JP7483173B2 - 位置標定装置 - Google Patents

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Description

本開示技術は位置標定装置に関する。
衛星通信を行う電波源の位置標定において、受信信号間の相関処理後、信号の時間差(Time Difference Of Arrival : TDOA)及び周波数差(Frequency Difference Of Arrival : FDOA)の情報を用いて位置標定を行う方式が知られている。このTDOA及びFDOAを用いる2段階の従来方式は、本明細書においてTSG法(Two Step Geolocation)と称する。
電波源の位置標定において、TSG法とは異なる方式も知られている。例えば、非特許文献1には、最尤法を利用し、受信信号から直接的にターゲット位置を標定するDG法(Direct Geolocation)が開示されている。非特許文献1には、DG法が、TSG法と比較して、地上局における受信時に十分な電力が得らない低SNR環境下で効果的である、と報告されている。
Weiss, A., Amar, A., "Direct Geolocation of Stationary Wide Band Radio Signal Based on Delays and Doppler Shifts," IEEE Workshop on Statistical Signal Processing, Aug. 31 - Sept. 3, 2009.
非特許文献1に開示されているDG法は、衛星で生じる遅延時間、及び周波数変換の際に生じる周波数誤差(両者をあわせて「衛星起因誤差」と称する)、の影響が考慮されていない。
本開示技術は、上記課題を鑑み、DG法による電波源の位置標定において、衛星起因誤差を低減する新しい位置標定方式、HDG法(High-Performance Direct Geolocation)、を提案する。
本開示技術に係る位置標定装置は、複素ベースバンド信号(r)から、ターゲットからの信号成分(r tar)とリファレンス波源からの信号成分(r ref)とを、それぞれ個別に抽出する信号抽出部と、リファレンス波源からの信号成分(r ref)に対して位置を標定するリファレンス標定処理部と、リファレンス波源の推定位置情報と、リファレンス波源が在る位置の真値と、に基づいて、衛星に起因する誤差成分を算出する衛星起因誤差算出部と、衛星起因誤差算出部で算出された誤差成分と、ターゲットからの信号成分(r tar)と、に基づいて、ターゲットの位置を標定する目標標定処理部と、を備える。
本開示技術に係る位置標定装置は上記構成を備えるため、衛星起因誤差を低減する、新しい位置標定方式による位置標定を実現することができる。
図1は、実施の形態1に係る位置標定装置の機能構成を示すブロック図である。 図2は、実施の形態1に係る位置標定装置におけるリファレンス標定処理部150の機能構成を示すブロック図である。 図3は、実施の形態1に係る位置標定装置における目標標定処理部170の機能構成を示すブロック図である。 図4は、実施の形態1に係る位置標定装置の処理ステップの一例を示すフローチャートである。 図5は、実施の形態1に係る位置標定装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。 図6は、実施の形態2に係る位置標定装置の機能構成を示すブロック図である。 図7は、実施の形態2に係る位置標定装置の処理ステップの一例を示すフローチャートである。
一般に、用語の「標定」は、英語ではOrientationと訳される。用語の「標定」は、例えば、写真測量の技術分野において用いられる。写真測量において標定とは、光線が直進する原理を用いて、写真撮影時のカメラの位置及び姿勢を求める処理を指す。Orientationは、辞典によれば、「物の角度若しくは位置、又はその物が向いている方向」を意味する。本開示技術に係る位置標定装置は、衛星通信をする通信装置すなわち電波源の位置を算出する装置である。本明細書において「位置標定」の用語は、ターゲットである電波源の位置を算出すること、として用いることとする。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る位置標定装置の機能構成を示すブロック図である。図1の上部には、位置標定装置が受信する信号の受信経路の概略図が示されている。図1上部の概略図に示されるとおり、位置標定装置は、「衛星通信波源(標定対象)」及び「リファレンス波源(位置が既知)」からの信号を、2つ以上の衛星を介して受信する。衛星通信波源(標定対象)は、明細書においては「ターゲット」と称する。DG法を用いる位置標定装置において、複数のアンテナで受信した信号は、周波数変換及び利得調整が行われる。
図1に示されるとおり位置標定装置は、信号受信部120(信号受信部120-1、信号受信部120-2)、AD変換部130(AD変換部130-1、AD変換部130-2)、信号抽出部140、リファレンス標定処理部150、衛星起因誤差算出部160、及び目標標定処理部170を含む。
図2は、実施の形態1に係る位置標定装置におけるリファレンス標定処理部150の機能構成を示すブロック図である。図2に示されるとおりリファレンス標定処理部150は、探索範囲設定部151、評価関数算出部152、ピーク位置算出部153、初期値設定部154、最適化処理部155、及び大域解判定部156を含む。
