JP7484553B2 - 情報処理装置、地面反力波形推定方法及びプログラム - Google Patents
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Description
対象者が走行又は歩行している際に得られる加速度データを逐次取得する取得手段と、
前記取得手段により逐次取得された前記加速度データから導出される加速度のノルムを示す加速度ノルムデータに基づいて、ある期間ごとに、前記対象者が受ける地面反力のうちの当該対象者の着地による着地衝撃成分と当該対象者を押し進める推進成分とをそれぞれ推定するとともに、当該着地衝撃成分と当該推進成分とに基づいて、前記対象者が受ける地面反力を示す波形を推定する推定手段と、
を備えることを特徴とする。
図1及び図2を参照して、本実施の形態の構成を説明する。まず、図1を参照して、本実施の形態のランニング解析システム1を説明する。
図1に示すように、ランニング解析システム1は、測定装置(情報処理装置)10と、ランニング解析装置20と、を備えて構成される。
なお、測定装置10は、ベルトBの代わりにクリップを有し、当該クリップによって、ユーザーのランニングウェアを挟むことによって、ユーザーの腰の位置で測定装置10が固定されるようにしてもよい。
次に、図3を参照して、測定装置10の機能構成を説明する。図3は、測定装置10の機能構成を示すブロック図である。
次に、図4を参照して、ランニング解析装置20の機能構成を説明する。図4は、ランニング解析装置20の機能構成を示すブロック図である。
次に、測定装置10の動作であるランニング指標導出処理と地面反力を示す波形の推定処理について説明する。ここで、ランニング指標導出処理によって導出されるランニング指標は、フォースプレートを用いて導出される着地衝撃に関するVIP(Vertical Impact Peak)、VALR(Vertical Average Loading Rate)、VILR(Vertical Instantaneous Load Rate)の3つの指標(以下、フォースプレート指標と称す)と相関のある指標である。また、地面反力を示す波形の推定処理の推定対象となる波形は、上記の着地衝撃に関する3つのフォースプレート指標を導出する際に用いられる地面反力を示す波形(上下方向の反力を示す波形)である。そのため、測定装置10の動作を説明する前に上記の地面反力を示す波形及び着地衝撃に関する3つのフォースプレート指標について説明する。
図6に示すように、VIPは、フォースプレート波形の一つ目のピーク(第1ピーク)のピーク値である。VILRは、VIPの値の20%から80%まで上昇する期間での傾きの最大値である。VALRは、VIPの値の20%から80%まで上昇する期間の平均傾きである。
図7に示すように、ノルム波形とフォースプレート波形(上下方向の反力を示す波形)は大部分が重なっている。このことから床反力(地面反力)のうちの大部分を上下方向の反力が占めていることがわかる。また、このことから測定装置10によって得られる上下方向の加速度データ(後述)を考える際に加速度データのノルムを用いることで方向の拡散を逆推定することが可能になる。
図8は、ランニング指標導出処理の制御手順を示すフローチャートである。なお、ランニング指標導出処理は、例えば、ランニングのトレーニングが開始される際に、上述の開始/終了ボタン(操作部15)を介して、データ取得の開始を指示する押下操作がユーザーによってなされたことを契機として開始される処理である。
なお、センサ座標系からワールド座標系へのデータ変換方法は公知であるため、その説明は省略する。
図9に示すように、ユーザーの上下方向(Z軸)の加速度データの波形では、上述のフォースプレート波形に比べて、2つのピークが分り難い形状となっている。このことから加速度データはランニング中のユーザーの腰に装着された測定装置10により採取されたデータであり、地面から受けた力が、ユーザーの足、脛、腿、腰のそれぞれの部位とこれらの部位をつなぐ足首、膝、股関節の各部位を伝達する際に当該力の方向や時間が拡散されて腰に伝わっていることがわかる。
なお、着地のタイミングと離地のタイミングの各検出方法については、例えば、特開2018-8015号公報において開示されており、ここではその説明は省略する。
図10に示すように、地面から受けた力がユーザーの腰に装着された測定装置10に伝わる過程において、当該地面から受けた力のうちの着地衝撃成分は、その時間が短く大きなものであるため当該ユーザーの足と腰の中間にある身体部位や関節の影響が少なくそのまま伝わるが、当該地面から受けた力のうちの推進力成分は、当該ユーザーの筋肉で関節を動かすことで発生するため当該関節の影響を受け大きく拡散されているのがわかる。そこで、本実施形態では、フォースプレート波形と加速度ノルムデータの波形とで大差のない着地衝撃成分に着目し、ユーザーの着地のタイミングを示すポイントと第1ピークとを結ぶ直線の傾きをフォースプレート指標に相関のある指標(ランニング指標)としている。
