JP7481161B2 - 誘導コイル構造ユニット、及び誘導コイル構造ユニットのための誘導加熱プロセスを制御するための方法 - Google Patents

誘導コイル構造ユニット、及び誘導コイル構造ユニットのための誘導加熱プロセスを制御するための方法 Download PDF

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Description

本発明は、ツールホルダのスリーブ部分が挿入され得る、誘導コイルを有する誘導コイル構造ユニットに関し、また、ツールホルダのスリーブ部分が誘導コイル構造ユニットの誘導コイル内に挿入された誘導コイル構造ユニットのための誘導加熱プロセスを制御するための方法に関する。
くだんの種類のこのような誘導コイル構造ユニットが、従来技術から、例えば、(特許文献1)から周知である。
これらの周知の誘導コイル構造ユニットは、誘導コイルによって発生され得る交番磁界、及び誘導コイル構造ユニットの誘導コイル内に挿入されたツールホルダ中に結果的に誘導された渦電流を用いてツールホルダを熱膨張させ、ツールホルダのこの膨張状態において、ツールをそこに嵌合させることができるようにするために用いられる。ツールは、ツールホルダの冷却プロセス後に、その後、ツールホルダによって堅固に、及び対称的に保持される。このプロセスはまた、- 略して - ツールホルダ内のツールの誘導焼嵌めとも呼ばれ、それ自体で知られている。
技術的及び動作的背景のさらなる説明のために、したがって、引用された特許出願が参照されなければならない。
欧州特許出願公開第1867211(A1)号 独国特許出願公開第19915412(A1)号
しかし、このような周知の誘導コイル構造ユニットでは、その効率的な動作、すなわち、特に、ツールホルダを加熱することを要する、ツールホルダ内へのツールの誘導焼嵌めのために、誘導コイル構造ユニットは、様々な動作パラメータに関してちょうどその時に/特定の時間にその内部に保持されたツールホルダに対してその都度個々に設定されなければならず、これは高度の手動介入を必要とし、その結果、いくつかの状況下では、ツールを異なる種類のツールホルダ内に変更するためのサイクル時間を著しく長引かせるという問題がある。加えて、手動介入はまた、常に、潜在的な誤差の発生源を意味する。
他方で、特定の瞬間に保持されたツールホルダに対するこのような設定が遂行されなかったか、又は誤って遂行された場合には、いくつかの状況下では、意図された渦電流がツールホルダ内に適切に誘導されないため、誘導コイル構造ユニットの動作が非効率的になり得る。特に不都合な場合には、ツールホルダが過熱し、その結果、破壊されさえし得る。
したがって、本発明は、従来技術から知られたこのような誘導コイル構造ユニットの今言及された不利点を克服することができる、誘導コイル構造ユニット、及びまた、誘導コイル構造ユニットのための誘導加熱プロセスを制御するための方法を提供し、誘導コイル構造ユニットが、具体的には、向上した自動化度を有し、その結果、高い動作信頼性及びより短いサイクル時間をもって動作させることができることを目的とする。
この目的は、それぞれの独立クレームの特徴を有する、誘導コイル構造ユニット、及び誘導コイル構造ユニットのための誘導加熱プロセスを制御するための方法によって達成される。本発明の有利な発展は、従属クレーム、及びまた、以下の説明の主題であり、誘導コイル構造ユニット、及び誘導コイル構造ユニットのための誘導加熱プロセスを制御するための方法の両方に関係する。
誘導コイル構造ユニット、及び誘導コイル構造ユニットのための誘導加熱プロセスを制御するための方法は、ツールホルダのスリーブ部分が(機構に関する限り)挿入され得る、又は(方法に関する限り)挿入された誘導コイル構造ユニット内の誘導コイルを提供する。
ツールホルダのスリーブ部分が誘導コイル構造ユニットの誘導コイル内に挿入された誘導コイル構造ユニット、例えば、収縮デバイスのための誘導加熱プロセスを制御するための方法の場合には、誘導コイル内に挿入されたスリーブ部分内における誘導加熱プロセスの開始前にも、規定-事前設定された(試験)電流(試験パルス)が誘導コイルに印加されることが提供される。
誘導コイル内に挿入されたスリーブ部分のための時間/電流曲線がこの(試験)電流(試験パルス)のために決定される。
(試験)電流の時間/電流曲線に基づいて、挿入されたスリーブ部分が検出される。
さらに、検出に基づいて、次に、加熱パラメータが、誘導コイル内に挿入されたスリーブ部分のために定められ、誘導加熱プロセスが、検出されたスリーブ部分のために定められた加熱パラメータに基づいて開始される。
その後、誘導加熱プロセスが少なくとも1回中断される。
中断の最中に、再度、規定-事前設定された(チェック)電流(チェックパルス)が、スリーブ部分が誘導コイル内に挿入された誘導コイルに印加され、誘導コイル内に挿入されたスリーブ部分のためのさらなる時間/電流曲線がこの(チェック)電流(チェックパルス)のために決定される。
(チェック)電流のさらなる時間/電流曲線に基づいて、次に、加熱プロセスが継続されるのか、それとも(永久に)終了されるのかが決定される。
この場合、((試験)電流(試験パルス)及び/又は(チェック)電流(チェックパルス)に関して)「規定される」とは、電流を結果的に記述する、電流を決定するパラメータ(「電流パラメータ」)が前もって定められる、すなわち、事前設定されることを意味すると理解され得る。
それゆえ、例えば、規定-事前設定された(試験)電流(試験パルス)及び/又は規定-事前設定された(チェック)電流(チェックパルス)は、電流サイズ、電流波形、周波数及び/又は効果持続期間(「電流パラメータ」)に基づいて規定又は事前設定され得る。
このような方法で - 例えば - 上述されたパラメータに基づいて - 電流を対応して定める時に、(試験)電流(試験パルス)及び/又は(チェック)電流(チェックパルス)は、少なくとも1つの(電流)パルス、すなわち、サージ状電流プロファイルを有するサージ状電流であってもよい。
(試験)電流(試験パルス)及び/又は(チェック)電流(チェックパルス)が、1つを超える(電流)パルス、すなわち、2つ以上の((時間的に)連続した)(電流)パルスを含むことが好都合であることが見出されており、それらから決定された時間/電流曲線は、(それぞれ挿入されたスリーブ部分のための)より高い個別性、及び(その)識別性を有する。
さらに、加えて、(試験)電流(試験パルス)及び/又は(チェック)電流(チェックパルス)が同じである場合も好都合であり、これは時間/電流曲線の比較性を可能にする。
この場合、時間/電流曲線は電流強度プロファイル又は電圧プロファイルであり得る。
さらに、また、測定によって(試験)電流(試験パルス)又は(チェック)電流(チェックパルス)の時間/電流曲線の決定を達成することも好都合であり得る。対応する測定器(又は機能的に同等な回路)が誘導コイル構造ユニット内に設けられ得る。
