以下、本発明の実施形態に係る反射体駆動装置101について図面を参照して説明する。図1は、反射体駆動装置101の斜視図である。図2は、反射体駆動装置101が搭載されたカメラ付き携帯機器におけるカメラモジュールの概略図である。図3は、反射体駆動装置101の分解斜視図である。
図1~図3のそれぞれにおけるX1は三次元直交座標系を構成するX軸の一方向を表し、X2はX軸の他方向を表す。また、Y1は三次元直交座標系を構成するY軸の一方向を表し、Y2はY軸の他方向を表す。同様に、Z1は三次元直交座標系を構成するZ軸の一方向を表し、Z2はZ軸の他方向を表す。本実施形態では、反射体駆動装置101のX1側は、反射体駆動装置101の前側(正面側)に相当し、反射体駆動装置101のX2側は、反射体駆動装置101の後側(背面側)に相当する。また、反射体駆動装置101のY1側は、反射体駆動装置101の左側に相当し、反射体駆動装置101のY2側は、反射体駆動装置101の右側に相当する。そして、反射体駆動装置101のZ1側は、反射体駆動装置101の上側に相当し、反射体駆動装置101のZ2側は、反射体駆動装置101の下側に相当する。他の図における他の部材についても同様である。
反射体駆動装置101は、図1に示すように、反射体1を揺動軸SA1及び揺動軸SA2のそれぞれの回りで揺動させることができるように構成されている。反射体駆動装置101は、例えば、カメラモジュールにおける手振れ補正用アクチュエータとして使用される。本実施形態では、第1軸としての揺動軸SA1は、Y軸に平行な軸であり、第2軸としての揺動軸SA2は、Z軸に平行な軸である。但し、第1軸としての揺動軸SA1は、Z軸に平行な軸であってもよい。この場合、第2軸としての揺動軸SA2は、Y軸に平行な軸であってもよい。
反射体駆動装置101は、典型的には図2に示すように、レンズユニットLUよりも被写体に近い側に配置され、被写体からの光LTを反射体1で反射させ、その反射光を、レンズユニットLUを通じて撮像素子ISに到達させるように構成されている。
具体的には、反射体駆動装置101は、図3に示すように、可動側部材MBと固定側部材FBとで構成されている。可動側部材MBは、固定側部材FBを構成する筐体HS内に収容されている。筐体HSは、図1に示すように、カバー部材2及びベース部材(第2支持部材6)で構成されている。本実施形態では、カバー部材2は非磁性金属で形成され、ベース部材としての第2支持部材6は合成樹脂で形成されている。
そして、反射体駆動装置101は、駆動機構MDにより、固定側部材FBに対して可動側部材MBを揺動させることができるように構成されている。具体的には、反射体駆動装置101は、図1及び図2に示すように、筐体HSに対して反射体1を両矢印AR1で示すように揺動軸SA1の回りに揺動させ、且つ、両矢印AR2で示すように揺動軸SA2の回りに揺動させることができるように構成されている。
可動側部材MBは、固定側部材FBによって支持される部材であり、図3に示すように、反射体1、反射体保持部材4、第1支持部材5、可動側金属部材7、及び磁石11を含む。
反射体1は、光を屈曲するための光学素子である。具体的には、反射体1は、図2に示すように、被写体から入射する光LTをレンズユニットLUに向けて反射させることができるように構成されている。本実施形態では、反射体1は、プリズムである。反射体1は、ミラーであってもよい。
反射体保持部材4は、反射体1を保持できるように構成されている。本実施形態では、反射体保持部材4は、合成樹脂で形成されている。反射体1は、接着剤によって反射体保持部材4に接合されている。
第1支持部材5は、第1軸としての揺動軸SA1の回りで反射体保持部材4が揺動可能となるように反射体保持部材4を支持できるように構成されている。本実施形態では、第1支持部材5は、合成樹脂で形成されている。
可動側金属部材7は、駆動機構MDを構成する部材である。本実施形態では、可動側金属部材7は、形状記憶合金ワイヤWの一端(可動側端部)が取り付けられる金属部材であり、接着剤により反射体保持部材4に固定されている。
形状記憶合金ワイヤWは、駆動機構MDを構成する部材である。本実施形態では、形状記憶合金ワイヤWは、電気絶縁材料で被覆されたワイヤであり、第1ワイヤW1~第4ワイヤW4を含む。形状記憶合金ワイヤWは、電流が流れると温度が上昇し、その温度の上昇に応じて収縮する。駆動機構MDは、形状記憶合金ワイヤWの収縮を利用して可動側部材MB(反射体保持部材4)を揺動軸SA1及び揺動軸SA2のそれぞれの回りで揺動させることができる。なお、形状記憶合金ワイヤWは、第1ワイヤW1~第4ワイヤW4のうちの一つ又は複数が収縮すると可動側部材MBが揺動し、その揺動によって第1ワイヤW1~第4ワイヤW4のうちの別の一つ又は複数が引き延ばされるように構成されている。
具体的には、可動側金属部材7は、左可動側金属部材7L及び右可動側金属部材7Rを含む。左可動側金属部材7Lは、第1ワイヤW1の一端(可動側端部)と第2ワイヤW2の一端(可動側端部)とが取り付けられる金属部材であり、接着剤により反射体保持部材4の左壁部に固定されている。右可動側金属部材7Rは、第3ワイヤW3の一端(可動側端部)と第4ワイヤW4の一端(可動側端部)とが取り付けられる金属部材であり、接着剤により反射体保持部材4の右壁部に固定されている。
磁石11は、可動側部材MBの姿勢を検出するための部材である。本実施形態では、磁石11は、固定側部材FBに取り付けられるセンサ10に対向するように、接着剤によって反射体保持部材4に固定されている。センサ10は、磁石11が発生させる磁界を検出するための磁気センサである。そして、センサ10は、磁石11が発生させる磁界を検出することにより、磁石11が固定された反射体保持部材4の姿勢の変化を検出できる。
具体的には、磁石11は、互いに離間して配置される左側磁石11L及び右側磁石11Rを含む。左側磁石11L及び右側磁石11Rは、形状、重量、及びサイズが互いに等しくなるように形成されている。可動側部材MBの重量バランスに悪影響を与えないようにするためである。
固定側部材FBは、可動側部材MBを支持できるように構成されている。具体的には、固定側部材FBは、図4A及び図4Bに示すように、配線基板3、第2支持部材6、固定側金属部材8、センサ10、及び導電部材12を含む。図4A及び図4Bは、固定側部材FBの詳細図を示す。具体的には、図4Aは、固定側部材FBの斜視図であり、図4Bは、固定側部材FBの分解斜視図である。なお、図4A及び図4Bでは、明瞭化のため、固定側金属部材8にはドットパターンが付され、導電部材12にはクロスパターンが付され、且つ、カバー部材2の図示が省略されている。
配線基板3は、駆動機構MD及びセンサ10のそれぞれと外部の電流供給機能を有する制御装置とを接続するための部材である。本実施形態では、配線基板3は、フレキシブル配線基板で構成されている。但し、配線基板3は、リジッド配線基板であってもよく、リジッドフレキシブル配線基板であってもよい。また、配線基板3は、接着剤により、第2支持部材6に固定されている。
第2支持部材6は、第1軸としての揺動軸SA1の軸線方向(Y軸方向)に垂直な軸線方向(Z軸方向)を有する第2軸としての揺動軸SA2の回りで第1支持部材5が揺動可能となるように第1支持部材5を支持できるように構成されている。また、第2支持部材6は、その後壁部に導電部材12が埋設されるように構成されている。本実施形態では、導電部材12は、インサート成形によって第2支持部材6に埋設された金属製の部材である。
固定側金属部材8は、駆動機構MDを構成する部材である。本実施形態では、固定側金属部材8は、形状記憶合金ワイヤWの他端(固定側端部)が取り付けられる金属部材であり、接着剤により第2支持部材6に固定されている。
具体的には、固定側金属部材8は、左固定側金属部材8L及び右固定側金属部材8Rを含む。左固定側金属部材8Lは、左上固定側金属部材8UL及び左下固定側金属部材8DLを含む。右固定側金属部材8Rは、右上固定側金属部材8UR及び右下固定側金属部材8DRを含む。左上固定側金属部材8ULは、第2ワイヤW2(図3参照。)の他端(固定側端部)が取り付けられる金属部材であり、接着剤により第2支持部材6の左壁部に固定されている。左下固定側金属部材8DLは、第1ワイヤW1(図3参照。)の他端(固定側端部)が取り付けられる金属部材であり、接着剤により第2支持部材6の左壁部に固定されている。右上固定側金属部材8URは、第4ワイヤW4(図3参照。)の他端(固定側端部)が取り付けられる金属部材であり、接着剤により第2支持部材6の右壁部に固定されている。右下固定側金属部材8DRは、第3ワイヤW3(図3参照。)の他端(固定側端部)が取り付けられる金属部材であり、接着剤により第2支持部材6の右壁部に固定されている。
