JP7470438B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
しかし、このようなコンプリート機能は従来になかった新しい機能であり、コンプリート機能と既存の機能と合わせることで、従来にない新たな問題点が生じる。
なお、以降の説明における「有利(有利度)」とは、遊技者に対して有利であることを指し、さらに、特に断りがない限り、いわゆるプレミア画像等の演出面を除き、賞球(遊技媒体)の獲得量(遊技球の払い出しに限らず、メダルの払い出しを含む)に関して有利であることを指す。
本実施形態における遊技機10の詳細を説明する前に、本実施形態に記載されている発明(本発明)の特徴を説明する。
なお、当該特徴を説明するにあたり、括弧内の構成は、直前の構成に対応する本実施形態の構成を例示したものであり、当該説明以降の遊技機10の説明においても同様の用途で括弧内に構成を記載する場合がある。
ここで特定結果とは、本実施形態における遊技機10に関して言えば、特図当否判定において大当りおよび大当り遊技を生起可能な小当りの双方を導出可能ないわゆる一種二種混合機を採用しているため、大当り及び小当りの双方である。大当り遊技を生起可能な当りが大当りのみである遊技機によって本発明を実施する場合、上記の特定結果は大当りである。
本実施形態では、差玉数のマイナス値を持たないが、セーフ玉の初期値が5000個であるため、実質的に差玉数がマイナス5000個までの値を持つと言える。当該初期値については、遊技機の性能に応じて任意の一の値(遊技機ごとに定まる値)を設定してよい。ただし、セーフ玉の初期値は、アウト玉の初期値と同様に、零としてもよい。これによれば、遊技中に遊技球が最も減少した時点からの遊技球の増加分(いわゆるMY)よって遊技停止状態を設定してもよい。
報知制御手段は、特定のエラー状態(残賞球エラー)が検知されたことに基づいて、特定エラー報知を実行し、大当り遊技中に差玉数が第一閾値以上となったことに基づいて、当該大当り遊技の終了後に停止予告報知を実行し、遊技停止となったことに基づいて遊技停止報知を実行する。
本実施形態では、本発明に係る「特定のエラー状態」に相当するエラー状態の一具体例として残賞球エラーを挙げて以下説明する。本発明の実施はこれに限られず、本明細書に記載されている又は不記載の他のエラー状態を「特定のエラー状態」に相当するものとしてもよい。
すなわち、遊技機10は、遊技進行中は遊技進行に影響を与える特定エラー報知をコンプリート機能に関連する報知(停止予告報知)に優先するが、遊技停止中はコンプリート機能に関連する報知(遊技停止報知)を特定エラー報知に優先することを特徴とする。
上記の特徴により、エラー報知とコンプリート機能に関連する報知のバランスをとることができ、遊技者に対して双方の報知を遊技者に確実に認識させることができる。
まず、図1~図5を用いて、遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図であり、図2は、図1に示す領域IIに配設される図柄表示装置90を示す図であり、図3は、図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群およびその周辺を示す鳥瞰図であり、図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図であり、図5は、遊技機10の背面図である。
なお、図1から図5に図示される各構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成および機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成または機能が省かれてもよい。
また、前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50aおよび遊技盤50を透視保護している。
また、前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27および下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。なお、本実施形態では、下球受け皿29が排出された遊技球で満タンとなったことを検知するための満タン検知センサ(図示省略)が、下球受け皿29へ遊技球を排出する下部排出口30よりも上流に設けられている。
また、前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
これにより、遊技機10が、中枠17の外枠15に対する開閉状態、および前枠20の中枠17に対する開閉状態の双方を検知することができる。
さらに、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
なお、図示は省略するが、上球受け皿27には、球抜き機構36と同様に、操作することで貯留している球を下球受け皿29へ移動させる機構が設けられ、この機構と球抜き機構36の双方を操作することで、貯留している球を排出することが可能となる。
ここで、メイン表示部81は、固定式の液晶表示装置であり、上サブ表示部82a、左サブ表示部82b、右サブ表示部82cは、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動式の液晶表示装置である。
メイン表示部81に表示される図柄列(装飾図柄)の変動表示において、表示される装飾図柄は、3つの図柄列をなす。本実施形態における各図柄列の変動表示の方向は下方向であるが、当該方向は特に制限されない。例えば、上方向、左右方向、奥行き方向、またはこれらの組合せ(斜め方向)のいずれであってもよい。
ここで、奥行き方向とは、実際にはメイン表示部81の表示画面上の平面的な変動表示であるにも関わらず、メイン表示部81の奧方から手前方向またはその逆方向に図柄列が変動表示しているかのように認識させる手法(例えば、遠近法)を用いた表示態様において、遊技者が認識する仮想的な方向をいう。
また、本実施形態における装飾図柄には、数字の「1」を模した「1図柄」、数字の「2」を模した「2図柄」、数字の「3」を模した「3図柄」、数字の「4」を模した「4図柄」、数字の「5」を模した「5図柄」、数字の「6」を模した「6図柄」、数字の「7」を模した「7図柄」、数字の「8」を模した「8図柄」、および数字の「9」を模した「9図柄」があり、これらの図柄は、各図柄列に設けられている。以降の説明では、「1図柄」、「3図柄」、「5図柄」、「7図柄」、および「9図柄」を総称して「奇数図柄」と称し、「2図柄」、「4図柄」、「6図柄」、「8図柄」を総称して「偶数図柄」と称する場合がある。
なお、それぞれの初期位置は、上サブ表示部82aはメイン表示部81を基準として上側であり、左サブ表示部82bはメイン表示部81を基準として左側であり、右サブ表示部82cはメイン表示部81を基準として右側であり、サブ表示部82のそれぞれは、これらの初期位置からサブ表示部82の表示領域の全域がメイン表示部81の表示領域に重なる位置まで移動可能に構成されている。ただし、サブ表示部82(特に、左サブ表示部82b、右サブ表示部82c)は、図4に示す初期位置であっても、表示領域の略上半分が遊技者から視認可能になっている。
また、図柄表示装置90は、メイン表示部81よりも遊技者が視認しにくい位置に配設され、図柄表示装置90の表示領域は、メイン表示部81の表示領域よりも小さい面積になっている。
なお、本実施形態における図柄表示装置90に係るLEDの配置や数は図2に示すとおりであるが、これは一例であって、図柄表示装置90に係るLEDの配置や数はこの例に制限されるものではない。
なお、特別図柄は「特図」、第1特別図柄は「特図1」、第2特別図柄は「特図2」と略称される場合がある。
なお、普通図柄は、「普図」と略称される場合があり、普通電動役物は「電チュー」と称される場合がある。
第1特別図柄保留ランプ94は、保留されている特図1に係る図柄変動の数を特定可能とし、第2特別図柄保留ランプ95は、保留されている特図2に係る図柄変動の数を特定可能とし、普通図柄保留ランプ96は、保留されている普図の図柄変動の数を特定可能とし、いずれも2つのLEDの点灯態様(本実施形態では、右常時点灯のみ=1、左右常時点灯=2、右側点滅+左側常時点灯=3、左右点滅=4)によって対応する図柄変動の数を特定可能とするものである。
また、以下の説明では、上述のメイン表示部81に表示される図柄列(装飾図柄)の変動表示は、「特図の図柄変動」や「普図の図柄変動」と区別して「装飾図柄の図柄変動」と称する場合がある。
なお、以下の説明では、単に「図柄変動」と称した場合には、特に断りがない限り特図の図柄変動を意味する。
また、遊技領域50aの左側および上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51および内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。ここで、風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものをいう。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が大入賞口55に向けて転動するように各障害物が配置されている。
より具体的には、特別電動役物65は、後述する特図当否判定によって大当りが導出されたことに起因して開始される大当り遊技の一部、または特図当否判定によって小当りが導出されたことに起因して開始される小当り遊技の一部において開放状態になり、これに伴って大入賞口55への入賞が許容される。このように、特別電動役物65が開放状態である場合には、大入賞口55への入賞が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大する大当り遊技や小当り遊技は、有利な遊技状態であると言える。また、詳細は後述するが、本実施形態における小当り遊技は、大当り遊技を生起し得る。
大当り遊技では、特別電動役物65の開放状態と閉鎖状態が交互に設定され、1回の開放状態(「ラウンド遊技」と称する場合があり、1回の大当りで発生するラウンド遊技の総回数を「ラウンド数」と称する場合がある)は、あらかじめ定められた数(本実施形態では、10)の遊技球が大入賞口55に入賞したことに基づいて終了し、特別電動役物65が閉鎖状態となる。さらに、大当り遊技における1回の開放状態は、あらかじめ定められた数の遊技球が大入賞口55に入賞するのに十分な時間(本実施形態では、30s(秒))が経過したことに基づいても終了する。
一方、小当り遊技では、特別電動役物65の開放状態が1.8s経過、または10球の遊技球が大入賞口55へ入賞したことを契機に終了する。そのため、小当り遊技では、大当り遊技と比較して大入賞口55への遊技球の入賞が発生し難い。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第2流路Yから転動した場合に比べて、第1流路Xから転動した場合に多くの遊技球が第1始動口57に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
第2始動口59への入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特図2に係る図柄変動が行われる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第1流路Xから転動した場合に比べて、第2流路Yから転動した場合に多くの遊技球が第2始動口59に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