(試験)電流(試験パルス)又は(チェック)電流(チェックパルス)の時間/電流曲線のこのような測定は、この場合には、誘導コイル構造ユニットの回路の入力回路、及び/又は誘導コイル構造ユニットの中間回路、及び/又は出力回路内で、或いは誘導コイルにおいて実施され得る。同じことが、対応して、概して(試験)電流(試験パルス)又は(チェック)電流(チェックパルス)の時間/電流曲線の決定にも当てはまる。
測定はまた、回路の言及された複数の点において並行して実施されてもよい。
次に、決定された、具体的には、測定された、(試験)電流(試験パルス)の時間/電流曲線、及び/又は決定された、具体的には、測定された、(チェック)電流(チェックパルス)の(試験)電流の時間/電流曲線を評価することができる。
さらに、また、(試験)電流(試験パルス)の時間/電流曲線、及び/又は(チェック)電流(チェックパルス)の(試験)電流の時間/電流曲線を、基準電圧に、例えば、独国基準送電網電圧に正規化することも好都合であり得る。このような正規化は、本方法が、現地のそれぞれの送電網電圧を有するそれぞれの国に依存しなくなることを可能にする。
((試験)電流(試験パルス)の時間/電流曲線に基づく挿入されたスリーブ部分の検出における)「検出される」とは、特定の特性、例えば、外径などの、特定の幾何構成が、挿入されたスリーブ部分の(試験)電流(試験パルス)の時間/電流曲線に基づいて認知される、又は帰せられることを意味し得る。
換言すれば、簡単な言葉で言うと、(試験)電流(試験パルス)の時間/電流曲線に基づいて、挿入されたスリーブ部分は、例えば、最も特定的な外径などの、最も特定的な幾何構成を有する、特定の種類の特定のスリーブ部分であると「仮定される」 - 又は言い換えれば - (試験)電流(試験パルス)の時間/電流曲線から「推定される」。
それゆえ、結果として、例えば、挿入されたスリーブ部分のための(試験)電流(試験パルス)の時間/電流曲線に基づいて、外径を決定することができる。
簡単な例示的な言葉で言うと、及びこの例として、(試験)電流(試験パルス)の時間/電流曲線が評価され得る。この場合、1つの(又はそれを超える)時間/電流曲線特性が決定され得、それに基づいて、挿入されたスリーブ部分の、外径などの、幾何構成の変数が決定/推定される。
同じことを、(チェック)電流(チェックパルス)の時間/電流曲線のために、又はそれとともに、対応して実施することもでき、次に、1つの(又はそれを超える)時間/電流曲線特性が同様に決定され得る。これに基づいて、次に、例えば、挿入されたスリーブ部分のための加熱状態が決定/推定され得る。
このような時間/電流曲線特性は、例えば、表面積、振幅、具体的には、振幅極値、ゼロ交差の数及び/又は時間間隔、側部の峻度、及び/又は時間/電流曲線の場合には、正接、或いはそれから推定された、具体的には、統計的に推定された特性であり得る。
また、上述の特性のうちの複数を組み合わせ、時間/電流曲線特性を形成することも特に好都合であり、こうして、時間/電流曲線特性の有意性を高めることができる。
次に、挿入されたスリーブ部分が、検出されるために考慮されるか、又は検出された場合には、加熱パラメータが、挿入されたスリーブ部分のために決定される、又は定められる(或いは決定され得る、又は定められ得る)。
このような加熱パラメータは、具体的には、加熱プロセスのための時間、例えば、加熱プロセスの全加熱時間、及び/又は加熱プロセスの、若しくは加熱プロセスにおける初期加熱のための時間、及び/又は収縮/加熱周波数、及び/又は収縮/加熱温度、及び/又はまた、インダクタンス変化パラメータ及び/又は抵抗変化パラメータであり得る。
加熱プロセスの初期加熱のための時間は、例えば、加熱プロセスのための時間の1/3~1/2であり得る。
検出されたスリーブ部分の定められたこれらの加熱パラメータに基づいて、又はこれらを用いて、次に、誘導加熱プロセスが開始される。
ツールホルダのスリーブ部分が誘導コイル構造ユニットの誘導コイル内に挿入された状態で、これまでに加熱が誘導コイル内においてそこで実施されていない場合には、加熱プロセスの開始を初期加熱と称することができる。加熱プロセスの後続の(加熱)段階又は後続の段階は後続の加熱と称することができる。誘導コイル構造ユニットの誘導コイル内に挿入されたスリーブ部分の加熱が誘導コイル内においてそこでこれ以上行われない場合には、これを加熱プロセスの終了と考えることができる。
また、事前設定可能な(初期)加熱期間の後に、少なくとも単一の中断、すなわち、最初の中断を実施又は開始することも好都合である。この(初期)加熱期間は、事前設定可能な全加熱時間に依存し、例えば、全加熱時間の3分の1若しくは3分の2などの、全加熱時間の特定の割合であってもよく - 又は1秒若しくは1.5秒などの、絶対期間として定められてもよい。
さらに、(チェック)電流(チェックパルス)の実施を改善するために、加熱プロセスの中断の最中に、さらなる規定-事前設定された(チェック)電流(チェックパルス)を印加する前に、充電プロセスが、さらなる規定-事前設定された(チェック)電流(チェックパルス)を発生する構造ユニットにおいて実施されることが提供され得る。
このような充電は、例えば、発振回路のキャパシタが充電プロセスにおいて充電されることによって行われ得る。
同じことが、加熱プロセスの繰り返される中断のために、又はそれとともに、対応して同様に実施され得る。
加熱プロセスの繰り返される中断は、例えば、 - それゆえ、加熱プロセスが複数回中断される場合には - 各中断の最中に再度、規定-事前設定された(チェック)電流(チェックパルス)が、スリーブ部分が誘導コイル内に挿入された誘導コイルに印加され、誘導コイル内に挿入されたスリーブ部分のためのさらなる時間/電流曲線がこの(チェック)電流(チェックパルス)のために決定され、さらなる時間/電流曲線に基づいて、それぞれの中断の後に加熱プロセスが継続されるのか、それとも永久に終了されるのかが決定されるという形態で行われ得る。
同様にこのためにも、又はこの場合にも、 - それぞれの(チェック)電流(チェックパルス)のために - 上述の時間/電流曲線特性が決定され得るか、又は上述の評価が実施され得る。
このとき、また、ここでは、加熱プロセスを継続するための決定が、(試験)電流の時間/電流曲線の事前設定された変化に依存して行われることも好都合であり得る。
換言すれば、簡単な言葉で言えば、(チェック)電流の時間/電流曲線が、例えば、時間/電流曲線特性の比較によって、(試験)電流の時間/電流曲線と比較される。具体的には、(試験)電流の時間/電流曲線又は対応する時間/電流特性の - 事前設定可能な - 変化をその算出において考慮又は検討することができる。
(試験)電流の時間/電流曲線(又はその特性)の - 考慮され得る、又は事前設定された - このような変化は、ツールホルダのスリーブ部分内における、インダクタンス、及び/又は電気抵抗などの電気特性の温度依存性変化によって生じ得る。
ツールホルダのスリーブ部分内におけるインダクタンス又は電気特性/電気抵抗のこの温度依存性変化は、具体的には、経験的に決定された、インダクタンス変化パラメータ及び/又は電気(抵抗)パラメータ若しくは抵抗変化パラメータを用いて都合よく記述され得る。
