JP7495057B2 - 計画システム、計画方法およびプログラム - Google Patents
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Description
(構成)
図1は、本開示の一実施形態に係る計画システムの一例を示す図である。
計画システム10は、倉庫内におけるパレットの配置及び入出庫を最適化する計画を同時に作成するシステムである。パレットとは、入出庫する製品を載せる台を表し、倉庫にて保管する製品は、パレット単位で搬送され、配置(保管)される。そのため、本実施形態では、製品の代わりに入出庫する製品を載せたパレットの配置計画及び入出庫計画を作成する。製品の入庫は、搬送機器によって、その製品を載せたパレットを入庫口からパレットを保管する場所へ搬送することによって行い、出庫は、製品の保管場所から出庫口へ出庫対象の製品を載せたパレットを搬送することによって行う。搬送機器は、例えば、有人又は無人のフォークリフトである。パレットの保管場所をロケ(ロケーションの略)と呼ぶ。ロケとは、1つのパレットを配置可能な倉庫内のスペースを表す。1つのロケには、縦方向に複数のパレットを積み上げることができる。更にロケの集合をスタック、スタックの集合をエリアと呼ぶ。また、倉庫では、入出庫の他に配替えと呼ばれる作業が行われる。配替えとは、倉庫内で製品の保管場所を移動させる作業である。配替えは、例えば、出庫に要する時間を短縮させるために、出庫口から遠い場所に保管された製品を、事前に出庫口の近くに移動させる目的で行う。
データ取得部101は、倉庫レイアウト情報と、製品情報と、搬送機器情報と、初期在庫情報と、入庫予定情報と、出庫予定情報と、を取得する。
処理制御部102は、パレットの配置計画及び入出庫計画を作成する処理を制御する。処理制御部102は、エリア最適化部103と、計画作成部104と、を備える。
エリア最適化部103は、入庫予定情報と出庫予定情報を分析し、搬送距離の最小化、同種類の製品を分散させない、特定のエリア・搬送機器に作業を集中させない等の観点からエリア最適化モデルを構築して、この数理モデルを数理計画法で解くことにより、具体的なパレットの配置計画及び入出庫計画を算出する前段階として、最適な入庫先エリア、出庫元エリア、各エリアに配備する搬送機器のおおよその数などを決定する。
出力部105は、パレットの配置計画及び入出庫計画などの計画情報を出力する。
記憶部106は、データ取得部101が取得した情報などを記憶する。
図2に製品を保管しておく倉庫をモデル化した図を示す。図2示すように倉庫1は、入出庫口2と、配置可能エリア4と、通路3とで構成されている。入出庫口2は、製品の入出庫を行う出入口である。入庫口と出庫口が別々の場所に定義されていてもよい。配置可能エリア3は、マス状に区画され、各マスをロケと呼ぶ。各ロケには製品を載せたパレットが配置される。各ロケにおいて、パレットは段積みされる場合がある。各ロケは奥行き方向と、列方向の番号で表すことができる。奥行き方向とは、パレットの収納、取り出しが可能な方向で、搬送機器は、配置可能エリア3において、奥行き方向を往復してパレットの収納、取り出しを行う。列方向とは、奥行き方向と直交する方向であって、パレットの収納、取り出しが不可能な方向である。また、ロケを奥行き方向でまとめた領域(1又は複数列でまとめた領域)をスタックと呼ぶ。図2の例では、2つのパレットを1度に運び、これらを隣り合う列のロケに配置する搬送機器を想定し、2列のロケの集合をスタックと定義しているが、スタックは、1列のロケの集合であってもよい。倉庫内の整理整頓の観点から、好ましくは1つのスタックには、同じ製品を積んだパレットのみを配置する。同じ製品を載せたパレットだけが配置されているスタックを同一スタック、異なる製品を載せたパレットが1つのスタックに混在して配置されている場合、そのスタックを混在スタックと呼ぶ。また、通路3には図示しない搬送機器が配置される。倉庫1を次のようにモデル化する。入出庫口、各スタックをノード(図2の丸印)として表す。入出庫口に対応するノードはN1、スタックに対応するノードはN6~N17である。更に通路3において、搬送機器が必ず通過する中継地を想定し、中継地をノードとして表す(N2~N4)。中継地には、搬送機器が回転や方向変更を行う位置が選ばれる。また、中継地間の距離が離れすぎないように、中継地は、所定の間隔で配置される。