JP7467967B2 - 電界駆動型の機能素子、固体冷媒サイクル、および、アクチュエータ - Google Patents

電界駆動型の機能素子、固体冷媒サイクル、および、アクチュエータ Download PDF

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Description

この明細書における開示は、電界駆動型の機能素子、固体冷媒サイクル、および、アクチュエータに関する。
特許文献1は、弾性的なエラストマ応答を利用する素子を開示する。特許文献2は、静電気的に変形する素子を開示する。これらの素子は、電気熱量効果を発揮している。先行技術文献の記載内容は、この明細書における技術的要素の説明として、参照により援用される。
特表2018-530728号公報 国際公開第2018/208680号パンフレット
特許文献1および特許文献2が開示する素子は、外部から加えられる外部電界によって、素子を非活性状態と活性状態とに切り替えている。しかし、特許文献1および特許文献2の構造では、液晶ポリマーの分子配向の変化量が制限されている。このため、分極-電界特性におけるヒステリシスが大きい。さらに、分子配向の変化量の小ささは、外部電界を作用させない非活性状態における分極と、外部電界を作用させる活性状態における分極との差に顕著に影響する。分子配向の変化量は、電界駆動型の機能素子において、引き出される機能の大きさに影響する。ひとつの例示的な観点において、電界駆動型機能素子が発揮する機能が、機械的な変位の提供である場合、分子配向の変化量は機械的な変位の大きさに影響する。他の例示的な観点において、電界駆動型機能素子が発揮する機能が、電気熱量効果の提供である場合、分子配向の変化量は電気熱量効果の大きさに影響する。上述の観点において、または言及されていない他の観点において、電界駆動型の機能素子、固体冷媒サイクル、および、アクチュエータにはさらなる改良が求められている。
開示されるひとつの目的は、安定的に機能を発揮する電界駆動型の機能素子、固体冷媒サイクル、および、アクチュエータを提供することである。
ここに開示された電界駆動型の機能素子は、一対の電極(12、13、14、212、213、214、215)の間に作用する電界の変調に応答して所定の機能を発揮し、電極の移動によって流動させられる機能材料(11)を備え、一対の電極は、機能材料の中に浸漬して配置されており、機能材料の中を移動可能な可動電極(14)を含み、可動電極は、可動電極の移動に伴う機能材料の流動を許容するための流動通路(31)を区画している
この明細書に開示された電界駆動型の機能素子によると、電極の移動によって機能材料が流動させられる。機能材料の流動は、材料の偏りを抑制し、発揮される機能を安定化する。この結果、安定的に機能を発揮する電界駆動型の機能素子が提供される。
ここに開示された固体冷媒サイクルは、上記電界駆動型の機能素子(10)と、機能素子の電気熱量効果を出力する出力部材とを備える。
ここに開示されたアクチュエータは、上記電界駆動型の機能素子(10)と、機能素子の機械的な変位を出力する出力部材とを備える。
この明細書において開示された複数の形態は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、後続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
第1実施形態の電界駆動型の機能素子を示すブロック図である。 電界駆動型の機能素子を示すブロック図である。 電界駆動型の機能素子を示すブロック図である。 電界駆動型の機能素子を示すブロック図である。 機能材料における双極子を示す断面図である。 機能材料における双極子を示す断面図である。 電界Eと分極Pとを示すグラフである。 第1材料の実施例を列挙する表である。 第2材料の実施例を列挙する表である。 第2実施形態の電界駆動型の機能素子を示すブロック図である。 電界駆動型の機能素子を示すブロック図である。 電界駆動型の機能素子を示すブロック図である。 第3実施形態の電界駆動型の機能素子を示すブロック図である。 第4実施形態の電界駆動型の機能素子を示すブロック図である。 第5実施形態の電界駆動型の機能素子を示すブロック図である。 電界駆動型の機能素子を示すブロック図である。 電界駆動型の機能素子を示すブロック図である。
複数の実施形態が、図面を参照しながら説明される。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
第1実施形態
図1および図2において、固体冷媒サイクル1が図示されている。固体冷媒サイクル1は、低温部材2から高温部材3へ熱を移動させる。なお、固体冷媒の語は、蒸気圧縮式の冷媒サイクルにおける冷媒と対比した語である。固体冷媒の語は、後述の機能材料11が固体であることを限定的に意味するものではない。事実、後述の機能材料11は、少なくとも流動可能であって、液体のようにふるまう性状を有している。
固体冷媒サイクル1は、対象物の温度を調節する。対象物は、気体、液体、または、固体である。固体冷媒サイクル1が低温を利用するサイクルである場合、固体冷媒サイクル1は、低温部材2によって対象物を冷却する。この場合、固体冷媒サイクル1は、冷房、冷蔵、または、冷凍のためのサイクルを提供する。固体冷媒サイクル1が高温を利用するサイクルである場合、固体冷媒サイクル1は、高温部材3によって対象物を加熱する。この場合、固体冷媒サイクル1は、暖房、温蔵、または、加熱のためのサイクルを提供する。固体冷媒サイクル1が低温と高温との両方を利用するサイクルである場合、固体冷媒サイクル1は、低温部材2によって対象物を冷却し、かつ、高温部材3によって対象物を加熱する。この場合、固体冷媒サイクル1は、例えば、除湿のためのサイクルを提供する。低温部材2は、固体冷媒サイクル1における吸熱部材、または、熱源部材でもある。高温部材3は、固体冷媒サイクル1における放熱部材、または、熱供給部材でもある。この明細書において、冷媒サイクルの語は、低温を利用する冷凍サイクル、および、高温を利用するヒートポンプサイクルの両方を包含する語として解釈されるべきである。
