JP7492140B2 - 詰まり防止装置及び詰まり防止方法 - Google Patents

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Description

本発明は、詰まり防止装置及び詰まり防止方法に関する。
各種の工業製品を製造するに際して、製造物に対して冷却水を噴射して、製造物を冷却することは広く行われている。一般に、冷却に用いられる冷却水の循環系統には、各種の異物、析出物、カルシウム(Ca)やマグネシウム(Mg)を主体とする水垢等の付着によって、配管詰まりが発生することがある。このような詰まりは、特に、冷却水を噴射するためのノズルのヘッダ部分、混合部、ノズルチップ、配管中のフィルタ等に顕著に発生する。
更に、各種の鉄鋼製品を製造する際の冷却工程においては、鋼からのスケールの飛び散りや、高温環境下での使用による乾燥が起きる可能性が高く、スプレーノズル部の詰まりや、異物等の固着が発生しやすい環境にある。
そのため、従来、冷却スプレーノズルの詰まりを防止するための技術が各種提案されている。例えば以下の特許文献1には、冷却水に氷片を混入させた上で冷却スプレーノズルに冷却水を供給することで、冷却スプレーノズルの詰まりを防止する技術が提案されている。また、以下の特許文献2には、一端側がコンプレッサに接続され、他端側が閉塞されている多孔質セラミック製の直管を用いてマイクロバブルを発生させることで、流路閉塞を防止する技術が提案されている。
特開2011-16149号公報 国際公開第2018/021254号
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術の場合、氷片の維持管理にコストを要してしまう。また、氷片そのものが詰まりの原因になることを防止するために、氷片を微細化して大きさを制御することが求められるが、特に高温環境下における氷片のサイズの制御には、困難が伴うことがある。このように、上記特許文献1に開示されている技術を用いる場合、ユーザの利便性という観点において、未だ改善の余地がある。
また、上記特許文献2に開示されている技術では、多孔質セラミックを用いてマイクロバブルを発生させ、かかるマイクロバブルにより詰まりを防止する技術であるが、多孔質セラミックは、その気孔径を小さくしたとしても、表面張力の影響でマイクロバブルの微細化が困難であるため、マイクロバブルによる異物等の除去が十分に実施できない可能性がある。また、乾燥したり、水が張った状態が継続したりすると、多孔質セラミック自体にバイオフィルムや結晶が発生し、多孔質セラミック自体に詰まりが生じる可能性もある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ユーザの利便性を維持しつつ、冷却に用いられるスプレーノズルの詰まりをより確実に防止することが可能な、詰まり防止装置及び詰まり防止方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討した結果、特定の帯電状態となっているファインバブルを冷却用スプレーノズルの配管内に供給することで、詰まりの原因である異物やスケール等を配管内に留めず、更に析出物や水垢の発生を防止することが可能となり、配管内の清浄性を維持可能であることを知見した。
以下で詳述する本発明は、かかる知見に基づき完成されたものであり、その要旨は、以下の通りである。
(1)対象物を冷却する冷却工程に設けられる冷却用スプレーノズルの詰まりを防止する防止装置であって、前記冷却用スプレーノズルに設けられる冷却水の循環配管に対して、前記冷却用スプレーノズルから離隔した位置に設けられており、-30mV以下のゼータ電位を有するファインバブルを発生させる気液二相流旋回せん断方式のファインバブル発生ノズルと、前記ファインバブル発生ノズルに、0.05MPa以上0.50MPa以下の圧力で冷却水を供給する循環ポンプと、を備える、詰まり防止装置。
(2)前記ファインバブル発生ノズルは、当該ファインバブル発生ノズルに設けられている絞りと前記冷却用スプレーノズルに設けられている絞りとの間の距離Lが1.0m以上10.0m以下の範囲内となるように、前記循環配管に設けられる、(1)に記載の詰まり防止装置。
(3)前記ファインバブル発生ノズルに設けられている絞りは、前記冷却用スプレーノズルに設けられている絞りの最小断面積をDsとし、前記ファインバブル発生ノズルに設けられている絞りの最小断面積をDfとしたときに、断面積比(Ds/Df)が0.9以上3.0以下の範囲内となる、(1)又は(2)に記載の詰まり防止装置。
(4)前記ファインバブル発生ノズルに供給される空気の流量を制御する流量調整機構を更に備え、前記流量調整機構は、前記ファインバブル発生ノズルに供給される冷却水の流量をQlとし、前記ファインバブル発生ノズルに供給される空気の流量をQaとしたときに、流量比(Qa/Ql)が0.002以上0.300以下となるように、空気の流量を調整する、(1)~(3)の何れか1つに記載の詰まり防止装置。
(5)前記冷却水の流れ方向に沿って前記ファインバブル発生ノズルの直後に、内径が前記循環配管の内径よりも大きな膨張室を更に備える、(1)~(4)の何れか1つに記載の詰まり防止装置。
