JP7466312B2 - 接着剤 - Google Patents

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本発明は、接着剤、特にホットメルト接着剤に関する。
接着剤は、包装、製本、合板、木工などの分野で広く使用されている。例えばホットメルト接着剤は、塗布後、冷却固化することで初期接着が短時間で得られ、作業性が良いこと、無溶剤であり環境への影響が少ないことから、年々使用量が増加している。
ホットメルト接着剤のベースポリマーとしては、従来、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)が用いられてきた。近年では、耐熱性向上、コストダウン等を目的として、より低密度のポリマー、例えばエチレン・α-オレフィン共重合体も用いられている(例えば、特許文献1~2参照)。
特表2000-515190号公報 特表平7-501845号公報
エチレン・α-オレフィン共重合体をベースポリマーとして含有する従来の接着剤には、近年の多様化するニーズからさらに高い接着力を発現させる、たとえば接着接合物を繰り返し湾曲させたり折り曲げたりして変形を加えた場合であっても高い接着力を維持する(以下「追従性」ともいう。)という観点から、さらなる改善の余地があった。さらに、このような従来の接着剤、特にホットメルト型の接着剤には、製造時あるいは塗布時に高温で長時間処理された場合に変色することがあり、加熱安定性の観点からも、さらなる改善の余地があった。
本発明の課題は、エチレン・α-オレフィン共重合体をベースポリマーとして含有する接着剤において、接着性、特に追従性の観点から、および加熱安定性の観点からの改善を行うことにある。
本発明者はこれらの点について検討した結果、ベースポリマーであるエチレン・α-オレフィン共重合体として以下の構成を有するエチレン・1-ブテン共重合体、すなわち分子量が比較的高く、特定範囲の密度を有し、かつ二重結合量が少ないエチレン・1-ブテン共重合体を使用することで上記課題を解決し、接着性、特に追従性、および加熱安定性に優れた接着剤を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の〔1〕~〔7〕に関する。
〔1〕以下(A-1)~(A-4)の要件をいずれも満たすエチレン・1-ブテン共重合体(A)を含有する接着剤。
(A-1)190℃、2.16kg荷重で測定されるMFRが0.1~50g/10分である。
(A-2)密度が855~900kg/m3である。
(A-3)1-ブテン由来の構造単位の含有量が6~25モル%である。
(A-4)1H-NMR測定により求められる炭素数1000個あたりのビニル型二重結合、ビニリデン型二重結合、2置換オレフィン型二重結合および3置換オレフィン型二重結合の総含有量が、0.5個未満である。
〔2〕前記共重合体(A)の、1H-NMR測定により求められる炭素数1000個あたりのビニル型二重結合、ビニリデン型二重結合、2置換オレフィン型二重結合および3置換オレフィン型二重結合のいずれの二重結合の含有量も、0.2個未満である前記〔1〕に記載の接着剤。
〔3〕前記共重合体(A)の、190℃、2.16kg荷重で測定されるMFRが0.1~9g/10分である前記〔1〕または〔2〕に記載の接着剤。
〔4〕前記共重合体(A)の密度が855~875kg/m3である前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の接着剤。
〔5〕前記共重合体(A)の1-ブテン由来の構造単位の含有量が15~25モル%である前記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の接着剤。
〔6〕粘着付与剤、および/またはワックスを含む前記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の接着剤。
〔7〕ホットメルト接着剤である前記〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の接着剤。
本発明の接着剤は、接着性、特に追従性、および加熱安定性に優れている。
本発明の接着剤について好適態様も含めて説明する。
〔接着剤〕
本発明の接着剤は、特定の要件を満たすエチレン・1-ブテン共重合体(A)を含有する。
本発明の接着剤は、常温固形で、使用時に加熱・溶融させて流動性を付与した状態で、各種被着体を接着させることが可能な、いわゆるホットメルト接着剤として用いることができる。
<エチレン・1-ブテン共重合体(A)>
エチレン・1-ブテン共重合体(A)(以下、「共重合体(A)」ともいう。)は、以下(A-1)~(A-4)の要件をいずれも満たす。
(A-1)190℃、2.16kg荷重で測定されるMFRが0.1~50g/10分である。
(A-2)密度が855~900kg/m3である。
(A-3)1-ブテン由来の構造単位の含有量が6~25モル%である。
(A-4)1H-NMR測定により求められる炭素数1000個あたりのビニル型二重結合、ビニリデン型二重結合、2置換オレフィン型二重結合および3置換オレフィン型二重結合の総含有量が、0.5個未満である。
≪(A-1)MFR(メルトフローレート)≫
共重合体(A)の、190℃、2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR、ASTM D1238)は0.1~50g/10分であり、好ましくは0.1~9g/10分であり、より好ましくは0.3~5g/10分である。MFRが前記範囲を下回ると、流動性が低下し、共重合体(A)を含有する接着剤はハンドリング性が低下し高速での塗布がしにくくなる。MFRが前記範囲を上回ると、共重合体(A)を含有する接着剤は耐油性や耐クリープ特性が低下する。
≪(A-2)密度≫
