本開示の実施態様においては、操縦士の状況認識を高めるヒューマンマシン・インターフェースが提供される。本明細書においては、図面を参照しながら特定の実施形態を説明する。以下の説明において、図面全体を通して、共通する構成要素は共通の参照数字で示されている。
本明細書における様々な用語は、特定の実施形態のみを説明する目的で用いられており、なんら限定を意図するものではない。例えば、「a」、「an」、「the」等の単数形の文言は、文脈によって明示的に排除されない限り、複数形の文言も含むことを意図している。さらに、「備える」等の用語は、「含む」等の用語と同義語として互換的に用いられる。また、「~において(wherein)」等の表現は、「~で(where)」等の表現と区別なく用いられる。本明細書において「例示的」とは、例、実施形態、及び/又は、態様を表し、限定を表したり、好ましい例や好ましい実施形態を示したりするものではない。本明細書において、構造体、コンポーネント、工程等の要素を変更するために用いられる序数を表す用語(例えば、「第1」、「第2」、及び、「第3」等)は、他の要素に対する当該要素の優先度や順序を示すものではなく、同じ名称の他の要素と当該要素とを(序数を表す用語を使用して)区別する目的のみで用いられている。本明細書において、「組(set)」なる用語は、1つ以上の要素のグループを指し、「複数(plurality)」なる用語は、複数の要素を指す。
本明細書において、「生成」、「計算」、「使用」、「選択」、「取得(access)」、「特定」等の用語は、文脈によって排除されない限り、互いに区別なく用いられる。例えば、パラメータ(又は、信号)を「生成」、「計算」、又は、「特定」することは、パラメータ(又は、信号)を能動的に生成、計算、又は、決定することを指す場合もあるし、他のコンポーネント又は装置等により既に生成されたパラメータ(又は、信号)を使用、選択、又は、取得することを指す場合もある。さらに、「調整」及び「変更」も区別なく用いることができる。例えば、パラメータの「調整」又は「変更」は、当該パラメータを「第1値」から「第2値」(「変更値」又は「調整値」)に変更することを指す場合もある。本明細書において、「接続」は、「通信接続」、「電気接続」、又は、「物理的接続」を含む場合もあるし、(これに加えて、或いは、これに代えて)これらの組合せの場合もある。2つの装置(又は、コンポーネント)は、1つ以上の他の装置、コンポーネント、ワイヤ、バス、ネットワーク(例えば、有線ネットワーク、無線ネットワーク、又はこれらの組合せ)等を介して、直接或いは間接的に接続(例えば、通信接続、電気接続、又は、物理接続)されてもよい。例示的且つ非限定的な例において、電気接続される2つの装置(又は、コンポーネント)は、同じ装置又は異なる装置に含めることが可能であり、電子機器、1つ以上のコネクタ、又は、誘導接続により接続されてもよい。いくつかの実施形態において、電気通信等により通信可能に接続された2つの装置(又は、コンポーネント)は、1つ以上のワイヤ、バス、ネットワーク等を介して直接或いは間接的に電気信号(デジタル信号又はアナログ信号)を送受信することができる。本明細書において、「直接接続」は、介在するコンポーネントを用いずに接続(例えば、通信接続、電気接続、又は物理接続)されている2つの装置を説明するために用いられる。
本開示の実施形態は、DAAシステム、より一般的には航空機飛行情報システムの構成要素を含む。具体的には、航空機飛行情報システムは、操縦士に対する警告情報及びガイダンス情報を含む状況認識ディスプレイを生成するように構成されている。本開示は、表示する情報を特定する方法、具体的には、航空機が航行ハザードに遭遇しうる関心領域を特定する方法を、さらに含む。この点に関して、航行ハザードに遭遇することは、航空機と航行ハザードとの離間距離が、閾値距離よりも小さくなることを指す。航空機と航行ハザードとの離間距離が、閾値距離よりも小さくなる状況は、航空機と航行ハザードとの間の「離間ロス(loss of separation)」とも呼ばれる。
特定の実施形態においては、航空機飛行情報システムは、関心領域についての情報(例えば、離間ロスが生じうる位置)を操縦士(遠隔操縦士であってもよい)に伝える状況認識ディスプレイを生成する。例えば、ディスプレイは、関心領域を特定又は表示するために、マップ表示に対してグラフィック特徴を重ねたものであってもよい。いくつかの実施形態においては、ディスプレイは、さらに、空域内の航空機に関する位置情報、識別情報、及び、他の関連情報(例えば、推定/予想飛行経路)を操縦士に与えてもよい。ディスプレイには、音声通知やトーンなどの可聴キューを追加することができる。ディスプレイはまた、向首方向、高度/垂直プロファイル、及び、ウェイポイントの位置などの、操縦中の航空機に関する情報を操縦士に与えることができる。いくつかの実施形態においては、ディスプレイは、操縦士が理解し易い一貫した情報を表示することにより、操縦士の負担を軽減するように構築されている。例えば、航空機飛行情報システムは、航空機の誘導を避ける場所についてのアドバイス(例えば、「進行不可アドバイス("no-go" advice)」)と、航空機を誘導すべき場所についてのアドバイス(「進行可アドバイス("go" advice)」)との間を切り替えるようなディスプレイの生成を回避することができる。進行可アドバイスと進行不可アドバイスとの間の切り替えを行うと、操縦士は、情報が進行可アドバイスなのか、或いは進行不可アドバイスなのかを判断するためにディスプレイに表示された各情報をタイムリーに評価しなければならない。このため、上記のようなアドバイスの切り替えは、操縦士の混乱を招くとともに操縦士の負担が大きくなる可能性がある。
本明細書において、関心領域は、航空機が取りうる飛行経路と、航行ハザードの位置や予想経路との間の近接度に基づいて特定される。関心領域は、最接近点、又は、生じうる交点に対応する。また、近接度は、文脈上で矛盾しない限り、距離の測定値、時間の測定値、又は、これら両方に基づいたものであってもよい。例えば、2つの航空機の近接度は、航空機の位置に基づく距離(例えば、メートル又はフィート数)や、航空機の位置及び航空機間の相対速度に基づく時間(例えば、秒数)で表すことができる。また、本明細書において、離間違反状況は、航空機の近接度が、時間に基づく離間閾値よりも低い場合、距離に基づく離間閾値よりも低い場合、又は、これら両方に基づいて発生しうる。例えば、航空機間の相対速度を用いて、時間に基づく離間閾値を距離に変換することにより、或いは、航空機間の相対速度を用いて、距離に基づく近接度を時間に変換することにより、時間に基づく離間閾値と距離に基づく近接度とを比較してもよい。
特定の実施形態においては、航空機飛行情報システムは、航空機の位置、航行ハザードの位置、航空機の速度、航行ハザードの速度、又は、これらの組合せが明確でない場合であっても、(演算リソースの点で)迅速且つ効率的に関心領域を特定することができる。
航空機飛行情報システムは、境界ベクトルに基づいた(以下に説明するブルートフォース法と比較して)単純な方法を用いることにより、位置及び/又は速度の不確定範囲を特定している。位置及び/又は速度の不確定範囲は、各センサやセンサ読取値、外部からの力や状況若しくは一時的な力や状況(例えば、突風、高温域、低温域、高圧域、低圧域)、又は、これらの組合せに関連する誤差の推定値を含むか、或いは当該推定値に対応している。境界ベクトルは、一組のアポロニウス円又はアポロニウス球を特定するために用いられ、各アポロニウス円又はアポロニウス球は、航空機と航行ハザードとの速さ比(例えば、速度ベクトルの大きさの比)、及び、航空機と航行ハザードとの相対位置(例えば、相対位置ベクトル)に基づいて特定される。アポロニウス円又はアポロニウス球の特定は、幾何計算であるが、この計算は、航空機及び/又は航行ハザードの速度ベクトルの方向を説明しない。したがって、アポロニウス円又はアポロニウス球は、速度ベクトルの方向に関係なく、航空機と航行ハザードとの生じうる交点に対応する複数の交点候補として定義される。関心領域の特定は、(航空機又は航行ハザードの)速度ベクトルの方向に沿った線を想定して、当該線とアポロニウス円又はアポロニウス球との最接近点又は交点を特定することにより、行われる。境界ベクトルは、関心領域を生成するために最も有用な情報を伴うアポロニウス円又はアポロニウス球を得るために選択される。いくつかの状況において、境界ベクトルは、最接近点又は交点の粗推定値の生成を簡易化するために選択することも可能であり、これらの境界ベクトルは、後に、追加の境界ベクトル又は他の計算により精緻化される。
本明細書で説明するように、位置不確定性、及び/又は、速度不確定性を考慮にいれて関心領域を特定するために境界ベクトルを用いる方法は、位置及び/又は速度の不確定範囲を考慮に入れて関心領域を特定するための他の方法と比較して(必要な演算リソースの点で)より効率的且つ高速である。例えば、多くのDAAシステムは、位置及び速度の不確定範囲を考慮した方法で関心領域(例えば、最接近点又は交点)のリアルタイム計算を実行することができない。位置及び速度の不確定範囲を明らかにするための計算を実行するシステムの例としては、米国航空宇宙局(NASA)によって開発された、無人システムのための検出・回避警告ロジック(DAIDALUS)ツールが挙げられる。 DAIDALUSツールは、オフラインシミュレーションで求められた一組のパラメータ値を用いて、ブルートフォースシミュレーションにより当該パラメータ値から関心領域を生成する。不確定範囲の管理をオフラインで行う方法の直接的な結果として、DAIDALUSツールの推定技術は、航空機とシミュレートされた遭遇状況に対してのみ有効である。すなわち、DAIDALUSツールは、リアルタイムで変化する特定の現実の空中遭遇に関連する動的且つ実際の不確定範囲に対応することができない。この問題に対処するために、DAIDALUSツールは、無難なパラメータ(conservative parameters)を使用するが、この方法では誤報率が高くなり、航空機の不要な操縦につながる可能性がある。本明細書で説明する境界ベクトルを用いる方法は、ブルートフォースシミュレーションに必要な膨大な演算リソースを使用することなく、オフラインシミュレーションを使用することなく、また、無難なパラメータを無用に使用することもなく、空域における実際の遭遇状況に対応することができる。この結果、操縦士(又は、飛行制御システム)に対して、より正確でタイムリーな状況認識データを供給することができる。
図1は、航空機飛行情報システム104を含むシステム100の例を示すブロック図である。航空機飛行情報システム104は、航空機飛行情報システム104を介して制御される航空機160の操作を容易にするように構成されている。航空機飛行情報システム104は、航空機160の近傍の空域を記述する情報を含むディスプレイ150を提供するように構成されている。例えば、空域は、他の航空機、地形、構造物等の航行ハザード170を含みうる。航空機飛行情報システム104はまた、操縦士や自動操縦の飛行制御入力に基づいて、航空機160に対してコマンド116を送信するように構成されている。図1において、航空機飛行情報システム104は、航空機160の遠隔操縦を可能にするための遠隔操縦ステーション102を構成する要素であるか、これに組み込まれたものであってもよいし、航空機160又は他の航空機を構成する要素であるか、これに組み込まれたものであってもよい。
航空機飛行情報システム104は、少なくとも1つのプロセッサ124と、メモリ126と、1つ以上の入力装置128と、1つ以上の通信インターフェース118と、表示装置130と、他の出力装置156(例えば、スピーカ、ブザー、ライト等)とを含む。メモリ126、入力装置128、通信インターフェース118、表示装置130、及び、他の出力装置156は、プロセッサ124に直接又は間接的に接続されている。メモリ126は、航空機160の周囲の空域を記述する情報の受信及び提示、操縦士への飛行アドバイスの提示、操縦士からの飛行制御入力の受信及び処理、並びに、航空機160へのコマンドの送信に関連する様々な動作を実行するために、プロセッサ124によって実行可能な命令132を保存する。
通信インターフェース118は、送信機120と、受信機122と、これらの組合せ(例えば、送受信機)とを含むか、或いは、これらに接続されている。通信インターフェース118は、航空機160、他の航空機、若しくは、当該航空機160の周囲の空域を記述した空域データ114を収集或いは生成するシステムとの通信、又は、これらの組合せとの通信を、可能にするように構成されている。上記通信は、航空機160で生成された情報(例えば、音声、ビデオ、又は、センサデータ)、他の航空機で生成された情報(例えば、ボイス又はトランスポンダ情報)、航空機飛行情報システム104によって生成又は収集された情報(例えば、コマンド)、又は、これらの組合せの送信及び/又は受信を含みうる。例えば、通信インターフェース118は、プロセッサ124からコマンドを受信して、航空機160に対するコマンド116などのコマンドを送信機120に送信させるように構成されている。図1において、コマンド116は、地上無線周波アンテナ108、又は、衛星地上局アンテナ110と1つ以上の衛星112との間の衛星アップリンク等の、無線通信を介して送信される。航空機飛行情報システム104が航空機160に組み込まれている実施形態においては、コマンド116は、航空機160のバス又は機内データ通信アーキテクチャを介して送信される。
受信機122は、地上無線周波アンテナ108、衛星アップリンク、他のソース(レーダシステム又は航空管制システム等)、又は、これらの組合せを介して、空域データ114及び/又は他の情報を受信するように構成されている。空域データ114は、航空機160及び航行ハザード170の位置、速度、高度、及び、種類等の情報を含む。空域データ114はまた、飛行士への通知や、地形及び気象情報等の他の情報も含みうる。空域データ114は、プロセッサ124に供給されるか、メモリ126に保存されるか、或いは、これらの両方が行われる。例えば、空域データ114の少なくとも一部が位置・速度データ144として保存される。
位置・速度データ144は、航空機160に搭載されたセンサ、航行ハザード170に対して設けられたセンサ、他の航空機又は宇宙船に搭載されたセンサ、地上センサ、又は、これらの組合せからの測定値に基づいて生成される。位置・速度データ144はまた、各センサ又はセンサ読取値に関連する誤差の推定値を示す不確定範囲データも含みうる。不確定範囲データは、空域データ114に含まれてもよいし、測定値を生成したセンサの種類や履歴データ等に基づいてプロセッサ124により算出されてもよい。不確定範囲データは、航空機160の位置に関連する位置不確定範囲、航行ハザード170の位置に関連する位置不確定範囲、航空機160と航行ハザード170との間の距離及び方向に関連する相対位置不確定範囲、航空機160の速度に関連する速度不確定範囲、航行ハザード170の速度に関連する速度不確定範囲、及び、これらの組合せを含みうる。不確定範囲データは、複数の異なるソースから供給、受信、又は、取得されてもよい。例えば、不確定範囲データは、センサパラメータ、規制基準、航行性能基準、又は、これらの組合せから得られる。不確定範囲データは、位置不確定範囲、速度不確定範囲、又は、これらの両方を特定するために飛行状況に基づいて(例えば、動的に)調整されるデータであって、例えば、設定可能な変数であってもよい。例示的且つ非限定的な例として、不確定範囲データは、データテーブルに含めることができ、特定の速度センサ(例えば、ピトー静圧管(pitot static tube))について、「X」の高度である場合に速度不確定範囲の大きさが「A」パーセント以内であって、且つ、「Y」の高度である場合に「B」パーセント以内であることを示す特定の不確定範囲データを含む。また、(位置、向首方向(heading)、速度等を示す)データ入力の解像度は、位置データ、速度データ、又は、これらの両方における不確定範囲に影響を与えうる。例えば、特定のセンサの解像度が比較的低い場合、例えば、特定のセンサが他のセンサと比較して有効数字の少ない(less significant digits)センサデータを生成する場合等においては、データにおける不確定範囲が増大する。
