以下、図面を参照しながら、治療選択支援装置の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る治療選択支援システムS1の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、治療選択支援システムS1は、治療選択支援装置100と、電子カルテ保管装置400とを含む。治療選択支援装置100は、院内LAN(Local Area Network)等のネットワーク300を介して電子カルテ保管装置400と接続している。
電子カルテ保管装置400は、例えば、病院等で導入されている電子カルテシステムの一部として設置され、電子カルテシステムによって生成された診療データを保管する。電子カルテ保管装置400は、例えば、DB(Database)サーバ等のコンピュータ機器によって実現され、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等の記憶回路にバイタルデータを記憶させる。
治療選択支援装置100は、例えば、病院等の医療機関に設置されたサーバ装置またはPC(Personal Computer)であり、NW(network)インタフェース110と、記憶回路120と、入力インタフェース130と、ディスプレイ140と、処理回路150とを有する。
NWインタフェース110は、処理回路150に接続されており、治療選択支援装置100と電子カルテ保管装置400との間で行われる各種データの伝送および通信を制御する。NWインタフェース110は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
記憶回路120は、処理回路150で使用される各種の情報を予め記憶する。本実施形態においては、記憶回路120は、治療対象患者リストと、診療記録データベース(DB)と、重症度分類ガイドラインとを記憶する。また、記憶回路120は、各種のプログラムを記憶する。
治療対象患者リストは、治療選択支援装置100が設置された医療機関で治療を受けている患者に関する情報の一覧である。
図2は、本実施形態に係る治療対象患者リスト1201の一例を示す図である。図2に示すように、治療対象患者リスト1201は、例えば、患者ID(患者の識別情報)、年齢、性別、および病名が対応付けられている。治療対象患者リスト1201に含まれる病名は、例えば、図2に示すように患者の主病名であるが、さらに副病名も対応付けられても良い。
主病名は、入院患者においては入院の理由となった病名、外来患者においては主として治療または検査をした病名とする。副病名は、主病名以外に、患者が罹患している病名とする。
診療記録データベースは、過去に複数の患者が受けた1または複数の検査および治療に関する記録が登録されたデータベースである。診療記録データベースに登録された複数の患者は、本実施形態における過去に1または複数の治療を受けた複数の患者の一例である。また、診療記録データベースに登録された複数の患者を総称する場合、患者群という。診療記録データベースに登録された検査および治療に関する記録は、本実施形態における診療記録の一例である。
図3は、本実施形態に係る診療記録データベース1202の一例を示す図である。診療記録データベース1202は、例えば、患者ID、年齢、性別、病名、治療日時、治療内容、検査内容、検査日時、および検査結果が対応付けられている。診療記録データベース1202に登録される病名は、例えば、図3に示すように、患者の主病名であるが、さらに副病名も登録されても良い。
本実施形態における治療は、例えば、投薬、手術、放射線治療等であるが、これらに限定されるものではない。また、本実施形態においては、検査は、例えば、血液検査、医用画像の撮像、血圧測定、検温等であるが、これらに限定されるものではない。一般に、血圧測定や検温等は、看護記録として記録される場合があるが、本実施形態においては、圧測定や検温等の結果も、検査結果として診療記録データベース1202に登録されるものとする。
診療記録データベース1202に登録された診療記録は、治療選択支援装置100が設置された医療機関における過去の診療記録でも良いし、他の医療機関における過去の診療記録でも良い。
また、本実施形態においては、治療対象患者が受けた1または複数の治療に関する記録についても、診療記録データベース1202に登録されているものするが、治療対象患者の記録については、過去の患者とは異なるデータベースに登録されていても良い。
なお、図3では、診療記録データベース1202は、1つのテーブル形式のデータベースとして記載したが、データの保持形式はこれに限定されるものではない。例えば、診療記録データベース1202は、患者IDで互いに対応付けられた複数のテーブルによって構成されても良い。
また、図4は、本実施形態に係る重症度分類ガイドライン1203の一例を示す図である。図4に示すように、重症度分類ガイドライン1203は、複数の病名と、該病名の重症度の複数のステージ数の各々の該当条件と、が対応付けられた情報である。なお、図4に示す重症度分類ガイドライン1203の構成は一例であり、これに限定されるものではない。また、本実施形態において、重症度は、患者の容体を示す容体情報の一例である。
図1に戻り、入力インタフェース130は、例えば、マウスやキーボード等であり、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路150に出力する。また、治療選択支援装置100とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路150へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース130の例に含まれる。なお、本実施形態の治療選択支援装置100の操作者は、例えば医師等である。
ディスプレイ140は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイである。また、ディスプレイ140は、本実施形態における表示部の一例である。なお、入力インタフェース130とディスプレイ140とは統合しても良い。例えば、入力インタフェース130とディスプレイ140とは、タッチパネルによって実現されても良い。
処理回路150は、記憶回路120からプログラムを読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。本実施形態の処理回路150は、取得機能151と、受付機能152と、抽出機能153と、第1の特定機能154と、第1の算出機能155と、第2の特定機能156と、設定機能157と、第2の算出機能158と、画面構成機能159と、出力機能160とを備える。取得機能151は、取得部の一例である。受付機能152は、受付部の一例である。抽出機能153は、抽出部の一例である。第1の特定機能154は、第1の特定部の一例である。第1の算出機能155は、第1の算出部の一例である。また、第1の算出機能155を、単に算出部という場合もある。第2の特定機能156は、第2の特定部の一例である。設定機能157は、設定部の一例である。第2の算出機能158は、第2の算出部の一例である。画面構成機能159は、画面構成部の一例である。出力機能160は、出力部の一例である。
