JP2022110287A - 水素製造システム、制御装置及び水素製造方法 - Google Patents

水素製造システム、制御装置及び水素製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022110287A
JP2022110287A JP2021005589A JP2021005589A JP2022110287A JP 2022110287 A JP2022110287 A JP 2022110287A JP 2021005589 A JP2021005589 A JP 2021005589A JP 2021005589 A JP2021005589 A JP 2021005589A JP 2022110287 A JP2022110287 A JP 2022110287A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power
hydrogen
hydrogen production
amount
generated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021005589A
Other languages
English (en)
Inventor
伸晃 石原
Nobuaki Ishihara
恵敬 木村
Yoshitaka Kimura
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2021005589A priority Critical patent/JP2022110287A/ja
Publication of JP2022110287A publication Critical patent/JP2022110287A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Abstract

【課題】製造される水素のCO2排出量を制御しつつ、効率的な水素製造を可能とする水素製造システムを提供する。【解決手段】水素製造システムは、再生可能エネルギーを利用した発電機による発電電力及び電力系統からの受電電力のうち時間ごとに選択された一方の電力を消費することにより水素を製造する水素製造装置と、前記発電電力を消費して前記水素製造装置により製造された第1水素を貯蔵する第1貯蔵装置と、前記受電電力を消費して前記水素製造装置により製造された第2水素を貯蔵する第2貯蔵装置とを備える。【選択図】図1

Description

本開示は、水素製造システム、制御装置及び水素製造方法に関する。
近年、CO(以下、CO2と記載)排出量削減のためのエネルギー源として水素に注目が集まっている。
例えば、特許文献1には、太陽光発電機などで発電された電力と、電力系統から供給された電力とを受電して水素を製造する水素製造装置への入力電力を制御する制御装置が開示されている。
国際公開第2020/121436号
しかしながら、特許文献1に記載の制御装置は、水素製造装置に関する電力需給調整の確実性を高めることを目的としている。このため、水素製造時のCO2排出量を制御できないという課題がある。
特に、脱炭素化社会に向けて水素製造時のCO2排出量によって水素を分類する世界的な動きが見られるが、特許文献1に記載の制御装置では、このような動きに対応して水素を製造することは困難である。
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであり、製造される水素のCO2排出量を制御しつつ、効率的な水素製造を可能とする水素製造システム、制御装置及び水素製造方法を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る水素製造システムは、再生可能エネルギーを利用した発電機による発電電力及び電力系統からの受電電力のうち時間ごとに選択された一方の電力を消費することにより水素を製造する水素製造装置と、前記発電電力を消費して前記水素製造装置により製造された第1水素を貯蔵する第1貯蔵装置と、前記受電電力を消費して前記水素製造装置により製造された第2水素を貯蔵する第2貯蔵装置とを備える。
本開示の他の一態様に係る制御装置は、水素製造システムに備えられる水素製造装置を制御する制御装置であって、前記水素製造システムは、再生可能エネルギーを利用した発電機による発電電力及び電力系統からの受電電力のうち時間ごとに選択された一方の電力を消費することにより水素を製造する水素製造装置と、前記発電電力を消費して前記水素製造装置により製造された第1水素を貯蔵する第1貯蔵装置と、前記受電電力を消費して前記水素製造装置により製造された第2水素を貯蔵する第2貯蔵装置とを備え、前記制御装置は、前記水素製造装置の入力電力として、前記発電電力及び前記受電電力のうち一方を時間ごとに選択する。
本開示の他の一態様に係る水素製造方法は、水素製造装置が、再生可能エネルギーを利用した発電機による発電電力及び電力系統からの受電電力のうち時間ごとに選択された一方の電力を消費することにより水素を製造するステップと、前記発電電力を消費して前記水素製造装置により製造された第1水素を第1貯蔵装置に貯蔵するステップと、前記受電電力を消費して前記水素製造装置により製造された第2水素を第2貯蔵装置に貯蔵するステップとを含む。
なお、本開示は、制御装置に含まれる特徴的な処理部としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムとして実現することもできる。そして、そのようなコンピュータプログラムを、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)等のコンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体やインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。
本開示によると、製造される水素のCO2排出量を制御しつつ、効率的な水素製造が可能となる。
図1は、本開示の実施形態1に係る水素製造システムの全体構成を示す図である。 図2は、本開示の実施形態1に係る制御装置のハードウェア構成及び機能構成を示すブロック図である。 図3は、本開示の実施形態1に係る表示制御部による画面表示の一例を示す図である。 図4は、本開示の実施形態1に係る制御装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図5は、本開示の実施形態2に係る水素製造システムの全体構成を示す図である。 図6は、電力量PBat_ac(t)と電力量PBat_dc(t)との関係を示す図である。 図7は、本開示の実施形態2に係る表示制御部による画面表示の一例を示す図である。 図8は、本開示の実施形態2に係る制御装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図9は、本開示の実施形態3に係る制御装置による水素製造システムの制御例を説明するための図である。 図10は、本開示の実施形態4に係る制御装置による水素製造システムの制御例を説明するための図である。
[本開示の実施形態の概要]
最初に本開示の実施形態の概要を列記して説明する。
(1)本開示の一実施形態に係る水素製造システムは、再生可能エネルギーを利用した発電機による発電電力及び電力系統からの受電電力のうち時間ごとに選択された一方の電力を消費することにより水素を製造する水素製造装置と、前記発電電力を消費して前記水素製造装置により製造された第1水素を貯蔵する第1貯蔵装置と、前記受電電力を消費して前記水素製造装置により製造された第2水素を貯蔵する第2貯蔵装置とを備える。
この構成によると、発電電力が選択された時間においては、発電電力を水素製造装置の消費電力として製造された第1水素が第1貯蔵装置に貯蔵される。また、受電電力が選択された時間においては、受電電力を水素製造装置の消費電力として製造された第2水素が第2貯蔵装置に貯蔵される。このように、1台の水素製造装置で、時分割で第1水素及び第2水素を製造し、それぞれの水素を別個に貯蔵することができる。これにより、1台の水素製造装置を用いて、例えば、発電電力量が少ない時間においては受電電力を消費して第2水素を製造し、受電電力料金が高い時間においては発電電力を消費して第1水素を製造するなどの切り替え制御を行うことができる。このため、効率的な水素製造を可能とすることができる。また、水素製造に用いた電力の種類に応じて貯蔵装置を分けている。このため、第1水素と第2水素の混合比率を変更することにより、製造される水素のCO2排出量を制御することができる。
(2)好ましくは、上述の水素製造システムは、前記第1貯蔵装置に貯蔵された前記第1水素と、前記第2貯蔵装置に貯蔵された前記第2水素とを混合する混合装置をさらに備える。
この構成によると、第1水素と第2水素とを適切な比率で混合することができる。これにより、水素の混合比率を変更することにより、製造される水素のCO2排出量を制御することができる。
(3)さらに好ましくは、上述の水素製造システムは、前記水素製造装置の入力電力として、前記発電電力及び前記受電電力のうち一方を時間ごとに選択する制御装置をさらに備える。
この構成によると、制御装置は、1台の水素製造装置に時分割で第1水素及び第2水素を製造させることができる。これにより、効率的な水素製造を可能とすることができる。
(4)また、前記制御装置は、前記発電機による発電電力量を取得する発電電力量取得部と、前記水素製造装置の定格入力電力量と、前記発電電力量とに基づいて、前記電力系統からの受電電力量を決定し、前記発電電力及び前記受電電力のうち一方を時間ごとに選択する決定部とを含んでもよい。
この構成によると、時間ごとに、発電電力及び受電電力の一方の電力を水素製造装置に消費させて水素製造装置に第1水素及び第2水素を製造させることができる。
(5)また、前記決定部は、時間ごとに、前記水素製造装置に入力される電力量が前記定格入力電力量を超えないという制約条件のもと、所定の目的関数を最適化することにより、前記受電電力量を決定してもよい。
この構成によると、時間ごとに水素製造装置への入力電力量が定格入力電力量を超えないようにしつつ、所定の目的関数を最適化することができる。例えば、水素製造量の最大化を目的関数の最適化とすることにより、効率的な水素製造が可能となる。
(6)また、前記制御装置は、前記発電機による発電時間及び発電電力量を取得する発電電力量取得部と、前記水素製造装置の目標稼働率と、前記発電機による発電時間及び発電電力量とに基づいて、前記受電電力の受電時間を決定する決定部とを含んでもよい。
この構成によると、水素製造装置の目標稼働率が達成できるように受電電力の受電時間を決定することができる。これにより、効率的な水素製造が可能となる。
