JP7468955B1 - 細胞の培養上清を生産する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 細胞増殖因子などを含む培地で培養した細胞を用いる場合であっても、前記の細胞増殖因子などの当該培地に含まれる成分の含有量が低減された細胞又は細胞の培養上清を生産する方法を提供すること。【解決手段】 細胞又は細胞の培養上清を生産する方法であって、血清を含まない第一の培地で細胞を培養して、第一の細胞を取得する工程、取得された第一の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い第二の培地で培養して、第二の細胞及び第二の細胞の培養上清を取得する工程、取得された第二の細胞及び第二の細胞の培養上清から、第二の細胞の培養上清を除去して、第二の細胞を取得する工程、及び取得された第二の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い第三の培地で培養して、第三の細胞及び第三の細胞の培養上清を取得し、第三の細胞又は第三の細胞の培養上清を生産する工程を含む、方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、細胞の培養上清を生産する方法に関し、より具体的には、細胞増殖因子などを含む培地で培養した細胞を用いて細胞の培養上清を生産する方法であって、前記の細胞増殖因子などの当該培地に含まれる成分の含有量が低減された細胞の培養上清を生産する方法に関する。
間葉系幹細胞は、骨髄や滑膜、脂肪、臍帯の中に存在する体性幹細胞であり、軟骨や骨、脂肪、神経細胞への分化能を有することが報告されている(非特許文献1)。成人の組織からも分離できることから、半月板や軟骨の損傷部の再生治療に用いられている(非特許文献2)。また、間葉系幹細胞は抗炎症作用や免疫調節等の作用も有することから、肝疾患や移植片対宿主病、自己免疫疾患など、既に様々な疾患に対して幅広く利用されていることが知られている。
こうした中、細胞移植治療において生体内に移植されたこれらの間葉系幹細胞の働きには、間葉系細胞から分泌される種々のサイトカイン等の生理活性物質が大きく寄与していることが明らかにされてきた。
間葉系幹細胞をインビトロで培養した際には、培養液中にこうした生理活性物質が放出されることになる。そこで、間葉系幹細胞の培養に使用した培養液を回収し、細胞から放出される物質を多く含むこの培養液を利用して、組織を再生すること等に成功した例が報告されている(非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5)。
このように、間葉系幹細胞の培養過程で生成される培養上清液は、エクソソームを始めとする幹細胞から分泌した成長因子や免疫調節因子(サイトカイン)など、細胞活性に重要な働きをする情報伝達物質を豊富に含んでおり、体内の損傷を受けた組織や細胞の機能回復に役立つと考えられている。上清液に豊富に含まれるエクソソーム・成長因子・サイトカインなどが周囲に存在している幹細胞に作用し、老化や損傷などによって機能が低下した箇所に細胞を集めることによって、組織再生や免疫力向上などの機能回復効果が期待されている。
細胞培養の際には細胞増殖因子として牛胎仔血清(FBS、FCS)やヒト血漿、アルブミン、FGF2やEGFなどの成分を加えることが多い。このような成分を含む培地で培養した細胞は、一般的にPBSやHBSSなどのバッファーで洗浄することによって、培地成分を取り除くことができると考えられている。現在では再生医療等製品や特定細胞加工物として扱われる細胞や、臨床研究が進められているエクソソームや上清液についても同様の考え方で培地成分の除去を行うことにより、安全性を高めることができると考えられている。このように、培地成分の混入を最小限に抑えつつヒト幹細胞由来の生理活性物質を回収することが求められている。
特許文献1には、細胞増殖因子の量が低減された培養上清を生産する方法を提供することを課題とする発明が記載されており、10%FBSを含むDMEMで不死化歯髄由来幹細胞を培養し、FBSを含まない無血清培地(MesenCult培地、StemPro MSC培地、BMN211培地、StemMACS培地、MSC NutriStem培地、又はXuri MSC培地)で当該細胞を培養し、続いて、培養液を除去し、FBSを含まないDMEM培地で当該細胞を培養することが記載されている。また、特許文献1には、FBSを含むMesenCult培地で脂肪由来幹細胞を培養し、FBSを含まないMesenCult培地で当該細胞を培養し、続いて、培養液を除去し、FBSを含まないDMEM培地で当該細胞を培養することが記載されている。更に、特許文献1には、FBSを含むMesenCult培地で初代歯髄由来幹細胞を培養し、FBSを含まないMesenCult培地で当該細胞を培養し、続いて、培養液を除去し、FBSを含まないDMEM培地で当該細胞を培養することが記載されている。加えて、特許文献1には、FBSを含むMesenCult培地で初代歯髄由来幹細胞を培養し、MesenCult、DMEM、又はPrime-XV培地で当該細胞を培養し、続いて、培養液を除去し、DMEM培地で当該細胞を培養することが記載されている。特許文献1には、これらの場合には、最終培養後の上清にウシ胎児血清由来のBSAが検出されなかったことが記載されている。
特許文献1の意見書においては、このように培養上清に含まれる不純物が低減されることは、これらのFBSを含まない無血清培地であるMesenCult培地、StemPro MSC培地、BMN211培地、StemMACS培地、MSC NutriStem培地、若しくはXuri MSC培地、又は血清不含培地であるMesenCult培地、若しくはPrime-XV培地と、FBSを含まないDMEM培地とを組み合わせることによることが主張されている。
特許文献2には、動物細胞の培養に際して、血清含有培地で培養していた細胞を無血清培地で培養するためには、培地中の血清成分を徐々に下げて無血清の環境に細胞を馴らす必要があり、この期間中は効率的にタンパク質を製造することができなかったという課題を解決するための方法として、接着性を有する動物細胞を、血清含有培地で培養基材に接着するまで培養した後、培養基材に接着している当該細胞を、直接、無血清培地で培養することを特徴とする、動物細胞の培養方法が記載されている。しかしながら、特許文献2には、複数の洗浄操作(培地交換)を行うことの記載や示唆はない。
特許文献3には、血清を含まない培地(無血清培地)で歯髄幹細胞を培養することによって、血清を含まない培養上清を調製することができ、1回又は複数回の継代培養を行うことにし、最後又は最後から数回の継代培養を無血清培地で培養することによっても、血清を含まない培養上清を得ることができることが記載されている。しかしながら、特許文献3には、無血清培地で培養することを複数回行ったことを示す実験結果の記載はなく、この記載は、引用発明を認定するための記載としての適格性を欠くものであった。
特許文献4にも、血清を含まない培地(無血清培地)で歯髄幹細胞を培養することによって、血清を含まない培養上清を調製することができ、1回又は複数回の継代培養を行うことにし、最後又は最後から数回の継代培養を無血清培地で培養することによっても、血清を含まない培養上清を得ることができることが記載されている。しかしながら、特許文献4にも、無血清培地で培養することを複数回行ったことを示す実験結果の記載はなく、この記載は、引用発明を認定するための記載としての適格性を欠くものであった。
特許文献5には、無血清浮遊細胞へ馴化させるため、各種の栄養素を添加した無血清培地で細胞の増殖が安定するまで維代培養を行ったことが記載されている。しかしながら、ここでは、得られた細胞の培養上清から組換え体ヒトFSH(卵胞刺激ホルモン)を抽出することが想定されており、細胞の培養上清そのものを医薬組成物、化粧用組成物、又は食品組成物として用いることや、これらに含めることは想定されていない。
特許文献6には、無血清培地での継代を4~6回行い、無血清培地への馴化を行ったことが記載されている。しかしながら、ここでは、得られた細胞の培養上清から有用タンパク質を抽出することが想定されており、細胞の培養上清そのものを医薬組成物、化粧用組成物、又は食品組成物として用いることや、これらに含めることは想定されていない。
特許6860915号公報 特開2014-039503号公報 国際公開第2011/118795号 国際公開第2014/126176号 特開2009-273427号公報 特開2009-045019号公報
Colter, D. C., Sekiya, I. & Prockop, D. J. Identification of a subpopulation of rapidly self-renewing and multipotential adult stem cells in colonies of human marrow stromal cells. Proc Natl Acad Sci. 2001;98:7841-7845. Sekiya I., Muneta T., Horie M. & Koga H. Arthroscopic Transplantation of Synovial Stem Cells Improves Clinical Outcomes in Knees With Cartilage Defects. Clin Orthop Relat Res. 2015;473:2316-26. Osugi M., Katagiri, W., Yoshimi, R., Inukai, T., Hibi, H., Ueda M. Conditioned media from mesenchymal stem cells enhanced bone regeneration in rat calvarial bone defects. Tissue Engineering Part A.2012;18:1479-1489 Shohara, R., Yamamoto, A., Takikawa, S., Iwase, A., Hibi, H., Kikkawa, F., Ueda, M. Mesenchymal stromal cells of human umbilical cord Wharton's jelly accelerate wound healing by paracrine mechanisms. Cytotherapy,2012;14(10):1171-1181 Kawai, T., Katagiri, W., Osugi, M., Sugimura, Y., Hibi, H., Ueda, M. Secretomes from bone marrow-derived mesenchymal stromal cells enhance periodontal tissue regeneration. Cytotherapy,2015;17(4):369-381
特許文献1の実施例においては、特許文献1の発明の方法を用いた場合には、培養上清に含まれる不純物が全く検出されなかったことが記載されており、特許文献1の発明の方法において、不純物を更に低減することは観念されなかった。また、前述のとおり、特許文献1の意見書によれば、特許文献1の発明において培養上清に含まれる不純物が低減されることは、特定の成分を含む培地と特定の成分を含む培地とを組み合わせて得られる各成分の相互作用によるものとされており、培養液を除去することそれ自体は特許文献1の発明の課題を解決するための特徴を構成する手段としては位置づけられていなかった。これらの事情によれば、特許文献1の発明において、培養液を除去する工程を更に繰り返すことによって、特許文献1の発明を前提としてその発明を発展させることについては、当業者は阻害される状況にあった。また、特許文献1等においては、血清を含む培地における培養の後に、血清を含まない培地における培養が行われており、血清を含まない培地における培養の後に、当該血清を含まない培地に含まれる成分を含まない培地において培養することの記載はない。
しかるところ、本発明者らが検討したところ、細胞増殖因子を含む培地で培養した細胞を用いて細胞の培養上清を生産するにあたって、培養液を除去する工程を含めたとしても、生産された細胞の培養上清には細胞増殖因子が検出されることがあった(例えば、本願の図3~図4のサンプル丸2参照)。
したがって、本発明は、細胞増殖因子などを含む培地で培養した細胞を用いる場合であっても、前記の細胞増殖因子などの当該培地に含まれる成分の含有量が低減された細胞又は細胞の培養上清を生産する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、培地に含まれる各種成分は細胞内に取り込まれることで増殖活性など多岐に渡る作用を発揮していることから、細胞内に一過性に取り込まれて、その後に再び培地中に放出される成分が存在する可能性を否定できないと考え、細胞増殖過程で使用される培地成分(FBSや血漿、アルブミン、FGF2など)は、細胞内に取り込まれた後、一定期間経って再び培地中に放出される可能性があることを考え、鋭意検討したところ、洗浄操作(培地交換)を行うことによって、このような現象のもとで確認される培地成分を取り除くことができることを見出した。すなわち、培地由来の組み換えタンパク質などの不要成分はPBS洗浄等で洗い流せるという常識があったが、実は、細胞内に取り込まれたものは一瞬の洗浄作業では洗い流されず、時間をかけて培地中に放出されており、そのため、培地での放出期間を設ける必要があることを本発明者らは見出した。一般的に細胞を培養するためには血清や組み換えタンパク質、抗生物質などが含まれた増殖用培地の使用が必要であるが、このような不純物はアナフィラキシーショックや低血糖症状などの副作用につながる恐れがあり、安全性の観点から培地由来成分の除去技術が望まれている。これまではPBS(リン酸緩衝食塩水)などによる洗浄作業で不純物を取り除くことができると考えられていたが、本発明者らは、これらの不純物は培養中の細胞内に取り込まれ、時間と共に徐々に再放出されることを見出し、これを除去する方法を見出した。このような増殖用培地由来の不純物は上清液やエクソソームなどの製造後に除去することが難しいものであり、本発明の方法は、安全性の高い細胞及び細胞の培養上清を生産することができる点で優れている。