ここで、例えば、処理回路150の構成要素である取得機能151と、受付機能152と、抽出機能153と、第1の特定機能154と、第1の算出機能155と、第2の特定機能156と、設定機能157と、第2の算出機能158と、画面構成機能159と、出力機能160とは、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路120に記憶されている。処理回路150は、各プログラムを記憶回路120から読み出し、読み出した各プログラムを実行することで、各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路150は、図1の処理回路150内に示された各機能を有することとなる。なお、図1においては、単一の処理回路150にて、取得機能151、受付機能152、抽出機能153、第1の特定機能154、第1の算出機能155、第2の特定機能156、設定機能157、第2の算出機能158、画面構成機能159、および出力機能160の各処理機能が実現されるものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路150を構成し、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても良い。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。なお、記憶回路120にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
取得機能151は、ネットワーク300およびNWインタフェース110を介して、電子カルテ保管装置400から、各種の情報を取得する。
例えば、取得機能151は、電子カルテ保管装置400から、治療選択支援装置100が設置された医療機関で治療を受けている患者の患者ID、年齢、性別、および病名を取得し、記憶回路120の治療対象患者リスト1201に登録する。
また、取得機能151は、電子カルテ保管装置400から、過去に複数の患者に対して施された診療に関する記録を取得し、記憶回路120の診療記録データベース1202に登録する。なお、診療記録データベース1202が他の医療機関における過去の診療記録である場合は、取得機能151は、外部装置から診療記録を取得し、記憶回路120の診療記録データベース1202に登録しても良い。
受付機能152は、入力インタフェース130を介して、操作者による各種の操作を受け付ける。例えば、受付機能152は、後述の出力機能160によってディスプレイ140に表示された治療対象患者リストから、いずれか1人の治療対象患者を選択する操作者の操作を受け付ける。受付機能152は、選択された治療対象患者の患者IDを、抽出機能153および第1の特定機能154に送出する。
また、例えば、受付機能152は、後述の出力機能160によってディスプレイ140に表示された1または複数の容体のいずれかを選択する操作者の操作を受け付ける。また、受付機能152は、後述の出力機能160によってディスプレイ140に表示された1または複数の治療のいずれかを選択する操作者の操作を受け付ける。また、受付機能152は、詳細情報の表示を要求する操作者の操作を受け付ける。受付機能152は、受け付けた操作の内容を、出力機能160に送出する。
抽出機能153は、診療記録データベース1202から、治療対象患者に類似する1または複数の類似患者を抽出する。本実施形態においては、類似患者は、治療対象患者と、年齢、性別、および病名が類似する患者とする。
図5は、本実施形態に係る類似患者の抽出条件の一例を示す図である。図5に示す例では、治療対象患者リスト1201に登録された患者のうち、患者ID“001”、年齢“72(歳)”、性別“男”、主病名“慢性心不全”の患者が治療対象患者として選択されている。この場合、抽出機能153は、例えば、診療記録データベース1202に登録された患者のうち、治療対象患者と年齢、性別、病名が一致する患者を、類似患者と判定する。なお、年齢に関しては、治療対象患者と完全に一致する患者に限らず、治療対象患者と同年代であれば一致するとしても良い。
図5に示す例では、抽出機能153は、年齢が70代で、性別“男”、主病名“慢性心不全”である患者ID“101”および患者ID“104”の患者を、患者ID“001”の治療対象患者の類似患者として抽出する。本実施形態においては、複数の類似患者を総称する場合、類似患者群という。
なお、類似患者は、治療対象患者と年齢、性別、および病名が類似する患者に限定されるものではない。例えば、治療対象患者と、検体検査結果、バイタルデータ、病巣の医用画像等が類似する患者を類似患者としても良い。
抽出機能153は、抽出した類似患者の患者IDを、第1の特定機能154に送出する。
図1に戻り、第1の特定機能154は、診療記録データベース1202に登録された診療記録から、1または複数の類似患者が受けた1または複数の治療の前後の類似患者の各々の容体と、治療対象患者の現在の容体とを特定する。
図6および図7を用いて、容体の特定手法の詳細について説明する。図6は、本実施形態に係る1または複数の類似患者の各々の容体の特定結果の一例を示す図である。
図6の左側の表は、第1の特定機能154が診療記録データベース1202から取得した類似患者の治療前後の検査結果の一例である。また、図6の右側の表は、類似患者の治療前後の検査結果に対応する容体(重症度)の特定結果の一例である。
例えば、図6の患者ID“101”の類似患者の治療前のNT-proBNP(N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド)の検査結果は“900”、血圧の検査結果は“180”である。また、患者ID“101”の類似患者の治療後のNT-proBNPの検査結果は“100”、血圧の検査結果は“120”である。
本実施形態においては、“治療前”は、診療記録データベース1202に登録された治療(例えば“血液凝固阻止剤の投与”)が実施された治療日時の前である。また、“治療後”は、診療記録データベース1202に登録された治療が実施された治療日時の後である。1人の患者に対して複数の治療が施されている場合は、第1の特定機能154は、1つの治療ごとに、該治療の前後の検査結果を取得する。また、複数の治療が1セット(組み合わせ)になっている場合は、該1セットの治療の開始前を“治療前”、該複数の治療の終了後を“治療後”としても良い。
また、取得対象の検査結果は、類似患者が受けた全ての検査の結果でなくとも良く、例えば、診療記録データベース1202に登録された検査結果のうち、類似患者の主病名において重要な検査の結果であれば良い。類似患者の主病名において重要な検査は、例えば、重症度分類ガイドライン1203に登録された重症度の該当条件で使用されている検査結果である。
第1の特定機能154は、診療記録データベース1202から取得した治療前後の検査結果と、重症度分類ガイドライン1203とに基づいて、各類似患者の治療前後の容体を特定する。例えば、第1の特定機能154は、患者ID“101”の類似患者の“治療前”のNT-proBNPの検査結果および血圧の検査結果が、図4に示した重症度分類ガイドライン1203に登録された複数の重症度の該当条件のいずれに該当するかを判断する。
図6に示す例では、患者ID“101”の類似患者の“治療前”のNT-proBNPの検査結果および血圧の検査結果は、“重症度3”の該当条件を満たすものとする。この場合、第1の特定機能154は、患者ID“101”の類似患者の“治療前”の重症度を“3”と判断する。
本実施形態においては、類似患者および治療対象患者の容体は、重症度によって表される。このため、第1の特定機能154は、患者ID“101”の類似患者の“治療前”の容体を“3”と特定する。