そして、近距離に存在するノード同士を枝で接続する。ノードの接続関係を示す枝L1~L15は、搬送機器の経路であり、その長さはノード間の距離を示す。入出庫口のノードN1から搬送対象のパレットが存在するロケが属するノードN17まで移動する場合、搬送機器は、N1、N4、N17の順に移動する。これらのノードを接続する枝L2、L15を辿ることで、ノードN1とノードN17の間の搬送距離を計算することができる。搬送機器は、スタックに対応するノードへは、必ずそのスタックを担当する中継地を経て移動する。例えば、入出庫口のノードN1から左端のスタックに対応するノードN6まで移動する場合、搬送機器は、N1、N3、N2、N6の順に移動する。後述するように倉庫には、2階建てのものが存在し、そのような倉庫では1階と2階のパレットの搬送にオートレータが用いられる。2階建ての倉庫の場合には、1階と2階を接続するオートレータを1つのノードとして表し、モデル化する(後述)。
<パレットの配置計画及び入出庫計画作成処理の全体的な流れ>
次に、パレットの配置計画及び入出庫計画作成処理の全体像について説明する。
図3A、3Bは、それぞれ、パレットの配置計画及び入出庫計画を作成する処理の一例を示す第1、第2のフローチャートである。
例えば、データ取得部101は、倉庫レイアウト情報として、ノードの存在する階数(1階、2階)や種類(入庫口、出庫口、中継地、スタック)、ノード間の接続関係(接続元と接続先)およびノード間の距離を定義した電子ファイル、ノードに所属するロケのIDと列番号および奥行番号などを定義した電子ファイルを取得する。
データ取得部101は、これらの入力データを取得すると、記憶部106に記録する。
エリア最適化処理とは、パレットの配置計画及び入出庫計画の作成に先立って、入庫予定情報と出庫予定情報に基づいて、予定された入出庫の全体に対する大まかなパレットの配置および入出庫方針を決定する処理である。エリア最適化処理では、倉庫のレイアウト及び入出庫をエリア最適化モデルで表し、このモデルを定式化し、この問題を解くことによって、予定された入出庫に対するおおよその入庫先エリア、出庫元エリア、搬送機器台数などを算出する。図4を用いてエリア最適化処理について説明する。
まず、エリア最適化部103は、ネットワークモデルを構築する(ステップS11)。ここで、図5A、図5Bを参照する。図5A、図5Bは、それぞれ、本開示の一実施形態に係るエリア最適化処理を説明する第1、第2の図である。図5Aに倉庫のレイアウトの一例を示し、図5Bに、図5Aに示す倉庫のネットワークモデルを示す。図5Aに示すように、倉庫は、1階と2階から成り、1階には、入庫口と出庫口、配置可能エリアが存在する。2階には、配置可能エリアが存在する。1階と2階は、オートレータAおよびオートレータBで接続される。この倉庫を、ノードと、ノード間を接続する枝でモデル化する。まず、倉庫内の搬送機器が移動可能な場所(入庫口、出庫口、中継地、オートレータ、通路、スタック、エリア)にノードを設け、場所間の移動可能な通路を枝とするネットワークモデルを作る。具体的には、入庫口をノードI、出庫口をノードOとする。1階の配置可能エリアのうち入庫側をノード1A、出庫口側をノード1Bとする。オートレータAをノードA、オートレータBをノードBとする。2階の配置可能エリアのうち入庫側をノード2A、出庫口側をノード2Bとする。そして、ノードIとノード1Aを結ぶ入庫枝、ノードIとノードAを結ぶ入庫枝、ノードIとノード1Bを結ぶ入庫枝、ノードIとノードBを結ぶ入庫枝、ノードAとノード2Aを結ぶ入庫枝、ノードBとノード2Bを結ぶ入庫枝、ノード2AとノードAを結ぶ出庫枝、ノード2BとノードBを結ぶ出庫枝、ノードAとノードOを結ぶ出庫枝、ノードBとノードOを結ぶ出庫枝をそれぞれ作成する。エリア最適化部103は、倉庫レイアウト情報に基づいて、図5Bに例示するネットワークモデルを構築する。
エリア最適化部103は、ステップS1で取得された入力データと、図5Bに例示するネットワークモデルに基づいて、次の数理モデルを作成する。この数理モデルは、倉庫レイアウトや、入出庫情報等のパレットの配置計画及び入出庫計画に必要な情報に基づいて、搬送機器台数とその運用エリアを決定する数理モデルである。
1.入庫予定情報の入庫数の合計、出庫予定情報の出庫数の合計。(計画対象期間、例えば、翌日の1日分の入出庫の合計を用いる)