すなわち、本発明は、以下を提供するものである。
[態様1]
細胞又は細胞の培養上清を生産する方法であって、
血清を含まない第一の培地で細胞を培養して、第一の細胞を取得する工程、
取得された第一の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い第二の培地で培養して、第二の細胞及び第二の細胞の培養上清を取得する工程、
取得された第二の細胞及び第二の細胞の培養上清から、第二の細胞の培養上清を除去して、第二の細胞を取得する工程、及び
取得された第二の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い第三の培地で培養して、第三の細胞及び第三の細胞の培養上清を取得し、第三の細胞又は第三の細胞の培養上清を生産する工程
を含む、方法。
[態様2]
細胞又は細胞の培養上清を生産する方法であって、
第一の培地で細胞を培養して、第一の細胞を取得する工程、
取得された第一の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い第二の培地で培養して、第二の細胞及び第二の細胞の培養上清を取得する工程、
取得された第二の細胞及び第二の細胞の培養上清から、第二の細胞の培養上清を除去して、第二の細胞を取得する工程、
取得された第二の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い第三の培地で培養して、第三の細胞及び第三の細胞の培養上清を取得する工程、
取得された第三の細胞及び第三の細胞の培養上清から、第三の細胞の培養上清を除去して、第三の細胞を取得する工程、及び
取得された第三の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い第四の培地で培養して、第四の細胞及び第四の細胞の培養上清を取得し、第四の細胞又は第四の細胞の培養上清を生産する工程
を含む、方法。
[態様3]
態様2に記載の方法であって、取得された第四の細胞及び第四の細胞の培養上清から、第四の細胞の培養上清を除去して、第四の細胞を取得する工程、及び取得された第四の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い第五の培地で培養して、第五の細胞及び第五の細胞の培養上清を取得し、第五の細胞又は第五の細胞の培養上清を生産する工程を含む、方法。
[態様4]
態様3に記載の方法であって、取得された第五の細胞及び第五の細胞の培養上清から、第五の細胞の培養上清を除去して、第五の細胞を取得する工程、及び取得された第五の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い第六の培地で培養して、第六の細胞及び第六の細胞の培養上清を取得し、第六の細胞又は第六の細胞の培養上清を生産する工程を含む、方法。
[態様5]
細胞が、脂肪組織由来幹細胞である、態様2に記載の方法。
[態様6]
細胞が、ヒト細胞である、態様2に記載の方法。
[態様7]
第一の培地に含まれる成分が、細胞増殖因子である、態様2に記載の方法。
[態様8]
細胞増殖因子が、非ヒトタンパク質である、態様7に記載の方法。
[態様9]
細胞増殖因子が、血清又は血漿である、態様7に記載の方法。
[態様10]
第一の培地が、細胞増殖因子を0.5体積%以上含む、態様7に記載の方法。
[態様11]
第一の培地が、組み換えタンパク質を0.0000001体積%~1体積%含む、態様2に記載の方法。
[態様12]
第一の培地が、細胞増殖因子を8体積%以上含む、態様10に記載の方法。
[態様13]
第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い第二の培地が、基礎培地である、態様2に記載の方法。
[態様14]
第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い第三の培地が、基礎培地である、態様2に記載の方法。
[態様15]
第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い第四の培地が、基礎培地である、態様2に記載の方法。
[態様16]
第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い第五の培地が、基礎培地である、態様3に記載の方法。
[態様17]
第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い第六の培地が、基礎培地である、態様4に記載の方法。
[態様18]
取得された第一の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い第二の培地で培養する時間が、1時間~192時間である、態様2に記載の方法。
[態様19]
取得された第二の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い第三の培地で培養する時間が、1時間~192時間である、態様2に記載の方法。
[態様20]
取得された第三の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い第四の培地で培養する時間が、1時間~192時間である、態様2に記載の方法。
[態様21]
取得された第四の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い第五の培地で培養する時間が、1時間~192時間である、態様3に記載の方法。
[態様22]
取得された第五の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い第六の培地で培養する時間が、1時間~192時間である、態様4に記載の方法。
[態様23]
第一の細胞を取得するに先立ち、第一の細胞を洗浄する工程を含む、態様2に記載の方法。
[態様24]
第二の細胞を取得するに先立ち、第二の細胞を洗浄する工程を含む、態様2に記載の方法。
[態様25]
第三の細胞を取得するに先立ち、第三の細胞を洗浄する工程を含む、態様2に記載の方法。
[態様26]
第四の細胞を取得するに先立ち、第四の細胞を洗浄する工程を含む、態様3に記載の方法。
[態様27]
第五の細胞を取得するに先立ち、第五の細胞を洗浄する工程を含む、態様4に記載の方法。
[態様28]
細胞又は細胞の培養上清が、医薬組成物、化粧用組成物、食品組成物、再生医療等製品、又は特定細胞加工物として用いるためのものである、又はこれらに含めるためのものである、態様1~27に記載の方法。
本発明によれば、細胞増殖因子などを含む培地で培養した細胞を用いる場合であっても、前記の細胞増殖因子などの当該培地に含まれる成分の含有量が低減された細胞の培養上清を生産することができ、再生医療や新しい創薬として期待されるエクソソームや上清液の安全性を高めることにつながる。また、本発明によれば、洗浄した細胞を生産することができ、本発明により生産された細胞は、例えば、細胞を移植する治療に用いることができる。すなわち、本発明によって、従来の洗浄方法では取り除くことのできなかった不純物質を大幅に除去することが可能となった。本発明は再生医療全般から上清液、エクソソームなどの細胞培養を要するプロダクトに広く適用可能であり、今後の安全性向上に資する重要技術となり得る。
図1は、各種の濃度(左上の数値:体積%)でFBSを含むようにFBSをDMEM培地に加えて得られた培地で培養した細胞を用いて実施例1の方法を行って回収したサンプル丸4における細胞の外観を示す写真である。 図2は、DMEM培地(FBSを含まない。)で培養した細胞を用いて実施例1の方法を行って回収したサンプル丸1~丸4についてのELISA試験の結果を示すグラフである。 図3は、FBSを10体積%含むようにFBSをDMEM培地に加えて得られた培地で培養した細胞を用いて実施例1の方法を行って回収したサンプル丸1~丸4についてのELISA試験の結果を示すグラフである。 図4は、FBSを20体積%含むようにFBSをDMEM培地に加えて得られた培地で培養した細胞を用いて実施例1の方法を行って回収したサンプル丸1~丸4についてのELISA試験の結果を示すグラフである。 図5は、実施例2及び実施例3で行った試験の工程を示す模式図である。 図6は、実施例4で行ったサンプルの回収のための試験の各工程を示す模式図である。 図7は、実施例4で得られた各サンプルにおけるVEGFタンパク質の濃度を示すグラフである。 図8は、実施例5で行った試験の工程を示す模式図である。 図9は、実施例5で得られた各サンプルにおけるHGFの濃度を示すグラフである。 図10は、実施例5で得られた各サンプルにおけるIL-6の濃度を示すグラフである。
本発明は、細胞又は細胞の培養上清を生産する方法であって、
(第一工程)血清を含まない第一の培地で細胞を培養して、第一の細胞を取得する工程、
(第二工程)取得された第一の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第二の培地で培養して、第二の細胞及び第二の細胞の培養上清を取得する工程、
(第三工程)取得された第二の細胞及び第二の細胞の培養上清から、第二の細胞の培養上清を除去して、第二の細胞を取得する工程、及び
(第四工程)取得された第二の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第三の培地で培養して、第三の細胞及び第三の細胞の培養上清を取得し、第三の細胞又は第三の細胞の培養上清を生産する工程
を含む、方法を提供する。
第一工程:
後述する第一工程と同様であるが、細胞の培養は、血清を含まない第一の培地において行われる。
第二工程:
後述する第二工程と同様である。
第三工程:
後述する第三工程と同様である。
第四工程:
後述する第四工程と同様であるが、本発明の細胞の培養上清を生産する方法は、(第五工程)取得された第三の細胞及び第三の細胞の培養上清から、第三の細胞の培養上清を除去して、第三の細胞を取得する工程、及び(第六工程)取得された第三の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第四の培地で培養して、第四の細胞及び第四の細胞の培養上清を取得し、第四の細胞又は第四の細胞の培養上清を生産する工程を含んでもよい。すなわち、本発明の細胞の培養上清を生産する方法は、取得された第三の細胞の培養上清をもって、生産する細胞の培養上清とする方法を包含するのみならず、取得された第三の細胞の培養上清を除去して、第三の細胞を取得し、取得された第三の細胞又はこれに由来する細胞を更に培養して、別の細胞および別の細胞の培養上清を取得し、このようにして取得された別の細胞又は別の細胞の培養上清をもって、生産する細胞又は細胞の培養上清とする方法も包含する。また、本発明の細胞の培養上清を生産する方法は、(第七工程)取得された第四の細胞及び第四の細胞の培養上清から、第四の細胞の培養上清を除去して、第四の細胞を取得する工程、及び(第八工程)取得された第四の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第五の培地で培養して、第五の細胞及び第五の細胞の培養上清を取得し、第五の細胞又は第五の細胞の培養上清を生産する工程を含んでもよい。すなわち、本発明の細胞の培養上清を生産する方法は、取得された第四の細胞の培養上清をもって、生産する細胞の培養上清とする方法を包含するのみならず、取得された第四の細胞の培養上清を除去して、第四の細胞を取得し、取得された第四の細胞又はこれに由来する細胞を更に培養して、別の細胞および別の細胞の培養上清を取得し、このようにして取得された別の細胞又は別の細胞の培養上清をもって、生産する細胞又は細胞の培養上清とする方法も包含する。更に、本発明の細胞の培養上清を生産する方法は、(第九工程)取得された第五の細胞及び第五の細胞の培養上清から、第五の細胞の培養上清を除去して、第五の細胞を取得する工程、及び(第十工程)取得された第五の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第六の培地で培養して、第六の細胞及び第六の細胞の培養上清を取得し、第六の細胞又は第六の細胞の培養上清を生産する工程を含んでもよい。すなわち、本発明の細胞の培養上清を生産する方法は、取得された第五の細胞の培養上清をもって、生産する細胞の培養上清とする方法を包含するのみならず、取得された第五の細胞の培養上清を除去して、第五の細胞を取得し、取得された第五の細胞又はこれに由来する細胞を更に培養して、別の細胞及び別の細胞の培養上清を取得し、このようにして取得された別の細胞又は別の細胞の培養上清をもって、生産する細胞又は細胞の培養上清とする方法も包含する。同様に、本発明の細胞の培養上清を生産する方法は、(第十一工程)取得された第六の細胞及び第六の細胞の培養上清から、第六の細胞の培養上清を除去して、第六の細胞を取得する工程、及び(第十二工程)取得された第六の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第七の培地で培養して、第七の細胞及び第七の細胞の培養上清を取得し、第七の細胞又は第七の細胞の培養上清を生産する工程を含んでもよい。すなわち、本発明の細胞の培養上清を生産する方法は、取得された第六の細胞の培養上清をもって、生産する細胞の培養上清とする方法を包含するのみならず、取得された第六の細胞の培養上清を除去して、第六の細胞を取得し、取得された第六の細胞又はこれに由来する細胞を更に培養して、別の細胞及び別の細胞の培養上清を取得し、このようにして取得された別の細胞又は別の細胞の培養上清をもって、生産する細胞又は細胞の培養上清とする方法も包含する。このような別の細胞の培養上清の取得は、これまで詳述した方法と同様の方法により行うことができる。したがって、本発明の細胞の培養上清を生産する方法において、生産する細胞又は細胞の培養上清は、取得された第三の細胞又は第三の細胞の培養上清や、取得された第四の細胞又は第四の細胞の培養上清や、取得された第五の細胞又は第五の細胞の培養上清や、取得された第六の細胞又は第六の細胞の培養上清や、取得された第七の細胞又は第七の細胞の培養上清でありうるが、これらに限定されることなく、同様の方法により取得された別の細胞又は別の細胞の培養上清でもありうる。なお、ここで、第五工程~第十二工程は、後述する第五工程~第十二工程と同様である。
