JP7492363B2 - ハイブリッド発電システムおよびその設置方法 - Google Patents
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Description
傾斜面に配列される複数の太陽電池アレイを備え、
前記太陽電池アレイは、
複数の太陽光パネルと、
前記複数の太陽光パネルを固定する架台と、
前記複数の太陽光パネルのうち、隣接する2つの太陽光パネルを連結する、弾性を有する膨張性充填剤製の連結部材と、
を含む。
前記太陽電池アレイの表面に沿って流れ落ちる雨水を集めるための集水器と、
前記集水器によって集めた雨水を利用して発電するための水力発電装置と、
を含む。
傾斜面に架台を設置する工程と、
複数の太陽光パネルが所定の間隔で配列されるように、前記複数の太陽光パネルを前記架台に固定する工程と、
前記架台に固定した複数の太陽光パネルのうち、隣接する2つの太陽光パネルの間に膨張性充填剤を配置する工程と、
前記膨張性充填剤を膨張させて、前記隣接する2つの太陽光パネルをそれぞれ連結することにより太陽電池アレイを形成する工程と、
を備えることを特徴とする。
本発明のハイブリッド発電システムは、太陽光発電システムと水力発電システムとを備える。このため、晴天時ばかりでなく、雨天時にも発電可能である。
図1および図2に示すように、本発明のハイブリッド発電システム1を構成する太陽光発電システム10は、傾斜面Sに配列される複数の太陽電池アレイ11を備える。この太陽電池アレイ11は、複数の太陽光パネル12と、複数の太陽光パネル12を固定する架台13と、複数の太陽光パネル12のうち、隣接する2つの太陽光パネル12を連結する、弾性を有する膨張性充填剤製の連結部材14とを備える。
太陽光パネル12としては、特に制限されることはなく、一般的なメガソーラーなどで用いられているものを使用することができる。なお、本発明における太陽光パネルとは、太陽電池素子(セル)を複数枚接続し、強化ガラス、樹脂またはフィルムなどで覆い、アルミニウム製のフレームなどで強化したものをいう。
図2に示すように、架台13は、太陽光パネル12を水平方向に対して傾斜した状態で固定する。なお、太陽光パネル12の水平方向に対する傾斜角は、特に制限されることはなく、太陽光パネル12を設置場所の地形などに応じて、適宜調整することが好ましい。
本発明のハイブリッド発電システム1では、図3に示すように、太陽光パネル12aと、この太陽光パネル12aに隣接する太陽光パネル12bおよび太陽光パネル12cとは、それぞれ連結部材14により連結されている。これにより、雨天時に、太陽光パネル12の表面を流れる雨水を集水器21に案内することができるため、雨水を利用した水力発電を行うことが可能となる。
連結部材14は、太陽光パネル12(12a、12b、12c)を架台13に固定した後に、連結部材14を容易に取り付け可能な構造であることが好ましい。たとえば、図4(b)に示すように、隣接する2つ太陽光パネル12a、12bの対向する側面に凹部16を設けて、凹部16に連結部材14を係合させることにより、これらの太陽光パネル12a、12bを連結してもよい。あるいは、図4(c)に示すように、連結部材14は、隣接する2つの太陽光パネル12a、12bの端部を覆うことにより、これらの太陽光パネル12a、12bを連結してもよい。いずれの場合も、太陽光パネル12a、12bの対向する側面同士の間隔よりも若干小さい幅の連結部材14を用意し、これを所定の位置に配置後に膨張させることによって、太陽光パネル12a、12bを架台13に固定した後に、連結部材14を容易に取り付けることができる。
連結部材14は、発泡剤などの膨張性を有する充填剤(膨張性充填剤17、図6参照)により構成される。この連結部材14は、弾性を有することが必要となる。これにより、強風時に太陽光パネル12a、12bが煽られた場合や、太陽光パネル12a、12bが熱膨張した場合に、2つの太陽光パネル12a、12b間に作用する力を緩和することができる。
