JP7462161B2 - 乾燥方法及び乾燥装置 - Google Patents

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Description

本発明は、溶剤を含む乾燥対象物の乾燥方法及び乾燥装置に関するものであり、溶剤を含む乾燥対象物を、安全に乾燥する乾燥方法及び乾燥装置に関するものである。
基材の表面に溶剤を含む塗布液を塗布することで形成された塗布膜を始めとする乾燥対象物を乾燥炉で乾燥する工程は、走行する帯状の基材としては電池の電極材、磁気記録媒体、又は、写真用フィルム等の塗布製品を製造する分野でよく用いられている。また、液晶ディスプレイに代表される大型の基材でも、印刷工法などで成膜された電極材料等の塗布膜を乾燥する工程で用いられている。これらの乾燥工程では、乾燥状態が製品の品質を左右するため、乾燥工程は重要な工程である。
ここでは、電池に使用する電極材の場合の塗布膜の乾燥方法を例として説明する。電池に使用する電極材の製造工程は、前述のように帯状の基材が使用され、送り出し部から引き出した帯状の基材を巻き取り部によって巻き取るまでの過程において、先ず、この走行中の帯状の基材の表面に、活物質およびバインダー(結着材)を溶剤に混合分散した塗布液を塗布する。その後、塗布された塗布液が熱風環境下の乾燥工程を通過して乾燥されることによって、活物質及びバインダーからなる塗布膜が連続的に形成される。その後、巻き取り装置によって電極材が巻き取られて、電極材の製造工程は完結する。
前記乾燥工程では、溶剤が所定の含有量の範囲となるように、後述のように適正な状態に乾燥することが要求されている。具体的には、乾燥後の塗布膜中に溶剤が許容量以上に残存している未乾燥の状態や、あるいは逆に、過剰な乾燥に起因する塗布膜の割れが発生するような不適正な乾燥状態の場合には、後工程で基材から塗布膜の脱落などが発生し、電池の安全性又は製造歩留まりに大きな影響を及ぼす可能性があり、多大な製品ロスの要因となる。そのため、塗布液に使用される溶剤も、前記塗布膜の乾燥挙動に多大な影響を与え、乾燥炉内の熱風の温度又は風速だけでなく、種々の環境変化の影響を受ける。例えば、熱風の供給源である乾燥炉周囲雰囲気の露点の季節又は天候による変化、又は、乾燥炉の運転開始直後と連続運転中との乾燥炉内の露点の差によっても、塗布膜の乾燥状態は異なる。
そのため、電池の電極材の製造においては、未乾燥な状態で乾燥を終えるため及び塗布膜の割れを防ぐために乾燥炉を出た後の溶剤の残存量を許容範囲内に制御することが重要であり、製品ロスを低減し生産効率を向上させる上で溶剤とその乾燥条件とは極めて重要である。そのため、沸点が高く、揮発性の低い一般環境で安定な取り扱い容易な溶剤を選定することが多いが、それによる弊害もある。沸点が高く、揮発性が低い溶剤の場合、乾燥に要する熱エネルギーが必然的に大きくなる。それに対し、沸点の低い揮発性有機溶剤を用いることで、乾燥に要する熱エネルギーは大幅に低減することが出来るが、高い揮発性のために、常温常圧の環境においても乾燥が進行してしまうこと、及び、一般的に引火温度が低いために引火がしやすいことなど、取り扱いが難しい場合が多い。
乾燥によって気化した溶剤の防爆について、安全を確保するために、気化した溶剤が爆発限界濃度の範囲に入らないようにする方法として、例えば特許文献1の方式が知られている。図10は、特許文献1の従来の乾燥装置の説明図である。特許文献1で開示されている構成においては、乾燥対象物は一例として固形分を溶剤に分散させた粘度の低いスラリー状のものであり、乾燥器102としては噴霧式乾燥方式を用いる場合である。乾燥装置は、加熱器106と、乾燥器102と、捕集器104と、凝縮器105と、ガス処理装置107と、これら加熱器106、乾燥器102、捕集器104、凝縮器105およびガス処理装置107を接続する各流路と、を具備して構成される。加熱器106は、循環ガスを加熱する。乾燥器102は、加熱器106で加熱された循環ガスによって乾燥対象物供給管101から供給される、固形分を溶剤に分散させたスラリー状の乾燥対象物を噴霧して乾燥する。捕集器104は、乾燥器102の底部のガス排出口103から排出される循環ガスから、これに含まれる固形分を捕集、分離する。凝縮器105は、捕集器104で固形分が分離された循環ガスを冷却し、循環ガス中の気化した溶剤を凝縮、分離する。ガス処理装置107は、凝縮器105から加熱器106に戻される途中で抜き取られた循環ガスの一部に含まれる気化した溶剤を分解または回収する。
