JP7461664B2 - 照射線量推定装置および照射線量推定方法 - Google Patents
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Description
特許文献2に開示の技術では、被験者の体内に入射前の粒子線を、多層の物質で厚みを変えて多数回測定することで、実際に被験者の体内に照射された粒子線の分布を計算している。
特許文献3に開示の技術では、特許文献2と同様に被験者の体内に入射前の粒子線を測定して、特に粒子線の深さ方向線量分布を計算している。
特許文献4に開示の技術では、治療計画の一環として粒子ビームの深度分布を測定している。上記はいずれも、治療前の計画段階で行うものであり、治療中に照射線量を実測する技術ではない。
また、PET装置自体が10億円程度の高額装置であり、広く一般に普及する技術にはなっておらず新たな技術が求められていた。
被験者に照射され内部で散乱し外部に漏出した粒子線を検出する粒子線検知センサと、
前記粒子線検知センサに検出された粒子線をもとに、前記被験者に照射された粒子線の照射線量を算出する照射線量算出部と、
を有する照射線量推定装置が提供される。
本発明によれば、
被験者の内部に粒子線を照射する照射工程と、
前記被験者の外部に漏れた出た粒子線を検知する漏洩粒子線検知工程と、
前記漏洩粒子線検知工程において検出した粒子線をもとに照射された粒子線の照射線量を算出する照射線量算出工程と、
を有する照射線量推定方法が提供される。
本実施形態を図面を参照して説明する。図1は本実施形態に係る粒子線照射システム100による照射線量空間分布の算出手順を説明する図である。図2は粒子線照射システム100の概略構成を示す機能ブロック図である。
(1)粒子線治療中に、粒子線照射装置90から照射された粒子線(以下、便宜的に「入射粒子線X1」という)が被験者99の体内に入射し体内で散乱して体外に漏れた出た粒子線(以下、便宜的に「散乱粒子線X2」という)そのものを粒子線検知センサ2で検知することで、照射線量を把握する。特に、治療で用いるのと同じ線種である散乱粒子線を用いることで、上記の間接的な核反応を通じて生ずるガンマ線よりも正確な線量分布推定が可能となる。粒子の散乱断面積は、粒子のエネルギーEに対して ∝ 1/E2 で変化する。粒子線治療では、粒子の止まり際ほど線量付与が大きく、ブラッグ・ピーク(BP)とよばれる特徴的な線量分布を形成する。つまり、BP付近の低速(低エネルギー)な粒子ほど、より多くの散乱を体内で起こすことになり、散乱線の分布を抑えることで線量分布を良く反映することが期待される。
なお、実際の治療では、治療計画段階で患者99ごとにCT画像やMRI画像を取得することから、それらを生体内情報として参照し初期情報として用いてもよい。そのような処理をすることで、より正確な線量分布推定を行うことができる。
(2)粒子線検知センサ2はセンサ値(散乱粒子線X2の量)を電流値として照射線量算出部3に出力する。
(3)被験者99は、粒子線検知センサ2を複数取り付けた胴衣8を装着する。照射線量算出部3は、粒子線検知センサ2が検出した散乱粒子線X2(より具体的には電流値)および粒子線検知センサ2の位置情報をもとに照射線量の空間分布(以下、「照射線量空間分布」ともいう)を可視化して、ほぼリアルタイムで表示する。なお、照射線量空間分布の精度向上の観点から入射粒子線X1を検出する粒子線検知センサ2Aが設けられ、入射粒子線X1およびその位置情報が利用される。
(4)照射線量空間分布は、アルゴリズム計算またはディープラーニング等の機械学習(AI学習)により得られた学習済みモデルに対して検出した電流値および位置情報からなるデータセットを入力することで算出する。