これは、誘導コイルのインダクタンス、及び/又は電気抵抗などの電気特性は、挿入されたスリーブ部分の加熱又は加熱温度に依存して変化するという、本発明に係る認識に基づく。
この変化 - 及びしたがって、これにより、同様に、挿入されたスリーブ部分の場合には、加熱又は加熱温度のための限界(限界値)は、 - 事前設定可能な - パラメータ、具体的には、言及されたインダクタンス変化パラメータ又は言及された抵抗変化パラメータなどの、挿入されたスリーブ部分の外径(ここでは他の依存性も考慮され得る)などの、挿入されたスリーブ部分の幾何構成及び/又は材料に依存するパラメータによって考慮することができる。
それゆえ、インダクタンス変化パラメータはまた、都合よく、スリーブ部分の材料にも依存し得る。同じことが対応して電気抵抗パラメータにも当てはまる。
例示的な言葉で言うと、このようなパラメータ、及び(試験)電流(試験パルス)の時間/電流曲線を用いることによって、限界時間/電流曲線又は限界時間/電流曲線特性(すなわち、挿入されたスリーブ部分の場合には、許容加熱温度のための(加熱)終結基準)が規定されてもよく、この限界時間/電流曲線又は限界時間/電流曲線特性を(チェック)電流の(それぞれの)時間/電流曲線又はその時間/電流曲線特性と比較することができる。
例えば、このとき、(それぞれの)(チェック)電流の時間/電流曲線がこの許容限界変化又は限界をオーバーシュートした(又はアンダーシュートした)場合には、挿入されたスリーブ部分の加熱が終結されてもよく、それゆえ、(このような限界を超えた)加熱が防止される(「過熱からの保護」)。
さらに、2つの中断の間の加熱段階又はその持続期間もまた、説明された基準に基づいて、例えば、加熱期間(割合)又は絶対的な事前設定可能な(中間)加熱期間に依存して定められ得る。
さらに、また、複数のさらなる規定-事前設定された(適合)電流(適合パルス)が、具体的には、誘導コイル内に挿入されたスリーブ部分内における誘導加熱プロセスの開始前にも、又はその開始時に、具体的には、(適合)電流(適合パルス)のうちの2つの間に挿入されたスリーブ部分の場合に加熱が実施されることなく、誘導コイルに印加され、誘導コイル内に挿入されたスリーブ部分のための時間/電流曲線がこれらの(適合)電流(適合パルス)のために決定されることも可能である。
さらに、(適合)電流の時間/電流曲線に基づいて、次に、誘導コイルに印加されるべき(加熱)電流の場合には、又はそのために、収縮/加熱周波数、概して電流パラメータを定めることができる。
それゆえ、例えば、これらの(適合)電流(適合パルス)が、誘導コイル内に挿入されたスリーブ部分内における誘導加熱プロセスの開始前に印加された場合には、(適合)電流(適合パルス)は同時に(試験)電流(試験パルス)にもなり得るか、又はその逆も同様である。
(試験)電流(試験パルス)及び/又は(チェック)電流(チェックパルス)などの場合における、定義、特性時間/電流曲線値、評価、測定は、(適合)電流(適合パルス)のためにも提供され得る。
それゆえ、具体的には、(適合)電流の時間/電流曲線を評価することも提供され得、時間/電流曲線特性が(適合)電流の時間/電流曲線のための評価においてその都度決定されなければならず、これらの特性が比較されなければならない。
それゆえ、例えば、複数の(適合)電流(適合パルス)が(短時間に)順々に印加され、各々が、その都度変更された電流パラメータ、例えば、異なる周波数を有する場合には、こうして、挿入されたスリーブ部分のための共振周波数の知識を獲得することができ、(加熱)電流のための周波数(すなわち、収縮/加熱周波数)を定めるために用いることができる。
それゆえ、具体的には、(加熱)電流のための周波数(すなわち、収縮/加熱周波数)を共振周波数の近くで、例えば、その「すぐ」上方で定めることが好都合である。収縮/加熱周波数が共振周波数に接近するにつれて、加熱の効率/有効性は増大する。収縮/加熱周波数を共振周波数と同じに定めることは回避されなければならない。さもなければ、共振効果が誘導コイル構造ユニット内の構成要素の過負荷をもたらし得る。
- 本方法を実施するために - 誘導コイル構造ユニット内に同様に設けられているのは、(試験)電流(試験パルス)及び(チェック)電流が発生され得る回路である。
さらに、誘導コイル構造ユニット内に同様に設けられているのは、誘導コイル及び回路が制御され得る制御ユニットである。加えて、制御ユニットは、 - 手短に言えば - 本方法が(具体的には、また、上述された改良及び発展の全てを有するなど、その主要な特徴において)実施され得るような仕方で設計されている。
換言すれば、誘導コイル及び回路を制御する制御ユニットは、
- 規定-事前設定された(試験)電流(試験パルス)が、誘導コイル内に挿入されたスリーブ部分内における誘導加熱プロセスの開始前にも、誘導コイルに印加され得、誘導コイル内に挿入されたスリーブ部分のための時間/電流曲線がこの(試験)電流(試験パルス)のために決定され得、挿入されたスリーブ部分が(試験)電流の時間/電流曲線に基づいて検出され得、
- 検出に基づいて、加熱パラメータが、誘導コイル内に挿入されたスリーブ部分のために定められ得、誘導加熱プロセスが、検出されたスリーブ部分のために定められた加熱パラメータに基づいて開始され得、
- 誘導加熱プロセスが少なくとも1回中断され得、中断の最中に、再度、規定-事前設定された(チェック)電流(チェックパルス)が、スリーブ部分が誘導コイル内に挿入された誘導コイルに印加され得、誘導コイル内に挿入されたスリーブ部分のためのさらなる時間/電流曲線がこの(チェック)電流(チェックパルス)のために決定され得、
- (チェック)電流のさらなる時間/電流曲線に基づいて、加熱プロセスが継続されるのか、それとも永久に終了されるのかが決定され得るような仕方で設計されている。
回路が、少なくとも1つのパワー半導体構成要素、具体的には、少なくとも1つの絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(insulated-gate bipolar transistor:IGBT)及び/又は金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(metal-oxide semiconductor field-effect transistor:MOSFET)を有することが好都合であり得、これらは良好なオン状態挙動、高い逆電圧及び堅牢性を有し - 加えて、電力をほぼ使用せずに駆動され得る。
