JP7496736B2 - 回転体のアンバランス算出方法及び算出装置 - Google Patents
回転体のアンバランス算出方法及び算出装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7496736B2 JP7496736B2 JP2020139550A JP2020139550A JP7496736B2 JP 7496736 B2 JP7496736 B2 JP 7496736B2 JP 2020139550 A JP2020139550 A JP 2020139550A JP 2020139550 A JP2020139550 A JP 2020139550A JP 7496736 B2 JP7496736 B2 JP 7496736B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vibration
- frequency
- rotating body
- rotation speed
- unbalance
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims description 27
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 claims description 45
- 238000004458 analytical method Methods 0.000 claims description 25
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 claims description 22
- 230000005284 excitation Effects 0.000 claims description 19
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 claims description 14
- 238000012546 transfer Methods 0.000 claims description 13
- 238000005259 measurement Methods 0.000 claims description 8
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 description 35
- 230000008859 change Effects 0.000 description 11
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 description 6
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 5
- 238000003754 machining Methods 0.000 description 5
- 230000008569 process Effects 0.000 description 5
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 3
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 3
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 3
- 230000004044 response Effects 0.000 description 3
- 230000001131 transforming effect Effects 0.000 description 2
- 230000009471 action Effects 0.000 description 1
- 238000013459 approach Methods 0.000 description 1
- 238000012937 correction Methods 0.000 description 1
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 description 1
- 230000003111 delayed effect Effects 0.000 description 1
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 1
- 239000006185 dispersion Substances 0.000 description 1
- 239000000284 extract Substances 0.000 description 1
- 238000000227 grinding Methods 0.000 description 1
- 238000003801 milling Methods 0.000 description 1
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 1
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 1
