JP7491206B2 - 制御装置、制御方法、コンピュータプログラムおよび水素製造システム - Google Patents

制御装置、制御方法、コンピュータプログラムおよび水素製造システム Download PDF

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Description

本開示は、制御装置、制御方法、コンピュータプログラムおよび水素製造システムに関する。
近年、CO(以下、CO2と記載)排出量削減のためのエネルギー源として水素に注目が集まっている。
例えば、特許文献1には、太陽光発電機などで発電された電力と、電力系統から供給された電力とを受電して水素を製造する水素製造装置への入力電力を制御する制御装置が開示されている。
国際公開第2020/121436号
しかしながら、特許文献1に記載の制御装置は、水素製造装置に関する電力需給調整の確実性を高めることを目的としている。このため、水素製造時のCO2排出量を制御することができないという課題がある。
特に、脱炭素化社会に向けて水素製造時のCO2排出量によって水素を分類する世界的な動きが見られるが、特許文献1に記載の制御装置では、このような動きに対応して水素を製造することは困難である。
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであり、水素製造時のCO2排出量を削減しつつ、効率的な水素製造を可能とする制御装置、制御方法、コンピュータプログラムおよび水素製造システムを提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る制御装置は、再生可能エネルギーを利用した発電機による発電電力と電力系統からの受電電力とを入力電力として水素を製造する水素製造装置を制御する制御装置であって、前記水素製造装置による水素製造時の二酸化炭素排出量の目標値を取得する目標値取得部と、前記発電電力および前記受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量を取得する排出量取得部と、前記発電機による発電電力量を取得する発電電力量取得部と、前記目標値と、前記発電電力および前記受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量と、前記発電電力量とに基づいて、前記電力系統からの受電電力量を決定する決定部とを備える。
本開示の他の一態様に係る制御方法は、コンピュータにより、再生可能エネルギーを利用した発電機による発電電力と電力系統からの受電電力とを入力電力として水素を製造する水素製造装置を制御する制御方法であって、前記コンピュータが、前記水素製造装置による水素製造時の二酸化炭素排出量の目標値を取得するステップと、前記コンピュータが、前記発電電力および前記受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量を取得するステップと、前記コンピュータが、前記発電機による発電電力量を取得するステップと、前記コンピュータが、前記目標値と、前記発電電力および前記受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量と、前記発電電力量とに基づいて、前記電力系統からの受電電力量を決定するステップとを含む。
本開示の他の一態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、再生可能エネルギーを利用した発電機による発電電力と電力系統からの受電電力とを入力電力として水素を製造する水素製造装置を制御する制御装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、前記水素製造装置による水素製造時の二酸化炭素排出量の目標値を取得する目標値取得部、前記発電電力および前記受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量を取得する排出量取得部、前記発電機による発電電力量を取得する発電電力量取得部、および、前記目標値と、前記発電電力および前記受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量と、前記発電電力量とに基づいて、前記電力系統からの受電電力量を決定する決定部として機能させる。
本開示の他の一態様に係る水素製造システムは、再生可能エネルギーを利用した発電機と、前記発電機による発電電力と電力系統からの受電電力とを入力電力として水素を製造する水素製造装置と、前記水素製造装置を制御する上述の制御装置とを備える。
なお、コンピュータプログラムを、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)等のコンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体やインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。また、本開示は、制御装置の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現することもできる。
本開示によると、水素製造時のCO2排出量を削減しつつ、効率的な水素製造が可能となる。
図1は、本開示の実施形態1に係る水素製造システムの全体構成を示す図である。 図2は、本開示の実施形態1に係る制御装置のハードウェア構成および機能構成を示すブロック図である。 図3は、本開示の実施形態1に係る表示制御部による画面表示の一例を示す図である。 図4は、本開示の実施形態1に係る制御装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図5は、本開示の実施形態2に係る水素製造システムの全体構成を示す図である。 図6は、電力量PBat_ac(t)と電力量PBat_dc(t)との関係を示す図である。 図7は、本開示の実施形態2に係る表示制御部による画面表示の一例を示す図である。 図8は、本開示の実施形態2に係る制御装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
[本開示の実施形態の概要]
最初に本開示の実施形態の概要を列記して説明する。
(1)本開示の一実施形態に係る制御装置は、再生可能エネルギーを利用した発電機による発電電力と電力系統からの受電電力とを入力電力として水素を製造する水素製造装置を制御する制御装置であって、前記水素製造装置による水素製造時の二酸化炭素排出量の目標値を取得する目標値取得部と、前記発電電力および前記受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量を取得する排出量取得部と、前記発電機による発電電力量を取得する発電電力量取得部と、前記目標値と、前記発電電力および前記受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量と、前記発電電力量とに基づいて、前記電力系統からの受電電力量を決定する決定部とを備える。
この構成によると、二酸化炭素(CO2)排出量の目標値と、発電電力および受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量と、再生可能エネルギーを利用した発電機による発電電力量とに基づいて、水素製造装置に入力される受電電力量が決定される。このため、発電電力と受電電力とをバランスよく利用しつつ、目標値に合わせて水素製造時の二酸化炭素排出量を決定することができる。これにより、水素製造時の二酸化炭素排出量を削減しつつ、効率的な水素製造が可能となる。
(2)好ましくは、前記決定部は、前記水素製造装置に入力される前記発電電力および前記受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量の合計が前記目標値を超えないという制約条件のもと、所定の目的関数を最適化することにより、前記受電電力量を決定する。