(6)前記膨張室の最大内径は、前記循環配管の最大内径の1.3倍以上5.0倍以下である、(5)に記載の詰まり防止装置。
(7)前記循環配管を流れる前記冷却水の流速は、0.5m/s以上10.0m/s以下である、(1)~(6)の何れか1つに記載の詰まり防止装置。
(8)前記ファインバブル発生ノズルは、当該ファインバブル発生ノズルのノズル軸と、前記冷却用スプレーノズルのノズル軸とのなす角θが0度以上60度以下の範囲内となるように、前記循環配管に設置される、(1)~(7)の何れか1つに記載の詰まり防止装置。
(9)前記冷却用スプレーノズルは、空気を主流とするスプレーノズルであり、前記ファインバブル発生ノズルは、当該ファインバブル発生ノズルのノズル軸と、前記冷却用スプレーノズルのノズル軸とのなす角θが5度以上90度以下の範囲内となるように、前記循環配管に設置される、(1)~(7)の何れか1つに記載の詰まり防止装置。
(10)前記冷却水のpHは、6以上9以下である、(1)~(9)の何れか1つに記載の詰まり防止装置。
(11)前記ファインバブル発生ノズルにより生成されるファインバブルの平均気泡径は、0.1μm以上100μm以下である、(1)~(10)の何れか1つに記載の詰まり防止装置。
(12)前記循環配管内におけるファインバブルの個数密度は、0.6×10個/mL以上である、(1)~(11)の何れか1つに記載の詰まり防止装置。
(13)前記冷却水は、Caの含有量が5mg/L以下であり、FeOの含有量が0.05mg/L以下であり、Siの含有量が5mg/L以下である、(1)~(12)の何れか1つに記載の詰まり防止装置。
(14)前記ファインバブル発生ノズルは、間欠的に駆動される、(1)~(13)の何れか1つに記載の詰まり防止装置。
(15)前記冷却水を保持するタンクの内部に、第2のファインバブル発生ノズルが更に設置される、(1)~(14)の何れか1つに記載の詰まり防止装置。
(16)対象物を冷却する冷却工程に設けられる冷却用スプレーノズルの詰まりを防止する防止方法であって、前記冷却用スプレーノズルに設けられる冷却水の循環配管に対して、前記冷却用スプレーノズルから離隔した位置に、-30mV以下のゼータ電位を有するファインバブルを発生させる気液二相流旋回せん断方式のファインバブル発生ノズルを設置し、前記ファインバブル発生ノズルに、0.05MPa以上0.50MPa以下の圧力で冷却水を供給する、詰まり防止方法。
(17)前記冷却水のpHを、6以上9以下とする、(16)に記載の詰まり防止方法。
(18)前記冷却水は、Caの含有量が5mg/L以下であり、FeOの含有量が0.05mg/L以下であり、Siの含有量が5mg/L以下である、(16)又は(17)に記載の詰まり防止方法。
以上説明したように本発明によれば、ユーザの利便性を維持しつつ、冷却に用いられるスプレーノズルの詰まりをより確実に防止することが可能となる。
本発明の実施形態に係る詰まり防止装置について説明するための模式図である。 同実施形態に係る詰まり防止装置について説明するための模式図である。 同実施形態に係る詰まり防止装置について説明するための模式図である。 同実施形態に係る詰まり防止装置について説明するための模式図である。 同実施形態に係る詰まり防止装置について説明するための模式図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(詰まり防止装置について)
以下では、図1~図4を参照しながら、本発明の実施形態に係る詰まり防止装置について、詳細に説明する。図1~図4は、本実施形態に係る詰まり防止装置にについて説明するための模式図である。
<詰まり防止装置が設置される冷却工程について>
本実施形態に係る詰まり防止装置は、対象物を冷却する冷却工程に設けられる冷却用スプレーノズルの詰まりを防止するものである。ここで、本実施形態に係る詰まり防止装置が設置される冷却工程については、特に限定されるものではなく、溶鋼、鋳片、鋼材等の各種の鉄鋼材料の熱処理に際して、鉄鋼材料を冷却するための冷却工程であってもよいし、その他の工業製品を製造する際に設置される冷却工程であってもよい。すなわち、本実施形態に係る詰まり防止装置は、スプレーノズルを用いた冷却を実施している各種の冷却工程に適用することが可能である。
このような冷却工程では、図1に模式的に示したように、冷却水を対象物Sに噴射するための冷却用スプレーノズル1と、冷却水を保持するタンク3と、冷却用スプレーノズル1とタンク3とに接続されており、冷却水を循環させるための循環配管5と、を有していることが多い。また、冷却用スプレーノズル1が、冷却水だけでなく空気も混合して用いるタイプのものであれば、冷却用スプレーノズル1には、空気を供給するための空気供給配管7が接続されており、空気供給配管7を介して供給される空気の流量が、空気量調整バルブ9によって制御される。
ここで、冷却用スプレーノズル1については、特に限定されるものではなく、冷却水を噴射可能なものや、空気と混合された冷却水をミストの状態で噴射可能なものであれば、公知の各種の冷却用スプレーノズルを使用することが可能である。
また、空気配給配管7からは、空気が供給されてもよいし、窒素やアルゴン等の不活性ガスが供給されてもよい。