循環ガスは、加熱器106に送られて加熱され、さらに乾燥器102へ送られる。乾燥器102では、乾燥対象物を循環ガスと直接接触させることにより、乾燥対象物の溶剤を蒸発させる。乾燥対象物から得られる固形分として排出されない残りの固形分(粉体)は、気化した溶剤を含んだ循環ガスと共に、ガス排出口103から乾燥器102外に排出され、サイクロン・バグフィルターなどを備えた捕集器104により、循環ガスから分離・回収される。固形分が分離された循環ガスは、凝縮器105へと送られる。凝縮器105に送られた循環ガスは、適当な温度まで冷却され、循環ガス中の気化した溶剤は、凝縮されて、液体として取り出される。凝縮器105から排出された循環ガスは、加熱器106に送られる。加熱器106に送られた循環ガスは、加熱器106で加熱され、さらに乾燥器102へと送られる。また、循環ガス中の溶剤の濃度が上昇したときに、もしくは循環ガス中の酸素濃度が上昇したときに、循環ガスの一部は、抜き取りガスとしてガス処理装置107に送られる。ガス処理装置107に送られた抜き取りガスは、ガス処理装置107において、抜き取りガスに含まれる気化した溶剤を分解または回収して処理ガスとした後、循環ガスに戻される。気化した溶剤が低減された処理ガスが循環ガスに供給されることで、循環ガス中の気化した溶剤の濃度を低く保つことができる。
また、乾燥によって気化した溶剤の防爆について、安全を確保するために、気化した溶剤が爆発限界濃度の範囲に入らないようにする方法として、例えば特許文献2の方式が知られている。図11は、特許文献2の従来の乾燥装置の説明図である。溶剤を含む塗料を塗装された乾燥物119は、矢印方向に送られ、乾燥炉111内で熱風によって乾燥される。乾燥のための熱風は、ファン120を介してエアヒータ118に送り込み、所定の温度に昇温して乾燥炉111に送り込まれて、乾燥物119の乾燥を行う。この乾燥工程で発生した溶剤を含む熱風は、乾燥炉111からファン120で吸引されてエアヒータ118に送り込み、昇温させた後、再び、乾燥炉111内に送り込むというように、乾燥炉111とエアヒータ118との間でファン120を介して循環させる。この際、熱風に含まれる溶剤濃度が一定濃度以上に達すると引火及び爆発の可能性があるため、希釈をする手段として、吸引用ダクト112に設けたダンパ113と、排出用ダクト114に設けたダンパ115とを、乾燥炉111内の濃度調節計116の指示により同時に開度加減するようにしており、炉内で発生する気化した溶剤を稀釈するために送り込む空気の供給量と、気化した溶剤を含有する排気ガスの排出量とを、使用溶剤量に合致させて比例制御する。なお、図11では、気化した溶剤の濃度調節計116の指令端117を乾燥炉内に設置した場合を示したが、この代りに、乾燥炉111内に搬入される溶剤量に関した関数によって設定してもよい。これにより、生産量又は製品の幅の変更に伴う操業状態に合致した排出ガス量と吸引の空気量とが確保され、炉内の気化した溶剤を含むガスは、爆発の危険性のない濃度の状態に保持される。
特開2003-240437号公報 昭54-56073号公報
しかしながら、前記特許文献1の構成では、循環ガス中の気化した溶剤の濃度が上昇したとき、もしくは循環ガス中の酸素濃度が上昇したときに、循環の経路上の一部においては、爆発の危険のある状態になってしまっている。具体的には、防爆のために循環ガスの一部は、抜き取りガスとしてガス処理装置に送られ、ガス処理装置に送られた抜き取りガスは、ガス処理装置において抜き取りガスに含まれる気化した溶剤を分解または回収して処理ガスとした後、循環ガスに戻され、気化した溶剤が低減された処理ガスが循環ガスに供給されることで、乾燥器に達した時点での循環ガスは気化した溶剤の濃度を低く保ち、爆発の危険は回避できるが、一方、加熱器の側を通過する循環ガス、及び抜き取られてガス処理装置に至る経路では気化した溶剤は、爆発する可能性のある危険な状態になってしまっているという課題を有している。
また、前記特許文献2の構成では、炉内で発生する気化した溶剤の濃度を稀釈するために送り込む空気の供給量と、気化した溶剤を含有する排気ガスの排出量とを、使用溶剤量に合致させて比例制御する。が、外気を取り込むことによって爆発の危険性は低減するものの、気化した溶剤を含有する排気ガスを排気するために同じ量の外気を炉内に投入する必要がある。この投入した外気を所定の温度まで加熱するためのエネルギーが必要となり、トータルの消費エネルギーが増加してしまうという課題を有している。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、乾燥装置内に置いて乾燥対象物の乾燥のために循環気体を循環する経路上のどの位置においても循環気体に含まれる気化した溶剤が爆発限界濃度の範囲に入ることがないために安全に乾燥できる乾燥方法及び乾燥装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の1つの態様にかかる乾燥方法は、加熱部と乾燥部との間で循環気体を循環させながら、前記加熱部で加熱された前記循環気体によって、前記乾燥部内の溶剤を含む乾燥対象物を乾燥する乾燥方法であって、