より具体的には、普通電動役物61は、後述する普図当否判定の結果が普図当りとなった場合(以下、単に「普図当り」と表現する場合がある)に開放状態になり、これに伴って第2始動口59への入賞が許容される。このように、普通電動役物61が開放状態である場合には、第2始動口59への入賞が可能となるため、賞球により遊技球の減少を抑えつつ、特図2に係る図柄変動が実行される機会を大幅に増大し得る。
また、本実施形態では、上記入賞口およびアウト口69に入球した遊技球であるアウト球を検出するためのアウト球センサ75(図示省略)を備えている。
なお、以降の説明では、アウト球センサ75によって検出された遊技球の総数を「アウト玉」と称するとともに、上述の入賞口への遊技球の入賞によって付与された賞球の総数を「セーフ玉」と称し、これらの玉数は、後述する差玉数の導出に用いられる。特に、セーフ玉については、実際に玉の払出しまで完了している必要はなく、入賞口への遊技球の入賞が発生した時点で更新される。
なお、主制御基板100には、RAMクリアスイッチ43が設けられている。
また、各基板を覆う基板ケースおよびカバーは、透明性を有する部材によって構成されており、各ケースおよびカバーを通して対応する基板が視認可能となっている。
また、電源制御基板500には、電源スイッチ40が接続されており、遊技島の電源設備から1次電源が供給されていることを前提として、電源スイッチ40がONになると、電源制御基板500の通常電源回路501で通常電源が生成され、上述の制御基板(主制御基板100、第1副制御基板200、第2副制御基板300、および払出制御基板400)を含む電子部品や電気部品に電源が供給される。
また、電源制御基板500は、電断検出回路503によって電断が検出された場合には、電断信号(NMI信号)を主制御基板100、第1副制御基板200、払出制御基板400のそれぞれに送信する。
また、バックアップ電源回路502は、遊技島の電源設備から遊技機10に電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。
なお、バックアップ電源回路502を払出制御基板400上に設けるようにしてもよく、電断検出回路503を電源制御基板500に設けず、主制御基板100、第1副制御基板200、および払出制御基板400のそれぞれに設けるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える制御構成を説明する。図6は、遊技機10が備える制御構成を示すブロック図である。なお、図6に示す制御構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、図6で図示しない制御構成を備えていてもよい。
RAM103は、後述するバックアップ電源回路において生成されるバックアップ電源によってバックアップがなされる。具体的には、RAM103に格納される情報のうち、電断が生じた後の復電時(電源投入時)にそのデータを用いて電断直前の状態で遊技機10が復帰できるような各種情報がバックアップされるように構成されている。例えば、電断が生じた際に保持されていたスタックポインタや各レジスタ等のデータに加え、そのときの遊技機10の状態(遊技停止状態または遊技可能状態)、現在の普図抽選状態などといった遊技に係る情報がバックアップ対象とされる。なお、これらの情報は、RAMクリア処理によってクリア(初期化)される。そのため、RAMクリアされた後は、後述する特図変動パターン導出状態PA(後述する普図低確)が新たに設定されることになる。さらに、RAMクリア処理が実行された場合には、装飾図柄に係る図柄列は、初期図柄組合せが停止表示された状態となり、電源投入時にRAMクリア処理が実行されなかった場合かつ直前の電断時に図柄変動の実行中でない場合にも初期図柄組合せが停止表示された状態となる。また、この初期図柄組合せは、電源投入時にのみ停止表示されるものであり、図柄変動の実行により停止表示されることがない。
なお、本実施形態におけるバックアップの具体的手法については何ら制限されない。例えば、RAM103のうちバックアップ対象とされる領域は、電断状態においても不揮発的にデータを保持可能な構成で実現されてもよい。他の例としては、RAM103の中でも、電断状態においても不揮発的にデータを保持可能に構成される第一メモリと、遊技機10が動作時に参照される第二メモリとで異なるハードウェアが設けられていてもよく、その場合には、遊技機10は、電断時に第二メモリから第一メモリにバックアップ対象となる情報を退避し、その退避された情報を復電時に第一メモリから第二メモリへリカバリすればよい。
同様に、主制御基板100は、メイン操作部39やRAMクリアスイッチ43に電気的に接続されており、メイン操作部39の操作を検知可能に構成されている。
なお、第1副制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、第1副制御基板200は、主制御基板100に対してデータの送信を要求することはできないように構成されている。
また、本実施形態では、主制御基板100から第1副制御基板200へのデータ送信にパラレル伝送方式を採用しているが、シリアル伝送方式を採用してもよい。
なお、第1副制御基板200は、演出ボタン37およびカーソルボタン38に電気的に接続されており、当該操作部の操作を検知可能に構成されている。
ここで、第1副制御基板200は、第2副制御基板300および音声制御基板310と双方向通信が可能に接続されており、各制御コマンド(画像制御コマンド、音声制御コマンド)が第1副制御基板200から第2副制御基板300または音声制御基板310へ送信される一方、その応答として、当該制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が各制御基板(第2副制御基板300、音声制御基板310)から第1副制御基板200へ送信される。
さらに、第1副制御基板200は、可動装飾体22およびサブ表示部82と電気接続されており、I/Oポート204を介して、可動制御データを送信する。そして、可動装飾体22およびサブ表示部82は、第1副制御基板200から送信される可動制御データによって可動が制御されるように構成されている。
さらに、第2副制御基板300には、当該CPUから受信した制御信号に基づき、後述する演出内容決定手段225によって決定された演出の内容に沿った画像データを生成するVDPと、当該CPUから受信した制御信号に基づき当該演出の内容に沿った音響データを生成する音源ICとを搭載している。VDPは、いわゆる画像プロセッサであり、当該CPUからの指示に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した画像データを、メイン表示部81やサブ表示部82へ送信する。また、このVDPには、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAMが接続されている。
また、払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて払出ユニット48を駆動させて遊技球を払い出すための制御を実行するとともに、操作ハンドル31の操作量に基づき球送り機構と発射機構とを同期的に駆動させて遊技球の発射を制御する。
また、電源制御基板500には、電源スイッチ40が接続されており、遊技島の電源設備から1次電源が供給されていることを前提として、電源スイッチ40がONになると、電源制御基板500の通常電源回路で通常電源が生成され、上述の制御基板(主制御基板100、第1副制御基板200、第2副制御基板300、および払出制御基板400)を含む電子部品や電気部品に電源が供給される。
また、電源制御基板500は、電断検出回路によって電断が検出された場合には、電断信号(NMI信号)を主制御基板100、第1副制御基板200、払出制御基板400のそれぞれに送信する。
また、バックアップ電源回路は、遊技島の電源設備から遊技機10に電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。
なお、バックアップ電源回路を払出制御基板400上に設けるようにしてもよく、電断検出回路を電源制御基板500に設けず、主制御基板100、第1副制御基板200、および払出制御基板400のそれぞれに設けるようにしてもよい。
次に、図7を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える機能構成を説明する。図7は、遊技機10が備える機能構成を示すブロック図である。なお、図7に示す機能構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、図7で図示しない機能構成を備えていてもよい。また、機能構成を説明する際に、必要に応じて図8~図12を参照することとする。
また、入球判定手段110は、大入賞口センサ72等の入賞口に設けられたセンサによって遊技球の入賞を判定した場合には、当該入賞に係るセンサの種類を特定可能な情報を含む演出制御コマンド(入賞コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
より具体的には、メイン乱数発生手段115は、第1始動口57または第2始動口59への入賞が判定された場合には、後述する、特図当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、および特図変動パターン抽選用の乱数を取得する。ゲート63への入賞が判定された場合には、後述する普図当否判定用の乱数、普図停止図柄抽選用の乱数、および普図変動パターン抽選用の乱数をメイン情報記憶手段160の対応する格納領域に格納する。
なお、乱数回路105は、自身が更新している複数種類の乱数が正常に更新されているか否かを監視し、乱数が正常に更新されない更新異常が発生した場合には、乱数回路105が有する特定の記憶領域に当該異常が発生したことを示す情報が書き込まれる。そのため、CPU101は、乱数回路105の更新異常が発生したことを把握可能となっている。
より具体的には、メイン保留制御手段120は、特図1の作動保留情報が保留されるごとに1加算され、特図1の作動保留情報が使用される(特図抽選手段130の抽選で用いられる)ごとに1減算される保留カウンタ(以下、「特図1保留カウンタ」と称する)を備え、特図1保留カウンタの値が上限値(本実施形態では、4)となるまで、当該作動保留情報をメイン情報記憶手段160の現在の特図1保留カウンタに対応する格納領域に記憶させ、作動保留情報が使用されるごとに、使用された作動保留情報をクリアし、残りの作動保留情報を、特図1保留カウンタの小さいものから順に、現在の格納領域から現在の特図1保留カウンタよりも1少ない特図1保留カウンタに対応する格納領域に移動(シフト)させる制御を行う。
また、メイン保留制御手段120は、特図2および普図に関しても、特図1とは別に上述の制御と同様の制御を行い、特図2の保留カウンタを特図2保留カウンタと称し、本実施形態における特図2保留カウンタの値の上限値は4である。
また、以降の説明では、「作動保留情報の保留」を、「図柄変動の保留」、または単に「保留」と表現する場合がある。