更に、タンク3、循環配管5、空気供給配管7及び空気量調整バルブ9についても、特に限定されるものではなく、公知の各種のものを使用することが可能である。
な、図1では、冷却工程に冷却用スプレーノズル1が1つだけ設置されている場合を図示しているが、冷却工程に設けられる冷却用スプレーノズル1の個数については、特に限定されるものではなく、複数の冷却用スプレーノズル1が、例えば対象物Sの搬送方向に沿って配置されていてもよい。また、図1では、循環配管5や空気供給配管7の設置状態については、簡略化して図示しているが、具体的な設置状態については、特に限定されるものではない。すなわち、本実施形態に係る詰まり防止装置が設けられる冷却工程については、特に限定されるものではなく、既設の冷却設備で構成されているものであってもよい。
<詰まり防止装置の構成について>
本実施形態に係る詰まり防止装置100は、図1に示したように、ファインバブル(以下、「FB」と略記することがある。)発生ノズル101と、循環ポンプ103と、を有している。
また、本実施形態に係る詰まり防止装置100は、上記FB発生ノズル101及びポンプ103に加えて、更に、循環経路5を流れる冷却水の流量を計測する流量計105と、循環経路5を流れる冷却水の流量を調整する流量調整バルブ107と、を有していることが好ましい。
本実施形態に係る詰まり防止装置100は、冷却用スプレーノズル1の詰まりの原因である、異物やスケール等を配管内に留めず、また、析出物や水垢を発生させないようにするために、冷却用スプレーノズル1に供給される冷却水に対して、ゼータ電位が特定範囲内の負の値を示す状態にあるファインバブルを供給する。このようなゼータ電位を示すファインバブルは、冷却水中に存在するCaイオンやMgイオンと共に水中を流れやすくし、異物やスケールを吸着しながらスプレーノズルから排出される。これにより、異物やスケールを配管内に留めさせずに、清浄な状態を保持することが可能となる。
また、本実施形態に係る詰まり防止装置100で供給されるファインバブルは、特定の発生機構により発生されることで、ファインバブルの収縮・圧壊がより進行しやすい状態にあるために、冷却用スプレーノズル1の配管の表面に付着し始めた析出物や水垢の剥離を、より一層促進することが可能である。また、このような作用により、配管内や冷却用スプレーノズル1の配管内に固着しやすい成分を、異物やスケール等とともに排出させることで、たとえ配管内が乾燥したとしても、詰まりの発生を防止することが可能となる。
また、上記のような作用は、冷却水をミストとして噴射するスプレーノズル1においても、同様に発現させることが可能である。
以上のような作用により、以下で詳述する詰まり防止装置100では、ユーザの利便性を維持しつつ、冷却に用いられるスプレーノズルの詰まりをより確実に防止することが可能となる。
以下、本実施形態に係る詰まり防止装置100の各構成について、詳細に説明する。
本実施形態に係るFB発生ノズル101は、図1に示したように、冷却用スプレーノズルに設けられる冷却水の循環配管5に対して、冷却用スプレーノズル1から離隔した位置に設けられる。かかるFB発生ノズル101は、-30mV以下のゼータ電位を有するファインバブルを発生させるものであり、気液二相流旋回せん断方式のファインバブル発生ノズルが用いられる。
気液二相流旋回せん断方式のFB発生ノズル1は、気体がノズル内を通過するときに摩擦によって気泡を微細化させ、その表面をマイナスの電位に帯電させる。また、気泡の微細化が機械的旋回・せん断により実現されるため、ファインバブル内の内圧は高まらず、収縮しやすい状態となっている。これにより、ファインバブルの収縮・圧壊をより生じやすくすることが可能となり、圧壊により発生する衝撃エネルギーを、異物等の剥離に効果的に利用することが可能となる。その結果、冷却用スプレーノズル1の詰まりを防止することが可能となる。
本実施形態に係る詰まり防止装置100では、気液二相流旋回せん断方式のFB発生ノズル1を用い、以下で説明するように、ポンプ103によりFB発生ノズル1に供給される冷却水の圧力を特定の範囲内とすることで、-30mV以下のゼータ電位を有するファインバブルを発生させる。
ここで、FB発生ノズルには、本実施形態で着目する気液二相流旋回せん断方式のFB発生ノズルの他に、加圧式のFB発生ノズルや、細孔式のFB発生ノズルが存在する。しかしながら、加圧式や細孔式のFB発生ノズルを用いる場合には、FBの平均気泡径が大きくなりすぎて、FBの個数密度が以下で詳述するような範囲内に保持されないため、発生するFBのゼータ電位は、-30mV以下とはならない。
ファインバブルのゼータ電位が-30mV超過である場合には、スケールの主成分である酸化鉄を吸着できず、冷却用スプレーノズル1から排出することが困難となる。なお、ファインバブルのゼータ電位は、低ければ低いほどよく、-40mV以下であることが好ましく、-60mV以下であることがより好ましい。また、ゼータ電位の下限値は特に規定するものではないが、-150mV以下のゼータ電位を得ようとする場合には、FB発生ノズル1側の出力エネルギー(圧力)を更に高めることが求められることから、-150mVが実質的な下限となる。