固体冷媒サイクル1は、電界駆動型の機能素子10を備える。機能素子10は、提供されるべき機能として、電気熱量効果(ECE:ElecrtroCaloric Effect)を提供する。固体冷媒サイクル1は、機能素子10が発揮する電気熱量効果によって得られる高温だけ、低温だけ、または高温と低温との両方を利用する。機能素子10は、電気熱量効果によって吸熱と放熱との両方の作用を発揮する。機能素子10は、電気熱量効果によって、低温部材2から高温部材3への熱移動を生成する。機能素子10は、電気熱量効果によって、高温部材3の温度が、低温部材2の温度より高くなるように、熱移動を生成する。機能素子10は、機能材料11を備える。機能素子10は、一対の電極12、13を備える。さらに、機能素子10は、電極14を備える。
機能材料11は、多くの部分を有機材料が占めている。機能材料11は、樹脂材料製である。機能材料11は、無機材料を含む場合がある。機能材料11は、例えば、無機フィラーを備える場合がある。
機能材料11は、印加される電界の変化に応答して、電気熱量効果を発揮する材料製である。機能材料11は、印加される電界の変化に応答して、厚さ方向THDにおける電極12、13、14の少なくともひとつの移動を許容する材料製である。電極14の移動は、電極12、13に対する静電気的な力によって生成されてもよい。電極14の移動は、電歪効果的な力によって生成されてもよい。よって、この実施形態における機能素子10は、機能として、電気熱量効果と、機械的な変位との両方を提供している。
機能材料11は、ポリマーフィルムとして提供されている。ポリマーフィルムは、通常のフィルムの製造方法によって提供することができる。機能材料11は、容器を備える場合がある。容器は、機能材料11を収容する。
機能材料11は、電場の印加により発熱し、電場の除去により吸熱する。機能材料11は、所定値を超える電場が印加されるとき、分子が提供する電気的な双極子の配列が整列する。このとき、機能材料11は、エントロピーが減少し、熱を放出する。この結果、機能材料11の温度が上昇する。機能材料11は、電場が除去されるとき、双極子の配列がランダムに戻る。このとき、機能材料11は、エントロピーが増加し、熱を吸収する。この結果、機能材料11の温度が低下する。言い換えると、機能材料11は、外部から電場が加えられたエントロピーの小さい状態から、電場を除去すると吸熱してエントロピーが大きくなる。機能材料11は、エントロピーが大きな状態から、電場を印加すると放熱してエントロピーが小さくなる。
機能材料11は、低温部材2だけ、または、高温部材3だけ、または、低温部材2と高温部材3との両方に対して、高熱伝達状態と、低熱伝達状態とに切替可能である。高熱伝達状態は、所定の高い熱伝達率を提供する。低熱伝達状態は、高熱伝達状態より低い熱伝達率を提供する。図示の例では、機能材料11は、電極12、13を介して、間接的に、低温部材2、または、高温部材3に対して熱伝達する。これに代えて、機能材料11は、電極12、13を介することなく、直接的に、低温部材2、または、高温部材3に対して熱伝達してもよい。図示される機能材料11は、厚さ方向THDに関して熱移動を提供している。これに代えて、機能材料11は、直交方向PPDに関して熱移動を提供してもよい。
この観点において、機能材料11と低温部材2との間、または、機能材料11と高温部材3との間には、熱的なスイッチが提供されている。熱的なスイッチは、高熱伝達状態と、低熱伝達状態とを提供する。熱的なスイッチは、機能素子10における熱的な作用に同期して、熱伝達状態を切替える。この実施形態では、熱的なスイッチは、機能材料11へ作用する電界変調に同期して、熱伝達状態を切替える。熱的なスイッチは、機能素子10が吸熱するときに、低温部材2と機能素子10との間に高熱伝達状態を提供する。熱的なスイッチは、機能素子10が発熱するときに、高温部材3と機能素子10との間に高熱伝達状態を提供する。熱的なスイッチは、機能素子10が発熱するときに、低温部材2と機能素子10との間に低熱伝達状態を提供することが望ましい。熱的なスイッチは、機能素子10が吸熱するときに、高温部材3と機能素子10との間に低熱伝達状態を提供することが望ましい。この実施形態では、後述の機能素子10の変位によって、熱的なスイッチが提供されている。熱的なスイッチは、低温部材2、または、高温部材3における、流体成分の流動状態の切り替えによって実現されてもよい。
機能材料11は、電極12と電極13との間に配置されている。機能材料11の一部である部分材料11aは、電極12と電極14との間に配置されている。機能材料11の一部である部分材料11bは、電極13と電極14との間に配置されている。機能材料11は、連続している部分材料11aと部分材料11bとを有する。部分材料11aは、第1の部分材料とも呼ばれる。部分材料11bは、第2の部分材料とも呼ばれる。
電極12、13、14は、それらのうちの少なくとも2つの間に、電界を作用させることができる。電極12、13、14は、それらのうちの少なくとも2つの間に、機能材料11の少なくとも一部を位置づけるように配置されている。電極12、13、14は、厚さ方向THDにおいて、機能材料11の一部の両側に配置されている。電極12、13、14は、厚さ方向THDに直交する直交方向PPDに沿って面状に広がっている。電極12、13、14は、機能材料11の一部の両面に接している。電極12、13、14は、直接的に機能材料11に接触している場合がある。電極12、13、14は、容器を介して間接的に機能材料11に接触している場合がある。
電極12、13は、機能材料11の両側に配置されている。この観点において、電極12、13は、端部電極とも呼ばれる。端部電極としての電極12、13は、機能材料11の厚さ方向THDにおける全長にわたって、機能材料11に電界を印加する。
