JP7460944B1 - 切断加工品、及びガードレール - Google Patents

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Abstract

母鋼材と前記母鋼材の表面に被覆されたZn-Al-Mg系めっき層とを有するZn-Al-Mg系めっき鋼材の切断加工品であって、前記切断加工品の切断端面が、前記Zn-Al-Mg系めっき層の成分が線状に流入した線状皮膜で被覆され、かつ前記切断端面に対する前記線状皮膜の被覆率が、60~90%であり、前記切断加工品の切断端面における、前記母鋼材の非めっき面と前記非めっき面の周囲の前記線状皮膜とが、補修塗膜で被覆され、前記補修塗膜における、初期の塗膜抵抗値が10~1000Ω/cm2であり、且つ5質量%塩水に前記切断加工品を3時間浸漬した浸漬後の塗膜抵抗値が5~50Ω/cm2であり、前記補修塗膜の膜厚が、10~100μmである、切断加工品、並びに、それを利用したガードレール。

Description

本開示は、切断加工品、及びガードレールに関する。
めっき鋼材を製品形状に加工する際、めき鋼材は切断され、切断断面の一部が鋼材の鋼素地が露出する。めっき層に覆われていない切断端面は耐食性が低下するため、切断端面の耐食性を上昇させる必要がある。
めっき鋼材の切断端面の耐食性を向上させるため、様々な工法や技術が検討されている。例えば、従来のシャーリングによる端面断面よりも大部分をめっき層で被覆する、傾斜端面工法(特許文献1等)、スリット工法(特許文献2等)、レーザー切断法(特許文献3等)等の切断端面の防錆加工技術が知られている。
ただし、切断断面の全面をめっき層で被覆することは困難であり、一部露出した切断端面は暴露初期などでは赤錆が発生するなどの課題がある。
そこで、従来の切断端面の防食技術として、Zn系金属粉を含んだ補修用塗料(例えば特許文献4)を切断端面の鋼露出面に塗装することが一般的である。
特開2020-32437公報 特開2017-192989号公報 特開2021-087988号公報 特開2017-122186号公報
上記の、切断端面の防錆加工技術と補修塗装との組み合わせることで、より高い切断端面の耐食性を付与できることを期待されていた。
しかし、切断端面においては、アノードとなるめっき層に対し、カソードとなる鋼材の鋼素地の面積が著しく小さいため、水又は酸素の還元反応が集中し、補修塗膜のカソード剥離を引き起こすため、特に腐食初期の耐赤錆抑制に対して十分な耐食性を保持することが出来なかった。
さらに、補修塗膜のカソード剥離が起きることで長期的な耐食性も期待されているほどは得られなかった。
そこで、本開示の課題は、補修塗膜のカソード剥離を抑制し、初期から長期にかけて優れた切断端面の耐食性を有する切断加工品、及び、それを利用したガードレールを提供することである。
課題を解決するための手段は、次の態様を含む。
<1>
母鋼材と前記母鋼材の表面に被覆されたZn-Al-Mg系めっき層とを有するZn-Al-Mg系めっき鋼材の切断加工品であって、
前記切断加工品の切断端面が、前記Zn-Al-Mg系めっき層の成分が線状に流入し
た線状皮膜で被覆され、かつ前記切断端面に対する前記線状皮膜の被覆率が、60~90%であり、
前記切断加工品の切断端面における、前記母鋼材の非めっき面と前記非めっき面の周囲の前記線状皮膜とが、補修塗膜で被覆され、
前記補修塗膜における、初期の塗膜抵抗値R1が10~1000Ω/cmであり、且つ5質量%塩水に前記切断加工品を3時間浸漬した浸漬後の塗膜抵抗値R2が5~50Ω/cmであり、
前記補修塗膜の膜厚が、10μm以上である、
切断加工品。
<2>
前記補修塗膜がZn系金属粉及びバインダー樹脂を含む<1>に記載の切断加工品。
<3>