図3は、実施の形態1に係る位置標定装置における目標標定処理部170の機能構成を示すブロック図である。図3に示されるとおり目標標定処理部170は、探索範囲設定部171、誤差補正付き評価関数算出部172、ピーク位置算出部173、初期値設定部174、最適化処理部175、及び大域解判定部176を含む。
《信号受信部120》
信号受信部120は、地上局のアンテナ(アンテナ#1、アンテナ#2、…)で受信した信号を受け取り、周波数変換及び利得調整の信号処理を施す機能ブロックである。図1に示されるとおり、アンテナ#1で受信した信号は信号受信部120-1により、アンテナ#2で受信した信号は信号受信部120-2により、それぞれ受け取るように構成されてよい。
信号受信部120-1、信号受信部120-2、…で信号処理された信号は、それぞれAD変換部130-1、AD変換部130-2、…へ送られる。
《AD変換部130》
AD変換部130は、信号受信部120から送られたアナログ信号をデジタル信号に変換するための機能ブロックである。
AD変換部130により変換されたデジタル信号は、具体的には、複素数のベースバンド信号(以降、「複素ベースバンド信号」と称する)であり、本明細書ではrと表すものとする。右上添え字のn(n=1,2,…,N)は、衛星を区別するための通し番号である。
複素ベースバンド信号は、それぞれ信号抽出部140へ送られる。
《信号抽出部140》
信号抽出部140は、AD変換部130から送られた複素ベースバンド信号(r)から、ターゲットからの信号成分(r tar)とリファレンス波源からの信号成分(r ref)とを、それぞれ個別に抽出するための機能ブロックである。ターゲットからの信号成分を表すr tarの右下添え字のtarは、ターゲットの英語表記targetの最初の3文字を由来とする。また、リファレンス波源から信号成分を表すr refの右下添え字のrefは、リファレンスの英語表記referenceの最初の3文字を由来とする。
信号抽出部140は、具体的には、周波数フィルタを用いて信号の抽出を行う。
信号抽出部140で抽出されたリファレンス波源からの信号成分(r ref)は、リファレンス標定処理部150へ、信号抽出部140で抽出されたターゲットからの信号成分(r tar)は目標標定処理部170へ、それぞれ送られる。
《リファレンス標定処理部150》
リファレンス標定処理部150は、リファレンス波源からの信号成分(r ref)に対して位置標定を実施するための機能ブロックである。
リファレンス標定処理部150の詳細な処理内容は、後述の説明により明らかとなる。
リファレンス標定処理部150により推定されたリファレンス波源の位置情報は、衛星起因誤差算出部160へ送られる。
《衛星起因誤差算出部160》
衛星起因誤差算出部160は、リファレンス標定処理部150から送られたリファレンス波源の推定位置情報と、リファレンス波源の真の位置と、に基づいて、衛星に起因する誤差成分を算出するための機能ブロックである。本開示技術に係る位置標定装置は、衛星起因誤差算出部160があることにより、衛星起因誤差が低減されるという効果が発揮される。
衛星起因誤差算出部160で算出された衛星に起因する誤差成分は、目標標定処理部170へ送られる。
《目標標定処理部170》
目標標定処理部170は、衛星起因誤差算出部160で算出された衛星に起因する誤差成分と、ターゲットからの信号成分(r tar)と、に基づいて、ターゲットの位置標定を実施するための機能ブロックである。
目標標定処理部170の詳細な処理内容は、後述の説明により明らかとなる。
《リファレンス標定処理部150を構成する探索範囲設定部151による処理》
リファレンス標定処理部150を構成する探索範囲設定部151は、評価関数の値を最大にする解を探索する際の探索幅(dwide)を決定するための機能ブロックである。探索幅(dwide)は、具体的には、評価関数の値を最大にする解、すなわちもっともらしいターゲットの位置、を探索する際の、緯度θ[deg]及び経度φ[deg]のそれぞれを変化させる間隔である。探索幅(dwide)は、一般に、狭くすれば精度が向上するが演算時間が増大し、広くすれば演算時間が短くなるが粗くなる。そこで、一般に知られているニュートン法等の数値的解法では、探索幅は一定ではなく、評価関数を評価関数の引数であるパラメータで偏微分して得られる傾きに応じて変化させる。また、一般に、収束の速さを改善する多くのアルゴリズムが提案されている。さらに、より原始的な探索方法として、解を、解よりも小さい側と解よりも大きい側とから探索する二分探索法(バイナリサーチ)を応用することも考えられる。本開示技術に係る位置標定装置において、探索幅(dwide)の初期値は、例えば、数度[deg]から10度[deg]まで程度に設定されるとよい。
評価関数の値を最大にする解を算出する処理ステップの詳細は、後述の最適化処理部155の説明により明らかとなる。
探索範囲設定部151で設定された探索幅(dwide)は、評価関数算出部152へと送られる。
《リファレンス標定処理部150を構成する評価関数算出部152による処理》
リファレンス標定処理部150を構成する評価関数算出部152は、探索範囲設定部151から送られた探索幅(dwide)の間隔で、評価関数の値を算出するための機能ブロックである。評価関数(Q(p))は、以下の数式(1)により表される。