前記乾燥部から吸引しかつ気化した前記溶剤を含む前記循環気体を、前記溶剤の爆発限界濃度上限以上の前記溶剤を体積比率で含むことのできる第1温度より高い第2温度まで冷却し、
前記第2温度まで冷却しかつ前記第2温度における飽和蒸気圧に相当する量の気化した前記溶剤を含む前記循環気体を前記加熱部で加熱して前記乾燥部に供給し、
前記乾燥部において前記乾燥対象物を乾燥させたのちに前記乾燥部から前記循環気体を再び吸引して前記乾燥部に戻る循環経路の全域に渡って前記循環気体の温度を前記第2温度以上に高く保持することで、前記溶剤の爆発限界濃度上限以上で前記循環気体を循環する。
また、前記目的を達成するために、本発明の1つの態様にかかる乾燥装置は、溶剤を含む乾燥対象物を内部に保持し、供給される循環気体に含まれる気化した前記溶剤の蒸気圧と前記溶剤の飽和蒸気圧との差分だけ前記乾燥対象物から前記溶剤を気化させて前記乾燥対象物に含まれる前記溶剤の乾燥を乾燥工程として行う乾燥部と、
前記乾燥部から前記循環気体を吸引する吸引部と、
前記吸引部で前記乾燥部から吸引された循環気体を、前記溶剤の爆発限界濃度上限以上の前記溶剤を体積比率で含むことのできる第1温度より高い第2温度まで冷却する冷却部と、
前記冷却部を通過して冷却された前記循環気体を、前記第2温度における飽和蒸気圧に相当する量の気化した前記溶剤を含むように調整する調整部と、
前記調整部で調整されて前記第2温度における飽和蒸気圧に相当する量の気化した前記溶剤を含む前記循環気体を前記第2温度よりも高い第3温度まで加熱する加熱部と、
前記加熱部で前記加熱された循環気体を前記乾燥部に供給する供給部と、を備えて、
前記乾燥部において前記乾燥対象物を乾燥させたのちに前記乾燥部から前記循環気体を再び吸引して前記乾燥部に戻る循環経路の全域に渡って前記循環気体の温度を前記第2温度以上に高く保持することで、前記溶剤の爆発限界濃度上限以上で前記循環気体を循環する。
以上のように、本発明の前記態様にかかる乾燥方法及び乾燥装置によれば、乾燥部から吸引した循環気体を、前記溶剤の爆発限界濃度上限以上の前記溶剤を体積比率で含むことのできる第1温度より高い所定の第2温度まで冷却することにより、所定の第2温度において蒸気圧を調整した後に、加熱部で加熱して昇温した循環気体を乾燥部に供給することで、乾燥工程全体において、気化した溶剤が占める含有比率をその溶剤の爆発限界濃度の上限以上に調整することが可能となり、乾燥工程全体にわたって気化した溶剤への引火及び爆発の危険性を回避した安全な乾燥をすることが可能となる。
本発明の実施の形態における溶剤の乾燥方法を実施する乾燥装置の説明図 本発明の実施の形態における乾燥工程について、循環気体の温度と溶剤の蒸気圧との相関による説明図 乾燥による乾燥対象物の重量変化の説明図 乾燥条件の違いによる乾燥対象物の重量変化の説明図 本発明の実施の形態の第一変形例における乾燥装置の説明図 本発明の実施の形態の第二変形例における乾燥装置の説明図 本発明の実施の形態の第三変形例における乾燥装置の説明図 本発明の実施の形態における基材に塗布液を塗布する工程と乾燥対象物の搬送の説明図 本発明の実施の形態における帯状の基材に塗布液を塗布する工程と乾燥対象物の搬送の説明図 従来の乾燥装置を示す説明図 従来の乾燥装置を示す説明図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態における、乾燥方法を実施可能な乾燥装置の説明図である。乾燥装置は、乾燥部2と、吸引部の例としての循環気体吸引部5と、調整部の例としての蒸気圧調整部3と、供給部の例としての循環気体供給部4と、冷却部9と、加熱部8とを備えている。この乾燥装置は、加熱部8と乾燥部2との間で循環気体30を循環経路沿いに循環させながら、加熱部8で加熱された循環気体30によって乾燥部2内の溶剤12を含む乾燥対象物7を乾燥する。ここで、循環経路とは、乾燥部2から、循環気体吸引部5と、冷却部9と加熱部8とを含む蒸気圧調整部3と、循環気体供給部4とを経て再び乾燥部2に至る経路を意味している。
乾燥装置1は、例えばケーシング1aで囲まれた大略直方体の箱形状で構成されている。乾燥装置1の中央部には、乾燥装置1の乾燥対象物7の搬送方向Tの両端部を除いて仕切り板1bが配置されて、乾燥装置1内を上部と下部に仕切っている。
