JP7469123B2 - 車両制御装置 - Google Patents
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Description
しかしこのような制限を行うと、乗員はプレ空調による快適な状態を得られず、満足度が低くなるおそれがある。
例えば携帯端末などで車両のプレ空調の操作を行うユーザに対し、プレ空調を行った場合に走行可能な距離を提示する。
走行確保距離とは、固定値又は変動値としての距離であるが、例えば車両走行時の安全確保のために必要とされる距離として設定する。
プレ空調を行った場合の走行可能距離がある程度長い場合は、プレ空調操作を行おうとするユーザに対して走行可能距離を提示しない。
例えば周囲の温度、車室内温度、天候、道路状況などが周囲環境として想定され、それに応じた設定温度との差などを考慮して、走行可能距離を算出する。
例えば目的地の情報に基づいて、目的地までの距離、経路上の施設、道路などの判定結果を提示情報に反映させる。
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態として、車両を含む全体の構成について説明する。
車両100とユーザ端末200とサーバ装置300は、通信ネットワーク400を介して相互にデータ通信が可能とされている。
車両100についての制御を行うためのアプリと移動経路を検索するためのアプリが異なるアプリであってもよい。
そのために、サーバ装置300は、例えばAPI(Application Programming Interface)機能などを備えて構成されていてもよい。
車両100は、プレ空調制御を含む各種制御を行うための車両制御装置1を備えている。
車両100についての具体的な構成について、図2を参照して説明する。なお、以下の説明においては、エンジンを搭載せずモータのみを用いることにより走行する電気自動車としての車両100を例に挙げるが、HEV(Hybrid Electric Vehicle)車両としての車両100であってもよい。
トランスミッション関連アクチュエータとしては、例えば車両100が有する自動変速機の変速制御を行うための変速用アクチュエータや、前後進切替機構の動作を制御するための前後進切替用アクチュエータ等が設けられる。
ブレーキ関連アクチュエータとしては、例えば、ブレーキブースターからマスターシリンダへの出力液圧やブレーキ液配管内の液圧をコントロールするための液圧制御アクチュエータ等、ブレーキ関連の各種のアクチュエータが設けられる。
空調制御部9は、操作子の操作等に応じて圧縮機等を駆動し、車室空間101を設定温度(目標温度)に近づけるための空調制御を行う。
プレ空調制御を行うためにプレ空調制御部10が空調制御部9に対して出力する制御情報は、例えば空調実行の指示や設定温度の指示などである。
具体的に、プレ空調制御部10には、各機能として、提示情報生成部21、通信処理部22、指示部23が構築されている。
走行可能距離とは、例えばバッテリー残量に応じて求められる走行可能距離であるが、例えばエアコンを含む電装品の消費電力を考慮して求められることが好適である。また現在の車室空間の温度、外気温などと空調の設定温度の差も消費電力に影響を与える。このため例えば提示情報生成部21は、周囲環境の判定結果を走行可能距離の算出に用いることがある。例えば周囲の温度、車室内温度、天候、時間帯(夜間/昼)、道路状況などが周囲環境として想定され、それに応じた設定温度との差などを考慮して、走行可能距離を算出する。
また提示情報とは、ユーザ端末200においてユーザに対して提示する情報である。提示情報生成部21は、提示情報には算出した走行可能距離に基づく提示用走行可能距離を含むようにする。提示用走行可能距離とは、例えば算出した走行可能距離から後述する走行確保距離を減算した距離である。
また提示情報生成部21は例えば目的地の情報に基づいて、目的地までの距離、経路上の施設、道路などの判定結果を提示情報に反映させることもある。
また、操作子としては、車両制御装置1の起動/停止を指示するためのスタートスイッチなどがある。
図3はユーザ端末200の構成例を示している。
ユーザ端末200は、CPU31、ROM32、RAM33、バス34、入出力インタフェース35、入力部36、出力部37、記憶部38、通信部39、メディアドライブ40などを備えて構成されている。
入力部36はキーボード、マウス、タッチパネル、マイクなどにより構成される。
出力部37はLCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)、有機EL(Electroluminescence)パネルなどよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどにより構成される。
通信部39は通信ネットワーク400を介しての通信処理や機器間通信を行う。
メディアドライブ40には、必要に応じて磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア41が装着され、リムーバブルメディア41に対する情報の書き込みや読み出しが行われる。
CPU31が各種のプログラムに基づいて処理動作を行うことで、ユーザ端末200としての必要な情報処理や通信が実行される。
具体的には、ユーザ端末200には、上述した専用アプリ51としての機能や通信制御部53としての機能が構築される。
通信制御部53は車両100やサーバ装置300との通信処理を行う機能である。