本方法及び誘導コイル構造ユニットが、自動又は自動化動作、すなわち、ツールホルダ内のツールの誘導性収縮、具体的には、ツールホルダの加熱が、ツールホルダのために、誘導コイル構造ユニット内に挿入されたちょうどその時にその都度、実施されることを最大限に可能にするという事実は、動作パラメータを設定するための手動介入が不要にされ、これにより、一方では、以前にはこのために必要とされた時間が節約され、他方では、自動/自動化動作が、規則に従った構造ユニットの動作を確実にすることができるよう、動作信頼性及び公差に関する高度の規格の順守をも可能にすることを意味する。また、加熱される/膨張させられるべきツールホルダの過熱からの効率的な保護も、本方法によって、及び誘導コイル構造ユニットを用いてもたらされ得る。
本発明の有利な改良のこれまでに与えられた説明は、個々の従属特許クレームにおいて、場合によっては総合して、再現される数多くの特徴を含む。しかし、これらの特徴は、都合よく、また、個々に考慮され、適切なさらなる組み合わせに組み合わせられてもよい。
具体的には、これらの特徴は、個々に、及び本発明に係る方法との任意の好適な組み合わせにより、それぞれ組み合わせることができる。
説明において、及び/又は特許クレームにおいて、いくつかの用語は、その都度、単数で、又は数詞と組み合わせて用いられているが、本発明の範囲は、単数、又はこれらの用語のためのそれぞれの数詞に限定されることを意図されていない。さらに、単語「a」又は「an」は数値の語として理解されるべきでなく、むしろ、不定冠詞として理解されるべきである。
上述された本発明の特性、特徴及び利点、並びにそれらが達成される様態は、図面/図と併せてより詳細に説明される、本発明の例示的な実施形態の以下の説明と併せてより明確になり、より明確に理解可能になるであろう(図面/図において、同じ構成要素及び機能は同じ記号を有する)。
例示的な実施形態は、本発明を説明するために用いられており、本発明を、そこで指定された、機能的特徴に関するものを含む、特徴の組み合わせに限定しない。さらに、また、各々の例示的な実施形態の好適な特徴が、単独で明示的に考慮されること、1つの例示的な実施形態から得られること、別の例示的な実施形態に、それを補うために導入されること、及び請求項のうちの任意のものと組み合わせられることも可能である。
図1は、一実施形態に係る誘導コイル構造ユニットを中心縦断面で示す。 図2は、誘導コイル構造ユニットのために用いることができる誘導コイルに給電するための回路の回路図を示す。 図3は、誘導コイルに印加することができる(1つの電圧パルスを有する)試験パルス、及び関連する時間/電流曲線を示す。 図4は、誘導コイルに印加することができる(3つの電圧パルスを有する)試験パルス、及び関連する時間/電流曲線を示す。 図5は、加熱又は収縮プロセスの場合における時間/電流曲線プロファイルを(概略的に)示す。 図6は、誘導コイル構造ユニットのために用いることができる誘導コイルの制御された給電のための回路の回路図を(概略的に)示す。
図1は、誘導コイル構造ユニットの基本構造を示す。これは、ここで意図されたその機能のために、(以下において)収縮デバイスとも称される。
図1が示すように、収縮デバイス0は、個々のターン2を有する誘導コイル1を設けており、誘導コイル1の中心において、ここでは、例えば、ミリングカッタなどの、ツールWの保持シャンクHをスリーブ部分HP内に焼嵌めするために、ツールホルダ4が押し込まれる。
焼嵌めが基づく機能原理が、(特許文献2)により詳細に記載されている。その内容が本明細書において本出願の主題とされる。
その外周上において、誘導コイル1は、電気的に非伝導性且つ磁気的に伝導性の材料の第1のケーシング3を設けられている。
通例、第1のケーシング3は、フェライト、或いは個々の粒子が、電気的に絶縁した様態で互いに分離されており、かくして、全体として、実質的に磁気的に伝導性且つ電気的に非伝導性と考えられる、金属粉末又は焼結金属材料のいずれかから成る。
第1のケーシング3はまた、それが周方向に完全に途切れず、すなわち、誘導コイル1の周面を完全に覆い、これにより、理論上、例えば、個々の、及び/又は小さな局所的な孔又は同様のものなどの、重要でない局所的なアパーチャ以外、「磁気ギャップ」が残らないような仕方で構成されている。
図1が同様にさらに示すように、収縮デバイス0内において、磁気的に伝導性且つ電気的に非伝導性の材料の遮蔽は第1のケーシング3にのみ限定されるわけではない。
その代わりに、第1のケーシング3の少なくとも一方の端面、より好ましくは、両方の端面が、概して第1のケーシング3と接触した、前記材料の磁気カバー3a、3bによって隣接されている。
ツールホルダ4から見て外方に向いた誘導コイル1の端面上において、磁気カバー3aは、好ましくは、全体的に、好ましくは部分的に交換可能な極片、すなわち、ツールWがクランプ嵌めされるための通路7を形成する中心開口部を有する環状構造体として形成されている。
ツールホルダ4の方に向いた誘導コイル1の端面上において、磁気カバー3bは、好ましくは、理想的には、誘導コイル1の巻線を完全に覆って広がり、スリーブ部分HPのための中心通路を有する、本質的に平面状の環状ディスクとして設計されている。
遮蔽をなおいっそう改善するために、図1が同様に示すように、誘導コイル1及びその第1のケーシング3は、後者の外周において - 正確に言うと、第1のケーシング3及び第2のケーシング9が、理想的には、互いに対面したそれらの周面の大部分又は全体にわたって、互いに触れるような様態で - 第2のケーシング9によって包囲されている。
この第2のケーシング9は、磁気的に非伝導性且つ電気的に伝導性の材料、例えば、アルミニウムから製作されている。
「電気的に伝導性」は、ここでは、単に局所的に、いわば「粒子レベルで」、電気的に伝導性である材料だけでなく、適切な程度まで渦電流の形成を可能にする材料を意味すると理解される。
第2のケーシング9について特別なことは、第2のケーシング9が、好ましくは、それを通過する誘導コイル1の漂遊磁界の影響を受けて、望ましくない漂遊磁界の弱化をもたらす渦電流がその内部で発生されるような仕方で設計されており、好ましくは、半径方向に非常に厚くされていることである。
さらに、第2のケーシング9は、その周縁において、第2のケーシング9の外周においてその隙間11内に直接配置された(指示のみされている)、以下においてさらにより詳細に説明されるパワー半導体構成要素10によって包囲されている。
これらのパワー半導体構成要素10は、2つの大きな主区域及び4つの小さな側面区域を有する。大きな主区域は、好ましくは、個々の側面区域の各々よりも4倍超大きい。
パワー半導体構成要素10は、それらの大きな主区域の一つが第2のケーシング9と、概して後者の外周において、熱伝導接触するような仕方で配置されており、パワー半導体構成要素10の当該の大きな主区域は、熱伝導性接着剤の助けを借りて第2のケーシング9の周面に接着によって付着されている。
パワー半導体構成要素10の各々は、電圧を供給するための3つの端子12を有する(指示のみされている)。
さらに、図1が同様に示すように、誘導コイル1の外周において、キャパシタ14a、14bがそれを取り囲んでグループ化されている。
キャパシタ14aは、好ましくは、電力回路の部分を直接形成する、平滑キャパシタであり、キャパシタ14bは、好ましくは、電力回路の部分を同様に直接形成する、発振回路キャパシタである。
