JP7466190B2 - 改質触媒、その製造方法および改質装置ならびに排ガス浄化装置 - Google Patents

改質触媒、その製造方法および改質装置ならびに排ガス浄化装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガソリンまたは軽油などの化石燃料を改質するための改質装置と、改質触媒の製造方法ならびに排ガス浄化装置に関し、特に、内燃機関やボイラなどにおいて使用されるものに関する。
既に開発されている燃料改質装置には、容器に永久磁石とセラミック塊状体とを収容したものがあった(特許文献1参照)。この技術は、希土類の天然鉱石からなるパウダーとバインダーと触媒とを混合し、これを成型したうえで焼成した塊状のセラミックを使用するものであって、希土類の天然鉱石とは、ラジウム、ウラン、ランタンその他の元素を含む天然鉱石を意味するものであり、また、永久磁石を容器に収納する構成であった。そして、このような構成とした目的は、先行して開発されたセラミックス成形品を流体濾過材として使用する場合(特許文献2参照)、多連続孔を有するセラミックスでは目詰まりが発生しやすかったことを解消しつつ、α線、γ線等の放射性が持続的に放射することにより、燃料の活性化を起こさせることを目的とするものであった。
上記装置の場合、セラミックスの塊状体と永久磁石を適当に容器内に収納する構成であるため、容器内を通過する燃料がセラミックスや永久磁石に接触することによって改質するというよりも、燃料に接近しつつα線、γ線などの放射線や磁力を作用させることによって改質するものと考えられる。そして、直接接触することによる効果を十分に発揮させるものではなかった。
また、燃料改質のための他の装置には、田峯花崗斑岩を金属製の網に入れ、これを燃料タンクの給油口付近に取り付ける構成の燃料改質器具があったが(特許文献3参照)、この燃料改質器具は、田峯花崗斑岩に燃料を接触させて改質するものの、大量の燃料に対して僅かな量の燃料改質部材によって燃料を改質しようとするものであるから、仮に燃料の改質が可能であったとしても、燃料タンクに保存される燃料の全体を均一に改質できるものではなかった。
そこで、本願の出願人は、石英斑岩の粉末を含有させたセラミック板に磁石を散在させてなる燃料改質剤を配置してなる燃料改質装置を提案している(特許文献4参照)。
特開平11-12022号公報(2頁、図1-図2) 特公平1-23435号公報(2頁、図10) 特開2002-371927号公報(3頁、図1) 特開2007-77949号公報(5-6頁、図1)
上記の従来技術は、磁石による磁力と、セラミックス板によるマイナスイオンとにより、燃料を改質するものであるが、石英斑岩を粉砕し、かつ粉末状にしたうえで、これを粘土と混練する必要があり、非常に高価なものとなっていた。
本発明は、上記諸点にかんがみてなされたものであって、その目的とするところは、安価に効率の良い改質触媒およびそれを用いた改質装置と、当該改質触媒の製造方法を提供するとともに、排ガス浄化装置を提供することである。
そこで、改質触媒にかかる本発明は、燃料タンクから燃焼室までの途中に設置される改質装置に使用する改質触媒であって、天然鉱石である石英斑岩を溶融固化してなる溶融岩石を粉砕したものであって、平均粒径3mm~10mmとする溶融岩石粒であることを特徴とする。
上記構成によれば、粉砕した石英斑岩粒子を高温で加熱することにより、低融点の金属酸化物が溶融し、破砕された石英斑岩粒子を構成する他の金属酸化物を溶着するとともに、石英斑岩粒子に含まれていた成分がガス化し、粒子の内部から表面に向かって噴出する際に微細孔を構成することとなる。これにより、石英斑岩粒子の剥離が抑えられるとともに、石英斑岩を構成する複数の金属酸化物を粒子内に留まらせることができ、また、ガスの通過痕による微細孔を表面に開口する状態で形成させたものとなる。このような溶融岩石粒を改質触媒とすることにより、改質装置を燃料が通過する際に、当該燃料が溶融岩石の微細孔に入り込み、石英斑岩を構成する複数の金属酸化物に接触することができることから、その各種の金属元素または金属酸化物との接触によって改質効果を得ることができる。