本実施の形態の場合、ユーザ端末200における専用アプリ51の起動時には、一例として、図4のようにユーザ端末200のディスプレイにおいてプレ空調操作画面201が表示される。
ここでは提示内容202は、プレ空調制御部10が生成した提示情報を含む内容であり、具体的には走行可能距離の提示を含んでいる。例えば「今、プレ空調すると、あと15km走行できます。プレ空調しますか?」というように、ユーザに、プレ空調を行うことによる走行可能距離を提示し、ユーザはこれを確認して開始ボタン203又はキャンセルボタン204を操作できるようにしている。
このように、専用アプリ51は、単にプレ空調の遠隔操作を可能とするだけでなく、プレ空調を行った場合の走行可能距離を提示して、ユーザがプレ空調の実行判断をすることができるようにする。
第1の実施の形態の処理例を説明する。図5は専用アプリ51が起動されているユーザ端末200のCPU31が実行する処理、図6は車両100のプレ空調制御部10の処理を示している。
ここで、専用アプリ51において、図4のようなプレ空調操作画面201の表示が求められたとする。その場合ユーザ端末200のCPU31は処理をステップS102からステップS103に進め、車両100に対してプレ空調に関する情報要求を送信する処理を行う。この場合、CPU31は、単に提示情報を要求する要求情報のみを送信してもよいし、要求情報とともに目的地の情報、目的地までの経路の情報などを送信してもよい。例えば専用アプリ51がナビゲーション機能も備えている場合、そのナビゲーション機能において設定された目的地や経路の情報を送信することができる。
提示情報の生成処理例は図7で後述するが、上述のようにプレ空調を行った場合の走行可能距離の情報を含む。
プレ空調制御部10は、提示情報を生成したら、図6のステップS203で提示情報のユーザ端末200への送信処理を行う。これによりユーザ端末200に走行可能距離を含む提示情報が送信される。
ユーザは、提示内容202により、走行可能距離を確認した上でプレ空調操作を行うか否かを判断できる。その間CPU31は、ステップS105でプレ空調操作画面201を表示させたまま、ステップS106、S108でユーザ操作を待機する。
一方、ユーザがキャンセルボタン204を操作した場合は、CPU31はステップS108からステップS109に進み、キャンセル信号を車両100に送信する処理を行う。
そして、ステップS107又はステップS109からステップS110に進み、プレ空調操作画面201を終了させる。
ユーザ端末200からのプレ空調操作情報を受信したら、プレ空調制御部10はステップS204からステップS205に進み、空調制御部9に対してプレ空調開始指示を送信し、車室空間101における空調を実行させる。
一方、ユーザ端末200からのキャンセル情報を受信したら、プレ空調制御部10はステップS206から今回のプレ空調に関する処理を終える。
ユーザ端末200からの提示情報要求を受信した場合、プレ空調制御部10は図7のステップS220として、まず目的地や経路の情報が受信されたか否かで処理を分岐する。
従って、環境判定結果を考慮し、現在のバッテリー残量から、空調強度、使用される電装品の種別や頻度などに応じた電力を除いて、走行に使用できる電力を求めることで、走行可能距離の推定精度を高めることができる。
例えば算出した走行可能距離が16kmであり、走行確保距離が1kmであったとすると、提示用走行可能距離は15kmとする。
走行確保距離は、不測の事態が生じたときに、乗員及び車両100の安全確保のために必要な走行距離である。例えば、走行車線から路肩や駐車スペースなどに移動させるのに必要な走行距離としている。
ユーザに対しては、走行確保距離を除いた距離を提示することで、ユーザが想定する走行距離に含まれない走行可能な距離を確保し、不測の事態にも対応できる可能性を高くする。
このように内容が設定された提示情報は、図6のステップS203でユーザ端末200に対して送信され、図4のようにプレ空調操作画面201が表示されるとになる。
ステップS241でプレ空調制御部10は、目的地までの経路状況の判定を行う。例えば経路上の施設、特に充電可能な施設の有無を判定したり、或いは道路種別(高速道路、一般道路、峠道など)を判定したりすることが考えられる。
なお、このステップS245の処理はステップS241の段階で同時に行うようにしてもよい。
このように内容が設定された提示情報は、図6のステップS203でユーザ端末200に対して送信されることになる。
例えば専用アプリ51側でナビゲーション機能と連動していないとき、或いはナビゲーション機能を起動させていても、ユーザが目的地を設定していない場合は、車両100側に目的地や経路の情報が送信されない。このため図7のステップS220で目的地等の情報がないとされ、ステップS230以降の処理で提示情報が生成される。
目的地は決まっているが、ユーザがナビゲーション機能を起動する必要がないような場合も同様となる。例えばいつものスーパーマーケットと家の往復などの場合に、ユーザはプレ空調操作をさせるか否か図4のようなユーザインタフェース上で判断できる。
その場合、ステップS234、S235の処理で、登録した場所も充電ポイントとして、提示情報に含めるようにすることができる。
またステップS234に相当する処理を、ユーザ端末200側のナビゲーション機能により実行し、上記の充電ポイント案内等をユーザ端末200側で提示内容202に加えるようにしてもよい。
このためユーザ端末200のプレ空調操作画面201では、例えば図8のようなメッセージを含む提示内容202を表示することが考えられる。
