JP7465440B2 - マスク群、有機デバイスの製造方法及び有機デバイス - Google Patents

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Description

本開示の実施形態は、マスク群、有機デバイスの製造方法及び有機デバイスに関する。
近年、スマートフォンやタブレットPC等の電子デバイスにおいて、高精細な表示装置が、市場から求められている。表示装置は、例えば、400ppi以上または800ppi以上等の素子密度を有する。
応答性の良さと、または/およびコントラストの高さと、を有するため、有機EL表示装置が注目されている。有機EL表示装置の素子を形成する方法として、素子を構成する材料を蒸着により基板に付着させる方法が知られている。例えば、まず、素子に対応するパターンで陽極が形成されている基板を準備する。続いて、マスクの貫通孔を介して有機材料を陽極の上に付着させ、陽極の上に有機層を形成する。続いて、マスクの貫通孔を介して導電性材料を有機層の上に付着させ、有機層の上に陰極を形成する。
特許第3539597号公報
有機EL表示装置などの有機デバイスの陰極は、基板の法線方向に沿って見た場合に陽極及び有機層と重なる部分だけでなく、陽極及び有機層と重ならない部分にも形成されることがある。陰極の面積が大きいほど、陰極の電気抵抗が低くなる。一方、陰極の面積が大きいほど、基板、陽極、有機層及び陰極を含む有機デバイスにおける光の透過率が低下する。
本開示の実施形態は、このような課題を効果的に解決し得るマスク群を提供することを目的とする。
本開示の一実施形態による、マスク第1方向と、マスク第1方向に直交するマスク第2方向とを有するマスク群は、マスク第1方向に並ぶ第1貫通孔と、第1遮蔽領域とを含む第1マスクと、前記マスク第1方向に並ぶ第2貫通孔と、第2遮蔽領域とを含む第2マスクと、を備える。前記第1マスクと前記第2マスクとを重ね合わせた場合、前記第2貫通孔は、前記第1貫通孔に部分的に重なり、且つ、前記第2遮蔽領域は、前記マスク第1方向に並ぶ2以上の前記第1貫通孔に重なるように前記マスク第1方向に広がる拡張遮蔽領域を含む。
本開示の一実施形態によれば、有機デバイスの第2電極の電気抵抗及び面積を調整することができる。
本開示の一実施形態による有機デバイスの一例を示す平面図である。 図1の有機デバイスにおいて符号A1が付された二点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す平面図である。 図2の有機デバイスにおいて符号B1が付された二点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す平面図である。 図3の有機デバイスから第2電極を取り除いた状態を示す平面図である。 図3の有機デバイスのC-C線に沿った断面図である。 図3の有機デバイスのD-D線に沿った断面図である。 マスク装置を備えた蒸着装置の一例を示す図である。 マスク装置の一例を示す平面図である。 第1マスクを備えたマスク装置を拡大して示す平面図である。 第2マスクを備えたマスク装置を拡大して示す平面図である。 マスクの断面構造の一例を示す図である。 図9の第1マスクにおいて符号A2が付された二点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す平面図である。 図12の第1マスクにおいて符号B2が付された二点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す平面図である。 図10の第2マスクにおいて符号A2が付された二点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す平面図である。 図14の第2マスクにおいて符号B2が付された二点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す平面図である。 第1マスクと第2マスクとを重ねた場合を示す図である。 図16において符号B2が付された二点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す平面図である。 第1電極が形成されている基板を準備する工程を説明するための図である。 第1マスクを用いる第1蒸着工程を説明するための図である。 有機デバイスの一例を示す平面図である。 図20の有機デバイスから第2電極を取り除いた状態を示す平面図である。 図20の有機デバイスの第2電極の第1層を形成するために用いられる第1マスクを示す平面図である。 図20の有機デバイスの第2電極の第2層を形成するために用いられる第1マスクを示す平面図である。 第1マスクと第2マスクとを重ねた場合を示す図である。 有機デバイスの一例を示す平面図である。 図25の有機デバイスから第2電極を取り除いた状態を示す平面図である。 図25の有機デバイスの第2電極の第1層を形成するために用いられる第1マスクを示す平面図である。 図25の有機デバイスの第2電極の第2層を形成するために用いられる第1マスクを示す平面図である。 第1マスクと第2マスクとを重ねた場合を示す図である。 有機デバイスの一例を示す平面図である。 有機デバイスの一例を示す平面図である。 有機デバイスの一例を示す平面図である。 図32の有機デバイスにおいて符号B1が付された二点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す平面図である。 図33の有機デバイスから第2電極を取り除いた状態を示す平面図である。 図32の有機デバイスの第2電極の第1層を形成するために用いられる第1マスクを示す平面図である。 図35の第1マスクにおいて符号B2が付された二点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す平面図である。 図32の有機デバイスの第2電極の第2層を形成するために用いられる第1マスクを示す平面図である。 図37の第2マスクにおいて符号B2が付された二点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す平面図である。 第1マスクと第2マスクとを重ねた場合を示す図である。 図39において符号B2が付された二点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す平面図である。 有機デバイスの透過領域の一例を示す断面図である。 有機デバイスの透過領域の一例を示す断面図である。 有機デバイスの透過領域の一例を示す断面図である。 有機デバイスの透過領域の一例を示す断面図である。
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、「基板」や「基材」や「板」や「シート」や「フィルム」などのある構成の基礎となる物質を意味する用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」や「直交」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待してもよい程度の範囲を含めて解釈する。
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、ある部材又はある領域等のある構成が、他の部材又は他の領域等の他の構成の「上に」や「下に」、「上側に」や「下側に」、又は「上方に」や「下方に」とする場合、ある構成が他の構成に直接的に接している場合を含む。さらに、ある構成と他の構成との間に別の構成が含まれている場合、つまり間接的に接している場合も含む。また、特別な説明が無い限りは、「上」や「上側」や「上方」、又は、「下」や「下側」や「下方」という語句は、上下方向が逆転してもよい。
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、矛盾の生じない範囲で、その他の実施形態や変形例と組み合わせられてもよい。また、その他の実施形態同士や、その他の実施形態と変形例も、矛盾の生じない範囲で組み合わせられてもよい。また、変形例同士も、矛盾の生じない範囲で組み合わせられてもよい。
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、製造方法などの方法に関して複数の工程を開示する場合に、開示されている工程の間に、開示されていないその他の工程が実施されてもよい。また、開示されている工程の順序は、矛盾の生じない範囲で任意である。
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、「~」という記号によって表現される数値範囲は、「~」という符号の前後に置かれた数値を含んでいる。例えば、「34~38質量%」という表現によって画定される数値範囲は、「34質量%以上且つ38質量%以下」という表現によって画定される数値範囲と同一である。
本明細書の一実施形態においては、複数のマスクを備えるマスク群が、有機EL表示装置を製造する際に電極を基板上に形成するために用いられる例について説明する。ただし、マスク群の用途が特に限定されることはなく、種々の用途に用いられるマスク群に対し、本実施形態を適用することができる。例えば、仮想現実いわゆるVRや拡張現実いわゆるARを表現するための画像や映像を表示又は投影するための装置の電極を形成するために、本実施形態のマスク群を用いてもよい。また、液晶表示装置の電極などの、有機EL表示装置以外の表示装置の電極を形成するために、本実施形態のマスク群を用いてもよい。また、圧力センサの電極などの、表示装置以外の有機デバイスの電極を形成するために、本実施形態のマスク群を用いてもよい。
本開示の第1の態様は、マスク第1方向と、マスク第1方向に直交するマスク第2方向とを有するマスク群であって、
マスク第1方向に並ぶ第1貫通孔と、第1遮蔽領域とを含む第1マスクと、
前記マスク第1方向に並ぶ第2貫通孔と、第2遮蔽領域とを含む第2マスクと、を備え、
前記第1マスクと前記第2マスクとを重ね合わせた場合、前記第2貫通孔は、前記第1貫通孔に部分的に重なり、且つ、前記第2遮蔽領域は、前記マスク第1方向に並ぶ2以上の前記第1貫通孔に重なるように前記マスク第1方向に広がる拡張遮蔽領域を含む、マスク群である。
本開示の第2の態様は、上述した第1の態様によるマスク群において、
前記第1貫通孔は、前記マスク第1方向におけるマスク第1寸法を有し、
前記マスク第1寸法は、50μm以上であってもよい。
本開示の第3の態様は、上述した第2の態様または上述した第3の態様のいずれかによるマスク群において、
前記第1貫通孔は、前記マスク第2方向におけるマスク第2寸法を有し、
前記マスク第2寸法は、前記マスク第1寸法よりも大きくてもよい。
本開示の第4の態様は、上述した第3の態様によるマスク群において、
前記マスク第1寸法に対する前記マスク第2寸法の比は、2以上であってもよい。
本開示の第5の態様は、上述した第1の態様から上述した第4の態様のそれぞれによるマスク群において、
前記第2貫通孔は、前記マスク第1方向におけるマスク第3寸法を有し、
前記マスク第3寸法は50μm以上であってもよい。
本開示の第6の態様は、上述した第1の態様から上述した第5の態様のそれぞれによるマスク群において、
前記第2貫通孔は、前記マスク第2方向におけるマスク第4寸法を有し、
前記マスク第4寸法は、前記マスク第3寸法よりも大きくてもよい。
本開示の第7の態様は、上述した第6の態様によるマスク群において、
前記前記マスク第3寸法に対する前記マスク第4寸法の比は、2以上であってもよい。
本開示の第8の態様は、上述した第1の態様から上述した第7の態様のそれぞれによるマスク群において、
前記第1マスク及び前記第1マスクに重なる前記第2マスクを備えるマスク積層体は、前記第1遮蔽領域と前記第2遮蔽領域とが重なるマスク重なり領域を含み、
前記マスク重なり領域は、前記マスク第1方向に並び、
前記マスク重なり領域は、前記マスク第1方向における遮蔽第1寸法と、前記マスク第2方向における遮蔽第2寸法と、を有し、
前記遮蔽第2寸法は、前記遮蔽第1寸法よりも大きくてもよい。
本開示の第9の態様は、上述した第8の態様によるマスク群において、
前記マスク積層体は、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが重なる貫通孔重なり領域を含み、
前記貫通孔重なり領域は、前記マスク第1方向に並び、
前記貫通孔重なり領域は、前記マスク第1方向における貫通第1寸法と、前記マスク第2方向における貫通第2寸法と、を有し、
前記貫通第2寸法は、前記貫通第1寸法の10倍以上であってもよい。
本開示の第10の態様は、上述した第1の態様から上述した第7の態様のそれぞれによるマスク群において、
前記第1マスク及び前記第1マスクに重なる前記第2マスクを備えるマスク積層体は、前記第1遮蔽領域と前記第2遮蔽領域とが重なるマスク重なり領域を含み、
前記マスク重なり領域は、前記マスク第1方向に並び、且つ前記マスク第2方向に並んでいてもよい。
本開示の第11の態様は、上述した第10の態様によるマスク群において、
前記マスク積層体は、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが重なる貫通孔重なり領域を含み、
前記貫通孔重なり領域は、前記マスク第1方向に並び、且つ前記マスク第2方向に並んでいてもよい。
本開示の第12の態様は、有機デバイスの製造方法であって、
基板上の第1電極上の有機層上に、上述した第1の態様から上述した第11の態様のいずれかによるマスク群を用いて第2電極を形成する第2電極形成工程を備え、
前記第2電極形成工程は、
前記第1マスクを用いる蒸着法によって前記第2電極の第1層を形成する工程と、
前記第2マスクを用いる蒸着法によって前記第2電極の第2層を形成する工程と、を備える、有機デバイスの製造方法である。
本開示の第13の態様は、素子第1方向と、素子第1方向に直交する素子第2方向とを有する有機デバイスであって、
基板と、
前記基板上に位置する第1電極と、
前記第1電極上に位置し、前記素子第1方向に並ぶ有機層と、
前記有機層上に位置する第2電極と、を備え、
前記有機デバイスを前記基板の法線方向に沿って見た場合、前記有機デバイスは、第1表示領域と、前記第1表示領域よりも小さい面積を有する第2表示領域と、を含み、
前記第1表示領域において、
前記有機層は、素子第1間隔で前記素子第1方向に並び、
前記第2電極は、前記素子第1方向に並ぶ第1層及び第2層と、前記第1層と前記第2層とが重なる電極重なり領域と、を含み、
電極重なり領域は、前記素子第1間隔以上の間隔で前記素子第1方向に並ぶ、
有機デバイスである。
本開示の第14の態様は、上述した第13の態様による有機デバイスにおいて、
前記第2表示領域は、前記第1層を含む標準領域と、前記標準領域の間に位置し、前記標準領域よりも高い透過率を有する透過領域と、を含み、
前記透過領域は、前記素子第1方向に並び、
前記透過領域は、前記素子第1方向において前記素子第1間隔以上の寸法を有していてもよい。
本開示の第15の態様は、素子第1方向と、素子第1方向に直交する素子第2方向とを有する有有機デバイスであって、
基板と、
前記基板上に位置する第1電極と、
前記第1電極上に位置し、前記素子第1方向に並ぶ有機層と、
前記有機層上に位置する第2電極と、を備え、
前記有機デバイスを前記基板の法線方向に沿って見た場合、前記有機デバイスは、第1表示領域と、前記第1表示領域よりも小さい面積を有する第2表示領域と、を含み、
前記第1表示領域において、
前記有機層は、素子第1間隔で前記素子第1方向に並び、
前記第2電極は、前記素子第1方向並ぶ第1層及び第2層を含み、
前記第2表示領域は、前記第1層を含む標準領域と、前記標準領域の間に位置し、前記標準領域よりも高い透過率を有する透過領域と、を含み、
前記透過領域は、前記素子第1方向に並び、
前記透過領域は、前記素子第1方向において前記素子第1間隔以上の寸法を有する、有機デバイスである。
本開示の第16の態様は、上述した第14の態様または上述した第15の態様のいずれかによる有機デバイスにおいて、
前記透過領域は前記第2電極を含んでいなくてもよい。
本開示の第17の態様は、上述した第14の態様から上述した第16の態様のそれぞれによる有機デバイスにおいて、
前記透過領域は、前記素子第1方向における透過第1寸法と、前記素子第2方向における透過第2寸法と、を有し、
前記透過第2寸法は、前記透過第1寸法よりも大きくてもよい。
本開示の第18の態様は、上述した第14の態様から上述した第16の態様のそれぞれによる有機デバイスにおいて、
前記第2表示領域は、前記第2表示領域は、素子第2方向に並ぶ前記透過領域を含んでいてもよい。
本開示の第19の態様は、上述した第13の態様または上述した第14の態様のいずれかによる有機デバイスにおいて、
前記第2電極は、前記素子第2方向に並ぶ前記電極重なり領域を含んでいてもよい。
本開示の第20の態様は、上述した第15の態様による有機デバイスにおいて、
前記第2電極は、前記第1層と前記第2層とが重なる電極重なり領域を含み、
前記電極重なり領域は、前記素子第1方向に並び、且つ前記素子第2方向に並んでいてもよい。
本開示の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本開示の実施形態の一例であって、本開示はこれらの実施形態のみに限定して解釈されるものではない。
