JP7465524B2 - アノード電極材料、その製造方法、および、それを用いたリチウムイオン二次電池 - Google Patents

アノード電極材料、その製造方法、および、それを用いたリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、アノード電極材料、その製造方法、および、それを用いたリチウムイオン二次電池に関し、詳細には、シリコンを含有するアノード電極材料、その製造方法、および、それを用いたリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池のアノード電極材料として、大きな比容量、低い作動電位、豊富な資源によりシリコン(Si)が注目されている。しかしながら、Siは、リチウム(Li)イオンの挿入と脱離とに伴い体積変化が大きいため、分解が進み、サイクル寿命が短いという問題がある。また、SiとLiとの合金化/脱合金化プロセスでSiの機械的破壊によって、急激かつ不可逆的な容量減少が生じるという問題がある。さらに、Liの脱離によるSi表面の固体電解質界面(SEI)層が破壊され、Siの新しい表面が電解液に露出し、SEI層が形成される。充放電を繰り返すことによりSEI層が厚くなる。
このような大きな体積変化に係る問題に対して、炭素で被覆されたSiOα粒子がグラフェンシート間に位置する複合体が開発された(例えば、非特許文献1を参照)。非特許文献1によれば、炭素で被覆されたSiOα粒子と、グラフェンシートとを混合し、溶媒を除去することにより、炭素で被覆されたSiOα粒子がグラフェンシート間に位置する複合体が製造された。非特許文献1は、この複合体をリチウムイオン電池のアノード電極に使用したところ、比容量、サイクル特性およびレート特性が改善したことを報告する。しかしながら、実用化に際しては、さらなる特性向上が求められる。
Chengeng Guoら,J.Mater.Chem.A,2014,2,3521
以上から、本発明の課題は、体積膨張を抑制し、高容量化を可能にするアノード電極材料、その製造方法、および、それを用いたリチウムイオン二次電池を提供することである。
本発明によるアノード電極材料は、シリコンシートと、前記シリコンシートを挟持したグラフェンシートと、前記シリコンシートと前記グラフェンシートとの間に位置する炭素材料とを有する複合体を含有し、これにより上記課題を解決する。
前記炭素材料は、アモルファス炭素であってもよい。
前記シリコンシートは、単層シリセンまたは多重シリセンを含有してもよい。
前記炭素材料は、さらに窒素を含有してもよい。
前記シリコンシートは、酸素(O)をさらに含有してもよい。
前記シリコンシートの含有量は、15wt%以上20wt%以下の範囲であってもよい。
前記グラフェンシートの含有量は、40wt%以上70wt%以下の範囲であってもよい。
シリコン(Si)の含有量は、15wt%以上20wt%以下の範囲であり、炭素(C)の含有量は、62wt%以上75wt%以下の範囲であり、窒素(N)の含有量は、1.5wt%以上5wt%以下の範囲であり、酸素(O)の含有量は、8wt%以上16wt%以下の範囲であってもよい。
前記シリコンシートの厚さは、100nm以上300nm以下の範囲であってもよい。
前記グラフェンシートの厚さは、30nm以上150nm以下の範囲であってもよい。
1.5m/g以上10m/g以下の範囲のBET比表面積を有してもよい。
吸着等温線の相対圧力(p/p)が0.99のときの窒素吸着量から求められる全細孔容積は、0.45m/kg以上1.5m/kg以下の範囲であってもよい。
本発明による上記アノード電極材料の製造方法は、SiOシート(xは0≦x≦1を満たす)と、酸化グラフェンシートとを分散媒中で混合して混合物を得ることと、前記混合物と、カチオン性ポリマーの水溶液とを混合し、前駆物質を得ることと、前記前駆物質を焼成することとを包含し、これにより上記課題を解決する。
前記混合物を得ることは、前記SiOシートと前記酸化グラフェンシートとを、質量比で、65:35~75:25の範囲を満たすよう混合してもよい。
前記分散媒は、硫酸、塩酸および硝酸からなる群から選択される酸水溶液であってもよい。 前記カチオン性ポリマーは、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、プロタミン、ポリリジン、ポリオルニチン、ポリアルギニン、キトサン、および、ポリビニルアルコールからなる群から少なくとも1つ選択されてもよい。
前記焼成することは、前記前駆物質を600℃以上1000℃以下の温度範囲で行ってもよい。
前記SiOシートは、Si(OH)で表されるナノシートであってもよい。
前記混合物を得ることは、圧力下で行うってもよい。
本発明によるリチウムイオン二次電池は、アノード電極と、カソード電極と、前記アノード電極および前記カソード電極の間に位置する電解質とを備え、前記アノード電極は、上記アノード電極材料からなり、これにより上記課題を解決する。
本発明のアノード電極材料は、シリコンシートと、シリコンシートを挟持したグラフェンシートと、これらの間に位置する炭素材料とを有する複合体を含有する。シリコンシートが炭素材料を介してグラフェンシートによって挟持されているので、リチウムイオンの挿入・脱離による体積膨張が抑制され、サイクル特性を向上できる。また、シリコンシートとグラフェンシートとは、いずれもシート状であるため、高密度に凝集でき、シリコンの大きな比容量を達成できる。このようなアノード電極材料を用いれば、高容量のリチウムイオン二次電池を提供できる。
本発明のアノード電極材料の製造方法は、SiOナノシート(xは0≦x≦1を満たす)と、酸化グラフェンシートとを溶媒中で混合し、混合物を得ることと、その混合物とカチオン性ポリマーの水溶液とを混合し、前駆物質を得ることと、前駆物質を焼成することとを包含し、カチオン性ポリマー水溶液と混合することにより、シリコンナノシートと酸化グラフェンシートとが高密度に凝集されるので、上述のアノード電極材料が得られる。