この構成によると、水素製造装置への入力電力の製造における二酸化炭素排出量が目標値を超えないようにしつつ、所定の目的関数を最適化することができる。例えば、水素製造量の最大化を目的関数の最適化とすることにより、水素製造時の二酸化炭素排出量を削減しつつ、効率的な水素製造が可能となる。
(3)さらに好ましくは、前記制御装置は、さらに、前記発電電力および前記受電電力を充電する蓄電池を制御し、前記排出量取得部は、さらに、前記蓄電池の充電電力の製造における二酸化炭素排出量を取得し、前記決定部は、前記目標値と、前記発電電力、前記受電電力および前記充電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量と、前記発電電力量とに基づいて、前記受電電力量を決定する。
この構成によると、蓄電池を備える構成においても、発電電力と受電電力とをバランスよく利用しつつ、目標値に合わせて水素製造時の二酸化炭素排出量を決定することができる。
(4)また、前記排出量取得部は、前記蓄電池への充電前の状態における前記蓄電池に充電済みの電力の製造における二酸化炭素排出量と、前記蓄電池に充電される電力の製造における二酸化炭素排出量とに基づいて、前記蓄電池への充電後の状態における前記蓄電池に充電済みの電力の製造における二酸化炭素排出量を算出してもよい。
この構成によると、蓄電池に発電電力および受電電力の双方が充電される場合であっても、蓄電池に充電されている電力の製造における二酸化炭素排出量を正確に算出することができる。
(5)また、前記制御装置は、前記目標値に対する、前記水素製造装置による水素製造において消費される電力の製造における二酸化炭素排出量の割合を画面に表示させる表示制御部をさらに備えてもよい。
この構成によると、水素製造において、どのくらいの割合の二酸化炭素が排出されているかを知ることができる。
(6)また、前記表示制御部は、さらに、前記水素製造装置に入力される前記発電電力および前記受電電力を前記画面に表示させてもよい。
この構成によると、どのくらいの量の発電電力および受電電力が水素製造に利用されているかを知ることができる。
(7)また、前記表示制御部は、前記発電電力および前記受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量を前記画面に表示させてもよい。
この構成によると、発電電力および受電電力の値と合わせて、発電電力および受電電力の製造における二酸化炭素排出量が画面に表示される。これにより、水素製造のための二酸化炭素排出量がどの程度かを知ることができる。例えば、受電電力の値と受電電力の製造における二酸化炭素排出量とを乗算することにより、受電電力による水素製造のための二酸化炭素排出量がどの程度かを知ることができる。
(8)本開示の他の実施形態に係る制御方法は、コンピュータにより、再生可能エネルギーを利用した発電機による発電電力と電力系統からの受電電力とを入力電力として水素を製造する水素製造装置を制御する制御方法であって、前記コンピュータが、前記水素製造装置による水素製造時の二酸化炭素排出量の目標値を取得するステップと、前記コンピュータが、前記発電電力および前記受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量を取得するステップと、前記コンピュータが、前記発電機による発電電力量を取得するステップと、前記コンピュータが、前記目標値と、前記発電電力および前記受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量と、前記発電電力量とに基づいて、前記電力系統からの受電電力量を決定するステップとを含む。
この構成は、上述の制御装置における特徴的な処理をステップとして含む。このため、上述の制御装置と同様の作用および効果を奏することができる。
(9)本開示の他の実施形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、再生可能エネルギーを利用した発電機による発電電力と電力系統からの受電電力とを入力電力として水素を製造する水素製造装置を制御する制御装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、前記水素製造装置による水素製造時の二酸化炭素排出量の目標値を取得する目標値取得部、前記発電電力および前記受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量を取得する排出量取得部、前記発電機による発電電力量を取得する発電電力量取得部、および、前記目標値と、前記発電電力および前記受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量と、前記発電電力量とに基づいて、前記電力系統からの受電電力量を決定する決定部として機能させる。
この構成によると、コンピュータを、上述の制御装置として機能させることができる。このため、上述の制御装置と同様の作用および効果を奏することができる。
(10)本開示の他の実施形態に係る水素製造システムは、再生可能エネルギーを利用した発電機と、前記発電機による発電電力と電力系統からの受電電力とを入力電力として水素を製造する水素製造装置と、前記水素製造装置を制御する上述の制御装置とを備える。
この構成は、上述の制御装置を構成として備える。このため、上述の制御装置と同様の作用および効果を奏することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定するものではない。また、以下の実施形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意に付加可能な構成要素である。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
また、同一の構成要素には同一の符号を付す。それらの機能および名称も同様であるため、それらの説明は適宜省略する。
<実施形態1>
〔水素製造システムの全体構成〕
図1は、本開示の実施形態1に係る水素製造システムの全体構成を示す図である。
水素製造システム1は、電力供給エリア2、配管エリア3、水素製造エリア4および制御エリア5に配置された設備により構成される。ただし、各エリアは、他のエリアと同一のエリアであってもよいし、重複するエリアであってもよい。
電力供給エリア2には、太陽光発電機21と、DC/DCコンバータ22と、DC/ACコンバータ24と、外部I/F装置25とが設置される。
太陽光発電機21は、再生可能エネルギーを利用して発電する再生可能エネルギー発電機の一例であり、太陽光エネルギーを直流の電力に変換する。なお、本実施形態では、再生可能エネルギー発電機として太陽光発電機21を用いる例について説明するが、太陽光発電機21の代わりに、または太陽光発電機21とともに、風力発電機などの他の再生可能エネルギー発電機を用いてもよい。
DC/DCコンバータ22は、電力線を介して太陽光発電機21に接続され、太陽光発電機21の出力電力の電圧を変換し、電圧変換後の電力を出力する。
DC/ACコンバータ24は、電力線を介してDC/DCコンバータ22に接続される。DC/ACコンバータ24は、DC/DCコンバータ22から出力される直流電力を交流電力に変換して出力する。
外部I/F装置25は、図示しない通信線を介して電力供給エリア2に設置された各設備(太陽光発電機21、DC/DCコンバータ22、およびDC/ACコンバータ24)に接続される。外部I/F装置25は、各設備と電力供給エリア2の外部の装置とを接続するための装置であり、各設備から取得したデータを外部の装置に送信し、外部の装置から受信したデータを各設備に与える。例えば、外部I/F装置25は、太陽光発電機21から太陽光発電機21の出力を示す出力電力情報を取得し、取得した出力電力情報を制御エリア5に設置された後述する制御装置51に送信する。