搬送部6は、例えばコンベヤで構成され、仕切り板1bの上面側に配置され、乾燥装置1内の上部に、乾燥装置1の乾燥対象物7の搬送方向Tに沿って延在して乾燥装置1を貫通し、乾燥対象物7を搬送方向Tに搬送する。
乾燥部2は、乾燥装置1内の搬送部6の上部に乾燥対象物7の搬送方向Tに沿って配置されて、乾燥部2内で、搬送部6で搬送される乾燥対象物7を乾燥処理する。
蒸気圧調整部3は、乾燥装置1内の搬送部6の下部に乾燥対象物7の搬送方向Tに沿って配置されて、乾燥部2からの循環気体30を冷却し加熱して蒸気圧を調整する。
循環気体供給部4は、乾燥装置1内の高さ方向の中間部でかつ乾燥対象物7の搬送方向Tの下流側の端部に配置され、乾燥部2と蒸気圧調整部3とに連通し、蒸気圧調整部3で蒸気圧が調整された循環気体30を乾燥部2に供給する。
循環気体30の一例としては、空気である。
循環気体吸引部5は、乾燥装置1内の高さ方向の中間部でかつ乾燥対象物7の搬送方向Tの上流側の端部に配置され、乾燥部2と蒸気圧調整部3とに連通し、乾燥部2の循環気体30を吸引し、蒸気圧調整部3に循環気体30を供給する。
蒸気圧調整部3の入口付近、すなわち、搬送方向Tの上流側の端部近傍には、冷却部9が配置され、循環気体30を冷却部9で冷却する。冷却部9では、溶剤12の爆発限界濃度上限以上の溶剤12を体積比率で含むことのできる第1温度t1より高い所定の第2温度t2まで冷却することにより、所定の第2温度t2において蒸気圧を調整する。
蒸気圧調整部3の出口付近、すなわち、搬送方向Tの下流側の端部近傍には、加熱部8が配置され、循環気体30を加熱部8で加熱する。加熱部8では、第2温度t2の循環気体30を第3温度t3まで加熱する。
蒸気圧調整部3は、加熱部8と循環気体供給部4とを介して乾燥部2に連通しており、蒸気圧調整部3内の循環気体30を加熱部8で加熱して、循環気体供給部4によって乾燥部2に、加熱された第3温度t3の循環気体30を供給する。
乾燥部2の乾燥対象物7の入口側の搬送部6に対向する面には入口側ラビリンス部10が、また出口側の搬送部6に対向する面には出口側ラビリンス部11がそれぞれ配置され、乾燥対象物7は搬送部6と入口側ラビリンス部10又は出口側ラビリンス部11との隙間を通過することにより、乾燥部2内の循環気体30が外気に対して漏洩しにくい構造となっている。
乾燥対象物7は、搬送部6によって乾燥部2内に搬入される。乾燥対象物7の一例としては、液晶ディスプレイのパネルなどの枚葉処理用の部材である。
乾燥部2に供給された循環気体30によって、乾燥対象物7に含まれる溶剤12が気化し、循環気体30のその場所における温度、例えば第3温度t3、での飽和蒸気圧となるまで気化が先行する。そして、循環気体30がその第3温度t3での飽和蒸気圧に達すると、乾燥対象物7からの溶剤12の気化と乾燥対象物7への溶剤12の凝縮とが釣り合う状態となり、乾燥対象物7に含まれる溶剤12の量が変化しなくなる。その状態での循環気体30が、循環気体吸引部5によって冷却部9に導かれて冷却され、所定の第2温度t2まで温度が低下する。この温度低下によって飽和蒸気圧が低下するために溶剤12の凝縮が進行し、冷却部9で凝縮した溶剤12は、溶剤液槽23に液体として回収される。冷却部9によって第2温度t2まで冷却された循環気体30は、吸引動作により、蒸気圧調整部3の出口側に向けて導かれる。蒸気圧調整部3では、溶剤液槽23に液体の溶剤12が保持されており、この場所の第2温度t2における飽和蒸気圧に相当する分の溶剤12を常に含有することになる。この循環気体30が循環気体供給部4に導かれる際に、加熱部8によって第2温度t2から第2温度t2よりも高い第3温度t3まで昇温された後に再び乾燥部2に供給される。乾燥部2に供給される循環気体30は、加熱部8による加熱によって温度が第2温度t2よりも高い第3温度t3まで上昇しているため、この第3温度t3での飽和蒸気圧に対して、溶剤12を気体として含み得る余裕度が生じていることになる。この溶剤12を含み得るための余裕度が、すなわち溶剤12の乾燥能力として、乾燥部2における乾燥対象物7に含まれる溶剤12の乾燥に寄与する。
この乾燥装置1内の循環気体30の循環による、乾燥部2内での循環気体30の進行方向は、乾燥対象物7の搬送方向Tと逆方向Rであれば、乾燥対象物7は搬送方向Tに進むほど乾燥しやすい状況となる。
冷却部9は、循環気体30の冷却機能の一例として機能する。冷却部9としては、例えば水冷チラー等による冷却水のパイプによって循環気体30の熱エネルギーを奪って、循環気体30の温度を第3温度t3から所定の第2温度t2に冷却する。冷却部9は、冷却駆動部9aによって冷却能力の調節を行うことが出来る。