電極12は、低温部材2に対して、高熱伝達状態と、低熱伝達状態とに切替可能である。図示される例では、2つの状態の切替は、機能材料11の厚さ変化によって提供されている。高熱伝達状態は、電極12と低温部材2とが接触している接触状態である。低熱伝達状態は、電極12と低温部材2とが離れている非接触状態である。電極12は、低温部材2に対して、接触状態と、非接触状態とを切替可能に提供するように可動である。接触状態と、非接触状態とは、熱伝達の方向を規定している。この観点において、電極12は、可動電極である。可動電極でもある電極12の移動は、機能材料11の外部から機能材料11の変形、または、流動を引き起こすに留まる。電極12の移動は、電極12の片面において、機能材料11を撹拌するに留まる。電極12は、機能材料11に接しているが、電極12は、機能材料11の中に位置づけられていない。電極12は、流動通路を区画していない。
電極13は、高温部材3に対して、接触状態に置かれている。この観点において、電極13は、固定電極である。電極13は、高温部材3に対して、継続的に、高熱伝達状態にある。これに代えて、電極13は、高温部材3に対して、高熱伝達状態と、低熱伝達状態とに切替可能に構成されてもよい。
電極14は、電極12と電極13との間に配置されている。この観点において、電極14は、中間電極とも呼ばれる。電極14は、電極12に対して移動可能である。電極14は、電極13に対して移動可能である。この実施形態では、電極14は、電極12と電極13との両方に対して移動可能である。電極14は、電極12、および、電極13の少なくとも一方に対して移動可能である。この観点において、電極14は、可動電極とも呼ばれる。しかも、電極14は、電極12と電極13との間において、独立して移動可能である。
電極14は、機能材料11の中に浸漬して配置されている。電極14は、浸漬電極とも呼ばれる。電極14は、その両面において機能材料11に面している。電極14は、機能材料11の中を移動可能である。このため、電極14の移動は、電極14の両面において機能材料11の流動を引き起こす。このことは、電極14の一部が機能材料11の外部に露出していることを妨げない。図示の実施形態では、電極14は、機能材料11の中に浮遊しているように描かれているが、電極14の一部は、機能材料11の外部に配置されてもよい。電極14は、機能材料11の中を泳動するように移動する。これらの観点において、電極14は、浮動電極、または、泳動電極とも呼ばれる。
電極14は、電極14の移動に伴って機能材料11の流動を引き起こす。しかも、電極14は、電極14の移動に伴って、電極14の両面において機能材料11の流動を引き起こす。電極14は、電極14の移動に伴う機能材料11の流動を許容するための流動通路31を区画している。機能材料11に含まれる部分材料11aと部分材料11bとは、流動通路31を通して双方向に流動可能である。部分材料11aと部分材料11bとは、流動通路31を通して相互に交換可能である。一対の電極12、14と部分材料11aとは、部分的な第1の機能素子を形成している。一対の電極14、13と部分材料11bとは、部分的な第2の機能素子を形成している。流動通路31は、第1の機能素子と、第2の機能素子との間を機能材料11によって連通している。流動通路31は、第1の機能素子と、第2の機能素子との間において機能材料11の流動を可能としている。
電極14が移動すると、流動通路31を通して機能材料11が流動する。この結果、電極14が移動すると機能材料11の分子が撹拌される。この観点において、電極14は、撹拌部材、または、撹拌電極とも呼ばれる。しかも、電極14は、機能材料11の中において、機能材料11に直接的に接触している。このため、電極14の移動は、機能材料11の中から、機能材料11の分子を直接的に撹拌する。電極14は、移動方向の先において機能材料11を押し出し、移動方向の後において機能材料11を受け入れる。電極14の両面における機能材料11の挙動は、機能材料11の分子に対して顕著な撹拌作用を与える。
この実施形態では、流動通路31は、電極14の縁に残された隙間によって提供されている。流動通路31は、電極14に開設された貫通穴によって提供されてもよい。電極14は、例えば、環状、ドーナッツ状でもよい。
固体冷媒サイクル1は、電界変調回路20を備える。電界変調回路20は、電極12、13、14に電圧を供給する。電界変調回路20は、任意の一対の電極の間に電界を作用させる。言い換えると、電界変調回路20は、任意の一対の電極の間に位置する機能材料11に電界を作用させる。さらに、電界変調回路20は、電界の強度を、強弱に変調する。電界変調回路20は、電界の強さを、0(ゼロ)と供給可能な極大値とに変調する。
電界変調回路20は、電極12、13、14に電圧を供給する回路部材21を備える。回路部材21は、電線、導体膜、バスバーなどによって提供されている。電界変調回路20は、直流電圧を供給する直流電源22を備える。電界変調回路20は、電極12、13、14への電圧供給を断続するためのスイッチ装置23(SW)を備える。スイッチ装置23は、オン状態とオフ状態とに切替可能な複数のスイッチ素子を備える。スイッチ装置23は、制御装置24によって制御可能な素子である。電界変調回路20は、制御装置24(ECU)を備える。制御装置24は、スイッチ装置23を制御する。制御装置24は、機能素子10が機能を発揮するようにスイッチ装置23をオン状態とオフ状態とに交互に切替える。制御装置24がスイッチ装置23をオフ状態に制御するとき、機能素子10は非活性状態に制御される。制御装置24がスイッチ装置23をオン状態に制御するとき、機能素子10は活性状態に制御される。
制御装置24は、スイッチ装置23を制御することにより、任意の一対の電極間に電界を作用させることができる。制御装置24がスイッチ装置23をオフ状態に制御するとき、電極12と電極13との間には、電界が作用しない。このとき、機能素子10は、全体が非活性状態に制御される。制御装置24は、スイッチ装置23を制御することにより、電極12と電極13との間に直流電源22による所定の強さをもつ電界を作用させることができる。このとき、機能素子10は、全体が活性状態に制御される。