図1において、命令132は、飛行制御命令134と、球体解析命令138と、交点解析命令136と、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)生成命令140と、を含む。飛行制御命令134、球体解析命令138、交点解析命令136、及び、GUI生成命令140は、単に便宜上、図1の命令132内の別個のモジュールとして示されている。いくつかの実施形態においては、飛行制御命令134、球体解析命令138、交点解析命令136、及び、GUI生成命令140に対応する2つ以上のモジュールが組み合わされている。例示すると、球体解析命令138と交点解析命令136とを組み合わせて1つのアプリケーションにしてもよい。他の実施形態においては、命令132は、図1に示すものとは異なるモジュール、又は、それらよりも多いモジュールを含む。例示すると、球体解析命令138は、位置・速度データ144に基づいて境界ベクトル(bounding vectors)を特定するためのモジュール、解析のために一組の境界ベクトルを選択するためのモジュール、及び、選択された一組の境界ベクトルに基づいて一組のアポロニウス円(Apollonius circles)又はアポロニウス球を特定するモジュールなどの、いくつかのモジュールに分割することもできる。
飛行制御命令134は、プロセッサ124によって実行可能であり、当該命令を実行することによって、プロセッサ124が、入力装置128を介して操縦士から入力を受信することができ、さらに、当該入力に基づいて、航空機160のコマンド(例えば、コマンド116)を生成することができる。いくつかの実施形態においては、飛行制御命令134はさらに、或いは、代替として、自律的又は半自律的に(例えば、操縦士の指定パラメータの範囲内で自律的に)航空機160を制御する自動操縦システムを含みうる。いくつかの実施形態においては、入力装置128は、スティック、スロットルハンドル、ヨーク(yoke)、ペダル、又は、他の航空機用インセプタ(aircraft inceptors)などの、従来の航空機用飛行入力装置を含む。他の実施形態においては、入力装置128は、マウス、キーボード、ジョイスティック、又は、ゲームシステムコントローラなどの、コンピュータ/ゲーム型入力装置を含む。さらに他の実施形態においては、入力装置128は、従来の航空機用飛行入力装置、コンピュータ/ゲーム型入力装置、及び、他の装置(例えば、ジェスチャ、音声、又は、動作に基づくコントローラ)の組合せを含む。操縦士は、入力装置128を使用して、航空機160の飛行制御エフェクタに直接コマンドを送ることができる。例えば、操縦士は、特定のエルロン位置や特定のロール角を示すように入力装置を動かすことによって、直接コマンドを送ることができる。これに代えて、或いは、これに加えて、操縦士は、ウェイポイント(waypoints)及び/又は操作パラメータを指定するために入力装置128を用いることができ、飛行制御命令134は、ウェイポイント及び/又は操作パラメータに基づいて、航空機160の飛行制御エフェクタに対して送信されるコマンドであってもよい。
GUI生成命令140は、プロセッサ124によって実行可能であり、当該命令を実行することによって、プロセッサ124がディスプレイ150を生成して、表示装置130にディスプレイ150を供給することができる。特定の実施形態においては、ディスプレイ150は、航空機160の近くの地理的領域を示すマップ152と、航空機160、航行ハザード170、飛行状況情報、飛行アドバイス、及び、他の情報を示すグラフィック特徴(graphic features)154と、を含む。グラフィック特徴154の内容及び配置は、メモリ126内の設定158に基づいて決定される。設定158は、航空機飛行情報システム104による情報の提示に関して、操縦士が好む表示態様、及び、他のユーザが選好する表示態様を示す。
以下で詳述するように、球体解析命令138は、位置・速度データ144に基づいて複数の境界ベクトルを特定するために、プロセッサ124によって実行可能である。球体解析命令138は、解析のために一組の境界ベクトルを選択する際に実行することも可能である。さらなる解析に選択される境界ベクトルは、交点候補の境界を定める円形又は球形の領域を特定するのに用いられる。例えば、選択された境界ベクトルは、複数のアポロニウス円又はアポロニウス球を表すデータを生成するために用いられる。特定の実施形態においては、球体解析命令138によって特定された境界ベクトルの全てを選択及び使用して、アポロニウス円又はアポロニウス球を生成する。他の実施形態においては、球体解析命令138によって特定された境界ベクトルの一部を選択及び使用して、アポロニウス円又はアポロニウス球を生成する。さらに他の実施形態においては、球体解析命令138によって特定された境界ベクトルの一部を選択及び使用して、(例えば、離間ロスの可能性が示されているか否かを判断するための)粗推定値についての第1組のアポロニウス円又はアポロニウス球を生成する。また、粗推定値により離間ロスの可能性が示された場合、球体解析命令138によって特定された境界ベクトルの比較的大きいサブセット、異なるサブセット、又は、全てを選択及び使用して、精緻推定についての第2組のアポロニウス円又はアポロニウス球を生成する。このような実施形態においては、航空機飛行情報システム104は、低い忠実度又は精度で(at partial fidelity or precision)、位置、速度、位置不確定範囲、及び、速度不確定範囲の変化に応答して、表示装置130をより迅速に更新し、その後、時間の経過とともに(例えば、後続する処理サイクルにおいて)、高い忠実度又は精度で(full fidelity or precision)、1つ以上のより精緻な推定値を用いて粗推定値を更新又は精緻化する。
選択された境界ベクトルは、1つ以上の相対位置ベクトルと、航空機160の1つ以上の速度ベクトルと、航行ハザード170の1つ以上の速度ベクトルとを含む。1つ以上の相対位置ベクトルの各々は、航空機160と航行ハザード170との間の方向及び距離を示す。位置・速度データ144が、航空機160の位置又は航行ハザード170の位置に関する位置不確定範囲データを含む場合、選択される複数の境界ベクトルは、複数の相対位置ベクトルを含みうる。この場合、本明細書において、各相対位置ベクトルは、境界相対位置ベクトル、すなわち相対位置ベクトルである境界ベクトルと呼ばれる。位置不確定範囲には、垂直位置の不確定範囲(すなわち、高度不確定範囲)、水平位置の不確定範囲、又は、これら両方が含まれうる。
各速度ベクトルは、速さ及び方向を示す。位置・速度データ144が航空機160の速度に関する速度不確定範囲データを含む場合、選択された境界ベクトルは、航空機160の複数の速度ベクトルを含みうる。同様に、位置・速度データ144が航行ハザード170の速度に関する速度不確定範囲データを含む場合、選択された境界ベクトルは、航行ハザード170の複数の速度ベクトルを含みうる。本明細書において、速度ベクトルである境界ベクトルは、境界速度ベクトルと呼ばれる。速度不確定範囲には、速さに関する不確定範囲(例えば、速度ベクトルの大きさ)、速度ベクトルの方向に関する不確定範囲、又は、これらの両方が含まれうる。
球体解析命令138は、少なくとも1つのプロセッサ124によって実行可能であり、当該命令を実行することによって、航空機160及び航行ハザード170の速さ比(例えば、境界速度ベクトルの大きさの比)、並びに、航空機160及び航行ハザード170の相対位置(例えば、境界相対位置ベクトル)に基づいて、各アポロニウス円又はアポロニウス球を記述するデータを生成することができる。図1に示す例においては、各アポロニウス円又はアポロニウス球を記述するデータが交点解析命令136に供給され、当該命令により、速度ベクトルのうちの1つの方向に沿うよう想定される線と、アポロニウス円又はアポロニウス球との1つ以上の交点が特定される。これに代えて、或いは、これに加えて、交点解析命令136は、速度ベクトルのうちの1つの方向に沿うよう想定される線と、アポロニウス円又はアポロニウス球との最接近点(point of closest approach)を特定することができる。交点又は最接近点(及び、他の境界ベクトルに基づく解析から得られる交点又は最接近点)により、関心領域が画定される。関心領域を記述するデータは、GUI生成命令140に供給され、操縦士のための状況認識ディスプレイ(例えば、ディスプレイ150)が生成される。これに代えて、或いは、これに加えて、関心領域を記述するデータは、飛行制御命令134によって利用されてもよく、これによって、航空機160に関心領域を避けるように飛行させるためのコマンド116を自動的又は半自動的に生成してもよい。
特定の実施形態においては、関心領域は、離間違反状況が発生しうる領域である。離間違反状況は、航空機160の航行ハザード170からの離間が、離間閾値(例えば、距離閾値又は時間閾値)を下回っている場合に発生する。離間閾値は、(例えば、設定158の一部として)操縦士によって指定されてもよいし、航空機160又は航行ハザード170に関連する団体(例えば、軍隊、政府、又は、商業組織)、規制機関、或いは、標準化団体(standards organization)によって指定されてもよい。いくつかの実施形態においては、閾値142は、複数の異なる離間閾値を含んでおり、離間違反状況が発生すると予想されるか否かを判定するために用いられる特定の離間閾値は、空域データ114を受信した時点における状況及びパラメータ値に基づいて決定される。例えば、使用される特定の離間閾値は、気象条件、航空機160のタイプ、空域の分類、航行ハザード170の性質や同一性、ミッションパラメータ等によって決定される。例示すると、航空機160が無人であって、且つ、航行ハザード170が他の無人航空機である場合にはより小さい離間閾値を使用し、航空機160又は航行ハザード170のいずれか一方が有人航空機である場合にはより大きい離間閾値を使用してもよい。
いくつかの実施形態においては、GUI生成命令140は、少なくとも1つのプロセッサ124によって実行可能であり、当該命令を実行することによって、グラフィック特徴154を生成して、関心領域に対応する領域にマップ152を重ねることができる。これに代えて、或いは、これに加えて、GUI生成命令140は、操縦士が関心領域に対応する方向に向かって航空機160を操縦しないように操縦士に知らせるためのアドバイス帯又は他のグラフィック特徴を生成する。
特定の実施形態においては、飛行制御命令134は、関心領域に基づいて、操縦士が実行可能な操作を制限することができる。例えば、飛行制御命令134は、操縦士が、関心領域内に航空機160のウェイポイントを指定するのを防止することができる。例えば、操縦士がウェイポイントを指定する入力を行う場合、当該ウェイポイントが関心領域内に存在しないという判定に基づいて、コマンド116を生成して航空機160に送信してもよい。これに代えて、飛行制御命令134は、操縦士が関心領域内にウェイポイントを指定することを許可してもよい。ただし、この場合、ウェイポイントが関心領域内であることを操縦士が理解していることを確認する等の1つ以上の追加のステップを、操縦士が実行する必要がある。例えば、航空機飛行情報システム104は、ウェイポイントが関心領域内にあるとの判定に基づいて、ウェイポイントが関心領域内にあるとアドバイスする出力を生成して、ウェイポイントの設定前に操縦士からの確認を待つようにしてもよい。
図2Aは、複数の航空機が存在する空域200の例を示す図である。複数の航空機は、航空機160と、航行ハザード170に対応する他の航空機とを含む。図2には、空域200における各々の航空機の向首方向も示されている。例えば、航空機160は、向首方向202を向いており、航行ハザード170は、向首方向206を向いている。図2に示す例においては、航空機160の向首方向202は、ウェイポイント204へと向く方向である。
図2Bは、図2Aに示される空域200のためのディスプレイ150の例を示す図である。ディスプレイ150は、マップ152と、航空機160及び航行ハザード170を示すグラフィック特徴154とを含む。例えば、グラフィック表示260は航空機160を表し、グラフィック表示270は航行ハザード170を表す。図2Bにおいて、グラフィック特徴154は、ウェイポイント204のグラフィック表示268と、関心領域のグラフィック表示280とをさらに含む。以下に詳述するように、関心領域は、航空機160、航行ハザード170、又は、これら両方と、航空機160及び航行ハザード170に関連する境界ベクトルに基づいて特定された複数の交点候補のうちの1つとの予想交わりに基づいている。
グラフィック特徴154は、航空機160のグラフィック表示260の周りのリング264と、アドバイス帯266とをさらに含む。リング264により、操縦士は、航空機160のグラフィック表示260(例えば、操縦されている航空機)と、航行ハザード170などの他の航空機のグラフィック表示を含む他のグラフィック特徴とを素早く区別することができる。リング264はまた、航空機160の高度を示すデータや、航空機160の識別子又はタイプなどの他の状況認識データを含むか、これに関連していてもよい。いくつかの実施形態においては、リング264の寸法は、航空機160の速さに関連している。例えば、リング264の寸法は、リング264の半径が、航空機160が当該航空機の現在の速さに基づいて特定の期間(例えば、3分)に移動すると考えられる距離に対応するように、決定されてもよい。このような実施形態においては、リング264の寸法と、向首方向202のグラフィック表示262(及び、航空機160の向首方向202及び進路との関係を示す情報)とにより、航空機160の速度ベクトルが、操縦士に示される。
アドバイス帯266は、操縦士に「操舵禁止」方向を指示するものである。すなわち、アドバイス帯266は、関心領域が存在するために回避すべき操舵方向を特定するものである。
図1及び2、並びに、以下で説明する例は、1つの航空機160及び1つの航行ハザード170のみを示しているが、空域200には、複数の航空機160又は複数の航行ハザード170が含まれていてもよいし、これらの両方が複数含まれていてもよい。例えば、「混雑した」空域においては、多くの航空機160が存在しうる。このような状況においては、各航空機160は、航空機160としての存在(例えば、それ自身の航行に対する危険要因が存在すると判定する場合)と、他の航空機に対する航行ハザード170としての存在との両方になりうる。言い換えれば、全ての航空機160は、他の全ての航空機160にとって航行ハザード170と見做されうる。このような状況においては、1つの航空機160と1つの航行ハザード170とを対として本明細書で説明する方法を実行して、当該対についての関心領域を検出する。
図3A~13Bは、境界ベクトルに基づいて関心領域を特定する様々な態様を示す。具体的には、図3A、3B、及び、3Cは、位置及び速度の不確定範囲についての様々な態様を示しており、図4A、4B,及び、4Cは、より詳細な位置の不確定範囲についての態様を示しており、図5A及び5Bは、より詳細な速度の不確定範囲についての態様を示している。図6A~7Cは、速度ベクトル、相対位置ベクトル、及び、航空機160又は航行ハザード170のいずれかについての位置不確定範囲(例えば、片側不確定範囲)に基づいて、アポロニウス円、又はアポロニウス球の一部(二次元で示される)を示すデータを生成する方法の態様を示す。図8A~8Cは、速度ベクトル、相対位置ベクトル、及び、航空機160又は航行ハザード170のいずれかについての速度不確定範囲(例えば、片側不確定範囲)に基づいて、アポロニウス円、又はアポロニウス球の一部(二次元で示される)を示すデータを生成する方法の態様を示す。図9A~9Cは、速度ベクトル、相対位置ベクトル、並びに、航空機160及び航行ハザード170の両方(例えば、両側不確定範囲)についての位置不確定範囲に基づいて、アポロニウス円、又はアポロニウス球の一部(二次元で示される)を示すデータを生成する方法の態様を示す。図10A~10Bは、速度ベクトル、相対位置ベクトル、航空機160及び航行ハザード170の両方についての位置不確定範囲(例えば、両側不確定範囲)、並びに、航空機160及び航行ハザード170についての速度不確定範囲(例えば、両側不確定範囲)に基づいて、境界ベクトル(二次元で示される)を生成する方法の態様を示す。図11A~11Bは、図10A~10Bの境界ベクトルに基づいて、減少させ或いは単純化させた一組の境界ベクトル(二次元で示される)を生成する方法の態様を示す。図11Cは、図11A~11Bの一組の境界ベクトルに基づいて、アポロニウス円、又はアポロニウス球の一部(二次元で示される)を示すデータを生成する方法の1つ以上の態様を示す。図12A~12Bは、速度ベクトル、相対位置ベクトル、航空機160及び航行ハザード170の両方についての位置不確定範囲(例えば、両側不確定範囲)、並びに、航空機160及び航行ハザード170についての速度不確定範囲(例えば、両側不確定範囲)に基づいて、境界ベクトル(三次元で示される)を生成する方法の態様を示す。図13A~13Bは、図12A~12Bの境界ベクトルに基づいて、数を減らしたか或いは単純化した一組の境界ベクトル(三次元で示される)を生成する方法の態様を示す。
