JP7471765B2 - 動物飼育用敷料および動物飼育用敷料の廃棄方法 - Google Patents

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Description

本発明は、動物飼育用敷料および動物飼育用敷料の廃棄方法に関する。
古くから、馬、牛、豚、羊、犬、猫、ねずみ類等の家畜の寝床として用いられる動物飼育用敷料としては、稲藁が主に用いられてきた。しかし、コンバインを利用する稲作の普及後は、稲藁は裁断されて田んぼにまかれるようになり、年間を通して稲藁を安定的に入手することは困難になった。そのため、紙を動物飼育用敷料として利用する取り組みも開始され、例えば、特許文献1では、新聞紙を所定の寸法に裁断し、その堆積物を鶏等の比較的小さい動物の飼育用敷料とすることが開示されている。また、特許文献2では、競走馬飼育用敷料として、段ボール又は、紙管の断裁片による堆積物からなる敷料が提案されている。また、特許文献3では、板紙及び/または貼合紙を不定形状に破砕した、牛および馬等の飼育用敷料が提案されている。
特開昭57-125621号公報 特開平7-170872号公報 特開2000-60336号公報
特許文献1~3に記載のような紙を利用した動物飼育用敷料は、糞尿が付着した使用後に廃棄物として処理する必要があり、廃棄コストが高くなるといった問題があった。
本発明は、年間を通して安定的に入手可能であるとともに、廃棄コストを抑えることができる動物飼育用敷料の提供を課題とする。本発明はまた、動物飼育用敷料の廃棄方法の提供を課題とする。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行い、本発明者らは、安定的に供給可能である動物飼育用敷料として紙製の敷料に着眼して使用後に分解する材料について検討を重ねることにより本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は以下の[1]~[8]を提供するものである。
[1]パルプシート小片の集合体からなり、植物を原料とする化学パルプを乾燥総質量に対して80質量%以上含む動物飼育用敷料。
[2]上記パルプシート小片の坪量が10g/m2~250g/m2である[1]に記載の動物飼育用敷料。
[3]上記パルプシート小片が平均20mm2~2000mm2の面積である[1]または[2]に記載の動物飼育用敷料。
[4]加水分解処理により分解される動物飼育用敷料であって、
上記加水分解後の分解処理液を目開き1mmのステンレスメッシュでろ過したときの残渣の乾燥質量が上記加水分解前の上記動物飼育用敷料の乾燥質量の5%以下となる動物飼育用敷料。
[5][1]~[4]のいずれかに記載の動物飼育用敷料の廃棄方法であって、上記動物飼育用敷料を加水分解することを含む廃棄方法。
[6]上記加水分解が、酵素による加水分解である[5]に記載の廃棄方法。
[7]上記酵素がセルラーゼである[6]に記載の廃棄方法。
[8]上記加水分解後の分解処理液を排水することを含む[5]~[7]のいずれかに記載の廃棄方法。
本発明により年間を通して安定的に入手可能であるとともに、廃棄コストを抑えることができる動物飼育用敷料が提供される。本発明の動物飼育用敷料は加水分解により水に溶解した状態または分散した状態とすることができ、排水による廃棄が可能である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。
<動物飼育用敷料>
本発明の動物飼育用敷料は加水分解処理により分解することが可能である。この加水分解は、例えば、加水分解後の分解処理液を目開き1mmのステンレスメッシュでろ過したときの残渣の乾燥質量が加水分解前の動物飼育用敷料の乾燥質量の5%以下となる程度まで行うことが可能であるため、後述するように排水などによる廃棄も可能である。
本発明の動物飼育用敷料は、好ましくは72時間以下の加水分解処理、より好ましくは48時間以下の加水分解処理、さらに好ましくは24時間以下の加水分解処理で、上記の残渣の乾燥質量が加水分解前の動物飼育用敷料の乾燥質量の5%以下となればよい。このような時間で加水分解処理可能であることにより、排水などによる廃棄を日常的に行うことが可能となるからである。
