JP7496355B2 - ポリビニルアルコールフィルム、延伸フィルム、偏光フィルム、及びポリビニルアルコールフィルムの製造方法 - Google Patents
ポリビニルアルコールフィルム、延伸フィルム、偏光フィルム、及びポリビニルアルコールフィルムの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7496355B2 JP7496355B2 JP2021530735A JP2021530735A JP7496355B2 JP 7496355 B2 JP7496355 B2 JP 7496355B2 JP 2021530735 A JP2021530735 A JP 2021530735A JP 2021530735 A JP2021530735 A JP 2021530735A JP 7496355 B2 JP7496355 B2 JP 7496355B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- conjugated diene
- mass
- diene polymer
- pva
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J5/00—Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
- C08J5/18—Manufacture of films or sheets
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L15/00—Compositions of rubber derivatives
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L29/00—Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an alcohol, ether, aldehydo, ketonic, acetal or ketal radical; Compositions of hydrolysed polymers of esters of unsaturated alcohols with saturated carboxylic acids; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L29/02—Homopolymers or copolymers of unsaturated alcohols
- C08L29/04—Polyvinyl alcohol; Partially hydrolysed homopolymers or copolymers of esters of unsaturated alcohols with saturated carboxylic acids
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B5/00—Optical elements other than lenses
- G02B5/30—Polarising elements
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B5/00—Optical elements other than lenses
- G02B5/30—Polarising elements
- G02B5/3025—Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state
- G02B5/3033—Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state in the form of a thin sheet or foil, e.g. Polaroid
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J2329/00—Characterised by the use of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an alcohol, ether, aldehydo, ketonic, acetal, or ketal radical; Hydrolysed polymers of esters of unsaturated alcohols with saturated carboxylic acids; Derivatives of such polymer
- C08J2329/02—Homopolymers or copolymers of unsaturated alcohols
- C08J2329/04—Polyvinyl alcohol; Partially hydrolysed homopolymers or copolymers of esters of unsaturated alcohols with saturated carboxylic acids