更に、本発明は、細胞又は細胞の培養上清を生産する方法であって、
(第一工程)第一の培地で細胞を培養して、第一の細胞を取得する工程、
(第二工程)取得された第一の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第二の培地で培養して、第二の細胞及び第二の細胞の培養上清を取得する工程、
(第三工程)取得された第二の細胞及び第二の細胞の培養上清から、第二の細胞の培養上清を除去して、第二の細胞を取得する工程、
(第四工程)取得された第二の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第三の培地で培養して、第三の細胞及び第三の細胞の培養上清を取得する工程、
(第五工程)取得された第三の細胞及び第三の細胞の培養上清から、第三の細胞の培養上清を除去して、第三の細胞を取得する工程、及び
(第六工程)取得された第三の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第四の培地で培養して、第四の細胞及び第四の細胞の培養上清を取得し、第四の細胞又は第四の細胞の培養上清を生産する工程
を含む、方法を提供する。
第一工程:
細胞としては、例えば、幹細胞が挙げられる。幹細胞としては、組織、例えば、脂肪組織、臍帯、羊膜、羊水、歯髄、ワルトン膠様質(Wharon’s jelly)、CPJ(Cord Placenta Junction)、絨毛膜、肝臓、肺、脊椎、臍帯血、胎盤、末梢血、真皮、子宮内膜、母乳、毛包などに由来する幹細胞が挙げられる。これらの組織に由来する幹細胞としては、例えば、これらの組織から単離された幹細胞が挙げられる。また、幹細胞としては、例えば、間葉系幹細胞(MSC)、造血幹細胞、神経堤幹細胞などが挙げられる。間葉系幹細胞(MSC)は、臍帯、骨髄、脂肪組織などの複数の組織に存在する多能性の成体幹細胞である。間葉系幹細胞(MSC)は稀な細胞であるが、骨髄には1万から10万個の有核骨髄細胞につき1個の割合で存在すると推定されている。間葉系幹細胞(MSC)は自己増殖能を有し、骨芽細胞(骨細胞)、軟骨細胞、筋細胞、脂肪細胞などの様々な細胞種に分化することができる。また、細胞としては、例えば、ES細胞、iPS細胞、及びそれら幹細胞から分化誘導された細胞も挙げられる。
細胞としては、例えば、動物の細胞が挙げられる。動物としては、例えば、脊椎動物のほか、無脊椎動物が挙げられる。脊椎動物としては、例えば、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類などが挙げられる。哺乳類としては、例えば、マウス、ヒトなどが挙げられる。無脊椎動物としては、例えば、昆虫類、甲殻類、クモ類及び多足類などの節足動物のほか、軟体動物などが挙げられる。好ましい動物は、哺乳類であり、好ましい哺乳類は、ヒトである。
第一の培地で細胞を培養して、第一の細胞を取得する工程において、第一の培地で細胞を培養する時間は、例えば、1時間以上、2時間以上、3時間以上、4時間以上、5時間以上、6時間以上、7時間以上、8時間以上、9時間以上、10時間以上、15時間以上、20時間以上、25時間以上、30時間以上、35時間以上、40時間以上、45時間以上、50時間以上、55時間以上、60時間以上、65時間以上、70時間以上、75時間以上、80時間以上、85時間以上、90時間以上、95時間以上、100時間以上、105時間以上、110時間以上、115時間以上120時間以上、125時間以上130時間以上、135時間以上140時間以上、145時間以上150時間以上、155時間以上160時間以上、又は165時間以上である。
第一の培地で細胞を培養して、第一の細胞を取得する工程において、第一の培地で細胞を培養する時間は、例えば、400時間以下、350時間以下、300時間以下、250時間以下、200時間以下、195時間以下、190時間以下、185時間以下、180時間以下、175時間以下、170時間以下、165時間以下、160時間以下、155時間以下、150時間以下、145時間以下、140時間以下、135時間以下、130時間以下、125時間以下、120時間以下、115時間以下、110時間以下、105時間以下、100時間以下、95時間以下、90時間以下、85時間以下、80時間以下、75時間以下、70時間以下、65時間以下、60時間以下、55時間以下、50時間以下、45時間以下、40時間以下、35時間以下、30時間以下、25時間以下、又は20時間以下である。
第一の培地で細胞を培養して、第一の細胞を取得する工程において、第一の培地で細胞を培養する時間は、例えば、上記の任意の下限と上記の任意の上限から特定される範囲である。
第一の培地で細胞を培養して、第一の細胞を取得する工程において、第一の培地で細胞を培養する温度は、例えば、20℃~45℃、30℃~40℃、又は35℃~38℃である。また、当該培養の際の酸素濃度は、通常は20%であるが、例えば、0%~40%、5%~35%、10%~30%、又は15%~25%である。
第一の培地に含まれる成分における成分としては、例えば、組み換えタンパク質、抗生物質、細胞増殖因子などが挙げられる。第一の培地に含まれる成分における成分は、好ましくは、細胞増殖因子である。細胞増殖因子は、例えば、第一の培地で培養する細胞が由来しない生物のタンパク質である。すなわち、第一の培地で培養する細胞がヒトに由来する場合には、細胞増殖因子は、例えば、非ヒトタンパク質である。また、第一の培地に含まれる成分における成分としては、ヒトに由来するタンパク質(ヒトタンパク質)も挙げられる。培地に由来するヒトタンパク質は、基本的に合成タンパク質であり、二次原料の製法によっては安全性が懸念される。本発明は、これらのヒトタンパク質を含む合成物を取り除き、細胞由来分泌物(タンパク質等)の構成比を高めることが目的である。細胞増殖因子としては、例えば、分子量が20,000以下のペプチドで、受容体との結合により低濃度で作用が発揮される因子が挙げられる。より具体的には、細胞増殖因子としては、例えば、EGF(epidermal growth factor)又はそれと実質的に同一の活性を有する物質(例えば、TGFalphaなど)、インスリン又はそれと実質的に同一の活性を有する物質(例えば、インスリン、IGF(insulin-like growth factor)-1、IGF-2など)、FGF(fibroblast growth factor)又はそれと実質的に同一のアッセイを有する物質(例えば、酸性FGF、塩基性FGF、KGK(keratinocyte growth factor)、FGF-10など)、及びその他の細胞増殖因子(例えば、IL-2、IL-15、IL-7、IL-9、IL-21などのサイトカイン、CSF(colony stimukating factor)、EPO(erythropoietin)、NGF(nerve growth factor)、PDGF(platelet-derived growth factor)、TGF-beta(transforming growth factor beta)、HGF(hepatocyte growth factor)、VEGF(vascular endothelial growth factor)、へレグリン、アンジオポエチンなど)などが挙げられる。また、細胞増殖因子としては、例えば、血清、血漿、アルブミンなどが挙げられる。血清、血漿としては、ヒトの血清、血漿のほか、非ヒトの血清、血漿が挙げられる。
第一の培地が組み換えタンパク質、抗生物質、又は細胞増殖因子を含む場合、第一の培地に含まれる組み換えタンパク質、抗生物質、又は細胞増殖因子の量は、例えば、0.1体積%以上、0.2体積%以上、0.3体積%以上、0.4体積%以上、0.5体積%以上、1体積%以上、2体積%以上、3体積%以上、4体積%以上、5体積%以上、6体積%以上、7体積%以上、8体積%以上、9体積%以上、10体積%以上、11体積%以上、12体積%以上、13体積%以上、14体積%以上、15体積%以上、16体積%以上、17体積%以上、18体積%以上、又は19体積%以上である。また、第一の培地に含まれる組み換えタンパク質、抗生物質、又は細胞増殖因子の量は、例えば、0.0001μg/ml以上、0.001μg/ml以上、0.01μg/ml以上、0.1μg/ml以上、1μg/ml以上、10μg/ml以上、100μg/ml以上、又は1000μg/ml以上である。第一の培地に含まれる組み換えタンパク質の量は、例えば、0.0000001体積%以上、0.000001体積%以上、0.00001体積%以上、0.0001体積%以上、0.001体積%以上、0.01体積%以上、0.1体積%以上、又は1体積%以上である。ここで、第一の培地に含まれる組み換えタンパク質、抗生物質、又は細胞増殖因子の量が所定の数値体積%以上又は所定の数値μg/ml以上であることは、第一の培地に含まれる組み換えタンパク質、抗生物質、又は細胞増殖因子の総量が当該所定の数値体積%以上又は当該所定の数値μg/ml以上であることを含意しうるほか、第一の培地に含まれる特定の組み換えタンパク質、抗生物質、又は細胞増殖因子の総量が当該所定の数値体積%以上又は当該所定の数値μg/ml以上であることも含意しうる。
第一の培地が組み換えタンパク質、抗生物質、又は細胞増殖因子を含む場合、第一の培地に含まれる組み換えタンパク質、抗生物質、又は細胞増殖因子の量は、例えば、35体積%以下、34体積%以下、33体積%以下、32体積%以下、31体積%以下、30体積%以下、29体積%以下、28体積%以下、27体積%以下、26体積%以下、25体積%以下、24体積%以下、23体積%以下、22体積%以下、又は21体積%以下である。また、第一の培地に含まれる組み換えタンパク質、抗生物質、又は細胞増殖因子の量は、1,000,000μg/ml以下、100,000μg/ml以下、10,000μg/ml以下、又は5,000μg/ml以下である。第一の培地に含まれる組み換えタンパク質の量は、例えば、1体積%以下、0.1体積%以下、0.01体積%以下、0.001体積%以下、0.0001体積%以下、0.00001体積%以下、0.000001体積%以下、又は0.0000001体積%以下である。ここで、第一の培地に含まれる組み換えタンパク質、抗生物質、又は細胞増殖因子の量が所定の数値体積%以下又は所定の数値μg/ml以下であることは、第一の培地に含まれる組み換えタンパク質、抗生物質、又は細胞増殖因子の総量が当該所定の数値体積%以下又は当該所定の数値μg/ml以下であることを含意しうるほか、第一の培地に含まれる特定の組み換えタンパク質、抗生物質、又は細胞増殖因子の総量が当該所定の数値体積%以下又は当該所定の数値μg/ml以下であることも含意しうる。
第一の培地が組み換えタンパク質、抗生物質、又は細胞増殖因子を含む場合、第一の培地に含まれる組み換えタンパク質、抗生物質、又は細胞増殖因子の量は、例えば、上記の任意の下限と上記の任意の上限から特定される範囲である。
第一の培地で細胞を培養して、第一の細胞を取得する工程において、第一の細胞を取得するに先立ち、例えば、第一の細胞と第一の細胞の培養上清の分離が行われる。第一の細胞と第一の細胞の培養上清の分離は、例えば、遠心分離などにより行われる。遠心分離は、例えば、500rpm~5,000rpm、750rpm~3,000rpm、又は1,000rpm~2,000rpmの条件で行われる。遠心分離が行われる時間は、例えば、1分~20分、2分~15分、3分~10分、又は4分~7分である。当該分離は、フィルター濾過による分離であってもよい。フィルターの孔径は、例えば、1μm以下、0.9μm以下、0.8μm以下、0.7μm以下、0.6μm以下、0.5μm以下、0.4μm以下、又は0.3μm以下であり、例えば、0.05μm以上、0.06μm以上、0.07μm以上、0.08μm以上、0.09μm以上、0.1μm以上、又は0.2μm以上であり、0.22μm、0.45μmなどが好ましい。第一の細胞の培養上清は、好ましくは、除去される。
第一の培地で細胞を培養して、第一の細胞を取得する工程は、第一の細胞を取得するに先立ち、第一の細胞を洗浄する工程を含んでもよい。第一の細胞を洗浄する工程においては、例えば、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない溶液を用いて第一の細胞を洗浄する。ここで、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない溶液は、第一の培地に含まれる全ての成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる全ての成分を含まない溶液であってもよいが、これに限定されず、第一の培地に含まれる特定の成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる特定の成分を含まない溶液であってもよい。第一の培地に含まれる特定の成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる特定の成分を含まない溶液は、第一の培地に含まれる別の特定の成分の濃度が第一の培地と同じ、若しくはこれより高い、又は第一の培地に含まれない別の特定の成分を含む溶液であってもよい。第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない溶液における溶液としては、例えば、バッファー、生理食塩水、培地などが挙げられる。培地としては、例えば、基礎培地、低血清培地、無血清培地などが挙げられる。基礎培地としては、例えば、基礎培地としては、例えば、IMDM培地、Medium 199培地、Eagle's Minimum Essential Medium(EMEM)培地、αMEM培地、Dulbecco's modified Eagle's Medium(DMEM)培地、Ham's F12培地、RPMI 1640培地、Fischer's培地、およびこれらの混合培地などが挙げられる。また、基礎培地は、例えば、合成タンパク質を含まない無機塩類、ビタミン類、アミノ酸、糖類などで構成される培地(MEM、MEM-a、DMEM、DMEM high-glucose、PRIMなど)であってもよい。ここで、基礎培地は、必要に応じて、N2サプリメント(Invitrogen)、B27サプリメント(Invitrogen)、脂肪酸、インスリン、亜セレン酸ナトリウム、エタノールアミン、コラーゲン前駆体、微量元素、2-メルカプトエタノール、3’-チオールグリセロール、脂質、アミノ酸、L-グルタミン、GlutaMAX(Invitrogen)、非必須アミノ酸(NEAA)、ピルビン酸ナトリウム(sodium pyruvate)、ビタミン、低分子化合物、抗生物質、抗酸化剤、ピルビン酸、緩衝剤、無機塩類などの物質を含んでもよい。第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない溶液は、例えば、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第二の培地であってもよい。