図3Aは、二次元で(例えば、X軸及びY軸に沿って)位置及び速度の不確定範囲を示す図である。なお、説明の便宜上、図3Aの図は水平面であると想定し、本明細書においては、位置不確定範囲は水平位置の不確定範囲を指し、速度不確定範囲は水平方向における速度の不確定範囲を指すものとする。図3Aは、図3A~13Bにおける2種類のベクトルを区別し易くするために、速度ベクトル及び相対位置ベクトルをどのように示すかを表すベクトルキーをさらに含む。
図3Aは、第1位置302と第2位置304とを含む2つの通知位置を示す。位置302、304のうちの一方は、図1に示す航空機160の位置に対応しており、位置302、304のうちの他方は、図1に示す航行ハザード170の位置に対応している。なお、位置302は航空機160の位置に対応し、位置304は航行ハザード170に対応するものとして説明するが、この説明は単に便宜上のものであり、限定を意図するものではない。
関心領域(例えば、最接近点、離間ロス、又は、交点候補)の検出を目的とする場合、航空機160及び航行ハザード170の絶対位置は必要ではなく、相対位置で十分である。図3Aは、位置302、304間の方向及び距離を示す相対位置ベクトル306を示す。相対位置を使用可能であるため、座標系のX軸及びY軸の方向は、任意である。説明の便宜上、且つ、幾何学的計算の単純化を目的として、位置302、304がX軸上にあり、さらに、位置302が座標系の原点にあると想定する。
上述したように、位置302、304は、通知位置(例えば、測定に基づいて特定される位置)であるため、このような位置には測定誤差が生じうる。測定誤差が生じると、航空機160の実位置は、通知位置302から、Y軸に沿ったいずれかの方向、X軸に沿ったいずれかの方向、或いは、これらの両軸に沿ったいずれかの方向にずれる可能性がある。同様に、航行ハザード170の実位置は、通知位置304から、Y軸に沿ったいずれかの方向、X軸に沿ったいずれかの方向、或いは、これらの両軸に沿ったいずれかの方向にずれる可能性がある。したがって、図3Aにおいては、破線円を用いて位置302及び304に関連する不確定範囲が示されており、これらの不確定範囲は、それぞれ、位置302に関する水平位置の不確定範囲308、及び、位置304に関する水平位置の不確定範囲310と呼ばれる。
図3Aには、航空機160の速度ベクトル312、及び、航行ハザード170の速度ベクトル314が、さらに示されている。各速度ベクトル312、314は、(例えば、航空機160又は航行ハザード170の進路を示す)方向、及び、(航空機160又は航行ハザード170の速さに対応する)大きさを有する。航空機160の速度、航行ハザード170の速度、又は、これらの両方には測定誤差が生じうる。速度の測定においては、大きさ誤差(例えば、速さに関する誤差)と方向誤差とを含む少なくとも2種類の測定誤差が生じうる。方向誤差が生じると、航空機160の実速度の角度が、速度ベクトル312から、X軸に対していずれかの方向にずれる可能性がある。すなわち、X軸と速度ベクトル312との間の角度が、通知された角度よりも大きくなったり小さくなったりする可能性がある。大きさ(又は、速さ)誤差が生じると、航空機160の実速度が、通知されたものよりも速かったり遅かったりする可能性がある。したがって、図3Aにおいては、点線円を用いて速度ベクトル312に関する速度不確定範囲316が示されている。点線円の上又はその内部における各点は、速度ベクトル312の終点に成りうる点に対応している。同様に、図3Aにおいては、点線円を用いて速度ベクトル314に関連する速度不確定範囲318が示されており、点線円の上又はその内部における各点は、速度ベクトル314の終点に成りうる点に対応している。
図3Bは、座標系のX軸及びZ軸に沿った平面における第1位置302及び第2位置304を示す。したがって、図3Bは、垂直面における航空機160及び航行ハザード170の相対位置及び速度ベクトルを示す。
図3Bに示すように、位置302、304には、垂直方向の測定誤差も生じうる。垂直方向の測定誤差が生じると、航空機160の実位置(例えば、高度)は、通知位置302から、Z軸に沿ったいずれかの方向にずれる可能性がある。同様に、航行ハザード170の実位置(例えば、高度)は、通知位置304から、Z軸に沿ったいずれかの方向にずれる可能性がある。したがって、図3Bにおいては、破線ボックスを用いて位置302及び304に関連する不確定範囲が示されており、これらの不確定範囲は、それぞれ位置302に関する垂直位置の不確定範囲308、及び、位置304に関する垂直位置の不確定範囲310と呼ばれる。
図3Bには、航空機160の速度ベクトル312、航行ハザード170の速度ベクトル314、及び、相対位置ベクトル306が、さらに示されている。図3Bに示すように、航空機160の実速度は、速度ベクトル312から、Z軸に対していずれかの方向に角度ずれする可能性がある。すなわち、Z軸と速度ベクトル312との間の角度が、通知された角度よりも大きくなったり小さくなったりする可能性がある。したがって、図3Bにおいては、X/Z面における点線円を用いて速度ベクトル312に関連する速度不確定範囲316が示されており、点線円の上又はその内部における各点は、速度ベクトル312の終点に成りうる点に対応している。同様に、図3Bにおいては、点線円を用いて速度ベクトル314に関連する速度不確定範囲318が示されており、点線円の上又はその内部における各点は、速度ベクトル314の終点に成りうる点に対応している。
図3Cは、X軸、Y軸、及び、Z軸を含む3次元(3D)座標系における第1位置302及び第2位置304を示す。図3Cにおいては、航空機160の位置302に関連する位置不確定範囲308は、「ホッケー用パック(hockey puck)」形状(例えば、円柱)で示されている。この円柱は、(図3Aに示すような)水平位置の不確定範囲、及び、(図3Bに示すような)垂直位置の不確定範囲を表す。同様に、航行ハザード170の位置304に関連する位置不確定範囲310は、垂直位置及び水平位置の不確定範囲に対応する円柱として示されている。図3Cにおいては、速度ベクトル312に関連する速度不確定範囲316は、任意の方向における角度誤差及び大きさ(又は、速さ)誤差に対応する球として示されており、速度ベクトル314に関連する速度不確定範囲318は、任意の方向における角度誤差及び大きさ(又は、速さ)誤差に対応する球として示されている。
図3A、3B、及び、3Cは、単に便宜上の理由により、位置不確定範囲308、310及び速度不確定範囲316、318を対称的に示している。例えば、図3Bにおいて、位置不確定範囲308は、航空機160の高度が位置302よりも上側の特定の距離であること、或いは、位置302よりも下側の当該距離であることを示すような態様で表される。しかしながら、いくつかの実施形態においては、測定誤差は、上記のように対称的ではない。例えば、高度測定センサは、(地上から十分な間隔を確保するために)低い高度を示す側に誤差が生じるように構成されてもよく、この場合には、位置不確定範囲は、対称から外れて相対的にずれる可能性がある。他の例においては、垂直方向の速度の測定と、横方向又は水平方向の速度の測定とを、異なるセンサを用いて行ってもよく、これらの異なるセンサの測定誤差のレベルを異ならせてもよい。この結果、速度不確定範囲316は、X軸及びY軸と比較すると、Z軸に沿って伸長又は圧縮されて、やや非球形の速度不確定範囲となる。
図4A~4Cは、それぞれ図3A~3Cに示される位置不確定範囲308及び310に基づく境界位置ベクトルを示す図である。図4Aは、水平位置の不確定範囲に基づく一組の境界ベクトル300を示しており、図4Bは、垂直位置の不確定範囲に基づく一組の境界ベクトル350を示しており、図4Cは、水平位置及び垂直位置に基づく一組の境界ベクトル370を示している。境界ベクトル300、350、370の各組における各境界ベクトルは、航空機160のオフセット位置と、航行ハザード170のオフセット位置との間に延在している。
図4Aにおいて、航行ハザード170のオフセット位置は、オフセット位置408を含み、このオフセット位置は、位置304からの水平方向のずれに対応しており、水平位置の不確定範囲310の最大値だけ位置302から離れる方向にずれている。航行ハザード170のオフセット位置は、オフセット位置412をさらに含み、このオフセット位置は、位置304からの水平方向のずれに対応しており、水平位置の不確定範囲310の最大値だけ位置302に近づく方向にずれている。航行ハザード170のオフセット位置は、オフセット位置414とオフセット位置410とをさらに含む。航空機160のオフセット位置は、オフセット位置402と、オフセット位置404と、オフセット位置406とを含む。航空機160のオフセット位置402は、位置302からの水平方向のずれに対応しており、水平位置の不確定範囲308の最大値だけ位置304から離れる方向にずれている。航行ハザード170のオフセット位置414、及び、航空機160のオフセット位置406は、位置不確定範囲308に接する(例えば、航空機160が取りうる位置の円形範囲の境界に接する)とともに、位置不確定範囲310に接する(例えば、航行ハザード170が取りうる位置の円形範囲の境界に接する)線422上にある。航行ハザード170のオフセット位置410、及び、航空機160のオフセット位置404は、位置不確定範囲308に接する(例えば、航空機160が取りうる位置の円形範囲の境界に接する)とともに、位置不確定範囲310に接する(例えば、航行ハザード170が取りうる位置の円形範囲の境界に接する)線426上にある。
図4Aに示される一組の境界ベクトル300は、オフセット位置402とオフセット位置412との間に延びる相対位置ベクトル416を含む。別の言い方をすれば、図4Aの図においては、相対位置ベクトル416は、位置不確定範囲308の最も左側の点と位置不確定範囲310の最も左側の点との間に延在している。いくつかの実施形態においては、オフセット位置402及び412が、位置302及び304からずれる方向は、航空機160及び航行ハザード170の速さに関連する。例えば、図4Aにおいて、(速度ベクトル312の大きさに対応する)航空機160の速さは、(速度ベクトル314の大きさに対応する)航行ハザード170の速さよりも速い。この例において、相対位置ベクトル416は、航行ハザード170の位置不確定範囲310において、航空機160に最も近い部分(すなわち、オフセット位置412)と、航空機160の位置不確定範囲308において、航行ハザード170から最も遠い部分(すなわち、オフセット位置402)との間に延在する。ただし、航空機160の速さが、航行ハザード170の速さよりも遅い場合、相対位置ベクトル416は、航行ハザード170の位置不確定範囲310において、航空機160から最も遠い部分(すなわち、オフセット位置408)と、航空機160の位置不確定範囲308において、航行ハザード170に最も近い部分との間に延在する。速度ベクトル312及び314の大きさが同程度である、及び/又は、航空機160及び航行ハザード170のうちの一方又は両方の速度不確定範囲が大きい場合、航空機160及び航行ハザード170のいずれが速く動いているのかが不明瞭な可能性がある。この状況においては、上述した2つの例に対応する2つのバージョンの相対位置ベクトル416を用いることができる。
図4Aに示される一組の境界ベクトル300は、オフセット位置402とオフセット位置408との間に延びる相対位置ベクトル418を含む。相対位置ベクトル418は、位置不確定範囲308、310の最大水平距離点の間に延在している。
図4Aに示される一組の境界ベクトル300は、オフセット位置404とオフセット位置410との間に延在する相対位置ベクトル424と、オフセット位置406とオフセット位置414との間に延在する相対位置ベクトル420とをさらに含む。相対位置ベクトル420及び424は、位置不確定範囲308、310の最大角度ずれ部分に対応している。
図4Bにおいて、航行ハザード170のオフセット位置は、オフセット位置432を含み、このオフセット位置は、位置304からの垂直方向のずれに対応しており、垂直位置の不確定範囲310の最大値だけZ軸方向に沿った第1方向にずれている。航行ハザード170のオフセット位置は、オフセット位置434をさらに含み、このオフセット位置は、位置304からの垂直方向のずれに対応しており、垂直位置の不確定範囲310の最大値だけZ軸方向に沿った第2方向(第1方向とは反対側)にずれている。同様に、航空機のオフセット位置は、オフセット位置428を含み、このオフセット位置は、位置302からの垂直方向のずれに対応しており、垂直位置の不確定範囲308の最大値だけZ方向に沿った第1方向にずれている。また、航空機のオフセット位置は、オフセット位置430をさらに含み、このオフセット位置は、位置302からの垂直方向のずれに対応しており、垂直位置の不確定範囲308の最大値だけZ方向に沿った第2方向にずれている。図4Bに示される一組の境界ベクトル350は、オフセット位置428とオフセット位置434との間に延在する相対位置ベクトル436と、オフセット位置430とオフセット位置432との間に延在する相対位置ベクトル438とを含む。
図4Cにおいて、航空機160及び航行ハザード170のオフセット位置は、図4Aに示すオフセット位置402~414と同じであるが、図4Bに示すように垂直方向にずれている。例えば、図4Cに示す航空機160のオフセット位置は、オフセット位置440を含み、このオフセット位置は、オフセット位置428と同様に垂直方向にずれたオフセット位置402に対応している。図4Cに示す航空機160のオフセット位置は、オフセット位置428と同様に垂直方向にずれたオフセット位置404に対応するオフセット位置442と、オフセット位置428と同様に垂直方向にずれたオフセット位置406に対応するオフセット位置446とをさらに含む。図4Cに示す航空機160のオフセット位置は、オフセット位置430と同様に垂直方向にずれたオフセット位置402に対応するオフセット位置448と、オフセット位置430と同様に垂直方向にずれたオフセット位置404に対応するオフセット位置450と、オフセット位置430と同様に垂直方向にずれたオフセット位置406に対応するオフセット位置452と、をさらに含む。
また、図4Cに示す航行ハザード170のオフセット位置は、オフセット位置454を含み、このオフセット位置は、オフセット位置432と同様に垂直方向にずれたオフセット位置408に対応している。図4Cに示す航行ハザード170のオフセット位置は、オフセット位置432と同様に垂直方向にずれたオフセット位置410に対応するオフセット位置456と、オフセット位置432と同様に垂直方向にずれたオフセット位置412に対応するオフセット位置458と、オフセット位置432と同様に垂直方向にずれたオフセット位置414に対応するオフセット位置460と、をさらに含む。図4Cに示す航行ハザード170のオフセット位置は、オフセット位置434と同様に垂直方向にずれたオフセット位置408に対応するオフセット位置462と、オフセット位置434と同様に垂直方向にずれたオフセット位置410に対応するオフセット位置464と、オフセット位置434と同様に垂直方向にずれたオフセット位置412に対応するオフセット位置466と、オフセット位置434と同様に垂直方向にずれたオフセット位置414に対応するオフセット位置468と、さらに含む。
図4Cに示される一組の境界ベクトル370は、オフセット位置448とオフセット位置458との間に延在する相対位置ベクトル472と、オフセット位置440とオフセット位置466との間に延在する相対位置ベクトル484とを含む。一組の境界ベクトル370は、オフセット位置448とオフセット位置454との間に延在する相対位置ベクトル476と、オフセット位置440とオフセット位置462との間に延在する相対位置ベクトル480とを、さらに含む。一組の境界ベクトル370は、オフセット位置442とオフセット位置464との間に延在する相対位置ベクトル482と、オフセット位置450とオフセット位置456との間に延在する相対位置ベクトル474とを、さらに含む。一組の境界ベクトル370は、オフセット位置446とオフセット位置468との間に延在する相対位置ベクトル478と、オフセット位置452とオフセット位置460との間に延在する相対位置ベクトル470とを、さらに含む。