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J2487/00—Characterised by the use of unspecified macromolecular compounds, obtained otherwise than by polymerisation reactions only involving unsaturated carbon-to-carbon bonds
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K5/00—Use of organic ingredients
- C08K5/04—Oxygen-containing compounds
- C08K5/05—Alcohols; Metal alcoholates
- C08K5/053—Polyhydroxylic alcohols
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Polarising Elements (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
[1]ポリビニルアルコール(A)、及び親水性基を有する変性共役ジエン系重合体(B)を含むポリビニルアルコールフィルム;
[2]変性共役ジエン系重合体(B)の含有量がポリビニルアルコール(A)100質量部に対して10質量部以上80質量部以下である[1]のポリビニルアルコールフィルム;
[3]ポリビニルアルコール(A)の重合度が1,000以上10,000以下であり、けん化度が95モル%以上である[1]又は[2]のポリビニルアルコールフィルム;
[4]変性共役ジエン系重合体(B)の重量平均分子量が5,000以上80,000以下である[1]~[3]のいずれかのポリビニルアルコールフィルム;
[5]上記親水性基が、非イオン性極性基を含む繰り返し構造を有するグラフト鎖である[1]~[4]のいずれかのポリビニルアルコールフィルム;
[6][1]~[5]のいずれかのポリビニルアルコールフィルムから得られる延伸フィルム;
[7][1]~[5]のいずれかのポリビニルアルコールフィルム又は[6]の延伸フィルムから得られる偏光フィルム;
[8]ポリビニルアルコール(A)と、親水性基を有する変性共役ジエン系重合体(B)を含む分散液とを混合した製膜原液を用いて製膜する工程を備えるポリビニルアルコールフィルムの製造方法;
[9]上記製膜原液における変性共役ジエン系重合体(B)の含有量がポリビニルアルコール(A)100質量部に対して10質量部以上80質量部以下である[8]のポリビニルアルコールフィルムの製造方法;
[10]上記親水性基が、非イオン性極性基を含む繰り返し構造を有するグラフト鎖である[8]又は[9]のポリビニルアルコールフィルムの製造方法;
を提供することにより達成される。
本発明の一実施形態にかかるPVAフィルムは、PVA(A)、及び親水性基を有する変性共役ジエン系重合体(B)を含む。当該PVAフィルムは、通常、延伸加工がされていないフィルム(無延伸フィルム)である。後に詳述するように、当該PVAフィルムを延伸加工することで、延伸フィルムが得られる。また、当該PVAフィルム又は当該延伸フィルムを染色加工等することで偏光フィルムが得られる。
PVA(ポリビニルアルコール)(A)は通常、当該PVAフィルムの主成分となる。PVA(A)は、ビニルアルコール単位(-CH2-CH(OH)-)を主の構造単位として有する重合体である。なお、主の構造単位とは、全構造単位に占める割合が最も多い構造単位をいい、全構造単位に占める割合が50モル%以上であることが好ましい(以下、「主の構造単位」について同様である。)。PVA(A)は、ビニルアルコール単位の他、ビニルエステル単位やその他の単位を有していてもよい。
変性共役ジエン系重合体(B)は、親水性基を有する共役ジエン系重合体である。変性共役ジエン系重合体(B)は、親水性基を有する共役ジエン系ゴムであってよい。例えば、変性共役ジエン系重合体(B)は、未変性の共役ジエン系重合体(B’)(未変性の共役ジエン系ゴム)が変性され、親水性基が導入されたものである。
-(CR2R3-CR4R5-O)-で表されるポリアルキレングリコール構造、
-(CH2-CR7COOR8)-で表されるポリ(メタ)アクリル酸エステル構造
等を挙げることができ、ポリアルキレングリコール構造が好ましい。
式(A)中、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6の1価の炭化水素基である。R6は、水素原子、炭素数1~6の1価の炭化水素基又は炭素数1~6のアシル基である。nは、3~600の整数である。
式(B)中、R7は、水素原子又はメチル基である。R8は、炭素数1~6の1価の炭化水素基である。R8で表される炭化水素基の水素原子の一部又は全部は、親水性基で置換されていてもよい。R9は、水素原子又は1価の有機基である。mは、3~600の整数である。有機基とは、炭素原子を含む基であり、炭化水素基、アルコキシ基、アシル基、カルボキシ基又はこれらを組み合わせてなる基等を挙げることができる。
(一分子当たりの平均親水性基数)=[(数平均分子量Mn)/(スチレン単位の分子量)×(共役ジエン及び必要に応じて含まれる共役ジエン以外の他の単量体単位の平均分子量)]/(親水性基の当量)
変性共役ジエン系重合体(B)の合成方法は特に限定されないが、例えば、未変性の共役ジエン系重合体(B’)を酸変性し、必要に応じて、さらに後述する化合物(X)を用いてグラフト化することなどにより得ることができる。