太陽電池アレイとは、複数枚の太陽光パネルを並べて配線したものであり、太陽光発電システムの発電要素の設置単位となるものである。本発明においては、上述した複数の太陽光パネル12と、複数の太陽光パネル12を水平面に対して所定角度で傾斜した状態で固定する架台13と、隣接する2つの太陽光パネル12を連結する弾性を有する膨張性充填剤製の連結部材14とを含めて太陽電池アレイ11と呼ぶものとする。この太陽電池アレイ11は、主として傾斜面Sに配列される。ここで、傾斜面Sには、山地や丘陵地における陽当たりが良好な斜面のほか、人工物の屋根なども含まれる。
降雨時に風が伴うと、太陽電池アレイ11の表面を流れ落ちる雨水が集水器21に到達する前に吹き飛ばされたり、意図しない方向に流れ出てしまい、効率的な水力発電が妨げられる場合がある。このため、太陽電池アレイ11は、図5に示すように、太陽電池アレイ11の水平方向両端と傾斜方向上端に板状部材19を備えることが好ましい。これにより、風により太陽電池アレイ11の表面を流れ落ちる雨水が吹き飛ばされたり、意図しない方向に流れ出たりすることを効果的に防止することができる。なお、板状部材19は、風によって破損しない程度の強度を有するものであればよい。一例では、板状部材19は、アルミニウム製で、厚さを0.5cm~2cm、太陽電池アレイ11表面からの高さを2cm~5cmとすることができる。
本発明のハイブリッド発電システム1は、上述した太陽光発電システム10に加えて、水力発電システム20を備える。この水力発電システム20は、太陽電池アレイ11の表面に沿って流れ落ちる雨水を集めるための集水器21と、集水器21によって集めた雨水を利用して発電するための水力発電装置22とを含む。
集水器21は、太陽電池アレイ11の表面に沿って流れる落ちる雨水を集めるためのものである。集水器21は、一例では、図1および図2に示すように、各太陽電池アレイ11の下端に沿って配置され、各集水器21が流路25によって連結される。
水力発電装置22は、集水器21によって集めた雨水を利用して発電する。このような水力発電装置22は発電機を含む。発電機としては、特に制限されず、本発明のハイブリッド発電システム1の設置場所の地形や気候条件などを考慮して、適切な発電量の発電機を用いることが好ましい。なお、発電に使用された雨水は、排水口23を介して海や河川などに放流される。
水力発電システム20において、集水器21と水力発電装置22との間に、貯水槽24を設けてもよい。貯水槽24は、一時的に雨水を貯水可能なものであれば、特に制限されることはないが、流量制御弁などを備え、水力発電装置22に流れ込む水量を調整可能なものであることが好ましい。なお、貯水槽24は、オーバーフロー可能な構造であることが好ましい。これにより、台風などのように短時間で多量の雨が降った場合に、水力発電装置22に過度な負担がかかるのを抑制することができる。
本発明のハイブリッド発電システム1は、上述した各構成要素のほか、通常の太陽光発電システム10や水力発電システム20が備える付帯設備を含む。例えば、発電した直流の電気を交流に変換するためのパワーコンディショナー30、発電した電気を蓄えるための蓄電池31などを含む。
本発明のハイブリッド発電システム1の設置方法は、設置工程と、固定工程と、配置工程と、連結工程とを含む。なお、これら以外の工程については、従来の太陽光発電システムの設置方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
設置工程は、傾斜面に架台13を設置する工程である。なお、上述したように、本発明における傾斜面Sは、山地や丘陵地における陽当たりが良好な斜面のほか、人工物の屋根なども含まれる。
固定工程は、複数の太陽光パネル12を架台13に固定する工程である(図6(a)参照)。この工程では、太陽光パネル12は、所定の間隔となるように架台13に固定される。この際、太陽光パネル12の固定には、ボルトやナットなどの一般的な固定手段を用いることができる。
配置工程では、固定工程で架台13に固定した複数の太陽光パネル12のうち、隣接する2つの太陽光パネル12(12a、12bまたは12a、12c)の間に膨張性充填剤17を配置する工程である(図6(b)参照)。この際、膨張性充填剤17としては、隣接する2つの太陽光パネル12の対向する側面同士の間隔よりも若干小さいものを使用することが好ましい。
