JP7482964B2 - 注射可能な薬物送達デバイスのための投与量制御システム及び関連の使用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、注射可能な薬物送達デバイスの分野に関するものであり、具体的には、そのような注射可能な薬物送達デバイスのために提供される投与量制御システムに関するものである。
注射可能な薬物のための送達デバイスは長年知られている。患者の自己の個別の処置及び投薬計画の管理において、患者の責任がより多くなるために、要求が進歩し展開してくるにつれて、ユーザが彼らの薬物を自己注射することを可能にする様々な薬物送達デバイスが開発されてきた。これは、例えば、糖尿病の結果を処置することが意図される、インシュリンの場合に特に当てはまる。しかしながら、例えば、生死にかかわる可能性のある状況に対処するのに必要とされる他の薬物もまた、このカテゴリーに該当し、そのような病気を患っている、又はそれに罹りやすい患者がこれらのデバイスをいつも持ち歩くことが、一般的な出来事になっている限りにおいて、必要とされる薬物、例えばアナフィラキシーショックの処置剤、抗凝血剤、オピオイドレセプターアゴニスト及びアンタゴニストなど、の即時緊急注射が可能になる。
既存の自己注射器システムに関する既知の問題のうちの1つは、用量制御の問題であった。注射可能な薬物送達デバイスの従来の世代において、このようなデバイスは、過度の投与量注射、又はデバイスの過度の使用、及びそのような乱用、誤用、又は単純なユーザの間違いの、重篤になる可能性のある結果を防止又は制限しようと試みるために、機械的手段を備えていた。加えて、注射された量として少なくともいくらかの可視的な合図が存在し、これにより処置計画の管理を容易にすることができるように、ユーザに、彼らが自己注射した薬物の量を知らせることができることが望ましいと感じられた。
提案された機械的解決策に関連する主な問題は、薬物送達デバイスの構造が必然的に過度に複雑化され、非常に厳密又は複雑な使い方をユーザにかなり頻繁に課すことであった。この使い方は、ユーザが慣れ親しんだものとはしばしば異なる可能性があり、これにより、またさらなる操作上の間違い、薬物投与量の喪失、患者の不順守、及び多数の他の困難を招く。
これらの困難に対抗するために、機械部品の移動及び小さくて壊れやすいコンポーネントの機械的相互作用を伴う、純粋に機械的な解決策の複雑な性質に対処するための試みがなされた。この試みは、薬物送達デバイスから投与され、消費され、パージされ、又は別のやり方で吐き出された、注射可能な薬物の頻度及び投与量を示すための、デバイスに組み込まれた非接触センサー及び情報処理システムの使用によるものである。これは、複数の様々な技術的解決策を導いた。しかしながら、それらの解決策のそれぞれは、注射可能な薬物送達デバイスの特定の製造者の対応する範囲の仕様を対象としたものだった。
例えば、US8708957B2において、送達移動が進行するにつれて、注射中にパルスを発生するように適合されたセンサーを含む、注射可能な薬物の自己注射のための薬物送達デバイスが開示されている。投与量送達中に蓄積されるパルスの数は、送達される投与量のサイズに対応し、検出されるパルスの周波数は、注射中の投与量スピードに比例する。
他の実施態様において、センサー回路は、注射中に移動する駆動メカニズムの特定のコンポーネントをモニターするように適合された位置センサーを含むことができる。この位置センサーは、直線センサー又は回転センサーのいずれかであることができ、センサーの特定の選択肢は、投与量設定及び注射メカニズムの特定の設計にしたがって選択される。例えば、注射中のピストンロッドの移動をモニターする直線位置センサーを設けることができる。代替的に、注射中にピストンロッドと同期して移動するコンポーネントの移動を記録する、位置センサーが設けられる。例えば、デバイスに回転可能に取り付けられ、注射中に回転するコンポーネントを、回転位置センサーによってモニターし、それにより、回転可能に取り付けられたコンポーネントの注射中の回転移動から、投与スピードを計算することができる。
EP1646844B2は、注射可能な薬物を投与するための注射デバイスを開示している。このデバイスは、相互に移動可能な投与デバイスの要素間の位置を測定するための非接触測定ユニットを含み、測定ユニットは、第1の要素に固定され、第1の要素に対して可動である第2の着磁性要素に対向し、回転位置を測定するための回転要素として具現化された、磁気抵抗性センサーを含み、磁気的デバイスは、第1の要素上の永久磁石、及び所定の表面プロファイルを備える第2の着磁性要素から形成され、第1の及び第2の要素が相互に移動されると、第2の要素の表面が、第1の要素の永久磁石からの距離を変化させ、それにより、磁場の変化に起因して、抵抗の測定可能な変化が、磁気抵抗性センサーにおいて発生する。これは、注射可能な薬物送達デバイスのバレル又は本体に組み込まれた多くの追加の可動部分を備える、かなり複雑なシステムであり、このことによって、様々なコンポーネントの潜在的故障のリスクがより高くなり、又は磁石及び着磁性要素の移動間の相互作用、及び発生したそれぞれの信号が妨害される可能性がある。
EP2428238A1は、注射器において投与量を測定するための装置を開示している。この装置は、注射器本体を貫通して、注射器本体にらせん状に可動に連結される、ナンバースリーブであって、投与量測定のためのパターンが、ナンバースリーブの外周上に形成されている、ナンバースリーブ;及びナンバースリーブがらせん移動するときに、ナンバースリーブ上に形成されたパターンを感知するためのセンサーを含む、注射器本体;及びセンサーを通るナンバースリーブのらせん移動距離にしたがって投与量を測定するためのコントローラ、を含む。このデバイスにおいて、薬物送達デバイスの本体に沿って、磁石がらせん状に変位される。本体には、薬物送達デバイスの本体の長手方向軸に沿った、及びその周りの、様々な点に設置された、対応するセンサーが備えられる。この場合もやはり、この解決策は極めて複雑であり、既に複雑な薬物送達デバイスにさらに複雑さを加えるものである。
WO 02/064196 A1は、装置の選択されたパラメーターをモニターする一体化されたセンサーを含む、閉じられたスイッチユニットによって制御される注射装置を開示している。閉じられたスイッチユニットは注射装置内に固定される。少なくとも2対の一体化されたホール素子がセンサーとして使用される。ホール素子は、北極と南極を交互に示す磁化リングと協働する。このリングは、投与手段内に配置され、製品用量を設定するための回転移動にしたがって、注射装置の長手方向軸の周りを移動される。用量設定の体積を測定するために、閉じられたスイッチユニットに対する磁気リングの回転移動を決定することが必要である。
US20060175427A1は、設定要素の位置を検出するための信号を発生することができる少なくとも1つの受動的、非接触センサーを含む、注射装置を開示している。この少なくとも1つの受動的、非接触センサーは、磁気的スイッチ又はリード接点を含む。この発明のいくつかの実施形態によれば、光記録装置又はホールセンサーなどの能動部品を使用するのとは対照的に、磁気的スイッチ又はリード接点などの受動部品をセンサーとして使用してよい。磁気的スイッチ又はリード接点によって回路が遮断されることに起因して、受動的センサーがその静止状態にあるとき、電力は流れない。受動的、非接触センサーは、スイッチオン及びスイッチオフの処理をカウントすることによって設定要素の位置を検出するために、測定回路をスイッチオン又は稼動し、それを再びスイッチオフする、デジタル信号、すなわちオン及びオフを発生する。設定要素が変更されたか否かを確認するために、投与ユニットの回転位置などの、設定要素の位置を、電力などのエネルギーなしで検出することができる。
WO2013050535A3は、磁場を測定するように適合されたセンサーアセンブリと、軸方向と回転の複合移動(回転移動は、軸方向移動と予め決定された関係を有する)によって、2つの位置の間でセンサーアセンブリに対し移動されるように適合された可動要素とを含むシステムを開示している。磁石が、可動要素に取り付けられ、空間的磁場を発生するように構成される。この空間的磁場は、センサーアセンブリに対して、磁石及びしたがって可動要素の、軸方向移動と回転移動の両方に対応して変化する。プロセッサは、磁場の測定値に基づいて、可動要素の軸方向の位置を決定するように構成される。このシステムにおいて、磁場生成手段が、注射可能な薬物送達デバイスの本体内に設置された長手方向駆動ねじ上に設置され、センサーが、前記薬物送達デバイスの長手方向軸に沿って設置される。長手方向軸(これに沿って磁石が移動する)、及びセンサーに可能な限り近接して磁場が発生されるように、このシステムの全体が、薬物送達デバイスの本体内にまたもや設置されることに注意されたい。
