JP7491061B2 - 鉄道車両用ドアの開閉制御装置 - Google Patents
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Description
同図において、10は鉄道車両に設置されているドア部、11は開閉動作するドア、12はレール、13,14は戸車、15は継手である。
また、20はドア11を駆動するリニア同期モータであり、永久磁石からなる固定子21と、ドア部10の継手15に連結されてドア11を直線的に移動させるための可動子コイル22と、二相のパルスを計数して可動子コイル22の速度を検出し、かつ、固定子21の磁極と可動子コイル22との相対的な位置関係(磁極位置)を検出する検出手段としてのセンサ23と、を備えている。
この制御回路30において、状態監視制御回路31は、センサ23の出力信号と速度設定値32aと推力設定値34aとに基づいて速度切替指令31a、演算切替指令31b、制限値切替指令31cを出力する。設定値演算回路32は、乗務員からの指令と速度切替指令31aとに基づいてリニア同期モータ20に対する所定の速度設定値32aを演算する。
速度調節器33は、演算切替指令31bに基づいて、速度設定値32aとセンサ23からの速度検出値との偏差をなくすように比例積分演算または比例演算を行ってリニア同期モータ20の推力指令値を演算する。
信号変換器35は、推力設定値34aを位置検出値に基づいて可動子コイル22の各相の電流設定値に変換する。
電流調節器37は、上記の電流設定値と電流検出器36による電流検出値との偏差をなくすように動作して各相の駆動信号を生成する。
電力変換器38はインバータ等によって構成されており、上記駆動信号に応じて半導体スイッチング素子をオン・オフさせることにより、直流電圧を所定の交流電圧に変換して可動子コイル22に供給する。
更に、特許文献3には、電車の運行時刻やプラットホームドアの位置、プラットホームの混雑状況等に応じて選択した適切な速度指令パターンに従ってドアを開閉制御するプラットホームドア装置が記載されている。
しかし、これらの従来技術は、ドアの摩擦抵抗等により加速不足となった場合の開閉動作時間の長期化を防止し得るものではない。
鉄道車両用のドアを駆動するためのモータと、前記ドアの速度及び位置を検出する検出手段と、前記検出手段による検出値及び所定の設定値に基づいて生成された速度指令パターンに従って電力変換器を制御することにより前記モータを可変速制御する制御回路と、を備えた鉄道車両用ドアの開閉制御装置において、
前記制御回路は、
前記速度指令パターンとして予め設定された速度基準パターンを補正して速度補償パターンを生成する補償パターン演算部を備え、
前記補償パターン演算部は、
前記速度基準パターンに基づく所定の速度及び加速度を前記モータに与えて開動作または閉動作する前記ドアの実際の加速度が、前記速度基準パターンにおける前記ドアの加速度より不足する場合に、前記ドアの開動作時間または閉動作時間が前記速度基準パターンにおける各動作時間の設計値にそれぞれ等しくなるように、前記速度基準パターンの速度指令を補正して前記速度補償パターンを生成することを特徴とする。
図1は、この実施形態に係る鉄道車両用ドアの開閉制御装置を示すブロック図であり、図4と同一の部分については同一の参照符号を付してある。以下では、図4と異なる部分を中心に説明する。
図2において、速度基準パターン39Aは、上段の速度パターン(縦軸は速度V)とこれに対応する下段の推力パターン(縦軸は推力(またはトルク)T)とからなっている。
上段の速度パターンは設定値演算回路32から出力される各種パラメータを用いて予め作成されるものであり、ドア11の速度が増加していく加速運転部分(加速度α、加速時間t1)、増加した速度を維持する高速運転部分(高速時速度VH、高速時間t2)、ドア11の速度が減少していく減速運転部分(減速度β、減速時間t3)、減少した速度を維持する低速運転部分(低速時速度VL、低速時間t4)、及び、その後に惰性によって停止するまでの部分、からなる。ここで、α=VH/t1、β=(VH-VL)/t3である。
また、OTは設計値として与えられた開動作または閉動作の動作時間、Dは高速から減速して低速へ切り替えるための切替時刻、Sはドア11の移動ストロークに相当する時刻(上記動作時間OTに相当する時刻)、101,102は推力制限値である。
ここで、第1の速度補償パターン39D1は、加速が不足した分だけ減速度βをβ’に緩めると共に高速低速切替時刻Dを速度基準パターン39Aのまま維持するパターンであり、第2の速度補償パターン39D2は、加速が不足した分だけ高速低速切替時刻Dを遅らせてD’にずらすと共に減速度βを速度基準パターン39Aのまま維持するパターンである。
まず、Δt3=VH/(VH-VL)×Δt1を演算する(ステップS11)。このΔt3は、図2の速度補償パターン39D1に示すように、減速度βをβ’に緩めるために本来の減速時間t3に加算される減速延長時間である。
