JP7472054B2 - ガス供給システム、及びそのガス供給システムを使用するガス消費装置を構成する内燃機関 - Google Patents
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Description
以下、図1~図9に基づいて、本発明の実施形態1に係るガス供給システム、及びそのガス供給システムを使用するエンジン(内燃機関)について説明する。本実施形態に係るガス供給システムは、気体噴射式LPG車において使用されるガス供給システムである。ここで、LPGは、プロパンとブタンとを主成分とする混合気体であり、本実施形態に係るガス供給システムの説明においては、液化状態のLPGを液化LPGと記載し、気化状態のLPGをLPガスと記載する。
気体噴射式LPG車は、LPガスを燃料としてエンジン10を駆動させる車両である。エンジン10は、例えば、4気筒エンジンである。エンジン10は、図1に示すように、各気筒の燃焼室10bにLPガスと空気との混合気体を供給する吸気通路12と、燃焼後の排気ガスを燃焼室10bから排出する排気通路14とを備えている。なお、図1では、エンジン10の1気筒分を表している。各気筒の吸気通路12には、通路内にLPガスを噴射するためのインジェクタ16が設けられている。各々のインジェクタ16は燃料供給用のパイプであるデリバリパイプ17によって互いに接続されている。また、吸気通路12には、インジェクタ16の上流側に吸気通路12内を流れる空気の流量(吸気量)を調節するためのスロットルバルブ19が設けられている。
ガス供給システム40は、図1に示すように、気体噴射式LPG車のエンジン10にLPガスを供給するシステムである。ガス供給システム40は、液化LPGを貯留する車両の燃料タンク41と、液化LPGを気化させる気化器45とを備えている。また、ガス供給システム40は、燃料タンク41に貯留されている液化LPGを気化器45に導く液化LPG流路43と、前記気化器45により気化されたLPガスをエンジン10のデリバリパイプ17に導くLPガス流路46を備えている。
燃料タンク41は、密閉圧力容器であり、図1に示すように、液化LPGを充填するための充填口41eと、液化LPGが送り出される送出口41tとを備えている。燃料タンク41内には、前記送出口41tから液化LPGを圧送するためのポンプ41pが設置されている。ポンプ41pは、モータ(図示省略)の回転力を受けてインペラ(図示省略)を回転させ、液化LPGを圧送できるように構成されている。また、燃料タンク41には、タンク内の圧力を測定するタンク燃圧センサー41xと、タンク内の温度を測定するタンク温度センサー41yとが設けられている。燃料タンク41の送出口41tには、緊急遮断弁43sを介して液化LPG流路43が接続されている。ここで、緊急遮断弁43sは、常時、流路を開放しており、緊急時に流路を遮断できるように構成されている。また、液化LPG流路43には、液化LPG流路43を開閉する電磁弁43vが設けられている。
気化器45は、液化LPGの圧力を設定調整圧力まで減圧し、さらに液化LPGをエンジン冷却水の熱で暖めることで、液化LPGを気化させる装置である。気化器45は、図2、図3に示すように、圧力レギュレータ450と、その圧力レギュレータ450を温める温水ヒータ45hとから構成されている。圧力レギュレータ450は、ハウジング451の内部がダイヤフラム456によって、調圧室453(中央部)と大気圧室455(上部)とに仕切られている。そして、大気圧室455には、ダイヤフラム456の中央を下方に押圧するバネ455cが設けられている。前記バネ455cは、調圧室453の設定調整圧力を設定するためのもので、バネ力を調整できるように構成されている。また、調圧室453には、ダイヤフラム456の中央に上端が連結された縦リンク457zが設けられており、その縦リンク457zの下端が関節部を介してシーソー状の横リンク457yに連結されている。そして、横リンク457yの先端に調圧室453の入口通路453eを開閉する弁体457vが連結されている。
ガス供給システム40の制御はECU30で行われる。なお、ECU30とは別に、ガス供給システム40の専用の制御部を設けることも可能である。ECU30には、図1に示すように、燃料タンク41の内部圧力を測定するタンク燃圧センサー41xの信号と、タンク内温度を測定するタンク温度センサー41yの信号とが入力される。タンク燃圧センサー41xとタンク温度センサー41yの信号は、LPG中におけるプロパンの割合を示すプロパン率等の算出に使用される。
図8に示すフローチャートによる処理を実行するためのプログラムがECU30のメモリに格納されている。図8に示すように、車両のイグニッションスイッチがオンされると、データの読み込みが行われる(ステップS101)。即ち、エンジン10のデリバリパイプ17内の燃料圧力(デリバリ燃圧センサー25の測定値)とデリバリパイプ17内の燃料温度(デリバリ燃温センサー23の測定値)とが読み込まれる。また、燃料タンク41内の圧力(タンク燃圧センサー41xの測定値)と、燃料タンク41内の温度(タンク温度センサー41yの測定値)とが読み込まれる。さらに、エンジン冷却水の温度(冷却水温度センサー27tの測定値)と、外気温度(外気温度センサー21の測定値)とが読み込まれる。