WO2014161954A1は、薬物送達システムを開示している。ここで、薬物送達デバイスのハウジングは、前記ハウジングの内側に一体化された、第1の回転部材であって、設定された及び/又は放出された投与量に対応してハウジングに対して回転するように適合され、第1の力伝達表面を含む、第1の回転部材、第2の回転部材であって、設定された及び/又は放出された投与量に対応してハウジングに対して回転するように適合され、第2の力伝達表面を含む、第2の回転部材をさらに含む。ここで、第1の及び第2の力伝達表面の少なくとも一部が、投与量の設定及び/又は放出の間に相互に係合するように適合され、第1の回転部材が、第1の回転部材の回転移動に対応して変化する磁気空間場を生成する磁石を含み、第1の回転部材が、磁性粒子を含有するポリマー材料から完全に形成され、ポリマー材料が磁化されていて、磁気空間場を生成する磁石を提供する。
上記の解決策の全ては、薬物送達デバイスの本体内に、様々なセンサーのかなり複雑な配置及び/又は要素の組織を含み、このことは、さらに、前記薬物送達デバイスをかなり実質的に改変しなければならないことを、一般的に暗示している。
したがって、本発明の目的は、現在入手可能な注射可能な薬物送達デバイスのいずれとも機能することができるが、このような注射可能な薬物送達デバイスの将来の設計とも機能する、投与量制御システムを提供することであり、ここで、注射可能な薬物送達デバイスは、一般的なペン形自己注射器設計に依拠し、この設計において、薬物送達デバイスは、実質的に細長い薬物送達本体、本体によって保持される少なくとも1つの注射可能な薬物、遠位及び近位先端を有する本体を含む。加えて、本発明の別の目的は、同様の、既製品の薬物送達デバイスと比較したときに、注射可能な薬物送達デバイスの実質的な改変、又はそれがユーザのために機能する方法、すなわちその使い方の実質的な改変を必要としない投与量制御システムを提供することである。本発明のさらに別の目的は、前記注射可能な薬物送達デバイスに着脱自在に取り付けられた投与量制御システムを提供することであり、これにより、例えば、薬物送達デバイスの損傷又は薬物送達デバイスの不調の場合に、又は単純に、いくつかの薬物送達デバイスが小さい範囲の薬物の使用可能な投与量のみを送達するように構成されていて、異なる範囲の薬物の使用可能な投与量を有する別の薬物送達デバイスに切り替えることができることが望ましいために、薬物送達デバイスを交換することができる。これらの目的及び他の目的は、以下に示され詳細に説明される様々な実施形態から明らかになるだろう。
したがって、本発明の1つの実施形態は、注射可能な薬物送達デバイスに適合した投与量制御システムである。この薬物送達デバイスが、実質的に細長い薬物送達本体、本体によって保持される少なくとも1つの注射可能な薬物、遠位及び近位先端を有する本体を含み、投与量制御システムが、
-3軸(x、y、z)に沿って磁場を生成するための、3次元磁場生成手段;
-少なくとも、3次元磁場生成手段によって生成された磁場の変化を検出するように構成される、磁場検出手段;
-薬物送達デバイスの相対変位又は相対移動を測定するように構成される、変位検出手段、及び
-一体化された制御ユニットであって、磁場検出手段及び変位検出手段の両方から受信された情報を処理するために、一体化された制御ユニットが、磁場検出手段に、及び変位検出手段に、連結される、一体化された制御ユニット
を含み、
-3次元磁場生成手段が、薬物送達システムの長手方向軸の周りの、及び任意選択的に薬物送達システムの長手方向軸に沿った、回転同軸変位を生じさせるように構成され;
-磁場検出手段が前記長手方向軸に沿って設置され;及び
-3次元磁場生成手段が、薬物送達デバイスの本体の近位先端に、又はその近くに、着脱自在に設置される。
本発明の投与量制御システムの別の実施形態によれば、前記投与量制御システムが、前記注射可能な薬物送達デバイスの外周面に、着脱自在に取り付けられる。
本発明の投与量制御システムのさらに別の実施形態によれば、薬物送達デバイスが、投与量セレクターシャフトを含み、3次元磁場生成手段が、前記投与量セレクターシャフトの周りに、その近位先端で、取り付けられる。
本発明のさらに別の実施形態において、投与量セレクターシャフトが、薬物送達デバイスに対する3次元磁場生成手段の変位を起こすように構成され、それにより前記3次元磁場生成手段が、薬物送達デバイスの本体から離れて近位方向に、且つ薬物送達デバイスの本体に向かって遠位方向に、移動するように構成される。
本発明に係る別の実施形態において、磁場検出手段及び変位検出手段が、薬物送達デバイスの本体に着脱自在に取り付けられる。
本発明に係る投与量制御システムのまたさらに別の実施形態において、磁場検出手段及び変位検出手段が、薬物送達デバイスの本体に、実質的にその遠位先端で、着脱自在に取り付けられる。
本発明に係るさらに別の実施形態において、磁場検出手段が、地球の磁場(EMF)を検出するようにさらに構成される。
本発明の別の実施形態において、磁場検出手段が少なくとも1つの磁力計を含む。
本発明の別の実施形態によれば、磁場検出手段が、少なくとも2つの磁力計を含む。
本発明のさらに別の実施形態において、磁場検出手段が、少なくとも第1の磁力計及び第2の磁力計を含み、第1の磁力計及び第2の磁力計が、並行して動作するように構成され、3次元磁場生成手段が、それらから離れて近位に、又はそれらに向かって遠位に、変位されるときに、両方の磁力計が磁場の変化を同時に検出する。
さらに別の実施形態によれば、磁場検出手段が、少なくとも第1の磁力計及び第2の磁力計を含み、第1の磁力計及び第2の磁力計が、順次に動作するように構成され、それにより、3次元磁場生成手段が、それらから離れて近位に、又はそれらに向かって遠位に、変位されるときに、第1の磁力計が、磁場の所定の値が検出されるまで、磁場の変化を検出し、次いで第2の磁力計が、前記所定の値を超える磁場の変化を検出するように稼動される。
本発明のまたさらに別の実施形態において、変位検出手段が、少なくとも1つの加速度計を含み、この少なくとも1つの加速度計が、
-投与量セレクターシャフトの振動によって引き起こされる、加速度の相対移動;及び/又は
-注射位置とパージ位置との間の、薬物送達デバイスの位置移動
を検出するように構成される。
本発明のさらなる実施形態において、投与量制御システムが、通信手段をさらに含み、前記通信手段が、一体化された制御ユニットからの情報の、リモート及び/又はローカルデータ処理システムとの通信を可能にするように構成される。
本発明のさらに別の実施形態において、リモート及び/又はローカルデータ処理システムが、スマートフォンアプリケーションを含む。
本発明のまた別の実施形態において、投与量制御システムが、一意識別子をさらに含み、前記一意識別子が、リモート及び/又はローカルデータ処理システムに伝えられる。
本発明の別の実施形態において、投与量制御システムが、温度検出手段をさらに含む。
本発明の別の実施形態において、投与量制御システムが、時間決定手段をさらに含む。
本発明のさらなる実施形態において、投与量制御システムが、自律型電源手段をさらに含む。
本発明のまたさらに別の実施形態において、前記投与量制御システムが、既製の注射可能な薬物送達デバイスと比較したときに、前記薬物送達システムの使い方を妨げない又は変更しないことができるように構成される。
本発明のさらに別の実施形態において、前記磁場検出手段、前記変位検出手段、前記一体化された制御ユニット、前記自律型電源手段、及び前記通信手段が全て、第1の着脱自在に取り付け可能なハウジング内に設置され、前記第1の着脱自在に取り付け可能なハウジングが、前記注射可能な薬物送達デバイスの本体に着脱自在に取り付けられ、前記注射可能な薬物送達デバイスの本体を包むように構成され、前記3次元磁場生成手段が第2のハウジング内に設置され、前記第2のハウジングが、前記注射可能な薬物送達デバイスの前記本体の投与量セレクターシャフトに着脱自在に取り付けられ、前記注射可能な薬物送達デバイスの前記本体の投与量セレクターシャフトを取り囲むように構成される。