(7)また、前記制御装置は、前記第1貯蔵装置に貯蔵された前記第1水素の量及び当該第1水素の製造のための二酸化炭素排出量と、前記第2貯蔵装置に貯蔵された前記第2水素の量及び当該第2水素の製造のための二酸化炭素排出量とを画面に表示させる表示制御部をさらに備えてもよい。
この構成によると、ユーザは、水素製造において、どのくらいの割合の二酸化炭素が排出されているかを知ることができる。
(8)また、前記表示制御部は、さらに、前記水素製造装置に入力される前記発電電力及び前記受電電力を前記画面に表示させてもよい。
この構成によると、ユーザは、どのくらいの量の発電電力及び受電電力が水素製造に利用されているかを知ることができる。
(9)また、前記表示制御部は、さらに、前記発電電力及び前記受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量を前記画面に表示させてもよい。
この構成によると、発電電力及び受電電力の値と合わせて、発電電力及び受電電力の製造における二酸化炭素排出量が画面に表示される。これにより、ユーザは、水素製造のための二酸化炭素排出量がどの程度かを知ることができる。例えば、受電電力の値と受電電力の製造における二酸化炭素排出量とを乗算することにより、第2水素の製造のための二酸化炭素排出量がどの程度かを知ることができる。
(10)また、前記発電電力を充電する蓄電池をさらに備え、前記発電機又は前記蓄電池からの出力電力が、前記発電機による発電電力とされてもよい。
この構成によると、蓄電池を備える構成においても、水素製造時の二酸化炭素排出量を制御しつつ、効率的な水素製造が可能となる。
(11)また、上述の水素製造システムは、水素製造時の二酸化炭素排出量の目標値に基づいて、前記混合装置による前記第1水素及び前記第2水素の混合比率を制御する制御装置をさらに備えてもよい。
この構成によると、目標値に合わせて第1水素及び第2水素を混合することができる。これにより、製造される水素の二酸化炭素排出量を制御することができる。
(12)本開示の他の実施形態に係る制御装置は、水素製造システムに備えられる水素製造装置を制御する制御装置であって、前記水素製造システムは、再生可能エネルギーを利用した発電機による発電電力及び電力系統からの受電電力のうち時間ごとに選択された一方の電力を消費することにより水素を製造する水素製造装置と、前記発電電力を消費して前記水素製造装置により製造された第1水素を貯蔵する第1貯蔵装置と、前記受電電力を消費して前記水素製造装置により製造された第2水素を貯蔵する第2貯蔵装置とを備え、前記制御装置は、前記水素製造装置の入力電力として、前記発電電力及び前記受電電力のうち一方を時間ごとに選択する。
この構成によると、発電電力を選択した時間において、第1水素を第1貯蔵装置に貯蔵させることができる。また、受電電力を選択した時間において、第2水素を第2貯蔵装置に貯蔵させることができる。このように、1台の水素製造装置で、時分割で第1水素及び第2水素を製造し、それぞれの水素を別個に貯蔵することができる。これにより、1台の水素製造装置を用いて、例えば、発電電力量が少ない時間においては受電電力を消費して第2水素を製造し、受電電力料金が高い時間においては発電電力を消費して第1水素を製造するなどの切り替え制御を行うことができる。このため、効率的な水素製造を可能とすることができる。また、水素製造に用いた電力の種類に応じて貯蔵装置を分けている。このため、第1水素と第2水素の混合比率を変更することにより、製造される水素のCO2排出量を制御することができる。
(13)本開示の他の実施形態に係る水素製造方法は、水素製造装置が、再生可能エネルギーを利用した発電機による発電電力及び電力系統からの受電電力のうち時間ごとに選択された一方の電力を消費することにより水素を製造するステップと、前記発電電力を消費して前記水素製造装置により製造された第1水素を第1貯蔵装置に貯蔵するステップと、前記受電電力を消費して前記水素製造装置により製造された第2水素を第2貯蔵装置に貯蔵するステップとを含む。
この構成によると、発電電力が選択された時間においては、発電電力を水素製造装置の消費電力として製造された第1水素が第1貯蔵装置に貯蔵される。また、受電電力が選択された時間においては、受電電力を水素製造装置の消費電力として製造された第2水素が第2貯蔵装置に貯蔵される。このように、1台の水素製造装置で、時分割で第1水素及び第2水素を製造し、それぞれの水素を別個に貯蔵することができる。これにより、1台の水素製造装置を用いて、例えば、発電電力量が少ない時間においては受電電力を消費して第2水素を製造し、受電電力料金が高い時間においては発電電力を消費して第1水素を製造するなどの切り替え制御を行うことができる。このため、効率的な水素製造を可能とすることができる。また、水素製造に用いた電力の種類に応じて貯蔵装置を分けている。このため、第1水素と第2水素の混合比率を変更することにより、製造される水素のCO2排出量を制御することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定するものではない。また、以下の実施形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意に付加可能な構成要素である。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
また、同一の構成要素には同一の符号を付す。それらの機能及び名称も同様であるため、それらの説明は適宜省略する。
<実施形態1>
〔水素製造システムの全体構成〕
図1は、本開示の実施形態1に係る水素製造システムの全体構成を示す図である。
水素製造システム1は、太陽光発電機3と、切替開閉器4と、水素製造装置5と、バルブ6、7と、系統水素タンク8と、再エネ水素タンク9と、バルブ10、11と、混合水素タンク12と、制御装置13と、表示装置14とを備える。
太陽光発電機3は、再生可能エネルギーを利用して発電する再生可能エネルギー発電機の一例であり、太陽光エネルギーを直流の電力に変換する。なお、本実施形態では、再生可能エネルギー発電機として太陽光発電機3を用いる例について説明するが、太陽光発電機3の代わりに、又は太陽光発電機3とともに、風力発電機などの他の再生可能エネルギー発電機を用いてもよい。
なお、図1においては、太陽光発電機3の発電電力を直流から交流に変換するDC/ACコンバータ又はPCS(パワーコンディショナー)の図示を省略している。
切替開閉器4は、電力系統2、太陽光発電機3、水素製造装置5及び制御装置13に接続される。切替開閉器4は、電力系統2からの受電電力及び太陽光発電機3による発電電力を入力として受け、制御装置13から送信される切り替え指示信号に基づいて、いずれか一方の電力を選択し、選択した電力を水素製造装置5に出力する。例えば、切り替え指示信号が1を示す場合には受電電力を選択することを指示し、0を示す場合には発電電力を選択することを指示するものとする。切替開閉器4は、切り替え指示信号が1を示す場合には、電力系統2と水素製造装置5とを接続し、電力系統2からの受電電力を水素製造装置5に出力し、太陽光発電機3の発電電力を水素製造装置5に出力しない。切替開閉器4は、切り替え指示信号が0を示す場合には、太陽光発電機3と水素製造装置5とを接続し、太陽光発電機3の発電電力を水素製造装置5に出力し、電力系統2から受電電力を水素製造装置5に出力しない。
水素製造装置5は、切替開閉器4から出力される直流電力を消費電力として用いて、水を水素と酸素に電気分解して、水素を取り出す。水素製造装置5は、例えば、固体高分子型水電解方式を採用し、正極側に水を供給することにより酸素と水素イオンとを発生させ、水素イオンをフッ素樹脂系カチオン膜などを通過させ陰極側に移動させることにより、電子を得た水素を発生させる。ただし、水の電気分解方式は上記したものに限定されるものではない。水の電気分解方式として、アルカリ水電解、高温水蒸気電解などの他の方式を用いてもよい。また、水素製造装置5は、水の電気分解以外にもトルエン電解還元などの方式を用いて水素を発生させてもよい。トルエン電解還元方式の場合には、水の代わりにトルエンが用いられる。
バルブ6は、水素製造装置5と系統水素タンク8とを接続する水素導管の途中に設置される水素供給用のバルブであり、水素製造装置5で発生した水素の出力量を調整するために用いられる。バルブ6を開くことにより、水素製造装置5が製造した水素が系統水素タンク8に出力され、系統水素タンク8に水素が追加貯蔵される。バルブ6を閉じることにより、水素製造装置5が製造した水素が系統水素タンク8に出力されなくなる。
バルブ7は、水素製造装置5と再エネ水素タンク9とを接続する水素導管の途中に設置される水素供給用のバルブであり、水素製造装置5で発生した水素の出力量を調整するために用いられる。バルブ7を開くことにより、水素製造装置5が製造した水素が再エネ水素タンク9に出力され、再エネ水素タンク9に水素が追加貯蔵される。バルブ7を閉じることにより、水素製造装置5が製造した水素が再エネ水素タンク9に出力されなくなる。
バルブ6及びバルブ7の開閉制御は、制御装置13から出力される開閉指示信号に基づいて実行される。例えば、バルブ6は、開閉指示信号が1を示す場合にはバルブ6を開き、開閉指示信号が0を示す場合にはバルブ7を閉じる。同様に、バルブ7は、開閉指示信号が1を示す場合にはバルブ7を開き、開閉指示信号が0を示す場合にはバルブ7を閉じる。
なお、バルブ6への開閉指示信号とバルブ7への開閉指示信号とが同時に1を示す場合はないものとする。つまり、バルブ6の開閉指示信号が1を示す場合には、バルブ7の開閉指示信号は0を示す。また、バルブ7の開閉指示信号が1を示す場合には、バルブ6の開閉指示信号が0を示す。これにより、任意の時間に水素製造装置5から出力される水素は、系統水素タンク8及び再エネ水素タンク9の一方に貯蔵され、両方に貯蔵されないようにすることができる。
具体的には、切り替え指示信号が1を示す場合には、バルブ6の開閉指示信号は1を示し、バルブ7の開閉指示信号は0を示すものとする。これにより、電力系統2からの受電電力を消費して水素製造装置5により製造された水素は、系統水素タンク8に貯蔵されることになる。
また、切り替え指示信号が0を示す場合には、バルブ6の開閉指示信号は0を示し、バルブ7の開閉指示信号は1を示すものとする。これにより、太陽光発電機3の発電電力を消費して水素製造装置5により製造された水素は、再エネ水素タンク9に貯蔵されることになる。
系統水素タンク8は、水素導管を介してバルブ6と接続され、水素製造装置5で発生した水素を貯蔵するタンクである。
再エネ水素タンク9は、水素導管を介してバルブ7と接続され、水素製造装置5で発生した水素を貯蔵するタンクである。
系統水素タンク8及び再エネ水素タンク9の各々は、例えば、水素を高圧で圧縮して貯蔵するタンクである。ただし、各水素タンクによる水素貯蔵方法はこれに限定されるものではない。各水素タンクは、例えば、水素を低温で液化して貯蔵するタンクであってもよい。また、各水素タンクは、水素吸蔵合金に水素を吸蔵させて貯蔵するタンクであってもよいし、カーボンナノチューブなどに水素を吸着させて貯蔵するタンクであってもよい。また、各水素タンクは、水素とトルエンとを反応させてメチルシクロヘキサンに変換するなど、水素を他の物質に変換して貯蔵するタンクであってもよい。