まず、本実施形態のマスク群を用いることにより形成される電極を備える有機デバイス100について説明する。図1は、有機デバイス100の基板の法線方向に沿って見た場合の有機デバイス100の一例を示す平面図である。以下の説明において、基板などの基礎となる物質の面方向に沿って見ることを、平面視とも称する。
有機デバイス100は、基板と、基板の面内方向に沿って並ぶ複数の素子115と、を含む。素子115は、例えば画素である。有機デバイス100は、図1に示すように、平面視において第1表示領域101及び第2表示領域102を含んでいてもよい。第2表示領域102は、第1表示領域101よりも小さい面積を有していてもよい。
図2は、図1の有機デバイスにおいて符号A1が付された二点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す平面図である。第1表示領域101において、素子115は、異なる2方向に沿って並んでいてもよい。図1及び図2に示す例において、第1表示領域101の2以上の素子115は、素子第1方向G1に沿って素子第1基本周期S11で並んでいてもよい。また、第1表示領域101の2以上の素子115は、素子第1方向G1に直交する素子第2方向G2に沿って素子第2基本周期21で並んでいてもよい。
第2表示領域102は、第1表示領域101に比べて小さい素子密度で素子115を含んでいてもよい。例えば図2に示すように、第2表示領域102は、標準領域103及び透過領域104を含んでいてもよい。標準領域103は、素子第2方向G2に並ぶ素子115を含んでいてもよい。標準領域103の素子115の素子第2方向G2における周期は、第1表示領域101の素子115の素子第2方向G2における周期と同一であってもよい。透過領域104は、素子115を含んでいなくてもよい。
標準領域103の透過率を、第1透過率とも称する。透過領域104の透過率を、第2透過率とも称する。透過領域104が素子115を含まないことにより、第2透過率を第1透過率よりも高くすることができる。このため、透過領域104を含む第2表示領域102においては、有機デバイス100に到達した光が透過領域104を透過して基板の裏側の光学部品などに到達することができる。光学部品は、例えばカメラなどの、光を検出することにより何らかの機能を実現する部品である。また、第2表示領域102が標準領域103を含むので、素子115が画素である場合、第2表示領域102に映像を表示することができる。このように、第2表示領域102は、光を検出するとともに映像を表示することができる。光を検出することによって実現される第2表示領域102の機能は、例えば、カメラ、指紋センサなどのセンサなどである。
素子第1方向G1及び素子第2方向G2における標準領域103の寸法、及び素子第1方向G1及び素子第2方向G2における透過領域104の寸法のいずれかが1mm以下である場合、顕微分光光度計を用いて第1透過率及び第2透過率を測定する。顕微分光光度計としては、オリンパス株式会社製OSP-SP200又は大塚電子株式会社製LCFシリーズのいずれかを用いることができる。いずれの顕微分光光度計も、380nm以上780nm以下の可視域で透過率を測定できる。石英又はTFT液晶用ホウケイ酸ガラスのいずれかをレファレンスとして用いる。550nmにおける測定結果を、第1透過率及び第2透過率として用いる。
素子第1方向G1及び素子第2方向G2における標準領域103の寸法、及び素子第1方向G1及び素子第2方向G2における透過領域104の寸法のいずれもが1mmより大きい場合、分光光度計を用いて第1透過率及び第2透過率を測定する。分光光度計としては、株式会社島津製作所製の紫外可視分光光度計UV-2600i又はUV-3600i Plusのいずれかを用いることができる。分光光度計に微小光束絞りユニットを取り付けることにより、最大で1mmの寸法を有する領域の透過率を測定できる。大気をレファレンスとして用いる。550nmにおける測定結果を、第1透過率及び第2透過率として用いる。
第1透過率TR1に対する第2透過率TR2の比であるTR2/TR1は、例えば、2以上でもよく、3以上でもよく、5以上でもよい。TR2/TR1は、例えば、10以下でもよく、20以下でもよく、50以下でもよい。TR2/TR1の範囲は、2、3及び5からなる第1グループ、及び/又は、10、20及び50からなる第2グループによって定められてもよい。TR2/TR1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。TR2/TR1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。TR2/TR1の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、2以上50以下でもよく、2以上20以下でもよく、2以上10以下でもよく、2以上5以下でもよく、2以上3以下でもよく、3以上50以下でもよく、3以上20以下でもよく、3以上10以下でもよく、3以上5以下でもよく、5以上50以下でもよく、5以上20以下でもよく、5以上10以下でもよく、10以上50以下でもよく、10以上20以下でもよく、20以上50以下でもよい。
第1表示領域101の画素密度を第1画素密度とも称する。第2表示領域102の画素密度を第2画素密度とも称する。第2表示領域102は透過領域104を含むので、第2表示領域102に表示される映像の解像度は、第1表示領域101に表示される映像の解像度よりも低い。第1画素密度に対する第2画素密度の比は、例えば、1/100以上でもよく、10/100以上でもよく、20/100以上でもよく、40/100以上でもよい。第1画素密度に対する第2画素密度の比は、例えば、60/100以下でもよく、80/100以下でもよく、90/100以下でもよく、99/100以下でもよい。第1画素密度に対する第2画素密度の比の範囲は、1/100、10/100、20/100及び40/100からなる第1グループ、及び/又は、60/100、80/100、90/100及び99/100からなる第2グループによって定められてもよい。第1画素密度に対する第2画素密度の比の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。第1画素密度に対する第2画素密度の比の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。第1画素密度に対する第2画素密度の比の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、1/100以上99/100以下でもよく、1/100以上90/100以下でもよく、1/100以上80/100以下でもよく、1/100以上60/100以下でもよく、1/100以上40/100以下でもよく、1/100以上20/100以下でもよく、1/100以上10/100以下でもよく、10/100以上99/100以下でもよく、10/100以上90/100以下でもよく、10/100以上80/100以下でもよく、10/100以上60/100以下でもよく、10/100以上40/100以下でもよく、10/100以上20/100以下でもよく、20/100以上99/100以下でもよく、20/100以上90/100以下でもよく、20/100以上80/100以下でもよく、20/100以上60/100以下でもよく、20/100以上40/100以下でもよく、40/100以上99/100以下でもよく、40/100以上90/100以下でもよく、40/100以上80/100以下でもよく、40/100以上60/100以下でもよく、60/100以上99/100以下でもよく、60/100以上90/100以下でもよく、60/100以上80/100以下でもよく、80/100以上99/100以下でもよく、80/100以上90/100以下でもよく、90/100以上99/100以下でもよい。
図2に示すように、第2表示領域102は、素子第1方向G1に並ぶ複数の透過領域104を含んでいてもよい。透過領域104は、素子第1方向G1において標準領域103の間に位置していてもよい。すなわち、標準領域103及び透過領域104が素子第1方向G1に交互に並んでいてもよい。
素子第2方向G2における透過領域104の端部は、第1表示領域101に接していてもよい。言い換えると、素子第2方向G2における透過領域104の範囲が、素子第2方向G2における透過領域104の範囲を定めてもよい。
図2に示すように、透過領域104は、素子第1方向G1における透過第1寸法FS1と、素子第2方向G2における透過第2寸法FS2と、を有する。透過第1寸法FS1は、素子115の寸法GS1よりも大きくてもよい。
透過第2寸法FS2は、寸法FS1よりも大きくてもよい。透過第1寸法FS1に対する透過第2寸法FS2の比であるFS2/FS1は、例えば、2以上でもよく、5以上でもよく、10以上でもよく、20以上でもよい。FS2/FS1は、例えば、50以下でもよく、100以下でもよく、200以下でもよく、500以下でもよい。FS2/FS1の範囲は、2、5、10及び20からなる第1グループ、及び/又は、50、100、200及び500からなる第2グループによって定められてもよい。FS2/FS1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。FS2/FS1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。FS2/FS1の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、2以上500以下でもよく、2以上200以下でもよく、2以上100以下でもよく、2以上50以下でもよく、2以上20以下でもよく、2以上10以下でもよく、2以上5以下でもよく、5以上500以下でもよく、5以上200以下でもよく、5以上100以下でもよく、5以上50以下でもよく、5以上20以下でもよく、5以上10以下でもよく、10以上500以下でもよく、10以上200以下でもよく、10以上100以下でもよく、10以上50以下でもよく、10以上20以下でもよく、20以上500以下でもよく、20以上200以下でもよく、20以上100以下でもよく、20以上50以下でもよく、50以上500以下でもよく、50以上200以下でもよく、50以上100以下でもよく、100以上500以下でもよく、100以上200以下でもよく、200以上500以下でもよい。
透過領域104の透過第1寸法FS1は、例えば、100μm以上でもよく、150μm以上でもよく、200μm以上でもよい。透過第1寸法FS1は、例えば、250μm以下でもよく、300μm以下でもよく、500μm以下でもよい。透過第1寸法FS1の範囲は、100μm、150μm及び200μmからなる第1グループ、及び/又は、250μm、300μm及び500μmからなる第2グループによって定められてもよい。透過第1寸法FS1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。透過第1寸法FS1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。透過第1寸法FS1の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、100μm以上500μm以下でもよく、100μm以上300μm以下でもよく、100μm以上250μm以下でもよく、100μm以上200μm以下でもよく、100μm以上150μm以下でもよく、150μm以上500μm以下でもよく、150μm以上300μm以下でもよく、150μm以上250μm以下でもよく、150μm以上200μm以下でもよく、200μm以上500μm以下でもよく、200μm以上300μm以下でもよく、200μm以上250μm以下でもよく、250μm以上500μm以下でもよく、250μm以上300μm以下でもよく、300μm以上500μm以下でもよい。
有機デバイス100の構成要素及び第1表示領域101について詳細に説明する。図3は、図2の有機デバイス100において符号B1が付された二点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す平面図である。図4は、図3の有機デバイス100から第2電極を取り除いた状態を示す平面図である。図5は、図3の有機デバイス100の第1表示領域101のC-C線に沿った断面図である。
図5に示すように、有機デバイス100は、基板110と、基板110上に位置する素子115と、を備える。素子115は、第1電極120と、第1電極120上に位置する有機層130と、有機層130上に位置する第2電極140と、を有していてもよい。
有機デバイス100は、平面視において隣り合う2つの第1電極120の間に位置する絶縁層160を備えていてもよい。絶縁層160は、例えばポリイミドを含んでいる。絶縁層160は、第1電極120の端部に重なっていてもよい。
有機デバイス100は、アクティブ・マトリクス型であってもよい。例えば、図示はしないが、有機デバイス100は、複数の素子115のそれぞれに電気的に接続されているスイッチを備えていてもよい。スイッチは、例えばトランジスタである。スイッチは、対応する素子115に対する電圧又は電流のON/OFFを制御することができる。
基板110は、絶縁性を有する板状の部材であってもよい。基板110は、好ましくは、光を透過させる透明性を有する。
基板110が、所定の透明性を有する場合、基板110の透明性は、有機層130からの発光を透過させて表示を行うことができる程度の透明性であることが好ましい。例えば、可視光領域における基板110の透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。基板110の透過率は、JIS K7361-1に準ずるプラスチック-透明材料の全光透過率の試験方法により測定することができる。
基板110は、可撓性を有していてもよく、有していなくてもよい。有機デバイス100の用途に応じて基板110を適宜選択することができる。
基板110の材料としては、例えば、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のないリジッド材、あるいは、樹脂フィルム、光学用樹脂板、薄ガラス等の可撓性を有するフレキシブル材等を用いることができる。また、基材は、樹脂フィルムの片面または両面にバリア層を有する積層体であってもよい。
基板110の厚みは、基板110に用いられる材料や有機デバイス100の用途等に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.005mm以上であってもよい。また、基板110の厚みは、5mm以下であってもよい。
素子115は、第1電極120と第2電極140との間に電圧が印加されることにより、又は、第1電極120と第2電極140との間に電流が流れることにより、何らかの機能を実現するよう構成されている。例えば、素子115が、有機EL表示装置の画素である場合、素子115は、映像を構成する光を放出することができる。
第1電極120は、導電性を有する材料を含む。例えば、第1電極120は、金属、導電性を有する金属酸化物や、その他の導電性を有する無機材料などを含む。第1電極120は、インジウム・スズ酸化物などの、透明性及び導電性を有する金属酸化物を含んでいてもよい。
第1電極120を構成する材料としては、Au、Cr、Mo、Ag、Mg等の金属;ITOと称される酸化インジウム錫、IZOと称される酸化インジウム亜鉛、酸化亜鉛、酸化インジウム等の無機酸化物;金属ドープされたポリチオフェン等の導電性高分子等を用いることができる。これらの導電性材料は、単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。2種類以上を用いる場合には、各材料からなる層を積層してもよい。また、2種類以上の材料を含む合金を用いてもよい。例えば、MgAg等のマグネシウム合金等を用いることができる。
有機層130は、有機材料を含む。有機層130に通電されると、有機層130は、何らかの機能を発揮することができる。通電とは、有機層130に電圧が印加されること、又は有機層130に電流が流れることを意味する。有機層130としては、通電により光を放出する発光層、通電により光の透過率や屈折率が変化する層などを用いることができる。有機層130は、有機半導体材料を含んでいてもよい。
図4及び図5に示すように、有機層130は、第1有機層130A及び第2有機層130Bを含んでいてもよい。また、図4に示すように、有機層130は、第3有機層130Cを更に含んでいてもよい。第1有機層130A、第2有機層130B及び第3有機層130Cは、例えば、赤色発光層、青色発光層及び緑色発光層である。以下の説明において、有機層の構成のうち、第1有機層130A、第2有機層130B及び第3有機層130Cに共通する構成を説明する場合には、「有機層130」という用語及び符号を用いる。
第1電極120、第1有機層130A及び第2電極140を含む積層構造のことを、第1素子115Aとも称する。第1電極120、第2有機層130B及び第2電極140を含む積層構造のことを、第2素子115Bとも称する。第1電極120、第3有機層130C及び第2電極140を含む積層構造のことを、第3素子115Cとも称する。有機デバイス100が有機EL表示装置である場合、第1素子115A、第2素子115B及び第3素子115Cはそれぞれサブピクセルである。