Figure 0007483173000001

ここで、p(θ,φ)は、緯度θ[deg]及び経度φ[deg]の地表面上の地点についての3次元位置ベクトルである。数式(1)の右辺にあるλmax{}は、引数である行列の最大固有値を返す関数である。また、数式(1)の右辺にある上添え字のHは、エルミート転置を表す。エルミート転置した行列は、随伴行列とも称される。
数式(1)で用いられている行列のφは、以下の数式(2)により与えられる。

Figure 0007483173000002

ただし、数式(2)右辺に示された行列を構成する縦ベクトルのそれぞれは、以下の数式(3)により与えられる。

Figure 0007483173000003
数式(3)の右辺に用いられている関数行列のDは、以下の数式(4)により与えられる。

Figure 0007483173000004

ただし、数式(4)の右辺の引数であるf 及びτ は、電波源の位置がpであるときに、n番目の衛星を介して信号を受信した際に生じるドップラ周波数及び遅延時間である。遅延時間は、TOF(Time of Flight)と同義である。また、数式(4)の右辺に示されるDτ及びDは、以下の数式(5)及び数式(6)により与えられる。

Figure 0007483173000005

Figure 0007483173000006
数式(4)の右辺に現れるWは、離散フーリエ変換の行列表現で用いられる行列であり、以下の数式(7)により与えられる。

Figure 0007483173000007

数式(7)に示されるWは、サイズがL×Lの行列であり、L個の点のDFT(Discrete Fourier Transform)の行列表現であるから、「L点DFT行列」(例えばL=8であれば、「8点DFT行列」)と称されることもある。
評価関数算出部152で算出された評価関数の値は、ピーク位置算出部153へ送られる。
《リファレンス標定処理部150を構成するピーク位置算出部153による処理》
リファレンス標定処理部150を構成するピーク位置算出部153は、評価関数の値が極値となる、すなわち評価関数の値がピークとなる、位置ベクトルpを算出するための機能ブロックである。ピーク位置算出部153が算出する位置ベクトルpは、以下の数式(8)で表現されるものである。

Figure 0007483173000008

ピーク位置算出部153で算出された位置ベクトルp(θ、φ)は、初期値設定部154へ送られる。
《リファレンス標定処理部150を構成する初期値設定部154による処理》
リファレンス標定処理部150を構成する初期値設定部154は、後述の最適化処理部155が実施する最適化処理についての初期値を設定するための機能ブロックである。最適化処理部155が実施する最適化処理の詳細は、後述の説明により明らかとなる。
初期値設定部154が設定する初期値は、例えば、ピーク位置算出部153で算出された位置ベクトルp(θ、φ)と、その周辺4点の位置ベクトルと、からなる5つの位置ベクトルが用いられる。5つの位置ベクトルは、具体的には、以下の数式(9)で与えられるものである。

Figure 0007483173000009

ここで、Δθ及びΔφは、探索範囲設定部151において用いられた探索幅(dwide)と比較して、絶対値の大きさを小さくする。
初期値設定部154で設定された5つの初期値は、最適化処理部155へ送られる。
《リファレンス標定処理部150を構成する最適化処理部155による処理》
リファレンス標定処理部150を構成する最適化処理部155は、評価関数(Q(p))を最大にする解の算出、すなわち最適化処理を、初期値設定部154から送られた初期値からスタートして実施する。
本開示技術に係る位置標定装置は、最適化処理部155及び後述の最適化処理部175を備えることにより、従来のDG法と比較して、演算量が抑えられている、という効果が発揮される。
最適化処理部155で実施される最適化処理において、解候補の更新は、以下の数式(10)により与えられる。

Figure 0007483173000010

式(10)において、pにハットが付されたものは、pの推定値を表す。また式(10)において、下添え字のk、k+1は、それぞれ推定値の算出の試行回数を示したものである。言い換えれば式(10)は、試行がk番目のpの推定値と試行がk+1番目のpの推定値との関係を示したものだ、と言える。
式(10)の右辺に示されるΔpの項は、式(10)を最急降下法の更新則として見た場合の勾配ベクトルの項と同義である。
最急降下法を数値的に行う場合、勾配ベクトルの項は、差分近似により求めればよい。最適化処理部155は、例えば、初期値設定部154が設定した5つの初期値から、位置ベクトルp(θ、φ)を基準として、4つの向きについての勾配を差分近似により求めることができる。位置ベクトルpを緯度θと経度φとで表した平面で見た場合、4つの向きは、以下の式(11)で表される。