バルブ10は、系統水素タンク8と混合水素タンク12とを接続する水素導管の途中に設置される水素供給用のバルブであり、系統水素タンク8に貯蔵された水素の出力量を調整するために用いられる。バルブ10を開くほど系統水素タンク8から混合水素タンク12への水素の出力量を増加させることができる。バルブ10を完全に閉じることにより、系統水素タンク8から水素が出力されないようにすることができる。
バルブ11は、再エネ水素タンク9と混合水素タンク12とを接続する水素導管の途中に設置される水素供給用のバルブであり、再エネ水素タンク9に貯蔵された水素の出力量を調整するために用いられる。バルブ11を開くほど再エネ水素タンク9から混合水素タンク12への水素の出力量を増加させることができる。バルブ11を完全に閉じることにより、再エネ水素タンク9から水素が出力されないようにすることができる。
バルブ10及びバルブ11は、系統水素タンク8及び再エネ水素タンク9に貯蔵された水素を混合する混合装置としての機能を有する。
バルブ10及びバルブ11の開閉制御は、制御装置13から出力される開閉指示信号に基づいて実行される。例えば、開閉指示信号は、バルブ10及びバルブ11の開閉量を0から1の間の数値で示すものとする。開閉指示信号が1の場合にはバルブを全開することを示し、開閉指示信号が0の場合にはバルブを全閉することを示す。また、開閉指示信号が0.3の場合には、全開の場合の開閉量を1とした場合に、その0.3倍の開閉量だけバルブを開くことを示す。
混合水素タンク12は、水素導管を介してバルブ10及びバルブ11と接続され、系統水素タンク8及び再エネ水素タンク9に貯蔵された水素を貯蔵するタンクである。
混合水素タンク12は、系統水素タンク8及び再エネ水素タンク9と同様に、例えば、水素を高圧で圧縮して貯蔵するタンクである。ただし、混合水素タンク12による水素貯蔵方法はこれに限定されるものではない。混合水素タンク12は、例えば、水素を低温で液化して貯蔵するタンクであってもよい。また、混合水素タンク12は、水素吸蔵合金に水素を吸蔵させて貯蔵するタンクであってもよいし、カーボンナノチューブなどに水素を吸着させて貯蔵するタンクであってもよい。また、混合水素タンク12は、水素とトルエンとを反応させてメチルシクロヘキサンに変換するなど、水素を他の物質に変換して貯蔵するタンクであってもよい。
制御装置13は、水素製造装置5の入力電力として、電力系統2からの受電電力及び太陽光発電機3の発電電力のうち一方を時間ごとに選択する。制御装置13は、選択結果に基づいて、切替開閉器4、水素製造装置5、バルブ6及びバルブ7を制御する。
つまり、受電電力を選択する場合には、制御装置13は、電力系統2と水素製造装置5を接続するための切り替え制御信号を切替開閉器4に送信する。また、制御装置13は、バルブ6を開くための開閉指示信号をバルブ6の制御装置に送信し、バルブ7を閉じるための開閉指示信号をバルブ7の制御装置に送信する。
また、発電電力を選択する場合には、制御装置13は、太陽光発電機3と水素製造装置5を接続するための切り替え制御信号を切替開閉器4に送信する。また、制御装置13は、バルブ6を閉じるための開閉指示信号をバルブ6の制御装置に送信し、バルブ7を開くための開閉指示信号をバルブ7の制御装置に送信する。
制御装置13は、二酸化炭素(以下、CO2と記載)排出量の目標値に基づいて、バルブ10及びバルブ11の開閉量を決定し、決定した開閉量を指示するための開閉指示信号をバルブ10及びバルブ11にそれぞれ送信する。
また、制御装置13は、水素製造システム1の稼働状況を表示装置14に表示する。表示装置14の表示例については後述する。
〔制御装置13の構成〕
図2は、本開示の実施形態1に係る制御装置13のハードウェア構成及び機能構成を示すブロック図である。
制御装置13は、例えばコンピュータであり、バス30を介して相互に接続される、制御部21と、通信部22と、記憶部23とを備える。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成され、記憶部23にあらかじめ記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される機能的な処理部として、目標値取得部24と、排出量取得部25と、発電電力量取得部26と、決定部27と、指令送信部28と、表示制御部29とを備える。
通信部22は、太陽光発電機3、切替開閉器4、水素製造装置5、バルブ6、7、10及び11の制御装置、系統水素タンク8の制御装置、再エネ水素タンク9の制御装置、並びに、水素製造システム1の受電点に設けられた受電電力を監視するための電力量計などの各装置との通信処理を実行する通信装置より構成される。つまり、通信部22は、制御部21から与えられた情報を、通信線を介して各装置に送信するとともに、通信線を介して各装置から受信した情報を制御部21に与える。
記憶部23は、SRAM(Static Random Access Memory)又はDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性のメモリ素子、フラッシュメモリ若しくはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの不揮発性のメモリ素子、又は、ハードディスクなどの磁気記憶装置などにより構成されている。記憶部23は、制御部21が実行するコンピュータプログラム、及びその実行に必要なデータなどを記憶する。
目標値取得部24は、水素製造装置5による水素製造時のCO2排出量の目標値を取得する。具体的には、目標値取得部24は、記憶部23にあらかじめ記憶されている、基準のCO2排出量CO2Base[kg/Nm]と、CO2許容率CO2Rate[%/100]とを、記憶部23から目標値として読み出す。
CO2排出量CO2Baseは、例えば、天然ガス改質により水素を1Nm製造した場合に発生するCO2の重量[kg]を示す。
CO2許容率CO2Rateは、CO2排出量CO2Baseを基準としたときの水素製造装置5によるCO2排出量の許容率を示す。つまり、CO2許容率CO2RateにCO2排出量CO2Baseを掛けた値(CO2Rate×CO2Base)が、水素製造装置5により水素を1Nm製造した場合に発生するCO2の重量[kg]の目標値を示す。
排出量取得部25は、太陽光発電機3による発電電力及び電力系統2からの受電電力それぞれの製造におけるCO2排出量を取得する。具体的には、排出量取得部25は、記憶部23にあらかじめ記憶されている、太陽光発電機3の発電電力の製造におけるCO2排出量CO2Pv(t)[kg/kWh]と、電力系統2からの受電電力の製造におけるCO2排出量CO2Grid(t)[kg/kWh]とを、記憶部23から読み出す。ここで、tは対象期間を示し、例えば、30分単位の期間を示す。
発電電力量取得部26は、太陽光発電機3による発電電力量を取得する。具体的には、発電電力量取得部26は、記憶部23にあらかじめ記憶されている対象期間tごとの太陽光発電機3の発電電力量PPv(t)[kWh]を、記憶部23から読み出す。
決定部27は、CO2排出量の目標値(CO2Base、CO2Rate)と、CO2排出量CO2Pv(t)及びCO2Grid(t)と、発電電力量PPv(t)とに基づいて、電力系統2からの受電電力量PGrid(t)[kWh]を決定する。
以下、決定部27による受電電力量PGrid(t)[kWh]の決定方法についてより詳細に説明する。
決定部27は、時間ごとに、水素製造装置5に入力される電力量が水素製造装置5の定格入力電力量を超えないという制約条件のもと,所定の目的関数を最適化することにより、電力系統2からの受電電力量PGrid(t)を決定する。
例えば、決定部27は、以下の式14から式17に示す制約条件のもと、式1に示す目的関数を最大化することにより、電力系統2からの受電電力量PGrid(t)を決定する。受電電力量PGrid(t)の決定には、所定の数理最適化手法が用いられる。
次に、各式について説明する。
<<目的関数>>
水素製造量[Nm]:TotalH2(tmax)の最大化 …(式1)
式1は、決定部27が最適化する目的関数を示し、ここでは、対象期間0からtmaxまでの水素製造装置5によるトータルの水素製造量TotalH2(tmax)の最大化を目的関数とする。
<<パラメータ>>
太陽光発電機3の発電電力量(予測値)[kWh]:PPv(t) …(式2)
系統電力のCO2排出量[kg/kWh]:CO2Grid(t) …(式3)
太陽光発電機3のCO2排出量[kg/kWh]:CO2Pv(t) …(式4)
基準のCO2排出量[kg/Nm]:CO2Base …(式5)
CO2許容率[%/100]:CO2Rate …(式6)
水素製造効率[Nm/kWh]:ξ …(式7)
水素製造装置5の定格入力電力量[kWh]:PWE_rate …(式8)
式2から式8は、目的関数又は後述の制約条件を算出するのに必要なパラメータを示す。
式2は、発電電力量取得部26が取得した太陽光発電機3の対象期間tにおける発電電力量PPv(t)[kWh]を示す。発電電力量PPv(t)は、例えば、当日の天候や気温等の気象情報に基づく予測値である。
式3は、排出量取得部25が取得した、対象期間tにおける電力系統2からの受電電力の製造におけるCO2排出量CO2Grid(t)[kg/kWh]を示す。
式4は、排出量取得部25が取得した、対象期間tにおける太陽光発電機3の発電電力の製造におけるCO2排出量CO2Pv(t)[kg/kWh]を示す。
式5は、目標値取得部24が取得した基準のCO2排出量CO2Base[kg/Nm]を示す。
式6は、目標値取得部24が取得したCO2許容率CO2Rate[%/100]を示す。
式7に示す水素製造効率ξは、水素製造装置5への入力電力1kWh当たりの水素製造量[Nm]を示す。
式8は、水素製造装置5の定格入力電力量PWE_rate[kWh]を示す。
式7及び式8の値は予め記憶部23に記憶されており、決定部27がこれらの値を記憶部23から読み出す。
<<変数>>
対象期間:t[0,1,…,tmax] …(式9)
系統連系モード:Mode(t)[0,1] …(式10)
受電電力量[kWh]:PGrid(t) …(式11)
水素製造装置5の入力電力量[kWh]:PWE(t) …(式12)
水素製造量[Nm]:TotalH2(t) …(式13)
式9から式13は、目的関数又は制約条件を算出する際に用いられる変数を示す。
式9は、対象期間tを表す変数であり、tは0からtmaxまでのtmax+1の期間を示す。各期間は、例えばデマンド時限に対応した30分間である。ただし、期間の長さは30分間に限定されるものではない。
式10は、水素製造システム1が系統連系しているか否かを示す変数である。
