JP7466796B2 - 最適演算装置 - Google Patents

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Description

本願は、最適演算装置に関するものである。
特許文献1の技術では、自車両の状態の変化、及び周辺の状態の変化に応じて、最適制御問題を解く際の初期値、及び予測期間を設定している。
特開2020-8889号公報
しかし、特許文献1の技術では、変化が大きい場合に、乱数を用いて初期値を設定しているので、最適化問題を解く際の初期値を用いた初期の演算において、状態変数が、評価要素である制約条件に制約される場合がある。初期の演算において、制約条件により制約されると、演算負荷が増加する。
そこで、本願は、最適化問題を解く際の初期値を用いた初期の演算において、制約条件等の評価要素を用いた演算を低減できる最適演算装置を提供することを目的とする。
本願に係る最適演算装置は、
予測期間の各時点の入力変数の初期値を設定する初期値設定部と、
演算周期毎に、2つ以上の評価要素を有する最適化問題を解くように、前記入力変数を入力とし、状態変数を演算する状態方程式を用い、前記入力変数を前記初期値から繰り返し演算により更新し、前記予測期間の各時点の前記状態変数及び前記入力変数の最適値を演算する最適値演算部と、を備え、
前記初期値設定部は、前記最適値演算部における前記初期値を用いた初期の演算において、前記最適化問題から、特定種類の前記入力変数に関連する対象種類の前記評価要素を除外できるように、複数の設定方式を切り替えて、前記特定種類の入力変数の前記初期値を設定し、
前記最適値演算部は、前記初期値を用いた前記初期の演算において、前記最適化問題から、前記特定種類の入力変数に関連する前記対象種類の評価要素を除外して、演算を行い、
前記対象種類の前記評価要素は、前記特定種類の入力変数に応じて変化する前記状態変数である特定影響の状態変数を、正の上限値により上限制限すると共に負の下限値により下限制限するための評価要素であり、
前記初期値設定部は、前回の前記演算周期において演算された前記特定種類の入力変数の前記最適値の正負と、前回の前記演算周期において演算された前記特定影響の状態変数の前記最適値の正負とが一致するか否かを判定し、
2つの正負が一致しない場合は、前記特定種類の入力変数の前記初期値を、前回の前記演算周期において演算された前記特定種類の入力変数の前記最適値に設定し、
2つの正負が一致する場合は、前記特定種類の入力変数の前記初期値を、前記特定影響の状態変数が前記上限値又は前記下限値を超過しないような切替値に設定する前記設定方式を用いるものである。
本願に係る最適演算装置によれば、特定種類の入力変数に関連する対象種類の評価要素を除外できるように、複数の設定方式を切り替えて、特定種類の入力変数の初期値が設定されるので、初期値を用いた初期の演算において、最適化問題から、対象種類の評価要素を除外して、演算を行うことができ、演算処理負荷を低減できる。
実施の形態1に係る最適演算装置が組み込まれた車両制御装置及び車両システムの概略ブロック図である。 実施の形態1に係る車両制御装置のハードウェア構成図である。 実施の形態1に係る車両制御装置の別例のハードウェア構成図である。 実施の形態1に係る自車両の座標系を説明する図である。 実施の形態1に係る加速度の制約条件と、加加速度の初期値の設定を説明する図である。 実施の形態1に係る加加速度の初期値の設定を説明するフローチャートである。 実施の形態2に係る加速度の制約条件と、加加速度の初期値の設定を説明する図である。 実施の形態2に係る加加速度の初期値の設定を説明するフローチャートである。 実施の形態3に係る加加速度の初期値の設定を説明するフローチャートである。
1.実施の形態1
実施の形態1に係る最適演算装置について図面を参照して説明する。本実施の形態では、最適演算装置は、自車両に搭載されており、自車両の制御の最適演算を行う。最適演算装置は、車両制御装置50に組み込まれている。車両システム1及び車両制御装置50は、自車両に搭載されている。
図1に示すように、車両システム1は、車両状態検出装置31、周辺監視装置32、位置検出装置33、地図情報データベース34、無線通信装置35、車両制御装置50、駆動制御装置36、動力機8、及び電動操舵装置7等を備えている。
車両状態検出装置31は、自車両の走行状態を検出する検出装置である。自車両の走行状態として、自車両の車両速度V、加速度α、自車両のロール角速度、ピッチ角速度、及びヨー角速度γが検出される。例えば、車両状態検出装置31として、自車両に働くロール角速度、ピッチ角速度、及びヨー角速度を検出する3軸の角速度センサ、加速度センサ、及び車輪の回転速度を検出する速度センサが設けられる。なお、自車両の速度は、加速度を積分するなど、他の方法により検出されてもよい。
周辺監視装置32は、車両の周辺を監視するカメラ、レーダ等の装置である。レーダには、ミリ波レーダ、レーザレーダ、超音波レーダ等が用いられる。無線通信装置35は、4G、5G等のセルラー方式の無線通信の規格を用いて、基地局と無線通信を行う。
位置検出装置33は、自車両の現在位置(緯度、経度、高度)を検出する装置であり、GNSS(Global Navigation Satellite System)等の人工衛星から出力される信号を受信するGPSアンテナ等が用いられる。なお、自車両の現在位置の検出には、自車両の走行車線番号を用いた方法、マップマッチング法、デッドレコニング法、自車両の周辺の検出情報を用いた方法等の各種の方法が用いられてもよい。
地図情報データベース34には、道路形状(例えば、道路位置、車線数、各車線の形状、道路種別、制限速度等)、標識、信号等の道路情報が記憶されている。地図情報データベース34は、記憶装置を主体として構成されている。なお、地図情報データベース34は、ネットワーク網に接続された車外のサーバに設けられてもよく、車両制御装置50は、必要な道路情報を、無線通信装置35を介して車外のサーバから取得してもよい。
駆動制御装置36として、動力制御装置、ブレーキ制御装置、自動操舵制御装置、及びライト制御装置等が備えられている。動力制御装置は、内燃機関、モータ等の動力機8の出力を制御する。ブレーキ制御装置は、電動ブレーキ装置のブレーキ動作を制御する。自動操舵制御装置は、電動操舵装置7を制御する。ライト制御装置は、方向指示器、ハザードランプ等を制御する。
1-1.車両制御装置50
車両制御装置50は、周辺状況取得部51、走行状態取得部52、目標走行状態設定部53、初期値設定部54、最適値演算部55、及び車両制御部56等の機能部を備えている。車両制御装置50の各機能は、車両制御装置50が備えた処理回路により実現される。具体的には、図2に示すように、車両制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置90、記憶装置91、演算処理装置90に外部の信号を入出力する入出力装置92等を備えている。
演算処理装置90として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、IC(Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、AI(Artificial Intelligence)チップ、各種の論理回路、及び各種の信号処理回路等が備えられてもよい。また、演算処理装置90として、同じ種類のもの又は異なる種類のものが複数備えられ、各処理が分担して実行されてもよい。記憶装置91として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ハードディスク、DVD装置等の各種の記憶装置が用いられる。
入出力装置92には、通信装置、A/D変換器、入出力ポート、駆動回路等が備えられる。入出力装置92は、車両状態検出装置31、周辺監視装置32、位置検出装置33、地図情報データベース34、無線通信装置35、及び駆動制御装置36等に接続され、これらの装置と通信を行う。