本発明に係るさらに別の実施形態において、注射可能な薬物の投与計画における処置の遵守を向上するための方法が提供され、前記方法が、
-注射可能な薬物送達デバイスの外周面に着脱自在に取り付けられた、投与量制御システムを提供するステップであって、前記注射可能な薬物送達デバイスが、実質的に細長い薬物送達本体、本体によって保持される少なくとも1つの注射可能な薬物、遠位及び近位先端を有する本体を含む、ステップ;
-投与量制御システムの操作を介してユーザにより設定された投与量を決定するステップ;及び
-薬物送達デバイスの動作ステイタスを決定するステップ;
-前記投与量決定又は前記動作ステイタス決定から得られた情報を、リモート及び/又はローカルデータ処理システムに中継するステップ
を含む。
さらに別の実施形態において、注射可能な薬物の投与計画における処置の遵守を向上するための方法が、
-注射可能な薬物の実際の注射投与量を検証するステップ
をさらに含む。
またさらに別の実施形態において、注射可能な薬物の投与計画における処置の遵守を向上するための方法が、ユーザ設定投与量の決定を含み、前記決定が、
-投与量セレクターシャフトに着脱自在に取り付けられた3次元磁場生成手段を、薬物送達デバイスの前記本体の長手方向軸の周りで回転させるステップ;
-薬物送達デバイスの本体に着脱自在に取り付けられた磁場検出手段を介して、少なくとも2つの直交する次元、好ましくは3つの直交する次元(x、y、z)において生成された磁場の変化を検出するステップ;
-一体化された制御ユニットを介して、磁場検出手段によって検出された磁場の変化を、回転された3次元磁場生成手段の角位置と相関させるステップ;
-前記角位置を対応する投与量に相関させるステップ
によって行われる。
注射可能な薬物の投与計画における処置の遵守を向上するための方法の別の実施形態において、薬物送達デバイスの動作ステイタスの決定が、以下のステップのうち1又は複数を含む:
-薬物送達デバイスの位置移動を、薬物送達デバイスの本体に着脱自在に取り付けられた変位検出手段を介して検出して、デバイスがパージ位置にあるのか、それとも注射位置にあるのかを決定するステップ;
-薬物送達デバイスの本体によって保持される薬物の温度を、温度検出手段を介して検出し、前記温度が薬物の投与のための許容される動作限界内にあるかどうかを決定するステップ;
-自律型電源のレベルを検出するステップ;及び
-投与量制御システムが休止状態にあるのか、それともアウェイク状態にあるのかを検出するステップ。
注射可能な薬物の投与計画における処置の遵守を向上するための方法のさらに別の実施形態において、注射可能な薬物の実際の注射投与量の検証が、
-投与量設定の検証を、薬物送達デバイスの本体に着脱自在に取り付けられた変位検出手段を介して検出するステップであって、前記検証が、投与量セレクターシャフトの遠位先端でのユーザのクリック行為によって引き起こされる、ステップ;
-ユーザの前記クリック行為と、薬物の実際の注射との間の経過時間を測定するステップ;
-ユーザの前記クリック行為と、実際の注射が起こる時間との間の経過時間を、記憶された値の許容されるセットに相関させて、選択された用量を、注射可能な薬物の実際の注射用量として検証するステップ
によって行われる。
またさらに別の実施形態において、注射可能な薬物の投与計画における処置の遵守を向上するための方法がさらに定義され、ここでユーザ設定投与量の決定が
-投与量セレクターシャフトに着脱自在に取り付けられた3次元磁場生成手段を、薬物送達デバイスの前記本体の長手方向軸の周りで回転させるステップであって、各回転移動が、一連の1又は複数の可聴クリックを発生し、各回転クリックもまた、振動及びデバイスにおける対応する相対変位移動を生成する、ステップ;
-各回転クリックによって生成されたデバイスにおける相対変位移動が、変位検出手段によって検出されるステップ
によって行われる。
注射可能な薬物の投与計画における処置の遵守を向上するための方法の別の実施形態において、投与量セレクターシャフトの各回転クリックが、デバイスの長手方向軸の周りの磁場生成手段の回転変位に対応する。
注射可能な薬物の投与計画における処置の遵守を向上するための方法のまたさらに別の実施形態において、変位検出手段が、1Hz~2KHzに含まれる最大分解能を有する。
注射可能な薬物の投与計画における処置の遵守を向上するための方法のまたさらなる実施形態において、変位検出手段が、約0.5G~約16Gの加速度変位を検出するように構成される。
注射可能な薬物の投与計画における処置の遵守を向上するための方法の別の実施形態において、磁場検出手段が、約0.5ガウス~約32ガウスの磁場の変化を検出するように構成される。
本発明の様々な実施形態において述べたように、投与量制御システムは、3次元磁場を生成するための手段を含む。磁場生成手段は、3つの互いに垂直の軸、x、y及びzにわたって延在する磁場を生成する。発明の詳細な説明に関して分かるように、この3次元磁場は、注射可能な薬物送達デバイスの本体の長手方向軸に関連して、磁場生成手段の投与量制御システムにおける角回転位置を計算するために使用され、その角回転位置が分かると、対応する投与量を計算する。
本発明において、磁場を生成するための様々な手段を使用することができ、これには例えば、古典的磁石、電磁石、混合材料磁石などがあり、これらは全て本技術分野で一般に知られている。このような磁石は、典型的には、磁気性又は常磁性(これが、自然のものか、あるいは電気又は他の励磁流が前記材料横断し又はこれに影響を及ぼして、前記材料において磁場を生成又は誘導する場合のものかにかかわらず)を有する着磁性材料から作られる。適切な材料は、以下のものから適宜選択することができる。
-フェライト磁石、特に、例えば、鉄、酸素及びストロンチウムの結晶質化合物を含む焼結フェライト磁石。
-熱可塑性マトリクス及び等方性ネオジム-鉄-ホウ素粉末から成る複合材料。
-熱可塑性マトリクス及びストロンチウム系硬質フェライト粉末で構成される複合材料であって、それにより結果として得られる磁石が、等方性、すなわち配向されていない、又は異方性、すなわち配向された、フェライト粒子を含有することができる、複合材料。
-熱硬化性マトリクス及び等方性ネオジム-鉄-ホウ素粉末で作られた複合材料。
-例えば、合成ゴム又はPVCと混合され、それに続いて所望の形状に押し出されたか又は微細なシートにカレンダー成形された、強く帯電したストロンチウムフェライト粉末で生成された、磁気的エラストマー。
-可撓性のカレンダー成形された複合材料(これは一般に、褐色シートの外観を有し、その厚さとその組成に応じて多かれ少なかれ可撓性を有する)。これらの複合材料は、ゴムのように弾性では決してなく、60~65ショア D ANSIの範囲のショア硬度を有する傾向がある。このような複合材料は一般に、ストロンチウムフェライト粒で帯電した合成エラストマーから形成される。結果として得られる磁石は、異方性又は等方性であることができ、シートのバラエティーは一般に、カレンダー成形に起因する磁性粒子整列を有する。
-軟質鉄極板と共に積層された、上記のような可撓性複合材料を一般に含む、積層複合材料。
-ネオジム-鉄-ホウ素磁石。
-アルミニウム-ニッケル-コバルト合金で作られ磁化されたスチール。
-サマリウム及びコバルトの合金。
磁場生成手段の上記のリストのうち、ポリマーマトリクス、例えば熱ポリマーマトリクス、及びそこに包埋された磁性又は着磁性粒子を含むものは、様々な所望の構成に射出成形することができ、適切な強度の磁場を与えることができるため、特に良好な結果を与えることが見出されており、これは本発明にとって、およそ0.5ガウス~約32ガウスの磁場を生成する磁石である。これらの製品は一般に、プラスト磁石(plastomagnet)としても知られており、さまざまなプラスト磁石がArelec(フランス)から入手可能である。