また、メイン保留制御手段120は、特図1または特図2の作動保留情報(保留カウンタ)を更新(加算または減算)した際に、特図1保留カウンタおよび特図2保留カウンタを含む演出制御コマンド(保留コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、本実施形態では、特図1に対応する作動保留情報および特図2に対応する作動保留情報の双方が保留されている場合には、特図2に対応する作動保留情報が優先的に使用される優先変動が行われる。ただし、この優先変動に代えて、特図1に対応するものであるか特図2に対応するものであるかに関わらずに作動保留情報が保留された順序で使用される入賞順変動や、特図1に対応する作動保留情報および特図2に対応する作動保留情報の双方が保留されている場合において特図1に対応する作動保留情報と特図2に対応する作動保留情報が同時に使用される同時変動を採用してもよい。
より具体的には、事前判定手段125は、今回保留した作動保留情報の各乱数を読み出し、後述する、特図当否判定、特図停止図柄抽選、および特図変動パターン抽選のそれぞれに対する事前判定を実行する。各事前判定では、各事前判定に対応する抽選に用いられる抽選テーブルと同一または同等の抽選テーブル(図示省略)が用いられる。そのため、これらの事前判定の結果は、後に実行される抽選の結果と同一の結果となる。
また、事前判定手段125は、導出された事前判定の結果を含む演出制御コマンド(事前判定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
事前判定コマンドは、所定の事前判定のタイミングの少なくとも一部で送信される(生成され、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶される)ものであるため、上述の保留コマンドに続いて送信されることになる。ここで、所定の事前判定のタイミングとは、例えば、特図の作動保留情報が保留されたタイミングがある。なお、本実施形態では、後述する普図高確中に特図1の作動保留情報が保留された場合には、事前判定が規制されるため、当該事前判定に対応する事前判定コマンドの送信も規制される。一方、後述する普図低確中に特図2の作動保留情報が保留された場合については、事前判定を規制してもよいし、事前判定を規制しなくてもよい。
なお、「特図の変動開始条件が充足される」とは、その一例として、大当り遊技中ではないこと、特図1および特図2のいずれも図柄変動の実行中でないこと(特図1または特図2に係る図柄変動の停止表示中も含む)、特図1および特図2のうちの少なくともいずれか一方に作動保留情報が存在することのすべての条件が充足されたことである。
なお、これらの抽選テーブル以外も含め、抽選テーブルを用いた抽選では、読み出した乱数に対して抽選テーブルに記憶された抽選値をあらかじめ定められた順序に従って順次加算(対象となる抽選値が一つである場合には、加算回数は一回)され、キャリー(桁あふれ)が発生した抽選値に対応する結果が当該抽選の結果として導出される。同様に、抽選テーブルに関する説明では、説明の便宜上、抽選テーブルに名前を付しているが、名前に対応する抽選テーブルに含まれる抽選値等のデータが各ROMに識別可能に記憶されていればよく、これらの名前は、当該データが記憶される領域を特定するものではない。図示される抽選テーブルには、説明の便宜上記載された項目や、抽選値として「-」や「0」が記載されている場合があれば、これらは必ずしも各ROMに記憶されたデータを示すものではない。そして、抽選値として「-」や「0」が記載された結果に当選することはない。さらに、抽選に使用される乱数範囲(当該範囲で取得され得る乱数の数)と同一の抽選値が抽選テーブルに記載されている場合には、当該結果が100%導出されるため、必ずしも抽選を行う必要はない。また、一回の抽選に用いられる抽選値の合計値が、抽選に使用される乱数範囲と一致した場合には、最後の抽選値の加算で必ずキャリーが発生するため、当該加算を行わなくてよく、その場合には、当該加算に用いられる抽選値自体も不要となる。
図8(a)は、特図当否判定用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選テーブルは、特図1と特図2とで異なり、これらの判定で用いられる乱数の範囲は、0~65535である。そのため、特図1における特図当否判定では、205/65536(約1/320)の確率で大当りが導出され、それ以外でハズレとなり、小当りが導出されることがない。一方、特図2における特図当否判定では、205/65536(約1/320)の確率で大当りが導出され、1820/65536(約1/36.0)の確率で小当りが導出され、それ以外でハズレとなる。
なお、本実施形態では、後述する通り、小当りを経由して大当り遊技が生起され得るため、特図当否判定において大当りが導出される確率を上記した一の確率としている。
具体的には、特図1に係る特図当否判定において大当りが導出された場合に用いられる停止図柄抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図である図8(b)に示す通り、特図1に係る特図当否判定において大当りが導出された場合には、100/1000(1/10)の確率で図柄Aが、900/1000(約1/1.11)の確率で図柄Bが、停止図柄として決定される。
ここで、図柄Aおよび図柄Bのいずれが決定された場合にも、これらの停止図柄に対応する大当り遊技の終了後に後述する普図高確となるが、普図高確が継続する図柄変動の回数(以下、「普図高確に係る規定回数」と称する)は、図柄Aが決定された場合の大当り遊技の終了後であれば80回、図柄Bが決定された場合の大当り遊技の終了後であれば40回となる。また、図柄Aに対応する大当り遊技のラウンド数は10である一方、図柄Bに対応する大当り遊技のラウンド数は4である。そのため、図柄Aは、ラウンド数および普図高確に係る規定回数のいずれの観点においても、図柄Bよりも有利であると言える。
ここで、図柄aは、当該図柄に係る小当り遊技において生起される大当り遊技のラウンド数が10であり、かつ当該大当り遊技の終了後に普図高確となる停止図柄であり、当該普図高確に係る規定回数は80回である。一方、図柄bは、当該停止図柄に係る小当り遊技において生起される大当り遊技のラウンド数が4であり、かつ当該大当り遊技の終了後に普図高確となる停止図柄であり、当該普図高確に係る規定回数は80回である。そのため、図柄aは、ラウンド数の観点で図柄bよりも有利であると言える。
また、小当り遊技において大当り遊技が生起された場合の当該大当り遊技におけるラウンド数とは、当該小当り遊技を1回のラウンドとして計算した数である。さらに、以降の説明では、図柄aに係る小当り遊技で生起された大当り遊技を「図柄aに係る大当り遊技」と表現するとともに、図柄bに係る小当り遊技で生起された大当り遊技を「図柄bに係る大当り遊技」と表現する場合がある。
遷移条件等の詳細は後述するが、本実施形態における特図変動パターン導出状態には、特図変動パターン導出状態PA、特図変動パターン導出状態PB、および特図変動パターン導出状態PCが存在する。そして、上述の特図変動パターンの決定方法は、特図変動パターン導出状態PAでは、特図1に係る図柄変動で採用され、特図変動パターン導出状態PBおよび特図変動パターン導出状態PCでは、特図2に係る図柄変動で採用される。
一方、各特図変動パターン導出状態における他方の特図(上述の特図変動パターンの決定方法が採用される方の特図)に係る図柄変動では、特図当否判定の結果に応じてあらかじめ定められた一の特図変動パターンが決定される。特に、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PAの特図2に係る図柄変動において、当該図柄変動の特図当否判定の結果がハズレである場合には、変動時間が1000msの変動パターンが決定され、当該図柄変動の特図当否判定の結果がハズレ以外である場合には、変動時間が2000msの変動パターンが決定される。
図9(a)に示す通り、特図変動パターン導出状態PA時の特図1に係る図柄変動では、特図変動パターンHNP~特図変動パターンASP-Cが決定され得る。
具体的には、特図変動パターン導出状態PA時の特図1に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、900/1000(約1/1.11)の確率で特図変動パターンHNP、52/1000(約1/19.2)の確率で特図変動パターンHRP、13/1000(約1/76.9)の確率で特図変動パターンHSP1-A、11/1000(約1/90.9)の確率で特図変動パターンHSP1-B、9/1000(約1/111)の確率で特図変動パターンHSP2-A、7/1000(約1/143)の確率で特図変動パターンHSP2-B、5/1000(1/200)の確率で特図変動パターンHSP3-A、3/1000(約1/333)の確率で特図変動パターンHSP3-Bが決定され、当該場合には、特図変動パターンASP1-A~特図変動パターンASP-Cが決定されることはない。なお、詳細は図9(b)を用いて後述するが、特図変動パターンHNPが決定された場合には、今回の図柄変動開始時における特図1保留カウンタの値を用いて特図変動パターンがさらに特定される。
一方、特図変動パターン導出状態PA時の特図1に係る図柄変動において特図当否判定の結果が大当りとなった場合には、90/1000(約1/11.1)の確率で特図変動パターンASP1-A、110/1000(約1/約9.09)の確率で特図変動パターンASP1-B、135/1000(約1/7.41)の確率で特図変動パターンASP2-A、165/1000(約1/約6.06)の確率で特図変動パターンASP2-B、180/1000(約1/5.56)の確率で特図変動パターンASP3-A、220/1000(約1/4.56)の確率で特図変動パターンASP3-B、100/1000(1/10)の確率で特図変動パターンASP-Cが決定され、当該場合には、特図変動パターンHNP~特図変動パターンHSP3-Bが決定されることはない。
このように、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PA時の特図1に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、100/1000(1/10)の割合で、特図変動パターンHRP~特図変動パターンHSP3-Bのいずれかが決定され、900/1000(約1/1.11)の割合で、特図変動パターンHNPが決定される。さらに、特図変動パターン導出状態PA時の特図1に係る図柄変動において特図当否判定の結果が大当りとなった場合には、1000/1000(1/1)の割合で、特図変動パターンASP1-A~特図変動パターンASP-Cのいずれかが決定される。
ここで、本実施形態の特図変動パターンに係る説明において、2つの特図変動パターンを、「~」を挟んで記載した場合、特図変動パターン導出状態ごとの特図変動パターン抽選テーブルに係る図面に記載した順序に従って、手前に記載された特図変動パターンと、後に記載された特図変動パターンとの間に存在する特図変動パターンの記載を省略したものとする。また、本実施形態の特図変動パターンに係る説明において、対応する変動時間の記載があるか否かに関わらず、特図変動パターンの名称が異なる場合は、異なる特図変動パターンが異なることを指す。