そして、車両制御装置50が備える各機能部51から56等の各機能は、演算処理装置90が、記憶装置91に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行し、記憶装置91及び入出力装置92等の車両制御装置50の他のハードウェアと協働することにより実現される。なお、各機能部51から56等が用いる判定値等の設定データは、ソフトウェア(プログラム)の一部として、EEPROM等の記憶装置91に記憶されている。
或いは、車両制御装置50は、処理回路として、図3に示すように、専用のハードウェア93、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化されたプロセッサ、ASIC、FPGA、GPU、AIチップ、又はこれらを組み合わせた回路等が備えられてもよい。以下、車両制御装置50の各機能について詳細に説明する。
1-1-1.周辺状況取得部51
周辺状況取得部51は、自車両の周辺状況を取得する。例えば、周辺状況取得部51は、自車両の周囲に存在する他車両等を検知する。周辺状況取得部51は、周辺監視装置32から取得した検知情報、及び位置検出装置33から取得した自車両の位置情報に基づいて、他車両の位置、移動方向、移動速度などを検知する。また、周辺状況取得部51は、他車両以外にも、道路区画線等の車線形状、障害物、歩行者、標識なども検知する。
1-1-2.走行状態取得部52
走行状態取得部52は、自車両の走行状態を取得する。走行状態取得部52は、車両状態検出装置31から、自車両の走行状態として、自車両の車両速度V、加速度α、自車両のロール角速度、ピッチ角速度、及びヨー角速度γを取得する。また、走行状態取得部52は、位置検出装置33から取得した自車両の位置情報に基づいて、自車両の位置、移動方向などを取得する。また、走行状態取得部52は、周辺状況取得部51から取得した車線の形状に基づいて、車線に対する自車両の走行位置の情報を取得する。また、走行状態取得部52は、車両制御部56から操舵角δ、内燃機関等の動力機の出力、及びブレーキの動作状態などの運転操作状態を取得する。
1-1-3.目標走行状態設定部53
目標走行状態設定部53は、自車両の目標走行状態を設定する。目標走行状態設定部53は、周辺状況取得部51により検知された自車両の周辺の他車両、道路形状、障害物、及び歩行者等の状態に合わせた、目標走行状態を生成する。本実施の形態では、目標走行状態は、目標走行軌道であり、将来の各時点における自車両の位置、自車両の進行方向、及び自車両の速度等の時系列の走行計画である。目標走行軌道の生成には、公知の各種の方法が用いられる。
1-1-4.車両制御部56
車両制御部56は、後述する最適値演算部55により設定された車両制御量の目標値に基づいて、自車両を制御する。本実施の形態では、車両制御量の目標値は、各時点の操舵角δの目標値、各時点の加速度αの目標値である。
車両制御部56は、各時点の操舵角δの目標値、及び各時点の加速度αに基づいて、動力制御装置への指令値、ブレーキ制御装置への指令値、自動操舵制御装置への指令値を算出し、各装置に伝達する。
動力制御装置は、指令値に従って、内燃機関、モータ等の動力機の出力を制御する。ブレーキ制御装置は、指令値に従って、電動ブレーキ装置のブレーキ動作を制御する。自動操舵制御装置は、指令値に従って、電動操舵装置を制御する。
1-1-5.初期値設定部54及び最適値演算部55
初期値設定部54は、予測期間の各時点kの入力変数u(k)の初期値u0(k)を設定する。最適値演算部55は、演算周期毎に、2つ以上の評価要素を有する最適化問題を解くように、入力変数uを入力とし、状態変数xを演算する状態方程式を用い、入力変数uを初期値u0から繰り返し演算により更新し、予測期間の各時点kの入力変数の最適値u*(0)を演算する。
<状態変数の状態方程式>
次式に示すように、状態変数xの状態方程式は、各時点kの状態変数の時間微分dx/dt(k)が、各時点kの状態変数x(k)及び入力変数u(k)を入力とする関数fで表される。状態変数が複数の場合は、xはベクトルになり、入力変数が複数の場合は、uはベクトルになる。ここで、kは、予測期間の各時点を表し、k=0が、現在であり、k=Nが予測期間の終点であり、ホライズンと呼ばれる。
Figure 0007466796000001
次式に示すように、次の時点の状態変数x(k+1)は、現時点の状態変数x(k)に、現時点の状態変数の時間微分dx(k)/dtに予測期間の時点間の時間間隔ΔTを乗算した値を加算して算出される。
Figure 0007466796000002
k=0の状態変数x(0)は、検出された現在の状態変数に設定される。予測期間の各時点k(k=0、・・・、N)の入力変数u(k)は、初期値又は前回の繰り返し演算の更新値になる。時点kを0からNまで1つずつ増加させながら、今回の時点kの入力変数u(k)及び状態変数x(k)に基づいて、式(1)及び式(2)を用い、次の時点k+1の状態変数x(k+1)が順番に演算される。
<最適化問題>
次式のような、一般的な最適化問題を考える。
Figure 0007466796000003
ここで、Jは、状態変数x(k)及び入力変数u(k)を評価する評価関数であり、1つ目の評価要素である。本実施の形態では、評価関数Jは2次式とされている。gは、状態変数x(k)及び入力変数u(k)を制約する制約条件であり、設定された数Oの制約条件が存在し、2つ目以降の評価要素である。
式(3)の一般的な最適化問題をそのまま解いてもよいが、本実施の形態では、次式に示すように、最適化問題は、2つ以上の評価要素の勾配をラグランジュ乗数λで線形結合した、最適値が満たすべき最適条件であるカルーシュ・クーン・タッカー条件(KKT条件:Karush-Kuhn-Tucker condition)を有する。
Figure 0007466796000004
ここで、∇は、動作点で偏微分を行い、勾配を計算する演算子である。x*は、状態変数の最適値であり、u*は、入力変数の最適値である。λiは、各制約条件giの勾配を、評価関数Jの勾配に線形結合するラグランジュ乗数である。状態変数x及び入力変数uが最適値であれば、式(4)から式(7)の全ての式を満たす、各ラグランジュ乗数λiの値が存在する。KKT条件を満たす最適値を演算する有効制約法などの公知の手法が用いられる。
<演算処理負荷の低減の課題>
有効制約法では、式(4)から式(6)が満たされる状態変数x*及び入力変数u*を繰り返し生成し、式(7)が満たされた時点で生成を終了し、式(7)が満たされたときの状態変数x*及び入力変数u*を最終的な最適値として算出する。
具体的には、式(4)から式(6)が満たされる状態変数x*及び入力変数u*を生成した後、ラグランジュ乗数λが負になる制約条件gは、最適値を制約しておらず、無効な制約条件gであると判定する。その無効な制約条件gのラグランジュ乗数λ=0に設定して、その制約条件gをKKT条件から除外した上で、再び、式(4)から式(6)が満たされる状態変数x*及び入力変数u*を生成する。この状態変数x*及び入力変数u*の生成は、負になるラグランジュ乗数λがなくなるまで繰り返し実行される。制約条件gの除外は、一つずつ行われる。
初期に設定される有効な制約条件gの数と、最終的に残った、有効な制約条件gの数との差が小さいほど、最適値の演算回数を低減でき、演算処理負荷を低減できる。そのため、初期の有効な制約条件gの数をできるだけ減らしたい。しかし、入力変数の初期値u0(k)の設定を工夫しないと、初期に設定される有効な制約条件gの数を減らすことができない。
<演算負荷を低減する初期値の設定>
そこで、初期値設定部54は、最適値演算部55における入力変数の初期値u0を用いた初期の演算において、最適化問題から、特定種類の入力変数に関連する対象種類の評価要素(本例では、制約条件)を除外できるように、複数の設定方式を切り替えて、特定種類の入力変数の初期値を設定する。