前記切断加工品の切断端面における、前記線状皮膜の最大長さが、前記切断加工品の板厚に対して70~100%である<1>又は<2>に記載の切断加工品。
<4>
前記補修塗膜における初期の塗膜抵抗値R1が、300~500Ω/cmである<1>~<3>のいずれか1項に記載の切断加工品。
<5>
前記補修塗膜における浸漬後の塗膜抵抗値R2が、10~45Ω/cmである<1>~<4>のいずれか1項に記載の切断加工品。
<6>
前記Zn系金属粉は、ZnおよびAlを含む<2>に記載の切断加工品。
<7>
前記ZnおよびAlを含むZn系金属粉における、Znに対するAlの含有量が、20~45質量%である<6>に記載の切断加工品。
<8>
前記ZnおよびAlを含むZn系金属粉における、Znに対するAlの含有量が、28~34質量%である<6>のいずれか1項に記載の切断加工品。
<9>
前記補修塗膜全体に対する前記Zn系金属粉の含有量は、金属粉60~80質量%である<2>、又は<6>~<8>のいずれか1項に記載の切断加工品。
<10>
前記バインダー樹脂は、ポリスチレン樹脂、及びエポキシ樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種である<2>、又は<6>~<9>のいずれか1項に記載の切断加工品。
<11>
<1>~<10>のいずれか1項に記載の切断加工品を有するガードレール。
本開示によれば、補修塗膜のカソード剥離を抑制し、初期から長期にかけて優れた切断端面の耐食性を有する切断加工品、及び、それを利用したガードレールが提供できる。
本開示の切断加工品を示す概略断面斜視図である。 本開示の切断加工品において、切断加工品の切断端面に直交、かつ板厚方向に直交な方向に沿って切断加工品を切断した概略断面図である。 従来のシャーリング加工法により、切断したときの切断端面の状態を示す概略斜視図である。 塗膜抵抗値を測定するための試料を説明するための模式図である。
以下、本開示の塗装鋼板の一例について説明する。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。
数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
「好ましい態様の組み合わせ」は、より好ましい態様である。
本明細書において、「Zn-Al-Mg系めっき層」を「めっき層」とも称する。
「Zn-Al-Mg系めっき鋼材」を「めっき鋼材」とも称する。
「非めっき面」とは、Zn-Al-Mg系めっき層が被覆されていない、めっき鋼材の母鋼材の表面を示す。
本開示の切断加工品は、母鋼材と前記母鋼材の表面に被覆されたZn-Al-Mg系めっき層とを有するZn-Al-Mg系めっき鋼材の切断加工品である。
切断加工品の切断端面は、Zn-Al-Mg系めっき層の成分が線状に流入した線状皮膜で被覆され、かつ切断端面に対する線状皮膜の被覆率が、60~90%である。
切断加工品の切断端面における、母鋼材の非めっき面と非めっき面の周囲の線状皮膜とは、補修塗膜で被覆されている。
補修塗膜における、初期の塗膜抵抗値が10~1000Ω/cmであり、且つ5質量%塩水に切断加工品を3時間浸漬した浸漬後の塗膜抵抗値(以下「塩水浸漬後の塗膜抵抗値」とも称する。)が5~50Ω/cmである。
そいて、補修塗膜の膜厚は、10μm以上である。
本開示の切断加工品では、切断加工品の切断端面において、Zn-Al-Mg系めっき層の成分が線状に流入した線状皮膜で被覆すると共に、母鋼材の非めっき面に、補修塗膜で被覆する。
補修塗膜は、上記特性を有することで、カソード剥離が抑制され、腐食初期の耐食性の低下が抑制される。
それに加え、Zn-Al-Mg系めっき層の成分及び補修塗膜の成分の犠牲防食作用により、腐食初期から腐食長期にかけて、高い耐食性が維持される。
そのため、開示の切断加工品は、補修塗膜のカソード剥離を抑制し、初期から長期にかけて優れた切断端面の耐食性を有する。