第二工程:
取得された第一の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第二の培地で培養して、第二の細胞及び第二の細胞の培養上清を取得する工程において、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第二の培地は、第一の培地に含まれる全ての成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる全ての成分を含まない培地であってもよいが、これに限定されず、第一の培地に含まれる特定の成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる特定の成分を含まない培地であってもよい。第一の培地に含まれる特定の成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる特定の成分を含まない培地は、第一の培地に含まれる別の特定の成分の濃度が第一の培地と同じ、若しくはこれより高い、又は第一の培地に含まれない別の特定の成分を含む培地であってもよい。第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第二の培地における培地としては、基礎培地、低血清培地、無血清培地などが挙げられる。基礎培地としては、例えば、基礎培地としては、例えば、IMDM培地、Medium 199培地、Eagle's Minimum Essential Medium(EMEM)培地、αMEM培地、Dulbecco's modified Eagle's Medium(DMEM)培地、Ham's F12培地、RPMI 1640培地、Fischer's培地、およびこれらの混合培地などが挙げられる。また、基礎培地は、例えば、合成タンパク質を含まない無機塩類、ビタミン類、アミノ酸、糖類などで構成される培地(MEM、MEM-a、DMEM、DMEM high-glucose、PRIMなど)であってもよい。ここで、基礎培地は、必要に応じて、N2サプリメント(Invitrogen)、B27サプリメント(Invitrogen)、脂肪酸、インスリン、亜セレン酸ナトリウム、エタノールアミン、コラーゲン前駆体、微量元素、2-メルカプトエタノール、3’-チオールグリセロール、脂質、アミノ酸、L-グルタミン、GlutaMAX(Invitrogen)、非必須アミノ酸(NEAA)、ピルビン酸ナトリウム(sodium pyruvate)、ビタミン、低分子化合物、抗生物質、抗酸化剤、ピルビン酸、緩衝剤、無機塩類などの物質を含んでもよい。
取得された第一の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第二の培地で培養する時間は、例えば、1時間以上、2時間以上、3時間以上、4時間以上、5時間以上、6時間以上、7時間以上、8時間以上、9時間以上、10時間以上、15時間以上、又は20時間以上である。
取得された第一の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第二の培地で培養する時間は、例えば、250時間以下、240時間以下、230時間以下、220時間以下、210時間以下、200時間以下、190時間以下、180時間以下、170時間以下、160時間以下、150時間以下、140時間以下、130時間以下、120時間以下、110時間以下、100時間以下、95時間以下、90時間以下、85時間以下、80時間以下、75時間以下、70時間以下、65時間以下、60時間以下、55時間以下、50時間以下、45時間以下、40時間以下、35時間以下、30時間以下、又は25時間以下である。
取得された第一の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第二の培地で培養する時間は、例えば、上記の任意の下限と上記の任意の上限から特定される範囲である。
取得された第一の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第二の培地で培養する温度は、例えば、20℃~45℃、30℃~40℃、又は35℃~38℃である。また、当該培養の際の酸素濃度は、通常は20%であるが、例えば、0%~40%、5%~35%、10%~30%、又は15%~25%である。
第三工程:
取得された第二の細胞及び第二の細胞の培養上清から、第二の細胞の培養上清を除去して、第二の細胞を取得する工程において、第二の細胞の培養上清を除去するに先立ち、例えば、第二の細胞と第二の細胞の培養上清の分離が行われる。第二の細胞と第二の細胞の培養上清の分離は、例えば、遠心分離などにより行われる。遠心分離は、例えば、500rpm~5,000rpm、750rpm~3,000rpm、又は1,000rpm~2,000rpmの条件で行われる。遠心分離が行われる時間は、例えば、1分~20分、2分~15分、3分~10分、又は4分~7分である。当該分離は、フィルター濾過による分離であってもよい。フィルターの孔径は、例えば、1μm以下、0.9μm以下、0.8μm以下、0.7μm以下、0.6μm以下、0.5μm以下、0.4μm以下、又は0.3μm以下であり、例えば、0.05μm以上、0.06μm以上、0.07μm以上、0.08μm以上、0.09μm以上、0.1μm以上、又は0.2μm以上であり、0.22μm、0.45μmなどが好ましい。
取得された第二の細胞及び第二の細胞の培養上清から、第二の細胞の培養上清を除去して、第二の細胞を取得する工程は、第二の細胞を取得するに先立ち、第二の細胞を洗浄する工程を含んでもよい。第二の細胞を洗浄する工程においては、例えば、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない溶液を用いて第二の細胞を洗浄する。ここで、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない溶液は、第一の培地に含まれる全ての成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる全ての成分を含まない溶液であってもよいが、これに限定されず、第一の培地に含まれる特定の成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる特定の成分を含まない溶液であってもよい。第一の培地に含まれる特定の成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる特定の成分を含まない溶液は、第一の培地に含まれる別の特定の成分の濃度が第一の培地と同じ、若しくはこれより高い、又は第一の培地に含まれない別の特定の成分を含む溶液であってもよい。第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない溶液における溶液としては、例えば、バッファー、生理食塩水、培地などが挙げられる。培地としては、例えば、基礎培地、低血清培地、無血清培地などが挙げられる。基礎培地としては、例えば、基礎培地としては、例えば、IMDM培地、Medium 199培地、Eagle's Minimum Essential Medium(EMEM)培地、αMEM培地、Dulbecco's modified Eagle's Medium(DMEM)培地、Ham's F12培地、RPMI 1640培地、Fischer's培地、およびこれらの混合培地などが挙げられる。また、基礎培地は、例えば、合成タンパク質を含まない無機塩類、ビタミン類、アミノ酸、糖類などで構成される培地(MEM、MEM-a、DMEM、DMEM high-glucose、PRIMなど)であってもよい。ここで、基礎培地は、必要に応じて、N2サプリメント(Invitrogen)、B27サプリメント(Invitrogen)、脂肪酸、インスリン、亜セレン酸ナトリウム、エタノールアミン、コラーゲン前駆体、微量元素、2-メルカプトエタノール、3’-チオールグリセロール、脂質、アミノ酸、L-グルタミン、GlutaMAX(Invitrogen)、非必須アミノ酸(NEAA)、ピルビン酸ナトリウム(sodium pyruvate)、ビタミン、低分子化合物、抗生物質、抗酸化剤、ピルビン酸、緩衝剤、無機塩類などの物質を含んでもよい。第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない溶液は、例えば、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第三の培地であってもよい。
第四工程:
取得された第二の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第三の培地で培養して、第三の細胞及び第三の細胞の培養上清を取得する工程において、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第三の培地は、第一の培地に含まれる全ての成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる全ての成分を含まない培地であってもよいが、これに限定されず、第一の培地に含まれる特定の成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる特定の成分を含まない培地であってもよい。第一の培地に含まれる特定の成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる特定の成分を含まない培地は、第一の培地に含まれる別の特定の成分の濃度が第一の培地と同じ、若しくはこれより高い、又は第一の培地に含まれない別の特定の成分を含む培地であってもよい。第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第三の培地における培地としては、基礎培地、低血清培地、無血清培地などが挙げられる。基礎培地としては、例えば、基礎培地としては、例えば、IMDM培地、Medium 199培地、Eagle's Minimum Essential Medium(EMEM)培地、αMEM培地、Dulbecco's modified Eagle's Medium(DMEM)培地、Ham's F12培地、RPMI 1640培地、Fischer's培地、およびこれらの混合培地などが挙げられる。また、基礎培地は、例えば、合成タンパク質を含まない無機塩類、ビタミン類、アミノ酸、糖類などで構成される培地(MEM、MEM-a、DMEM、DMEM high-glucose、PRIMなど)であってもよい。ここで、基礎培地は、必要に応じて、N2サプリメント(Invitrogen)、B27サプリメント(Invitrogen)、脂肪酸、インスリン、亜セレン酸ナトリウム、エタノールアミン、コラーゲン前駆体、微量元素、2-メルカプトエタノール、3’-チオールグリセロール、脂質、アミノ酸、L-グルタミン、GlutaMAX(Invitrogen)、非必須アミノ酸(NEAA)、ピルビン酸ナトリウム(sodium pyruvate)、ビタミン、低分子化合物、抗生物質、抗酸化剤、ピルビン酸、緩衝剤、無機塩類などの物質を含んでもよい。
取得された第二の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第三の培地で培養する時間は、例えば、1時間以上、2時間以上、3時間以上、4時間以上、5時間以上、6時間以上、7時間以上、8時間以上、9時間以上、10時間以上、15時間以上、又は20時間以上である。
取得された第二の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第三の培地で培養する時間は、例えば、250時間以下、240時間以下、230時間以下、220時間以下、210時間以下、200時間以下、190時間以下、180時間以下、170時間以下、160時間以下、150時間以下、140時間以下、130時間以下、120時間以下、110時間以下、100時間以下、95時間以下、90時間以下、85時間以下、80時間以下、75時間以下、70時間以下、65時間以下、60時間以下、55時間以下、50時間以下、45時間以下、40時間以下、35時間以下、30時間以下、又は25時間以下である。
取得された第二の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第三の培地で培養する時間は、例えば、上記の任意の下限と上記の任意の上限から特定される範囲である。
取得された第二の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第三の培地で培養する温度は、例えば、20℃~45℃、30℃~40℃、又は35℃~38℃である。また、当該培養の際の酸素濃度は、通常は20%であるが、例えば、0%~40%、5%~35%、10%~30%、又は15%~25%である。
第五工程:
取得された第三の細胞及び第三の細胞の培養上清から、第三の細胞の培養上清を除去して、第三の細胞を取得する工程において、第三の細胞の培養上清を除去するに先立ち、例えば、第三の細胞と第三の細胞の培養上清の分離が行われる。第三の細胞と第三の細胞の培養上清の分離は、例えば、遠心分離などにより行われる。遠心分離は、例えば、500rpm~5,000rpm、750rpm~3,000rpm、又は1,000rpm~2,000rpmの条件で行われる。遠心分離が行われる時間は、例えば、1分~20分、2分~15分、3分~10分、又は4分~7分である。当該分離は、フィルター濾過による分離であってもよい。フィルターの孔径は、例えば、1μm以下、0.9μm以下、0.8μm以下、0.7μm以下、0.6μm以下、0.5μm以下、0.4μm以下、又は0.3μm以下であり、例えば、0.05μm以上、0.06μm以上、0.07μm以上、0.08μm以上、0.09μm以上、0.1μm以上、又は0.2μm以上であり、0.22μm、0.45μmなどが好ましい。