なお、溶融岩石粒が3mm以上としたのは、3mm未満の場合、石英斑岩を構成する各種金属元素または金属酸化物の含有量に偏りを生じさせるためであり、10mm以下としたのは、10mmを超える大きさの場合、溶融岩石粒同士に形成される間隙が大きくなり、燃料との接触機会が減殺されるためである。
改質装置に係る本発明は、上記に記載の改質触媒を使用する改質装置であって、燃料タンクから燃焼室までの途中に金属製パイプによる本体部を形成し、該本体部に前記改質触媒を1.5kg以上封入してなることを特徴とする。
上記構成によれば、改質触媒1.5kgを封入してなる本体部の内部を燃料が流下するとき、燃料の大部分が改質触媒に接触することとなり、燃料が燃焼室に到達するまでの間に改質させることができる。ここで、例えば、1.5kgの改質触媒を封入させるため、例えば、内径30mmの金属製パイプを500mmとして構成することにより、封入させることができる。従って、3.0kgの改質触媒の場合には、上記金属製パイプ2本を連続させた構成とすることができ、6kgの場合は4本を連続させることによって構成することができる。連続させる場合には、直線的に連続させる場合のほか、金属製パイプを平行に配置し、U字管で連続させることにより波状としてもよい。
改質触媒の製造方法に係る本発明は、前記に記載の改質装置に使用する改質触媒の製造方法であって、天然鉱石を平均粒径3mm~10mmの範囲内となる大きさに破砕し、粒状石を形成する第1の破砕工程と、前記破砕工程により形成された粒状石を集合させた状態で、1400℃~2000℃の温度により1分~5分加熱することにより、個々の粒状石を溶融させるとともに、該粒状石を相互に融着させる溶融工程と、前記溶融工程により溶融され、融着された粒状石の溶融物を再度破砕し、平均粒径3mm~10mmの溶融岩石粒を形成する第2の破砕工程とを含むことを特徴とする。
上記構成によれば、石英斑岩の粒状石を1400℃以上の高温により加熱することにより、石英斑岩に含まれる一部の金属元素または金属酸化物(例えば酸化ナトリウムなど)が溶融し、溶融しない他の金属元素または金属酸化物を溶着させることができる。特に、1700℃~2000℃で加熱すると、溶融する金属元素または金属酸化物が増加し、溶融しない他の金属元素または金属酸化物の溶着状態を強固にすることができる。ここで、加熱の際には、各粒状石を個別に分離するのではなく、粒状石の集合体をまとめて加熱するため、粒状石に含有する一部の金属酸化物等が溶融することで相互に溶着されることとなるため、第2の破砕工程により個々の粒状石を分離させ、溶融岩石粒を形成させるのである。
なお、加熱温度が2000℃を超える場合、溶融する金属元素または金属酸化物の割合が大きくなるため、粒状石の状態を維持し得ないことから1000℃以下において加熱することとした。また、石英斑岩を粉砕して得られる粒状石の平均粒径を3mm~10mmとしたのは、最終的な溶融岩石粒の平均粒径を3mm~10mmとするために一致させたものである。粒状石の状態が維持される場合は、当該粒状石が個別に溶融したものとなり、他の粒状石と融着する場合は、これを破砕し、または2~3個の小粒の粒状石の集合体をもって溶融岩石粒とすることも可能となる。
前記に記載の改質装置とともに使用する排ガス浄化装置に係る本発明は、内燃機関の排気経路の途中に排ガス浄化室を設け、天然鉱石である石英斑岩を溶融固化してなる溶融岩石を粉砕して平均粒径1μm~5μmの粉末状とし、これを前記排ガス浄化室の壁面に膜状に積層させつつ固着させていることを特徴とする。
上記構成によれば、前記燃料の改質装置によって燃焼されやすくなった燃料により、不完全燃焼が抑えられた排ガスを排出しつつ、さらに排ガスを浄化させることができる。これは、前述の溶融岩石による粉末粒子に排ガスが接触することにより、表面の微細孔によって微粒子を捕捉することができ、排ガス浄化室が燃焼温度によって高温となった際に捕捉された微粒子を再度燃焼させることができる。また、石英斑岩は、マイナスイオンを発生させるとともに、遠赤外線放射機能を有することが知られており、高温化した排ガス浄化室内において特に遠赤外線が放射されることにより、通常の燃焼状態に比較して良好に燃焼させることができる。