また、図6に示す例では、患者ID“101”の類似患者の“治療後”のNT-proBNPの検査結果および血圧の検査結果は、“重症度1”の該当条件を満たすものとする。この場合、第1の特定機能154は、患者ID“101”の類似患者の“治療後”の容体を“1”と特定する。
図7は、本実施形態に係る治療対象患者の容体の特定結果の一例を示す図である。第1の特定機能154は、診療記録データベース1202から取得した治療対象患者の最新の検査結果と、重症度分類ガイドライン1203とに基づいて、治療対象患者の現在の容体を特定する。治療対象患者の容体の特定の手法は、類似患者の容体の特定の手法と同様である。
第1の特定機能154は、類似患者が受けた治療と該治療後の類似患者の容体との組み合わせを、特定結果として、第1の算出機能155、および第2の算出機能158に送出する。また、第1の特定機能154は、治療対象患者の現在の容体を、画面構成機能159に送出する。
図1に戻り、第1の算出機能155は、治療前後における類似患者の容体の変化量を算出する。本実施形態においては、治療前後における類似患者の容体の変化量を、回復度という。より詳細には、第1の算出機能155は、第1の特定機能154によって特定された治療前後の1または複数の類似患者の容体の差異に基づいて、治療前後における類似患者の回復度を算出する。
図8は、本実施形態に係る類似患者の回復度の算出結果の一例を示す図である。図8に示すように、第1の算出機能155は、各類似患者の治療前の容体を示す値から治療後の容体を示す値を減算した結果を、各類似患者の容体の回復度として算出する。治療後の容体が治療前の容体よりも良好になった場合は、回復度はプラス(正の数)になる。また、治療後の容体が治療前の容体よりも悪化した場合は、回復度はマイナス(負の数)になる。治療前後で容体に変化がなければ、回復度は“0”になる。
第1の算出機能155は、各類似患者が受けた1または複数の治療と、1または複数の治療の各々の前後における各類似患者の回復度とを対応付けて、第2の特定機能156および設定機能157に送出する。
図1に戻り、第2の特定機能156は、第1の特定機能154によって特定された1または複数の類似患者の各々の容体の1または複数の治療の前後における変化に基づいて、1または複数の類似患者が受けた1または複数の治療のうち、1または複数の類似患者のいずれかの容体の変化に影響した1または複数の治療を特定する。
より詳細には、第2の特定機能156は、第1の算出機能155によって算出された回復度と診療記録データベース1202に登録された診療記録とに基づいて、1または複数の類似患者が受けた1または複数の治療のうち、1または複数の類似患者の容体の回復に寄与した治療を特定する。例えば、第2の特定機能156は、各類似患者が受けた1または複数の治療のうち、治療の前後で類似患者の回復度がプラス(正の数)になった治療を、類似患者の容体の回復に寄与した治療として特定する。
図9は、本実施形態に係る類似患者が受けた治療内容の評価の手法の一例を示す図である。図9の上段および中段に示す例では、各類似患者が受けた1または複数の治療のうち、該治療前後の各類似患者の回復度がプラスになった治療は、“血液凝固阻止剤の投与”と、“利尿剤の投与”である。第2の特定機能156は、これらの治療を、類似患者の回復に寄与した治療として特定し、特定結果を設定機能157および出力機能160に送出する。
図1に戻り、設定機能157は、1または複数の類似患者が受けた1または複数の治療のうち、該治療を受けた後に容体が回復した1または複数の類似患者の人数が多いほど、該治療の優先度が高くなるように、1または複数の治療の各々に優先度を設定する。優先度は、推薦度ともいう。なお、1人の類似患者が複数回治療を受けて、複数回にわたって回復した場合には、設定機能157は、当該1人の類似患者を、回復した回数(頻度)分の人数として計数しても良い。
例えば、図9の中段および下段に示す例では、“血液凝固阻止剤の投与”が回復に寄与した回数は2回、“利尿剤の投与”が回復に寄与した回数は1回である。この場合、設定機能157は、“血液凝固阻止剤の投与”の優先度を最も高い“1”に設定し、“利尿剤の投与”の優先度を次に高い“2”に設定する。
また、設定機能157は、容体の回復に寄与した治療以外についても、優先度を設定しても良い。例えば、設定機能157は、容体の回復に寄与した治療の次に、治療の前後で容体が変化しなかった治療の優先度を高く設定し、治療の前後で容体が悪化した頻度の高い治療の優先度をその次に設定しても良い。また、設定機能157は、治療の前後で容体が悪化した頻度が高いほど、該治療の優先度が低くなるように、1または複数の治療の各々に優先度を設定しても良い。
設定機能157は、設定した1または複数の治療の各々に優先度を、出力機能160に送出する。
図1に戻り、第2の算出機能158は、1または複数の治療と、該治療後の容体の組み合わせごとの類似患者数を算出する。具体的には、第2の算出機能158は、類似患者が受けた治療と該治療後の類似患者の容体との組み合わせを、第1の特定機能154から取得し、類似患者が受けた治療と該治療後の類似患者の容体との組み合わせに該当する類似患者数を算出する。
図10は、本実施形態に係る治療と該治療後の容体の組み合わせごとの類似患者数の算出の一例を示す図である。例えば、図10に示す例では、治療後の容体が“1”となった類似患者のうち、“血液凝固阻止剤の投与”の治療を受けた類似患者の人数は“40人”、“利尿剤の投与”の治療を受けた類似患者の人数は“10人”である。また、第2の算出機能158は、類似患者の合計人数を算出する。図10に示す例では、類似患者の合計人数は150人である。
また、第2の算出機能158の算出対象はこれらに限定されるものではなく、治療または類似患者の容体に関して各種の統計情報を算出しても良い。例えば、第2の算出機能158は、治療前の容体別に、治療後に最も良好な容体である容体“1”に回復した類似患者の割合を算出しても良い。
第2の算出機能158は、算出した治療と該治療後の容体の組み合わせごとの類似患者数と、類似患者の合計人数とを画面構成機能159と出力機能160に送出する。
図1に戻り、画面構成機能159は、ディスプレイ140に表示される治療選択支援画面の画面構成を決定する。より詳細には、画面構成機能159は、治療選択支援画面の初期表示を決定する。例えば、画面構成機能159は、治療後の容体が治療対象患者の現在の容体よりも良好な類似患者の受けた治療と該治療後の類似患者の容体の組み合わせのうち、該当する類似患者数が最も多い組み合わせを、治療選択支援画面の初期表示における第1の強調表示対象として決定する。
図10に示した例では、治療対象患者の現在の容体“3”よりも良好な類似患者の治療後の容体は“1”および“2”である。また、治療後の容体が“1”または“2”と、治療との組み合わせのうち、“血液凝固阻止剤の投与”と容体“1”の組み合わせに該当する類似患者の人数が最も多い。この場合、画面構成機能159は、“血液凝固阻止剤の投与”と容体“1”の組み合わせを、治療選択支援画面の初期表示における第1の強調表示対象として決定する。
また、画面構成機能159は、第1の強調表示対象である容体“1”と第1の強調表示対象の治療以外の治療との組み合わせのうち、該当する類似患者数が“0”以外の組み合わせを、第2の強調表示対象として決定する。図10に示した例では、画面構成機能159は、“利尿剤の投与”を第2の強調表示対象として決定する。また、該当する類似患者数が“0”以外の組み合わせが複数ある場合は、画面構成機能159は、該当する類似患者数が多い順に、第3の強調表示対象または第4の強調表示対象等を決定しても良い。あるいは、画面構成機能159は、該当する類似患者数が“0”以外の組み合わせが複数ある場合は、複数の組み合わせを全て複数の第2の強調表示対象として決定しても良い。
