JP7463225B2 - 太陽電池 - Google Patents

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Description

本発明は、高い耐久性と光電変換効率とを両立できる太陽電池に関する。
従来から、対向する電極間にN型半導体層とP型半導体層とを配置した積層体(光電変換層)を備えた太陽電池が開発されている。このような太陽電池では、光励起により光キャリア(電子-ホール対)が生成し、電子がN型半導体を、ホールがP型半導体を移動することで、電界が生じる。
現在、実用化されている太陽電池の多くは、シリコン等の無機半導体を用いて製造される無機太陽電池である。しかしながら、無機太陽電池は製造にコストがかかるうえ大型化が困難であり、利用範囲が限られてしまうことから、無機半導体の代わりに有機半導体を用いて製造される有機太陽電池(例えば、特許文献1、2)や、有機半導体と無機半導体とを組み合わせた有機無機太陽電池が注目されている。
有機太陽電池や有機無機太陽電池においては、ほとんどの場合フラーレンが用いられている。フラーレンは、主にN型半導体として働くことが知られている。例えば、特許文献3には、P型半導体となる有機化合物とフラーレン類とを用いて形成された半導体ヘテロ接合膜が記載されている。しかしながら、フラーレンを用いて製造される有機太陽電池や有機無機太陽電池において、その劣化の原因はフラーレンであることが知られており(例えば、非特許文献1)、フラーレンに代わる材料が求められている。
そこで近年、有機無機ハイブリッド半導体と呼ばれる、中心金属に鉛、スズ等を用いたペロブスカイト構造を有する光電変換材料が発見され、高い光電変換効率を有することが示された(例えば、非特許文献2)。
特開2006-344794号公報 特許第4120362号公報 特開2006-344794号公報
Reese et al.,Adv.Funct.Mater.,20,3476-3483(2010) M.M.Lee et al.,Science,338,643-647(2012)
このようなペロブスカイト構造を有する光電変換材料を用いた太陽電池は、光電変換効率の向上を目的として光電変換層やホール輸送層等に添加剤が添加されている。しかしながら、従来の添加剤は、光電変換効率を向上させる効果が高いものは熱や光に対する耐久性が低く、また、逆に耐久性が高いものは光電変換効率の向上効果が低いものが多いため、光電変換効率と耐久性を高いレベルで両立することは困難であった。
本発明は、高い耐久性と光電変換効率とを両立できる太陽電池を提供することを目的とする。
本発明は、陰極、光電変換層、ホール輸送層、中間層及び陽極をこの順番に有する太陽電池であって、前記光電変換層は、AMX(但し、Aは有機塩基化合物及び/又はアルカリ金属、Mは鉛又はスズ原子、Xはハロゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含有し、前記中間層は、有機アミン塩を含有し、前記中間層は、前記有機アミン塩の溶液又は分散液を前記ホール輸送層上に0.01mg/cm以上0.40mg/cm以下塗布、乾燥させることによってなり、前記陽極は、モリブデンを含有する太陽電池である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ホール輸送層と陽極との間に有機アミン塩からなる中間層を設け、更に、陽極にモリブデンを含有させることで、高い光電変換効率と耐久性とを両立できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の太陽電池は、陰極、光電変換層、ホール輸送層、中間層及び陽極をこの順に有する。
本明細書中、層とは、明確な境界を有する層だけではなく、含有元素が徐々に変化する濃度勾配のある層をも意味する。なお、層の元素分析は、例えば、太陽電池の断面のFE-TEM/EDS線分析測定を行い、特定元素の元素分布を確認する等によって行うことができる。また、本明細書中、層とは、平坦な薄膜状の層だけではなく、他の層と一緒になって複雑に入り組んだ構造を形成しうる層をも意味する。