センサ10は、可動側部材MBの位置を検出できるように構成されている。本実施形態では、センサ10は、磁石11が発生させる磁界を検出可能な巨大磁気抵抗効果(Giant Magneto Resistive effect: GMR)素子で構成されている。但し、センサ10は、半導体磁気抵抗(Semiconductor Magneto Resistive: SMR)素子、異方性磁気抵抗(Anisotropic Magneto Resistive: AMR)素子、又はトンネル磁気抵抗(Tunnel Magneto Resistive: TMR)素子等の他の磁気抵抗素子を利用して可動側部材MBの位置を検出できるように構成されていてもよい。或いは、センサ10は、ホール素子を利用して可動側部材MBの位置を検出できるように構成されていてもよい。
具体的には、センサ10は、第2支持部材6に固定される配線基板3に取り付けられ、第2支持部材6に関して相対移動不能となるように配置されている。そして、センサ10は、左側磁石11Lが発生させる磁界を検出可能な左側センサ10Lと、右側磁石11Rが発生させる磁界を検出可能な右側センサ10Rと、を含む。左側センサ10Lは、配線基板3に取り付けられた状態で、第2支持部材6の底壁部に形成された左側貫通部6HL内に嵌め込まれるように配置されている。また、右側センサ10Rは、配線基板3に取り付けられた状態で、第2支持部材6の底壁部に形成された右側貫通部6HR内に嵌め込まれるように配置されている。
そして、センサ10は、左側センサ10L及び右側センサ10Rのそれぞれの出力に基づき、不図示の制御装置が揺動軸SA1及び揺動軸SA2のそれぞれの回りで揺動する可動側部材MBの位置を検出できるように構成されている。制御装置は、例えば、反射体駆動装置101の外部にある装置である。
付勢部材9は、駆動機構MDを構成する部材である。本実施形態では、付勢部材9は、形状記憶合金ワイヤWを流れる電流の導電路として機能するように構成されている。また、可動側部材MBは、付勢部材9によって付勢され、固定側部材FBに押し付けられるように構成されている。具体的には、付勢部材9は、X軸に平行な方向において、反射体保持部材4を第1支持部材5の側(X2側)に付勢する第1付勢部材と、第1支持部材5を第2支持部材6の側(X2側)に付勢する第2付勢部材と、を含むように構成されている。本実施形態では、付勢部材9は、ばね部材で形成されており、第1付勢部材と第2付勢部材とを兼ねている。
具体的には、付勢部材9は、一対のばね部材(左側ばね部材9L及び右側ばね部材9R)で構成され、反射体保持部材4をX2側(後側)に付勢する機能と、第1支持部材5をX2側(後側)に付勢する機能とを実現できるように構成されている。
しかしながら、第1付勢部材と第2付勢部材とは別個独立の部材であってもよい。例えば、第1付勢部材が一又は複数のばね部材で構成され、第2付勢部材が別の一又は複数のばね部材で構成されていてもよい。
この構成により、付勢部材9は、揺動軸SA1から離れる方向に反射体保持部材4が動いてしまうのを防止でき、且つ、揺動軸SA2から離れる方向に第1支持部材5が動いてしまうのを防止できる。
導電部材12は、駆動機構MDを構成する部材である。本実施形態では、導電部材12は、図4Bに示すように、左導電部材12L及び右導電部材12Rを含む。左導電部材12Lは、第1左導電部材12L1、第2左導電部材12L2、及び第3左導電部材12L3を含む。右導電部材12Rは、第1右導電部材12R1、第2右導電部材12R2、及び第3右導電部材12R3を含む。
第1左導電部材12L1は、一端(基端)が配線基板3に接続され、且つ、他端(先端)が左上固定側金属部材8ULに接続されるように構成されている。第2左導電部材12L2は、一端が配線基板3に接続され、且つ、他端が左側ばね部材9Lに接続されるように構成されている。第3左導電部材12L3は、一端が配線基板3に接続され、且つ、他端が左下固定側金属部材8DLに接続されるように構成されている。
同様に、第1右導電部材12R1は、一端が配線基板3に接続され、且つ、他端が右上固定側金属部材8URに接続されるように構成されている。第2右導電部材12R2は、一端が配線基板3に接続され、且つ、他端が右側ばね部材9Rに接続されるように構成されている。第3右導電部材12R3は、一端が配線基板3に接続され、且つ、他端が右下固定側金属部材8DRに接続されるように構成されている。
次に、図5を参照し、付勢部材9の詳細について説明する。図5は、付勢部材9の正面図である。
付勢部材9は、反射体保持部材4の側壁部の台座部4P(図3参照。)に固定される内側固定部9Mと、第2支持部材6の側壁部の台座部6P(図3参照。)に固定される外側固定部9Fと、内側固定部9Mと外側固定部9Fとを連結する弾性腕部9Gと、を有する。具体的には、付勢部材9は、離間して配置された右側ばね部材9Rと左側ばね部材9Lとを含む。右側ばね部材9R及び左側ばね部材9Lは板ばねによって構成されている。
より具体的には、右側ばね部材9Rは、反射体保持部材4の右壁部の右台座部4PR(図3参照。)に固定される右内側固定部9MRと、第2支持部材6の右壁部の右台座部6PR(図3参照。)に固定される右外側固定部9FRと、右内側固定部9MRと右外側固定部9FRとを連結する右弾性腕部9GRと、を有する。そして、右弾性腕部9GRは、右内側固定部9MRの上端部と右外側固定部9FRの上端部とを連結する右上弾性腕部9GURと、右内側固定部9MRの下端部と右外側固定部9FRの下端部とを連結する右下弾性腕部9GDRと、を有する。なお、右内側固定部9MR及び右外側固定部9FRの少なくとも一方は、上下に分割されていてもよい。
同様に、左側ばね部材9Lは、反射体保持部材4の左壁部の左台座部4PL(図3では不可視。)に固定される左内側固定部9MLと、第2支持部材6の左壁部の左台座部6PL(図3参照。)に固定される左外側固定部9FLと、左内側固定部9MLと左外側固定部9FLとを連結する左弾性腕部9GLと、を有する。そして、左弾性腕部9GLは、左内側固定部9MLの上端部と左外側固定部9FLの上端部とを連結する左上弾性腕部9GULと、左内側固定部9MLの下端部と左外側固定部9FLの下端部とを連結する左下弾性腕部9GDLと、を有する。なお、左内側固定部9ML及び左外側固定部9FLの少なくとも一方は、上下に分割されていてもよい。
また、本実施形態では、付勢部材9は、図5に示すように、正面視において、左上弾性腕部9GULと左下弾性腕部9GDLとの間に揺動軸SA1が位置し、且つ、右上弾性腕部9GURと右下弾性腕部9GDRとの間に揺動軸SA1が位置するように、反射体保持部材4及び第2支持部材6に取り付けられている。
次に、図6A~図6Cを参照し、可動側部材MBの詳細について説明する。図6A~図6Cは、三つの異なる角度から見た可動側部材MBの分解斜視図である。具体的には、図6Aは、右斜め上前方から見た可動側部材MBの分解斜視図である。図6Bは、右斜め上後方から見た可動側部材MBの分解斜視図である。図6Cは、右斜め下後方から見た可動側部材MBの分解斜視図である。なお、図6A~図6Cでは、明瞭化のため、可動側金属部材7の図示が省略されている。
反射体保持部材4には、磁石11を収容可能な凹部4Eが形成されている。具体的には、反射体保持部材4の底壁部には、図6Cに示すように、左側磁石11Lを収容可能な左側凹部4ELと右側磁石11Rを収容可能な右側凹部4ERが形成されている。
反射体保持部材4と第1支持部材5とは、第1軸部CN1により、反射体保持部材4が第1支持部材5に対して揺動可能となるように連結されている。
第1軸部CN1は、反射体保持部材4が第1支持部材5に対して揺動可能となるように反射体保持部材4と第1支持部材5とを連結する機構であり、反射体保持部材4に形成された凹部4Sと、第1支持部材5に形成された凸部5Tと、で構成されている。
具体的には、第1軸部CN1は、左側軸部CN1L及び右側軸部CN1Rを含む。左側軸部CN1Lは、反射体保持部材4の後壁部に形成された左側凹部4SLと、第1支持部材5の左壁部の前端部に形成された左側凸部5TLと、で構成されている。
同様に、右側軸部CN1Rは、反射体保持部材4の後壁部に形成された右側凹部4SRと、第1支持部材5の右壁部の前端部に形成された右側凸部5TRと、で構成されている。
ここで、図7A~図7Cを参照し、反射体保持部材4と第1支持部材5とが組み合わされたときの第1軸部CN1の状態について説明する。図7A~図7Cは、反射体保持部材4と第1支持部材5との組み合わせの詳細図である。具体的には、図7Aは、反射体保持部材4と第1支持部材5との組み合わせの背面図である。図7Bは、図7Aにおける線分L1を含むXY平面に平行な仮想平面における反射体保持部材4と第1支持部材5との組み合わせの断面図である。図7Cは、図7Aにおける線分L2を含むXZ平面に平行な仮想平面における反射体保持部材4と第1支持部材5との組み合わせの断面図である。なお、図7A~図7Cでは、明瞭化のため、反射体保持部材4には粗いドットパターンが付され、第1支持部材5には細かいドットパターンが付されている。