以下に与えられる詳細な説明から分かるように、3次元磁場生成手段は、実質的に環状の形状である。「実質的に環状の形状」というフレーズによって、磁場生成手段が、円形、楕円形、又はさらなる任意の適切な多角形形状が可能な、一般的なリング形状を画定する、ということが理解されるべきである。いくつかの例では、磁場生成手段は、少なくとも1対の対向する磁極をそれぞれ有する、例えば、弓状、4分の1球状、又は半球状の、磁場生成材料の1又は複数の別個の又は不連続のセグメントで構成することができる。しかしながら、実質的に環状リングの形状の3次元磁場生成手段が、磁性又は着磁性材料の単一のブロックで作られることが好ましく、磁場生成手段の多極性ブロックを設けることが可能であるが、3次元磁場生成手段において、2つの磁極(一方は、他方の極性とは逆である)のみを有することが好ましい。
本発明の3次元磁場生成手段は、薬物送達システムの長手方向軸の周りの、及び任意選択的に薬物送達システムの長手方向軸に沿った、回転同軸変位を生じさせるように構成される。この回転変位は、投与量セレクターシャフトの回転変位と一致し、これは、磁場生成手段を長手方向軸の周りで回転させることにより、前記シャフトが同じ方向に回転し、クリック音を発生することを意味する。加えて、このような投与量セレクターシャフトを備えた薬物送達デバイスに一般に適用可能であるように、注射すべき投与量を増加させると、磁場生成手段は、薬物送達デバイスの本体の近位先端から離れて、すなわち近位に、投与量セレクターシャフトと共に長手方向に平行移動することができる。反対に、投与量が低減されると、磁場生成手段は反対方向に回転し、デバイスの長手方向軸に沿って、デバイスの近位先端に向かって戻るように遠位に、長手方向に平行移動することができる。本発明に係る別の実施形態において、投与量セレクターシャフトは、長手方向の平行移動を可能にするようには構成されていない。これは、投与量セレクターシャフトが長手方向軸の周りに単に回転するように構成されており、この回転移動が、時計回りであろうと逆時計回りであろうと、選択された投与量を画定することを意味する。この投与量制御システムは、このような薬物送達デバイスにもそれに応じて適合させることができる。
加えて、磁場生成手段は、磁場検出手段によって検出されるのに十分な磁場を提供するように寸法決めされるが、余分な体積を投与量制御システムに加え、これにより、本発明に係るこのような投与量制御システムを有さない薬物送達デバイスと比較したときに、通常の動作において薬物送達デバイスのユーザ又は使用を妨害することのないようにも寸法決めされる。
本発明に係る投与量制御システムにおいて、磁場検出手段が存在し、少なくとも、3次元磁場生成手段によって生成された磁場の変化を検出するように構成される。加えて、前記磁場検出手段は、地球上に常に存在し、場所によってわずかに異なる地球の磁場(EMF)を検出するように構成することもできる。地球の磁場の検出を含む理由の1つは、前記磁場によって引き起こされる干渉及び磁場生成手段によって生成された磁場において検出される変化を除外することができるようにするためである。磁場検出手段は主に、磁場生成手段の移動によって生成される磁場の変化を測定するために使用され、詳細な説明から分かるように、注射可能な薬物送達デバイスを介する投与のために選択された投与量を決定する目的で、磁場生成手段の角回転位置を計算するために使用される。当然ながら、回転移動に関連する角位置を検出するのに適切な他の手段、例えば、ポテンショメータ、符号化ホイールなどが存在する。しかしながら、特に、本発明に係るシステムが、注射可能な薬物送達デバイス、例えば自己注射器ペンに着脱自在に取り付けられることが意図され、したがって扱いにくくてかさばる追加のコンポーネントは一般に好ましくないという事実に関して、ポテンショメータ、符号化ホイールの両方は一般に、本発明に係る投与量制御システムのような投与量制御システムには、かさばりすぎる。
磁場を検出して回転角位置を決定するための他の手段もまた、本技術分野で知られている。例えば、磁気抵抗器は周知の手段であり、そのいくつかは先行技術のシステムにおいて使用されている。このような磁気抵抗器はしばしば、それらの略語、例えばAMR、GMR、TMRセンサーによって指定される。このような略語は、物理的メカニズムを指定し、この物理的メカニズムによって、これらのセンサーコンポーネントが機能する。巨大磁気抵抗(GMR)は、交互の強磁性層と非磁性導電層から構成される薄膜構造において観察される、量子力学的磁気抵抗効果である。異方性磁気抵抗、又はAMR、は、電流の方向と磁化の方向との間の角度に対する電気抵抗の依存性が観察される材料に存在すると言われている。トンネル磁気抵抗(TMR)は、薄い絶縁体によって分離された2つの強磁性体から成るコンポーネントである、磁気トンネル接合(MTJ)において起こる、磁気抵抗効果である。これらの様々な特性を使用する抵抗器は、それ自体が既知である。それらを、本投与量制御システムにおいて、磁場、及び磁場生成手段の変位及び/又は地球の磁場によって生じる磁場の変化を検出するための手段として、使用することは可能であるが、それらは、対応する等価寸法及び磁場強度の磁場生成手段が、前記GMR、AMR、又はTMRセンサーから約25mm以下だけ離れて移動される、投与量制御システムに限定される。これは、既知の先行技術解決策の大部分が、常に、薬物送達デバイスの本体内に一体化されたそれらのセンサー及び磁場生成手段を、グループ化して、短い距離にわたり、有している理由を、あるいはピストン長さの全体の利用可能な距離をカバーして、薬物送達デバイス(これは、多くの場合、最大40mmの最大経路長を有する可能性がある)の全ての可能な検出可能且つ使用可能な投与量をカバーするために、4以上の整列された磁気抵抗性センサーを提供しなければならなかった理由を説明するだろう。
上記に照らして、本発明の投与量制御システムは好ましくは、磁力計、例えば、少なくとも1つの磁力計、及びより好ましくは少なくとも2つの磁力計を使用する。これらの磁力計は、それらが磁場強度、及びその変化を直接に測定するという点において、GMR、AMR又はTMRセンサーとは異なる。磁力計は、磁場を2つの主な方法で測定する:ベクトル磁力計は、磁場のベクトル成分を測定し、全磁場磁力計又はスカラー磁力計は、ベクトル磁場の大きさを測定する。別のタイプの磁力計は絶対磁力計であり、これは、磁気的センサーの内部キャリブレーション又は既知の物理定数を使用して、絶対的な大きさ又はベクトル磁場を測定する。相対磁力計は、固定されているがキャリブレーションされていないベースラインに対して大きさ又はベクトル磁場を測定し、バリオメーターとも呼ばれ、磁場の変動を測定するために使用される。本発明に係る投与量制御システムにおいて使用するのに適切で好ましい磁力計は、ST Microelectronicsから入手可能な超低電力高性能3軸磁気センサー(例えばLIS3MDL)である。磁力計が3つの垂直の軸にわたって磁場の変化を検出することができることが好ましいが、3次元磁場生成手段によって生成された磁場の3つの軸のうち、わずか2つにわたって磁場の変化を測定することができるということも想定される。LIS3MDLなどのデバイスは、フルスケールにわたり±4/±8/±12/±16ガウスまで磁場を検出するように構成することができる。しかしながら、さらにより高い磁場、例えば32ガウスを検出することができる磁力計を使用することも有用且つ有利である可能性がある。したがって、本発明において、磁力計が約0.5ガウス~約32ガウスの磁場を検出するように構成されることが好ましい。