本発明のアノード電極材料を構成する複合体を模式的に示す図 本発明の電極の製造工程を示すフローチャート 本発明のリチウムイオン二次電池を模式的に示す図 LSNのSEM像を示す図 LSNのTEM像(A)、AFM像(B)および膜厚プロファイル(C)を示す図 LSN/GOのSEM像を示す図 LSN/GO/PEIのSEM像を示す図 例1のLSGCの外観を示す図 例1のLSGCおよび例2のLSGのXRDパターンを示す図 例1のLSGCのSEM像を示す図 例1のLSGCのTEM像を示す図 例1のLSGCの窒素吸脱着等温線を示す図 例1のLSGCおよび例2のLSGのXPSスペクトルを示す図 例1のLSGCのN1sのXPSスペクトルを示す図 例3の電池(LSGC)の充放電プロファイルを示す図 例3の電池(LSGC)のサイクル特性を示す図 例3の電池(LSGC)、例4の電池(LSG)および例5の電池(LSN)のナイキストプロットを示す図 例3の電池(LSGC)、例4の電池(LSG)および例5の電池(LSN)のレート特性を示す図 例3の電池(LSGC)、例4の電池(LSG)および例5の電池(LSN)のさらなるレート特性を示す図 例3の電池(LSGC)および例4の電池(LSG)の71サイクルおよび600サイクルにおける充放電プロファイルを示す図 例3の電池(LSGC)、例4の電池(LSG)および例5の電池(LSN)におけるアノード電極の断面のSEM像を示す図
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。なお、同様の要素には同様の番号を付し、その説明を省略する。
(実施の形態1)
実施の形態1では、本発明のアノード電極材料およびその製造方法について説明する。
図1は、本発明のアノード電極材料を構成する複合体を模式的に示す図である。
本発明のアノード電極材料を構成する複合体100は、シリコンシート110と、シリコンシート110を挟持したグラフェンシート120と、シリコンシート110とグラフェンシート120との間に位置する炭素材料130とを有する。
グラフェンシート120がシリコンシート110を挟持するため、リチウムイオンの挿入・脱離によるシリコンの体積膨張が抑制され、サイクル特性を向上できる。また、シリコンシート110とグラフェンシート120とは、いずれも原子レベル~ナノメートルオーダの厚さのナノシートが層状に重なっているため、高密度に凝集している。その結果、シリコンの大きな比容量が達成されるので、本発明のアノード電極材料は、リチウムイオン二次電池の高容量化に有利である。シリコンシートは柔軟性に優れたグラフェンシートによって挟持されるので、Liイオンの吸蔵・放出に伴う体積変化に追従できる。その結果、アノード電極材料を構成する複合体100が壊れることはないので、リチウムイオン二次電池の長寿命を可能にする。
シリコンシート110は、二次元方向にシリコン(Si)原子が周期的に配列しており、Si-Si結合を有するシリコンナノシートの積層体(凝集体)である。詳細には、シリコンナノシートは、二次元方向に周期的に配列したSi6員環、および、sp結合および/またはsp結合のSi原子を含有し、4nm以上50nm以下の厚さを有する。
このようなシリコンシート110は、シリコンナノシートが積層・凝集し、数十nm~数百nmの厚さを有するものである。シリコンシート110は、好ましくは、100nm以上300nm以下の範囲の厚さを有する。この範囲であれば、シリコンナノシートが積層した後も柔軟性を有し得る。シリコンシート110は、より好ましくは、150nm以上250nm以下の範囲の厚さを有する。この範囲であれば、シリコンナノシートが積層した後も柔軟性を有し、壊れにくい。
シリコンシート110は、好ましくは、単層シリセンまたは多重シリセンを含有してもよい。これにより、上述の厚さを有するシリコンナノシートの積層体となり、高い比容量が期待される。なお、シリコンシート110は、シリコンに加えて、ヒドロキシル基、カルボキシ基、カルボニル基等の官能基や水素原子で置換されていてもよい。これらは、通常シリコンシート110の製造に際して導入され得る官能基であるが、これらを有していても電極の性能に問題はない。このような観点からシリコンシート110は、酸素(O)を含有してもよい。これによりシリコンシート110の構造が安定化し得る。
複合体100におけるシリコンシート110の含有量は、好ましくは、15wt%以上20wt%以下の範囲である。この範囲であれば、シリコンの大きな比容量が達成され得る。シリコンシート110の含有量は、より好ましくは、15wt%以上18wt%以下の範囲である。なお、本願明細書では、「wt%」を使用するが、「mass%」を用いてもよい。
グラフェンシート120は、sp結合の炭素原子からなり、六角形格子構造を有するシート様の形態を有し、グラファイトを構成するグラフェンナノシートの積層体(凝集体)を意図する。なお、グラフェンシート120は、炭素原子に加えて、ヒドロキシル基、カルボキシ基、カルボニル基等の官能基を有していてもよい。
グラフェンシート120は、0.3nm以上10nm以下の範囲の厚さを有するグラフェンナノシートが積層・凝集し、数十nm~数百nmの厚さを有するものである。
グラフェンシート120は、好ましくは、30nm以上150nm以下の範囲の厚さを有する。この範囲であれば、グラフェンナノシートの特性を失うことなく、三次元空間の形成に有利である。グラフェンシート120は、より好ましくは、50nm以上120nm以下の範囲の厚さを有する。この範囲であれば、グラフェンシート120は、柔軟性に優れ、かつ、Liイオンをより多く吸蔵できるので、長寿命かつ高容量のリチウムイオン二次電池を提供できる。
シリコンシート110およびグラフェンシート120は、それぞれ上述の範囲を満たすことが好ましいが、より好ましくは、シリコンシート110の厚さは、グラフェンシート120のそれよりも薄い。これにより、全体として、柔軟性を有し、シリコンシート120が壊れることなく、Liイオンをより多く吸蔵できる。本願明細書において、各シートの厚さは、透過型電子顕微鏡による観察像において、10シートの平均の厚さである。
複合体100におけるグラフェンシート120の含有量は、好ましくは、40wt%以上70wt%以下の範囲である。この範囲であれば、上述のシリコンシート110を挟持できる。グラフェンシート120の含有量は、より好ましくは、55wt%以上65wt%以下の範囲である。
炭素材料130は、好ましくは、アモルファス炭素である。シリコンシート110とグラフェンシート120との間に介在する炭素材料130により、リチウムイオンの挿入・脱離による体積膨張が抑制され、サイクル特性を向上できる。