キャパシタ14a、14bを電気的に接続するために、ここでは、誘導コイル1の外周の周りにそれぞれ広がる、複数の電気回路板15a、15bが設けられている。
これらの回路板15a、15bの各々は、好ましくは、環状ディスクを形成する。回路板15a、15bの各々は、好ましくは、回路板のために通例のFR4又は同様の材料から成る。
図1において同様に見ることができるように、ここでは環状回路板ディスクとして構成された、2つの回路板15a、15bの各々の回転対称軸は、ここでは、誘導コイルの(同様にツールホルダ4/ツールWの)長手方向軸Lと同軸である。
2つの電気回路板のうちの上側15aは平滑キャパシタ14aを担持しており、平滑キャパシタ14aの端子ラグは上側回路板15aを通過するか、又はSMD技術の助けを借りて上側回路板15aに接続されており、これにより、平滑キャパシタ14aは上側回路板15aから垂下している。
2つの回路板のうちの下側15bは対応して構築されており、発振回路キャパシタ14bがそれから上方へ突出している。
例示的に要約すると、パワー半導体10は、誘導コイル1を環状に包囲する、第1の仮想円筒を形成し、キャパシタ14a、14bは、第1の仮想円筒を環状に包囲する、第2の仮想円筒を形成し、漂遊磁界に対してわずかの感受性のみを有する、キャパシタ14a、14bは仮想的な外側円筒を形成し、その一方で、漂遊磁界ができるだけ存在しない設置空間を必要とする、パワー半導体構成要素10は仮想的な内側円筒を形成する。
図1がさらに示すように、誘導コイル1は、その長手方向軸Lの方向のその全長にわたって「完全に巻回され」ていない。その代わりに、それは - ここでは - 2つの概ね円筒形の巻線組立体から成る。これらは誘導コイル1の端面をそれぞれ形成する。それらは、 - ここでは、例として - 誘導コイル1の長手方向軸Lの方向における巻線組立体の各々の範囲よりもおよそ少なくとも1.5倍大きい、互いからの距離を維持する。
このような誘導コイル1は、ツールホルダのスリーブ部分HPの可能な限り最も有効な加熱の観点から言えば絶対的に必要とはされないが、 - 存在する場合には - 加熱への真に明らかな寄与を全く行わずに追加的な無効電力を生み出す傾向を有する、「中央領域」における巻線を省略しているため、無効電力を低減することに寄与する。
誘導コイル1に - 可能な限り低い無効電力損失をもって - 給電するために、発振回路SKSが設けられている(図2参照)。
発振回路SKSにおいて、必要とされるエネルギーの大部分は誘導コイル1とキャパシタユニット14a、14bとの間を往復して周期的に(高い周波数で)発振する。その結果、各周期において、又は周期的に、その加熱電力及びその他の電力損失によって発振回路SKSから引き出されたエネルギーが補充されるだけですむ。これによって、以前の非常に高い無効電力損失がなくなる。
図2が示すように、誘導コイル1に給電する電力電子回路は、入力側において、欧州では、230V/50Hz/16Amax(他国では、対応する値、例えば、米国の110V)である、一般的に利用可能な線路電流NSTを給電される。
図2が同様に示すように、次に、線路電流NSTは、事前設定された電力出力のために流れる電流を低減するために、より高い電圧に昇圧される(変圧器T)。
送電網から引き出された電流は整流器GによってDC電流に変換され、一方、DC電流は平滑キャパシタ又はキャパシタ14aによって平滑化される。
実際の発振回路SKSはこのDC電流を給電される。
発振回路SKSのバックボーンは、パワー半導体構成要素10、発振回路キャパシタ14b、及び焼嵌めのために役割を果たす誘導コイル1によって形成される。
発振回路SKSは、ICとして実質的に形成され、専用の入力GNSを介してDC低電圧を給電され、適用可能な場合には、整流器G及び平滑キャパシタ若しくはキャパシタ群14aの下流において、対応する分圧器抵抗を介してタップにつながれた、制御電子機器SEKによって開ループ又は閉ループの方式で制御される。
パワー半導体構成要素10は、好ましくは、「絶縁ゲートバイポーラトランジスタ」型のトランジスタ、略してIGBTによって実施される。
制御電子機器SEKは、発振回路SKSにおいて生じる動作周波数を事前設定する周波数を用いてパワー半導体構成要素10/IGBTをオンオフする。
発振回路SKSは、cosφ=1の電圧Uと電流Iとの間の位相ずれをもって存在する、ちょうど共振状態では決して動作しないことが重要である。
これは、ここでは、電圧ピークによるパワー半導体構成要素10の急速な破壊をもたらすであろう。その代わりに、制御電子機器SEKは、それらが電力電子回路又はその発振回路SKSを、システムの共振又は固有周波数の近くに存在するのみである、事前設定可能な動作範囲内で動作させるような仕方で設計されている。
好ましくは、発振回路は、開ループ又は閉ループ方式で、0.9≦cosφ≦0.99であるような仕方で制御される。特に好ましいのは、範囲0.95≦cosφ≦0.98内に存在する値である。これは今度もまた電圧ピークの回避をもたらし、したがって、小型化をさらに促進する。
収縮ユニット1を特定の動作信頼性をもって動作させるために、収縮デバイス0は、自動化された収縮動作を可能にする自動加熱制御を備えている。
この加熱制御は、 - 原理上 - 収縮デバイス0の動作の最中におけるインダクタンス又はその変化の観察に基づく、収縮デバイス0における対応する制御によって実施される。
インダクタンスL(ここで、u=L*di/dt(u:電圧、i:電流強度))は、交番電流が流れるコイルの特性変数である。
誘導性収縮ユニット又は収縮デバイスの場合には、ツールホルダのスリーブ部分をもって、誘導コイルによって周囲を囲まれた空間内に押し込まれたツールホルダが磁気回路の本質部分を形成する。具体的に言うと、スリーブ部分は誘導コイルの金属芯を形成する。したがって、測定されるインダクタンスの程度は、スリーブ部分が誘導コイルの中心又はいわゆる芯を塞ぐ程度、すなわち、当該のスリーブ部分が、より小さい(外側)直径を有するのか、それともより大きい(外側)直径を有するのか、又はより大きい質量を有するのか、それともより小さい質量を有するのかに決定的に依存する。
この場合には、収縮のために用いられる誘導コイルの測定可能なインダクタンス(及び抵抗)は、スリーブ部分の幾何構成だけでなく、ツールホルダのスリーブ部分の温度にも依存する。
(まず)スリーブ部分の幾何構成を - 自動化された方式で - 決定/検出し(A)、(次に)加熱プロセスを監視/制御するために(B)、両方を - 利用可能及び制御可能な意味において - 用いることができ、 - このように、収縮デバイスの信頼性が改善され、 - その一方で、それが自動化されているおかげで、「手動」誤差の発生源が回避される。
任意選択的に、結果として、好適な収縮周波数(動作周波数)を決定することもできる(C)。
(A)特定の時間において収縮デバイス又はその誘導コイル内に挿入されたツールホルダ/スリーブ部分の(自動)検出
(A1)デジタル指紋の作成