そして、最適値演算部55は、初期値を用いた初期の演算において、最適化問題から、特定種類の入力変数に関連する対象種類の評価要素(本例では、制約条件)を除外して、演算を行う。
この構成によれば、特定種類の入力変数に関連する対象種類の制約条件を除外できるように、複数の設定方式を切り替えて、特定種類の入力変数の初期値が設定されるので、初期値を用いた初期の演算において、最適化問題から、対象種類の制約条件を除外して、演算を行うことができ、演算処理負荷を低減できる。
KKT条件及び有効制約法が用いられる場合は、初期値を用いた初期の演算において、対象種類の制約条件のラグランジュ乗数λ=0に設定し、初期に設定される有効な制約条件の数を減らすことができ、演算処理負荷を低減できる。なお、式(3)の一般的な最適化問題を解く場合でも、初期値を用いた初期の演算において、対象種類の制約条件により制約されないようにできるので、演算負荷を低減できる。
<車両モデル>
本実施の形態では、状態方程式として、車両制御に係る入力変数uを入力とし、自車両の挙動を表す状態変数xを演算する車両モデルの状態方程式を用いる。車両モデルに、二輪モデルを用いる。車両モデルの状態方程式は、次式に示すように、自車両の挙動を表す各状態変数の微分方程式で表せられる。なお、車両モデルの状態方程式として、公知の各種の状態方程式が用いられてもよい。
Figure 0007466796000005
ここで、左辺の各変数の上部のドット符号は、各状態変数の時間微分値であることを示す。状態変数xとして、Yは、自車両の前後方向の位置を示し、Xは、自車両の横方向の位置を示し、θは、自車両の前後方向の傾きであり、βは、自車両の重心の横滑り角であり、γは、自車両のヨー角速度であり、δは、自車両の車輪の操舵角であり、Vは、自車両の速度であり、αは、自車両の加速度である。
入力変数uとして、jは、自車両の加加速度であり、ωは、自車両の操舵角速度である。
Iは、車両のヨー慣性モーメントであり、Mは、車両の質量であり、Lfは、車両重心と前輪の車軸との間の距離であり、Lrは、車両重心と後輪の車軸との間の距離である。Yfは、前輪のコーナーリングフォースであり、Yrは、後輪のコーナーリングフォースであり、Cfは、前輪タイヤのコーナーリングスティフネスであり、Crは、後輪タイヤのコーナーリングスティフネスである。
状態方程式は、現在の自車両の位置を基準にした自車両の座標系X、Yにおいて表せられている。図4に示すように、Xは、自車両の横方向であり、Yは、自車両の前後方向である。なお、自車両の座標系に代えて、目標走行軌道を基準にした座標系が用いられもよい。
<評価関数>
本実施の形態では、車両挙動の望ましさを評価する評価関数Jとして2次式の次式が用いられる。評価関数Jは、目標走行状態(目標走行軌道)と予測走行状態との差が小さくなるほど評価が高くなる(本例では、値が小さくなる)評価要素である。なお、評価関数Jには、式(9)から変形されたものが用いられてもよい。
Figure 0007466796000006
ここで、k(k=0、1、・・・、N-1、N)は、予測期間の各時点を表す時点番号であり、k=0が現在であり、k=Nが、最終の予測時点を表す。時点番号kは、時間間隔ΔT毎に0からNまで1つずつ増加される。よって、k×ΔTが、各時点kの現在からの経過時間である。y(k)は、各時点kにおける状態方程式の出力変数のベクトルであある。yref(k)は、各時点kにおける出力変数の目標値のベクトルであり、各時点kの目標走行軌道の値が設定されている。Pは、最終の予測時点(k=N)における出力変数の目標値からの偏差に対する重みであり、Qは、最終の予測時点を除く将来の各時点(k=1、・・・、N-1)における出力変数の目標値からの偏差に対する重みである。この重みP、Qの項により、各時点における目標走行軌道からの車両の走行状態のズレが評価される。Rは、最終の予測時点を除く将来の各時点(k=1、・・・、N-1)における入力変数の目標値からの偏差に対する重みである。この重みRの項により、自車両の加加速度j及び操舵角速度ωが大きくなり過ぎないように評価される。よって、各重みP、Q、Rの設定により、操舵角度の変動及び車両加速度の変動と、目標走行軌道への追従性とがバランスされ、運転者にとって違和感の少ない車両制御が行われる。
各時点kの車両制御量の目標値は、最適化問題が解かれた後の各時点kの状態変数の最適値x*(k)に含まれる操舵角δ*(k)及び加速度α*(k)に設定される。
<制約条件>
本実施の形態では、第1及び第2の制約条件g1、g2として、次式に示すように、加速度αを、正の上限値αHにより上限制限すると共に、負の下限値αLにより下限制限する。乗り心地をよくするためである。
Figure 0007466796000007
また、第3及び第4の制約条件g3、g4として、次式に示すように、横方向の位置Xを、正の上限値XHにより上限制限すると共に、負の下限値XLにより下限制限する。予定している走行範囲からの逸脱を防止するためである。目標走行軌道がカーブしている場合は、各時点の上限値XH及び下限値XLが、各時点の目標走行軌道に応じて変化されてもよい。
Figure 0007466796000008
<加加速度の初期値の設定>
上述したように、初期値設定部54は、最適値演算部55における入力変数の初期値u0を用いた初期の演算において、最適化問題から、特定種類の入力変数に関連する対象種類の制約条件を除外できるように、複数の設定方式を切り替えて、特定種類の入力変数の初期値を設定する。
本実施の形態では、第1の特定種類の入力変数は、加加速度jに設定されており、第1の特定種類の入力変数に関連する第1の対象種類の評価要素は、式(10)に示した第1及び第2の制約条件g1、g2に設定されている。
そして、初期値設定部54は、加加速度の初期値j0を用いた初期の演算において、最適化問題から、加加速度jに関連する第1及び第2の制約条件g1、g2を除外できるように、複数の設定方式を切り替えて、加加速度の初期値j0を設定する。
具体的には、最適値演算部55における加加速度の初期値j0(k)を用いた初期の演算では、式(8)及び式(2)から導出される次式を用い、設定された各時点の加加速度の初期値j0(k)に基づいて、k=0からk=Nまで順番に、各時点の加速度α(k)が演算される。初期値設定部54は、各時点の加速度α(k)が、正の上限値αHにより上限制限されないと共に、負の下限値αLにより下限制限されないように、各時点の加加速度の初期値j0(k)を設定する。ここで、α(0)は現在の検出値に設定される。
Figure 0007466796000009
このように加加速度の初期値j0(k)を設定すれば、上述したように、最適値演算部55は、初期値u0を用いた初期の演算において、第1及び第2の制約条件g1、g2のラグランジュ乗数λ1、λ2を0に設定して、初期に設定される有効な制約条件の数を減らすことができる。よって、最適値演算部55の演算処理負荷を低減できる。
<2つの正負による加加速度の初期値の設定>
式(10)に示したように、第1及び第2の制約条件g1、g2(対象種類の評価要素)は、加加速度j(特定種類の入力変数)に応じて変化する状態変数である加速度α(特定影響の状態変数)を、正の上限値αHにより上限制限すると共に負の下限値αLにより下限制限するための評価要素である。
本実施の形態では、初期値設定部54は、前回の演算周期において演算された加加速度の最適値j*の正負と、前回の演算周期において演算された加速度の最適値α*の正負とが一致するか否かを判定し、2つの正負が一致するか否かに応じて複数の設定方式を切り替えて、加加速度の初期値j0を設定する。
図5にイメージを示すように、ある時点kの加速度α(k)が正である状態で、加加速度j(k)が正であると、次の時点k+1の加速度α(k+1)が上限値αHに近づき、第1の制約条件g1により制約される可能性が有る。同様に、ある時点kの加速度α(k)が負である状態で、加加速度j(k)が負であると、次の時点k+1の加速度α(k+1)が下限値αLに近づき、第2の制約条件g2により制約される可能性が有る。
