JP7474012B1 - 霧箱 - Google Patents
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Abstract
Description
上記課題を解決する第1の発明は、
蒸気で満たされた観察室と前記観察室に前記蒸気を供給するための蒸気供給装置を備える観察装置と、前記観察室内の前記蒸気を冷却して前記観察室内に過飽和蒸気層を形成するための冷却装置と、を備え、前記観察室の前記過飽和蒸気層内を通過する放射線の飛跡を観察するための霧箱において、
前記冷却装置は、冷却室と、前記冷却室の上部に設けられた冷却板と、前記冷却板に機械的に接続され前記冷却室の下方に向けて伸びると共に前記冷却室の横方向に向けて伸びる複数個の冷却プレートと、液化二酸化炭素を保持する液化二酸化炭素容器に接続するための接続装置と、を備え、
前記液化二酸化炭素から生成された生成ドライアイスと気体状二酸化炭素との混合体を、前記複数個の冷却プレートの前記横方向における一方側から導入し、導入した前記生成ドライアイスと前記気体状二酸化炭素との前記混合体を前記複数個の冷却プレートにより前記横方向における他方向に導き、前記複数個の冷却プレートの間に形成された通路に前記混合体に含まれる前記生成ドライアイスを蓄え、前記通路に蓄えられた前記生成ドライアイスにより前記冷却板を冷却し、冷却された前記冷却板により前記観察室内の前記蒸気を冷却して前記過飽和蒸気層を形成する、ことを特徴とする霧箱である。
上記課題を解決する第2の発明は、第1の発明において、
前記冷却装置は、前記複数個の冷却プレートの下に、密閉収納手段に収納された保冷剤を有し、前記保冷剤の下に前記保冷剤を前記複数個の冷却プレートに向けて押圧するための弾性体を設けた、ことを特徴とする霧箱である。
上記課題を解決する第3の発明は、第1の発明あるいは第2の発明の内の一の発明において、
前記複数個の冷却プレートの前記横方向における前記他方向に前記気体状二酸化炭素を排出するための排出口が設けられ、前記排出口と前記複数個の冷却プレートとの間に前記生成ドライアイスの通過を阻止するためのフィルタが設けられ、
前記フィルタにより前記生成ドライアイスの通過が阻止され、前記複数個の冷却プレートの間に形成された前記通路に前記生成ドライアイスを蓄える、ことを特徴とする霧箱である。
上記課題を解決する第4の発明は、第1の発明あるいは第2の発明の内の一の発明において、
前記複数個の冷却プレートの下に、前記生成ドライアイスの通過を阻止するためのフィルタが設けられ、さらに前記フィルタの下に前記気体状二酸化炭素を排出するための排出口が設けられ、
前記フィルタにより前記生成ドライアイスの通過が阻止されることにより、前記複数個の冷却プレート間に形成された前記通路に前記生成ドライアイスを蓄える、ことを特徴とする霧箱である。
上記課題を解決する第5の発明は、第4の発明において、
前記冷却室に所定量の生成ドライアイスが蓄えられた後、前記冷却室から前記気体状二酸化炭素を排出するための前記排出口の断面積を縮小し、前記冷却室から排出する前記気体状二酸化炭素の排出量を低減する、ことを特徴とする霧箱である。
上記課題を解決する第6の発明は、第2の発明において、
前記保冷剤は、所定温度以下で固体状となり前記所定温度より高い温度で相変化する材料であり、
前記密閉収納手段はその内部に前記保冷剤を密閉された状態で収納する袋状であり、
前記保冷剤は前記複数個の冷却プレートに向けて前記弾性体により押圧された状態で保持されている、ことを特徴とする霧箱である。
上記課題を解決する第7の発明は、第1の発明あるいは第2の発明の内の一の発明において、
前記観察室へ前記蒸気を供給する前記蒸気供給装置は、前記蒸気を発生するための液を保持する液供給トレイと、前記液を温めるための暖機装置と、前記液供給トレイ内に保持されている前記液を前記観察室内に導くための液吸収体と、を備え、
前記液供給トレイは前記観察装置の外に開口する液供給口を備えている、ことを特徴とする霧箱である。