本開示の切断加工品の詳細について説明する。
(めっき鋼材)
めっき鋼材は、切断加工の可能の対象の鋼材である。
めっき鋼材は、母鋼材と母鋼材の表面に被覆されためっき層とを有するZn-Al-Mg系めっき鋼材である。具体的には、めっき鋼材は、母鋼材の両面にめっき層に有することがよい。
母鋼材は、めっき層が形成される対象の鋼材である。
母鋼材は、特に限定されるものではない。母鋼材としては、例えば、極低C型(フェライト主体組織)、Al-k型(フェライト中にパーライトを含む組織)、2相組織型(例えば、フェライト中にマルテンサイトを含む組織、フェライト中にベイナイトを含む組織)、加工誘起変態型(フェライト中に残留オーステナイトを含む組織)、微細結晶型(フェライト主体組織)等の鋼板が挙げられる。
めっき層は、Zn-Al-Mg系めっき層であり、亜鉛、アルミニウム、及びマグネシ
ウムを少なくとも含むめっき層である。Zn-Al-Mg系めっき層は、Znめっき層又はAlめっき層に比べ、Al及びMgの含有により、高い耐食性を有する。
めっき層としては、亜鉛-アルミニウム-マグネシウムめっき層の他、亜鉛-アルミニウム-マグネシウム-スズめっき層、亜鉛-アルミニウム-マグネシウム-シリコンめっき層、亜鉛-アルミニウム-マグネシウム-スズ-シリコンめっき層等の周知のZn-Al-Mg系めっき層が挙げられる。
めっき層は、異種金属元素または不純物として、コバルト、モリブデン、タングステン、ニッケル、チタン、クロム、鉄、マグネシウム、鉛、ビスマス、アンチモン、錫、銅、カドミウム、ヒ素等を含有しためっき層も挙げられる。
特に、亜鉛系めっき層は、耐食性の観点から、亜鉛に加え、アルミニウムを含むめっき層、アルミニウムおよびマグネシウムを含有するめっき層であることが好ましい。つまり、亜鉛合金めっき鋼板を原板に用いると、亜鉛めっき鋼板よりも優れた耐食性が得られるので好ましい。
具体的には、めっき層は、質量比で、Zn:65.0%、Al:5.0%~25.0%、及びMg:2.0%~12.5%を含むめっき層が例示できる。
より具体的には、めっき層は、質量%で、
Zn:65.0%、
Al:5.0%~25.0%、
Mg:2.0%~12.5%、
Sn:0%~20.0%、
Bi:0%~5.0%、
In:0%~2.0%、
Ca:0%~3.00%、
Y :0%~0.5%、
La:0%~0.5%、
Ce:0%~0.5%、
Si:0%~2.5%、
Cr:0%~0.25%、
Ti:0%~0.25%、
Zr:0%~0.25%、
Mo:0%~0.25%、
W :0%~0.25%、
Ag:0%~0.25%、
P :0%~0.25%、
Ni:0%~0.25%、
Co:0%~0.25%、
V :0%~0.25%、
Nb:0%~0.25%、
Cu:0%~0.25%、
Mn:0%~0.25%、
Li:0%~0.25%、
Na:0%~0.25%、
K :0%~0.25%、
Fe:0%~5.0%、
Sr:0%~0.5%、
Sb:0%~0.5%、
Pb:0%~0.5%、
B :0%~0.5%、及び
不純物からなる化学組成を有するめっき層が例示される。
めっき層の形成方法は、特に限定されるものではなく、公知の電気めっき法、溶融めっき法、蒸着めっき法、分散めっき法、真空めっき法等のいずれの方法でもよい。
めっき層の付着量は、特に限定されないが、15g・m-2以上140g・m-2以下であることが好ましい。より好ましくは30g・m-2以上90g・m-2以下である。
めっき層の付着量が、15g・m-2以上であると、付着量が小さすぎて不めっき部分が発生するのが抑制される。また、めっき層の付着量が140g・m-2以下であると、耐食性が高く、かつめっき層が黒く変色する現象が抑制される。
(切断加工品の切断端面)
-線状皮膜-