即ち「今プレ空調をすると、あと○○km走れます。目的地まで到着できます。プレ空調しますか?」と表示させてユーザに判断を促す。
或いは、「今プレ空調をすると、あと○○km走れます。目的地まで到着できませんが、経路途中の充電ポイントまでは行けます。プレ空調しますか?」というような内容となることも想定される。
或いは、「今プレ空調をすると、あと○○km走れます。目的地までの経路で充電ポイントがありません。」というような内容となることも想定される。
第2の実施の形態としての提示情報生成処理例を図9に示す。即ち図6のステップS202で図7に代えて行われるようにする処理例である。
上述した例では、プレ空調制御部10において走行可能距離の算出及びそれに応じた提示情報の生成を行うものとした。
変形例としては、これらの処理をユーザ端末200における専用アプリ51に基づくCPU31の処理として実行することが考えられる。
このようなユーザ端末200側の処理によっても、ユーザに走行可能距離を提示した上でプレ空調操作の判断を促すことができる。
以上の実施の形態では次のような効果が得られる。
実施の形態の車両制御装置1は、乗員の乗車前の車室空間101の空調動作であるプレ空調を実行する場合の車両の走行可能距離を算出し、算出した走行可能距離に基づく提示情報を生成する提示情報生成部21と、プレ空調操作のためのユーザインタフェースにおける提示のために提示情報を送信する処理を行う通信処理部22と、ユーザインタフェースによるプレ空調の操作に基づいてプレ空調指示を行う指示部23を備えている。
従ってユーザは、プレ空調を行ったとしても走行可能である距離を確認した上で、プレ空調を行うか否かを決めることができる。例えば比較的近い場所へ行くのであれば、提示される走行可能距離が短くてもプレ空調を実行させるなど判断できる。
走行可能距離が短くなってしまうプレ空調は、車両のバッテリー充電中やフル充電状態の場合に実行を許可するということも考えられるが、本実施の形態によれば、ユーザの判断によって、走行可能距離が短い場合でもプレ空調が実行されるようにすることができることで、ユーザの満足度を向上させることができる。
プレ空調を行っても走行可能な距離としてメッセージ202で提示用走行可能距離が示されるが、これは、安全確保のための必要とされる走行確保距離を減算した値である。つまりユーザが通常の車両の走行として想定すればよい距離となる。もし、ユーザが、ぎりぎりの距離であってもプレ空調を動作させたときに、何らかのアクシデントがあったとしても、最低限の緊急走行は可能となる。例えば走行中の車線から路肩のある場所に移動するなどの走行ができるような余裕を持たせた上で、走行可能距離が提示される。
これにより、フル充電でない状態でプレ空調を許可したとしても、プレ空調のために走行不能となってしまって安全が確保できないといった事態を回避できる。
プレ空調を行った場合の走行可能距離が所定値以上であれば、プレ空調を行っても、十分に走行可能であるとすると、走行可能距離を提示する必要性は小さい。この場合に走行可能距離を提示しないことで、ユーザにとってプレ空調の操作を、特に走行可能距離を気にせずに行わせるようにすることができる。
例えば周囲の温度、車室内温度、天候、道路状況などが周囲環境として想定され、それに応じた設定温度との差などを考慮して、走行可能距離を算出する。これにより、現在の車両のおかれた状況に応じてより精度の高い走行可能距離をユーザに提示できるようになる。
例えば目的地の情報に基づいて、目的地までの距離、経路上の施設、道路などの判定結果を提示情報に反映させる。これにより、車両の走行目的に沿って、ユーザにプレ空調を行うか否かを選択させるようにすることができる。
4 モータ制御部
8 無線通信制御部
9 空調制御部
10 プレ空調制御部
11 センサ・操作子類
21 提示情報生成部
22 通信処理部
23 指示部
31 CPU
51 専用アプリ
53 通信制御部
100 車両
101 車室空間
200 ユーザ端末
201 プレ空調操作画面
202 提示内容
203 開始ボタン
204 キャンセルボタン
Claims (4)
- 乗員の乗車前の車室空間の空調動作であるプレ空調を実行する場合の車両の走行可能距離を算出し、算出した走行可能距離に基づく提示情報を生成する提示情報生成部と、
プレ空調操作のためのユーザインタフェースにおける提示のために前記提示情報を送信する処理を行う通信処理部と、
前記ユーザインタフェースによるプレ空調の操作に基づいてプレ空調指示を行う指示部と、を備え、
前記提示情報生成部は、
前記提示情報を、算出した走行可能距離から、設定した走行確保距離を減算した提示用走行可能距離を提示する情報とするとともに、
目的地の情報を取得した場合は、目的地までの経路状況に応じて前記走行確保距離を可変設定したうえで前記提示用走行可能距離を算出する
車両制御装置。 - 前記提示情報生成部は、算出した走行可能距離が所定値以上であるときは、走行可能距離に基づく提示情報を生成しない
請求項1に記載の車両制御装置。 - 前記提示情報生成部は、周囲環境の判定結果を走行可能距離の算出に用いる
請求項1又は請求項2のいずれかに記載の車両制御装置。 - 前記提示情報生成部は、目的地の情報を取得した場合、目的地又は目的地までの経路における周辺施設情報に基づいて、充電可能場所に関する情報を前記提示情報に含めるようにする
請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両制御装置。
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