以下で説明する実施例において、同一符号を付した構成はほぼ同様の構造や動作であり、ほぼ同様の作用を為し、同様の効果を奏する。同一符号を付した構成に対する構造や作用や効果を含めた説明について、説明の煩雑さを避けるために、省略することがある。特に以下の実施例で部分的に構成を変更した場合に、全てを説明すると大変煩雑となるので、変更部分に絞った説明を行い、重複する構成について動作や作用効果の説明を省略する。
図1は本発明が適用された一実施例の霧箱100の断面図である。放射線の飛跡を観察するための霧箱100の構成として、放射線の飛跡を観察する観察装置200と、観察装置200の観察室202内に過飽和蒸気層206を生成するための冷却装置300と、を備えている。観察装置200の観察室202には、液体を気化させることにより発生した蒸気204が満たされている。過飽和蒸気層206の厚みを確保し易い観点から、この実施例では、蒸気204としてエタノールを蒸発させることにより発生させたエタノールの蒸気を使用し、観察室202内の蒸気204は、飽和状態に近い状態のエタノールの蒸気で構成されている。
図1に記載の蒸気供給装置250の構成を説明する。蒸気供給装置250は蒸気を発生するための液体であるエタノール253を蓄える液供給トレイ252と、エタノール253を観察室202の内部に供給するための液吸収体260を備えている。蒸気204を発生するために使用するエタノール253が液供給トレイ252に供給され、保持されている。この実施例では、保温効果を奏するために保温カバー257で液供給トレイ252や次に説明する加熱装置254を覆っているので、この実施例では保温カバー257を外してエタノール253を液供給トレイ252に供給することになる。
既に述べたが、冷却装置300は従来の技術に基づく冷却装置に対して冷却効率が良いだけでなく、冷却持続時間を伸ばすことができる。例えば冷却装置300を朝動作開始し連続して夕方まで、時間的に約12時間程度、連続して動作を維持することが可能である。このような新しい冷却装置300に対する新たな課題として、観察室202内の蒸気204を長時間に亘って安定して飽和に近い状態に維持することが求められる。液供給トレイ252には観察装置200の外側に開口する液供給口262が設けられており、観測状態を維持しながら、液供給口262からエタノール253を極めて簡単にしかも必要とする状態で供給することが可能であり、長時間に亘りエタノール253の蒸気204を供給し続けることが可能となる。
観察装置200は、この実施例ではその周囲が放射線の軌跡を観察するための横観察窓212で構成されており、ガラスなどの透明な材料で作られている。また上面を構成する上観察窓214もガラスなどの透明な材料で作られている。照明装置220の光を過飽和蒸気層206に照射することにより、過飽和蒸気層206を通過した放射線により発生する霧による飛跡を、横観察窓212および上観察窓214を通して観察することができる。この実施例では上観察窓214と横観察窓212の両方で観察が可能であるが、どちらか一方だけにしても良い。その場合観察窓でない方は断熱材を使用した断熱壁とすることにより、蒸気204の冷却を容易にすることができ、冷却装置300の負担を軽減できる。従来の霧箱100では、冷却装置300の冷却能力を大きくできなかったために、横観察窓212は設けず、この部分を断熱材で構成した壁にすることが多かった。もちろん本実施例でもそのようにしても良い。しかし以下に説明の冷却装置300は、冷却能力が大きいので、横観察窓212を設けることが可能であり、この実施例では、より観察し易い霧箱100を得ることができる。
2.1 冷却装置300の基本構成の説明
本発明が適用された図1に記載の実施例に用いられる冷却装置300の基本構成を説明する。観察室202に蒸気供給装置250から供給された蒸気204を冷却して過飽和蒸気層206を形成するために、蒸気204を冷却するための冷却板312から下方に伸びる複数の冷却プレート330が、冷却板312に機械的に接続された状態で設けられている。