本実施形態に係るエンジン10が本発明の内燃機関(ガス消費装置)に相当し、ECU30のスロットル開度制御部が本発明の開度制御部に相当する。また、燃料タンク41が本発明の貯留タンクに相当し、液化LPG流路43が本発明の液化ガス流路に相当し、LPガス流路46が本発明のガス流路に相当する。また、液化LPGが本発明の液化ガスに相当し、LPガスが本発明のガスに相当する。さらに、エンジン冷却水の温度(冷却水温度センサー27tの測定値)が本発明の気化器における実測パラメータに相当し、デリバリパイプ17内の燃料温度(デリバリ燃温センサー23の測定値)が本発明のガス消費装置における実測パラメータに相当する。また、アイドル燃料気化温度+α、及び燃料気化温度+βが本発明の液化ガスの気化の基準となる所定値に相当する。さらに、プロパン率が本発明の液化LPG(液化ガス)を構成する組成中で気化し易い組成が占める割合に相当する。また、エンジンが始動している状態でポンプ41pの起動を停止する制御(図8 ステップS110、S111)が本発明における気化促進モードの制御に相当する。さらに、アイドリング時に使用される燃料量Fa(実用最小流量Fmin)が本発明におけるポンプに圧送される液化ガスの所定流量に相当する。
本実施形態に係るガス供給システム40によると、ポンプ41pにより圧送される液化LPG(液化ガス)が気化器45により気化されるための条件を満たしていないとECU30の判定部が判定した場合、ECU30のポンプ制御部はポンプ41pの起動を禁止する。そして、液化LPGは、ポンプ41pが停止している状態で液化LPG流路43(液化ガス流路)により気化器45に供給される。即ち、ポンプ41pが停止することで少量の液化LPGが気化器45に供給されるようになる。これにより、液化LPGが気化しきれずに気化器45を通過するような不都合を抑制できる。
ここで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態における図8のフローチャートでは、ポンプ作動可否判断(ステップS103)がNOの場合、気化促進モードの制御においてポンプ41pの起動を禁止する例を示した。しかし、図9のフローチャートに示すように、ポンプ作動判断(ステップS203)がNOの場合、気化促進モードの制御においてポンプ41pを低流量駆動させることも可能である(ステップS212)。ここで、図9に示すフローチャートによる処理を実行するためのプログラムはECU30のメモリに格納されている。図9のフローチャートにおけるステップS212の処理(ポンプ低流量駆動)を除く処理、即ち、ステップS201~205、ステップS210、S211、及びステップS213~216の処理は、図8のフローチャートにおける処理と同様である。
12・・・吸気通路
17・・・デリバリパイプ
19・・・スロットルバルブ
21・・・外気温度センサー
23・・・デリバリ燃温センサー
(デリバリ燃温センサーの測定値(ガス消費装置における実測パラメータ))
25・・・デリバリ燃圧センサー
27t・・冷却水温度センサー
(冷却水温度センサーの測定値(気化器における実測パラメータ))
27・・・冷却水配管
30・・・ECU(判定部、ポンプ制御部、スロットルバルブの開度制御部)
40・・・ガス供給システム
41y・・タンク温度センサー
41x・・タンク燃圧センサー
41・・・燃料タンク(貯留タンク)
41p・・ポンプ
43・・・液化LPG流路(液化ガス流路)
45・・・気化器
46・・・LPガス流路(ガス流路)
Claims (6)
- 貯留タンクに貯留されている液化ガスを気化器に導く液化ガス流路と、その液化ガス流路を通して前記貯留タンクの液化ガスを気化器に圧送するポンプと、前記気化器により気化されたガスをガス消費装置に導くガス流路とを備えるガス供給システムであって、
前記ポンプを制御するポンプ制御部と、
システム起動時に前記ポンプにより圧送される所定流量の前記液化ガスが前記気化器により気化されるための条件を満たしているか否かを判定する判定部と、
を有しており、
前記ポンプにより圧送される所定流量の前記液化ガスが前記気化器により気化されるための条件を満たしていないと前記判定部が判定した場合、前記ポンプ制御部が前記ポンプを気化促進モードに制御した状態で、前記液化ガス流路により前記気化器に対して前記液化ガスが供給される構成であり、
前記気化促進モードは、前記ポンプにより圧送される前記液化ガスの流量を所定流量より小さくするガス供給システム。 - 請求項1に記載のガス供給システムであって、
前記気化促進モードでは、前記ポンプの起動を禁止するガス供給システム。 - 請求項1に記載のガス供給システムであって、
前記気化促進モードでは、前記気化器の出力側にある前記ガス流路の設定調整圧力に対して実際の前記ガス流路の圧力が低くなるような流量で前記ポンプを起動させるガス供給システム。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のガス供給システムであって、
前記判定部は、実測パラメータが液化ガスの気化の基準となる所定値よりも大きい場合、前記液化ガスが前記気化器により気化されるための条件を満たしていると判定し、
前記所定値は、前記液化ガスを構成する組成中で気化し易い組成が占める割合が高いほど小さな値になるガス供給システム。 - 請求項4に記載のガス供給システムであって、
前記判定部は、前記気化器における実測パラメータと、前記ガス消費装置における実測パラメータとが共に前記液化ガスの気化の基準となる所定値よりも大きい場合、前記液化ガスが前記気化器により気化されるための条件を満たしていると判定するガス供給システム。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載のガス供給システムを使用するガス消費装置を構成する内燃機関であって、
前記ガスを燃焼させるための空気を供給する吸気通路と、
前記吸気通路内の吸気量を調整するスロットルバルブと、
前記スロットルバルブの開度を制御する開度制御部と、
を備え、
前記開度制御部は、前記ポンプ制御部が前記ポンプを気化促進モードに制御している場合、前記スロットルバルブの開度を目標アイドル開度に制限する内燃機関。
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