なお、第1の速度補償パターン39D1における103は加速不足により失った移動量、104は減速時間を延長することにより補償する移動量である。加速不足の補償には移動量104を移動量103と等しくする必要があるため、移動量103,104の面積が等しくなる時のΔt3を前記ステップS11のΔt3=VH/(VH-VL)×Δt1によって演算する。
そして、Δt3<t4の場合には(S12 YES)、β’=(VH-VL)/(t3+Δt3)により減速度β’を求める。このβ’を用いて第1の速度基準パターン39Aを補正することにより、速度指令パターンPTNとして第1の速度補償パターン39D1を求めると共にこの速度補償パターン39D1を速度調節器33に出力する(S13)。
なお、図2の速度補償パターン39D1におけるt4’は補正後の低速時間であり、106は、速度基準パターン39Aを基準とした摩擦抵抗による推力の増加分を示す。
この高速延長時間Δt2は、図2における第2の速度補償パターン39D2に示す如く、高速時速度VHを速度基準パターン39Aにおける高速低速切替時刻DからD’にまで延長するための時間である。
第2の速度補償パターン39D2における103は加速不足により失った移動量、105は高速低速切替時刻の調整により補償する移動量である。加速不足を補償するには、移動量105を移動量103と等しくする必要があるため、移動量103,105の面積が等しくなる時のΔt2を、前記ステップS14のΔt2=0.5×VH/(VH-VL)×Δt1によって演算する。
そして、Δt2<t4の場合には(S15 YES)、D’=D+VH×Δt2によって時刻Dより遅らせた高速低速切替時刻D’を求める。この時刻D’を用いて速度基準パターン39Aを補正することにより、速度指令パターンPTNとして第2の速度補償パターン39D2を求め、この速度補償パターン39D2を速度調節器33に出力する(S16)。
なお、図2の速度補償パターン39D2におけるt4’は補正後の低速時間であり、107は、速度基準パターン39Aを基準とした摩擦抵抗による推力の増加分を示す。
なお、Δt2≧t4の場合には(S15 NO)、加速不足を補償できないケースであると判断して、PTN=0を出力すれば良い(S17)。
11:ドア
12:レール
13,14:戸車
15:継手
20:リニア同期モータ
21:固定子
22:可動子コイル
23:センサ
30A:制御回路
31:状態監視制御回路
32:設定値演算回路
33:速度調節器
34:制限値切替器
35:信号変換器
36:電流検出器
37:電流調節器
38:電力変換器
39:補償パターン演算部
39A:速度基準パターン
39B:加速不足検知手段
39C:補償パターン演算手段
39D1:第1の速度補償パターン
39D2:第2の速度補償パターン
Claims (5)
- 鉄道車両用のドアを駆動するためのモータと、前記ドアの速度及び位置を検出する検出手段と、前記検出手段による検出値及び所定の設定値に基づいて生成された速度指令パターンに従って電力変換器を制御することにより前記モータを可変速制御する制御回路と、
を備えた鉄道車両用ドアの開閉制御装置において、
前記制御回路は、
前記速度指令パターンとして予め設定された速度基準パターンを補正して速度補償パターンを生成する補償パターン演算部を備え、
前記補償パターン演算部は、
前記速度基準パターンに基づく所定の速度及び加速度を前記モータに与えて開動作または閉動作する前記ドアの実際の加速度が、前記速度基準パターンにおける前記ドアの加速度より不足する場合に、前記ドアの開動作時間または閉動作時間が前記速度基準パターンにおける各動作時間の設計値にそれぞれ等しくなるように、前記速度基準パターンの速度指令を補正して前記速度補償パターンを生成することを特徴とする鉄道車両用ドアの開閉制御装置。 - 請求項1に記載した鉄道車両用ドアの開閉制御装置において、
前記速度補償パターンが、前記速度基準パターンにおける前記ドアの減速度を緩慢にした第1の速度補償パターンであることを特徴とする鉄道車両用ドアの開閉制御装置。 - 請求項1に記載した鉄道車両用ドアの開閉制御装置において、
前記速度補償パターンが、前記速度基準パターンにおける前記ドアの高速時速度の時間を延長した第2の速度補償パターンであることを特徴とする鉄道車両用ドアの開閉制御装置。 - 請求項2に記載した鉄道車両用ドアの開閉制御装置において、
前記ドアの減速度を緩慢にして得られる前記ドアの移動量が前記ドアの加速不足によって不足した前記ドアの移動量と等しくなるように、前記第1の速度補償パターンを生成することを特徴とする鉄道車両用ドアの開閉制御装置。 - 請求項3に記載した鉄道車両用ドアの開閉制御装置において、
前記ドアの高速時速度の時間を延長して得られる前記ドアの移動量が前記ドアの加速不足によって不足した前記ドアの移動量と等しくなるように、前記第2の速度補償パターンを生成することを特徴とする鉄道車両用ドアの開閉制御装置。
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WO2015045953A1 (ja) | 2013-09-26 | 2015-04-02 | ナブテスコ株式会社 | 車両用ドア開閉制御装置 |
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