図4(a)および図4(b)は、図3のC-C断面図である。図1や図3および図4(a)と図4(b)の記載において、支持装置104により支持された液化二酸化炭素容器380には、液化二酸化炭素384と気化した状態の気化二酸化炭素382とが収納されている。冷却装置300が有する接続装置390および注入口320や導入通路322を介して、液化二酸化炭素容器380からの液化二酸化炭素384が導かれ、接続装置390の内部あるいは導入通路322、あるいはその出口において、液化二酸化炭素容器380が膨張し気化する。この結果二酸化炭素が急激に冷却され、生成ドライアイス304が生成される。生成ドライアイス304の生成は、液化二酸化炭素容器380の出口である接続装置390と液化二酸化炭素容器380との接続部であっても良い。また接続装置390の内部に通路系を拡大する構造を形成し、接続装置390の内部で生成ドライアイス304を生成させても良い。さらに導入通路322の内部または導入通路322の出口に通路断面の拡張部を形成して、生成ドライアイス304を生成しても良い。なお、この実施例では、液化二酸化炭素容器380が接続装置390を介して導入通路322に接続されているが、導入通路322や注入口320を接続装置390として使用し、液化二酸化炭素容器380を注入口320に直接接続しても良い。
(1)液化二酸化炭素容器380を使用することによる作用効果
本実施例では、液化二酸化炭素から生成された生成ドライアイス304を利用して冷却するので、液化二酸化炭素容器380として市販されている小型のカートリッジを使用することが可能となる。このため取り扱いが極めて容易であり、経験の浅い人でも安全に使用することができる。生成ドライアイス304を含む気体状二酸化炭素との混合体は、市販されているカートリッジを利用して極めて簡単に生成できる。さらに生成された生成ドライアイス304は、固体のドライアイスに劣らない冷却機能を発揮するので、十分な幅を有する過飽和蒸気層206を生成することができる。しかも以下に記載のごとく高い冷却効率が得られるので、従来の冷却用機械を備えた装置や固体のドライアイスを利用する冷却装置に比べ非常に長い時間、観測を継続することが可能となる。
冷却板312に一体的に接続された複数の冷却プレート330を生成ドライアイス304で冷却する構成としており、生成ドライアイス304は気体状二酸化炭素により運ばれて蓄積される。気体状二酸化炭素は、断面積の大きな通路により多く流れる状態となり、生成ドライアイス304で埋められた通路は自動的に避けられ、埋められていない通路に自動的に多くの気体状二酸化炭素が流れる傾向となる。この結果、積もる量の少ない部分に生成ドライアイス304を有する流れの多くが自動的に選択されて、生成ドライアイス304が運ばれる状態となる。この結果、冷却室302は全体的にしかも均一に近づく傾向となり、自然に均一化の方向になるように生成ドライアイス304が蓄えられる効果が得られる。
(1) 冷却装置300の他の実施例の構成と動作の説明
冷却装置300についての他の実施例の構成とその動作を、図5(a)および図5(b)を用いて説明する。図1や図3に記載の実施例における冷却装置300では、冷却室302の一方側の注入口320から取込まれた気体状二酸化炭素を排気するための、排気口2361から排気口2363で構成される排気口236を、冷却室302の他方側に設けていた。しかし図1や図3に記載の実施例における冷却装置300は、以下で説明する図4や図5に記載の実施例でも良く、さらにその後に説明する図8や図9に記載の実指令でも良い。もちろん上述の実施例の記載した冷却装置300の構成を変更あるいは上述の実施例の構成にさらに新たな構成を追加した物であっても良い。
図5(a)および図5(b)は、冷却室302への生成ドライアイス304の蓄勢動作における初期段階を示す。一方図6(a)および図6(b)は、冷却室302への生成ドライアイス304の蓄勢動作における終了に近い段階を示す。さらに図7(a)および図7(b)は、冷却室302への生成ドライアイス304の蓄勢作業を終え、次の放射線の観測状態に置ける冷却装置300の動作状態を説明する図である。
3.1 観測状態における冷却装置300の動作の説明