- 238000004904 shortening Methods 0.000 description 1
- 230000007704 transition Effects 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Testing Of Balance (AREA)
Description
例えば特許文献1では、工作機械の主軸に装着された工具を所定の回転数で回転させた際の振動振幅を測定し、そのピーク値の振動の平均値が、基準工具を装着した場合のピーク値の平均値より大きい場合、工具にアンバランスがあると判断する技術が示されている。
しかしながら、回転体を所定の回転数で回転させた状態で振動振幅を測定する技術では、所定の回転数に到達するまでアンバランス状態であるか否かの判断が行えないため、所定の回転数に到達する前に工具が脱落する事故が発生したり、所定の回転数に到達し加工開始できる状態であるにもかかわらずアンバランス状態であるかの判断を待機するため加工開始が遅延したりするおそれがある。
特許文献2では、振動センサの信号を時間空間ではなく、回転角度空間の信号としてサンプリングして取り扱うことで、回転数が変化することでアンバランスによる加振力の周波数が変化してアンバランス振動の周波数が分散しても一括して扱うことができ、信号処理を簡単に行うことができる技術が示されている。
特許文献3では、工作機械の主軸の回転開始から定速状態に至るまでの振動信号を処理して算出した振動データを閾値と比較して、アンバランス状態であることを判別して主軸の回転を停止する技術が示されている。特に、振動信号に対して、広い周波数範囲の情報を集約するような働きをする実効値を算出する手法を示しており、回転数が変化することでアンバランスによる加振力の周波数が変化してアンバランス振動の周波数が分散していても一括して扱うことができると考えられる。
これらを全て同時に解決しなければ、所定の回転数に到達した際のアンバランスの程度(例えば、指令回転数における振動変位の大きさ)または回転数に依存しないアンバランスの程度(質量と長さの積の次元を持つ、アンバランス量)を精度良く予測し、算出することができないため、危険な大きさの振動が生じる回転数に到達するまでアンバランス状態であることを検出することができない。この場合、危険な状態であることの警告や安全な状態に遷移させるための制御を実行できるタイミングが遅くなってしまい、重大な事故が生じる前に回転体を停止するといったような対応を完了することができなくなるおそれがある。
特許文献3では、実効値を算出する際に異なる複数の周波数の情報が混ざってしまうが、実効値を算出する前に振動波形にバンドパスフィルタ等を用いることで(1)の課題に対する一定の効果はある。しかし、特許文献2と同様に(2)と(3)との課題を認識していないため、適切な閾値を設定することができない。
前記回転体の角度または角周波数または回転数のいずれか一つと、前記回転体の振動と、を同時に測定する測定ステップと、
前記測定ステップで測定したデータの任意の区間を選択して前記振動を周波数分析し、選択した区間内の代表となる回転周波数で前記回転体が一定回転している場合の前記代表となる回転周波数に対応するアンバランス振動振幅を、一定回転数換算振動振幅として算出する一定回転数換算振動振幅算出ステップと、
前記一定回転数換算振動振幅を、前記代表となる回転周波数の2乗で除算し、さらに前記代表となる回転周波数における前記回転体のアンバランスによる加振力から前記回転体の振動への伝達関数で除算して、得られた値に基づいてアンバランス評価指標を算出する、アンバランス評価指標算出ステップと、を実行することを特徴とする。
第1の発明の別の態様は、上記構成において、前記一定回転数換算振動振幅算出ステップは、選択した区間の角度または角周波数または回転数のいずれか一つを用いて代表となる回転周波数の割合を振動の周波数分析と同一の周波数ごとに算出し、前記代表となる回転周波数の割合と前記代表となる回転周波数に対応する振動の大きさとの比を、一定回転数換算振動振幅として算出することを特徴とする。
第1の発明の別の態様は、上記構成において、前記一定回転数換算振動振幅算出ステップは、代表となる回転周波数の割合を算出する際に、角度の振幅が1の正弦関数の値を算出し、前記正弦関数の値を周波数分析して前記代表となる回転周波数の割合を算出することを特徴とする。
第1の発明の別の態様は、上記構成において、前記一定回転数換算振動振幅算出ステップは、選択した区間の回転周波数にまたがる振動振幅から計算されるアンバランス振動の物理量の合計が、代表となる回転周波数で一定回転している場合の前記代表となる回転周波数に対応するアンバランス振動の物理量と等価であると近似して、一定回転数換算振動振幅を算出することを特徴とする。
第1の発明の別の態様は、上記構成において、前記アンバランス振動の物理量は、回転体半径方向の振動エネルギーと運動エネルギーとの合計、もしくは前記回転体半径方向の運動量、もしくは前記回転体半径方向の振動振幅、のいずれか、もしくは組み合わせであることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明のうち、第2の発明は、回転体の回転数が変化しているときに前記回転体のアンバランスを算出する装置であって、