加熱部8は、循環気体30の加熱機能の一例として機能する。加熱部8としては、例えば電気ヒータ等によって、第2温度t2の循環気体30に熱エネルギーを供給して加熱し、乾燥部2内に循環気体30を所定の第3温度t3で供給する。加熱部8は、加熱駆動部8aで加熱出力の調節を行うことができる。
蒸気圧調整部3の底面は、底面の中央に向かって下向きに傾斜した傾斜面1cとなり、逆円錐台形状の空間を有する溶剤液槽23が形成されている。溶剤液槽23では、液体の溶剤12を溜めて回収している。
また、溶剤液槽23に繋がる回収経路42上の回収装置41は、溶剤液槽23に回収された液体の溶剤12を再利用するために、外部にくみ出すためのポンプ41aを少なくとも備えている。このポンプ41aにより、溶剤液槽23で回収した溶剤12の液体を、所定の量だけ溶剤液槽23に保持し続けるように、乾燥装置1からの排出量を調節するようにしてもよい。回収装置41で汲み出される溶剤12の量は、例えば、流量計41bなどで直接測定して求めることができる。
必要に応じて、この実施形態では、図1に示すように、制御部40が備えることもできる。制御部40により、加熱部8の加熱駆動部8aの出力設定、及び冷却部9の冷却駆動部9aの出力制御、及び、溶剤液槽23内の液体の溶剤12の回収などをそれぞれ独立して制御可能としている。なお、図を簡略化するため、制御部40などは、図1など一部の図にのみ図示して、他の図では省略している。
なお、乾燥対象物7に含まれる溶剤12を気化した状態で含んだ循環気体30を、乾燥部2から吸引して冷却部9で所定の第2温度t2に冷却することで、吸引した循環気体30に含まれる飽和蒸気圧以上の気化した溶剤12が凝縮及び液化するので、この溶剤12を回収することが出来る。さらには、循環気体30を乾燥部2に供給する際に第3温度t3まで昇温する温度幅によって、乾燥部2に供給する循環気体30が持つ乾燥能力を調節することも可能となるため、乾燥部2において溶剤12の気化の際に乾燥対象物7が気化潜熱を奪われて温度が低下する程度についても、調節することが出来る。
ここで、図2は、溶剤12の一例としてのアセトンの飽和蒸気圧曲線を用いた乾燥工程の説明図である。
アセトンの飽和蒸気圧は、一般的な揮発性有機溶剤と同様に、図2のように温度が高いほど高くなる。アセトンの物性値は、分子量が58.1、沸点が56℃、融点が-95℃、比重が0.8、引火点が-18℃、循環気体30に含まれる含有率における爆発限界濃度は、体積比率として2.2~13Vol%(空気中)である。
アセトンの爆発限界濃度の上限である13vol%は、大気圧において約15kPaのときであり、図2のグラフより、温度が約10℃のときの飽和蒸気圧の場合の含有率とほぼ同じである。つまり、循環気体30が第1温度t1の例である10℃以上の温度域において、第1温度t1=10℃のときの飽和状態と同量のアセトンを含んでいる場合であれば、爆発限界濃度以上ということになり、引火及び爆発の危険性は無くなる。
図1において、乾燥装置1内の気圧が大気圧として、例えば冷却部9で、第1温度10℃に対して安全のための余裕を見て第2温度20℃までの冷却とし、蒸気圧調整部3で第2温度20℃でのアセトンの飽和状態に調整する。第2温度20℃におけるアセトンの蒸気圧は24kPaであり、大気圧が101.3kPaであるため、アセトンの含有率としては19vol%ということになり、爆発限界の上限である13vol%以上となるため、このときのアセトンを含有した循環気体30を第2温度20℃以上の第3温度t3に保持し続けることで、乾燥部2での乾燥工程において爆発限界濃度内に入ることは無い。
この状態の循環気体30を加熱部8で加熱して、第2温度20℃から例えば第3温度35℃まで温度差15℃だけ昇温した場合、図2のA点の状態からB点の状態となる。この第3温度35℃の時点での循環気体30に含まれるアセトンの飽和蒸気圧は約45kPaであるので、45kPaと24kPaとの差分(45kPa-24kPa=21kPa)だけアセトンを含む余裕があることになる。