本発明の動物飼育用敷料はパルプシート小片の集合体からなっていればよい。集合体とは、例えばシュレッダーを通して、あるいは千切ってバラバラに切断した紙片の複数が集積されたもの、あるいは裁断された稲藁の複数が集積されたもののように、互いに同一、類似または異なる形状を有する単位の複数が集積して形成される集合体を意味する。パルプシート小片はいわゆる紙であるパルプシートを寸断して得られたものであってもよく、小片状に抄紙されたものであってもよいが、パルプシートを寸断した小片であることが好ましい。シート状(好ましくは、薄膜)に製造したパルプシートを寸断した形状において、後述の加水分解が進みやすいからである。
パルプシート小片はセルロースを含み、本発明の動物飼育用敷料に保水性を与えることができる。また、パルプシート小片が集合体とされていることにより、空気を含むことができ、本発明の動物飼育用敷料を保温性とすることができる。したがって、本発明の動物飼育用敷料は、馬、牛、豚、羊、犬、猫、ねずみ類等の家畜やペットの寝床、例えば家畜舎の敷物として適している。
本発明の動物飼育用敷料は植物を原料とする化学パルプを動物飼育用敷料の乾燥総質量に対して80質量%以上含んでいればよい。動物飼育用敷料は、植物を原料とする化学パルプを85質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことがさらに好ましい。
本発明の動物飼育用敷料は、典型的には、パルプシートを製造すること、およびパルプシートを切断することをこの順に含む方法で製造することができる。
[パルプシート]
パルプシートは、植物を分解することによって得られる化学パルプを含むスラリーを抄紙することにより得ることができる。本発明の動物飼育用敷料は植物を原料とする化学パルプを乾燥総質量に対して80質量%以上含む。この構成は、一例として、パルプシート小片を得るためのパルプシートが植物を原料とする化学パルプをパルプシートの乾燥総質量に対して80質量%以上含むパルプシートを用いて動物飼育用敷料を製造することにより実現することができる。パルプシートは、植物を原料とする化学パルプを85質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことがさらに好ましい。パルプシートは、その他の成分として、古紙を原料とした古紙パルプを、パルプシートの乾燥総質量に対して合わせて20質量未満で含んでいてもよいが、含んでいないことが好ましい。
植物としては、木材および木材以外の植物(わら、竹、亜麻、綿リンターなど)が挙げられる。植物としては、木材が好ましい。
パルプの原料となる木材としては特に制約はなく、アカマツ、クロマツ、トドマツ、エゾマツ、ベニマツ、カラマツ、モミ、スギ、ツガ、スギ、ヒノキ、シラベ、トウヒ、ヒバ、ダグラスファー、ヘムロック、ホワイトファー、スプルース、バルサムファー、シーダ、パイン、ラジアータパイン等の針葉樹、ブナ、カバ、ハンノキ、ナラ、タブ、シイ、シラカバ、ハコヤナギ、ポプラ、タモ、ドロヤナギ、ユーカリ、アカシア、マングローブ、ラワン等の広葉樹を適宜選択して使用することができる。これらのうち、原料確保の観点から、カラマツ、スギ、ラジアータパイン、ユーカリ、アカシア等が好ましい。
木材は、木粉またはチップのいずれであってもよく、チップであることが好ましい。
パルプシートはパルプ以外の成分を含んでいてもよい。パルプ以外の成分としては、例えば、ポリアクリルアミドなどの紙力増強剤、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、または酸化チタンなどの填料および塗料などが挙げられる。塗料は、一般的に炭酸カルシウム、カオリン、サチンホワイト、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、プラスチックピグメントなどの顔料成分、ラテックスや澱粉などのバインダー成分、消泡剤、分散剤や増粘剤などの助剤成分からなる。
パルプシートにおける、紙力増強剤の含量は、パルプシートの乾燥総質量に対し、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましく、0.01質量%以下であることが特に好ましい。パルプシートは紙力増強剤を実質的に含まないことが好ましい。また、パルプシートにおける、填料の含量は、パルプシートの乾燥総質量に対し、15質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。さらに、パルプシートにおける、塗料の含量は、パルプシートの乾燥総質量に対し、25質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。填料および塗料は合わせて、パルプシートの乾燥総質量に対し1質量%以下であることが特に好ましい。パルプシートは填料および塗料のいずれも実質的に含まないことが好ましい。