なお、上記のようなファインバブルのゼータ電位は、ファインバブルを顕微鏡で観察し、ファインバブルの電気泳動を画像観察することにより、測定することが可能である。このような観察を実現可能な装置として、例えば、株式会社マイクロテック・ニチオン製のゼータ電位測定装置ZEECOMを挙げることができる。
また、上記のようなゼータ電位をより確実に実現させるために、循環配管5内を流れる冷却水のpHを、6以上9以下とすることが好ましい。pHを6以上とすることで、-30mV以下というゼータ電位をより確実に実現することが可能となる。冷却水のpHは、より好ましくは7以上である。一方、冷却水のpHが9を超える場合には、ゼータ電位の変化が緩やかになり、ゼータ電位の調整に伴うコストの増大や設備への悪影響が生じる可能性がある。そのため、冷却水のpHを9以下とすることで、-30mV以下というゼータ電位を、利便性を損なうことなくより確実に実現することが可能となる。冷却水のpHは、より好ましくは8以下である。
また、FBバブル発生ノズル1へのガス(空気)の供給は、図1に示したように、空気供給配管109を接続してコンプレッサ(図示せず。)等により実現してもよいし、自然吸気としてもよい。ただし、自然吸気とすることで、ファインバブル内圧力の上昇をより確実に抑制可能であることから、自然吸気とすることが好ましい。
ここで、FB発生ノズル101へのガス(空気)と液体(冷却水)の混合比を制御することで、旋回・せん断によるファインバブルの負の帯電をより効率的に生じさせることが可能となるため、空気の流量を制御する流量調整機構の一例としての空気量調整バルブ111による空気量の調整や、流量調整バルブ107による冷却水量の調整を行うことが好ましい。
より詳細には、FB発生ノズル101に供給される冷却水の流量をQl(単位:L/min)とし、FB発生ノズル101に供給される空気の流量をQa(単位:L/min)としたときに、空気量調整バルブ111により、流量比(Qa/Ql)が0.002以上0.300以下となるように、空気量を調整することが好ましい。流量比(Qa/Ql)が0.002未満となる場合には、せん断を繰り返し行うための空気の流量が乏しくなり、ファインバブルの発生が少なくなる可能性があるとともに、ファインバブルの帯電効果が小さくなる可能性がある。流量比(Qa/Ql)を0.002以上とすることで、適切に帯電されたファインバブルを適切な量発生させることが可能となる。流量比(Qa/Ql)は、より好ましくは0.003以上であり、更に好ましくは0.005以上である。
一方、流量比(Qa/Ql)が0.300超過となる場合には、ガス(空気)の割合が高くなりすぎて旋回時の液体とガスとの混合が偏ってしまい、帯電するための摩擦が非効率となるだけでなく、せん断が効率的に行われない可能性がある。流量比(Qa/Ql)を0.300以下とすることで、ファインバブルをより確実に所望の状態に帯電させることが可能となる。流量比(Qa/Ql)は、より好ましくは0.250以下であり、更に好ましくは0.200以下である。
また、冷却用スプレーノズル1や、FB発生ノズル101には、図2に模式的に示したように、その機構内に、流路の内径を調整するための絞りApが設けられていることが一般的である。本実施形態に係る詰まり防止装置100において、FB発生ノズル101は、FB発生ノズル101に設けられている絞りApと冷却用スプレーノズル1に設けられている絞りApとの間の距離Lが1m以上10m以下の範囲内となるように、循環配管5に設けられることが好ましい。
冷却工程においては、冷却設備が高温環境下に曝される可能性があり、特に、鉄鋼業においては、その可能性は極めて高い。そのため、冷却用スプレーノズル1の先端部のみならず、高温に曝される部分の詰まりには、十分に注意することが重要である。図2に示した距離Lが1.0m未満である場合には、FB発生ノズル101自体が高温に曝されてしまい、ファインバブルが発生する環境下にない部分において、析出物が発生してしまう可能性がある。そのため、距離Lは、1.0m以上とすることが好ましい。距離Lは、より好ましくは1.5m以上であり、更に好ましくは2.0m以上である。一方、距離Lが10.0mを超える場合には、発生させたファインバブルを安定して保持することが困難となり、詰まりを効果的に防止できない可能性があるため、距離Lは10.0m以下とすることが好ましい。距離Lは、より好ましくは8.0m以下であり、更に好ましくは5.0m以下である。なお、かかる距離Lは、FB発生ノズル101に設けられている絞りApと冷却用スプレーノズル1に設けられている絞りApとの間の幾何学的な最短距離を意味するのではなく、循環配管5に沿った道なりの距離を意味している。