共重合体(A)は、密度が855~900kg/m3であり、好ましくは855~890kg/m3であり、より好ましくは855~875kg/m3であり、特に好ましくは858~865kg/m3である。共重合体(A)の密度は、ASTM D1505により23℃で測定される値である。密度およびMnが前記範囲にある共重合体(A)を用いることで、高温環境下での接着性に優れるとともに、塗工時の溶融処理温度が低温(例:130~150℃)でも良好な塗工性を有することから省エネルギー化の観点からも有利な接着剤を得ることができる。また、密度が前記好適範囲にある共重合体(A)を用いることで、低温環境下(例:-30~0℃)での接着性にも優れる接着剤を得ることができる。
≪(A-3)1-ブテン含有量≫
エチレン・1-ブテン共重合体(A)は、エチレン由来の構造単位および1-ブテン由来の構造単位を有する共重合体である。
1-ブテンコモノマーは、適度なポリエチレン結晶への取り込まれ易さを有し、エチレン・1-ブテン共重合体(A)は、エチレンと炭素数が5以上のオレフィンとの共重合体に比べて、粘着付与剤との相容性を増すためにコモノマー含有量を多くしても結晶性が低下しにくく、機械強度が損なわれ難いという利点がある。一方で、エチレン・1-ブテン共重合体(A)は、エチレンと炭素数が3のプロピレンとの共重合体に比べて、粘着付与剤との相容性に優れる。
共重合体(A)におけるブテン由来の構造単位の含有量は、全繰返し構造単位中、通常6~25モル%であり、好ましくは10~25モル%であり、より好ましくは15~25モル%であり、特に好ましくは18~23モル%である。1-ブテン由来の構造単位が上記範囲を下回ると、結晶性が高く接着剤として十分な表面追従性が得られない。1-ブテン由来の構造単位が上記範囲を上回るエチレン・1-ブテン共重合体では、結晶性が下がりすぎ、べたつきが多くなるほか、機械強度が低下する。
本発明の目的を損なわない範囲で、エチレン・1-ブテン共重合体(A)は、プロピレン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセンなどのα-オレフィン、また、必要に応じて他のコノモマー、例えば、1,6-ヘキサジエン、1,8-オクタジエン、ノルボルネン等のジエン類や、スチレンやシクロヘキセン、シクロペンテン等の環状オレフィン類などに由来する構造単位を少量含有してもよい。
また、共重合体(A)が1-ブテン以外のα-オレフィン由来の構造単位を含む場合、共重合体(A)中のα-オレフィン由来の構造単位の種類は、例えば、10mmφの試料管中で約200mgの共重合体(A)を1mlのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させた試料の13C-NMRスペクトルを、温度120℃、周波数25.05MHz、スペクトル幅1500Hz、パルス繰り返し時間4.2秒、45°パルス幅6μ秒の測定条件下で測定することで、同定することができる。
≪(A-4)二重結合量≫
エチレン・1-ブテン共重合体(A)中に含まれうる二重結合としては、以下に記載のビニル型二重結合、ビニリデン型二重結合、2置換オレフィン型二重結合、および3置換オレフィン型二重結合が挙げられる。
Figure 0007466312000001
各式中、*は水素原子以外の原子との結合手を示す。
共重合体(A)は、炭素数1000個あたりの、ビニル型二重結合、ビニリデン型二重結合、2置換オレフィン型二重結合および3置換オレフィン型二重結合から選ばれる少なくともひとつの二重結合の含有量が、0.2個未満であることが好ましく、より好ましくは0.1個未満であり、さらに好ましくは0~0.09個である。
共重合体(A)は、炭素数1000個あたりの、ビニル型二重結合、ビニリデン型二重結合、2置換オレフィン型二重結合および3置換オレフィン型二重結合の総含有量が、0.5個未満であることが好ましく、より好ましくは0.4個以下であり、さらに好ましくは0.3個以下であり、特に好ましくは0.3未満である。
二重結合量は、1H-NMRにより求めることができる。
共重合体(A)において、炭素数1000個あたりの二重結合量が上記範囲を超えると、接着剤塗布時等に架橋反応が起こり、焦げが発生することがある。一方、二重結合量が上記範囲にあると、接着剤が塗布時等に高温(例:180℃程度)で長時間処理されても、焦げの原因となるゲルが生成し難い。このため、共重合体(A)を含有する接着剤は、例えば加工機ノズル中において高温で長時間処理された場合であっても変色を防ぐことができ、加熱安定性に優れる。
≪共重合体(A)のその他の物性≫
(1)重量平均分子量(Mw)
共重合体(A)は、重量平均分子量(Mw)が好ましくは20,000~1,000,000であり、より好ましくは50,000~500,000、さらに好ましくは120,000~350,000である。Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される、ポリスチレン換算の値である。Mwが前記範囲にある共重合体(A)は機械強度と流動性のバランスに優れ、共重合体(A)を含有する接着剤は高い接着性とハンドリング性を両立できる。
(2)分子量分布(Mw/Mn)
共重合体(A)は、分子量分布(Mw/Mn)が好ましくは3.5以下であり、より好ましくは3.0以下である。Mw/Mnは、GPC法で測定される、ポリスチレン換算の値である。Mw/Mnが前記範囲にある共重合体(A)は、機械強度を低下させる低分子量成分が少ないため好ましい。
<エチレン・1-ブテン共重合体(A)の製造方法>
エチレン・1-ブテン共重合体(A)は、上述した特性を有し、その製造方法は何ら限定されるものではない。例えば、触媒成分〔A〕および〔B〕を含有するオレフィン重合用触媒の存在下に、エチレンおよび1-ブテンを共重合することにより、共重合体(A)を製造することができる。
<触媒成分〔A〕>
触媒成分〔A〕は、一般式[I]で表されるメタロセン化合物である。
Figure 0007466312000002
式[I]中、Mは遷移金属であり、pは遷移金属の原子価を表し、Xは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基であり、R1およびR2はそれぞれ独立にMに配位したπ電子共役配位子である。
Mで表される遷移金属としては、例えば、Zr、Ti、Hf、V、Nb、TaおよびCrが挙げられ、好ましい遷移金属はZr、TiまたはHfであり、さらに好ましい遷移金属はZrまたはHfである。