制御装置24は、スイッチ装置23を制御することにより、電極12と電極14との間に直流電源22による所定の強さをもつ電界を作用させることができる。このとき、機能素子10は、厚さ方向THDにおける一部が部分的に活性化される。このとき、部分材料11aが活性状態に制御される。このとき、電極14は、電極12と電極13との間において、例えば、電極12に向けて接近するように、独立して移動する。電極14の移動は、静電気的な力、または、電歪効果的な力によって引き起こされる。
制御装置24は、スイッチ装置23を制御することにより、電極13と電極14との間に直流電源22による所定の強さをもつ電界を作用させることができる。このとき、機能素子10は、厚さ方向THDにおける一部が部分的に活性化される。このとき、部分材料11bが活性状態に制御される。このとき、電極14は、電極12と電極13との間において、例えば、電極13に向けて接近するように、独立して移動する。電極14の移動は、静電気的な力、または、電歪効果的な力によって引き起こされる。
この明細書における制御装置は、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)とも呼ばれる場合がある。制御装置、または制御システムは、(a)if-then-else形式と呼ばれる複数の論理としてのアルゴリズム、または(b)機械学習によってチューニングされた学習済みモデル、例えばニューラルネットワークとしてのアルゴリズムによって提供される。制御装置は、少なくともひとつのコンピュータを含む制御システムによって提供される。制御システムは、データ通信装置によってリンクされた複数のコンピュータを含む場合がある。コンピュータは、ハードウェアである少なくともひとつのプロセッサ(ハードウェアプロセッサ)を含む。ハードウェアプロセッサは、下記(i)、(ii)、または(iii)により提供することができる。
(i)ハードウェアプロセッサは、少なくともひとつのメモリに格納されたプログラムを実行する少なくともひとつのプロセッサコアである場合がある。この場合、コンピュータは、少なくともひとつのメモリと、少なくともひとつのプロセッサコアとによって提供される。プロセッサコアは、CPU:Central Processing Unit、GPU:Graphics Processing Unit、RISC-CPUなどと呼ばれる。メモリは、記憶媒体とも呼ばれる。メモリは、プロセッサによって読み取り可能な「プログラムおよび/またはデータ」を非一時的に格納する非遷移的かつ実体的な記憶媒体である。記憶媒体は、半導体メモリ、磁気ディスク、または光学ディスクなどによって提供される。プログラムは、それ単体で、またはプログラムが格納された記憶媒体として流通する場合がある。
(ii)ハードウェアプロセッサは、ハードウェア論理回路である場合がある。この場合、コンピュータは、プログラムされた多数の論理ユニット(ゲート回路)を含むデジタル回路によって提供される。デジタル回路は、ロジック回路アレイ、例えば、ASIC:Application-Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、SoC:System on a Chip、PGA:Programmable Gate Array、CPLD:Complex Programmable Logic Deviceなどとも呼ばれる。デジタル回路は、プログラムおよび/またはデータを格納したメモリを備える場合がある。コンピュータは、アナログ回路によって提供される場合がある。コンピュータは、デジタル回路とアナログ回路との組み合わせによって提供される場合がある。
(iii)ハードウェアプロセッサは、上記(i)と上記(ii)との組み合わせである場合がある。(i)と(ii)とは、異なるチップの上、または共通のチップの上に配置される。これらの場合、(ii)の部分は、アクセラレータとも呼ばれる。
図1は、機能素子10の非活性状態を示す。非活性状態において、一対の電極12、13の間の機能材料11には、電界が作用していない。非活性状態は、非励起状態とも呼ばれる。非活性状態において、機能材料11は、非活性形状DSである。非活性形状DSにおいて、機能材料11は、厚さt1を有する。非活性形状DSにおいて、機能材料11は、低温部材2から吸熱する。非活性形状DSにおいて、機能材料11は、高温部材3からも吸熱する。
図2は、機能素子10の活性状態を示す。活性状態において、一対の電極12、13の間の機能材料11には、電界が作用している。活性状態は、励起状態とも呼ばれる。活性状態において、機能材料11は、活性形状ASである。活性形状ASにおいて、機能材料11は、厚さt2を有する。活性形状ASにおいて、機能材料11は、高温部材3へ放熱する。活性形状ASにおいて、機能材料11は、低温部材2と低熱伝達状態に置かれている。よって、活性形状ASにおいて、機能材料11は、低温部材2へほとんど放熱しない。
固体冷媒サイクル1の作動状態において、制御装置24は、図1に図示される状態と、図2に図示される状態とを交互に実現するようにスイッチ装置23を制御する。この結果、機能素子10は、低温部材2から高温部材3へ向かう熱移動を提供する。固体冷媒サイクル1は、低温部材2にあらわれる低温、および/または、高温部材3にあらわれる高温を利用する。
図3は、機能材料11が撹拌される撹拌状態を示している。図示では、電極14が電極13に接近するように移動している。電極13と電極14との間の機能材料11に電界EFが作用している。電極14は、矢印の方向へ移動MV1を生じる。移動MV1は、電界に起因して生じる一次的な移動である。電極14の移動MV1に伴い、電極14の周囲において機能材料11が流動する。機能材料11の流れFL2は、電極14の移動方向における、電極14の前から、電極14の後ろに向かう流れである。流れFL2は、流動通路31を通る。流れFL2は、部分材料11bから部分材料11aへ移行する流れである。この結果、電極14の前後において、機能材料11の分子が撹拌される。