系統連系モードMode[t]が1の場合には、対象期間tにおいて水素製造システム1が系統連系していることを示す。なお、系統連系している場合には、切替開閉器4は、電力系統2と水素製造装置5とを接続し、電力系統2からの受電電力を水素製造装置5に入力し、太陽光発電機3の発電電力を水素製造装置5に入力しない。また、バルブ6は開き、バルブ7は閉じる。
一方、系統連系モードMode[t]が0の場合には、対象期間tにおいて水素製造システム1が系統連系していないことを示す。系統連系していない場合には、切替開閉器4は、太陽光発電機3と水素製造装置5とを接続し、太陽光発電機3の発電電力を水素製造装置5に入力し、電力系統2から受電電力を水素製造装置5に入力しない。また、バルブ6は閉じ、バルブ7は開く。
つまり、系統連系モードMode[t]は、対象期間tごとに、電力系統2からの受電電力及び太陽光発電機3の発電電力のうち水素製造装置5の入力電力として選択された電力を示す変数である。
式11は、対象期間tにおける電力系統2からの受電電力量PGrid(t)[kWh]を示す。
式12は、対象期間tにおける水素製造装置5への入力電力量PWE(t)[kWh]を示す。
式13は、対象期間0から対象期間tまでの水素製造装置5による水素製造量[Nm]を示す。
<<制約条件>>
Grid(t)×Mode(t)+PPv(t)×(1-Mode(t))
=PWE(t) …(式14)
Totalco2(t)=Totalco2(t-1)
+CO2Grid(t-1)×PGrid(t-1)
+CO2Pv(t-1)×PPv(t-1) …(式15)
TotalH2(t)=TotalH2(t-1)+PWE(t-1)×ξ
…(式16)
WE(t)≦PWE_rate …(式17)
式14から式17は、式1に示す目的関数を最大化する際の制約条件を示す。
式14は、対象期間tにおける電力系統2からの受電電力量PGrid(t)と対象期間tにおける太陽光発電機3の発電電力量PPv(t)とを加算した値が、対象期間tにおける水素製造装置5への入力電力量PWE(t)と等しいことを示す。また、式14は、同一の対象期間tにおいては、電力系統2及び太陽光発電機3の一方からしか水素製造装置5に電力が入力されないことを、変数Mode(t)により示している。
式15は、対象期間0から対象期間tまでの総CO2排出量Totalco2(t)は、対象期間0から対象期間t-1までの総CO2排出量Totalco2(t-1)に、電力系統2からの受電電力の製造におけるCO2排出量CO2Grid(t-1)×PGrid(t-1)と、太陽光発電機3の発電電力の製造におけるCO2排出量CO2Pv(t-1)×PPv(t-1)とを加算した値と等しいことを示す。
式16は、対象期間0からtまでの水素製造量TotalH2(t)は、対象期間0からt-1までの水素製造量TotalH2(t-1)に、入力電力量PWE(t-1)と水素製造効率ξとの乗算値を加算した値と等しいことを示す。
式17は、対象期間tにおける水素製造装置5の入力電力量PWE(t)は、水素製造装置5の定格入力電力量PWE_rate以下であることを示す。
再び図1及び図2を参照して、指令送信部28は、対象期間tごとに、系統連系モードMode[t]に基づいて、切替開閉器4に対する切り替え指示信号を生成する。つまり、指令送信部28は、対象期間tにおいて系統連系モードMode[t]が1の場合には、1を示す切り替え指示信号を生成する。また、指令送信部28は、対象期間tにおいて系統連系モードMode[t]が0の場合には、0を示す切り替え指示信号を生成する。指令送信部28は、生成した切り替え指示信号を切替開閉器4又は切替開閉器4による開閉を制御する制御装置に送信する。
また、指令送信部28は、対象期間tごとに、系統連系モードMode[t]に基づいて、バルブ6及びバルブ7に対する切り替え指示信号を生成する。つまり、指令送信部28は、対象期間tにおいて系統連系モードMode[t]が1の場合には、1を示すバルブ6用の開閉指示信号を生成し、0を示すバルブ7用の開閉指示信号を生成する。また、指令送信部28は、対象期間tにおいて系統連系モードMode[t]が0の場合には、0を示すバルブ6用の開閉指示信号を生成し、1を示すバルブ7用の開閉指示信号を生成する。指令送信部28は、生成したバルブ6用の開閉指示信号をバルブ6の制御装置に送信し、生成したバルブ7用の開閉指示信号をバルブ7の制御装置に送信する。
指令送信部28は、バルブ10及びバルブ11の開閉指示信号を生成する。つまり、指令送信部28は、系統水素タンク8に貯蔵された水素と、再エネ水素タンク9に貯蔵された水素との混合比率を決定する。つまり、指令送信部28は、(CO2Rate×CO2Base)と、CO2Pv(t)と、CO2Grid(t)とに基づいて、混合比率を決定する。つまり、指令送信部28は、再エネ水素タンク9に貯蔵される水素1NmあたりのCO2の重量[kg]が目標値CO2Base×CO2Rate以下となるように、混合比率を決定する。
混合比率、つまり、系統水素タンク8に貯蔵された水素と再エネ水素タンク9に貯蔵された水素との出力量の決定方法について詳細に説明する。指令送信部28は、CO2Grid(t)×PGrid(t)/3600の積算値を計算する。ここで、CO2Grid(t)×PGrid(t)/3600の積算値をTotalCO2Grid(t)[kg]とする。同様に、指令送信部28は、CO2Pv(t)×PPv(t)/3600の積算値を計算する。ここで、CO2Pv(t)×PPv(t)/3600の積算値をTotalCO2Pv(t)[kg]とする。
指令送信部28は、TotalCO2Grid(t)と、TotalCO2Pv(t)と、再エネ水素タンク9の水素残量TANK1(t)と、系統水素タンク8の水素残量TANK2(t)[Nm3]と、水素必要量HyDemand[Nm3]とに基づいて、以下の式18及び式19を満たすように、再エネ水素タンク9から出力する水素量HyTank1[Nm3]と、系統水素タンク8から出力する水素量HyTank2[Nm3]とを算出する。
HyDemand=HyTank1+HyTank2 …(式18)
HyTank1×(TotalCO2Grid(t)/TANK1(t))
+HyTank2×(TotalCO2Pv(t)/TANK2(t))
=CO2Rate×CO2Base …(式19)
また、指令送信部28は、水素製造システム1の受電点を流れる電力量を監視し、当該電力量が決定部27により決定された受電電力量PGrid(t)に一致するように、水素製造装置5への入力電力量PWE(t)を式14に従い決定する。指令送信部28は、水素製造装置5に対して入力電力量PWE(t)を含む指令を送信する。水素製造装置5は、指令送信部28から指令を受信し、指令が示す入力電力量PWE(t)に一致するように、対象期間tにおける水素製造装置5の入力電力量を制御する。
表示制御部29は、系統水素タンク8に貯蔵された水素の量及び当該水素の製造のための二酸化炭素排出量と、再エネ水素タンク9に貯蔵された水素の量及び当該水素の製造のための二酸化炭素排出量とを表示装置14の画面に表示させる。また、表示制御部29は、水素製造装置5に入力される発電電力及び受電電力を表示装置14の画面に表示させる。また、表示制御部29は、発電電力及び受電電力それぞれの製造におけるCO2排出量を表示装置14の画面に表示させる。
図3は、本開示の実施形態1に係る表示制御部29による画面表示の一例を示す図である。
例えば、グラフ71では、系統水素タンク8への水素の貯蔵割合がハッチング領域により示されている。また、水素製造量がNNN[Nm]であることが数値により示されている。また、水素製造装置5による水素製造時に発生するCO2排出量がAAA[kg/Nm]であり、基準CO2排出比率が35[%]であることが数値で示されている。ここでの、基準CO2排出比率とは、CO2排出量の目標値に対する、水素製造装置5による水素製造において消費される電力(水素製造装置5に入力される受電電力)の製造におけるCO2排出量の割合を示す。
また、グラフ72では、再エネ水素タンク9への水素の貯蔵割合がハッチング領域により示されている。また、水素製造量がMMM[Nm]であることが数値により示されている。また、水素製造装置5による水素製造時に発生するCO2排出量がBBB[kg/Nm]であり、基準CO2排出比率が4[%]であることが数値で示されている。ここでの、基準CO2排出比率とは、CO2排出量の目標値に対する、水素製造装置5による水素製造において消費される電力(水素製造装置5に入力される発電電力)の製造におけるCO2排出量の割合を示す。
また、水素製造装置5に入力される電力系統2からの受電電力がP[kW]であり、水素製造装置5に入力される太陽光発電機3の発電電力がQ[kW]であることが示されている。また、水素製造装置5の入力電力がW[kW]であることが示されている。
また、電力系統2からの受電電力の製造におけるCO2排出量がxxx[kg/kWh]であることが示されている。また、太陽光発電機3の発電電力の製造におけるCO2排出量がyyy[kg/kWh]であることが示されている。
〔制御装置13の処理の流れ〕
図4は、本開示の実施形態1に係る制御装置13の処理手順の一例を示すフローチャートである。
目標値取得部24は、CO2排出量の目標値(CO2Base、CO2Rate)を記憶部23から読み出す(S1)。
排出量取得部25は、電力系統2からの受電電力の製造におけるCO2排出量CO2Grid(t)を記憶部23から読み出す(S2)。
排出量取得部25は、太陽光発電機3の発電電力の製造におけるCO2排出量CO2Pv(t)を記憶部23から読み出す(S3)。
発電電力量取得部26は、太陽光発電機3の発電電力量PPv(t)を、記憶部23から読み出す(S4)。
決定部27は、式14から式17に示す制約条件のもと、式1に示す目的関数を最大化することにより、各変数の値を決定する(S5)。
指令送信部28は、決定した系統連系モードMode(t)に基づいて、対象期間tごとに、切替開閉器4の切り替え指示信号と、バルブ6用の開閉指示信号と、バルブ7用の開閉指示信号とを作成する。指令送信部28は、作成した切り替え指示信号を切替開閉器4に送信する。また、指令送信部28は、作成したバルブ6用の開閉指示信号をバルブ6の制御装置に送信し、バルブ7用の開閉指示信号をバルブ7の制御装置に送信する(S6)。
指令送信部28は、決定した水素製造装置5への入力電力量PWE(t)を含む指令を、水素製造装置5に送信する(S6)。
〔実施形態1の効果等〕
以上説明したように、水素製造装置5は、再生可能エネルギーを利用した太陽光発電機3による発電電力及び電力系統2からの受電電力のうち時間ごとに選択された一方の電力を消費することにより水素を製造する。また、再エネ水素タンク9は、発電電力を消費して水素製造装置5により製造された第1水素を貯蔵する。系統水素タンク8は、受電電力を消費して水素製造装置5により製造された第2水素を貯蔵する。