配管エリア3には、バルブ31、33およびバルブ34と、水素貯蔵タンク32と、外部I/F装置35とが設置される。
バルブ31は、給水管の途中に設置される給水用のバルブであり、水素製造エリア4に設置された後述する水素製造装置42に供給する水の量を調整する。バルブ31を開くほど、より多くの量の水が水素製造装置42に供給され、バルブ31を閉じるほど、水素製造装置42に供給される水の量が制限される。
水素貯蔵タンク32は、水素導管を介して水素製造装置42と接続され、水素製造装置42で発生した水素を貯蔵するタンクである。水素貯蔵タンク32は、例えば、水素を高圧で圧縮して貯蔵するタンクである。ただし、水素貯蔵タンク32による水素貯蔵方法はこれに限定されるものではない。水素貯蔵タンク32は、例えば、水素を低温で液化して貯蔵するタンクであってもよい。また、水素貯蔵タンク32は、水素吸蔵合金に水素を吸蔵させて貯蔵するタンクであってもよいし、カーボンナノチューブなどに水素を吸着させて貯蔵するタンクであってもよい。また、水素貯蔵タンク32は、水素とトルエンとを反応させてメチルシクロヘキサンに変換するなど、水素を他の物質に変換して貯蔵するタンクであってもよい。
バルブ33は、水素導管の途中に設置される水素供給用のバルブであり、水素製造装置42で発生した水素の水素貯蔵タンク32への貯蔵量を調整する。バルブ33を開くほど、より多くの量の水素が水素貯蔵タンク32に貯蔵され、バルブ33を閉じるほど、水素貯蔵タンク32に貯蔵させる水素の量が制限される。
バルブ34は、水素製造装置42と水素貯蔵タンク32とを接続する水素導管から分岐した水素導管の途中に接続され、水素製造装置42で発生した水素の大気外への放出量を調整する。バルブ34を開くことにより、より多くの量の水素が大気外へ放出され、バルブ34を閉じるほど、大気外へ放出される水素の量が制限される。
外部I/F装置35は、図示しない通信線を介して配管エリア3に設置された各設備(バルブ31、バルブ33および34、水素貯蔵タンク32)に接続される。外部I/F装置35は、各設備と電力供給エリア2の外部の装置とを接続するための装置であり、各設備から取得したデータを外部の装置に送信し、外部の装置から受信したデータを各設備に与える。例えば、外部I/F装置35は、水素貯蔵タンク32から水素の貯蔵量情報を取得し、取得した貯蔵量情報を制御エリア5に設置された制御装置51に送信する。また、外部I/F装置35は、制御装置51からバルブ31の開閉量の指令データを受信し、受信した指令データをバルブ31に与える。これにより、バルブ31の開閉量が制御される。
水素製造エリア4には、AC/DCコンバータ41と、水素製造装置42と、バルブ43と、外部I/F装置44とが設置される。
AC/DCコンバータ41は、電力供給エリア2に設置されたDC/ACコンバータ24と電力線を介して接続され、DC/ACコンバータ24から出力される交流電力を直流電力に変換して出力する。また、AC/DCコンバータ41は、電力系統6に接続され、電力系統6から電力を受電し、受電電力を直流電力に変換して出力する。つまり、AC/DCコンバータ41は、DC/ACコンバータ24から出力される交流電力と、電力系統6からの受電電力とを混合した電力を直流電力に変換して出力する。
水素製造装置42は、AC/DCコンバータ41から出力される直流電力を用いて、配管エリア3から供給される水を水素と酸素に電気分解して、水素を取り出す。水素製造装置42は、例えば、固体高分子型水電解方式を採用し、正極側に水を供給することにより酸素と水素イオンとを発生させ、水素イオンをフッ素樹脂系カチオン膜などを通過させ陰極側に移動させることにより、電子を得た水素を発生させる。ただし、水の電気分解方式は上記したものに限定されるものではない。水の電気分解方式として、アルカリ水電解、高温水蒸気電解などの他の方式を用いてもよい。また、水素製造装置42は、水の電気分解以外にもトルエン電解還元などの方式を用いて水素を発生させてもよい。トルエン電解還元方式の場合には、水の代わりにトルエンが用いられる。
なお、水素製造装置42の台数は1台に限定されるものではなく、水素製造エリア4に複数設置されていてもよい。
バルブ43は、対応する水素製造装置42と水素貯蔵タンク32とを接続する水素導管の途中に設置される水素供給用のバルブであり、水素製造装置42で発生した水素の出力量を調整する。バルブ43を開くことにより、より多くの量の水素が水素製造装置42から出力され、バルブ43を閉じることにより、水素製造装置42から出力される水素の量が制限される。
外部I/F装置44は、図示しない通信線を介して水素製造エリア4に設置された各設備(AC/DCコンバータ41、水素製造装置42およびバルブ43)に接続される。外部I/F装置44は、各設備と水素製造エリア4の外部の装置とを接続するための装置であり、各設備から取得したデータを外部の装置に送信し、外部の装置から受信したデータを各設備に与える。例えば、外部I/F装置44は、水素製造装置42から水素発生量情報を取得し、取得した水素発生量情報を制御エリア5に設置された制御装置51に送信する。また、外部I/F装置44は、制御装置51から水素製造装置42の起動および停止の指令データを受信し、受信した指令データを水素製造装置42に与える。これにより、水素製造装置42の起動および停止が制御される。
制御エリア5には、制御装置51が設置される。
制御装置51は、通信線を介して各エリアに設置された外部I/F装置25、35および44と接続される。制御装置51は、外部I/F装置25、35および44から、各エリアに設置された設備の各種情報を取得する。制御装置51は、取得した情報に基づいて、外部I/F装置25、35および44を介して各設備を制御する。また、制御装置51は、電力系統6からの電力の受電点7における電力量を、電力量計等を用いて監視する。
特に、制御装置51は、二酸化炭素(以下、CO2と記載)排出量の目標値と、太陽光発電機21による発電電力および電力系統6からの受電電力それぞれの製造におけるCO2排出量と、太陽光発電機21の発電電力量とに基づいて、水素製造装置42に入力される電力系統6からの受電電力の値を決定する。制御装置51は、受電点7の受電電力が決定した受電電力の値に一致するように、水素製造装置42への入力電力を制御する。
また、制御装置51は、水素製造システム1の稼働状況を表示装置52に表示する。表示装置52の表示例については後述する。
〔制御装置51の構成〕
図2は、本開示の実施形態1に係る制御装置51のハードウェア構成および機能構成を示すブロック図である。
制御装置51は、制御部53と、通信部54と、記憶部55とを備える。
制御部53は、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成され、記憶部55にあらかじめ記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される機能的な処理部として、目標値取得部56と、排出量取得部57と、発電電力量取得部58と、決定部59と、指令送信部60と、表示制御部61とを備える。
通信部54は、外部I/F装置25、35および44との通信処理を実行する通信装置より構成される。つまり、通信部54は、制御部53から与えられた情報を、通信線を介して外部I/F装置25、35および44に送信するとともに、通信線を介して外部I/F装置25、35および44から受信した情報を制御部53に与える。