そこで、加熱部8で加熱して、この第3温度35℃に昇温した循環気体30を、循環気体供給部4によって乾燥部2に供給することで、乾燥対象物7から気化するアセトンを乾燥させる能力となる。乾燥部2に供給されて乾燥対象物7とは逆方向Rに進む循環気体30に、乾燥対象物7から気化したアセトンが含まれて行く。乾燥部2を積極的に加熱せず、さらには乾燥部2の外気温が第3温度35℃以下の場合は、アセトンの気化潜熱によって乾燥対象物7の温度が下がると同時に、乾燥部2の熱が外部に逃げるなどして、循環気体30の温度がある程度低下する可能性がある。この状態は、図2における点Bの状態から点Cの状態に移行する過程であり、点Cの状態は、その時点の温度における飽和状態となる。点Cの状態では、乾燥対象物7から気化するアセトンと凝縮するアセトンとが同じ量になるため、乾燥としては進行しない。点Cの状態以降、つまり、飽和状態になって以降は、温度が上昇しない限り、循環気体30はその飽和状態のまま、循環気体吸引部5に吸引される。又は、点Cの状態以降にも乾燥部2内で循環気体30の温度が下がる場合は、温度が下がった分の飽和蒸気圧の差分だけ凝縮及び液化して回収された上で循環気体吸引部5に吸引される。つまり、循環気体吸引部5に吸引される時点では、図2の点Cから点Aに至る曲線上のいずれかになる。ここで、循環気体吸引部5から冷却部9において、前記したように第2温度20℃まで冷却することによって図2の点Aの状態に戻り、第2温度20℃における飽和蒸気圧以上に含まれていたアセトンは凝縮し、液体として溶剤液槽23に回収されることになる。
図3は、溶剤12の一例としてアセトンを含む乾燥対象物7の大気中における乾燥時の重量変化の説明図である。アセトンを約2g含む乾燥対象物7を大気中に放置し、その際の重量減少分、つまり、アセトンの大気中への気化した量を測定したものである。乾燥対象物7の設置場所は、外気を送風してそのまま吸引する一方向の風の流れとし、乾燥対象物7に接する雰囲気は、アセトンを全く含まない状態としている。このときの外気温度は22℃、乾燥完了時の乾燥対象物7の温度は、アセトンの気化潜熱によって低下し、最低で-0.2℃まで低下した。乾燥時間は約120秒であった。
図4は、図3の結果を基に図1の実施の形態における乾燥速度の調節についての説明図である。
図4の(3)の破線は、乾燥対象物7を飽和蒸気圧状態で放置した場合の時間経過による重量変化の理論値である。つまり、飽和蒸気圧下では乾燥が進行しないため重量変化も無く、気化と凝縮が平衡状態であるため、基本的に温度変化も無い。なお、この説明においては、周囲の温度影響による乾燥対象物7の温度変化は考慮しない。破線(3)は飽和蒸気圧下での理論値であり、(1)の実験値はアセトンを含まない雰囲気を送風し続けた値である。そのため、図1の実施の形態における循環気体供給部4から乾燥部2に供給される循環気体30での乾燥による重量減少の推移は、この図4における(3)の破線と(1)の実験値との間の値を取ることとなり、例として図4の(2)の実線となる。この(2)の実線の状態であれば、乾燥対象物7の乾燥速度についても、また、乾燥対象物7の温度低下についても(1)の実験値と(3)の破線との間の値を取ることになる。つまり、図1の実施形態の構成において、冷却部9と蒸気圧調整部3と加熱部8とによる循環気体30の温度と循環気体30に含まれるアセトンの量とを調節することで、乾燥速度と、そのときの温度低下とを制御することが可能となる。例えば図3のように乾燥対象物7の温度が大気圧下において0℃以下まで低下してしまうと、アセトンの乾燥自体は完了するものの、大気中に含まれる水分が結露及び液化して、乾燥対象物7に付着してしまう可能性がある。このように、冷却部9と蒸気圧調整部3と加熱部8とによる循環気体30の温度と循環気体30に含まれるアセトンの量とを調節することで、乾燥速度を所望の速度にすることができ、気化潜熱による乾燥対象物7の温度低下と周囲の雰囲気温度の影響とのバランスを制御し、急激な温度低下を抑制して、乾燥対象物7への水分の結露をも防ぐことが出来る。
前記実施の形態にかかる乾燥方法及び乾燥装置によれば、乾燥部2から吸引した循環気体30を、溶剤12の爆発限界濃度上限以上の溶剤12を体積比率で含むことのできる第1温度t1より高い所定の第2温度t2に冷却することにより、所定の第2温度t2において蒸気圧を調整した後に、加熱部8で加熱して所定の第3温度t3に昇温した循環気体30を乾燥部2に供給することで、乾燥工程全体において、気化した溶剤12が占める含有比率を、その溶剤12の爆発限界濃度の上限以上に調整することが可能となり、乾燥工程全体にわたって気化した溶剤12への引火及び爆発の危険性を回避した安全な乾燥をすることが可能となる。言い換えれば、乾燥部2において乾燥対象物7を乾燥させたのちに乾燥部2から循環気体30を再び吸引して乾燥部2に戻る循環経路の全域に渡って循環気体30の温度を第2温度t2以上に高く保持することで、溶剤12の爆発限界濃度上限以上で循環気体30を循環することにより、気化した溶剤12への引火及び爆発の危険性を回避した安全な乾燥をすることが可能となる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、以下のような変形例の他、その他種々の態様で実施できる。