図7B及び図7Cに示すように、左側凸部5TLは、先端が略半球体となるように構成されており、左側凹部4SLは、左側凸部5TLとかみ合う略半円柱状の凹面を含むように構成されている。右側凹部4SR及び右側凸部5TRについても同様である。
この構成は、反射体保持部材4が第1支持部材5に対して揺動したときに反射体保持部材4が上下方向にずれるのを抑制でき、且つ、左右方向にずれるのを抑制できる。
また、図4A及び図6A~図6Cに示すように、第1支持部材5と第2支持部材6とは、第2軸部CN2により、第1支持部材5が第2支持部材6に対して揺動可能となるように連結されている。
第2軸部CN2は、第1支持部材5が第2支持部材6に対して揺動可能となるように第1支持部材5と第2支持部材6とを連結する機構であり、第1支持部材5に形成された凸部5Vと、第2支持部材6に形成された凹部6S(図4A参照。)と、で構成されている。
具体的には、第2軸部CN2は、上側軸部CN2U及び下側軸部CN2Dを含む。上側軸部CN2Uは、第1支持部材5の後壁部の外側(後側)の上端中央部に形成された上側凸部5VUと、第2支持部材6の後壁部の内側(前側)の中央部に形成された凹部6Sと、で構成されている。
同様に、下側軸部CN2Dは、第1支持部材5の後壁部の外側(後側)の下端中央部に形成された下側凸部5VDと、第2支持部材6の後壁部の内側(前側)の中央部に形成された凹部6Sと、で構成されている。
ここで、図8A~図8Cを参照し、第1支持部材5と第2支持部材6とが組み合わされたときの第2軸部CN2の状態について説明する。図8A~図8Cは、第1支持部材5と第2支持部材6との組み合わせの詳細図である。具体的には、図8Aは、第1支持部材5と第2支持部材6との組み合わせの正面図である。図8Bは、図8Aにおける線分L3を含むXY平面に平行な仮想平面における第1支持部材5と第2支持部材6との組み合わせの断面図である。図8Cは、図8Aにおける線分L4を含むXZ平面に平行な仮想平面における第1支持部材5と第2支持部材6との組み合わせの断面図である。なお、図8A~図8Cでは、明瞭化のため、第1支持部材5には細かいドットパターンが付され、第2支持部材6に更に細かいドットパターンが付されている。
図8B及び図8Cに示すように、上側凸部5VU及び下側凸部5VDのそれぞれは、先端が略半球体となるように構成されており、凹部6Sは、上側凸部5VU及び下側凸部5VDとかみ合う略半円柱状の凹面を含むように構成されている。
この構成は、第1支持部材5が第2支持部材6に対して揺動したときに第1支持部材5が上下方向にずれるのを抑制でき、且つ、左右方向にずれるのを抑制できる。
次に、図9A、図9B、及び図10を参照し、付勢部材9の詳細について説明する。図9A及び図9Bは、反射体保持部材4と第2支持部材6との間に配置された付勢部材9の斜視図である。具体的には、図9Aは、右斜め上前方から見た斜視図であり、図9Bは、左斜め上前方から見た斜視図である。図10は、反射体保持部材4と第2支持部材6との間に配置された付勢部材9の右側面図である。なお、図9A、図9B、及び図10では、明瞭化のため、反射体保持部材4には粗いドットパターンが付され、第2支持部材6には細かいドットパターンが付されている。
付勢部材9は、上述のように、離間して配置された右側ばね部材9Rと左側ばね部材9Lとを含む。具体的には、右側ばね部材9Rは、反射体保持部材4の右壁部の右台座部4PRに固定される右内側固定部9MRと、第2支持部材6の右壁部の右台座部6PRに固定される右外側固定部9FRと、右内側固定部9MRの上端部と右外側固定部9FRの上端部とを連結する右上弾性腕部9GURと、右内側固定部9MRの下端部と右外側固定部9FRの下端部とを連結する右下弾性腕部9GDRと、を有する。
本実施形態では、反射体保持部材4の右壁部の右台座部4PRは、前側(X1側)の面から前方(X1方向)に突出する丸形凸状の二つの突設部4ARを含む。突設部4ARは、右内側固定部9MRに形成された二つの貫通孔に対応している。
具体的には、右内側固定部9MRは、突設部4ARが形成された右台座部4PRに装着され且つ固定される。右台座部4PRに対する右内側固定部9MRの固定は、右内側固定部9MRに形成された貫通孔に挿通された突設部4ARに接着剤を塗布することによって実現される。
また、本実施形態では、第2支持部材6の右壁部の右台座部6PRは、前側(X1側)の面から前方(X1方向)に突出する丸形凸状の二つの突設部6ARを含む。突設部6ARは、右外側固定部9FRに形成された二つの貫通孔に対応している。
具体的には、右外側固定部9FRは、突設部6ARが形成された右台座部6PRに装着され且つ固定される。右台座部6PRに対する右外側固定部9FRの固定は、右外側固定部9FRに形成された貫通孔に挿通された突設部6ARを熱かしめすることによって実現される。
図9Aでは、突設部6ARは、熱かしめされた後の先端が変形した状態で図示されている。突設部6ARを図示する他の図においても同様である。
同様に、左側ばね部材9Lは、反射体保持部材4の左壁部の左台座部4PLに固定される左内側固定部9MLと、第2支持部材6の左壁部の左台座部6PLに固定される左外側固定部9FLと、左内側固定部9MLの上端部と左外側固定部9FLの上端部とを連結する左上弾性腕部9GULと、左内側固定部9MLの下端部と左外側固定部9FLの下端部とを連結する左下弾性腕部9GDLと、を有する。
本実施形態では、反射体保持部材4の左壁部の左台座部4PLは、前側(X1側)の面から前方(X1方向)に突出する丸形凸状の二つの突設部4ALを含む。突設部4ALは、左内側固定部9MLに形成された二つの貫通孔に対応している。
具体的には、左内側固定部9MLは、突設部4ALが形成された左台座部4PLに装着され且つ固定される。左台座部4PLに対する左内側固定部9MLの固定は、左内側固定部9MLに形成された貫通孔に挿通された突設部4ALに接着剤を塗布することによって実現される。
また、本実施形態では、第2支持部材6の左壁部の左台座部6PLは、前側(X1側)の面から前方(X1方向)に突出する丸形凸状の二つの突設部6ALを含む。突設部6ALは、左外側固定部9FLに形成された二つの貫通孔に対応している。
具体的には、左外側固定部9FLは、突設部6ALが形成された左台座部6PLに装着され且つ固定される。左台座部6PLに対する左外側固定部9FLの固定は、左外側固定部9FLに形成された貫通孔に挿通された突設部6ALを熱かしめすることによって実現される。
図9Bでは、突設部6ALは、熱かしめされた後の先端が変形した状態で図示されている。突設部6ALを図示する他の図においても同様である。
また、右側ばね部材9Rは、図10に示すように、駆動機構MDが駆動されていない初期状態において、右内側固定部9MRと右外側固定部9FRとが略平行となるように反射体保持部材4及び第2支持部材6に固定されている。具体的には、初期状態において、右内側固定部9MRと右外側固定部9FRとは、X軸方向に間隔DT1を空けて配置され、且つ、Z軸方向に沿って互いに略平行となるように反射体保持部材4及び第2支持部材6に固定されている。左側ばね部材9Lについても同様である。
この配置により、左側ばね部材9L及び右側ばね部材9Rによって構成される付勢部材9は、初期状態において、反射体保持部材4を後側(X2側)に付勢することができると同時に、第1支持部材5を後側(X2側)に付勢することができる。すなわち、付勢部材9は、第1付勢部材としての役割を担うと同時に第2付勢部材としての役割を担うことができる。換言すれば、付勢部材9は、第1付勢部材としての機能と第2付勢部材としての機能とを兼ねることができる。
駆動機構MDは、形状記憶合金ワイヤWを利用して固定側部材FBに対して可動側部材MBを揺動させるための機構である。駆動機構MDは、図3に示すように、形状記憶合金ワイヤW、可動側金属部材7、固定側金属部材8、付勢部材9、及び導電部材12で構成されている。具体的には、駆動機構MDは、左駆動機構MDL及び右駆動機構MDRを含む。
左駆動機構MDLは、第1ワイヤW1、第2ワイヤW2、左可動側金属部材7L、左固定側金属部材8L、左側ばね部材9L、及び左導電部材12Lで構成されている。右駆動機構MDRは、第3ワイヤW3、第4ワイヤW4、右可動側金属部材7R、右固定側金属部材8R、右側ばね部材9R、及び右導電部材12Rで構成されている。