そのため、2つの正負が一致するか否かに応じて、設定方法を切り替えて、加加速度の初期値j0を設定することにより、加速度αが上限値αH又は下限値αLを超えないように、初期値を設定することができる。
本実施の形態では、初期値設定部54は、2つの正負が一致しない場合は、加加速度の初期値j0を、前回の演算周期において演算された加加速度の最適値j*に設定する設定方式を用いる。
この構成によれば、2つの正負が一致しない場合は、初期値に前回の演算周期の最適値を設定しても、加速度αが上限値αH又は下限値αLに近づく可能性を低くできる。今回の演算周期の最適値は、前回の演算周期の最適値に近くなると予測されるため、初期値に前回の演算周期の最適値を設定することで、最適値の探索の演算処理負荷を低減できる。
一方、初期値設定部54は、2つの正負が一致する場合は、加加速度の初期値j0を、加速度αが上限値αH又は下限値αLを超過しないような切替値に設定する設定方式を用いる。
この構成によれば、2つの正負が一致する場合は、上限値αH又は下限値αLを超過しないような切替値に設定することにより、加速度αが上限値αH又は下限値αLを超過しないようにできる。
本実施の形態では、初期値設定部54は、切替値として0を用いる。
この構成によれば、2つの正負が一致する場合に、加加速度の初期値j0が0に設定されるため、加速度αが増減せず、一定値に保たれる。よって、加速度αが、上限値αH又は下限値αLに近づくことを抑制し、加速度αが上限値αH又は下限値αLを超過しないようにできる。
なお、切替値として0以外の値が用いられてもよい。初期値設定部54は、上限値αH又は下限値αLに応じた値に基づいて、切替値を設定してもよい。例えば、初期値設定部54は、近づく側の上限値αH又は下限値αLと加速度αとの偏差(余裕)に応じて設定された係数を前回の演算周期の最適値に乗算した値を、切替値として設定してもよい。偏差(余裕)が小さくなるほど、係数が1よりも小さくされ、偏差(余裕)が0になると、係数が0に設定される。
初期値設定部54は、各時点kの加加速度の初期値j0(k)について、上記の設定を行う。
以上で説明した初期値設定部54の処理を、図6のフローチャートのように構成できる。ステップS01で、処理対象の時点ktgを0に設定する。そして、ステップS02で、初期値設定部54は、前回の演算周期において演算された処理対象の時点ktgの加速度の最適値α*(ktg)の正負と、前回の演算周期において演算された処理対象の時点ktgの加加速度の最適値j*(ktg)の正負とが一致しているか否かを判定し、2つの正負が一致している場合は、ステップS03に進み、2つの正負が一致していない場合は、ステップS04に進む。
ステップS03で、初期値設定部54は、処理対象の時点ktgの加加速度の初期値j0(ktg)を、加速度αが上限値αH又は下限値αLを超過しないような切替値(本例では、0)に設定する。一方、ステップS04で、初期値設定部54は、処理対象の時点ktgの加加速度の初期値j0(ktg)を、前回の演算周期において演算された処理対象の時点ktgの加加速度の最適値j*(ktg)に設定する。
そして、ステップS05で、初期値設定部54は、処理対象の時点ktgが最終時点Nであるか否かを判定し、最終時点Nでない場合は、ステップS06に進み、処理対象の時点ktgを1つ増加させた後、ステップS02に戻り、最終時点Nである場合は、処理を終了する。
<操舵角速度の初期値の設定>
第2の特定種類の入力変数は、操舵角速度ωに設定されており、第2の特定種類の入力変数に関連する第2の対象種類の評価要素は、式(11)に示した第3及び第4の制約条件g3、g4に設定されている。
そして、初期値設定部54は、操舵角速度の初期値ω0を用いた初期の演算において、最適化問題から、操舵角速度ωに関連する第3及び第4の制約条件g3、g4を除外できるように、複数の設定方式を切り替えて、操舵角速度の初期値ω0を設定する。
具体的には、最適値演算部55における操舵角速度の初期値ω0(k)を用いた初期の演算では、式(8)及び式(2)を用い、設定された各時点の操舵角速度の初期値ω0(k)に基づいて、k=0からk=Nまで順番に、各時点の横方向の位置X(k)が演算される。なお、k=0の横方向の位置X(0)、及び他の状態変数には、現在の検出値が用いられる。また、各時点の他の入力変数の初期値(本例では、加加速度の初期値j0)には、前回の演算周期の最適値又は制約条件を満たすように設定された値が用いられる。初期値設定部54は、各時点の横方向の位置X(k)が、正の上限値XHにより上限制限されないと共に、負の下限値XLにより下限制限されないように、各時点の操舵角速度の初期値ω0(k)を設定する。
このように操舵角速度の初期値ω0(k)を設定すれば、上述したように、最適値演算部55は、初期値ω0を用いた初期の演算において、第3及び第4の制約条件g3、g4のラグランジュ乗数λ3、λ4を0に設定して、初期に設定される有効な制約条件の数を減らすことができる。よって、最適値演算部55の演算処理負荷を低減できる。
<2つの正負による操舵角速度の初期値の設定>
操舵角速度ωが正である場合は、操舵角δが増加し、車両の進行方向が左側に変化し、横方向の位置Xが正の方向(左側)に変化する。一方、操舵角速度ωが負である場合は、操舵角δが減少し、車両の進行方向が右側に変化し、横方向の位置Xが負の方向(右側)に変化する。
式(11)に示したように、第3及び第4の制約条件g3、g4(対象種類の評価要素)は、操舵角速度ω(特定種類の入力変数)に応じて変化する状態変数である横方向の位置X(特定影響の状態変数)を、正の上限値XHにより上限制限すると共に負の下限値XLにより下限制限するための評価要素である。
本実施の形態では、初期値設定部54は、前回の演算周期において演算された操舵角速度の最適値ω*の正負と、前回の演算周期において演算された横方向の位置の最適値X*の正負とが一致するか否かを判定し、2つの正負が一致するか否かに応じて複数の設定方式を切り替えて、操舵角速度の初期値ω0を設定する。
図5の場合と同様に、ある時点kの横方向の位置X(k)が正である状態で、操舵角速度ω(k)が正であると、次の時点k+1の横方向の位置X(k+1)が上限値XHに近づき、第3の制約条件g3により制約される可能性が有る。同様に、ある時点kの横方向の位置X(k)が負である状態で、操舵角速度ω(k)が負であると、次の時点k+1の横方向の位置X(k+1)が下限値XLに近づき、第4の制約条件g4により制約される可能性が有る。
そのため、2つの正負が一致するか否かに応じて、設定方法を切り替えて、初期値を設定することにより、効果的に初期値を設定することができる。
本実施の形態では、初期値設定部54は、2つの正負が一致しない場合は、操舵角速度の初期値ω0を、前回の演算周期において演算された操舵角速度の最適値ω*に設定する設定方式を用いる。
この構成によれば、2つの正負が一致しない場合は、初期値に前回の演算周期の最適値を設定しても、横方向の位置Xが上限値XH又は下限値XLに近づく可能性を低くできる。今回の演算周期の最適値は、前回の演算周期の最適値に近くなると予測されるため、初期値に前回の演算周期の最適値を設定することで、最適値の探索の演算処理負荷を低減できる。
一方、初期値設定部54は、2つの正負が一致する場合は、操舵角速度の初期値ω0を、横方向の位置Xが上限値XH又は下限値XLを超過しないような切替値に設定する設定方式を用いる。
この構成によれば、2つの正負が一致する場合は、上限値XH又は下限値XLを超過しないような切替値に設定することにより、横方向の位置Xが上限値XH又は下限値XLを超過しないようにできる。
本実施の形態では、初期値設定部54は、切替値として0を用いる。