1およびR2で表されるπ電子共役配位子としては、例えば、η-シクロペンタジエニル構造、η-ベンゼン構造、η-シクロヘプタトリエニル構造、η-シクロオクタテトラエン構造を有する配位子が挙げられ、特に好ましい配位子はη-シクロペンタジエニル構造を有する配位子である。η-シクロペンタジエニル構造を有する配位子として、例えば、シクロペンタジエニル基、インデニル基、水素化インデニル基、フルオレニル基が挙げられる。これらの基は、ハロゲン原子;アルキル、アリール、アラルキル等の炭化水素基;アルコキシ基、アリールオキシ基等の酸素原子含有基;トリアルキルシリル基等の炭化水素基含有シリル基などでさらに置換されていてもよい。
触媒成分〔A〕としては、例えばビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドが挙げられるが、前記化合物に限定されるものではない。このような触媒成分〔A〕は、触媒成分〔B〕とともにオレフィン重合用触媒として用いることが好ましい。
<触媒成分〔B〕>
触媒成分〔B〕は、(b-1)有機アルミニウムオキシ化合物、(b-2)触媒成分〔A〕と反応してイオン対を形成する化合物、および(b-3)有機アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
触媒成分〔B〕は、重合活性と生成オレフィン重合体との性状の視点から、
[1]有機アルミニウムオキシ化合物(b-1)のみ、
[2]有機アルミニウムオキシ化合物(b-1)と有機アルミニウム化合物(b-3)、
[3]前記化合物(b-2)と有機アルミニウム化合物(b-3)、
[4]有機アルミニウムオキシ化合物(b-1)と前記化合物(b-2)、
のいずれかの態様で好ましく用いられる。
≪有機アルミニウムオキシ化合物(b-1)≫
有機アルミニウムオキシ化合物(b-1)としては、従来公知のアルミノキサンをそのまま使用することができる。具体的には、一般式[II]および/または一般式[III]で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007466312000003
式[II]および[III]中、Rは炭素数1~10の炭化水素基であり、nは2以上の整数である。特にRがメチル基であるメチルアルミノキサンでnが3以上、好ましくは10以上のものが好適に利用される。式[II]または[III]においてRがメチル基である有機アルミニウムオキシ化合物を、以下「メチルアルミノキサン」と呼ぶ場合がある。
有機アルミニウムオキシ化合物(b-1)としては、飽和炭化水素に溶解するメチルアルミノキサン類縁体を用いることも好ましく、例えば、一般式[IV]で表されるような修飾メチルアルミノキサンを例示することができる。
Figure 0007466312000004
式[IV]中、Rは炭素数2~20の炭化水素基であり、m、nは2以上の整数である。
式[IV]で表される修飾メチルアルミノキサンは、例えば、トリメチルアルミニウムとトリメチルアルミニウム以外のアルキルアルミニウムを用いて調製され、東ソー・ファインケム社等メーカーからトリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムを用いて調製された、Rがイソブチル基であるものがMMAO、TMAOといった商品名で商業生産されている。
有機アルミニウムオキシ化合物(b-1)としては、特開平2-78687号公報に例示されているベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物を用いてもよく、一般式[V]で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物を用いてもよい。
Figure 0007466312000005
式[V]中、Rcは炭素数が1~10の炭化水素基であり、Rdは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数が1~10の炭化水素基である。
有機アルミニウムオキシ化合物(b-1)は1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。なお、有機アルミニウムオキシ化合物(b-1)中には、若干の有機アルミニウム化合物が混入していても差し支えない。
≪触媒成分〔A〕と反応してイオン対を形成する化合物(b-2)≫
触媒成分〔A〕と反応してイオン対を形成する化合物(b-2)(以下「イオン性化合物(b-2)」と略称する場合がある。)としては、特表平1-501950号公報、特表平1-502036号公報、特開平3-179005号公報、特開平3-179006号公報、特開平3-207703号公報、特開平3-207704号公報、米国特許第5321106号明細書などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、イオン性化合物(b-2)としては、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。
イオン性化合物(b-2)は、一般式[VI]で表される化合物が好ましい。
Figure 0007466312000006
式[VI]中、Re+としては、例えば、H+、カルベニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンが挙げられる。Rf~Riは、互いに同一でも異なっていてもよく、有機基、好ましくはアリール基である。
カルベニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリス(メチルフェニル)カルベニウムカチオン、トリス(ジメチルフェニル)カルベニウムカチオン等の三置換カルベニウムカチオンが挙げられる。