2.倉庫レイアウト情報、製品情報、初期在庫情報に基づく空きロケ数、在庫数。
3.距離コスト、入庫するときのコスト、出庫するときのコスト。(搬送機器の移動距離に応じてコストが設定される。)
4.搬送機器情報の上限値、1つの枝上でパレットを搬送できる上限値。
5.後述する重み係数K1、K2、K3。
ネットワークモデルの各枝に対して、各製品のパレット数と各搬送機器が搬送するパレット数を表す設計変数を設定する。
1.各枝における、各品物のパレット数(実数変数)
2.各枝における、各搬送機器が搬送するパレット数(実数変数)
制約条件として、入庫数上限、出庫数上限、入出庫に関する流量保存則(搬送機器が搬送するパレット数の総和と入出庫完了数は等しい)を設定する。
1.入庫するパレット数は、空きロケ数以下とする。
2.出庫数するパレットは、初期在庫数以下とする。
3.搬送機器が搬送するパレット数の合計と、入出庫完了数が等しい(流量保存則)。
目的関数は、入出庫未完了数、搬送距離、混在スタック数に対するペナルティ値、格納率(倉庫の面積使用率:全スタック中、パレットが置かれたスタックの割合)にそれぞれに個別の重みを付した値の総和である。混在スタック数に関する評価値を目的関数に加えるのは、混在スタックではどの製品がスタック中に配置されているか判別に余計な手間が発生することや、奥側にある製品を取り出しにくいことが原因で、入出庫時間短縮の弊害となる可能性があり、事前に混在スタック数を減らしておく意味がある。
1.入庫できなかった数と出庫できなかった数の最小化
2.搬送機器が移動する距離と製品を搬送する距離の最小化
3.製品が混在する混同スタック数と格納率の最小化
これらの目的のうち1.を最優先とし、2.と3.については任意の重み係数を当たれることができる。つまり、1.を算出する関数をF1、2.を算出する関数をF2、3.を算出する関数をF3とすると、目的関数は、K1・F1+K2・F2+K3・F3を最小化することである(K1>K2、K3)。エリア最適化部103は所定の関数F1~F3を用いて、3種類の目的に関する評価値とその加重和を計算する。
図6~図8は、それぞれ、本開示の一実施形態に係るパレット配置・入出庫同時最適化モデルを説明する第1図~第3図である。
図6に倉庫のレイアウトの一例を示す。図2を用いて説明したように倉庫レイアウトを、場所をノード、通路を枝とするネットワークモデルに変換する。図6にするように、入出庫口に対して、入庫口に対応するノードI1、出庫口に対応するノードO1を作成し、各スタックに対応するノードP1~P13、通路中の中継地に対応するノードR1、R2を作成する。そして、ノードI1とノードR1を結ぶ枝L1、ノードO1とノードR1を結ぶ枝L2、ノードR1とノードR2を結ぶ枝L3、ノードR1とノードP4~P10のそれぞれを結ぶ枝L4~L10、ノードR2とノードP1~P3およびP11~P13のそれぞれを結ぶ枝L11~L16を作成する。このネットワークモデルを図7に示す。
ステップS1にて取得された倉庫レイアウト情報、製品情報、搬送機器情報、初期在庫情報、入庫予定情報、出庫予定情報、後述する重み係数K1~K5を用いる。
時系列ネットワークの各枝に対して、以下を設定する。
1.各枝における、各品物のパレット数(整数変数)
2.各枝における、搬送機器数(整数変数)(この例ではkの設定により1となる)
3.各同一スタックにおける、各品物のパレット数(整数変数)
4.各出庫口における、各品物の出庫納期(出庫完了目標日時、出庫期限)を超過したパレット数(整数変数)
5.各入庫口における、各品物の入庫納期(入庫完了目標日時)を超過したパレット数(整数変数)
制約条件として、出庫期限や同時搬送可能なパレット数などを与える。制約条件の一例を以下に記載する。
1.各スタックについて、スタックのサイズを超えた数のパレットを保管しない。
2.各ノードに入るパレット数と出るパレット数は等しい。(設計変数1.に対する流量保存則)
3.各ノードに入る搬送機器の台数と出る搬送機器の台数は等しい(設計変数2.に対する流量保存則)。
4.配置可能なパレット数の上限
5.ロケからのパレットの出庫優先順位(奥行番号が小さいロケから出庫する等)
6.同一スタックには同一品目のパレットしか極力配置しない。
7.段数の上限。(ロケにこの上限を超えるパレットを段積みしない)
8.同時搬送可能なパレット数。
9.搬送機器が移動可能なノードの範囲