化学パルプは原料を化学薬品で処理して化学的に得たパルプを意味する。一般的にパルプは、原料の処理方法によって、化学パルプ、原料を機械的に摩砕して得た機械パルプ、原料を化学的処理後に機械的処理を施すことによって得た半化学パルプに分類される。
本発明の動物飼育用敷料に用いられるパルプシートは、機械パルプまたは半化学パルプをパルプシートの乾燥総質量に対して合わせて20質量未満で含んでいてもよいが、いずれも含んでいないことが好ましい。
化学パルプはさらにクラフトパルプ(KP)と亜硫酸パルプ(SP)に大別することができる。
クラフトパルプは、原料となる植物(木材)のクラフト蒸解を行うことにより得ることができる。クラフト蒸解においては、植物は水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムを含む蒸解液とされ蒸煮される。蒸煮後得られた蒸解物から洗浄装置によって廃液を分離し、クラフトパルプを得ることができる。クラフトパルプはさらにスクリーンやクリーナーといった除塵装置で精選する精選工程を経て得られていてもよい。
亜硫酸パルプは、上記蒸解工程において水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムの代わりに亜硫酸と亜硫酸塩を用いる以外は上記クラフトパルプと同様の製造方法で得ることができる。
化学パルプとしてはクラフトパルプが好ましい。クラフトパルプは亜硫酸パルプに比べて蒸解工程において発生する排水の汚れが少なく、また生産量もクラフトパルプに比べて多いため、環境負荷および生産性の点で優れているからである。
上記の工程で得られる、後述の漂白工程を経ていない化学パルプは一般的に未晒化学パルプと呼ばれ、また、漂白されていないパルプは未晒化学パルプと呼ばれる。未晒化学パルプは、漂白工程で発生する製造コストがかからないという観点で好ましい。
化学パルプはさらに漂白工程を経た漂白化学パルプであることも好ましい。
上記蒸解工程では、木材等の植物に含まれるセルロース繊維がリグニン成分と分離されるが、リグニン成分は完全に除去されず、一定量のリグニン成分が残留する。漂白工程は、パルプ着色成分でもある残留リグニン成分を除去する工程である。このような工程を経た化学パルプであるため、漂白化学パルプの利用により、後述の加水分解が進みやすく、加水分解後の残渣が少ない動物飼育用敷料を得ることが可能である。
漂白としては、酸素やオゾンによる漂白および薬品による漂白等を挙げることができる。これらの漂白のいずれか1つを行っていてもよく、数種類の漂白を組み合わせた方法で行ってもよい。数種類の漂白を組み合わせた好ましい方法として例えば、酸素漂白処理、二酸化塩素またはオゾンによる漂白処理、および、過酸化水素や二酸化塩素による漂白処理をこの順で行う方法を挙げることができる。前段の漂白で酸素を用いることにより、漂白での使用薬品量を減らすことができ、環境負荷を低減することができる。
化学パルプは追加の化学処理または酵素による処理等を経たものであってもよい。
上述のように得られたパルプを水に懸濁してスラリーとすることができる。スラリーにおけるパルプの濃度は、例えば.0.5質量%~10質量%であればよく、1.0質量%~5質量%であることが好ましい。
パルプシートは、スラリーを公知の方法で抄紙することで形成される。抄紙機としては、例えば、長網式抄紙機、ギャップフォーマー型抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機等の商業規模の抄紙機が、目的に応じて適宜選択される。
パルプシートの坪量は10g/m2~250g/m2であることが好ましく、20g/m2~150g/m2であることがより好ましい。
パルプシートを寸断し、パルプシート小片を得ることができる。パルプシート小片は、平均20mm2~2000mm2、好ましくは50mm2~1000mm2の面積であることが好ましい。パルプシート小片はそれぞれ短冊状(例えば幅10mm~50mm)になっていてもよく、略正方形状(例えば一辺10~10mm)となっていてもよい。この形状および大きさにおいて動物飼育用敷料としての使用の際に取扱いが容易であるからである。
パルプシートの寸断方法は特に限定されず、既知のシュレッダー、二軸破砕機等を用いて行うことができる。
<動物飼育用敷料の廃棄方法>