画面構成機能159は、第1の強調表示対象として決定した類似患者の受けた治療と該治療後の類似患者の容体の組み合わせと、第2の強調表示対象として決定した類似患者の受けた治療と該治療後の類似患者の容体の組み合わせとを、出力機能160に送出する。
出力機能160は、第2の特定機能156によって特定された1または複数の治療を出力する。例えば、出力機能160は、1または複数の類似患者が受けた1または複数の治療のうち、1または複数の類似患者の容体の回復に寄与した1または複数の治療を出力する。以下、図11~図14を用いて、出力機能160について具体的に説明する。
図11は、本実施形態に係る治療選択支援画面1401の初期表示の一例を示す図である。図11に示すように、出力機能160は、治療対象患者の現在の容体と、類似患者が受けた1または複数の治療と、治療後の類似患者の容体とを、治療選択支援画面1401としてディスプレイ140に表示(出力)する。
また、出力機能160は、類似患者が受けた1または複数の治療を、設定機能157によって設定された優先度が高い順にディスプレイ140に表示する。例えば、図9で説明したように、優先度が最も高い治療は“血液凝固阻止剤の投与”であり、その次に優先度が高い治療は、“利尿剤の投与”である。このため、出力機能160は、“血液凝固阻止剤の投与”を一番上に表示し、次に“利尿剤の投与”を表示する。“血液凝固阻止剤の投与”および“利尿剤の投与”は、第2の特定機能156によって類似患者の回復に寄与した治療として特定された治療である。
また、本実施形態においては、類似患者の回復に寄与していない治療についても表示対象とする。例えば、出力機能160は、治療の前後で類似患者の回復度が“0”またはマイナスになった“ベータ阻害剤の投与”および“強心剤の投与”についても表示する。例えば、設定機能157が優先度を設定している場合には、出力機能160は、類似患者の回復に寄与していない治療についても、該優先度順に表示する。
また、出力機能160は、治療後の類似患者の容体を治療選択支援画面1401に表示する。図11に示す例では、出力機能160は、容体が良好な順に、治療後の容体を表示しているが、表示順はこれに限定されるものではない。
また、出力機能160は、画面構成機能159によって第1の強調表示対象として決定された類似患者の受けた治療と該治療後の類似患者の容体の組み合わせを、強調表示する。図11に示す例では、出力機能160は、第1の強調表示対象の“血液凝固阻止剤の投与”と容体“1”の組み合わせを、太線の輪郭線で囲み、強調表示する。また、出力機能160は、第1の強調表示対象の“血液凝固阻止剤の投与”と容体“1”とを、太線の矢印で紐付けて表示する。また、出力機能160は、第2の強調表示対象の“利尿剤の投与”と容体“1”とを、通常の矢印で紐付けて表示する。第2の強調表示対象の表示は、第1の強調表示対象よりも強調の度合が低い表示態様とする。
また、出力機能160は、1または複数の類似患者の合計人数のうち、1または複数の容体の各々に至った類似患者の割合をディスプレイ140に表示する。例えば、図11に示す例では、出力機能160は、複数の類似患者の合計人数“150人”と、治療後の容体“1”~“4”の各々の類似患者数“50人”、“50人”、“20人”、“30人”とを表示する。なお、図11では、出力機能160は、類似患者の合計人数を分母、各治療後の容体の人数を分子として割合を表示したが、類似患者の合計人数に占める各治療後の容体の人数の割合の算出後の数値を表示しても良い。
また、出力機能160は、1または複数の容体と、該容体に至った1または複数の類似患者の人数の1または複数の治療ごとの内訳とを対応付けてディスプレイ140に表示する。例えば、図11に示す例では、出力機能160は、第1の強調表示対象の容体“1”と、第1の強調表示対象の治療“血液凝固阻止剤の投与”を受けた類似患者のうち、該容体“1”に至った類似患者の人数“40人”とを対応付けて表示する。また、出力機能160は、第2の強調表示対象の治療である“利尿剤の投与”を、受けた類似患者のうち、該容体“1”に至った類似患者の人数“10人”を、容体“1”と対応付けて表示する。
また、図11に示す例では、出力機能160は、治療対象患者の現在の容体と、第1の強調表示対象の治療“血液凝固阻止剤の投与”と第2の強調表示対象の治療“利尿剤の投与”とを矢印で対応付けて表示している。なお、図1に示す治療選択支援画面1401の初期表示は一例であり、これに限定されるものではない。例えば、出力機能160は、強調表示対象の治療と容体の組み合わせだけではなく、各治療と、該治療を受けた類似患者の治療後の容体とを全て紐付けて表示しても良い。
また、出力機能160は、図11に示した例よりもさらに詳細な情報を表示しても良い。図12は、本実施形態に係る治療選択支援画面1401の詳細情報の表示の一例を示す図である。図12に示す治療選択支援画面1401は、治療対象患者の現在の容体と類似患者が受けた1または複数の治療と治療後の類似患者の容体とが表示された第1の領域1401aと、治療または容体に関する統計情報が表示された第2の領域1401bと、類似患者の詳細情報が表示された第3の領域1401cと、を有する。
出力機能160は、第1の領域1401aには、例えば図11と同様の内容を表示する。
また、出力機能160は、第2の領域1401bには、容体“2”~容体“4”から第1の強調表示対象である容体“1”に回復した類似患者の割合や、容体“2”~容体“4”から第1の強調表示対象である容体“1”に回復した類似患者における投薬別の割合等を表示する。なお、これらの統計情報は、例えば第2の算出機能158によって算出される。図12に示す第2の領域1401bに表示される統計情報の内容は一例であり、これに限定されるものではない。
また、出力機能160は、第3の領域1401cには、治療後に第1の強調表示対象である容体“1”に回復した類似患者についての詳細情報を表示する。詳細情報は、例えば、患者ID、主病名、年齢、および性別であるが、これらに限定されるものではない。また、図12では、2名の類似患者を例示しているが、出力機能160は、治療後に容体“1”に回復した全ての類似患者の詳細情報を表示しても良い。
また、図13は、本実施形態に係る治療選択支援画面1401における表示変更の一例を示す図である。出力機能160は、例えば受付機能152がディスプレイ140に表示された1または複数の容体のいずれかを選択する操作者の操作を受け付けた場合に、図13に示すように、操作者によって選択された容体と、該容体に至る前に1または複数の類似患者が受けた治療と、を紐付けて表示する。
具体的には、図13に示す例では、操作者は、治療選択支援画面1401上に表示された容体“2”をマウス等で選択している。この場合、出力機能160は、操作者によって選択された容体“2”と、容体“2”に至る前に類似患者が受けた治療“血液凝固阻止剤の投与”と、“利尿剤の投与”とを矢印で紐付けて表示している。また、この場合、出力機能160は、治療後に容体“2”になった類似患者の受けた治療ごとの人数の内訳である“20人”および“30人”を、矢印と共に表示する。治療後に容体“2”になった類似患者のうち、“利尿剤の投与”を受けた患者の方が“血液凝固阻止剤の投与”を受けた患者よりも人数が多いので、出力機能160は、“利尿剤の投与”と容体“2”とを第1の強調表示の対象として太線の矢印で紐付けて表示する。また、出力機能160は、次に類似患者の人数の多い“血液凝固阻止剤の投与”と容体“2”とを第2の強調表示の対象として通常の矢印で紐付けて表示する。