本開示に係る切断加工品は、切断端面がZn-Al-Mg系めっき層の成分が線状に流入した線状皮膜で被覆されている。線状皮膜の線幅は、例えば、10~100μm程度である。
例えば、レーザー切断法により、めっき鋼材を切断加工すると、母鋼材の表面に形成された切断部付近のめっき層が、レーザーによる熱で溶融する。溶融しためっき層の成分は、五月雨状に切断端面へ流入し、再凝固する。それにより、切断端面が、めっき層の成分を含む線状皮膜で被覆される(図1参照)。
一方、従来のシャーリング加工法により、めっき鋼材を切断加工すると、母鋼材の表面に形成された切断部付近のめっき層が、シャーリング刃に追従し、切断端面へ入り込む。それにより、切断端面が、帯状のめっき層で被覆される(図3参照)。
なお、図1中、101は切断加工品、101Cは切断端面、10はめっき鋼材、12は母鋼材、14はめっき層、16は線状皮膜、18は補修塗膜を示す。
図3中、201は切断加工品、201Cは切断端面、20はめっき鋼材、22は母鋼材、24はめっき層、CDは切断方向を示す。
-線状皮膜の被覆率-
切断端面に対する線状皮膜の被覆率は、60~90%である。
線状皮膜の被覆率が60%未満となると、切断端面の線状皮膜の被覆率が低すぎるため、耐食性が低下する。一方、めっき鋼材を切断すると、切断端面の一部には、めっき鋼材の表面のめっき層が溶融し、溶融しためっき層の成分が切断端面に流入する。しかし、切断端面の全面に、溶融しためっき層の成分を流入させるのは困難である。
よって、線状皮膜の被覆率は上記範囲とする。めっき層の被覆率は、70~90%が好ましい。
線状皮膜の被覆率は、次の通り測定する。
測定対象の切断加工部品の切断端面から、補修塗膜(つまり、バインダー樹脂)を溶解する溶剤に浸漬し、1分間以上超音波洗浄機で洗浄することによって、補修塗膜を完全に除去する。
次に、切断端面に10nm程度の厚みで金蒸着して、試料を作製する。
試料の切断端面に対して、板厚の直交方向から、電子プローブマイクロアナライザー
(Electron Probe Micro Analyzer; EPMA)により、母鋼材、めっき層、炭素及び酸素の分析成分のうち、Zn、Al及びMgの元素分布を測定する。そして、切断断面に対する、Zn、Al及びMgのいずれかが検出された領域の割合を、線状皮膜の被覆率として求める。
ここで、EPMAによるめっき層の成分の元素分布の測定において、めっき層の成分と母鋼材の成分との識別は、Zn、Al及びMgいずれかのめっき成分がEPMA定量分析
で1atm%以上存在するか否かで判断する。そして、Zn、Al及びMgいずれかのめっき成分がEPMA定量で1atm%以上存在することが確認できた領域を線状皮膜が被覆された領域とする。
この操作を3回実施し、平均値を算出する。
なお、EPMAの測定条件は、測定領域=切断断面幅(つまり板厚)×10mm、加速電圧=25kV、電子ビーム径=10μmとする。
-線状皮膜の最大長さ-
線状皮膜の最大長さは、切断加工品の板厚に対して70~100%が好ましい。
線状皮膜の最大長さが70%以上であると、切断端面の板厚方向の一端側に偏りがなく、切断端面の板厚方向の一端側から他端側にかけて、切断端面に線状皮膜で被覆される。そのため、耐食性が向上し易くなる。
よって、線状皮膜の最大長さは上記範囲が好ましい。線状皮膜の最大長さは、90~100%がより好ましい。
線状皮膜の最大長さは、次の通り測定される。
測定対象の切断加工部品の切断端面から、補修塗膜(つまり、バインダー樹脂)を溶解する溶剤に浸漬し、1分間以上超音波洗浄機で洗浄することによって、補修塗膜を完全に除去する。
次に、切断端面に10nm程度の厚みで金蒸着して、切断端面を観察面とする試料を作製する。
試料の観察面に対して、電子プローブマイクロアナライザー (Electron P