ラジカル重合開始剤としては、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、有機過酸化物、過酸化水素等を挙げることができる。
当該PVAフィルムは、可塑剤をさらに含むことができる。当該PVAフィルムが可塑剤を含むことにより、延伸加工性、取扱性、巻品質等の向上を図ることができる。好ましい可塑剤としては、多価アルコールが挙げられ、具体例としては、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジグリセリン、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。これらの可塑剤は、1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、延伸加工性や巻品質の向上効果の点からグリセリンが好ましい。
当該PVAフィルムには、さらに充填剤、銅化合物などの加工安定剤、耐候性安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、他の熱可塑性樹脂、潤滑剤、香料、消泡剤、消臭剤、増量剤、剥離剤、離型剤、補強剤、架橋剤、防かび剤、防腐剤、結晶化速度遅延剤、界面活性剤などの他の添加剤を、必要に応じて適宜配合できる。
当該PVAフィルムの形状に特に制限はないが、生産性良く連続的に製造することができることから、長尺のフィルムであることが好ましい。長尺のPVAフィルムの長さは特に制限されず、用途等に応じて適宜設定することができる。例えば、長さを5m以上20,000m以下の範囲内にすることができる。当該PVAフィルムの幅に特に制限はなく、例えば水溶性フィルムの場合には下限を1cmとすることができる。また、各種用途においては近年幅広のPVAフィルムが求められていることから、下限は1mが好ましく、2mがより好ましく、4mがさらに好ましい。当該PVAフィルムの幅の上限に特に制限はないが、例えば7mとすることができる。幅があまりに広すぎると、実用化されている装置でPVAフィルムを製造する場合に、均一に生産することが困難になる傾向がある。
当該PVAフィルムは、包装用フィルム、水溶性フィルム、農業用フィルム、離型フィルム、光学フィルム等、従来のPVAフィルムと同様の各種用途に用いることができる。また、当該PVAフィルムは、延伸フィルム及び偏光フィルムの原反フィルムとして好適である。特に当該PVAフィルムは、延伸加工性に優れ、また、成形性に優れる延伸フィルム及び偏光フィルムを得ることができるため、光学フィルムの材料となる原反フィルムとして好適である。すなわち、当該PVAフィルムを延伸することにより、好適に光学フィルムを得ることができる。なお、本発明の一実施形態に係るPVAフィルムは、包装用フィルム、水溶性フィルム、農業用フィルム、離型フィルム、延伸フィルム、光学フィルム又は偏光フィルムであってよい。
当該PVAフィルムの製造方法は特に限定されず、製膜後のPVAフィルムの厚み及び幅がより均一になる製造方法を好ましく採用することができる。例えば、PVAフィルムを構成するPVA(A)及び変性共役ジエン系重合体(B)、並びに必要に応じてさらに可塑剤等の他の成分が液体媒体中に溶解した製膜原液を用いて製膜することにより得ることができる。また、必要に応じて、PVA(A)等を溶融した製膜原液を用いても製造することができる。
本発明の一実施形態に係る延伸フィルムは、上述した本発明の一実施形態に係るPVAフィルムを延伸加工して得られる延伸フィルムである。当該延伸フィルムは、通常、PVAが所定方向(延伸方向)に配向している。当該延伸フィルムは、一軸延伸されていてもよく、二軸延伸されていてもよいが、一軸延伸されていることが好ましい。一軸延伸された当該延伸フィルムは、偏光フィルム等の光学フィルムとして好適に用いることができる。当該延伸フィルムは、単層フィルムであっても、多層フィルムであってもよいが、単層フィルムであることが好ましい。当該延伸フィルムは、変性共役ジエン系重合体(B)を含有することにより、変形による裂けなどの問題が生じ難いため、折り畳み式のディスプレイやデザイン性の高いサングラス等に好適である。
当該延伸フィルムは、上述した当該PVAフィルムを延伸する工程を備える製造方法によって得ることができる。すなわち、当該延伸フィルムの製造工程において、延伸処理以外は任意であり、上述したPVAフィルムを用いること以外は、従来と同様の方法により製造することができる。したがって、当該延伸フィルムの製造工程においては、後述する偏光フィルムの製造工程における延伸処理以外の処理(染色処理、固定処理等)を含まなくてもよい。すなわち、当該製造方法によれば、特殊な工程を経ることなく、延伸フィルムを比較的容易に得ることができる。
本発明の一実施形態に係る偏光フィルムは、上述した本発明の一実施形態に係るPVAフィルム又は延伸フィルムを染色加工等することで得られる偏光フィルムである。当該偏光フィルムは、当該PVAフィルム又は当該延伸フィルムに、二色性色素やホウ酸が吸着している。当該偏光フィルムは、変性共役ジエン系重合体(B)を含有することにより、変形による裂けなどの問題が生じ難いため、折り畳み式のディスプレイやデザイン性の高いサングラス等に好適である。