収縮デバイス上での使用のために考慮される異なるツールホルダの数は有限である。
この結果、収縮デバイス上で用いられるツールホルダの全て、又は少なくとも最も重要なものが、例えば、製造者によって、具体的には幾何学的に、測定され得るか、若しくは測定され、パラメータ化される。ツールホルダのスリーブ部分の外径が、具体的には、この場合にはツールホルダのために適切である(特性)変数である。
- ツールホルダ又はスリーブ部分に関する - これらのデータの全ては収縮デバイス0内に記憶される。
さらに、測定されたツールホルダごとに、それを(誘導的に)記述するデジタル指紋が決定又は作成される。
特定の時間単位の経過中における誘導コイルによる電流消費の程度がこのための役割を果たす。換言すれば、特定の事前設定された(規定された)時間間隔のための時間/電流曲線である。
- 特定のツールホルダを特徴付ける - このようなデジタル指紋を決定するために、既知の電流サイズ、電流波形、周波数及び効果持続期間の電流、すなわち、試験パルスが、精密に動作する電源の助けを借りて、 - 「低温(cold)」ツールホルダ又はそのスリーブ部分を有する - 誘導コイルに印加される(「試験パルス」)。
「低温」は、この場合には、それが、(実際の)収縮プロセスの前に、又は収縮プロセスとは独立して、ツールホルダ又はそのスリーブ部分に対して、すなわち、「低温」ツールホルダ又は「低温」スリーブ部分に対して実質的に室温で実施されることを意味する。
電流サイズは、ここでは、電流の最大振幅の量、すなわち、電流強度のプロファイルを意味すると理解される。電流波形は、ここでは、交番電圧の種類、例えば、方形波交番電圧を意味すると理解される。効果持続期間は、ここでは、試験パルスが印加される期間を意味すると理解される。
当該のスリーブ部分がどの外径又はどの質量を有するのかに依存して、((簡単な言葉で言えば)試験パルスに対する応答としての)当該の時間単位内における電流消費の異なるプロファイル、すなわち、(それぞれのスリーブ部分若しくはそれぞれのツールホルダを特徴付ける)異なる時間/電流曲線、すなわち、その磁気/電気又はデジタル指紋(「低温」条件下におけるもの - 「低温」ツールホルダに関連する上記参照)がスリーブ部分のために得られる。
収縮デバイス上で作動するために考慮されるべきツールホルダ又はスリーブ部分の全てのために、特定の時間単位内における(規定の試験パルスによって発生された)電流消費、すなわち、時間/電流曲線又はデジタル指紋が測定され、収縮デバイス0内に - ツールホルダ又はスリーブ部分に関して - 記憶される。
時間/電流曲線は、この場合には、また、それらを記述する特性に「縮約される(reduced)」。特性は、この場合には、極値(EW)、表面積(A)、及びまた、第1の周期のゼロ交差の(時間)間隔(NL)(図3参照 - そこで指示されている)を含み、これらは収縮デバイス0内に - ツールホルダ又はスリーブ部分に関して - 同様に記憶される。
図3及び図4(S=電流(電流強度又は電圧);t=時間)は、各々の場合において、「低温」ツールホルダ4のための可能な(印加された)試験パルス(PI)及び(測定された)時間/電流曲線(ZSK)を例として示す。図3及び図4が示すように、比較すると、図3に示されるとおりの試験パルスPIは1つの電圧パルス(SPI)を有し、それに対して、図4に示されるとおりの試験パルスは3つの電圧パルス(SPI1/2/3)を含む。
さらに、このとき、加熱プロセスのための時間、収縮/加熱周波数、及び加熱/収縮温度、並びにまた、インダクタンス変化パラメータ及び抵抗変化パラメータ(又は関連値)などの、特定の収縮パラメータも収縮デバイス0内に - ツールホルダ又はスリーブ部分に関して - 記憶される。
このインダクタンス変化パラメータ又は抵抗変化パラメータは、この場合には、 - ツールホルダ又はスリーブ部分に関して - 特定のツールホルダ又はスリーブ部分のための温度に伴うインダクタンスの変化を表すか、又はそれを記述する。
(A2)デジタル指紋を用いた収縮させられるべきツールホルダの検出
次に、 - 収縮プロセスのために - 収縮させられるべき特定のツールホルダ4の特定のスリーブ部分が誘導コイル1内に挿入された場合には、(このときには、そのツールホルダ4が検出されるよう期待される)、再度、対応する試験パルスが、ツールホルダ4における実際の誘導加熱プロセスの開始前にも(「低温条件」)、検出されるべき「低温」ツールホルダを有する誘導コイル1に印加される。
このとき結果として得られた、又は測定された時間/電流曲線は、この場合も先と同様に、記述的特性、EW、A、及びNLに「縮約され」、これらの特性が、次に、 - ツールホルダ又はスリーブ部分に関して - 記憶された特性とさらに比較され、これにより、どのスリーブ部分又はどのツールホルダが誘導コイル内に挿入されたのかを決定する。
収縮させられるべきツールホルダがかくして「検出される」と、それゆえ、具体的には、また、その外径及びその収縮パラメータ(上記参照)も同様に定められ、それに基づいて、次に、実際の収縮プロセスが行われる。
(B)(自動化された)収縮プロセス(図5)
収縮プロセスの最中に - 次に、さらに - ツールホルダ4のための時間/電流曲線が測定され(図5参照)、それに基づいて、収縮プロセスを制御することができる。
収縮プロセスでは、図5が示すように(又は測定された時間/電流曲線から分かるように)、まず、誘導コイル内に挿入されたツールホルダ又はそのスリーブ部分の初期加熱(ERW)が、例えば3~4秒の、このツールホルダのために(デジタル指紋を用いて決定された)事前設定された収縮パラメータ、又は初期加熱時間に従って行われる。
初期加熱の後に、収縮プロセスは短時間、例えば、約0.5秒間中断される(P1)。
中断の開始時に、発振回路SKS内のキャパシタユニットの完全充電が行われる。
それに続き、試験パルスと同一のチェックパルス、要するに同じパルスが、 - 初期加熱されたツールホルダ又はそのスリーブ部分を有する - 誘導コイルに印加され、このチェックパルスのための時間/電流曲線が測定される(図5において見ることはできない)。
このチェックパルス時間/電流曲線が今度もまた、それを記述する特性、すなわち、極値(EW)、表面積(A)、及びまた、第1の周期のゼロ交差の(時間)間隔(NL)に「縮約される」。
チェックパルスのこれらの特性値、又は例えば、表面積(A)などの、これらの特性値のうちの少なくとも1つに基づいて、挿入されたツールホルダ又はスリーブ部分のために(中断(P1)後に)加熱プロセス又は収縮プロセスが継続されるか(又は継続されないか)どうかが決定される。
このために、 - 挿入されたツールホルダ若しくはスリーブ部分のインダクタンス変化パラメータ、又はその事前設定されたパラメータ値(同じことを類推によって抵抗変化パラメータでも実施することができる)、及びまた、試験パルスのその特性値又はその少なくとも1つの特性値、例えば、試験パルスの表面積(A)を用いることによって、 - インダクタンス(又は抵抗 - 類似の手順についての上記参照)の最大許容変化、すなわち、許容限界特性値又は少なくとも1つの許容限界特性値が、例えば、