この構成によれば、2つの正負が一致する場合に、操舵角速度の初期値ω0が0に設定されるため、横方向の位置Xが大きく増減しない。よって、横方向の位置Xが、上限値XH又は下限値XLに近づくことを抑制し、横方向の位置Xが上限値XH又は下限値XLを超過しないようにできる。
なお、切替値として0以外の値が用いられてもよい。初期値設定部54は、上限値XH又は下限値XLに応じた値に基づいて、切替値を設定してもよい。例えば、初期値設定部54は、近づく側の上限値XH又は下限値XLと横方向の位置Xとの偏差(余裕)に応じて設定された係数を前回の演算周期の最適値に乗算した値を、切替値として設定してもよい。偏差(余裕)が小さくなるほど、係数が1よりも小さくされ、偏差(余裕)が0になると、係数が0に設定される。
初期値設定部54は、各時点kの操舵角速度の初期値ω0(k)について、上記の設定を行う。操舵角速度の初期値ω0の設定処理は、図6のフローチャートに示した加加速度の初期値j0と同様になるので説明を省略する。
2.実施の形態2
次に、実施の形態2に係る最適演算装置について説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る最適演算装置の基本的な構成は実施の形態1と同様であるが、初期値設定部54の処理が実施の形態1と異なる。
本実施の形態でも、初期値設定部54は、最適値演算部55における入力変数の初期値u0を用いた初期の演算において、最適化問題から、特定種類の入力変数に関連する対象種類の制約条件を除外できるように、複数の設定方式を切り替えて、特定種類の入力変数の初期値を設定する。
<加加速度の初期値の設定>
本実施の形態でも、第1の特定種類の入力変数は、加加速度jに設定されており、第1の特定種類の入力変数に関連する第1の対象種類の評価要素は、式(10)に示した第1及び第2の制約条件g1、g2に設定されている。第1及び第2の制約条件g1、g2(対象種類の評価要素)は、加加速度j(特定種類の入力変数)に応じて変化する状態変数である加速度α(特定影響の状態変数)を、正の上限値αHにより上限制限すると共に負の下限値αLにより下限制限するための評価要素である。
本実施の形態では、初期値設定部54は、加加速度の初期値j0を、前回の演算周期において演算された加加速度の最適値j*に設定した場合に、加速度αが、上限値αH又は下限値αLを超過するか否かを判定し、超過するか否かに応じて複数の設定方式を切り替えて、加加速度の初期値j0を設定する。
図7にイメージを示すように、加加速度の初期値j0を、前回の演算周期の加加速度の最適値j*に設定した場合に、加速度αが上限値αH又は下限値αLを超える場合は、設定方式を切り替えて、加加速度の初期値j0を設定することにより、加速度αが上限値αH又は下限値αLを超えないように、初期値を設定することができる。
本実施の形態では、初期値設定部54は、加速度αが上限値αH又は下限値αLを超過しないと判定した場合は、加加速度の初期値j0を、前回の演算周期において演算された加加速度の最適値j*に設定する設定方式を用いる。
この構成によれば、超過しないと判定した場合は、初期値に前回の演算周期の最適値を設定することで、最適値の探索の演算処理負荷を低減できる。
一方、初期値設定部54は、加速度αが上限値αH又は下限値αLを超過すると判定した場合は、加加速度の初期値j0を、加速度αが上限値αH又は下限値αLを超過しないような切替値に設定する設定方式を用いる。
この構成によれば、超過すると判定した場合は、上限値αH又は下限値αLを超過しないような切替値に設定することにより、加速度αが上限値αH又は下限値αLを超過しないようにできる。
本実施の形態では、初期値設定部54は、切替値として0を用いる。
この構成によれば、超過すると判定した場合に、加加速度の初期値j0が0に設定されるため、加速度αが増減せず、一定値に保たれる。よって、加速度αが、上限値αH又は下限値αLを超過しないようにできる。
なお、切替値として0以外の値が用いられてもよい。初期値設定部54は、上限値αH又は下限値αLに応じた値に基づいて、切替値を設定してもよい。例えば、初期値設定部54は、超過した上限値αH又は下限値αLの正負と反対の正負を有する所定値を、切替値として設定してもよい。
なお、判定に用いられる上限値αHとして、上限値αHよりも所定値だけ小さい値が用いられてもよく、判定に用いられる下限値αLとして、下限値αLよりも所定値だけ大きい値が用いられてもよい。上限値αH又は下限値αLに対して加速度αに余裕を持たせて、加加速度の初期値j0を設定することができる。
初期値設定部54は、時点kを0からNまで1つずつ増加させながら、各時点において、その時点より前に既に設定されている加加速度の初期値j0、及び前回の演算周期のその時点の加加速度の最適値j*を初期値として用い、次の時点までの加速度αを順番に演算し、次の時点の加速度αが、上限値αH又は下限値αLを超過しているか否かを判定する。そして、初期値設定部54は、超過しないと判定した場合は、その時点の加加速度の初期値j0を、前回の演算周期のその時点の加加速度の最適値j*に設定し、超過すると判定した場合は、その時点の加加速度の初期値j0を、切替値に設定する。
以上で説明した初期値設定部54の処理を、図8のフローチャートのように構成できる。ステップS11で、処理対象の時点ktgを0に設定する。
ステップS12で、初期値設定部54は、処理対象の時点ktgより前に既に設定されている加加速度の初期値j0(0)~j0(ktg-1)、及び前回の演算周期の処理対象の時点ktgの加加速度の最適値j*(ktg)を処理対象の時点ktgの初期値j0(ktg)として用い、式(12)を用い、処理対象の次の時点ktg+1までの加速度α(ktg+1)を順番に演算する。そして、初期値設定部54は、処理対象の次の時点の加速度α(ktg+1)が、上限値αHを上回っている又は下限値αLを下回っているか否かを判定し、上回っている又は下回っている場合は、ステップS13に進み、上回っておらず、且つ下回っていない場合は、ステップS14に進む。
ステップS13で、初期値設定部54は、処理対象の時点ktgの加加速度の初期値j0(ktg)を、処理対象の次の時点の加速度α(ktg+1)が上限値αH又は下限値αLを超過しないような切替値(本例では、0)に設定する。一方、ステップS14で、初期値設定部54は、処理対象の時点ktgの加加速度の初期値j0(ktg)を、前回の演算周期において演算された処理対象の時点ktgの加加速度の最適値j*(ktg)に設定する。
そして、ステップS15で、初期値設定部54は、処理対象の時点ktgが最終時点Nであるか否かを判定し、最終時点Nでない場合は、ステップS16に進み、処理対象の時点ktgを1つ増加させた後、ステップS12に戻り、最終時点Nである場合は、処理を終了する。
<操舵角速度の初期値の設定>
第2の特定種類の入力変数は、操舵角速度ωに設定されており、第2の特定種類の入力変数に関連する第2の対象種類の評価要素は、式(11)に示した第3及び第4の制約条件g3、g4に設定されている。第3及び第4の制約条件g3、g4(対象種類の評価要素)は、操舵角速度ω(特定種類の入力変数)に応じて変化する状態変数である横方向の位置X(特定影響の状態変数)を、正の上限値XHにより上限制限すると共に負の下限値XLにより下限制限するための評価要素である。
本実施の形態では、初期値設定部54は、操舵角速度の初期値ω0を、前回の演算周期において演算された操舵角速度の最適値ω*に設定した場合に、横方向の位置Xが、上限値XH又は下限値XLを超過するか否かを判定し、超過するか否かに応じて複数の設定方式を切り替えて、操舵角速度の初期値ω0を設定する。
図7の場合と同様に、操舵角速度の初期値ω0をXH又は下限値XLを超える場合は、設定方式を切り替えて、操舵角速度の初期値ω0を設定することにより、横方向の位置Xが上限値XH又は下限値XLを超えないように、初期値を設定することができる。