炭素材料130は、さらに窒素を含有してもよい。これにより、長寿命かつ高容量のリチウムイオン二次電池を提供できる。炭素材料130中の窒素はピリジン型窒素を構成してもよい。ピリジン型窒素であれば、キャリアあるいはドナーとして機能し得、炭素材料130の導電性を向上させることができる。炭素材料130は、酸素をさらに含有してもよい。
本発明の複合体100中におけるシリコン(Si)と炭素(C)と窒素(N)と酸素(O)との含有量は、複合体全体を100wt%としたとき、好ましくは、それぞれ、15wt%以上20wt%以下の範囲、62wt%以上75wt%以下の範囲、1.5wt%以上5wt%以下の範囲であり、8wt%以上16wt%以下の範囲である。これにより、上述の構造を維持し、シリコンの大きな比容量が達成され得る。なお、このような含有量は、X線光電子分光法(XPS)によって測定できる。
本発明の複合体100は、1.5m/g以上10m/g以下の範囲のBET比表面積を有し、これにより、凝集しつつも、Liイオンの吸蔵・放出を可能にする。本発明の複合体100は、好ましくは、1.5m/g以上3m/g以下の範囲のBET比表面積を有し、これにより、高密度に凝集し、シリコンの大きな比容量を達成できる。なお、BET比表面積は、BET多点法により測定される比表面積を示す。BET比表面積は「JIS6217-7:2013」に準拠した方法により測定される。
本発明の複合体100において、吸着等温線の相対圧力(p/p)が0.99のときの窒素吸着量から求められる全細孔容積は、好ましくは、0.45m/kg以上1.5m/kg以下の範囲である。この範囲であれば、Liイオンの吸蔵・放出を可能にする。
本発明の複合体100は、シリコンシート110とグラフェンシート120とが密に凝集しているが、好ましくは、0.5g/cm以上1.5g/cm以下の範囲の密度を有する。これにより、シリコンの大きな比容量が達成される。本発明の複合体100は、さらに好ましくは、0.7g/cm以上1.0g/cm以下の範囲の密度を有する。
次に、本発明のアノード電極材料の製造方法について説明する。
図2は、本発明の電極の製造工程を示すフローチャートである。
各工程について詳述する。
ステップS210:SiO(xは0≦x≦1)シートと、酸化グラフェンシートとを溶媒中で混合し、混合物を得る。これにより、凝集・積層したSiOシートを凝集・積層した酸化グラフェンシートで挟持し得る(SiOシート/酸化グラフェンシート挟持体とも呼ぶ)。
SiOシートは、二次元方向にシリコン(Si)原子が周期的に配列しており、Si-Si結合を有し、SiOで表されるナノシートである。このようなナノシートは、Si原子をグラファイトのc面構造またはこれに類似の構造となるように規則配列させているため、グラファイトタイプとも呼ばれ、CaSiを塩酸水溶液中で冷却することによって得られる。このようにして得られたSiOシートが、その表面にヒドロキシル基、カルボキシ基、カルボニル基等の官能基を有していたり、一部が水素原子で置換されていたりしてもよい。
SiOシートは、好ましくは、Si(OH)で表されてもよい。このようなSiOシートを用いれば、反応が促進し、上述のシリコンナノシートが得られやすい。
SiOシートは、好ましくは、4nm以上50nm以下の範囲の厚さを有する。この範囲であれば、積層、凝集、さらには反応することによって、100nm以上300nm以下の範囲の厚さを有するシリコンシートが得られる。
酸化グラフェンシートは、還元によってグラフェンシートとなるものであれば、任意の酸化グラフェンシートを採用できる。酸化グラフェンシートは、市販のグラファイト粉末からBrodie法、Staudenmaier法、Hummer法、改良Hummers法等により酸化グラファイトを製造し、剥離して得てもよい。なお、剥離には遠心分離あるいは超音波処理を用いればよい。遠心分離の例示的な条件は、10000rmp~35000rmpの回転速度で10分~60分間であり、pHが7となるまで繰り返せばよい。これにより、0.7nm以上10nm以下の範囲の厚さを有する酸化グラフェンシートが得られる。このような厚さの酸化グラフェンシートを用いれば、還元後に0.3nm以上10nm以下の範囲の厚さを有するグラフェンナノシートになる。
ステップS210において、SiOシートと酸化グラフェンシートとは、好ましくは、質量比で、SiOシート:酸化グラフェンシート=65:35~75:25の範囲となるように混合される。この範囲内であれば、SiOシート/酸化グラフェンシート挟持体の生成が促進する。SiOシートと酸化グラフェンシートとは、より好ましくは、質量比で、SiOシート:酸化グラフェンシート=68:32~73:27の範囲となるよう混合される。
ステップS210において、分散媒は、硫酸、塩酸および硝酸からなる群から選択される酸の水溶液である。これにより、SiOシートと酸化グラフェンシートとが良好に分散し、SiOシート/酸化グラフェンシート挟持体が得られる。
ステップS210において、混合液中の混合物の重量濃度は、好ましくは、15g/L以上20g/L以下の範囲である。この範囲であれば、SiOシートと酸化グラフェンシートとが良好に分散し、SiOシート/酸化グラフェンシート挟持体が得られる。
ステップS210において、圧力下で分散してもよい。これにより、SiOシート/酸化グラフェンシート挟持体の生成を促進できる。
ステップS220:ステップS210で得られた混合物(すなわち、SiOシート/酸化グラフェンシート挟持体)と、カチオン性ポリマーの水溶液とを混合し、前駆物質を得る。カチオン性ポリマーの添加による静電相互作用により、混合液中でSiOシート/酸化グラフェンシート挟持体がさらに凝集し、凝集・積層したSiOシートと凝集・積層した酸化グラフェンシートとの間にカチオン性ポリマーが位置し得る。このような凝集体が、前駆物質であり、SiOシート/酸化グラフェンシート/カチオン性ポリマーと称する。
ステップS220における混合は、好ましくは、混合物をカチオン性ポリマーの水溶液に添加して行われる。これにより、凝集・積層が促進する。
カチオン性ポリマーは、水溶性でありカチオン性である限り特に制限はないが、例示的には、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、プロタミン、ポリリジン、ポリオルニチン、ポリアルギニン、キトサン、および、ポリビニルアルコールからなる群から少なくとも1つ選択される。これらは入手が容易であり、水溶性であり、カチオン性である。この中でも、ポリエチレンイミン(PEI)、(アミノアセタール化)ポリビニルアルコール、キトサンは、SiOシート/酸化グラフェンシート挟持体の凝集を促進するため好ましい。