なお、積層する粉末粒子の平均粒径を1μm以上としたのは、1μm未満の場合、粉末粒子が個々に有する微細孔を消失させることになるためであり、5μm以下としたのは、排ガス浄化室の壁面に積層する際、層の厚みが大きくなったとしても効果に変化がなく、粉末粒子1個分~2個分の膜厚で積層されることを想定すれば、非常に薄膜状態で積層させることができ、軽量化できるためである。また、粉末粒子を固着する際には、例えば、耐熱接着剤(無機系接着剤)などを使用することができる。耐熱温度が2000℃の無機系接着剤も市販されていることから、これらを使用することができる。
改質触媒にかかる本発明によれば、石英斑岩を原料とするため安価な改質触媒によって構成することができる。また、石英斑岩は、十分に小さく破砕されたものを加熱することにより、表面に開口する微細孔を備える構成となるから、改質効率を向上させることができる。これを使用する改質装置に係る発明は、長尺なパイプに改質触媒が封入されることから、燃料が流下する際、当該燃料の大部分が改質触媒に接触することとなるから、燃料の改質を可能とする。
また、改質触媒の製造方法に係る本発明によれば、破砕工程と溶融工程とによって製造するものであるため、比較的安価に製造することができる。そして、最終的な溶融岩石粒の平均粒径は、平均粒径3mm~10mmという比較的小さい粒径となることから、前記改質装置に封入することが容易である一方、個々の溶融岩石粒は十分な容積を有するため、改質触媒として効果を発揮し得る溶融岩石粒を製造し得るものとなる。
他方、改質装置とともに使用する排ガス浄化装置に係る本発明は、改質装置が設置され、改質された燃料が燃焼するため、不完全燃焼の発生を抑えることができるうえ、排ガス浄化装置の設置により、残余する不完全燃焼部分を再燃焼により完全燃焼させることができる。これにより、最終的な排気に含まれるガスを浄化することができる。
改質触媒の製造方法に係る本発明の実施形態を示す説明図である。 改質触媒の模式図である。 改質装置に係る本発明の実施形態を示す説明図である。 排ガス浄化装置に係る本発明の実施形態を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。説明の便宜上、改質触媒の製造方法を説明し、その後、改質触媒および改質装置について説明する。最後に排ガス浄化装置について説明することとする。
<改質触媒の製造方法>
図1は、改質触媒の製造方法を工程毎に記載した図である。この図に示すように、改質触媒の製造方法は、第1の破砕工程S10と、溶融工程S20と、第2の破砕工程S30とを順次行うものである。
第1の破砕工程S10は、天然鉱石を平均粒径3mm~10mmの範囲内となる大きさに破砕し、粒状石を形成する工程であり、破砕には、いわゆる二軸破砕機を使用することができる。破砕後は、選別工程S11により、破砕された粒状石の粒径を所定範囲内に整える。選別工程S11は、二種類の篩を用いて行うものであり、第1工程は、大きい目の篩により、上限粒径以上に大きい粒径を排除し、第2工程は、小さい目の篩により、下限粒径以下に小さい粒径を排除するものである。
粒状石の平均粒径を3mm~10mmの範囲内とする場合、大きい目の篩は10.5mmの目を使用し、小さい目の篩は、3mmの目を使用する。平均粒径を3mm周辺(3mm~4mm)とする場合は、大きい目の篩は4.2mmの目を使用し、小さい目の篩は3mmの目を使用する。大きい目の篩により上限以上の粒径の粒状石を排除する場合、上限粒径であっても篩を通過しない場合があるため、大きめの目を有する篩を使用するのである。他方、下限以下の粒径は混入させるべきでないため、下限粒径に一致する目の大きさの篩を使用するのである。