以下の説明において、素子の構成のうち、第1素子115A、第2素子115B及び第3素子115Cに共通する構成を説明する場合には、「素子115」という用語及び符号を用いる。図4のような平面図において、素子115の輪郭は、平面視において第1電極120及び第2電極140と重なる有機層130の輪郭であってもよい。有機デバイス100が絶縁層160を備える場合、素子115の輪郭は平面視において第1電極120及び第2電極140と重なるとともに絶縁層160と重ならない有機層130の輪郭であってもよい。
第1素子115A、第2素子115B及び第3素子115Cそれぞれの配列について説明する。図4に示すように、第1表示領域101において、第1素子115A、第2素子115B及び第3素子115Cはそれぞれ、素子第1方向G1に沿って上述の素子第1基本周期S11で並んでいてもよい。第1素子115A、第2素子115B及び第3素子115Cはそれぞれ、素子第2方向G2に沿って上述の素子第2基本周期S21で並んでいてもよい。
第1素子115A、第2素子115B及び第3素子115Cの相対的な位置関係について説明する。図4に示すように、第1表示領域101は、素子第2方向G2において交互に並ぶ第1素子115A及び第3素子115Cの列と、素子第2方向G2に並ぶ第2素子115Bの列と、を含んでいてもよい。第1表示領域101は、素子第1方向G1において交互に並ぶ第1素子115A及び第2素子115Bの行と、素子第1方向G1において交互に並ぶ第3素子115C及び第2素子115Bの行と、を含んでいてもよい。
第1電極120と第2電極140との間に電圧を印加すると、両者の間に位置する有機層130が駆動される。有機層130が発光層である場合、有機層130から光が放出され、光が第2電極140側又は第1電極120側から外部へ取り出される。
有機層130が、通電により光を放出する発光層を含む場合、有機層130は、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層などを更に含んでいてもよい。
例えば、第1電極120が陽極である場合、有機層130は、発光層と第1電極120との間に正孔注入輸送層を有していてもよい。正孔注入輸送層は、正孔注入機能を有する正孔注入層であってもよく、正孔輸送機能を有する正孔輸送層であってもよく、正孔注入機能および正孔輸送機能の両機能を有するものであってもよい。また、正孔注入輸送層は、正孔注入層および正孔輸送層が積層されたものであってもよい。
第2電極140が陰極である場合、有機層130は、発光層と第2電極140との間に電子注入輸送層を有していてもよい。電子注入輸送層は、電子注入機能を有する電子注入層であってもよく、電子輸送機能を有する電子輸送層であってもよく、電子注入機能および電子輸送機能の両機能を有するものであってもよい。また、電子注入輸送層は、電子注入層および電子輸送層が積層されたものであってもよい。
発光層は、発光材料を含む。発光層は、レベリング性を良くする添加剤を含んでいてもよい。
発光材料としては、公知の材料を用いることができ、例えば、色素系材料、金属錯体系材料、高分子系材料等の発光材料を用いることができる。
色素系材料としては、例えば、シクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー等を用いることができる。
金属錯体系材料としては、例えば、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロビウム錯体等、中心金属にAl、Zn、Be等または、Tb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体を用いることができる。
高分子系材料としては、例えば、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、およびそれらの共重合体等を用いることができる。
発光層は、発光効率の向上や発光波長を変化させる等の目的で、ドーパントを含んでいてもよい。ドーパントとしては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン、キノキサリン誘導体、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体等を用いることができる。また、ドーパントとして、白金やイリジウム等の重金属イオンを中心に有し、燐光を示す有機金属錯体を使用することもできる。ドーパントは、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
また、発光材料およびドーパントしては、例えば、特開2010-272891号公報の[0094]~[0099]や、国際公開第2012/132126号の[0053]~[0057]に記載の材料も用いることができる。
発光層の膜厚は、電子と正孔との再結合の場を提供して発光する機能を発現することができる膜厚であれば特に限定されるものではなく、例えば1nm以上とすることができ、また、500nm以下とすることができる。
正孔注入輸送層に用いられる正孔注入輸送性材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリピロール誘導体、フェニルアミン誘導体、アントラセン誘導体、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリルアミン誘導体等を用いることができる。また、スピロ化合物、フタロシアニン化合物、金属酸化物等を例示することができる。また、例えば、特開2011-119681号公報、国際公開第2012/018082号、特開2012-069963号公報、国際公開第2012/132126号の[0106]に記載の化合物も適宜選択して用いることができる。
なお、正孔注入輸送層が、正孔注入層および正孔輸送層が積層されたものである場合には、正孔注入層が添加剤Aを含有してもよく、正孔輸送層が添加剤Aを含有してもよく、正孔注入層および正孔輸送層が添加剤Aを含有してもよい。添加剤Aは、低分子化合物であってもよく、高分子化合物であってもよい。具体的には、フッ素系化合物、エステル系化合物、炭化水素系化合物等を用いることができる。
電子注入輸送層に用いられる電子注入輸送性材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、アルカリ金属類、アルカリ金属の合金、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属類、アルカリ土類金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ金属の有機錯体、マグネシウムのハロゲン化物や酸化物、酸化アルミニウム等を用いることができる。また、電子注入輸送性材料としては、例えば、バソキュプロイン、バソフェナントロリン、フェナントロリン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピリジン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンやペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、キノキサリン誘導体、キノリノール錯体等の金属錯体、フタロシアニン化合物、ジスチリルピラジン誘導体等を用いることができる。
また、電子輸送性の有機材料にアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属をドープした金属ドープ層を形成し、これを電子注入輸送層とすることもできる。電子輸送性の有機材料としては、例えばバソキュプロイン、バソフェナントロリン、フェナントロリン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピリジン誘導体、トリス(8-キノリノラト)アルミニウム(Alq)等の金属錯体、及びこれらの高分子誘導体等を用いることができる。また、ドープする金属としては、Li、Cs、Ba、Sr等を用いることができる。
第2電極140は、金属などの、導電性を有する材料を含む。第2電極140は、後述するマスクを用いる蒸着法によって有機層130の上に形成される。第2電極140を構成する材料としては、白金、金、銀、銅、鉄、錫、クロム、アルミニウム、インジウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、クロム、炭素等を用いることができる。これらの材料は、単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。2種類以上を用いる場合には、各材料からなる層を積層してもよい。また、2種類以上の材料を含む合金を用いてもよい。例えば、MgAg等のマグネシウム合金、AlLi、AlCa、AlMg等のアルミニウム合金、アルカリ金属類およびアルカリ土類金属類の合金等を用いることができる。
図3及び図5に示すように、第1表示領域101の第2電極140は、素子第2方向G2に延びる第1層140A及び第2層140Bを含んでいてもよい。第1層140Aは、後述する第1マスク50Aを用いる蒸着法によって形成される層である。第1層140Aは、素子第1方向G1に並んでいてもよい。第2層140Bは、後述する第2マスク50Bを用いる蒸着法によって形成される層である。第2層140Bは、第1層140Aの間に位置し、素子第1方向G1に並んでいてもよい。
第1層140A及び第2層140Bは、第1素子115A、第2素子115B及び第3素子115Cを含む少なくとも1つの素子115と平面視で重なるように広がっていてもよい。図3に示すように、素子第1方向G1における第1層140A及び第2層140Bの寸法は、素子115の寸法GS1の1倍よりも大きくてもよい。素子第1方向G1における第1層140A及び第2層140Bの寸法は、素子115の寸法GS1の2倍よりも小さくてもよい。素子第2方向G2における第1層140A及び第2層140Bの寸法はいずれも、素子115の寸法GS2の2倍よりも大きくてもよい。
第1層140Aの厚みは、例えば、10nm以上でもよく、20nm以上でもよく、50nm以上でもよく、100nm以上でもよい。第1層140Aの厚みは、例えば、200nm以下でもよく、500nm以下でもよく、1μm以下でもよく、100μm以下でもよい。第1層140Aの厚みの範囲は、10nm、20nm、50nm及び100nmからなる第1グループ、及び/又は、200nm、500nm、1μm及び100μmからなる第2グループによって定められてもよい。第1層140Aの厚みの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。第1層140Aの厚みの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。第1層140Aの厚みの範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、10nm以上100μm以下でもよく、10nm以上1μm以下でもよく、10nm以上500nm以下でもよく、10nm以上200nm以下でもよく、10nm以上100nm以下でもよく、10nm以上50nm以下でもよく、10nm以上20nm以下でもよく、20nm以上100μm以下でもよく、20nm以上1μm以下でもよく、20nm以上500nm以下でもよく、20nm以上200nm以下でもよく、20nm以上100nm以下でもよく、20nm以上50nm以下でもよく、50nm以上100μm以下でもよく、50nm以上1μm以下でもよく、50nm以上500nm以下でもよく、50nm以上200nm以下でもよく、50nm以上100nm以下でもよく、100nm以上100μm以下でもよく、100nm以上1μm以下でもよく、100nm以上500nm以下でもよく、100nm以上200nm以下でもよく、200nm以上100μm以下でもよく、200nm以上1μm以下でもよく、200nm以上500nm以下でもよく、500nm以上100μm以下でもよく、500nm以上1μm以下でもよく、1μm以上100μm以下でもよい。
第2層140Bの厚みは、第1層140Aの厚みと同一であってもよい。また、第2層140Bの厚みは、第1層140Aの厚みよりも大きくてもよく、小さくてもよい。第2層140Bの厚みは、第1層140Aの厚みと同様に、10nm、20nm、50nm及び100nmからなる第1グループ、及び/又は、200nm、500nm、1μm及び100μmからなる第2グループによって定められてもよい。
図3及び図5に示すように、第1表示領域101において、素子第1方向G1における第1層140Aの端部と第2層140Bの端部とが部分的に重なっていてもよい。第1層140Aと第2層140Bとが重なっている領域のことを、電極重なり領域145とも称する。第1層140Aと第2層140Bとが重なることにより、第1層140Aと第2層140Bとを電気的に接続することができる。
図3に示すように、2以上の電極重なり領域145が素子第1方向G1に並んでいてもよい。電極重なり領域145は、素子第2方向G2に延びていてもよい。複数の電極重なり領域145が基板110の面内方向に並ぶことにより、第2電極140の電気抵抗が局所的に高くなることを抑制できる。
図3において、符号OS1は、素子第1方向G1における電極重なり領域145の寸法を表す。電極重なり領域145の寸法OS1は、例えば、1μm以上でもよく、3μm以上でもよく、5μm以上でもよい。寸法OS1は、例えば、10μm以下でもよく、20μm以下でもよく、50μm以下でもよい。寸法OS1の範囲は、1μm、3μm及び5μmからなる第1グループ、及び/又は、10μm、20μm及び50μmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法OS1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法OS1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法OS1の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、1μm以上50μm以下でもよく、1μm以上20μm以下でもよく、1μm以上10μm以下でもよく、1μm以上5μm以下でもよく、1μm以上3μm以下でもよく、3μm以上50μm以下でもよく、3μm以上20μm以下でもよく、3μm以上10μm以下でもよく、3μm以上5μm以下でもよく、5μm以上50μm以下でもよく、5μm以上20μm以下でもよく、5μm以上10μm以下でもよく、10μm以上50μm以下でもよく、10μm以上20μm以下でもよく、20μm以上50μm以下でもよい。
素子第2方向G2における電極重なり領域145の寸法は、素子第2方向G2における第2層140Bの寸法と同一であってもよい。すなわち、素子第1方向G1における第2層140Bの端部が、素子第2方向G2の全域にわたって第1層140Aに重なっていてもよい。若しくは、素子第2方向G2における電極重なり領域145の寸法は、素子第2方向G2における第2層140Bの寸法よりも小さくてもよい。素子第2方向G2における電極重なり領域145の寸法は、素子第1方向G1における電極重なり領域145の寸法OS1の5倍以上であってもよく、10倍以上であってもよく、50倍以上であってもよく、100倍以上であってもよい。
図3及び図5において、符号OG1は、素子第1方向G1において隣り合う2つの電極重なり領域145の間の間隔を表す。好ましくは、素子第1方向G1における電極重なり領域145の間の間隔OG1は、素子第1間隔よりも大きい。
素子第1間隔は、図3及び図4に示す間隔GG11、間隔GG12及び間隔GG13の中で最も小さい間隔である。間隔GG11は、素子第1方向G1において隣り合う2つの第1有機層130Aの間の間隔である。間隔GG12は、素子第1方向G1において隣り合う2つの第2有機層130Bの間の間隔である。間隔GG13は、素子第1方向G1において隣り合う2つの第3有機層130Cの間の間隔である。
次に、第2表示領域102について詳細に説明する。図6は、図3の有機デバイス100の第2表示領域102のD-D線に沿った断面図である。
図3及び図6に示すように、第2表示領域102は、第1層140Aと、平面視において第1層140Aと重なる有機層130及び第1電極120と、を含んでいてもよい。第2表示領域102の第1層140Aは、素子第2方向G2において第1表示領域101の第1層140Aと連続していてもよい。また、第2表示領域102は、第2層140Bを含んでいなくてもよい。すなわち、第2表示領域102は、平面視において第2電極140が存在しない領域を含んでいてもよい。第2表示領域102は、平面視において、第2電極140が存在しない複数の領域を囲む領域として画定されてもよい。