電極13と電極14との間の部分材料11bは、電界EFによって分子配向が電界方向を指向する。この結果、部分材料11bは、エントロピーが減少し、放熱する。電極12と電極14との間の部分材料11aは、電界が作用しないから、分子配向がランダムとなる。この結果、部分材料11aは、エントロピーが増加し、吸熱する。さらに、電極14の移動方向における電極14の後ろでは、機能材料11の分子が撹拌される。この撹拌は、電極12と電極14との間の機能材料11の分子配向を乱すように作用する。この結果、電極12と電極14との間の機能材料11の分子配向の「ランダムさ」が促進される。言い換えると、エントロピーの増加が促進され、吸熱が促進される。
図4は、機能材料11が撹拌される撹拌状態を示している。図示では、電極14が電極12に接近するように移動している。電極12と電極14との間の機能材料11に電界EFが作用している。電極14は、矢印の方向へ移動MV1を生じる。電極14の移動MV1に伴い、電極14の周囲において機能材料11が流動する。機能材料11の流れFL1は、電極14の移動方向における、電極14の前から、電極14の後ろに向かう流れである。流れFL1は、流動通路31を通る。流れFL1は、部分材料11aから部分材料11bへ移行する流れである。流れFL1と流れFL2とは、互いに逆方向である。機能素子10は、機能材料11の可逆的な流れを生成するように、電界変調回路20によって駆動される。言い換えると、電界変調回路20は、可逆的な流れを生成するように電界を制御するように構成されている。
図示される場合でも、電極14の移動方向における電極14の後ろでは、機能材料11の分子が撹拌される。この撹拌は、電極13と電極14との間の機能材料11の分子配向を乱すように作用する。この結果、電極13と電極14との間の機能材料11の分子配向の「ランダムさ」が促進される。言い換えると、エントロピーの増加が促進され、吸熱が促進される。
なお、図示においては、非活性状態における電極14の移動、および、そのための電界変調回路20を例示している。これに代えて、電界変調回路20は、活性状態において、電極14が移動するように構成されていてもよい。
図5および図6は、機能材料11に含まれる分子のモデルを示している。機能材料11は、高分子材料である。機能材料11は、全体として、高分子鎖が並んだ液晶のような性状を有している。機能材料11は、液晶ポリマーとも呼ばれる。機能材料11は、少なくとも流動可能である。機能材料11は、液体としての性状を示す。機能材料11は、第1材料15の第1分子と、第2材料16の第2分子とを含む。
機能材料11は、第1材料15を備える。第1材料15は、高分子材料である。第1材料15は、機能素子10が提供するべき機能、この実施形態では、電気熱量効果を発揮する材料である。第1材料15は、機能材料11における主材料とも呼ばれる。第1材料15は、高分子鎖が並んだ液晶のような性状を有している。第1材料15は、液晶ポリマーとも呼ばれる。
機能材料11は、第2材料16を備える。第2材料16は、高分子材料である。第2材料16は、第1材料15と高分子鎖を作ることがない材料である。第2材料16は、機能材料11における添加剤とも呼ばれる。第2材料16は、高分子鎖が並んだ液晶のような性状を有している。第2材料16は、液晶ポリマーとも呼ばれる。
第2材料16は、第1材料15の可塑性を高める材料である。この観点において、第2材料16は、機能材料11における可塑剤、または、リラクサとも呼ばれる。第2材料16は、第1材料15に対する可塑化成分として添加されている。第2材料16の存在は、機能材料11に流動性を与える。第2材料16の存在は、機能材料11にゲルとしての性質を発現させている。第2材料16は、ゲル化剤とも呼ばれる。第2材料16の存在は、機能材料11に流体的な性質を与えている。
第2材料16は、液体成分である。第2材料16は、機能材料11の使用温度域において、液体である。使用温度域は、機能材料11の使用状態における最高温度と最低温度とに基づいて規定されている。第2材料16は、機能材料11における0.1重量%以上、600重量%以下の範囲を占める場合がある。第2材料16は、高分子を主成分として、無機フィラーを備えていてもよい。無機フィラーは、第2材料16に分散的に配置されている。
図5および図6は、電気的な双極子を矢印記号によってモデル的に示している。機能材料11は、誘電性を備えている。第1材料15は、誘電性を備えている。第2材料16は、誘電性を備えている。機能材料11を構成する第1材料15、および、第2材料16は、自発分極によって双極子が発現する強誘電体である。第1材料15の第1分子は、所定の双極子モーメントをもつ第1双極子Dfを備えている。第2材料16の第2分子は、それ自身が、所定の双極子モーメントをもつ第2双極子Drを備えている。
なお、第1材料15と第2材料16とは、両方が自発分極をもたない常誘電体でもよい。また、第1材料15と第2材料16とは、一方が常誘電体であり、他方が強誘電体でもよい。第1材料15が常誘電体である場合、第1材料15は電界の中において誘電分極し、電界の方向(厚さ方向THD)を指向する双極子を発現する。第2材料16が常誘電体である場合、第2材料16は電界の中において誘電分極し、電界の方向(厚さ方向THD)を指向する双極子を発現する。望ましい形態においては、第1材料15と第2材料16との少なくとも一方が強誘電体である。
機能材料11は、強誘電体としての性質と、液晶ポリマーとしての性質とを併せ持っている。第1材料15は、強誘電体としての性質と、液晶ポリマーとしての性質とを併せ持っている。第2材料16は、強誘電体としての性質と、液晶ポリマーとしての性質とを併せ持っている。これらの観点から、第1材料15、および、第2材料16は、強誘電体液晶ポリマーと呼ばれている。
図5は、非活性状態における複数の双極子を示す。非活性状態においては、第1双極子Dfと第2双極子Drとの両方がランダムな方向を指向している。液体としての性状を示す機能材料11は、分子配列がランダムになりやすい。