まず、図3~5を参照して、散乱粒子線を用いた照射線量空間分布の算出の検証結果を示す。図3は、ファントムに粒子線(陽子線)を照射したときの実際の線量分布と電流測定値の例を示した図である。放射線医学総合研究所のサイクロトロン施設を用いて、1次元の装置で概念検証を行った。センサ(粒子線検知センサ2)としては薄板プラスチックシンチレータをMPPC(Multi-pixel Photon Counter)に光学接着し、出力電流をリアルタイムで読みだした。ここでは、70MeV陽子線をPMMA(Poly Methyl Methacrylate)フォームに打ち込んだ場合の散乱粒子線(散乱陽子線)による1次元電流分布および粒子線の線量分布を示している。ピーク位置(すなわちブラックピークの位置)がよく一致していることが分かる。グラフ形状は、実測値がややなまっているが、これは機械学習により補正可能であると想定し、次の図4および5に示す機械学習による補正の可能性を検証した。機械学習を用いた理由は次の通りである。すなわち、散乱粒子線の経路に沿って非常に多くの相互作用が生じ、照射線量空間分布を算出するにあたり適用すべきアルゴリズムの推定が非常に困難である。そこで、学習ベースで推定する機械学習を採用した。
以下、照射線量推定装置1を有する粒子線照射システム100の具体的な構成・処理を説明する。
図1や図2に示すように、粒子線照射システム100は、粒子線照射装置90と、照射線量推定装置1とを有する。なお、粒子線照射装置90と照射線量推定装置1は、異なる装置として例示しているが、一つの装置として構成されてもよいし、それぞれが複数の装置として構成されてそれらがネットワークを介して接続されてもよい。
なお、実際の治療では、治療計画段階で患者99ごとにCT画像やMRI画像を取得することから、それらを生体内情報として参照し初期情報として用いてもよい。そのような処理をすることで、より正確な治療線量分布推定を行うことができる。
以下、詳細に説明する。
粒子線照射装置90は、公知の技術を用いることができ、アイソセンタP1に対して、被験者99の患部の位置を一致させ、粒子線を照射する。粒子線は、例えば、陽子線、中性子線、又は重粒子線である。
粒子線照射装置90は、粒子線を生成する加速器(例えばシンクロトロンや線形加速器等)、粒子線の方向、強度、およびサイズ等を調整する粒子線ガイド、粒子線を患者の照射すべき部位に向けて出射する照射ノズル、および粒子線照射装置90全体を制御する照射制御部を含む。
加速器で生成された粒子線は、粒子線ガイドにより照射ノズルに導かれる。照射ノズルは、粒子線治療室内に設けられ、粒子線ガイドからの粒子線は被験者99の患部へ向けて出射される。
照射線量推定装置1は、主制御部11と、粒子線検知センサ2と、照射線量算出部3と、位置情報取得部4と、モデル保持部5と、表示出力部6と、入射粒子取得部7と、胴衣8と、データ記憶部12と、入出力IF13とを有する。
主制御部11は、照射線量推定装置1の各構成要素を統括的に制御する。
入出力IF13は、粒子線照射装置90や粒子線検知センサ2、2A、その他の外部機器を接続する。
粒子線検知センサ2は、被験者99に照射されて内部で散乱し外部に漏出した散乱粒子線X2を検出する。粒子線検知センサ2は、被験者99が装着する胴衣8の複数箇所に取り付けられ、取得した散乱粒子線X2を電流に変換して照射線量算出部3にリアルタイムで出力する。また、粒子線検知センサ2から出力されたデータ(電流値)は、データ記憶部12に粒子線検知センサ2の位置情報と関連づけて記憶される。すなわち、各粒子線検知センサ2から出力された電流値と位置情報との組からなるデータセットがデータ記憶部12に保存される。なお、粒子線検知センサ2の設置数や設置位置は、照射線量空間分布の精度、実際の処理負荷、物理的な設置スペース、患部(アイソセンタP1)の位置等を考慮して適宜選択される。
照射線量算出部3は、粒子線検知センサ2から取得した散乱粒子線X2の線量、より具体的には散乱粒子線X2のエネルギーに対応した電流値および粒子線検知センサ2の位置情報からなるデータをもとに、照射線量空間分布を算出する。ここでは、照射線量算出部3は、モデル保持部5の所定のアルゴリズムまたは学習済みモデルにデータを入力することで、照射線量空間分布を算出する。なお、照射線量空間分布を算出する際に、粒子線照射装置90から出力された入射粒子線X1の線量と入射位置P2とのデータとが反映されてもよい。入射粒子線X1の照射量と入射位置P2は、入射位置P2の取り付けられた粒子線検知センサ2Aおよびマーカ41Aにより得られる。