また、図2に示したようなFB発生ノズル101に設けられている絞りApについて、冷却用スプレーノズル1に設けられている絞りの最小断面積をDsとし、FB発生ノズル101に設けられている絞りApの最小断面積をDfとしたときに、断面積比(Ds/Df)が0.9以上3.0以下の範囲内となるように調整することが好ましい。絞りの断面積比(Ds/Df)が0.9未満である場合には、FB発生ノズル101での圧力が高くなりすぎる結果旋回・せん断能力が低下し、ファインバブルが発生しなくなってしまう可能性がある。絞りの断面積比(Ds/Df)を0.9以上とすることで、より確実にファインバブルを発生させることが可能となる。絞りの断面積比(Ds/Df)は、より好ましくは1.2以上であり、更に好ましくは1.5以上である。一方、絞りの断面積比(Ds/Df)が3.0を超える場合には、冷却用スプレーノズル1の先端径が十分に大きくなる条件を作り出すことができ、詰まり自体が生じにくくなる条件となるため、ファインバブルによる詰まり防止効果を享受しにくくなる。絞りの断面積比(Ds/Df)を3.0以下とすることで、先端径の大きな冷却用スプレーノズル1を用いることなく、ファインバブルの効果により、冷却用スプレーノズル1の詰まりをより確実に防止することが可能となる。絞りの断面積比(Ds/Df)は、より好ましくは2.5以下であり、更に好ましくは2.0以下である。また、冷却用スプレーノズル1の先端径は、0.5mm以上30.0mm以下であることが好ましい。
ここで、図3Aに模式的に示したように、冷却用スプレーノズル1のノズル軸と、FB発生ノズル101のノズル軸とのなす角を、θと表すこととする。図3Bに示したように、冷却用スプレーノズル1のノズル軸とFB発生ノズル101のノズル軸とが平行となる場合には、上記のなす角θは、0度となる。
以上説明したようなFB発生ノズル101は、かかるFB発生ノズル101のノズル軸と、冷却用スプレーノズル1のノズル軸とのなす角θが0度以上60度以下の範囲内となるように、循環配管5に設置されることが好ましい。2つのノズル軸のなす角θを60度以下とすることで、旋回のかかったファインバブルを含む冷却水を、よりスムーズに送出することが可能となり、配管等に付着しやすい成分や析出物・水垢の排出を、加速度的に無駄なく促進することが可能となる。2つのノズル軸のなす角θは、より好ましくは5度以上50度以下であり、更に好ましくは10度以上45度以下である。
また、冷却用スプレーノズル1が、空気を主流とするスプレーノズル(二流体混合ノズル)である場合には、FB発生ノズル101のノズル軸と、冷却用スプレーノズル1のノズル軸とのなす角θが5度以上90度以下の範囲内となるように、FB発生ノズル1を循環配管5に設置することが好ましい。主流のガスに対して旋回しながら壁面に向かってファインバブルを含む冷却水を噴射させることで、配管等に付着しやすい成分や析出物・水垢の排出を、加速度的に無駄なく促進することが可能となる。2つのノズル軸のなす角θが5度未満である場合には、冷却水の噴射方向がガスの主流に対して平行に近づき、配管等の中心軸の周囲にファインバブルが集まりやすくなる結果、配管等の壁面にファインバブルを含む冷却水が到達しにくくなる可能性がある。この場合、ファインバブルによる効果が不均一となり、逆に詰まりを誘発してしまう可能性がある。2つのノズル軸のなす角θは、10度以上であることがより好ましく、20度以上であることが更に好ましい。一方、2つのノズル軸のなす角θが90度を超える場合には、冷却水に対してガスとは逆向きの力が作用しやすくなり、旋回効果を弱めるとともに、無駄なエネルギーを消費してしまう可能性がある。2つのノズル軸のなす角θは、より好ましくは80度以下であり、更に好ましくは70度以下である。
FB発生ノズル101により発生するファインバブルの平均気泡径は、0.1μm以上100.0μm以下であることが好ましい。ファインバブルの平均気泡径が0.1μm未満である場合には、ファインバブルに吸着した異物等を適切に保持することが困難になる可能性がある。ファインバブルの平均気泡径は、より好ましくは5.0μm以上であり、更に好ましくは10.0μm以上である。一方、ファインバブルの平均気泡径が100.0μmを超える場合には、ファインバブルが負に帯電する効果が薄れ、詰まりの防止効果が低下してしまう可能性がある。ファインバブルの平均気泡径は、より好ましくは80.0μm以下であり、更に好ましくは60.0μm以下である。
また、循環配管5内におけるファインバブルの個数密度は、0.6×10個/mL以上であることが好ましい。個数密度が0.6×10個/mL未満である場合には、ファインバブルが冷却水中に均一に行き届かない可能性がある。ファインバブルの個数密度は、より好ましくは1.0×10個/mL以上であり、更に好ましくは1.5×10個/mL以上である。一方、ファインバブルの個数密度の上限値は、特に規定するものではなく、多ければ多いほど良いが、実質的には5.0×10個/mL程度が上限となる。
なお、ファインバブルの平均気泡径及び濃度(密度)は、測定用の分岐配管(図示せず。)で液を採取し、採取した液を液中パーティクルカウンターや、気泡径分布計測装置等といった公知の機器を用いて観察することで、測定可能である。
以上、本実施形態に係るFB発生ノズル101について説明した。