図5は、本発明の実施形態の第1変形例における乾燥装置の説明図である。
図1の実施形態において、蒸気圧調整部3は、液体の溶剤12を溶剤液槽23に常時保持することで気化と凝縮とを平衡状態とし、溶剤12の蒸気圧の調節を行っている。
しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、図5に示すように、溶剤12が、循環気体30と接触する機会を、より増やすために、溶剤12の液体をミスト状にして循環気体30に噴霧する形態をとるように構成してもよい。
噴霧する溶剤12の制御については、噴霧器駆動部13aによって噴霧器13を駆動して制御する。噴霧に要する溶剤12の液体の量については、制御部40によって制御される。溶剤液槽23に保持されている溶剤12を直接噴霧する形でも良いし、外部の溶剤の貯留槽(図示せず)から噴霧する形でも良い。一例としては、噴霧器13を溶剤液槽23に接続して、冷却部9と溶剤液槽23との間の蒸気圧調整部3内に噴霧器13の先端を配置して噴霧するようにすることができる。
図6は、本発明の実施形態の第2変形例における乾燥装置の説明図である。
図1の実施形態における冷却部9は、冷却駆動部9aによって制御されている。
しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、図6の第2変形例においては、乾燥装置1の外気温が乾燥装置1内の循環温度、すなわち第2温度t2よりも低い前提において、乾燥装置1の外部と内部との両面に熱交換用の羽根部14aを有するヒートシンク14を設置する。これにより、ヒートシンク14を介して循環気体30を外気との熱交換によって冷却をすることが出来る。
図7は、本発明の実施形態の第3変形例における乾燥装置の説明図である。
図1の実施形態の場合、乾燥装置1の外部の温度が非常に低く、放熱によって循環気体30の温度、及び乾燥装置1の内壁温度が溶剤12の爆発限界濃度上限以上を含むことができない温度、例えば前記、図2におけるアセトンの場合は約10℃以下の温度になってしまうと、引火及び爆発の危険性が出てしまう可能性がある。
そのため、そのような可能性をも除去するために、第3変形例においては、外気温度が非常に低温の場合、乾燥装置1内の温度が溶剤12の特性に応じた下限温度、すなわち、第1温度t1を下回らないように、図7のように、乾燥装置1の下部、すなわち、乾燥部2及び蒸気圧調整部3のケーシング1aの外側に配置する断熱材15を厚くする等の手段によって、乾燥炉からの放散熱を低下させ、乾燥装置1の内部温度を保温して所定の第1温度t1以上に保つ必要がある。断熱材15としては、公知の断熱材を使用することができる。
図8は、本発明の実施の形態の乾燥部2の前工程である塗工部50Aの説明図である。塗工部50Aでは、溶剤12を含む塗布液18を基材19に塗工して、乾燥対象物7とする。
外気と絶縁された状態で乾燥部2に連通している塗工部50Aの内部は、この塗工工程及び乾燥工程で使用される溶剤12が、飽和蒸気圧状態まで含まれる飽和状態に保持されており、塗工部50A内で、溶剤12を含む塗布液18を塗布液貯留槽16から塗布ヘッド17に供給して、基材19に塗布する。
このように、塗工部50Aで乾燥対象物7を作製することで、塗工部50Aの中では、溶剤12は飽和状態のため乾燥は進行せず、乾燥対象物7は溶剤12の飽和状態を保ったまま乾燥部2に搬送される。
図9は、本発明の実施の形態の乾燥部2の前工程である塗工部50Bの説明図である。この塗工部50Bでは、溶剤12を含む塗布液18を帯状の基材20に塗工して乾燥部2内に送り出す。
図8の場合と同様に、外気と絶縁された状態で乾燥部2に連通している塗工部50Bの内部は、この塗工工程及び乾燥工程で使用される溶剤12が、飽和蒸気圧状態まで含まれる飽和状態を保持されており、塗工部50B内で、溶剤12を含む塗布液18を、塗布液貯留槽16から塗布ヘッド17に供給して、送り出し部21から送り出された帯状の基材20に塗布する。
このように塗工部50Bで塗布された帯状の基材20上の塗布液18は、塗工部50Bの中では溶剤12は飽和状態のため乾燥は進行せず、状態を保ったまま乾燥部2に搬送され、乾燥部2で乾燥工程を経た後に、巻き取り部22に巻き取られて、塗工工程及び乾燥工程が完了する。