図6は、活性状態における複数の双極子を示す。活性状態においては、第1双極子Dfと第2双極子Drとの両方が、一対の電極の間に作用する電界によって、電界の方向(厚さ方向THD)を指向している。言い換えると、機能材料11は、一対の電極の間に作用する電界によって、電界の方向(厚さ方向THD)に沿うように指向する第1双極子Df、および、第2双極子Drを備える。液体である機能材料11は、外部電界の作用によって、分子配列が所定方向を指向しやすい。
第2材料16は、可塑剤としての性質によって、第1材料15の高分子鎖の間に、隙間を提供する。言い換えると、第2材料16の存在は、第2材料16を備えない第1材料15だけの素体よりも、複数の第1双極子Dfの間に隙間を提供する。この結果、第2材料16は、第1材料15の第1分子、すなわち第1双極子Dfの運動性を高める。第2材料16は、第1双極子Dfを動きやすくする作用を提供する。第2材料16は、第1双極子Dfの運動性を高めることにより、機能材料11における分極Pを向上させる。
さらに、第2材料16の第2分子は、それ自身が、所定の双極子モーメントをもつ第2双極子Drを備えている。第2双極子Drは、機能材料11における分極密度を高め、機能材料11における分極Pを向上する。
図7は、電界Eと分極Pとが示すヒステリシス曲線を示している。破線CMPは、第1材料15だけを含む比較例のヒステリシス曲線である。実線EMBは、機能材料11のヒステリシス曲線である。第2材料16は、可塑剤、または、リラクサとしての性質によって、機能材料11における抗電圧を低下させる。さらに、第2材料16は、自らが第2双極子Drを備えることによって、機能材料11における分極密度を高めている。
抗電圧の低さは、機能材料11における双極子モーメントの等方化を可能とする。この結果、高いエントロピー変化量ΔSを実現することができるから、高い電気熱量効果(冷却能力)を実現することができる。さらに、同じ電界における分極Pが高くなるから、機能材料11の厚さを相対的に大きくすることができる。機能材料11の厚さを大きくすることにより、低温端と高温端との間における温度差ΔTを大きくすることができる。この結果、固体冷媒サイクル1としての高い効率を実現することができる。効率は、例えば、成績係数COP(Coefficient Of Performance)によって評価することができる。
図8は、第1材料15の実施例I-VIIを示している。第1材料15は、図8に図示される複数の材料I-VIIのいずれかひとつを含むことができる。第1材料15は、実施例I-VIIのコポリマー、または、混合物でもよい。主たる実施例においては、第1材料15は、PVdF系の樹脂(ポリフッ化ビニリデン樹脂)によって提供されている。これに代えて、第1材料15は、図8に図示される複数の材料II-VIIのいずれかひとつを含むことができる。第1材料15は、例えば、ポリフッ化ビニリデンPVdFに、トリフルオロエチレン(TrFE)および/または1-クロロ-1-フルオロ-エチレン(CFE)を添加物として含む、PVdF-TrFE、またはPVdF-TrFE-CFEによって提供されてもよい。
図9は、第2材料16の実施例1-12を示している。第2材料16は、図8に図示される複数の材料1-12のいずれかひとつを含むことができる。第2材料16のアルキル鎖の数は、2-12である。第2材料16は、実施例1-12の混合物であってもよい。第2材料16は、第1材料15に対して強く相互作用する官能基と、弱く相互作用する官能基とを有している。
上述のように、第2材料16は、第1材料15の高分子鎖の運動性を高める。典型的な例においては、第1材料15の高分子鎖の運動性は、回転性によって評価される。さらに、上述のように、第2材料16は、自らの第2双極子Drによって、機能材料11における分極密度を向上させる。
以上に述べた実施形態では、機能素子10は、一対の電極12、14、または、一対の電極13、14の間に作用する電界の変調に応答して所定の機能を発揮する機能材料11を備える。しかも、機能材料11は、電極14の移動によって流動させられる。機能材料11の流動は、材料の偏りを抑制し、発揮される機能を安定化する。この結果、安定的に機能を発揮する電界駆動型の機能素子10が提供される。
機能材料11は、電界の方向を指向する双極子Df、Drを提供する分子を有する。機能材料11は、流動によって分子が撹拌される。このため、機能材料11は、分子配列が安定状態に戻りやすい。安定状態は、製造時に設定された初期的な状態である。実施形態において、機能材料11は、強誘電体である。よって、自発分極によって発現した双極子は、機能材料11の流動によって安定状態におかれる。実施形態において、機能材料11は、液晶ポリマーである。よって、液晶的な性質を示すポリマーが流動によって安定状態におかれる。
この実施形態において、機能材料11は液体である。このため、機能材料11は、流動によって、分子配列がランダムになりやすく、逆に、外部電界の作用によって、分子配列が所定方向を指向しやすい。よって、電界駆動型の機能素子10は、分子配列に起因する機能を大きく引き出すことができる。この実施形態では、大きい電気熱量効果が引き出される。よって、分子配向の変化量が改良された電界駆動型の機能素子、すなわち固体冷媒サイクルが提供される。
さらに、第2材料16によって、機能材料11の分極密度が改良された電界駆動型の機能素子が提供される。この改良は、第2材料16による第1材料15の運動性(可動性)の向上と、第2材料16それ自身の第2双極子Drによる分極密度の向上とによってもたらされる。
さらに、機能素子10における、一対の電極12、14と、一対の電極13、14との挙動は、機能素子10における可逆的なポンプ作用を提供する。ポンプ作用は、電界駆動型の機能素子における有利な効果をもたらす。ポンプ作用のひとつの効能は、機能材料11の分子の撹拌である。この実施形態では、電極14が機能材料11の分子を直接的に撹拌する。よって、機能材料11は、分子配列が初期的な安定状態になりやすい。加えて、機能材料11の分子の撹拌は、機能材料11の均一さを維持するために貢献する。例えば、機能材料11の部分的な劣化があっても、機能材料11の分子の撹拌は、機能材料11の全体としての機能維持に貢献する。部分的な劣化は、例えば、絶縁破壊に起因する分子の部分的な劣化、または、経年変化に起因する分子の部分的な劣化を含む。