アンモニウムカチオンとして具体的には、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリ(n-プロピル)アンモニウムカチオン、トリイソプロピルアンモニウムカチオン、トリ(n-ブチル)アンモニウムカチオン、トリイソブチルアンモニウムカチオン等のトリアルキルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチルアニリニウムカチオン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオン、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムカチオン等のN,N-ジアルキルアニリニウムカチオン、ジイソプロピルアンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオン等のジアルキルアンモニウムカチオンが挙げられる。
ホスホニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリス(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリス(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンが挙げられる。
e+としては、上記の中でも、カルベニウムカチオン、アンモニウムカチオンが好ましく、トリフェニルカルベニウムカチオン、N,N-ジメチルアニリニウムカチオン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオンが特に好ましい。
カルベニウム塩であるイオン性化合物(b-2)として具体的には、トリフェニルカルベニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリス(4-メチルフェニル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(3,5-ジメチルフェニル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
アンモニウム塩であるイオン性化合物(b-2)として具体的には、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩が挙げられる。
トリアルキル置換アンモニウム塩であるイオン性化合物(b-2)として具体的には、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(p-トリル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(o-トリル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(2,4-ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5-ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(4-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(o-トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(p-トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(o-トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(2,4-ジメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(3,5-ジメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(4-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムが挙げられる。
N,N-ジアルキルアニリニウム塩であるイオン性化合物(b-2)として具体的には、N,N-ジメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N,2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N,2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
ジアルキルアンモニウム塩として具体的には、ジ(1-プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラフェニルボレートが挙げられる。
その他のイオン性化合物(b-2)としては、本出願人によって開示(特開2004-51676号公報)されているイオン性化合物も制限無く使用することが可能である。
イオン性化合物(b-2)は1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
≪有機アルミニウム化合物(b-3)≫
有機アルミニウム化合物(b-3)としては、例えば、一般式[VII]で表される有機アルミニウム化合物、一般式[VIII]で表される周期表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物が挙げられる。
a mAl(ORbnpq … [VII]
式[VII]中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1~15、好ましくは1~4の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。