ここで、図11A~図11D、図12A、図12B、図13A~図13D、図14、図15A、及び図15Bを参照し、駆動機構MDの詳細について説明する。図11A及び図11Bは、駆動機構MDを構成している可動側金属部材7の斜視図である。図11C及び図11Dは、駆動機構MDを構成している固定側金属部材8の斜視図である。具体的には、図11A及び図11Bは、反射体保持部材4に取り付けられた可動側金属部材7の斜視図である。図11C及び図11Dは、第2支持部材6に取り付けられた固定側金属部材8の斜視図である。
より具体的には、図11Aは、右斜め上前方から見た右可動側金属部材7Rの斜視図であり、図11Bは、左斜め上前方から見た左可動側金属部材7Lの斜視図であり、図11Cは、右斜め上前方から見た右固定側金属部材8Rの斜視図であり、図11Dは、左斜め上前方から見た左固定側金属部材8Lの斜視図である。
図12A及び図12Bは、駆動機構MDを構成している形状記憶合金ワイヤW、可動側金属部材7、及び固定側金属部材8の斜視図である。具体的には、図12Aは、左駆動機構MDLを構成している第1ワイヤW1、第2ワイヤW2、左可動側金属部材7L、及び左固定側金属部材8Lの斜視図である。図12Bは、右駆動機構MDRを構成している第3ワイヤW3、第4ワイヤW4、右可動側金属部材7R、及び右固定側金属部材8Rの斜視図である。
図13A~図13Dは、駆動機構MDを構成している導電部材12の斜視図である。具体的には、図13A及び図13Bは、導電部材12の単体の斜視図である。また、図13C及び図13Dは、第2支持部材6に埋設された導電部材12の斜視図である。
より具体的には、図13Aは、右斜め上前方から見た導電部材12の単体の斜視図であり、図13Bは、右斜め上後方から見た導電部材12の単体の斜視図である。また、図13Cは、右斜め上前方から見た第2支持部材6に埋設された導電部材12の斜視図であり、図13Dは、右斜め上後方から見た第2支持部材6に埋設された導電部材12の斜視図である。
図14は、右駆動機構MDRの斜視図である。図15A及び図15Bは、右駆動機構MDRを構成している第3ワイヤW3、第4ワイヤW4、右可動側金属部材7R、及び右固定側金属部材8Rの右側面図である。
図11A~図11D、図12A、図12B、及び図14では、明瞭化のため、可動側金属部材7及び固定側金属部材8には細かいドットパターンが付されている。また、図13A~図13D及び図14では、明瞭化のため、導電部材12にはクロスパターンが付されている。
可動側金属部材7は、図11A及び図11Bに示すように、左可動側金属部材7L及び右可動側金属部材7Rを含む。右可動側金属部材7Rは、図11Aに示すように、右上部7UR、右中央部7CR、及び右下部7DRを含む。左可動側金属部材7Lは、図11Bに示すように、左上部7UL、左中央部7CL、及び左下部7DLを含む。
具体的には、図11Aに示すように、右上部7URは、反射体保持部材4の右壁部4Rの上部から右方に突出する右上突出部4URの端面に接着剤で固定され、右下部7DRは、反射体保持部材4の右壁部4Rの下部から右方に突出する右下突出部4DRの端面に接着剤で固定されている。また、右中央部7CRは、反射体保持部材4における二つの右台座部4PRの間に嵌め込まれている。
同様に、図11Bに示すように、左上部7ULは、反射体保持部材4の左壁部4Lの上部から左方に突出する左上突出部4ULの端面に接着剤で固定され、左下部7DLは、反射体保持部材4の左壁部4Lの下部から左方に突出する左下突出部4DLの端面に接着剤で固定されている。また、左中央部7CLは、反射体保持部材4における二つの左台座部4PLの間に嵌め込まれている。
固定側金属部材8は、図11C及び図11Dに示すように、左固定側金属部材8L及び右固定側金属部材8Rを含む。右固定側金属部材8Rは、図11Cに示すように、右上固定側金属部材8UR及び右下固定側金属部材8DRを含む。左固定側金属部材8Lは、図11Dに示すように、左上固定側金属部材8UL及び左下固定側金属部材8DLを含む。
具体的には、図11Cに示すように、右上固定側金属部材8URは、第2支持部材6の右壁部6Rの上部6URに接着剤で固定され、右下固定側金属部材8DRは、第2支持部材6の右壁部6Rの下部6DRに接着剤で固定されている。
同様に、図11Dに示すように、左上固定側金属部材8ULは、第2支持部材6の左壁部6Lの上部6ULに接着剤で固定され、左下固定側金属部材8DLは、第2支持部材6の左壁部6Lの下部6DLに接着剤で固定されている。
反射体保持部材4に取り付けられた可動側金属部材7と、第2支持部材6に取り付けられた固定側金属部材8とは、図12A及び図12Bに示すように、形状記憶合金ワイヤWによって互いに連結されている。
具体的には、図12Aに示すように、第1ワイヤW1の一端は、左可動側金属部材7Lの左上部7ULに形成された保持部J1Lで左可動側金属部材7Lに固定され、第1ワイヤW1の他端は、左下固定側金属部材8DLに形成された保持部J2Lで左下固定側金属部材8DLに固定されている。同様に、第2ワイヤW2の一端は、左可動側金属部材7Lの左下部7DLに形成された保持部J3Lで左可動側金属部材7Lに固定され、第2ワイヤW2の他端は、左上固定側金属部材8ULに形成された保持部J4Lで左上固定側金属部材8ULに固定されている。
保持部J1Lは、形状記憶合金ワイヤWを保持するための部分である保持部Jの一つであり、左可動側金属部材7Lの左上部7ULの一部を折り曲げることによって形成されている。具体的には、左可動側金属部材7Lの左上部7ULの一部は、第1ワイヤW1の一端を挟み込んだ状態で折り曲げられることにより保持部J1Lを形成している。そして、第1ワイヤW1の一端は、溶接によって保持部J1Lに固定されている。保持部J2L~保持部J4Lについても同様である。
そして、第1ワイヤW1と第2ワイヤW2とは絶縁状態を保って互いに交差するように配置されている。本実施形態では、第1ワイヤW1と第2ワイヤW2とは、図12Aに示すように、互いにねじれの位置となるように配置されている。すなわち、第1ワイヤW1及び第2ワイヤW2は、互いに接触しない(非接触となる)ように配置されている。
また、図12Bに示すように、第3ワイヤW3の一端は、右可動側金属部材7Rの右上部7URに形成された保持部J1Rで右可動側金属部材7Rに固定され、第3ワイヤW3の他端は、右下固定側金属部材8DRに形成された保持部J2Rで右下固定側金属部材8DRに固定されている。同様に、第4ワイヤW4の一端は、右可動側金属部材7Rの右下部7DRに形成された保持部J3Rで右可動側金属部材7Rに固定され、第4ワイヤW4の他端は、右上固定側金属部材8URに形成された保持部J4Rで右上固定側金属部材8URに固定されている。
保持部J1Rは、形状記憶合金ワイヤWを保持するための部分である保持部Jの一つであり、右可動側金属部材7Rの右上部7URの一部を折り曲げることによって形成されている。具体的には、右可動側金属部材7Rの右上部7URの一部は、第3ワイヤW3の一端を挟み込んだ状態で折り曲げられることにより保持部J1Rを形成している。そして、第3ワイヤW3の一端は、溶接によって保持部J1Rに固定されている。保持部J2R~保持部J4Rについても同様である。
そして、第3ワイヤW3と第4ワイヤW4とは絶縁状態を保って互いに交差するように配置されている。本実施形態では、第3ワイヤW3と第4ワイヤW4とは、図12Bに示すように、互いにねじれの位置となるように配置されている。すなわち、第3ワイヤW3及び第4ワイヤW4は、互いに接触しない(非接触となる)ように配置されている。
導電部材12は、図13A~図13Dに示すように、左導電部材12L及び右導電部材12Rを含む。左導電部材12Lは、互いに絶縁状態を保って第2支持部材6内に埋設される第1左導電部材12L1、第2左導電部材12L2、及び第3左導電部材12L3を含む。また、右導電部材12Rは、互いに絶縁状態を保って第2支持部材6内に埋設される第1右導電部材12R1、第2右導電部材12R2、及び第3右導電部材12R3を含む。
具体的には、第1左導電部材12L1は、基端に形成される端子部T1Lと先端に形成される接続部P1Lとが露出するように第2支持部材6に埋設されている。第2左導電部材12L2は、基端に形成される端子部T2Lと先端に形成される接続部P2Lとが露出するように第2支持部材6に埋設されている。第3左導電部材12L3は、基端に形成される端子部T3Lと先端に形成される接続部P3Lとが露出するように第2支持部材6に埋設されている。
同様に、第1右導電部材12R1は、基端に形成される端子部T1Rと先端に形成される接続部P1Rとが露出するように第2支持部材6に埋設されている。第2右導電部材12R2は、基端に形成される端子部T2Rと、先端に形成される接続部P2Rとが露出するように第2支持部材6に埋設されている。第3右導電部材12R3は、基端に形成される端子部T3Rと、先端に形成される接続部P3Rとが露出するように第2支持部材6に埋設されている。