Figure 0007483173000011

ここで、式(11)右辺における右上添え字のTは、転置を表す。すなわち、位置ベクトルpは、縦ベクトルで表されるものとする。また式(11)の左辺に示すようにΔpについて用いられる右下添え字のmは、4つの向きに付された識別番号であり、pについて用いられる右下添え字のkとは意味が異なる。
式(10)の右辺に示されるΔpの項は、例えば、以下のように与えることができる。


Figure 0007483173000012

ここで、式(12)の2行目(s.t.以降)の条件が満たされなくなると、最適化処理が、すなわち反復演算が終了する。言い換えれば式(12)は、反復演算の継続条件式であると言える。
ΔθとΔφとを同じ値(dnarrow)にした場合、式(12)の右辺は、以下の式(13)に示す差分近似式で計算できる。

Figure 0007483173000013
最適化処理部155は、式(12)の2行目の条件が満たされなくなるまで、式(10)に示される解候補の更新を繰り返す。一般に、或る評価関数が極値(極大値又は極小値)となるパラメータの解を数値的に求めようとする場合、反復演算の終了条件は、評価関数をパラメータで偏微分したときの勾配の絶対値がゼロになる、又は勾配の絶対値がゼロとみなせるほど小さい(ε以下になる、εはイプシロン-デルタ論法に用いられるイプシロン)ことである。式(12)の2行目の条件は、まさにこのことと同義である。
最適化処理部155により得られたもっともらしい位置ベクトルpの推定値及びそのときの評価関数(Q(pの推定値))の値は、更新前の位置ベクトルp(θ、φ)及びその評価関数の値(Q(p(θ、φ)))とともに大域解判定部156へ送られる。
《リファレンス標定処理部150を構成する大域解判定部156による処理》
リファレンス標定処理部150を構成する大域解判定部156は、最適化処理部155で求められたもっともらしい位置ベクトルpの推定値が、局所的な解ではなく、きちんと大域的な解となっていることを判定するための機能ブロックである。
非線形問題の大域解を求めることは、一般に、容易ではない。しかし本技術分野においては、経験的に、大域解である位置ベクトルpのときの評価関数のおおよその値を知ることができる。そこで大域解判定部156は、大域解における評価関数がなるべきおおよその値と、最適化処理部155から送られたもっともらしい位置ベクトルpの推定値に対応する評価関数(Q(pの推定値))の値と比較し、推定した結果が大域解であるかを判断することができる。
大域解判定部156は、推定した結果が大域解であるかを判断するのに際し、最適化処理前の評価関数の値と、最適化処理後の評価関数の値と、の間に生じる差分を求めてもよい。大域解判定部156は、最適化処理前の評価関数の値と最適化処理後の評価関数の値との差を、予め定めた閾値と比較するようにしてもよい。大域解判定部156は、例えば、最適化処理前後における評価関数の値の差が閾値よりも小さかった場合、最適化処理の反復演算で大域解ではない局所解に留まってしまっている現象だと判断し、探索範囲設定部151による処理をやり直すようにしてもよい。
《衛星起因誤差算出部160による処理》
前述のとおり衛星起因誤差算出部160は、リファレンス標定処理部150から送られるリファレンス波源の推定位置情報と、リファレンス波源が在る位置の真値と、に基づいて、衛星に起因する誤差成分を算出する。
リファレンス波源が在る位置の真値は、以下の数式記号により表されるものとする。

Figure 0007483173000014

ここで、式(14)に登場する右下添え字のrefは、リファレンスの英語表記referenceの最初の3文字を由来とする。
また、リファレンス標定処理部150の大域解判定部156から送られるリファレンス波源の推定位置情報、すなわちリファレンス波源が在る位置の推定値は、以下の数式記号により表されるものとする。

Figure 0007483173000015

ここで、式(15)に登場するハットのアクセント記号は、推定値であることを表す。
衛星起因誤差算出部160は、以下の数式(16)及び数式(17)に示す値(Δετ 及びΔε )を計算する。

Figure 0007483173000016

Figure 0007483173000017

ここで、式(16)左辺に示されるΔετ は、n番目の衛星で生じる遅延時間である。また式(17)左辺に示されるΔε は、n番目の衛星で生じる周波数変位である。式(16)及び式(17)に登場するp 及びv は、それぞれn番目の衛星の位置ベクトル及び速度ベクトルである。式(16)及び式(17)に登場するpは、受信局(Receiver)の位置ベクトルである。式(17)に登場するfは、リファレンス波源のアップリンク周波数である。式(17)に登場するfは、リファレンス波源のダウンリンク周波数である。
衛星起因誤差算出部160は、数式(16)及び数式(17)に示す値(Δετ 及びΔε )を算出した後、さらに以下に示す行列(Bτ及びB)の値を計算する。

