
上記の放射線検出器1として、CdTeで構成された半導体層10Aを具備する太陽電池を2つ用いた場合の、個々における線量率と出力電流の関係(比較例)、及びこれらを図に示されたように2層積層した場合(実施例)における線量率と出力電流の関係を調べた。ここで、半導体層10Aの厚さは5μmとされ、使用された線源は前記と同様に60Coである。図6は、これらの測定結果である。
図6において、2つの太陽電池それぞれの特性(比較例)は誤差の範囲内で同一であり、これらが積層された場合(実施例)においては、約2倍の出力電流が得られている。これは、各層で同一のEが得られていることを意味する。このため、積層数を更に増やせば、更なる出力電流の増大が見込まれる。また、各層で同一のEが得られているため、各層では入射γ線のエネルギーのうち一部のみしか吸収されていないことが明らかである。
なお、図1においては、検出ユニット10が並列に接続されて各検出ユニット10の出力電流が積算されて出力された。しかしながら、例えばこれらを直列に接続して出力を電圧として取り出す等の手法も可能である。すなわち、放射線検出器における各検出ユニットの接続方法、出力の取り出し法は適宜設定が可能である。また、同様に各検出ユニットで放射線のエネルギーの吸収によって生成された電子正孔対に起因する出力が得られる限りにおいて、半導体層の構造や電極の構造は任意である。また、図1の例では同一の検出ユニット10が積層して用いられたが、各検出ユニットが同一の構造を具備する必要はない。
また、上記の例ではこの放射線検出器(各検出ユニット)でγ線が検出されるものとしたが、積層された各検出ユニットの半導体層中で電子正孔対を同様に生成できる放射線であれば、上記と同様にこの放射線検出器で検出することができる。
また、半導体層で使用される半導体材料としては、上記の例の他にも、禁制帯幅が1~2eV程度でありpn接合を形成することができるものを用いることができる。こうした特性は、太陽電池を構成する半導体材料と共通する。また、半導体層の膜厚も太陽電池と同等とされるため、上記の検出ユニットとして、太陽電池を流用することができる。
1 放射線検出器
10 検出ユニット
10A 半導体層
11 p側電極
11A 正側端子
12 n側電極
12A 負側端子
13 p型層
14 n型層
21 正側出力配線
21A 第1出力端子
22 負側出力配線
22A 第2出力端子
40 ピコアンメータ―(微小直流電流計)
50 PC(パーソナルコンピュータ)
60 電源
H 正孔
E 電子

Claims (3)

  1. 膜厚方向に入射した放射線のエネルギーの一部のみを吸収し、CdTe、GaAs、InGaP、CuInSe のいずれかを含み禁制帯幅が1~2eVである半導体材料で構成され、p型層とn型層とが前記膜厚方向で積層されたμm以下の厚さの板状の半導体層と、
    前記p型層に接続されたp側電極と、
    前記n型層に接続されたn側電極と、
    を具備する検出ユニットが、
    前記半導体層に対する可視光の入射が抑制された状態で、前記膜厚方向に沿って複数積層されたことを特徴とする放射線検出器。
  2. 複数の前記検出ユニットにおける前記p側電極同士が接続された共通の第1出力端子、及び複数の前記検出ユニットにおける前記n側電極同士が接続された共通の第2出力端子を、具備することを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。
  3. 前記p側電極又は前記n側電極が、前記半導体層に対する可視光の入射を抑制する遮光層とされたことを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線検出器。
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