上述のように、本発明の投与量制御システムはまた、薬物送達デバイスの相対変位又は相対移動を測定するように構成される、変位検出手段を含む。このような変位検出手段は典型的には、例えば、投与量セレクターシャフトの移動を記録する手段として、音を使用することができる。これは、このような投与量セレクターシャフトはしばしば、歯付きシリンダーを介して、クリック音を立てるように構成されるためである。歯付きシリンダーは、例えば、内部壁又は歯に合う前記内部壁の対応する凹部又は空洞に対してラチェット式に動き、薬物送達デバイスの長手方向軸の周りで回転させると、前記凹部又は空洞の内外に歯を駆動し、可聴クリックを引き起こす。これにより、クリック音は、ユーザに与えられ得る任意の他の視覚的な合図を助長する。各クリックは一般に、回転の方向に関わりなく、長手方向軸の周りのシャフトの回転の角度を表し、選択された投与量に対応する。しかしながら、投与量セレクターシャフトが、非常に迅速に、又は時計回り及び反時計回りに続け様に、又はその逆に、回転されると、クリックの可聴合図単独のみによって、どの投与量が選択されたかを知ることはほぼ不可能になる。したがって、出願人は、投与量セレクターシャフトが回転されて1又は複数のクリックを発生するときに、投与量セレクターシャフトの振動によって誘導される移動を測定することを選択した。なぜなら、振動が、検出することができる相対移動を提供するためである。これらの移動は、わずかな加速度に対応し、本発明の変位検出手段として好ましい手段である、対応する加速度計を使用することにより、適宜検出及び測定することができる。なぜならば、3つの垂直の軸に沿った加速度移動を検出するようにそれらを構成することができ、また、前記薬物送達デバイスのための、デバイスの通常の使用に対応する、注射可能な製品を投与するためのその使用の様々な段階での、所定の標準的な加速度移動のセットと比較するために、移動間の時間を測定することができるためである。例えば、薬物送達デバイスが実質的に水平位置にあるとき、又は実質的に垂直位置、すなわちパージ位置又は注射位置のいずれかにあるとき、加速度計は、低周波数振動の実質的に一定の信号を検出し、これをデバイスのベースラインとして使用することができる。投与量セレクターシャフト、又は注射器を準備する又は注射を行うためのエンドボタンが、稼動又は回転されるとすぐに、それによって発生した振動が、低周波数ベースラインと比べて高周波数のスパイクとして、捕捉される。これらの高周波数振動をサンプリングして分析し、その結果を次いで使用して、どの動作がユーザによって行われたかを決定することができる。多くの異なるタイプの加速度計が市場に存在するが、出願人は、ST Microelectronicsから、商品番号LIS331DLHで入手可能なものなどの、低gの3軸加速度計を好む。加えて、このような加速度計はまた、有利には、温度を決定するための手段を含む。すなわち、それらは、内蔵型温度センサーを有する。内蔵型温度センサーは、薬物送達デバイスに含まれる薬物製品が、薬物製品を使用することを安全でないものとする可能性がある過度の温度に暴露されたかどうかを決定するのを補助することができる。変位検出手段が、デバイスによって放出される振動の源に、できるだけ近く設置される場合が特に有利であることが判明している。
前のパラグラフにも示されているように、磁場検出手段は、注射可能な薬物送達デバイスの長手方向軸に沿って設置される。このようにして、様々な検出手段をその長手方向軸に沿って配置することによって、投与量制御システムの全体の体積を低減することが可能である。さらなる利点は、軸方向の整列が、磁場の潜在的な歪みを回避することである。磁場の潜在的な歪みは、磁場検出手段が、例えば、前記長手方向軸に垂直に又は角度をなして設置された場合に、見いだされる可能性があり、測定を妨げるか、又はさもなくば、任意のそのような歪みを考慮に入れるためにより複雑な計算を必要とするだろう。
変位検出手段、磁場検出手段及び磁場生成手段の間の相互作用は、本発明の特徴の興味深い組み合わせの1つである。
投与量制御システムはまた、有利には、磁場検出手段及び変位検出手段の両方から受信された情報を処理するために、磁場検出手段に、及び変位検出手段に連結された、一体化された制御ユニットを含む。この一体化された制御ユニットは、例えば、適切に低減された寸法の、例えばおよそ長さ45mm×幅15mm、深さ1.5mmの、プリント回路基板上に取り付けることができる。一体化された制御ユニットは、投与量制御システムの異なる電子部品間の全ての電気通信及び信号伝達を処理する。それはまた、投与量管理システムの実行、及び磁場生成手段の正確な位置が計算及び決定されることを可能にする計算、並びに移動検出手段、自律型電力手段、通信手段(これは、例えばスマートフォン上の、ローカル又はリモートデータ処理システムとの通信手段)からの信号の処理に関与している。それは、一体化された制御ユニットを含む今日の他の電子デバイスと同様に、遠隔で、最初に使用する際にプログラムすることができ、又は情報及び更新を受信することができる。このような一体化された制御ユニットは、それ自体が既知であり、しばしば、中央処理装置、リアルタイムクロック、1又は複数のメモリ記憶装置システム、及び任意選択的に通信システム又はサブシステムを、他の所望のコンポーネントと共に、一体化する。
本発明の投与量制御システムは、薬物送達デバイスの本体に着脱自在に取り付けられているだけでなく、磁場の微妙な変化に起因して角位置の変化の検出を正確に提供し、これにより、コンポーネントの全てを薬物送達デバイスの本体内に配置する必要なく、対応する選択された投与量を計算することもできる、投与量制御システムを提供するという点で、過去の解決策と決別するものである。実際、本発明の投与量制御システムは、現在市場に出回っている様々な異なる薬物送達デバイス(具体的には、しかし排他的にではなく、患者の自己投薬のために現在卸されているインシュリン自己注射器ペン)と共に使用することのできる、着脱自在に取り付け可能なシステムを、出願人が提供することを可能にした。
本発明を、添付の図に関連して、さらに説明する。添付の図は、本発明の実施形態を例示する、例示的且つ非限定的な目的のために提供される。
図1は、本発明に係る投与量制御システムの一例の模式図である。
図2は、システムの一部の機能の概略フローチャートである。
図3は、注射可能な薬物送達デバイス(この場合、インシュリン自己注射器ペン)に取り付けられた、本発明に係る投与量制御システムの断面略図である。
図4は、着脱自在に取り付け可能な本発明に係る投与量制御システムの、取り付けられていない又は「フリーな」状態の、クローズアップ概略断面図である。
<詳細な説明>
ここで図1を参照すると、本発明に係る投与量制御システム(1)のコンポーネントの模式図が示されている。このような投与量制御システムは、例えば、一体化された制御ユニット(2)を含み、この一体化された制御ユニット(2)は例えば、プリント回路基板又は等価物(その上に、様々なコンポーネントが取り付けられて相互に連結している)の上に取り付けられる。一体化された制御ユニット(2)は、知られているように、ケイ素などに彫り込まれた又はエッチングされた回路から構成されることもできる。実際、必要に応じて、本技術分野で一般に知られているように、事実上、投与量制御システム全体を、単一又は複数の、ケイ素又は他の同様の半導体材料の相互に連結されたブロックに彫り込むことができる。一体化された制御ユニット(2)は、中央処理装置(CPU、3)を含む。中央処理装置(CPU、3)は、システムの様々なコンポーネント間の信号及び通信の処理及び管理に関与しており、また、システム内に記憶された、又は前記システム上で遠隔で動作可能な、プログラムコードの計算及び実行にも関与している。一体化された制御ユニット(2)は加えて、投与量制御システム内での時間を維持及び測定するための、リアルタイムクロック(RTC、4)を含む。リアルタイムクロック(RTC、4)はまた、中央処理装置(CPU、3)と一体化することもでき、例えば、中央処理装置(CPU、3)がエネルギーを送られている間、システム内の様々なイベントの時間及び時間差を計算するために、周波数測定を使用する。投与量制御システムはまた、通信サブシステム(COM、5)、例えば、低電力消費ブルートゥース無線デバイスを備える。この通信サブシステムは、投与量制御システムがローカル又はリモートデータ処理システム(示されず)と通信することを可能にする。ローカル又はリモートデータ処理システムとしては、例えば、スマートフォン及び対応するスマートフォンアプリケーションがあり、これらは、投与量制御システムの使用時に、情報及びフィードバックをユーザに提供するために使用される。加えて、システムはまた、一過的に又は永続的に、システム内に情報を記憶するための、何らかの形態のメモリ記憶装置(MEM、6)を有する。このような情報は、様々なソースに由来し、システムの他のエンドポイントから測定又は決定された値又は信号、中央処理装置(CPU、3)によって計算又は記憶された値、スマートフォンなどのリモート又はローカルデータ処理システムから受信された値又はデータ、システムのキャリブレーションのための工場設定、デバイスを一意に識別する一意識別子手段又はデータ、などがある。このようなメモリ記憶装置システム(MEM、6)は、それ自体が当業者に公知である。