図7(a)は観測開始時の冷却装置300の状態を示す概念図である。冷却板312に一体的に固定された冷却プレート330の間の空間は生成ドライアイス304で埋められている。なお図7(a)では冷却プレート330の内の一つである冷却プレート3302を記載している。この状態では、生成ドライアイス304は冷却プレート330を構成する冷却プレート3301から冷却プレート3304のそれぞれの表面に生成ドライアイス304が密着している。
図7(a)を用いて、冷却室302に生成ドライアイス304が収納された状態を上述した。生成ドライアイス304を収納した状態であっても、冷却装置300の部分の重さは、例えば固体状の硬い形状のドライアイスを収納した状態に比較し、非常に軽い。霧箱100全体の重量を抑制でき、取り扱いが容易である。また本実施例におけるフィルタ326に係る荷重が少ないことで、構造的にたいへん有利である。
4.1 保冷剤350を備えた冷却装置300の構成および動作の説明
上述した図5(a)や図5(b)、図6(a)や図6(b)、図7(a)や図7(b)を用いて説明した実施例の構成において、図8や図9に記載の実施例では、冷却プレート330の下に保冷剤350を更に設けている。保冷剤350は一般的に蓄熱材とも言われている。保冷剤350は密閉収納手段に収納されており、低温では固体であり、温度が上昇すると相変化する。相変化が生じている状態では、温度は一定に維持される。この実施例で使用される保冷剤350は、ソフトタイプであっても良いし、ハードタイプであっても良い。ソフトタイプの保冷剤350の方が他の装置との密着性が良いが、生成ドライアイス304を使用しているので、保冷剤350と他の装置との隙間が生成ドライアイス304で埋められるので、ハードタイプの保冷剤350でも使用可能である。
図8に示す実施例では、考え方を説明するために、バネを用いた弾性体354を使用して、フィルタ326により、保冷剤350を冷却プレート330の方に押圧している。図9に記載の冷却装置300では、弾性体354としてバネではなく断熱弾性体355を使用することにより、冷却室302にカバー356を介して熱が伝わるのを抑制できる。断熱弾性体355としては例えば樹脂で作られた弾性体とか、ゴムで作られた弾性体とかであり、金属製の弾性体より、熱の伝達を押えることができる。例えはスポンジのように内部に多数の気泡が形成されている場合により効果的に熱の移動を抑制できる。
図8や図9に記載の冷却装置300では、観察室202内の蒸気204を冷却するために、生成ドライアイス304に加えて保冷剤350を使用している。保冷剤350は取り扱いが容易であり、使用するに当たっての事前作業の負担を低減できる。上述したように生成ドライアイス304の使用により、冷却装置300の連続使用時間を従来の装置に比べて大幅に伸ばすことが可能となる。それに加えて本実施例では保冷剤350を使用しており、これにより連続観察可能時間を大幅に延ばすことができる。
5.1 構造および動作の説明
図10(a)や図10(b)に記載の実施例では、保冷剤350で直接冷却板312を冷却し、観察室202内の蒸気204を冷却して過飽和蒸気層206を形成する構成を示している。図10(a)に記載の実施例と図10(b)に記載の実施例との相違点は、保冷剤350を冷却板312の方に押圧するために弾性体354を使用するか断熱弾性体355を使用するかであり、基本的な構成や作用効果は同じである。図10(a)を用いて図10(b)に記載の実施例も含めた基本的な構成や動作を説明する。
本実施例で使用する保冷剤350については、図8および図9の実施例において、記載したとおりである。保冷剤350は取り扱いが容易であり、また安全性が高い。さらにドライアイス等と異なり、冷凍庫で冷却することにより、繰り返し使用可能である。
図1に記載の実施例において、蒸気供給装置250の動作を説明したが、図1および図11を用いて、蒸気供給装置250の動作と作用効果について説明する。なおこの説明は、図8や図9、図10(a)および図10(b)に記載の実施例においても、当てはまる。
7.1 上述した実施例の特徴について
〔第1の特徴〕
第1の特徴は、