一方、ステップS8において、開始/終了ボタン(操作部15)を介して、データ取得の終了を指示する押下操作がユーザーによってなされたと判定された場合(ステップS8;YES)、CPU11は、ランニング指標導出処理を終了する。
図12は、地面反力を示す波形の推定処理の制御手順を示すフローチャートである。なお、この地面反力を示す波形の推定処理は、ランニング指標導出処理と同様に、ランニングのトレーニング等が開始される際に、上述の開始/終了ボタン(操作部15)を介して、データ取得の開始を指示する押下操作がユーザーによってなされたことを契機として開始される処理である。また、地面反力を示す波形の推定処理のステップS11~ステップS15の処理は、ランニング指標導出処理のステップS1~ステップS5の処理と同様の処理であるため、これらの処理の説明は省略し、ステップS16以降の処理について説明する。
図14の破線の波形が示すように、測定装置10はユーザーの腰に装着された状態で使用され接地期間以外でも加速度が発生するため、同図の1点鎖線の波形のように加速度ノルムデータの波形の補正を行っている。なお、着地ポイントP2と極小点P3との間や、離地ポイントP4と極小点P5との間をスプライン補間によって補正するようにしてもよい。
一方、ステップS21において、開始/終了ボタン(操作部15)を介して、データ取得の終了を指示する押下操作がユーザーによってなされたと判定された場合(ステップS21;YES)、CPU11は、地面反力を示す波形の推定処理を終了する。
したがって、測定装置10によれば、ユーザーが受ける地面反力を示す波形をある期間(接地期間)ごとに推定することができるので、当該ある期間ごとに推定された地面反力を示す波形からランニングに関する解析を行うための地面反力データを十分に取得することができる。
したがって、測定装置10によれば、加速度ノルムデータを用いることで上下方向の加速度データを考える際に方向の拡散を逆推定することが可能となるので、着地衝撃成分と推進成分とをそれぞれ推定する際の精度を高めることができる。
したがって、測定装置10によれば、補正された加速度ノルムデータの波形に基づいて、着地衝撃成分と推進成分とをそれぞれ推定するので、着地衝撃成分と推進成分とをそれぞれ推定する際の精度をより高めることができる。この結果、ユーザーが受ける地面反力を示す波形を推定する際の精度もより高めることができるようになる。
したがって、測定装置10によれば、少なくとも着地衝撃成分に関しては着地衝撃の実態に即して推定するので、着地衝撃成分を推定する際の精度をより一層高めることができる。この結果、ユーザーが受ける地面反力を示す波形を推定する際の精度もより一層高めることができるようになる。
したがって、測定装置10によれば、着地衝撃成分の近似波形の生成を簡便に行うことができる。
したがって、測定装置10によれば、推進成分の近似波形の生成を簡便に行うことができる。
したがって、測定装置10によれば、自装置をユーザーの腰部に装着することで運動データを逐次取得することができるので、当該運動データを簡便に取得することができる。この結果、測定装置10によれば、従来のように大掛かりな装置を用いることなく通常のランニングの際においてもユーザーが受ける地面反力の波形を逐次推定することができるので、例えば、レース時において当該地面反力を示す波形からフォースプレート指標を逐次導出することによって当該フォースプレート指標の変化を把握することができるようになる。
例えば、上記実施形態の地面反力を示す波形の推定処理において、推進成分の近似波形を生成する際の当該推進成分の期間を着地のタイミングから離地のタイミング、すなわち接地期間として近似波形を生成したが、例えば、第1ピークのタイミングから離地のタイミングまでの期間を当該推進成分の期間として近似波形を生成するようにしてもよい。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
<請求項1>
対象者が走行又は歩行している際に得られる運動データを逐次取得する取得手段と、
前記取得手段により逐次取得された前記運動データに基づいて、ある期間ごとに、前記対象者が受ける地面反力のうちの当該対象者の着地による着地衝撃成分と当該対象者を押し進める推進成分とをそれぞれ推定するとともに、当該着地衝撃成分と当該推進成分とに基づいて、前記対象者が受ける地面反力を示す波形を推定する推定手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
<請求項2>
前記運動データは、加速度データであり、
前記推定手段は、前記加速度データから導出される加速度のノルムを示す加速度ノルムデータに基づいて、前記着地衝撃成分と前記推進成分とをそれぞれ推定するとともに、当該着地衝撃成分と当該推進成分とに基づいて、前記対象者が受ける地面反力を示す波形を推定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