前記回転体の角度または角周波数または回転数のいずれか一つと、前記回転体の振動と、を同時に測定する測定部と、
前記測定部で測定したデータの任意の区間を選択して前記振動を周波数分析し、選択した区間内の代表となる回転周波数で前記回転体が一定回転している場合の前記代表となる回転周波数に対応するアンバランス振動振幅を、一定回転数換算振動振幅として算出する一定回転数換算振動振幅算出部と、
前記一定回転数換算振動振幅を、前記代表となる回転周波数の2乗で除算し、さらに前記代表となる回転周波数における前記回転体のアンバランスによる加振力から前記回転体の振動への伝達関数で除算して、得られた値に基づいてアンバランス評価指標を算出する、アンバランス評価指標算出部と、を備えることを特徴とする。
第2の発明の別の態様は、上記構成において、前記一定回転数換算振動振幅算出部は、選択した区間の角度または角周波数または回転数のいずれか一つを用いて代表となる回転周波数の割合を振動の周波数分析と同一の周波数ごとに算出し、前記代表となる回転周波数の割合と前記代表となる回転周波数に対応する振動の大きさとの比を、一定回転数換算振動振幅として算出することを特徴とする。
第2の発明の別の態様は、上記構成において、前記一定回転数換算振動振幅算出部は、代表となる回転周波数の割合を算出する際に、角度の振幅が1の正弦関数の値を算出し、前記正弦関数の値を周波数分析して前記代表となる回転周波数の割合を算出することを特徴とする。
第2の発明の別の態様は、上記構成において、前記一定回転数換算振動振幅算出部は、選択した区間の回転周波数にまたがる振動振幅から計算されるアンバランス振動の物理量の合計が、代表となる回転周波数で一定回転している場合の前記代表となる回転周波数に対応するアンバランス振動の物理量と等価であると近似して、一定回転数換算振動振幅を算出することを特徴とする。
第2の発明の別の態様は、上記構成において、前記アンバランス振動の物理量は、回転体半径方向の振動エネルギーと運動エネルギーとの合計、もしくは前記回転体半径方向の運動量、もしくは前記回転体半径方向の振動振幅、のいずれか、もしくは組み合わせであることを特徴とする。
本発明の別の態様によれば、上記効果に加えて、代表となる回転周波数の割合を振動の周波数分析と同一の周波数ごとに算出し、当該割合と代表となる回転周波数に対応する振動の大きさとの比を、一定回転数換算振動振幅として算出するので、算出精度が高くなる。
(第1の実施形態)
図1は、工具が取り付けられた工作機械の主軸を回転体の一例として、工作機械と一体となった回転体のアンバランス算出装置の構成を示したブロック図で、この図に基づいて具体的に説明する。
主軸1には、加工を行うための工具2が回転可能な状態で固定されている。モータ3は、主軸1を駆動する。モータ3には回転検出器4が設けられて、測定されたモータ3の回転数が制御装置5に入力されるようになっている。制御装置5は、予めNCプログラムに記述された回転数変更指令に従って、回転検出器4で測定されたモータ3の回転数を指令回転数に変更および維持するようにモータ3へ供給する電流の制御を行っている。表示部6には、回転検出器4で測定されたモータ3の現在の回転数や制御装置5が発する警告が表示される。
振動センサ7で測定される振動加速度は、A/D変換部8でデジタル値に変換される。
記録部9は、振動測定時の主軸1の角度と振動加速度とを記録する。また、記録部9は、あらかじめ測定された回転体のアンバランスによる加振力から回転体の振動への伝達関数と回転体の質量とを記憶している。記録部9に、制御装置5で実行される主軸回転指令や回転数変更指令を記録し、アンバランスを算出するタイミングを決定してもよい。
回転検出器4、振動センサ7、A/D変換部8、記録部9が本発明の測定部として機能する。
演算部10は、測定した振動データを周波数分析し、代表となる回転周波数の振動振幅を抽出して、当該回転周波数の割合や物理量の比較により、当該回転周波数で一定回転した場合のアンバランス振動振幅を算出する。また、演算部10は、回転体のアンバランスによる加振力から回転体の振動への伝達関数を用いて、アンバランス評価指標を算出する。演算部10は、本発明の一定回転数換算振動振幅算出部及びアンバランス評価指標算出部として機能する。
判定部11は、演算部10で算出されたアンバランス評価指標を、予め設定された閾値と比較し、比較結果を制御装置5へ出力する。
主軸1の回転数を指令回転数fORDに変更する指令が制御装置5に出され、回転数がfORDに近づくように変化している状態を想定する。
まず、回転検出器4で主軸1の角度を、振動センサ7で振動加速度を測定する(S1)。測定値がアナログ信号出力されるのであれば、A/D変換部8を介してデジタル信号として時刻tの主軸1の角度θ(t)と、振動センサ7の振動加速度a(t)とを時系列データとして記録部9に記録する(S2(S1~S2:測定ステップ))。