当該偏光フィルムを製造するための具体的な方法としては、当該PVAフィルムに対して、膨潤処理、染色処理、一軸延伸処理、及び必要に応じてさらに、架橋処理、固定処理、洗浄処理、乾燥処理、熱処理などを施す方法が挙げられる。この場合、膨潤処理、染色処理、架橋処理、一軸延伸、固定処理などの各処理の順序は特に制限されず、また、2つ以上の処理を同時に行うこともできる。また、各処理の1つ又は2つ以上を2回又はそれ以上行うこともできる。
変性共役ジエン系重合体の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、標準ポリスチレン換算分子量で求めた。
測定装置及び条件は以下の通りである。
装置 :東ソー株式会社製GPC装置「GPC8020」
分離カラム :東ソー株式会社製「TSKgelG4000HXL」
検出器 :東ソー株式会社製「RI-8020」
溶離液 :テトラヒドロフラン
溶離液流量 :1.0ml/分
サンプル濃度:5mg/10ml
カラム温度 :40℃
PVAフィルムを23℃、50%RHで24時間調湿し、このPVAフィルムから長さ方向に30mm、幅方向に10mmのフィルム片を切り出した。その後、インストロン社製の引張試験装置(「シングルコラム卓上型試験機:5952」)に初期のチャック間隔が10mmとなるようにこのPVAフィルム片を取り付け、100[mm/min]の速度で引張試験を実施した。このときのチャック間隔が30mmとなったときの試験力[N]を、延伸前の原反の断面積[mm2]で除した値を引張応力[N/mm2]とした。このとき1つのサンプルにつき、同じ測定を10回繰り返し、その平均値をデータとして採用した。引張応力が50N/mm2未満の場合、延伸が容易であり、延伸加工性が良好であると判断した。
PVAフィルム作製時、PVAフィルムの表面に存在する共役ジエン系重合体が金属ドラムに付着するため、その洗浄性試験を行った。具体的には、PVAフィルムの製造後、水で湿らせたコットンウエスで金属ドラムを拭き取った。その後、目視で金属ドラム表面の共役ジエン系重合体の残存の有無を確認し、残っているものをB、残っていないものをAとした。
偏光フィルムを23℃、50%RHで24時間以上調湿し、この偏光フィルムから長さ方向(MD)に10mm、幅方向(TD)に30mmのフィルム片を切り出した。その後、島津製作所製の引張試験装置(「オートグラフ(AGS-H)」)に初期のチャック間隔が10mmとなるようにこの偏光フィルム片を引張方向と偏光フィルムのTDが一致するように取り付け、140℃の加熱環境下、100[mm/min](1000%/分)の速度で引張試験を実施した。このとき1つのサンプルにつき同じ測定を10回繰り返し、そのうち最もTD破断歪が大きかったものをデータとして採用した。TD破断歪が40%以上の場合、成形が容易であり、成形性が良好であると判断した。ここで、TD破断歪とは、上記引張試験において偏光フィルムが初期のチャック間距離(10mm)からXmm伸びて破断した時の(X/10)×100(%)の値である。
(1)共役ジエン系重合体(B’-1)の合成
十分に乾燥した5Lオートクレーブを窒素置換し、ヘキサン1200g及びs-ブチルリチウム(10.5質量%ヘキサン溶液)112gを仕込み、50℃に昇温した。その後、撹拌条件下、重合温度を50℃となるように制御しながら、イソプレン1200gを逐次添加して、1時間重合した。その後、メタノールを添加して重合反応を停止させ、重合体溶液を得た。得られた重合体溶液に水を添加して撹拌し、水で重合体溶液を洗浄した。撹拌を終了し、重合体溶液相と水相とが分離していることを確認した後、水を排出した。洗浄終了後の重合体溶液を70℃で24時間真空乾燥することにより、共役ジエン系重合体(B’-1)を得た。
上記共役ジエン系重合体(B’-1)250gに乳化剤(東邦化学工業社の「フォスファノールRS-710」)15gを加えて20分間撹拌した。続いて撹拌しながら水177gを少しずつ添加した。所定量の水を添加後、20分撹拌することで、共役ジエン系重合体(B’-1)の水分散液を得た。
(1)親水性基を有する変性共役ジエン系重合体(B-1)の合成
反応容器に製造例1で得られた共役ジエン系重合体(B’-1)200g、及び無水マレイン酸40gを仕込み、170℃で24時間反応させた。さらにポリエチレングリコールモノメチルエーテル(東京化成工業株式会社製ポリエチレングリコールモノメチルエーテル1000、平均分子量:1,000、平均ポリオキシエチレン単位数:22)を408g、及びN,N-ジメチルベンジルアミンを0.7g仕込み、6時間反応させて親水基を有する変性共役ジエン系重合体(B-1)を得た。得られた変性共役ジエン系重合体(B-1)の重量平均分子量は、27,000であった。
変性共役ジエン系重合体(B-1)250gに水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度50質量%)13gを加えて50℃で60分間撹拌し、続いて撹拌しながら水451gを少しずつ添加することで、変性共役ジエン系重合体(B-1)の水分散液を得た。
(1)親水性基を有する変性共役ジエン系重合体(B-2)の合成
反応容器に製造例1で得られた共役ジエン系重合体(B’-1)250g、及び無水マレイン酸50gを仕込み、170℃で24時間反応させた。さらにポリエチレングリコールモノメチルエーテル(東京化成工業株式会社製ポリエチレングリコールモノメチルエーテル400、平均分子量:400、平均ポリオキシエチレン単位数:8)を204g、及びN,N-ジメチルベンジルアミンを0.9g仕込み、6時間反応させて親水基を有する変性液状ジエン系重合体(B-2)を得た。得られた変性共役ジエン系重合体(B-2)の重量平均分子量は、18,000であった。