また、出力機能160は、操作者によって選択された容体に合わせて、第2の領域1401b、または第3の領域1401cの表示を変更しても良い。また、治療選択支援画面1401には、第1の領域1401aのみが表示されても良い。
また、図14は、本実施形態に係る治療選択支援画面1401の表示変更の他の一例を示す図である。出力機能160は、例えば受付機能152がディスプレイ140に表示された1または複数の治療のいずれかを選択する操作者の操作を受け付けた場合に、図14に示すように、選択された治療と、該治療を受けた後の類似患者の容体と、を紐付けて表示する。
具体的には、図14に示す例では、操作者は、治療選択支援画面1401上に表示された治療“血液凝固阻止剤の投与”をマウス等で選択している。この場合、出力機能160は、“血液凝固阻止剤の投与”と、“血液凝固阻止剤の投与”後の類似患者の容体とを矢印で紐付けて表示する。また、操作者によっていずれかの治療が選択された場合には、出力機能160は、選択された治療を受けた類似患者の人数(図14に示す例では“65人”)と、選択された治療を受けた後の類似患者の人数の容体ごとの内訳(図14に示す例では容体1“40人”、容体2“20人”、容体3“5人”)とを矢印と共に表示する。
なお、出力機能160が表示する内容は図11~図14に示す例に限定されるものではない。また、図11~図14に示す治療選択支援画面1401の画面レイアウトおよび強調表示の表示態様は一例であり、これらに限定されるものではない。
また、出力機能160は、治療対象患者リスト1201の選択画面を、ディスプレイ140に表示する。上述のように、操作者は、当該選択画面から、いずれかの治療対象患者を選択する。
次に、以上のように構成された治療選択支援装置100で実行される治療選択支援処理の流れの詳細について説明する。
図15は、本実施形態に係る治療選択支援装置100で実行される治療選択支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理の開始前に、取得機能151は、電子カルテ保管装置400から、各種の情報を取得し、治療対象患者リスト1201および診療記録データベース1202に保存しているものとする。
まず、受付機能152は、操作者による治療対象患者の選択を受け付ける(S1)。受付機能152は、選択された治療対象患者の患者IDを、抽出機能153および第1の特定機能154に送出する。
次に、抽出機能153は、操作者によって選択された治療対象患者に類似する1または複数の類似患者を、診療記録データベース1202から抽出する(S2)。抽出機能153は、抽出した1または複数の類似患者の患者IDを、第1の特定機能154に送出する。
次に、第1の特定機能154は、診療記録データベース1202から取得した治療前後の検査結果と、重症度分類ガイドライン1203とに基づいて、1または複数の類似患者の治療前後の容体を特定する(S3)。第1の特定機能154は、類似患者が受けた治療と該治療後の類似患者の容体との組み合わせを、特定結果として、第1の算出機能155、および第2の算出機能158に送出する。
また、第1の特定機能154は、診療記録データベース1202から取得した治療前後の検査結果と、重症度分類ガイドライン1203とに基づいて、治療対象患者の現在の容体を特定する(S4)。第1の特定機能154は、治療対象患者の現在の容体を、画面構成機能159に送出する。
次に、第1の算出機能155は、第1の特定機能154によって特定された治療前の類似患者の容体と、治療後の類似患者の容体とに基づいて、治療前後における類似患者の回復度を算出する(S5)。第1の算出機能155は、各類似患者が受けた1または複数の治療と、1または複数の治療の各々の前後における各類似患者の回復度とを対応付けて、第2の特定機能156および設定機能157に送出する。
次に、第2の特定機能156は、各類似患者が受けた1または複数の治療のうち、治療の前後で類似患者の回復度がプラスになった治療を、類似患者の回復に寄与した治療として特定する(S6)。第2の特定機能156は、特定結果を設定機能157に送出する。
設定機能157は、複数の類似患者が受けた1または複数の治療のうち、該治療を受けた後の類似患者の容体回復度がプラスになった頻度の高いものほど優先度が高くなるように、治療情報の優先度を設定する(S7)。
次に、第2の算出機能158は、第1の特定機能154によって特定された治療と該治療後の容体の組み合わせごとの類似患者数を算出する(S8)。第2の算出機能158は、算出した治療と該治療後の容体の組み合わせごとの類似患者数と、類似患者の合計人数とを画面構成機能159と出力機能160に送出する。
次に、画面構成機能159は、初期表示における強調表示対象の治療と容体の組み合わせを決定する(S9)。
例えば、画面構成機能159は、治療後の容体が治療対象患者の現在の容体よりも良好な類似患者の受けた治療と該治療後の類似患者の容体の組み合わせのうち、該当する類似患者数が最も多い組み合わせを、治療選択支援画面1401の初期表示における第1の強調表示対象として決定する。また、画面構成機能159は、第1の強調表示対象である容体と第1の強調表示対象の治療以外の治療との組み合わせのうち、該当する類似患者数が“0”以外の組み合わせを、第2の強調表示対象として決定する。
画面構成機能159は、決定した強調表示対象の治療と容体の組み合わせを、出力機能160に送出する。
次に、出力機能160は、治療対象患者の現在の容体と、類似患者が受けた1または複数の治療と、治療後の類似患者の容体とを、治療選択支援画面1401としてディスプレイ140に表示する(S10)。
また、図11に示したように、出力機能160は、治療選択支援画面1401の初期表示においては、画面構成機能159によって決定された第1の強調表示対象の治療と容体の組み合わせを、太線の矢印で紐付けて表示する。また、出力機能160は、画面構成機能159によって決定された第2強調表示対象の治療と容体の組み合わせを、通常の線の矢印で紐付けて表示する。
次に、受付機能152は、詳細情報の表示を要求する操作者の操作を受け付けたか否かを判断する(S11)。受付機能152は、詳細情報の表示を要求する操作を受け付けたと判断した場合(S11“Yes”)、当該操作を受け付けたことを出力機能160に送出する。この場合、出力機能160は、図12に示したように、統計情報および類似患者の詳細情報を、治療選択支援画面1401に表示する(S12)。S12の処理の後は、S13の処理に進む。
また、受付機能152は、詳細情報の表示を要求する操作を受け付けていないと判断した場合は(S11“No”)、そのままS13の処理に進む。
次に、受付機能152は、操作者による容体の選択操作を受け付けたか否かを判断する(S13)。受付機能152は、操作者による容体の選択操作を受け付けたと判断した場合(S13“Yes”)、当該操作を受け付けたことを出力機能160に送出する。この場合、出力機能160は、図13に示したように、操作者によって選択された容体と、該容体に至る前に類似患者が受けた治療と、を紐付けて表示する(S14)。S14の処理の後は、S15の処理に進む。
また、受付機能152は、操作者による容体の選択操作を受け付けていないと判断した場合は(S13“No”)、そのままS15の処理に進む。