次に、数1のように、主軸1の角度θ(t)を振幅が1の正弦関数に代入し時系列の正弦関数値SW(t)を算出する。なお、本技術において信号を周波数分析する際には、信号の位相情報に着目しないことから、主軸1の角度θ(t)の原点の取り方は任意であり、正弦関数の位相θ0は任意の値を採用して差し支えない。このため、主軸1の角度θ(t)ではなく、主軸1の回転数fROT(t)を測定、記録した場合には、主軸1の回転数fROT(t)を積分した値を主軸1の角度θ(t)として用いることが可能である。また、正弦関数と呼称しているが、位相θ0が任意のため、実質的に余弦関数となる場合なども包含する。
なお、特に回転体が単位時間に回転する回数(回転周波数)を表現する場合に回転数と表現しているが、回転数と周波数とは同一の物理量であり、回転数fに関連する情報は周波数分析した際の周波数fの成分に現れる。また、周波数分析の方法としては、S3と同一の方法を使うことが望ましい。例えば、S3において振動加速度a(t)に対して窓関数としてハン窓を乗算したのちフーリエ変換したのであれば、同様に正弦関数値SW(t)に対してハン窓を乗算したのちフーリエ変換するとよい。窓関数により振動振幅の大きさA(f)が変化する倍率と窓関数により回転数の割合R(f)が変化する倍率とが同等となるため、後述するS5において両者の比として一定回転数換算振動振幅A*(f)を算出することで相殺されて誤差が最小となるためである。なお、窓関数以外に計算処理等の影響を受ける場合であっても分子分母で相殺できることは明らかである。
周波数fで一定回転時に得られる振動加速度のうち周波数fにおける理想的な成分をAconst(f)、窓関数等により周波数(回転数)fの成分の大きさが変化する比率をα(f)とおくと、数3から数8の関係が成り立っている。なお、数3から数8の左辺の値は、S1からS4のステップにおいて取得可能な値である。
R(f)の値が大きいほうがノイズなどの影響を受けにくいため、そのような回転数fにおいて一定回転数換算振動振幅A*(f)を算出するのが望ましい。
アンバランス評価指標Zとしては、指定回転数fPICにおける振動変位振幅XPRE(fPIC)、振動速度振幅VPRE(fPIC)、振動加速度振幅APRE(fPIC)、アンバランス量U、釣り合い良さWPRE(fPIC)などが考えられる。周波数fにおける回転体のアンバランスによる加振力から回転体の振動への伝達関数をG(f)、回転体の質量をMROTとすると、それぞれ数12から数16のように算出できる。また、数12から数16は、異なる複数の回転数fにおいて算出した複数の一定回転数換算振動振幅A*(f)より算出しても理想的には同一の値となるため、その平均値をアンバランス評価指標Zとして採用してもよい。指定回転数fPICとして、最終的に到達する回転数における状態を評価するために指令回転数fORDを採用してもよいし、回転数の変化過程での状態を評価するために指令回転数と現在の回転数の中間の複数の回転数を採用してもよいし、最もアンバランスによる加振力が大きくなる条件で評価するために主軸1の最高回転数fMAXを採用してもよい。
なお、数15で算出されるアンバランス量Uは、回転数fに依存しない値であり、他のアンバランス評価指標Zは、回転数fに依存しない値がアンバランス量Uに乗算されているだけである。
閾値を逸脱していた場合、S8で、アンバランス対応動作がなされる。具体的には、判定部11より制御装置5へモータ3の停止指令信号が出力され、制御装置5は、主軸1の停止動作制御と表示部6への警告(例えば、「警告:アンバランスが大きいため主軸を停止しました」)の表示とを行う。
次に、第2の実施形態を図3のフローチャートと共に具体的に説明する。
第2の実施形態は、第1の実施形態と同じ装置構成(図1)である。但し、アンバランス算出方法が異なり、また同じ記号を用いた変数であっても意味合いが少し異なるため、別の変数であるものとする。
記録部9は、制御装置5で実行される指令を監視し、工具交換直後に主軸回転指令が実行されたかどうかを判断する(S11)。工具交換直後にアンバランスを算出するのは、工具2がアンバランス状態で主軸1から離脱して飛散する危険性があるためである。
主軸回転指令があった場合、モータ3に付属する回転検出器4から回転数信号を受け取り、それと同時に主軸1に取り付けた振動センサ7からA/D変換部8を経由して振動波形を受け取り、それぞれの記録を開始する(S12)。
続けて記録部9は、制御装置5で実行される指令を監視し、主軸回転指令が終了したかどうかを判断する(S13)。主軸回転指令が終了した場合、回転数信号と振動波形の受け取りと記録を終了する(S18)。
必要な情報が得られた場合、演算部10が記録部9から回転数信号と振動波形とを受け取り、一定速でのアンバランス振動加速度を推定し(S15:一定回転数換算振動振幅算出ステップ)、指令回転数でのアンバランス振動加速度を算出する(S16:アンバランス評価指標算出ステップ)。
アンバランス振動は振動波形を周波数分析したときに、主軸1の回転周波数における振動振幅として現れるため、一定回転数で主軸1が回転しているときはその回転周波数1点における振動振幅を抽出することでアンバランス振動を捉えることができる。一方、回転数が変化している場合は変化した回転周波数の範囲にまたがった振動振幅を考慮する必要がある。この振動振幅を集約するために、時刻t1から時刻t2まで主軸回転数がS(t1)からS(t2)まで変化するときのアンバランス振動のエネルギーの合計と、同じ時間間隔だけ主軸1が時刻t1から時刻t2までの回転数の平均値Saveで一定回転するときのアンバランス振動のエネルギーが等価であると近似して、一定回転時のアンバランス振動を推定する。