本実施形態に係る詰まり防止装置100において、循環ポンプ103は、FB発生ノズル101に対し、0.05MPa以上0.50MPa以下の圧力で冷却水を供給する。これにより、気液二相流旋回せん断方式のファインバブル発生機構による効果と相まって、-30mV以下という特定の値のゼータ電位を実現することが可能となる。冷却水の供給圧力が0.05MPa未満である場合には、FB発生ノズル101における旋回・せん断力が小さくなる結果負の帯電が小さくなって、詰まりの防止効果を得ることができない。冷却水の供給圧力は、好ましくは0.08MPa以上であり、より好ましくは0.10MPa以上である。一方、冷却水の供給圧力を0.50MPa超過とする場合には、高圧・高出力の循環ポンプが必要となってしまい、設備コストが増加することで利便性が損なわれるだけでなく、冷却用スプレーノズル1の制御が困難となる可能性がある。冷却水の供給圧力は、好ましくは0.40MPa以下であり、より好ましくは0.30MPa以下である。
また、循環配管5を流れる冷却水の流速は、0.5m/s以上10.0m/s以下とすることが好ましい。流速が0.5m/s未満である場合には、移送途中でファインバブルが消滅してしまい、十分な効果が得られない可能性がある。冷却水の流速は、より好ましくは0.8m/s以上であり、更に好ましくは2.0m/s以上である。一方、冷却水の流速を10.0m/sとする場合には、高圧・高出力の循環ポンプが必要となってしまい、設備コストが増加することで利便性が損なわれるだけでなく、配管等の内壁へのファインバブルの接触時間が短くなりすぎて、十分な効果が得られない可能性がある。冷却水の流速は、より好ましくは8.0m/s以下であり、更に好ましくは5.0m/s以下である。
また、本実施形態に係る詰まり防止装置100では、図1に示したように、冷却水の流れ方向に沿ってFB発生ノズル101の直後に、膨張室113を更に備えることが好ましい。かかる膨張室113は、図4に模式的に示したように、その内径(より詳細には、最大の内径D’)が循環配管5の内径(より詳細には、最大の内径D)よりも大きな状態となっている部分である。このような膨張室113を更に設けることで、発生させたファインバブルの平均気泡径をより安定させることが可能となるとともに、配管等の壁面にファインバブルをより効率的に運ぶことが可能となる。
ここで、「FB発生ノズル101の直後」とは、FB発生ノズル101に連続して膨張室113が設けられる場合だけでなく、FB発生ノズル101の出側から5m以内の範囲内で離隔して膨張室113が設けられる場合も含むものとする。
かかる膨張室113の具体的な形状については、図4に模式的に示したように、徐々に内径が大きくなり開放系となるような形状であることが好ましい。このような形状とすることで、上記のような効果をより享受しやすくなる。
また、膨張室113の最大内径D’は、循環配管5の最大内径Dの1.3倍以上5.0倍以下であることがより好ましい。このような最大内径D’を有することで、上記のような効果を更に一層享受しやすくなる。
また、本実施形態に係る詰まり防止装置100の効果をより一層高めるために、冷却水は、Caの含有量が5mg/L以下であり、FeOの含有量が0.05mg/L以下であり、Siの含有量が5mg/L以下であることが好ましい。このような成分を有する冷却水を用いることで、詰まりの発生をより確実に防止することが可能となる。
以上説明したような詰まり防止装置100において、FB発生ノズル101は、間欠的に駆動されてもよい。間欠駆動を実現可能とすることで、冷却用スプレーノズル1がミスト噴霧スプレーである場合においても、ファインバブルを多く含ませた冷却水を定期的に噴射することで、乾燥時間を減らして、析出物等の剥離効果をより促進させることが可能となる。
また、本実施形態に係る詰まり防止装置100において、冷却水を保持するタンク3の内部に、更に、第2のファインバブル発生ノズル(図示せず。)を設置してもよい。異物、スケール、析出物、水垢等が浮遊しているタンク内の冷却水に対し、第2のファインバブル発生ノズルから発生させるファインバブルを作用させることで、保持されている冷却水中の異物等にファインバブルが吸着し、水面付近まで浮遊させ異物等を除去することが可能となり、冷却用スプレーノズル1の詰まりをより確実に防止することが可能となる。
ここで、上記のような空気量調整バルブ9、ファインバブル発生ノズル101、流量調整バルブ107、空気量調整バルブ111は、本実施形態に係る詰まり防止装置100が設けられる冷却工程の管理者によって手動で操作されてもよいが、図1に示したように、これらの機構を制御する制御ユニット151によって、自動的に操作されてもよい。制御ユニット151は、流量計105をはじめとして、詰まり防止装置100の稼働状態を示す各種のデータや、予め設定された詰まり防止装置100の動作条件等に基づいて、空気量調整バルブ9、ファインバブル発生ノズル101、流量調整バルブ107、空気量調整バルブ111の稼働状態を制御して、上記のような各種の条件を満たすように、詰まり防止装置100の稼働状態を制御する。
このような制御ユニット151としては、例えば、各種のコンピュータやサーバ等に代表される各種の情報処理装置や、詰まり防止装置100が設置される冷却設備を制御しているプロセスコンピュータ等を利用することが可能である。
以上、本実施形態に係る詰まり防止装置100について、詳細に説明した。
(詰まり防止方法について)
以上説明したような、本実施形態に係る詰まり防止装置100を用いることで、本実施形態に係る詰まり防止方法を実現することができる。かかる詰まり防止方法は、対象物を冷却する冷却工程に設けられる冷却用スプレーノズルの詰まりを防止する防止方法である。