つまり、発電電力が選択された時間においては、発電電力を水素製造装置5の消費電力として製造された第1水素が再エネ水素タンク9に貯蔵される。また、受電電力が選択された時間においては、受電電力を水素製造装置5の消費電力として製造された第2水素が系統水素タンク8に貯蔵される。このように、1台の水素製造装置5で、時分割で第1水素及び第2水素を製造し、それぞれの水素を別個に貯蔵することができる。これにより、1台の水素製造装置5を用いて、例えば、発電電力量が少ない時間においては受電電力を消費して第2水素を製造し、受電電力料金が高い時間においては発電電力を消費して第1水素を製造するなどの切り替え制御を行うことができる。このため、効率的な水素製造を可能とすることができる。また、水素製造に用いた電力の種類に応じて貯蔵装置を分けている。このため、第1水素と第2水素の混合比率を変更することにより、製造される水素のCO2排出量を制御することができる。
また、混合装置(バルブ10、11)は、再エネ水素タンク9に貯蔵された第1水素と、系統水素タンク8に貯蔵された第2水素とを混合する。このため、混合装置は、第1水素と第2水素とを適切な比率で混合することができる。これにより、水素の混合比率を変更することにより、製造される水素のCO2排出量を制御することができる。
また、制御装置13は、水素製造装置5の入力電力として、発電電力及び受電電力のうち一方を時間ごとに選択する。このため、制御装置13は、1台の水素製造装置5に時分割で第1水素及び第2水素を製造させることができる。これにより、効率的な水素製造を可能とすることができる。
また、制御装置13は、太陽光発電機3による発電電力量を取得する発電電力量取得部26と、水素製造装置5の定格入力電力量と、発電電力量とに基づいて、電力系統からの受電電力量を決定し、発電電力及び受電電力のうち一方を時間ごとに選択する決定部27とを含む。このため、制御装置13は、時間ごとに、発電電力及び受電電力の一方の電力を水素製造装置5に消費させて水素製造装置5に第1水素及び第2水素を製造させることができる。
なお、決定部27は、時間ごとに、水素製造装置5に入力される電力量が定格入力電力量を超えないという制約条件のもと、所定の目的関数を最適化することにより、受電電力量を決定する。このため、決定部27は、時間ごとに水素製造装置5への入力電力量が定格入力電力量を超えないようにしつつ、所定の目的関数を最適化することができる。例えば、水素製造量の最大化を目的関数の最適化とすることにより、効率的な水素製造が可能となる。
また、表示制御部29は、再エネ水素タンク9に貯蔵された水素の量及び当該水素の製造のための二酸化炭素排出量と、系統水素タンク8に貯蔵された水素の量及び当該水素の製造のための二酸化炭素排出量とを画面に表示させる。これにより、ユーザは、水素製造において、どのくらいの割合の二酸化炭素が排出されているかを知ることができる。
また、表示制御部29は、水素製造装置5に入力される発電電力及び受電電力を画面に表示させる。これにより、ユーザは、どのくらいの量の発電電力及び受電電力が水素製造に利用されているかを知ることができる。
また、表示制御部29は、発電電力及び受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量を画面に表示させる。つまり、発電電力及び受電電力の値と合わせて、発電電力及び受電電力の製造における二酸化炭素排出量が画面に表示される。これにより、ユーザは、水素製造のための二酸化炭素排出量がどの程度かを知ることができる。例えば、受電電力の値と受電電力の製造における二酸化炭素排出量とを乗算することにより、系統水素タンク8に貯蔵される水素の製造のための二酸化炭素排出量がどの程度かを知ることができる。
また、制御装置13は、水素製造時の二酸化炭素排出量の目標値に基づいて、バルブ10及びバルブ11による系統水素タンク8に貯蔵された水素及び再エネ水素タンク9に貯蔵された水素の混合比率を制御する。このため、目標値に合わせて2種類の水素を混合することができる。これにより、製造される水素の二酸化炭素排出量を制御することができる。
<変形例1>
上述の実施形態1に示す制約条件に、以下に示す制約条件が含まれていてもよい。
CO2Base×CO2Rate
≧Totalco2(tmax)/TotalH2(tmax) …(式20)
式20は、対象期間0からtmaxまでの水素製造時の1NmあたりのCO2排出量Totalco2(tmax)/TotalH2(tmax)は、水素製造装置5による1Nmの水素製造時に発生するCO2の重量[kg]の目標値CO2Base×CO2Rate以下であることを示す。
<変形例2>
上述の実施の形態又は変形例1では、決定部27は、水素製造量を最大化することにより(式1)、各変数の値を決定したが、目的関数は式1に示したものに限定されない。例えば、目的関数として、以下の式21又は式22に示すサブ目的関数を用いてもよい。
決定部27は、式14から式17に示した制約条件と、以下の式37から式48に示すサブ制約条件とのもとで、式21又は式22に示すサブ目的関数を最適化することにより、電力系統2からの受電電力量PGrid(t)を決定する。
次に、各式について説明する。
<<サブ目的関数>>
水素製造総コスト[円]:TotalCostH2(tmax)の最小化…(式21)
水素製造装置5の稼働率[%/100]:TotalRate(tmax)の最大化
…(式22)
式21は、決定部27が最適化する目的関数を示し、ここでは、対象期間0からtmaxまでの水素製造装置5によるトータルの水素製造総コストTotalCostH2(tmax)の最小化を目的関数の最適化とする。
式22は、決定部27が最適化する目的関数を示し、ここでは、対象期間0からtmaxまでの水素製造装置5の稼働率TotalRate(tmax)の最大化を目的関数の最適化とする。
<<サブパラメータ>>
系統電力単価[円/kWh]:Cost(t) …(式23)
再エネ水素タンク9のタンク容量上限[Nm]:THL1 …(式24)
再エネ水素タンク9のタンク容量下限[Nm]:TLL1 …(式25)
系統水素タンク8のタンク容量上限[Nm]:THL2 …(式26)
系統水素タンク8のタンク容量下限[Nm]:TLL2 …(式27)
水素製造装置5の稼働率上限[%/100]:RHL …(式28)
水素製造装置5の稼働率下限[%/100]:RLL …(式29)
式23から式29は、サブ目的関数又はサブ制約条件を算出するのに必要なパラメータを示す。
式23は、対象期間tにおける電力系統2からの受電電力の単価である系統電力単価Cost(t)[円/kWh]を示す。
式24は、再エネ水素タンク9の容量の上限であるタンク容量上限THL1[Nm]を示す。
式25は、再エネ水素タンク9の容量の下限であるタンク容量下限TLL1[Nm]を示す。
式26は、系統水素タンク8の容量の上限であるタンク容量上限THL2[Nm]を示す。
式27は、系統水素タンク8の容量の下限であるタンク容量下限TLL2[Nm]を示す。
式28は、水素製造装置5の稼働率の上限RHL[%/100]を示す。
式29は、水素製造装置5の稼働率の下限RLL[%/100]を示す。
式23から式29の値は予め記憶部23に記憶されており、決定部27がこれらの値を記憶部23から読み出す。
<<サブ変数>>
水素製造時の総CO2排出量[kg]:Totalco2(t) …(式30)
再エネ水素タンク9の水素残量[Nm]:TANK1(t) …(式31)
系統水素タンク8の水素残量[Nm]:TANK2(t) …(式32)
購入電力金額[円]:TotalCostGrid(t) …(式33)
水素製造装置5の総入力電力[kWh]:TatalPWE(t) …(式34)
水素製造総コスト[円]:TotalCostH2(t) …(式35)
水素製造装置5の稼働率[%/100]:TotalRate(t) …(式36)
式30から式36は、サブ目的関数又はサブ制約条件を算出する際に用いられる変数を示す。
式30は、対象期間0から対象期間tまでの水素製造装置5による水素製造時の総CO2排出量Totalco2(t)[kg]を示す。
式31は、対象期間tにおける再エネ水素タンク9の水素残量TANK1(t)[Nm]を示す。
式32は、対象期間tにおける系統水素タンク8の水素残量TANK2(t)[Nm]を示す。
式33は、対象期間0から対象期間tまでの電力系統2からの購入電力の金額TotalCostGrid(t)[円]を示す。
式34は、対象期間0から対象期間tまでの水素製造装置5の総入力電力TatalPWE(t)[kWh]を示す。
式35は、対象期間0から対象期間tまでの水素製造装置5による水素製造に要する総コストTotalCostH2(t)[円]を示す。
式36は、対象期間0から対象期間tまでの水素製造装置5の稼働率TotalRate(t)[%/100]を示す。
<<サブ制約条件>>
TotalCostGrid(t)=TotalCostGrid(t-1)
+Cost(t-1)×PGrid(t-1) …(式37)
TotalCostH2(t)=TotalCostH2(t-1)
+Cost(t-1)×PGrid(t-1)
…(式38)
TotalRate(t)=TatalPWE(t)
/(t×PWE_rate) …(式39)
TANK1(t)=TANK1(t-1)
+PWE(t-1)×ξ×(1-Mode(t)) …(式40)
TANK1(t)≧TLL1 …(式41)
TANK1(t)≦THL1 …(式42)
TANK2(t)=TANK2(t-1)+PWE(t-1)×ξ×Mode(t)
…(式43)
TANK2(t)≧TLL2 …(式44)
TANK2(t)≦THL2 …(式45)
TatalPWE(t)=TatalPWE(t-1)+PWE(t-1)
…(式46)
TotalRate(tmax)≧RLL …(式47)
TotalRate(tmax)≦RHL …(式48)
式37から式48は、式21又は式22に示すサブ目的関数を最適化する際の制約条件を示す。
式37は、対象期間0から対象期間tまでの電力系統2からの購入電力の金額TotalCostGrid(t)は、対象期間0から対象期間t-1までの電力系統2からの購入電力の金額TotalCostGrid(t-1)に、系統電力単価Cost(t-1)と電力系統2からの受電電力量PGrid(t-1)の乗算値を加算した値と等しいことを示す。
式38は、対象期間0から対象期間tまでの水素製造総コストTotalCostH2(t)は、対象期間0から対象期間t-1までの水素製造総コストTotalCostH2(t-1)に、系統電力単価Cost(t-1)と電力系統2からの受電電力量PGrid(t-1)の乗算値を加算した値と等しいことを示す。
式39は、対象期間0から対象期間tまでの水素製造装置5の稼働率TotalRate(t)は、対象期間0から対象期間tまでの水素製造装置5の総入力電力を対象期間tと水素製造装置5の定格入力電力量PWE_rateの乗算値で除算した値と等しいことを示す。