次に、受付機能152は、操作者による治療の選択操作を受け付けたか否かを判断する(S15)。受付機能152は、操作者による治療の選択操作を受け付けたと判断した場合(S15“Yes”)、当該操作を受け付けたことを出力機能160に送出する。この場合、出力機能160は、図14に示したように、操作者によって選択された治療と、該治療を受けた類似患者の治療後の容体と、を紐付けて表示する(S16)。
また、受付機能152が、操作者による容体の選択操作を受け付けていないと判断した場合は(S15“No”)、出力機能160は画面表示を変更しない。ここで、このフローチャートの処理は終了する。
このように、本実施形態の治療選択支援装置100は、治療対象患者に類似する1または複数の類似患者が受けた1または複数の治療の前後における容体の変化に基づいて、1または複数の類似患者が受けた1または複数の治療のうち、容体の変化に影響した1または複数の治療を特定して出力する。このため、本実施形態の治療選択支援装置100によれば、治療対象患者に類似する類似患者の容体の変化に影響した治療を出力することにより、治療対象患者の容体に影響を与える可能性が高い治療を医師が容易に把握することが可能になるため、医師が患者に対して施す治療を選択する際の意思決定を支援することができる。
例えば、従来、医師が患者に対して施す治療を選択する際には、医学的知識や過去の経験に基づいて、患者の容体を把握し、次に実施すべき治療を選択していた。しかしながら、このような手法においては、患者の容体の把握や治療の選択は個々の医師の医学的知識や経験に依存する。このため、患者に対する治療の選択の際に、医師個人の医学的知識や過去の経験によって、患者に対して取り得る治療の選択肢に漏れが生じる場合があった。また、経験の浅い医師の場合は、治療を選択するまでに長時間の調査、検討、および試行錯誤等をする場合があり、治療の決定までに時間を要することがあった。
これに対して、本実施形態の治療選択支援装置100によれば、過去に実施された治療のうち、治療対象患者に類似する患者の容体に変化があった治療を自動的に特定して出力するため、医師個人の医学的知識や過去の経験に無い治療も選択肢として提示可能であり、患者に対して取り得る治療の選択肢に漏れが生じることを低減することができる。また、本実施形態の治療選択支援装置100によれば、上述の構成により、医師が治療を選択するために調査、検討、および試行錯誤等に要する時間および負荷を低減することができる。また、本実施形態の治療選択支援装置100によれば、類似患者の容体が回復した治療だけではなく、悪化した治療についても出力することにより、医師等がリスクの高い治療を把握または回避することを容易にすることができる。
また、本実施形態の治療選択支援装置100は、治療前後の1または複数の類似患者の容体の差異に基づいて、治療前後における1または複数の類似患者の各々の回復度を算出し、該回復度に基づいて、1または複数の類似患者が受けた1または複数の治療のうち、容体の回復に寄与した1または複数の治療を特定する。また、本実施形態の治療選択支援装置100は、容体の回復に寄与した1または複数の治療を出力する。このため、本実施形態の治療選択支援装置100によれば、類似患者の容体の回復に寄与した治療を出力することにより、治療対象患者の容体の回復に寄与する可能性が高い治療を、医師等がより容易に把握することができる。
また、本実施形態の治療選択支援装置100によれば、類似患者が受けた治療のうち、該治療を受けた後の類似患者の容体が、該治療を受ける前の容体よりも回復した頻度が高いほど、該治療の優先度を高く設定し、これらの治療を優先度が高い順にディスプレイ140に表示する。このため、本実施形態の治療選択支援装置100によれば、治療対象患者の容体の回復に寄与する可能性の高い治療が優先的に表示されるため、治療対象患者に適用することが推奨される治療を医師が容易に把握することができる。
また、本実施形態の治療選択支援装置100によれば、1または複数の治療を受けた後の1または複数の類似患者の容体をディスプレイ140に表示するため、治療対象患者の治療後の容体を医師が容易に推定することができる。
また、本実施形態の治療選択支援装置100は、ディスプレイ140に表示された1または複数の容体のいずれかを選択する操作者の操作を受け付け、操作者によって選択された容体と、該容体に至る前に1または複数の類似患者が受けた治療と、を紐付けて表示する。このため、本実施形態の治療選択支援装置100によれば、治療対象患者の目標となる容体がある場合に、当該容体になるために選択すべき治療の候補を医師等が容易に把握することができる。
また、本実施形態の治療選択支援装置100は、ディスプレイ140に表示された1または複数の治療のいずれかを選択する操作者の操作を受け付け、操作者によって選択された治療と、該治療を受けた後の1または複数の類似患者の容体と、を紐付けて表示する。このため、本実施形態の治療選択支援装置100によれば、医師等がある治療の実施を検討している場合に、当該治療を実施した場合の容体の変化を容易に把握することができる。例えば、一部の類似患者に対しては容体の回復に寄与した治療であっても、他の一部の患者の容体の回復には効果が無い場合がある。本実施形態の治療選択支援装置100によれば、治療後の類似患者の容体の変化の傾向を把握することで、治療対象患者に施す治療の選択の判断材料にすることができる。
また、本実施形態の治療選択支援装置100は、特定された1または複数の類似患者のうち、1または複数の容体の各々に至った類似患者の割合をディスプレイ140に表示する。このため、本実施形態の治療選択支援装置100によれば、治療後の類似患者の各容体への変化の割合の情報を医師に把握させることにより、医師が治療対象患者に優先的に施すべき治療を判断することをより容易にすることができる。
また、本実施形態の治療選択支援装置100は、1または複数の容体と、該容体に至った1または複数の類似患者の人数の治療ごとの内訳とを対応付けてディスプレイ140に表示する。このため、本実施形態の治療選択支援装置100によれば、医師等が目標の容体に到達するために治療対象患者に施すべき治療の選択肢を、実績と共に提示することができる。
なお、本実施形態では、第1の特定機能154は、重症度分類ガイドライン1203に基づいて容体を特定するとしたが、容体の特定の手法はこれに限定されるものではない。例えば、第1の特定機能154は、機械学習によって生成された容体分類モデルを用いて容体を算出しても良い。
また、本実施形態の治療選択支援画面1401では、類似患者が受けた治療が全て表示されるものとしたが、回復に寄与した治療のみが表示されても良い。換言すれば、出力機能160は、患者の容体が悪化した治療、および患者の容体が変化しなかった治療については、表示しなくとも良い。例えば、図11に示した例では、出力機能160は、「血液凝固阻止剤の投与」と、「利尿剤の投与」の2つの治療のみを表示しても良い。
あるいは、出力機能160は、回復に寄与した治療と、患者の容体が悪化した治療と、患者の容体が変化しなかった治療とが判別可能なように表示態様を変えても良い。また、出力機能160は、患者の容体が悪化した治療、または患者の容体が変化しなかった治療については、操作者による選択ができないようにしても良い。出力機能160は、例えば、患者の容体が悪化した治療、または患者の容体が変化しなかった治療を示す表示を治療選択支援画面1401上でグレーアウトしても良い。
また、出力機能160は、複数の種類の薬剤の投与など複数の治療が1セットになっている場合は、該1セットの治療を1つの治療として、治療選択支援画面1401に表示しても良い。