モデル保持部5は、アルゴリズムや電流値と照射線量の空間分布とを関連付けたデータを用いて機械学習(AI学習)された学習済みモデルを保持する。アルゴリズム計算では、データにある単純な相関や経験則から、おおまかな照射線量分布を計算することができる。より高度な線量推定には、機械学習を用いることが望ましい。学習済みモデルの作成方法は、公知の機械学習の技術を用いることができ、教師あり学習、自己教師あり学習、教師無し学習などいずれの手法を用いてもよい。モデル保持部5自体が機械学習の機能を有して学習済みモデルを生成もよいし、他の装置で機械学習されて生成されてモデル保持部5に保存されてもよい。粒子線照射装置90から出力された入射粒子線X1と入射位置P2とのデータを用いる場合には、そのようなデータを用いて機械学習された学習済みモデルが用いられる。
位置情報取得部4は、胴衣8に取り付けられた粒子線検知センサ2の位置情報を取得する。具体的には、位置情報取得部4は、マーカ41と、マーカセンシング部42とを有し、マーカ測位技術により粒子線検知センサ2の位置情報取得する。マーカ測位技術により位置情報取得処理は、公知の技術を用いることができる。
表示出力部6は、照射線量算出部3による照射線量の算出結果をリアルタイムで出力する。算出結果の出力態様は、例えば照射線量空間分布を3次元や2次元のカラー画像として表示してもよいし、単に数値データとして表示してもよい。
入射粒子取得部7は、被験者99に入射する入射粒子線X1の照射量および入射位置P2を取得する。入射粒子線X1の照射量としては、胴衣8の治療計画で想定されている入射位置P2に粒子線検知センサ2Aを取り付けて取得してもよいし、粒子線照射装置90から入射粒子線X1として設定された照射量を取得してもよい。粒子線検知センサ2Aを用いる場合、マーカセンシング部42がそのマーカ41Aの位置情報、すなわち照射位置を算出し、データ記憶部12に記録される。
図8のフローチャートを参照して、粒子線照射システム100による照射線量推定方法について説明する。
粒子線照射装置90から入射粒子線X1を照射する前段階として、被験者99に胴衣8を装着させ、胴衣8に取り付けられている粒子線検知センサ2の位置情報を取得する。具体的には、胴衣8を装着している被験者99をマーカセンシング部42のカメラで複数方向から撮影し、取得した画像を解析して、全ての粒子線検知センサ2の位置情報を特定し、データ記憶部12に記憶する。なお、被験者99に入射する入射粒子線X1の照射量と入射位置P2の位置情報を利用する場合は、粒子線検知センサ2Aに取り付けられているマーカ41Aの位置情報も同様にして取得される。
位置情報取得工程(S10)により粒子線検知センサ2、2Aの位置情報が確定し、被験者99を入射粒子線X1を照射するための所定位置に配置すると、粒子線照射装置90から被験者99のアイソセンタP1に向けて入射粒子線X1が照射される。
入射粒子取得部7は、入射位置P2の粒子線検知センサ2Aから入射粒子線X1の照射量、すなわちエネルギーを電流値として取得して、入射位置P2の位置情報と関連づけてデータ記憶部12に記憶する。
<漏洩粒子線検知工程S13>
胴衣8に取り付けられている粒子線検知センサ2は、被験者99の体内で散乱して体外に漏れ出た散乱粒子線X2を検知し線量、より具体的には散乱粒子線X2のエネルギーに対応した電流値を照射線量算出部3に出力する。照射線量算出部3は、各粒子線検知センサ2の電流値とそれら粒子線検知センサ2に対応した位置情報とを関連づけて、モデル保持部5に投入するデータセットを準備する。
照射線量算出部3は、モデル保持部5に記憶されている所定のアルゴリズムまたは学習済みモデルに電流値と位置情報とからなるデータセットを入力することで照射線量空間分布を算出する。
照射線量算出部3によって照射線量空間分布が算出されると、表示出力部6は、照射線量空間分布を例えば3次元でリアルタイムで表示する。また、算出された照射線量空間分布は、データ記憶部12に記憶され、必要に応じて呼び出されて表示される。
以上、本実施形態の特徴・効果を簡単にまとめると次の通りである。
(1)本実施形態の照射線量推定装置10は、
被験者に照射され内部で散乱して外部に漏出した粒子線を検出する粒子線検知センサ2と、
粒子線検知センサ2により検出された粒子線をもとに、被験者99に照射された粒子線の照射線量を算出する照射線量算出部3と、
を有する。
従来であれば、照射線量の算出は、PET装置等のように実際に照射した粒子線とは異なるガンマ線を用いたオフライン処理が必要であり、実際の照射線量分布と類似性が低くなるという課題があった。しかし、本実施形態では、ガンマ線ではなく、照射した粒子線が被験者99の体内で散乱して体外に漏れた粒子線(散乱粒子線X2)をセンシングする。すなわち、治療の線種と同じ粒子をほぼリアルタイムで計測するため、迅速かつ正確に測定できる。
(2)粒子線検知センサ2は、粒子線(散乱粒子線X2)を取得して取得した粒子線の線量、より具体的にはエネルギーを電流に変換して照射線量算出部3に出力する。
すなわち、粒子線検知センサ2は、センシング結果を取り扱いが容易な電流値として照射線量算出部3に対して常時出力できる。その結果、照射線量算出部3は、照射線量の算出処理が容易であり、算出結果の出力まで短時間で、より具体的にはリアルタイムで行うことができる。
(3)粒子線検知センサ2は、粒子線を取得して光に変換する粒子線光変換部21と、粒子線光変換部21で変換された光を電流に変換して出力する光センサ22と、を有する。
粒子線光変換部21として例えばプラスチックシンチレータ、光センサ22としてMPPCを用いることができ、高精度で小型なセンサを安価に実現することができる。
(4)粒子線光変換部21と光センサ22とは一体に設けられている。
薄型のプラスチックシンチレータとMPPCとを重ね合わせて一体とし、電流読み出しを採用することで、粒子線検知センサ2を非常に小型にすることができ、胴衣8への取り付けが容易であり、また交換自体、取り付け位置の調整も容易である。
(5)粒子線検知センサ2は、粒子線を取得して直接電流に変換して出力する粒子線電流変換部を有する。すなわち、シンチレータ等の粒子線光変換部21とMPPC等の光センサ22とからなる構成の代わりに、粒子線に反応して直接電流を出力するフォトダイオードやSSD(表面障壁型検出器)などの粒子線電流変換型センサ(粒子線電流変換部)が胴衣8に取り付けられて使用されてもよい。
(6)粒子線検知センサ2の位置情報を取得する位置情報取得部4を有し、
照射線量算出部3は、照射線量を算出する際に、位置情報を反映させる。
(7)粒子線検知センサ2は複数設けられており、
照射線量算出部3は、複数の粒子線検知センサ2それぞれの検出結果と位置情報とをもとに、照射線量空間分布を算出する。
複数の粒子線検知センサ2の出力(すなわち電流値)とそれらの位置情報をもとにして照射線量空間分布を算出するため、照射線量空間分布の精度を高めることができる。
(8)位置情報取得部4は、
粒子線検知センサ2の設置位置に関連づけられたマーカ41と、
マーカ41をセンシングして粒子線検知センサ2の位置情報を特定するマーカセンシング部42と、
を有する。
ARマーカを撮影し位置情報を解析する技術が市場に導入されており、そのような技術を用いることで、リアルタイムで照射線量空間分布を表示する粒子線照射システム100を低コストで実現できる。
(9)所定のアルゴリズムまたは電流値と照射線量の空間分布とを関連付けたデータを用いて機械学習された学習済みモデルを保持するモデル保持部5を有し、
照射線量算出部3は、粒子線を検出した位置と、検出した粒子線量とからなるデータセットを、所定のアルゴリズムまたは学習済みモデルに入力して照射線量の空間分布を算出する。
機械学習を用いて照射線量空間分布を算出するため、最適なモデル化が容易である。また、多様な粒子線検知センサ2の配置に対応したモデル化が可能である。散乱粒子線X2は、粒子線検知センサ2までの経路上で非常に多くの相互作用が生じ、照射線量空間分布を得るための単純なアルゴリズムの構築が難しいが、その場合でも機械学習による学習済みモデルを用いることで、そのような懸念を排除し、精度の高い照射線量空間分布の算出が可能となる。また、データの蓄積とともに学習済みモデルを更新でき、常に最適な学習済みモデルを利用することができる。
(10)被験者99に粒子線を照射したときの粒子線の入射位置P2および照射量を取得する入射粒子取得部7を有し、
照射線量算出部3は、入射粒子取得部7が取得した入射位置および照射量を反映させて、照射線量空間分布を算出する。
被験者99の体内に照射された粒子線の照射量と入射位置とが反映させるため、照射線量算出部3が算出する照射線量空間分布の精度を向上させることができる。
(11)照射線量算出部3による照射線量の算出結果をリアルタイムで表示出力する表示出力部6を有する。リアルタイムで照射線量の算出結果、特に照射線量空間分布を表示できるため、粒子線治療の最適化が可能である。すなわち、従来であれば、粒子線を照射後にオフラインで照射線量空間分布を推定する必要があった。しかし、ほぼリアルタイムで照射線量空間分布を把握できるため、粒子線の照射を無駄なく最適な位置に照射できる。
(12)被験者99が装着する胴衣8を更に有し、
粒子線検知センサ2が胴衣8に取り付けられる。
粒子線検知センサ2を取り付けた胴衣8を装着すればよく、ガントリー型装置のように大がかりになることもなく、粒子線照射システム100の導入が容易である。また、粒子線検知センサ2が被験者99の身体に非常に近い場所に取り付けられるため、粒子線検知センサ2が検出する粒子線量が高精度となる。また、粒子線検知センサ2や胴衣8は安価に入手できるため、被験者99に専用に用意されても大きな経済的負担になることもなく、被験者99に最適化された粒子線検知センサ2を有する胴衣8とすることができる。その結果、粒子線治療の準備が容易となり、被験者99だけでなく医療従事者の負担低減を実現できる。
(13)本実施形態の照射線量推定方法は、
被験者99の内部に粒子線を照射する照射工程(S11)と、
被験者99の外部に漏れた出た粒子線(散乱粒子線X2)を検知する漏洩粒子線検知工程(S13)と、
漏洩粒子線検知工程(S13)において検出した粒子線(散乱粒子線X2)をもとに照射された粒子線の照射線量を算出する照射線量算出工程(S14)と、
を有する。
治療の線種と同じ粒子線をリアルタイムで計測するため、迅速かつ正確に測定できる。
(14)漏洩粒子線検知工程(S13)は、検知した粒子線の量、より具体的にはエネルギーを電流値に変換して出力する。
取り扱いが容易な電流値が粒子線検知センサ2から出力されるため、照射線量の算出処理が容易であり、算出結果の出力まで短時間にすることができる。
(15)漏洩粒子線検知工程(S13)は、複数の位置で外部に漏れた粒子線を検出し、
照射線量算出工程(S14)は、粒子線を検出した位置の位置情報と、検出した粒子線量とからなるデータセットをもとに、照射線量空間分布を算出する。
治療に用いた粒子線そのものを検出し、また検出した位置情報をもとに照射線量空間分布を算出するため、得られた照射線量空間分布の精度を高くすることができる。
(16)照射線量算出工程(S14)は、粒子線を検出した位置の位置情報と、検出した電流値とからなるデータセットを、所定のアルゴリズムまたは学習済みモデルに入力することにより照射線量空間分布を算出し、
学習済みモデルは、電流値と位置情報とを関連付けたデータを用いて機械学習されている。
機械学習を用いて照射線量空間分布を算出するためのモデルを作ることから、最適なモデル化が容易である。また、多様な粒子線検知センサ2の配置に対応したモデル化が可能である。
(17)照射線量算出工程(S14)により算出した照射線量をリアルタイムで表示出力する表示出力工程(S15)を有する。
(18)被験者99に粒子線を照射したときの粒子線の入射位置P2および照射量を取得する入射粒子取得工程(S12)を有し、
照射線量算出工程(S14)は、入射粒子取得工程(S12)が取得した入射位置P2および照射量を反映させて、照射線量空間分布を算出する。
2、2A 粒子線検知センサ
3 照射線量算出部
4 位置情報取得部
5 モデル保持部
6 表示出力部
7 入射粒子取得部
8 胴衣
12 データ記憶部
13 入出力IF
21 粒子線光変換部
22 光センサ
41、41A マーカ
42 マーカセンシング部
90 粒子線照射装置
99 被験者
100 粒子線照射システム
X1 入射粒子線
X2 散乱粒子線
Claims (32)
- 被験者に照射され内部で散乱し外部に漏出した粒子線を検出する粒子線検知センサと、
前記粒子線検知センサに検出された粒子線をもとに、前記被験者に照射された粒子線の照射線量を算出する照射線量算出部と、
前記粒子線検知センサの位置情報を取得する位置情報取得部とを有し、
前記照射線量算出部は、前記照射線量を算出する際に、前記位置情報を反映させ、
前記位置情報取得部は、
前記粒子線検知センサの設置位置に関連づけられたマーカと、
前記マーカをセンシングして前記粒子線検知センサの前記位置情報を特定するマーカセンシング部と、を有する照射線量推定装置。 - 前記粒子線検知センサは、取得した粒子線の量を電流に変換して前記照射線量算出部に出力する、請求項1に記載の照射線量推定装置。
- 前記粒子線検知センサは、粒子線を取得して光に変換する粒子線光変換部と、前記粒子線光変換部で変換された光を電流に変換して出力する光センサと、を有する請求項2に記載の照射線量推定装置。
- 前記粒子線光変換部と前記光センサとは一体に設けられている、請求項3に記載の照射線量推定装置。
- 前記粒子線検知センサは、粒子線を取得して直接電流に変換して出力する粒子線電流変換部を有する請求項2に記載の照射線量推定装置。
- 前記粒子線検知センサは複数設けられており、
前記照射線量算出部は、複数の前記粒子線検知センサそれぞれの検出結果と、前記位置情報とをもとに、前記照射線量の空間分布を算出する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の照射線量推定装置。 - 所定のアルゴリズムまたは電流値と照射線量の空間分布とを関連付けたデータを用いて機械学習された学習済みモデルを保持するモデル保持部を有し、
前記照射線量算出部は、前記粒子線を検出した位置と、検出した粒子線の量とからなるデータセットを、前記アルゴリズムまたは前記学習済みモデルに入力して前記照射線量の前記空間分布を算出する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の照射線量推定装置。 - 前記被験者に前記粒子線を照射したときの前記粒子線の入射位置および照射量を取得する入射粒子取得部を有し、
前記照射線量算出部は、前記入射粒子取得部が取得した前記入射位置および前記照射量を反映させて、前記照射線量を算出する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の照射線量推定装置。 - 前記照射線量算出部による前記照射線量の算出結果をリアルタイムで表示出力する表示出力部を有する、請求項1から8までのいずれか1項に記載の照射線量推定装置。
- 被験者が装着する胴衣を更に有し、
前記粒子線検知センサが前記胴衣に取り付けられる、請求項1から9までのいずれか1項に記載の照射線量推定装置。 - 被験者に照射され内部で散乱し外部に漏出した粒子線を検出する粒子線検知センサと、
前記粒子線検知センサに検出された粒子線をもとに、前記被験者に照射された粒子線の照射線量を算出する照射線量算出部と、
被験者が装着する胴衣と、
を有し、
前記粒子線検知センサが前記胴衣に取り付けられる、照射線量推定装置。 - 前記粒子線検知センサは、取得した粒子線の量を電流に変換して前記照射線量算出部に出力する、請求項11に記載の照射線量推定装置。
- 前記粒子線検知センサは、粒子線を取得して光に変換する粒子線光変換部と、前記粒子線光変換部で変換された光を電流に変換して出力する光センサと、を有する請求項12に記載の照射線量推定装置。
- 前記粒子線光変換部と前記光センサとは一体に設けられている、請求項13に記載の照射線量推定装置。
- 前記粒子線検知センサは、粒子線を取得して直接電流に変換して出力する粒子線電流変換部を有する請求項12に記載の照射線量推定装置。
- 前記粒子線検知センサの位置情報を取得する位置情報取得部を有し、
前記照射線量算出部は、前記照射線量を算出する際に、前記位置情報を反映させる、請求項11から15までのいずれか1項に記載の照射線量推定装置。 - 前記粒子線検知センサは複数設けられており、
前記照射線量算出部は、複数の前記粒子線検知センサそれぞれの検出結果と、前記位置情報とをもとに、前記照射線量の空間分布を算出する、請求項16に記載の照射線量推定装置。 - 所定のアルゴリズムまたは電流値と照射線量の空間分布とを関連付けたデータを用いて機械学習された学習済みモデルを保持するモデル保持部を有し、
前記照射線量算出部は、前記粒子線を検出した位置と、検出した粒子線の量とからなるデータセットを、前記アルゴリズムまたは前記学習済みモデルに入力して前記照射線量の前記空間分布を算出する、請求項11から17までのいずれか1項に記載の照射線量推定装置。 - 前記被験者に前記粒子線を照射したときの前記粒子線の入射位置および照射量を取得する入射粒子取得部を有し、