図9(b)に示す通り、特図変動パターン導出状態PA時の特図1に係る図柄変動において決定され得る特図変動パターンHNPには、変動時間が3200ms(ミリ秒)の特図変動パターンHNP-A、変動時間が5600msの特図変動パターンHNP-B、変動時間が8000msの特図変動パターンHNP-C、および変動時間が11200msの特図変動パターンHNP-Dがあり、この順に変動時間が長くなっている。
具体的には、今回の図柄変動開始時における特図1保留カウンタ=3である場合には、1000/1000(1/1)の確率で特図変動パターンHNP-Aが決定される。同様に、今回の図柄変動開始時における特図1保留カウンタ=2である場合には、150/1000(約1/6.67)の確率で特図変動パターンHNP-Aが、850/1000(約1/1.18)の確率で特図変動パターンHNP-Bが決定され、今回の図柄変動開始時における特図1保留カウンタ=1である場合には、50/1000(1/20)の確率で特図変動パターンHNP-Aが、150/1000(約1/6.67)の確率で特図変動パターンHNP-Bが、800/1000(1/1.25)の確率で特図変動パターンHNP-Cが決定され、今回の図柄変動開始時における特図1保留カウンタ=0である場合には、50/1000(1/20)の確率で特図変動パターンHNP-Bが、100/1000(1/10)の確率で特図変動パターンHNP-Cが、850/1000(約1/1.18)の確率で特図変動パターンHNP-Dが決定される。なお、以降の説明では、参照対象となる特図保留カウンタの値が3である場合には、「保3」、当該特図保留カウンタの値が2である場合には、「保2」、当該特図保留カウンタの値が1である場合には、「保1」、当該特図保留カウンタの値が0である場合には、「保0」、と称する場合がある。
このように、特図変動パターン導出状態PAにおいて特図変動パターンHNPが決定された場合には、今回の図柄変動開始時における特図1保留カウンタの値によって決定され易い特図変動パターン(変動時間)が異なる。より具体的には、今回の図柄変動開始時における特図1保留カウンタの値が小さくなるほど長い図柄変動が決定され易くなる(今回の図柄変動開始時における特図1保留カウンタの値が大きくなるほど短い変動時間が決定され易くなる)。
また、このような特図変動パターンHNP(以下、「基本特図変動パターン」と称する場合がある)は、特図変動パターン導出状態PBおよび特図変動パターン導出状態PCにおいても存在し、これらの特図変動パターン導出状態では、参照される保留カウンタが特図変動パターン導出状態PAとは異なり、いずれも特図2保留カウンタの値が参照される。
図10(a)に示す通り、特図変動パターン導出状態PB時の特図2に係る図柄変動では、特図変動パターンHNP~特図変動パターンASP-Fが決定され得る。
具体的には、特図変動パターン導出状態PB時の特図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、960/1000(約1/1.04)の確率で特図変動パターンHNP、20/1000(1/50)の確率で特図変動パターンHSP-D、15/1000(約1/66.7)の確率で特図変動パターンHSP-E、5/1000(1/200)の確率で特図変動パターンHSP-Fが決定され、当該場合には、特図変動パターンASP-D~特図変動パターンASP-Fが決定されることはない。なお、詳細は図10(b)を用いて後述するが、特図変動パターンHNPが決定された場合には、今回の図柄変動開始時における特図2保留カウンタの値を用いて特図変動パターンがさらに特定される。そして、この特図2保留カウンタを用いた特図変動パターンの決定方法は、後述する特図変動パターン導出状態PBにおいても同様である。
一方、特図変動パターン導出状態PB時の特図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果が大当りまたは小当りとなった場合には、500/1000(1/2)の確率で特図変動パターンASP-D、350/1000(約1/2.86)の確率で特図変動パターンASP-E、150/1000(約1/6.67)の確率で特図変動パターンASP-Fが決定され、当該場合には、特図変動パターンHNP~特図変動パターンHSP-Fが決定されることはない。
このように、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PB時の特図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、40/1000(1/25)の割合で、特図変動パターンHSP-D~特図変動パターンHSP-Fのいずれかが決定され、960/1000(約1/1.04)の割合で、特図変動パターンHNPが決定される。さらに、特図変動パターン導出状態PB時に特図当否判定の結果が大当りまたは小当りとなった場合には、1000/1000(1/1)の割合で、特図変動パターンASP-D~特図変動パターンASP-Fのいずれかが決定される。
図10(b)に示す通り、特図変動パターン導出状態PBの特図2に係る図柄変動において決定され得る特図変動パターンHNPには、変動時間が3000msの特図変動パターンHNP-E、および変動時間が15000msの特図変動パターンHNP-Fがある。
具体的には、今回の図柄変動開始時における特図2保留カウンタ=3である場合、今回の図柄変動開始時における特図2保留カウンタ=2である場合、および今回の図柄変動開始時における特図2保留カウンタ=1である場合、1000/1000(1/1)の確率で特図変動パターンHNP-Eが決定され、これらの場合には、特図変動パターンHNP-Fが決定されることはない。一方、今回の図柄変動開始時における特図2保留カウンタ=0である場合、1000/1000(1/1)の確率で特図変動パターンHNP-Fが決定され、これらの場合には、特図変動パターンHNP-Eが決定されることはない。
なお、特図変動パターンHNP-Eおよび特図変動パターンHNP-Fは、上述の特図変動パターン導出状態PAの特図1に係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に決定され得る特図変動パターン、後述の特図変動パターン導出状態PCに係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に決定され得る特図変動パターンのいずれとも異なる。
図11(a)に示す通り、特図変動パターン導出状態PC時の特図2に係る図柄変動では、特図変動パターンHNP~特図変動パターンASP-Iが決定され得る。
具体的には、特図変動パターン導出状態PC時の特図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、950/1000(約1/1.05)の確率で特図変動パターンHNP、25/1000(1/40)の確率で特図変動パターンHSP-G、15/1000(約1/66.7)の確率で特図変動パターンHSP-H、10/1000(1/100)の確率で特図変動パターンHSP-Iが決定され、当該場合には、特図変動パターンASP-G~特図変動パターンASP-Iが決定されることはない。
一方、特図変動パターン導出状態PC時の特図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果が大当りまたは小当りとなった場合には、当該特図変動パターン導出状態PCにおける回転数に関わらず、500/1000(1/2)の確率で特図変動パターンASP-G、350/1000(約1/2.86)の確率で特図変動パターンASP-H、150/1000(約1/6.67)の確率で特図変動パターンASP-Iが決定され、当該場合には、特図変動パターンHNP~特図変動パターンHSP-Iが決定されることはない。
図11(b)に示す通り、特図変動パターン導出状態PC時の特図2に係る図柄変動において決定され得る特図変動パターンHNPには、変動時間が2000msの特図変動パターンHNP-G、および変動時間が10000msの特図変動パターンHNP-Hがある。
具体的には、今回の図柄変動開始時における特図2保留カウンタ=3である場合、今回の図柄変動開始時における特図2保留カウンタ=2である場合、および今回の図柄変動開始時における特図2保留カウンタ=1である場合、1000/1000(1/1)の確率で特図変動パターンHNP-Gが決定され、これらの場合には、特図変動パターンHNP-Hが決定されることはない。一方、今回の図柄変動開始時における特図2保留カウンタ=0である場合、1000/1000(1/1)の確率で特図変動パターンHNP-Hが決定され、これらの場合には、特図変動パターンHNP-Gが決定されることはない。
なお、特図変動パターンHNP-Gおよび特図変動パターンHNP-Hは、上述の特図変動パターン導出状態PAの特図1に係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に決定され得る特図変動パターン、および上述の特図変動パターン導出状態PBの特図2に係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に決定され得る特図変動パターンのいずれとも異なる。
普図当否判定では、普図抽選状態が高確率の状態(「普図高確」と略称する場合がある)と、普図抽選状態が低確率の状態(「普図低確」と略称する場合がある)とがあり、抽選テーブルの図示は省略するが、本実施形態では、普図高確では、65535/65536の確率で普図当りとなり、残りの1/65536の確率でハズレとなる一方、普図低確では、1/65536の確率で普図当りとなり、残りの65535/65536の確率でハズレとなる。なお、普図低確では、普図当りとならない(65536/65536でハズレとなる)ようにしてもよい。
また、図柄表示制御手段145は、特図1および特図2の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための特図遊技タイマを有し、特図を停止表示させる際に(特図遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、装飾図柄の確定停止表示を要求するための演出制御コマンド(変動停止コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する。
ここで、装飾図柄の確定停止表示とは、図柄変動における装飾図柄の最終的な停止表示を指し、図柄変動の実行途中において発生し得る装飾図柄の仮停止表示とは異なる。そして、装飾図柄の仮停止表示では、例えば、停止表示されている装飾図柄が上下に小刻みに揺れる動作(いわゆる、揺れ変動)を伴う一方、装飾図柄の確定停止表示では、停止表示されている装飾図柄が揺れ変動を伴わない等、同一の装飾図柄が停止表示された場合であっても、確定停止表示された装飾図柄の停止表示態様と、仮停止表示された装飾図柄の停止表示態様と、が異なる。そのため、遊技者は、装飾図柄の停止表示が、確定停止表示であるか仮停止表示であるかを認識することができる。
なお、図柄表示制御手段145は、普図に係る時間(普図変動時間、普図停止表示時間等)を管理するための普図遊技タイマを有する。
また、本実施形態では、小当り遊技中は、当該小当り遊技が生起された図柄変動における普図抽選状態が維持される。
図12(a)に示す通り、特図変動パターン導出状態には、普図低確に対応する特図変動パターン導出状態として、特図変動パターン導出状態PAがあり、普図高確に対応する特図変動パターン導出状態として、特図変動パターン導出状態PBおよび特図変動パターン導出状態PCがあり、大当り遊技中を除いて、これらの特図変動パターン導出状態のいずれかが設定される。そして、特図変動パターン導出状態PA~特図変動パターン導出状態PC間の遷移条件には、遷移条件(i)~遷移条件(v)がある。