上記選別工程により選別された粒状石を回収し、溶融釜により溶融する溶融工程S20を行う。溶融工程S20は、回転釜を使用するものであり、釜の温度は、1500℃とし、釜を回転させて攪拌させつつ10分~15分加熱する。加熱時間の目安は、攪拌される粒状石の流動状態により判断することができる。すなわち、加熱当初は粒状石に含まれる金属酸化物等のいずれもが溶融していないため、粒状石は流動性のよい状態で攪拌されるが、高温化に伴って一部の金属酸化物等が溶融し、周辺の粒状石が溶着することで、複数の粒状石が塊状となるため、流動性が低下することとなる。適度に流動性が低下した時点で加熱を終了し冷却する冷却工程S21を行う。この冷却工程S21による冷却期間中は、加熱のみを中断し攪拌のみ継続させるものである。
十分に冷却された溶融岩石を回転釜から取り出し、第2の破砕工程S30を行う。第2の破砕工程は、粒状石が溶融して塊状に溶着したものを個別の粒状石の状態(溶融岩石粒)に分離させるためのものであり、打撃破砕によって行われる。このとき二軸破砕機を使用しないのは、粒状石(溶融岩石粒)を再度破砕させることを回避するためであり、打撃破砕により溶融した粒状石(溶融岩石粒)を分離するのである。打撃破砕には、クリアランスを十分大きく設定した一軸破砕機を使用することができる。回転する破砕用ヘッドに溶融した塊を衝突させ、その打撃力により溶着部分を分離させるのである。
上記により、所定粒径の溶融岩石粒を得ることができるが、最終的な粒径を調整するため、選別工程S31を行う。この選別工程は、第1破砕工程後に行う選別工程と同様である。選別工程S31の実施により、必要以上に破砕され微細化された溶融岩石粒または溶着部分が分離されず肥大化した溶融岩石粒を排除するものである。
<改質触媒>
図2に改質触媒1粒を拡大した概略図を示す。なお、図2(a)は外観図であり、(b)は断面図である。図2(a)および(b)に示すように、上記の製造方法により製造された改質触媒1は、表面2が溶融した金属酸化物等によって被覆された状態となることから、表面2の剥離を防ぐことができるものとなる。また、内部3においても同様に親族酸化物等が溶融・固化しているため、強固に一体化されたものとなる。従って、溶着部分を分離した分離面においても剥離を防止し得るものとなる。
他方、天然鉱石に含まれていた一部の成分が加熱によってガス化し、粒子の内部3から表面2に向かって噴出する際に微細孔4を構成する。このガスの噴出は、金属酸化物等の溶融と同じ時期であるため、ガスは表面2に到達して排出できるうえ、その状態で固化されることから、ガスの通過痕による微細孔4は、そのままの状態で残存し、しかも表面2において開口5した状態となっている。
<改質装置>
改質装置の概略を図3(a)に示す。なお、図3(a)は縦断面図である。この図3(a)に示すように、改質装置6は、長尺な金属製パイプ7の中空内部に前述の改質触媒1を封入した構成である。金属製パイプ7は、ステンレス鋼または鋳鉄製によって筒状に構成されたものであり、両端には、パンチングメタルまたはメッシュ状の網材による蓋部71,72によって液体のみを通過可能な状態で閉塞され、この蓋部71,72に固設されるジョイントパイプ73,74を介して燃料ホース8と連結可能となっている。
本実施形態では、内径30mmとする金属製パイプ7を500mmの長さとしており、容量は約3.5リットルとし、封入する改質触媒1は約1.5kgとしている。改質触媒1の平均粒径を5mm~10mmの改質触媒1を封入すると、改質触媒1の相互間に適度な間隙を生じさせ、液体(燃料)の流通を可能にすることができる。
上記構成の改質装置は、図3(b)に示すように、燃料タンクTから燃料フィルタFまでに燃料を流下させる燃料ホース8の途中に介在させて使用する。1本分の改質装置6を介在させる構成でもよいが、本実施形態では、3本の改質装置6A,6B,6Cを介在させる場合を例示している。複数の改質装置6A,6B,6Cを介在させる場合には、各改質装置6A,6B,6CをU字管61,62によって連結し、3本の改質装置6A,6B,6Cを一体化させている。なお、各改質装置6A,6B,6Cには、それぞれ1.5kgの改質触媒1が封入されることから、本実施形態の場合は4.5kgの改質触媒1が使用される構成である。
このように、燃料タンクTから燃料フィルタFの途中において、供給される燃料に対して順次改質触媒1に接触させることにより、当該供給燃料は改質され、燃焼室へ供給されることとなるのである。
<実験例>