第2表示領域102の上述の標準領域103は、第1層140Aを含む領域として定義されてもよい。標準領域103は、第1層140Aに重なる第1有機層130A、第2有機層130B及び第3有機層130Cを含んでいてもよい。素子第1方向G1において透過領域104の間に位置する標準領域103が、第1有機層130A、第2有機層130B及び第3有機層130Cを含んでいてもよい。
上述の透過領域104は、平面視において第2電極140が存在しない領域として定義されてもよい。図6に示すように、透過領域104は、第1電極120、有機層130及び第2電極140を含んでいなくてもよい。
図3に示すように、平面視において、透過領域104は、素子第2方向G2において第1表示領域101の第2層140Bに接していてもよい。好ましくは、素子第1方向G1における透過領域104の寸法FS1は、上述の素子第1間隔よりも大きい。
FS1、FS2、GS1、GS2、GG11、GG12、GG13、OS1、OG1などの、有機デバイス100の各構成要素の寸法、間隔などは、走査型電子顕微鏡を用いて有機デバイス100の断面の画像を観察することによって測定することができる。
基板110の厚み、第2電極140の厚みなどの、有機デバイス100の各構成要素の厚みは、走査型電子顕微鏡を用いて有機デバイス100の断面の画像を観察することによって測定することができる。
次に、上述の有機デバイス100の第2電極140を蒸着法によって形成する方法について説明する。図7は、対象物に蒸着材料を蒸着させる蒸着処理を実施する蒸着装置10を示す図である。
図7に示すように、蒸着装置10は、その内部に、蒸着源6、ヒータ8、及びマスク装置40を備えていてもよい。また、蒸着装置10は、蒸着装置10の内部を真空雰囲気にするための排気手段を更に備えていてもよい。蒸着源6は、例えばるつぼであり、有機発光材料などの蒸着材料7を収容する。ヒータ8は、蒸着源6を加熱して、真空雰囲気の下で蒸着材料7を蒸発させる。マスク装置40は、るつぼ6と対向するよう配置されている。
図7に示すように、マスク装置40は、少なくとも1つのマスク50と、マスク50を支持するフレーム41と、を備えていてもよい。フレーム41は、マスク50が固定されている第1フレーム面41aと、第1フレーム面41aの反対側に位置する第2フレーム面41bと、を含んでいてもよい。また、フレーム41は、第1フレーム面41aから第2フレーム面41bに貫通する開口42を含んでいてもよい。マスク50は、平面視において開口42を横切るようにフレーム41に固定されていてもよい。また、フレーム41は、マスク50が撓むことを抑制するように、マスク50をその面方向に引っ張った状態で支持していてもよい。
マスク装置40のマスク50としては、後述する第1マスク50A及び第2マスク50Bが用いられてもよい。以下の説明において、マスクの構成のうち、第1マスク50A及び第2マスク50Bに共通する構成を説明する場合には、「マスク50」という用語及び符号を用いる。後述するセルなどのマスクの構成要素についても同様に、第1マスク50A及び第2マスク50Bに共通する内容を説明する場合には、符号として、「22」などの、アルファベットが付されていない、数字のみの符号を用いる。一方、第1マスク50A及び第2マスク50Bのそれぞれに特有の内容を説明する場合には、数字の後に「A」、「B」などの対応するアルファベットを付した符号を用いる。
マスク装置40は、図7に示すように、蒸着材料7を付着させる対象物である基板110にマスク50が対面するよう、蒸着装置10内に配置されている。マスク50は、蒸着源6から飛来した蒸着材料7を通過させる複数の貫通孔53を含む。以下の説明において、マスク50の面のうち、基板110の側に位置する面を第1面51aと称し、第1面51aの反対側に位置する面を第2面51bと称する。
蒸着装置10は、図7に示すように、基板110を保持する基板ホルダ2を備えていてもよい。基板ホルダ2は、基板110の厚み方向において移動可能であってもよい。また、基板ホルダ2は、基板110の面方向において移動可能であってもよい。また、基板ホルダ2は、基板110の傾きを制御するよう構成されていてもよい。例えば、基板ホルダ2は、基板110の外縁に取り付けられた複数のチャックを含み、各チャックは、基板110の厚み方向や面方向において独立に移動可能であってもよい。
蒸着装置10は、図7に示すように、マスク装置40を保持するマスクホルダ3を備えていてもよい。マスクホルダ3は、マスク50の厚み方向において移動可能であってもよい。また、マスクホルダ3は、マスク50の面方向において移動可能であってもよい。例えば、マスクホルダ3は、フレーム41の外縁に取り付けられた複数のチャックを含み、各チャックは、マスク50の厚み方向や面方向において独立に移動可能であってもよい。
基板ホルダ2又はマスクホルダ3の少なくともいずれか一方を移動させることにより、基板110に対するマスク装置40のマスク50の位置を調整することができる。
蒸着装置10は、図7に示すように、基板110の面のうちマスク装置40とは反対側の面である第2面112側に配置されている冷却板4を備えていてもよい。冷却板4は、冷却板4の内部に冷媒を循環させるための流路を有していてもよい。冷却板4は、蒸着工程の際に基板110の温度が上昇することを抑制することができる。
蒸着装置10は、図7に示すように、基板110の面のうちマスク装置40とは反対側の面である第2面112側に配置されている磁石5を備えていてもよい。磁石5は、図3に示すように、冷却板4の面のうちマスク装置40とは反対の側の面に配置されていてもよい。磁石5は、磁力によってマスク装置40のマスク50を基板110側に引き寄せることができる。これにより、マスク50と基板110との間の隙間を低減したり、隙間をなくしたりすることができる。このことにより、蒸着工程においてシャドーが発生することを抑制することができ、有機層130の寸法精度や位置精度を高めることができる。本願において、シャドーとは、マスク50と基板110との間の隙間に蒸着材料7が入り込み、これによって有機層130の厚みが不均一になる現象のことである。また、静電気力を利用する静電チャックを用いてマスク50を基板110側に引き寄せてもよい。
次に、マスク装置40について詳細に説明する。図8は、マスク装置40をマスク50の第1面51a側から見た場合を示す平面図である。図8に示すように、マスク装置40は、フレーム第1方向D1に並ぶ2以上のマスク50を備えていてもよい。本実施の形態において、マスク50は、フレーム第1方向D1に延びる辺、及びフレーム第1方向D1に直交するフレーム第2方向D2に延びる辺を含んでいてもよい。図8に示すように、フレーム第2方向D2に延びる辺は、フレーム第1方向D1に延びる辺よりも長くてもよい。マスク50は、フレーム第2方向D2の両端部において、例えば溶接によってフレーム41の第1フレーム面41aに固定されていてもよい。
フレーム41は、フレーム第1方向D1に延びる一対の第1辺411と、フレーム第2方向D2に延びる一対の第2辺412と、を含む矩形の輪郭を有していてもよい。第1辺411には、フレーム第2方向D2において張力を加えられた状態のマスク50が固定されていてもよい。図8に示すように、マスク50が固定されている第1辺411が、第2辺412よりも長くてもよい。フレーム41の開口42は、一対の第1辺411及び一対の第2辺412によって囲まれていてもよい。
マスク50は、少なくとも1つのセル52を含む。セル52は、貫通孔53及び遮蔽領域54を含む。マスク50は、フレーム第2方向D2に並ぶ複数のセル52を含んでいてもよい。マスク50を用いて有機EL表示装置などの表示装置を作製する場合、1つのセル52は、1つの有機EL表示装置の表示領域に、すなわち1つの画面に対応していてもよい。なお、1つのセル52が複数の表示領域に対応していてもよい。また、図示はしないが、フレーム第1方向D1においても複数のセル52が並んでいてもよい。マスク50は、セル52の間に位置する遮蔽領域54を含んでいてもよい。図示はしないが、マスク50は、セル52の間に位置する貫通孔53を含んでいてもよい。
セル52は、例えば、平面視において略四角形、さらに正確には平面視において略矩形の輪郭を有していてもよい。なお図示はしないが、各セル52は、有機EL表示装置の表示領域の形状に応じて、様々な形状の輪郭を有することができる。例えば各セル52は、円形の輪郭を有していてもよい。
図9は、上述の第2電極140の第1層140Aを形成する際に用いられる第1マスク50Aを備える第1マスク装置40Aの一部を拡大して示す平面図である。第1マスク50Aは、マスク第1方向E1に並ぶ複数の第1貫通孔53Aを含む。図9に示す例において、マスク第1方向E1は、マスク50の幅方向であるフレーム第1方向D1に平行である。
図10は、上述の第2電極140の第2層140Bを形成する際に用いられる第2マスク50Bを備える第2マスク装置40Bの一部を拡大して示す平面図である。第2マスク50Bは、マスク第1方向E1に並ぶ複数の第2貫通孔53Bを含む。図10に示す例において、マスク第1方向E1は、マスク50の幅方向であるフレーム第1方向D1に平行である。
第2電極140を形成する工程においては、例えば、蒸着装置10において第1マスク装置40Aを用いて基板110に第2電極140の第1層140Aを形成する。続いて、蒸着装置10において第2マスク装置40Bを用いて基板110に第2電極140の第2層140Bを形成する。このように、有機デバイス100の第2電極140を形成する工程においては、第1マスク50A、第2マスク50Bなどの複数のマスク50が順に用いられる。有機デバイス100の第2電極140を形成するために用いられる複数のマスク50の群のことを、「マスク群」とも称する。
図11は、第1マスク50A及び第2マスク50Bなどのマスク50の断面構造の一例を示す図である。マスク50は、金属板51に形成されている複数の貫通孔53を有する。貫通孔53は、第1面51aから第2面51bへ金属板51を貫通している。
貫通孔53は、金属板51の第1面51a側に位置する第1凹部531と、第2面51b側に位置し、第1凹部531に接続されている第2凹部532と、を含んでいてもよい。平面視において、第2凹部532の寸法r2は、第1凹部531の寸法r1よりも大きくてもよい。第1凹部531は、金属板51を第1面51a側からエッチングなどで加工することによって形成されてもよい。第2凹部532は、金属板51を第2面51b側からエッチングなどで加工することによって形成されてもよい。
第1凹部531と第2凹部532とは、周状の接続部533において接続されている。接続部533は、マスク50の平面視において貫通孔53の開口面積が最小になる貫通部534を画成していてもよい。
マスク50を用いた蒸着法においては、第2面51b側から第1面51a側へ貫通孔53の貫通部534を通過した蒸着材料7が基板110に付着することによって、基板110に上述の第1層140Aや第2層140Bなどの層が形成される。基板110に形成される層の、基板110の面内方向における輪郭は、平面視における貫通部534の輪郭によって定まる。後述する図12~図17などの平面図において示されている貫通孔53の輪郭は、貫通部534の輪郭である。
貫通部534以外の金属板51の領域は、基板110に向かう蒸着材料7を遮蔽することができる。貫通部534以外の金属板51の領域のことを、遮蔽領域54とも称する。図9、図10、図12~図15などのマスク50の平面図においては、遮蔽領域54に斜線の網掛けが施されている。
マスク50の厚みTは、例えば、5μm以上でもよく、10μm以上でもよく、15μm以上でもよく、20μm以上でもよい。マスク50の厚みTは、例えば、25μm以下でもよく、30μm以下でもよく、50μm以下でもよく、100μm以下でもよい。マスク50の厚みTの範囲は、5μm、10μm、15μm及び20μmからなる第1グループ、及び/又は、25μm、30μm、50μm及び100μmからなる第2グループによって定められてもよい。マスク50の厚みTの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。マスク50の厚みTの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。マスク50の厚みTの範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、5μm以上100μm以下でもよく、5μm以上50μm以下でもよく、5μm以上30μm以下でもよく、5μm以上25μm以下でもよく、5μm以上20μm以下でもよく、5μm以上15μm以下でもよく、5μm以上10μm以下でもよく、10μm以上100μm以下でもよく、10μm以上50μm以下でもよく、10μm以上30μm以下でもよく、10μm以上25μm以下でもよく、10μm以上20μm以下でもよく、10μm以上15μm以下でもよく、15μm以上100μm以下でもよく、15μm以上50μm以下でもよく、15μm以上30μm以下でもよく、15μm以上25μm以下でもよく、15μm以上20μm以下でもよく、20μm以上100μm以下でもよく、20μm以上50μm以下でもよく、20μm以上30μm以下でもよく、20μm以上25μm以下でもよく、25μm以上100μm以下でもよく、25μm以上50μm以下でもよく、25μm以上30μm以下でもよく、30μm以上100μm以下でもよく、30μm以上50μm以下でもよく、50μm以上100μm以下でもよい。
マスク50の厚みTを測定する方法としては、接触式の測定方法を採用することができる。接触式の測定方法としては、ボールブッシュガイド式のプランジャーを備える、ハイデンハイン社製の長さゲージHEIDENHAIM-METROの「MT1271」を用いることができる。
なお、マスク50の貫通孔53の断面形状は、図11に示す形状には限られない。また、マスク50の貫通孔53の形成方法は、エッチングに限られることはなく、様々な方法を採用可能である。例えば、貫通孔53が生じるようにめっきを行うことによってマスク50を形成してもよい。
マスク50を構成する材料としては、例えば、ニッケルを含む鉄合金を用いることができる。鉄合金は、ニッケルに加えてコバルトを更に含んでいてもよい。例えば、マスク50の材料として、ニッケル及びコバルトの含有量が合計で30質量%以上且つ54質量%以下であり、且つコバルトの含有量が0質量%以上且つ6質量%以下である鉄合金を用いることができる。ニッケル若しくはニッケル及びコバルトを含む鉄合金としては、34質量%以上且つ38質量%以下のニッケルを含むインバー材、30質量%以上且つ34質量%以下のニッケルに加えてさらにコバルトを含むスーパーインバー材、38質量%以上且つ54質量%以下のニッケルを含む低熱膨張Fe-Ni系めっき合金などを用いることができる。このような鉄合金を用いることにより、マスク50の熱膨張係数を低くすることができる。例えば、基板110としてガラス基板が用いられる場合に、マスク50の熱膨張係数を、ガラス基板と同等の低い値にすることができる。これにより、蒸着工程の際、基板110に形成される蒸着層の寸法精度や位置精度がマスク50と基板110との間の熱膨張係数の差に起因して低下することを抑制することができる。
次に、第1マスク50Aについて詳細に説明する。図12は、図9の第1マスク50Aにおいて符号A2が付された二点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す平面図である。領域A2は、有機デバイス100の領域A1に対応している。有機デバイス100の領域A1に位置する第2電極140の第1層140Aは、第1マスク50Aの領域A2の第1貫通孔53Aを通った蒸着材料によって形成される。
図9及び図12に示すように、第1マスク50Aは、マスク第1方向E1に並ぶ複数の第1貫通孔53Aと、第1遮蔽領域54Aとを含む。第1貫通孔53Aは、平面視において、マスク第1寸法ES11及びマスク第2寸法ES21を有する。マスク第1寸法ES11は、マスク第1方向E1における第1貫通孔53Aの寸法である。マスク第2寸法ES21は、マスク第2方向E2における第1貫通孔53Aの寸法である。第1貫通孔53Aは、平面視において、マスク第1方向E1に直交するマスク第2方向E2に延びていてもよい。例えば、マスク第2寸法ES21がマスク第1寸法ES11よりも大きくてもよい。第1遮蔽領域54Aは、マスク第1方向E1に並ぶ第1貫通孔53Aの間に位置している。
マスク第1寸法ES11に対するマスク第2寸法ES21の比であるES21/ES11は、例えば、2以上でもよく、3以上でもよく、5以上でもよい。ES21/ES11は、例えば、10以下でもよく、20以下でもよく、50以下でもよい。ES21/ES11の範囲は、2、3及び5からなる第1グループ、及び/又は、10、20及び50からなる第2グループによって定められてもよい。ES21/ES11の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。ES21/ES11の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。ES21/ES11の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、2以上50以下でもよく、2以上20以下でもよく、2以上10以下でもよく、2以上5以下でもよく、2以上3以下でもよく、3以上50以下でもよく、3以上20以下でもよく、3以上10以下でもよく、3以上5以下でもよく、5以上50以下でもよく、5以上20以下でもよく、5以上10以下でもよく、10以上50以下でもよく、10以上20以下でもよく、20以上50以下でもよい。