上記陰極の材料は特に限定されず、例えば、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、ITO(スズドープ酸化インジウム)、ナトリウム、ナトリウム-カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム-銀混合物、マグネシウム-インジウム混合物、アルミニウム-リチウム合金、Al/Al混合物、Al/LiF混合物等が挙げられる。これらの材料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記陰極の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は10nm、好ましい上限は1000nmである。上記厚みが10nm以上であれば、上記陰極を電極として機能させたうえで抵抗を抑えることができる。上記厚みが1000nm以下であれば、光の透過性をより向上させることができる。上記陰極の厚みのより好ましい下限は50nm、より好ましい上限は500nmである。
上記光電変換層は、一般式AMX(但し、Aは有機塩基化合物及び/又はアルカリ金属、Mは鉛又はスズ原子、Xはハロゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含有する。上記光電変換層が上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む太陽電池は、有機無機ハイブリッド型太陽電池とも呼ばれる。
上記光電変換層に上記有機無機ペロブスカイト化合物を用いることにより、太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。
上記Aは有機塩基化合物及び/又はアルカリ金属である。
上記有機塩基化合物は、具体的には例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、エチルメチルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチルアミン、メチルペンチルアミン、ヘキシルメチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、ホルムアミジン、アセトアミジン、グアニジン、イミダゾール、アゾール、ピロール、アジリジン、アジリン、アゼチジン、アゼト、アゾール、イミダゾリン、カルバゾール及びこれらのイオン(例えば、メチルアンモニウム(CHNH)等)やフェネチルアンモニウム等が挙げられる。なかでも、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ホルムアミジン、アセトアミジン及びこれらのイオンやフェネチルアンモニウムが好ましく、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ホルムアミジン及びこれらのイオンがより好ましい。
上記アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等が挙げられる。
上記Mは金属原子であり鉛又はスズ原子である。これらの金属原子は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記Xはハロゲン原子であり、ハロゲン原子としては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、硫黄、セレン等が挙げられる。これらのハロゲン原子は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。構造中にハロゲンを含有することで、上記有機無機ペロブスカイト化合物が有機溶媒に可溶になり、安価な印刷法等への適用が可能になる。なかでも、上記有機無機ペロブスカイト化合物のエネルギーバンドギャップが狭くなることから、Xはヨウ素であることが好ましい。
上記有機無機ペロブスカイト化合物は、体心に金属原子M、各頂点に有機塩基化合物及び/又はアルカリ金属A、面心にハロゲン原子Xが配置された立方晶系の構造を有することが好ましい。
図1は、体心に金属原子M、各頂点に有機塩基化合物及び/又はアルカリ金属A、面心にハロゲン原子Xが配置された立方晶系の構造である、有機無機ペロブスカイト化合物の結晶構造の一例を示す模式図である。詳細は明らかではないが、上記構造を有することにより、結晶格子内の八面体の向きが容易に変わることができるため、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上すると推定される。
上記有機無機ペロブスカイト化合物は、結晶性半導体であることが好ましい。結晶性半導体とは、X線散乱強度分布を測定し、散乱ピークが検出できる半導体を意味している。上記有機無機ペロブスカイト化合物が結晶性半導体であることにより、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上する。