10.入庫可能日時以降に入庫を開始する。
11.入庫完了目標日時以前に入庫を完了させる。
12.出庫可能日時以降に入庫を開始する。
13.出庫完了目標日時以前に入庫を完了させる。
14.出庫期限(品目の出庫期限(賞味期限など))以内に出庫する。
15.配替えを行う時間帯の制限(搬送機器が空いている時間が所定時間以上の場合のみ、その時間に配替えを行うことができる等)
16.配替え位置の制限(出庫口から所定の距離内で出庫予定がある製品を載せたパレットは配替え対象としない等)
そのほかにも、計画の開始日時、入庫日時の指定、入庫口の指定、出庫日時の指定、出庫口の指定、出庫前の搬送元ロケの指定、搬送機器の動作の指定(入出庫口とスタックの単純往復を繰り返す。)等に関する制約条件を設定する。
目的関数は、5種類の目的(入出庫の期限遵守、入出庫の作業時間(移動距離)を抑える、搬送機器の使用台数を抑える、混合スタック数を抑える、格納率を抑える)を表す評価値に個別の重みを付し、その総和を目的関数の値とする。
1.入出庫期限超過ペナルティ(期日までに入出庫の作業が完了しなかったパレット数にかかるペナルティを表す。)
2.入出庫作業時間(全搬送機器の入出庫作業時間の総和を表す。)
3.搬送機器台数(対象期間内に使用した搬送機器の台数を表す。)
4.パレットの保管場所違反ペナルティ(異なる複数の品目のパレットが同じスタックに保管されることに対するペナルティを表す。)
5.格納率(全スタックに対して、パレットが配置されるスタックの割合(面積使用率)を表す。面積使用率を低減することで、より多くのパレットを保管できることから格納率の向上を実現することができる。)
ここで、上記の目的1~5の評価値を算出する関数をそれぞれF1~F5とすると、目的関数は、K1・F1+K2・F2+K3・F3+K4・F4+K5・F5を最小化することである。K1~K5は任意の重み係数である。
計画作成部104は所定の関数F1~F5を用いて、5種類の目的に関する評価値とその加重和を計算する。
入庫、出庫、配替を同時に計画可能な数理モデルの構築により、搬送機器の移動距離や入出庫時間の観点で効率的な計画を作成可能となる。
図9は、本開示の一実施形態に係るパレット配置・入出庫同時最適化処理の一例を示すフローチャートである。
まず、計画作成部104は、ステップS1で取得された倉庫レイアウト情報に基づいて、図7に例示するネットワークモデルを構築する(ステップS21)。次に計画作成部104は、図8に例示する時空間ネットワークを構築する(ステップS22)。このとき、計画作成部104は、ステップS2の結果に基づいて、入庫するパレットを配置すべきエリア、出庫すべき製品を載せたパレットが配置されているエリアのみを対象として、時空間ネットワークを作成する。例えば、図7のネットワークモデルにおいて、ステップS2の結果、中継地R1に属するスタックのみが入庫および出庫対象エリアであることが分かっている場合、計画作成部104は、時空間ネットワークの横軸に、入庫口I1、出庫口O1、中継地R1、スタックP4~P10だけをプロットし、中継地R2、スタックP1~P3、P11~P13を削除することができる。これにより、問題規模を縮小することができる。また、例えば、計算済みの時間帯にて、既にスタックP4に対する入出庫が完了しており、残りの時間帯においてスタックP4に対する入出庫の予定が無い場合、計画作成部104は、更に横軸からスタックP4を削除して時空間ネットワークを作成する。これにより更に問題規模を縮小することができる。
最後に計画作成部104は、最適化計算の結果を記憶部106に記録する(ステップS25)。計算結果には、枝ごとに搬送機器ID、作業種類(入庫、出庫、配替え)、パレットのID、搬送元ロケのID、搬送先ロケのID、作業の開始時刻と終了時刻、入庫、出庫それぞれにおける完了目標からの超過時間、入庫に要する時間、出庫に要する時間などが含まれる。これにより、目的関数の値が最小となるパレット配置・入出庫計画を作成することができる。
上記のパレット配置・入出庫同時最適化処理は計算負荷が高い。そこで、処理対象の時間tにおける入出庫予定が、(1)入庫のみ、(2)出庫のみ、(3)入出庫のどちらもない場合に関しては、上記の数理モデルを用いた計算ではなく、所定のルールに従って入庫、出庫、配替えの対象となるパレットを搬送機器に割付け、その移動元、移動先、移動時間、移動開始時間を決定するという簡易な手法により計算負荷を減らし、計算の高速化を実現する。本実施形態では、入庫、出庫、配替えのそれぞれについて専用のヒューリスティック手法(入庫計画最適化処理、出庫計画最適化処理、配替計画最適化処理)を用いる。