回転数の平均値Saveで主軸1を一定回転させたときの角周波数をωave、角周波数ωaveにおける振動加速度振幅をAaveとおく。一方、時刻t1から時刻t2まで角周波数がω1からω2に変化するときに得られる振動加速度波形を周波数分析したときの、角周波数ωに対する振動加速度振幅をA(ω)とすると、数21を用いて数22が得られる。数21は固有振動数ωnでアンバランス振動のエネルギーの合計が表されているが、ここでは一般の角周波数ωに置き換えて適用した。
アンバランスによる遠心力は加速度振幅と伝達関数から逆算できるので、数24、数25が成り立つ。数24、数25からアンバランス量の変数を消去すると、数26が得られる。
等価とする物理量を主軸半径方向の運動量とした場合、数19ではなく運動量の最大値Pmaxを表す数27を用いる。
産業機械の主軸に対して適用する方法は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、機械全体の構成はもちろん、アンバランス振動検出に関わる制御等の構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更可能である。
第1、第2の実施形態では工具を回転させて切削を行う工作機械(フライス盤、マシニングセンタ)を例として挙げたが、被削材を回転させて切削を行う工作機械(旋盤、研削盤)の主軸または被削材のアンバランス算出にも適用可能である。また、工作機械に限らず、回転体の角度または回転体の回転数のいずれか一方と振動とを同時に計測可能な回転体であれば、本発明は適用可能である。
また、主軸に取り付ける振動センサとしては、加速度センサである必要はなく、変位センサや速度センサ等、主軸の振動測定が可能なセンサであれば何を用いてアンバランスを推定してもよい。
また、主軸停止状態からの加速時ではなく主軸速度を細かく指令して順次上げる場合や主軸速度を下げる場合など、ある速度から別の速度に変更する際にアンバランス振動を推定してもよい。
また、回転体の回転数が変化していない状態において本発明を実行した場合でも、一定回転数に換算した振動振幅が、実測される振動振幅に一致するように算出されるだけであり、機能上の差支えがない。
また、回転体の角度の微分に適切な比例係数をかけることで回転体の回転数や角周波数が得られるし、回転体の回転数や角周波数の積分に適切な比例係数をかけることで回転体の角度が得られる。このため、回転数、角周波数、角度のいずれを測定しても同じ計算が可能なことは明らかである。第1の実施形態では回転数を基準にアンバランスの式展開を行っており、第2の実施形態では角周波数を基準にアンバランスの式展開を行っているが、どちらを基準に考えてもよい。
また、閾値の決定は従来からの知見をもとに決定するなど、どのような方法をとってもよい。当然、アンバランス評価指標と閾値との双方に同一の値を乗算してもよい。
また、アンバランス対応動作として、回転体の停止とアンバランスが大きい旨とを表示する例を示したが、回転数に依存するアンバランス評価指標を採用している場合であれば、閾値を逸脱しない回転数を算出して、その回転数へ変更する制御を行ったり、当該回転数への変更を促す表示を行ったりすることも可能である。
Claims (10)
- 回転体の回転数が変化しているときに前記回転体のアンバランスを算出する方法であって、
前記回転体の角度または角周波数または回転数のいずれか一つと、前記回転体の振動と、を同時に測定する測定ステップと、
前記測定ステップで測定したデータの任意の区間を選択して前記振動を周波数分析し、選択した区間内の代表となる回転周波数で前記回転体が一定回転している場合の前記代表となる回転周波数に対応するアンバランス振動振幅を、一定回転数換算振動振幅として算出する一定回転数換算振動振幅算出ステップと、
前記一定回転数換算振動振幅を、前記代表となる回転周波数の2乗で除算し、さらに前記代表となる回転周波数における前記回転体のアンバランスによる加振力から前記回転体の振動への伝達関数で除算して、得られた値に基づいてアンバランス評価指標を算出する、アンバランス評価指標算出ステップと、
を実行することを特徴とする回転体のアンバランス算出方法。 - 前記一定回転数換算振動振幅算出ステップは、選択した区間の角度または角周波数または回転数のいずれか一つを用いて代表となる回転周波数の割合を振動の周波数分析と同一の周波数ごとに算出し、前記代表となる回転周波数の割合と前記代表となる回転周波数に対応する振動の大きさとの比を、一定回転数換算振動振幅として算出することを特徴とする請求項1に記載の回転体のアンバランス算出方法。
- 前記一定回転数換算振動振幅算出ステップは、代表となる回転周波数の割合を算出する際に、角度の振幅が1の正弦関数の値を算出し、前記正弦関数の値を周波数分析して前記代表となる回転周波数の割合を算出することを特徴とする請求項2に記載の回転体のアンバランス算出方法。