変性共役ジエン系重合体(B-2)250gに水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度50質量%)20gを加えて50℃で60分間撹拌し、続いて撹拌しながら水443gを少しずつ添加することで、変性共役ジエン系重合体(B-2)の水分散液を得た。
(PVAフィルムの作製)
PVA(酢酸ビニルの単独重合体のけん化物、重合度2,400、けん化度99.5モル%)を100質量部、変性共役ジエン系重合体(B-1)を15質量部、可塑剤としてグリセリンを10質量部、界面活性剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムを0.1質量部、及び水を混合し、揮発分率85質量%の製膜原液を調製した。ここで、変性共役ジエン系重合体(B-1)は、上記製造例2で得られた水分散液の状態のものを他の成分と混合した。上記製膜原液を表面温度80℃の金属ドラムに流延し、揮発分率(含水率)が5質量%になるまで乾燥して厚み30μm、長さ1.5m、幅30cmの長尺のPVAフィルム(熱処理前のPVAフィルム)を得た。このPVAフィルムを、温度110℃で10分熱処理し、実施例1のPVAフィルムを得た。
得られたPVAフィルムの幅方向中央部から、幅5cm×長さ5cmの範囲が一軸延伸できるように幅5cm×長さ10cmのサンプルをカットした。このサンプルを40℃の純水に120秒間浸漬しつつ1.3倍に長さ方向に一軸延伸して、膨潤処理した(一段階目の一軸延伸)。続いてDirect blue15染料 0.00002質量%、トリポリリン酸ナトリウム0.1質量%及び硫酸ナトリウム0.1質量%を含有する水溶液が入った染色処理浴(温度48℃)に300秒間浸漬しつつ全体で2.4倍に長さ方向に一軸延伸して染料を吸着させた(二段階目の一軸延伸)。さらに、ホウ酸2質量%を含有する水溶液が入った架橋処理浴(温度40℃)に60秒間浸漬しつつ全体で2.7倍に長さ方向に一軸延伸して、ホウ酸を吸着させた(三段階目の一軸延伸)。そして、ホウ酸3.9質量%を含有する水溶液が入った延伸処理浴(温度58℃)に浸漬しつつ初期のフィルムの長さから4.0倍になるように長さ方向に一軸延伸して配向させた(四段階目の一軸延伸)。延伸後すぐに、洗浄槽として水槽(温度25℃)に5秒間浸漬した。最後に70℃で3分間乾燥して、実施例1の偏光フィルムを得た。
実施例1のPVAフィルムの作製において、変性共役ジエン系重合体(B-1)を30質量部添加したこと以外は同様の方法でPVAフィルム及び偏光フィルムを得た。
実施例1のPVAフィルムの作製において、変性共役ジエン系重合体(B-1)を45質量部添加したこと以外は同様の方法でPVAフィルム及び偏光フィルムを得た。
実施例3のPVAフィルムの作製において、変性共役ジエン系重合体(B-1)を変性共役ジエン系重合体(B-2)に変えたこと以外は同様の方法でPVAフィルム及び偏光フィルムを得た。
実施例1のPVAフィルムの作製において、変性共役ジエン系重合体(B-1)を添加しなかったこと以外は同様の方法でPVAフィルム及び偏光フィルムを得た。
実施例1のPVAフィルムの作製において、変性共役ジエン系重合体(B-1)を未変性の共役ジエン系重合体(B’-1)に変えたこと以外は同様の方法でPVAフィルム及び偏光フィルムを得た。
Claims (8)
- ポリビニルアルコール(A)、及び親水性基を有する変性共役ジエン系重合体(B)を含み、上記親水性基が-(CR2R3-CR4R5-O)-で表されるポリアルキレングリコール構造(R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6の1価の炭化水素基である。)を有するグラフト鎖であるポリビニルアルコールフィルム。
- 変性共役ジエン系重合体(B)の含有量がポリビニルアルコール(A)100質量部に対して10質量部以上80質量部以下である請求項1に記載のポリビニルアルコールフィルム。
- ポリビニルアルコール(A)の重合度が1,000以上10,000以下であり、けん化度が95モル%以上である請求項1又は2に記載のポリビニルアルコールフィルム。
- 変性共役ジエン系重合体(B)の重量平均分子量が5,000以上80,000以下である請求項1~3のいずれかに記載のポリビニルアルコールフィルム。
- 請求項1~4のいずれかに記載のポリビニルアルコールフィルムから得られる延伸フィルム。
- 請求項1~4のいずれかに記載のポリビニルアルコールフィルム又は請求項5に記載の延伸フィルムから得られる偏光フィルム。
- ポリビニルアルコール(A)と、親水性基を有する変性共役ジエン系重合体(B)を含む分散液とを混合した製膜原液を用いて製膜する工程を備え、上記親水性基が-(CR2R3-CR4R5-O)-で表されるポリアルキレングリコール構造(R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6の1価の炭化水素基である。)を有するグラフト鎖であるポリビニルアルコールフィルムの製造方法。