挿入されたツールホルダの試験パルスの表面積A(又は特性値)-(挿入されたツールホルダの試験パルスの表面積A(又は特性値)*事前設定されたインダクタンス変化パラメータ値)
によって決定される。
これが、チェックパルスの特性値、ここでは再び、例えば、表面積(A)と比較され、例えば、
挿入されたツールホルダのチェックパルスの表面積A(又は特性値)(<)又は(=)又は(>)挿入されたツールホルダの試験パルスの表面積A(又は特性値)-(挿入されたツールホルダの試験パルスの表面積A(又は特性値)*事前設定されたインダクタンス変化パラメータ値)(「特性値の比較」)
によって比較される。
チェックパルスの特性値が許容限界特性値から事前設定可能な基準だけ逸脱している場合には、収縮プロセスが終了され、例えば、
挿入されたツールホルダのチェックパルスの表面積A(又は特性値) < 又は = 又は > 挿入されたツールホルダの試験パルスの表面積A(又は特性値)-(挿入されたツールホルダの試験パルスの表面積A(又は特性値)*事前設定されたインダクタンス変化パラメータ値)(「終結基準」)。
さもなければ、収縮プロセスの続きが(依然として既知の収縮パラメータを用いて)次の第2の(/さらなる)収縮段階(NEW1(後続の加熱1))にわたって - 例えば、さらなる1.5秒間 - 行われる。
その後、収縮プロセスは2度目に(再び)、再度、約0.5秒間、中断され(P2) - 試験が繰り返される。換言すれば、再度、キャパシタユニットの充電、チェックパルスの印加、及び「特性値の比較」(上記参照)が行われる(「収縮領域」-P1(試験)/NEW1、P2(試験)/NEW2、P3(試験)/NEW3等)。
- 次に、この第2の収縮段階(NEW2)の後に - 「終結基準」(上記参照)が満足された場合には、手順が終結される。さもなければ、「終結基準」が満足されるまで - 上記に基づいて - 収縮、「収縮領域」(P2(試験)/NEW2、P3(試験)/NEW3 - 図5参照)が継続される。
図6は、収縮デバイスにおける - 電流/時間曲線依存性の - 収縮プロセス((A)及び(B)及び(C)参照)或いはその制御を機器の観点からどのように実施することができるのかを示す。
図6が示すように、収縮デバイス0の誘導コイル1は、試験パルス、及び同様にチェックパルスも発生する、電源100によって給電される。
誘導コイル1の接続線のうちの1つにおいて、時間/電流曲線を測定し、自体公知の種類の構造の(電流)測定器であり得る、測定器101が存在する。
制御ユニット110を用いて、このとき、電源は、測定された電流/時間曲線に基づいて - 上述の手順((A)及び(B)及び(C))に対応する仕方で - 制御される。
(C)自動化された周波数決定(任意選択)
続いて、 - 例えば - 上述された収縮プロセスの場合には - 好適な収縮周波数が、自動化された方式で決定され得る方法の説明が行われる。
この場合には、好適な収縮周波数は、共振周波数の「すぐ」下方にある収縮周波数を意味する。収縮/加熱周波数が共振周波数に接近するにつれて、加熱の効率/有効性は増大するが、共振周波数で動作している時に存在するように、誘導コイル構造ユニット内の構成要素の過負荷のリスクは依然として存在しない。
このために - 実際の収縮プロセスの開始前に - 例えば、試験パルス及び/又はチェックパルスと同じ、複数のさらなる規定-事前設定された(適合)電流又は適合パルスが、 - その都度異なる周波数を用いて - (挿入されたツールホルダ又はスリーブ部分)を有する誘導コイルに順々に直接印加される。
この場合も先と同様に、それらの時間/電流曲線が測定され、これらが特性値に縮約され、特性値が比較される。
それゆえ、加熱の有効性/効率が - 例えば、「極値(EW)」特性値において反映される場合には(すなわち、極値(EW)が大きいほど、加熱は有効/効率的である)、このとき、さらに、「最も有効な/最も効率的な」(加熱)周波数を検出することができ - これを共振周波数であると想定することができる。
- 共振周波数であると想定される - この「最も有効な/最も効率的な」周波数のすぐ上方の周波数を、次に、収縮プロセスのために設定/適用されるべき収縮/加熱周波数として選択することができ、この周波数に基づいて収縮プロセスを実施することができる。
本発明は好ましい例示的な実施形態によってより具体的に例示され、詳細に説明されたが、本発明は、開示された例によって限定されず、本発明の保護の範囲から逸脱することなくそれから他の変形例が導かれ得る。
0 収縮デバイス
1 誘導コイル
2 ターン
3 第1のケーシング
3a、3b 磁気カバー
4 ツールホルダ
9 第2のケーシング
10 パワー半導体構成要素
11 隙間
12 端子
14a、14b キャパシタ
15a、15b 電気回路板
100 電源
101 測定器
110 制御ユニット

Claims (19)

  1. ツールホルダのスリーブ部分が誘導コイル構造ユニットの誘導コイル内に挿入された前記誘導コイル構造ユニットのための誘導加熱プロセスを制御するための方法であって、
    規定-事前設定された試験パルスが、前記誘導コイル内に挿入された前記スリーブ部分内における誘導加熱プロセスの開始前にも、前記誘導コイルに印加され、前記誘導コイル内に挿入された前記スリーブ部分のための時間/電流曲線がこの試験パルスのために決定され、前記挿入されたスリーブ部分が前記試パルスの前記時間/電流曲線に基づいて検出され、
    前記検出に基づいて、加熱パラメータが、前記誘導コイル内に挿入された前記スリーブ部分のために定められ、前記誘導加熱プロセスが、前記検出されたスリーブ部分のために定められた前記加熱パラメータに基づいて開始され、
    前記誘導加熱プロセスが少なくとも1回中断され、前記中断の最中に、再度、規定-事前設定されたチェックパルスが、前記スリーブ部分が前記誘導コイル内に挿入された前記誘導コイルに印加され、前記誘導コイル内に挿入された前記スリーブ部分のためのさらなる時間/電流曲線がこのチェックパルスのために決定され、
    記チェックパルスの前記さらなる時間/電流曲線に基づいて、前記誘導加熱プロセスが継続されるのか、それとも永久に終了されるのかが決定されることを特徴とする方法。