蒸気204で満たされた観察室202と観察室202に蒸気204を供給するための蒸気供給装置250を備える観察装置200と、観察室202の蒸気204を冷却して観察室202内に過飽和蒸気層206を形成するための冷却装置300と、を備え、観察室202の過飽和蒸気層206内を通過する放射線の飛跡を観察するための霧箱100において、
冷却装置300は、冷却室302と、冷却室302の上部に設けられた冷却板312と、冷却板312に機械的に接続され冷却室302の下方に向けて伸びると共に冷却室302の横方向に伸びる複数個の冷却プレート330と、液化二酸化炭素384を保持する液化二酸化炭素容器380に接続するための接続装置290と、を備え、
液化二酸化炭素384から生成された生成ドライアイス304と気体状二酸化炭素との混合体を、複数個の冷却プレート330の前記横方向における一方側344から導入し、導入した生成ドライアイス304と前記気体状二酸化炭素との前記混合体を前記複数個の冷却プレート330により前記横方向における他方側346に導き、複数個の冷却プレート330の間に形成された通路332に導かれた前記混合体を構成する生成ドライアイス304を蓄え、前記通路に蓄えた前記生成ドライアイス304により前記冷却板312を冷却し、冷却された冷却板312により観察室202の蒸気204を冷却して過飽和蒸気層206を形成する、ことを特徴とする。
第2の特徴は、霧箱100に関する第1の特徴に加えて、
前記冷却装置300は、複数個の冷却プレート330の下に、密閉収納手段により収納された保冷剤350を設け、保冷剤350の下に保冷剤350を前記冷却プレート(330)に向けて押圧するための弾性体を設けた、ことを特徴とする。
第3の特徴は、第1の特徴あるいは第2の特徴の内の一の特徴とうる霧箱100において、
複数個の冷却プレート330の前記横方向における他方側346に前記気体状二酸化炭素を排出するための排気口236が設けられ、排気口236と複数個の冷却プレート330との間に生成ドライアイス304の通過を阻止するためのフィルタ324が設けられ、
前記フィルタ324により生成ドライアイス304の通過が阻止され、複数個の冷却プレート330の間に形成された通路332に生成ドライアイス304を蓄えられる、ことを特徴とする。
上記課題を解決する第4の特徴は、第1の特徴あるいは第2の特徴の内の一の特徴を備える霧箱100において、
複数個の冷却プレート330の下に、生成ドライアイス304の通過を阻止するためのフィルタ324が設けられ、さらにフィルタ324の下に前記気体状二酸化炭素を排出するための排気口236が設けられ、
前記フィルタ324により生成ドライアイス304の通過が阻止され、これにより、複数個の冷却プレート330間に形成された通路332に生成ドライアイス304を蓄える、ことを特徴とする。
第5の特徴は、第4の特徴を備える霧箱100において、
冷却室302に所定量の生成ドライアイス304が蓄えられた後、冷却室302から前記気体状二酸化炭素を排出するための排気口328の断面積を縮小し、冷却室302から排出する前記気体状二酸化炭素の排出量を低減させる、ことを特徴とする。
第6の特徴は、第2の特徴を備える霧箱100において、
前記保冷剤350は、所定温度以下で固体状となり前記所定温度より高い温度で相変化する材料であり、
前記密閉収納手段はその内部に前記保冷剤350を密閉された状態で収納する袋状であり、
前記保冷剤350は前記複数個の冷却プレート330に向けて前記弾性体354により押圧された状態で保持されている、ことを特徴とする。
第7の特徴は、第1の特徴あるいは第2の特徴の内の一の特徴を備える霧箱100において、
前記観察室202へ蒸気204を供給する蒸気供給装置250は、蒸気204を発生するための液を保持する液供給トレイ252と、前記液供給トレイ252に保持された前記液を温めるための加熱装置254と、液供給トレイ252に保持されている液を観察室202内に導くための液吸収体260と、を備え、
前記液供給トレイ252は前記観察装置200の外に開口する液供給口262を備えている、ことを特徴とする。
第1の特徴が奏する効果は本願発明の効果の欄に記載のとおりである。さらに具体的な実施例に関しては具体的な効果を、例えば上述した項目2.3 図1および図2から図4に記載の冷却装置300の作用効果の説明の欄に記載している。