Figure 0007483173000018

Figure 0007483173000019

なお、式(18)及び式(19)に示されるBτ及びBの構造は、式(5)及び式(6)に示されるDτ及びDの構造と、それぞれ同じである。本明細書においては、Bτ及びBを指す場合に、二つの誤差行列、という表現が用いられる。
衛星起因誤差算出部160において算出された二つの誤差行列(Bτ及びB)は、目標標定処理部170へ送られる。
《目標標定処理部170を構成する探索範囲設定部171の処理》
目標標定処理部170を構成する探索範囲設定部171は、リファレンス標定処理部150を構成する探索範囲設定部151と処理内容が同じである。
《目標標定処理部170を構成する誤差補正付き評価関数算出部172の処理》
誤差補正付き評価関数算出部172において行われる処理では、探索範囲設定部151で決定された探索幅(dwide)と、衛星起因誤差算出部160において算出された二つの誤差行列(Bτ及びB)と、が用いられる。
誤差補正付き評価関数算出部172において行われる処理では、以下に示される評価関数が用いられる。

Figure 0007483173000020

ここで、式(20)の右辺に登場するφは、以下の式で与えられるものである。

Figure 0007483173000021

ただし、数式(21)右辺に示された行列を構成する縦ベクトルのそれぞれは、以下の数式(22)により与えられる。

Figure 0007483173000022
数式(22)の右辺に用いられている関数行列のD は、以下の数式(23)により与えられる。

Figure 0007483173000023

以上のように定義された評価関数(Q)が用いられることにより、衛星に起因した遅延時間及び周波数変位に関する誤差成分の影響を排除することが可能となる。
《目標標定処理部170を構成するピーク位置算出部173の処理》
目標標定処理部170を構成するピーク位置算出部173は、リファレンス標定処理部150を構成するピーク位置算出部153と処理内容が同じである。
《目標標定処理部170を構成する初期値設定部174の処理》
目標標定処理部170を構成する初期値設定部174は、リファレンス標定処理部150を構成する初期値設定部154と処理内容が同じである。
《目標標定処理部170を構成する最適化処理部175の処理》
目標標定処理部170を構成する最適化処理部175は、リファレンス標定処理部150を構成する最適化処理部155と処理内容が同じである。
《目標標定処理部170を構成する大域解判定部176の処理》
目標標定処理部170を構成する大域解判定部176は、リファレンス標定処理部150を構成する大域解判定部156と処理内容が同じである。
図1で示されるように、目標標定処理部170で算出された目標位置に関する推定値は、位置標定装置による標定結果として出力される。
図4は、実施の形態1に係る位置標定装置の処理ステップの一例を示すフローチャートである。図4は、より詳細には、実施の形態1に係る位置標定装置が、本開示技術に係るHDG法に基づいて位置標定を行う場合の処理ステップの概略を例示したものである。
図4において「受信信号を取得する」と記載された処理ステップは、信号受信部120が実施する処理ステップ(ST1)である。前述のとおり信号受信部120で受信された受信信号は、AD変換部130により複素ベースバンド信号(r)へと変換される。
図4において「目標信号、リファレンス局からの信号を分離・抽出する」と記載された処理ステップは、信号抽出部140が実施する処理ステップ(ST2)である。この処理ステップ(ST2)において信号抽出部140は、AD変換部130から送られた複素ベースバンド信号(r)から、ターゲットからの信号成分(r tar)とリファレンス波源からの信号成分(r ref)とを、それぞれ個別に抽出する。
図4において「リファレンス局からの信号について評価関数を計算する」と記載された処理ステップは、評価関数算出部152が実施する処理ステップ(ST3)である。この処理ステップ(ST3)において評価関数算出部152は、探索範囲設定部151で設定された探索幅(dwide)の間隔で、評価関数(Q(p))の値を算出する。
図4において「リファレンス局位置の標定結果を算出する」と記載された処理ステップは、リファレンス標定処理部150が実施する処理ステップ(ST4)である。この処理ステップ(ST4)においてリファレンス標定処理部150は、リファレンス波源からの信号成分(r ref)に対して位置標定を実施する。
図4において「真のリファレンス局の位置と算出した結果とを比較する」と記載された処理ステップは、衛星起因誤差算出部160が実施する処理ステップ(ST5)である。この処理ステップ(ST5)において衛星起因誤差算出部160は、式(15)で与えられるリファレンス波源が在る位置の推定値と、式(14)で与えられるリファレンス波源が在る位置の真値と、を比較する。
図4において「衛星起因で生じる誤差成分を推定する」と記載された処理ステップは、衛星起因誤差算出部160が実施する処理ステップ(ST6)である。この処理ステップ(ST6)において衛星起因誤差算出部160は、数式(16)及び数式(17)で与えられる値(Δετ 及びΔε )を計算し、最終的に、二つの誤差行列(Bτ及びB)を算出する。
図4において「推定した誤差成分を補正しながら、目標信号について評価関数を算出する」と記載された処理ステップは、目標標定処理部170が実施する処理ステップ(ST7)である。この処理ステップ(ST7)において目標標定処理部170は、二つの誤差行列(Bτ及びB)を含む数式(20)で定義された評価関数(Q)の値を算出する。