なお、特図変動パターン導出状態PCにおいて大当り遊技が生起された場合には、当該大当り遊技の終了後に再度特図変動パターン導出状態PCに遷移し、特図変動パターン導出状態PCの普図高確に係る規定回数までに実行可能な特図2に係る図柄変動の回数がリセットされる。また、図示は省略するが、特図変動パターン導出状態PCにおいて生起された小当り遊技において大当り遊技が生起されなかった場合、および遷移条件(iii)に係る小当り遊技において大当り遊技が生起されなかった場合には、当該小当り遊技の終了を契機に、現在の特図変動パターン導出状態が終了して特図変動パターン導出状態PAに遷移する。
さらに、遊技状態制御手段155は、各特図変動パターン導出状態において、他の特図変動パターン導出状態への遷移に係る図柄変動の実行回数をカウントし、図柄変動が開始されるごとに、カウントしている図柄変動の回数を含む演出制御コマンドを生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド領域に記憶させる。なお、当該演出制御コマンドに含まれる情報は、上述の変動開始コマンドに含まれるようにしてもよい。
本実施形態において、メインエラー制御手段165によって判定されるエラー状態には、例えば、上述の更新異常の発生に基づく主基板エラー、磁気検知センサによる磁気検知に基づく磁気エラー、電波検知センサによる電波検知に基づく電波エラー、ゲートセンサ74や第2始動口センサ71による遊技球の検知に基づく右打ちエラー、中枠開扉センサ76による中枠17の開放の検知または前枠開扉センサ77による前枠20の開放の検知に基づく扉開放エラー、満タン検知センサによる遊技球の検知に基づく満タンエラー、残賞球がある場合に発生する残賞球エラーなどがある。
これらのエラーの一部の発生条件を整理すると、主基板エラーは、上述の通り、乱数回路105の更新異常を示すエラー状態であり、当該更新異常が発生した場合に発生する。続いて、磁気エラーは、磁気検知センサによる磁気検知が500ms連続で発生した場合に発生するエラー状態であり、電波エラーは、電波検知センサによる電波検知回数(直前の電源投入からの累計回数)が計5回発生した場合に発生するエラー状態である。また、右打ちエラーは、通常時(特図変動パターン導出状態PAであり、特図低確かつ普図低確)にゲートセンサ74が遊技球を3回検知した場合(当該検知回数は、最後の検知から1000ms経過でリセットされる)、または通常時に第2始動口センサ71が遊技球を1回検知した場合に発生するエラー状態であり、満タンエラーは、満タン検知センサがONとなっている場合、すなわち、満タン検知センサによって遊技球が検知されている場合に発生するエラー状態である。
ここで、セキュリティ信号とは、遊技機外の機器(データ表示機やホールコンピュータ)に向けて遊技機10に設けられた外部端子盤(図示省略)から出力される信号の一種である。以降の説明を含め、セキュリティ信号をONにするとは、セキュリティ信号の出力を開始することを指し、セキュリティ信号をOFFにするとは、セキュリティ信号の出力を終了することを指す。また、本実施形態において、セキュリティ信号をOFFにする処理では、セキュリティ信号をONにしてからの経過時間を考慮していないが、当該経過時間を考慮、すなわち、セキュリティ信号をONにしてから一定時間経過する前にセキュリティ信号をOFFにしないようにしてもよい。なお、本実施形態では、磁気エラーおよび電波エラーが発生した場合には、セキュリティ信号をONにする処理を実行するも、払出制御基板400に上述の遊技進行規制処理を実行しないようにしてもよい。
また、これらの重要度が高いエラー状態となった場合には、第1副制御基板200や第2副制御基板300によって、いずれのエラー状態が発生したかを特定可能な報知演出が実行される。
さらに、これらの重要度が高いエラー状態は、電断復電によってのみ解除可能(当該エラー状態を終了させることが可能)であり、当該エラー状態に係るセキュリティ信号は、電断によりOFFの状態となる(電断までONの状態が維持される)。
なお、上述の重要度が高いエラー状態は一例であって、当該エラー状態として、他のエラー状態を設けてもよい。
また、右打ちエラーは、当該エラー状態に係る報知演出の実行が終了したことで終了し、扉開放エラーは、中枠開扉センサ76による中枠17の閉鎖状態の検知、または前枠開扉センサ77による前枠20の閉鎖状態の検知によって終了し、残賞球エラーは、残賞球がなくなったことで終了し、満タンエラーは、満タン検知センサによって遊技球が検知されなくなることで終了する。なお、これらのエラー状態の終了条件が充足された場合には、当該終了条件が充足されたことを示す演出制御コマンド(復帰コマンド)がメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納される。
また、上述の重要度が低いエラー状態は一例であって、当該エラー状態として、大当り遊技中の大入賞口55が閉鎖状態となってから所定の時間が経過した以降に大入賞口センサ72によって遊技球が検知された場合に発生する異常入賞エラー等、他のエラー状態を設けてもよく、これらのエラー状態を設けた場合には、当該エラー状態に係る報知演出を実行する。なお、異常入賞エラーは、上述の右打ちエラーと同様に、当該エラー状態に係る報知演出の実行が終了したことで終了させればよい。
一方で、扉開放エラー、満タンエラー、残賞球エラーは、遊技停止状態であってもこれらに対応する各種センサが検知可能に作動しており、コンプリート機能によって遊技停止している期間(遊技停止状態である期間)であっても検知され得る。本発明に係る「特定のエラー状態」は、これらの遊技停止状態において検知可能なエラー状態のいずれかであることが好ましく、「特定のエラー状態」に相当するエラー状態は一つであっても複数であってもよい。
なお、各演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
具体的には、復電時にRAM103に異常がある場合には、復電時のRAMクリアスイッチ43の状態および中枠開扉センサ76の状態に関わらず、遊技停止状態が設定される。また、復電時にRAM103に異常がなく、復電時のRAMクリアスイッチ43がON(押下された状態)であれば、復電時の中枠開扉センサ76がONであることを条件にRAMクリア処理が実行されて遊技可能状態が設定され(復電時の中枠開扉センサ76がOFFである場合には、RAMクリア処理が実行されずに遊技可能状態が設定される)、復電時にRAM103に異常がなく、復電時のRAMクリアスイッチ43がOFF(押下されていない状態)であれば、RAMクリア処理が実行されずに遊技可能状態が設定される。
ここで、遊技停止状態とは、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に応じた処理を実行しない(当該センサの検知結果自体を見なくてもよい)ことで、遊技の進行が不可能となる状態であり、当該状態では、遊技球の発射自体も禁止される。
一方、遊技可能状態とは、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に応じた処理を実行することで、遊技の進行が可能となる復帰状態である。特に、復電時にRAMクリア処理が実行されない場合には、直前の電断時における遊技可能状態に復帰する。例えば、直前の電断時が大当り遊技や小当り遊技の実行中であれば、実行中であった大当り遊技や小当り遊技に復帰し、直前の電断時が図柄変動の実行中であれば、実行中であった図柄変動に復帰する。
なお、復帰状態設定手段176は、復電後に遊技可能状態になった時点で、正常に復電した旨を示す演出制御コマンド(復電コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
具体的に説明すると、遊技可能状態移行処理では、セキュリティ信号の出力がONになっている場合には、セキュリティ信号の出力をOFFにする処理、およびデバイスの初期設定が実行される。
また、デバイスの初期設定では、払出制御基板400に遊技球の発射を許可するための発射許可コマンドの送信や、各入賞口への入球が有効となる状態の設定や、乱数回路105を起動させるためのデータの設定等の処理が実行される。
具体的には、RAM103のうちの遊技に係る領域に対しては、当該領域のチェックサムを導出し、当該チェックサムの補数をRAM103の遊技に係るバックアップ情報領域に記憶させる処理、および当該領域に対する電断処理が実行されたことを示すバックアップフラグをONにする(RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグを記憶させる)処理を実行する。
ここで、サブ情報記憶手段260は、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。また、メインコマンド管理手段170から送信された演出制御コマンドは、サブコマンド管理手段270によってサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶される。なお、以降の説明では、メインコマンド管理手段170から送信された演出制御コマンドが、サブコマンド管理手段270によってサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶されることを、単に、演出制御コマンドの受信と表現する場合がある。
本実施形態における演出モードは、通常モード、チャレンジモード、RUSHモードに大別され、特図変動パターン導出状態PAには通常モード、特図変動パターン導出状態PBにはチャレンジモード、特図変動パターン導出状態PCにはRUSHモードが対応する。
ここで、演出ルートとは、図柄変動の開始から終了までの演出であって当該図柄変動における特図当否判定の結果を報知する演出の過程を規定するものであり、当該図柄変動で実行される演出の内容は、後述する演出内容決定手段225によって当該図柄変動に対応する演出ルートに従って決定されることになる。
ここで、発展演出とは、装飾図柄がリーチ状態(一つの図柄列を除いて装飾図柄が停止表示され、残りの図柄列が変動表示されている状態)となった以降に実行される演出であって、その終盤に今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りまたは小当りであるか否かを報知する演出を指す。したがって、発展ハズレ演出ルートに対応する発展演出では、当該発展演出に対応する一連の演出が実行され、その終盤に今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りおよび小当りのいずれでもないことが報知される。一方、大当り演出ルートに対応する発展演出では、当該発展演出に対応する一連の演出が実行され、その終盤に今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りまたは小当りであることが報知される。
また、後述する通り、本実施形態では、一の演出モードにおいて、決定された特図変動パターンのそれぞれに対し、互いに異なる一の演出ルートが対応する。そのため、以降の説明では、特図変動パターンに対する演出ルートを、単に、特図変動パターンで表現する場合がある。ただし、一の特図変動パターンに対して複数の演出ルートを対応させてもよく、この場合には、決定された特図変動パターンに対応する複数の演出ルートから一の演出ルートを決定するようにすればよい。