カチオン性ポリマーの水溶液におけるカチオン性ポリマーの濃度(wt%)は、好ましくは、30wt%以上70wt%以下の範囲である。この範囲であれば、SiOシート/酸化グラフェンシート挟持体の凝集が促進する。カチオン性ポリマーの濃度(wt%)は、好ましくは、40wt%以上60wt%以下の範囲である。これにより、SiOシート/酸化グラフェンシート/カチオン性ポリマーが得られる。
ステップS220における混合物は、ステップS210において混合液から濾別した混合物であってもよいが、濾別していない混合液のままであってもよい。この場合、カチオン性ポリマーの水溶液と混合する混合液の量は、好ましくは、水溶液の容量に対して、1倍以上3倍以下の範囲である。この範囲であれば、SiOシート/酸化グラフェンシート挟持体が凝集し、SiOシート/酸化グラフェンシート/カチオン性ポリマーが得られる。
ステップS230:ステップS220で得られた前駆物質(SiOシート/酸化グラフェンシート/カチオン性ポリマー)を焼成する。これにより、凝集・積層したSiOシートのそれぞれはシリコンナノシートに、凝集・積層した酸化グラフェンシートの酸化グラフェンは還元されて、それぞれグラフェンナノシートに、カチオン性ポリマーは炭素材料になる。このようにして、上述した本発明のアノード電極材料が得られる。
焼成は、好ましくは、600℃以上1000℃以下の温度範囲で行われる。この範囲であれば、酸化グラフェンを還元するとともに、カチオン性ポリマーの焼成が可能となる。焼成は、より好ましくは、700℃以上900℃以下の温度範囲で行われる。この範囲であれば、酸化グラフェンの還元を促進し、カチオン性ポリマーは炭素材料となる。
焼成は、好ましくは、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン等の不活性ガス雰囲気中で行われる。これにより、前駆物質の焼成を促進する。
焼成時間は特に制限はないが、例示的には、30分以上12時間以下の時間行われる。30分より短いと焼成が十分でない場合がある。12時間を超えてもそれ以上焼成が進まず、非効率であり得る。好ましくは、1時間以上5時間以下の時間である。
ステップS230に先立って、ステップS220で得られた混合物を30℃以上60℃以下の温度範囲で真空中、乾燥させてもよい。これにより、ステップS230における焼成が促進する。
(実施の形態2)
実施の形態2では、本発明のアノード電極材料を用いたリチウムイオン二次電池について説明する。
図3は、本発明のリチウムイオン二次電池を模式的に示す図である。
本発明のリチウムイオン二次電池300は、少なくとも、カソード電極310とアノード電極320と電解質330とを備えるが、図3では、カソード電極310およびアノード電極320が電解質330に浸漬している様子を示す。
カソード電極310は、代表的にはLiMO(Mは、Ni、Co、Mn、Fe、Ti、Zr、Al、Mg、CrおよびVからなる群から少なくとも1つ選択される元素である)で表されるLi金属酸化物が知られているが、既存のリチウムイオン二次電池に適用されるカソード電極用の材料が適用される。アノード電極320は、実施の形態1で説明した本発明のアノード電極材料(図1)からなる。
電解質330は、リチウムイオン二次電池に使用される既存の電解質であれば特に制限はないが、例示的には、LiClO、LiPF、LiBF、LiPOF、LiAsF、LiCFSO、LiCFCFSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)およびLiN(CFCFCO)からなる群から少なくとも1つ選択される物質を含有する。中でも、LiPFは、導電性が高いため、好ましい。
リチウムイオン二次電池300は、さらに、カソード電極310とアノード電極320との間にセパレータ340を有し、これらカソード電極310およびアノード電極320を隔離している。
セパレータ340の材料は、例えば、フッ素系ポリマー、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリメタクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリウレタン系高分子およびこれらの誘導体、セルロース、紙、および、不織布から選ばれる材料である。
リチウムイオン二次電池300では、上述のカソード電極310、アノード電極320、電解質330およびセパレータ340がセル350に収容されている。また、カソード電極310およびアノード電極320は、それぞれ、既存の集電体を有していてもよい。
このようなリチウムイオン二次電池300は、チップ型、コイン型、ボタン型、モールド型、パウチ型、ラミネート型、円筒型、角型等のキャパシタであってもよく、さらに、これらを複数接続したモジュールで使用されてもよい。
このように本発明のリチウムイオン二次電池は、本発明のアノード電極材料を用いるので、リチウムイオンの挿入・脱離による体積膨張が抑制され、高いサイクル特性を達成できる。柔軟性に優れ、Liイオンの吸蔵・放出に伴う体積変化に追従できる。その結果、リチウムイオン二次電池の長寿命を可能にする。
また、アノード電極材料はシリコンシートが高密度に凝集されているので、大きな容量のリチウム二次イオン電池を提供できる。このような本発明のリチウムイオン二次電池は、ノートパソコン、携帯電話等のポータブル電子機器等に利用され得る。
次に具体的な実施例を用いて本発明を詳述するが、本発明がこれら実施例に限定されないことに留意されたい。
[SiOシート:LSN]
SiOシートを次のように調製した。1.0gのケイ化カルシウム(CaSi、富士フイルム株式会社製)を100mLの塩酸水溶液(富士フイルム株式会社製、濃度37%)に添加し、-20℃まで冷却し、7日間攪拌させた。得られた黄色の生成物を洗浄し、24時間真空中で乾燥させた。