取得された第三の細胞及び第三の細胞の培養上清から、第三の細胞の培養上清を除去して、第三の細胞を取得する工程は、第三の細胞を取得するに先立ち、第三の細胞を洗浄する工程を含んでもよい。第三の細胞を洗浄する工程においては、例えば、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない溶液を用いて第三の細胞を洗浄する。ここで、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない溶液は、第一の培地に含まれる全ての成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる全ての成分を含まない溶液であってもよいが、これに限定されず、第一の培地に含まれる特定の成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる特定の成分を含まない溶液であってもよい。第一の培地に含まれる特定の成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる特定の成分を含まない溶液は、第一の培地に含まれる別の特定の成分の濃度が第一の培地と同じ、若しくはこれより高い、又は第一の培地に含まれない別の特定の成分を含む溶液であってもよい。第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない溶液における溶液としては、例えば、バッファー、生理食塩水、培地などが挙げられる。培地としては、例えば、基礎培地、低血清培地、無血清培地などが挙げられる。基礎培地としては、例えば、基礎培地としては、例えば、IMDM培地、Medium 199培地、Eagle's Minimum Essential Medium(EMEM)培地、αMEM培地、Dulbecco's modified Eagle's Medium(DMEM)培地、Ham's F12培地、RPMI 1640培地、Fischer's培地、およびこれらの混合培地などが挙げられる。また、基礎培地は、例えば、合成タンパク質を含まない無機塩類、ビタミン類、アミノ酸、糖類などで構成される培地(MEM、MEM-a、DMEM、DMEM high-glucose、PRIMなど)であってもよい。ここで、基礎培地は、必要に応じて、N2サプリメント(Invitrogen)、B27サプリメント(Invitrogen)、脂肪酸、インスリン、亜セレン酸ナトリウム、エタノールアミン、コラーゲン前駆体、微量元素、2-メルカプトエタノール、3’-チオールグリセロール、脂質、アミノ酸、L-グルタミン、GlutaMAX(Invitrogen)、非必須アミノ酸(NEAA)、ピルビン酸ナトリウム(sodium pyruvate)、ビタミン、低分子化合物、抗生物質、抗酸化剤、ピルビン酸、緩衝剤、無機塩類などの物質を含んでもよい。第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない溶液は、例えば、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第四の培地であってもよい。
第六工程:
取得された第三の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第四の培地で培養して、第四の細胞及び第四の細胞の培養上清を取得し、第四の細胞又は第四の細胞の培養上清を生産する工程において、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第四の培地は、第一の培地に含まれる全ての成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる全ての成分を含まない培地であってもよいが、これに限定されず、第一の培地に含まれる特定の成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる特定の成分を含まない培地であってもよい。第一の培地に含まれる特定の成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる特定の成分を含まない培地は、第一の培地に含まれる別の特定の成分の濃度が第一の培地と同じ、若しくはこれより高い、又は第一の培地に含まれない別の特定の成分を含む培地であってもよい。第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第四の培地における培地としては、基礎培地、低血清培地、無血清培地などが挙げられる。基礎培地としては、例えば、基礎培地としては、例えば、IMDM培地、Medium 199培地、Eagle's Minimum Essential Medium(EMEM)培地、αMEM培地、Dulbecco's modified Eagle's Medium(DMEM)培地、Ham's F12培地、RPMI 1640培地、Fischer's培地、およびこれらの混合培地などが挙げられる。また、基礎培地は、例えば、合成タンパク質を含まない無機塩類、ビタミン類、アミノ酸、糖類などで構成される培地(MEM、MEM-a、DMEM、DMEM high-glucose、PRIMなど)であってもよい。ここで、基礎培地は、必要に応じて、N2サプリメント(Invitrogen)、B27サプリメント(Invitrogen)、脂肪酸、インスリン、亜セレン酸ナトリウム、エタノールアミン、コラーゲン前駆体、微量元素、2-メルカプトエタノール、3’-チオールグリセロール、脂質、アミノ酸、L-グルタミン、GlutaMAX(Invitrogen)、非必須アミノ酸(NEAA)、ピルビン酸ナトリウム(sodium pyruvate)、ビタミン、低分子化合物、抗生物質、抗酸化剤、ピルビン酸、緩衝剤、無機塩類などの物質を含んでもよい。
取得された第三の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第四の培地で培養する時間は、例えば、1時間以上、2時間以上、3時間以上、4時間以上、5時間以上、6時間以上、7時間以上、8時間以上、9時間以上、10時間以上、15時間以上、又は20時間以上である。
取得された第三の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第四の培地で培養する時間は、例えば、250時間以下、240時間以下、230時間以下、220時間以下、210時間以下、200時間以下、190時間以下、180時間以下、170時間以下、160時間以下、150時間以下、140時間以下、130時間以下、120時間以下、110時間以下、100時間以下、95時間以下、90時間以下、85時間以下、80時間以下、75時間以下、70時間以下、65時間以下、60時間以下、55時間以下、50時間以下、45時間以下、40時間以下、35時間以下、30時間以下、又は25時間以下である。
取得された第三の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第四の培地で培養する時間は、例えば、上記の任意の下限と上記の任意の上限から特定される範囲である。
取得された第三の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第四の培地で培養する温度は、例えば、20℃~45℃、30℃~40℃、又は35℃~38℃である。また、当該培養の際の酸素濃度は、通常は20%であるが、例えば、0%~40%、5%~35%、10%~30%、又は15%~25%である。
第四の細胞及び第四の細胞の培養上清を取得し、第四の細胞又は第四の細胞の培養上清を生産するにあたっては、例えば、第四の細胞又は第四の細胞の培養上清を生産するに先立ち、第四の細胞と第四の細胞の培養上清の分離が行われる。第四の細胞と第四の細胞の培養上清の分離は、例えば、遠心分離などにより行われる。遠心分離は、例えば、500rpm~5,000rpm、750rpm~3,000rpm、又は1,000rpm~2,000rpmの条件で行われる。遠心分離が行われる時間は、例えば、1分~20分、2分~15分、3分~10分、又は4分~7分である。当該分離は、フィルター濾過による分離であってもよい。フィルターの孔径は、例えば、1μm以下、0.9μm以下、0.8μm以下、0.7μm以下、0.6μm以下、0.5μm以下、0.4μm以下、又は0.3μm以下であり、例えば、0.05μm以上、0.06μm以上、0.07μm以上、0.08μm以上、0.09μm以上、0.1μm以上、又は0.2μm以上であり、0.22μm、0.45μmなどが好ましい。
本発明の細胞の培養上清を生産する方法は、(第七工程)取得された第四の細胞及び第四の細胞の培養上清から、第四の細胞の培養上清を除去して、第四の細胞を取得する工程、及び(第八工程)取得された第四の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第五の培地で培養して、第五の細胞及び第五の細胞の培養上清を取得し、第五の細胞又は第五の細胞の培養上清を生産する工程を含んでもよい。すなわち、本発明の細胞の培養上清を生産する方法は、取得された第四の細胞の培養上清をもって、生産する細胞の培養上清とする方法を包含するのみならず、取得された第四の細胞の培養上清を除去して、第四の細胞を取得し、取得された第四の細胞又はこれに由来する細胞を更に培養して、別の細胞および別の細胞の培養上清を取得し、このようにして取得された別の細胞又は別の細胞の培養上清をもって、生産する細胞又は細胞の培養上清とする方法も包含する。
第七工程:
取得された第四の細胞及び第四の細胞の培養上清から、第四の細胞の培養上清を除去して、第四の細胞を取得する工程において、第四の細胞の培養上清を除去するに先立ち、例えば、第四の細胞と第四の細胞の培養上清の分離が行われる。第四の細胞と第四の細胞の培養上清の分離は、例えば、遠心分離などにより行われる。遠心分離は、例えば、500rpm~5,000rpm、750rpm~3,000rpm、又は1,000rpm~2,000rpmの条件で行われる。遠心分離が行われる時間は、例えば、1分~20分、2分~15分、3分~10分、又は4分~7分である。当該分離は、フィルター濾過による分離であってもよい。フィルターの孔径は、例えば、1μm以下、0.9μm以下、0.8μm以下、0.7μm以下、0.6μm以下、0.5μm以下、0.4μm以下、又は0.3μm以下であり、例えば、0.05μm以上、0.06μm以上、0.07μm以上、0.08μm以上、0.09μm以上、0.1μm以上、又は0.2μm以上であり、0.22μm、0.45μmなどが好ましい。
取得された第四の細胞及び第四の細胞の培養上清から、第四の細胞の培養上清を除去して、第四の細胞を取得する工程は、第四の細胞を取得するに先立ち、第四の細胞を洗浄する工程を含んでもよい。第四の細胞を洗浄する工程においては、例えば、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない溶液を用いて第四の細胞を洗浄する。ここで、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない溶液は、第一の培地に含まれる全ての成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる全ての成分を含まない溶液であってもよいが、これに限定されず、第一の培地に含まれる特定の成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる特定の成分を含まない溶液であってもよい。第一の培地に含まれる特定の成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる特定の成分を含まない溶液は、第一の培地に含まれる別の特定の成分の濃度が第一の培地と同じ、若しくはこれより高い、又は第一の培地に含まれない別の特定の成分を含む溶液であってもよい。第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない溶液における溶液としては、例えば、バッファー、生理食塩水、培地などが挙げられる。培地としては、例えば、基礎培地、低血清培地、無血清培地などが挙げられる。基礎培地としては、例えば、基礎培地としては、例えば、IMDM培地、Medium 199培地、Eagle's Minimum Essential Medium(EMEM)培地、αMEM培地、Dulbecco's modified Eagle's Medium(DMEM)培地、Ham's F12培地、RPMI 1640培地、Fischer's培地、およびこれらの混合培地などが挙げられる。また、基礎培地は、例えば、合成タンパク質を含まない無機塩類、ビタミン類、アミノ酸、糖類などで構成される培地(MEM、MEM-a、DMEM、DMEM high-glucose、PRIMなど)であってもよい。ここで、基礎培地は、必要に応じて、N2サプリメント(Invitrogen)、B27サプリメント(Invitrogen)、脂肪酸、インスリン、亜セレン酸ナトリウム、エタノールアミン、コラーゲン前駆体、微量元素、2-メルカプトエタノール、3’-チオールグリセロール、脂質、アミノ酸、L-グルタミン、GlutaMAX(Invitrogen)、非必須アミノ酸(NEAA)、ピルビン酸ナトリウム(sodium pyruvate)、ビタミン、低分子化合物、抗生物質、抗酸化剤、ピルビン酸、緩衝剤、無機塩類などの物質を含んでもよい。第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない溶液は、例えば、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第五の培地であってもよい。
第八工程:
取得された第四の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第五の培地で培養して、第五の細胞及び第五の細胞の培養上清を取得し、第五の細胞又は第五の細胞の培養上清を生産する工程において、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第五の培地は、第一の培地に含まれる全ての成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる全ての成分を含まない培地であってもよいが、これに限定されず、第一の培地に含まれる特定の成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる特定の成分を含まない培地であってもよい。第一の培地に含まれる特定の成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる特定の成分を含まない培地は、第一の培地に含まれる別の特定の成分の濃度が第一の培地と同じ、若しくはこれより高い、又は第一の培地に含まれない別の特定の成分を含む培地であってもよい。第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第五の培地における培地としては、基礎培地、低血清培地、無血清培地などが挙げられる。基礎培地としては、例えば、基礎培地としては、例えば、IMDM培地、Medium 199培地、Eagle's Minimum Essential Medium(EMEM)培地、αMEM培地、Dulbecco's modified Eagle's Medium(DMEM)培地、Ham's F12培地、RPMI 1640培地、Fischer's培地、およびこれらの混合培地などが挙げられる。また、基礎培地は、例えば、合成タンパク質を含まない無機塩類、ビタミン類、アミノ酸、糖類などで構成される培地(MEM、MEM-a、DMEM、DMEM high-glucose、PRIMなど)であってもよい。ここで、基礎培地は、必要に応じて、N2サプリメント(Invitrogen)、B27サプリメント(Invitrogen)、脂肪酸、インスリン、亜セレン酸ナトリウム、エタノールアミン、コラーゲン前駆体、微量元素、2-メルカプトエタノール、3’-チオールグリセロール、脂質、アミノ酸、L-グルタミン、GlutaMAX(Invitrogen)、非必須アミノ酸(NEAA)、ピルビン酸ナトリウム(sodium pyruvate)、ビタミン、低分子化合物、抗生物質、抗酸化剤、ピルビン酸、緩衝剤、無機塩類などの物質を含んでもよい。
取得された第四の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第五の培地で培養する時間は、例えば、1時間以上、2時間以上、3時間以上、4時間以上、5時間以上、6時間以上、7時間以上、8時間以上、9時間以上、10時間以上、15時間以上、又は20時間以上である。
取得された第四の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第五の培地で培養する時間は、例えば、250時間以下、240時間以下、230時間以下、220時間以下、210時間以下、200時間以下、190時間以下、180時間以下、170時間以下、160時間以下、150時間以下、140時間以下、130時間以下、120時間以下、110時間以下、100時間以下、95時間以下、90時間以下、85時間以下、80時間以下、75時間以下、70時間以下、65時間以下、60時間以下、55時間以下、50時間以下、45時間以下、40時間以下、35時間以下、30時間以下、又は25時間以下である。
取得された第四の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第五の培地で培養する時間は、例えば、上記の任意の下限と上記の任意の上限から特定される範囲である。
取得された第四の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第五の培地で培養する温度は、例えば、20℃~45℃、30℃~40℃、又は35℃~38℃である。また、当該培養の際の酸素濃度は、通常は20%であるが、例えば、0%~40%、5%~35%、10%~30%、又は15%~25%である。
第五の細胞及び第五の細胞の培養上清を取得し、第五の細胞又は第五の細胞の培養上清を生産するにあたっては、例えば、第五の細胞又は第五の細胞の培養上清を生産するに先立ち、第五の細胞と第五の細胞の培養上清の分離が行われる。第五の細胞と第五の細胞の培養上清の分離は、例えば、遠心分離などにより行われる。遠心分離は、例えば、500rpm~5,000rpm、750rpm~3,000rpm、又は1,000rpm~2,000rpmの条件で行われる。遠心分離が行われる時間は、例えば、1分~20分、2分~15分、3分~10分、又は4分~7分である。当該分離は、フィルター濾過による分離であってもよい。フィルターの孔径は、例えば、1μm以下、0.9μm以下、0.8μm以下、0.7μm以下、0.6μm以下、0.5μm以下、0.4μm以下、又は0.3μm以下であり、例えば、0.05μm以上、0.06μm以上、0.07μm以上、0.08μm以上、0.09μm以上、0.1μm以上、又は0.2μm以上であり、0.22μm、0.45μmなどが好ましい。
本発明の細胞の培養上清を生産する方法は、(第九工程)取得された第五の細胞及び第五の細胞の培養上清から、第五の細胞の培養上清を除去して、第五の細胞を取得する工程、及び(第十工程)取得された第五の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第六の培地で培養して、第六の細胞及び第六の細胞の培養上清を取得し、第六の細胞又は第六の細胞の培養上清を生産する工程を含んでもよい。すなわち、本発明の細胞の培養上清を生産する方法は、取得された第五の細胞の培養上清をもって、生産する細胞の培養上清とする方法を包含するのみならず、取得された第五の細胞の培養上清を除去して、第五の細胞を取得し、取得された第五の細胞又はこれに由来する細胞を更に培養して、別の細胞及び別の細胞の培養上清を取得し、このようにして取得された別の細胞又は別の細胞の培養上清をもって、生産する細胞又は細胞の培養上清とする方法も包含する。
第九工程:
取得された第五の細胞及び第五の細胞の培養上清から、第五の細胞の培養上清を除去して、第五の細胞を取得する工程において、第五の細胞の培養上清を除去するに先立ち、例えば、第五の細胞と第五の細胞の培養上清の分離が行われる。第五の細胞と第五の細胞の培養上清の分離は、例えば、遠心分離などにより行われる。遠心分離は、例えば、500rpm~5,000rpm、750rpm~3,000rpm、又は1,000rpm~2,000rpmの条件で行われる。遠心分離が行われる時間は、例えば、1分~20分、2分~15分、3分~10分、又は4分~7分である。当該分離は、フィルター濾過による分離であってもよい。フィルターの孔径は、例えば、1μm以下、0.9μm以下、0.8μm以下、0.7μm以下、0.6μm以下、0.5μm以下、0.4μm以下、又は0.3μm以下であり、例えば、0.05μm以上、0.06μm以上、0.07μm以上、0.08μm以上、0.09μm以上、0.1μm以上、又は0.2μm以上であり、0.22μm、0.45μmなどが好ましい。
取得された第五の細胞及び第五の細胞の培養上清から、第五の細胞の培養上清を除去して、第五の細胞を取得する工程は、第五の細胞を取得するに先立ち、第五の細胞を洗浄する工程を含んでもよい。第五の細胞を洗浄する工程においては、例えば、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない溶液を用いて第五の細胞を洗浄する。ここで、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない溶液は、第一の培地に含まれる全ての成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる全ての成分を含まない溶液であってもよいが、これに限定されず、第一の培地に含まれる特定の成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる特定の成分を含まない溶液であってもよい。第一の培地に含まれる特定の成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる特定の成分を含まない溶液は、第一の培地に含まれる別の特定の成分の濃度が第一の培地と同じ、若しくはこれより高い、又は第一の培地に含まれない別の特定の成分を含む溶液であってもよい。第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない溶液における溶液としては、例えば、バッファー、生理食塩水、培地などが挙げられる。培地としては、例えば、基礎培地、低血清培地、無血清培地などが挙げられる。基礎培地としては、例えば、基礎培地としては、例えば、IMDM培地、Medium 199培地、Eagle's Minimum Essential Medium(EMEM)培地、αMEM培地、Dulbecco's modified Eagle's Medium(DMEM)培地、Ham's F12培地、RPMI 1640培地、Fischer's培地、およびこれらの混合培地などが挙げられる。また、基礎培地は、例えば、合成タンパク質を含まない無機塩類、ビタミン類、アミノ酸、糖類などで構成される培地(MEM、MEM-a、DMEM、DMEM high-glucose、PRIMなど)であってもよい。ここで、基礎培地は、必要に応じて、N2サプリメント(Invitrogen)、B27サプリメント(Invitrogen)、脂肪酸、インスリン、亜セレン酸ナトリウム、エタノールアミン、コラーゲン前駆体、微量元素、2-メルカプトエタノール、3’-チオールグリセロール、脂質、アミノ酸、L-グルタミン、GlutaMAX(Invitrogen)、非必須アミノ酸(NEAA)、ピルビン酸ナトリウム(sodium pyruvate)、ビタミン、低分子化合物、抗生物質、抗酸化剤、ピルビン酸、緩衝剤、無機塩類などの物質を含んでもよい。第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない溶液は、例えば、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない培地であって、次の培養に用いられる培地であってもよい。
第十工程:
取得された第五の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第六の培地で培養して、第六の細胞及び第六の細胞の培養上清を取得し、第六の細胞又は第六の細胞の培養上清を生産する工程において、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第六の培地は、第一の培地に含まれる全ての成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる全ての成分を含まない培地であってもよいが、これに限定されず、第一の培地に含まれる特定の成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる特定の成分を含まない培地であってもよい。第一の培地に含まれる特定の成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる特定の成分を含まない培地は、第一の培地に含まれる別の特定の成分の濃度が第一の培地と同じ、若しくはこれより高い、又は第一の培地に含まれない別の特定の成分を含む培地であってもよい。第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第六の培地における培地としては、基礎培地、低血清培地、無血清培地などが挙げられる。基礎培地としては、例えば、基礎培地としては、例えば、IMDM培地、Medium 199培地、Eagle's Minimum Essential Medium(EMEM)培地、αMEM培地、Dulbecco's modified Eagle's Medium(DMEM)培地、Ham's F12培地、RPMI 1640培地、Fischer's培地、およびこれらの混合培地などが挙げられる。また、基礎培地は、例えば、合成タンパク質を含まない無機塩類、ビタミン類、アミノ酸、糖類などで構成される培地(MEM、MEM-a、DMEM、DMEM high-glucose、PRIMなど)であってもよい。ここで、基礎培地は、必要に応じて、N2サプリメント(Invitrogen)、B27サプリメント(Invitrogen)、脂肪酸、インスリン、亜セレン酸ナトリウム、エタノールアミン、コラーゲン前駆体、微量元素、2-メルカプトエタノール、3’-チオールグリセロール、脂質、アミノ酸、L-グルタミン、GlutaMAX(Invitrogen)、非必須アミノ酸(NEAA)、ピルビン酸ナトリウム(sodium pyruvate)、ビタミン、低分子化合物、抗生物質、抗酸化剤、ピルビン酸、緩衝剤、無機塩類などの物質を含んでもよい。
取得された第五の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第六の培地で培養する時間は、例えば、1時間以上、2時間以上、3時間以上、4時間以上、5時間以上、6時間以上、7時間以上、8時間以上、9時間以上、10時間以上、15時間以上、又は20時間以上である。
取得された第五の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第六の培地で培養する時間は、例えば、250時間以下、240時間以下、230時間以下、220時間以下、210時間以下、200時間以下、190時間以下、180時間以下、170時間以下、160時間以下、150時間以下、140時間以下、130時間以下、120時間以下、110時間以下、100時間以下、95時間以下、90時間以下、85時間以下、80時間以下、75時間以下、70時間以下、65時間以下、60時間以下、55時間以下、50時間以下、45時間以下、40時間以下、35時間以下、30時間以下、又は25時間以下である。