第2実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、機能素子10は、可動の独立した電極14を備える。これに代えて、この実施形態では、一対の電極によって機能材料11の流動を引き起こす。
図10において、機能材料11は、部分材料11aと、部分材料11bとを有している。機能素子10は、機能材料11の一部に電界を作用させる一対の電極212、213を備える。一対の電極212、213は、機能材料11の厚さ方向THDにおいて互いに対向している。一対の電極212、213は、部分材料11aに電界を作用させるように配置されている。さらに、機能素子10は、機能材料11の他の一部に電界を作用させる一対の電極214、215を備える。一対の電極214、215は、部分材料11bに電界を作用させるように配置されている。一対の電極214、215は、機能材料11の厚さ方向THDにおいて互いに対向している。低温部材2と高温部材3とは、機能材料11の直交方向PPDにおける両端に配置されている。よって、機能素子10は、低温材料2から吸熱し、高温材料3に放熱する。
部分材料11aと、部分材料11bとの間には、流動通路231が区画されている。この実施形態では、一対の電極212、213と、一対の電極214、215とが、それらの間に、流動通路231を区画している。一対の電極212、213と部分材料11aとは、第1の機能素子を形成している。一対の電極214、215と部分材料11bとは、第2の機能素子を形成している。流動通路231は、第1の機能素子と、第2の機能素子との間を連通している。流動通路231は、第1の機能素子と、第2の機能素子との間において機能材料11の流動を可能としている。
電界変調回路20は、一対の電極212、213の間、または、一対の電極214、215の間に電界を作用させることができる。電界変調回路20は、一対の電極212、213の間、および、一対の電極214、215の間の両方に電界を作用させることもできる。
図11において、電界変調回路20が、一対の電極212、213の間の部分材料11aに電界を作用させた状態が示されている。このとき、一対の電極212、213は、静電気的な力、または、電歪効果的な力によって、矢印の方向に移動MV1を生じる。移動MV1は、電界に起因して生じる一次的な移動である。一対の電極212、213の間の間隔が接近することにより、部分材料11aは、押し出される。部分材料11aは、流動通路231を、矢印の方向へ流れFL1のように流れる。流れFL1は、部分材料11aから部分材料11bへ移行する流れである。流れFL1によって、部分材料11bが占める容積が増加する。これにより、一対の電極214、215は、矢印の方向に移動MV2を生じる。移動MV2は、機能材料11の流動に起因して生じる二次的な移動である。すなわち、一対の電極214、215の間の間隔が離れる。この結果、部分材料11aと、部分材料11bとの両方において、それらを構成する分子の撹拌が行われる。
図12において、電界変調回路20が、一対の電極214、215の間の部分材料11bに電界を作用させた状態が示されている。このとき、一対の電極214、215は、静電気的な力、または、電歪効果的な力によって、矢印での方向に移動MV1を生じる。一対の電極214、215の間の間隔が接近することにより、部分材料11bは、押し出される。部分材料11bは、流動通路231を、矢印の方向へ流れFL2のように流れる。流れFL2は、部分材料11bから部分材料11aへ移行する流れである。流れFL2によって、部分材料11aが占める容積が増加する。これにより、一対の電極212、213は、矢印の方向に移動MV2を生じる。すなわち、一対の電極212、213の間の間隔が離れる。流れFL1と流れFL2とは、互いに逆方向である。機能素子10は、機能材料11の可逆的な流れを生成するように、電界変調回路20によって駆動される。この結果、部分材料11aと、部分材料11bとの両方において、それらを構成する分子の撹拌が行われる。
この実施形態によると、先行する実施形態と同様の作用効果が奏される。
第3実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、電界駆動型の機能素子10は、固体冷媒サイクル1を提供する。機能素子10は、電界の変動によって熱移動を生成する固体冷媒として機能する。これに代えて、この実施形態では、電界駆動型の機能素子10は、アクチュエータ301を提供する。機能素子10は、電界の変動によって機械的な変位を出力する動力源として機能する。
図13において、機能素子10は、アクチュエータ301を提供する。アクチュエータ301は、外部エネルギとしての電界の変調によって、機能素子10の変位Laを出力する。アクチュエータ301は、端部片304と、端部片305とを備える。端部片304は、電極13と機械的に連結されている。端部片305は、電極12と機械的に連結されている。端部片304は、可動片とも呼ばれる。端部片304は、機械的な変位Laを出力するための出力部材を提供する。端部片305は、変位の基準を規定する部材に固定されている。端部片305は、固定片とも呼ばれる。
この実施形態では、端部片304が専ら機械的な変位Laを出力する。これに代えて、端部片304を固定片とし、端部片305を可動片としてもよい。この場合、端部片304が出力部材を提供する。また、端部片304と、端部片305との両方を可動片としてもよい。この場合、端部片304と、端部片305との両方が出力部材を提供する。機能素子10は、機能材料11の変形を直接的に出力することができる。機能素子10は、静かに機械的な変位を出力することができる。アクチュエータ301は、例えば、人工筋肉として利用することができる。