- 前記一定回転数換算振動振幅算出ステップは、選択した区間の回転周波数にまたがる振動振幅から計算されるアンバランス振動の物理量の合計が、代表となる回転周波数で一定回転している場合の前記代表となる回転周波数に対応するアンバランス振動の物理量と等価であると近似して、一定回転数換算振動振幅を算出することを特徴とする請求項1に記載の回転体のアンバランス算出方法。
- 前記アンバランス振動の物理量は、回転体半径方向の振動エネルギーと運動エネルギーとの合計、もしくは前記回転体半径方向の運動量、もしくは前記回転体半径方向の振動振幅、のいずれか、もしくは組み合わせであることを特徴とする請求項4に記載の回転体のアンバランス算出方法。
- 回転体の回転数が変化しているときに前記回転体のアンバランスを算出する装置であって、
前記回転体の角度または角周波数または回転数のいずれか一つと、前記回転体の振動と、を同時に測定する測定部と、
前記測定部で測定したデータの任意の区間を選択して前記振動を周波数分析し、選択した区間内の代表となる回転周波数で前記回転体が一定回転している場合の前記代表となる回転周波数に対応するアンバランス振動振幅を、一定回転数換算振動振幅として算出する一定回転数換算振動振幅算出部と、
前記一定回転数換算振動振幅を、前記代表となる回転周波数の2乗で除算し、さらに前記代表となる回転周波数における前記回転体のアンバランスによる加振力から前記回転体の振動への伝達関数で除算して、得られた値に基づいてアンバランス評価指標を算出する、アンバランス評価指標算出部と、
を備えることを特徴とする回転体のアンバランス算出装置。 - 前記一定回転数換算振動振幅算出部は、選択した区間の角度または角周波数または回転数のいずれか一つを用いて代表となる回転周波数の割合を振動の周波数分析と同一の周波数ごとに算出し、前記代表となる回転周波数の割合と前記代表となる回転周波数に対応する振動の大きさとの比を、一定回転数換算振動振幅として算出することを特徴とする請求項6に記載の回転体のアンバランス算出装置。
- 前記一定回転数換算振動振幅算出部は、代表となる回転周波数の割合を算出する際に、角度の振幅が1の正弦関数の値を算出し、前記正弦関数の値を周波数分析して前記代表となる回転周波数の割合を算出することを特徴とする請求項7に記載の回転体のアンバランス算出装置。
- 前記一定回転数換算振動振幅算出部は、選択した区間の回転周波数にまたがる振動振幅から計算されるアンバランス振動の物理量の合計が、代表となる回転周波数で一定回転している場合の前記代表となる回転周波数に対応するアンバランス振動の物理量と等価であると近似して、一定回転数換算振動振幅を算出することを特徴とする請求項6に記載の回転体のアンバランス算出装置。
- 前記アンバランス振動の物理量は、回転体半径方向の振動エネルギーと運動エネルギーとの合計、もしくは前記回転体半径方向の運動量、もしくは前記回転体半径方向の振動振幅、のいずれか、もしくは組み合わせであることを特徴とする請求項9に記載の回転体のアンバランス算出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020139550A JP7496736B2 (ja) | 2020-08-20 | 2020-08-20 | 回転体のアンバランス算出方法及び算出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020139550A JP7496736B2 (ja) | 2020-08-20 | 2020-08-20 | 回転体のアンバランス算出方法及び算出装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022035321A JP2022035321A (ja) | 2022-03-04 |
JP7496736B2 true JP7496736B2 (ja) | 2024-06-07 |
Family
ID=80443377
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020139550A Active JP7496736B2 (ja) | 2020-08-20 | 2020-08-20 | 回転体のアンバランス算出方法及び算出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7496736B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114923629A (zh) * | 2022-04-29 | 2022-08-19 | 海门市苏洋机械制造有限公司 | 一种纺织高速锭子旋转时振动幅值检测方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013015458A (ja) | 2011-07-05 | 2013-01-24 | Sugawara Sekkei Jimusho Kk | 回転体のアンバランス量測定方法および装置 |
JP2019178973A (ja) | 2018-03-30 | 2019-10-17 | オークマ株式会社 | 転がり軸受の異常診断方法及び異常診断装置 |
-
2020