本実施の形態では、初期値設定部54は、横方向の位置Xが上限値XH又は下限値XLを超過しないと判定した場合は、操舵角速度の初期値ω0を、前回の演算周期において演算された操舵角速度の最適値ω*に設定する設定方式を用いる。
この構成によれば、超過しないと判定した場合は、初期値に前回の演算周期の最適値を設定することで、最適値の探索の演算処理負荷を低減できる。
一方、初期値設定部54は、横方向の位置Xが上限値XH又は下限値XLを超過すると判定した場合は、操舵角速度の初期値ω0を、横方向の位置Xが上限値XH又は下限値XLを超過しないような切替値に設定する設定方式を用いる。
この構成によれば、超過すると判定した場合は、上限値XH又は下限値XLを超過しないような切替値に設定することにより、横方向の位置Xが上限値XH又は下限値XLを超過しないようにできる。
本実施の形態では、初期値設定部54は、切替値として0を用いる。
この構成によれば、超過すると判定した場合に、操舵角速度の初期値ω0が0に設定されるため、横方向の位置Xが大きく増減しない。よって、横方向の位置Xが、上限値XH又は下限値XLに超過することを抑制できる。
なお、切替値として0以外の値が用いられてもよい。初期値設定部54は、上限値XH又は下限値XLに応じた値に基づいて、切替値を設定してもよい。例えば、初期値設定部54は、超過した上限値XH又は下限値XLの正負と反対の正負を有する所定値を、切替値として設定してもよい。
なお、判定に用いられる上限値XHとして、上限値XHよりも所定値だけ小さい値が用いられてもよく、判定に用いられる下限値XLとして、下限値XLよりも所定値だけ大きい値が用いられてもよい。上限値XH又は下限値XLに対して横方向の位置Xに余裕を持たせて、操舵角速度の初期値ω0を設定することができる。
初期値設定部54は、時点kを0からNまで1つずつ増加させながら、各時点において、その時点より前に既に設定されている操舵角速度の初期値ω0、及び前回の演算周期のその時点の操舵角速度の最適値ω*を初期値として用い、次の時点までの横方向の位置Xを順番に演算する。なお、k=0の横方向の位置X(0)、及び他の状態変数には、現在の検出値が用いられる。また、各時点の他の入力変数の初期値(本例では、加加速度の初期値j0)には、前回の演算周期の最適値又は上限値又は下限値を超過しないように設定された値が用いられる。
そして、初期値設定部54は、次の時点の横方向の位置Xが、上限値XH又は下限値XLを超過しているか否かを判定する。初期値設定部54は、超過しないと判定した場合は、その時点の操舵角速度の初期値ω0を、前回の演算周期のその時点の操舵角速度の最適値ω*に設定し、超過すると判定した場合は、その時点の操舵角速度の初期値ω0を、切替値に設定する。
操舵角速度の初期値ω0の設定処理は、図8のフローチャートに示した加加速度の初期値j0と同様になるので説明を省略する。
3.実施の形態3
次に、実施の形態3に係る最適演算装置について説明する。上記の実施の形態1又は2と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る最適演算装置の基本的な構成は実施の形態1又は2と同様であるが、初期値設定部54の処理が実施の形態1又は2と異なる。
本実施の形態でも、初期値設定部54は、最適値演算部55における入力変数の初期値u0を用いた初期の演算において、最適化問題から、特定種類の入力変数に関連する対象種類の制約条件を除外できるように、複数の設定方式を切り替えて、特定種類の入力変数の初期値を設定する。
<加加速度の初期値の設定>
本実施の形態でも、第1の特定種類の入力変数は、加加速度jに設定されており、第1の特定種類の入力変数に関連する第1の対象種類の評価要素は、式(10)に示した第1及び第2の制約条件g1、g2に設定されている。第1及び第2の制約条件g1、g2(対象種類の評価要素)は、加加速度j(特定種類の入力変数)に応じて変化する状態変数である加速度α(特定影響の状態変数)を、正の上限値αHにより上限制限すると共に負の下限値αLにより下限制限するための評価要素である。
実施の形態1と同様に、初期値設定部54は、前回の演算周期において演算された加加速度の最適値j*の正負と、前回の演算周期において演算された加速度の最適値α*の正負とが一致するか否かを判定する。
実施の形態1と同様に、初期値設定部54は、2つの正負が一致しない場合は、加加速度の初期値j0を、前回の演算周期において演算された加加速度の最適値j*に設定する設定方式を用いる。
一方、実施の形態1とは異なり、初期値設定部54は、2つの正負が一致する場合は、実施の形態2と同様に、加加速度の初期値j0を、前回の演算周期において演算された加加速度の最適値j*に設定した場合に、加速度αが、上限値αH又は下限値αLを超過するか否かを判定する。そして、初期値設定部54は、加速度αが上限値αH又は下限値αLを超過しないと判定した場合は、加加速度の初期値j0を、前回の演算周期において演算された加加速度の最適値j*に設定する設定方式を用いる。一方、初期値設定部54は、加速度αが上限値αH又は下限値αLを超過すると判定した場合は、加加速度の初期値j0を、加速度αが上限値αH又は下限値αLを超過しないような切替値に設定する設定方式を用いる。
この構成によれば、2つの正負が一致しており、加速度αが上限値αH又は下限値αLを超過する可能性がある場合は、加速度αが実際に上限値αH又は下限値αLを超過するか否かを判定し、超過する場合は、上限値αH又は下限値αLを超過しないような切替値に設定することにより、加速度αが上限値αH又は下限値αLを超過しないようにできる。実際に超過しないと判定された場合は、初期値に前回の演算周期の最適値が設定される。よって、2つの正負が一致している場合に、段階的に判定し、初期値をより適切に設定できる。
本実施の形態では、初期値設定部54は、切替値として0を用いる。
この構成によれば、超過すると判定した場合に、加加速度の初期値j0が0に設定されるため、加速度αが増減せず、一定値に保たれる。よって、加速度αが、上限値αH又は下限値αLを超過しないようにできる。
なお、切替値として0以外の値が用いられてもよい。初期値設定部54は、上限値αH又は下限値αLに応じた値に基づいて、切替値を設定してもよい。例えば、初期値設定部54は、超過した上限値αH又は下限値αLの正負と反対の正負を有する所定値を、切替値として設定してもよい。
なお、判定に用いられる上限値αHとして、上限値αHよりも所定値だけ小さい値が用いられてもよく、判定に用いられる下限値αLとして、下限値αLよりも所定値だけ大きい値が用いられてもよい。上限値αH又は下限値αLに対して加速度αに余裕を持たせて、加加速度の初期値j0を設定することができる。
初期値設定部54は、時点kを0からNまで1つずつ増加させながら、各時点において、2つの正負が一致しているか否かを判定し、2つの正負が一致していない場合は、その時点の加加速度の初期値j0を、前回の演算周期のその時点の加加速度の最適値j*に設定する。一方、初期値設定部54は、2つの正負が一致している場合は、その時点より前に設定されている加加速度の初期値j0、及び前回の演算周期のその時点の加加速度の最適値j*を初期値として用い、次の時点までの加速度αを順番に演算し、次の時点の加速度αが、上限値αH又は下限値αLを超過しているか否かを判定する。そして、初期値設定部54は、超過しないと判定した場合は、その時点の加加速度の初期値j0を、前回の演算周期のその時点の加加速度の最適値j*に設定し、超過すると判定した場合は、その時点の加加速度の初期値j0を、切替値に設定する。
以上で説明した初期値設定部54の処理を、図9のフローチャートのように構成できる。ステップS21で、処理対象の時点ktgを0に設定する。そして、ステップS22で、初期値設定部54は、前回の演算周期において演算された処理対象の時点ktgの加速度の最適値α*(ktg)の正負と、前回の演算周期において演算された処理対象の時点ktgの加加速度の最適値j*(ktg)の正負とが一致しているか否かを判定し、2つの正負が一致している場合は、ステップS23に進み、2つの正負が一致していない場合は、ステップS25に進む。