図14は、第3ワイヤW3、第4ワイヤW4、右可動側金属部材7R、右固定側金属部材8R、右側ばね部材9R、及び右導電部材12Rの接続関係を示している。
具体的には、図14に示すように、第1右導電部材12R1の接続部P1Rは、右上固定側金属部材8URと接触するように構成され、第2右導電部材12R2の接続部P2Rは、右側ばね部材9Rの右外側固定部9FRと接触するように構成され、第3右導電部材12R3の接続部P3Rは、右下固定側金属部材8DRと接触するように構成されている。そして、接続部P1R、接続部P2R、及び接続部P3Rは、導電性接着剤又は半田等の接合材によって、或いは、溶接によって、対応する部材に接続されている。なお、第1右導電部材12R1の端子部T1R、第2右導電部材12R2の端子部T2R、及び第3右導電部材12R3の端子部T3Rは何れも、配線基板3に形成された不図示の導電パターンに接合材によって接続されている。また、右側ばね部材9Rの右内側固定部9MRは、接合材によって或いは溶接によって右可動側金属部材7Rの右中央部7CRに接続されている。
図14では図示されていない左導電部材12Lについても同様である。具体的には、第1左導電部材12L1の接続部P1Lは、左上固定側金属部材8ULと接触するように構成され、第2左導電部材12L2の接続部P2Lは、左側ばね部材9Lの左外側固定部9FLと接触するように構成され、第3左導電部材12L3の接続部P3Lは、左下固定側金属部材8DLと接触するように構成されている。そして、接続部P1L、接続部P2L、及び接続部P3Lは、接合材によって、或いは、溶接によって、対応する部材に接続されている。なお、第1左導電部材12L1の端子部T1L、第2左導電部材12L2の端子部T2L、及び第3左導電部材12L3の端子部T3Lは何れも、配線基板3に形成された不図示の導電パターンに接合材によって接続されている。また、左側ばね部材9Lの左内側固定部9MLは、接合材によって或いは溶接によって左可動側金属部材7Lの左中央部7CLに接続されている。
図14は、形状記憶合金ワイヤWにおける電流の流れの一例を示している。具体的には、図14の点線矢印は、第3ワイヤW3を流れる電流の向きを表している。
より具体的には、図14に示すように、右駆動機構MDRは、第3右導電部材12R3の端子部T3Rが高電位になり且つ第2右導電部材12R2の端子部T2Rが低電位になると、端子部T3Rから、第3右導電部材12R3の接続部P3R、右下固定側金属部材8DR、第3ワイヤW3、右可動側金属部材7Rの右上部7UR、右可動側金属部材7Rの右中央部7CR、右側ばね部材9Rの右内側固定部9MR、右側ばね部材9Rの右弾性腕部9GR、右側ばね部材9Rの右外側固定部9FR、第2右導電部材12R2の接続部P2Rを通じ、第2右導電部材12R2の端子部T2Rに電流が流れるように構成されている。
また、右駆動機構MDRは、第1右導電部材12R1の端子部T1Rが高電位になり且つ第2右導電部材12R2の端子部T2Rが低電位になると、端子部T1Rから、第1右導電部材12R1の接続部P1R、右上固定側金属部材8UR、第4ワイヤW4、右可動側金属部材7Rの右下部7DR、右可動側金属部材7Rの右中央部7CR、右側ばね部材9Rの右内側固定部9MR、右側ばね部材9Rの右弾性腕部9GR、右側ばね部材9Rの右外側固定部9FR、第2右導電部材12R2の接続部P2Rを通じ、第2右導電部材12R2の端子部T2Rに電流が流れるように構成されている。
また、右駆動機構MDRは、第1右導電部材12R1の端子部T1Rと第3右導電部材12R3の端子部T3Rとが高電位になり且つ第2右導電部材12R2の端子部T2Rが低電位になると、端子部T3Rから第3ワイヤW3を通じて端子部T2Rに電流が流れ、且つ、端子部T1Rから第4ワイヤW4を通じて端子部T2Rに電流が流れるように構成されている。
なお、図14を参照する上述の説明は、右駆動機構MDRに関するものであるが、左駆動機構MDLにも同様に適用される。左駆動機構MDLと右駆動機構MDRとは左右対称となるように構成されているためである。
図15A及び図15Bは、駆動機構MDが初期状態にあるときの右可動側金属部材7Rの状態を実線で示している。初期状態は、左駆動機構MDL及び右駆動機構MDRが何れも駆動されていない状態、すなわち、第1ワイヤW1~第4ワイヤW4の何れにも電流が供給されていないときの駆動機構MDの状態である。
図15Aは、上面視において、揺動軸SA2の回りで第1支持部材5が時計回りに揺動したときの右可動側金属部材7R、第3ワイヤW3、及び第4ワイヤW4の状態を破線で表し、揺動軸SA2の回りで第1支持部材5が反時計回りに揺動したときの右可動側金属部材7R、第3ワイヤW3、及び第4ワイヤW4の状態を点線で表している。
具体的には、駆動機構MDが揺動軸SA2の回りにおいて第1支持部材5を上面視で時計回りに揺動させる場合には、図15Aの破線で表されたブロック矢印で示すように、反射体保持部材4の右壁部に取り付けられた右可動側金属部材7Rは前方に移動する。反射体保持部材4の左壁部に取り付けられた左可動側金属部材7Lが後方に移動するためである。より具体的には、図15Aでは図示されていない第1ワイヤW1及び第2ワイヤW2の通電によって第1ワイヤW1及び第2ワイヤW2が収縮し、反射体保持部材4の左壁部に取り付けられた左可動側金属部材7L(図15Aでは不図示。)が左固定側金属部材8L(図15Aでは不図示。)に引き寄せられる結果、反射体保持部材4が揺動軸SA2の回りにおいて上面視で時計回りに回転し、反射体保持部材4の右壁部が前方に移動するためである。
なお、本実施形態では、駆動機構MDが揺動軸SA2の回りにおいて第1支持部材5を上面視で時計回りに揺動させる場合には、第3ワイヤW3及び第4ワイヤW4には電流が供給されず、第1ワイヤW1を流れる電流の大きさと第2ワイヤW2を流れる電流の大きさとは略同じになるように調整される。
反対に、駆動機構MDが揺動軸SA2の回りで第1支持部材5を反時計回りに揺動させる場合には、図15Aの点線で表されたブロック矢印で示すように、反射体保持部材4の右壁部に取り付けられた右可動側金属部材7Rは後方に移動する。第3ワイヤW3及び第4ワイヤW4の通電によって第3ワイヤW3及び第4ワイヤW4が収縮し、反射体保持部材4の右壁部に取り付けられた右可動側金属部材7Rが右固定側金属部材8Rに引き寄せられる結果、反射体保持部材4が揺動軸SA2の回りにおいて上面視で反時計回りに回転するためである。この場合、反射体保持部材4の左壁部に取り付けられた左可動側金属部材7L(図15Aでは不図示。)は前方に移動する。反射体保持部材4の左壁部が前方に移動するためである。
なお、本実施形態では、駆動機構MDが揺動軸SA2の回りにおいて第1支持部材5を上面視で反時計回りに揺動させる場合には、第1ワイヤW1及び第2ワイヤW2には電流が供給されず、第3ワイヤW3を流れる電流の大きさと第4ワイヤW4を流れる電流の大きさとは略同じになるように調整される。
図15Bは、右側面視において、揺動軸SA1の回りで反射体保持部材4が時計回りに揺動したときの右可動側金属部材7R、第3ワイヤW3、及び第4ワイヤW4の状態を点線で表し、揺動軸SA1の回りで反射体保持部材4が反時計回りに揺動したときの右可動側金属部材7R、第3ワイヤW3、及び第4ワイヤW4の状態を破線で表している。
具体的には、駆動機構MDが揺動軸SA1の回りにおいて反射体保持部材4を右側面視で時計回りに揺動させる場合には、図15Bの点線矢印で示すように、反射体保持部材4の左壁部に取り付けられた左可動側金属部材7L(図15Bでは不図示。)と、反射体保持部材4の右壁部に取り付けられた右可動側金属部材7Rとは、揺動軸SA1の回りにおいて右側面視で時計回りに回転する。すなわち、反射体保持部材4の左下突出部4DLに取り付けられた左下部7DL(図15Bでは不図示。)と、反射体保持部材4の右下突出部4DRに取り付けられた右下部7DRとが前方に移動する一方で、反射体保持部材4の左上突出部4ULに取り付けられた左上部7UL(図15Bでは不図示。)と、反射体保持部材4の右上突出部4URに取り付けられた右上部7URとが後方に移動する。第1ワイヤW1(図15Bでは不図示。)及び第3ワイヤW3の通電によって第1ワイヤW1及び第3ワイヤW3が収縮し、反射体保持部材4の左上突出部4ULに取り付けられた左上部7ULが左上固定側金属部材8ULの側に引き寄せられ、且つ、反射体保持部材4の右上突出部4URに取り付けられた右上部7URが右上固定側金属部材8URの側に引き寄せられるためである。この場合、反射体保持部材4の左下突出部4DLに取り付けられた左下部7DLと、反射体保持部材4の右下突出部4DRに取り付けられた右下部7DRとは上述のように前方に移動する。左上部7ULが左上固定側金属部材8ULの側に引き寄せられ、且つ、右上部7URが右上固定側金属部材8URの側に引き寄せられる結果、反射体保持部材4が揺動軸SA1の回りにおいて右側面視で時計回りに回転し、反射体保持部材4の前端部の下端が前方に移動するためである。