図5A及び5Bは、それぞれ図3A及び3Bに示す速度不確定範囲316、318に基づいた境界速度ベクトルを示す。図5Aには、水平面における速度不確定範囲316に基づいた一組の境界ベクトル500におけるそれぞれのベクトルが示されており、さらに、水平面における速度不確定範囲318に基づいた一組の境界ベクトル550におけるそれぞれのベクトルが示されている。図5Bには、垂直面における速度不確定範囲316に基づいた一組の境界ベクトル500におけるそれぞれのベクトルが示されており、さらに、垂直面における速度不確定範囲318に基づいた一組の境界ベクトル550におけるそれぞれのベクトルが示されている。
一組の境界ベクトル500は、速度不確定範囲316を考慮した航空機160の最高速度を示す速度ベクトル502と、速度不確定範囲316を考慮した航空機160の最低速度を示す速度ベクトル504と、を含む。一組の境界ベクトル500は、(図5Aに示す)速度ベクトル506と、(図5Aに示す)速度ベクトル510と、(図5Bに示す)速度ベクトル526と、(図5Bに示す)速度ベクトル530と、を含む。速度ベクトル506、510、526、及び、530の各々は、速度不確定範囲316を考慮した、通知速度からの航空機の速度の最大角度ずれを示す。例えば、速度ベクトル506は、速度不確定範囲316に接する(例えば、航空機160の速度の取りうる角度方向の円形範囲の境界に接する)線508上にあるベクトルであって、速度不確定範囲316に基づいた、航空機160の通知速度からの(第1方向における)最大角度ずれを示す。速度ベクトル510は、速度不確定範囲316に接する線512上にあるベクトルであって、速度不確定範囲316に基づいた、航空機160の通知速度からの(第1方向とは反対側の第2方向における)最大角度ずれを示す。同様に、垂直面において、速度ベクトル526は、速度不確定範囲316に接する線528上にあるベクトルであって、速度不確定範囲316に基づいた、航空機160の通知速度からの(第3方向における)最大角度ずれを示しており、また、速度ベクトル530は、速度不確定範囲316に接する線532上にあるベクトルであって、速度不確定範囲316に基づいた、航空機160の通知速度からの(第3方向とは反対側の第4方向における)最大角度ずれを示す。
一組の境界ベクトル550は、速度不確定範囲318を考慮した航行ハザード170の最高速度を示す速度ベクトル514と、速度不確定範囲318を考慮した航行ハザード170の最低速度を示す速度ベクトル516と、を含む。一組の境界ベクトル550は、(図5Aに示す)速度ベクトル518と、(図5Aに示す)速度ベクトル522と、(図5Bに示す)速度ベクトル534と、(図5Bに示す)速度ベクトル538と、を含む。速度ベクトル518、522、534、及び、538の各々は、速度不確定範囲318を考慮した、通知速度からの航行ハザードの速度の最大角度ずれを示す。例えば、速度ベクトル518は、速度不確定範囲318に接する線520上にあるベクトルであって、速度不確定範囲318に基づいた、航行ハザード170の通知速度からの(第1方向における)最大角度ずれを示しており、また、速度ベクトル522は、速度不確定範囲318に接する線524上にあるベクトルであって、速度不確定範囲318に基づいた、航行ハザード170の通知速度からの(第1方向とは反対側の第2方向における)最大角度ずれを示す。同様に、垂直面において、速度ベクトル534は、速度不確定範囲318に接する線536上にあるベクトルであって、速度不確定範囲318に基づいた、航行ハザード170の通知速度からの(第3方向における)最大角度ずれを示しており、また、速度ベクトル538は、速度不確定範囲318に接する線540上にあるベクトルであって、速度不確定範囲318に基づいた、航行ハザード170の通知速度からの(第3方向とは反対側の第4方向における)最大角度ずれを示す。
図6A~6Cは、図4Aを参照して説明した境界ベクトルを用いて関心領域620を特定する例を示す。図6A~6Cに示す例は、考慮される不確定性が位置302についてのもののみである、単純化した状況を示している。すなわち、航空機160の水平位置、又は、航行ハザード170の水平位置のみが不確定である。したがって、図6A~6Cは、速度不確定範囲がない2次元における片側の位置不確定状況を示す。
図6A~6Cに示す例は、例えば、速度ベクトル312を通知した速度センサ、速度ベクトル314を通知した速度センサ、位置302の垂直成分を通知した高度センサ、位置304の垂直成分を通知した高度センサ、及び、位置304の水平成分を通知した位置センサが、位置302の水平成分を通知した位置センサよりもはるかに信頼性がある場合等において、用いることができる。例えば、位置302は、推測航法(dead reckoning)又は操縦士の目測に基づくものであり、他の値は、全地球測位システム、レーダー、ライダー(lidar)等の正確なセンサシステムから通知されたものである。他の例として、航空機160と航行ハザード170との相対位置は、航空機160の測距及び方向システム(ranging and direction system)(例えば、レーダーやライダー)の戻り信号を使用して特定することができる。このような状況においては、航空機160の絶対位置は分からない場合(又は、使用しない場合)がある。むしろ、航空機160は、座標系の原点として扱われ、位置不確定範囲308は、航空機160に対する航行ハザード170の相対位置に関連しているため、一方的なもの(one-sided)である。さらに他の例においては、図6A~6Cを参照して説明する処理を2回行うことにより、両側の位置不確定範囲を概算することもできる。例えば、上記処理を一回実行して、位置302に関連する位置不確定範囲308を考慮し、上記処理をもう一度実行して、位置304に関連する位置不確定範囲310を考慮することができる。単一の位置不確定範囲処理を2度行っても、航空機160及び航行ハザード170の両方について位置不確定範囲を考慮した場合に生じうる角度及び/又は距離についての極値(extremes)には対応できない。例えば、図4Aに示す、生じうる相対位置ベクトル424、418、又は、420からの結果を得られない場合がある。
図6Aに示す状況下では、一組の境界(位置)ベクトル300は、オフセット位置404と位置304との間の相対位置ベクトル424と、オフセット位置402と位置304との間の相対位置ベクトル416と、オフセット位置406と位置304との間の相対位置ベクトル420とを含む。なお、速度不確定範囲は考慮されていないため、境界速度ベクトルではなく速度ベクトル312、314が用いられている。速度ベクトル312及び314の大きさの比較608は、速度ベクトル312が、速度ベクトル314で表される速さの約3倍の速さに対応することを示している。別の言い方をすれば、速度ベクトル312、314の速さ比率は、約3:1である。
図6Bには、図6Aに示す境界ベクトルに基づいて評価される事例602、604、606が示されている。事例602は、相対位置ベクトル416に基づいており、航空機160がオフセット位置402に位置するとともに速度ベクトル312を有しており、航行ハザード170が位置304に位置するとともに速度ベクトル314を有している場合に対応している。事例604は、相対位置ベクトル424に基づいており、航空機160がオフセット位置404に位置するとともに速度ベクトル312を有しており、航行ハザード170が位置304に位置するとともに速度ベクトル314を有している場合に対応している。事例606は、相対位置ベクトル420に基づいており、航空機160がオフセット位置406に位置するとともに速度ベクトル312を有しており、航行ハザード170が位置304に位置するとともに速度ベクトル314を有している場合に対応している。
事例602、604、606の各々は、アポロニウス円を生成するために用いられる。図6Cには、結果として得られるアポロニウス円607、610、612が示されている。アポロニウス円607は、相対位置ベクトル416と、速度ベクトル312及び314の速さ比とに基づいて特定される。アポロニウス円610は、相対位置ベクトル424と、速度ベクトル312及び314の速さ比とに基づいて特定される。アポロニウス円612は、相対位置ベクトル420と、速度ベクトル312及び314の速さ比とに基づいて特定される。アポロニウス円607、610、612の各々は、航空機160及び航行ハザード170の相対位置ベクトル及び速度ベクトルに基づいて、これらの複数の交点候補により形成(又は、境界付け)される。すなわち、単に現在位置と現在速度のみを考慮する場合、航空機160及び航行ハザード170は、アポロニウス円607、610、612上のいずれの点においても交わる可能性がある。
アポロニウス円607、610、612は、相対位置ベクトル416、420、424、及び、速度ベクトル312、314の速さ比に基づいて特定されるため、アポロニウス円607、610、612は、速度ベクトル312、314の方向性を考慮していない。図6Cにおいては、(線614、616、及び、618によって示すように)速度ベクトル312を延長して、アポロニウス円607、610、612との交点、アポロニウス円607、610、612に対する最接近点、又は、これらの両方を特定する。線614、616、618の各々は、アポロニウス円607、610、612と2度交わるか(円に出入りすることに対応する)、1度交わるか(円に接することに対応する)、或いは、全く交わらないことがありうる。
線614、616、618がアポロニウス円607、610、612と2点で交わる場合、関心領域620は、線614、616、618と、アポロニウス円607、610、612の境界との間の領域に対応する(又は、これを含む)。例えば、図6Cにおいて、関心領域620は、線618と円610の境界との間の網掛け領域に対応するか、或いは、当該領域を含む。いくつかの実施形態においては、関心領域620は、線618と円607の境界との間の網掛け領域をさらに含みうる。いくつかの実施形態においては、関心領域620は、線618と円610又は607の境界との間の領域の周囲に閾値距離(例えば、離間距離)だけ拡張した領域をさらに含みうる。
複数の線614、616、618がアポロニウス円607、610、612と2点で交わる場合、関心領域620は、線614、616、618のうちの少なくとも2つと、アポロニウス円607、610、612の境界との間の領域に対応する(又は、これを含む)。例えば、線616及び618の両方がアポロニウス円607と2点で交わる場合、関心領域620は、線616と線618との間であって、且つ、アポロニウス円607に囲まれた領域(すなわち、線616、618とアポロニウス円によって境界付けされた領域)に対応するか、或いは、当該領域を含む。
線614、616、618がアポロニウス円607、610、612と1点で交わる場合、関心領域620は、交点に対応するか、或いは、当該交点を含む。いくつかの実施形態においては、関心領域620は、交点の周囲に閾値距離(例えば、離間距離)だけ拡張した領域に対応するか、或いは、当該領域を含む。他の実施形態においては、関心領域620は、線614、616、618とアポロニウス円607、610、612の境界との間の領域に対応するか、或いは、当該領域を含む。線614、616、618がアポロニウス円607、610、612と交わらない場合、事例602、604、及び、606の各々について、航空機160及び航行ハザード170に対応する最接近点が特定される。最接近点における航空機160と航行ハザード170との間の距離が閾値距離(例えば、離間距離)よりも大きい(又は、それ以上である)場合、関心領域は特定されない。最接近点における航空機160と航行ハザード170との間の距離が閾値距離(例えば、離間距離)よりも小さい(又は、それ以下である)場合、関心領域は、航空機160に対応する最接近点、航行ハザード170に対応する最接近点、又は、これら両方の最接近点を含んだ当該最接近点の周りの領域である。
図7A~7Cは、図4Bを参照して説明した境界ベクトルを用いて関心領域620を特定する例を示す。図7A~7Cに示す例は、航空機160の垂直位置、又は、航行ハザード170の垂直位置のみが不確定であるという単純化した状況を示している。したがって、図7A~7Cは、速度不確定範囲がない2次元における片一方のみの位置不確定状況を示しており、水平位置の不確定範囲ではなく垂直位置の不確定範囲を用いることを除いては、図6A~6Cを参照して説明した例と概念的に同じである。
図7Aに示す状況下では、一組の境界ベクトル350は、オフセット位置428と位置304との間の相対位置ベクトル436と、オフセット位置430と位置304との間の相対位置ベクトル438と、を含む。なお、速度不確定範囲は考慮されていないため、境界速度ベクトルではなく速度ベクトル312、314が用いられている。速度ベクトル312及び314の大きさの比較608は、速度ベクトル312が、速度ベクトル314で表される速さの約3倍の速さに対応することを示している。別の言い方をすれば、速度ベクトル312、314の速さ比率は、約3:1である。
図7Bには、図7Aに示す境界ベクトルに基づいて評価される事例702、704が示されている。事例702は、相対位置ベクトル436に基づいており、航空機160がオフセット位置428に位置するとともに速度ベクトル312を有しており、航行ハザード170が位置304に位置するとともに速度ベクトル314を有している場合に対応している。事例704は、相対位置ベクトル438に基づいており、航空機160がオフセット位置430に位置するとともに速度ベクトル312を有しており、航行ハザード170が位置304に位置するとともに速度ベクトル314を有している場合に対応している。
事例702、704の各々は、アポロニウス円を生成するために用いられる。図7Cには、結果として得られるアポロニウス円706、708が示されている。アポロニウス円706は、相対位置ベクトル436と、速度ベクトル312及び314の速さ比とに基づいて特定され、アポロニウス円708は、相対位置ベクトル438と、速度ベクトル312及び314の速さ比とに基づいて特定される。
図7Cにおいては、(線710及び712によって示すように)速度ベクトル312を延長して、アポロニウス円706、708との交点、アポロニウス円706、708に対する最接近点622、又は、これらの両方を特定する。線710、712とアポロニウス円706、708との交点、又は、アポロニウス円706、708に対する最接近点は、図6Cを参照して説明した態様と同様に、関心領域620を特定するために用いられる。
図8A~8Cは、図5Aを参照して説明した境界ベクトルを用いて関心領域620を特定する例を示す。図8A~8Cに示す例は、航空機160の水平方向の速度、又は、航行ハザード170の水平方向の速度のみが不確定であるという単純化した状況を示している。したがって、図8A~8Cは、位置不確定範囲がない2次元における片一方のみの速度不確定状況を示す。
図8Aに示す状況下では、位置ベクトル306は、位置302と位置304との間の距離及び方向を示す。航行ハザード170の速度は、速度ベクトル314によって示され、航空機160の速度は、一組の速度ベクトル500によって境界付けされた速度不確定範囲に関連している。一組の速度ベクトル500は、速度ベクトル502と、速度ベクトル504と、速度ベクトル506と、速度ベクトル510と、を含む。比較608は、速度ベクトル314、502、504、506、及び、510の大きさを示している。速度ベクトル506及び510は、通知速度から対称的にずれている。このため、速度ベクトル506及び510の大きさは同じであるが、方向が異なる。比較608に示すように、速度ベクトル502は、速度ベクトル314で表される速さの約3倍の速さに対応し(例えば、速さ比が約3:1)、速度ベクトル506及び510は、速度ベクトル314で表される速さの約2倍の速さに対応し(例えば、速さ比が約2:1)、速度ベクトル504は、速度ベクトル314で表される速さの約1.5倍の速さに対応する(例えば、速さ比が約1.5:1)。
図8Bには、図8Aに示す境界ベクトルに基づいて評価される事例802、804、806、808が示されている。事例802は、相対位置ベクトル306、速度ベクトル502、及び、速度ベクトル314に基づいている。事例804は、相対位置ベクトル306、速度ベクトル504、及び、速度ベクトル314に基づいている。事例806は、相対位置ベクトル306、速度ベクトル510、及び、速度ベクトル314に基づいている。事例808は、相対位置ベクトル306、速度ベクトル506、及び、速度ベクトル314に基づいている。
事例802、804、806、808の各々は、アポロニウス円を生成するために用いられる。上述したように、アポロニウス円は、航空機160及び航行ハザード170の位置と、航空機160と航行ハザード170との速さ比に基づいており、速度ベクトル500の方向は考慮しない。速度ベクトル506及び速度ベクトル314に基づく速さ比は、速度ベクトル510及び速度ベクトル314に基づく速さ比に等しいため、速度ベクトル506及び速度ベクトル314に基づくアポロニウス円は、速度ベクトル510及び速度ベクトル314に基づくアポロニウス円と同一である。