記憶部55は、SRAM(Static Random Access Memory)またはDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性のメモリ素子、フラッシュメモリ若しくはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの不揮発性のメモリ素子、または、ハードディスクなどの磁気記憶装置などにより構成されている。記憶部55は、制御部53が実行するコンピュータプログラム、およびその実行に必要なデータなどを記憶する。
目標値取得部56は、水素製造装置42による水素製造時のCO2排出量の目標値を取得する。具体的には、目標値取得部56は、記憶部55にあらかじめ記憶されている、基準のCO2排出量CO2Base[kg/Nm]と、CO2許容率CO2Rate[%/100]とを、記憶部55から目標値として読み出す。
CO2排出量CO2Baseは、例えば、天然ガス改質により水素を1Nm製造した場合に発生するCO2の重量[kg]を示す。
CO2許容率CO2Rateは、CO2排出量CO2Baseを基準としたときの水素製造装置42によるCO2排出量の許容率を示す。つまり、CO2許容率CO2RateにCO2排出量CO2Baseを掛けた値(CO2Rate×CO2Base)が、水素製造装置42により水素を1Nm製造した場合に発生するCO2の重量[kg]の目標値を示す。
排出量取得部57は、太陽光発電機21による発電電力および電力系統6からの受電電力それぞれの製造におけるCO2排出量を取得する。具体的には、排出量取得部57は、記憶部55にあらかじめ記憶されている、太陽光発電機21の発電電力の製造におけるCO2排出量CO2Pv(t)[kg/kWh]と、電力系統6からの受電電力の製造におけるCO2排出量CO2Grid(t)[kg/kWh]とを、記憶部55から読み出す。ここで、tは対象期間を示し、例えば、30分単位の期間を示す。
発電電力量取得部58は、太陽光発電機21による発電電力量を取得する。具体的には、発電電力量取得部58は、記憶部55にあらかじめ記憶されている太陽光発電機21の発電電力量PPv(t)[kWh]を、記憶部55から読み出す。
決定部59は、CO2排出量の目標値(CO2Base、CO2Rate)と、CO2排出量CO2Pv(t)およびCO2Grid(t)と、発電電力量PPv(t)とに基づいて、電力系統6からの受電電力量PGrid(t)[kWh]を決定する。
以下、決定部59による受電電力量PGrid(t)[kWh]の決定方法についてより詳細に説明する。
決定部59は、水素製造装置42に入力される発電電力および受電電力それぞれの製造におけるCO2排出量の合計がCO2排出量の目標値を超えないという制約条件のもと、所定の目的関数を最適化することにより、電力系統6からの受電電力量PGrid(t)を決定する。
例えば、決定部59は、以下の式14から式18に示す制約条件のもと、式1に示す目的関数を最大化することにより、電力系統6からの受電電力量PGrid(t)を決定する。受電電力量PGrid(t)の決定には、所定の数理最適化手法が用いられる。
次に、各式について説明する。
<<目的関数>>
水素製造量[Nm]:TotalH2(tmax)の最大化 …(式1)
式1は、決定部59が最適化する目的関数を示し、ここでは、対象期間0からtmaxまでの水素製造装置42によるトータルの水素製造量TotalH2(tmax)の最大化を目的関数とする。
<<パラメータ>>
太陽光発電機21の発電電力量(予測値)[kWh]:PPv(t) …(式2)
系統電力のCO2排出量[kg/kWh]:CO2Grid(t) …(式3)
太陽光発電機21のCO2排出量[kg/kWh]:CO2Pv(t) …(式4)
基準のCO2排出量[kg/Nm]:CO2Base …(式5)
CO2許容率[%/100]:CO2Rate …(式6)
水素製造効率[Nm/kWh]:ξ …(式7)
水素製造装置42の定格入力電力量[kWh]:PWE_rate …(式8)
式2から式8は、目的関数または後述の制約条件を算出するのに必要なパラメータを示す。
式2は、発電電力量取得部58が取得した太陽光発電機21の対象期間tにおける発電電力量PPv(t)[kWh]を示す。発電電力量PPv(t)は、例えば、当日の天候や気温等の気象情報に基づく予測値である。
式3は、排出量取得部57が取得した、対象期間tにおける電力系統6からの受電電力の製造におけるCO2排出量CO2Grid(t)[kg/kWh]を示す。
式4は、排出量取得部57が取得した、対象期間tにおける太陽光発電機21の発電電力の製造におけるCO2排出量CO2Pv(t)[kg/kWh]を示す。
式5は、目標値取得部56が取得した基準のCO2排出量CO2Base[kg/Nm]を示す。
式6は、目標値取得部56が取得したCO2許容率CO2Rate[%/100]を示す。
式7に示す水素製造効率ξは、水素製造装置42への入力電力1kWh当たりの水素製造量[Nm]を示す。
式8は、水素製造装置42の定格入力電力量PWE_rate[kWh]を示す。
式7および式8の値は予め記憶部55に記憶されており、決定部59がこれらの値を記憶部55から読み出す。
<<変数>>
対象期間:t[0,1,…,tmax] …(式9)
受電電力量[kWh]:PGrid(t) …(式10)
水素製造装置42の入力電力量[kWh]:PWE(t) …(式11)
水素製造時の総CO2排出量[kg]:Totalco2(t) …(式12)
水素製造量[Nm]:TotalH2(t) …(式13)
式9から式13は、目的関数または制約条件を算出する際に用いられる変数を示す。
式9は、対象期間tを表す変数であり、tは0からtmaxまでのtmax+1の期間を示す。各期間は、例えばデマンド時限に対応した30分間である。ただし、期間の長さは30分間に限定されるものではない。
式10は、対象期間tにおける電力系統6からの受電電力量PGrid(t)[kWh]を示す。
式11は、対象期間tにおける水素製造装置42への入力電力量PWE(t)[kWh]を示す。
式12は、対象期間0から対象期間tまでの水素製造装置42による水素製造時の総CO2排出量Totalco2(t)[kg]を示す。
式13は、対象期間0から対象期間tまでの水素製造装置42による水素製造量[Nm]を示す。
<<制約条件>>
Grid(t)+PPv(t)=PWE(t) …(式14)
Totalco2(t)=Totalco2(t-1)
+CO2Grid(t-1)×PGrid(t-1)
+CO2Pv(t-1)×PPv(t-1) …(式15)
TotalH2(t)=TotalH2(t-1)+PWE(t-1)×ξ
…(式16)
CO2Base×CO2Rate≧Totalco2(tmax)/TotalH2(tmax) …(式17)
WE(t)≦PWE_rate …(式18)
式14から式18は、式1に示す目的関数を最大化する際の制約条件を示す。
式14は、対象期間tにおける電力系統6からの受電電力量PGrid(t)と対象期間tにおける太陽光発電機21の発電電力量PPv(t)とを加算した値が、対象期間tにおける水素製造装置42への入力電力量PWE(t)と等しいことを示す。
式15は、対象期間0から対象期間tまでの総CO2排出量Totalco2(t)は、対象期間0から対象期間t-1までの総CO2排出量Totalco2(t-1)に、電力系統6からの受電電力の製造におけるCO2排出量CO2Grid(t-1)×PGrid(t-1)と、太陽光発電機21の発電電力の製造におけるCO2排出量CO2Pv(t-1)×PPv(t-1)とを加算した値と等しいことを示す。
式16は、対象期間0からtまでの水素製造量TotalH2(t)は、対象期間0からt-1までの水素製造量TotalH2(t-1)に、入力電力量PWE(t-1)と水素製造効率ξとの乗算値を加算した値と等しいことを示す。
式17は、対象期間0からtmaxまでの水素製造時の1NmあたりのCO2排出量Totalco2(tmax)/TotalH2(tmax)は、水素製造装置42による1Nmの水素製造時に発生するCO2の重量[kg]の目標値CO2Base×CO2Rate以下であることを示す。