式[VII]で表される有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム等のトリ-n-アルキルアルミニウム;トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ-sec-ブチルアルミニウム、トリ-tert-ブチルアルミニウム、トリ-2-メチルブチルアルミニウム、トリ-3-メチルヘキシルアルミニウム、トリ-2-エチルヘキシルアルミニウム等のトリ分岐鎖アルキルアルミニウム;トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウム等のトリシクロアルキルアルミニウム;トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウム等のトリアリールアルミニウム;ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド;一般式(i-C49)xAly(C510z(式中、x、y、zは正の数であり、z≦2xである。)等で表されるイソプレニルアルミニウム等のアルケニルアルミニウム;イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシド等のアルキルアルミニウムアルコキシド;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシド等のジアルキルアルミニウムアルコキシド;エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシド等のアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;一般式Ra 2.5Al(ORb0.5等で表される平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシド)等のアルキルアルミニウムアリーロキシド;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウムセスキハライド;エチルアルミニウムジクロリド等のアルキルアルミニウムジハライド等の部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリド等のジアルキルアルミニウムヒドリド;エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリド等のアルキルアルミニウムジヒドリド等のその他の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミド等の部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムが挙げられる。
2AlRa 4 … [VIII]
式[VIII]中、M2はLi、NaまたはKであり、Raは炭素数が1~15、好ましくは1~4の炭化水素基である。このような化合物としては、例えば、LiAl(C254、LiAl(C7154が挙げられる。
また、一般式[VII]で表される化合物に類似する化合物も使用することができ、例えば窒素原子を介して2以上のアルミニウム化合物が結合した有機アルミニウム化合物を挙げることができる。このような化合物として具体的には、(C252AlN(C25)Al(C252を挙げることができる。
有機アルミニウム化合物(b-3)としては、入手容易性の点から、トリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好ましく用いられる。
有機アルミニウム化合物(b-3)は1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
<重合条件>
共重合体(A)は、上述のオレフィン重合用触媒の存在下に、エチレンおよび1-ブテンを共重合させることにより好適に製造することができる。共重合は、特に限定されるものではないが、オレフィン重合用触媒の存在下に、50~180℃の温度で溶媒の共存下で溶液重合することによって行うことが好ましい。
重合の際には、各成分の使用法、添加順序は任意に選ばれるが、例えば触媒成分〔A〕および触媒成分〔B〕を任意の順序で重合器に添加する方法を例示することができる。上記方法においては、各触媒成分の2つ以上が予め接触されていてもよい。
オレフィン重合用触媒を用いて、エチレンおよび1-ブテンの共重合を行い、共重合体(A)を製造する場合、触媒成分〔A〕は、反応容積1リットル当り、通常1×10-9~1×10-1モル、好ましくは1×10-8~1×10-2モルとなるような量で用いることができる。
成分(b-1)は、成分(b-1)と成分〔A〕中の全遷移金属原子(M)とのモル比[(b-1)/M]が通常1~10000、好ましくは10~5000となるような量で用いることができる。成分(b-2)は、成分(b-2)と成分〔A〕中の全遷移金属原子(M)とのモル比[(b-2)/M]が、通常0.5~50、好ましくは1~20となるような量で用いることができる。成分(b-3)は、重合容積1リットル当り、通常0~5ミリモル、好ましくは約0~2ミリモルとなるような量で用いることができる。
エチレンと1-ブテンとの仕込みモル比は、目的とする共重合体(A)の特性に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。通常エチレン:1-ブテン=10:90~99.9:0.1、好ましくはエチレン:1-ブテン=30:70~99.9:0.1、さらに好ましくはエチレン:1-ブテン=50:50~98.0:2.0である。
共重合体(A)の製造に好ましく採用される「溶液重合」とは、共重合反応に不活性な炭化水素溶媒中にポリマーが溶解した状態で重合を行う方法の総称である。溶液重合における重合温度は、通常50~180℃、好ましくは70~150℃、さらに好ましくは90~130℃である。
溶液重合では、重合温度が上記範囲であると、重合活性、重合熱の除熱、および共重合体(A)中の二重結合量低減の観点から好ましい。具体的には、上記範囲の下限値以上であると、生産性の点で好ましく;上記範囲の上限値以下であると、ポリマー中に分岐が生成しにくく耐ブロッキング性の点で好ましい。
重合圧力は、通常常圧~10MPaゲージ圧、好ましくは常圧~8MPaゲージ圧の条件下であり、共重合は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。反応時間(共重合反応が連続法で実施される場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度などの条件によっても異なり適宜選択することができるが、通常1分間~3時間、好ましくは10分間~2.5時間である。
重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