式40は、対象期間tにおける再エネ水素タンク9の水素残量TANK1(t)は、対象期間t-1における再エネ水素タンク9の水素残量TANK1(t-1)に、系統連系モードMode(t)が0の場合の水素製造装置5の入力電力量PWE(t-1)と水素製造効率ξとの乗算値を加算した値に等しいことを示す。
式41は、対象期間tにおける再エネ水素タンク9の水素残量TANK1(t)は、タンク容量下限TLL1以上であることを示す。
式42は、対象期間tにおける再エネ水素タンク9の水素残量TANK1(t)は、タンク容量上限THL1以下であることを示す。
式43は、対象期間tにおける系統水素タンク8の水素残量TANK2(t)は、対象期間t-1における系統水素タンク8の水素残量TANK2(t-1)に、系統連系モードMode(t)が1の場合の水素製造装置5の入力電力量PWE(t-1)と水素製造効率ξとの乗算値を加算した値に等しいことを示す。
式44は、対象期間tにおける系統水素タンク8の水素残量TANK2(t)は、タンク容量下限TLL2以上であることを示す。
式45は、対象期間tにおける系統水素タンク8の水素残量TANK2(t)は、タンク容量上限THL2以下であることを示す。
式46は、対象期間0から対象期間tまでの水素製造装置5の総入力電力TatalPWE(t)は、対象期間0から対象期間t-1までの水素製造装置5の総入力電力TatalPWE(t-1)に水素製造装置5の入力電力量PWE(t-1)を加算した値であることを示す。
式47は、対象期間0からtmaxまでの水素製造装置5の稼働率TotalRate(tmax)は、水素製造装置5の稼働率下限RLL以上であることを示す。
式48は、対象期間0からtmaxまでの水素製造装置5の稼働率TotalRate(tmax)は、水素製造装置5の稼働率上限RHL以下であることを示す。
<変形例3>
式20の制約条件の代わりに、以下の式20Aの制約条件を用いてもよい。
CO2Base×CO2Rate≧Totalco2(t)/TotalH2(t)
…(式20A)
式20Aは、対象期間0からtmaxまでの各対象期間tについて、対象期間0からtまでの水素製造時の1NmあたりのCO2排出量Totalco2(t)/TotalH2(t)は、水素製造装置5による1Nmの水素製造時に発生するCO2の重量[kg]の目標値CO2Base×CO2Rate以下であることを示す。
<変形例4>
式2に示した太陽光発電機3の発電電力量として予測値の代わりに実測値を用い、リアルタイムで電力系統2からの受電電力量を決定するようにしてもよい。
<実施形態2>
実施形態1では、水素製造システム1は蓄電池を備えない構成としたが、実施形態2では水素製造システム1が蓄電池を備える構成について説明する。
〔水素製造システムの全体構成〕
図5は、本開示の実施形態2に係る水素製造システムの全体構成を示す図である。
図5に示す水素製造システム1は、実施形態1に係る水素製造システム1の構成において、さらに、蓄電池15を備える。
蓄電池15は、パワーコンディショナー16(図6)を介して太陽光発電機3に接続され、太陽光発電機3の出力電力を充電する。また、蓄電池15は、充電された電力を放電する。蓄電池15は、例えば、レドックスフロー(RF)電池、リチウムイオン電池、溶融塩電池、鉛蓄電池などの二次電池を含む。
パワーコンディショナー16は、電力線を介して蓄電池15に接続される。パワーコンディショナー16は、蓄電池15から出力される直流電力を交流電力に変換して出力する。
蓄電池15は、制御装置13から蓄電池15の充放電量を制御するための指令データを受信し、受信した指示データに基づいて、蓄電池15の充放電量を制御する。
制御装置13の構成は、図2に示した実施形態1に係る制御装置13の構成と同様である。ただし、一部の機能が異なる。制御装置13は、蓄電池15を制御する。
排出量取得部25は、蓄電池15に充電される電力の製造におけるCO2排出量CO2Bat(t)を取得する。つまり、排出量取得部25は、蓄電池15への充電前の状態における蓄電池15に充電済みの電力の製造における二酸化炭素排出量と、蓄電池15に充電される電力の製造における二酸化炭素排出量とに基づいて、蓄電池15への充電後の状態における蓄電池15に充電済みの電力の製造におけるCO2排出量CO2Bat(t)を算出する。CO2排出量CO2Bat(t)は、後述の式63により算出される。
決定部27は、CO2排出量の目標値(CO2Base、CO2Rate)と、CO2排出量CO2Pv(t)、CO2Grid(t)及びCO2Bat(t)と、発電電力量PPv(t)とに基づいて、電力系統2からの受電電力量PGrid(t)[kWh]を決定する。
以下、決定部27による受電電力量PGrid(t)[kWh]の決定方法についてより詳細に説明する。
例えば、決定部27は、式14から式17に示す制約条件と、以下の式60から式67に示す制約条件のもと、式1に示す目的関数を最大化することにより、電力系統2からの受電電力量PGrid(t)を決定する。受電電力量PGrid(t)の決定には、所定の数理最適化手法が用いられる。
次に、各式について説明する。
<<パラメータ>>
充放電効率[%/100]:μ …(式49)
SOC上限[kWh]:SOCHL …(式50)
SOC下限[kWh]:SOCLL …(式51)
式49から式51は、目的関数又は制約条件を算出するのに必要なパラメータを示す。
式49は、蓄電池15に接続されたパワーコンディショナー16の変換ロスを考慮した蓄電池15の充放電効率[%/100]を示す。
式50は、蓄電池15の充電残量を示す蓄電池15のSOC(State of Charge)の上限SOCHL[kWh]を示す。
式51は、蓄電池15のSOCの下限SOCLL[kWh]を示す。
<<変数>>
蓄電池AC出力電力量[kWh]:PBat_ac(t) …(式52)
蓄電池DC出力電力量[kWh]:PBat_dc(t) …(式53)
蓄電池放電運転:SBat_dcrg(t) [0,1] …(式54)
蓄電池充電運転:SBat_crg(t) [0,1] …(式55)
蓄電池残量[kWh]:SOC(t) …(式56)
蓄電池のCO2排出量[kg/kWh]:CO2Bat(t) …(式57)
蓄電池電力によるCO2排出量[kg]:COutput_Bat(t)…(式58)
系統と太陽光のCO2排出量[kg/kWh]:CO2in(t) …(式59)
式52から式56は、目的関数又は制約条件を算出する際に用いられる変数を示す。
式52は、対象期間tにおいて、蓄電池15から出力され、パワーコンディショナー16により変換された交流電力の電力量PBat_ac(t)[kWh]を示す。
式53は、対象期間tにおいて、蓄電池15から出力された直流電力の電力量PBat_dc(t)[kWh]を示す。
図6は、電力量PBat_ac(t)と電力量PBat_dc(t)との関係を示す図である。蓄電池15からの放電電力を正の値とし、蓄電池15への充電電力を負の値とする。蓄電池15から出力される電力量PBat_dc(t)の電力が充放電効率μで交流の電力量PBat_ac(t)に変換される。
式54は、蓄電池15が放電運転をしているか否かを示す変数SBat_dcrg(t)であり、変数SBat_dcrg(t)が1の場合には蓄電池15が放電運転をしていることを示し、0の場合には放電運転をしていないことを示す。
式55は、蓄電池15が充電運転をしているか否かを示す変数SBat_crg(t)であり、変数SBat_crg(t)が1の場合には蓄電池15が充電運転をしていることを示し、0の場合には充電運転をしていないことを示す。
式56は、対象期間tにおける蓄電池15の残量SOC(t)[kWh]を示す。
式57は、対象期間tにおける蓄電池15から出力された電力の製造時のCO2排出量CO2Bat(t)[kg/kWh]を示す。
式58は、対象期間tにおける蓄電池15から出力された電力の製造時のCO2排出量COutput_Bat(t)[kg]を示す。
式59は、電力系統2からの受電電力と太陽光発電機3の発電電力を合計した電力の製造におけるCO2排出量CO2in(t)[kg/kWh]を示す。
<<制約条件>>
Bat_dc(t)=SBat_dcrg(t)×(PBat_ac(t)/μ)
+SBat_crg(t)×(PBat_ac(t)×μ)
…(式60)
SOC(t)=SOC(t-1)-PBat_dc(t-1) …(式61)
CO2in(t)=(CO2Grid(t-1)×PGrid(t-1)
+CO2Pv(t-1)×PPv(t-1))
/(PGrid(t-1)+PPv(t-1)) …(式62)
CO2Bat(t)=SBat_dcrg(t-1)×CO2Bat(t-1)
+SBat_crg(t-1)×
{(CO2Bat(t-1)×SOC(t-1)
-CO2in(t-1)×PBat_dc(t-1))
/SOC(t)} …(式63)
Output_Bat(t)=CO2Bat(t)×PBat_ac(t)
…(式64)
Bat_dcrg(t)+SBat_dcrg(t)=1 …(式65)
SOC(t)>=SOCLL …(式66)
SOC(t)<=SOCHL …(式67)
式60から式67は、式1に示す目的関数を最大化する際の制約条件を示す。
式60は、対象期間tにおける蓄電池15から出力された直流電力の電力量PBat_dc(t)は、放電時の交流電力の電力量PBat_ac(t)を充放電効率μで除算した値と、充電時の交流電力の電力量PBat_ac(t)と充放電効率μとを乗算した値との加算値であることを示す。
式61は、対象期間tにおける蓄電池15の残量SOC(t)は、対象期間t-1における蓄電池15の残量SOC(t-1)から出力電力量PBat_dc(t-1)を減算した値であることを示す。
式62は、対象期間tにおけるCO2排出量CO2in(t)は、電力系統2からの受電電力及び太陽光発電機3の発電電力の製造時のCO2排出量を、受電電力及び発電電力の合計で除算した値であることを示す。
式63は、対象期間tにおける蓄電池15の充電電力のCO2排出量CO2Bat(t)は、放電時の蓄電池15の出力の製造におけるCO2排出量と、充電時の蓄電池15の出力の製造におけるCO2排出量との和であることを示す。
式64は、対象期間tにおける蓄電池15から出力された電力の製造時のCO2排出量COutput_Bat(t)は、CO2排出量CO2Bat(t)と蓄電池15の出力電力量PBat_ac(t)との積であることを示す。
式65は、対象期間tにおいては、蓄電池15は放電運転又は充電運転を行うことを示す。
式66は、対象期間tにおける蓄電池15の蓄電池残量SOC(t)は下限SOCLL以上であることを示す。
式67は、対象期間tにおける蓄電池15の蓄電池残量SOC(t)は上限SOCHL以下であることを示す。
図7は、本開示の実施形態2に係る表示制御部29による画面表示の一例を示す図である。
図7に示す表示画面は、図3に示した実施形態1に係る表示画面と同様である。ただし、蓄電池15に関する情報が加えられている。