一体化された制御ユニット(2)、及びその延長で、中央処理装置(CPU、3)は、少なくとも1つの加速度計(ACC、7)及び少なくとも1つの磁力計(MGR、8)とも通信する。加速度計(ACC、7)は、薬物送達デバイスの加速度に起因する相対移動の変化の検出及び/又は測定に関与している。この薬物送達デバイス上に、予め決定されプログラムされた一連の参照位置に関して、ユーザによって保持される水平から垂直までの位置、又はそれらの間の任意の位置に、投与量制御システムが取り付けられる。加速度計(ACC、7)はまた、投与量セレクターシャフトを介して、ユーザが用量をセットする(これは、薬物送達デバイスの振動、すなわち、加速度計(ACC、7)によって検出可能な加速度の相対移動を引き起こす)ときの、薬物送達デバイスの加速度に起因する相対移動の変化の検出及び/又は測定にも関与している。加速度計(ACC、7)から中央処理装置(CPU、3)に伝えられる、加速度の相対移動の強度及び周波数は、ユーザが行った動作のタイプを決定するために使用される。このような加速度の相対移動は、薬物送達デバイスによって生じるクリックによって引き起こされる振動を含む可能性がある。例えば、様々な薬物(例えばインシュリン、ATPなど)の自己注射のための、自己注射器薬物送達デバイス(例えばペン)の大多数において、これらのクリックは、可聴合図信号をユーザに提供して、ユーザによって行われた様々な動作を示すが、このクリックはまた、加速度計によって適切にピックアップされることのできる、薬物送達デバイス内の振動を生成する。
磁力計(MGR、8)も、中央処理装置(CPU、3)に連結される。このコンポーネントは、磁力計(MGR、8)と可動の離間関係にある磁石(MAG、9)の移動によって生成される、磁場の変化の検出に関与している。磁力計は、複数の軸、例えば、1、2、3又はそれ以上の軸に沿って、磁場の変化を検出することができるが、2又は3軸に沿って磁場の変化を検出することが好ましい。通常、これらの軸は、3次元磁場検出ゾーンを提供するために、互いに垂直である。磁石(MAG、8)が変位するときの対応する磁場の変化を検出することができるように、少なくとも1つの、及び好ましくは2つの、磁力計が設置される。投与量制御システムが取り付けられる薬物送達デバイスが長手方向軸を有するため、少なくとも1つの磁力計(MGR、7)も前記長手方向軸に沿って設置することが好ましい。好ましい一実施形態において、システムは2つの磁力計を含み、これらは、投与量制御システムが前記デバイスに取り付けられたときに、薬物送達デバイスの長手方向軸に沿って軸方向に整列して、設置される。このため、投与量制御システムはサイズ及び寸法が小型のままであることができ、これにより、ユーザによる薬物送達デバイスの、通常の習慣的な操作に、負の影響を及ぼさない又はそれを妨げない。地球の磁場及びその変化が、投与量制御システムの磁場生成手段に関して磁力計(MGR、7)によってなされる測定に影響を与える可能性があるため、磁力計はまた、地球の磁場、及びその、ユーザが薬物送達デバイスと共に移動するときに生じ得る任意の変化を検出するようにも、適切に構成される。
本例示的なデバイスにおける磁場生成手段は、磁石(MAG、9)を含む。1つの特に好ましい実施形態において、磁石は、3つの垂直に配置された軸(x、y、z)に沿って、3次元磁場を生成する。上述のように、磁力計(MGR、7)は、磁石(MAG、9)が薬物送達デバイスの近位先端から離れて近位に、又は薬物送達デバイスの近位先端に向かって遠位に、変位したときに、磁石(MAG、9)によって生成される磁場の変化を検出する。この磁場変化の検出は、磁力計(MGR、7)と磁石(MAG、9)との間に電気的又は電子的又は物理的接触を形成せずに行われ、非接触システムとして投与量制御システムを指定することにつながる。磁石は好ましくは、中央に穴を備える実質的に環状の形状を有し、任意の適切な磁性又は着磁性材料で作ることができる。これらの材料の詳細は、本明細書の他の場所に記載される。したがって、磁石(MAG、9)を、薬物送達デバイスの投与量セレクターシャフトに取り付けることができる。この投与量セレクターシャフトは、薬物送達デバイス及び磁力計の両方の長手方向軸と、長手方向軸線方向に整列している。投与量セレクターシャフトはほぼ棒状である。そのため、実質的に環状の磁石をシャフト上で着脱自在にスライドさせ、薬物送達デバイスの近位先端の周りに3次元磁場を生成することができる。磁石は、ユーザによって回されたときに前記シャフトに回転移動を付与することができるように、投与量セレクターシャフトに着脱自在に取り付けられる。回転は、時計回りの方向及び逆時計回りの方向の両方で起こることができる。磁石は2つの対極を有し、各極は、環状磁石の半分、又は半球部分を実質的に構成する。磁石が回転すると、これらの対極も、デバイスの長手方向軸の周りを回転する。1、2又は3軸に沿った既知の磁場強度の第1の参照点は、磁力計によって検出され、この情報は、投与量制御システムに、例えばメモリ(MEM、6)に、中央処理装置(CPU、3)を介して、記憶される。一般に、この第1の位置は、薬物送達デバイスの近位先端に最も近い磁石(MAG、9)の位置に対応することとなり、投与量セレクターシャフトは、その位置を超えて、所定の方向にさらに回転することができない。ユーザが、磁石(MAG、9)を許容される回転方向に回転し、それに対応して投与量セレクターシャフトの回転移動がインデックスされると、磁石、及び投与量セレクターシャフトの近位先端が、薬物送達デバイスの本体の近位先端から離れて近位方向に、しかし概してデバイスの長手方向軸に沿って、長手方向に移動する。磁石(MAG、9)が前記長手方向軸の周りを回転し、それに沿って平行移動すると、磁場及び極性の変化が、適切に配置された磁力計(MGR、8)によって検出される。磁場の変動は、中央処理装置(CPU、3)によって、ベクトル及び係数を含む数学的成分に分解することができ、そこから回転の角位置が計算され、磁力計(MGR、8)に関する磁石の角位置及び距離を極めて正確に決定することができる。これらの位置は、ルックアップテーブルにおいてユーザにより選択された又は選択可能な投与量と相関する。このルックアップテーブルは、好ましくはシステム内に記憶され、又は代替的にリモートデータ処理ユニット(例えば、スマートフォンなど)内に記憶される。ここで、長手方向軸に沿った、磁石(MAG、9)の許容される移動及び回転の最大及び最小距離は、薬物送達デバイスによって許容される最大及び最小用量に対応する。このようにして、投与量制御システムは、薬物送達デバイスの通常の使い方を妨害又は変更することなく、磁石(MAG、9)の任意の所定の回転及び並進移動点で、ユーザによって選択された投与量の正確な表示を、ユーザに提示することができる。本発明の例示的な投与量制御システムにおいて、磁力計は、±4ガウス~±16ガウスの磁場を検出することができるように構成され、感度又は分解能は、±4ガウスで約6842LSB/ガウス~±16ガウスで約1711LSB/ガウスである。このことは、投与量制御システムが好ましくは、長手方向軸の周りの0.9°の磁石及び投与量セレクターシャフトの角回転に対応する磁場の変化を検出することができる分解能を有することを意味する。しかし、上述のように、様々なコンポーネントの分解能及び感度を、回転可能な投与量セレクターシャフトを介して同じように機能する任意の薬物送達デバイスに対応するように構成することができる。
図1には、電源(POW、10)も示されている。これは一般に、携帯用の、自律型電源、例えば、1又は複数の電池、又は再充電可能な電力素子であり、例えば、デバイスが直接操作されていないときであっても、システム全体に十分な電力を供給することができる。一体化された制御ユニット(2)は、加えて、電力管理ユニットを含むことができる。この電力管理ユニットは、前記自律型電源の寿命を最大限にするために、様々なコンポーネントを含むシステムへの電源電圧を調節する。電源はまた、ユーザ稼動式ウェイクアップボタン(WAK、11)と通信することもでき、このボタンによって、ユーザは、投与量制御システムを、休止又はスリープ状態からウェイクアップすることができる。
投与量制御システムはまた、発光信号(LIG、12)、例えば、LEDをさらに含むこともできる。この発光信号は、検出されたイベント又は条件にしたがってデバイスのステイタスを示し、中央処理装置(CPU、3)によって管理され、例えば緑色、赤色、青色及び白色の発光の、それぞれの色が、投与量制御システムのある特定の状態又は条件に対応する。
