JP7461039B2 - お茶用フィルター - Google Patents

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Description

本発明は、投入された茶葉にお湯を注ぐことでお茶を抽出するお茶用フィルターに関する。
急須を用いたお茶の淹れ方は、茶葉の膨らみを妨げずお茶本来の成分を最大限に抽出できるが、茶葉の残処理や携帯性に欠けるため、お茶パックが普及している(例えば特許文献1)。
しかし、お茶パックを用いると茶葉の膨らみが妨げられるためお茶本来の味が劣る。
一方、コーヒーフィルターと同様に、上方の開口から袋体に茶葉が投入され、投入された茶葉にお湯を注ぐことでお茶を抽出するお茶用フィルターが提案されている(例えば特許文献2から特許文献5)。
特許文献2から特許文献5に記載のフィルターによれば、お茶パックのように閉空間に茶葉を封じ込んでおらず、上方空間に茶葉が膨らむことができるため、お茶パックに比べると急須を用いた場合に近い味とすることができる。
また、特許文献2から特許文献5には、フィルターの素材として不織布を用いることが記載されている。
特に特許文献3では、茶を抽出するドリップ式ティーバッグを、袋本体をティーカップの開口縁近傍から上に掛止させるタイプとし、かつ、袋本体を特定のフィルター材料から形成すると、袋本体に湯を注ぎ始めてから抽出液が袋本体を落ちるまでの茶の抽出時間を、美味しい茶を入れるのに適した時間に制御できるとし、具体的には、平均繊維径1~20μmのポリエステル系長繊維から形成された、目付20~50g/m2 、最大開孔径40~90μm、平均開孔径30~60μm、厚み100~200μm、平均見かけ密度0.16~0.25g/cm3の不織布を用いることを提案している。
特許6393799号公報 実用新案登録第2566352号公報 特開2009-262991号公報 特開2001-8623号公報 特開平11-342077号公報
しかし、特許文献3は、不織布の開口径、厚み、密度を一定の範囲とすることで、茶の抽出時間を一定に保ち、目詰まりを起こさず、飲み頃の濃さを一定に保つものである。
また、特許文献2、特許文献4、及び特許文献5は、単に不織布を用いることが記載されているだけである。
本発明は、お茶の抽出時に茶葉の膨らみを更に助け、茶葉の膨らみとともに茶葉に接した抽出液を不織布から流出しやすくすることができるお茶用フィルターを提供することを目的とする。
請求項1記載の本発明のお茶用フィルターは、上端11uを下端11dより離間させた一対の側辺部11と、一対の前記側辺部11の前記上端11uの間に形成される円弧状上辺部12と、一対の前記側辺部11の前記下端11dの間に形成される下辺部13とを備えた不織布シート10A、10Bを重ねあわせ、一対の前記不織布シート10A、10Bの前記側辺部11が接合され、一対の前記不織布シート10A、10Bの前記下辺部13が連続又は接合されることで、一対の前記円弧状上辺部12の間を開口とする袋体10を構成し、一対の前記不織布シート10A、10Bには、それぞれ係止部材20A、20Bが配置され、一対の前記係止部材20A、20Bを容器1の縁に引っ掛けることで、一方の前記円弧状上辺部12と他方の前記円弧状上辺部12とが離間して前記開口が形成され、前記開口から前記袋体10に茶葉2が投入され、投入された前記茶葉2にお湯を注ぐことでお茶を抽出するお茶用フィルターであって、前記不織布シート10A、10Bの繊維網目を横方向とし、前記円弧状上辺部12に沿って第1補強部材30A、30Bが貼り付けられ、前記第1補強部材30A、30Bから前記下辺部13に向かって延びる第2補強部材40A、40Bが一対の前記不織布シート10A、10Bにそれぞれ貼り付けられ、前記第2補強部材40A、40Bの下端11dを、前記下辺部13から所定高さまでとし、前記第1補強部材30A、30B及び前記第2補強部材40A、40Bを非伸縮性材料とし、前記第2補強部材40A、40Bによって前記繊維網目の広がりが規制され、前記お茶の抽出時には、前記茶葉2及び前記お湯によって前記繊維網目が下方向に広がり、前記繊維網目の前記広がりを、前記第2補強部材40A、40Bの前記下端11dから前記下辺部13までが、前記第2補強部材40A、40Bの前記下端11dから前記円弧状上辺部12までよりも大きくしたことを特徴とする。