第1貫通孔53Aのマスク第1寸法ES11は、例えば、50μm以上でもよく、100μm以上でもよく、150μm以上でもよい。マスク第1寸法ES11は、例えば、200μm以下でもよく、300μm以下でもよく、500μm以下でもよい。マスク第1寸法ES11の範囲は、50μm、100μm及び150μmからなる第1グループ、及び/又は、200μm、300μm及び500μmからなる第2グループによって定められてもよい。マスク第1寸法ES11の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。マスク第1寸法ES11の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。マスク第1寸法ES11の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、50μm以上500μm以下でもよく、50μm以上300μm以下でもよく、50μm以上200μm以下でもよく、50μm以上150μm以下でもよく、50μm以上100μm以下でもよく、100μm以上500μm以下でもよく、100μm以上300μm以下でもよく、100μm以上200μm以下でもよく、100μm以上150μm以下でもよく、150μm以上500μm以下でもよく、150μm以上300μm以下でもよく、150μm以上200μm以下でもよく、200μm以上500μm以下でもよく、200μm以上300μm以下でもよく、300μm以上500μm以下でもよい。
図9に示すように、第1マスク50Aは、アライメントマークMAを有していてもよい。アライメントマークMAは、例えば第1マスク50Aのセル52Aの隅に形成されている。アライメントマークMAは、第1マスク50Aを用いて蒸着法によって基板110に第2電極140の第1層140Aを形成する工程において、基板110に対する第1マスク50Aの位置合わせのために利用されてもよい。
図13は、図12の第1マスク50Aにおいて符号B2が付された二点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す平面図である。領域B2は、有機デバイス100の領域B1に対応している。有機デバイス100の領域B1に位置する第2電極140の第1層140Aは、第1マスク50Aの領域B2の第1貫通孔53Aを通った蒸着材料によって形成される。
図13においては、第1マスク50Aと基板110とを組み合わせた場合の、平面視における有機層130の位置を点線で示している。図13に示す例において、マスク第1方向E1は上述の素子第1方向G1に平行であり、マスク第2方向E2は上述の素子第2方向G2に平行である。
図13に示すように、第1貫通孔53Aは、平面視において、マスク第2方向E2に沿って周期的に並ぶ有機層130に重なるようにマスク第2方向E2に延びている。第1遮蔽領域54Aは、平面視において、マスク第2方向E2に沿って周期的に並ぶ有機層130に重なる領域と、有機層130に重ならない領域と、を含む。有機層130に重ならない第1遮蔽領域54Aの領域は、マスク第1方向E1において、有機層130に重なる第1貫通孔53Aの間に位置する。
次に、第2マスク50Bについて詳細に説明する。図14は、図10の第2マスク50Bにおいて符号A2が付された二点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す平面図である。第1マスク50Aの場合と同様に、領域A2は、有機デバイス100の領域A1に対応している。有機デバイス100の領域A1に位置する第2電極140の第2層140Bは、第2マスク50Bの領域A2の第2貫通孔53Bを通った蒸着材料によって形成される。
図10及び図14に示すように、第2マスク50Bは、マスク第1方向E1に並ぶ複数の第2貫通孔53Bと、第2遮蔽領域54Bとを含む。第2貫通孔53Bは、平面視において、マスク第3寸法ES12及びマスク第4寸法ES22を有する。マスク第3寸法ES12は、マスク第1方向E1における第2貫通孔53Bの寸法である。マスク第4寸法ES22は、マスク第2方向E2における第2貫通孔53Bの寸法である。第2貫通孔53Bは、平面視において、マスク第1方向E1に直交するマスク第2方向E2に延びていてもよい。例えば、マスク第4寸法ES22がマスク第1寸法ES12よりも大きくてもよい。図10に示すように、第2遮蔽領域54Bは、マスク第1方向E1に並ぶ第2貫通孔53Bの間に位置する領域を含んでいてもよい。また、第2遮蔽領域54Bは、マスク第1方向E1に並ぶ複数の第2貫通孔53Bに接続されている拡張遮蔽領域54xを含んでいてもよい。拡張遮蔽領域54xは、マスク第2方向E2において第2貫通孔53Bの間に位置していてもよい。言い換えると、マスク第2方向E2に延びる第2貫通孔53Bを拡張遮蔽領域54xが分断していてもよい。
拡張遮蔽領域54xに接続されていない第2貫通孔53Bのマスク第4寸法ES22は、マスク第3寸法ES12よりも大きくてもよい。マスク第3寸法ES12に対するマスク第4寸法ES22の比であるES22/ES12の範囲としては、上述の第1貫通孔53AのES21/ES11の範囲を採用することができる。マスク第3寸法ES12の範囲としては、上述の第1貫通孔53Aのマスク第1寸法ES11の範囲を採用することができる。拡張遮蔽領域54xに接続されている第2貫通孔53Bは、上述のES22/ES12の範囲を満たしていなくてもよい。
図14において、符号ES13は、マスク第1方向E1における拡張遮蔽領域54xの最大の寸法を表す。符号ES23は、マスク第2方向E2における拡張遮蔽領域54xの最大の寸法を表す。寸法ES13を、拡張遮蔽第1寸法とも称する。寸法ES23を、拡張遮蔽第2寸法とも称する。拡張遮蔽第1寸法ES13及び拡張遮蔽第2寸法ES23は、素子第1方向G1及び素子第2方向G2における上述の第2表示領域102の寸法に相当する。
拡張遮蔽第1寸法ES13及び拡張遮蔽第2寸法ES23は、例えば、1mm以上でもよく、3mm以上でもよく、5mm以上でもよい。寸法ES13及び寸法ES23は、例えば、10mm以下でもよく、20mm以下でもよく、50mm以下でもよい。寸法ES13及び寸法ES23の範囲は、1mm、3mm及び5mmからなる第1グループ、及び/又は、10mm、20mm及び50mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法ES13及び寸法ES23の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法ES13及び寸法ES23の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法ES13及び寸法ES23の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、1mm以上50mm以下でもよく、1mm以上20mm以下でもよく、1mm以上10mm以下でもよく、1mm以上5mm以下でもよく、1mm以上3mm以下でもよく、3mm以上50mm以下でもよく、3mm以上20mm以下でもよく、3mm以上10mm以下でもよく、3mm以上5mm以下でもよく、5mm以上50mm以下でもよく、5mm以上20mm以下でもよく、5mm以上10mm以下でもよく、10mm以上50mm以下でもよく、10mm以上20mm以下でもよく、20mm以上50mm以下でもよい。
拡張遮蔽第1寸法ES13と拡張遮蔽第2寸法ES23とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。例えば、拡張遮蔽第1寸法ES13が拡張遮蔽第2寸法ES23よりも大きくてもよい。拡張遮蔽第1寸法ES13が拡張遮蔽第2寸法ES23よりも小さくてもよい。
第2貫通孔53Bのマスク第3寸法ES12に対する拡張遮蔽第1寸法ES13の比であるES13/ES12は、例えば、2以上でもよく、5以上でもよく、10以上でもよい。ES13/ES12は、例えば、20以下でもよく、50以下でもよく、100以下でもよい。ES13/ES12の範囲は、2、5及び10からなる第1グループ、及び/又は、20、50及び100からなる第2グループによって定められてもよい。ES13/ES12の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。ES13/ES12の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。ES13/ES12の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、2以上100以下でもよく、2以上50以下でもよく、2以上20以下でもよく、2以上10以下でもよく、2以上5以下でもよく、5以上100以下でもよく、5以上50以下でもよく、5以上20以下でもよく、5以上10以下でもよく、10以上100以下でもよく、10以上50以下でもよく、10以上20以下でもよく、20以上100以下でもよく、20以上50以下でもよく、50以上100以下でもよい。
図15は、図14の第2マスク50Bにおいて符号B2が付された二点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す平面図である。領域B2は、有機デバイス100の領域B1に対応している。有機デバイス100の領域B1に位置する第2電極140の第2層140Bは、第2マスク50Bの領域B2の第2貫通孔53Bを通った蒸着材料によって形成される。
図15においては、第2マスク50Bと基板110とを組み合わせた場合の、平面視における有機層130の位置を点線で示している。図15に示すように、第2貫通孔53Bは、平面視において、マスク第2方向E2に沿って周期的に並ぶ有機層130に重なる。第2遮蔽領域54Bは、平面視において、マスク第2方向E2に沿って周期的に並ぶ有機層130に重なる領域と、上述の拡張遮蔽領域54xと、を含む。拡張遮蔽領域54xは、平面視において、上述の間隔GG11、間隔GG12又は間隔GG13よりも大きい間隔でマスク第1方向E1に並ぶ有機層130に重なるようにマスク第1方向E1に広がっている。
次に、第1マスク50Aに対する第2マスク50Bの相対的な位置について説明する。図16は、図12の第1マスク50Aと、第1マスク50Aに重ねられた図14の第2マスク50Bとを備えるマスク積層体55を示す平面図である。図17は、図16において符号B2が付された二点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す平面図である。また、図17は、図13の第1マスク50Aと、第1マスク50Aに重ねられた図15の第2マスク50Bとを備えるマスク積層体55を示す平面図でもある。マスク積層体55においては、第1マスク50Aの第1アライメントマークMAと第2マスク50Bの第2アライメントマークMBとが重なるように第1マスク50Aと第2マスク50Bとが重ねられていてもよい。若しくは、第1マスク50Aの第1貫通孔53A又は第1遮蔽領域54Aの配置と、第2マスク50Bの第2貫通孔53B又は第2遮蔽領域54Bの配置とに基づいて、第1マスク50Aと第2マスク50Bとが重ねられていてもよい。例えば、マスク第1方向E1において第2貫通孔53Bが第1貫通孔53Aの間に位置するように、第1マスク50Aと第2マスク50Bとが重ねられていてもよい。これにより、図16及び図17に示す状態を実現できる。
第1マスク50Aと第2マスク50Bとを重ねる際、第1マスク50A及び第2マスク50Bには、マスクの長手方向であるフレーム第2方向D2に沿って張力が加えられていてもよく、張力が加えられていなくてもよい。
なお、複数のマスク50を重ねた状態の、図16及び図17のような図は、各マスク50の画像データを重ねることによって得られてもよい。例えば、まず、撮影装置を用いて、第1マスク50Aの第1貫通孔53Aの輪郭及び第2マスク50Bの第2貫通孔53Bの輪郭に関する画像データをそれぞれ取得する。続いて、画像処理装置を用いて、第1マスク50Aの画像データと第2マスク50Bの画像データとを重ねる。これにより、図16及び図17のような図を作製することができる。画像データを取得する際、第1マスク50A及び第2マスク50Bには、フレーム第2方向D2に沿って張力が加えられていてもよく、張力が加えられていなくてもよい。
図16及び図17においては、第1マスク50Aの第1貫通孔53Aが一点鎖線で示され、第2マスク50Bの第2貫通孔53Bが実線で示されている。また、第2マスク50Bの第2遮蔽領域54Bには斜線の網掛けが施されている。
まず、第2マスク50Bの第2貫通孔53Bと第1マスク50Aとの位置関係について説明する。図16及び図17に示すように、第2マスク50Bの第2貫通孔53Bは、第1マスク50Aの第1貫通孔53Aに部分的に重なっていてもよい。具体的には、マスク第1方向E1における第1貫通孔53Aの端部とマスク第1方向E1における第2貫通孔53Bの端部とが重なっていてもよい。第1貫通孔53Aと第2貫通孔53Bとが重なるマスク積層体55の領域を、貫通孔重なり領域56とも称する。貫通孔重なり領域56は、図16及び図17に示すように、マスク第1方向E1に沿って並んでいてもよい。また、貫通孔重なり領域56は、マスク第2方向E2に延びていてもよい。
図17に示すように、符号OS3は、マスク第1方向E1における貫通孔重なり領域56の寸法を表す。寸法OS3を、貫通第1寸法とも称する。貫通第1寸法OS3は、例えば、1μm以上でもよく、3μm以上でもよく、5μm以上でもよい。貫通第1寸法OS3は、例えば、10μm以下でもよく、20μm以下でもよく、50μm以下でもよい。貫通第1寸法OS3の範囲は、1μm、3μm及び5μmからなる第1グループ、及び/又は、10μm、20μm及び50μmからなる第2グループによって定められてもよい。貫通第1寸法OS3の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。貫通第1寸法OS3の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。貫通第1寸法OS3の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、1μm以上50μm以下でもよく、1μm以上20μm以下でもよく、1μm以上10μm以下でもよく、1μm以上5μm以下でもよく、1μm以上3μm以下でもよく、3μm以上50μm以下でもよく、3μm以上20μm以下でもよく、3μm以上10μm以下でもよく、3μm以上5μm以下でもよく、5μm以上50μm以下でもよく、5μm以上20μm以下でもよく、5μm以上10μm以下でもよく、10μm以上50μm以下でもよく、10μm以上20μm以下でもよく、20μm以上50μm以下でもよい。
貫通孔重なり領域56は、マスク第2方向E2において貫通第2寸法OS4を有する。貫通孔重なり領域56の貫通第2寸法OS4は、第2貫通孔53Bのマスク第4寸法ES22と同一であってもよい。すなわち、マスク第1方向E1における第2貫通孔53Bの端部が、マスク第2方向E2の全域にわたって第1貫通孔53Aに重なっていてもよい。貫通第2寸法OS4は、貫通第1寸法OS3よりも大きくてもよい。貫通第2寸法OS4は、貫通第1寸法OS3の寸法OS3の5倍以上であってもよく、10倍以上であってもよく、50倍以上であってもよく、100倍以上であってもよい。
図17において、符号OG3は、マスク第1方向E1において隣り合う2つの貫通孔重なり領域56の間の間隔を表す。好ましくは、マスク第1方向E1における貫通孔重なり領域56の間の間隔OG3は、素子第1方向G1における素子115の間の間隔である上述の素子第1間隔よりも大きい。
次に、第2マスク50Bの第2遮蔽領域54Bと第1マスク50Aとの位置関係について説明する。図16及び図17に示すように、第2遮蔽領域54Bは、マスク第1方向E1に並ぶ2以上の第1貫通孔53Aに重なるようにマスク第1方向E1に広がっていてもよい。
第2遮蔽領域54Bに重なっている第1貫通孔53Aの数は、例えば、2個以上でもよく、5個以上でもよく、10個以上でもよく、50個以上でもよい。第2遮蔽領域54Bに重なっている第1貫通孔53Aの数は、例えば、100個以下でもよく、200個以下でもよく、500個以下でもよく、1000個以下でもよい。第2遮蔽領域54Bに重なっている第1貫通孔53Aの数の範囲は、2個、5個、10個及び50個からなる第1グループ、及び/又は、100個、200個、500個及び1000個からなる第2グループによって定められてもよい。第2遮蔽領域54Bに重なっている第1貫通孔53Aの数の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。第2遮蔽領域54Bに重なっている第1貫通孔53Aの数の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。第2遮蔽領域54Bに重なっている第1貫通孔53Aの数の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、2個以上1000個以下でもよく、2個以上500個以下でもよく、2個以上200個以下でもよく、2個以上100個以下でもよく、2個以上50個以下でもよく、2個以上10個以下でもよく、2個以上5個以下でもよく、5個以上1000個以下でもよく、5個以上500個以下でもよく、5個以上200個以下でもよく、5個以上100個以下でもよく、5個以上50個以下でもよく、5個以上10個以下でもよく、10個以上1000個以下でもよく、10個以上500個以下でもよく、10個以上200個以下でもよく、10個以上100個以下でもよく、10個以上50個以下でもよく、50個以上1000個以下でもよく、50個以上500個以下でもよく、50個以上200個以下でもよく、50個以上100個以下でもよく、100個以上1000個以下でもよく、100個以上500個以下でもよく、100個以上200個以下でもよく、200個以上1000個以下でもよく、200個以上500個以下でもよく、500個以上1000個以下でもよい。