式18は、対象期間tにおける水素製造装置42の入力電力量PWE(t)は、水素製造装置42の定格入力電力量PWE_rate以下であることを示す。
再び図1および図2を参照して、指令送信部60は、受電点7を流れる電力量を監視し、当該電力量が決定部59により決定された受電電力量PGrid(t)に一致するように、水素製造装置42への入力電力量PWE(t)を式14に従い決定する。指令送信部60は、外部I/F装置44に対して入力電力量PWE(t)を含む指令を送信する。外部I/F装置44は、指令送信部60から指令を受信し、指令が示す入力電力量PWE(t)に一致するように、対象期間tにおける水素製造装置42の入力電力量を制御する。
表示制御部61は、CO2排出量の目標値に対する、水素製造装置42による水素製造において消費される電力(水素製造装置42の入力電力)の製造におけるCO2排出量の割合(以下、基準CO2排出比率と記載)を表示装置52の画面に表示させる。また、表示制御部61は、水素製造装置42に入力される発電電力および受電電力を表示装置52の画面に表示させる。また、表示制御部61は、発電電力および受電電力それぞれの製造におけるCO2排出量を表示装置52の画面に表示させる。
図3は、本開示の実施形態1に係る表示制御部61による画面表示の一例を示す図である。
例えば、グラフ71では、水素製造装置42により製造された水素の基準CO2排出比率がハッチング領域により示されており、CO2許容率CO2Rate[%/100]を%表示した値が40%であることが示されている。また、水素製造装置42による水素製造時に発生するCO2排出量がAAA[kg/Nm]であり、基準CO2排出比率が35[%]であることが数値で示されている。
また、グラフ72では、水素貯蔵タンク32への水素の貯蔵割合がハッチング領域により示されている。また、水素製造量がNNN[Nm]であることが数値により示されている。
また、水素製造装置42に入力される電力系統6からの受電電力がP[kW]であり、水素製造装置42に入力される太陽光発電機21の発電電力がQ[kW]であることが示されている。また、水素製造装置42の入力電力がW[kW]であることが示されている。
また、電力系統6からの受電電力の製造におけるCO2排出量がxxx[kg/kWh]であることが示されている。また、太陽光発電機21の発電電力の製造におけるCO2排出量がyyy[kg/kWh]であることが示されている。
〔制御装置51の処理の流れ〕
図4は、本開示の実施形態1に係る制御装置51の処理手順の一例を示すフローチャートである。
目標値取得部56は、CO2排出量の目標値(CO2Base、CO2Rate)を記憶部55から読み出す(S1)。
排出量取得部57は、電力系統6からの受電電力の製造におけるCO2排出量CO2Grid(t)を記憶部55から読み出す(S2)。
排出量取得部57は、太陽光発電機21の発電電力の製造におけるCO2排出量CO2Pv(t)を記憶部55から読み出す(S3)。
発電電力量取得部58は、太陽光発電機21の発電電力量PPv(t)を、記憶部55から読み出す(S4)。
決定部59は、式14から式18に示す制約条件のもと、式1に示す目的関数を最大化することにより、電力系統6からの受電電力量PGrid(t)を決定する(S5)。
指令送信部60は、受電電力量PGrid(t)に基づいて、水素製造装置42への入力電力量PWE(t)を決定し、外部I/F装置44に対して入力電力量PWE(t)を含む指令を送信する(S6)。
〔実施形態1の効果等〕
以上説明したように、本開示の実施形態1によると、CO2排出量の目標値と、太陽光発電機21の発電電力および電力系統6からの受電電力それぞれの製造におけるCO2排出量と、太陽光発電機21による発電電力量とに基づいて、水素製造装置42に入力される受電電力量が決定される。このため、発電電力と受電電力とをバランスよく利用しつつ、目標値に合わせて水素製造時のCO2排出量を決定することができる。これにより、水素製造時のCO2排出量を削減しつつ、効率的な水素製造が可能となる。
また、決定部59は、水素製造装置42に入力される発電電力および受電電力それぞれの製造におけるCO2排出量の合計がCO2排出量の目標値を超えないという制約条件のもと、所定の目的関数を最適化することにより、電力系統6からの受電電力量を決定している。これにより、水素製造装置42への入力電力の製造におけるCO2排出量が目標値を超えないようにしつつ、所定の目的関数を最適化することができる。例えば、水素製造量の最大化を目的関数の最適化とすることにより、水素製造時のCO2排出量を削減しつつ、効率的な水素製造が可能となる。
また、表示制御部61は、CO2排出量の目標値に対する、基準CO2排出比率を表示装置52の画面に表示させる。このため、ユーザは、水素製造において、どのくらいの割合のCO2が排出されているかを知ることができる。
また、表示制御部61は、水素製造装置42に入力される発電電力および受電電力を表示装置52の画面に表示させる。このため、ユーザは、どのくらいの量の発電電力および受電電力が水素製造に利用されているかを知ることができる。
また、表示制御部61は、発電電力および受電電力それぞれの製造におけるCO2排出量を表示装置52の画面に表示させる。つまり、発電電力および受電電力の値と合わせて、発電電力および受電電力の製造におけるCO2排出量が画面に表示される。このため、ユーザは、水素製造のためのCO2排出量がどの程度かを知ることができる。例えば、受電電力の値と受電電力の製造におけるCO2排出量とを乗算することにより、受電電力による水素製造のためのCO2排出量がどの程度かを知ることができる。
<変形例1>
上述の実施の形態では、決定部59は、水素製造量を最大化することにより(式1)、受電電力量PGrid(t)を決定したが、目的関数は式1に示したものに限定されない。例えば、目的関数として、以下の式19または式20に示すサブ目的関数を用いてもよい。
決定部59は、式14から式18に示した制約条件と、以下の式31から式39に示すサブ制約条件とのもとで、式19または式20に示すサブ目的関数を最適化することにより、電力系統6からの受電電力量PGrid(t)を決定する。
次に、各式について説明する。
<<サブ目的関数>>
水素製造総コスト[円]:TotalCostH2(tmax)の最小化…(式19)
水素製造装置42の稼働率[%/100]:TotalRate(tmax)の最大化
…(式20)
式19は、決定部59が最適化する目的関数を示し、ここでは、対象期間0からtmaxまでの水素製造装置42によるトータルの水素製造総コストTotalCostH2(tmax)の最小化を目的関数の最適化とする。
式20は、決定部59が最適化する目的関数を示し、ここでは、対象期間0からtmaxまでの水素製造装置42の稼働率TotalRate(tmax)の最大化を目的関数の最適化とする。
<<サブパラメータ>>
系統電力単価[円/kWh]:Cost(t) …(式21)
タンク容量上限[Nm]:THL …(式22)
タンク容量下限[Nm]:TLL …(式23)
水素製造装置42の稼働率上限[%/100]:RHL …(式24)
水素製造装置42の稼働率下限[%/100]:RLL …(式25)
式21から式25は、サブ目的関数またはサブ制約条件を算出するのに必要なパラメータを示す。
式21は、対象期間tにおける電力系統6からの受電電力の単価である系統電力単価Cost(t)[円/kWh]を示す。
式22は、水素貯蔵タンク32の容量の上限であるタンク容量上限THL[Nm]を示す。
式23は、水素貯蔵タンク32の容量の下限であるタンク容量下限TLL[Nm]を示す。
式24は、水素製造装置42の稼働率の上限RHL[%/100]を示す。
式25は、水素製造装置42の稼働率の下限RLL[%/100]を示す。
式21から式25の値は予め記憶部55に記憶されており、決定部59がこれらの値を記憶部55から読み出す。