robe Micro Analyzer; EPMA)により、めっき層の成分のうち、Zn、Al及びMgの元素分布を測定する。そして、Zn、Al及びMgのいずれかが検出された線状の領域のうち、最も長い線状の領域の長さを計測する。なお、線状の領域の長さは、試料の板厚方向に沿った長さとする(図1のT参照)。そして、試料の板厚に対する。最も長い線状の領域の長さの割合を求める。
この操作を3回実施し、平均値を求める。
なお、上記以外は、線状皮膜の最大長さの測定方法は、線状皮膜の被覆率の測定方法と同じ方法とする。
-補修塗膜-
本開示に係る切断加工品の切断端面における、母鋼材の非めっき面と非めっき面の周囲の線状皮膜とは、補修塗膜で被覆されている(図1及び図2参照)。
具体的には、例えば、補修塗膜は、母鋼材の非めっき面と共に、線状皮膜の縁(つまり母鋼材の非めっき面と線状皮膜との境界)から、少なくとも100μmまでの線状皮膜上に被覆されていればよい。好ましくは、補修塗膜は、切断端面全体を覆うように被覆されていることがよい。
なお、図2は、切断加工品の切断端面に直交、かつ板厚方向に直交な方向に沿って切断加工品を切断した概略断面図である。
図2中、101Cは切断加工品の切断端面、12はめっき鋼材の母鋼材、16は線状皮膜、18は補修塗膜を示す。
ここで、補修塗膜の形成状態は、次の通り確認する。
測定対象の切断加工部品を、切断端面に直交し、かつ板厚方向に直交な方向に沿って切断する。
次に、測定対象の鋼板を包埋硬化剤と所定の割合で混合させた包埋樹脂で包埋処理を施し、包埋処理したサンプルを機械研磨することで、切断加工部品を切断した切断面を露出させ、切断面を観察面とする試料を作製する。
試料の観察面に対して、EDS(Energy Dispersive X-ray
Spectrometer)付きSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)により、倍率50~100で観察する。また、めっき層の成分のうち、Zn、Al及びMgの元素分布も測定する。そして、Zn、Al及びMgのいずれかが検出された領域により、線状皮膜の縁を確定する。そして、SEMによる観察画像から、線状皮膜の縁と補修塗膜の縁との距離を求める。ただし、線状皮膜の縁と補修塗膜の縁との距離は、線状皮膜の表面に沿った距離とする。
この操作により、補修塗膜の形成状態が確認できる。
なお、EDSの測定条件は、測定領域=切断断面幅(つまり板厚)×切断方向200μm、加速電圧=15V、電子ビーム径=10μmとする。
--補修塗膜の組成--
補修塗膜は、犠牲防食作用を有する成分を含む。
具体的には、補修塗膜は、Zn系金属粉及びバインダー樹脂を含むことが好ましい。補修塗膜は、必要に応じて、その他添加剤を含んでもよい。
Zn系金属粉は、Znを含む金属粉である。
Zn系金属粉は、Zn単独で含む金属粉でもよいし、ZnとZn以外の金属とを含む金属粉でもよい。
ZnとZn以外の金属とを含む金属粉は、Zn単独で含む金属粉とZn以外の金属単独で含む金属粉との混合金属粉であってもよいし、ZnとZn以外の金属とを含む合金金属粉であってよい。
Zn以外の金属としては、Al、Si、Mg、Co、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、ステンレス等も挙げられる。
これらの中でも、Zn以外の金属としては、Alが好ましい。つまり、Zn系金属粉は、ZnおよびAlを含むことが好ましい。金属粉にAlを含むと、ZnとAlとで基材の鋼板に対し優れた防食性を有するとされるZn Al(OH)16CO・4HOが生成されやすくなるとなるため、耐食性が向上する。
ここで、ZnおよびAlを含むZn系金属粉における、Znに対するAlの含有量は、20~45質量%が好ましく、25~35質量%がより好ましく、28~34質量%が特に好ましい。
Alの含有量を20質量%以上にすると、初期及び塩水浸漬後R1,R2の塗膜抵抗値の過度な低下が抑制され、耐食性が向上する。