本発明の動物飼育用敷料は加水分解で水に溶解または分散可能な形態に分解することができる。そのため、本発明の動物飼育用敷料は、加水分解した後、溶液または分散液として排水することができる。本発明の動物飼育用敷料の加水分解により得られる生成物の主成分はパルプ中に含まれるセルロースが分解して得られる糖成分であるため、廃水に含まれていても環境への悪影響が少ない。したがって、本発明の動物飼育用敷料の加水分解後の分解処理液は、既存の排水設備での処理による廃棄が可能である。
また、加水分解により得られる生成物は、糖成分であるため、エタノールなどの有用物質の製造原料として使用することもできる。
加水分解は、通常6時間程度以上行われ、好ましくは72時間以下、より好ましくは48時間以下、さらに好ましくは24時間以下行われればよい。
加水分解としては酸または塩基の添加により行われる加水分解、および酵素により行われる加水分解が挙げられる。加水分解としては酵素により行われるものが好ましい。酸または塩基の添加により行われる加水分解においては通常必要となる排水時の中和処理が不要であるからである。
加水分解において用いられる酵素としては、セルラーゼが好ましい。
セルラーゼとしては、トリコデルマ(Trichoderma、糸状菌)属、アクレモニウム(Acremonium、糸状菌)属、アスペルギルス(Aspergillus、糸状菌)属、ファネロケエテ(Phanerochaete、担子菌)属、トラメテス(Trametes、担子菌)属、フーミコラ(Humicola、糸状菌)属、バチルス(Bacillus、細菌)属、スエヒロタケ(Schizophyllum、担子菌)属、ストレプトミセス(Streptomyces、細菌)属、シュードモナス(Pseudomonas、細菌)属等が産生するセルラーゼが挙げられる。これらのうち、糸状菌セルラーゼ系酵素が好ましく、糸状菌セルラーゼ系酵素の中でも、トリコデルマ菌(Trichoderma reesei、あるいはHyporea jerorina、糸状菌の一種である子嚢菌)が生産するセルラーゼ系酵素は種類が豊富であり、生産性も高いため、より好ましい。
酵素の添加量は特に限定されず、酵素の種類、パルプ原料の種類等によって適宜調整して添加する。
加水分解のとき動物飼育用敷料を含む水(懸濁液)のpHは、酵素反応の反応性の点から、弱酸性領域(pH=3.0~6.9)であることが好ましい。酵素処理時の温度は特に制約されるものではないが、30~70℃が好ましく、35~65℃がより好ましく、40~60℃がさらに好ましい。酵素処理時の温度が上記下限値以上であれば、酵素活性が低下しにくく、処理時間の長期化を防止でき、上記上限値以下であれば、酵素の失活を防止できる。
酵素処理時間は12~62時間が好ましい。酵素処理時間は、酵素の種類、温度、pH等によって調整することができる。
加水分解は、例えば、加水分解後の分解処理液(加水分解した動物飼育用敷料を含む懸濁液)を目開き1mmのステンレスメッシュでろ過したときに残渣の質量が加水分解前の動物飼育用敷料の質量の5%以下となるまで行うことが好ましい。上記残渣が3%以下となるまで行うことがより好ましく、上記残渣が1%以下となるとなるまで行うことがさらに好ましい。この程度まで加水分解を行うことにより、排水処理での廃棄が容易になるからである。
以下に製造例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の製造例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。なお、以下において、実施例1は、参考例1と読み替えるものとする。
<製造例1>動物飼育用敷料1の製造
国内産スギチップを、液比5、絶乾チップ質量当たり活性アルカリ30%、蒸解液の硫化度28%、蒸解温度160℃、滞留時間(蒸解時間)90分の条件下でクラフト蒸解を行ない、未晒クラフトパルプ1を得た。
未晒クラフトパルプ1を1質量%のスラリーとなるように水に懸濁し、このスラリーから坪量50g/m2のパルプシート(水分含量5質量%)を調製し、シュレッダーで一辺が20mm~50mm程度の小片に破砕して生成した集合体を動物飼育用敷料1とした。
<製造例2>動物飼育用敷料2の製造
未晒クラフトパルプ1を絶乾質量で70.0gを採取し、絶乾パルプ質量当たり苛性ソーダを2.0%添加し、次いでイオン交換水で希釈してパルプ濃度を10質量%に調製した。得られたパルプ懸濁液を間接加熱式オートクレーブに入れ、99.9%の市販の圧縮酸素ガスを注入してゲージ圧力0.5MPaで、100℃で60分間、酸素脱リグニンを行った。酸素漂白終了後、ゲージ圧力が0.05MPa以下になるまで減圧し、パルプをオートクレーブから取り出し、イオン交換水7リットルを用いて洗浄、脱水した。