また、結晶化の指標として結晶化度を評価することもできる。結晶化度は、X線散乱強度分布測定により検出された結晶質由来の散乱ピークと非晶質部由来のハローとをフィッティングにより分離し、それぞれの強度積分を求めて、全体のうちの結晶部分の比を算出することにより求めることができる。
上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度の好ましい下限は30%である。結晶化度が30%以上であると、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上する。結晶化度のより好ましい下限は50%、更に好ましい下限は70%である。
また、上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度を上げる方法として、例えば、熱アニール、レーザー等の強度の強い光の照射、プラズマ照射等が挙げられる。
上記光電変換層は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物に加えて、更に、有機半導体又は無機半導体を含んでいてもよい。なお、ここでいう有機半導体又は無機半導体は、ホール輸送層、又は、電子輸送層としての役割を果たしてもよい。
上記有機半導体として、例えば、ポリ(3-アルキルチオフェン)等のチオフェン骨格を有する化合物等が挙げられる。また、例えば、ポリパラフェニレンビニレン骨格、ポリビニルカルバゾール骨格、ポリアニリン骨格、ポリアセチレン骨格等を有する導電性高分子等も挙げられる。更に、例えば、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ペンタセン骨格、ベンゾポルフィリン骨格等のポルフィリン骨格、スピロビフルオレン骨格等を有する化合物や、表面修飾されていてもよいカーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン等のカーボン含有材料も挙げられる。
上記無機半導体として、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛、CuSCN、CuO、CuI、MoO、V、WO、MoS、MoSe、CuS等が挙げられる。
上記光電変換層は、上記有機無機ペロブスカイト化合物と上記有機半導体又は上記無機半導体とを含む場合、薄膜状の有機半導体又は無機半導体部位と薄膜状の有機無機ペロブスカイト化合物部位とを積層した積層体であってもよいし、有機半導体又は無機半導体部位と有機無機ペロブスカイト化合物部位とを複合化した複合膜であってもよい。製法が簡便である点では積層体が好ましく、上記有機半導体又は上記無機半導体中の電荷分離効率を向上させることができる点では複合膜が好ましい。
上記薄膜状の有機無機ペロブスカイト化合物部位の厚みは、好ましい下限が5nm、好ましい上限が5000nmである。上記厚みが5nm以上であれば、充分に光を吸収することができるようになり、光電変換効率が高くなる。上記厚みが5000nm以下であれば、電荷分離できない領域が発生することを抑制できるため、光電変換効率の向上につながる。上記厚みのより好ましい下限は10nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は20nm、更に好ましい上限は500nmである。
上記光電変換層が、有機半導体又は無機半導体部位と有機無機ペロブスカイト化合物部位とを複合化した複合膜である場合、上記複合膜の厚みの好ましい下限は30nm、好ましい上限は3000nmである。上記厚みが30nm以上であれば、充分に光を吸収することができるようになり、光電変換効率が高くなる。上記厚みが3000nm以下であれば、電荷が電極に到達しやすくなるため、光電変換効率が高くなる。上記厚みのより好ましい下限は40nm、より好ましい上限は2000nmであり、更に好ましい下限は50nm、更に好ましい上限は1000nmである。
上記光電変換層を形成する方法は特に限定されず、真空蒸着法、スパッタリング法、気相反応法(CVD)、電気化学沈積法、印刷法等が挙げられる。なかでも、印刷法を採用することで、高い光電変換効率を発揮できる太陽電池を大面積で簡易に形成することができる。印刷法として、例えば、スピンコート法、キャスト法等が挙げられ、印刷法を用いた方法としてロールtoロール法等が挙げられる。