<請求項3>
前記ある期間ごとに、前記加速度ノルムデータの波形において、前記対象者の着地のタイミングを示す着地ポイントと、対応する当該ある期間において最初に現れる極小点と、を結ぶとともに、当該対象者の離地のタイミングを示す離地ポイントと、対応する当該ある期間において最後に現れる極小点と、を結ぶことによって、当該波形を補正する補正手段を備え、
前記推定手段は、前記補正手段により補正された前記加速度ノルムデータの波形に基づいて、前記着地衝撃成分と前記推進成分とをそれぞれ推定するとともに、当該着地衝撃成分と当該推進成分とに基づいて、前記対象者が受ける地面反力を示す波形を推定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
<請求項4>
前記補正手段により補正された前記加速度ノルムデータの波形に基づいて、当該波形のピークを検出する検出手段を備え、
前記推定手段は、前記補正手段により補正された前記加速度ノルムデータの波形に基づいて、前記対象者の着地のタイミングから前記検出手段によって検出された前記ピークを示すピークタイミングまでを積分した値を2倍した値を前記着地衝撃成分として推定するとともに、当該着地のタイミングから離地のタイミングまでを積分した値から当該着地衝撃成分を減算した値を前記推進成分として推定し、前記着地衝撃成分と前記推進成分をそれぞれ所定の波形で近似することで得られる近似波形を互いに合成した波形を前記対象者が受ける地面反力を示す波形として推定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
<請求項5>
前記着地衝撃成分のうちの前記対象者の着地のタイミングが0、前記ピークタイミングがπ/2、前記ピークタイミングを2倍したタイミングがπとなるように、当該着地衝撃成分の各サンプリングポイントを線形補間する補間手段を備え、
前記推定手段は、前記補間手段によって各サンプリングポイントが線形補間された前記着地衝撃成分を所定のsin波形で近似することで当該着地衝撃成分の近似波形を生成する、
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
<請求項6>
前記補間手段は、更に、前記推進成分のうちの前記対象者の着地のタイミングが0、離地のタイミングがπとなるように、当該推進成分の各サンプリングポイントを線形補間し、
前記推定手段は、前記補間手段によって各サンプリングポイントが線形補間された前記推進成分を所定のsin波形で近似することで当該推進成分の近似波形を生成する、
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
<請求項7>
前記取得手段は、前記対象者の腰部における前記運動データを逐次取得する、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項8>
前記地面反力を示す波形は、時間に対して、前記対象者が受ける地面反力の大きさを示す波形である、
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項9>
対象者が走行又は歩行している際に得られる運動データを逐次取得する取得工程と、
前記取得工程により逐次取得された前記運動データに基づいて、ある期間ごとに、前記対象者が受ける地面反力のうちの当該対象者の着地による着地衝撃成分と当該対象者を押し進める推進成分とをそれぞれ推定するとともに、当該着地衝撃成分と当該推進成分とに基づいて、前記対象者が受ける地面反力を示す波形を推定する推定工程と、
を含むことを特徴とする地面反力波形推定方法。
<請求項10>
情報処理装置のコンピュータを、
対象者が走行又は歩行している際に得られる運動データを逐次取得する取得手段、
前記取得手段により逐次取得された前記運動データに基づいて、ある期間ごとに、前記対象者が受ける地面反力のうちの当該対象者の着地による着地衝撃成分と当該対象者を押し進める推進成分とをそれぞれ推定するとともに、当該着地衝撃成分と当該推進成分とに基づいて、前記対象者が受ける地面反力を示す波形を推定する推定手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
10 測定装置(情報処理装置)
11 CPU(取得手段、推定手段、補正手段、検出手段、補間手段)
12 RAM
13 記憶部
14 表示部
15 操作部
16 センサ部
17 通信部
20 ランニング解析装置
21 CPU
22 RAM
23 記憶部
24 表示部
25 操作部
26 通信部
Claims (9)
- 対象者が走行又は歩行している際に得られる加速度データを逐次取得する取得手段と、