ステップS23で、初期値設定部54は、処理対象の時点ktgより前に既に設定されている加加速度の初期値j0(0)~j0(ktg-1)、及び前回の演算周期の処理対象の時点ktgの加加速度の最適値j*(ktg)を処理対象の時点ktgの初期値j0(ktg)として用い、式(12)を用い、処理対象の次の時点ktg+1までの加速度α(ktg+1)を順番に演算する。そして、初期値設定部54は、処理対象の次の時点の加速度α(ktg+1)が、上限値αHを上回っている又は下限値αLを下回っているか否かを判定し、上回っている又は下回っている場合は、ステップS24に進み、上回っておらず、且つ下回っていない場合は、ステップS25に進む。
ステップS24で、初期値設定部54は、処理対象の時点ktgの加加速度の初期値j0(ktg)を、処理対象の次の時点の加速度α(ktg+1)が上限値αH又は下限値αLを超過しないような切替値(本例では、0)に設定する。一方、ステップS25で、初期値設定部54は、処理対象の時点ktgの加加速度の初期値j0(ktg)を、前回の演算周期において演算された処理対象の時点ktgの加加速度の最適値j*(ktg)に設定する。
そして、ステップS26で、初期値設定部54は、処理対象の時点ktgが最終時点Nであるか否かを判定し、最終時点Nでない場合は、ステップS27に進み、処理対象の時点ktgを1つ増加させた後、ステップS22に戻り、最終時点Nである場合は、処理を終了する。
<操舵角速度の初期値の設定>
第2の特定種類の入力変数は、操舵角速度ωに設定されており、第2の特定種類の入力変数に関連する第2の対象種類の評価要素は、式(11)に示した第3及び第4の制約条件g3、g4に設定されている。第3及び第4の制約条件g3、g4(対象種類の評価要素)は、操舵角速度ω(特定種類の入力変数)に応じて変化する状態変数である横方向の位置X(特定影響の状態変数)を、正の上限値XHにより上限制限すると共に負の下限値XLにより下限制限するための評価要素である。
実施の形態1と同様に、初期値設定部54は、前回の演算周期において演算された操舵角速度の最適値ω*の正負と、前回の演算周期において演算された横方向の位置の最適値X*の正負とが一致するか否かを判定する。
実施の形態1と同様に、初期値設定部54は、2つの正負が一致しない場合は、操舵角速度の初期値ω0を、前回の演算周期において演算された操舵角速度の最適値ω*に設定する設定方式を用いる。
一方、実施の形態1とは異なり、初期値設定部54は、2つの正負が一致する場合は、実施の形態2と同様に、操舵角速度の初期値ω0を、前回の演算周期において演算された操舵角速度の最適値ω*に設定した場合に、横方向の位置Xが、上限値XH又は下限値XLを超過するか否かを判定する。そして、初期値設定部54は、横方向の位置Xが上限値XH又は下限値XLを超過しないと判定した場合は、操舵角速度の初期値ω0を、前回の演算周期において演算された操舵角速度の最適値ω*に設定する設定方式を用いる。一方、初期値設定部54は、横方向の位置Xが上限値XH又は下限値XLを超過すると判定した場合は、操舵角速度の初期値ω0を、横方向の位置Xが上限値XH又は下限値XLを超過しないような切替値に設定する設定方式を用いる。
この構成によれば、2つの正負が一致しており、横方向の位置Xが上限値XH又は下限値XLを超過する可能性がある場合は、横方向の位置Xが実際に上限値XH又は下限値XLを超過するか否かを判定し、超過する場合は、上限値XH又は下限値XLを超過しないような切替値に設定することにより、横方向の位置Xが上限値XH又は下限値XLを超過しないようにできる。実際に超過しないと判定された場合は、初期値に前回の演算周期の最適値が設定される。よって、2つの正負が一致している場合に、段階的に判定し、初期値をより適切に設定できる。
本実施の形態では、初期値設定部54は、切替値として0を用いる。
この構成によれば、超過すると判定した場合に、操舵角速度の初期値ω0が0に設定されるため、横方向の位置Xが大きく増減しない。よって、横方向の位置Xが、上限値XH又は下限値XLに超過することを抑制できる。
なお、切替値として0以外の値が用いられてもよい。初期値設定部54は、上限値XH又は下限値XLに応じた値に基づいて、切替値を設定してもよい。例えば、初期値設定部54は、超過した上限値XH又は下限値XLの正負と反対の正負を有する所定値を、切替値として設定してもよい。
なお、判定に用いられる上限値XHとして、上限値XHよりも所定値だけ小さい値が用いられてもよく、判定に用いられる下限値XLとして、下限値XLよりも所定値だけ大きい値が用いられてもよい。上限値XH又は下限値XLに対して横方向の位置Xに余裕を持たせて、操舵角速度の初期値ω0を設定することができる。
初期値設定部54は、時点kを0からNまで1つずつ増加させながら、各時点において、2つの正負が一致しているか否かを判定し、2つの正負が一致していない場合は、その時点の操舵角速度の初期値ω0を、前回の演算周期のその時点の操舵角速度の最適値ω*に設定する。一方、初期値設定部54は、2つの正負が一致している場合は、その時点より前に設定されている操舵角速度の初期値ω0、及び前回の演算周期のその時点の操舵角速度の最適値ω*を初期値として用い、次の時点までの横方向の位置Xを順番に演算する。
そして、初期値設定部54は、次の時点の横方向の位置Xが、上限値XH又は下限値XLを超過しているか否かを判定する。そして、初期値設定部54は、超過しないと判定した場合は、その時点の操舵角速度の初期値ω0を、前回の演算周期のその時点の操舵角速度の最適値ω*に設定し、超過すると判定した場合は、その時点の操舵角速度の初期値ω0を、切替値に設定する。
操舵角速度の初期値ω0の設定処理は、図9のフローチャートに示した加加速度の初期値j0と同様になるので説明を省略する。
<転用例>
上記の各実施の形態では、状態方程式に車両モデルが用いられ、車両制御の最適化問題が解かれる場合を例に説明した。しかし、状態方程式に、各種の制御対象の式が用いられてよく、最適演算装置は、各種の制御対象の最適化問題に適用されてもよい。
また、状態方程式に車両モデルが用いられる場合でも、式(8)とは異なる車両モデルが用いられてもよい。例えば、車両制御量として加速度αのみを制御するための車両モデルが用いられてもよく、車両制御量として操舵角δのみを制御するための車両モデルが用いられてもよく、他の車両制御量を制御するための車両モデルが用いられてもよい。
上記の各実施の形態では、評価要素として、加速度αの制約条件、及び横方向の位置Xの制約条件が用いられる場合を例に説明した。しかし、評価要素として、各種の単数又は複数の制約条件が用いられてもよい。例えば、評価要素としての制約条件に、加速度αの制約条件のみが用いられてもよく、横方向の位置Xの制約条件のみが用いられてもよく、他の状態変数又は入力変数の制約条件が用いられてもよい。
上記の各実施の形態では、最適化問題には、カルーシュ・クーン・タッカー条件(KTK条件)が用いられる場合を例に説明した。しかし、最適化問題の解法として、各種の解法が用いられもよい。この場合でも、初期値を用いた初期の演算において、最適化問題から、対象種類の制約条件を除外して、演算を行うことができ、演算処理負荷を低減できる。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
51 周辺状況取得部、52 走行状態取得部、53 目標走行状態設定部、54 初期値設定部、55 最適値演算部、56 車両制御部、J 評価関数、X 横方向の位置、g 制約条件、j 加加速度、u 入力変数、x 状態変数、α 加速度、λ ラグランジュ乗数、ω 操舵角速度

Claims (9)

  1. 予測期間の各時点の入力変数の初期値を設定する初期値設定部と、