- 上記製膜原液における変性共役ジエン系重合体(B)の含有量がポリビニルアルコール(A)100質量部に対して10質量部以上80質量部以下である請求項7に記載のポリビニルアルコールフィルムの製造方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019129236 | 2019-07-11 | ||
JP2019129236 | 2019-07-11 | ||
PCT/JP2020/026949 WO2021006329A1 (ja) | 2019-07-11 | 2020-07-10 | ポリビニルアルコールフィルム、延伸フィルム、偏光フィルム、及びポリビニルアルコールフィルムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2021006329A1 JPWO2021006329A1 (ja) | 2021-01-14 |
JP7496355B2 true JP7496355B2 (ja) | 2024-06-06 |
Family
ID=74114535
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021530735A Active JP7496355B2 (ja) | 2019-07-11 | 2020-07-10 | ポリビニルアルコールフィルム、延伸フィルム、偏光フィルム、及びポリビニルアルコールフィルムの製造方法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7496355B2 (ja) |
KR (1) | KR20220035023A (ja) |
CN (1) | CN114051513B (ja) |
WO (1) | WO2021006329A1 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN118515879B (zh) * | 2024-06-03 | 2025-01-28 | 内蒙古农业大学 | 一种可用于酸奶包装的高阻隔性聚合物薄膜及其制备方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003012944A (ja) | 2001-04-26 | 2003-01-15 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | 成形性及びガス遮断性に優れた樹脂組成物及び包装材料 |
JP2004526835A (ja) | 2001-03-07 | 2004-09-02 | ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド | エチレン‐ビニルアルコール共重合体を含む酸素捕捉性重合体組成物 |
JP2006070108A (ja) | 2004-08-31 | 2006-03-16 | Kyoraku Co Ltd | 酸素吸収性樹脂組成物及び多層構造体 |
JP2010188693A (ja) | 2009-02-20 | 2010-09-02 | Unitika Ltd | 凸版印刷用感光性樹脂構成体 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4742050Y1 (ja) | 1970-03-30 | 1972-12-19 | ||
JPS5069153A (ja) * | 1973-10-08 | 1975-06-09 | ||
JPS5434339A (en) * | 1977-08-24 | 1979-03-13 | Koyo Sangyo Co | Adhesive composition |
FR2725999A1 (fr) * | 1994-10-20 | 1996-04-26 | Rohm & Haas France | Melanges a mettre en oeuvre a l'etat fondu renfermant de l'alcool polyvinylique |
US8816005B2 (en) * | 2007-10-15 | 2014-08-26 | Revolymer Limited | Solvent-free synthesis of amphiphilic polymeric material |
KR102781620B1 (ko) * | 2018-06-20 | 2025-03-13 | 주식회사 쿠라레 | 폴리비닐알코올 필름, 연신 필름, 및 폴리비닐알코올 필름의 제조 방법 |
-
2020
- 2020-07-10 KR KR1020217028103A patent/KR20220035023A/ko active Pending
- 2020-07-10 CN CN202080050406.4A patent/CN114051513B/zh active Active
- 2020-07-10 JP JP2021530735A patent/JP7496355B2/ja active Active
- 2020-07-10 WO PCT/JP2020/026949 patent/WO2021006329A1/ja active Application Filing
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004526835A (ja) | 2001-03-07 | 2004-09-02 | ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド | エチレン‐ビニルアルコール共重合体を含む酸素捕捉性重合体組成物 |