<<サブ変数>>
水素貯蔵タンク残量[Nm]:TANK(t) …(式26)
購入電力金額[円]:TotalCostGrid(t) …(式27)
水素製造装置42の総入力電力[kWh]:TatalPWE(t) …(式28)
水素製造総コスト[円]:TotalCostH2(t) …(式29)
水素製造装置42の稼働率[%/100]:TotalRate(t) …(式30)
式26から式30は、サブ目的関数またはサブ制約条件を算出する際に用いられる変数を示す。
式26は、対象期間tにおける水素貯蔵タンク32の残量TANK(t)[Nm]を示す。
式27は、対象期間0から対象期間tまでの電力系統6からの購入電力の金額TotalCostGrid(t)[円]を示す。
式28は、対象期間0から対象期間tまでの水素製造装置42の総入力電力TatalPWE(t)[kWh]を示す。
式29は、対象期間0から対象期間tまでの水素製造装置42による水素製造に要する総コストTotalCostH2(t)[円]を示す。
式30は、対象期間0から対象期間tまでの水素製造装置42の稼働率TotalRate(t)[%/100]を示す。
<<サブ制約条件>>
TotalCostGrid(t)=TotalCostGrid(t-1)
+Cost(t-1)×PGrid(t-1) …(式31)
TotalCostH2(t)=TotalCostH2(t-1)
+Cost(t-1)×PGrid(t-1)
…(式32)
TotalRate(t)=TatalPWE(t)
/(t×PWE_rate) …(式33)
TANK(t)=TANK(t-1)+PWE(t-1)×ξ …(式34)
TANK(t)≧TLL …(式35)
TANK(t)≦THL …(式36)
TatalPWE(t)=TatalPWE(t-1)+PWE(t-1)
…(式37)
TotalRate(tmax)≧RLL …(式38)
TotalRate(tmax)≦RHL …(式39)
式31から式39は、式19または式20に示すサブ目的関数を最適化する際の制約条件を示す。
式31は、対象期間0から対象期間tまでの電力系統6からの購入電力の金額TotalCostGrid(t)は、対象期間0から対象期間t-1までの電力系統6からの購入電力の金額TotalCostGrid(t-1)に、系統電力単価Cost(t-1)と電力系統6からの受電電力量PGrid(t-1)の乗算値を加算した値と等しいことを示す。
式32は、対象期間0から対象期間tまでの水素製造総コストTotalCostH2(t)は、対象期間0から対象期間t-1までの水素製造総コストTotalCostH2(t-1)に、系統電力単価Cost(t-1)と電力系統6からの受電電力量PGrid(t-1)の乗算値を加算した値と等しいことを示す。
式33は、対象期間0から対象期間tまでの水素製造装置42の稼働率TotalRate(t)は、対象期間0から対象期間tまでの水素製造装置42の総入力電力を対象期間tと水素製造装置42の定格入力電力量PWE_rateの乗算値で除算した値と等しいことを示す。
式34は、対象期間tにおける水素貯蔵タンク残量TANK(t)は、対象期間t-1における水素貯蔵タンク残量TANK(t-1)に、水素製造装置42の入力電力量PWE(t-1)と水素製造効率ξとの乗算値を加算した値に等しいことを示す。
式35は、対象期間tにおける水素貯蔵タンク残量TANK(t)は、タンク容量下限TLL以上であることを示す。
式36は、対象期間tにおける水素貯蔵タンク残量TANK(t)は、タンク容量上限THL以下であることを示す。
式37は、対象期間0から対象期間tまでの水素製造装置42の総入力電力TatalPWE(t)は、対象期間0から対象期間t-1までの水素製造装置42の総入力電力TatalPWE(t-1)に水素製造装置42の入力電力量PWE(t-1)を加算した値であることを示す。
式38は、対象期間0からtmaxまでの水素製造装置42の稼働率TotalRate(tmax)は、水素製造装置42の稼働率下限RLL以上であることを示す。
式39は、対象期間0からtmaxまでの水素製造装置42の稼働率TotalRate(tmax)は、水素製造装置42の稼働率上限RHL以下であることを示す。
<変形例2>
式17の制約条件の代わりに、以下の式17Aの制約条件を用いてもよい。
CO2Base×CO2Rate≧Totalco2(t)/TotalH2(t)
…(式17A)
式17Aは、対象期間0からtmaxまでの各対象期間tについて、対象期間0からtまでの水素製造時の1NmあたりのCO2排出量Totalco2(t)/TotalH2(t)は、水素製造装置42による1Nmの水素製造時に発生するCO2の重量[kg]の目標値CO2Base×CO2Rate以下であることを示す。
<変形例3>
式2に示した太陽光発電機21の発電電力量として予測値の代わりに実測値を用い、リアルタイムで電力系統6からの受電電力量を決定するようにしてもよい。
<実施形態2>
実施形態1では、水素製造システム1は蓄電池を備えない構成としたが、実施形態2では水素製造システム1が蓄電池を備える構成について説明する。
〔水素製造システムの全体構成〕
図5は、本開示の実施形態2に係る水素製造システムの全体構成を示す図である。
図5に示す水素製造システム1は、実施形態1に係る水素製造システム1の構成において、DC/ACコンバータ24の代わりにパワーコンディショナー26を備え、さらに、蓄電池23を備える。
蓄電池23は、電力線を介してDC/DCコンバータ22およびパワーコンディショナー26に接続され、DC/DCコンバータ22で電圧が変換された太陽光発電機21の出力電力を充電する。また、蓄電池23は、パワーコンディショナー26で直流に変換された電力系統6からの受電電力を充電する。また、蓄電池23は、充電された電力を放電する。蓄電池23は、例えば、レドックスフロー(RF)電池、リチウムイオン電池、溶融塩電池、鉛蓄電池などの二次電池を含む。
パワーコンディショナー26は、電力線を介してDC/DCコンバータ22および蓄電池23に接続される。パワーコンディショナー26は、DC/DCコンバータ22または蓄電池23から出力される直流電力を交流電力に変換して出力する。また、パワーコンディショナー26は、電力系統6からの受電電力を直流電力に変換して蓄電池23に出力する。
外部I/F装置25は、図示しない通信線を介して電力供給エリア2に設置された各設備(太陽光発電機21、DC/DCコンバータ22、蓄電池23およびパワーコンディショナー26)に接続される。外部I/F装置25は、各設備と電力供給エリア2の外部の装置とを接続するための装置であり、各設備から取得したデータを外部の装置に送信し、外部の装置から受信したデータを各設備に与える。例えば、外部I/F装置25は、太陽光発電機21から太陽光発電機21の出力を示す出力電力情報を取得し、取得した出力電力情報を制御エリア5に設置された後述する制御装置51に送信する。また、外部I/F装置25は、制御装置51から蓄電池23の充放電量を制御するための指令データを受信し、受信した指令データを蓄電池23に与える。これにより、蓄電池23の充放電量が制御される。
制御装置51の構成は、図2に示した実施形態1に係る制御装置51の構成と同様である。ただし、一部の機能が異なる。
制御装置51は、外部I/F装置25を介して蓄電池23を制御する。
排出量取得部57は、蓄電池23に充電される電力の製造におけるCO2排出量CO2Bat(t)を取得する。つまり、排出量取得部57は、蓄電池23への充電前の状態における蓄電池23に充電済みの電力の製造における二酸化炭素排出量と、蓄電池23に充電される電力の製造における二酸化炭素排出量とに基づいて、蓄電池23への充電後の状態における蓄電池23に充電済みの電力の製造におけるCO2排出量CO2Bat(t)を算出する。CO2排出量CO2Bat(t)は、後述の式54により算出される。