(1)入庫計画最適化処理:入庫のみの場合、計画作成部104は、入庫納期が近い入庫対象パレットから順番に、入庫口から入庫先スタックへ搬送する計画(入庫口、入庫先スタック、移動時間、移動開始時間)を作成する。このとき、入庫対象パレットと同一の製品が配置されたスタックの中で最も入庫口に近い場所を入庫先に選定する。入庫可能距離内に同一スタックに入庫先が無い場合、空きスタックを入庫先に設定し、空きスタックが無い場合、混在スタックを入庫先に選定する。初期位置(入庫作業開始時点)からの移動時間がステップS4で設定した時間内(例えば、60分)に収まる場合に搬送可能と判定し、そのときの搬送経路、搬送順を入庫計画とする。これにより、入庫期限を守りつつ、混在スタックを増やすことなく、同じ製品をなるべく同一スタックにて保管できるようなパレットの配置を実現する入庫計画を作成することができる。
図11A、図11Bは、それぞれ、本開示の一実施形態に係る入庫計画最適化処理の一例を示す第1、第2のフローチャートである。
計画作成部104は、入庫対象パレットに関して、最も入庫納期の早いパレットを選定する(ステップS31)。計画作成部104は、入庫予定情報に含まれる処理対象時間tにおける入庫予定のうち最も入庫完了目標日時が早いパレットのIDを選定する。
次に計画作成部104は、同一製品が配置されている同一スタックに対して割付処理を実行する(ステップS32)。ここで、図11Bを参照して割付処理について説明する。
図12A、図12Bは、それぞれ、本開示の一実施形態に係る出庫計画最適化処理の一例を示す第1、第2のフローチャートである。
計画作成部104は、出庫対象パレットに関して、最も出庫納期の早いパレットを選定する(ステップS51)。計画作成部104は、出庫予定情報に含まれる処理対象時間tにおける出庫予定のうち最も出庫完了目標日時が早いパレットのIDを選定する。
次に計画作成部104は、複数種類の製品が配置されている混在スタックに対して割付処理を実行する(ステップS52)。ここで、図12Bを参照して割付処理について説明する。
図13は、本開示の一実施形態に係る配替計画最適化処理の一例を示すフローチャートである。
計画作成部104は、出庫対象パレットに関して、配替え対象となる最も出庫期限の早い製品を積んだパレットを選定する(ステップS71)。配替え対象となるパレットとは、例えば、出庫口からの距離が所定以上となるロケに保管されているパレットである。次に計画作成部104は、出庫口から最も近い位置にある設定したパレットに関する同一スタックを配替先に選定する(ステップS72)。次に計画作成部104は、決定した配替先に対して、時間t内に搬送可能な搬送機器が存在するかどうかを判定する(ステップS73)。搬送可能な搬送機器が存在する場合(ステップS73;Yes)、ステップS76の処理に進む。また、計画作成部104は、搬送可能な搬送機器によって、出庫口からの距離が所定以上となるロケに保管されているパレットを、出庫口近くの同一スタックに配替えする配替計画を作成し、これを記憶部106に記録する。配替計画には、移動元、移動先、移動時間、移動開始時間などの情報が含まれる。搬送可能な搬送機器が存在しない場合(ステップS73;No)、計画作成部104は、配替え対象製品と同じ製品を格納した倉庫内の全ての同一スタックについて、搬送可能な搬送機器が存在するか否かを確認済かどうか判定する(ステップS74)。全スタックを確認済みの場合(ステップS63;Yes)、ステップS76の処理に進む。確認済みでは無い場合(ステップS63;No)、計画作成部104は、出庫口に次に近い同一スタックを配替先に変更(ステップS75)し、ステップS73以降の処理を繰り返す。
コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、入出力インタフェース904、通信インタフェース905を備える。
上述の計画システム10は、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各機能は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、記憶領域を主記憶装置902に確保する。また、CPU901は、プログラムに従って、処理中のデータを記憶する記憶領域を補助記憶装置903に確保する。