具体的には、かかる詰まり防止方法では、冷却用スプレーノズル1に設けられる冷却水の循環配管5に対して、冷却用スプレーノズル1から離隔した位置に、-30mV以下のゼータ電位を有するファインバブルを発生させる気液二相流旋回せん断方式のファインバブル発生ノズル101を設置し、ファインバブル発生ノズル101に、0.05MPa以上0.50MPa以下の圧力で冷却水を供給する。
これにより、-30mV以下というゼータ電位を有するファインバブルが発生し、循環配管5や冷却用スプレーノズル1の内部の配管に発生しうる詰まりを、防止することが可能となる。
ここで、ファインバブル発生ノズル101や循環ポンプ103に関する各種の条件は、先だって説明した通りであるため、以下では詳細な説明は省略する。
以下では、実施例及び比較例を示しながら、本発明に係る詰まり防止装置及び詰まり防止方法について、具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明に係る詰まり防止装置及び詰まり防止方法の一例にすぎず、本発明に係る詰まり防止装置及び詰まり防止方法が下記に示す例に限定されるものではない。
以下に示す実施例及び比較例では、鉄鋼材料を製造する際の連続鋳造工程において、鋳片を二次冷却するために使用される二次冷却設備に着目した。かかる二次冷却設備においても、図1に模式的に示したような冷却用スプレーノズル1、タンク3、循環経路5が設けられている。
冷却設備に設けられている冷却用スプレーノズルは、噴霧液W(液体)と気体Gとを混合させた霧(二流体(液気混合物))を噴霧する二流体ノズルである。噴霧液Wは、冷却水として使用される水である。また、気体Gは、空気である。また、別途、冷却用スプレーノズルとして、噴霧液W(液体)のみを噴射する一流体ノズルも準備した。
かかる冷却設備に対して、図1に示したような構成を有する詰まり防止装置を設置した。
気液二相流旋回せん断方式のFB発生ノズルは、冷却用スプレーノズルとタンクとの間に、距離Lを変更できるようにして設置した。比較として、加圧式のFB発生ノズルや細孔式のFB発生ノズルを用いた場合についても、あわせて検証を行った。
なお、発生させたファインバブルのゼータ電位については、事前に各発生ノズルを用いて生成したファインバブルを、株式会社マイクロテック・ニチオン製のゼータ電位測定装置ZEECOMにより測定した値を示している。また、ファインバブルの個数密度は、循環ポンプの圧力を変えることで調整を行った。また、冷却用スプレーノズル及びFB発生ノズルの種類を変えることで、冷却水の流速や、絞りの断面積比を変化させた。また、FB発生ノズルにおける気液の流量比や膨張室の有無についても、あわせて検証を行った。
このような冷却設備において、乾燥と噴霧を繰り返すことで、ノズルの詰まり評価を行った。なお、用いた冷却水は、工場水を模擬した成分を混合することで、模擬液を作製した。模擬水の成分を、以下の表1に示す。なお、表1に示すpH以外の各成分の単位は、(mg/L)である。また、pHは、NaOH、HClを用いて、表1の範囲になるよう調整した。更に、一部の例では、冷却水としてろ過した水道水を用い、同様に検証を行った(実施例41)。
Figure 0007492140000001
また、本検証におけるその他の条件を、以下に示した。
ノズルの周辺温度 :約270℃
噴霧流量 :空気量 5m/h(N)、水量 10L/min
噴霧圧 :空気圧 0.12MPa、水圧 0.15MPa
噴霧時間(1回あたり):80秒
噴霧回数 :30回/1日
乾燥温度 :約270℃(=ノズル周辺温度)
乾燥時間 :15分
期間 :1日30サイクルを5日間
(詰まり評価)
冷却用スプレーノズルのノズル前圧を0.2MPaに固定した上で、使用前(新品の状態)の冷却用スプレーノズルから噴射される冷却水の流量Q0[単位:L/min]を予め特定しておいた。その後、詰まり防止装置を使用した後に、冷却用スプレーノズルから噴射される冷却水の流量Q1[単位:L/min]を測定して、流量比(Q1/Q0)を算出した。得られた流量比を用い、以下に示す評価基準に基づき、詰まり評価を行った。
<評価基準>
A:0.99≦Q1/Q0<1.00
B:0.97≦Q1/Q0<0.99
C:0.90≦Q1/Q0<0.97
D:0.70≦Q1/Q0<0.90
E:Q1/Q0<0.70
すなわち、評点「A」は、詰まり評価が非常に良好であったことを表し、評点「B」は、詰まり評価が良好であったことを表し、評点「C」は、使用可能な程度の詰まりであったことを表す。また、評点「D」は、詰まり始めであったことを表し、評点「E」は、詰まりが生じていたことを表す。評点「A」~評点「C」を合格とした。
得られた結果を、以下の表2にまとめて示した。
Figure 0007492140000002
上記表2から明らかなように、本発明の実施例に該当する試験例では、詰まり評価は合格となり、冷却に用いられるスプレーノズルの詰まりを防止することができた。一方、本発明の比較例に該当する試験例では、詰まり評価は不合格となり、冷却に用いられるスプレーノズルの詰まりを防止することができなかった。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 冷却用スプレーノズル