本発明によれば、不織布シートの繊維網目を横方向とすることで、茶葉が存在する位置で繊維網目が広がるので、茶葉の膨らみを助けるとともに、茶葉が存在しない位置よりもお湯が流出しやすいため、茶葉に接した抽出液を優先的に流出でき、お茶本来の成分を抽出しやすい。
本発明の一実施例によるお茶用フィルターを示す写真 同お茶用フィルターの使用前と使用後の状態を示す写真 同お茶用フィルターの効果を示す図
本発明の第1の実施の形態によるお茶用フィルターは、不織布シートの繊維網目を横方向とし、円弧状上辺部に沿って第1補強部材が貼り付けられ、第1補強部材から下辺部に向かって延びる第2補強部材が一対の不織布シートにそれぞれ貼り付けられ、第2補強部材の下端を、下辺部から所定高さまでとし、第1補強部材及び第2補強部材を非伸縮性材料とし、第2補強部材によって繊維網目の広がりが規制され、お茶の抽出時には、茶葉及びお湯によって繊維網目が下方向に広がり、繊維網目の広がりを、第2補強部材の下端から下辺部までが、第2補強部材の下端から円弧状上辺部までよりも大きくしたるものである。
本実施の形態によれば、不織布シートの繊維網目を横方向とすることで、茶葉が存在する位置で繊維網目が広がるので、茶葉の膨らみを助けるとともに、茶葉が存在しない位置よりもお湯が流出しやすいため、茶葉に接した抽出液を優先的に流出でき、お茶本来の成分を抽出しやすい。また、茶葉が存在しない位置での繊維網目の広がりを第2補強部材によって規制できるため、茶葉が存在する位置でのお湯の流出を更に高めることができ、茶葉に接した抽出液を優先的に流出させることができる。
以下本発明の一実施例によるお茶用フィルターについて説明する。
図1は本実施例によるお茶用フィルターを示す写真である。
本実施例によるお茶用フィルターは、上端11uを下端11dより離間させた一対の側辺部11と、一対の側辺部11の上端11uの間に形成される円弧状上辺部12と、一対の側辺部11の下端11dの間に形成される下辺部13とを備えた不織布シート10A、10Bを重ねあわせ、一対の不織布シート10A、10Bの側辺部11が接合され、一対の不織布シート10A、10Bの下辺部13が連続又は接合されることで、一対の円弧状上辺部12の間を開口とする袋体10を構成する。
本実施例では、一対の不織布シート10A、10Bの下辺部13は連続しており、側辺部11はヒートシールによって接合している。
一対の不織布シート10A、10Bには、それぞれ係止部材20A、20Bが配置される。
また本実施例によるお茶用フィルターは、円弧状上辺部12に沿って第1補強部材30A、30Bが貼り付けられ、第1補強部材30A、30Bから下辺部13に向かって延びる第2補強部材40A、40Bが一対の不織布シート10A、10Bにそれぞれ貼り付けられている。
第2補強部材40A、40Bの下端は、下辺部13から所定高さまでとしている。
不織布シート10Aには、2つの第2補強部材41A、42Aが設けられ、2つの第2補強部材41A、42Aの間に係止部材20Aを配置している。
不織布シート10Bには、2つの第2補強部材41B、42Bが設けられ、2つの第2補強部材41B、42Bの間に係止部材20Bを配置している。
一対の係止部材20A、20Bを容器1の縁に引っ掛けることで、一方の円弧状上辺部12と他方の円弧状上辺部12とが離間して開口が形成され、開口から袋体10に茶葉2が投入され、投入された茶葉2にお湯を注ぐことでお茶を抽出する。
本実施例によるお茶用フィルターは、一対の不織布シート10A、10Bの繊維網目を横方向としている。
また本実施例によるお茶用フィルターは、第1補強部材30A、30B及び第2補強部材40A、40Bを、例えば紙材やプラスチック材などの非伸縮性材料としている。