決定部59は、CO2排出量の目標値(CO2Base、CO2Rate)と、CO2排出量CO2Pv(t)、CO2Grid(t)およびCO2Bat(t)と、発電電力量PPv(t)とに基づいて、電力系統6からの受電電力量PGrid(t)[kWh]を決定する。
以下、決定部59による受電電力量PGrid(t)[kWh]の決定方法についてより詳細に説明する。
例えば、決定部59は、式14から式18に示す制約条件と、以下の式51から式58に示す制約条件のもと、式1に示す目的関数を最大化することにより、電力系統6からの受電電力量PGrid(t)を決定する。受電電力量PGrid(t)の決定には、所定の数理最適化手法が用いられる。
次に、各式について説明する。
<<パラメータ>>
充放電効率[%/100]:μ …(式40)
SOC上限[kWh]:SOCHL …(式41)
SOC下限[kWh]:SOCLL …(式42)
式40から式42は、目的関数または制約条件を算出するのに必要なパラメータを示す。
式40は、パワーコンディショナー26での変換ロスを考慮した蓄電池23の充放電効率[%/100]を示す。
式41は、蓄電池23のSOC(State of Charge)の上限SOCHL[kWh]を示す。
式42は、蓄電池23のSOCの下限SOCLL[kWh]を示す。
<<変数>>
蓄電池AC出力電力量[kWh]:PBat_ac(t) …(式43)
蓄電池DC出力電力量[kWh]:PBat_dc(t) …(式44)
蓄電池放電運転:SBat_dcrg(t) [0,1] …(式45)
蓄電池充電運転:SBat_crg(t) [0,1] …(式46)
蓄電池残量[kWh]:SOC(t) …(式47)
蓄電池のCO2排出量[kg/kWh]:CO2Bat(t) …(式48)
蓄電池電力によるCO2排出量[kg]:COutput_Bat(t)…(式49)
系統と太陽光のCO2排出量[kg/kWh]:CO2in(t) …(式50)
式43から式50は、目的関数または制約条件を算出する際に用いられる変数を示す。
式43は、対象期間tにおいて、蓄電池23から出力され、パワーコンディショナー26により変換された交流電力の電力量PBat_ac(t)[kWh]を示す。
式44は、対象期間tにおいて、蓄電池23から出力された直流電力の電力量PBat_dc(t)[kWh]を示す。
図6は、電力量PBat_ac(t)と電力量PBat_dc(t)との関係を示す図である。蓄電池23からの放電電力を正の値とし、蓄電池23への充電電力を負の値とする。蓄電池23から出力される電力量PBat_dc(t)の電力が充放電効率μで交流の電力量PBat_ac(t)に変換される。
式45は、蓄電池23が放電運転をしているか否かを示す変数SBat_dcrg(t)であり、変数SBat_dcrg(t)が1の場合には蓄電池23が放電運転をしていることを示し、0の場合には放電運転をしていないことを示す。
式46は、蓄電池23が充電運転をしているか否かを示す変数SBat_crg(t)であり、変数SBat_crg(t)が1の場合には蓄電池23が充電運転をしていることを示し、0の場合には充電運転をしていないことを示す。
式47は、対象期間tにおける蓄電池23の残量SOC(t)[kWh]を示す。
式48は、対象期間tにおける蓄電池23から出力された電力の製造時のCO2排出量CO2Bat(t)[kg/kWh]を示す。
式49は、対象期間tにおける蓄電池23から出力された電力の製造時のCO2排出量COutput_Bat(t)[kg]を示す。
式50は、電力系統6からの受電電力と太陽光発電機21の発電電力を合計した電力の製造におけるCO2排出量CO2in(t)[kg/kWh]を示す。
<<制約条件>>
Bat_dc(t)=SBat_dcrg(t)×(PBat_ac(t)/μ)
+SBat_crg(t)×(PBat_ac(t)×μ)
…(式51)
SOC(t)=SOC(t-1)-PBat_dc(t-1) …(式52)
CO2in(t)=(CO2Grid(t-1)×PGrid(t-1)
+CO2Pv(t-1)×PPv(t-1))
/(PGrid(t-1)+PPv(t-1)) …(式53)
CO2Bat(t)=SBat_dcrg(t-1)×CO2Bat(t-1)
+SBat_crg(t-1)×
{(CO2Bat(t-1)×SOC(t-1)
-CO2in(t-1)×PBat_dc(t-1))/SOC(t) …(式54)
Output_Bat(t)=CO2Bat(t)×PBat_ac(t)
…(式55)
Bat_dcrg(t)+SBat_dcrg(t)=1 …(式56)
SOC(t)>=SOCLL …(式57)
SOC(t)<=SOCHL …(式58)
式51から式58は、式1に示す目的関数を最大化する際の制約条件を示す。
式51は、対象期間tにおける蓄電池23から出力された直流電力の電力量PBat_dc(t)は、放電時の交流電力の電力量PBat_ac(t)を充放電効率μで除算した値と、充電時の交流電力の電力量PBat_ac(t)と充放電効率μとを乗算した値との加算値であることを示す。
式52は、対象期間tにおける蓄電池23の残量SOC(t)は、対象期間t-1における蓄電池23の残量SOC(t-1)から出力電力量PBat_dc(t-1)を減算した値であることを示す。
式53は、対象期間tにおけるCO2排出量CO2in(t)は、電力系統6からの受電電力および太陽光発電機21の発電電力の製造時のCO2排出量を、受電電力および発電電力の合計で除算した値であることを示す。
式54は、対象期間tにおける蓄電池23の充電電力のCO2排出量CO2Bat(t)は、放電時の蓄電池23の出力の製造におけるCO2排出量と、充電時の蓄電池23の出力の製造におけるCO2排出量との和であることを示す。
式55は、対象期間tにおける蓄電池23から出力された電力の製造時のCO2排出量COutput_Bat(t)は、CO2排出量CO2Bat(t)と蓄電池23の出力電力量PBat_ac(t)との積であることを示す。
式56は、対象期間tにおいては、蓄電池23は放電運転または充電運転を行うことを示す。
式57は、対象期間tにおける蓄電池23の蓄電池残量SOC(t)は下限SOCLL以上であることを示す。
式58は、対象期間tにおける蓄電池23の蓄電池残量SOC(t)は上限SOCHL以下であることを示す。
図7は、本開示の実施形態2に係る表示制御部61による画面表示の一例を示す図である。
図7に示す表示画面は、図3に示した実施形態1に係る表示画面と同様である。ただし、蓄電池23に関する情報が加えられている。
つまり、電力系統6および太陽光発電機21から蓄電池23に充電される電力がR[kW]であることが示されている。なお、蓄電池23から電力が放電される場合には、矢印が逆向きとなり、放電電力が表示される。
また、蓄電池23に充電されている電力の製造におけるCO2排出量がzzz[kg/kWh]であることが示されている。
〔制御装置51の処理の流れ〕
図8は、本開示の実施形態2に係る制御装置51の処理手順の一例を示すフローチャートである。
目標値取得部56は、CO2排出量の目標値(CO2Base、CO2Rate)を記憶部55から読み出す(S1)。
排出量取得部57は、電力系統6からの受電電力の製造におけるCO2排出量CO2Grid(t)を記憶部55から読み出す(S2)。
排出量取得部57は、太陽光発電機21の発電電力の製造におけるCO2排出量CO2Pv(t)を記憶部55から読み出す(S3)。
排出量取得部57は、式54に従い、蓄電池23に充電される電力の製造におけるCO2排出量CO2Bat(t)を算出する(S11)。
発電電力量取得部58は、太陽光発電機21の発電電力量PPv(t)を、記憶部55から読み出す(S4)。
決定部59は、式14から式18に示す制約条件と、式51から式58に示す制約条件のもと、式1に示す目的関数を最大化することにより、電力系統6からの受電電力量PGrid(t)を決定する(S12)。