なお、本実施形態では、駆動機構MDが揺動軸SA1の回りにおいて反射体保持部材4を右側面視で時計回りに揺動させる場合には、第2ワイヤW2及び第4ワイヤW4には電流が供給されず、第1ワイヤW1を流れる電流の大きさと第3ワイヤW3を流れる電流の大きさとは略同じになるように調整される。
反対に、駆動機構MDが揺動軸SA1の回りで反射体保持部材4を反時計回りに揺動させる場合には、図15Bの破線矢印で示すように、反射体保持部材4の左壁部に取り付けられた左可動側金属部材7L(図15Bでは不図示。)と、反射体保持部材4の右壁部に取り付けられた右可動側金属部材7Rとは、揺動軸SA1の回りにおいて右側面視で反時計回りに回転する。すなわち、反射体保持部材4の左上突出部4ULに取り付けられた左上部7UL(図15Bでは不図示。)と、反射体保持部材4の右上突出部4URに取り付けられた右上部7URとが前方に移動する一方で、反射体保持部材4の左下突出部4DLに取り付けられた左下部7DL(図15Bでは不図示。)と、反射体保持部材4の右下突出部4DRに取り付けられた右下部7DRとが後方に移動する。第2ワイヤW2(図15Bでは不図示。)及び第4ワイヤW4の通電によって第2ワイヤW2及び第4ワイヤW4が収縮し、反射体保持部材4の左下突出部4DLに取り付けられた左下部7DLが左下固定側金属部材8DLの側に引き寄せられ、且つ、反射体保持部材4の右下突出部4DRに取り付けられた右下部7DRが右下固定側金属部材8DRの側に引き寄せられるためである。この場合、反射体保持部材4の左上突出部4ULに取り付けられた左上部7ULと、反射体保持部材4の右上突出部4URに取り付けられた右上部7URとは上述のように前方に移動する。左下部7DLが左下固定側金属部材8DLの側に引き寄せられ、且つ、右下部7DRが右下固定側金属部材8DRの側に引き寄せられる結果、反射体保持部材4が揺動軸SA1の回りにおいて右側面視で反時計回りに回転し、反射体保持部材4の前端部の上端が前方に移動するためである。
なお、本実施形態では、駆動機構MDが揺動軸SA1の回りにおいて反射体保持部材4を右側面視で反時計回りに揺動させる場合には、第1ワイヤW1及び第3ワイヤW3には電流が供給されず、第2ワイヤW2を流れる電流の大きさと第4ワイヤW4を流れる電流の大きさとは略同じになるように調整される。
また、揺動軸SA1の回りにおける反射体保持部材4の揺動と揺動軸SA2の回りにおける第1支持部材5の揺動とが同時に行われる場合には、典型的には、第1ワイヤW1~第4ワイヤW4のそれぞれを流れる電流の大きさは互いに異なるように調整される。すなわち、反射体駆動装置101は、第1ワイヤW1~第4ワイヤW4のそれぞれを流れる電流の大きさを互いに異ならせることで、揺動軸SA1の回りにおける反射体保持部材4の揺動と揺動軸SA2の回りにおける第1支持部材5の揺動とを同時に実現できる。
上述の通り、本実施形態に係る反射体駆動装置101は、例えば図3に示すように、光を屈曲させる反射体1を保持可能な反射体保持部材4と、反射体保持部材4を第1軸としての揺動軸SA1の回りに揺動可能に支持する第1支持部材5と、第1支持部材5を揺動軸SA1の軸線方向(Y軸方向)に垂直な軸線方向(Z軸方向)を有する第2軸としての揺動軸SA2の回りに揺動可能に支持する第2支持部材6と、反射体保持部材4を含む可動側部材MBを、第2支持部材6を含む固定側部材FBに対して揺動させる駆動機構MDと、を備えている。そして、駆動機構MDは、固定側部材FBと可動側部材MBとの間に設けられた複数の形状記憶合金ワイヤWを含んで構成されており、反射体保持部材4は、形状記憶合金ワイヤWへの通電によって揺動されるように構成されている。なお、揺動軸SA1の軸線方向(Y軸方向)と揺動軸SA2の軸線方向(Z軸方向)とが垂直であることは、ねじれの位置の関係にある揺動軸SA1と揺動軸SA2とのそれぞれの軸線方向が垂直であること、揺動軸SA1と揺動軸SA2とが直交すること、又は、揺動軸SA1若しくは揺動軸SA1の延長線と揺動軸SA2若しくは揺動軸SA2の延長線とが直交することを含む。
この構成は、駆動機構MDが磁石とコイルの組み合わせではなく、形状記憶合金ワイヤWによって構成されているため、反射体駆動装置101の軽量化を実現できる。また、この構成は、反射体駆動装置101の小型化を実現できる。更に、この構成は、強い磁界を発生させることもないため、周囲に設置される他の装置に電磁的な悪影響を及ぼすことを抑制できる。
複数の形状記憶合金ワイヤWは、図8A~図8C、図9A、及び図9Bに示すように、第1領域ZN1に配置された第1ワイヤW1及び第2ワイヤW2と、第1領域ZN1と離間して対向する第2領域ZN2に配置された第3ワイヤW3及び第4ワイヤW4とを含んでいてもよい。具体的には、第1領域ZN1は、図8A及び図8Bに示すように、第2支持部材6の左壁部の左側にある領域であってもよい。また、第2領域ZN2は、図8A及び図8Bに示すように、第2支持部材6の右壁部の右側にある領域であってもよい。そして、第1ワイヤW1乃至第4ワイヤW4のそれぞれは、図9A及び図9Bに示すように、一端が可動側部材MBに固定され、他端が固定側部材FBに固定されていてもよい。
より具体的には、第1ワイヤW1と第2ワイヤW2とは、図9Bに示すように、揺動軸SA1の軸線方向(Y軸方向)に沿って見た場合に、互いに交差するように配置されていてもよい。同様に、第3ワイヤW3と第4ワイヤW4とは、図9Aに示すように、揺動軸SA1の軸線方向(Y軸方向)に沿って見た場合に、互いに交差するように配置されていてもよい。
この構成は、四本の形状記憶合金ワイヤWによって揺動軸SA1及び揺動軸SA2のそれぞれの回りにおける反射体保持部材4の揺動を実現できるようにする。
第1領域ZN1と第2領域ZN2とは、図8A及び図8Bに示すように、揺動軸SA1に垂直で且つ揺動軸SA2を通る第1平面PS1を挟んで互いに対向するように配置されていてもよい。この場合、第1領域ZN1は、例えば、第2支持部材6の左壁部とカバー部材2の左側板部との間にある略直方体形状の空間であり、第2領域ZN2は、例えば、第2支持部材6の右壁部とカバー部材2の右側板部との間にある略直方体形状の空間である。また、第1平面PS1は、例えば、線分L4を含むXZ平面に平行な仮想平面である。
この構成は、反射体保持部材4の特に揺動軸SA2回りの揺動をより確実なものとすることができる。
ここで、図16を参照し、形状記憶合金ワイヤWと揺動軸SA1及び揺動軸SA2との位置関係について説明する。図16は、揺動軸SA2に垂直で且つ揺動軸SA1を通る第2平面PS2(図10参照。)における反射体駆動装置101の断面図である。具体的には、図16は、反射体駆動装置101を構成している第1支持部材5、可動側金属部材7、固定側金属部材8、及び形状記憶合金ワイヤWの断面を示す。図16では、明瞭化のため、第1支持部材5、可動側金属部材7、固定側金属部材8、及び形状記憶合金ワイヤW以外の部材の図示が省略されている。
反射体駆動装置101は、望ましくは、図16に示すように、第2平面PS2(図10参照。)において、形状記憶合金ワイヤWへの通電の有無にかかわらず、第1交点N1~第4交点N4が何れも揺動軸SA1よりも揺動軸SA2の側(X2側)に位置するように構成されている。
図16に示す例では、第1交点N1は、第1ワイヤW1(第1直線ST1)と第2平面PS2との交点であり、第2交点N2は、第2ワイヤW2(第2直線ST2)と第2平面PS2との交点であり、第3交点N3は、第3ワイヤW3(第3直線ST3)と第2平面PS2との交点であり、第4交点N4は、第4ワイヤW4(第4直線ST4)と第2平面PS2との交点である。
厳密には、図12Aに示すように、第1直線ST1は、第1ワイヤW1の一端が可動側部材(左可動側金属部材7Lの左上部7ULの保持部J1L)に固定される位置X1Uと第1ワイヤW1の他端が固定側部材(左下固定側金属部材8DLの保持部J2L)に固定される位置X1Dとを通る直線である。また、第2直線ST2は、第2ワイヤW2の一端が可動側部材(左可動側金属部材7Lの左下部7DLの保持部J3L)に固定される位置X2Dと第2ワイヤW2の他端が固定側部材(左上固定側金属部材8ULの保持部J4L)に固定される位置X2Uとを通る直線である。