3 タンク
5 循環配管
7 空気供給配管
9 空気量調整バルブ
100 詰まり防止装置
101 ファインバブル発生ノズル
103 循環ポンプ
105 流量計
107 流量調整バルブ
109 空気供給配管
111 空気量調整バルブ
113 膨張室
151 制御ユニット
S 対象物

Claims (18)

  1. 対象物を冷却する冷却工程に設けられる冷却用スプレーノズルの詰まりを防止する防止装置であって、
    前記冷却用スプレーノズルに設けられる冷却水の循環配管に対して、前記冷却用スプレーノズルから離隔した位置に設けられており、-30mV以下のゼータ電位を有するファインバブルを発生させる気液二相流旋回せん断方式のファインバブル発生ノズルと、
    前記ファインバブル発生ノズルに、0.05MPa以上0.50MPa以下の圧力で冷却水を供給する循環ポンプと、
    を備える、詰まり防止装置。
  2. 前記ファインバブル発生ノズルは、当該ファインバブル発生ノズルに設けられている絞りと前記冷却用スプレーノズルに設けられている絞りとの間の距離Lが1.0m以上10.0m以下の範囲内となるように、前記循環配管に設けられる、請求項1に記載の詰まり防止装置。
  3. 前記ファインバブル発生ノズルに設けられている絞りは、前記冷却用スプレーノズルに設けられている絞りの最小断面積をDsとし、前記ファインバブル発生ノズルに設けられている絞りの最小断面積をDfとしたときに、断面積比(Ds/Df)が0.9以上3.0以下の範囲内となる、請求項1又は2に記載の詰まり防止装置。
  4. 前記ファインバブル発生ノズルに供給される空気の流量を制御する流量調整機構を更に備え、
    前記流量調整機構は、前記ファインバブル発生ノズルに供給される冷却水の流量をQlとし、前記ファインバブル発生ノズルに供給される空気の流量をQaとしたときに、流量比(Qa/Ql)が0.002以上0.300以下となるように、空気の流量を調整する、請求項1~3の何れか1項に記載の詰まり防止装置。
  5. 前記冷却水の流れ方向に沿って前記ファインバブル発生ノズルの直後に、内径が前記循環配管の内径よりも大きな膨張室を更に備える、請求項1~4の何れか1項に記載の詰まり防止装置。
  6. 前記膨張室の最大内径は、前記循環配管の最大内径の1.3倍以上5.0倍以下である、請求項5に記載の詰まり防止装置。
  7. 前記循環配管を流れる前記冷却水の流速は、0.5m/s以上10.0m/s以下である、請求項1~6の何れか1項に記載の詰まり防止装置。
  8. 前記ファインバブル発生ノズルは、当該ファインバブル発生ノズルのノズル軸と、前記冷却用スプレーノズルのノズル軸とのなす角θが0度以上60度以下の範囲内となるように、前記循環配管に設置される、請求項1~7の何れか1項に記載の詰まり防止装置。
  9. 前記冷却用スプレーノズルは、空気を主流とするスプレーノズルであり、
    前記ファインバブル発生ノズルは、当該ファインバブル発生ノズルのノズル軸と、前記冷却用スプレーノズルのノズル軸とのなす角θが5度以上90度以下の範囲内となるように、前記循環配管に設置される、請求項1~7の何れか1項に記載の詰まり防止装置。
  10. 前記冷却水のpHは、6以上9以下である、請求項1~9の何れか1項に記載の詰まり防止装置。
  11. 前記ファインバブル発生ノズルにより生成されるファインバブルの平均気泡径は、0.1μm以上100μm以下である、請求項1~10の何れか1項に記載の詰まり防止装置。
  12. 前記循環配管内におけるファインバブルの個数密度は、0.6×10個/mL以上である、請求項1~11の何れか1項に記載の詰まり防止装置。
  13. 前記冷却水は、Caの含有量が5mg/L以下であり、FeOの含有量が0.05mg/L以下であり、Siの含有量が5mg/L以下である、請求項1~12の何れか1項に記載の詰まり防止装置。
  14. 前記ファインバブル発生ノズルは、間欠的に駆動される、請求項1~13の何れか1項に記載の詰まり防止装置。
  15. 前記冷却水を保持するタンクの内部に、第2のファインバブル発生ノズルが更に設置される、請求項1~14の何れか1項に記載の詰まり防止装置。
  16. 対象物を冷却する冷却工程に設けられる冷却用スプレーノズルの詰まりを防止する防止方法であって、
    前記冷却用スプレーノズルに設けられる冷却水の循環配管に対して、前記冷却用スプレーノズルから離隔した位置に、-30mV以下のゼータ電位を有するファインバブルを発生させる気液二相流旋回せん断方式のファインバブル発生ノズルを設置し、
    前記ファインバブル発生ノズルに、0.05MPa以上0.50MPa以下の圧力で冷却水を供給する、詰まり防止方法。
  17. 前記冷却水のpHを、6以上9以下とする、請求項16に記載の詰まり防止方法。
  18. 前記冷却水は、Caの含有量が5mg/L以下であり、FeOの含有量が0.05mg/L以下であり、Siの含有量が5mg/L以下である、請求項16又は17に記載の詰まり防止方法。
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