得られる共重合体(A)の分子量は、重合系中の水素濃度や重合温度を変化させることによっても調節することができる。さらに、使用する触媒成分〔B〕の量により調節することもできる。重合系に水素を添加する場合、その量は生成する共重合体(A)1kgあたり0.001~5,000NL程度が適当である。また、得られる共重合体(A)の密度はα-オレフィンのフィード量で調製することができ、二重結合量は重合温度および重合触媒を適切に設定することで低減させることができる。
溶液重合で用いられる溶媒は、通常、不活性炭化水素溶媒であり、好ましくは常圧下における沸点が50~200℃の飽和炭化水素である。具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素が挙げられる。また、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素も、「不活性炭化水素溶媒」の範疇に入り、その使用を制限するものではない。
物性値のばらつきを抑制するため、重合反応により得られた共重合体(A)および所望により添加される他の成分は、任意の方法で溶融され、混練、造粒などを施されることが好ましい。
<粘着付与剤>
本発明の接着剤は、必要に応じて粘着付与剤を含有することができる。
粘着付与剤としては、例えば、天然ロジン、変性ロジン、ポリテルペン系樹脂、合成石油樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、スチレン系樹脂、低分子量スチレン系樹脂、およびイソプレン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を挙げることができる。これらの中でも、ロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂、合成石油樹脂が好ましく、さらに脂肪族および/または脂環式構造を有するものがより好ましい。
ここで脂肪族および/または脂環式構造を有する石油樹脂類として特に好ましいものとして、ロジン系樹脂では部分および完全水添ロジンとそれらの誘導体、ポリテルペン系樹脂では環状テルペンの単独重合体あるいは共重合体、合成石油樹脂では脂肪族系石油樹脂、脂環式系石油樹脂、脂肪族-脂環式共重合樹脂、ナフサ分解油と各種テルペンとの共重合体の水添物が挙げられる。
粘着付与剤としては、軟化点が25~160℃の範囲のものが好ましい。軟化点が25℃以上であると表面へのブリードを防ぐことができ、軟化点が160℃以下であると溶融時の粘度が高くなりすぎず加工性が良好である。具体的には、商品名「アルコンP-70」、「アルコンP-90」、「アルコンP-100」、「アルコンP-115」、「アルコンP-125」、「アルコンP-140」(以上、いずれも荒川化学工業(株)製)が好適に使用される。
粘着付与剤は1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
<ワックス>
本発明の接着剤は、必要に応じてワックスを含有することができる。
ワックスとしては、例えば、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、アタクチックポリプロピレン等の合成ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ワックス、木ロウ、カルナバロウ、ミツロウ等の天然ワックスが挙げられる。
ワックスは、B型粘度(140℃、6.0rpm)が、好ましくは10~8000mPa・s、より好ましくは100~1000mPa・sである。B型粘度が前記範囲にあると、凝集力および混練加工性の点で好ましい。
ワックスは、DSCで測定される融点が、好ましくは80~150℃、より好ましくは90~140℃である。融点が前記範囲にあると、接着剤を使用する際、柔軟性および混練加工性の点で好ましい。
ワックスの市販品としては、例えば、商品名「三井ハイワックス420P」、商品名「三井ハイワックスNL100」(以上、いずれも三井化学(株)製)が挙げられる。
ワックスは1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
<その他添加剤>
本発明の接着剤には、必要に応じて、従来公知の流動性改質剤、造核剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、染料、抗菌剤、防黴剤、帯電防止剤、発泡剤、発泡助剤、ミネラルオイルなどの可塑剤およびフィラーから選ばれる少なくとも1種の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
〔接着剤の調製・用途〕
本発明の接着剤は、例えば、含有成分を加熱タイプ溶融撹拌槽などの溶融溶解槽で、好ましくは真空下、窒素気流下、撹拌羽根の回転により、各成分を順に溶融混合する方法、ニーダーの双状回転羽根により、加熱下シェアをかけて溶融混合する方法、単軸又は2軸の押出機のスクリューにより溶融混合する方法などにより得ることができる。温度は、通常120~230℃、好ましくは150~200℃で調整される。このようにして作製されたベール状あるいはペレット状サンプルを、各種用途に用いることができる。
ホットメルト接着剤の場合、当該接着剤の硬化前に被着体を貼り合わせてもよいが、一旦硬化させたホットメルト接着剤を再度加熱して活性化させた後、被着体を貼り合わせることもできる。このような一旦硬化させたホットメルト接着剤自体の形状としては、例えば、シート状、フィルム状、不織布状、小片状、棒状が挙げられる。
本発明の接着剤において、エチレン・1-ブテン共重合体(A)の含有量は、接着剤全量に対して、通常10~90質量%、好ましくは15~70質量%、より好ましくは20~50質量%である。含有量が前記範囲にあると、接着剤の接着性および塗工性の観点から好ましい。
本発明の接着剤において、粘着付与剤を用いる場合のその含有量は、エチレン・1-ブテン共重合体(A)100質量部に対して、好ましくは50~200質量部、より好ましくは70~150質量部である。本発明の接着剤がこのような組成で形成されることによって、柔軟性、機械物性、耐熱性、接着性などの諸物性をバランスよく得ることができる。