本発明の太陽電池は、上記陰極と上記光電変換層との間に、電子輸送層を有していてもよい。
上記電子輸送層の材料は特に限定されず、例えば、N型導電性高分子、N型低分子有機半導体、N型金属酸化物、N型金属硫化物、ハロゲン化アルカリ金属、アルカリ金属、界面活性剤等が挙げられ、具体的には例えば、シアノ基含有ポリフェニレンビニレン、ホウ素含有ポリマー、バソキュプロイン、バソフェナントレン、ヒドロキシキノリナトアルミニウム、オキサジアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、ナフタレンテトラカルボン酸化合物、ペリレン誘導体、ホスフィンオキサイド化合物、ホスフィンスルフィド化合物、フルオロ基含有フタロシアニン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛等が挙げられる。
上記電子輸送層は、薄膜状の電子輸送層のみからなっていてもよいが、多孔質状の電子輸送層を含むことが好ましい。特に、光電変換層が、有機半導体又は無機半導体部位と有機無機ペロブスカイト化合物部位とを複合化した複合膜である場合、より複雑な複合膜(より複雑に入り組んだ構造)が得られ、光電変換効率が高くなることから、多孔質状の電子輸送層上に複合膜が製膜されていることが好ましい。
上記電子輸送層の厚みは、好ましい下限が1nm、好ましい上限が2000nmである。上記厚みが1nm以上であれば、充分にホールをブロックできるようになる。上記厚みが2000nm以下であれば、電子輸送の際の抵抗になり難く、光電変換効率が高くなる。上記電子輸送層の厚みのより好ましい下限は3nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は5nm、更に好ましい上限は500nmである。
上記ホール輸送層の材料は特に限定されず、上記ホール輸送層が有機材料からなっていてもよい。上記ホール輸送層の材料として、例えば、P型導電性高分子、P型低分子有機半導体、P型金属酸化物、P型金属硫化物、界面活性剤等が挙げられ、具体的には例えば、ポリ(3-アルキルチオフェン)等のチオフェン骨格を有する化合物等が挙げられる。また、例えば、トリフェニルアミン骨格、ポリパラフェニレンビニレン骨格、ポリビニルカルバゾール骨格、ポリアニリン骨格、ポリアセチレン骨格等を有する導電性高分子等も挙げられる。更に、例えば、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ペンタセン骨格、ベンゾポルフィリン骨格等のポルフィリン骨格、スピロビフルオレン骨格等を有する化合物、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化銅、硫化スズ等、フルオロ基含有ホスホン酸、カルボニル基含有ホスホン酸、CuSCN、CuI等の銅化合物等が挙げられる。
上記中間層は、有機アミン塩を含有する。
ホール輸送層と陽極との間に有機アミン塩からなる中間層を設け、かつ、陽極を後述するモリブデンを含有するものとすることで、高い光電変換効率と耐久性とを両立することができる。上記有機アミン塩は特に限定されないが、光電変換効率を向上させる効果が高いことから、有機アミン塩を構成する有機アミンは1級アミン又は4級アミンを含むことが好ましい。なお上記有機アミン塩は、1種類のみを用いてもよく、複数種類を組み合わせて用いてもよい。
上記有機アミンの具体的な例としては、例えば、ベンジルアミン、フェネチルアミン、オクチルアミン、ベンジルトリブチルアンモニウム等が挙げられる。なかでも、光電変換効率を向上させる効果が高いことから、上記有機アミン塩は、ベンジルアミン、フェネチルアミン、オクチルアミン及びベンジルトリブチルアンモニウムからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
上記有機アミン塩の上記有機アミンと対になる分子については特に限定されないが、例えば、上記有機アミンが1級アミンの場合、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、塩化水素酸等が挙げられる。上記有機アミンが4級アミンの場合、ヨウ素アニオン、臭素アニオン、塩素アニオン等が挙げられる。なかでも、光電変換効率を向上させる効果が高いことから、上記有機アミンが1級アミンの場合はヨウ化水素酸が好ましく、上記有機アミンが4級アミンの場合はヨウ素アニオンが好ましい。