また、図12Bに示すように、第3直線ST3は、第3ワイヤW3の一端が可動側部材(右可動側金属部材7Rの右上部7URの保持部J1R)に固定される位置X3Uと第3ワイヤW3の他端が固定側部材(右下固定側金属部材8DRの保持部J2R)に固定される位置X3Dとを通る直線である。また、第4直線ST4は、第4ワイヤW4の一端が可動側部材(右可動側金属部材7Rの右下部7DRの保持部J3R)に固定される位置X4Dと第4ワイヤW4の他端が固定側部材(右上固定側金属部材8URの保持部J4R)に固定される位置X4Uとを通る直線である。
より具体的には、反射体駆動装置101は、図16に示すように、形状記憶合金ワイヤWへの通電の有無にかかわらず、第2平面PS2において、第1交点N1~第4交点N4及び揺動軸SA2が何れも揺動軸SA1よりも後側(X2側)に位置するように構成されている。また、反射体駆動装置101は、形状記憶合金ワイヤWへの通電の有無にかかわらず、第1交点N1と揺動軸SA1との間の距離DS1、第2交点N2と揺動軸SA1との間の距離DS2、第3交点N3と揺動軸SA1との間の距離DS3、及び、第4交点N4と揺動軸SA1との間の距離DS4が何れも揺動軸SA2と揺動軸SA1との間の距離DS5よりも小さくなるように構成されている。なお、距離DS1~距離DS5は何れも、前後方向(X軸に平行な方向)における距離である。
このように、図16に示す例では、反射体駆動装置101は、形状記憶合金ワイヤWに電流が供給されて形状記憶合金ワイヤWが収縮した場合であっても、第2平面PS2において形状記憶合金ワイヤWが揺動軸SA1よりも前側に移動しないように構成されている。この構成は、反射体保持部材4の特に揺動軸SA1回りの揺動をより確実なものとすることができる。
可動側部材MBは、図12A及び図12Bに示すように、反射体保持部材4に固定される第1可動側金属部材(左可動側金属部材7L)及び第2可動側金属部材(右可動側金属部材7R)を含んでいてもよい。この場合、第1ワイヤW1及び第2ワイヤW2の一端(可動側端部)のそれぞれは、図12Aに示すように、第1可動側金属部材(左可動側金属部材7L)に固定されていてもよく、第3ワイヤW3及び第4ワイヤW4の一端(可動側端部)のそれぞれは、図12Bに示すように、第2可動側金属部材(右可動側金属部材7R)に固定されていてもよい。
この構成は、第1ワイヤW1~第4ワイヤW4のそれぞれの一端(可動側端部)が確実に可動側部材MBに固定されるようにする。また、この構成は、第1ワイヤW1の一端(可動側端部)と第2ワイヤW2の一端(可動側端部)とが左可動側金属部材7Lを介して電気的に接続されようにするため、第1ワイヤW1及び第2ワイヤW2のそれぞれへの導電路の確保が容易になるという効果をもたらす。第3ワイヤW3及び第4ワイヤW4についても同様である。
また、図12Aに示すように、第1ワイヤW1の他端(固定側端部)は、固定側部材FBを構成する第1固定側金属部材(左下固定側金属部材8DL)に固定されていてもよく、第2ワイヤW2の他端(固定側端部)は、固定側部材FBを構成する第2固定側金属部材(左上固定側金属部材8UL)に固定されていてもよい。
また、図12Bに示すように、第3ワイヤW3の他端(固定側端部)は、固定側部材FBを構成する第3固定側金属部材(右下固定側金属部材8DR)に固定されていてもよく、第4ワイヤW4の他端(固定側端部)は、固定側部材FBを構成する第4固定側金属部材(右上固定側金属部材8UR)に固定されていてもよい。
この構成は、第1ワイヤW1~第4ワイヤW4のそれぞれの他端(固定側端部)が確実に固定側部材FBに固定されるようにする。
反射体保持部材4と第2支持部材6との間には、図9A及び図9Bに示すように、少なくとも第1板ばね(左側ばね部材9L)と第2板ばね(右側ばね部材9R)とが設けられていてもよい。この場合、第1可動側金属部材(左可動側金属部材7L)は、左側ばね部材9Lに機械的且つ電気的に接続されていてもよい。また、第2可動側金属部材(右可動側金属部材7R)は、図14に示すように、右側ばね部材9Rに機械的且つ電気的に接続されていてもよい。
この構成は、板ばねが導電路として利用されるのを可能にするため、形状記憶合金ワイヤWへの給電が容易になるという効果をもたらす。
第2支持部材6は、図4A及び図4Bに示すように、第1導電部材(第2左導電部材12L2)及び第2導電部材(第2右導電部材12R2)を有していてもよい。また、左側ばね部材9L及び右側ばね部材9Rのそれぞれは、図5に示すように、反射体保持部材4に固定される第1固定部(内側固定部9M)と、第2支持部材6に固定される第2固定部(外側固定部9F)と、内側固定部9Mと外側固定部9Fとを連結する弾性腕部9Gとを有していてもよい。この場合、図14に示すように、右側ばね部材9Rの第1固定部(右内側固定部9MR)は、第2可動側金属部材(右可動側金属部材7R)に接続されていてもよく、右側ばね部材9Rの第2固定部(右外側固定部9FR)は、第2導電部材(第2右導電部材12R2)に接続されていてもよい。同様に、左側ばね部材9Lの第1固定部(左内側固定部9ML)は、第1可動側金属部材(左可動側金属部材7L)に接続されていてもよく、左側ばね部材9Lの第2固定部(左外側固定部9FL)は、第1導電部材(第2左導電部材12L2)に接続されていてもよい。
この構成は、第2支持部材6に埋設された導電部材12が導電路として利用されるのを可能にするため、形状記憶合金ワイヤWへの給電が更に容易になるという効果をもたらす。
反射体保持部材4と第2支持部材6との間には、図9A及び図9Bに示すように、少なくとも第1板ばね(左側ばね部材9L)と第2板ばね(右側ばね部材9R)とが設けられていてもよい。この場合、左側ばね部材9L及び右側ばね部材9Rは、反射体保持部材4を第1支持部材5側に付勢するとともに、第1支持部材5を第2支持部材6側に付勢するように配置されていてもよい。
この構成は、反射体保持部材4を揺動軸SA1に継続的に押し付けながら第1支持部材5を揺動軸SA2に継続的に押し付けることができるため、反射体保持部材4を安定して揺動可能に支持することができるという効果をもたらす。
第1板ばね(左側ばね部材9L)及び第2板ばね(右側ばね部材9R)のそれぞれは、図5に示すように、反射体保持部材4に固定される第1固定部(内側固定部9M(左内側固定部9ML及び右内側固定部9MR))と、第2支持部材6に固定される第2固定部(外側固定部9F(左外側固定部9FL及び右外側固定部9FR))と、第1固定部(内側固定部9M)と第2固定部(外側固定部9F)とを連結する弾性腕部9Gとを有していてもよい。この場合、第1ワイヤW1の一端は、左側ばね部材9Lの左内側固定部9MLに電気的に接続されており、第2ワイヤW2の一端は、左側ばね部材9Lの左内側固定部9MLに電気的に接続されており、第3ワイヤW3の一端は、右側ばね部材9Rの右内側固定部9MRに電気的に接続されており、第4ワイヤW4の一端は、右側ばね部材9Rの右内側固定部9MRに電気的に接続されていてもよい。
この構成は、板ばねが導電路として利用されるのを可能にするため、形状記憶合金ワイヤWへの給電が容易になるという効果をもたらす。
可動側部材MBには、複数の磁石が取り付けられていてもよい。この場合、固定側部材FBには、複数の磁石に対向するように複数の磁気センサが取り付けられていてもよい。具体的には、図3に示すように、可動側部材MBを構成する反射体保持部材4には左側磁石11L及び右側磁石11Rが取り付けられていてもよい。この場合、固定側部材FBを構成する第2支持部材6に取り付けられる配線基板3には、上下方向において左側磁石11Lと対向するように左側センサ10Lが取り付けられ、且つ、上下方向において右側磁石11Rと対向するように右側センサ10Rが取り付けられていてもよい。
この構成は、一つの磁気センサによって反射体保持部材4の姿勢を検出する構成に比べ、反射体保持部材4の姿勢の検出精度を高めることができる。具体的には、この構成は、揺動軸SA1回りの反射体保持部材4の揺動の大きさと揺動軸SA2回りの反射体保持部材4の揺動の大きさとが高精度に特定されるようにするという効果をもたらす。
また、本発明の実施形態に係る反射体駆動装置101は、例えば図3に示すように、光を屈曲させる反射体1を保持可能な反射体保持部材4と、反射体保持部材4を第1軸としての揺動軸SA1の回りに揺動可能に支持する第1支持部材5と、第1支持部材5を揺動軸SA1の軸線方向に非平行(垂直)な軸線方向を有する第2軸としての揺動軸SA2の回りに揺動可能に支持する第2支持部材6と、反射体保持部材4を揺動軸SA1の回りに揺動させ、且つ、第1支持部材5を揺動軸SA2の回りに揺動させる駆動機構MDと、を備えている。そして、反射体駆動装置101は、更に、反射体保持部材4を第1支持部材5側に付勢する第1付勢部材と、第1支持部材5を第2支持部材6側に付勢する第2付勢部材と、を有する。図3に示す例では、第1付勢部材として機能する付勢部材9は、揺動軸SA1の軸線方向に非平行(垂直)な方向(X軸に平行な方向)において、反射体保持部材4を第1支持部材5側(X2側)に付勢し、第2付勢部材として機能する付勢部材9は、揺動軸SA2の軸線方向に非平行(垂直)な方向(X軸に平行な方向)において、第1支持部材5を第2支持部材6側(X2側)に付勢している。