図4において「目標位置の標定結果を出力する」と記載された処理ステップは、目標標定処理部170が実施する処理ステップ(ST8)である。この処理ステップ(ST8)において目標標定処理部170は、ST7で算出された評価関数(Q)の値と、ターゲットからの信号成分(r tar)と、に基づいてターゲットの位置標定を実施し、標定結果を出力する。
《位置標定装置のハードウエア構成》
位置標定装置を構成する構成要素のうち、信号抽出部140、リファレンス標定処理部150、衛星起因誤差算出部160、及び目標標定処理部170は、処理回路により実現される。処理回路は、専用のハードウエアであっても、メモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSPともいう)であってよい。
処理回路が専用のハードウエアである場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はこれらを組み合わせたものが該当する。信号抽出部140、リファレンス標定処理部150、衛星起因誤差算出部160、及び目標標定処理部170は、それぞれが個別の処理回路により実現されてもよいし、各部の機能をまとめて1つの処理回路により実現されてもよい。
図5は、実施の形態1に係る位置標定装置の処理回路(図5における信号処理装置180)がCPUの場合におけるハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図5に示されるとおり信号処理装置180は、プロセッサ181と、メモリ182と、入力インターフェース183と、出力インターフェース184と、信号路185と、を含む。
信号路185は、プロセッサ181、メモリ182、入力インターフェース183、及び出力インターフェース184を相互に接続するためのバスである。
入力インターフェース183は、AD変換部130から送られた複素ベースバンド信号(図5においては「RS」と記載)を、信号路185を介して、プロセッサ181へ転送する。
プロセッサ181は、標定結果等の情報を、出力インターフェース184を介して、外部の表示装置へ出力する。
処理回路がCPU(図5におけるプロセッサ181)の場合、信号抽出部140、リファレンス標定処理部150、衛星起因誤差算出部160、及び目標標定処理部170、の機能は、ソフトウエア、ファームウエア、又はソフトウエアとファームウエアとの組合せにより実現される。ソフトウエア及びファームウエアはプログラムとして記述され、メモリ182に格納される。処理回路は、メモリ182に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、位置標定装置は、処理回路により実行されるときに、図4に示された処理ステップ(ST1からST8まで)が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ182を備える。また、これらのプログラムは、信号抽出部140、リファレンス標定処理部150、衛星起因誤差算出部160、及び目標標定処理部170の手順及び方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。ここでメモリ182は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリであってもよい。またメモリ182は、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD、等のディスクを備える態様のものであってもよい。さらにメモリ182は、HDD又はSSDの態様であってもよい。
リファレンス標定処理部150及び目標標定処理部170の機能が、ソフトウエア、ファームウエア、又はソフトウエアとファームウエアとの組合せにより実現される場合、実質的に同じ機能を有する機能ブロック、例えば、ピーク位置算出部153とピーク位置算出部173との機能ブロックは、1つの関数として作成し、呼び出されるように実現されてもよい。
なお、信号抽出部140、リファレンス標定処理部150、衛星起因誤差算出部160、及び目標標定処理部170の各機能は、一部が専用のハードウエアで実現され、残りがソフトウエア又はファームウエアで実現されてもよい。
図5は、単一のプロセッサ181を用いたハードウエア構成を例示しているが、本開示技術はこれに限定されない。本開示技術に係る処理回路は、相互に連携して動作する複数のプロセッサを用いたハードウエア構成であってもよい。
このように処理回路は、ハードウエア、ソフトウエア、ファームウエア、又はこれらの組合せによって、信号抽出部140、リファレンス標定処理部150、衛星起因誤差算出部160、及び目標標定処理部170の各機能を実現することができる。
以上のとおり実施の形態1に係る位置標定装置は上記構成を備えるため、従来のDG法と比べ、衛星起因誤差が低減され、実環境の信号に適用が可能な程度に演算量が低減される、という効果を奏する。
実施の形態2.
実施の形態2に係る位置標定装置は、本開示技術に係る位置標定装置の変形例である。特に明記する場合を除き、実施の形態2では、実施の形態1で用いられた符号と同じものが使用される。また実施の形態2では、実施の形態1と重複する説明が、適宜、省略される。
図6は、実施の形態2に係る位置標定装置の機能構成を示すブロック図である。図6に示されるとおり実施の形態2に係る位置標定装置は、実施の形態1に示された構成要素に加え、相関処理部190と、アルゴリズム選択部200と、TSG法処理部210と、をさらに含む。
実施の形態2に係る位置標定装置は、従来のTSG法に基づくプログラム等資源を有効活用したい場合を想定したものである。
《相関処理部190》
相関処理部190は、信号抽出部140から送られる、ターゲットからの信号成分(r tar)とリファレンス波源からの信号成分(r ref)とのそれぞれに対して、相関処理を実施する構成要素である。相関処理部190が行う相関処理は、具体的には、以下の数式で与えられる演算である。