より具体的には、演出内容決定手段225は、図柄変動における演出実行タイミングごとの演出の内容(演出パターン)について、演出ルート決定手段222によって決定された演出ルートに基づいて、参照する演出パターン抽選テーブルを決定し、決定した演出パターン抽選テーブルを用いた抽選によって当該演出の内容を決定する。特に、このようにすることで、決定された演出ルートに係る(に従って実行される)演出の内容を変えることができるとともに、一つの図柄変動における演出に繋がりを持たせることができる。
具体的には、特図1に係る図柄変動では、図柄Aおよび図柄Bに対して7図柄を除く装飾図柄に係る図柄揃いのいずれかが決定され、図柄Cに対して7図柄に係る図柄揃いが決定される。そのため、本実施形態では、7図柄を除く装飾図柄に係る図柄揃いが停止表示されたとしても、当該停止表示された図柄揃いから、その後の演出モード、すなわち、当該図柄揃いに係る大当り遊技の終了を契機に設定される演出モードを正確に判断することができないようになっている。一方、7図柄に係る図柄揃いが停止表示された場合には、その後にRUSHモードが設定されることを遊技者が判断可能となる。
また、特図2に係る図柄変動では、図柄aおよび図柄cに対して7図柄を除く装飾図柄に係る図柄揃いのいずれかが決定され、図柄bおよび図柄dに対して7図柄を含む装飾図柄に係る図柄揃いのいずれかが決定される。そのため、本実施形態では、7図柄を除く装飾図柄に係る図柄揃いが停止表示された場合には、当該図柄揃いに係る大当り遊技のラウンド数を正確に判断することができないようになっている。一方、7図柄に係る図柄揃いが停止表示された場合には、当該図柄揃いに係る大当り遊技のラウンド数が10であることを遊技者が判断可能となる。
また、大当り演出制御手段227は、これらの演出の他に、上述したコンプリート機能に関連する報知として、事前報知、遊技停止報知、および停止予告報知を実行し、これらの報知の詳細については後述する。
また、通常演出制御手段220は、RAMクリア処理の実行を伴って復電時の復帰状態が遊技可能状態となった場合には、RAMクリア処理の実行を伴って遊技可能状態となったことを報知させるための演出データを読み出し、RAMクリア処理の実行を伴わずに復電時の復帰状態が遊技可能状態となった場合には、RAMクリア処理の実行を伴わずに遊技可能状態となったことを報知させるための演出データを読み出す。さらに、通常演出制御手段220は、復電時の復帰状態が遊技停止状態となった場合には、遊技停止状態となったことに加え、RAMクリア処理の実行が必要となったことを報知させるための演出データを読み出す。なお、これらの報知の詳細は省略するが、実行が開始されてから一定時間(例えば、30s)継続して実行されることが好ましく、当該報知を実行する演出デバイスは問わない。
このとき決定されるエラー報知パターンは、エラー状態のそれぞれについて異なる報知態様が定められており、エラー報知の報知態様によって、いずれのエラー状態であるかを認識可能になっている。
復電コマンドは、RAMクリア処理の実行を伴う復電が行われたか、RAMクリア処理の実行を伴わない復電が行われたか、を識別可能なデータになっており、サブエラー制御手段230は、受信した復電コマンドに応じたエラー報知パターンを決定する。従って、復電後に実行されるエラー報知の報知態様によって、当該復電時にRAMクリア処理が実行されたか否かを認識可能になっている。
本実施形態では、(イ)復電後に実行されるエラー報知、(ロ)主基板エラー、磁気エラー、及び電波エラーに係るエラー報知、(ハ)扉開放エラー、満タンエラー、及び残賞球エラーに係るエラー報知、(ニ)右打ちエラーに係るエラー報知、と区分したとき、(イ)>(ロ)>(ハ)>(ニ)の順にエラー報知が優先される仕様になっている。
ここで、エラー報知が優先して実行されるとは、同一のデバイスによってエラー報知が実行される場合、優先順位の高いエラー報知のみが実行される(優先順位の低いエラー報知が実行されない)ことの他に、優先順位の高いエラー報知をより認識容易とする(優先順位の低いエラー報知をより認識困難とする)報知態様によって双方を重複して実行することを含む。
これに対して、本発明では、既存の遊技機に対してコンプリート機能を搭載した際に生じる問題の一部を解決する機能を有しており、以下、当該機能の詳細を説明する。
まず、図13および図14を用いて、コンプリート機能を実現するためにコンプリート機能制御手段190によって実行される処理である、コンプリート機能に係る遊技停止フラグ設定処理、およびコンプリート機能に係る遊技停止処理の詳細を説明する。
図13は、コンプリート機能に係る遊技停止フラグ設定処理のフローであり、当該処理は、主制御部のタイマ割込み処理において実行される処理であり、後述する遊技停止フラグがOFFである場合に実行される一方、遊技停止フラグがONである場合には実行されない。
図14は、コンプリート機能に係る遊技停止処理のフローであり、当該処理は、遊技停止フラグの状態に関わらず実行され、コンプリート機能に係る遊技停止フラグ設定処理が実行される場合には、主制御部のタイマ割込み処理において当該処理から続けて実行される。
なお、上述した通り、アウト玉は、アウト球センサ75によって検出された遊技球の総数を指し、アウト玉は、RAMクリア処理の実行有無に関わらず、電断復電によって初期値(本実施形態では、0)が設定される。
一方、セーフ玉は、上述の入賞口への遊技球の入賞によって付与された賞球の総数を指し、セーフ玉は、RAMクリア処理の実行有無に関わらず、電断復電によって初期値(本実施形態では、5000個)が設定される。
具体的には、当該処理では、セーフ玉からアウト玉を引いた値が差玉数として導出され、当該導出結果がマイナスになる場合には差玉数が零となる。
なお、差玉数の導出方法は、本実施形態に記載の導出方法に限らず、導出結果が一致する方法であれば、いずれの導出方法を採用してもよい。
なお、本実施形態では、一度遊技停止フラグがONに設定された場合には、RAMクリア処理の実行を伴う電源投入によってのみクリアされ(OFFに設定され)、RAMクリア処理の実行を伴わない電源投入ではクリアされない。
具体的には、当該処理では、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域にコンプリート機能関連コマンドを記憶させるものであり、当該処理の実行によってコンプリート機能関連コマンドが第1副制御基板200に向けて送信されることになる。なお、本実施形態において、コンプリート機能関連コマンドには、アウト玉、セーフ玉、差玉数、および遊技停止フラグの状態を特定可能な情報が含まれる。
ステップS204では、大当り遊技中または小当り遊技中であるか否かを判定し、当該条件が充足されなかった場合にはステップS206に進み、当該条件が充足された場合にはコンプリート機能に係る遊技停止処理を終了する。
ステップS206では、遊技停止状態を設定する。
ステップS208では、セキュリティ信号をONに設定し、その後にコンプリート機能に係る遊技停止処理を終了する。これにより、上述した遊技機外の機器が、遊技停止フラグがONとなったこと、すなわち、コンプリート機能が発動されたことを特定可能となる。
上述した通り、本実施形態では、コンプリート機能に関連する報知として、事前報知、遊技停止報知、および停止予告報知を実行可能に構成されており、図15~図21を用いて、これらの報知の詳細を説明する。
図15は、コンプリート機能に関連する報知が実行される大まかな流れを示す図である。
図16は、大当り遊技中に遊技停止フラグがONとなった場合におけるコンプリート機能に関連する報知が実行される流れを示す図である。
図17は、事前報知実行処理のフローであり、当該処理は、コンプリート機能関連コマンドを受信した際に実行される。
図18(a)~図18(f)は、事前報知の報知態様を示す図である。
図19は、事前報知終了処理のフローであり、当該処理は、事前報知の実行中のコンプリート機能関連コマンドを受信した際に実行される。
図20は、停止予告報知開始処理のフローであり、当該処理は、大当り遊技中のコンプリート機能関連コマンドを受信した際に実行される。
図21は、遊技停止報知開始処理のフローであり、当該処理は、遊技可能状態のコンプリート機能関連コマンドを受信した際に実行される。
より具体的には、事前報知は、メイン表示部81に係る表示領域に事前報知画像jgが表示されることで実現され、その開始条件や報知態様の詳細は後述するが、遊技停止報知の実行に先立って開始される(図15の上段左端のシーンから上段真ん中のシーンへの流れ)。
遊技停止報知は、「お疲れさまでした 本日の遊技は終了です」との文字を含む遊技停止画像tgがメイン表示部81に係る表示領域に表示されることで実現され、当該報知は、遊技停止フラグがONとなったことに基づいて開始される(図15の上段右端のシーンから下段左端のシーンへの流れ)。
より具体的には、停止予告報知は、「この大当り遊技終了後に本日の遊技が終了します」との文字を含む停止予告画像ygが表示されることで実現される(図16の左端シーンから真ん中のシーンへの流れ)。このとき、事前報知は継続して実行されている。
なお、図示は省略するが、本実施形態では、小当り遊技中に遊技停止フラグがONとなった場合には、当該タイミングで停止予告報知は開始されず、当該小当り遊技において生起される大当り遊技が開始されたタイミング、すなわち、小当り遊技の終了タイミングで停止予告報知が開始される。
また、停止予告報知が実行されるにあたっては、事前報知が実行されるときとは異なり、事前報知に係る導入報知に相当する報知が、停止予告報知の開始前には実行されない。
図17に示す通り、事前報知実行処理の最初のステップであるステップS302では、遊技停止フラグがONであるか否かを判定し、当該条件が充足された場合には事前報知実行処理を終了し、当該条件が充足されなかった場合にはステップS304に進む、
ステップS304では、事前報知の実行中であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS314に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS306に進む。
ステップS306では、差玉数が95000個以上であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS308に進み、当該条件が充足されなかった場合には事前報知実行処理を終了する。
ステップS308では、現在が大当り遊技中であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS310に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS312に進む。ここで、当該条件が充足されなかった場合とは、現在が図柄変動を実行可能な遊技状態(特図変動パターン導出状態PA、特図変動パターン導出状態PB、または特図変動パターン導出状態PC)である場合に加え、現在が小当り遊技中である場合を指す。
ステップS310では、導入報知と共に事前報知を開始させ、その後に事前報知実行処理を終了する。
これにより、特図変動パターン導出状態PAでは、差玉数が95000個以上となったとしても、その時点では事前報知が開始されずに待機される。