上記の燃料改質装置を使用し、車両による走行試験(燃費試験)を行った。使用した車両は、いすゞエルフ2トン車(型式:U-NKR66EA、原動機:4HF1ディーゼルエンジン、排気量:4334cc、初年度登録:平成6年9月、排ガス規制:平成1年規制)を使用し、一般道における市街地走行を行った。
なお、改質装置は、金属製パイプの内径を30mm、長さ750mmにより1本分とし、この1本辺りに封入する改質触媒は約2.25kgとし、これを4本使用した。改質触媒の合計は約9.0kgとした。改質触媒の平均粒径は5mmとし、3mm~7mmの粒径を適宜分散封入したものを使用した。上記の条件による試験の結果を下表に示す。
Figure 0007466190000001
上記の走行試験の結果から明らかなとおり、燃料消費率は、平均値で15.73km/Lとなった。同型式の車両に関して公表されている燃費が7km/Lであることに照らすと、約倍の燃料消費率となり、燃料の改質による完全燃焼率が向上し、熱効率が飛躍的に良好となっていることを示す結果となった。
上述のように、燃料の改質により、完全燃焼が促進され、熱効率が向上していることに鑑みれば、排ガスは浄化されていることとなるが、さらに、内燃機関の排気経路の途中に排ガス浄化室を設けることにより、排ガスを浄化することができる。
天然鉱石である石英斑岩を溶融固化してなる溶融岩石の成分について、蛍光X線装置にて定性分析を行った。分析は、試料を粉砕後、ペレット状に加圧成形したものについて行った。比較のため、溶融固化前の石英斑岩と、溶融効果後の溶融岩石について行った。なお、溶融固化前は株式会社リガク社製ZSX100eを使用し、溶融固化後は同社製ZSXPrimusIVを使用した。溶融固化前の分析結果を表2に、溶融固化後の分析結果を表3に示す。
Figure 0007466190000002
Figure 0007466190000003
上記のように、一部の元素は溶融固化の過程においてガス化等により消失しており、当該ガス化の際に微細孔が形成され得るものであり、また、溶融効果後に検出された元素(金属酸化物)のうち、融点の低いものによって溶融岩石の表面が被覆され得ることも客観的に明らかとなった。
<排ガス浄化装置>
図4に、排ガス浄化装置の設置状態と内部構造を示す。図4(a)に示すように、排ガス浄化装置9は、内燃機関(エンジン)Eから排気ガスを排出するための排気経路の途中に設けるものである。一般的には、マフラMよりも上流側に設け、ディーゼルエンジンの場合には、いわゆるDPF(ディーゼル微粒子捕集フィルタ:Diesel Particulate Filter)の上流側に設けられる。従って、比較的エンジンEに近い位置に設けられるため、高温の排気ガスが通過する条件下に設置されるものである。
この排ガス浄化装置9は、図4(b)に示すように、筒状の本体部(排ガス浄化室)90によって構成され、この排ガス浄化室90の内部壁面に、粉末状にした石英斑岩を膜状に固着させた積層部10を構成させたものである。この積層部10は、天然鉱石である石英斑岩を溶融固化してなる溶融岩石を粉砕して平均粒径1μm~5μmの粉末状とした鉱石粉を耐熱接着剤(無機系接着剤)によって薄い膜状に固着したものである。具体的には、耐熱接着剤に鉱石粉を練り込み、壁面に塗り付けることによって積層させるものである。当該接着剤の固化により、積層部10の表面に鉱石粉が存在する状態とし、排ガスの排出時に当該排ガスを接触させることにより浄化させるものである。
このように、積層部10を形成することにより、石英斑岩による粉末粒子に排ガスが接触し、表面の微細孔によって微粒子を捕捉することができ、排ガス浄化室が燃焼温度によって高温となった際に捕捉された微粒子を再度燃焼させることができる。また、燃焼温度による加熱により、マイナスイオンや遠赤外線が発生し、不完全な燃焼ガスを更に良好に燃焼させることができる。なお、積層部10では、構成粉の粒子が1個分~2個分の膜厚で積層されれば十分であり、薄膜状態で積層することにより、軽量化することができる。
<実験例>
前掲のいすゞエルフ2トン車に排ガス浄化装置9を設置して走行試験を行った。排ガス浄化装置9は、DPFよりも上流側に設置し、定期的にDPFの状態を観察した。DPFはハニカム構造の細孔を有するフィルタを使用し、そのハニカムの目の状態に着目した。
排ガス浄化装置9を設置しない場合は、走行距離9,000kmを超えた時点でDPFに目詰まりを確認した。これに対し、排ガス浄化装置9を設置した場合は、45,000kmの走行後においてもDPFに目詰まりが生じなかった。
この結果は、すなわち、不完全燃焼により生じる微粒子を捕捉しつつ再燃焼により完全燃焼させているためであり、不完全燃焼から生じる他のガスについても再燃焼による完全燃焼を誘導しているものである。
1 改質触媒
2 改質触媒の表面
3 改質触媒の内部
4 微細孔
5 微細孔の開口部
6,6A,6B,6C 改質装置
7 金属製パイプ
8 燃料ホース
9 排ガス浄化装置
10 積層部
61,62 U字管
71,72 蓋部
73,74 ジョイントパイプ
90 排ガス浄化室
E エンジン(内燃機関)
F 燃料フィルタ
M マフラ
T 燃料タンク

Claims (4)

  1. 燃料タンクから燃焼室までの途中に設置される改質装置に使用する改質触媒であって、
    少なくとも二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化第二鉄、酸化カルシウム、酸化カリウム、酸化ナトリウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、五酸化リンおよびフッ素を含有する天然鉱石の石英斑岩に対し、溶融釜の温度を1500℃としつつ該溶融釜を回転させながら10分~15分加熱することにより、溶融した一部の含有物質によって全体を溶融固化してなる溶融岩石を、平均粒径3mm~10mmに粉砕してなる溶融岩石粒で構成され、
    前記溶融岩石は、前記加熱によって含有物質のうちの少なくともフッ素がガス化して表面に噴出するときに形成される微細孔を有するものであることを特徴とする改質触媒。
  2. 請求項1に記載の改質触媒を使用する改質装置であって、
    燃料タンクから燃焼室までの途中に1または複数の金属製パイプによる本体部を形成し、該本体部を構成する金属製パイプ1本に対し前記改質触媒を1.5kg~2.25kgを封入し、該金属パイプを1~4本使用してなることを特徴とする改質装置。
  3. 請求項1に記載の改質触媒の製造方法であって、
    天然鉱石を平均粒径3mm~10mmの範囲内となる大きさに破砕し、粒状石を形成する第1の破砕工程と、
    大きい目の篩によって上限粒径以上に大きい粒径の粒状石を排除するとともに、小さい目の篩によって下限粒径以下に小さい粒径の粒状石を排除して、所定範囲内の粒径の粒状石を選別する選別工程と、
    前記選別工程により選別された粒状石を回収し、溶融釜の温度を1500℃としつつ該溶融釜を回転させながら10分~15分加熱することにより、個々の粒状石に含有する物質の一部を溶融させるとともに、溶融した物質によって該粒状石を相互に融着させる溶融工程と、
    前記溶融工程により溶融され、融着された粒状石の溶融物を再度破砕し、平均粒径3mm~10mmの溶融岩石粒を形成する第2の破砕工程と
    を含むことを特徴とする改質触媒の製造方法。
  4. 請求項2に記載の改質装置とともに使用する排ガス浄化装置であって、
    内燃機関の排気経路の途中に排ガス浄化室を設け、
    少なくとも二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化第二鉄、酸化カルシウム、酸化カリウム、酸化ナトリウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、五酸化リンおよびフッ素を含有する天然鉱石の石英斑岩に対し、溶融釜の温度を1500℃としつつ該溶融釜を回転させながら10分~15分加熱することにより、溶融した一部の含有物質によって全体を溶融固化してなる溶融岩石を粉砕して平均粒径1μm~5μmの粉末状とし、これを前記排ガス浄化室の壁面に膜状に積層させつつ固着させていることを特徴とする排ガス浄化装置。
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