各実施形態に記載の計画システム10、計画方法およびプログラムは、例えば以下のように把握される。
これにより、入庫のついでに出庫や配替えを実行するといった、1つの作業のついでに他の作業を行う計画を作成することができ、搬送作業の効率を向上することができる。また、搬送機器の台数を最小化することができる。
これにより、具体的な入出庫計画を作成する前に、おおよその入庫対象エリア、出庫対象エリアを事前に把握することができる。これにより、後続の処理において、入庫や出庫の対象エリアを絞ることができ、入出庫計画作成時の計算量を低減することができる。
これにより、入庫しか予定が無い場合、計算負荷が低い方法で入庫計画を作成することができる。
これにより、出庫しか予定が無い場合、計算負荷が低い方法で出庫計画を作成することができる。
これにより、入出庫の予定が無い場合、計算負荷が低い方法で配替計画を作成することができる。
これにより、入出庫計画の作成に要する計算時間を低減することができる。
1台の搬送機器ずつ入出庫計画を作成することで、入出庫に必要な搬送機器の最低台数を算出することができる。
101・・・データ取得部
102・・・処理制御部
103・・・エリア最適化部
104・・・計画作成部
105・・・出力部
106・・・記憶部
900・・・コンピュータ
901・・・CPU
902・・・主記憶装置
903・・・補助記憶装置
904・・・入出力インタフェース
905・・・通信インタフェース
Claims (9)
- 倉庫へ入庫する製品の入庫予定情報と、前記倉庫からの出庫予定情報と、前記倉庫のレイアウト情報と、前記倉庫で前記製品を搬送する搬送機器の情報と、を取得するデータ取得部と、
前記倉庫のレイアウト情報に基づいて、前記倉庫における入庫口を示すノードと、出庫口を示すノードと、前記製品の保管場所を示す複数のノードと、前記搬送機器が通過する中継地を示すノードと、前記入庫口を示すノードと前記中継地を示すノードを接続する第1経路と、前記出庫口を示すノードと前記中継地を示すノードを接続する第2経路と、前記中継地を示すノードと複数の前記保管場所の各々を示すノードを接続する第3経路と、によって前記倉庫のネットワークモデルを作成し、前記入庫予定情報に基づいて、前記搬送機器を前記第1経路と前記第3経路を移動させて、入庫に係る前記製品を前記入庫口から前記保管場所のいずれかに入庫し、前記出庫予定情報に基づいて、前記搬送機器を前記第3経路と前記第2経路を移動させて、出庫に係る前記製品を前記保管場所から前記出庫口へ出庫させたときの、前記入庫の完了時刻と、前記出庫の完了時刻と、前記入庫および前記出庫に要する前記搬送機器の移動距離と、前記入庫および前記出庫が完了した後の複数の前記保管場所における前記製品の保管数と、を算出し、前記入庫の完了時刻の、当該完了時刻に前記入庫を完了した前記製品について設定されている所定の入庫納期に対する遅延時間と、前記出庫の完了時刻の、当該完了時刻に前記出庫を完了した前記製品について設定されている所定の出庫納期に対する遅延時間と、前記移動距離の合計と、前記搬送機器の台数と、所定の範囲内に位置する前記保管場所に異なる種類の前記製品が保管されていることに対して付与される所定のペナルティ値と、前記倉庫内の全ての前記保管場所のうち前記製品が保管されている前記保管場所の割合と、の加重和が最小となるときの前記搬送機器の移動経路と移動順を算出することにより入出庫計画を作成する入出庫計画作成部と、
を備える計画システム。 - 前記倉庫のレイアウト情報に基づいて、前記倉庫における入庫口を示すノードと、出庫口を示すノードと、製品の保管場所を示す複数のノードと、前記入庫口を示すノードと前記保管場所の各々を示すノードを接続する第4の経路と、前記出庫口を示すノードと前記保管場所の各々を示すノードを接続する第5の経路と、によって前記倉庫をモデル化したエリア最適化モデルを作成し、前記入庫予定情報に基づいて、前記搬送機器を前記第4の経路を移動させて、入庫に係る製品を前記入庫口から前記保管場所のいずれかに入庫し、前記出庫予定情報に基づいて、前記搬送機器を前記第5の経路を移動させて、出庫に係る前記製品を前記保管場所から前記出庫口へ出庫させたときの、前記第4の経