本発明の接着剤において、ワックスを用いる場合のその含有量は、エチレン・1-ブテン共重合体(A)100質量部に対して、好ましくは50~200質量部、より好ましくは70~150質量部である。ワックスの含有量が前記範囲にあると、粘着性および柔軟性の点で好ましい。
ホットメルト接着剤の塗布については本発明の目的を達成できれば特に制限されないが、市販のホットメルトアプリケーターが広く利用される。ホットメルトアプリケーターの種類としては、スロットコーター塗布、ロールコーター塗布、螺旋状に塗布できるスパイラル塗布、波状に塗布できるオメガ塗布やコントロールシーム塗布、面状に塗布できるスロットスプレー塗布やカーテンスプレー塗布、点状に塗布できるドット塗布、線状に塗布できるビード塗布等を例示できる。ホットメルト接着剤の特に好ましい適用対象としては、ダンボール同士の接着が挙げられる。
本発明の接着剤をホットメルト接着剤として用いる方法として、得られたホットメルト接着剤をT-ダイ方式、インフレ方式、カレンダー方式、紡糸方式と称するダイス部分を有したスクリュー式押出機によりシート状、フィルム状または不織布状に成形し、積層接着する被着体の中間に固定し、加熱接着するか、またはシート状に成形した接着剤を一方の被着体上で加熱溶融し、そのままもう一方の被着体を冷却しながら圧着する接着方法がある。また、本発明の接着剤を上記スクリュー式押出機により溶融し、上記のような成形加工することなく、積層する被着体間に直接接着剤を挿入して熱接着する方法、一方の被着体が熱可塑性プラスチックの場合、共押出しにより直接接着するか、直接一方の被着体に塗布し、改めて加熱接着する方法がある。
本発明の接着剤は、例えば、ポリオレフィン樹脂等からなる基材同士の接着、前記基材と金属材(例:金属板、金属箔、金属メッシュ)または他の素材(例:不織布、織布、布、ダンボール等の紙、ガラス)との接着、前記金属材または前記他の素材同士の接着に好適に用いることができる。そのうちダンボールと他の被着体、あるいはダンボールとダンボールの接着に特に好適に用いることができる。
上記ポリオレフィン樹脂等からなる基材としては、例えば、ポリオレフィン樹脂(例:ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリスチレン樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等の単層または積層体の樹脂シートが挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。以下の実施例等の記載において、特に言及しない限り、「部」は「質量部」を示す。
エチレン・1-ブテン共重合体等の物性の測定方法は、以下のとおりである。
<重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)>
重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、Waters社製ゲル浸透クロマトグラフAllianceGPC-2000型を用いて、以下のようにして測定した。分離カラムは、TSKgel GNH6-HTを2本、およびTSKgel GNH6-HTLを2本であり、カラムサイズはいずれも直径7.5mm、長さ300mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo-ジクロロベンゼン(富士フイルム和光純薬)(酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン(BHT)(武田薬品工業)を0.025質量%含む。)を用いて、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は15mg/10mlとし、試料注入量は500μlとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000、およびMw>4×106については東ソー社製を用いて、1000≦Mw≦4×106についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。
<密度>
密度は、ASTM D1505に従い、23℃にて測定した。
<二重結合量>
二重結合量の定量は、エチレン・1-ブテン共重合体等の1H-NMR測定(日本電子(株)製、「ECX400P型核磁気共鳴装置」)により行った。二重結合に由来するシグナルとして、ビニル型二重結合、ビニリデン型二重結合、2置換オレフィン型二重結合および3置換オレフィン型二重結合が観測される。各シグナルの積分強度から二重結合量を定量した。エチレン・1-ブテン共重合体等の主鎖メチレンシグナルをケミカルシフト基準(1.2ppm)とした。二重結合の総量は、各二重結合の総和として求めた。
Figure 0007466312000007
各式中、*は水素原子以外の原子との結合手を示す。
各水素原子a~eのピークは、下記付近に観測される。
・水素原子aのピーク:4.60ppm
・水素原子bのピーク:4.85ppm
・水素原子cのピーク:5.10ppm
・水素原子dのピーク:5.25ppm
・水素原子eのピーク:5.70ppm
二重結合量の定量式は、以下のとおりである。
・ビニル型二重結合量={(シグナルbの積分強度)+(シグナルeの積分強度)}/3
・ビニリデン型二重結合量=(シグナルaの積分強度)/2
・2置換オレフィン型二重結合量=(シグナルdの積分強度)/2
・3置換オレフィン型二重結合量=(シグナルcの積分強度)
<MFR>
MFRは、ASTMD-1238に従い、190℃、2.16kg荷重にて測定した。
<コモノマー含有量(組成)>
13C-NMRスペクトルの解析により1-ブテン由来の構造単位の含有量を小数点一桁の精度まで求めた。
<ポリマーの機械強度>
(破断点強度、破断点伸び)
ASTM D638に準拠し、2mmtプレスシートにて、破断点強度、破断点伸びを測定した。
(表面硬度)
ASTM D2240に準拠し、2mmtプレスシートを二枚重ね合わせてShore A硬度を測定した。
[製造例1]