  2. 記試験パルス及び/又は前記チェックパルスが、電流サイズ、電流波形、周波数及び/又は効果持続期間に基づいて規定-事前設定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 記試験パルス及び/又は前記チェックパルスが、1つ、2つ、又はそれを超える(電流)パルスを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 記試験パルス及び前記チェックパルスが同じであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 記試パルス及び/又は前記チェックパルスの前記時間/電流曲線が測定され、及び/又は正規化される、具体的には、基準送電網電圧に、具体的には、独国基準送電網電圧に正規化されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 記試パルス及び/又は前記チェックパルスの前記時間/電流曲線が評価され、時間/電流曲線特性が前記評価において決定され、前記時間/電流曲線特性に基づいて、具体的には、前記挿入されたスリーブ部分の幾何構成、具体的には、外径、又は前記挿入されたスリーブ部分のための加熱状態が推定されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記時間/電流曲線特性が、表面積、振幅、具体的には、振幅極値、ゼロ交差の数及び/又は時間間隔、側部の峻度、及び/又は前記時間/電流曲線の場合には、正接、或いはそれから推定された、具体的には、統計的に推定された特性であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記加熱パラメータが前記検出に基づいて定められ、前記誘導加熱プロセスのための時間、及び/又は前記誘導加熱プロセスの初期加熱のための時間、及び/又は周波数、及び/又は温度、及び/又はインダクタンス変化パラメータ、及び/又は抵抗変化パラメータであることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記誘導加熱プロセスの前記初期加熱のための前記時間が前記誘導加熱プロセスのための前記時間の1/3~1/2であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 前記誘導加熱プロセスの中断の最中に、前記さらなる規定-事前設定されたチェックパルスを印加する前に、充電プロセスが、前記さらなる規定-事前設定されたチェックパルスを発生する構造ユニットにおいて実施され、具体的には、発振回路のキャパシタが前記充電プロセスにおいて充電されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記誘導加熱プロセスが複数回中断され、各中断の最中に、再度、前記規定-事前設定されたチェックパルスが、前記スリーブ部分が前記誘導コイル内に挿入された前記誘導コイルに印加され、前記誘導コイル内に挿入された前記スリーブ部分のためのさらなる時間/電流曲線がこのチェックパルスのために決定され、
    前記さらなる時間/電流曲線に基づいて、前記それぞれの中断後に、前記誘導加熱プロセスが継続されるのか、それとも永久に終了されるのかが決定されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記誘導加熱プロセスを継続するとの前記決定が、前記試パルスの前記時間/電流曲線の事前設定された変化に依存して行われ、具体的には、前記試パルスの前記時間/電流曲線の前記事前設定された変化が、インダクタンス変化パラメータを用いることによって決定されることを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 記試パルスの前記時間/電流曲線の前記事前設定された変化が、前記ツールホルダのスリーブ部分内におけるインダクタンス及び/又は抵抗の温度依存性変化を記述することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
  14. 複数のさらなる規定-事前設定された適合パルスが、具体的には、前記誘導コイル内に挿入された前記スリーブ部分内における前記誘導加熱プロセスの開始前にも、又は開始時に、前記誘導コイルに印加され、前記誘導コイル内に挿入された前記スリーブ部分のための時間/電流曲線がこれらの適合パルスのために決定され、周波数が前記適パルスの前記時間/電流曲線に基づいて定められることを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 記適パルスの前記時間/電流曲線が評価され、時間/電流曲線特性が、前記適パルスの前記時間/電流曲線のための前記評価においてその都度決定され、これらの特性が比較されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. ツールホルダのスリーブ部分が挿入され得る誘導コイルを有する、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法を実施するための誘導コイル構造ユニットであって、
    記試験パルス及び前記チェックパルスが発生され得る回路と、
    制御ユニットであって、前記誘導コイル及び前記回路が、
    前記規定-事前設定された試験パルスが、前記誘導コイル内に挿入された前記スリーブ部分内における誘導加熱プロセスの開始前にも、前記誘導コイルに印加され得、前記誘導コイル内に挿入された前記スリーブ部分のための時間/電流曲線がこの試験パルスのために決定され得、前記挿入されたスリーブ部分が前記試パルスの前記時間/電流曲線に基づいて検出され得、
    前記検出に基づいて、加熱パラメータが、前記誘導コイル内に挿入された前記スリーブ部分のために定められ得、前記誘導加熱プロセスが、前記検出されたスリーブ部分のために定められた前記加熱パラメータに基づいて開始され得、
    前記誘導加熱プロセスが少なくとも1回中断され得、前記中断の最中に、再度、規定-事前設定されたチェックパルスが、前記スリーブ部分が前記誘導コイル内に挿入された前記誘導コイルに印加され得、前記誘導コイル内に挿入された前記スリーブ部分のためのさらなる時間/電流曲線がこのチェックパルスのために決定され得、
    記チェックパルスの前記さらなる時間/電流曲線に基づいて、前記誘導加熱プロセスが継続されるのか、それとも永久に終了されるのかが決定され得るような仕方で制御され得、そのような仕方で設計されている、制御ユニットと、によって特徴付けられる誘導コイル構造ユニット。
  17. 前記誘導コイル内に挿入され得る前記スリーブ部分のための前記時間/電流曲線が測定され得る測定デバイスによって特徴付けられる、請求項16に記載の誘導コイル構造ユニット。
  18. 前記測定デバイスが電流測定デバイス又は電圧測定デバイスであること、及び/又は前記測定デバイスが前記回路の入力回路内及び/又は中間回路内及び/又は出力回路内に実装されていることを特徴とする、請求項17に記載の誘導コイル構造ユニット。
  19. 前記回路が、少なくとも1つのパワー半導体構成要素、具体的には、少なくとも1つの絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)及び/又は金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を有することを特徴とする、請求項16~18のいずれか1項に記載の誘導コイル構造ユニット。
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