取得された第五の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第六の培地で培養する時間は、例えば、上記の任意の下限と上記の任意の上限から特定される範囲である。
取得された第五の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第六の培地で培養する温度は、例えば、20℃~45℃、30℃~40℃、又は35℃~38℃である。
第六の細胞及び第六の細胞の培養上清を取得し、第六の細胞又は第六の細胞の培養上清を生産するにあたっては、例えば、第六の細胞又は第六の細胞の培養上清を生産するに先立ち、第六の細胞と第六の細胞の培養上清の分離が行われる。第六の細胞と第六の細胞の培養上清の分離は、例えば、遠心分離などにより行われる。遠心分離は、例えば、500rpm~5,000rpm、750rpm~3,000rpm、又は1,000rpm~2,000rpmの条件で行われる。遠心分離が行われる時間は、例えば、1分~20分、2分~15分、3分~10分、又は4分~7分である。当該分離は、フィルター濾過による分離であってもよい。フィルターの孔径は、例えば、1μm以下、0.9μm以下、0.8μm以下、0.7μm以下、0.6μm以下、0.5μm以下、0.4μm以下、又は0.3μm以下であり、例えば、0.05μm以上、0.06μm以上、0.07μm以上、0.08μm以上、0.09μm以上、0.1μm以上、又は0.2μm以上であり、0.22μm、0.45μmなどが好ましい。
本発明の細胞の培養上清を生産する方法は、(第十一工程)取得された第六の細胞及び第六の細胞の培養上清から、第六の細胞の培養上清を除去して、第六の細胞を取得する工程、及び(第十二工程)取得された第六の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い、好ましくは、第一の培地に含まれる成分を含まない第七の培地で培養して、第七の細胞及び第七の細胞の培養上清を取得し、第七の細胞又は第七の細胞の培養上清を生産する工程を含んでもよい。すなわち、本発明の細胞の培養上清を生産する方法は、取得された第六の細胞の培養上清をもって、生産する細胞の培養上清とする方法を包含するのみならず、取得された第六の細胞の培養上清を除去して、第六の細胞を取得し、取得された第六の細胞又はこれに由来する細胞を更に培養して、別の細胞及び別の細胞の培養上清を取得し、このようにして取得された別の細胞又は別の細胞の培養上清をもって、生産する細胞又は細胞の培養上清とする方法も包含する。このような別の細胞の培養上清の取得は、これまで詳述した方法と同様の方法により行うことができる。したがって、本発明の細胞又は細胞の培養上清を生産する方法において、生産する細胞又は細胞の培養上清は、取得された第四の細胞又は第四の細胞の培養上清や、取得された第五の細胞又は第五の細胞の培養上清や、取得された第六の細胞又は第六の細胞の培養上清や、取得された第七の細胞又は第七の細胞の培養上清でありうるが、これらに限定されることなく、同様の方法により取得された別の細胞の培養上清でもありうる。
細胞又は細胞の培養上清の用途:
本発明の細胞又は細胞の培養上清を生産する方法により生産される細胞又は細胞の培養上清は、例えば、医薬組成物、化粧用組成物、食品組成物、再生医療等製品、又は特定細胞加工物として用いることができるほか、これらに含めて用いることができる。すなわち、本発明の細胞又は細胞の培養上清を生産する方法により生産される細胞又は細胞の培養上清は、例えば、医薬組成物、化粧用組成物、食品組成物、再生医療等製品、又は特定細胞加工物として用いるためのものである。また、本発明の細胞又は細胞の培養上清を生産する方法により生産される細胞又は細胞の培養上清は、例えば、医薬組成物、化粧用組成物、食品組成物、再生医療等製品、又は特定細胞加工物に含めるためのものである。医薬組成物としては、例えば、がん、脱髄性疾患、眼疾患、眼障害などを治療又は予防するための組成物などが挙げられる。化粧用組成物としては、例えば、皮膚のシワ、シミ、ハリなどの改善のための組成物、皮膚の再生の促進のための組成物などのスキンケアに用いるための組成物などが挙げられる。
後述の実施例に示すとおり、本発明の方法によれば、全く意外なことに、HGF(Hepatocyte Growth Factor)というサイトカインの含有濃度が高い培養上清を生産することができる。したがって、本発明の細胞の培養上清を生産する方法により生産される細胞の培養上清は、例えば、対象におけるHGFの欠乏を処置するために用いることができる。ここで、対象としては、例えば、脊椎動物が挙げられる。脊椎動物としては、例えば、マウス、ラット、ウサギ、ブタ、ウシ、サル、ヒトなどの哺乳動物が挙げられる。哺乳動物は、好ましくはヒトである。対象は、乳幼児、若年、青年、成人、および老人を含めた任意の年齢であり得る。HGFが増えることによる利点としては、ALSモデルラットにおいて、rhHGFの髄腔内投与は疾患の進行を遅らせることが知られている(J Neuropathol Exp Neurol. 2007 Nov;66(11):1037-44.)。また、HGFプラスミドの投与は、糖尿病モデルラットの末梢血管障害を改善することが知られている(Circulation. 2001 Nov 6;104(19):2344-50.)。脊髄損傷コモンマーモセットへの髄腔内rhHGF投与は損傷領域の機能回復を促進することが知られている(PLoS One. 2011;6(11):e27706.)。
更に、HGF投与は高脂肪食給餌マウスにおけるインスリン抵抗性と脂質蓄積を緩和することが知られている(J Diabetes Investig. 2019 Mar;10(2):251-260.)。したがって、本発明の細胞の培養上清を生産する方法により生産される細胞の培養上清は、例えば、ALS、糖尿病、末梢血管障害、脊髄損傷、インスリン抵抗性、脂質蓄積などの疾患の処置に用いることができる。ここで、処置としては、例えば、治療、予防などが挙げられる。治療としては、例えば、完治のほか、症状の緩和などが挙げられる。
本発明の細胞又は細胞の培養上清を生産する方法により生産される細胞又は細胞の培養上清は、例えば、剤型に適した任意の投与方法により、例えば、経口投与、静脈内投与、皮下投与、経皮投与、筋肉内投与、関節内投与、経鼻投与、腹腔内投与、標的組織への直接注射、吸入投与、経腸投与、注腸投与、経管栄養などにより投与されてよい。本発明の細胞又は細胞の培養上清を生産する方法により生産される細胞又は細胞の培養上清の投与量は、対象の年齢、体重、健康状態などに応じて異なってよい。本発明の細胞又は細胞の培養上清を生産する方法により生産される細胞又は細胞の培養上清は、1日あたり1回で投与されてもよいし、1日あたり複数回にわたって投与されてもよく、投与頻度は、例えば、1月あたり1~100回とすることができる。
実施例1:
細胞培養で使用される一般的な増殖活性因子としてFBSやヒトアルブミン、FGF2などを含む培地を用意して実際に細胞培養を行うこととした。本実施例はFBSについての実験のデータを示す。
FBSを含む培地(DMEM)中でヒト脂肪組織由来のMSC(間葉系幹細胞)(P2-1)がコンフルエントに達するまでの間、数日間の培養を行った。その後、培地を全て回収して(サンプル丸1)、PBSで洗浄操作を行い、その後、増殖因子を含まない基礎培地(DMEM培地)で培養した。24時間後に同培地を回収し(サンプル丸2)、再びPBSで洗浄操作を行った後に基礎培地(DMEM培地)で培養を行い24時間後に回収を行った(サンプル丸3)。同様に、基礎培地(DMEM培地)による回収作業を再び繰り返した(サンプル丸4)。なお、MSCの培養は、37℃で行った。なお、細胞の培養の際の酸素濃度は、20%であった。
上記操作を行うことで下記条件のサンプルを手に入れることができた。
サンプル丸1:FBSを含む培地(positive control)
サンプル丸2:1回目の洗浄後の基礎培地(基礎培地にはFBSが含まれていない)
サンプル丸3:2回目の洗浄後の基礎培地(基礎培地にはFBSが含まれていない)
サンプル丸4:3回目の洗浄後の基礎培地(基礎培地にはFBSが含まれていない。
これらサンプルに対して、FBSに含まれる牛アルブミン(ヒトアルブミンへの交差性なし)に対するELISA分析を行い、サンプル丸2~丸4で牛アルブミンの検出ができるか否かを調べることで、何回目のサンプルまで牛アルブミンが検出されるかどうかを調べた。なお、本実施例ではヒトMSCを使用したため、本来の細胞自身から分泌されるアルブミン(ヒト型)はELISAキット(牛型に特異的反応する。)では検出されない。
以上の実験の工程を、以下において、より詳細に示す。
まず、ヒト脂肪組織由来のMSC(継代数3)を用意した。なお、ディッシュには10,000 cells/cm2で細胞播種した。
次に、FBSを0体積%、1体積%、3体積%、5体積%、10体積%、又は20体積%の計6パターンで含むように必要に応じてFBSをDMEM培地に加えて得られた培地(終濃度1質量%となるようにL-グルタミンを添加した。)で培養した。
3日目に同培地で培地交換した。
7日目にFBS含有条件で細胞がコンフルエントに達した。
(1)6wellプレートから培地を完全に取り除いた。
一部を回収し、サンプル丸1とした。
(2)PBSを加えてディッシュ内の細胞を十分に洗浄した。
(3)PBSを完全に取り除いた。
(4)新しくDMEM培地(終濃度1質量%となるようにL-グルタミンを添加した。)を加えた。
24時間後に上記(1)~(4)を繰り返した。
一部を回収し、サンプル丸2とした。
24時間後に上記(1)~(4)を繰り返した。
一部を回収し、サンプル丸3とした。
24時間後に上記(1)~(4)を繰り返した。
一部を回収し、サンプル丸4とした。
なお、回収後のサンプル丸1~丸4は、遠心(1,300rpm、5 min)を行い、上層部分のみを回収して-80℃で保管した。
各種サンプルをELISA試験により数値化した。
サンプル丸4の回収時点の培養細胞の画像を図1に示す。図1に示すとおり、いずれの条件のもとでも細胞が生存した状態で残っていることが分かる。なお、過度なストレスや熱で細胞死を誘発した抽出方法ではそもそも抽出後に細胞生存が認められない可能性がある。その場合には細胞自体が残っていないので、計4回繰り返してサンプルを回収するという操作自体の意味合いがなくなると考えられる。
サンプル回収後のELISA試験の結果を図2~図4に示す。図3のサンプル丸1及び丸2、並びに図4のサンプル丸1及び丸2においては、牛アルブミンの濃度を1500ng/mLと表記したが、これらは、より正確には、ELISAキットの測定範囲を上回る高濃度であり、検出限界以上であった。
図3~図4に示すとおり、FBSを含む培地で培養した細胞について得たサンプル丸1において高濃度の牛アルブミンが検出された。
また、図3~図4に示すとおり、サンプル丸2の段階でも一定量の牛アルブミンが検出される傾向にあった。これは、一度細胞に取り込まれた牛アルブミンが再び培地中に放出されたことによると考えられる。なお、FBSを1体積%、3体積%、又は5体積%で含む培地で培養した場合には、FBSを10体積%、又は20体積%で含む培地で培養した場合に比較すればサンプル丸2の段階での牛アルブミン量が減少することが認められたものの、同様の傾向が認められた。
図3~図4に示すとおり、サンプル丸3及び丸4についてはFBSを10体積%以上で含む条件では牛アルブミンが検出されず、サンプル丸3及び丸4については洗浄(培地交換)を重ねることで牛アルブミン量が減ることが示唆された。なお、サンプル丸3及び丸4については、FBSを5体積%以下で含む培地で培養した場合には、一定量の牛アルブミンの検出が認められながらも、同様の傾向が認められた。このことから、培地中にFBSを低濃度で加えることで効率的に細胞内に牛アルブミンが取り込まれており、その結果として、比較的長期間(サンプル丸4)放出が確認されたものと考えられる。
実施例2~3:
次に、実施例2及び実施例3を、図5に示す手順で行った。実施例2及び実施例3においては、細胞播種密度は、10,000 cells/cm2であり、用いたプレートは、6 well plateであり、播種条件においては、ADSC-4培地(2 ml/well)が使用された。また、培養条件としては、増殖用培地(ADSC-4 + ヒト組み換え型アルブミン(2,000ug/ml) + FGF2 (50 ng/ml) + 0.5% Penicilling/Streptomycin)での培地交換が播種後1日目と4日目に実施された。サンプリングは、播種後7日目時点から開始した。なお、細胞の培養の際の酸素濃度は、20%であった。細胞の培養の際の温度は、37℃であった。
実施例2:
7日目時点の培養液をサンプリングして、抽出前のサンプルを得た(抽出前)。上記抽出前のサンプルから培地を完全に除去した後、PBS洗浄を行い、DMEM with-high glucose+LGln培地(2ml/well)添加して1日経過したものをサンプリングして、1日目のサンプルを得た(1日目)。上記1日目のサンプルから培地を完全に除去した後、DMEM with-high glucose +LGln培地(2ml/well)添加して1日経過したものをサンプリングして、2日目のサンプルを得た(2日目)。上記2日目のサンプルから培地を完全に除去した後、DMEM with-high glucose +LGln培地(2ml/well)添加して1日経過したものをサンプリングして、3日目のサンプルを得た(3日目)。
臍帯幹細胞の結果を以下の表1に示す。

ここで、抽出前においては、既存培地を完全に除去した後にPBS洗浄、その後、DMEM high-glucose培地を添加した。また、抽出時においては、1日目以降の各回収のタイミングでDMEMを完全に除去し、その後、新しいDMEM high-glucose培地を添加した。
また、脂肪幹細胞の結果を以下の表2に示す。

ここで、抽出前においては、既存培地を完全に除去した後にPBS洗浄、その後、DMEM high-glucose培地を添加した。また、抽出時においては、1日目以降の各回収のタイミングでDMEMを完全に除去し、その後、新しいDMEM high-glucose培地を添加した。
実施例3:
7日目時点の培養液をサンプリングして、抽出前のサンプルを得た(抽出前)。上記抽出前のサンプルから培地を完全に除去した後、PBS洗浄を行い、DMEM with-high glucose+LGln培地(2ml/well)添加して2日経過したものをサンプリングして、2日目のサンプルを得た(2日目)。上記1日目のサンプルから培地を完全に除去した後、DMEM with-high glucose +LGln培地(2ml/well)添加して2日経過したものをサンプリングして、4日目のサンプルを得た(4日目)。上記2日目のサンプルから培地を完全に除去した後、DMEM with-high glucose +LGln培地(2ml/well)添加して2日経過したものをサンプリングして、6日目のサンプルを得た(6日目)。
臍帯幹細胞の結果を以下の表3に示す。

ここで、抽出前においては、既存培地を完全に除去した後にPBS洗浄、その後、DMEM high-glucose培地を添加した。また、抽出時においては、2日目以降の各回収のタイミングでDMEMを完全に除去し、その後、新しいDMEM high-glucose培地を添加した。
脂肪幹細胞の結果を以下の表4に示す。

ここで、抽出前においては、既存培地を完全に除去した後にPBS洗浄、その後、DMEM high-glucose培地を添加した。また、抽出時においては、2日目以降の各回収のタイミングでDMEMを完全に除去し、その後、新しいDMEM high-glucose培地を添加した。
以上の表1~表4の結果に示すように、抽出開始前は培養液中に含まれる組み換え型アルブミンが高濃度であったため、ELISA法による評価では検出限界以上の数値となった。また、PBS洗浄後に基礎培地(DMEM)に切り替えてみたところ、翌日又は2日後には高濃度のアルブミンが再検出された。さらに基礎培地を入れ替えて翌日又は2日後に分析してみても5-20%程のアルブミンが検出された。その後、3回目の抽出ではアルブミン残存量が85-319ng/mlの範囲に納まっており、この濃度範囲は既報論文 Fig2A(Biotechnology Journal, DOI:10.1002/biot.202100096)を参考にすると、ヒトMSC培養時に細胞から分泌されるアルブミン(約80 ng/ml)と近い数字であり、内因性アルブミンのバックグランドと捉えられる。
以上より、細胞培養時における組み換え型タンパク質等は培養細胞に一定度取り込まれており、PBSなどの洗浄操作によって見かけ上はwash outされるものの、継続培養をすることで一度取り込まれたタンパク質が培地中に再放出されることが示された。細胞に取り込まれた組み換え型タンパク質の再放出を5%未満に抑えるためには、組み換え型タンパク質を含まない培地で1回以上の再放出条件の設定が必要となる。
実施例4:
以下の条件のもとで、図6の条件丸1~丸3に示す工程の試験を行い、サンプルの回収を行った。
細胞播種密度:10,000 cells/cm2
プレート:6 well plate
培養条件:ADSC-4培地(2 ml/well)使用して細胞の増殖培養を実施した。
(なお、図6に示すとおり、一部の条件では組み換え型VEGFタンパク質を1000pg/ml添加した。)
抽出条件:DMEM with high-glucose + L-Gln(2 ml/well)
より具体的には、条件丸1~丸3においては、以下のようにサンプルの回収を行った。
条件丸1:
ADSC-4培地を用いた増殖培養でコンフルエントに達したら(条件丸1~丸3で同日数の培養期間)、培地全量を除去してPBSで1回洗浄を行った。その後、PBS全量を取り除き、抽出用培地(上記の抽出条件に示す培地)を加えた。2日後の時点で上清液の回収を行った。上清液中の細胞片などの共雑物を取り除くために遠心処理(1,000rpm、3分間)を行い、上澄みのみをサンプルとして回収し、サンプル(条件丸1)を得た。
条件丸2:
組み換え型VEGFタンパク質を添加したADSC-4培地を用いた増殖培養でコンフルエントに達したら(条件丸1~丸3で同日数の培養期間)、培地全量を除去してPBSで1回洗浄を行った。その後、PBS全量を取り除き、抽出用培地(上記の抽出条件に示す培地)を加えた。2日後の時点で上清液の回収を行った。上清液中の細胞片などの共雑物を取り除くために遠心処理(1,000rpm、3分間)を行い、上澄みのみをサンプルとして回収し、サンプル(条件丸2)を得た。
条件丸3:
組み換え型VEGFタンパク質を添加したADSC-4培地を用いた増殖培養でコンフルエントに達したら(条件丸1~丸3で同日数の培養期間)、培地全量を除去してPBSで1回洗浄を行った。その後、PBS全量を取り除き、抽出用培地(上記の抽出条件に示す培地)を加え、すぐに培地全量を回収した(サンプルA)。その後、再度、抽出用培地(上記の抽出条件に示す培地)を加え、2日後の時点で上清液の回収を行った(サンプルB)。上清液中の細胞片などの共雑物を取り除くために、サンプルAとBは、遠心処理(1,000rpm、3分間)を行い、上澄みのみをサンプルとして回収し、それぞれ、サンプル(条件丸3、直後)と、サンプル(条件丸3、2日後)を得た。
これらの得られたサンプルにおけるVEGFタンパク質濃度を測定した。結果を図7に示す。
図7の条件丸1より細胞本来が分泌するVEGFタンパク質はほぼ無いことが示されており、図7の条件丸2から、組み換え型VEGFタンパク質を使うことで上清液中に同タンパク質が持ち込まれることが前提条件として示された。
さらに、図7の条件丸3から、PBS洗浄直後にDMEM培地を加えてもVEGFタンパク質が確認できないのに対して(条件丸3、直後)、そのまま2日間経つと高濃度のVEGFタンパク質が検出されることが示された(条件丸3、2日後)。
以上より、組み換え型VEGFタンパク質などの不要成分は細胞内に取り込まれた後はPBS洗浄でも取り除くことが難しく、一定期間の培養により培地中へ再放出されるということが示された。
培地由来の組み換えタンパク質などの不要成分はPBS洗浄等で洗い流せるという常識があったが、上記の実施例から、実は、細胞内に取り込まれた物質は一瞬の洗浄作業では洗い流されず、時間をかけて培地中に放出されており、そのため、培地での放出期間を設ける必要があることが見出された。
このように、本発明の方法は、細胞に取り込まれた後に再放出された物質を除去するものであるところ、これらの物質は、従来のPBS洗浄などによる除去方法では除かれてこなかった物質であり、本発明の方法は、従来のPBS洗浄などによる除去方法とは、技術思想が全く異なるものである。
実施例5:
以下の条件のもとで、図8に示す工程の試験を行い、サンプルの回収を行った。
細胞播種密度:10,000 cells/cm2
プレート:6 well plate
培養条件:味の素コージンバイオ社StemFit for MSC(2 ml/well)使用して脂肪または臍帯MSCの増殖培養を実施した。
特許製法(本発明の方法)と従来法の違いは、基礎培地(DMEM with high-glucose+L-Gln)を使った24時間の洗浄工程の有無である。上清液としての抽出期間等は同条件で実施した。
得られた各上清液に含まれるHGF(Hepatocyte Growth Factor)及びIL-6濃度を測定した。結果を図9及び図10に示す。
全く意外なことに、図9に示すように、特許製法(本発明の方法)を採用した方がHGF(Hepatocyte Growth Factor)の分泌量が上がることが分かった。すなわち、従来法(PBS洗浄後に2日間抽出した上清液)と本発明の方法(従来法の洗浄時に基礎培地に1日晒す工程を追加する方法)を比較したところ、HGFというサイトカインについて上清液中の含有濃度が増えることが明らかとなった。
図10に示すように、特許製法(本発明の方法)を採用してもIL-6の分泌量は同等であり、事前工程で対象となる細胞数に変化はないと考えられることから、HGFの分泌量の上昇は、事前工程で対象となる細胞数に変化があることによるものではなく、本発明の方法によることが明らかとなった。すなわち、本発明の方法の洗浄期間中に細胞増殖が進行すると考えると、抽出作業時点での総細胞数が増えていることとなり、一般的にはIL-6濃度も増加すると考えられるところ、上記の検証結果を踏まえると、細胞洗浄に用いるDMEM等の基礎培地には細胞増殖活性がなく、同洗浄操作期間中に極端な細胞増殖は生じていないものと考えられるから、HGFの分泌量の上昇は、同洗浄操作期間中の細胞増殖によるものではなく、本発明の方法によるものであることが明らかとなった。

Claims (27)

  1. 医薬組成物、化粧用組成物、食品組成物、再生医療等製品、又は特定細胞加工物として用いるためのものである、又はこれらに含めるためのものである、細胞又は細胞の培養上清を生産する方法であって、
    血清を含まない第一の培地で細胞を培養して、第一の細胞を取得する工程、
    取得された第一の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い第二の培地で培養して、第二の細胞及び第二の細胞の培養上清を取得する工程、
    取得された第二の細胞及び第二の細胞の培養上清から、第二の細胞の培養上清を除去して、第二の細胞を取得する工程、及び
    取得された第二の細胞を、第一の培地に含まれる前記成分の濃度が第一の培地よりも低い第三の培地で培養して、第三の細胞及び第三の細胞の培養上清を取得し、第三の細胞又は第三の細胞の培養上清を生産する工程
    を含む、方法。
  2. 医薬組成物、化粧用組成物、食品組成物、再生医療等製品、又は特定細胞加工物として用いるためのものである、又はこれらに含めるためのものである、細胞又は細胞の培養上清を生産する方法であって、
    第一の培地で細胞を培養して、第一の細胞を取得する工程、
    取得された第一の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い第二の培地で培養して、第二の細胞及び第二の細胞の培養上清を取得する工程、
    取得された第二の細胞及び第二の細胞の培養上清から、第二の細胞の培養上清を除去して、第二の細胞を取得する工程、
    取得された第二の細胞を、第一の培地に含まれる前記成分の濃度が第一の培地よりも低い第三の培地で培養して、第三の細胞及び第三の細胞の培養上清を取得する工程、
    取得された第三の細胞及び第三の細胞の培養上清から、第三の細胞の培養上清を除去して、第三の細胞を取得する工程、及び
    取得された第三の細胞を、第一の培地に含まれる前記成分の濃度が第一の培地よりも低い第四の培地で培養して、第四の細胞及び第四の細胞の培養上清を取得し、第四の細胞又は第四の細胞の培養上清を生産する工程
    を含む、方法。
  3. 請求項2に記載の方法であって、取得された第四の細胞及び第四の細胞の培養上清から、第四の細胞の培養上清を除去して、第四の細胞を取得する工程、及び取得された第四の細胞を、第一の培地に含まれる前記成分の濃度が第一の培地よりも低い第五の培地で培養して、第五の細胞及び第五の細胞の培養上清を取得し、第五の細胞又は第五の細胞の培養上清を生産する工程を含む、方法。
  4. 請求項3に記載の方法であって、取得された第五の細胞及び第五の細胞の培養上清から、第五の細胞の培養上清を除去して、第五の細胞を取得する工程、及び取得された第五の細胞を、第一の培地に含まれる前記成分の濃度が第一の培地よりも低い第六の培地で培養して、第六の細胞及び第六の細胞の培養上清を取得し、第六の細胞又は第六の細胞の培養上清を生産する工程を含む、方法。
  5. 細胞が、脂肪組織由来幹細胞である、請求項2に記載の方法。
  6. 細胞が、ヒト細胞である、請求項2に記載の方法。
  7. 第一の培地に含まれる成分が、細胞増殖因子である、請求項2に記載の方法。
  8. 細胞増殖因子が、非ヒトタンパク質である、請求項7に記載の方法。
  9. 細胞増殖因子が、血清又は血漿である、請求項7に記載の方法。
  10. 第一の培地が、細胞増殖因子を0.5体積%以上含む、請求項7に記載の方法。
  11. 第一の培地が、組み換えタンパク質を0.0000001体積%~1体積%含む、請求項2に記載の方法。
  12. 第一の培地が、細胞増殖因子を8体積%以上含む、請求項10に記載の方法。
  13. 第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い第二の培地が、基礎培地である、請求項2に記載の方法。
  14. 第一の培地に含まれる前記成分の濃度が第一の培地よりも低い第三の培地が、基礎培地である、請求項2に記載の方法。
  15. 第一の培地に含まれる前記成分の濃度が第一の培地よりも低い第四の培地が、基礎培地である、請求項2に記載の方法。
  16. 第一の培地に含まれる前記成分の濃度が第一の培地よりも低い第五の培地が、基礎培地である、請求項3に記載の方法。
  17. 第一の培地に含まれる前記成分の濃度が第一の培地よりも低い第六の培地が、基礎培地である、請求項4に記載の方法。
  18. 取得された第一の細胞を、第一の培地に含まれる成分の濃度が第一の培地よりも低い第二の培地で培養する時間が、1時間~192時間である、請求項2に記載の方法。
  19. 取得された第二の細胞を、第一の培地に含まれる前記成分の濃度が第一の培地よりも低い第三の培地で培養する時間が、1時間~192時間である、請求項2に記載の方法。
  20. 取得された第三の細胞を、第一の培地に含まれる前記成分の濃度が第一の培地よりも低い第四の培地で培養する時間が、1時間~192時間である、請求項2に記載の方法。
  21. 取得された第四の細胞を、第一の培地に含まれる前記成分の濃度が第一の培地よりも低い第五の培地で培養する時間が、1時間~192時間である、請求項3に記載の方法。
  22. 取得された第五の細胞を、第一の培地に含まれる前記成分の濃度が第一の培地よりも低い第六の培地で培養する時間が、1時間~192時間である、請求項4に記載の方法。
  23. 第一の細胞を取得するに先立ち、第一の細胞を洗浄する工程を含む、請求項2に記載の方法。
  24. 第二の細胞を取得するに先立ち、第二の細胞を洗浄する工程を含む、請求項2に記載の方法。
  25. 第三の細胞を取得するに先立ち、第三の細胞を洗浄する工程を含む、請求項2に記載の方法。
  26. 第四の細胞を取得するに先立ち、第四の細胞を洗浄する工程を含む、請求項3に記載の方法。
  27. 第五の細胞を取得するに先立ち、第五の細胞を洗浄する工程を含む、請求項4に記載の方法。
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