またさらなる実施形態において、投与量制御システムは、中央処理装置(CPU、3)と通信するアラーム(ALA、13)システムを含むこともできる。アラームシステムは、例えば、システムの不調の場合に、又は注射が失敗した場合に、又はシステム内で検出された任意の他の適切な条件又はイベントについて、可聴アラームを発するように構成することができる。
図2は、本発明に係る投与量制御システムの機能の概略ブロック図である。第1のステップにおいて、クリックが、加速度計(ACC、7)によってピックアップされる振動を発生すると、加速度計によって、回転式投与量セレクターシャフトのホイールクリックの検出(14)を行う。次いで、投与量セレクターシャフトと同時に回転する磁石(MAG、9)の、磁力計(MGR、8)によって検出される磁場値(15)を、中央処理装置(CPU、3)に読み込む。次に、磁場の角度及び係数を、中央処理装置(CPU、3)によって計算する(16)。これらの値を、投与量制御システムに予めプログラムされた値の所定のセットと相関させる又は比較する(17)。最終的に、選択された投与量の決定(18)を行う。これらのステップは、ユーザが投与量セレクターシャフトを長手方向軸の周りで回転させる度に、必要に応じて繰り返される。ユーザが、どの投与量を自身に注射したいかを決定すると、近位に設置された注射器のエンドボタンをユーザが押すことによって引き起こされたクリックが、薬物送達デバイス内の振動及び対応する加速度の移動を引き起こし、加速度計によって記録される。各エンドボタンクリック間の周波数、又はインターバルを使用して、注射器ボタンのクリックが、予め決定された加速度の移動の既知のリストと比較されるかどうかを決定し、エンドボタンクリックが、意図的であったか、又はエンドボタンの偶発的稼動又は薬物送達デバイスにおける移動の結果であったかを決定する。その加速度の移動及び周波数が、投与量が意図的に選択され、注射の準備ができたと認識される状況に対応する場合、この投与量は、システム内に、例えばメモリ内に記録され、前記イベントが発生した時刻とともに、通信手段を介してデータ処理ユニット(例えば、スマートフォンアプリケーション)に伝えられる。このようにして、スマートフォンアプリケーションはこの情報を処理し、それを、追跡又は遵守情報の形態で、ユーザに提供することができる。
図3は、参照番号20で一般に示される、注射可能な薬物送達デバイスに取り付けられた、投与量制御システムの概略断面図である。注射可能な薬物送達デバイス(20)は一般に、長手方向軸(25)を有する実質的に細長い薬物送達本体(21)、本体によって、通常カートリッジ内に保持される、少なくとも1つの注射可能な薬物(示されず)、遠位先端(23)及び近位先端(22)を有する本体(21)、及び外周面(24)を含む。図3において、覆わなければ露出する針を覆い、ユーザが自分を偶発的に刺したり、又は別のやり方で傷つけたりすることを防止するために、遠位先端(23)に、ペンキャップと類似のキャップ(26)が設けられる。薬物送達デバイスは、近位先端(22)に、長手方向軸の周りを回転可能な投与量セレクターホイール(28)に連結される投与量セレクターシャフト(27)と、エンドボタンをさらに含む。ユーザはデバイスを装備するためにエンドボタンを押し、これにより選択された投与量を検証し、通常の、既知の方法及び手段を介して薬物注射を行うことができる。このタイプの薬物送達デバイスは、当業者に知られている大多数の薬物送達デバイスと類似している。
投与量制御システムは、図3において、一般的参照番号30で示される。図3から明らかなように、投与量制御システム(30)は、薬物送達デバイス(20)の近位先端に実質的に設置され、前記デバイスの本体の外周面(24)上及びその周りに配置される。この特定の例において、中央処理装置(CPU、3)、リアルタイムクロック(RTC、4)、記憶装置メモリ(MEM、6)及び通信サブシステム又は通信手段(COM、5)は、プリント回路基板上に設置されて、ポリマー樹脂ブロック(31)内に包まれた、一体化された制御ユニット(2)を形成する。この例及び図3及び4において、投与量制御システムは自律型電源(POW、10)を有し、これは、2つの電池(32、33)として示されており、例えばリチウムイオン電池である。投与量制御システムは、磁場生成手段(MAG、9)をさらに含み、これは図3において、デバイスの近位先端(22)に設置された実質的に環状の形状の物体として示されており、前記先端(22)と近位に離間関係にあり、それにより磁石(MAG、9)が投与量セレクターホイール(28)に着脱自在に取り付けられる。投与量セレクターホイール(28)は投与量セレクターシャフトに連結される。ホイール(28)、シャフト(27)及び磁石(MAG、9)を、薬物送達デバイス(20)の長手方向軸(25)の周りで回転させることができるため、磁石(MAG、9)は、前記軸の周りで回転するように変位され、そして軸により、薬物送達デバイス(20)の本体(21)の近位先端から離れて近位方向に、又は代替的に、薬物送達デバイス(20)の本体(21)の近位先端に向かって、すなわち遠位方向に、並進移動が引き起こされる。ホイール(28)、シャフト(27)及び磁石(MAG、9)の直線移動の最大距離は、一般に、注射することができる最大許容投与量に実質的に対応し、またそれ故に、薬物を、それが保持されるカートリッジから排出するために通常設けられる、ピストンの移動の最大距離に対応する。一例として、薬物送達デバイスの本体の近位先端に最も近い位置は、投与量なし、又は最小用量のいずれかに対応することとなる。ホイール(28)、シャフト(27)及び磁石(MAG、9)は、磁石を本体(21)の近位先端(22)にさらに近づけるであろう方向に回転することを阻止される。しかしながら、反対方向、すなわち近位方向には、ホイール(28)、シャフト及び磁石は、例えば、システムの構成によって許容され、注射することができる最大用量に対応する回数だけ、ユーザが磁石(MAG、9)及びホイール(28)を指で回転させることによって、回転させることができる。磁石、及びホイールが回転すると、シャフトも回転し、可聴クリック音を発生する。この可聴クリックは、加速度の移動に対応し、加速度の移動は、デバイスの本体を通って伝達され、加速度計(7)によって検出される。磁石(MAG、9)の移動の回転及び長手方向変位は、生成された磁場の変化を引き起こし、磁場の変化は、磁力計(34、35)によって検出される。磁力計(34、35)によって検出された値は、中央処理装置(CPU、3)に伝えられ、投与量セレクターシャフト(27)上の磁石(MAG、9)及びホイール(28)の角位置を計算するために使用され、これにより、ユーザによって選択された投与量を決定する。ユーザがエンドボタン(29)を押し込むこと(これはまた、可聴クリック、及びデバイス(20)の長手方向軸に沿った対応する加速度の直線移動を生じる)による注射器システムの準備が、加速度計(7)によって記録される。中央処理装置(CPU、3)は、生成された周波数及びクリックの数を計算し、それらをルックアップテーブル中に記憶された値と比較して、デバイスが注射のために有効に準備されているかどうかを決定する。そして、中央処理装置によって、そのような場合に該当すると決定されると、磁場の変化から得られた、計算された投与量の値が、メモリ(MEM、6)に記憶され、注射のために選択された投与量として検証される。次いで、この値は、通信手段(COM、5)を介してスマートフォンアプリケーションに伝えられる。