    演算周期毎に、2つ以上の評価要素を有する最適化問題を解くように、前記入力変数を入力とし、状態変数を演算する状態方程式を用い、前記入力変数を前記初期値から繰り返し演算により更新し、前記予測期間の各時点の前記状態変数及び前記入力変数の最適値を演算する最適値演算部と、を備え、
    前記初期値設定部は、前記最適値演算部における前記初期値を用いた初期の演算において、前記最適化問題から、特定種類の前記入力変数に関連する対象種類の前記評価要素を除外できるように、複数の設定方式を切り替えて、前記特定種類の入力変数の前記初期値を設定し、
    前記最適値演算部は、前記初期値を用いた前記初期の演算において、前記最適化問題から、前記特定種類の入力変数に関連する前記対象種類の評価要素を除外して、演算を行い、
    前記対象種類の前記評価要素は、前記特定種類の入力変数に応じて変化する前記状態変数である特定影響の状態変数を、正の上限値により上限制限すると共に負の下限値により下限制限するための評価要素であり、
    前記初期値設定部は、前回の前記演算周期において演算された前記特定種類の入力変数の前記最適値の正負と、前回の前記演算周期において演算された前記特定影響の状態変数の前記最適値の正負とが一致するか否かを判定し、
    2つの正負が一致しない場合は、前記特定種類の入力変数の前記初期値を、前回の前記演算周期において演算された前記特定種類の入力変数の前記最適値に設定し、
    2つの正負が一致する場合は、前記特定種類の入力変数の前記初期値を、前記特定影響の状態変数が前記上限値又は前記下限値を超過しないような切替値に設定する前記設定方式を用いる最適演算装置。
  2. 予測期間の各時点の入力変数の初期値を設定する初期値設定部と、
    演算周期毎に、2つ以上の評価要素を有する最適化問題を解くように、前記入力変数を入力とし、状態変数を演算する状態方程式を用い、前記入力変数を前記初期値から繰り返し演算により更新し、前記予測期間の各時点の前記状態変数及び前記入力変数の最適値を演算する最適値演算部と、を備え、
    前記初期値設定部は、前記最適値演算部における前記初期値を用いた初期の演算において、前記最適化問題から、特定種類の前記入力変数に関連する対象種類の前記評価要素を除外できるように、複数の設定方式を切り替えて、前記特定種類の入力変数の前記初期値を設定し、
    前記最適値演算部は、前記初期値を用いた前記初期の演算において、前記最適化問題から、前記特定種類の入力変数に関連する前記対象種類の評価要素を除外して、演算を行い、
    前記対象種類の前記評価要素は、前記特定種類の入力変数に応じて変化する前記状態変数である特定影響の状態変数を、正の上限値により上限制限すると共に負の下限値により下限制限するための評価要素であり、
    前記初期値設定部は、前回の前記演算周期において演算された前記特定種類の入力変数の前記最適値の正負と、前回の前記演算周期において演算された前記特定影響の状態変数の前記最適値の正負とが一致するか否かを判定し、
    2つの正負が一致しない場合は、前記特定種類の入力変数の前記初期値を、前回の前記演算周期において演算された前記特定種類の入力変数の前記最適値に設定し、
    つの正負が一致する場合は、前記特定種類の前記初期値を、前回の前記演算周期において演算された前記特定種類の入力変数の前記最適値に設定した場合に、前記特定影響の状態変数が、前記上限値又は前記下限値を超過するか否かを判定し、超過しないと判定した場合は、前記特定種類の前記初期値を、前回の前記演算周期において演算された前記特定種類の入力変数の前記最適値に設定する前記設定方式を用い、超過すると判定した場合は、前記特定種類の前記初期値を、前記特定影響の状態変数が前記上限値又は前記下限値を超過しないような切替値に設定する前記設定方式を用いる最適演算装置。
  3. 予測期間の各時点の入力変数の初期値を設定する初期値設定部と、
    演算周期毎に、2つ以上の評価要素を有する最適化問題を解くように、前記入力変数を入力とし、状態変数を演算する状態方程式を用い、前記入力変数を前記初期値から繰り返し演算により更新し、前記予測期間の各時点の前記状態変数及び前記入力変数の最適値を演算する最適値演算部と、を備え、
    前記初期値設定部は、前記最適値演算部における前記初期値を用いた初期の演算において、前記最適化問題から、特定種類の前記入力変数に関連する対象種類の前記評価要素を除外できるように、複数の設定方式を切り替えて、前記特定種類の入力変数の前記初期値を設定し、
    前記最適値演算部は、前記初期値を用いた前記初期の演算において、前記最適化問題から、前記特定種類の入力変数に関連する前記対象種類の評価要素を除外して、演算を行い、
    前記対象種類の前記評価要素は、前記特定種類の入力変数の積算により変化する状態変数である特定影響の状態変数を、上限値により上限制限すると共に下限値により下限制限するための評価要素であり、
    前記初期値設定部は、前記特定種類の前記初期値を、前回の前記演算周期において演算された前記特定種類の入力変数の前記最適値に設定した場合に、前記特定影響の状態変数が、前記上限値又は前記下限値を超過するか否かを判定し、
    超過しないと判定した場合は、前記特定種類の前記初期値を、前回の前記演算周期において演算された前記特定種類の入力変数の前記最適値に設定し、
    過すると判定した場合は、前記特定種類の前記初期値を、前記特定影響の状態変数が前記上限値又は前記下限値を超過しないような切替値に設定する前記設定方式を用いる最適演算装置。
  4. 前記初期値設定部は、前記切替値として0を用いる請求項、及びのいずれか一項に記載の最適演算装置。
  5. 前記初期値設定部は、前記上限値又は前記下限値に応じた値に基づいて、前記切替値を設定する請求項、及びのいずれか一項に記載の最適演算装置。
  6. 自車両の周辺状態を取得する周辺状態取得部と、
    自車両の走行状態を取得する走行状態取得部と、
    自車両の目標走行状態を設定する目標走行状態設定部と、
    車両制御量の目標値に基づいて、自車両を制御する車両制御部と、を備え、
    前記最適値演算部は、演算周期毎に、少なくとも、前記目標走行状態と前記状態方程式を用いて予測される予測走行状態との差が小さくなるほど評価が高くなる前記評価要素としての評価関数と、前記特定種類の入力変数に関連する前記対象種類の評価要素とを有する前記最適化問題を解くように、車両制御に係る前記入力変数を入力とし、自車両の挙動を表す前記状態変数を演算する前記状態方程式を用い、前記入力変数を前記初期値から繰り返し演算により更新し、前記予測期間の各時点の前記入力変数の最適値を演算し、前記最適値に基づいて、前記車両制御量の目標値を設定する請求項1からのいずれか一項に記載の最適演算装置。
  7. 前記対象種類の前記評価要素は、前記特定種類の入力変数に応じて変化する前記状態変数である特定影響の状態変数を、制限値により制限するための評価要素であり、
    前記特定種類の入力変数は、自車両の加加速度であり、
    前記特定影響の状態変数は、自車両の加速度であり、
    前記車両制御量の目標値は、自車両の加速度である請求項に記載の最適演算装置。
  8. 前記対象種類の前記評価要素は、前記特定種類の入力変数に応じて変化する前記状態変数である特定影響の状態変数を、制限値により制限するための評価要素であり、
    前記特定種類の入力変数は、自車両の操舵角速度であり、
    前記特定影響の状態変数は、自車両の横方向の位置であり、
    前記車両制御量の目標値は、自車用の操舵角である請求項又はに記載の最適演算装置。
  9. 前記最適化問題は、2つ以上の前記評価要素の勾配をラグランジュ乗数で線形結合した、前記最適値が満たすべき最適条件であるカルーシュ・クーン・タッカー条件を有する請求項1からのいずれか一項に記載の最適演算装置。
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