第2マスク50Bの第2遮蔽領域54Bは、第1マスク50Aの第1遮蔽領域54Aに重なっていてもよい。例えば、第2遮蔽領域54Bは、マスク第1方向E1に並ぶ2以上の第1遮蔽領域54Aに重なるようにマスク第1方向E1に広がっていてもよい。第1遮蔽領域54Aと第2遮蔽領域54Bとが重なるマスク積層体55の領域を、マスク重なり領域57とも称する。マスク重なり領域57は、図16及び図17に示すように、マスク第1方向E1に沿って並んでいてもよい。また、マスク重なり領域57は、マスク第2方向E2に延びていてもよい。
図16及び図17に示すように、マスク重なり領域57は、マスク第1方向E1における遮蔽第1寸法FS3と、マスク第2方向E2における遮蔽第2寸法FS4と、を有する。マスク重なり領域57の遮蔽第1寸法FS3は、素子115の上述の寸法GS1よりも大きくてもよい。
遮蔽第2寸法FS4は、遮蔽第1寸法FS3よりも大きくてもよい。遮蔽第1寸法FS3に対する遮蔽第2寸法FS4の比であるFS4/FS3は、例えば、2以上でもよく、3以上でもよく、5以上でもよい。FS4/FS3は、例えば、10以下でもよく、20以下でもよく、50以下でもよい。FS4/FS3の範囲は、2、3及び5からなる第1グループ、及び/又は、10、20及び50からなる第2グループによって定められてもよい。FS4/FS3の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。FS4/FS3の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。FS4/FS3の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、2以上50以下でもよく、2以上20以下でもよく、2以上10以下でもよく、2以上5以下でもよく、2以上3以下でもよく、3以上50以下でもよく、3以上20以下でもよく、3以上10以下でもよく、3以上5以下でもよく、5以上50以下でもよく、5以上20以下でもよく、5以上10以下でもよく、10以上50以下でもよく、10以上20以下でもよく、20以上50以下でもよい。
遮蔽第1寸法FS3は、例えば、100μm以上でもよく、150μm以上でもよく、200μm以上でもよい。遮蔽第1寸法FS3は、例えば、250μm以下でもよく、300μm以下でもよく、500μm以下でもよい。遮蔽第1寸法FS3の範囲は、100μm、150μm及び200μmからなる第1グループ、及び/又は、250μm、300μm及び500μmからなる第2グループによって定められてもよい。遮蔽第1寸法FS3の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。遮蔽第1寸法FS3の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。遮蔽第1寸法FS3の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、100μm以上500μm以下でもよく、100μm以上300μm以下でもよく、100μm以上250μm以下でもよく、100μm以上200μm以下でもよく、100μm以上150μm以下でもよく、150μm以上500μm以下でもよく、150μm以上300μm以下でもよく、150μm以上250μm以下でもよく、150μm以上200μm以下でもよく、200μm以上500μm以下でもよく、200μm以上300μm以下でもよく、200μm以上250μm以下でもよく、250μm以上500μm以下でもよく、250μm以上300μm以下でもよく、300μm以上500μm以下でもよい。
ES11、ES21、ES12、ES22、ES13、ES23、FS3、FS4、OS3、OG3などの、マスク50又はマスク積層体55の各構成要素の寸法、間隔などは、走査型電子顕微鏡を用いてマスク50又はマスク積層体55の断面の画像を観察することによって測定することができる。
次に、有機デバイス100を製造する方法の一例について、図3、図4、図18及び図19を参照して説明する。図3、図4、図18及び図19に示されている範囲はいずれも、図2の有機デバイス100において符号B1が付された二点鎖線で囲まれた領域に相当する。
まず、図18に示すように、第1電極120が形成されている基板110を準備する。第1電極120は、例えば、第1電極120を構成する導電層をスパッタリング法などによって基板110に形成した後、フォトリソグラフィー法などによって導電層をパターニングすることによって形成される。図示はしないが、平面視において隣り合う2つの第1電極120の間に位置する絶縁層160が基板110に形成されていてもよい。
続いて、図4に示すように、第1有機層130A、第2有機層130B及び第3有機層130Cを含む有機層130を第1電極120上に形成する。第1有機層130Aは、例えば、第1有機層130Aに対応する貫通孔を有するマスクを用いる蒸着法によって形成されてもよい。例えば、マスクを介して第1有機層130Aに対応する第1電極120上に有機材料などを蒸着させることにより、第1有機層130Aを形成することができる。第2有機層130Bも、第2有機層130Bに対応する貫通孔を有するマスクを用いる蒸着法によって形成されてもよい。第3有機層130Cも、第3有機層130Cに対応する貫通孔を有するマスクを用いる蒸着法によって形成されてもよい。
続いて、有機層130上に上述のマスク群を用いて第2電極140を形成する第2電極形成工程を実施してもよい。まず、図19に示すように、第1マスク50Aを用いる蒸着法によって第2電極140の第1層140Aを形成する工程を実施してもよい。例えば、第1マスク50Aを介して金属などの導電性材料などを有機層130などの上に蒸着させることにより、第1層140Aを形成することができる。続いて、第2マスク50Bを用いる蒸着法によって第2電極140の第2層140Bを形成する工程を実施してもよい。例えば、第2マスク50Bを介して金属などの導電性材料などを有機層130などの上に蒸着させることにより、第2層140Bを形成することができる。このようにして、図3に示すように、第1層140A及び第2層140Bを含む第2電極140を形成することができる。
なお、第1層140A及び第2層140Bを形成する順序は特には限定されない。例えば、第2層140Bを形成した後に第1層140Aを形成してもよい。
第1マスク50A及び第2マスク50Bを備えるマスク群を用いて第2電極140を形成することによって実現されることができる効果を説明する。
互いに重ねられた第1マスク50A及び第2マスク50Bを含むマスク積層体55において、第2マスク50Bの第2貫通孔53Bは、第1マスク50Aの第1貫通孔53Aに部分的に重なっている。このため、第1貫通孔53Aに対応して形成される第2電極140の第1層140Aと、第2貫通孔53Bに対応して形成される第2電極140の第2層140Bとが、部分的に重なることができる。これにより、第1層140Aと第2層140Bとを電気的に接続することができる。また、平面視において第1層140A及び第2層140Bを含む電極重なり領域145は、その他の第2電極140に比べて、低い電気抵抗を有することができる。これにより、第2電極140全体の電気抵抗を低減することができる。また、図3に示すように複数の電極重なり領域145が基板110の面内方向に並ぶことにより、第2電極140の電気抵抗が局所的に高くなることを抑制できる。
また、第2マスク50Bの第2遮蔽領域54Bは拡張遮蔽領域54xを含んでいる。拡張遮蔽領域54xは、マスク積層体55において、第1マスク50Aの複数の第1貫通孔53Aに重なるように広がっている。これにより、第2マスク50Bの拡張遮蔽領域54xが、第1マスク50Aの第1遮蔽領域54Aに重なることができる。拡張遮蔽領域54xと第1遮蔽領域54Aとが重なるマスク重なり領域57においては第2電極140が形成されない。これにより、有機デバイス100が、第2電極140を含まない透過領域104を備えることができる。このため、有機デバイス100に到達した光が透過領域104を透過して基板110の裏側の光学部品に到達することができる。また、第1貫通孔53Aと拡張遮蔽領域54xとが重なる領域においては、第2電極140の第1層140Aを含む素子115を形成することができる。このため、透過領域104を備える上述の第2表示領域102に映像を表示することができる。
また、2枚のマスクを含むマスク群を用いて第2電極140を形成することにより、3枚のマスクを含むマスク群を用いて第2電極140を形成する場合に比べて、第2電極140の位置精度を高めることができる。
また、マスク群の各マスク50A,50Bは、マスク第2方向E2に延びる貫通孔53を含んでいる。マスク第2方向E2が、マスク50に加えられる張力の方向であるフレーム第2方向D2に平行である場合、貫通孔53が延びる方向が、張力の方向に一致することができる。これにより、マスク50に張力を加えることによってマスク50の貫通孔53が変形することを抑制できる。
好ましくは、上述のとおり、第1貫通孔53Aのマスク第1寸法ES11及び第2貫通孔53Bのマスク第2寸法ES21が、素子115の寸法GS1よりも大きい。これにより、上述の特許文献1のようにマスクの貫通孔が画素と同等の配列や寸法を有する場合に比べて、第2電極140の寸法を大きくできる。このため、第2電極140の電気抵抗を低減し易い。
また、貫通孔53の寸法を大きくすることにより、マスク第1方向E1における第1マスク50Aの第1遮蔽領域54Aの寸法及び第2マスク50Bの第2遮蔽領域54Bの寸法を同様に大きくすることができる。このため、上述の特許文献1のようにマスクの貫通孔が画素と同等の配列や寸法を有する場合に比べて、マスク50の強度を高くすることができる。また、磁石5を用いる場合にマスク50に生じる磁力を高くすることができるので、マスク50を基板110の側により強く引き寄せることができる。
次に、マスク群を用いて有機デバイス100の第2電極140を形成するその他の例について、図20~図24を参照して説明する。図20~図24に示す実施の形態において、図1~図19に示す実施の形態と同様に構成される部分については、図1~図19に示す実施の形態と同一の符号を用いて、重複する説明を省略する場合がある。
図20は、有機デバイス100の第1表示領域101及び第2表示領域102を拡大して示す平面図である。図20に示す有機デバイス100の範囲は、上述の図3と同様に、図2の有機デバイス100において符号B1が付された二点鎖線で囲まれた領域に対応している。図21は、図20の有機デバイス100から第2電極140を取り除いた状態を示す平面図である。
図21に示すように、第1表示領域101及び第2表示領域102は、素子第2方向G2に並ぶ第1素子115Aの列と、素子第2方向G2に並ぶ第2素子115Bの列と、素子第2方向G2に並ぶ第3素子115Cの列と、を含んでいてもよい。第1表示領域101は、素子第1方向G1において順に並ぶ第1素子115A、第2素子115B及び第3素子115Cの行を含んでいてもよい。
図20及び図21に示す例においても、第1表示領域101の第2電極140は、素子第2方向G2に延びる第1層140A及び第2層140Bを含んでいてもよい。第1表示領域101において、素子第1方向G1における第1層140Aの端部と第2層140Bの端部とが部分的に重なっていてもよい。複数の電極重なり領域145が基板110の面内方向に並ぶことにより、第2電極140の電気抵抗が局所的に高くなることを抑制できる。
図20及び図21に示す例においても、第2表示領域102は、第1層140Aを含む素子115を備える標準領域103と、第2電極140を含まない透過領域104と、を含んでいてもよい。これにより、第2表示領域102は、例えば、光を検出するとともに映像を表示することができる。
図22は、図20に示す第1層140Aを形成するために用いられる第1マスク50Aを示す平面図である。図22に示す第1マスク50Aの範囲は、上述の図13と同様に、図12の第1マスク50Aにおいて符号B2が付された二点鎖線で囲まれた領域に対応している。
図22に示すように、第1貫通孔53Aは、平面視において、マスク第2方向E2に沿って周期的に並ぶ有機層130に重なるようにマスク第2方向E2に延びている。第1遮蔽領域54Aは、平面視において、マスク第2方向E2に沿って周期的に並ぶ有機層130に重なる領域と、有機層130に重ならない領域と、を含む。有機層130に重ならない第1遮蔽領域54Aの領域は、マスク第1方向E1において、有機層130に重なる第1貫通孔53Aの間に位置する。
図23は、図20に示す第2層140Bを形成するために用いられる第2マスク50Bを示す平面図である。図23に示す第2マスク50Bの範囲は、上述の図15と同様に、図14の第2マスク50Bにおいて符号B2が付された二点鎖線で囲まれた領域に対応している。
図23に示すように、第2貫通孔53Bは、平面視において、マスク第2方向E2に沿って周期的に並ぶ有機層130に重なる。第2遮蔽領域54Bは、平面視において、マスク第2方向E2に沿って周期的に並ぶ有機層130に重なる領域と、拡張遮蔽領域54xと、を含む。拡張遮蔽領域54xは、平面視において、上述の間隔GG11、間隔GG12又は間隔GG13よりも大きい間隔でマスク第1方向E1に並ぶ有機層130に重なるようにマスク第1方向E1に広がっている。
図24は、図22の第1マスク50Aと、第1マスク50Aに重ねられた図23の第2マスク50Bとを備えるマスク積層体55を示す平面図である。図24においては、上述の図16及び図17と同様に、第1マスク50Aの第1貫通孔53Aが一点鎖線で示され、第2マスク50Bの第2貫通孔53Bが実線で示されている。また、第2マスク50Bの第2遮蔽領域54Bには斜線の網掛けが施されている。第2マスク50Bの第2貫通孔53Bは、第1マスク50Aの第1貫通孔53Aに部分的に重なっていてもよい。これにより、第1層140Aと第2層140Bとが部分的に重なることができる。貫通孔重なり領域56は、マスク第1方向E1に沿って並んでいてもよい。また、貫通孔重なり領域56は、マスク第2方向E2に延びていてもよい。
図24に示すように、第2遮蔽領域54Bは、マスク第1方向E1に並ぶ2以上の第1貫通孔53Aに重なるようにマスク第1方向E1に広がっていてもよい。これにより、第2マスク50Bの拡張遮蔽領域54xが、第1マスク50Aの第1遮蔽領域54Aに重なることができる。このため、有機デバイス100が、第2電極140を含まない透過領域104を備えることができる。また、第1貫通孔53Aと拡張遮蔽領域54xとが重なる領域においては、第2電極140の第1層140Aを含む素子115を形成することができる。このため、透過領域104を備える上述の第2表示領域102に映像を表示することができる。
次に、マスク群を用いて有機デバイス100の第2電極140を形成するその他の例について、図25~図29を参照して説明する。図25~図29に示す実施の形態において、図1~図19に示す実施の形態と同様に構成される部分については、図1~図19に示す実施の形態と同一の符号を用いて、重複する説明を省略する場合がある。
図25は、有機デバイス100の第1表示領域101及び第2表示領域102を拡大して示す平面図である。図25に示す有機デバイス100の範囲は、上述の図3と同様に、図2の有機デバイス100において符号B1が付された二点鎖線で囲まれた領域に対応している。図26は、図25の有機デバイス100から第2電極140を取り除いた状態を示す平面図である。
図26に示すように、第1表示領域101及び第2表示領域102は、素子第2方向G2に沿って交互に並ぶ第1素子115A及び第2素子115Bの列と、素子第2方向G2に沿って並ぶ第3素子115Cの列と、を含んでいてもよい。素子第2方向G2における第3素子115Cの位置は、第1素子115A又は第2素子115Bの位置に対して、素子第1方向G1における素子115の周期S15の半分の距離でずれていてもよい。また、第1表示領域101は、素子第1方向G1に沿って交互に並ぶ第1素子115A及び第2素子115Bの列と、素子第1方向G1に沿って並ぶ第3素子115Cの列と、を含んでいてもよい。素子第1方向G1における第3素子115Cの位置は、第1素子115A又は第2素子115Bの位置に対して、素子第2方向G2における素子115の周期S25の半分の距離でずれていてもよい。1つの素子115は、1つの第1素子115A、1つの第2素子115B及び2つの第3素子115Cを含んでいてもよい。