つまり、太陽光発電機3から蓄電池15に充電される電力がR[kW]であることが示されている。なお、蓄電池15から電力が放電される場合には、矢印が逆向きとなり、放電電力が表示される。
また、蓄電池15に充電されている電力の製造におけるCO2排出量がzzz[kg/kWh]であることが示されている。
〔制御装置13の処理の流れ〕
図8は、本開示の実施形態2に係る制御装置13の処理手順の一例を示すフローチャートである。
目標値取得部24は、CO2排出量の目標値(CO2Base、CO2Rate)を記憶部23から読み出す(S1)。
排出量取得部25は、電力系統2からの受電電力の製造におけるCO2排出量CO2Grid(t)を記憶部23から読み出す(S2)。
排出量取得部25は、太陽光発電機3の発電電力の製造におけるCO2排出量CO2Pv(t)を記憶部23から読み出す(S3)。
排出量取得部25は、式63に従い、蓄電池15に充電される電力の製造におけるCO2排出量CO2Bat(t)を算出する(S11)。
発電電力量取得部26は、太陽光発電機3の発電電力量PPv(t)を、記憶部23から読み出す(S4)。
決定部27は、式14から式17に示す制約条件と、式60から式67に示す制約条件のもと、式1に示す目的関数を最大化することにより、各変数の値を決定する(S12)。
指令送信部28は、決定した系統連系モードMode(t)に基づいて、対象期間tごとに、切替開閉器4の切り替え指示信号と、バルブ6用の開閉指示信号と、バルブ7用の開閉指示信号とを作成する。指令送信部28は、作成した切り替え指示信号を切替開閉器4に送信する。また、指令送信部28は、作成したバルブ6用の開閉指示信号をバルブ6の制御装置に送信し、バルブ7用の開閉指示信号をバルブ7の制御装置に送信する(S6)。
指令送信部28は、受電電力量PGrid(t)に基づいて、水素製造装置5への入力電力量PWE(t)を決定し、外部I/F装置44に対して入力電力量PWE(t)を含む指令を送信する(S6)。
〔実施形態2の効果等〕
以上説明したように、太陽光発電機3又は蓄電池15からの出力電力が、太陽光発電機3による発電電力とされ、水素製造システム1の制御が行われる。このため、蓄電池15を備える構成においても、水素製造時の二酸化炭素排出量を制御しつつ、効率的な水素製造が可能となる。
<実施形態3>
実施形態1では、所定の制約条件のもと目的関数を最適化することにより、水素製造システム1の制御を行った。本開示では、あらかじめ設定された目標稼働率を満たすように水素製造システム1を制御する構成について説明する。
実施形態3に係る水素製造システム1の構成は、実施形態1と同様である。このため、その詳細な説明を繰り返さない。
制御装置13の発電電力量取得部26は、太陽光発電機3による発電時間及び発電電力量を取得する。具体的には、発電電力量取得部26は、記憶部23にあらかじめ記憶されている太陽光発電機3の対象期間tごとの発電電力量PPv(t)[kWh]を、記憶部23から読み出す。
発電電力量取得部26の決定部27は、水素製造装置5の目標稼働率と、発電電力量取得部26が取得した太陽光発電機3の対象期間tごとの発電電力量PPv(t)[kWh]とに基づいて、電力系統2からの受電電力の受電時間を決定する。なお、水素製造装置5の目標稼働率は、記憶部23にあらかじめ記憶されており、決定部27は、記憶部23から目標稼働率の情報を読み出すものとする。
図9は、本開示の実施形態3に係る制御装置13による水素製造システム1の制御例を説明するための図である。横軸は時間を示し、縦軸は電力を示す。図9では、0時から24時までの24時間の電力の推移を示している。
例えば、24時間が、系統時間帯Tg及び再エネ時間帯Trのいずれかに分けられている。例えば、深夜電力料金の時間帯が系統時間帯Tgとされ、それ以外の時間帯が再エネ時間帯Trとされる。再エネ時間帯Trは昼間の時間帯であるため太陽光発電機3が多くの電力を発電することができる。
再エネ時間帯Trにおける太陽光発電機3の発電電力81を実線で示している。また、再エネ時間帯Trにおける水素製造装置5の入力電力82をハッチングを施した領域で示し、系統時間帯Tgにおける水素製造装置5の入力電力83をハッチングを施した領域で示している。
ここで、以下の式68は、水素製造装置5を24時間の間、定格入力電力量で稼働させた場合の水素製造装置5の合計入力電力量を示す。
以下の式69は、再エネ時間帯Trにおける水素製造装置5の合計入力電力量を示す。以下の式70は、系統時間帯Tgにおける水素製造装置5の合計入力電力量を示す。
以下の式71は、系統時間帯Tgにおける水素製造装置5の入力電力量を決める条件式を示す。ここで、式71に示すηは、水素製造装置5の目標稼働率を示すものとする。式71は、水素製造装置5の24時間の合計入力電力量がPmax×ηに一致又は限りなく一致するように、系統時間帯Tgに含まれる各対象期間tにおける水素製造装置5の入力電力量PWEを決定するための条件式である。つまり、式71に従えば、水素製造装置5の24時間の合計入力電力量(Ptr+Ptg)がPmax×η未満の場合には、系統時間帯Tgに含まれる各対象期間tにおける水素製造装置5の入力電力量PWE(t)は定格入力電力量PWE_rateとされる。また、水素製造装置5の24時間の合計入力電力量(Ptr+Ptg)がPmax×η以上の場合には、系統時間帯Tgに含まれる各対象期間tにおける水素製造装置5の入力電力量PWE(t)は0とされる。
決定部27は、式71に従い、系統時間帯Tgに含まれる各対象期間tにおける水素製造装置5の入力電力量PWE(t)を決定する。決定部27は、決定した入力電力量PWE(t)を、系統時間帯Tgに含まれる各対象期間tにおける受電電力量PGrid(t)として決定する。
max=PWE_rate×24 …(式68)
tr=ΣPWE(t) [t∈Tr] …(式69)
tg=ΣPWE(t) [t∈Tg] …(式70)
If(Pmax×η>Ptr+Ptg
WE(t)=PWE_rate[t∈Tg]
Else
WE(t)=0[t∈Tg] …(式71)
実施形態3によると、水素製造装置5の目標稼働率ηが達成できるように受電電力の受電時間を決定することができる。これにより、効率的な水素製造が可能となる。
<変形例5>
実施形態3では、目標稼働率を満たすように水素製造システム1を制御したが、総CO2排出量が目標値以下になるように水素製造システム1を制御してもよい。
具体的には、決定部27は、上述の式20を満たすように、系統時間帯Tgに含まれる各対象期間tにおける水素製造装置5の入力電力量PWE(t)を決定してもよい。
<実施形態4>
実施形態2では、所定の制約条件のもと目的関数を最適化することにより、水素製造システム1の制御を行った。本開示では、あらかじめ設定された目標稼働率を満たすように水素製造システム1を制御する構成について説明する。
実施形態4に係る水素製造システム1の構成は、実施形態4と同様である。このため、その詳細な説明を繰り返さない。
制御装置13の発電電力量取得部26は、太陽光発電機3による発電時間及び発電電力量を取得する。具体的には、発電電力量取得部26は、記憶部23にあらかじめ記憶されている太陽光発電機3の対象期間tごとの発電電力量PPv(t)[kWh]を、記憶部23から読み出す。
発電電力量取得部26の決定部27は、水素製造装置5の目標稼働率と、発電電力量取得部26が取得した太陽光発電機3の対象期間tごとの発電電力量PPv(t)[kWh]とに基づいて、電力系統2からの受電電力の受電時間を決定する。なお、水素製造装置5の目標稼働率は、記憶部23にあらかじめ記憶されており、決定部27は、記憶部23から目標稼働率の情報を読み出すものとする。
図10は、本開示の実施形態4に係る制御装置13による水素製造システム1の制御例を説明するための図である。横軸は時間を示し、縦軸は電力を示す。図10では、0時から24時までの24時間の電力の推移を示している。
例えば、24時間が、系統時間帯Tg及び再エネ時間帯Trのいずれかに分けられている。例えば、深夜電力料金の時間帯が系統時間帯Tgとされ、それ以外の時間帯が再エネ時間帯Trとされる。再エネ時間帯Trは昼間の時間帯であるため太陽光発電機3が多くの電力を発電することができる。
再エネ時間帯Trにおける太陽光発電機3の発電電力81を実線で示している。また、再エネ時間帯Trにおける水素製造装置5の入力電力82をハッチングを施した領域で示し、系統時間帯Tgにおける水素製造装置5の入力電力83をハッチングを施した領域で示している。
なお、水素製造装置5の定格入力電力量PWE_rateを超えて太陽光発電機3が発電した電力は蓄電池15に充電され、太陽光発電機3の発電電力量が定格入力電力量PWE_rate未満の時間において蓄電池15から放電される。
決定部27は、実施形態3と同様に、式71に従い、系統時間帯Tgに含まれる各対象期間tにおける水素製造装置5の入力電力量PWE(t)を決定する。決定部27は、決定した入力電力量PWE(t)を、系統時間帯Tgに含まれる各対象期間tにおける受電電力量PGrid(t)として決定する。
実施形態4によると、水素製造装置5の目標稼働率ηが達成できるように受電電力の受電時間を決定することができる。これにより、効率的な水素製造が可能となる。
[付記]
上記の制御装置13を構成する構成要素の一部又は全部は、1又は複数のシステムLSIなどの半導体装置から構成されていてもよい。
また、上記したコンピュータプログラムを、コンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体、例えば、HDD、CD-ROM、半導体メモリなどに記録して流通させてもよい。また、コンピュータプログラムを、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送して流通させてもよい。
また、制御装置13は、複数のコンピュータ又は複数のプロセッサにより実現されてもよい。
また、制御装置13の一部又は全部の機能がクラウドコンピューティングによって提供されてもよい。つまり、制御装置13の一部又は全部の機能がクラウドサーバにより実現されていてもよい。
さらに、上記実施形態及び上記変形例の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 水素製造システム
2 電力系統
3 太陽光発電機
4 切替開閉器
5 水素製造装置
6 バルブ
7 バルブ
8 系統水素タンク(第2貯蔵装置)
9 再エネ水素タンク(第1貯蔵装置)
10 バルブ(混合装置)
11 バルブ(混合装置)
12 混合水素タンク
13 制御装置
14 表示装置
15 蓄電池
16 パワーコンディショナー
21 制御部
22 通信部
23 記憶部
24 目標値取得部
25 排出量取得部
26 発電電力量取得部
27 決定部
28 指令送信部
29 表示制御部
30 バス
44 外部I/F装置
71 グラフ
72 グラフ
81 発電電力
82 入力電力
83 入力電力

Claims (13)