指令送信部60は、受電電力量PGrid(t)に基づいて、水素製造装置42への入力電力量PWE(t)を決定し、外部I/F装置44に対して入力電力量PWE(t)を含む指令を送信する(S6)。
〔実施形態2の効果等〕
以上説明したように、本開示の実施形態2によると、蓄電池23を備える構成においても、太陽光発電機21の発電電力と電力系統6からの受電電力とをバランスよく利用しつつ、目標値に合わせて水素製造時のCO2排出量を決定することができる。
また、式54によれば、蓄電池23に発電電力および受電電力の双方が充電される場合であっても、蓄電池23に充電されている電力の製造におけるCO2排出量を正確に算出することができる。
[付記]
上記の制御装置51を構成する構成要素の一部または全部は、1または複数のシステムLSIなどの半導体装置から構成されていてもよい。
また、上記したコンピュータプログラムを、コンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体、例えば、HDD、CD-ROM、半導体メモリなどに記録して流通させてもよい。また、コンピュータプログラムを、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送して流通させてもよい。
また、制御装置51は、複数のコンピュータまたは複数のプロセッサにより実現されてもよい。
また、制御装置51の一部または全部の機能がクラウドコンピューティングによって提供されてもよい。つまり、制御装置51の一部または全部の機能がクラウドサーバにより実現されていてもよい。
さらに、上記実施形態および上記変形例の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 水素製造システム
2 電力供給エリア
3 配管エリア
4 水素製造エリア
5 制御エリア
6 電力系統
7 受電点
21 太陽光発電機
22 DC/DCコンバータ
23 蓄電池
24 DC/ACコンバータ
25 外部I/F装置
26 パワーコンディショナー
31 バルブ
32 水素貯蔵タンク
33 バルブ
34 バルブ
35 外部I/F装置
41 AC/DCコンバータ
42 水素製造装置
43 バルブ
44 外部I/F装置
51 制御装置
52 表示装置
53 制御部
54 通信部
55 記憶部
56 目標値取得部
57 排出量取得部
58 発電電力量取得部
59 決定部
60 指令送信部
61 表示制御部
71 グラフ
72 グラフ

Claims (10)

  1. 再生可能エネルギーを利用した発電機による発電電力と電力系統からの受電電力とを入力電力として水素を製造する水素製造装置を制御する制御装置であって、
    前記水素製造装置による水素製造時の二酸化炭素排出量の目標値を取得する目標値取得部と、
    前記発電電力および前記受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量を取得する排出量取得部と、
    前記発電機による発電電力量を取得する発電電力量取得部と、
    前記目標値と、前記発電電力および前記受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量と、前記発電電力量とに基づいて、前記電力系統からの受電電力量を決定する決定部とを備える、制御装置。
  2. 前記決定部は、前記水素製造装置に入力される前記発電電力および前記受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量の合計が前記目標値を超えないという制約条件のもと、所定の目的関数を最適化することにより、前記受電電力量を決定する、請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記制御装置は、さらに、前記発電電力および前記受電電力を充電する蓄電池を制御し、
    前記排出量取得部は、さらに、前記蓄電池の充電電力の製造における二酸化炭素排出量を取得し、
    前記決定部は、前記目標値と、前記発電電力、前記受電電力および前記充電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量と、前記発電電力量とに基づいて、前記受電電力量を決定する、請求項1または請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記排出量取得部は、前記蓄電池への充電前の状態における前記蓄電池に充電済みの電力の製造における二酸化炭素排出量と、前記蓄電池に充電される電力の製造における二酸化炭素排出量とに基づいて、前記蓄電池への充電後の状態における前記蓄電池に充電済みの電力の製造における二酸化炭素排出量を算出する、請求項3に記載の制御装置。
  5. 前記目標値に対する、前記水素製造装置による水素製造において消費される電力の製造における二酸化炭素排出量の割合を画面に表示させる表示制御部をさらに備える、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の制御装置。
  6. 前記表示制御部は、さらに、前記水素製造装置に入力される前記発電電力および前記受電電力を前記画面に表示させる、請求項5に記載の制御装置。
  7. 前記表示制御部は、前記発電電力および前記受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量を前記画面に表示させる、請求項6に記載の制御装置。
  8. コンピュータにより、再生可能エネルギーを利用した発電機による発電電力と電力系統からの受電電力とを入力電力として水素を製造する水素製造装置を制御する制御方法であって、
    前記コンピュータが、前記水素製造装置による水素製造時の二酸化炭素排出量の目標値を取得するステップと、
    前記コンピュータが、前記発電電力および前記受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量を取得するステップと、
    前記コンピュータが、前記発電機による発電電力量を取得するステップと、
    前記コンピュータが、前記目標値と、前記発電電力および前記受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量と、前記発電電力量とに基づいて、前記電力系統からの受電電力量を決定するステップとを含む、制御方法。
  9. コンピュータを、再生可能エネルギーを利用した発電機による発電電力と電力系統からの受電電力とを入力電力として水素を製造する水素製造装置を制御する制御装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記水素製造装置による水素製造時の二酸化炭素排出量の目標値を取得する目標値取得部、
    前記発電電力および前記受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量を取得する排出量取得部、
    前記発電機による発電電力量を取得する発電電力量取得部、および、
    前記目標値と、前記発電電力および前記受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量と、前記発電電力量とに基づいて、前記電力系統からの受電電力量を決定する決定部として機能させる、コンピュータプログラム。
  10. 再生可能エネルギーを利用した発電機と、
    前記発電機による発電電力と電力系統からの受電電力とを入力電力として水素を製造する水素製造装置と、
    前記水素製造装置を制御する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の制御装置とを備える、水素製造システム。
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