図25及び図26に示す例においても、第1表示領域101の第2電極140は、素子第2方向G2に延びる第1層140A及び第2層140Bを含んでいてもよい。第1表示領域101において、素子第1方向G1における第1層140Aの端部と第2層140Bの端部とが部分的に重なっていてもよい。複数の電極重なり領域145が基板110の面内方向に並ぶことにより、第2電極140の電気抵抗が局所的に高くなることを抑制できる。
図25及び図26に示す例においても、第2表示領域102は、第1層140Aを含む素子115を備える標準領域103と、第2電極140を含まない透過領域104と、を含んでいてもよい。これにより、第2表示領域102は、例えば、光を検出するとともに映像を表示することができる。
図27は、図25に示す第1層140Aを形成するために用いられる第1マスク50Aを示す平面図である。図27に示す第1マスク50Aの範囲は、上述の図13と同様に、図12の第1マスク50Aにおいて符号B2が付された二点鎖線で囲まれた領域に対応している。
図27に示すように、第1貫通孔53Aは、平面視において、マスク第2方向E2に沿って周期的に並ぶ有機層130に重なるようにマスク第2方向E2に延びている。第1遮蔽領域54Aは、平面視において、マスク第2方向E2に沿って周期的に並ぶ有機層130に重なる領域と、有機層130に重ならない領域と、を含む。有機層130に重ならない第1遮蔽領域54Aの領域は、マスク第1方向E1において、有機層130に重なる第1貫通孔53Aの間に位置する。
図28は、図25に示す第2層140Bを形成するために用いられる第2マスク50Bを示す平面図である。図28に示す第2マスク50Bの範囲は、上述の図15と同様に、図14の第2マスク50Bにおいて符号B2が付された二点鎖線で囲まれた領域に対応している。
図28に示すように、第2貫通孔53Bは、平面視において、マスク第2方向E2に沿って周期的に並ぶ有機層130に重なる。第2遮蔽領域54Bは、平面視において、マスク第2方向E2に沿って周期的に並ぶ有機層130に重なる領域と、拡張遮蔽領域54xと、を含む。拡張遮蔽領域54xは、平面視において、マスク第1方向E1に並ぶ有機層130に重なるようにマスク第1方向E1に広がっている。
図29は、図27の第1マスク50Aと、第1マスク50Aに重ねられた図28の第2マスク50Bとを備えるマスク積層体55を示す平面図である。図29においては、上述の図16及び図17と同様に、第1マスク50Aの第1貫通孔53Aが一点鎖線で示され、第2マスク50Bの第2貫通孔53Bが実線で示されている。また、第2マスク50Bの第2遮蔽領域54Bには斜線の網掛けが施されている。第2マスク50Bの第2貫通孔53Bは、第1マスク50Aの第1貫通孔53Aに部分的に重なっていてもよい。これにより、第1層140Aと第2層140Bとが部分的に重なることができる。貫通孔重なり領域56は、マスク第1方向E1に沿って並んでいてもよい。また、貫通孔重なり領域56は、マスク第2方向E2に延びていてもよい。
図29に示すように、第2遮蔽領域54Bは、マスク第1方向E1に並ぶ2以上の第1貫通孔53Aに重なるようにマスク第1方向E1に広がっていてもよい。これにより、第2マスク50Bの拡張遮蔽領域54xが、第1マスク50Aの第1遮蔽領域54Aに重なることができる。このため、有機デバイス100が、第2電極140を含まない透過領域104を備えることができる。また、第1貫通孔53Aと拡張遮蔽領域54xとが重なる領域においては、第2電極140の第1層140Aを含む素子115を形成することができる。このため、透過領域104を備える上述の第2表示領域102に映像を表示することができる。
図30は、有機デバイス100の一変形例を示す平面図である。上述の実施の形態においては、素子第1方向G1に並ぶ電極重なり領域145の間の間隔OG1が、素子第1方向G1における素子115の寸法GS1にほぼ等しい例を示した。しかしながら、間隔OG1が上述の素子第1間隔よりも大きい限りにおいて、間隔OG1は任意である。例えば図30に示すように、間隔OG1は、素子115の寸法GS1に比べて、素子第1方向G1における1つのサブピクセルの寸法の分だけ大きくてもよい。
図30は、有機デバイス100の一変形例を示す平面図である。図31に示すように、第1表示領域101から第2表示領域102へ連続的に延びる第1層140Aは、第2表示領域102において、有機層130と重ならない領域を含んでいてもよい。
次に、マスク群を用いて有機デバイス100の第2電極140を形成するその他の例について、図32~図40を参照して説明する。図32~図40に示す実施の形態において、図1~図19に示す実施の形態と同様に構成される部分については、図1~図19に示す実施の形態と同一の符号を用いて、重複する説明を省略する場合がある。
図32は、有機デバイス100の第1表示領域101及び第2表示領域102を示す平面図である。図32に示す有機デバイス100の範囲は、上述の図2と同様に、図1の有機デバイス100において符号A1が付された二点鎖線で囲まれた領域に対応している。
第1表示領域101は、素子第1方向G1に沿って交互に並ぶ第1の列146A及び第2の列146Bを含む。第1の列146A及び第2の列146Bはいずれも、素子第2基本周期S21で素子第2方向G2に並ぶ素子115を含む。素子115の第2電極140は、第1層140A又は第2層140Bである。具体的には、第1の列146Aは、素子第2方向G2に沿って素子第2基本周期S21で交互に並ぶ第1層140A及び第2層140Bを含む。同様に、第2の列146Bも、素子第2方向G2に沿って素子第2基本周期S21で交互に並ぶ第1層140A及び第2層140Bを含む。素子第2方向G2における第2の列146Bの第1層140Aの位置は、第1の列146Aの第1層140Aの位置に対して、素子第2基本周期S21の距離でずれている。同様に、素子第2方向G2における第2の列146Bの第2層140Bの位置は、第1の列146Aの第2層140Bの位置に対して、素子第2基本周期S21の距離でずれていてもよい。
図32に示す第1層140A及び第2層140Bの配列はそれぞれ、千鳥配列と表現することもできる。第2層140Bは、素子第1方向G1に並ぶ2つの第1層140Aの間に位置している。また、第2層140Bは、素子第2方向G2に並ぶ2つの第1層140Aの間に位置している。
図33は、図32の有機デバイス100において符号B1が付された二点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す平面図である。図32及び図33に示すように、第2表示領域102は、素子第1方向G1に沿って交互に並ぶ第1の列147A及び第2の列147Bを含む。第1の列147Aは、素子第2基本周期S21で素子第2方向G2に並ぶ素子115を含む。言い換えると、第1の列147Aは、素子第2基本周期S21で素子第2方向G2に並ぶ標準領域103を含む。第1の列147Aは、素子第2方向G2に沿って素子第2基本周期S21で交互に並ぶ第1層140A及び第2層140Bを含んでいてもよい。第1表示領域101の第1の列146Aと第2表示領域102の第1の列147Aとが素子第2方向G2において並んでいてもよい。
一方、第2表示領域102の第2の列147Bは、素子第2方向G2に沿って素子第2基本周期S21で交互に並ぶ第1層140A及び透過領域104を含む。言い換えると、第2の列147Bは、素子第2方向G2に沿って素子第2基本周期S21で交互に並ぶ標準領域103及び透過領域104を含む。透過領域104は、素子115を含んでいない。例えば、透過領域104は、第2電極140を含んでいない。図32に示すように、透過領域104は、素子第1拡張周期S12で素子第1方向G1に並んでいてもよい。第2層140B、すなわち標準領域103も、透過領域104と同様に、素子第1拡張周期S12で素子第1方向G1に並んでいてもよい。素子第1拡張周期S12は、素子第1基本周期S11の2倍であってもよい。また、透過領域104は、素子第2拡張周期S22で素子第2方向G2に並んでいてもよい。第2層140Bも透過領域104と同様に、素子第2拡張周期S22で素子第2方向G2に並んでいてもよい。素子第2拡張周期S22は、素子第2基本周期S21の2倍であってもよい。
第2表示領域102が標準領域103及び透過領域104を含むことにより、第2表示領域102は、例えば、光を検出するとともに映像を表示することができる。
図34は、図33の有機デバイス100から第2電極を取り除いた状態を示す平面図である。図34に示す例において、第1表示領域101における第1素子115A、第2素子115B及び第3素子115Cの配列は、上述の図4に示す配列と同一である。図示はしないが、図32~図40に示す例において、第1素子115A、第2素子115B及び第3素子115Cのその他の配列が採用されてもよい。例えば、図21に示す配列、図26に示す配列などを採用してもよい。
図33及び図34に示すように、透過領域104の透過第1寸法FS1は、素子115の寸法GS1よりも大きくてもよい。透過第1寸法FS1は、素子第1間隔よりも大きくてもよい。素子第1間隔は、間隔GG11、間隔GG12及び間隔GG13の中で最も小さい間隔である。同様に、透過領域104の透過第2寸法FS2は、素子115の寸法GS1よりも大きくてもよい。
透過第1寸法FS1に対する透過第2寸法FS2の比であるFS2/FS1は、例えば、0.5以上でもよく、0.7以上でもよく、0.9以上でもよい。FS2/FS1は、例えば、1.1以下でもよく、1.3以下でもよく、1.5以下でもよい。FS2/FS1の範囲は、0.5、0.7及び0.9からなる第1グループ、及び/又は、1.1、1.3及び1.5からなる第2グループによって定められてもよい。FS2/FS1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。FS2/FS1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。FS2/FS1の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、0.5以上1.5以下でもよく、0.5以上1.3以下でもよく、0.5以上1.1以下でもよく、0.5以上0.9以下でもよく、0.5以上0.7以下でもよく、0.7以上1.5以下でもよく、0.7以上1.3以下でもよく、0.7以上1.1以下でもよく、0.7以上0.9以下でもよく、0.9以上1.5以下でもよく、0.9以上1.3以下でもよく、0.9以上1.1以下でもよく、1.1以上1.5以下でもよく、1.1以上1.3以下でもよく、1.3以上1.5以下でもよい。
図33に示すように、第2層140Bは、素子第1方向G1及び素子第2方向G2において第1層140Aに隣接していてもよい。素子第1方向G1における第1層140Aの端部と第2層140Bの端部とが部分的に重なっていてもよい。また、素子第2方向G2における第1層140Aの端部と第2層140Bの端部とが部分的に重なっていてもよい。この場合、電極重なり領域145は、素子第1方向G1に並ぶ第1電極重なり領域145Aと、素子第2方向G2に並ぶ第2電極重なり領域145Bと、を含んでいてもよい。第1電極重なり領域145Aは、素子第1方向G1における第1層140Aと第2層140Bとの間の境界に位置し、素子第2方向G2に延びていてもよい。第2電極重なり領域145Bは、素子第2方向G2における第1層140Aと第2層140Bとの間の境界に位置し、素子第1方向G1に延びていてもよい。
電極重なり領域145が素子第1方向G1及び素子第2方向G2に並ぶことにより、第2電極140の電気抵抗が局所的に高くなることを抑制できる。
素子第1方向G1における電極重なり領域145の間の間隔OG1は、上述の素子第1間隔よりも大きくてもよい。同様に、素子第2方向G2における電極重なり領域145の間の間隔OG2は、上述の素子第1間隔よりも大きくてもよい。
素子第1方向G1における電極重なり領域145の寸法OS1は、上述の実施の形態の場合と同様に、例えば、1μm以上でもよく、3μm以上でもよく、5μm以上でもよい。寸法OS1は、例えば、10μm以下でもよく、20μm以下でもよく、50μm以下でもよい。寸法OS1の範囲は、1μm、3μm及び5μmからなる第1グループ、及び/又は、10μm、20μm及び50μmからなる第2グループによって定められてもよい。
素子第2方向G2における電極重なり領域145の寸法OS2は、寸法OS1と同様に、例えば、1μm以上でもよく、3μm以上でもよく、5μm以上でもよい。寸法OS2は、例えば、10μm以下でもよく、20μm以下でもよく、50μm以下でもよい。寸法OS2の範囲は、1μm、3μm及び5μmからなる第1グループ、及び/又は、10μm、20μm及び50μmからなる第2グループによって定められてもよい。
図35は、図32に示す有機デバイス100の第1層140Aを形成するために用いられる第1マスク50Aを示す平面図である。第1マスク50Aは、マスク第1方向E1に沿って交互に並ぶ第1の列58A及び第2の列58Bを含む。第1の列58A及び第2の列58Bはいずれも、貫通孔第2拡張周期S24でマスク第2方向E2に並ぶ第1貫通孔53Aを含む。マスク第2方向E2における第2の列58Bの第1貫通孔53Aの位置は、第1の列58Aの第1貫通孔53Aの位置に対して、貫通孔第2拡張周期S24の半分の距離でずれていてもよい。
図35に示す第1貫通孔53Aの配列は、千鳥配列と表現することもできる。第1貫通孔53Aは、マスク第1方向E1において貫通孔第1拡張周期S14で並び、マスク第2方向E2において貫通孔第2拡張周期S24で並んでいる。第1貫通孔53Aの間には第1遮蔽領域54Aが存在している。
マスク第1寸法ES11は、上述の実施の形態の場合と同様に、例えば、50μm以上でもよく、100μm以上でもよく、150μm以上でもよい。マスク第1寸法ES11は、例えば、200μm以下でもよく、300μm以下でもよく、500μm以下でもよい。マスク第1寸法ES11の範囲は、50μm、100μm及び150μmからなる第1グループ、及び/又は、200μm、300μm及び500μmからなる第2グループによって定められてもよい。
マスク第2寸法ES21は、マスク第1寸法ES11と同一であってもよく、異なっていてもよい。例えば、マスク第2寸法ES21がマスク第1寸法ES11よりも大きくてもよい。マスク第2寸法ES21がマスク第1寸法ES11よりも小さくてもよい。
マスク第1寸法ES11に対するマスク第2寸法ES21の比であるES21/ES11は、例えば、0.5以上でもよく、0.7以上でもよく、0.9以上でもよい。ES21/ES11は、例えば、1.1以下でもよく、1.3以下でもよく、1.5以下でもよい。ES21/ES11の範囲は、0.5、0.7及び0.9からなる第1グループ、及び/又は、1.1、1.3及び1.5からなる第2グループによって定められてもよい。ES21/ES11の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。ES21/ES11の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。ES21/ES11の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、0.5以上1.5以下でもよく、0.5以上1.3以下でもよく、0.5以上1.1以下でもよく、0.5以上0.9以下でもよく、0.5以上0.7以下でもよく、0.7以上1.5以下でもよく、0.7以上1.3以下でもよく、0.7以上1.1以下でもよく、0.7以上0.9以下でもよく、0.9以上1.5以下でもよく、0.9以上1.3以下でもよく、0.9以上1.1以下でもよく、1.1以上1.5以下でもよく、1.1以上1.3以下でもよく、1.3以上1.5以下でもよい。
図36は、図35の第1マスク50Aにおいて符号B2が付された二点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す平面図である。領域B2は、図33に示す有機デバイス100に対応している。図33に示す有機デバイス100の第2電極140の第1層140Aは、図36の第1マスク50Aの第1貫通孔53Aを通った蒸着材料によって形成される。
第1遮蔽領域54Aは、平面視において、有機層130に重なる領域と、有機層130に重ならない領域と、を含む。第1遮蔽領域54Aは、マスク第1方向E1及びマスク第2方向E2に対して傾斜した方向において隣り合う2つの領域を連結する連結領域54cを含んでいてもよい。連結領域54cの幅は任意である。第1貫通孔53Aの形状を調整することにより、連結領域54cの幅を調整することができる。
図37は、図32に示す有機デバイス100の第2層140Bを形成するために用いられる第2マスク50Bを示す平面図である。第2マスク50Bは、第1マスク50Aと同様に、マスク第1方向E1に沿って交互に並ぶ第1の列59A及び第2の列59Bを含む。第1の列58A及び第2の列58Bはいずれも、貫通孔第2拡張周期S24でマスク第2方向E2に並ぶ第2貫通孔53Bを含む。マスク第2方向E2における第2の列59Bの第2貫通孔53Bの位置は、第1の列59Aの第2貫通孔53Bの位置に対して、貫通孔第2拡張周期S24の半分の距離でずれていてもよい。第2貫通孔53Bの間には第2遮蔽領域54Bが存在している。