得られた生成物について、透過型電子顕微鏡(TEM、日本電子株式会社製、JEM-2100F)、原子間力顕微鏡(AFM、日本電子株式会社製、型番JSPM-5200)、走査型電子顕微鏡(SEM、日本電子株式会社社製、JSM-6500)、X線回折(XRD、株式会社リガク製、SmartLab、λ=1.5418ÅのCu-Kα線)、X線光電子分光法(XPS、アルバック・ファイ社製、PHI Quantera SXM)を用いて、ヒドロキシ基、水素原子を有するSiOシートとしてSi(OH)で表されるシート(以降では簡単のためLSNと称する)が得られたことを確認した。
図4は、LSNのSEM像を示す図である。
図5は、LSNのTEM像(A)、AFM像(B)および膜厚プロファイル(C)を示す図である。
図4(a)および図4(b)は、それぞれ、低倍率および高倍率のSEM像である。図4によれば、メラレウカ様の二次元構造が見られ、Ca2+のデインタカレーションによる剥離・酸化が生じたことが示唆される。
図5(A)によれば、平坦かつ滑らかな表面を有するLSNが得られており、図5(B)および(C)によれば、その厚さは、約20nmであった。
[GOシート:GO]
グラファイトから酸化グラファイトを改良Hummers法により合成した。詳細は次のとおりである。グラファイト(Alfa Aesar製、メディアン径:7~10μm、純度99%、5g)と、NaNO(ナカライテスク株式会社製、5g)とをビーカー中で撹拌しながら混合した。この混合物にHSO(ナカライテスク株式会社製、濃度97%、20mL)を氷浴中で添加し、15分間撹拌した。次いで、KMnO(Chameleon Reagent製、3g)を添加し、さらに5分間撹拌した。この混合物を室温で15時間撹拌した。その後、脱イオン水(46mL)を添加し、30分間撹拌し、温度を90℃まで上昇させた。続いて、60℃に保持し、脱イオン水(100mL)を添加し、2時間撹拌したところ茶色の懸濁液が得られた。
(三徳化学工業株式会社製、濃度30%、3mL)を茶色の懸濁液に添加したところ、反応が開始し、泡の発生とともに明るい黄色の懸濁液となった。この懸濁液を2日間保持すると、pHが低下し、析出物を得た。上澄み液(100mL)を除去し、脱イオン水(100mL)を添加し、ビーカー内で15分間撹拌した。上記の保持、上澄み液の除去、脱イオン水の添加および撹拌をpHが7になるまで繰り返し、酸化グラファイトシートを得た。酸化グラファイトが得られたことを、X線粉末回折(XRD)およびX線光電子分光法(XPS)により確認した。なお、酸化グラファイトシート(以降では簡単のためGOと称する)の層間距離は、0.85nm以上10nm以下であることを確認した。
[例1~例2:複合体]
例1では、LSN、GOおよびカチオン性ポリマーとしてポリエチレンイミン(PEI)を用いて、図2に示す製造方法を実施した。例2では、PEIを用いない以外は例1と同様の手順であった。
表1に示すように、10mLのGOの塩酸水溶液(濃度5mg/mL)にLSN(125mg)を添加した(図2のステップS210)。この混合物(混合液)を、高圧分散機を用いてよく分散させた。これにより、LSNをGOが挟持したLSN/GOを得た。得られたLSN/GOをSEM観察した。結果を図6に示す。
図6は、LSN/GOのSEM像を示す図である。
図6(a)および図6(b)は、それぞれ、低倍率および高倍率のSEM像である。図6によれば、凝集・積層したLSNが、凝集・積層したGOによって覆われており、凝集したLSNとGOとの間には比較的弱い化学的相互作用が生じていることが示唆される。
次いで、表1に示すように、LSN/GOをPEI(富士フイルム株式会社製、MW≒750000、50wt%HO、20mL)水溶液に攪拌しながらゆっくりと添加した(図2のステップS220)。添加したLSN/GOの混合液の量は10mLであった。LSN/GOを添加すると、ただちにゲル状の生成物の形成が目視にて観察された。このことは、静電相互作用により、LSN/GOの層間にPEIが位置したLSN/GO/PEI(前駆物質)が生成したことを示唆する。得られたLSN/GO/PEIを濾別し、50℃、真空中で、10時間乾燥させた。得られたLSN/GO/PEIをSEM観察した。結果を図7に示す。例2の試料についてはステップS220を行わなかった。
図7は、LSN/GO/PEIのSEM像を示す図である。
図7(A)および図7(B)は、それぞれ、低倍率および高倍率のSEM像である。図7と、図4および図6とを比較すると、生成物は密に凝集していた。図中矢印で示す極めて薄いシートが凝集したGOナノシートである。
次いで、乾燥させたLSN/GO/PEIを焼成した(図2のステップS230)。詳細には、表1に示すように、アルゴン雰囲気中、昇温速度5℃/分で800℃まで昇温し、3時間、LSN/GO/PEIを焼成した。PEIを添加した例1も、PEIを添加しなかった例2についても、黒色の粉末状の生成物が得られた。例1で得られた生成物をLSGCと、例2で得られた生成物をLSGと称する。
このようにして得られたLSGCおよびLSGの外観を観察し、細部をSEM観察およびTEM観察した。結果を図8~図10に示す。LSGCおよびLSGについてXRD回折、窒素吸着脱着法(Quantachrome autosorb iQ)による比表面積および細孔径分布、ラマン分光装置(Nanophoton Raman Plus system(λ=532nm))によるラマンスペクトル、XPSスペクトルを測定した。これらの結果を図11~図14に示す。
以上の結果をまとめて説明する。
図8は、例1のLSGCの外観を示す図である。
図8には、参考のため、原料に用いたLSNの外観も併せて示す。図8ではグレースケールで示すが、LSNは、淡緑色を有しており、LSGCは、黒色を有した。注目すべきは、LSGCは、原料のLSNに比べて、顕著に凝集し、高密度であることが分かる。LSNの密度は、0.2g/cmであるが、例1のLSGCのそれは、0.87g/cmであり、約4倍の高密度を有した。図示しないが、例2のLSGは、LSGCよりも嵩張っていた。
図9は、例1のLSGCおよび例2のLSGのXRDパターンを示す図である。
図9には原料に用いたLSNのXRDパターンも併せて示す。LSNのいくつかの回折ピークは(001)、(100)に指数付けされ、a=3.83Å、c=6.3Åを有する六方晶であることが分かった。また、LSNは、層状Si結晶の生成を示すSi(111)の回折ピークを示した。原料不純物であるFeSiの回折ピークもわずかに見られた。