Figure 0007483173000024

Figure 0007483173000025

ここで、式(24)及び式(25)それぞれの左辺におけるCFは、相関関数の英語名Correlation Functionの頭文字に由来する。式(24)及び式(25)それぞれの右辺における右上添え字のn及びmは、それぞれ衛星の番号を表し、n≠mである。また式(24)及び式(25)それぞれの右辺における積分区間に登場するTは、観測時間を表す。
相関処理部190は、CFtarを最大にするτ及びvの組と、CFrefを最大にするτ及びvの組と、をそれぞれ計算する。

Figure 0007483173000026

Figure 0007483173000027

CFtarの最大値(CFtar_max)とそのときのτ及びvの組(τtar、vtar)は、アルゴリズム選択部200へ送られる。またCFrefの最大値(CFref_max)とそのときのτ及びvの組(τref、vref)も、アルゴリズム選択部200へ送られる。
《アルゴリズム選択部200》
アルゴリズム選択部200は、相関処理部190から送られた情報に基づいて、位置標定装置のアルゴリズムを、従来技術に係るTSG法とするか、本開示技術に係るHDG法とするか、を選択する構成要素である。アルゴリズム選択部200は、例えば、以下に示す条件を元にアルゴリズムを選択する。

Figure 0007483173000028

ここで、条件式(28)右辺に登場するεnoizeは、予め設定された閾値である。
式(28)の条件が成立するときに、アルゴリズム選択部200は、ターゲット位置を標定するアルゴリズムとして、TSG法を採用する。この場合、CFtarの最大値(CFtar_max)とそのときのτ及びvの組(τtar、vtar)がTSG法処理部210へ送られる。同様に、CFrefの最大値(CFref_max)とそのときのτ及びvの組(τref、vref)がTSG法処理部210へ送られる。
式(28)の条件が成立しないときに、アルゴリズム選択部200は、ターゲット位置を標定するアルゴリズムとして、HDG法を採用する。この場合、実施の形態1と同様に、リファレンス波源からの信号成分(r ref)はリファレンス標定処理部150へ、ターゲットからの信号成分(r tar)は目標標定処理部170へ、それぞれ送られる。
《TSG法処理部210》
TSG法処理部210は、アルゴリズム選択部200を経由して送られた情報に基づいて、TSG法のアルゴリズムに基づいて、ターゲット位置を標定する構成要素である。TSG法処理部210が用いるTSG法のアルゴリズムは、従来技術に係るものでよい。
図7は、実施の形態2に係る位置標定装置の処理ステップの一例を示すフローチャートである。図7に示されるとおり実施の形態2に係る位置標定装置の処理ステップは、実施の形態1に示された処理ステップ(ST1からST8まで)に加え、ST9からST11までを含む。
図7において「目標信号、リファレンス局からの信号についてそれぞれ相関処理を実施」と記載された処理は、相関処理部190が実施する処理ステップ(ST9)である。この処理ステップ(ST9)において相関処理部190は、ターゲットからの信号成分(r tar)とリファレンス波源からの信号成分(r ref)とのそれぞれに対して、相関処理を実施する。
図7において「相関処理時のピークの値と閾値との比較から使用するアルゴリズムを選択」と記載された処理は、アルゴリズム選択部200が実施する処理ステップ(ST10)である。この処理ステップ(ST10)においてアルゴリズム選択部200は、条件式(28)に基づいて、位置標定装置のアルゴリズムを、従来技術に係るTSG法とするか、本開示技術に係るHDG法とするか、を選択する。
図7において「TSG法に基づく位置標定処理を実施する」と記載された処理は、TSG法処理部210が実施する処理ステップ(ST11)である。この処理ステップ(ST11)においてTSG法処理部210は、TSG法のアルゴリズムに基づいて、ターゲット位置を標定する。
実施の形態2で新たに登場した構成要素、すなわち、相関処理部190、アルゴリズム選択部200、及びTSG法処理部210は、他の構成要素と同様に、処理回路により実現される。処理回路は、専用のハードウエアであっても、メモリに格納されるプログラムを実行するCPUであってよい。
処理回路が専用のハードウエアである場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化されたプロセッサ、ASIC、FPGA又はこれらを組み合わせたものが該当する。相関処理部190、アルゴリズム選択部200、及びTSG法処理部210を含む各部は、それぞれが個別の処理回路により実現されてもよいし、各部の機能をまとめて1つの処理回路により実現されてもよい。
実施の形態2に係る位置標定装置の処理回路がCPUの場合、ハードウエア構成は図5に示されたものと同じである。
処理回路がCPU(図5におけるプロセッサ181)の場合、相関処理部190、アルゴリズム選択部200、及びTSG法処理部210、を含む各部の機能は、ソフトウエア、ファームウエア、又はソフトウエアとファームウエアとの組合せにより実現される。ソフトウエア及びファームウエアはプログラムとして記述され、メモリ182に格納される。処理回路は、メモリ182に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、位置標定装置は、処理回路により実行されるときに、図7に示された処理ステップ(ST1からST11まで)が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ182を備える。また、これらのプログラムは、相関処理部190、アルゴリズム選択部200、及びTSG法処理部210、を含む各部の手順及び方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。
以上のとおり実施の形態2に係る位置標定装置は上記構成を備えるため、実施の形態1に記載した効果に加え、相関処理時のピークの値の大きさから,状況に応じてTSG法とHDG法との使い分けをすることができる。この作用を有することにより実施の形態2に係る位置標定装置は、従来のTSG法に基づくプログラム等資源を有効活用できる、という効果も奏する。
本開示技術に係る位置標定装置は、レーダシステム、及び衛星通信システムの分野に応用でき、産業上の利用可能性を有する。
120 信号受信部、130 AD変換部、140 信号抽出部、150 リファレンス標定処理部、151 探索範囲設定部、152 評価関数算出部、153 ピーク位置算出部、154 初期値設定部、155 最適化処理部、156 大域解判定部、160 衛星起因誤差算出部、170 目標標定処理部、171 探索範囲設定部、172 誤差補正付き評価関数算出部、173 ピーク位置算出部、174 初期値設定部、175 最適化処理部、176 大域解判定部、180 信号処理装置、181 プロセッサ、182 メモリ、183 入力インターフェース、184 出力インターフェース、185 信号路、190 相関処理部、200 アルゴリズム選択部、210 TSG法処理部。