上記中間層は上記有機アミン塩の溶液又は分散液を上記ホール輸送層上に0.01mg/cm以上0.40mg/cm以下塗布、乾燥させることによってなる。
有機アミン塩の溶液又は分散液を上記範囲の量塗布、乾燥させることによって中間層を形成することで、光電変換効率を向上させることができる。なお、上記方法で形成された中間層は極めて薄いことから、中間層をその構造又は特性により直接特定することが不可能であるか、又はおよそ実際的でないため、製造方法によって中間層を定義することは許容されるべきである。
上記有機アミン塩の溶液又は分散液の溶媒は、有機アミン塩を溶かすことができる又は完全に溶かすることができなくとも懸濁液中で有機アミン塩を充分に分散することができれば特に限定されない。なかでも、有機アミン塩を溶かしやすいことから、上記溶媒はアルコール系の有機溶媒が好ましい。
より光電変換効率を向上できることから、上記有機アミン塩溶液の塗布量は0.05mg/cm以上であることが好ましく、0.07mg/cm以上であることがより好ましく、0.38mg/cm以下であることが好ましく、0.35mg/cm以下であることがより好ましい。
上記有機アミン塩溶液又は分散液中の上記有機アミン塩の含有量は、特に限定されないが、より光電変換効率を向上できることから、0.10重量%以上であることが好ましく、0.15重量%以上であることがより好ましく、0.20重量%以上であることが更に好ましい。また、上記有機アミン塩溶液又は分散液中の上記有機アミン塩の含有量は、0.60重量%以下であることが好ましく、0.55重量%以下であることがより好ましく、0.50重量%以下であることが更に好ましい。
上記陽極はモリブデンを含有する。
上記中間層に加えて陽極にモリブデンを含有する材料を用いることで、高い光電変換効率と耐久性とを両立することができる。上記陽極はモリブデンの含有量が50重量%以上であることが好ましい。陽極のモリブデンの含有量が50重量%以上であることで、光電変換効率と耐久性とをより高めることができる。陽極中のモリブデンの含有量の上限は特に限定されず、100重量%であってもよい。
上記陽極の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は10nm、好ましい上限は1000nmである。上記厚みが10nm以上であれば、上記陽極を電極として機能させたうえで抵抗を抑えることができる。上記厚みが1000nm以下であれば、光の透過性をより向上させることができる。上記陽極の厚みのより好ましい下限は20nm、より好ましい上限は100nmである。
本発明の太陽電池は、更に、基板等を有していてもよい。上記基板は特に限定されず、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等の透明ガラス基板、セラミック基板、透明プラスチック基板等が挙げられる。
本発明の太陽電池を製造する方法は特に限定されず、例えば、上記基板上に上記陰極、上記電子輸送層、上記光電変換層、上記ホール輸送層、上記中間層及び上記陽極をこの順で形成する方法等が挙げられる。
本発明によれば、高い耐久性と光電変換効率とを両立できる太陽電池を提供することができる。
有機無機ペロブスカイト化合物の結晶構造の一例を示す模式図である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
ガラス基板上に、陰極として厚み200nmのITO膜を形成し、純水、アセトン、メタノールをこの順に用いて各10分間超音波洗浄した後、乾燥させた。
ITO膜の表面上に、スパッタリングにより厚み20nmの薄膜状の電子輸送層を形成した。更に、薄膜状の電子輸送層上に、酸化チタン(平均粒子径10nmと30nmとの混合物)とを含有する酸化チタンペーストをスピンコート法により塗布後、乾燥し、厚み100nmの多孔質状の電子輸送層を形成した。
次いで、ハロゲン化金属化合物としてヨウ化鉛をN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)とジメチルスルホキシド(DMSO)の混合溶媒に溶解させて1Mの溶液を調製し、多孔質状の電子輸送層上にスピンコート法によって製膜した。更に、アミン化合物としてヨウ化メチルアンモニウムを2-プロパノールに溶解させて8重量%の溶液を調製した。この溶液を上記のヨウ化鉛上にスピンコート法により塗布し、150℃で10分間アニール処理をすることよって、厚み700nmの有機無機ペロブスカイト化合物であるCHNHPbIを含む層を形成した。