また、本実施形態では、第1の特定機能154は、診療記録データベース1202に登録された治療日時を基準として治療前後の容体を特定していたが、治療前および治療後の基準はこれに限定されるものではない。例えば、第1の特定機能154は、過去の患者の入院時点の容体を治療前の容体、退院時点の容体を治療後の容体として特定しても良い。あるいは、第1の特定機能154は、過去の患者の治療期間を考慮した単位時間の経過前の容体を治療前の容体、該単位時間の経過後の容体を治療後の容体として特定しても良い。
(第2の実施形態)
上述の第1の実施形態では、治療対象患者と年齢、性別、および病名が一致する患者を類似患者として抽出していた。この第2の実施形態では、第1の実施形態の抽出条件に加えて、さらに、治療対象患者と受けた治療および容体の変化が類似することを、類似患者の抽出条件とする。
図16は、本実施形態に係る治療選択支援システムS2の構成の一例を示すブロック図である。本実施形態の治療選択支援システムS2は、第1の実施形態と同様に、治療選択支援装置100と、電子カルテ保管装置400とを含む。電子カルテ保管装置400は第1の実施形態と同様の機能を備える。
本実施形態の治療選択支援装置100は、第1の実施形態と同様に、NWインタフェース110と、記憶回路120と、入力インタフェース130と、ディスプレイ140と、処理回路150とを有する。
処理回路150は、取得機能151と、受付機能152と、第1の抽出機能1153と、第1の特定機能1154と、第2の抽出機能2153と、第1の算出機能1155と、第2の特定機能156と、設定機能157と、第2の算出機能158と、画面構成機能159と、出力機能1160とを備える。
取得機能151と、受付機能152と、第2の特定機能156と、設定機能157と、第2の算出機能158と、画面構成機能159とは、第1の実施形態と同様の機能を備える。
第1の抽出機能1153は、診療記録データベース1202から、第1の実施形態における抽出機能153が類似患者を抽出した手法と同様の手法で、類似患者候補を抽出する。本実施形態においては、類似患者候補は、治療対象患者と、年齢、性別、および病名が類似する患者とするが、これに限定されるものではない。例えば、治療対象患者と、検体検査結果、バイタルデータ、病巣の医用画像等が類似する患者を類似患者候補としても良い。
本実施形態の第1の特定機能1154は、第1の実施形態の機能を備えた上で、診療記録データベース1202に登録された診療記録から、第1の抽出機能1153によって特定された複数の類似患者候補の各々の所定の期間ごとの容体を特定する。所定の期間は、例えば1日とするが、これに限定されるものではない。
また、第1の特定機能1154は、治療対象患者の診療初日または入院初日から、現在までの所定の期間ごとの容体を特定する。
図17は、本実施形態に係る治療対象患者の入院初日から現在までの日次の容体の変化の一例を示す図である。図17に示す治療対象患者の容体は、入院初日には“4”であり、その後“3”に変化している。
図16に戻り、第2の抽出機能2153は、第1の抽出機能1153によって抽出された類似患者候補のうち、治療対象患者と受けた治療および容体の変化が類似する患者を、類似患者として抽出する。
本実施形態における類似患者は、受けた治療および容体の変化が、治療対象患者が受けた治療および容体の変化と類似する患者である。より詳細には、本実施形態における類似患者は、第1の抽出機能1153によって抽出された類似患者候補のうち、受けた治療および容体の変化が、治療対象患者が受けた治療および容体の変化と類似する患者である。
例えば、第2の抽出機能2153は、第1の特定機能1154によって特定された治療対象患者の所定の期間ごとの容体に基づいて、有限オートマトン等の状態遷移図(状態遷移モデル)を生成する。
図18は、本実施形態に係る治療対象患者の容体の変化を示す状態遷移図である。図中の円(丸)は患者の容体の状態を表し、矢印は遷移を表す。太線の円は初期状態を表し、二重線の円は受理状態(終了状態)を表す。図18に示す例では、図17に示した治療対象患者の容体“4”から現在の容体“3”までの容体の変化を、状態遷移図にしている。第2の抽出機能2153は、図18に示す状態遷移図に類似患者候補の日次の容体を入力することにより、類似患者候補の容体の変化が治療対象患者の容体の変化と類似するか否かを判断する。
図19は、本実施形態に係る類似患者候補の容体の変化の特定手法の一例を示す図である。図19の上段は、類似患者候補の所定の期間ごとの容体を示す。第2の抽出機能2153は、類似患者候補の所定の期間ごとの容体を、図18に示した状態遷移図に入力する。
図19の下段は、類似患者候補の所定の期間ごとの容体を状態遷移図に入力した結果を示す。図19の下段に示すように、患者ID“101”と“103”の患者が、容体“4”の後に容体“3”に変化しているため、図18に示した状態遷移図に受理される。第2の抽出機能2153は、類似患者候補のうち受理された患者を抽出する。
第2の抽出機能2153は、さらに、類似患者候補から状態遷移図を使用して抽出した患者が受けた治療と治療対象患者が受けた治療が類似するか否かを判断する。
具体的には、第2の抽出機能2153は、診療記録データベース1202に登録された診療記録に基づいて、類似患者候補から抽出した患者が容体“4”から容体“3”へ変化した期間に受けた治療が、治療対象患者が容体“4”から容体“3”へ変化した期間に受けた治療と一致するか否かを判断する。第2の抽出機能2153は、類似患者候補から抽出した患者が容体の変化の間に受けた治療と治療対象患者が容体の変化の間に受けた治療とが一致する場合に、類似患者候補から抽出した患者が受けた治療と治療対象患者が受けた治療が類似すると判断し、当該患者を類似患者として抽出する。
なお、第2の抽出機能2153は、単に類似患者候補から抽出した患者が過去に受けた治療と治療対象患者が過去に受けた治療とが一致する場合に、類似患者候補から抽出した患者が受けた治療と治療対象患者が受けた治療が類似すると判断しても良い。
また、第2の抽出機能2153は、所定の期間ごとの容体のうち、状態遷移図において受理状態となった期間の容体を治療前の容体として特定し、受理状態となった期間の次に治療が実施された後の期間の容体を治療後の容体として特定する。
例えば、図19に示す例では、患者ID“101”の患者は2日目に容体“3”となって受理状態になっているため、2日目が治療前となる。また、2日目の検査後に患者ID“101”に対して治療が実施された場合、3日目の容体“2”が治療後の容体となる。また、患者ID“103”の患者は2日目に容体“3”となって受理状態になっているため、3日目が治療前となる。また、例えば、患者ID“103”の患者に対して4日目に治療が実施された場合、5日目の容体“1”が治療後の容体となる。
また、第2の抽出機能2153は、類似患者候補の容体が状態遷移図の開始条件(図18の例では容体“4”)を満たした後、受理状態となるまでの期間を、類似患者候補の容体の変化が治療対象患者の容体の変化に類似する類似期間と特定する。
また、上述の例では、第2の抽出機能2153は、状態遷移図を使用して類似患者候補から容体の変化が治療対象患者に類似する患者を抽出したが、抽出の手法はこれに限定されるものではない。例えば、第2の抽出機能2153は、類似患者候補の容体の算出結果のうち、容体“4”であったことがある患者を検索し、検索結果からさらに容体“4”よりも後に容体“3”となった患者を検索しても良い。