JP2003012944A (ja) | 2001-04-26 | 2003-01-15 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | 成形性及びガス遮断性に優れた樹脂組成物及び包装材料 |
JP2006070108A (ja) | 2004-08-31 | 2006-03-16 | Kyoraku Co Ltd | 酸素吸収性樹脂組成物及び多層構造体 |
JP2010188693A (ja) | 2009-02-20 | 2010-09-02 | Unitika Ltd | 凸版印刷用感光性樹脂構成体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN114051513A (zh) | 2022-02-15 |
WO2021006329A1 (ja) | 2021-01-14 |
CN114051513B (zh) | 2024-10-18 |
KR20220035023A (ko) | 2022-03-21 |
JPWO2021006329A1 (ja) | 2021-01-14 |
TW202110969A (zh) | 2021-03-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5340307B2 (ja) | 光学フィルム、偏光子保護フィルム、これを用いた偏光板、およびこれを用いた画像表示装置 | |
JP5069198B2 (ja) | 光学フィルム及びこれの製造方法 | |
JP2003012859A (ja) | セルロースエステルフィルム、偏光板用保護フィルム及び偏光板 | |
WO2016157913A1 (ja) | 延伸アクリル系樹脂フィルムの製造方法 | |
CN101720337A (zh) | 光学膜、偏振膜的保护膜,由该保护膜制造的偏振片和使用该偏振片的显示装置 | |
JP7496355B2 (ja) | ポリビニルアルコールフィルム、延伸フィルム、偏光フィルム、及びポリビニルアルコールフィルムの製造方法 | |
JP7545401B2 (ja) | 光学フィルム製造用フィルム及び光学フィルムの製造方法 | |
JP6629495B1 (ja) | ポリビニルアルコールフィルム、延伸フィルム、偏光フィルム、及びポリビニルアルコールフィルムの製造方法 | |
KR20160119774A (ko) | 수성 에멀션, 박물 성형체 및 박물 성형체의 제조 방법 | |
JP6629496B1 (ja) | ポリビニルアルコールフィルム、延伸フィルム、及びポリビニルアルコールフィルムの製造方法 | |
TWI881988B (zh) | 聚乙烯醇薄膜、延伸薄膜、偏光薄膜、及聚乙烯醇薄膜之製造方法 | |
CN114051504B (zh) | 改性共轭二烯系聚合物和包含该改性共轭二烯系聚合物的聚合物组合物 | |
JPH08253655A (ja) | 電池用熱収縮性チューブ | |
JP2019066533A (ja) | 光学フィルム製造用原反フィルム及びそれを用いた光学フィルムの製造方法 | |
JP7390308B2 (ja) | 組成物、皮膜、フィルム及び基材 | |
JP7215924B2 (ja) | ナノセルロース含有樹脂組成物 | |
JP2019196422A (ja) | ポリビニルアルコールフィルム及びその製造方法 | |
JP2009227905A (ja) | 二軸配向アクリル樹脂フィルム | |
JP2025076478A (ja) | 偏光フィルム製造用フィルム及び偏光フィルムの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20220601 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220704 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230516 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230707 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20231010 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20231128 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20240130 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20240318 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20240514 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20240527 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7496355 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |