JP7461749B2 - 無線通信ユニット及びそれを用いた無線ネットワークシステム - Google Patents

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Description

この発明は、無線ネットワーク通信を移動端末との間で行なうための無線通信ユニットに関するものであり、複数ユニット間の連携動作を容易に実現でき、広域エリアのカバーリング対応にも好適に使用可能な無線通信ユニットと、それを用いた無線ネットワークシステムに関する。
例えば、3GPP仕様に基づく高速通信規格例えば、LTE(Long Term Evolution)あるいはWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)の無線通信ネットワークにおいては、無線通信アクセス網を収容するEPC(Evolved Packet Core)をエリア内に構築することが必須であり、移動端末が接続する無線基地局は該EPCを介してIPパケットの送受信制御を受ける。一方、携帯電話、スマートフォンあるいはタブレットPCなどの移動端末の普及に伴い、海上や過疎地域、あるいは災害等により通信機能が喪失した地域など、EPCや無線基地局がインフラ的に整備されていない地域(以下、「無線非整備地域」と称する)においても、移動端末を利用したいという要望が高まっている。
こうした要望に応えるべく、例えば特許文献1には、無線基地局とEPC機能部とを一体化した複合型の無線通信ユニットが提案されている。このような無線通信ユニットを上記のような無線非整備地域に設置することで、該ユニットに含まれる無線基地局部により小規模ながら通信可能エリアが構築され、ユニット内のEPC機能部が通信制御を行なう形で、前記無線基地局部に接続する複数の移動端末間で無線通信を行なうことが可能となる。しかし、無線通信ユニット1台でカバーできる通信エリアは狭く、また、通信容量も限られている。この場合、無線非整備地域内に無線通信ユニットを複数台配置することも考えられるが、ユニット間での通信連携が考慮されておらず、異なる複合装置に接続された移動端末同士の通信ができない、という欠点がある。また、移動端末の接続台数が増えたり、動画データなどの大容量データの送受信がなされたりした場合など、エリア内の通信トラフィックが過剰となった場合は輻輳などの問題を生じやすい問題がある。
そこで、特許文献2~7には、複数の無線通信ユニットを連携させ、移動端末からの通信トラフィックを各無線通信ユニットに分散して転送処理する構成が開示されている。具体的には、特許文献5の図6に、移動端末との通信をオフロードさせるための無線通信ユニット同士の連携経路として、衛星装置を経由する形態が開示されている。
特開2016- 12841号公報 特開2018-137661号公報 特開2018-137662号公報 特開2018-137663号公報 特開2018-137664号公報 特開2018-137665号公報 特開2018-137666号公報
特許文献2~7においては、複数の無線通信ユニットが相互接続されている様子が図示されている(例えば、特許文献2の図1等)。上述した衛星装置を経由したオフロード形態を除くと、この接続がいかなる実体にて構成されたものかにつき、具体的な開示は文献中にてなされていない。しかし、仮に無線通信ユニット間が有線接続されていると考えた場合、無線非整備地域内の相応に広い通信エリア内に無線通信ユニットを分散配置しようとすれば、装置間を接続する通信ケーブルが非常に長くなる。その結果、信号品質及び通信容量の低下を招き、これを防止するための中継装置が必要となるなど、接続インフラ構築のためのコストが高騰する問題がある。さらに、列車や自動車、船舶など、無線通信ユニットが移動体に搭載される用途にあっては、各無線通信ユニットをケーブル接続することは物理的に不可能である。また、仮に無線通信ユニット同士も無線接続されていると考えた場合も、特定の無線通信ユニット間の通信トラフィック量が過剰となった場合に、緊急災害情報など重要性の高い情報の送受信を優先するための技術的な考慮等は全くなされていない。
本発明の課題は、複数の無線通信ユニットを簡便な構造により無線連携させることが可能であり、ひいては複数ユニット間の連携動作を容易に実現できるとともに、特定の無線通信ユニットとの間の通信トラフィックが混雑した場合においても、緊急情報等の重要情報についてはスムーズに送受信できる無線通信ユニットと、それを用いた無線ネットワークシステムとを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の無線通信ユニットは、移動体上に搭載可能に構成され、無線ネットワーク通信を移動端末との間で行なうための無線通信ユニットであって、移動端末が端末用無線ベアラを介して接続可能な無線基地局部と、無線基地局部に有線接続され、該無線基地局部に対する上位ネットワーク制御部として機能するEPC(Evolved Packet Core)機能部と、EPC機能部に有線接続されるとともに、第一の別の無線通信ユニットである上流ユニットの無線基地局部(以下、上流無線基地局部という)と上流側のユニット間無線ベアラ(以下、上流ユニット間無線ベアラという)を介して接続可能な中継無線通信部とを備え、無線基地局部は、第二の別の無線通信ユニットである下流ユニットの中継無線通信部(以下、下流中継無線通信部という)と下流側のユニット間無線ベアラ(以下、下流ユニット間無線ベアラという)を介して接続可能とされ、EPC機能部は下流ユニット間無線ベアラ設定要求を無線基地局部に送信する一方、無線基地局部は下流ユニット間無線ベアラ設定要求を受けて下流中継無線通信部とともに下流ユニット間無線ベアラを構築するものであり、EPC機能部は端末用無線ベアラ設定要求を無線基地局部に送信する一方、無線基地局部は端末用無線ベアラ設定要求を受けて移動端末とともに端末用無線ベアラを構築するものであり、中継無線通信部は、上流ユニットのEPC機能部(以下、上流EPC機能部という)が発行する上流ユニット間無線ベアラ設定要求を受信し、該上流ユニット間無線ベアラ設定要求を受けて上流無線基地局部とともに上流ユニット間無線ベアラを構築するものであり、無線基地局部は、複数の下流ユニットの中継無線通信部が、それら下流ユニットに一対一に対応する下流ユニット間無線ベアラを介して同時に接続可能とされてなり、さらに、EPC機能部は、無線基地局部に対し同時に接続する下流ユニットの中継無線通信部の数に応じて、それら下流ユニットの中継無線通信部を無線基地局部に接続するための各下流ユニット間無線ベアラの通信帯域幅を、中継無線通信部の数が多くなるほど通信帯域幅が狭くなるように調整制御するユニット間帯域幅制御部を備えることを特徴とする
また、本発明の無線ネットワークシステムは、移動体上に搭載可能に構成され、無線ネットワーク通信を移動端末との間で行なうための無線通信ユニットであって、移動端末が端末用無線ベアラを介して接続可能な無線基地局部と、無線基地局部に有線接続され、該無線基地局部に対する上位ネットワーク制御部として機能するEPC(Evolved Packet Core)機能部と、EPC機能部に有線接続されるとともに、第一の別の無線通信ユニットである上流ユニットの無線基地局部(以下、上流無線基地局部という)と上流側のユニット間無線ベアラ(以下、上流ユニット間無線ベアラという)を介して接続可能な中継無線通信部とを備え、無線基地局部は、第二の別の無線通信ユニットである下流ユニットの中継無線通信部(以下、下流中継無線通信部という)と下流側のユニット間無線ベアラ(以下、下流ユニット間無線ベアラという)を介して接続可能とされ、EPC機能部は下流ユニット間無線ベアラ設定要求を無線基地局部に送信する一方、無線基地局部は下流ユニット間無線ベアラ設定要求を受けて下流中継無線通信部とともに下流ユニット間無線ベアラを構築するものであり、EPC機能部は端末用無線ベアラ設定要求を無線基地局部に送信する一方、無線基地局部は端末用無線ベアラ設定要求を受けて移動端末とともに端末用無線ベアラを構築するものであり、中継無線通信部は、上流ユニットのEPC機能部(以下、上流EPC機能部という)が発行する上流ユニット間無線ベアラ設定要求を受信し、該上流ユニット間無線ベアラ設定要求を受けて上流無線基地局部とともに上流ユニット間無線ベアラを構築するものであり、無線基地局部は、複数の下流ユニットの中継無線通信部が、それら下流ユニットに一対一に対応する下流ユニット間無線ベアラを介して接続可能とされてなり、さらに、EPC機能部は、無線基地局部に対し同時に接続する下流ユニットの中継無線通信部の数に応じて、それら下流ユニットの中継無線通信部を無線基地局部に接続するための各下流ユニット間無線ベアラの通信帯域幅を、中継無線通信部の数が多くなるほど通信帯域幅が狭くなるように調整制御するユニット間帯域幅制御部を備えた無線通信ユニットが複数配置された無線通信ユニット群からなり、該無線通信ユニット群は、互いに隣接する無線通信ユニット対の基地局セルが一部重なる位置関係でユニット間無線ベアラにより接続され、無線通信ユニット対の一方に接続された移動端末と他方に接続された移動端末とが、無線通信ユニット対及び該無線通信ユニット対を接続するユニット間無線ベアラを介してIPパケットの送受信を行なうとともに、複数の無線通信ユニットのうち、下流ユニットが複数同時に接続している無線通信ユニットの下流ユニット間ベアラに設定される通信帯域幅が、下流ユニットが1つのみに接続している無線通信ユニットの下流ユニット間ベアラに設定される通信帯域幅よりも狭く設定されてなることを特徴とすることを特徴とする。
上記本発明の無線通信ユニット(及び無線ネットワークシステム)は、その下位概念において、ユニット間帯域幅制御部は、無線基地局に接続する下流ユニットの中継無線通信部が1つの場合に下流ユニット間無線ベアラの通信帯域幅を予め定められた第一帯域幅に設定する一方、無線基地局に接続する下流ユニットの中継無線通信部が2以上の場合に下流ユニット間無線ベアラの通信帯域幅を、第一帯域幅よりも小さい第二帯域幅に設定するように構成できる。なお、無線基地局部は、下流ユニット間無線ベアラを介して同時に接続可能な下流ユニットの数を例えば2とできるが、これに限定されず例えば3以上であってもよい。同時に接続可能な下流ユニットの数が例えば2の場合、上記の第二帯域幅は第一帯域幅の例えば1/2に設定できる。
また、ユニット間帯域幅制御部は、送受信対象となるユーザデータのうち、予め定められた種別のユーザデータを特定ユーザデータとして、該特定ユーザデータに設定される通信帯域幅が他の種別のユーザデータよりも広く確保されるように制御を行なうものとして構成できる。この場合、特定ユーザデータは、例えば移動端末にてユーザが当該特定ユーザデータとしての設定を実施したユーザ選択データとすることができる。また、特定ユーザデータは、例えば緊急映像情報とすることができる。
本発明の無線通信ユニット及びこれを用いた無線ネットワークシステムにおいては、上流側の別の無線通信ユニットである上流ユニット(上流無線基地局部)と上流ユニット間無線ベアラを介して接続可能な中継無線通信部が設けられる。また、無線基地局部は、下流側の別の無線通信ユニットである下流ユニット(下流中継無線通信部)と下流ユニット間無線ベアラを介して接続可能とされる。その結果、複数の無線通信ユニットをユニット間無線ベアラにより接続することが可能となり、複数台の無線通信ユニットにより、より広いエリアをカバーする無線ネットワークシステムを容易に構築できる。そして、本発明においては、個々の無線通信ユニットの無線基地局部に対し、複数の下流ユニットの中継無線通信部が、それら下流ユニットに一対一に対応する下流ユニット間無線ベアラを介して接続可能とされる。つまり、1つの無線通信ユニットに対し複数の下流ユニットを接続できるので、複数の無線通信ユニットを直鎖状に配置する構成に限らず、1つの無線通信ユニットから下流側に複数の下流ユニット間無線ベアラを分岐させるスター形状のユニット配置も採用することが可能となる。これにより、無線通信ユニット同士の接続トポロジーをより柔軟に設定することができ、広い通信エリアについても効率的にカバーリングすることが可能となる。
そして、EPC機能部に、無線基地局部に対し同時に接続する下流ユニットの中継無線通信部の数に応じて、それら下流ユニットの中継無線通信部を無線基地局部に接続するための各下流ユニット間無線ベアラの通信帯域幅を、中継無線通信部の数が多くなるほど通信帯域幅が狭くなるように調整制御するユニット間帯域幅制御部を設けたので、複数の下流ユニットが接続することで、特定の無線通信ユニットの通信負荷が増大した場合に、それら下流ユニットとの間のユニット間無線ベアラの設定帯域幅を縮小することで、通信トラフィックに対し緊急情報等の送受信を考慮した余裕を持たせることができる。
本発明の無線ネットワークシステムの構成単位となる無線通信ユニット対の概念を示す模式図。 図1の無線通信ユニット対の電気的構成の概略を示すブロック図。 本発明の無線通信ユニットの電気的構成の一例を示すブロック図。 UE(移動端末)の電気的構成の一例を示すブロック図。 IPパケットの概念図。 3GPPのコントロールプレーンのプロトコルスタックを概念的に示す図。 3GPPのユーザプレーンのプロトコルスタックを概念的に示す図。 3GPPの下りリンクのチャネルマッピングを概念的に示す図。 同じく上りリンクのチャネルマッピングを概念的に示す図。 周波数バンドチャネル、及びリソースブロックの関係を示す概念図。 本発明の無線ネットワークシステムの構成形態の一例を模式的に示す図。 無線通信ユニットの中継無線通信部の、上流側の別の無線通信ユニットに対するアタッチシーケンスを示す通信フロー図。 UE(移動端末)の無線通信ユニットに対するアタッチシーケンスを示す通信フロー図。 無線通信ネットワークシステムの中間の無線通信ユニットに新たな下流ユニットがアタッチするに伴い、該無線通信ユニットの下流ユニット間無線ベアラの設定通信帯域幅を縮小する制御の概要を説明する図。 移動端末において、所望の映像を特定ユーザデータとして送信するためのユーザインターフェースの例を示す図。 通常時の送信キューの設定例を示す概念図。 帯域幅制限時の送信キューの設定例を示す概念図。 ユニット間帯域幅制御プログラムの処理の流れを示すフローチャート。 端末アプリの処理の流れを示すフローチャート。 無線基地局部のパケット送信制御処理の流れを示すフローチャート。
以下、本発明を実施するための形態を添付の図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の無線ネットワークシステムの構成単位となる無線通信ユニット対の概念を一実施形態として示す模式図である。無線通信ユニット対は本発明の一実施形態である同一構成の無線通信ユニット1(A),1(B)からなり(以下、無線通信ユニット対1(A),1(B)ともいう)、それぞれ3GPPで規定された方式(本実施形態では、LTEとするが、WiMAXなど他の方式であってもよい)の通信プロトコルスタックに従い、UE(移動端末)5との間で無線通信を行なうものとして構成されている。
無線通信ユニット1(A),1(B)は、それぞれ移動体である大型船舶WS(A),WS(B)に設置され、後に詳述するユニット間無線ベアラ55により無線接続されている。各無線通信ユニット1(A),1(B)は、それぞれUE(移動端末)5が接続可能となるセル50(A),50(B)を形成する。また、大型船舶WS(A),WS(B)(例えば漁業母船、タンカーなど)の周囲では小船舶FB(例えば、漁船、タグボートなど)が操業をおこなっており、セル50(A)又はセル50(B)内の小船舶FBの乗員がUE5を携行している。それらUE5は、それぞれ最も近い無線通信ユニット1(A),1(B)に対し端末用無線ベアラ57により無線接続されている。なお、UE5は大型船舶WS(A),WS(B)の乗員が携行するものであってもよい。また、無線通信ユニット1(A),1(B)の設置先は船舶以外の移動体(車両など)であってもよいし、例えば陸上の所望の設置先に固定配置してもよい。
図2は、無線通信ユニット1(A),1(B)の機能ブロック構成を示すものである。無線通信ユニット1(A),1(B)は電気的にはいずれも同一の構成を有する。そして、本明細書において複数の無線通信ユニット及びその構成要素を互いに区別して示す場合は、対応する構成要素に同一の番号を付与しつつ、該番号に続く形で括弧付きの大文字アルファベットを付与して示す。一方、無線通信ユニット間の区別を行なわずに各構成要素を示す場合は、括弧付きの大文字アルファベットを省略する場合がある。以下、無線通信ユニット1(A)側の符号を主体的に用いて説明するが、必要に応じて無線通信ユニット1(B)側についても、対応する符号を援用しつつ説明する。また、本明細書に添付の図面において無線ベアラを示す矢印線を破線にて示し、有線のベアラないし電気的な接続線は実線又は一点鎖線の矢印線で示している。
無線通信ユニット1(A)は、UE(移動端末)5が端末用無線ベアラ57を介して接続可能な無線基地局部4(A)(eNodeB(evolved NodeB))と、無線基地局部4(A)に有線接続され、該無線基地局部4(A)に対する上位ネットワーク制御部として機能するEPC(Evolved Packet Core)機能部3(A)とを有する。また、該EPC機能部3(A)には、上流側の無線通信ユニット1(B)(上流ユニット)の無線基地局部4(B)(上流無線基地局部)に対し上流側のユニット間無線ベアラ55(上流ユニット間無線ベアラ)を介して接続可能な中継無線通信部9(A)が有線接続されている。
一方、無線通信ユニット1(B)は、同様の無線基地局部4(B)と、無線基地局部4(B)に有線接続され、該無線基地局部4(B)に対する上位ネットワーク制御部として機能するEPC機能部3(B)と、EPC機能部3(B)に有線接続される中継無線通信部9(B)を備える。該中継無線通信部9(B)は、無線通信ユニット1(B)の上流側にさらに別の無線通信ユニットが配置されていれば、その無線通信ユニットの無線基地局部に対しユニット間無線ベアラを介して接続可能である(図11参照)。また、無線基地局部4(B)は、下流側の無線通信ユニット1(A)(下流ユニット)の中継無線通信部9(A)(下流中継無線通信部)に対し、下流側のユニット間無線ベアラ55(下流ユニット間無線ベアラ)を介して接続可能とされている。つまり、ユニット間無線ベアラ55は、無線通信ユニット1(A)から見たときは上流ユニット間無線ベアラとなり、無線通信ユニット1(B)から見たときは下流ユニット間無線ベアラとなる。そして、ユニット間無線ベアラ55(下流ユニット間無線ベアラと上流ユニット間無線ベアラ)は、端末用無線ベアラ57と同一方式の無線プロトコルスタック、本実施形態においてはいずれもLTEの無線プロトコルスタックに従って構築される。
そして、無線通信ユニット1(A)及び無線通信ユニット1(B)のいずれにおいても、無線基地局部4(A),4(B)は、複数の下流ユニットの中継無線通信部が、それら下流ユニットに一対一に対応する下流ユニット間無線ベアラを介して接続可能とされている。図2においては、無線通信ユニット1(B)の無線基地局部4(B)に対し、無線通信ユニット1(A)の中継無線通信部9(A)がユニット間無線ベアラ55(A)により、また、無線通信ユニット1(C)の中継無線通信部9(C)がユニット間無線ベアラ55(B)によりそれぞれ接続されている。つまり、無線基地局部は、複数の下流ユニットの中継無線通信部が1つの無線基地局部に対し同時に接続可能とされている。なお、無線通信ユニット1(C)もまた、無線基地局部4(C)及びEPC機能部3(C)を備えている。また、無線通信ユニット1(A)~1(D)はいずれもルータ8を内蔵しており、例えば衛星通信回線61等により外部ネットワーク60(例えばグローバル公共ネットワーク(インターネット))と接続可能である。
次に、いずれの無線通信ユニット1(A),1(B)(以下、総称する場合は無線通信ユニット1という)においても、EPC機能部3は、コントロールプレーン側のゲートウェイとなるMME(Mobility Management Entity)2、PCRF(Policy and Charging Rules Function)10、ユーザプレーン側のゲートウェイとなるS-GW(Serving Gateway)6、EPC機能部3、及び該EPC機能部3の上流側ネットワーク要素(ここで、ルータ8及び中継無線通信部9)の結節点に位置し、上流側ネットワーク要素側(つまり、上流ユニット側)に向けたIPアドレス管理を行なうP-GW(PDN (Packet Data Network) Gateway)7を有する。また、無線基地局部4には複数のUE5が端末用無線ベアラ57を介して無線接続される。コントロールプレーン側において無線基地局部(eNodeB)4は、S1-MMEインターフェースを介してMME2に接続される。また、ユーザプレーン側において無線基地局部4は、S1-Uインターフェースを介してS-GW6に接続される。また、S-GW6はS5インターフェースを介してP-GW7と接続される。さらに、PCRFはGxインターフェース及びGxcインターフェースを介してP-GW7及びS-GW6とそれぞれ接続される。
PCRF10は、後述するユニット間無線ベアラの帯域幅設定制御(ユニット間帯域幅制御)の実行主体として機能するものであり、ユーザが送受信するユーザデータパケットに対して適用するQoS(Quality of Service)や課金体系を決定する機能を果たす。PCRF10が決定するQoS値は、送信パケットの種別に応じ、保証の有無、帯域幅保証がある場合の設定帯域幅、送信の優先度、許容遅延時間、許容損失率などを、QoS値のレベルごとに規定したものである。該QoS値はP-GW7、S-GW6、及び無線基地局部4にそれぞれ通知され、それら各ノードは通知されたQoS値に従い、ユーザデータパケットに対してQoS制御を実施する
図3は、無線通信ユニット1の電気的構成を示すブロック図である。EPC機能部3はマイコンハードウェアを主体に構成されており、CPU301、プログラム実行領域となるRAM302、マスクROM303(恒久的に書換えが不要なマイコンハードウェア周辺制御用等のファームウェアを格納している;以下、同様)及びそれらを相互に接続するバス306等からなる。また、バス306にはフラッシュメモリ305が接続され、ここにEPC用のLTEプロトコルスタックを含む通信ファームウェア305aと、前記LTEプロトコルスタックをプラットフォームとして、図2のMME2、S-GW6及びP-GW7の各機能を仮想的に実現するMMEエンティティ305b、S-GWエンティティ305c及びP-GWエンティティ305d、及びPCRFエンティティ305iの各プログラムがインストールされている。PCRFエンティティ305iはユニット間無線ベアラの帯域幅制御を行なうためのユニット間帯域幅制御プログラム305hを含む。
また、バス306には上流側通信インターフェース304A及び下流側通信インターフェース304Bが接続されている。P-GW用のIPパケットの入出力ポートは上流側通信インターフェース304Aに、S-GW用のIPパケットの入出力ポートは下流側通信インターフェース304Bにそれぞれ確保される。なお、上記の構成では、図2のMME2、S-GW6、P-GW7及びPCRF10をコンピュータハードウェア上での仮想機能ブロックとして構成しているが、各々独立したハードウェアロジックにより構成してもよい。
無線基地局部4はマイコンハードウェアを主体に構成されており、CPU401、プログラム実行領域となるRAM402、マスクROM403、送信キュー415、及びそれらを相互に接続するバス406等からなる。バス406にはフラッシュメモリ405が接続され、ここに無線基地局用のLTEプロトコルスタックを含む通信ファームウェア405aが格納されている。また、バス406には端末用無線ベアラの構築によりUEと無線接続するための無線通信部412と、通信インターフェース404が接続されている。通信インターフェース404はEPC機能部3の下流側通信インターフェース304Bと有線の通信バス31により接続されている。送信キュー415はFIFOメモリ等で構成され、無線送信するIPパケットを送信順に格納する役割を果たし、通常、パケットの種別に応じて予め定められた優先順位に対応して、複数のキューメモリ領域が形成されている。
中継無線通信部9はマイコンハードウェアを主体に構成されており、CPU901、プログラム実行領域となるRAM902、マスクROM903及びそれらを相互に接続するバス906等からなる。バス906にはフラッシュメモリ905が接続され、ここに中継無線通信部用のLTEプロトコルスタックを含む通信ファームウェア905a、及び上流ユニット接続切替制御プログラム905bが格納されている。また、バス906にはユニット間無線ベアラの構築により上流無線基地局部と無線接続するための無線通信部912と、通信インターフェース904が接続されている。通信インターフェース904はEPC機能部3の上流側通信インターフェース304Aと有線の通信バス30により接続されている。
中継無線通信部9において、通信ファームウェア905aに組み込まれている中継無線通信部用のLTEプロトコルスタックは、後述するUE(移動端末)用のプロトコルスタックと同一のものが使用される。換言すれば、中継無線通信部9の上流無線基地局部への接続手順は、UE(移動端末)の接続手順であるアタッチシーケンスと方式的には同一である。
また、通信バス30には、EPC機能部3とインターネット等の外部ネットワーク60との間のIPパケットの送受信を中継するルータ8が接続されている(すなわち、EPC機能部3と中継無線通信部9との間にルータ8が設けられている)。
次に、無線通信ユニット1は、着脱式の二次電池モジュール21(例えば、リチウムイオン二次電池モジュールやニッケル水素二次電池モジュールなど)と、無線基地局部4、EPC機能部3、ルータ8及び中継無線通信部9の各機能回路ブロックと、二次電池モジュール21からの入力電圧を各機能回路ブロックの駆動電圧に変換して出力する電源回路部22とが可搬型筐体23に一体的に組付けられた構造を有する。これにより、無線通信ユニット1は、二次電池モジュール21から駆動電源電圧を自律的に調達でき、商用交流などの外部電源電圧が使用不能な設置場所(例えば海上など)においても問題なく使用可能である。可搬型筐体23は金属ないし強化型樹脂製の箱型であり、図3に示す例では、搬送ないし移動の便宜を図るため、可搬型筐体23の底部にキャスター24Cを、同じく背面に手押し用の取手24を設けている。
放電により二次電池モジュール21の出力電圧が下がった場合は、可搬型筐体23から二次電池モジュール21を取り外し、例えば図示しない商用交流電源や自家発電装置に接続された専用の充電器に装着して充電することが可能である。また、電源回路部22は、上記商用交流や移動体に設けられた集中電源部などの外部電源電圧も受電できるようになっており、上記駆動電源電圧に変換出力が可能である。さらに、当該外部電源電圧により二次電池モジュール21の充電を実行できるように構成することもできる。例えば電源回路部22が商用交流等から受電している状態で、停電により該受電が途絶えた場合は二次電池モジュール21からの受電に切り替えることで、無線通信ユニット1の動作が継続可能となるように構成することもできる。
次に、図4は、UE(移動端末)5の電気的構成の一例を示すブロック図である。UE5はマイコン100を処理主体として備えたスマートフォンとして構成されている。マイコン100は、CPU101、プログラム実行領域となるRAM102、ROM103、入出力部104及びそれらを相互に接続するバス106等からなる。また、バス106にはフラッシュメモリ105が接続され、ここにUE5の動作環境を構築するためのOS(図示せず)と、端末アプリ105b等がインストールされている。
また、入出力部104にはグラフィックコントローラ1091を介してモニタ109が接続されている。モニタ109には入力部をなすタッチパネル110が重ね合わされ、モニタ109に表示形成される種々のソフト操作部(ボタンやアイコンなど:図13~図17参照)と協働して、UE5の動作制御に必要な種々の情報入力がなされるようになっている。タッチパネル110はタッチパネルコントローラ1101を介して入出力部104に接続されている。入出力部104には静止画ないし動画を撮影するためのカメラ111が接続されている。さらに、バス106には無線通信部112が接続されている。UE5は該無線通信部112にて、図2の無線通信ユニット1の無線基地局部4と端末用無線ベアラ57を介して無線接続される。
端末アプリ105bは、本実施形態においては、UE(移動端末)5から送信するユーザデータ(例えば災害時伝言データなどの文字列データ、写真などの静止画データ及び動画データ)に対し、所望のものを特定ユーザデータ(ユーザ選択データ)としてユーザが選択し、そのユーザデータのパケットを、他のユーザデータよりも転送優先度を高めたユーザパケットとして設定する機能を担う。
図5は、UE5と無線通信ユニット1との間のデータ伝送に使用するIPパケットの構造を示す模式図である。IPパケット1300はIPヘッダ1301とペイロード1302とからなり、IPヘッダ1301にはPDU識別番号、データの送信元アドレス1301a、送信先アドレス1301bなどが書き込まれる。
また、IPヘッダ1301にはToS(Type of Service)フィールド1301cが形成さている。ToSフィールド1301cはパケットの転送優先度及び通信の種類を規定するものであり、このうち転送優先度は、その先頭に設けられたIPプレシデンス(あるいはDSCP:Differetiated Service Code Point)1301dの内容により定義される。このIPプレシデンス1301dの設定値が大きい(すなわち、上位の)IPパケットほど転送優先度が高いIPパケットであることを意味し、前述の特定ユーザデータとして選択されたユーザデータパケットのIPプレシデンス1301dの値は、非選択のユーザデータパケットよりも高く設定されることとなる。
図6及び図7は、LTEシステムにおける無線プロトコルスタックを示し、図6はユーザプレーンのプロトコルスタックを、図7はコントロールプレーンのプロトコルスタックを示している。該無線プロトコルスタックは、OSI参照モデルのレイヤ1~レイヤ3に区分されており、レイヤ1はPHY(物理)層である。レイヤ2は、MAC(Medium Access Control:メディアアクセス制御)層、RLC(Radio Link Control:無線リンク制御)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol:パケットデータ暗号化)層を含む。レイヤ3は、RRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)層及びNAS(Non-Access Stratum:非アクセス)層を含む。
各層の役割は以下の通りである。
・PHY層:符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行なう。UE5及び中継無線通信部9のPHY層と無線基地局部(eNodeB)4のPHY層との間では、物理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
・MAC層:データの優先制御、HARQによる再送制御処理、及びランダムアクセス手順等を行なう。UE5及び中継無線通信部9のMAC層と無線基地局部4のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。無線基地局部4のMAC層は、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))及びUE5への割当リソースブロックを決定するスケジューラを含む。
・RLC層:MAC層及びPHY層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE5のRLC層と無線基地局部4のRLC層との間では、論理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
・PDCP層:PDUのヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行なう。
・RRC層:制御信号を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE5のRRC層と無線基地局部4のRRC層との間では、各種設定のためのメッセージ(RRCメッセージ)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル及び物理チャネルを制御する。UE5のRRCと無線基地局部4のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE5はRRCコネクティッドモードとなり、そうでない場合はRRCアイドルモードとなる。
以上の層はコントロールプレーン及びユーザプレーンの双方にて使用される。一方、コントロールプレーンのみ、UE5、中継無線通信部9及びMME2には、RRC層よりさらに上位にセッション管理及びモビリティ管理等を行なうNAS層が設けられる。また、無線基地局部4のEPC機能部3側とのユーザデータ伝送インターフェースには、GTP-U(GPRS(General Packet Radio Service)Tunneling Protocol for User Plane)層が設けられている。GTP-U層は、接続先のUE5ないし中継無線通信部9の識別や、使用する無線ベアラの識別を行なうためのものである。
次に、図8は、LTEシステムにおける下りリンクのチャネルマッピングを示す。ここでは、論理チャネル(Downlink Logical Channel)、トランスポートチャネル(Downlink Transport Channel)及び物理チャネル(Downlink Physical Channel)相互間のマッピング関係を示している。以下、順に説明する。
・DTCH(Dedicated Traffic Channel:専用トラフィックチャネル)は、データの送信のための個別論理チャネルである。DTCHは、トランスポートチャネルであるDLSCH(Downlink Shared Channel:下りシェアドチャネル)にマッピングされる。
・DCCH(Dedicated Control Channel:専用制御チャネル):UE5とネットワークとの間の個別制御情報を送信するための論理チャネルである。DCCHは、UE5及び中継無線通信部9が無線基地局部4とRRC接続を有する場合に用いられる。DCCHは、DLSCHにマッピングされる。
・CCCH(Common Control Channel:共通制御チャネル):UE5及び中継無線通信部9と無線基地局部4との間の送信制御情報のための論理チャネルである。CCCHは、UE5及び中継無線通信部9が無線基地局部4との間でRRC接続を有していない場合に用いられる。CCCHは、DLSCHにマッピングされる。
・BCCH(Broadcast Control Channel:放送制御チャネル):システム情報配信のための論理チャネルである。BCCHは、トランスポートチャネルであるBCH(Broadcast Channel、放送チャネル)又はDLSCHにマッピングされる。
・PCCH(Paging Control Channel:ページング制御チャネル):ページング情報、及びシステム情報変更を通知するための論理チャネルである。PCCHは、トランスポートチャネルであるPCH(Paging Channel:ページングチャネル)にマッピングされる。
また、トランスポートチャネルと物理チャネルとの間のマッピング関係は以下の通りである。
・DLSCH及びPCH:PDSCH(Physical Downlink Shared Channel:物理下りシェアドチャネル)にマッピングされる。DLSCHは、HARQ、リンクアダプテーション、及び動的リソース割当をサポートする。
・BCH:PBCH(Physical Broadcast Channel:物理ブロードキャストチャネル)にマッピングされる。
次に、図9は、LTEシステムにおける上りリンクのチャネルマッピングを示す。図8と同様に、論理チャネル(Downlink Logical Channel)、トランスポートチャネル(Downlink Transport Channel)及び物理チャネル(Downlink Physical Channel)相互間のマッピング関係を示している。以下、順に説明する。
・CCCH(Common Control Channel:共通制御チャネル):UE5及び中継無線通信部9とEPC機能部3との間の制御情報を送信するために使用される論理チャネルであり、EPC機能部3と無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)接続を有していないUE5によって使用される。
・DCCH(Dedicated Control Channel:専用制御チャネル):1対1(point-to-point)の双方向の論理チャネルであり、UE5及び中継無線通信部9とEPC機能部3と間で個別の制御情報を送信するために利用するチャネルである。専用制御チャネルDCCHは、RRC接続を有しているUE5によって使用される。
・DTCH(Dedicated Traffic Channel:専用トラフィックチャネル):1対1の双方向論理チャネルであり、特定のUE又は中継無線通信部専用のチャネルであって、ユーザ情報の転送のために利用される。
・ULSCH(Uplink Shared Channel:上りリンク共用チャネル):HARQ)、動的適応無線リンク制御、間欠送信(DTX:Discontinuous Transmission)がサポートされるトランスポートチャネルである。
・RACH(Random Access Channel:ランダムアクセスチャネル):制限された制御情報が送信されるトランスポートチャネルである。
・PUCCH(Physical Uplink Control Channel:物理上りリンク制御チャネル):下りリンクデータに対する応答情報(ACK(Acknowledge)/NACK(Negative acknowledge))、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicatorおよび、上りリンクデータの送信要求(スケジューリングリクエスト:Scheduling Request:SR)を無線基地局部4に通知するために使用される物理チャネルである。
・PUSCH(Physical Uplink Shared Channel:物理上りリンク共用チャネル):上りリンクデータを送信するために使用される物理チャネルである。
・PRACH(Physical Random Access Channel:物理ランダムアクセスチャネル):主にUE5から無線基地局部4への送信タイミング情報(送信タイミングコマンド)を取得するためのランダムアクセスプリアンブル送信に使用される物理チャネルである。ランダムアクセスプリアンブル送信はランダムアクセス手順の中で行なわれる。
図9に示すように、上りリンクでは、次のようにトランスポートチャネルと物理チャネルのマッピングが行われる。上りリンク共用チャネルULSCHは、物理上りリンク共用チャネルPUSCHにマッピングされる。ランダムアクセスチャネルRACHは、物理ランダムアクセスチャネルPRACHにマッピングされる。物理上りリンク制御チャネルPUCCHは、物理チャネル単独で使用される。また、共通制御チャネルCCCH、専用制御チャネルDCCH、専用トラフィックチャネルDTCHは、上りリンク共用チャネルULSCHにマッピングされる。
次に、LTEシステムの下りリンクにおいては、UE5及び中継無線通信部9は無線基地局部4に対してOFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing、直交周波数分割多重)アクセス(OFDMA)により無線接続する。OFDMA方式は、周波数分割多重と時間分割多重とを複合させた二次元の多重化アクセス方式として特徴づけられる。具体的には、直交する周波数軸と時間軸のサブキャリアを分割してUE5に割り振り、各サブキャリアの信号がゼロ(0点)になるように、周波数軸上で直交するサブキャリアを分割する。サブキャリアを分割して周波数軸上に割り当てることにより、あるサブキャリアがフェージングの影響を受けても影響のない別のサブキャリアを選択することができるので、ユーザは無線環境に応じてより良好なサブキャリアを使用でき、無線品質を維持できる利点が生ずる。
そして、OFDMA方式においては、周波数軸と時間軸とが張る仮想平面上で定義されるリソースブロック(Resource Block:以下、RBともいう)が無線リソースとして採用される。RBは図10に示すように、上記平面を180kHz/0.5msecでマトリックスに区切ったブロックとして定義され、各ブロックは周波数軸上では15kHz間隔で隣接する12個のサブキャリアを、時間軸上ではフレームの1スロット分(7シンボル)を含む。このRBは時間軸上で隣接する2つ(1msec)を1組としてUE5及び中継無線通信部9に割り当てられる。他方、LTEシステムの上りリンクにおいても、SC-FDM(Single Career Frequency-Division Multiplexing)アクセス(SC-FDMA)が採用される点を除き、同様の概念のリソースブロックが無線リソースとして用いられる。OFDMAでは1つのリソースブロックが周波数軸上で12のサブキャリア(帯域幅:15kHz)に分割されるのに対し、SC-FDMAはサブキャリアへの分割がなされないシングルキャリア方式である。
例えば下りリンクへのリソースブロックの割当については、通常のLTEプロトコルにおいて次のような手順にて決定されている。UE5及び中継無線通信部9は、定められた周波数単位ごとに、eNodeB4より送信されるCQI参照信号を受信し、下りチャネルの受信品質を示す指示子であるCQIを測定してCQI情報を作成する。CQI情報は、測定により得られる受信品質を変調方式毎に符号化率と周波数利用効率の2つのパラメータにて表したもので、上りリンクの制御チャネル(前述のPUCCH)を用いてUE5からeNodeB4にCQIインデクスを用いて報告される。
eNodeB4は、複数のUE5又は中継無線通信部9から通知されたCQI情報を基に、個々のUE5又は中継無線通信部9との無線ベアラに割り当てる。各UE5及び中継無線通信部9のCQI情報の内容に応じて受信信号レベルの高い周波数ブロックを各々のUE5及び中継無線通信部9に対して最適に割当てを行うことにより、UE5及び中継無線通信部9のダイバーシチ効果(マルチユーザダイバーシチ)を得ることができ、ユーザスループットおよびセル当りのスループットを向上できる。
図11は、上記の構成の無線通信ユニット1を採用した場合の、本発明の無線ネットワークシステムの構成例を示すものである。該無線ネットワークシステムにおいて無線通信ユニット群1(A)~1(D)は、互いに隣接する無線通信ユニット対(1(A)と1(B)、1(B)と1(C)、1(B)と1(D))の基地局セル(50(A)と50(B)、50(B)と50(C)、50(B)と50(D))が一部重なる位置関係で、ユニット間無線ベアラ55(A),55(B),55(C)により接続されている。また、無線通信ユニット1(B)の無線基地局部4(B)には2つの無線通信ユニット、具体的には無線通信ユニット1(A)の中継無線通信部9(A)がユニット間無線ベアラ55(A)により、また、無線通信ユニット1(D)の中継無線通信部9(D)がユニット間無線ベアラ55(C)により接続されている。ユニット間無線ベアラ55(A)とユニット間無線ベアラ55(C)とは同一の周波数チャネル(図11ではいずれもCH1)に設定されている。一方、無線通信ユニット1(B)からみて、下流ユニット間無線ベアラ55(A)と上流ユニット間無線ベアラ55(B)とは、異なる周波数チャネル(図11ではCH1とCH2)に設定されている。
例えば無線通信ユニット対1(A),1(B)の一方に接続されたUE5(A)(移動端末)と他方に接続されたUE5(B)(移動端末)とが、無線通信ユニット対1(A),1(B)及び該無線通信ユニット対1(A),1(B)を接続するユニット間無線ベアラ55(A)を介してIPパケットの送受信を行なうことができる。無線通信ユニット群1(A)~1(D)は、例えば全てが前述の船舶や車両などの移動体上に搭載されていてもよいし、一部のもののみを移動体上に搭載し、残余のものを建物内などに固定設置するようにしてもよい。
図11においては、ユニット間無線ベアラ55(A),55(B),55(C)により接続された無線通信ユニットが3以上(図11では、4つ)となっている。この場合、無線通信ユニット群1(A)~1(D)の1つの無線通信ユニットをなす第一の無線通信ユニット1(A)に接続されたUE(移動端末)5(A)と、無線通信ユニット群1(A)~1(D)において第一の無線通信ユニット1(A)に対し中間の無線通信ユニット1(B)を隔てて配置される第二の無線通信ユニット1(C),1(D)に接続されたUE(移動端末)5(C),5(D)とが、ユニット間無線ベアラ55(A),55(B),55(C)を介してIPパケットを送受信できるようになっている。
3GPP仕様の無線通信方式においては、該3GPPに規定された複数の周波数バンドのいずれが割り当てられる。この割り当てられる周波数バンドは、通信方式によって相違し、例えばLTEバンドとしてはバンド1、3、6、8、11、18、19、21、26、28、41及び42が使用されている。いずれのバンドも、予め定められた帯域幅の複数の周波数チャネルに分割され、EPC機能部3は、図2のユニット間無線ベアラ55及び端末用無線ベアラ57を、予め定められた周波数チャネルを選択して構築することとなる。すなわち、下流ユニット間チャネル、上流ユニット間チャネル及び端末側チャネルは、各々3GPPに規定される複数のバンドのいずれかに属する周波数チャネルとして設定される。
本実施形態において、EPC機能部3は、(下流)ユニット間無線ベアラ55の設定周波数チャネルを、予め定められた特定の1つの周波数チャネルである(下流)ユニット間チャネルに固定設定する。また、端末用無線ベアラ57の設定周波数チャネルである端末側チャネルについては、(下流)ユニット間チャネルと同一の周波数チャネルに設定される。つまり、EPC機能部3は、直下の無線基地局部4に対し、下流側の無線通信ユニット1の中継無線通信部9と移動端末5に対し同一の周波数チャネルを設定する。
図11のような、複数の無線通信ユニット1(A)~1(D)を接続する無線ネットワークシステムの構成においては、ユニット間無線ベアラ55による隣接ユニットの無線基地局部4との接続トポロジーが大きく変化しなければ、個々の無線通信ユニット1の中継無線通信部9の接続先となる無線基地局部4は固定されており、中継無線通信部9に対して周波数チャネル切替えを伴うハンドオーバ処理は不要となる。そこで、ユニット間無線ベアラ55について、予め定められた特定の1つの周波数チャネルであるユニット間チャネルに固定設定することで、ユニット間無線ベアラ55のチャネル切替えに伴う通信途絶等を効果的に防止でき、複数の無線通信ユニット1を横断する際のIPパケット伝送の安定性を大幅に向上することができる。
また、図11において、無線通信ユニット1(A)のセル50(A)、無線通信ユニット1(B)のセル50(B)、無線通信ユニット1(C)のセル50(C)、及び無線通信ユニット1(D)のセル50(D)は互いに重なりを生じている。この場合、例えば無線通信ユニット1(B)から見て上流の無線通信ユニット1(C)を接続するユニット間無線ベアラ55(B)のユニット間チャネルは、下流の無線通信ユニット1(A),1(D)を接続するユニット間無線ベアラ55(A),55(C)のユニット間チャネルと互いに異なる周波数チャネルに設定されている。
端末側チャネルについては、上記同一バンドに属する周波数チャネルのうち、下流ユニット間チャネルと同一のチャネルに設定される。例えば、図11の無線ネットワークシステム全体に1つのバンドのみが割り当てられている場合、端末側チャネルは、同一バンドに属する周波数チャネルのうち、下流ユニット間チャネルと同一のチャネルを設定することで、端末用無線ベアラ構築も含めて無線基地局部4及び中継無線通信部9のハードウェアの単一バンド仕様化を図ることができ、装置構成の簡略化に寄与する。なお、端末側チャネルは、下流ユニット間チャネル及び上流ユニット間チャネルとして設定されるもの以外の残余の周波数チャネルから切り替え可能に選択してもよい。
また、本実施形態では、上記の同一バンドとして、3GPPに規定されたバンド28が採用されている。バンド28は、地上波アナログテレビ放送の停波にともない空きを生じたVHF帯(700MHz帯)に設定されている。バンド28は低周波数帯のため通信速度が幾分遅い関係上、都市部など端末加入者の多いエリア等での採用が積極的に進められておらず、電波リソースの利用状況がそれほどひっ迫していないためスムーズな接続が期待できる。また、低周波数帯であるということは、電波の遠方到達性に優れ、1つの無線通信ユニットがカバーできるエリア(セル)の拡大を図ることができる。また、地下や障害物があっても繋がりやすい特性を有し、例えば海上や鉱山などで本発明の無線ネットワークシステムを構築する上でも好適であるといえる。
以下、中継無線通信部9とUE5のアタッチシーケンスの流れについて、図12及び図13を用いて説明する。図12は中継無線通信部9のアタッチシーケンスを示す。TS1では中継無線通信部9から無線基地局部(eNodeB)4を経由してMME2に対し、アタッチ要求が出される。中継無線通信部9は、eNodeB4から定期的に出力される報知信号を受信することにより、eNodeB4のセル内(つまり、圏内)に入ったことを認識でき、アタッチ要求をeNodeB4に向けて出力する。このとき、要求元に無線通信ユニットのIPアドレスを送信する。MME2はこれを受け、TS2にてS-GW6に対しベアラ設定要求を送信する。S-GW6はTS3にて、P-GW7との間でS5インターフェース上に物理回線のベアラ設定処理を実行する。ベアラが設定されればS-GW6はTS4にてMME2に、ベアラ設定応答を送信する。
MME2は、TS5にて要求元ユニットが下流ユニット間ベアラに使用中のチャネル番号を取得し、TS6で、無線ベアラ設定要求(アタッチ受入れ)を無線基地局部4に対し、設定チャネル番号(取得したチャネルに対する隣接チャネルの番号)とともに通知する。これを受けた無線基地局部4はTS7にて設定するべき無線ベアラ(ユニット間無線ベアラ)の設定チャネル番号を含むMIB(Master Information Block)を中継無線通信部9に送信する。TS8にて中継無線通信部9はユニット間チャネルを、受信したMIBに含まれる設定チャネル番号に固定設定し、設定完了を返信する。これを受け、TS9にて無線基地局部4はセッション開始要求(アタッチ受入れ)を中継無線通信部9に通知する。TS10にて中継無線通信部9はユニット間無線ベアラを設定し、セッション開始応答を無線基地局部4に返す。TS11にて、無線基地局部4は、セッション開始応答をMME2に通知する。
一方、図13はUE5(移動端末)のアタッチシーケンスを示す。TS11’ではUE5から無線基地局部(eNodeB)4を経由してMME2に対し、アタッチ要求が出される。このとき、要求元に無線通信ユニットのIPアドレスを送信する。MME2はこれを受け、TS12にてS-GW6に対しベアラ設定要求を送信する。S-GW6はTS13にて、P-GW7との間でS5インターフェース上に物理回線のベアラ設定処理を実行する。ベアラが設定されればS-GW6はTS14にてMME2に、ベアラ設定応答を送信する。MME2は、図11の処理に従い、端末用無線ベアラ群として使用可能な設定チャネル番号を決定する。そして、TS16で、無線ベアラ設定要求(アタッチ受入れ)を無線基地局部4に決定した設定チャネル番号とともに通知する。これを受けた無線基地局部4はTS17にて設定するべき無線ベアラ(ユニット間無線ベアラ)の設定チャネル番号を含むMIB(Master Information Block)をUE5に送信する。この設定チャネル番号は、無線基地局部4に接続している他の無線通信ユニットの中継無線通信部が存在する場合は、その中継無線通信部9と同一のチャネル番号が使用される。
TS18にてUE5は端末側チャネルを、受信したMIBに含まれる設定チャネル番号に設定し、設定完了を返信する。これを受け、TS19にて無線基地局部4はセッション開始要求(アタッチ受入れ)をUE5に通知する。TS20にてUE5は端末用無線ベアラを設定し、セッション開始応答を無線基地局部4に返す。TS21にて、無線基地局部4は、セッション開始応答をMME2に通知する。上記のように、UE5のアタッチシーケンスと中継無線通信部9のアタッチシーケンスとは、周波数チャネル設定の内容を除き、基本的に同一の手順に従い実行されている。
以下、本発明の無線通信ユニット1の特徴的な部分の動作について説明する。
図14の状態B1においては、無線通信ユニット1(B)に対し、上流ユニットとして無線通信ユニット1(C)が、下流ユニットとして無線通信ユニット1(A)がそれぞれ接続している。ここで、無線通信ユニット1(B)から見て下流ユニット間無線ベアラ55(A)を介して接続中の下流ユニットは無線通信ユニット1(A)のみであり、無線通信ユニット1(B)のEPC機能部3は、すでに説明したPCRF10の制御動作により、下流ユニット間無線ベアラ55(A)の通信帯域幅をデフォルト値(例えば5Mbps)に設定している。また、無線通信ユニット1(C)から見て下流ユニット間無線ベアラ55(B)を介して接続中の下流ユニットは無線通信ユニット1(B)のみであり、無線通信ユニット1(C)のEPC機能部3は、下流ユニット間無線ベアラ55(B)の通信帯域幅をデフォルト値(第一帯域幅:例えば5Mbps)に設定している。
この状態で、新たな無線通信ユニット1(D)が、無線通信ユニット1(B)に接近し、その中継無線通信部9が無線通信ユニット1(B)の無線基地局部4にアタッチ要求することにより、図14の状態B2に示すように、無線通信ユニット1(D)と無線通信ユニット1(B)との間に新たな下流ユニット間無線ベアラ55(C)が構築される。これにより、無線通信ユニット1(B)の無線基地局部4は、複数の無線通信ユニット1(A),1(D)の中継無線通信部9が、それら無線通信ユニット1に一対一に対応する下流ユニット間無線ベアラ55(C),55(A)により同時に接続された状態となる。このとき、無線通信ユニット1(B)のEPC機能部3は、PCRF10の制御動作により、下流ユニット間無線ベアラ55(A)及び下流ユニット間無線ベアラ55(C)の通信帯域幅を、デフォルト値(例えば5Mbps)よりも小さい値(第二帯域幅:本実施形態では、その1/2である2.5Mbps)に変更設定する。
無線通信ユニット1(B)の無線基地局部4は、2つの無線通信ユニット1(A),1(D)が接続した状態となることで、ユーザデータパケットの送受信対象となるUE(移動端末)5の数が増大し、通信処理負荷が増大する。特に、緊急災害時等において、個々のUE(移動端末)5が送信するユーザデータの中には、災害現場の状況を伝える映像や写真、伝言メッセージといった重要な情報も含まれており、混雑した通信トラフィックの中で一般的な内容のユーザデータに埋もれ、スムーズな送受信が妨げられる状況も生じうる。そこで、上記のように、下流ユニット間無線ベアラの通信帯域幅を、無線基地局部に対し同時に接続する下流ユニットの中継無線通信部の数が多くなるほど通信帯域幅が狭くなるように調整制御することで、緊急情報等の送受信を考慮した余裕を通信トラフィックに確保することができるようになる。
図18は、ユニット間帯域幅制御プログラム305h(図3)の処理の流れの一例を示すものである。S101及びS102では、無線基地局部4に対する下流ユニットの接続数(アタッチ数)を調べる。本実施形態では、下流ユニットの接続数の最大値は2であり、S101では第一下流ユニットとの接続の有無を調べる。接続していなければS106に進み、S106で第二下流ユニットとの接続の有無を調べ、接続していればS107に進み、第二下流ユニットとの間の(ユニット間無線ベアラの)帯域幅を通常設定(デフォルト値:5Mbps)とする。一方、S101で第一下流ユニットと接続していればS102に進み、第二下流ユニットとの接続の有無を調べる。接続していなければS105に進み、第一下流ユニットとの間の(ユニット間無線ベアラの)帯域幅を通常設定(デフォルト値:5Mbps)とする。
そして、S101及びS102において、第一下流ユニット(例えば無線通信ユニット1(A))と第二下流ユニット(例えば無線通信ユニット1(D))が双方ともに接続している状態であればS103/S104に進み、それら2つの下流ユニットとの間の(ユニット間無線ベアラの)帯域幅を制限設定(それぞれ2.5Mbps)とする。なお、S108にて終了でなければS101に戻り、以下の処理を繰り返す。
無線通信ユニット1(B)の無線基地局部4は、ユーザデータパケットを下流ユニットに送信する際に、SoCによる帯域制御においては、送信キュー415の各キューメモリ領域ごとに、帯域幅を個別に設定可能であり、例えば転送優先順位の高いIPパケットに割り振られたキューメモリに対しては、転送優先順位が低いIPパケットに割り振られたキューメモリよりも帯域幅が広く設定される。
図16は、設定帯域幅がデフォルト設定である場合の送信キュー415の帯域幅設定例を示し、最も転送優先度の高いIPパケットを格納するキューメモリ番号1の設定(保証)帯域幅が5Mbps確保され、転送優先度がそれより低いIPパケットを格納するキューメモリ番号2以下の帯域幅は、それよりも小さく設定されている。一方、図17は、設定帯域幅が制限設定である場合の送信キュー415の帯域幅設定例を示し、各番号のキューメモリへの設定帯域幅が、図16のデフォルト設定の場合と比較して、いずれも低く設定されている。
そして、本実施形態では、前述のごとく、下流ユニットに接続されたUE(移動端末)5にて端末アプリ105bを使用することにより、UE(移動端末)5から送信するユーザデータに対し、所望のものを特定ユーザデータ(ユーザ選択データ)としてユーザが選択し、そのユーザデータのパケットを、他のユーザデータよりも転送優先度を高めたユーザパケットとして設定できるようになっている。図15に示すように、ユーザは所望のユーザデータを選択してその内容(図15では、災害発生状況を、例えばカメラ111により撮影して得られる動画データ(緊急映像情報)である)をモニタ109に表示させ、その画面上に表示された選択ボタン(タッチパネル110と協働したソフトボタンである)EMBをタッチ操作することで、該ユーザデータが特定ユーザデータとして選択され、転送優先度を高めたユーザデータパケットとして送信されることとなる。
選択ボタンEMBにより特定ユーザデータとして選択されたユーザデータのパケットは、IPヘッダ1301内のToSフィールド1301cのIPプレシデンス1301dに、高転送優先度を示す設定値が書き込まれて送信される。図19は、端末アプリの処理の要部を示すフローチャートであり、S201で選択ボタンEMBの操作状態を確認し、操作があった場合はS203に進み、送信中IPパケットのToSフィールド(IPプレシデンス1301d)に高優先度であることを示す値を書き込む。一方、操作がなかった場合はS204に進み、送信中IPパケットのToSフィールド(IPプレシデンス1301d)に通常優先度であることを示す値を書き込む。IPプレシデンス1301dへの値の書き込みが終われば、ユーザデータのパケットは各々接続中の無線通信ユニットに向けて送信される。なお、S205にて終了でなければS201に戻り、以下の処理を繰り返す。
上記のユーザデータのパケットを受信した無線通信ユニット(下流ユニット)では、図20に示すフローチャートの流れに従い、該パケットを上流ユニットに転送する処理を行なう。まずS301では、ユーザデータのパケットを受信し、ヘッダのToSフィールド(IPプレシデンス1301d)の値を読み込む。S302では、その値が高優先度設定を示すものであるか否かを確認する。高優先度設定を示すものであった場合はS303に進み、該パケットを高優先度に設定されたキューメモリ(例えば、図16及び図17の番号1のメモリ)に格納する。一方、S302で、上記の値が高優先度設定を示すものでなかった場合は304に進み、該パケットを通常優先度に設定されたキューメモリ(例えば、図16及び図17の番号2以下のメモリ)に格納する。
これにより、ユーザがUE(移動端末)5側で選択した特定ユーザデータは、図16及び図17に示すように、無線基地局部4において、帯域幅の広く確保された上位のキューメモリに優先的に格納され、他のデータよりもスムーズな転送環境が確保される。特に、帯域幅が制限設定された図17の状態においても、特定ユーザデータは他のデータよりも広い帯域幅を使用でき、ユニット間無線ベアラ全体の帯域幅が制限されている状態でも、スムーズかつ高速に転送することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、あくまで例示であって、本発明はこれに限定されるものではない。
1(A),1(B) 無線通信ユニット
2 MME
3 EPC機能部
4 無線基地局部
5 UE(移動端末)
6 S-GW
7 P-GW
8 ルータ
9 中継無線通信部
10 PCRF
21 二次電池モジュール
22 電源回路部
23 可搬型筐体
24 取手
24C キャスター
28 バンド
30,31 通信バス
50 通信エリア
55 ユニット間無線ベアラ
57 端末用無線ベアラ
60 外部ネットワーク
61 衛星通信回線
100 マイコン
101 CPU
102 RAM
104 入出力部
105 フラッシュメモリ
105b 端末アプリ
106 バス
109 モニタ
110 タッチパネル
111 カメラ
112 無線通信部
301 CPU
302 RAM
303 マスクROM
304A 上流側通信インターフェース
304B 下流側通信インターフェース
305 フラッシュメモリ
305a 通信ファームウェア
305b MMEエンティティ
305c S-GWエンティティ
305d P-GWエンティティ
305h ユニット間帯域幅制御プログラム
305i PCRFエンティティ
306 バス
401 CPU
402 RAM
403 マスクROM
404 通信インターフェース
405 フラッシュメモリ
405a 通信ファームウェア
406 バス
412 無線通信部
415 送信キュー
901 CPU
902 RAM
903 マスクROM
904 通信インターフェース
905 フラッシュメモリ
905a 通信ファームウェア
905b 上流ユニット接続切替制御プログラム
906 バス
912 無線通信部
1091 グラフィックコントローラ
1101 タッチパネルコントローラ
1300 IPパケット
1301 IPヘッダ
1301a 送信元アドレス
1301b 送信先アドレス
1301c ToSフィールド
1301d IPプレシデンス
1302 ペイロード

Claims (7)

  1. 移動体上に搭載可能に構成され、無線ネットワーク通信を移動端末との間で行なうための無線通信ユニットであって、
    前記移動端末が端末用無線ベアラを介して接続可能な無線基地局部と、
    前記無線基地局部に有線接続され、該無線基地局部に対する上位ネットワーク制御部として機能するEPC(Evolved Packet Core)機能部と、
    前記EPC機能部に有線接続されるとともに、第一の別の無線通信ユニットである上流ユニットの無線基地局部(以下、上流無線基地局部という)と上流側のユニット間無線ベアラ(以下、上流ユニット間無線ベアラという)を介して接続可能な中継無線通信部とを備え、
    前記無線基地局部は、第二の別の無線通信ユニットである下流ユニットの中継無線通信部(以下、下流中継無線通信部という)と下流側のユニット間無線ベアラ(以下、下流ユニット間無線ベアラという)を介して接続可能とされ、
    前記EPC機能部は下流ユニット間無線ベアラ設定要求を前記無線基地局部に送信する一方、前記無線基地局部は前記下流ユニット間無線ベアラ設定要求を受けて前記下流中継無線通信部とともに前記下流ユニット間無線ベアラを構築するものであり、
    前記EPC機能部は端末用無線ベアラ設定要求を前記無線基地局部に送信する一方、前記無線基地局部は前記端末用無線ベアラ設定要求を受けて前記移動端末とともに前記端末用無線ベアラを構築するものであり、
    前記中継無線通信部は、前記上流ユニットのEPC機能部(以下、上流EPC機能部という)が発行する上流ユニット間無線ベアラ設定要求を受信し、該上流ユニット間無線ベアラ設定要求を受けて前記上流無線基地局部とともに前記上流ユニット間無線ベアラを構築するものであり、
    前記無線基地局部は、複数の前記下流ユニットの中継無線通信部が、それら下流ユニットに一対一に対応する下流ユニット間無線ベアラを介して同時に接続可能とされてなり、
    さらに、
    前記EPC機能部は、前記無線基地局部に対し同時に接続する前記下流ユニットの中継無線通信部の数に応じて、それら下流ユニットの中継無線通信部を前記無線基地局部に接続するための各前記下流ユニット間無線ベアラの通信帯域幅を、前記中継無線通信部の数が多くなるほど前記通信帯域幅が狭くなるように調整制御するユニット間帯域幅制御部を備え
    前記ユニット間帯域幅制御部は、送受信対象となるユーザデータのうち、予め定められた種別のユーザデータを特定ユーザデータとして、該特定ユーザデータに設定される通信帯域幅が他の種別のユーザデータよりも広く確保されるように制御を行なう
    ことを特徴とする無線通信ユニット。
  2. 前記ユニット間帯域幅制御部は、前記無線基地局に接続する前記下流ユニットの中継無線通信部が1つの場合に前記下流ユニット間無線ベアラの通信帯域幅を予め定められた第一帯域幅に設定する一方、前記無線基地局に接続する前記下流ユニットの中継無線通信部が2以上の場合に前記下流ユニット間無線ベアラの通信帯域幅を、前記第一帯域幅よりも小さい第二帯域幅に設定する請求項1記載の無線通信ユニット。
  3. 前記無線基地局部は、前記下流ユニット間無線ベアラを介して同時に接続可能な前記下流ユニットの数が2である請求項2記載の無線通信ユニット。
  4. 前記第二帯域幅が前記第一帯域幅の1/2に設定されている請求項3記載の無線通信ユニット。
  5. 前記特定ユーザデータは、前記移動端末にてユーザが当該特定ユーザデータとしての設定を実施したユーザ選択データである請求項1に記載の無線通信ユニット。
  6. 前記特定ユーザデータが緊急映像情報である請求項に記載の無線通信ユニット。
  7. 移動体上に搭載可能に構成され、無線ネットワーク通信を移動端末との間で行なうための無線通信ユニットを含む無線ネットワークシステムであって、
    前記無線通信ユニットは、
    前記移動端末が端末用無線ベアラを介して接続可能な無線基地局部と、
    前記無線基地局部に有線接続され、該無線基地局部に対する上位ネットワーク制御部として機能するEPC(Evolved Packet Core)機能部と、
    前記EPC機能部に有線接続されるとともに、第一の別の無線通信ユニットである上流ユニットの無線基地局部(以下、上流無線基地局部という)と上流側のユニット間無線ベアラ(以下、上流ユニット間無線ベアラという)を介して接続可能な中継無線通信部とを備え、
    前記無線基地局部は、第二の別の無線通信ユニットである下流ユニットの中継無線通信部(以下、下流中継無線通信部という)と下流側のユニット間無線ベアラ(以下、下流ユニット間無線ベアラという)を介して接続可能とされ、前記EPC機能部は下流ユニット間無線ベアラ設定要求を前記無線基地局部に送信する一方、前記無線基地局部は前記下流ユニット間無線ベアラ設定要求を受けて前記下流中継無線通信部とともに前記下流ユニット間無線ベアラを構築するものであり、
    前記EPC機能部は端末用無線ベアラ設定要求を前記無線基地局部に送信する一方、前記無線基地局部は前記端末用無線ベアラ設定要求を受けて前記移動端末とともに前記端末用無線ベアラを構築するものであり、
    前記中継無線通信部は、前記上流ユニットのEPC機能部(以下、上流EPC機能部という)が発行する上流ユニット間無線ベアラ設定要求を受信し、該上流ユニット間無線ベアラ設定要求を受けて前記上流無線基地局部とともに前記上流ユニット間無線ベアラを構築するものであり、
    前記無線基地局部は、複数の前記下流ユニットの中継無線通信部が、それら下流ユニットに一対一に対応する下流ユニット間無線ベアラを介して接続可能とされてなり、さらに、
    前記EPC機能部は、前記無線基地局部に対し同時に接続する前記下流ユニットの中継無線通信部の数に応じて、それら下流ユニットの中継無線通信部を前記無線基地局部に接続するための各前記下流ユニット間無線ベアラの通信帯域幅を、前記中継無線通信部の数が多くなるほど前記通信帯域幅が狭くなるように調整制御し、送受信対象となるユーザデータのうち、予め定められた種別のユーザデータを特定ユーザデータとして、該特定ユーザデータに設定される通信帯域幅が他の種別のユーザデータよりも広く確保されるように制御を行なう、ユニット間帯域幅制御部を備えた無線通信ユニットが複数配置された無線通信ユニット群からなり、
    該無線通信ユニット群は、互いに隣接する無線通信ユニット対の基地局セルが一部重なる位置関係で前記ユニット間無線ベアラにより接続され、
    前記無線通信ユニット対の一方に接続された移動端末と他方に接続された移動端末とが、前記無線通信ユニット対及び該無線通信ユニット対を接続する前記ユニット間無線ベアラを介してIPパケットの送受信を行なうとともに、
    複数の前記無線通信ユニットのうち、前記下流ユニットが複数同時に接続している無線通信ユニットの下流ユニット間ベアラに設定される通信帯域幅が、前記下流ユニットが1つのみに接続している無線通信ユニットの下流ユニット間ベアラに設定される通信帯域幅よりも狭く設定されてなることを特徴とする無線ネットワークシステム。
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US20190141561A1 (en) 2017-11-08 2019-05-09 Argela Yazilim ve Bilisim Teknolojileri San. ve Tic. A.S. Dynamic topology management in self-backhauling wireless mesh networks

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