例1のLSGCおよび例2のLSGの回折パターンは、LSNの(001)および(100)回折ピークを示さなかった。これは、焼成によりLSNが、層状のSi6員環が二次元方向に周期的に配列したシリコンナノシートになったことを示唆する。
さらに、例1のLSGCの回折パターンによれば、PEIに基づくアモルファス炭素のブロード回折ピーク(図中の★印で示す)を示した。一方、例2のLSGの回折パターンは、アモルファス炭素のブロード回折ピークを示さなかった。なお、Si(111)により、例1のLSGCのシリコンナノシートがsp結合およびsp結合を有するSi原子を有することを確認した。このことからも、例1のLSGCは、焼成によって、LSNがシリコンナノシートになったことが示唆される。
図10は、例1のLSGCのSEM像を示す図である。
図11は、例1のLSGCのTEM像を示す図である。
図10(A)および図10(B)は、それぞれ、低倍率および高倍率のSEM像である。図10と図7とを比較すると、焼成後も、ナノシートが凝集した様態を維持していることを確認した。図中矢印で示す極めて薄いシートがグラフェンシートである。
図11において濃く示される領域がLSNに基づくシリコンナノシートが凝集・積層したシリコンシートであり、その周りに薄く示される領域がGOに基づくグラフェンナノシートが凝集・積層したグラフェンシートである。図11によれば、シリコンシートがグラフェンシートによって挟持されており、カプセル化されていることが分かる。図11によれば、シリコンシートの厚さは、平均200nmであり、グラフェンシートの厚さは、平均80nmであった。図示しないが、例2のLSGは、シリコンシート同士が凝集していたり、シリコンシートがグラフェンシートにカプセル化されていなかったりした。
このことから、カチオン性ポリマーを用いることにより、シリコンシートはグラフェンシートによって挟持されたまま高密度に凝集させることができることが分かった。すなわち、カチオン性ポリマーの添加による静電相互作用が、複合体の構造維持に有効であることが示された。
図12は、例1のLSGCの窒素吸脱着等温線を示す図である。
図12中には細孔径分布も併せて示す。表2は、図12から求めた比表面積、および、吸着等温線の相対圧力(p/p)が0.99のときの窒素吸着量から求めた全細孔容積の一覧を示す。
表2によれば、例1のLSGCがもっとも小さな比表面積を有することが分かる。このことからも、カチオン性ポリマーの添加により静電相互作用が生じ、凝集した複合体が得られることが示唆される。
図12中の細孔径分布によれば、例1のLSGCは、比表面積が小さな凝集体であっても、1nm~35nmの広い範囲の細孔径分布を有した多孔体であることが分かる。このような細孔は、シリコンシートとグラフェンシートとの間の間隙に相当し得る。このような細孔を介してリチウムイオンが挿入・脱離され得るので、素早い充放電を可能にする。
図13は、例1のLSGCおよび例2のLSGのXPSスペクトルを示す図である。
図14は、例1のLSGCのN1sのXPSスペクトルを示す図である。
図13には、焼成(800℃、3時間、アルゴン雰囲気)後の原料LSNのXPSスペクトルも併せて示す。いずれの試料も、シリコン(Si)、炭素(C)および酸素(O)を含有していることが分かった。一方、例1のLSGCのみがN1sのピークを有し、窒素(N)を含有することが分かった。このことからも、酸素はシリコンシート、さらにはアモルファス炭素中に含有されていることが示唆される。
図14によれば、例1のLSGCのXPSスペクトルは、N1sの2つのピーク(398.4eVおよび400.3eV)を示した。400.3eVのピークは、PEIからの正に帯電した窒素であり、398.4eVのピークは、アモルファス炭素にドープされた窒素であり、ピリジン型窒素を形成していることを示す。
表3は、例1のLSGCおよび例2のLSGの組成分析の結果を示す。組成分析は、XPSにより行った。XPSの測定条件は次のとおりであった。
X線(Al Kα線):1.4×0.1mm 100W(20KV、5mA)
試料表面からの角度(take off角):45°
サーベイスキャンスペクトル:パスエネルギー280eV、エネルギーステップ0.5eV
ナロースキャン(multiplex)スペクトル:パスエネルギー55eV、エネルギーステップ0.1eV、パスエネルギー112eV、エネルギーステップ0.1eV
エネルギー較正:284.8eVをC1sピークとする。
原子濃度は、サーベイスペクトルを用いて算出された。
例1のLSGCは、シリコン(Si)、炭素(C)、窒素(N)および酸素(O)を含有しており、それぞれの含有量は、15wt%以上20wt%以下の範囲、62wt%以上75wt%以下の範囲、1.5wt%以上5wt%以下の範囲、および、8wt%以上16wt%以下の範囲を満たした。例2のLSGは、窒素を含有しなかった。
なお、表3の組成分析および熱重量分析(図示せず)により、例1のLSGC中のシリコンシートおよびグラフェンシートの含有量は、それぞれ、約15wt%および約60wt%と算出された。
以上の結果から例1のLSGCは、図2の方法を実施することによって、シリコンシートと、シリコンシートを挟持したグラフェンシートと、シリコンシートとグラフェンシートとの間に位置する炭素材料とを含有する複合体であることが分かった。さらに、炭素材料には、窒素が含有されており、窒素はピリジン型窒素を構成していることが示された。
[例3~例5]
例3~例5では、例1のLSGC、例2のLSGおよび原料のLSNをそれぞれアノード電極材料に用い、CR2032コイン型電池セルを製造し、電気化学特性を評価した。
具体的には、各アノード電極材料と、カーボンブラックと、バインダとしてポリビニリデンジフロライドとを、N-メチルピロリドン(NMP)中で、質量比7:2:1で混合し、電極スラリとした。電極スラリを直径15mmの円形の銅箔に塗布し、真空雰囲気中、60℃で10時間乾燥させた。これにより、銅箔が集電体として機能するアノード電極を構成した。アノード電極内に含有される生成物の質量は1~2mgであった。カソード電極(カウンタ電極)としてLi箔を用いた。
ステンレス製のセル内に多孔性のセパレータとしてポリプロピレン(PP)メンブレン(Celgard2400)をこれら電極間に配置し、電解質としてエチレンと炭酸ジエチルとの混合物(1:1、v/v)中に1MLiPFを充填し、コイン型電池セルを製造した。なお、電池セルの組み立ては、Arガスで充填されたグローブボックス内で行った。例1のLSGC、例2のLSG、原料LSNをそれぞれ用いて得られた電池を、例3の電池(LSGC)、例4の電池(LSG)および例5の電池(LSN)と呼ぶ。