この構成では、反射体駆動装置101は、反射体保持部材4を第1支持部材5側に付勢し、且つ、第1支持部材5を第2支持部材6側に付勢することにより、反射体保持部材4と第1支持部材5との間のガタつき、及び、第1支持部材5と第2支持部材6との間のガタつきを抑制することができる。その結果、反射体駆動装置101は、反射体1をより安定的に揺動させることができる。
図3に示す例では、第1付勢部材が反射体保持部材4を付勢する向きである第1向きと第2付勢部材が第1支持部材5を付勢する向きである第2向きとは同じである。そして、第1向き及び第2向きは、揺動軸SA1及び揺動軸SA2のそれぞれの軸線方向に垂直である。すなわち、第1付勢部材として機能する付勢部材9は、X軸に平行な方向において反射体保持部材4を後方に付勢し、第2付勢部材として機能する付勢部材9は、X軸に平行な方向において第1支持部材5を後方に付勢している。この構成は、反射体保持部材4と第1支持部材5との間のガタつきをより確実に抑制できる。また、この構成は、反射体駆動装置101の組立性を高めることができる。
第1付勢部材と第2付勢部材とは、反射体保持部材4と第2支持部材6との間に設けられた同じばね部材によって構成されていてもよい。すなわち、ばね部材としての付勢部材9は、第1付勢部材と第2付勢部材とを兼ねていてもよい。換言すれば、第1付勢部材は、第2付勢部材としても機能するように構成されていてもよい。この構成は、第1付勢部材と第2付勢部材とが別々のばね部材によって実現される場合に比べ、反射体駆動装置101の部品点数を削減できる。
ばね部材としての付勢部材9は、図5に示すように、板ばねで構成され、反射体保持部材4に固定される第1固定部としての内側固定部9Mと、第2支持部材6に固定される第2固定部としての外側固定部9Fと、内側固定部9Mと外側固定部9Fとを連結する弾性腕部9Gと、を有していてもよい。板ばねは、例えば、銅合金、チタン銅系合金(チタン銅)、又は銅ニッケル合金(ニッケルすず銅)等を主な材料とした金属板から作製されている。この場合、駆動機構が駆動されていない初期状態において、内側固定部9Mと外側固定部9Fとは略平行である。具体的には、図10に示すように、初期状態において、内側固定部9Mと外側固定部9Fとは、X軸方向に間隔DT1を空けて配置され、且つ、Z軸方向に沿って互いに略平行となるように配置されている。この構成は、可動側部材MBに対する付勢部材9の取り付けの容易化を実現できる。
ばね部材としての付勢部材9は、図5に示すように、離間して配置された第1ばね部材としての左側ばね部材9Lと第2ばね部材としての右側ばね部材9Rとを含んでいてもよい。この場合、左側ばね部材9L及び右側ばね部材9Rのそれぞれは、内側固定部9Mと外側固定部9Fとを連結する二つの弾性腕部9Gを有する。具体的には、左側ばね部材9Lは、左内側固定部9MLと左外側固定部9FLとを連結する二つの左弾性腕部9GLを有する。また、右側ばね部材9Rは、右内側固定部9MRと右外側固定部9FRとを連結する二つの右弾性腕部9GRを有する。そして、正面視において、揺動軸SA1は、左側ばね部材9Lの二つの左弾性腕部9GL(左上弾性腕部9GUL及び左下弾性腕部9GDL)の間に位置し、且つ、右側ばね部材9Rの二つの右弾性腕部9GR(右上弾性腕部9GUR及び右下弾性腕部9GDR)の間に位置している。図5に示す例では、左側ばね部材9L及び右側ばね部材9Rのそれぞれは、正面視において、揺動軸SA1に関して上下対称である。また、図5に示す例では、左側ばね部材9Lと右側ばね部材9Rとは、正面視において、揺動軸SA2に関して左右対称である。この構成では、揺動軸SA1が左側ばね部材9Lの二つの左弾性腕部9GLの間に位置していない場合、或いは、揺動軸SA1が右側ばね部材9Rの二つの右弾性腕部9GRの間に位置していない場合に比べ、付勢部材9は、よりバランス良く反射体保持部材4を揺動軸SA1に向けて付勢できる。そのため、反射体駆動装置101は、反射体1をより安定的に揺動させることができる。
反射体駆動装置101は、図4A及び図6A~図6Cに示すように、反射体保持部材4を揺動軸SA1の回りに揺動可能に連結する第1軸部CN1と、第1支持部材5を揺動軸SA2の回りに揺動可能に連結する第2軸部CN2と、を有していてもよい。この場合、第1付勢部材としての付勢部材9が反射体保持部材4を付勢する方向(X軸に平行な方向)において、第1軸部CN1の位置と第2軸部CN2の位置とは異なっている。図4A及び図6A~図6Cに示す例では、X軸に平行な方向における第1軸部CN1の位置は、第2軸部CN2の位置よりも前方(X1側)に位置している。この構成は、揺動軸SA1の回りの反射体保持部材4の揺動と揺動軸SA2の回りの第1支持部材5の揺動とが干渉してしまうのを確実に防止でき、二つの揺動のそれぞれが確実に実現されるようにする。
具体的には、第1軸部CN1は、反射体保持部材4に一体的に形成された部分と第1支持部材5に一体的に形成された部分とによって構成され、且つ/或いは、第2軸部CN2は、第1支持部材5に一体的に形成された部分と第2支持部材6に一体的に形成された部分とによって構成されていてもよい。図4A及び図6A~図6Cに示す例では、第1軸部CN1は、反射体保持部材4に一体的に形成された凹部4Sと第1支持部材5に一体的に形成された凸部5Tとによって構成され、且つ、第2軸部CN2は、第1支持部材5に一体的に形成された凸部5Vと第2支持部材6に一体的に形成された凹部6Sとによって構成されている。この構成は、ボールを利用して軸部を構成する場合に比べ、軸部の製造コストを低減させることができる。
なお、図2に示すように、揺動軸SA1は、反射体1に入射する入射光(光LT)の光軸と反射体1で反射される反射光の光軸とを含む平面(XZ平面に平行な平面)と直交し、揺動軸SA2は、入射光の光軸に平行である。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に限定されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形及び置換等が適用され得る。また、上述の実施形態を参照して説明された特徴のそれぞれは、技術的に矛盾しない限り、適宜に組み合わされてもよい。
例えば、上述の実施形態では、第1軸部CN1は、反射体保持部材4に形成された凹部4Sと第1支持部材5に形成された凸部5Tとで構成されている。しかしながら、第1軸部CN1は、反射体保持部材4に形成された凸部と第1支持部材5に形成された凹部とで構成されていてもよい。
同様に、第2軸部CN2は、第1支持部材5に形成された凸部5Vと第2支持部材6に形成された凹部6Sとで構成されている。しかしながら、第2軸部CN2は、第1支持部材5に形成された凹部と第2支持部材6に形成された凸部とで構成されていてもよい。
なお、凹部及び凸部の少なくとも一方には潤滑用コーティングが施されていてもよく、或いは、グリスが塗布されていてもよい。
また、上述の実施形態では、第1支持部材5に形成された凸部5Tは、先端が四半球体となるように構成され、第1支持部材5に形成された凸部5Vは、先端が半球体となるように構成されている。しかしながら、凸部5T及び凸部5Vの少なくとも一方は、先端が部分円柱形状を有するように構成されていてもよい。この場合、部分円柱形状を有する凸部に対応する凹部は、部分円柱状の凹面を有するように構成されていてもよい。
また、反射体保持部材4と第1支持部材5との間、第1支持部材5と第2支持部材6との間、及び、反射体保持部材4と第2支持部材6との間の少なくとも一つには一又は複数の制振材が設けられていてもよい。制振材は、例えば、流動性のある接着剤を紫外線又は熱で硬化させることで形成されるゲル状ダンパー材である。但し、制振材は、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性シリコーンゴム、又は紫外線硬化性シリコーンゴム等の他の材料で形成されてもよい。
例えば、制振材は、反射体保持部材4の側壁部の外面と第1支持部材5の側壁部の内面との間に設けられていてもよい。或いは、制振材は、反射体保持部材4の側壁部の外面と第2支持部材6の側壁部の内面との間に設けられていてもよい。
また、上述の実施形態では、導電部材12は、インサート成形によって第2支持部材6に埋設されているが、真空蒸着又はスパッタリング等の他の技術を用いて第2支持部材6に一体的に形成されていてもよい。
本願は、2021年3月9日に出願した日本国特許出願2021-037640号に基づく優先権を主張するものであり、この日本国特許出願の全内容を本願に参照により援用する。