前記照射線量算出部は、前記入射粒子取得部が取得した前記入射位置および前記照射量を反映させて、前記照射線量を算出する、請求項11から18までのいずれか1項に記載の照射線量推定装置。 - 前記照射線量算出部による前記照射線量の算出結果をリアルタイムで表示出力する表示出力部を有する、請求項11から19までのいずれか1項に記載の照射線量推定装置。
- 被験者の内部に粒子線を照射する照射工程と、
前記被験者の外部に漏れた粒子線を検知する漏洩粒子線検知工程と、
前記漏洩粒子線検知工程において検出した粒子線をもとに照射された粒子線の照射線量を算出する照射線量算出工程と、
を有し、
前記漏洩粒子線検知工程は、
前記粒子線を検出する粒子線検知センサの位置情報を取得する位置情報取得工程を有し、
前記照射線量算出工程は、前記照射線量を算出する際に、前記位置情報を反映させ、
前記位置情報取得工程は、
前記粒子線検知センサの設置位置に関連づけられたマーカをセンシングして前記粒子線検知センサの前記位置情報を特定するマーカセンシング工程を有する、照射線量推定方法。 - 前記漏洩粒子線検知工程は、検知した粒子線の量を電流値に変換して出力する、請求項21に記載の照射線量推定方法。
- 前記漏洩粒子線検知工程は、複数の位置で前記外部に漏れた粒子線を検出し、
前記照射線量算出工程は、前記粒子線を検出した位置の位置情報と、検出した粒子線量とからなるデータセットをもとに、前記照射線量の空間分布を算出する、請求項21または22に記載の照射線量推定方法。 - 前記照射線量算出工程は、前記粒子線を検出した前記位置の位置情報と、検出した電流値とからなるデータセットをアルゴリズム計算、もしくは前記電流値と前記位置情報とを関連付けたデータを用いて機械学習された学習済みモデルに入力することにより前記照射線量の前記空間分布を算出する、請求項23に記載の照射線量推定方法。
- 前記被験者に前記粒子線を照射したとの前記粒子線の入射位置および照射量を取得する入射粒子取得工程を有し、
前記照射線量算出工程は、前記入射粒子取得工程が取得した前記入射位置および前記照射量を反映させて、前記照射線量を算出する、請求項21から24までのいずれか1項に記載の照射線量推定方法。 - 前記照射線量算出工程により算出した前記照射線量をリアルタイムで表示出力する表示出力工程を有する、請求項21から25までのいずれか1項に記載の照射線量推定方法。
- 被験者の内部に粒子線を照射する照射工程と、
前記被験者の外部に漏れた出た粒子線を検知する漏洩粒子線検知工程と、
前記漏洩粒子線検知工程において検出した粒子線をもとに照射された粒子線の照射線量を算出する照射線量算出工程と、
を有し、
前記漏洩粒子線検知工程は、被験者が装着する胴衣に取り付けられた粒子線検知センサが前記粒子線を検知する照射線量推定方法。 - 前記漏洩粒子線検知工程は、検知した粒子線の量を電流値に変換して出力する、請求項27に記載の照射線量推定方法。
- 前記漏洩粒子線検知工程は、複数の位置で前記外部に漏れた粒子線を検出し、
前記照射線量算出工程は、前記粒子線を検出した位置の位置情報と、検出した粒子線量とからなるデータセットをもとに、前記照射線量の空間分布を算出する、請求項27または28に記載の照射線量推定方法。 - 前記照射線量算出工程は、前記粒子線を検出した前記位置の位置情報と、検出した電流値とからなるデータセットをアルゴリズム計算、もしくは前記電流値と前記位置情報とを関連付けたデータを用いて機械学習された学習済みモデルに入力することにより前記照射線量の前記空間分布を算出する、請求項29に記載の照射線量推定方法。
- 前記被験者に前記粒子線を照射したとの前記粒子線の入射位置および照射量を取得する入射粒子取得工程を有し、
前記照射線量算出工程は、前記入射粒子取得工程が取得した前記入射位置および前記照射量を反映させて、前記照射線量を算出する、請求項27から30までのいずれか1項に記載の照射線量推定方法。 - 前記照射線量算出工程により算出した前記照射線量をリアルタイムで表示出力する表示出力工程を有する、請求項27から31までのいずれか1項に記載の照射線量推定方法。
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