なお、前記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせ又は実施例同士の組み合わせ又は実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態又は実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
本発明の前記態様にかかる乾燥方法及び乾燥装置は、乾燥対象物に含まれる溶剤を乾燥するための循環気体を循環する全工程において、循環気体に含まれる気化した溶剤を爆発限界濃度上限以上の体積比率に保持することで、気化した溶剤の引火及び爆発を回避した安全な乾燥をすることができ、かつ、乾燥速度及び乾燥対象物の温度低下の制御が可能となる。このため、本発明の前記態様は、溶剤を含む乾燥対象物の安全な乾燥方法及び乾燥装置として、電池に使用する電極材を始めとする工業製品又は家電製品の製造工程又は各種電子部品の製造工程における乾燥部などの各種熱処理を行う熱処理方法及び装置に適用できる。
1 乾燥装置
1a ケーシング
1b 仕切り板
1c 傾斜面
2 乾燥部
3 蒸気圧調整部
4 循環気体供給部
5 循環気体吸引部
6 搬送部
7 乾燥対象物
8 加熱部
8a 加熱駆動部
9 冷却部
9a 冷却駆動部
10 入口側ラビリンス部
11 出口側ラビリンス部
12 溶剤
13 噴霧器
13a 噴霧器駆動部
14 ヒートシンク
14a 羽根部
15 断熱材
16 塗布液貯留槽
17 塗布ヘッド
18 塗布液
19 基材
20 帯状の基材
21 送り出し部
22 巻き取り部
23 溶剤液槽
30 循環気体
40 制御部
41 回収装置
41a ポンプ
41b 流量計
42 回収経路
50A、50B 塗工部
T 乾燥対象物の搬送方向
R 逆方向(循環気体の進行方向)

Claims (5)

  1. 加熱部と乾燥部との間で循環気体を循環させながら、前記加熱部で加熱された前記循環気体によって、前記乾燥部内の溶剤を含む乾燥対象物を乾燥する乾燥方法であって、
    前記乾燥部から吸引しかつ気化した前記溶剤を含む前記循環気体を、前記溶剤の爆発限界濃度上限以上の前記溶剤を体積比率で含むことのできる第1温度より高い第2温度まで冷却し、
    前記第2温度まで冷却しかつ前記第2温度における飽和蒸気圧に相当する量の気化した前記溶剤を含む前記循環気体を前記加熱部で加熱して前記乾燥部に供給し、
    前記乾燥部において前記乾燥対象物を乾燥させたのちに前記乾燥部から前記循環気体を再び吸引して前記乾燥部に戻る循環経路の全域に渡って前記循環気体の温度を前記第2温度以上に高く保持することで、前記溶剤の爆発限界濃度上限以上で前記循環気体を循環する、乾燥方法。
  2. 溶剤を含む乾燥対象物を内部に保持し、供給される循環気体に含まれる気化した前記溶剤の蒸気圧と前記溶剤の飽和蒸気圧との差分だけ前記乾燥対象物から前記溶剤を気化させて前記乾燥対象物に含まれる前記溶剤の乾燥を乾燥工程として行う乾燥部と、
    前記乾燥部から前記循環気体を吸引する吸引部と、
    前記吸引部で前記乾燥部から吸引された循環気体を、前記溶剤の爆発限界濃度上限以上の前記溶剤を体積比率で含むことのできる第1温度より高い第2温度まで冷却する冷却部と、
    前記冷却部を通過して冷却された前記循環気体を、前記第2温度における飽和蒸気圧に相当する量の気化した前記溶剤を含むように調整する調整部と、
    前記調整部で調整されて前記第2温度における飽和蒸気圧に相当する量の気化した前記溶剤を含む前記循環気体を前記第2温度よりも高い第3温度まで加熱する加熱部と、
    前記加熱部で前記加熱された循環気体を前記乾燥部に供給する供給部と、を備えて、
    前記乾燥部において前記乾燥対象物を乾燥させたのちに前記乾燥部から前記循環気体を再び吸引して前記乾燥部に戻る循環経路の全域に渡って前記循環気体の温度を前記第2温度以上に高く保持することで、前記溶剤の爆発限界濃度上限以上で前記循環気体を循環する乾燥装置。
  3. 前記溶剤は、気化した状態で、前記乾燥工程の循環経路上のどの温度域においても、前記循環気体に対して前記爆発限界濃度上限以上の体積比率を占める蒸気圧となる物性値を有する、請求項2に記載の乾燥装置。
  4. 前記循環気体に前記前記第2温度における飽和蒸気圧に相当する量の気化した前記溶剤を含むように調整する前記調整部は、液体状の前記溶剤を常時保持している請求項2に記載の乾燥装置。
  5. 前記循環気体に前記前記第2温度における飽和蒸気圧に相当する量の気化した前記溶剤を含むように調整する前記調整部は、液体状の前記溶剤を霧状に噴霧して供給する請求項2に記載の乾燥装置。
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