上記アルカリ酸素脱リグニン後のクラフトパルプを絶乾質量で60g採取し、プラスチック袋に入れ、イオン交換水を用いてパルプ濃度を10質量%に調製した後、絶乾パルプ質量当たり1.0%の二酸化塩素を添加し、温度が70℃の恒温水槽に60分間浸漬して二酸化塩素漂白を行った。得られたパルプをイオン交換水で3質量%に希釈した後、ブフナーロートで脱水、洗浄した。二酸化塩素漂白後のパルプをプラスチック袋に入れ、イオン交換水を加えてパルプ濃度を10質量%に調製した後、絶乾パルプ質量当たり苛性ソーダを1.0%、過酸化水素0.2%を添加してよく混合した後、温度が70℃の恒温水槽に90分間浸漬して過酸化水素漂白を行った。得られたパルプをイオン交換水で3質量%に希釈した後、ブフナーロートで脱水、洗浄した。
過酸化水素漂白後のパルプをプラスチック袋に入れ、イオン交換水を用いてパルプ濃度10質量%に調製した後、絶乾パルプ質量当たり二酸化塩素を0.3%添加し、温度が70℃の恒温水槽に60分間浸漬し、二酸化塩素漂白を行いクラフトパルプを得た。
得られたクラフトパルプを1質量%のスラリーとなるように水に懸濁し、このスラリーから坪量50g/m2のパルプシート(水分含量5質量%)を調製し、シュレッダーで一辺が5mm×20mm程度の小片に破砕して生成した集合体を動物飼育用敷料2とした。
<製造例3>動物飼育用敷料3の製造
ユーカリ材チップを液比5、絶乾チップ質量当たり活性アルカリ22%、蒸解液の硫化度28%、蒸解温度160℃、滞留時間(蒸解時間)90分の条件下でクラフト蒸解を行ない、未晒クラフトパルプ2を得た。
未晒クラフトパルプ1に変えて未晒クラフトパルプ2を使用する以外は、製造例2と同様に処理して動物飼育用敷料3を得た。
<実施例1>
250mLの三角フラスコに動物飼育用敷料1を5.0g、セルラーゼ溶液(Viscamyl Flow,ジェネンコア社製)10g、1M酢酸緩衝液(pH5)10mLを加え、精製水を加えて総量が100gとなるように調整した。振とう培養機を用いて、50℃、150rpmで48時間振とうした。得られた加水処理液をあらかじめ質量を測定した目開き1mmのステンレスメッシュでろ過した。ろ過後の残渣をステンレスメッシュごとに105℃で乾燥した。乾燥後の質量からステンレスメッシュの質量を差し引いた質量を残渣量(g)とし、残渣率[(残渣量/5.0)×100質量%]を求めた。
<実施例2>
動物飼育用敷料1の代わりに動物飼育用敷料2を用いた以外は実施例1と同様の方法で加水分解処理および測定を行った。
<実施例3>
動物飼育用敷料1の代わりに動物飼育用敷料3を用いた以外は実施例1と同様の方法で加水分解処理および測定を行った。
<比較例1>
セルラーゼ溶液を添加しなかった以外は全て実施例1と同様の方法で加水分解処理および測定を行った。
<比較例2>
実施例1において、動物飼育用敷料1の代わりに稲藁を用いた以外は全て実施例1と同様の方法で加水分解処理および測定を行った。
<比較例3>
実施例1において、動物飼育用敷料1の代わりにおがくずを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で加水分解処理および測定を行った。
<比較例4>
実施例1において、動物飼育用敷料1の代わりに新聞紙を用いた以外は全て実施例1と同様の方法で加水分解処理および測定を行った。
動物飼育用敷料1~3は、セルラーゼによる加水分解により、稲藁、おがくず、おおよび新聞紙と比較して残渣量の少ない溶解または分散状態とすることができた。以上の結果から、本発明の動物飼育用敷料は、加水分解処理により、排水として処理が容易となることがわかる。

Claims (4)

  1. 動物飼育用敷料を加水分解することを含む廃棄方法であって
    前記動物飼育用敷料がパルプシート小片の集合体からなり、
    前記動物飼育用敷料が植物を原料として酸素漂白、二酸化塩素漂白および過酸化水素漂白をしてなる脱リグニン漂白クラフトパルプを乾燥総質量に対して80質量%以上含む、廃棄方法
  2. 前記加水分解が、酵素による加水分解である請求項に記載の廃棄方法。
  3. 前記酵素がセルラーゼである請求項に記載の廃棄方法。
  4. 前記加水分解後の分解処理液を排水することを含む請求項1~3のいずれか1項に記載の廃棄方法。
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