Claims (6)

  1. 複素ベースバンド信号から、ターゲットからの信号成分とリファレンス波源からの信号成分とを、それぞれ個別に抽出する信号抽出部と、
    前記リファレンス波源からの信号成分に対して位置を標定するリファレンス標定処理部と、
    前記リファレンス波源の推定位置情報と、前記リファレンス波源が在る位置の真値と、に基づいて、衛星に起因する誤差成分を算出する衛星起因誤差算出部と、
    前記衛星起因誤差算出部で算出された前記誤差成分と、前記ターゲットからの信号成分と、に基づいて、前記ターゲットの位置を標定する目標標定処理部と、を備える、
    位置標定装置。
  2. 前記リファレンス標定処理部は、
    評価関数の値を最大にする解を探索する際の探索幅を決定する探索範囲設定部と、
    前記探索幅の間隔で、前記評価関数の値を算出する評価関数算出部と、
    前記評価関数の値が極値となる位置ベクトルを算出するピーク位置算出部と、
    前記位置ベクトルに基づいて、最適化処理についての初期値を設定する初期値設定部と、
    前記最適化処理を、前記初期値からスタートして実施する最適化処理部と、を含む、
    請求項1に記載の位置標定装置。
  3. 前記目標標定処理部は、
    評価関数の値を最大にする解を探索する際の探索幅を決定する探索範囲設定部と、
    前記衛星起因誤差算出部で算出された前記誤差成分を参照し、前記探索幅の間隔で、前記評価関数の値を算出する誤差補正付き評価関数算出部と、
    前記評価関数の値が極値となる位置ベクトルを算出するピーク位置算出部と、
    前記位置ベクトルに基づいて、最適化処理についての初期値を設定する初期値設定部と、
    前記最適化処理を、前記初期値からスタートして実施する最適化処理部と、を含む、
    請求項1に記載の位置標定装置。
  4. 前記リファレンス標定処理部は、
    前記位置ベクトルが、大域的な解となっていることを判定する大域解判定部をさらに備える、
    請求項2に記載の位置標定装置。
  5. 前記目標標定処理部は、
    前記位置ベクトルが、大域的な解となっていることを判定する大域解判定部をさらに備える、
    請求項3に記載の位置標定装置。
  6. 前記ターゲットからの信号成分と前記リファレンス波源からの信号成分とのそれぞれに対して、相関処理を実施する相関処理部と、
    前記相関処理部から送られた情報に基づいて、TSG法又はHDG法のいずれかのアルゴリズムを選択するアルゴリズム選択部と、
    前記アルゴリズムが前記TSG法と選択された場合に、前記TSG法によりターゲット位置を標定するTSG法処理部と、をさらに備える、
    請求項1に記載の位置標定装置。
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