図8Cには、結果として得られるアポロニウス円810、812、814が示されている。アポロニウス円810は事例804に基づいて特定され、アポロニウス円812は事例806及び/又は808に基づいて特定され、アポロニウス円814は事例802に基づいて特定される。図8Cにおいては、(線816、818、及び、820によって示すように)速度ベクトル502、504、506、510を延長して、アポロニウス円810、812、814との交点、最接近点、又は、これらの両方を特定することにより、関心領域620を特定する。同様に、航空機160の垂直方向の速度、又は、航行ハザード170の垂直方向の速度のみが不確定である場合、図8A~8Cで説明した方法を用いて、図5Aを参照して説明した境界ベクトルに基づいて、関心領域620を特定することができる。例えば、同様の位置にあるが高度が異なる航空機については、水平方向の速度の不確定範囲を省くことができる。
図9A~9Cは、図4Aを参照して説明した境界ベクトルを用いて関心領域620を特定する例を示す。図9A~9Cに示す例は、2次元の位置不確定範囲を考慮する単純化した状況を示している。すなわち、航空機160の水平位置、及び、航行ハザード170の水平位置が不確定である。したがって、図9A~9Cは、速度不確定範囲がない2次元における両側の位置不確定状況を示す。
図9Aに示す状況下では、一組の境界(位置)ベクトル300は、オフセット位置404とオフセット位置410との間の相対位置ベクトル424と、オフセット位置402とオフセット位置412との間の相対位置ベクトル416と、オフセット位置402とオフセット位置408との間の相対位置ベクトル418と、オフセット位置406とオフセット位置414との間の相対位置ベクトル420とを含む。なお、速度不確定範囲は考慮されていないため、境界速度ベクトルではなく速度ベクトル312、314が用いられている。速度ベクトル312及び314の大きさの比較608は、速度ベクトル312が、速度ベクトル314で表される速さの約3倍の速さに対応することを示している。別の言い方をすれば、速度ベクトル312、314の速さ比率は、約3:1である。
図9Bには、図9Aに示す境界ベクトルに基づいて評価される事例902、904、906、及び、908が示されている。事例902は、相対位置ベクトル418に基づいており、航空機160がオフセット位置402に位置するとともに速度ベクトル312を有しており、航行ハザード170が位置408に位置するとともに速度ベクトル314を有している場合に対応している。事例904は、相対位置ベクトル416に基づいており、航空機160がオフセット位置402に位置するとともに速度ベクトル312を有しており、航行ハザード170が位置412に位置するとともに速度ベクトル314を有している場合に対応している。事例906は、相対位置ベクトル424に基づいており、航空機160がオフセット位置404に位置するとともに速度ベクトル312を有しており、航行ハザード170が位置410に位置するとともに速度ベクトル314を有している場合に対応している。事例908は、相対位置ベクトル420に基づいており、航空機160がオフセット位置406に位置するとともに速度ベクトル312を有しており、航行ハザード170が位置414に位置するとともに速度ベクトル314を有している場合に対応している。
事例902、904、906、908の各々は、アポロニウス円を生成するために用いられる。図9Cには、結果として得られるアポロニウス円910、912、914、916が示されている。アポロニウス円910は事例906に基づいて特定され、アポロニウス円912は事例904に基づいて特定され、アポロニウス円914は事例908に基づいて特定され、アポロニウス円916は事例902に基づいて特定される。
図9Cにおいては、(線918、920、及び、922によって示すように)速度ベクトル312を延長して、アポロニウス円910、912、914、916との交点、アポロニウス円910、912、914、916に対する最接近点622、又は、これらの両方を特定し、これにより、関心領域620を特定する。
図10A及び10Bは、図4Aを参照して説明した境界ベクトル、及び、図5Aを参照して説明した境界ベクトルの両方を用いる例を示す。図10A及び10Bに示す例は、2次元の位置不確定範囲、及び、2次元の速度不確定範囲を考慮する単純化した状況を示している。
図10Aに示す状況下では、一組の境界ベクトル300は、図9Aを参照して説明したものと同じであり、一組の速度ベクトル500、550は、図5Aを参照して説明したものと同じである。速度ベクトル502、504、506、510、及び、速度ベクトル514、516、518、522の大きさの比較608は、様々な速さ比を示している。
図10Bには、図10Aに示す境界ベクトルに基づいて評価される事例1002、1004、1006、及び、1008が示されている。事例1002、1004、1006、及び、1008は、説明を容易にするために、図6B、7B、8B、及び、9Bに示す事例に関連する単純化した形態で示されている。事例1002、1004、1006、1008の各々は、アポロニウス円を生成するために用いられる。比較608に示すように、速度ベクトル502、504、506、510、514、516、518、及び、522に基づいて、9つの異なる速さ比が特定される。したがって、事例1002、1004、1006、1008の各々において9つのアポロニウス円を生成することができ、結果として合計36個のアポロニウス円を生成して、図10Bに示す4つの事例1002、1004、1006、1008を表すことができる。
なお、図10A及び10Bに対応する36個のアポロニウス円に基づいて関心領域を特定する場合、一般に、上記ブルートフォースシミュレーション(brute-force simulation)(例えば、DAIDALUSツール)よりも少ない処理リソースを使用することが予想される。さらに、図10A及び10Bに示す36個のアポロニウス円に基づく関心領域の特定は、良定義問題(well-defined problem)(例えば、予測可能な離散数の計算に基づいた解答結果)であり、並列処理に非常に適している(例えば、各アポロニウス円は、対応する処理スレッドを用いて特定することができる)。さらに、36個全てのアポロニウス円に基づいて計算を行うのではなく、計算を行う回数を減らして(例えば、36個よりも少ない数のアポロニウス円を生成及び評価して)関心領域の粗推定値を生成してもよい。粗推定値が適切であることを示す場合、関心領域の精緻推定値として、36個全てのアポロニウス円のうちの残りのアポロニウス円を生成及び評価してもよい。36個のアポロニウス円の評価には、一組の速度ベクトル500のうちの各々の速度ベクトル、一組の速度ベクトル550のうちの各々の速度ベクトル、又は、これら両方について、交点、最接近点、又は、これら両方を特定することが含まれる。
図11A及び11Bは、図10A及び10Bの両方の位置不確定範囲及び両方の速度不確定範囲に基づく(例えば、関心領域の粗推定値を生成するための)単純化した方法の例を示す。図11Aにおいては、図10Aを参照して説明した境界(位置)ベクトル300の全てが用いられる。ただし、速度ベクトルについては、ベクトル500の一部1100、及び、速度ベクトル550の一部1150が用いられる。速度ベクトル550の一部1150は、速度ベクトル514(例えば、航行ハザード170の最大の大きさの速度)と、速度ベクトル516(例えば、航行ハザード170の最小の大きさの速度)とを含む。速度ベクトル500の一部1100は、速度ベクトル510(例えば、航空機160の速度の最大角度ずれ)を含む。図11Bは、図11Aに示す単純化された組のベクトルを用いて得られる様々な事例を示す。この単純化された組のベクトルは、2つの速さ比に対応している。したがって、図11Bに示す事例を用いて、図11Cに示すような8個のアポロニウス円1102、1104、1106、1108、1110、1112、1114、及び、1116を生成することができ、上述したように、これらの円を用いて関心領域を特定することができる。8個のアポロニウス円の評価には、速度510、速度ベクトル514、516の各々、又は、これら両方について、交点、最接近点、又は、これら両方を特定することが含まれる。
特定の実施形態においては、図11A~11Cを参照して説明した単純化した方法は、速度ベクトル502及び504(例えば、航空機160の最大の大きさの速度、及び、航空機160の最小の大きさの速度)及び速度ベクトル518(例えば、航行ハザード170の速度の最大角度ずれ)を考慮して繰り返し実行することができる。単純化した方法をこのような態様で繰り返すことにより、図11Cに示すアポロニウス円1102、1104、1106、1108、1110、1112、1114、及び、1116と同様のアポロニウス円を、さらに8個生成することができる。いくつかの実施形態においては、結果として得られた16個のアポロニウス円を用いて、関心領域の粗推定値を生成することができる。
図12A及び12Bは、図4Cを参照して説明した境界ベクトル、図5Aを参照して説明した境界ベクトル、及び、図5Bを参照して説明した境界ベクトルを用いる例を示す。したがって、図12A及び12Bに示す例は、航空機160、及び、航行ハザード170の両方について、3次元の位置不確定範囲、及び、3次元の速度不確定範囲を考慮する状況を示している。一組の速度ベクトル500は、6つの速度ベクトルを含み、一組の速度ベクトル550は6つの速度ベクトルを含む。特定の実施形態においては、一組の速度ベクトル500の速度不確定範囲316は、各角度ずれ方向において対称的であるため、一組の速度ベクトル500の角度ずれ速度の大きさが全て同じになる。同様に、一組の速度ベクトル550の速度不確定範囲318は、各角度ずれ方向において対称的であるため、一組の速度ベクトル550の角度ずれ速度の大きさが全て同じになる。この結果、一組の速度ベクトル500及び一組の速度ベクトル550から、9つの異なる速さ比が得られる。
図12Bには、図12Aに示す境界ベクトルに基づいて評価される様々な事例が示されている。図12Bの事例は、説明を容易にするために、図6B,7B、8B、9B、及び、10Bに示す事例に関連する単純化した形態で示されている。これらの事例の各々は、アポロニウス球を生成するために用いられる。一組の位置ベクトル370は、8つの相対位置ベクトルを含み、これらの各々を用いて9つの異なるアポロニウス球を形成することができる。これらのアポロニウス球は、速度ベクトル500及び550の組と関連付けられた9つの異なる速さ比毎に形成される。したがって、図12Bの事例を用いて、72個のアポロニウス球を生成することができる。72個のアポロニウス球の評価には、一組の速度ベクトル500のうちの各々の速度ベクトルについての各事例、一組の速度ベクトル550のうちの各々の速度ベクトルについての各事例、又は、これらの両方について、交点、最接近点、又は、これら両方を特定することが含まれる。
図13Aは、図12A及び12Bの3次元における両側の位置不確定範囲、及び、3次元における両側の速度不確定範囲に基づいた(例えば、関心領域の粗推定値を生成するための)単純化した方法の例を示す。図13Aにおいては、図12Aを参照して説明した境界位置ベクトル370の全てが用いられる。ただし、速度ベクトルについては、ベクトル500の一部1100、及び、速度ベクトル550の一部1150のみが用いられる。速度ベクトル550の一部1150は、速度ベクトル514(例えば、航行ハザード170の速度の最大の大きさ)と、速度ベクトル516(例えば、航行ハザード170の速度の最小の大きさ)とを含む。速度ベクトル500の一部1100は、速度ベクトル510(例えば、航空機160の速度の最大角度ずれ)を含む。速度ベクトル500の一部1100、及び、速度ベクトル550の一部1150から、2つの異なる速さ比が得られる。したがって、図13Aに示す単純化した方法を用いて、16個の異なるアポロニウス球を生成することができる(各々について、8つの相対位置ベクトル、及び、2つの速さ比に基づいて生成する)。図13Bは、図13Aに示す単純化した方法を逆にしたものを示す。したがって、図13Bに示す例は、16個のアポロニウス球をさらに追加的に生成するために用いることができる。図13Aに示す例に基づいて生成した16個のアポロニウス球、図13Bに示す例に基づいて生成した16個のアポロニウス球、又は、これら両方を用いて、関心領域の粗推定値を生成することができる。
通常、図13A及び13Bに対応するアポロニウス球に基づいて関心領域を特定する場合、使用する処理リソースは、上述したブルートフォースシミュレーション(例えば、DAIDALUSツール)と比較して少ない。さらに、図13A及び13Bに示すアポロニウス円に基づく関心領域の特定は、良定義問題(例えば、予測可能な離散数の計算に基づいた解答結果)であり、並列処理に非常に適している(例えば、各アポロニウス円は、対応する処理スレッドを用いて特定することができる)。粗推定値が適切であることを示す場合、関心領域の精緻推定値として図12Bに基づいて全てのアポロニウス球を生成及び評価してもよい。
図14は、図1や図2Bに示すディスプレイ150などの、状況認識ディスプレイを生成するための方法1400の例を示すフロー図である。方法1400は、図1に示す航空機飛行情報システム104によって実行される。例えば、航空機飛行情報システム104のプロセッサ124は、方法1400の工程を実行するために命令132を実行することができる。
方法1400は、1402において、航空機に関連する第1位置データ及び第1速度データを取得することと、1404において、航行ハザードに関連する第2位置データ及び第2速度データを取得することと、1406において、位置不確定範囲データを取得することと、を含む。例えば、第1位置データ、第2位置データ、及び、位置不確定範囲データは、図1に示す空域データ114、又は、位置・速度データ144から取得することができる。位置不確定範囲データは、第1位置データにおける不確定範囲を示す第1位置不確定範囲データ、第2位置データにおける不確定範囲を示す第2位置不確定範囲データ、又は、これら両方を含む。例えば、位置不確定範囲データは、航空機の第1位置についての第1水平位置不確定範囲、及び、航行ハザードの第2位置についての第2水平位置不確定範囲を示しうる。
方法1400は、1408において、一組の境界相対位置ベクトルを特定することを含む。一組の境界相対位置ベクトルにおける各相対位置ベクトルは、第1位置データ、第2位置データ、及び、位置不確定範囲データに基づいて、航空機と航行ハザードとの間の取られうる方向を示す。また、一組の境界相対位置ベクトルにおける各相対位置ベクトルは、第1位置データ、第2位置データ、及び、相対位置不確定範囲データに基づいて、航空機と航行ハザードとの間の取られうる距離を示す。例えば、一組の境界相対位置ベクトルは、境界ベクトル300、350、又は、370を含むか、或いは、これに対応している。
いくつかの実施形態においては、一組の境界相対位置ベクトルは、少なくとも水平方向のずれを示すオフセット位置に基づいている。このような実施形態においては、一組の境界相対位置ベクトルは、少なくとも第1相対位置ベクトルを含み、当該第1相対位置ベクトルは、航空機の第1オフセット位置と、航行ハザードの第1オフセット位置との間の第1距離及び第1方向を示す。航空機の第1オフセット位置は、第1位置からの水平方向のずれに対応しており、第1水平位置不確定範囲の最大値だけ第2位置から離れる方向にずれている。例示すると、航空機の第1オフセット位置は、図4Aに示すオフセット位置402に対応している。航行ハザードの第1オフセット位置は、第2位置からの水平方向のずれに対応しており、第2水平位置不確定範囲の最大値だけ第1位置から離れる方向にずれている。例示すると、航行ハザードの第1オフセット位置は、図4Aに示すオフセット位置408に対応している。
特定の実施形態においては、一組の境界相対位置ベクトルは、少なくとも第2相対位置ベクトルをさらに含み、当該第2相対位置ベクトルは、航空機の第1オフセット位置と航行ハザードの第2オフセット位置との間の第2距離及び第2方向を示す。航行ハザードの第2オフセット位置は、第2位置からの水平方向のずれに対応しており、第2水平位置不確定範囲の最大値だけ第1位置に近づく方向にずれている。例示すると、航行ハザードの第2オフセット位置は、図4Aに示すオフセット位置412に対応している。