電池セルの電気化学測定を、VMP3電気化学ステーション(Biologic)を用いて行った。室温において、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定、サイクル特性、レート特性、電気化学インピーダンス(EIS)測定を行った。CV測定は、0.1mV/sの掃引速度で行った。サイクル特性およびレート特性は、種々の電流密度(ただし、1C=500mA/g)で電圧幅0.005V~2.0VvsLi/Liで行った。EIS測定は、AC振幅10mV、周波数幅100mHz~200kHzで行った。測定後の電極の断面の様子をSEM観察した。結果を図15~図21、表4および表5に示す。
図15は、例3の電池(LSGC)の充放電プロファイルを示す図である。
例3の電池(LSGC)は、0.2Cの電流密度において、871mAh/gの比容量を示した。例3の電池(LSGC)の比容量は、電流密度を4Cまで増大すると、低下する傾向を示したが、例4の電池(LSG)および例5の電池(LSN)の比容量の低下の割合に比べて十分小さかった。
例3の電池(LSGC)の充電容量は、高い電流密度4Cにおいても435mAh/gであった。この値は、人工グラファイトのそれ(372mAh/g)よりはるかに大きかった。例4の電池(LSG)および例5の電池(LSN)の充電容量(@4C)は、それぞれ、151mAh/gおよび37mAh/gであった。このことから、例1のLSGCは、リチウムイオン二次電池用のアノード電極材料として機能し、高い比容量を有することが確認された。
初期クーロン効率(IEC)をガルバノ充放電曲線から求めた。例3の電池(LSGC)、例4の電池(LSG)および例5の電池(LSN)のIECは、それぞれ、62.1%、58.2%および29%であり、例3の電池(LSGC)は高い初期クーロン効率を有することが分かった。
図16は、例3の電池(LSGC)のサイクル特性を示す図である。
最初の5サイクルを0.2Cで評価した後、0.6Cおよび1Cで200サイクルまでサイクル特性を評価した。図16によれば、例3の電池(LSGC)は、0.6Cにおいて755mAh/gの高い充電容量を示し、200サイクル後も、750mAh/gを維持し、99.3%の高い容量保持率を有した。例3の電池(LSGC)は、1Cにおいても、200サイクル後に610mAh/gの充電容量を示し、容量保持率(96.2%)も低下した。
図17は、例3の電池(LSGC)、例4の電池(LSG)および例5の電池(LSN)のナイキストプロットを示す図である。
例3の電池(LSGC)のナイキストプロットは、高周波数領域で小さな半円を示し、高周波数領域でy軸に近接する傾きの大きなスロープを示した。一方、例4の電池(LSG)および例5の電池(LSN)のナイキストプロットは、より大きな半円を示し、スロープの傾きも小さかった。この半円の大きさは、リチウムイオン電池における電解質と活性材料との間の界面接触における電荷移動抵抗に起因し、スロープの傾きは、電気化学反応活性に起因する。このことから、例3の電池(LSGC)は、電解質とシリコンシートとの間の電荷移動抵抗が極めて小さく、静電相互作用によって、シリコンシートとグラフェンシートとの間にアモルファス炭素を介した有効な界面接触が生じ、高い電気化学反応活性を有することが分かった。
図18は、例3の電池(LSGC)、例4の電池(LSG)および例5の電池(LSN)のレート特性を示す図である。
例5の電池(LSN)の比容量は、電流密度の増加に伴い、597mAh/gから37mAh/gまで大きく減衰し、レート特性は悪かった。例4の電池(LSG)のレート特性は、例5の電池(LSN)のそれより改善したものの、比容量は、電流密度の増加に伴い、942mAh/g(@0.2C)から151mAh/g(@4C)まで減少した。この改善は、グラフェンシートを含有する点にあると考える。
一方、例3の電池(LSGC)のレート特性は、例4の電池(LSG)および例5の電池(LSN)のそれより大きく改善した。詳細には、例3の電池(LSGC)の比容量は、電流密度を増加させても、873mAh/g(@0.2C)から435mAh/g(@4C)までの減少にとどまった。さらに、電流密度を0.2Cまで減少させると、比容量は867mAh/gとなり、最初の873mAh/gに実質一致した。
例3の電池(LSGC)が優れたレート特性を有することから、LSGCの優れた電気伝導度によって高い電流密度下において早い応答を可能にし、LSGCはサイクルプロセス中も機械的破壊しないことが示された。このことからも、LSGCではシリコンシートがグラフェンシートによって挟持されることにより、高いロバスト性を有することが示された。
図19は、例3の電池(LSGC)、例4の電池(LSG)および例5の電池(LSN)のさらなるレート特性を示す図である。
図20は、例3の電池(LSGC)および例4の電池(LSG)の71サイクルおよび600サイクルにおける充放電プロファイルを示す図である。
図18のレート特性に続いて、電流密度2Cにて最大600サイクルまで充放電プロファイルを測定した。図19には600サイクルまでのレート特性を示す。図20(A)および図20(B)は、それぞれ、例3の電池(LSGC)および例4の電池(LSG)の71サイクルおよび600サイクルの充放電プロファイルである。
例3の電池(LSGC)の比容量は、71サイクルで549.1mAh/gを有し、500サイクルでも454.3mAh/gを有した。例3の電池(LSGC)は、電流密度2Cの長期サイクルにおいても、極めて安定であり、良好な可逆性を有した。例3の電池(LSGC)の平均クーロン効率(CE)および保持率は、それぞれ、99.8%および82.7%であった。なお、例5の電池(LSN)の容量は、200サイクル後に機械的破壊し、機械的破壊までの保持率は10%程度であった。
一方、例4の電池(LSG)の比容量は、サイクル回数の増加に伴い大きく減少した。例4の電池(LSG)の容量は、500サイクル後には101.7mAh/gまで減少し、その保持率は37.7%であった。図20(A)と図20(B)との比較からも、例3の電池(LSGC)は、例4の電池(LSG)に比べて、顕著に優れていること分かる。このことから、カチオン性ポリマーを添加し、焼成することが有効であり、それによって得られる複合体は、アノード電極材料として優れていることが示された。