図2は本実施例によるお茶用フィルターの使用前と使用後の状態を示す写真である。
図2(a)は使用前の状態であり、図2(b)は図2(a)の要部拡大写真である。また、図2(c)は使用後の状態であり、図2(d)は図2(c)の要部拡大写真である。
図2(c)及び図2(d)では、茶葉を4g投入し、80℃の温度のお湯を180cc注いだ後の状態を示している。
図2(c)及び図2(d)に示すように、お茶の抽出後には、茶葉及びお湯によって繊維網目が下方向に広がっている。
図2に示すように、第2補強部材40A、40Bによって繊維網目の広がりが規制されており、お茶の抽出後には、繊維網目の広がりが、第2補強部材40A、40Bの下端から下辺部13までが、第2補強部材40A、40Bの下端から円弧状上辺部12までよりも大きくなっている。
第2補強部材40A、40Bの下端から下辺部13までは、使用前では22mm、使用後では24mmであり110%延びている。
このように本実施例によれば、不織布シート10A、10Bの繊維網目を横方向とすることで、茶葉が存在する位置で繊維網目が広がるので、茶葉の膨らみを助けるとともに、茶葉が存在しない位置よりもお湯が流出しやすいため、茶葉に接した抽出液を優先的に流出でき、お茶本来の成分を抽出しやすい。
また本実施例によれば、茶葉が存在しない位置での繊維網目の広がりを第2補強部材40A、40Bによって規制できるため、茶葉が存在する位置でのお湯の流出を更に高めることができ、茶葉に接した抽出液を優先的に流出させることができる。
図3は本実施例によるお茶用フィルターの効果を示す図である。
比較例1は急須を用いた場合であり、比較例2はお茶パックを用いた場合である。
本実施例によれば、急須に近いお茶の抽出が実現でき、また比較例2と同様に茶葉の残処理や携帯性に優れ、茶葉の膨らみを視覚的に見せることでお酒落感や高級感を演出できる。
本発明によれば、従来のお茶フィルターよりも茶葉の膨らみを更に助け、茶葉の抽出成分を流出させやすい。
1 容器
2 茶葉
10 袋体
10A、10B 不織布シート
11 側辺部
11d 下端
11u 上端
12 円弧状上辺部
13 下辺部
20A、20B 係止部材
30A、30B 第1補強部材
40A、40B 第2補強部材
41A、42A 第2補強部材
41B、42B 第2補強部材

Claims (1)

  1. 上端を下端より離間させた一対の側辺部と、一対の前記側辺部の前記上端の間に形成される円弧状上辺部と、一対の前記側辺部の前記下端の間に形成される下辺部とを備えた不織布シートを重ねあわせ、
    一対の前記不織布シートの前記側辺部が接合され、一対の前記不織布シートの前記下辺部が連続又は接合されることで、一対の前記円弧状上辺部の間を開口とする袋体を構成し、
    一対の前記不織布シートには、それぞれ係止部材が配置され、
    一対の前記係止部材を容器の縁に引っ掛けることで、一方の前記円弧状上辺部と他方の前記円弧状上辺部とが離間して前記開口が形成され、
    前記開口から前記袋体に茶葉が投入され、投入された前記茶葉にお湯を注ぐことでお茶を抽出するお茶用フィルターであって、
    前記不織布シートの繊維網目を横方向とし、
    前記円弧状上辺部に沿って第1補強部材が貼り付けられ、
    前記第1補強部材から前記下辺部に向かって延びる第2補強部材が一対の前記不織布シートにそれぞれ貼り付けられ、
    前記第2補強部材の下端を、前記下辺部から所定高さまでとし、
    前記第1補強部材及び前記第2補強部材を非伸縮性材料とし、
    前記第2補強部材によって前記繊維網目の広がりが規制され、
    前記お茶の抽出時には、前記茶葉及び前記お湯によって前記繊維網目が下方向に広がり、
    前記繊維網目の前記広がりを、前記第2補強部材の前記下端から前記下辺部までが、前記第2補強部材の前記下端から前記円弧状上辺部までよりも大きくした
    ことを特徴とするお茶用フィルター。
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