いくつかの実施形態においては、相対位置不確定範囲データは、航空機の第1位置についての第1垂直位置不確定範囲、及び、航行ハザードの第2位置についての第2垂直位置不確定範囲をさらに示す。いくつかの実施形態においては、航空機の第1オフセット位置は、さらに、第1位置からの垂直方向のずれにも対応しており、第1垂直位置不確定範囲の最大値だけ第1垂直方向にずれている。また、航行ハザードの第2オフセット位置は、第2位置からの垂直方向のずれに対応しており、第2垂直位置不確定範囲の最大値だけ第1垂直方向とは反対側の第2垂直方向にずれている。例示すると、航空機の第1オフセット位置は、図4Cに示すオフセット位置440に対応しており、航行ハザードの第2オフセット位置は、オフセット位置466に対応している。これに代えて、或いは、これに加えて、航空機の第1オフセット位置は、図4Cに示すオフセット位置448に対応し、航行ハザードの第2オフセット位置は、オフセット位置458に対応していてもよい。
さらに、このような実施形態においては、航行ハザードの第1オフセット位置は、第2位置からの垂直方向のずれに対応していてもよく、第2垂直位置不確定範囲の最大値だけ第2垂直方向にずれていてもよい。例示すると、航空機の第1オフセット位置は、図4Cに示すオフセット位置440に対応しており、航行ハザードの第1オフセット位置は、オフセット位置462に対応している。これに代えて、或いは、これに加えて、航空機の第1オフセット位置は、図4Cに示すオフセット位置448に対応し、航行ハザードの第2オフセット位置は、オフセット位置454に対応していてもよい。
いくつかの実施形態においては、第1位置の第1水平位置不確定範囲は、図3Aに示す水平位置の不確定範囲308などの、水平面において航空機が取りうる位置の第1円形範囲を示す。これに加えて、或いは、これに代えて、第2位置の第2水平位置不確定範囲は、図3Aに示す水平位置の不確定範囲310などの、水平面において航行ハザードが取りうる位置の第2円形範囲を示す。このような実施形態においては、一組の境界相対位置ベクトルは、第3相対位置ベクトルを含んでもよく、当該第3相対位置ベクトルは、航空機の第3オフセット位置と、航行ハザードの第3オフセット位置との間の第3距離及び第3方向を示す。航空機の第3オフセット位置は、第1位置からの水平方向のずれに対応しており、当該ずれは、第1水平位置不確定範囲の最大値だけずれている。また、航行ハザードの第3オフセット位置は、第2位置からの水平方向のずれに対応しており、当該ずれは、第2水平位置不確定範囲の最大値だけずれている。ここで、航空機の第3オフセット位置、及び航行ハザードの第3オフセット位置は、航空機が取りうる位置の第1円形範囲の境界に接するとともに、航行ハザードが取りうる位置の第2円形範囲の境界に接する線上に位置している。例えば、航空機の第3オフセット位置は、オフセット位置404に対応しており、航行ハザードの第3オフセット位置は、オフセット位置410に対応している。他の例においては、航空機の第3オフセット位置は、オフセット位置406に対応しており、航行ハザードの第3オフセット位置は、オフセット位置414に対応している。
このような実施形態のいくつかにおいては、相対位置不確定範囲データは、航空機の第1位置についての第1垂直位置不確定範囲、及び、航行ハザードの第2位置についての第2垂直位置不確定範囲をさらに示す。特定の実施形態においては、航空機の第3オフセット位置は、さらに、第1位置からの垂直方向のずれにも対応しており、第1垂直位置不確定範囲の最大値だけ第1垂直方向にずれており、航行ハザードの第3オフセット位置は、さらに、第2位置からの垂直方向のずれにも対応しており、第2垂直位置不確定範囲の最大値だけ第1垂直方向の反対側の第2垂直方向にずれていてもよい。例えば、航空機の第3オフセット位置は、オフセット位置442に対応しており、航行ハザードの第3オフセット位置は、オフセット位置464に対応している。他の例においては、航空機の第3オフセット位置は、オフセット位置450に対応しており、航行ハザードの第3オフセット位置は、オフセット位置456に対応している。さらに他の例においては、航空機の第3オフセット位置は、オフセット位置446に対応しており、航行ハザードの第3オフセット位置は、オフセット位置468に対応している。他の例においては、航空機の第3オフセット位置は、オフセット位置452に対応しており、航行ハザードの第3オフセット位置は、オフセット位置460に対応している。
いくつかの実施形態においては、オフセット位置は、少なくとも垂直方向のずれを示す。このような実施形態においては、相対位置不確定範囲データは、第1位置についての第1垂直位置不確定範囲、及び、航行ハザードの第2位置についての第2垂直位置不確定範囲をさらに示す。例えば、一組の境界相対位置ベクトルは、第1相対位置ベクトルを含み、当該第1相対位置ベクトルは、航空機の第1オフセット位置と、航行ハザードの第1オフセット位置との間の第1距離及び第1方向を示す。航空機の第1オフセット位置は、第1位置からの垂直方向のずれに対応しており、第1垂直位置不確定範囲の最大値だけ第1垂直方向にずれている。また、航行ハザードの第1オフセット位置は、第2位置からの垂直方向のずれに対応しており、第2垂直位置不確定範囲の最大値だけ第1垂直方向の反対側の第2垂直方向にずれている。例示すると、航空機の第1オフセット位置は、オフセット位置428に対応していてもよく、航行ハザードの第1オフセット位置は、オフセット位置434に対応していてもよい。
いくつかの実施形態においては、一組の境界相対位置ベクトルは、第2相対位置ベクトルを含み、当該第2相対位置ベクトルは、航空機の第2オフセット位置と、航行ハザードの第2オフセット位置との間の第2距離及び第2方向を示す。航空機の第2オフセット位置は、第1位置からの垂直方向のずれに対応しており、第1垂直位置不確定範囲の最大値だけ第2垂直方向にずれており、航行ハザードの第2オフセット位置は、第2位置からの垂直方向のずれに対応しており、第2垂直位置不確定範囲の最大値だけ第1垂直方向にずれている。例示すると、航空機の第2オフセット位置は、オフセット位置430に対応していてもよく、航行ハザードの第2オフセット位置は、オフセット位置432に対応していてもよい。
方法1400は、1410において、複数の交点候補を特定することを含み、これらの交点候補は、全体で、一組の境界相対位置ベクトル、並びに、第1速度データ及び第2速度データに基づく1つ以上の速さ比によって画定される円形又は球形の領域に対応している。例えば、円形又は球形の領域は図6A~13Bを参照して説明したアポロニウス円又はアポロニウス球を含むか、或いは、これに対応している。上述したように、各アポロニウス円又はアポロニウス球は、航空機160及び航行ハザード170の交点候補により画定される。
方法1400は、1412において、航空機と複数の交点候補のうちの任意の交点候補との予想交わり、又は、航行ハザードと当該交点候補との予想交わりに基づいて関心領域を特定することを含む。例えば、関心領域は、第1速度データに基づく1つ以上の速度ベクトルの交点、第2速度データに基づく1つ以上の速度ベクトルの交点、又は、これら両方に基づいて特定される。方法1400は、1414において、関心領域に基づいて状況認識ディスプレイを生成することを含む。例えば、状況認識ディスプレイは、図1及び/又は図2Bに示すディスプレイ150に対応している。
いくつかの実施形態においては、方法1400は、第1速度データに関連する不確定範囲を示す第1速度不確定範囲データを取得することと、第1速度データ、第1速度不確定範囲データ、及び、第2速度データに基づいて少なくとも2つの速さ比を特定することと、をさらに含み、複数の交点候補は、少なくとも2つの速さ比に基づいて決定される。例えば、少なくとも2つの速さ比を特定することは、第1速度不確定範囲データ及び第1速度データに基づいて、最高第1速度及び最低第1速度を特定することと、最高第1速度の大きさ、及び、第2速度データに基づいて特定された大きさに基づいて、第1速さ比を特定することと、最低第1速度の大きさ、及び、第2速度データに基づいて特定された大きさに基づいて、第2速さ比を特定することと、を含む。
他の実施形態においては、第1速度データ、第1速度不確定範囲データ、及び、第2速度データに基づいて、1つの速さ比が特定される。その後、上記1つの速さ比に基づいて、複数の交点候補が特定される。例えば、第1速度不確定範囲データが、方向不確定範囲データ又は方位不確定範囲データに含まれているか、或いは示されている場合、方法1400は、1つの速さ比を特定することを含む。
いくつかの実施形態においては、少なくとも2つの速さ比を特定することは、第2速度データに関連する不確定範囲を示す第2速度不確定範囲データを取得することと、第2速度不確定範囲データに基づいて、第2速度データについての複数の第2方向境界を特定することと、複数の第2方向境界に基づいて、一組の境界第2速度を特定することと、を含み、第2速度データに基づいて特定された大きさは、一組の境界第2速度のうちの1つの大きさに対応する。たとえば、一組の境界第2速度は、少なくとも4つの角度ずれ第2速度を含み、少なくとも4つの角度ずれ第2速度は、第2速度から第1水平方向に角度ずれした第1水平方向オフセット第2速度、第2速度から第2水平方向に角度ずれした第2水平方向オフセット第2速度、第2速度から第1垂直方向に角度ずれした第1垂直方向オフセット第2速度、及び、第2速度から第2垂直方向に角度ずれした第2垂直方向オフセット第2速度、に対応している。第1水平方向は、第2水平方向とは反対側の方向であり、第1垂直方向は、第2垂直方向とは反対側の方向である。これに加えて、或いは、これに代えて、一組の境界第2速度は、少なくとも最高第2速度と最低第2速度とを含んでもよい。
特定の実施形態においては、方法1400は、第1速度データ及び第1速度不確定範囲データに基づいて、一組の境界第1速度を特定することを含む。一組の境界第1速度は、最高第1速度と、最低第1速度と、少なくとも4つの角度ずれ第1速度とを含む。少なくとも4つの角度ずれ第1速度は、第1速度から第1水平方向に角度ずれした第1水平方向オフセット第1速度、第1速度から第2水平方向に角度ずれした第2水平方向オフセット第1速度、第1速度から第1垂直方向に角度ずれした第1垂直方向オフセット第1速度、及び、第1速度から第2垂直方向に角度ずれした第2垂直方向オフセット第1速度に対応している。第1水平方向は、第2水平方向とは反対側の方向であり、第1垂直方向は、第2垂直方向とは反対側の方向である。この実施形態においては、少なくとも2つの速さ比を特定することは、複数のベクトル対に基づいて複数の速さ比を特定することを含む。複数のベクトル対における各々の対は、一組の境界第1速度から選択された第1ベクトルと、一組の境界第2速度から選択された第2ベクトルとを含む。
いくつかの実施形態においては、方法1400は、第2速度データに関連する不確定範囲を示す第2速度不確定範囲データを取得することと、第1速度データ、第2速度データ、及び、第2速度不確定範囲データに基づいて少なくとも2つの速さ比を特定することと、を含む。このような実施形態においては、複数の交点候補は、少なくとも2つの速さ比に基づいて特定される。少なくとも2つの速さ比は、第2速度不確定範囲データ及び第2速度データに基づいて、最高第2速度及び最低第2速度を特定することと、最高第2速度の大きさ、及び、第1速度データに基づいて特定された大きさに基づいて、第1速さ比を特定することと、最低第2速度の大きさ、及び、第1速度データに基づいて特定された大きさに基づいて、第2速さ比を特定することと、を含む。
いくつかの実施形態においては、少なくとも2つの速さ比を特定することは、第1速度データに関連する不確定範囲を示す第1速度不確定範囲データを取得することと、第1速度不確定範囲データに基づいて、第1速度データについての複数の第1方向境界を特定することと、複数の第1方向境界に基づいて、一組の境界第1速度を特定することと、を含む。第1速度データに基づいて特定された大きさは、一組の境界第1速度のうちの1つの大きさに対応する。いくつかの実施形態においては、一組の境界第1速度は、少なくとも4つの角度ずれ第1速度を含む。少なくとも4つの角度ずれ第1速度は、第1速度から第1水平方向に角度ずれした第1水平方向オフセット第1速度、第1速度から第2水平方向に角度ずれした第2水平方向オフセット第1速度、第1速度から第1垂直方向に角度ずれした第1垂直方向オフセット第1速度、及び、第1速度から第2垂直方向に角度ずれした第2垂直方向オフセット第1速度に対応している。第1水平方向は、第2水平方向とは反対側の方向であり、第1垂直方向は、第2垂直方向とは反対側の方向である。これに代えて、或いは、これに加えて、一組の境界第1速度は、最高第1速度と最低第1速度とを含んでもよい。
いくつかの実施形態においては、方法1400は、第2速度データ、及び、第2速度不確定範囲データに基づいて、一組の境界第2速度を特定することを、さらに含む。一組の境界第2速度は、最高第2速度と、最低第2速度と、少なくとも4つの角度ずれ第2速度とを含む。少なくとも4つの角度ずれ第2速度は、第2速度から第1水平方向に角度ずれした第1水平方向オフセット第2速度、第2速度から第2水平方向に角度ずれした第2水平方向オフセット第2速度、第2速度から第1垂直方向に角度ずれした第1垂直方向オフセット第2速度、及び、第2速度から第2垂直方向に角度ずれした第2垂直方向オフセット第2速度、に対応している。第1水平方向は、第2水平方向とは反対側の方向であり、第1垂直方向は、第2垂直方向とは反対側の方向である。このような実施形態においては、少なくとも2つの速さ比を特定することは、複数のベクトル対に基づいて複数の速さ比を特定することを含む。複数のベクトル対の各々は、一組の境界第1速度から選択された第1ベクトルと、一組の境界第2速度から選択された第2ベクトルとを含む。
図15は、図1や図2Bに示すディスプレイ150などの、状況認識ディスプレイを生成するための方法1500の例を示すフロー図である。方法1500は、図1に示す航空機飛行情報システム104によって実行される。例えば、航空機飛行情報システム104のプロセッサ124は、方法1500の工程を実行するために命令132を実行することができる。
方法1500は、1502において、航空機に関連する第1位置データ及び第1速度データを取得することと、1504において、航行ハザードに関連する第2位置データ及び第2速度データを取得することと、1506において、第1速度データに関連する不確定範囲、第2速度データに関連する不確定範囲、又は、これらの両方を示す速度不確定範囲データを取得することと、を含む。方法1500はまた、1508において、第1位置データ及び第2位置データに基づいて相対位置ベクトルを特定することを含む。相対位置ベクトルは、航空機と航行ハザードとの間の方向及び距離を示す。
方法1500はまた、1510において、複数の交点候補を特定することを含み、これらの交点候補は、全体で、相対位置ベクトル、並びに、第1速度データ、第2速度データ、及び、速度不確定範囲データに基づく一組の速さ比によって画定される円形又は球形の領域に対応している。方法1500はまた、1512において、航空機と複数の交点候補のうちの任意の交点候補との予想交わり、又は、航行ハザードと当該交点候補との予想交わりに基づいて関心領域を特定することと、1514において、関心領域に基づいて、状況認識ディスプレイを生成することと、を含む。
いくつかの実施形態においては、方法1500はまた、速度不確定範囲データ及び第1速度データに基づいて、最高第1速度及び最低第1速度を特定することと、速度不確定範囲データ及び第2速度データに基づいて、第2速度データについての1つ以上の第2方向境界を特定することと、を含む。方法1500は、1つ以上の第2方向境界、及び、当該1つ以上の第2方向境界に関連する大きさに基づいて、1つ以上の境界第2速度を特定することをさらに含みうる。このような実施形態においては、一組の速さ比は、最高第1速度の大きさ、及び、1つ以上の境界第2速度の各々の大きさに基づく第1組の速さ比と、最低第1速度の大きさ、及び、1つ以上の境界第2速度の各々の大きさに基づく第2組の速さ比とを含みうる。これに加えて、或いは、これに代えて、1つ以上の境界第2速度は、最高第2速度と最低第2速度とを含んでもよい。
いくつかの実施形態においては、1つ以上の境界第2速度は、少なくとも4つの角度ずれ第2速度を含む。少なくとも4つの角度ずれ第2速度は、第2速度から第1水平方向に角度ずれした第1水平方向オフセット第2速度、第2速度から第2水平方向に角度ずれした第2水平方向オフセット第2速度、第2速度から第1垂直方向に角度ずれした第1垂直方向オフセット第2速度、及び、第2速度から第2垂直方向に角度ずれした第2垂直方向オフセット第2速度、に対応している。第1水平方向は、第2水平方向とは反対側の方向であり、第1垂直方向は、第2垂直方向とは反対側の方向である。