なお、本実施形態において、事前報知の開始が待機されるとは、差玉数が95000個以上となった時点が図柄変動の実行中である場合には、当該図柄変動の終了まで事前報知が開始されずに当該図柄変動の終了時に事前報知が開始されることを指し、差玉数が95000個以上となった時点が小当り遊技中である場合には、当該小当り遊技の終了まで事前報知が開始されずに当該小当り遊技の終了時に事前報知が開始されることを指す。ただし、当該時点が、図柄変動の実行中および小当り遊技中のいずれでもない場合には、事前報知の開始が待機されずにその時点で事前報知が開始される。
さらに、ステップS312の実行に基づいて事前報知が開始される場合には、導入報知が実行されない。
これにより、事前報知に係る報知態様の更新が必要な場合には、事前報知に相当する事前報知画像jgの表示態様が、図18(a)~図18(f)で示す表示態様のいずれかに変更される。
差玉数が96000個~96999個である場合、すなわち、差玉数が閾値に到達するのに必要な差玉数の増分が3001個~4000個である場合の事前報知画像jgは、図18(b)に示されるように、0~1000に対応する領域、1000~2000に対応する領域、2000~3000に対応する領域、および3000~4000に対応する領域に対してハッチング(色付け)がなされ、4000~5000に対応する領域に対してハッチングがなされない表示態様となる。
差玉数が97000個~97999個である場合、すなわち、差玉数が第一閾値に到達するのに必要な差玉数の増分が2001個~3000個である場合の事前報知画像jgは、図18(c)に示されるように、0~1000に対応する領域、1000~2000に対応する領域、および2000~3000に対応する領域に対してハッチング(色付け)がなされ、3000~4000に対応する領域、および4000~5000に対応する領域に対してハッチングがなされない表示態様となる。
差玉数が98000個~98999個である場合、すなわち、差玉数が第一閾値に到達するのに必要な差玉数の増分が1001個~2000個である場合の事前報知画像jgは、図18(d)に示されるように、0~1000に対応する領域、および1000~2000に対応する領域に対してハッチング(色付け)がなされ、2000~3000に対応する領域、3000~4000に対応する領域、および4000~5000に対応する領域に対してハッチングがなされない表示態様となる。
差玉数が99000個~99999個である場合、すなわち、差玉数が第一閾値に到達するのに必要な差玉数の増分が1個~2000個である場合の事前報知画像jgは、図18(e)に示されるように、0~1000に対応する領域に対してハッチング(色付け)がなされ、1000~2000に対応する領域、2000~3000に対応する領域、3000~4000に対応する領域、および4000~5000に対応する領域に対してハッチングがなされない表示態様となる。
遊技停止フラグがONである場合、すなわち、差玉数が100000個以上である場合の事前報知画像jgは、図18(f)に示されるように、0~1000に対応する領域、1000~2000に対応する領域、2000~3000に対応する領域、3000~4000に対応する領域、および4000~5000に対応する領域のいずれに対してもハッチングがなされない表示態様となる。ただし、本実施形態において、当該表示態様の事前報知画像jgは、停止予告報知の実行中(大当り遊技中に遊技停止フラグがONとなってから当該大当り遊技が終了するまでの期間)に表示され得るものである。
また、後述する通り、本実施形態では、差玉数が95000個を下回った場合であっても、少なくとも差玉数が90000個を下回るまで事前報知が継続され、この場合における事前報知画像jgは、図18(a)に示す表示態様となる。
これによれば、事前報知の開始を除き、現在が大当り遊技中ではなくても、事前報知態様の変化をリアルタイムで認識させることができる。
図19に示す通り、事前報知終了処理の最初のステップであるステップS402では、遊技停止フラグがONであるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS404に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS408に進む。
ステップS404では、大当り遊技であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合には事前報知終了処理を終了し、当該条件が充足されなかった場合にはステップS406に進む。
ステップS406では、事前報知を終了させ、その後に事前報知終了処理を終了する。
ステップS410では、現在が特図変動パターン導出状態PAであるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS412に進み、当該条件が充足されなかった場合には事前報知終了処理を終了する。
ステップS412では、事前報知を終了させ、その後に事前報知終了処理を終了する。
具体的には、本実施形態では、差玉数が90000個を下回ったことに加え、現在が特図変動パターン導出状態PAである場合に、事前報知が終了する。一方、現在が特図変動パターン導出状態PA以外の遊技状態(特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC、大当り遊技、または小当り遊技)である場合には、差玉数が90000個を下回ったとしても、事前報知が終了しない(この場合には、差玉数が90000個を下回りかつ特図変動パターン導出状態PAとなった時点で事前報知が終了する)。
図20に示す通り、停止予告報知開始処理の最初のステップであるステップS502では、遊技停止フラグがONであるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS504に進み、当該条件が充足されなかった場合には停止予告報知開始処理を終了する。
ここで、中盤期間とは、大当り遊技を、序盤期間、中盤期間、および終盤期間に分けた際の真ん中の期間を指す。
特に、本実施形態では、ラウンド数が10回の大当り遊技では、大当り遊技の開始から2回目のラウンド遊技が終了するまでを序盤期間、2回目のラウンド遊技が終了してから8回目のラウンド遊技が終了するまでを中盤期間、8回目のラウンド遊技が終了してから大当り遊技が終了するまでの期間を終盤期間としている。さらに、ラウンド数が4回の大当り遊技では、大当り遊技の開始から1回目のラウンド遊技が終了するまでを序盤期間、1回目のラウンド遊技が終了してから3回目のラウンド遊技が終了するまでを中盤期間、3回目のラウンド遊技が終了してから大当り遊技が終了するまでの期間を終盤期間としている。
なお、序盤期間、中盤期間、および終盤期間は、あらかじめ定められた区切り方で区切られる期間であれば、その区切り方は問わず、これらのうちの少なくとも一つの期間にラウンド遊技が含まれなくてもよい。
これによれば、その後に開始される遊技停止報知を認識させ易くすることができる。
また、停止予告報知は、大当り遊技の終了に合わせて終了する。そのため、本実施形態では、停止予告報知の実行期間と遊技停止報知の実行期間とが重ならないように構成されている。
図21に示す通り、遊技停止報知開始処理の最初のステップであるステップS602では、遊技停止フラグがONであるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS604に進み、当該条件が充足されなかった場合には遊技停止報知開始処理を終了する。
ステップS604では、大当り遊技中であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合には遊技停止報知開始処理を終了し、当該条件が充足されなかった場合にはステップS606に進む。
ステップS606では、遊技停止報知を開始させ、その後に遊技停止報知開始処理を終了する。
コンプリート機能に関連する報知(事前報知、遊技停止報知、および停止予告報知)と、特定エラー報知(残賞球エラーに係る報知)が重複するイレギュラーケースについて、図22と図23を用いて説明する。
図22は、コンプリート機能に関連する報知と特定エラー報知が重複するイレギュラーケースにおける大まかな流れを示す図である。
図23は、図22に示す流れにおけるタイムチャートである。
なお、以下の説明において、残賞球エラーに係るエラー報知に用いられる報知手段として、メイン表示部81とスピーカ33に言及するが、スピーカ33に加えて又は代えて枠ランプ35を報知手段としてもよい。
また、図16に図示する通常ケースであるか、図22に図示するイレギュラーケースであるか、に関わらず、これらに図示される事前報知画像jg、停止予告画像yg、遊技停止画像tg、及びエラー画像egのメイン表示部81における表示位置は不変である、ことが望ましい。
この時点において、遊技停止フラグはONになっておらず、残賞球エラーも発生していないため、事前報知が実行されている(メイン表示部81に係る表示領域に事前報知画像jgが表示される)一方、エラー報知は実行されていない。
この時点において、残賞球エラーに係るエラー報知として、メイン表示部81の表示領域の中央付近に「玉が不足しています 係員をお呼び下さい」との文字を含むエラー画像egが表示されており、スピーカ33から残賞球エラーに対応するエラー音が音声出力されている。
図22に図示するとおり、上記のエラー画像egと、事前報知画像jgと、が重ならない配置でメイン表示部81に表示され、双方が視認可能になっている。
この時点において、上述した停止予告報知として、メイン表示部81の表示領域の中央付近に停止予告画像ygが表示される。また、残賞球エラーに係るエラー報知として、エラー画像egの表示とエラー音の音声出力が継続している。従って、停止予告報知と残賞球エラーに係るエラー報知とが重複してしまう。
このとき、図22に図示するとおり、エラー画像egが、停止予告画像ygの手前に重なって表示されることによって、エラー状態が生じていないとき(図16の真ん中に図示した状態)に比べて停止予告画像ygが視認困難になる。
一方で、この状態において、事前報知画像jgは、エラー画像eg及び停止予告画像ygの双方に対して重ならない配置でメイン表示部81に表示され、視認困難になることがない。
事前報知に係る表示は、遊技停止フラグのON/OFFに関わらず表示されるので、停止予告報知に係る表示と比べて、特定のエラー状態と重複する機会が多い。それゆえ、事前報知に係る表示と特定エラー報知に係る表示の視認性を互いに妨げないように、上記のような配置でそれぞれを表示させることにしている。
この時点において、上述した遊技停止報知として、メイン表示部81の表示領域の中央付近に遊技停止画像tgが表示される。また、上述したように、残賞球エラーは遊技停止状態においても検知され得るエラー状態であるため、そのエラー報知としてエラー画像egの表示とエラー音の音声出力が継続している。
しかしながら、図22に図示するとおり、遊技停止画像tgが、エラー画像egの手前に重なって表示されることによって、遊技停止状態になる前(図22の下段左端に図示した状態)に比べてエラー画像egが視認困難になる。一方で、遊技停止報知に対応する音声出力がないため、残賞球エラーに係るエラー音の音声出力は阻害されることなく認識可能になっている。
なお、上述したように、本実施形態における事前報知及び停止予告報知はその報知が行われている大当り遊技の終了時に終了する構成になっているため、タイミングt4において事前報知及び停止予告報知は実行されていない。従って、事前報知及び停止予告報知が実行されている期間と、遊技停止報知が実行されている期間と、は重複しない。