路を通って入庫された前記製品の数を示す第1製品数と、前記第4の経路を通って入庫された前記搬送機器ごとの前記製品を示す第2製品数と、前記第5の経路を通って出庫された前記製品の数を示す第3製品数と、前記第5の経路を通って出庫された前記搬送機器ごとの前記製品の数を示す第4製品数と、を算出し、前記入庫予定情報に含まれる前記入庫の予定が確定している前記製品の数から前記第1製品数を減じて算出される入庫できなかった前記製品の数と、前記出庫予定情報に含まれる前記出庫の予定が確定している前記製品の数から前記第3製品数を減じて算出される出庫できなかった前記製品の数と、前記移動距離の合計と、所定の範囲内に位置する前記保管場所に異なる種類の前記製品が保管されていることに対して付与される所定のペナルティ値と、前記倉庫内の全ての前記保管場所のうち前記製品が保管されている前記保管場所の割合と、の加重和が最小となるときの前記第1製品数と、前記第2製品数と、前記第3製品数と、前記第4製品数と、を算出するエリア最適化部、をさらに備え、
前記入出庫計画作成部は、前記第1製品数が0となった前記第4の経路に係る前記保管場所と、前記第3製品数が0となった前記第5の経路に係る前記保管場所と、を除外して、前記ネットワークモデルを作成する、
請求項1に記載の計画システム。 - 前記入庫予定情報と前記出庫予定情報において、所定の処理対象の時間に入庫の予定のみが存在する場合、前記入庫納期が近い前記製品から順に、入庫に係る前記製品と同一の前記製品が保管された複数の前記保管場所を含む領域のうち、最も前記入庫口に近い前記領域を入庫先に選定し、当該入庫先に入庫する計画を作成し、前記入庫先を選定すると、前記入庫納期までに入庫できない場合、次に前記入庫口に近い前記領域を前記入庫先に選定して前記計画を作成する処理を繰り返すことにより、予定された前記入庫の入庫計画を作成する入庫計画部、
をさらに備える請求項1又は請求項2に記載の計画システム。 - 前記入庫予定情報と前記出庫予定情報において、所定の処理対象の時間に出庫の予定のみが存在する場合、前記出庫納期が近い前記製品から順に、出庫に係る前記製品と当該製品とは異なる前記製品とが保管された、複数の前記保管場所を含む領域のうち、最も前記出庫口に近い前記領域を出庫元に選定し、当該出庫元から出庫する計画を作成し、前記出庫元を選定すると、前記出庫納期までに出庫できない場合、次に前記出庫口に近い前記領域を前記出庫元に選定して前記計画を作成する処理を繰り返すことにより、予定された前記出庫の出庫計画を作成する出庫計画部、
をさらに備える請求項1から請求項2の何れか1項に記載の計画システム。 - 前記入庫予定情報と前記出庫予定情報において、所定の処理対象の時間に入庫および出庫の予定が存在しない場合、出庫期限が近い前記製品から順に、前記製品と同一の前記製品が保管された複数の前記保管場所を含む領域のうち、前記出庫口から所定の距離以上離れた前記領域に保管された前記製品を、前記出庫口に最も近い前記領域に移動する計画を作成し、所定の時間内に移動できない場合、次に前記出庫口に近い前記領域へ移動させる計画を作成する処理を繰り返すことにより、出庫期限が近い前記製品を前記出庫口の近くに移動させる配替計画を作成する配替計画部、
をさらに備える請求項1から請求項2の何れか1項に記載の計画システム。 - 前記入出庫計画作成部は、所定の第1時間に予定された入庫及び出庫について、前記第1時間を分割し、分割後の複数の時間のうち、早い時間から順に当該時間内に予定された入庫及び出庫に対して、前記搬送機器の移動経路と移動順を算出する、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の計画システム。 - 前記入出庫計画作成部は、1台の前記搬送機器について、予定された入庫及び出庫に対する前記入出庫計画を作成し、前記入庫納期までに入庫できない又は前記出庫納期までに出庫できない前記入出庫計画が作成された場合、当該入出庫計画を破棄し、破棄した前記入出庫計画に係る入庫と出庫については、別の前記搬送機器を用いた前記入出庫計画を作成する、
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の計画システム。 - コンピュータによって実行される計画方法であって、
倉庫へ入庫する製品の入庫予定情報と、前記倉庫からの出庫予定情報と、前記倉庫のレイアウト情報と、前記倉庫で前記製品を搬送する搬送機器の情報と、を取得するステップと、