いくつかの実施形態においては、方法1500は、速度不確定範囲データ及び第2速度データに基づいて、最高第2速度及び最低第2速度を特定することと、速度不確定範囲データに基づいて、第1速度データについての1つ以上の第1方向境界を特定することと、を含む。いくつかの実施形態においては、方法1500は、1つ以上の第1方向境界、及び、当該1つ以上の第1方向境界に関連する大きさに基づいて、1つ以上の境界第1速度を特定することを含む。このような実施形態においては、一組の速さ比は、最高第2速度の大きさ、及び、1つ以上の境界第1速度の各々の大きさに基づく第3組の速さ比と、最低第2速度の大きさ、及び、1つ以上の境界第1速度の各々の大きさに基づく第4組の速さ比とを含む。これに加えて、或いは、これに代えて、1つ以上の境界第1速度は、最高第1速度と最低第1速度とを含んでもよい。
このような実施形態においては、1つ以上の境界第1速度は、少なくとも4つの角度ずれ第1速度を含む。少なくとも4つの角度ずれ第1速度は、第1速度から第1水平方向に角度ずれした第1水平方向オフセット第1速度、第1速度から第2水平方向に角度ずれした第2水平方向オフセット第1速度、第1速度から第1垂直方向に角度ずれした第1垂直方向オフセット第1速度、及び、第1速度から第2垂直方向に角度ずれした第2垂直方向オフセット第1速度に対応している。第1水平方向は、第2水平方向とは反対側の方向であり、第1垂直方向は、第2垂直方向とは反対側の方向である。
いくつかの実施形態においては、方法1500は、プロセッサにおいて、相対位置ベクトルを含む一組の境界相対位置ベクトルを特定することを含む。一組の境界相対位置ベクトルは、第1位置データに関連する第1位置不確定範囲、第2位置データに関連する第2位置不確定範囲データ、又は、これら両方に基づいて特定される。このような実施形態においては、複数の交点候補は、一組の境界相対位置ベクトルにさらに基づいて特定される。
このような実施形態のうちのいくつかにおいては、第1位置不確定範囲データは、航空機の第1位置についての第1水平位置不確定範囲、航空機の第1位置についての第1垂直位置不確定範囲、又は、これら両方を示し、第2位置不確定範囲データは、航行ハザードの第2位置についての第2水平位置不確定範囲、航行ハザードの第2位置についての第2垂直位置不確定範囲、又は、これら両方を示す。一組の境界相対位置ベクトルは、航空機と航行ハザードとの間の最大距離を示す第1相対位置ベクトルを少なくとも含みうる。これに加えて、或いは、これに代えて、一組の境界相対位置ベクトルは、第2相対位置ベクトルを少なくとも含んでもよく、当該第2相対位置ベクトルは、第1位置不確定範囲データの最大値だけ第1垂直方向にずれた航空機の垂直オフセット、及び、第2位置不確定範囲データの最大値だけ当該第1垂直方向とは反対側の方向である第2垂直方向にずれた航行ハザードの垂直オフセットを示すベクトルである。
図16は、図1や図2Bに示すディスプレイ150などの、状況認識ディスプレイを生成するための方法1600の例を示すフロー図である。方法1600は、図1に示す航空機飛行情報システム104によって実行される。例えば、航空機飛行情報システム104のプロセッサ124は、方法1600の工程を実行するために命令132を実行することができる。
方法1600は、1602において、航空機に関連する第1位置データ及び第1速度データを取得することと、1604において、航行ハザードに関連する第2位置データ及び第2速度データを取得することと、を含む。方法1600はまた、1606において、位置不確定範囲データを取得することを含み、さらに、1608において、第1速度データに関連する不確定範囲、第2速度データに関連する不確定範囲、又は、これらの両方を示す速度不確定範囲データを取得することを含む。
方法1600は、1610において、位置不確定範囲データに基づいて、航空機及び航行ハザードに関連する相対位置不確定範囲を示す相対位置不確定範囲データを特定することを含む。方法1600はさらに、1612において、一組の境界相対位置ベクトルを特定することを含む。一組の境界相対位置ベクトルにおける各相対位置ベクトルは、第1位置データ、第2位置データ、及び、相対位置不確定範囲データに基づいて、航空機と航行ハザードとの間の取られうる方向を示す。また、一組の境界相対位置ベクトルにおける各相対位置ベクトルは、第1位置データ、第2位置データ、及び、相対位置不確定範囲データに基づいて、航空機と航行ハザードとの間の取られうる距離を、さらに示す。
方法1600はまた、1614において、第1速度データ、第2速度データ、及び、速度不確定範囲データに基づいて、1つ以上の境界第1速度ベクトル、及び、1つ以上の境界第2速度ベクトルを特定することを含む。方法1600は、1616において、複数の交点候補を特定することをさらに含み、これらの交点候補は、全体で、一組の境界相対位置ベクトル、並びに、1つ以上の境界第1速度ベクトル及び1つ以上の境界第2速度ベクトルに基づく1つ以上の速さ比によって画定される円形又は球形の領域に対応している。方法1600はまた、1618において、航空機又は航行ハザードと、複数の交点候補のうちの任意の交点候補との予想交わりに基づいて関心領域を特定することと、1620において、関心領域に基づいて、状況認識ディスプレイを生成することと、を含む。
図17は、演算環境1700の例を示すブロック図であり、当該演算環境は、図1に示す航空機飛行情報システム104などの航空機飛行情報システムの動作を実行するように構成された演算装置1710を含む。演算装置1710、或いはその一部は、航空機飛行情報システム104の機能を実行又は開始するために命令を実行することができる。例えば、演算装置1710、或いはその一部は、図14に示す方法1400、図15に示す方法1500、又は、図16に示す方法1600などの、本明細書に記載の方法のうちの任意の方法に従って、或いは、本明細書に記載の方法のうちの任意の方法を実現するために、命令を実行してもよい。
演算装置1710は、プロセッサ124を含む。プロセッサ124は、メモリ126と通信を行うことができる。当該メモリは、例えば、システムメモリ1730、1つ以上の記憶装置1740、又は、これら両方を含みうる。プロセッサ124はまた、1つ以上の入出力インターフェース1750、及び、通信インターフェース118と通信を行うことができる。
特定の例においては、メモリ126、システムメモリ1730、及び、記憶装置1740は、有形(例えば、非一時的)コンピュータ可読媒体を含む。記憶装置1740は、磁気ディスク、光ディスク、又は、フラッシュメモリデバイスなどの不揮発性記憶装置を含む。記憶装置1740は、着脱型メモリデバイス、及び、非着脱型メモリデバイスの両方を含みうる。システムメモリ1730は、揮発性メモリデバイス(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス)、不揮発性メモリデバイス(例えば、読み取り専用メモリ(ROM)デバイス、プログラム可能読み取り専用メモリ、及び、フラッシュメモリ)、又は、これら両方を含む。
図17において、システムメモリ1730は、命令132を含み、これらの命令には、オペレーティングシステム1732が含まれる。オペレーティングシステム1732は、演算装置1710を起動するための基本入出力システムと、フルオペレーティングシステムとを含み、これによって、演算装置1710は、ユーザ、他のプログラム、及び、他の装置と対話することができる。命令132には、さらに、図1に示す飛行制御命令134、球体解析命令138、交点解析命令136、又は、GUI生成命令140のうちの1つ又は複数が含まれる。
プロセッサ124は、例えば、バスなどを介して、入出力インターフェース1750に接続されており、入出力インターフェース1750は、1つ以上の入力装置128と、1つ以上の出力装置1772とに接続されている。出力装置1772は、例えば、図1に示す表示装置130と、他の出力装置156とを含みうる。入出力インターフェース1750は、シリアルインターフェース(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース、又は、電気電子学会(IEEE)1394インターフェース)、パラレルインターフェース、ディスプレイアダプタ、オーディオアダプター、及び、他のインターフェースを含みうる。
プロセッサ124は、例えば、バスを介して、通信インターフェース118に接続されている。通信インターフェース118は、1つ以上の有線インターフェース(例えば、イーサネットインターフェース)、IEEE802.11通信プロトコルに準拠する1つ以上の無線インターフェース、他の無線インターフェース、光インターフェース、又は、他のネットワークインターフェースを含む。図17に示す例においては、通信インターフェース118は、受信機122と、送信機120とに接続されている。しかしながら、図1に示す例などの他の実施形態においては、受信機122及び送信機120は、通信インターフェース118の構成要素であってもよいし、これに組み込まれていてもよい。
さらに、本開示は、以下の付記による実施形態を含む。
付記1.プロセッサ(124)において、航空機(160)に関連する第1位置データ(114、144)及び第1速度データ(114、144)を取得し(1402)、前記プロセッサにおいて、航行ハザード(170)に関連する第2位置データ及び第2速度データ(114、144)を取得し(1404)、前記プロセッサにおいて、位置不確定範囲データ(114、144)を取得し(1406)、前記プロセッサにおいて、一組の境界相対位置ベクトル(300、350、370)を特定し(1408)、その際、前記一組の境界相対位置ベクトルの各々は、前記第1位置データ、前記第2位置データ、及び、前記位置不確定範囲データに基づいて、前記航空機と前記航行ハザードとの間の取られうる方向を示し、且つ、前記第1位置データ、前記第2位置データ、及び、前記位置不確定範囲データに基づいて、前記航空機と前記航行ハザードとの間の取られうる距離を示しており、前記プロセッサにおいて、複数の交点候補(607、610、612、706、708、810~814、910、912~916、1102~1116)を特定し(1410)、その際、前記複数の交点候補は、全体で、前記一組の境界相対位置ベクトル、並びに、前記第1速度データ及び前記第2速度データに基づく1つ以上の速さ比(608)によって画定される円形又は球形の領域に対応しており、前記航空機と前記複数の交点候補のうちの任意の交点候補との予想交わり、又は、前記航行ハザードと前記交点候補との予想交わりに基づいて関心領域(620)を特定し(1412)、前記関心領域に基づいて状況認識ディスプレイ(150)を生成する(1414)、ことを含む方法(1400)。
付記2.前記位置不確定範囲データは、前記第1位置データにおける不確定範囲を示す第1位置不確定範囲データ、前記第2位置データにおける不確定範囲を示す第2位置不確定範囲データ、又は、これら両方の位置不確定範囲データを含む、付記1に記載の方法。
付記3.前記位置不確定範囲データは、前記航空機の第1位置(302)についての第1水平位置不確定範囲(308)、及び、前記航行ハザードの第2位置(304)についての第2水平位置不確定範囲(310)を示す、付記1又は2に記載の方法。
付記4.前記一組の境界相対位置ベクトルは、第1相対位置ベクトル(306、416、418、420、424、436、438、470、472、474、476、478、480、482、484)と、第2相対位置ベクトル(306、416、418、420、424、436、438、470、472、474、476、478、480、482、484)と、を少なくとも含み、前記第1相対位置ベクトルは、前記航空機の第1オフセット位置(402、428)と、前記航行ハザードの第1オフセット位置(408、434)との間の第1距離及び第1方向を示し、前記航空機の前記第1オフセット位置は、前記第1位置からの水平方向のずれに対応しており、前記第1水平位置不確定範囲の最大値だけ前記第2位置から離れる方向にずれており、前記航行ハザードの前記第1オフセット位置は、前記第2位置からの水平方向のずれに対応しており、前記第2水平位置不確定範囲の最大値だけ前記第1位置から離れる方向にずれており、前記第2相対位置ベクトルは、前記航空機の前記第1オフセット位置と、前記航行ハザードの第2オフセット位置(432、454)との間の第2距離及び第2方向を示し、前記航行ハザードの前記第2オフセット位置は、前記第2位置からの水平方向のずれに対応しており、前記第2水平位置不確定範囲の最大値だけ前記第1方向に近づく方向にずれている、付記3に記載の方法。
付記5.前記相対位置不確定範囲データは、前記航空機の前記第1位置についての第1垂直位置不確定範囲、及び、前記航行ハザードの前記第2位置についての第2垂直位置不確定範囲をさらに示す、付記4に記載の方法。
付記6.前記航空機の前記第1オフセット位置は、さらに、前記第1位置からの垂直方向のずれに対応しており、前記第1垂直位置不確定範囲の最大値だけ第1垂直方向にずれており、前記航行ハザードの前記第1オフセット位置は、さらに、前記第2位置からの垂直方向のずれに対応しており、前記第2垂直位置不確定範囲の最大値だけ前記第1垂直方向の反対側の第2垂直方向にずれており、前記航空機の前記第2オフセット位置は、さらに、前記第1位置からの垂直方向のずれに対応しており、前記第1垂直位置不確定範囲の最大値だけ前記第2垂直方向にずれており、前記航行ハザードの前記第2オフセット位置は、さらに、前記第2位置からの垂直方向のずれに対応しており、前記第2垂直位置不確定範囲の最大値だけ前記第1垂直方向にずれている、付記5に記載の方法。
付記7.前記第1位置の前記第1水平位置不確定範囲は、水平面において前記航空機が取りうる位置の第1円形範囲を示しており、前記第2位置の前記第2水平位置不確定範囲は、前記水平面において前記航行ハザードが取りうる位置の第2円形範囲を示しており、前記一組の境界相対位置ベクトルは、前記航空機の第3オフセット位置(404、406、442、446、450、452)と、前記航行ハザードの第3オフセット位置(410、414、456、460、464、468)との間の第3距離及び第3方向を示す第3相対位置ベクトル(306、416、418、420、424、436、438、470、472、474、476、478、480、482、484)を少なくとも含み、前記航空機の前記第3オフセット位置は、前記第1位置からの水平方向のずれに対応しており、当該ずれは、前記第1水平位置不確定範囲の最大値だけずれており、前記航行ハザードの前記第3オフセット位置は、前記第2位置からの水平方向のずれに対応しており、当該ずれは、前記第2水平位置不確定範囲の最大値だけずれており、前記航空機の前記第3オフセット位置、及び、前記航行ハザードの前記第3オフセット位置は、前記航空機が取りうる位置の前記第1円形範囲の境界に接するとともに、前記航行ハザードが取りうる位置の前記第2円形範囲の境界に接する線上に位置する、付記4に記載の方法。
付記8.前記相対位置不確定範囲データは、前記航空機の第1位置についての第1垂直位置不確定範囲、及び、前記航行ハザードの第2位置についての第2垂直位置不確定範囲をさらに示し、前記航空機の前記第3オフセット位置は、さらに、前記第1位置からの垂直方向のずれに対応しており、前記第1垂直位置不確定範囲の最大値だけ第1垂直方向にずれており、前記航行ハザードの前記第3オフセット位置は、さらに、前記第2位置からの垂直方向のずれに対応しており、前記第2垂直位置不確定範囲の最大値だけ前記第1垂直方向の反対側の第2垂直方向にずれている、付記7に記載の方法。
付記9.前記プロセッサにおいて、前記第1速度データに関連する不確定範囲を示す第1速度不確定範囲データを取得することと、前記第1速度データ、前記第1速度不確定範囲データ、及び、前記第2速度データに基づいて、少なくとも2つの速さ比(608)を特定することと、をさらに含み、前記複数の交点候補は、前記少なくとも2つの速さ比に基づいて特定され、前記少なくとも2つの速さ比を特定することは、前記第1速度不確定範囲データ及び前記第1速度データに基づいて、最高第1速度及び最低第1速度を特定することと、前記最高第1速度の大きさ、及び、前記第2速度データに基づいて特定された大きさに基づいて、第1速さ比(608)を特定することと、前記最低第1速度の大きさ、及び、前記第2速度データに基づいて特定された前記大きさに基づいて、第2速さ比(608)を特定することと、を含む、付記1~8のいずれかに記載の方法。