Claims (7)
- 蒸気で満たされた観察室と前記観察室に前記蒸気を供給するための蒸気供給装置を備える観察装置と、前記観察室内の前記蒸気を冷却して前記観察室内に過飽和蒸気層を形成するための冷却装置と、を備え、前記観察室の前記過飽和蒸気層内を通過する放射線の飛跡を観察するための霧箱において、
前記冷却装置は、冷却室と、前記冷却室の上部に設けられた冷却板と、前記冷却板に機械的に接続され前記冷却室の下方に向けて伸びると共に前記冷却室の横方向に向けて伸びる複数個の冷却プレートと、液化二酸化炭素を保持する液化二酸化炭素容器に接続するための接続装置と、を備え、
前記液化二酸化炭素から生成された生成ドライアイスと気体状二酸化炭素との混合体を、前記複数個の冷却プレートの前記横方向における一方側から導入し、導入した前記生成ドライアイスと前記気体状二酸化炭素との前記混合体を前記複数個の冷却プレートにより前記横方向における他方向に導き、前記複数個の冷却プレートの間に形成された通路に前記混合体に含まれる前記生成ドライアイスを蓄え、前記通路に蓄えられた前記生成ドライアイスにより前記冷却板を冷却し、冷却された前記冷却板により前記観察室内の前記蒸気を冷却して前記過飽和蒸気層を形成する、ことを特徴とする霧箱。 - 請求項1に記載の霧箱において、
前記冷却装置は、前記複数個の冷却プレートの下に、密閉収納手段に収納された保冷剤を有し、前記保冷剤の下に前記保冷剤を前記複数個の冷却プレートに向けて押圧するための弾性体を設けた、ことを特徴とする霧箱。 - 請求項1あるいは請求項2の内の一に記載の霧箱おいて、
前記複数個の冷却プレートの前記横方向における前記他方向に前記気体状二酸化炭素を排出するための排出口が設けられ、前記排出口と前記複数個の冷却プレートとの間に前記生成ドライアイスの通過を阻止するためのフィルタが設けられ、
前記フィルタにより前記生成ドライアイスの通過が阻止され、前記複数個の冷却プレートの間に形成された前記通路に前記生成ドライアイスを蓄える、ことを特徴とする霧箱。 - 請求項1あるいは請求項2の内の一に記載の霧箱において、
前記複数個の冷却プレートの下に、前記生成ドライアイスの通過を阻止するためのフィルタが設けられ、さらに前記フィルタの下に前記気体状二酸化炭素を排出するための排出口が設けられ、
前記フィルタにより前記生成ドライアイスの通過が阻止されることにより、前記複数個の冷却プレート間に形成された前記通路に前記生成ドライアイスを蓄える、ことを特徴とする霧箱。 - 請求項4に記載の霧箱おいて、
前記冷却室に所定量の生成ドライアイスが蓄えられた後、前記冷却室から前記気体状二酸化炭素を排出するための前記排出口の断面積を縮小し、前記冷却室から排出する前記気体状二酸化炭素の排出量を低減する、ことを特徴とする霧箱。 - 請求項2に記載の霧箱において、
前記保冷剤は、所定温度以下で固体状となり前記所定温度より高い温度で相変化する材料であり、
前記密閉収納手段はその内部に前記保冷剤を密閉された状態で収納する袋状であり、
前記保冷剤は前記複数個の冷却プレートに向けて前記弾性体により押圧された状態で保持されている、ことを特徴とする霧箱。 - 請求項1あるいは請求項2の内の一に記載の霧箱において、
前記観察室へ前記蒸気を供給する前記蒸気供給装置は、前記蒸気を発生するための液を保持する液供給トレイと、前記液を温めるための暖機装置と、前記液供給トレイ内に保持されている前記液を前記観察室内に導くための液吸収体と、を備え、
前記液供給トレイは前記観察装置の外に開口する液供給口を備えている、ことを特徴とする霧箱。
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Yasushi Kondo,100%成功する霧箱の作り方,理工学総合研究所研究報告,30号,近畿大学理工学総合研究所,2018年02月28日,p.21-29,https://kindai.repo.nii.ac.jp/records/19949 |
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