- 2020-08-20 JP JP2020139550A patent/JP7496736B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013015458A (ja) | 2011-07-05 | 2013-01-24 | Sugawara Sekkei Jimusho Kk | 回転体のアンバランス量測定方法および装置 |
JP2019178973A (ja) | 2018-03-30 | 2019-10-17 | オークマ株式会社 | 転がり軸受の異常診断方法及び異常診断装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2022035321A (ja) | 2022-03-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6496061B1 (ja) | 転がり軸受の異常診断方法及び異常診断装置 | |
US8256590B2 (en) | Vibration suppressing device and vibration suppressing method for machine tool | |
CN101310921B (zh) | 机床的振动抑制装置和振动抑制方法 | |
Kakinuma et al. | Detection of chatter vibration in end milling applying disturbance observer | |
JP4273560B2 (ja) | モータの制御装置 | |
JP5686760B2 (ja) | 振動判別方法、及び振動判別装置 | |
Nguyen et al. | Study of ball screw system preload monitoring during operation based on the motor current and screw-nut vibration | |
US20120318062A1 (en) | Vibration determination method and vibration determination device | |
WO2001082462A1 (fr) | Commande de moteur | |
JP2001324395A (ja) | 回転する機械の試験を行う方法およびシステム | |
JP2010105073A (ja) | 工作機械の振動抑制方法及び装置 | |
JP7496736B2 (ja) | 回転体のアンバランス算出方法及び算出装置 | |
JP6511573B1 (ja) | 転がり軸受の異常診断方法及び異常診断装置、異常診断プログラム | |
CN102966582B (zh) | 用于确定风机叶轮的质量变化的方法和设备 | |
Yamato et al. | Sensor-less on-line chatter detection in turning process based on phase monitoring using power factor theory | |
JP6893792B2 (ja) | 工作機械および振動抑制方法 | |
JP6354349B2 (ja) | 振動検出装置と工作機械 | |
US6629663B1 (en) | Wound roll vibration detection system | |
Neumann | Fault diagnosis of machine-tools by estimation of signal spectra | |
Łuczak | Frequency analysis of mechanical resonance in direct drive | |
JPH11352020A (ja) | ダンパー組立体の動的捩り特性の計測装置及びダンパー組立体の動的捩り特性の計測方法 | |
JP2804497B2 (ja) | 動釣合い試験機における被試験体停止制御装置 | |
JP3246572B2 (ja) | 電動機駆動系の負荷定数測定方法 | |
JP2010112900A (ja) | シャシーダイナモメータの拘束装置と車両剛性の特性同定方法 | |
Mao et al. | Time-frequency analysis and detecting method research on milling force token signal in spindle current signal |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20230131 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20231027 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20231205 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20240430 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20240528 |