第2遮蔽領域54Bは、マスク第1方向E1及びマスク第2方向E2に並ぶ複数の第2貫通孔53Bに接続されている拡張遮蔽領域54xを含んでいてもよい。例えば、拡張遮蔽領域54xは、貫通孔第1拡張周期S14でマスク第1方向E1に並ぶ複数の第2貫通孔53Bを含む第1の行及び第2の行の間で、素子第1方向G1に広がっていてもよい。また、拡張遮蔽領域54xは、貫通孔第2拡張周期S24でマスク第2方向E2に並ぶ複数の第2貫通孔53Bを含む第2の列及び第2の列の間で、マスク第2方向E2に広がっていてもよい。
第2貫通孔53Bのマスク第3寸法ES12の範囲としては、上述の第1貫通孔53Aのマスク第1寸法ES11の範囲を採用することができる。マスク第3寸法ES12に対する、第2貫通孔53Bのマスク第4寸法ES22の比であるES22/ES12の範囲としては、上述の第1貫通孔53AのES21/ES11の範囲を採用することができる。
図37において、符号ES13は、上述の実施の形態の場合と同様に、マスク第1方向E1における拡張遮蔽領域54xの最大の寸法である拡張遮蔽第1寸法を表す。符号ES23は、マスク第2方向E2における拡張遮蔽領域54xの最大の寸法である拡張遮蔽第2寸法を表す。上述の実施の形態の場合と同様に、拡張遮蔽領域54xの範囲内における第2貫通孔53Bの分布密度は、第2マスク50Bのその他の領域における第2貫通孔53Bの分布密度よりも小さい。
拡張遮蔽領域54xの拡張遮蔽第1寸法ES13及び拡張遮蔽第2寸法ES23は、上述の実施の形態の場合と同様に、例えば、1mm以上でもよく、3mm以上でもよく、5mm以上でもよい。寸法ES13及び寸法ES23は、例えば、10mm以下でもよく、20mm以下でもよく、50mm以下でもよい。寸法ES13及び寸法ES23の範囲は、1mm、3mm及び5mmからなる第1グループ、及び/又は、10mm、20mm及び50mmからなる第2グループによって定められてもよい。ES13/ES12は、上述の実施の形態の場合と同様に、例えば、2以上でもよく、5以上でもよく、10以上でもよい。ES13/ES12は、例えば、20以下でもよく、50以下でもよく、100以下でもよい。ES13/ES12の範囲は、2、5及び10からなる第1グループ、及び/又は、20、50及び100からなる第2グループによって定められてもよい。
図38は、図37の第2マスク50Bにおいて符号B2が付された二点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す平面図である。領域B2は、図33に示す有機デバイス100に対応している。図33に示す有機デバイス100の第2電極140の第2層140Bは、図38の第2マスク50Bの第2貫通孔53Bを通った蒸着材料によって形成される。
第2遮蔽領域54Bは、平面視において、有機層130に重なる領域と、有機層130に重ならない領域と、を含む。有機層130に重ならない第2遮蔽領域54Bの領域は、マスク第1方向E1及びマスク第2方向E2において、有機層130に重なる第2遮蔽領域54Bの領域の間に位置していてもよい。
図39は、図35の第1マスク50Aと、第1マスク50Aに重ねられた図37の第2マスク50Bとを備えるマスク積層体55を示す平面図である。図40は、図39において符号B2が付された二点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す平面図である。また、図40は、図36の第1マスク50Aと、第1マスク50Aに重ねられた図38の第2マスク50Bとを備えるマスク積層体55を示す平面図でもある。図39及び図40においては、上述の図16及び図17と同様に、第1マスク50Aの第1貫通孔53Aが一点鎖線で示され、第2マスク50Bの第2貫通孔53Bが実線で示されている。また、第2マスク50Bの第2遮蔽領域54Bには斜線の網掛けが施されている。
マスク積層体55においては、第1マスク50Aの第1アライメントマークMAと第2マスク50Bの第2アライメントマークMBとが重なるように第1マスク50Aと第2マスク50Bとが重ねられていてもよい。若しくは、第1マスク50Aの第1貫通孔53A又は第1遮蔽領域54Aの配置と、第2マスク50Bの第2貫通孔53B又は第2遮蔽領域54Bの配置とに基づいて、第1マスク50Aと第2マスク50Bとが重ねられていてもよい。例えば、マスク第1方向E1及びマスク第2方向E2において第2貫通孔53Bが第1貫通孔53Aの間に位置するように、第1マスク50Aと第2マスク50Bとが重ねられていてもよい。これにより、図39及び図40に示す状態を実現できる。
図39に示すように、マスク積層体55は、マスク第1方向E1に沿って貫通孔第1基本周期S13で交互に並ぶ第1貫通孔53A及び第2貫通孔53Bを含んでいてもよい。貫通孔第1基本周期S13は、貫通孔第1拡張周期S14の半分であってもよい。また、マスク積層体55は、マスク第2方向E2に沿って貫通孔第2基本周期S23で交互に並ぶ第1貫通孔53A及び第2貫通孔53Bを含んでいてもよい。貫通孔第2基本周期S23は、貫通孔第2拡張周期S24の半分であってもよい。
図39に示すように、第2マスク50Bの拡張遮蔽領域54xを含む領域においては、マスク第1方向E1に沿って貫通孔第1拡張周期S14で第1貫通孔53Aが並んでいてもよい。同様に、第2マスク50Bの拡張遮蔽領域54xを含む領域においては、マスク第2方向E2に沿って貫通孔第2拡張周期S24で第1貫通孔53Aが並んでいてもよい。
図39及び図40に示すように、第2マスク50Bの第2貫通孔53Bは、第1マスク50Aの第1貫通孔53Aに部分的に重なっていてもよい。具体的には、マスク第1方向E1における第1マスク50Aの端部とマスク第1方向E1における第2貫通孔53Bの端部とが重なっていてもよい。また、マスク第2方向E2における第1マスク50Aの端部とマスク第2方向E2における第2貫通孔53Bの端部とが重なっていてもよい。この場合、貫通孔重なり領域56は、マスク第1方向E1に並ぶ第1貫通孔重なり領域56Aと、マスク第2方向E2に並ぶ第2貫通孔重なり領域56Bと、を含んでいてもよい。第1貫通孔重なり領域56Aは、マスク第1方向E1における第1貫通孔53Aと第2貫通孔53Bとの間の境界に位置し、マスク第2方向E2に延びていてもよい。第2貫通孔重なり領域56Bは、マスク第2方向E2における第1貫通孔53Aと第2貫通孔53Bとの間の境界に位置し、マスク第1方向E1に延びていてもよい。
第1貫通孔重なり領域56Aの貫通第1寸法OS3は、上述の実施の形態の場合と同様に、例えば、1μm以上でもよく、3μm以上でもよく、5μm以上でもよい。貫通第1寸法OS3は、例えば、10μm以下でもよく、20μm以下でもよく、50μm以下でもよい。貫通第1寸法OS3の範囲は、1μm、3μm及び5μmからなる第1グループ、及び/又は、10μm、20μm及び50μmからなる第2グループによって定められてもよい。
第2貫通孔重なり領域56Bの貫通第2寸法OS4の範囲としては、上述の貫通第1寸法OS3の範囲を採用することができる。
マスク第1方向E1における第1貫通孔重なり領域56Aの間の間隔OG3は、上述の素子第1間隔よりも大きくてもよい。また、マスク第2方向E2における第2貫通孔重なり領域56Bの間の間隔OG4は、上述の素子第1間隔よりも大きくてもよい。
図39及び図40に示すように、第2遮蔽領域54Bは、マスク第1方向E1に並ぶ2以上の第1貫通孔53Aに重なるようにマスク第1方向E1に広がっていてもよい。また、第2遮蔽領域54Bは、マスク第2方向E2に並ぶ2以上の第1貫通孔53Aに重なるようにマスク第2方向E2に広がっていてもよい。
第2遮蔽領域54Bに重なっている第1貫通孔53Aの数は、例えば、4個以上でもよく、10個以上でもよく、50個以上でもよく、100個以上でもよい。第2遮蔽領域54Bに重なっている第1貫通孔53Aの数は、例えば、200個以下でもよく、500個以下でもよく、1000個以下でもよく、2000個以下でもよい。第2遮蔽領域54Bに重なっている第1貫通孔53Aの数の範囲は、4個、10個、50個及び100個からなる第1グループ、及び/又は、200個、500個、1000個及び2000個からなる第2グループによって定められてもよい。第2遮蔽領域54Bに重なっている第1貫通孔53Aの数の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。第2遮蔽領域54Bに重なっている第1貫通孔53Aの数の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。第2遮蔽領域54Bに重なっている第1貫通孔53Aの数の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、4個以上2000個以下でもよく、4個以上1000個以下でもよく、4個以上500個以下でもよく、4個以上200個以下でもよく、4個以上100個以下でもよく、4個以上50個以下でもよく、4個以上10個以下でもよく、10個以上2000個以下でもよく、10個以上1000個以下でもよく、10個以上500個以下でもよく、10個以上200個以下でもよく、10個以上100個以下でもよく、10個以上50個以下でもよく、50個以上2000個以下でもよく、50個以上1000個以下でもよく、50個以上500個以下でもよく、50個以上200個以下でもよく、50個以上100個以下でもよく、100個以上2000個以下でもよく、100個以上1000個以下でもよく、100個以上500個以下でもよく、100個以上200個以下でもよく、200個以上2000個以下でもよく、200個以上1000個以下でもよく、200個以上500個以下でもよく、500個以上2000個以下でもよく、500個以上1000個以下でもよく、1000個以上2000個以下でもよい。
第2マスク50Bの第2遮蔽領域54Bは、第1マスク50Aの第1遮蔽領域54Aに重なっていてもよい。第1遮蔽領域54Aと第2遮蔽領域54Bとが重なるマスク重なり領域57は、図39及び図40に示すように、マスク第1方向E1及びマスク第2方向E2に沿って並んでいてもよい。
図32~図40に示す形態においても、上述の実施の形態の場合と同様に、第2マスク50Bの第2貫通孔53Bは、第1マスク50Aの第1貫通孔53Aに部分的に重なっている。このため、第1貫通孔53Aに対応して形成される第2電極140の第1層140Aと、第2貫通孔53Bに対応して形成される第2電極140の第2層140Bとが、部分的に重なることができる。これにより、第1層140Aと第2層140Bとを電気的に接続することができる。また、平面視において第1層140A及び第2層140Bを含む電極重なり領域145は、その他の第2電極140に比べて、低い電気抵抗を有することができる。これにより、第2電極140全体の電気抵抗を低減することができる。また、電極重なり領域145が素子第1方向G1及び素子第2方向G2に並ぶことにより、第2電極140の電気抵抗が局所的に高くなることを抑制できる。
また、第2マスク50Bの第2遮蔽領域54Bは拡張遮蔽領域54xを含んでいる。拡張遮蔽領域54xは、マスク積層体55において、第1マスク50Aの複数の第1貫通孔53Aに重なるように広がっている。これにより、第2マスク50Bの拡張遮蔽領域54xが、第1マスク50Aの第1遮蔽領域54Aに重なることができる。このため、有機デバイス100が、第2電極140を含まない透過領域104を備えることができる。これにより、有機デバイス100に到達した光が透過領域104を透過して基板110の裏側の光学部品に到達することができる。また、第1貫通孔53Aと拡張遮蔽領域54xとが重なる領域においては、第2電極140の第1層140Aを含む素子115を形成することができる。このため、透過領域104を備える第2表示領域102に映像を表示することができる。
図6においては、第2表示領域102の透過領域104が、第1電極120、有機層130、第2電極140などの素子115の構成要素を含まない例を示した。しかしながら、透過領域104の透過率が標準領域103の透過率よりも高い限りにおいて、透過領域104の構成は任意である。例えば図41に示すように、透過領域104は、第1電極120を含んでいてもよい。また、図42に示すように、透過領域104は、絶縁層160を含んでいてもよい。また、図43に示すように、透過領域104は、第1電極120及び絶縁層160を含んでいてもよい。また、図44に示すように、透過領域104は、標準領域103の絶縁層160の一部を含んでいなくてもよい。
上述の各実施の形態においては、第2表示領域102が、第1表示領域101の素子115と同一の構成の素子115を部分的に含む例を示した。例えば、第1表示領域101における第1素子115A、第2素子115B及び第3素子115Cの配列が、第2表示領域102の一部にまで連続的に続いている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、第2表示領域102が、第1表示領域101の素子115と同一の構成の素子115を含んでいなくてもよい。

Claims (12)

  1. マスク第1方向と、マスク第1方向に直交するマスク第2方向とを有するマスク群であって、
    マスク第1方向に並ぶ第1貫通孔と、第1遮蔽領域とを含む第1マスクと、
    前記マスク第1方向に並ぶ第2貫通孔と、第2遮蔽領域とを含む第2マスクと、を備え、
    前記第1マスクと前記第2マスクとを重ね合わせた場合、前記第2貫通孔は、前記第1貫通孔に部分的に重なり、且つ、前記第2遮蔽領域は、前記マスク第1方向に並ぶ2以上の前記第1貫通孔に重なるように前記マスク第1方向に広がる拡張遮蔽領域を含む、マスク群。
  2. 前記第1貫通孔は、前記マスク第1方向におけるマスク第1寸法を有し、
    前記マスク第1寸法は、50μm以上である、請求項1に記載のマスク群。
  3. 前記第1貫通孔は、前記マスク第2方向におけるマスク第2寸法を有し、
    前記マスク第2寸法は、前記マスク第1寸法よりも大きい、請求項に記載のマスク群。
  4. 前記マスク第1寸法に対する前記マスク第2寸法の比は、2以上である、請求項3に記載のマスク群。
  5. 前記第2貫通孔は、前記マスク第1方向におけるマスク第3寸法を有し、
    前記マスク第3寸法は50μm以上である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のマスク群。
  6. 前記第2貫通孔は、前記マスク第2方向におけるマスク第4寸法を有し、
    前記マスク第4寸法は、前記マスク第3寸法よりも大きい、請求項に記載のマスク群。
  7. 前記マスク第3寸法に対する前記マスク第4寸法の比は、2以上である、請求項6に記載のマスク群。
  8. 前記第1マスク及び前記第2マスクを重ねた状態の図は、前記第1遮蔽領域と前記第2遮蔽領域とが重なるマスク重なり領域を含み、
    前記マスク重なり領域は、前記マスク第1方向に並び、
    前記マスク重なり領域は、前記マスク第1方向における遮蔽第1寸法と、前記マスク第2方向における遮蔽第2寸法と、を有し、
    前記遮蔽第2寸法は、前記遮蔽第1寸法よりも大きい、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のマスク群。
  9. 前記第1マスク及び前記第2マスクを重ねた状態の前記図は、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが重なる貫通孔重なり領域を含み、
    前記貫通孔重なり領域は、前記マスク第1方向に並び、
    前記貫通孔重なり領域は、前記マスク第1方向における貫通第1寸法と、前記マスク第2方向における貫通第2寸法と、を有し、
    前記貫通第2寸法は、前記貫通第1寸法の5倍以上である、
    請求項8に記載のマスク群。
  10. 前記第1マスク及び前記第2マスクを重ねた状態の図は、前記第1遮蔽領域と前記第2遮蔽領域とが重なるマスク重なり領域を含み、
    前記マスク重なり領域は、前記マスク第1方向に並び、且つ前記マスク第2方向に並ぶ、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のマスク群。
  11. 前記第1マスク及び前記第2マスクを重ねた状態の前記図は、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが重なる貫通孔重なり領域を含み、
    前記貫通孔重なり領域は、前記マスク第1方向に並び、且つ前記マスク第2方向に並ぶ、請求項10に記載のマスク群。
  12. 有機デバイスの製造方法であって、
    基板上の第1電極上の有機層上に、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のマスク群を用いて第2電極を形成する第2電極形成工程を備え、
    前記第2電極形成工程は、
    前記第1マスクを用いる蒸着法によって前記第2電極の第1層を形成する工程と、
    前記第2マスクを用いる蒸着法によって前記第2電極の第2層を形成する工程と、を備える、有機デバイスの製造方法。
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