前記倉庫のレイアウト情報に基づいて、前記倉庫における入庫口を示すノードと、出庫口を示すノードと、前記製品の保管場所を示す複数のノードと、前記搬送機器が通過する中継地を示すノードと、前記入庫口を示すノードと前記中継地を示すノードを接続する第1経路と、前記出庫口を示すノードと前記中継地を示すノードを接続する第2経路と、前記中継地を示すノードと複数の前記保管場所の各々を示すノードを接続する第3経路と、によって前記倉庫のネットワークモデルを作成し、前記入庫予定情報に基づいて、前記搬送機器を前記第1経路と前記第3経路を移動させて、入庫に係る前記製品を前記入庫口から前記保管場所のいずれかに入庫し、前記出庫予定情報に基づいて、前記搬送機器を前記第3経路と前記第2経路を移動させて、出庫に係る前記製品を前記保管場所から前記出庫口へ出庫させたときの、前記入庫の完了時刻と、前記出庫の完了時刻と、前記入庫および前記出庫に要する前記搬送機器の移動距離と、前記入庫および前記出庫が完了した後の複数の前記保管場所における前記製品の保管数と、を算出し、前記入庫の完了時刻の、当該完了時刻に前記入庫を完了した前記製品について設定されている所定の入庫納期に対する遅延時間と、前記出庫の完了時刻の、当該完了時刻に前記出庫を完了した前記製品について設定されている所定の出庫納期に対する遅延時間と、前記移動距離の合計と、前記搬送機器の台数と、所定の範囲内に位置する前記保管場所に異なる種類の前記製品が保管されていることに対して付与される所定のペナルティ値と、前記倉庫内の全ての前記保管場所のうち前記製品が保管されている前記保管場所の割合と、の加重和が最小となるときの前記搬送機器の移動経路と移動順を算出することにより入出庫計画を作成するステップと、
を有する計画方法。 - コンピュータに、
倉庫へ入庫する製品の入庫予定情報と、前記倉庫からの出庫予定情報と、前記倉庫のレイアウト情報と、前記倉庫で前記製品を搬送する搬送機器の情報と、を取得し、
前記倉庫のレイアウト情報に基づいて、前記倉庫における入庫口を示すノードと、出庫口を示すノードと、前記製品の保管場所を示す複数のノードと、前記搬送機器が通過する中継地を示すノードと、前記入庫口を示すノードと前記中継地を示すノードを接続する第1経路と、前記出庫口を示すノードと前記中継地を示すノードを接続する第2経路と、前記中継地を示すノードと複数の前記保管場所の各々を示すノードを接続する第3経路と、によって前記倉庫のネットワークモデルを作成し、前記入庫予定情報に基づいて、前記搬送機器を前記第1経路と前記第3経路を移動させて、入庫に係る前記製品を前記入庫口から前記保管場所のいずれかに入庫し、前記出庫予定情報に基づいて、前記搬送機器を前記第3経路と前記第2経路を移動させて、出庫に係る前記製品を前記保管場所から前記出庫口へ出庫させたときの、前記入庫の完了時刻と、前記出庫の完了時刻と、前記入庫および前記出庫に要する前記搬送機器の移動距離と、前記入庫および前記出庫が完了した後の複数の前記保管場所における前記製品の保管数と、を算出し、前記入庫の完了時刻の、当該完了時刻に前記入庫を完了した前記製品について設定されている所定の入庫納期に対する遅延時間と、前記出庫の完了時刻の、当該完了時刻に前記出庫を完了した前記製品について設定されている所定の出庫納期に対する遅延時間と、前記移動距離の合計と、前記搬送機器の台数と、所定の範囲内に位置する前記保管場所に異なる種類の前記製品が保管されていることに対して付与される所定のペナルティ値と、前記倉庫内の全ての前記保管場所のうち前記製品が保管されている前記保管場所の割合と、の加重和が最小となるときの前記搬送機器の移動経路と移動順を算出することにより入出庫計画を作成する処理、
を実行させるプログラム。
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WO2017094181A1 (ja) | 2015-12-04 | 2017-06-08 | 株式会社日立物流 | 倉庫設計システム |
CN109086532A (zh) | 2018-08-09 | 2018-12-25 | 广东工业大学 | 一种基于oopn网模型的立体仓库半实物仿真建模方法 |
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