これらの結果を簡単のため表4にまとめて示す。
図21は、例3の電池(LSGC)、例4の電池(LSG)および例5の電池(LSN)におけるアノード電極の断面のSEM像を示す図である。
図21(a)、(c)、(e)は、それぞれ、充放電サイクル前の例3の電池(LSGC)、例4の電池(LSG)および例5の電池(LSN)におけるアノード電極の断面のSEM像を示し、図21(b)、(d)、(f)は、それぞれ、電流密度1Cで200サイクル後の例3の電池(LSGC)、例4の電池(LSG)および例5の電池(LSN)におけるアノード電極の断面のSEM像を示す。
充放電サイクル前の例3の電池(LSGC)、例4の電池(LSG)および例5の電池(LSN)におけるアノード電極の厚さは、それぞれ、16.4μm、15.4μmおよび18.3μmであった。200サイクル後の例3の電池(LSGC)、例4の電池(LSG)および例5の電池(LSN)におけるアノード電極の厚さは、それぞれ、20.7μm、24.1μmおよび45.0μmであった。例3の電池(LSGC)、例4の電池(LSG)および例5の電池(LSN)におけるアノード電極の体積膨張率は、それぞれ、26%、57%および146%であった。これらの結果を表5に示す。
このことから、本発明の複合体をアノード電極材料に用いることによりLiイオンの挿入・脱離による体積膨張が抑制され、高いサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池が提供されることが示された。
本発明のアノード電極材料をリチウムイオン二次電池のアノード電極に用いれば、Liイオンの挿入・脱離による体積膨張が抑制され、高いサイクル特性を有する長寿命のリチウムイオン二次電池を提供できる。また、シリコンによる高容量のリチウムイオン二次電池を提供でき、ノートパソコン、携帯電話等のポータブル電子機器等に有利である。
100 複合体
110 シリコンシート
120 グラフェンシート
130 炭素材料
300 リチウムイオン二次電池
310 カソード電極
320 アノード電極
330 電解質
340 セパレータ
350 セル

Claims (20)

  1. シリコンシートと、
    前記シリコンシートを挟持したグラフェンシートと、
    前記シリコンシートと前記グラフェンシートとの間に位置する炭素材料と
    を有する複合体を含有する、アノード電極材料。
  2. 前記炭素材料は、アモルファス炭素である、請求項1に記載のアノード電極材料。
  3. 前記シリコンシートは、単層シリセンまたは多重シリセンを含有する、請求項1または2に記載のアノード電極材料。
  4. 前記炭素材料は、さらに窒素を含有する、請求項1~3のいずれかに記載のアノード電極材料。
  5. 前記シリコンシートは、酸素(O)をさらに含有する、請求項1~4のいずれかに記載のアノード電極材料。
  6. 前記シリコンシートの含有量は、15wt%以上20wt%以下の範囲である、請求項1~5のいずれかに記載のアノード電極材料。
  7. 前記グラフェンシートの含有量は、40wt%以上70wt%以下の範囲である、請求項1~6のいずれかに記載のアノード電極材料。
  8. シリコン(Si)の含有量は、15wt%以上20wt%以下の範囲であり、
    炭素(C)の含有量は、62wt%以上75wt%以下の範囲であり、
    窒素(N)の含有量は、1.5wt%以上5wt%以下の範囲であり、
    酸素(O)の含有量は、8wt%以上16wt%以下の範囲である、請求項1~7のいずれかに記載のアノード電極材料。
  9. 前記シリコンシートの厚さは、100nm以上300nm以下の範囲である、請求項1~8のいずれかに記載のアノード電極材料。
  10. 前記グラフェンシートの厚さは、30nm以上150nm以下の範囲である、請求項1~9のいずれかに記載のアノード電極材料。
  11. 1.5m/g以上10m/g以下の範囲のBET比表面積を有する、請求項1~10のいずれかに記載のアノード電極材料。
  12. 吸着等温線の相対圧力(p/p)が0.99のときの窒素吸着量から求められる全細孔容積は、0.45m/kg以上1.5m/kg以下の範囲である、請求項1~11のいずれかに記載のアノード電極材料。
  13. SiOシート(xは0≦x≦1を満たす)と、酸化グラフェンシートとを分散媒中で混合して混合物を得ることと、
    前記混合物と、カチオン性ポリマーの水溶液とを混合し、前駆物質を得ることと、
    前記前駆物質を焼成することと
    を包含する、請求項1~12のいずれかに記載のアノード電極材料の製造方法。
  14. 前記混合物を得ることは、前記SiOシートと前記酸化グラフェンシートとを、質量比で、65:35~75:25の範囲を満たすよう混合する、請求項13に記載の方法。
  15. 前記分散媒は、硫酸、塩酸および硝酸からなる群から選択される酸水溶液である、請求項13または14に記載の方法。
  16. 前記カチオン性ポリマーは、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、プロタミン、ポリリジン、ポリオルニチン、ポリアルギニン、キトサン、および、ポリビニルアルコールからなる群から少なくとも1つ選択される、請求項13~15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記焼成することは、前記前駆物質を600℃以上1000℃以下の温度範囲で行う、請求項13~16のいずれかに記載の方法。
  18. 前記SiOシートは、Si(OH)で表されるナノシートである、請求項13~17のいずれかに記載の方法。
  19. 前記混合物を得ることは、圧力下で行う、請求項13~18のいずれかに記載の方法。
  20. アノード電極と、カソード電極と、前記アノード電極および前記カソード電極の間に位置する電解質とを備えたリチウムイオン二次電池であって、
    前記アノード電極は、請求項1~12のいずれかに記載のアノード電極材料からなる、リチウムイオン二次電池。
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