  1. 再生可能エネルギーを利用した発電機による発電電力及び電力系統からの受電電力のうち時間ごとに選択された一方の電力を消費することにより水素を製造する水素製造装置と、
    前記発電電力を消費して前記水素製造装置により製造された第1水素を貯蔵する第1貯蔵装置と、
    前記受電電力を消費して前記水素製造装置により製造された第2水素を貯蔵する第2貯蔵装置とを備える、水素製造システム。
  2. 前記第1貯蔵装置に貯蔵された前記第1水素と、前記第2貯蔵装置に貯蔵された前記第2水素とを混合する混合装置をさらに備える、請求項1に記載の水素製造システム。
  3. 前記水素製造装置の入力電力として、前記発電電力及び前記受電電力のうち一方を時間ごとに選択する制御装置をさらに備える、請求項1又は請求項2に記載の水素製造システム。
  4. 前記制御装置は、
    前記発電機による発電電力量を取得する発電電力量取得部と、
    前記水素製造装置の定格入力電力量と、前記発電電力量とに基づいて、前記電力系統からの受電電力量を決定し、前記発電電力及び前記受電電力のうち一方を時間ごとに選択する決定部とを含む、請求項3に記載の水素製造システム。
  5. 前記決定部は、時間ごとに、前記水素製造装置に入力される電力量が前記定格入力電力量を超えないという制約条件のもと、所定の目的関数を最適化することにより、前記受電電力量を決定する、請求項4に記載の水素製造システム。
  6. 前記制御装置は、
    前記発電機による発電時間及び発電電力量を取得する発電電力量取得部と、
    前記水素製造装置の目標稼働率と、前記発電機による発電時間及び発電電力量とに基づいて、前記受電電力の受電時間を決定する決定部とを含む、請求項3に記載の水素製造システム。
  7. 前記制御装置は、
    前記第1貯蔵装置に貯蔵された前記第1水素の量及び当該第1水素の製造のための二酸化炭素排出量と、前記第2貯蔵装置に貯蔵された前記第2水素の量及び当該第2水素の製造のための二酸化炭素排出量とを画面に表示させる表示制御部をさらに備える、請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の水素製造システム。
  8. 前記表示制御部は、さらに、前記水素製造装置に入力される前記発電電力及び前記受電電力を前記画面に表示させる、請求項7に記載の水素製造システム。
  9. 前記表示制御部は、さらに、前記発電電力及び前記受電電力それぞれの製造における二酸化炭素排出量を前記画面に表示させる、請求項8に記載の制御装置。
  10. 前記発電電力を充電する蓄電池をさらに備え、
    前記発電機又は前記蓄電池からの出力電力が、前記発電機による発電電力とされる、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の水素製造システム。
  11. 水素製造時の二酸化炭素排出量の目標値に基づいて、前記混合装置による前記第1水素及び前記第2水素の混合比率を制御する制御装置をさらに備える、請求項2に記載の水素製造システム。
  12. 水素製造システムに備えられる水素製造装置を制御する制御装置であって、
    前記水素製造システムは、
    再生可能エネルギーを利用した発電機による発電電力及び電力系統からの受電電力のうち時間ごとに選択された一方の電力を消費することにより水素を製造する水素製造装置と、
    前記発電電力を消費して前記水素製造装置により製造された第1水素を貯蔵する第1貯蔵装置と、
    前記受電電力を消費して前記水素製造装置により製造された第2水素を貯蔵する第2貯蔵装置とを備え、
    前記制御装置は、前記水素製造装置の入力電力として、前記発電電力及び前記受電電力のうち一方を時間ごとに選択する、制御装置。
  13. 水素製造装置が、再生可能エネルギーを利用した発電機による発電電力及び電力系統からの受電電力のうち時間ごとに選択された一方の電力を消費することにより水素を製造するステップと、
    前記発電電力を消費して前記水素製造装置により製造された第1水素を第1貯蔵装置に貯蔵するステップと、
    前記受電電力を消費して前記水素製造装置により製造された第2水素を第2貯蔵装置に貯蔵するステップとを含む、水素製造方法。
JP2021005589A 2021-01-18 2021-01-18 水素製造システム、制御装置及び水素製造方法 Pending JP2022110287A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021005589A JP2022110287A (ja) 2021-01-18 2021-01-18 水素製造システム、制御装置及び水素製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021005589A JP2022110287A (ja) 2021-01-18 2021-01-18 水素製造システム、制御装置及び水素製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022110287A true JP2022110287A (ja) 2022-07-29

Family

ID=82570409

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021005589A Pending JP2022110287A (ja) 2021-01-18 2021-01-18 水素製造システム、制御装置及び水素製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022110287A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Marocco et al. Optimal design of stand-alone solutions based on RES+ hydrogen storage feeding off-grid communities
Datta et al. A review of key functionalities of battery energy storage system in renewable energy integrated power systems
JP5582831B2 (ja) 太陽光発電システム
JP5976950B1 (ja) 電力供給システムおよびその制御方法
Brunetto et al. Optimal hydrogen storage sizing for wind power plants in day ahead electricity market
Morin et al. Evaluation of performance improvement by model predictive control in a renewable energy system with hydrogen storage
Cano et al. Power management system for off-grid hydrogen production based on uncertainty
Bianchi et al. Modelling and optimal management of renewable energy communities using reversible solid oxide cells
Zheng et al. Incorporating optimal operation strategies into investment planning for wind/electrolyser system
Bindner et al. Integration of wind power in the power system
JP2018133939A (ja) 電力供給システムおよび電力供給システムの制御方法
Firdous et al. Extended power to hydrogen operations for enhanced grid flexibility in low carbon systems
JP2017027936A (ja) 電力供給システムおよびその制御方法
Miland Operational experience and control strategies for a stand-alone power system based on renewable energy and hydrogen
JP2022110287A (ja) 水素製造システム、制御装置及び水素製造方法
JP2018014775A (ja) 統括制御装置、統括制御システム、統括制御方法および統括制御プログラム
JP7491206B2 (ja) 制御装置、制御方法、コンピュータプログラムおよび水素製造システム
CN115663868A (zh) 一种考虑本地间歇性电源收益的储能运行优化方法
CN114049004A (zh) 一种电氢能源站容量随机规划方法、系统和装置
Plecas et al. Integration of energy storage to improve utilisation of distribution networks with active network management schemes
JP7494665B2 (ja) 水素製造システム、制御装置、水素発生装置の制御方法、及びコンピュータプログラム
Oleinikova et al. 2.5 Hydrogen electrolysers as a flexible source for the optimal operation of the distribution grid
US20240362547A1 (en) Operation plan creation device, operation plan creation method, operation plan creation program, and method for producing hydrogen
Human et al. Sizing of renewable energy hydrogen systems
WO2021234792A1 (ja) プラント制御方法、プラント制御装置、プログラム、およびプラント

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230721

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240723

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20240819

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240819