本実施形態の第1の算出機能1155は、第1の実施形態の機能を備えた上で、第2の抽出機能2153によって特定された治療前後の容体に基づいて、治療前後における類似患者の容体の変化量を算出する。
本実施形態の出力機能1160は、第1の実施形態の機能を備えた上で、治療対象患者および類似患者の過去の容体と、治療対象患者および類似患者が過去に受けた治療と、治療対象患者の現在の容体と、類似患者が受けた1または複数の治療と、治療後の類似患者の容体とを、ディスプレイ140に表示(出力)する。
図20は、本実施形態に係る治療選択支援画面11401の初期表示の一例を示す図である。過去の容体および過去に受けた治療については治療対象患者と類似患者で共通であるため、出力機能1160は、図20に示すように、治療対象患者と類似患者の過去の経緯を1つにまとめて表示する。図20に示す例では、治療対象患者と類似患者の過去の容体は入院時の容体としているが、治療の直前の容体でも良い。また、治療対象患者が入院していない場合は、外来の初回の検査時の容体でも良い。なお、図20の表示例は一例であり、これに限定されるものではない。
次に、以上のように構成された治療選択支援装置100で実行される治療選択支援処理の流れの詳細について説明する。
図21は、本実施形態に係る治療選択支援装置100で実行される治療選択支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。
S1の治療対象患者の選択の受け付け処理は、第1の実施形態と同様である。次に、第1の抽出機能1153は、操作者によって選択された治療対象患者に、年齢、性別、および病名が類似する1または複数の類似患者候補を、診療記録データベース1202から抽出する(S201)。
次に、第1の特定機能1154は、第1の実施形態の機能を備えた上で、診療記録データベース1202に登録された診療記録から、第1の抽出機能1153によって特定された複数の類似患者候補の各々の所定の期間ごとの容体を特定する(S202)。
S4の治療対象患者の現在の容体の特定の処理は、第1の実施形態と同様である。
次に、第2の抽出機能2153は、類似患者候補のうち、治療対象患者と受けた治療および容体の変化が類似する患者を、類似患者として抽出する(S203)。また、第2の抽出機能2153は、例えば、所定の期間ごとの容体のうち、状態遷移図において受理状態となった期間の容体を治療後、受理状態となった期間の1つ前の期間の容体を治療前の容体として特定する。
次に、第1の算出機能155は、第2の抽出機能2153によって特定された治療前の類似患者の容体と、治療後の類似患者の容体とに基づいて、治療前後における類似患者の回復度を算出する(S204)。
S6の治療の前後で容体回復度がプラスになった治療の特定の処理から、S9の強調表示対象の治療と容体の組み合わせの決定の処理までは、第1の実施形態と同様である。
次に、出力機能1160は、治療対象患者および類似患者の過去の容体と、治療対象患者および類似患者が過去に受けた治療と、治療対象患者の現在の容体と、類似患者が受けた1または複数の治療と、治療後の類似患者の容体とを、治療選択支援画面1401としてディスプレイ140に表示する(S205)。
S11の詳細情報の表示を要求する操作を受け付けの有無の判断の処理から、S16の選択された治療と該治療を受けた類似患者の治療後の容体の表示の処理までは、第1の実施形態と同様である。ここで、このフローチャートの処理は終了する。
本実施形態においては、1または複数の類似患者は、受けた治療および容体の変化が、治療対象患者が受けた治療および容体の変化と類似する患者である。このため、本実施形態の治療選択支援装置100によれば、過去における治療対象患者の治療経過と近い治療経過を経た類似患者の治療実績を提供することで、医師が治療対象患者に対して施す治療を選択することをより容易にすることができる。
また、本実施形態の治療選択支援装置100は、治療対象患者および1または複数の類似患者の過去の容体と、治療対象患者および1または複数の類似患者が過去に受けた治療と、治療対象患者の現在の容体と、1または複数の類似患者が受けた1または複数の治療と、治療後の1または複数の類似患者の容体とをディスプレイ140に表示する。このため、本実施形態の治療選択支援装置100によれば、治療対象患者および1または複数の類似患者の過去の治療歴と容体の変化とを表示することで、医師等が現在までの経緯を踏まえた上で、治療を適切に選択することを支援することができる。
また、本実施形態の治療選択支援装置100によれば、治療対象者が過去に受けた治療と当該治療の前後の容体を表示することで、過去の治療の効果の程度を医師等が容易に把握することができ、次の治療を迅速に選択することを支援することができる。
(変形例1)
上述の第1の実施形態では、抽出機能153は、診療記録データベース1202から、治療対象患者に類似する1または複数の類似患者を抽出していたが、類似患者として抽出する対象の患者をさらに限定しても良い。
例えば、抽出機能153は、診療記録データベース1202から、特定の医師が担当した1または複数の患者のうち、治療対象患者に類似する1または複数の類似患者を抽出しても良い。
図22は、本変形例に係る診療記録データベース1202の一例を示す図である。図22に示すように、診療記録データベース1202は、患者の担当医を示す情報を含む。例えば、抽出機能153は、担当医Aが担当した患者を対象として、類似患者を抽出しても良い。対象となる担当医は、例えば操作者がディスプレイ140上で選択可能であっても良い。
本変形例の構成によれば、特定の医師が担当した1または複数の患者のうち、治療対象患者に類似する1または複数の類似患者を抽出するため、経験豊富な上級医の治療実績のみを表示対象とすることができる。このため、本変形例の治療選択支援装置100によれば、操作者である医師等が手本となる上級医の過去の治療実績を参考に、治療対象患者への治療を選択することを支援することができる。
なお、本変形例は、第1の実施形態だけではなく、第2の実施形態に適用しても良い。
(変形例2)
上述の第1の実施形態および第2の実施形態では、操作者は治療選択支援装置100を操作するものとしたが、他の端末装置から入力された操作に従って治療選択支援装置100が処理を実行するものとしても良い。
図23は、本変形例に係る治療選択支援システムS3の構成の一例を示すブロック図である。図23に示すように、本変形例の治療選択支援システムS3は、治療選択支援装置100と、電子カルテ保管装置400と、端末装置500とを含む。
端末装置500は、例えば、タブレット端末やパーソナルコンピュータ等である。端末装置500は、ネットワーク300を介して治療選択支援装置100および電子カルテ保管装置400と接続している。
端末装置500は、図示しない入力回路およびディスプレイを備える。入力回路は、操作者から受け付けた入力操作を電気信号に変換して治療選択支援装置100に出力する。
端末装置500のディスプレイは、治療選択支援装置100から出力される各種のデータを表示する。例えば、端末装置500のディスプレイは、治療選択支援装置100の出力機能160によって出力された治療選択支援画面1401を表示する。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、医師が患者に対して施す治療を選択する際の意思決定を支援することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。