前記取得手段により逐次取得された前記加速度データから導出される加速度のノルムを示す加速度ノルムデータに基づいて、ある期間ごとに、前記対象者が受ける地面反力のうちの当該対象者の着地による着地衝撃成分と当該対象者を押し進める推進成分とをそれぞれ推定するとともに、当該着地衝撃成分と当該推進成分とに基づいて、前記対象者が受ける地面反力を示す波形を推定する推定手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。 - 前記ある期間ごとに、前記加速度ノルムデータの波形において、前記対象者の着地のタイミングを示す着地ポイントと、対応する当該ある期間において最初に現れる極小点と、を結ぶとともに、当該対象者の離地のタイミングを示す離地ポイントと、対応する当該ある期間において最後に現れる極小点と、を結ぶことによって、当該波形を補正する補正手段を備え、
前記推定手段は、前記補正手段により補正された前記加速度ノルムデータの波形に基づいて、前記着地衝撃成分と前記推進成分とをそれぞれ推定するとともに、当該着地衝撃成分と当該推進成分とに基づいて、前記対象者が受ける地面反力を示す波形を推定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記補正手段により補正された前記加速度ノルムデータの波形に基づいて、当該波形のピークを検出する検出手段を備え、
前記推定手段は、前記補正手段により補正された前記加速度ノルムデータの波形に基づいて、前記対象者の着地のタイミングから前記検出手段によって検出された前記ピークを示すピークタイミングまでを積分した値を2倍した値を前記着地衝撃成分として推定するとともに、当該着地のタイミングから離地のタイミングまでを積分した値から当該着地衝撃成分を減算した値を前記推進成分として推定し、前記着地衝撃成分と前記推進成分をそれぞれ所定の波形で近似することで得られる近似波形を互いに合成した波形を前記対象者が受ける地面反力を示す波形として推定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。 - 前記着地衝撃成分のうちの前記対象者の着地のタイミングが0、前記ピークタイミングがπ/2、前記ピークタイミングを2倍したタイミングがπとなるように、当該着地衝撃成分の各サンプリングポイントを線形補間する補間手段を備え、
前記推定手段は、前記補間手段によって各サンプリングポイントが線形補間された前記着地衝撃成分を所定のsin波形で近似することで当該着地衝撃成分の近似波形を生成する、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。 - 前記補間手段は、更に、前記推進成分のうちの前記対象者の着地のタイミングが0、離地のタイミングがπとなるように、当該推進成分の各サンプリングポイントを線形補間し、
前記推定手段は、前記補間手段によって各サンプリングポイントが線形補間された前記推進成分を所定のsin波形で近似することで当該推進成分の近似波形を生成する、
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。 - 前記取得手段は、前記対象者の腰部における前記加速度データを逐次取得する、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。 - 前記地面反力を示す波形は、時間に対して、前記対象者が受ける地面反力の大きさを示す波形である、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の情報処理装置。 - 対象者が走行又は歩行している際に得られる加速度データを逐次取得する取得工程と、
前記取得工程により逐次取得された前記加速度データから導出される加速度のノルムを示す加速度ノルムデータに基づいて、ある期間ごとに、前記対象者が受ける地面反力のうちの当該対象者の着地による着地衝撃成分と当該対象者を押し進める推進成分とをそれぞれ推定するとともに、当該着地衝撃成分と当該推進成分とに基づいて、前記対象者が受ける地面反力を示す波形を推定する推定工程と、
を含むことを特徴とする地面反力波形推定方法。 - 情報処理装置のコンピュータを、
対象者が走行又は歩行している際に得られる加速度データを逐次取得する取得手段、
前記取得手段により逐次取得された前記加速度データから導出される加速度のノルムを示す加速度ノルムデータに基づいて、ある期間ごとに、前記対象者が受ける地面反力のうちの当該対象者の着地による着地衝撃成分と当該対象者を押し進める推進成分とをそれぞれ推定するとともに、当該着地衝撃成分と当該推進成分とに基づいて、前記対象者が受ける地面反力を示す波形を推定する推定手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
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