図22の下段右端のシーンでは、遊技停止画像tgの全部がエラー画像egの手前に重なって表示される態様を描いたが、遊技停止画像tgの一部がエラー画像egの手前に重なって表示される態様であってもよい。
これにより、エラー報知とコンプリート機能に関連する報知のバランスをとることができ、遊技者に対して双方の報知を遊技者に確実に認識させることができる。
前者の期間と後者の期間では、報知内容(遊技停止、残賞球エラー、遊技停止の予告)の優先順位が変化するため、互いの期間を重複させないことによって報知内容が混同することを防止することができる。
これにより、遊技者に対して、遊技停止になったことを確実に認識させることができると共に、特定のエラー状態であることも認識させることができる。
図22に図示した内容において、エラー画像eg、停止予告画像yg、遊技停止画像tgの視認性(見た目上の優先順位)は、遊技停止画像tg>エラー画像eg>停止予告画像ygとなっているものと言える。残賞球エラーは、上述したように、優先順位については上位から3番目のエラー報知((ハ)に区分されるエラー報知)である。
従って、遊技停止報知に係る遊技停止画像tgは、上位から4番目のエラー報知((ニ)に区分されるエラー報知)と比べて優先順位が高い、と扱うことができる。また、停止予告報知に係る停止予告画像ygは、上位から1番目及び2番目のエラー報知((イ)及び(ロ)に区分されるエラー報知)と比べて優先順位が低い、と扱うことができる。
しかしながら、復電後に実行されるエラー報知が、遊技停止状態であっても実行される仕様である場合には、遊技停止報知と重複する可能性がある(例えば、遊技停止報知中に電断し、RAMクリア処理を伴わない復電がなされた場合、当該電断後に遊技停止報知が再開されるので、復電後に実行されるエラー報知と重複し得る)。従って、復電後に実行されるエラー報知と遊技停止報知との関係において優先順位を定める必要がある。
上記の変形例において、復電後に実行されるエラー報知は、遊技停止報知に比べて優先順位が高いことが好ましい。当該エラー報知は、RAMクリア処理を伴わない復電がなされたことを報知するものであり、当該エラー報知→遊技停止報知の順に報知することによって、遊技停止のリセットのためにRAMクリア処理が必要であることに気付かせることができるからである。
しかしながら、停止予告報知が、大当り遊技後も実行され且つ右打ちエラーが大当り遊技後(遊技停止状態)であっても検知される仕様である場合には、停止予告報知と右打ちエラーに係るエラー報知との関係において優先順位を定める必要がある。
上記の変形例において、右打ちエラーに係るエラー報知は、停止予告報知に比べて優先順位が低いことが好ましい。上述したように、この変形例における右打ちエラーに係るエラー報知と停止予告報知は、大当り遊技が終了して遊技停止状態になった際にのみ重複しうる関係にあり、このときに右打ちエラーが発生したとしても、遊技管理上の不都合はなく、停止予告報知に比べて優先順位を高くする必要がないからである。
以上の説明に記載されていない変形例について、以下に列挙する。
また、本実施形態において図示した抽選テーブルにおける各抽選値は一例であって、抽選テーブル同士の大小関係が維持されていれば、各抽選値は当該範囲において任意の値を採用してもよい。
本実施形態は、次のような技術思想を包含する。
(1)入賞口への遊技球の入賞が発生したときに当該入賞口に対応する数の遊技球が付与され、前記入賞に係る遊技球の付与数であるセーフ玉および遊技球の使用数であるアウト玉を用いて導出される差玉数が第一閾値以上となったことに基づいて遊技停止がなされる遊技機であって、エラー状態を検知する検知手段と、少なくとも表示手段を含む報知手段と、前記報知手段を制御する報知制御手段と、を備え、前記報知制御手段は、特定のエラー状態が検知されたことに基づいて、特定エラー報知を実行し、大当り遊技中に前記差玉数が前記第一閾値以上となったことに基づいて、当該大当り遊技の終了後に停止予告報知を実行し、前記遊技停止となったことに基づいて遊技停止報知を実行し、前記停止予告報知の報知期間と前記遊技停止報知の報知期間とに跨がって、前記特定エラー報知が実行される特定の場合があり、前記特定の場合において、前記特定エラー報知に係る表示が前記停止予告報知に係る表示の少なくとも一部の手前に重なって表示される一方、前記遊技停止報知に係る表示の少なくとも一部が前記特定エラー報知に係る表示の手前に重なって表示される、ことを特徴とする遊技機。
(2)前記特定の場合において、前記特定エラー報知に係る表示が前記停止予告報知に係る表示に重なる期間と、前記遊技停止報知に係る表示が前記特定エラー報知に係る表示に重なる期間と、が重複しない、(1)に記載の遊技機。
(3)前記報知手段は、音声出力手段と発光手段とを更に含み、前記特定の場合において、前記特定エラー報知に係る表示が、前記遊技停止報知に係る表示に覆われることによって視認不能となり、前記特定エラー報知に係る表示が前記遊技停止報知に係る表示に覆われる期間において、前記音声出力手段又は前記発光手段のうち少なくとも一方によって、前記特定のエラー状態であることが認識可能である、(2)に記載の遊技機。
(4)前記報知制御手段は、前記差玉数が前記第一閾値よりも小さい第二閾値以上となった場合には、事前報知を実行し、前記事前報知に係る表示は、前記特定エラー報知に係る表示と重ならない位置に表示される、(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機。
(5)前記特定の場合において前記特定エラー報知に係る表示が前記停止予告報知に係る表示に重なる期間に、前記事前報知に係る表示が前記特定エラー報知に係る表示及び前記停止予告報知に係る表示の双方に重ならない位置に表示され得る、(4)に記載の遊技機。
(a)前記報知手段によって報知されるエラー報知には、前記遊技停止報知に比べて優先順位の高い他のエラー報知が含まれる、(1)から(5)のいずれか一つに記載の遊技機。
15 外枠
17 中枠
20 前枠
21 ヒンジ機構
22 可動装飾体
23 シリンダ錠
25 透明部材
27 上球受け皿
29 下球受け皿
31 操作ハンドル
32 上枠部
33(33a、33b) スピーカ
34a、34b 左右側枠部
35(35a、35b、35c) 枠ランプ
36 球抜き機構
37 演出ボタン
38 カーソルボタン
38a 上カーソルボタン
38b 下カーソルボタン
38c 左カーソルボタン
38d 右カーソルボタン
38e 中カーソルボタン
39 メイン操作部
39a 玉貸ボタン
39b 返却ボタン
40 電源スイッチ
43 RAMクリアスイッチ
45 開閉カバー
46 遊技球タンク
47 タンクレール
48 払出ユニット
49 払出通路
50 遊技盤
50a 遊技領域
51 外レール
52 風車
53 内レール
54 保護部材
55 大入賞口
57 第1始動口
59 第2始動口
61 普通電動役物
62 普通電動役物ソレノイド
63 ゲート
65 特別電動役物
66 特別電動役物ソレノイド
67 一般入賞口
67a 左一般入賞口
67b 右一般入賞口
69 アウト口
70 第1始動口センサ
71 第2始動口センサ
72 大入賞口センサ
73 一般入賞口センサ
74 ゲートセンサ
75 アウト球センサ
76 中枠開扉センサ
77 前枠開扉センサ
80 演出表示装置
81 メイン表示部
82 サブ表示部
82a 上サブ表示部
82b 左サブ表示部
82c 右サブ表示部
90 図柄表示装置
91 第1特別図柄表示装置
92 第2特別図柄表示装置
93 普通図柄表示装置
94 第1特別図柄保留ランプ
95 第2特別図柄保留ランプ
96 普通図柄保留ランプ
100 主制御基板
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 I/Oポート
105 乱数回路
109 主制御基板ケース
110 入球判定手段
115 メイン乱数発生手段
120 メイン保留制御手段
125 事前判定手段
130 特図抽選手段
131 特図当否判定手段
132 特図停止図柄抽選手段
133 特図変動パターン導出手段
135 普図抽選手段
140 大当り遊技制御手段
145 図柄表示制御手段
150 電動役物制御手段
155 遊技状態制御手段
160 メイン情報記憶手段
165 メインエラー制御手段
170 メインコマンド管理手段
175 復電処理実行手段
176 復帰状態設定手段
179 遊技可能状態移行手段
180 電断処理実行手段
190 コンプリート機能制御手段
200 第1副制御基板
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 I/Oポート
209 第1副制御基板ケース
210 サブ乱数発生手段
220 通常演出制御手段
221 演出モード制御手段
222 演出ルート決定手段
223 サブ保留制御手段
224 先読み演出制御手段
225 演出内容決定手段
226 装飾図柄制御手段
227 大当り演出制御手段
230 サブエラー制御手段
240 ランプ制御手段
245 可動役物制御手段
260 サブ情報記憶手段
270 サブコマンド管理手段
300 第2副制御基板
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 I/Oポート
309 第2副制御基板ケース
310 音声制御基板
311 CPU
312 ROM
313 RAM
314 I/Oポート
400 払出制御基板
409 払出制御基板ケース
500 電源制御基板
501 通常電源回路
502 バックアップ電源回路
503 電断検出回路
509 電源制御基板ケース
X 第1流路
Y 第2流路
dg 導入報知画像
jg 事前報知画像
tg 遊技停止画像
yg 停止予告画像
Claims (1)
- 入賞口への遊技球の入賞が発生したときに当該入賞口に対応する数の遊技球が付与され、前記入賞に係る遊技球の付与数であるセーフ玉および遊技球の使用数であるアウト玉を用いて導出される差玉数が第一閾値以上となったことに基づいて遊技停止がなされる遊技機であって、
エラー状態を検知する検知手段と、
少なくとも表示手段を含む報知手段と、
前記報知手段を制御する報知制御手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、
特定のエラー状態が検知されたことに基づいて、特定エラー報知を実行し、
大当り遊技中に前記差玉数が前記第一閾値以上となったことに基づいて停止予告報知を実行し、
前記大当り遊技の終了後に前記遊技停止となったことに基づいて遊技停止報知を実行し、
前記停止予告報知の報知期間と前記遊技停止報知の報知期間とに跨がって、前記特定エラー報知が実行される特定の場合があり、前記特定の場合において、前記特定エラー報知に係る表示が前記停止予告報知に係る表示の少なくとも一部の手前に重なって表示される一方、前記遊技停止報知に係る表示の少なくとも一部が前記特定エラー報知に係る表示の手前に重なって表示され、
前記報知制御手段は、
前記差玉数が前記第一閾値よりも小さい第二閾値以上となった場合に事前報知を実行し、
大当り遊技中に前記第二閾値以上となった第一の場合には前記事前報知の他に所定報知を実行し、大当り遊技以外のときに前記第二閾値以上となった第二の場合には前記所定報知を実行せずに前記事前報知を実行する、
ことを特徴とする遊技機。
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