付記10.前記少なくとも2つの速さ比を特定することは、前記プロセッサにおいて、前記第2速度データに関連する不確定範囲を示す第2速度不確定範囲データを取得することと、前記第2速度不確定範囲データに基づいて、前記第2速度データについての複数の第2方向境界を特定することと、前記複数の第2方向境界に基づいて、一組の境界第2速度を特定することと、をさらに含み、前記第2速度データに基づいて特定された大きさは、前記一組の境界第2速度のうちの1つの大きさに対応する、付記9に記載の方法。
付記11.前記一組の境界第2速度は、少なくとも4つの角度ずれ第2速度を含み、前記少なくとも4つの角度ずれ第2速度は、前記第2速度から第1水平方向に角度ずれした第1水平方向オフセット第2速度、前記第2速度から第2水平方向に角度ずれした第2水平方向オフセット第2速度、前記第2速度から第1垂直方向に角度ずれした第1垂直方向オフセット第2速度、及び、前記第2速度から第2垂直方向に角度ずれした第2垂直方向オフセット第2速度、に対応しており、前記第1水平方向は、前記第2水平方向とは反対側の方向であり、第1垂直方向は、前記第2垂直方向とは反対側の方向である、付記10に記載の方法。
付記12.前記一組の境界第2速度は、少なくとも最高第2速度と最低第2速度とを含む、付記10又は11に記載の方法。
付記13.前記第1速度データ及び前記第1速度不確定範囲データに基づいて、一組の境界第1速度を特定することをさらに含み、前記一組の境界第1速度は、前記最高第1速度と、前記最低第1速度と、少なくとも4つの角度ずれ第1速度とを含み、前記少なくとも4つの角度ずれ第1速度は、前記第1速度から第1水平方向に角度ずれした第1水平方向オフセット第1速度、前記第1速度から第2水平方向に角度ずれした第2水平方向オフセット第1速度、前記第1速度から第1垂直方向に角度ずれした第1垂直方向オフセット第1速度、及び、前記第1速度から第2垂直方向に角度ずれした第2垂直方向オフセット第1速度に対応しており、前記第1水平方向は、前記第2水平方向とは反対側の方向であり、前記第1垂直方向は、前記第2垂直方向とは反対側の方向であり、前記少なくとも2つの速さ比を特定することは、複数のベクトル対に基づいて複数の速さ比を特定することを含み、前記複数のベクトル対の各々は、前記一組の境界第1速度から選択された第1ベクトルと、前記一組の境界第2速度から選択された第2ベクトルと、を含む、付記10~12のいずれかに記載の方法。
付記14.前記プロセッサにおいて、前記第2速度データに関連する不確定範囲を示す第2速度不確定範囲データを取得することと、前記第1速度データ、前記第2速度データ、及び、前記第2速度不確定範囲データに基づいて、少なくとも2つの速さ比を特定することと、をさらに含み、前記複数の交点候補は、前記少なくとも2つの速さ比に基づいて特定され、前記少なくとも2つの速さ比を特定することは、前記第2速度不確定範囲データ及び前記第2速度データに基づいて、最高第2速度及び最低第2速度を特定することと、前記最高第2速度の大きさ、及び、前記第1速度データに基づいて特定された大きさに基づいて、第1速さ比を特定することと、前記最低第2速度の大きさ、及び、前記第1速度データに基づいて特定された大きさに基づいて、第2速さ比を特定することと、を含む、付記1~13のいずれかに記載の方法。
付記15.前記少なくとも2つの速さ比を特定することは、前記プロセッサにおいて、前記第1速度データに関連する不確定範囲を示す第1速度不確定範囲データを取得することと、前記第1速度不確定範囲データに基づいて、前記第1速度データについての複数の第1方向境界を特定することと、前記複数の第1方向境界に基づいて、一組の境界第1速度を特定することと、をさらに含み、前記第1速度データに基づいて特定された大きさは、前記一組の境界第1速度のうちの1つの大きさに対応する、付記14に記載の方法。
付記16.前記一組の境界第1速度は、少なくとも4つの角度ずれ第1速度を含み、前記少なくとも4つの角度ずれ第1速度は、前記第1速度から第1水平方向に角度ずれした第1水平方向オフセット第1速度、前記第1速度から第2水平方向に角度ずれした第2水平方向オフセット第1速度、前記第1速度から第1垂直方向に角度ずれした第1垂直方向オフセット第1速度、及び、前記第1速度から第2垂直方向に角度ずれした第2垂直方向オフセット第1速度に対応しており、前記第1水平方向は、前記第2水平方向とは反対側の方向であり、前記第1垂直方向は、前記第2垂直方向とは反対側の方向である、付記15に記載の方法。
付記17.前記一組の境界第1速度は、少なくとも最高第1速度と最低第1速度とを含む、付記15又は16に記載の方法。
付記18.前記第2速度データ及び前記第2速度不確定範囲データに基づいて、一組の境界第2速度を特定することをさらに含み、前記一組の境界第2速度は、前記最高第2速度と、前記最低第2速度と、少なくとも4つの角度ずれ第2速度と、を含み、前記少なくとも4つの角度ずれ第2速度は、前記第2速度から第1水平方向に角度ずれした第1水平方向オフセット第2速度、前記第2速度から第2水平方向に角度ずれした第2水平方向オフセット第2速度、前記第2速度から第1垂直方向に角度ずれした第1垂直方向オフセット第2速度、及び、前記第2速度から第2垂直方向に角度ずれした第2垂直方向オフセット第2速度、に対応しており、前記第1水平方向は、前記第2水平方向とは反対側の方向であり、前記第1垂直方向は、前記第2垂直方向とは反対側の方向であり、前記少なくとも2つの速さ比を特定することは、複数のベクトル対に基づいて複数の速さ比を特定することを含み、前記複数のベクトル対における各々の対は、前記一組の境界第1速度から選択された第1ベクトルと、前記一組の境界第2速度から選択された第2ベクトルとを含む、付記15~17のいずれかに記載の方法。
付記19.前記相対位置不確定範囲データは、第1位置についての第1垂直位置不確定範囲、及び、前記航行ハザードの第2位置についての第2垂直位置不確定範囲を示す、付記1~18のいずれかに記載の方法。
付記20.前記一組の境界相対位置ベクトルは、第1相対位置ベクトルを含み、前記第1相対位置ベクトルは、前記航空機の第1オフセット位置と、前記航行ハザードの第1オフセット位置との間の第1距離及び第1方向を示しており、前記航空機の前記第1オフセット位置は、前記第1位置からの垂直方向のズレにも対応しており、前記第1垂直位置不確定範囲の最大値だけ第1垂直方向にずれており、前記航行ハザードの前記第1オフセット位置は、前記第2位置からの垂直方向のずれに対応しており、前記第2垂直位置不確定範囲の最大値だけ前記第1垂直方向とは反対側の第2垂直方向にずれている、付記19に記載の方法。
付記21.前記一組の境界相対位置ベクトルは、第2相対位置ベクトルを含み、前記第2相対位置ベクトルは、前記航空機の第2オフセット位置と、前記航行ハザードの第2オフセット位置との間の第2距離及び第2方向を示しており、前記航空機の前記第2オフセット位置は、前記第1位置からの垂直方向のずれに対応しており、前記第1垂直位置不確定範囲の最大値だけ前記第2垂直方向にずれており、前記航行ハザードの前記第2オフセット位置は、前記第2位置からの垂直方向のずれに対応しており、前記第2垂直位置不確定範囲の最大値だけ前記第1垂直方向にずれている、付記20に記載の方法。
付記22.プロセッサにおいて、航空機に関連する第1位置データ及び第1速度データを取得し(1502)、前記プロセッサにおいて、航行ハザードに関連する第2位置データ及び第2速度データを取得し(1504)、前記プロセッサにおいて、前記第1速度データに関連する不確定範囲、前記第2速度データに関連する不確定範囲、又は、これら不確定範囲の両方を取得し(1506)、前記プロセッサにおいて、前記第1位置データ及び前記第2位置データに基づいて相対位置ベクトルを特定し(1508)、その際、前記相対位置ベクトルは、前記航空機と前記航行ハザードとの間の方向及び距離を示しており、前記プロセッサにおいて、複数の交点候補を特定し(1510)、その際、前記複数の交点候補は、全体で、前記相対位置ベクトル、並びに、前記第1速度データ、前記第2速度データ、及び、前記速度不確定範囲データに基づく一組の速さ比によって画定される円形又は球形の領域に対応しており、前記航空機と前記複数の交点候補のうちの任意の交点候補との予想交わり、又は、前記航行ハザードと前記交点候補との予想交わりに基づいて関心領域を特定し(1512)、前記関心領域に基づいて状況認識ディスプレイを生成する(1514)、ことを含む、方法(1500)。
付記23.前記速度不確定範囲データ及び前記第1速度データに基づいて、最高第1速度及び最低第1速度を特定することと、前記速度不確定範囲データ及び前記第2速度データに基づいて、前記第2速度データについての1つ以上の第2方向境界を特定することと、前記1つ以上の第2方向境界、及び、前記1つ以上の第2方向境界に関連する大きさに基づいて、1つ以上の境界第2速度を特定することと、をさらに含み、前記一組の速さ比は、前記最高第1速度の大きさ、及び、前記1つ以上の境界第2速度の各々の大きさに基づく第1組の速さ比と、前記最低第1速度の大きさ、及び、前記1つ以上の境界第2速度の各々の大きさに基づく第2組の速さ比と、を含む、付記22に記載の方法。
付記24.前記1つ以上の境界第2速度は、最高第2速度と最低第2速度とを含む、付記23に記載の方法。
付記25.前記1つ以上の境界第2速度は、少なくとも4つの角度ずれ第2速度を含み、前記少なくとも4つの角度ずれ第2速度は、前記第2速度から第1水平方向に角度ずれした第1水平方向オフセット第2速度、前記第2速度から第2水平方向に角度ずれした第2水平方向オフセット第2速度、前記第2速度から第1垂直方向に角度ずれした第1垂直方向オフセット第2速度、及び、前記第2速度から第2垂直方向に角度ずれした第2垂直方向オフセット第2速度、に対応しており、前記第1水平方向は、前記第2水平方向とは反対側の方向であり、前記第1垂直方向は、前記第2垂直方向とは反対側の方向である、付記23又は24に記載の方法。
付記26.前記速度不確定範囲データ及び前記第2速度データに基づいて、最高第2速度及び最低第2速度を特定することと、前記速度不確定範囲データに基づいて、前記第1速度データについての1つ以上の第1方向境界を特定することと、前記1つ以上の第1方向境界、及び、当該1つ以上の第1方向境界に関連する大きさに基づいて、1つ以上の境界第1速度を特定することと、をさらに含み、前記一組の速さ比は、前記最高第2速度の大きさ、及び、前記1つ以上の境界第1速度の各々の大きさに基づく第3組の速さ比と、前記最低第2速度の大きさ、及び、前記1つ以上の境界第1速度の各々の大きさに基づく第4組の速さ比と、を含む、付記22~25のいずれかに記載の方法。
付記27.前記1つ以上の境界第1速度は、最高第1速度と最低第1速度とを含む、付記26に記載の方法。
付記28.前記1つ以上の境界第1速度は、少なくとも4つの角度ずれ第1速度を含み、前記少なくとも4つの角度ずれ第1速度は、前記第1速度から第1水平方向に角度ずれした第1水平方向オフセット第1速度、前記第1速度から第2水平方向に角度ずれした第2水平方向オフセット第1速度、前記第1速度から第1垂直方向に角度ずれした第1垂直方向オフセット第1速度、及び、前記第1速度から第2垂直方向に角度ずれした第2垂直方向オフセット第1速度に対応しており、前記第1水平方向は、前記第2水平方向とは反対側の方向であり、前記第1垂直方向は、前記第2垂直方向とは反対側の方向である、付記26又は27に記載の方法。
付記29.前記プロセッサにおいて、前記相対位置ベクトルを含む一組の境界相対位置ベクトルを特定することをさらに含み、前記一組の境界相対位置ベクトルは、前記第1位置データに関連する第1位置不確定範囲データ、前記第2位置データに関連する第2位置不確定範囲データ、又は、これら両方の位置不確定範囲データに基づいて特定され、前記複数の交点候補は、前記一組の境界相対位置ベクトルにさらに基づいて特定される、付記22~28に記載の方法。
付記30.前記第1位置不確定範囲データは、前記航空機の第1位置についての第1水平位置不確定範囲、前記航空機の前記第1位置についての第1垂直位置不確定範囲、又は、これら位置不確定範囲の両方を示し、前記第2位置不確定範囲データは、前記航行ハザードの第2位置についての第2水平位置不確定範囲、前記航行ハザードの前記第2位置についての第2垂直位置不確定範囲、又は、これら位置不確定範囲の両方を示す、付記29に記載の方法。
付記31.前記一組の境界相対位置ベクトルは、前記航空機と前記航行ハザードとの間の最大距離を示す第1相対位置ベクトルを少なくとも含む、付記29又は30に記載の方法。
付記32.前記一組の境界相対位置ベクトルは、第2相対位置ベクトルを少なくとも含み、前記第2相対位置ベクトルは、前記第1位置不確定範囲データの最大値だけ第1垂直方向にずれた前記航空機の垂直オフセット、及び、前記第2位置不確定範囲データの最大値だけ前記第1垂直方向とは反対側の第2垂直方向にずれた前記航行ハザードの垂直オフセットを示す、付記29~31に記載の方法。
付記33.プロセッサにおいて、航空機に関連する第1位置データ及び第1速度データを取得し(1602)、前記プロセッサにおいて、航行ハザードに関連する第2位置データ及び第2速度データを取得し(1604)、前記プロセッサにおいて、位置不確定範囲データを取得し(1606)、前記プロセッサにおいて、前記第1速度データに関連する不確定範囲、前記第2速度データに関連する不確定範囲、又は、これら不確定範囲の両方を示す速度不確定範囲データを取得し(1608)、前記プロセッサにおいて、前記位置不確定範囲データに基づいて、前記航空機及び前記航行ハザードに関連する相対位置不確定範囲を示す相対位置不確定範囲データを特定し(1610)、前記プロセッサにおいて、一組の境界相対位置ベクトルを特定し(1612)、その際、前記一組の境界相対位置ベクトルの各々は、前記第1位置データ、前記第2位置データ、及び、前記相対位置不確定範囲データに基づいて、前記航空機と前記航行ハザードとの間の取られうる方向を示し、且つ、前記第1位置データ、前記第2位置データ、及び、前記相対位置不確定範囲データに基づいて、前記航空機と前記航行ハザードとの間の取られうる距離を示しており、前記プロセッサにおいて、前記第1速度データ、前記第2速度データ、及び、前記速度不確定範囲データに基づいて、1つ以上の境界第1速度ベクトル、及び、1つ以上の境界第2速度ベクトルを特定し(1614)、前記プロセッサにおいて、複数の交点候補を特定し(1616)、前記複数の交点候補は、全体で、前記一組の境界相対位置ベクトル、並びに、前記1つ以上の境界第1速度ベクトル及び前記1つ以上の境界第2速度ベクトルに基づく1つ以上の速さ比によって画定される円形又は球形の領域に対応しており、前記航空機又は前記航行ハザードと、前記複数の交点候補のうちの任意の交点候補との予想交わりに基づいて関心領域を特定し(1618)、前記関心領域に基づいて状況認識ディスプレイを生成する(1620)、ことを含む、方法(1600)。
本明細書で説明した実施例の例示は、様々な実施形態の構造を全体的に理解させることを意図したものである。これらの例示は、本明細書で説明した構造や方法を用いる装置及びシステムの要素及び特徴の全てを完全に説明するものではない。本開示を検討すれば、当業者には他の多くの実施形態が明らかであろう。本開示から他の実施形態を利用したり導出したりすることが可能であり、本開示の範囲から逸脱することなく構造的及び論理的な代替及び変形を行うことが可能である。例えば、方法における各種工程は、図示の順序とは異なる順序で実行してもよいし、1つ又は複数の方法工程を省略することも可能である。したがって、本開示及び図面は、限定的ではなく、例示的なものとみなされるべきである。
さらに、本明細書において特定の例を図示及び説明してきたが、記載されている特定の実施形態に代えて、同じ又は類似した結果を達成するように後から設計された構成を用いることも可能である。本開示は、様々な実施態様について後からなされたいかなる改変或いは変形も全て包含することを意図している。本開示を検討すれば、当業者には、上記実施形態の組み合わせ、及び、本明細書に明示されていない他の実施形態が明らかであろう。
提出される要約書は、請求の範囲及び意味を解釈又は限定するためのものではない。また、上述した詳細な説明において、本開示を簡易化するために、様々な特徴をまとめたり、1つの実施形態で説明したりする場合がある。上述した例は本開示を説明するものであって、何ら限定を加えるものではない。なお、本開示の原理に従って、種々な改変及び変形が可能である。以下の請求の範囲が示すように、請求される要旨は、本開示の実施例の全ての特徴に関するものではない場合もある。したがって、本開示の範囲は、以下の請求の範囲及びその均等物により規定される。