さらに、この実施形態では、端部片304に代えて、または、加えて、機能素子10は、電極14に連結された中間片306を備えることができる。この場合、中間片306が機械的な変位Laを出力する。
この実施形態によると、先行する実施形態と同様の作用効果が奏される。この実施形態では、例えば、取り出される変位量の増加、または、取り出される変位力の増加、または、変位量の増加と変位力の増加との両方を達成することができる。よって、分子配向の変化量が改良された電界駆動型の機能素子、すなわちアクチュエータが提供される。
第4実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態でもアクチュエータ301が提供される。図14において、変位Laを出力するための端部片404は、電極214に連結されている。この実施形態でも、先行する実施形態と同様の作用効果が奏される。
第5実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態でもアクチュエータ301が提供される。
図15において、変位Laを出力するための端部片504は、機能材料11に直接的に連結されている。端部片504は、機能材料11を収容した容器に連結されていてもよい。端部片504は、機能材料11の形状変化を直接的に変位として出力する。端部片504は、機能材料11の直交方向PPDにおける端部に連結されている。機能素子10は、機能材料11の直交方向PPDにおける端部片504と反対側の端部に、固定片としての端部片505を備える。
図16において、電界変調回路20が一対の電極212、213に電圧を作用させると、それらの間に電界が作用する。部分材料11aは、流動通路231を通して、流れFLのように流れる。この結果、機能材料11は、直交方向PPDに押し出される。これにより、端部片504に変位Laが出力される。
図17において、電界変調回路20が、さらに、一対の電極214、215に電圧を作用させると、それらの間に電界が作用する。部分材料11bは、流れFLのように流れる。この結果、機能材料11は、直交方向PPDに押し出される。これにより、端部片504に、さらに大きい変位Lbが出力される。
他の実施形態
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形形態を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
明細書および図面等における開示は、請求の範囲の記載によって限定されない。明細書および図面等における開示は、請求の範囲に記載された技術的思想を包含し、さらに請求の範囲に記載された技術的思想より多様で広範な技術的思想に及んでいる。よって、請求の範囲の記載に拘束されることなく、明細書および図面等の開示から、多様な技術的思想を抽出することができる。
上記実施形態では、機能素子10は、単段である。これに代えて、機能素子10は、直列的に配列されることにより、直列多段素子を提供してもよい。これに代えて、機能素子10は、並列的に配列されることにより、並列多段素子を提供してもよい。また、機能素子10は、直列的かつ並列的に配列されることにより、直並列多段素子を提供してもよい。
1 固体冷媒サイクル、 2 低温部材、 3 高温部材、
10 機能素子、 11 機能材料、 11a、11b 部分材料、
12、13、14 電極、 15 第1材料、 16 第2材料、
20 電界変調回路、 21 回路部材、 22 直流電源、
23 スイッチ装置、 24 制御装置(ECU)、 31 流動通路、
212、213、214、215 電極、 231 流動通路、
301 アクチュエータ、 304、305、306 端部片、
404 端部片、
504、505 端部片、
AS 活性形状、 DS 非活性形状、 t1、t2 厚さ、
MV1、MV2 移動、 FL1、FL2 流れ、 EF 電界、
Df 第1双極子、 Dr 第2双極子、
La、Lb 変位。

Claims (9)

  1. 一対の電極(12、13、14、212、213、214、215)の間に作用する電界の変調に応答して所定の機能を発揮し、前記電極の移動によって流動させられる機能材料(11)を備え、
    一対の前記電極は、
    前記機能材料の中に浸漬して配置されており、前記機能材料の中を移動可能な可動電極(14)を含み、
    前記可動電極は、前記可動電極の移動に伴う前記機能材料の流動を許容するための流動通路(31)を区画している電界駆動型の機能素子。
  2. 前記機能材料は、前記電界の方向を指向する双極子(Df、Dr)を提供する分子を有し、前記流動によって前記分子が撹拌される請求項1に記載の電界駆動型の機能素子。
  3. 前記機能材料は、強誘電体である請求項1または請求項2に記載の電界駆動型の機能素子。
  4. 前記機能材料は、液晶ポリマーである請求項1から請求項3のいずれかに記載の電界駆動型の機能素子。
  5. 前記機能材料は、強誘電体であり、かつ、液晶ポリマーであり、自発分極によって双極子を発現している請求項1または請求項2に記載の電界駆動型の機能素子。
  6. 前記機能材料は、液体である請求項1から請求項5のいずれかに記載の電界駆動型の機能素子。
  7. さらに、前記電界を変調する電界変調回路(20)を備える請求項1から請求項6のいずれかに記載の電界駆動型の機能素子。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の電界駆動型の機能素子(10)と、
    前記機能素子の電気熱量効果を出力する出力部材とを備える固体冷媒サイクル。
  9. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の電界駆動型の機能素子(10)と、
    前記機能素子の機械的な変位を出力する出力部材とを備えるアクチュエータ。
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