次いで、光電変換層上にSpiro-OMETAD(メルク社製)2重量%を含有するクロロベンゼン溶液をスピンコート法により塗布後、乾燥させることにより、厚み80nmのホール輸送層を形成した。
次いで、エタノールにベンジルアミンヨウ化水素酸塩(表中ではBzNHI、1級アミン塩)を濃度が0.45重量%となるように加えて有機アミン塩溶液を調製した。ホール輸送層上に得られた有機アミン塩溶液をスピンコート法により0.10mg/cmの塗布量となるように塗布後、乾燥させることによりベンジルアミンヨウ化水素酸塩からなる中間層を形成した。
得られた中間層上に、スパッタリングにより陽極として厚み30nmのモリブデン膜を形成し、陰極/電子輸送層/光電変換層/ホール輸送層/中間層/陽極が積層された太陽電池を得た。
(実施例2~10、比較例1~8)
陽極の種類、中間層の種類、溶液濃度及び塗布量を表1、2の通りとした以外は実施例1と同様にして太陽電池を得た。なお、表中の中間層の種類は以下の通りである。
PEAI:フェネチルアミンヨウ化水素酸塩、1級アミン塩
OAI:オクチルアミンヨウ化水素酸塩、1級アミン塩
BzTB:ベンジルトリブチルアンモニウムヨージド、4級アミン塩
<評価>
実施例及び比較例で得られた太陽電池について、以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
(1)光電変換効率の評価
太陽電池の製造直後、太陽電池の電極間に電源(KEITHLEY社製、236モデル)を接続し、強度100mW/cmのソーラーシミュレーション(山下電装社製)を用いて光電変換効率を測定し、得られた光電変換効率を初期変換効率とした。実施例4より得られた太陽電池の初期変換効率を基準として規格化し、下記基準で評価した。
◎:規格化した初期変換効率の値が85%以上
〇:規格化した初期変換効率の値が60%以上85%未満
△:規格化した初期変換効率の値が40%以上60%未満
×:規格化した初期変換効率の値が40%未満
(2)耐光性の評価
スガ試験機社製のスーパーキセノンウェザーメーターSX75を用いて、キセノンランプを500時間照射した後の太陽電池の変換効率(照射後変換効率)を測定した。得られた照射後変換効率を初期変換効率と下記基準で比較し、耐光性を評価した。
◎:照射後変換効率が初期変換効率の85%以上
〇:照射後変換効率が初期変換効率の60%以上85%未満
△:照射後変換効率が初期変換効率の40%以上60%未満
×:照射後変換効率が初期変換効率の40%未満
(3)耐熱性の評価
ヤマト科学社製のイナートオーブン(DN611I)を用いて、太陽電池を80℃で500時間加熱した。加熱後の太陽電池の変換効率(加熱後変換効率)を測定し、初期変換効率と下記基準で比較することにより耐熱性を評価した。
◎:加熱後変換効率が初期変換効率の85%以上
〇:加熱後変換効率が初期変換効率の60%以上85%未満
△:加熱後変換効率が初期変換効率の40%以上60%未満
×:加熱後変換効率が初期変換効率の40%未満
Figure 0007463225000001
Figure 0007463225000002
本発明によれば、高い耐久性と光電変換効率とを両立できる太陽電池を提供することができる。

Claims (3)

  1. 陰極、光電変換層、ホール輸送層、中間層及び陽極をこの順番に有する太陽電池であって、
    前記光電変換層は、AMX(但し、Aは有機塩基化合物及び/又はアルカリ金属、Mは鉛又はスズ原子、Xはハロゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含有し、
    前記中間層は、有機アミン塩を含有し、
    前記中間層は、前記有機アミン塩の溶液又は分散液を前記ホール輸送層上に0.01mg/cm以上0.40mg/cm以下塗布、乾燥させることによってなり、
    前記有機アミン塩の溶液又は分散液中の前記有機アミン塩の含有量が0.10重量%以上0.60重量%以下であり、
    前記陽極は、モリブデンを含有する
    ことを特徴とする太陽電池。
  2. 前記有機アミン塩を構成する有機アミンは、1級アミン又は4級アミンを含むことを特徴とする請求項1記載の太陽電池。
  3. 前記有機アミンは、ベンジルアミン、フェネチルアミン、オクチルアミン及びベンジルトリブチルアンモニウムからなる群より選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項1又は2記載の太陽電池。
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