連結工程は、配置工程で隣接する2つの太陽光パネル12の間に配置した膨張性充填剤17を膨張させて、これらの太陽光パネル12を連結する工程である。たとえば、膨張性充填剤17として発泡剤を用いた場合、この発泡剤を発泡させて膨張させることにより、太陽光パネル12を連結することができる。
10 太陽光発電システム
11 太陽電池アレイ
12、12a、12b、12c 太陽光パネル
13 架台
14 連結部材
16 凹部
17 膨張性充填剤
18 カバー
19 板状部材
20 水力発電システム
21 集水器
22 水力発電装置
23 排水口
24 貯水槽
25 流路
30 パワーコンディショナー
31 蓄電池
Claims (10)
- 太陽光発電システムと水力発電システムとを備えるハイブリッド発電システムであって、
前記太陽光発電システムは、
傾斜面に配列される複数の太陽電池アレイを備え、
前記太陽電池アレイは、
複数の太陽光パネルと、
前記複数の太陽光パネルを固定する架台と、
前記架台に固定された複数の太陽光パネルのうち、隣接する2つの太陽光パネルのそれぞれの間に配置され、前記隣接する2つの太陽光パネルのそれぞれを連結する、弾性を有する膨張性充填剤製の連結部材と、
を含み、
前記水力発電システムは、
前記太陽電池アレイの表面に沿って流れ落ちる雨水を集めるための集水器と、
前記集水器によって集めた雨水を利用して発電するための水力発電装置と、
を含む、
ハイブリッド発電システム。 - 前記連結部材は、防水性を有するか、または、該連結部材の表面に防水性のカバーを備える、請求項1に記載のハイブリッド発電システム。
- 前記連結部材は、雨水の通過が可能な形状である、請求項1または2に記載のハイブリッド発電システム。
- 前記連結部材は、前記隣接する2つの太陽光パネルの端部を覆うことにより、該隣接する2つの太陽光パネルを連結する、請求項1~3のいずれかに記載のハイブリッド発電システム。
- 太陽光発電システムと水力発電システムとを備えるハイブリッド発電システムであって、
前記太陽光発電システムは、
傾斜面に配列される複数の太陽電池アレイを備え、
前記太陽電池アレイは、
複数の太陽光パネルと、
前記複数の太陽光パネルを固定する架台と、
前記複数の太陽光パネルのうち、隣接する2つの太陽光パネルを連結する、弾性を有する膨張性充填剤製の連結部材と、
を含み、
前記隣接する2つの太陽光パネルの対向する側面は凹部を備え、
前記連結部材は、前記対向する側面の凹部とそれぞれ係合することにより、前記隣接する2つの太陽光パネルを連結し、
前記水力発電システムは、
前記太陽電池アレイの表面に沿って流れ落ちる雨水を集めるための集水器と、
前記集水器によって集めた雨水を利用して発電するための水力発電装置と、
を含む、
ハイブリッド発電システム。 - 前記太陽電池アレイは、該太陽電池アレイの水平方向両端と傾斜方向上端に板状部材を備える、請求項1~5のいずれかに記載のハイブリッド発電システム。
- 前記集水器は、前記太陽電池アレイの下端に沿って配置される、請求項1~6のいずれかに記載のハイブリッド発電システム。
- 前記水力発電システムは、前記集水器と前記水力発電装置との間に貯水槽をさらに備える、請求項1~7のいずれかに記載のハイブリッド発電システム。
- 前記太陽光発電システムおよび/または前記水力発電システムで発電した電力を蓄える蓄電池をさらに備える、請求項1~8のいずれかに記載のハイブリッド発電システム。
- 傾斜面に架台を設置する工程と、
複数の太陽光パネルが所定の間隔で配列されるように、前記複数の太陽光パネルを前記架台に固定する工程と、
前記架台に固定した複数の太陽光パネルのうち、隣接する2つの太陽光パネルの間にそれぞれ膨張性充填剤を配置する工程と、
前記膨張性充填剤を膨張させて、前記隣接する2つの太陽光パネルをそれぞれ連結することにより太陽電池アレイを形成する工程と、
を備える、ハイブリッド発電システムの設置方法。
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