撹拌羽根を備えた内容積28Lの連続重合器の一つの供給口に、共触媒としてトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのヘキサンスラリーを0.0065mmol/hr、主触媒としてビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドのヘキサンスラリーを0.0013mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を1.5mmol/hrの割合で供給し、触媒溶液と重合溶媒として用いる脱水精製したノルマルヘキサンの合計が21.3L/hrとなるように脱水精製したノルマルヘキサンを連続的に供給した。同時に重合器に、エチレンを6.3kg/hr、1-ブテンを5.5kg/hr、水素を210NL/hrの割合で連続供給し、重合温度110℃、全圧3.2MPaG、滞留時間35分間の条件下で連続溶液重合を行った。重合器で生成したエチレン・1-ブテン共重合体のノルマルヘキサン混合溶液は、重合器のサイドに設けられた排出口を介して連続的に排出させた。約0.75L/hrの速度でメタノールを注入してエチレン・1-ブテン共重合体のノルマルヘキサン混合溶液に合流させて重合を停止させたのち、フラッシュ槽内へ移送させた。フラッシュ槽内の圧力が約0.1MPaG、フラッシュ槽内の蒸気部の温度が約180℃とした。その後、ダイス温度を180℃に設定した二軸押出機を通してペレタイズし、ペレットとしてエチレン・1-ブテン共重合体(ポリマーA)を得た。収量は5.1kg/hrであった。ポリマーAの物性を表1に示す。
[製造例2~4]
製造例1において、エチレンフィード量、1-ブテンフィード量および水素フィード量を適宜変更したこと以外は製造例1と同様にして、エチレン・1-ブテン共重合体(ポリマーB、C、D)を得た。ポリマーB、C、Dの物性を表1に示す。
[ポリマーE]
ポリマーEとして、エチレン・1-オクテン共重合体「アフィニティGA1950」(ダウ・ケミカル社製)を準備した。ポリマーEの物性を表1に示す。
Figure 0007466312000008
エチレン・1-ブテン共重合体では、1-ブテン含有量が高くなると、柔軟性、伸びに優れることが分かる。
[実施例1]
150℃に熱したフラスコに、製造例1で得られたポリマーAを40質量部、粘着付与剤を30質量部、ワックスを30質量部の割合で投入し、攪拌翼を入れて、回転数50rpmおよび温度150℃で10分間混合し、接着剤を調製した。粘着付与剤として、アルコンP-125(荒川化学工業(株)製;市販品)を用いた。ワックスとして、三井ハイワックスNL100(三井化学(株)製;ポリエチレンタイプ、密度=920kg/m3、融点=103℃、B型粘度(140℃、6.0rpm)=200mPa・s)を用いた。
[実施例2~3、比較例1~2]
実施例1において、ポリマーの種類を表2に記載したとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、接着剤を調製した。
[接着性評価]
上記で得られた接着剤を、180℃に熱したホットメルト接着剤塗布用ハンドガン(商品名「GX600Pro」、(株)テクノス製)を用いて、市販のダンボール(幅15mm×長さ100mm×厚さ5mm)に、試験環境温度23℃、オープンタイム2秒の条件で直径1mm・長さ15mmの円柱状に塗布して、続いて同形のダンボールと貼り合わせ、セットタイム1秒の条件で固化して、同形の2つのダンボールが張り合わされてなる試験片を得た。
接着剤の接着性を評価するため、Tピール剥離試験(JIS K6854-3に準拠、剥離速度50mm/min、試験環境温度23℃)を実施し、基材(ダンボール)および接着剤の破壊状態を確認した。基材が破壊した場合を「AA」、接着剤の一部が破壊した場合を「BB」と記載した。基材が破壊した場合は、接着剤の基材への接着力および接着剤自体の凝集力が、基材の凝集力よりも優れることを示す。
接着剤の被着体変形への追従性を評価するため、試験片を一ヶ所で折り曲げ、元に戻す操作を10回繰り返し、同様にTピール剥離試験(JIS K6854-3に準拠、剥離速度50mm/min、試験温度23℃)を実施し、基材(ダンボール)および接着剤の破壊状態を確認した。基材が破壊した場合を「AA」、接着剤の一部が破壊した場合を「BB」と記載した。
[加熱安定性評価]
上記で得られた接着剤50gを100mlビーカーに入れ、180℃で空気中に保管して、接着剤の色相変化を観察した。接着剤をビーカーに入れた直後、1週間後および2週間後の色相を確認した。
Figure 0007466312000009

Claims (6)

  1. 以下(A-1)~(A-4)の要件をいずれも満たすエチレン・1-ブテン共重合体(A)を含有する接着剤。
    (A-1)190℃、2.16kg荷重で測定されるMFRが0.1~50g/10分である。
    (A-2)密度が855~900kg/m3である。
    (A-3)1-ブテン由来の構造単位の含有量が18~23モル%である。
    (A-4)1H-NMR測定により求められる炭素数1000個あたりのビニル型二重結合、ビニリデン型二重結合、2置換オレフィン型二重結合および3置換オレフィン型二重結合の総含有量が、0.5個未満である。
  2. 前記共重合体(A)の、1H-NMR測定により求められる炭素数1000個あたりのビニル型二重結合、ビニリデン型二重結合、2置換オレフィン型二重結合および3置換オレフィン型二重結合のいずれの二重結合の含有量も、0.2個未満である請求項1に記載の接着剤。
  3. 前記共重合体(A)の190℃、2.16kg荷重で測定されるMFRが0.1~9g/10分である請求項1または2に記載の接着剤。
  4. 前記共重合体(A)の密度が855~875kg/m3である請求項1~3のいずれか1項に記載の接着剤。
  5. 粘着付与剤、および/またはワックスを含む請求項1~のいずれか1項に記載の接着剤。
  6. ホットメルト接着剤である請求項1~のいずれか1項に記載の接着剤。
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