磁場検出器は、様々なやり方で機能するように構成することができる。例えば、磁力計の連続構成において、すなわち、磁力計が、長手方向軸に沿って、離間した関係で、軸方向に整列されている場合、及び磁石(MAG、9)が、薬物送達デバイスの本体(21)の近位先端に最も近い場合、磁石によって生成される磁場の力は、磁石に最も近い磁力計(8a)の上限を超える可能性がある。このような場合において、磁力計(8a)は「飽和している」とみなされる。この時点で、第2の磁力計(8b)によって検出された任意の値を考慮に入れる必要はない。なぜなら、第1の、近位磁力計(8a)の飽和により、磁石が長手方向軸の周りを回転するときの角モーメント及び係数の完全な分解が可能になるからである。投与量セレクターシャフトが、前記長手方向軸に沿って、近位に、且つ前記近位先端から離れて、横方向の変位を起こすようにも設計されている場合、磁石も近位に移動し、第1の近位磁力計(8a)の飽和も低下する。所定のレベルの磁場に達すると、システムは、第2の、より遠位の磁力計(8b)を稼動するように構成され、そのため、両方の磁力計(8a、8b)を使用して、地球自身の磁場(これは、地球の表面で一般に0.25~0.65ガウスである)に起因する任意の効果を考慮に入れることを含めて、磁場及び角モーメントのより小さい変化を巧みに検出することができる。同様且つ逆の様式で、投与量セレクターシャフト及び磁石が、デバイスの本体の近位先端に向かって戻るように遠位に移動すると、所定のより高いレベルの磁場が検出されたときに、第2の、より遠位の磁力計(8b)を自動的にスイッチオフすることができる。他方で、代替の並行の構成において、両方の磁力計(8a、8b)(これらは薬物送達デバイスの長手方向軸に沿って静止して整列している)は、両方とも、磁石の変位の全てにわたって動作可能であり、全ての磁場の変化が両方の磁力計(8a、8b)によって検出される。
図4は、本発明の投与量制御システムを含むのに適したハウジングの概略断面図であり、投与量制御システムを現在知られているような注射可能な薬物送達デバイスに取り付けることができる、いくつかの方法のうちの1つを示している。投与量制御システムの類似の要素について、参照番号は図3と図4との間で同じままである。ハウジング(35a、35b)は、薬物送達デバイス(20)を、その長手方向軸(25)の周りでそれに沿って、包み包囲するように設計され、前記デバイス(20)の外周面(24)上に、着脱自在に着座する。ハウジングは、デバイス(20)にスナップ嵌め又は押込嵌めするように設計され、好ましくは、少なくとも2つの合わせコンポーネントを含む。この合わせコンポーネントは、相互に係合し、デバイスを、その本体(21)に沿って、長手方向軸(25)に沿って、その近位先端(22)で、包む。ハウジング(35a、35b)は、ハウジングの内部壁に配置される、把持容易化手段、例えば、圧縮可能なエラストマーのゾーン(36a、36b)を、さらに含む。この把持容易化手段は、薬物送達デバイス(20)の本体(21)の外周面(24)上での、投与量システムを含むハウジングの把持を容易にし増加させて、ぴったりした嵌合を提供する。この嵌合は、ハウジングが除去されるべきとき(例えば、薬物送達デバイスが不調であるか、又はカートリッジが空である場合、又は非常に単純に、投与量制御システムを別の薬物送達デバイス(20)に切り替えたい場合)まで、ハウジング(35a、35b)が薬物送達デバイスの本体に対して移動することを防止する。ハウジングは好ましくは、スナップ嵌めされるように設計され、そのため、所定のステップのセットにしたがって除去することができる。ここで、ハウジングの各部分(35a、35b)は、その中に含まれる投与量制御システム(30)、又は薬物送達デバイス(20)を破壊又は損傷することなく、順番に除去される。圧縮可能なエラストマーのゾーン(36a、36b)は、圧縮容易化隆起部又はくぼみ(37a、37b)をさらに含むことができる。すなわち、デバイス(20)の外周面(24)上でハウジング(35a、35b)の把持を増加又は減少させるために、ゾーン(36a、36b)の長さ及び幅に沿って離間した配置で、エラストマー材料が追加又は除去される。ハウジング(35a、35b)は加えて、選択された投与量のアナログ又はデジタル表示をユーザが見ることを可能にする、窓(39)を提供する。これは一般に、薬物送達デバイス(20)の本体(21)の外周面(24)上に設置及び表示される。磁場生成手段(MAG、9)を含む投与量制御システムは、ホイール(28)に設置され、それとぴったりと嵌合した、別個のハウジング(38)に収容される。この磁石ハウジング(38)は、投与量制御システムの他のコンポーネントのハウジング(35a、35b)と同様に、投与量セレクターシャフト(27)のホイール(28)に着脱自在にスナップ嵌め又は押込嵌めできるように設計されており、有利には、把持容易化手段、例えば、磁石ハウジング(38)がホイール(28)を取り囲んで包むことを可能にする、エラストマー材料のゾーンを含むこともできる。

Claims (7)

  1. 投与量制御システムの操作を介してユーザにより設定された投与量を決定するための方法であって、
    前記方法が、
    -注射可能な薬物送達デバイスの近位先端において前記注射可能な薬物送達デバイスの外周面に前記投与量制御システムを着脱自在に取り付けるステップであって、前記注射可能な薬物送達デバイスが、実質的に細長い薬物送達本体、前記本体によって保持される少なくとも1つの注射可能な薬物、遠位及び近位先端を有する前記本体を含む、ステップ;
    -前記薬物送達デバイスの動作ステイタスを決定するステップ;
    -前記薬物送達デバイスの本体の長手方向軸周りの磁場生成手段の回転移動によって引き起こされる磁場の変化を測定することによって前記薬物送達デバイスにおいて設定された投与量を決定するステップであって、前記磁場生成手段が、前記薬物送達デバイスの投与量セレクターシャフトの近位先端で配置される、ステップ;及び
    -前記投与量決定又は前記動作ステイタス決定から得られた情報を、前記投与量制御システムからリモート及び/又はローカルデータ処理システムに中継するステップ
    を含
    前記設定された投与量の決定が、
    -注射すべき投与量の増加に伴って、前記磁場生成手段を、前記薬物送達デバイスの本体の近位先端から離れるように近位に、前記投与量セレクターシャフトと共に長手方向に平行移動させ、投与量の低減に伴って、前記磁場生成手段を反対方向に回転させ、前記薬物送達デバイスの長手方向軸に沿って、前記薬物送達デバイスの近位先端に向かって戻るように遠位に、長手方向に平行移動させるステップ;
    -前記薬物送達デバイスの前記本体に着脱自在に取り付けられた、前記投与量制御システム内に備わる磁場検出手段を介して、少なくとも2つの直交する次元において生成された磁場の変化を検出するステップ;
    -一体化された制御ユニットを介して、前記磁場検出手段によって検出された前記磁場の変化を、前記回転された磁場生成手段の角位置と相関させるステップ;
    -前記角位置を対応する投与量に相関させるステップ
    によって行われ、
    前記薬物送達デバイスの動作ステイタスの決定が、
    -前記薬物送達デバイスの位置移動を、前記薬物送達デバイスの前記本体に着脱自在に取り付けられた変位検出手段を介して検出して、前記デバイスがパージ位置にあるのか、それとも注射位置にあるのかを決定するステップ;
    -前記薬物送達デバイスの前記本体によって保持される前記薬物の温度を、温度検出手段を介して検出し、前記温度が前記薬物の投与のための許容される動作限界内にあるかどうかを決定するステップ;
    -自律型電源のレベルを検出するステップ;及び
    -前記投与量制御システムが休止状態にあるのか、それともアウェイク状態にあるのかを検出するステップ
    のうち1又は複数を含む、方法。
  2. 前記少なくとも2つの直交する次元は、3つの直交する次元(x、y、z)である、
    請求項1に記載の方法。
  3. -前記磁場生成手段の各回転移動のための一連の1又は複数の可聴クリックを発生させるステップであって、各回転クリックが、振動及び前記薬物送達デバイスの投与量セレクターシャフトにおける対応する相対変位移動を生成する、ステップ;
    -各回転クリックによって生成された前記薬物送達デバイスの前記投与量セレクターシャフトにおける前記相対変位移動が、前記変位検出手段によって検出されるステップ
    によって行われる、
    請求項1に記載の方法。
  4. 各クリックが、前記デバイスの前記長手方向軸の周りの前記磁場生成手段の回転変位に対応する、請求項に記載の方法。
  5. 前記変位検出手段が、1Hz~2KHzに含まれる最大分解能を有する、請求項に記載の方法。
  6. 前記変位検出手段が、0.5G~16Gの加速度変位を検出するように構成される、請求項に記載の方法。
  7. 前記磁場検出手段が、0.5ガウス~32ガウスの磁場の変化を検出するように構成される、請求項1に記載の方法。
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