Alの含有量を45質量%以下にすると、塩水浸漬後の塗膜抵抗値R2の過度な上昇が抑えられ、補修塗膜のカソード剥離が生じ難くなる。
ZnおよびAlを含むZn系金属粉における、ZnおよびAlの合計含有量は、Zn系金属粉に対して、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、100質量%が特に好ましい。
つまり、ZnおよびAl以外の金属の合計含有量(特に、Vの含有量は、Zn系金属粉に対して、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、0質量%が特に好ましい。
Zn系金属粉の平均粒径は、1~20μmが好ましく、1~10μmがより好ましい。Zn系金属粉の平均粒径を上記範囲にすると、耐食性が向上する。
なお、「平均粒径」は、動的光散乱法により求めた個数基準の粒度分布において小径側から累積50%となる粒径である。
なお、Zn系金属粉の粒径は補修塗膜(つまり、バインダー樹脂)を溶剤で溶解させ、Zn系金属粉を遠心分離法により回収し、粒径を測定する。
Zn系金属粉の含有量は、補修塗膜全体に対して、60~80質量%が好ましく、65~75質量%がより好ましい。
Zn系金属粉の含有量を60質量%以上にすると、初期及び塩水浸漬後の塗膜抵抗値の過度な上昇が抑えられ、補修塗膜のカソード剥離が生じ難くなる。
Zn系金属粉の含有量を80質量%以下にすると、初期及び塩水浸漬後の塗膜抵抗値の過度な低下が抑制され、耐食性が向上する。
よって、Zn系金属粉の含有量は、上記範囲が好ましい。
バインダー樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂等の周知の樹脂が挙げられる。
これらの中でも、バインダー樹脂としては、ポリスチレン樹脂、及びエポキシ樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これら樹脂を適用すると、塩水浸漬後の塗膜抵抗値を好ましい範囲に制御することが容易となり、耐食性を向上させやすい。
バインダー樹脂は、架橋樹脂であっても、非架橋樹脂であってもよいが、耐食性向上の観点から、架橋樹脂が好ましい。
なお、架橋樹脂とするための架橋剤としては、架橋対象樹脂の種類に応じて、メラミン、イソシアネート、シラン化合物、ジルコニウム化合物、チタン化合物等の周知の架橋剤が使用できる。
バインダー樹脂の含有量は、補修塗膜に対して20~40質量%が好ましく、25~35質量%がより好ましい。
バインダー樹脂の含有量を20質量%以上にすると、初期及び塩水浸漬後の塗膜抵抗値の過度な低下が抑制され、耐食性が向上する。
バインダー樹脂の含有量を40質量%以下にすると、初期及び塩水浸漬後の塗膜抵抗値の過度な上昇が抑えられ、補修塗膜のカソード剥離が生じ難くなる。
よって、バインダー樹脂の含有量は、上記範囲が好ましい。
補修塗膜における、その他添加剤としては、顔料(MgO、顔料(MgO、Al3、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、カーボン、炭酸マグネシウム等)、分散剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、造膜助剤等が挙げられる。
--補修塗膜の膜厚--
補修塗膜の膜厚が低すぎると、耐食性が低下する。前記補修塗膜厚の上限値については、特に限定されないが、膜厚が厚くなり過ぎると切断端面当たりの塗膜コストが高くなるばかりでなく、補修塗料塗布後の乾燥時間も長くなる。
よって、補修塗膜の膜厚は、10μm以上である。補修塗膜の膜厚は、10~100μmが好ましく、20~30μmがより好ましい。
補修塗膜の膜厚は、次の通り、測定される。
測定対象の切断加工部品を、切断端面に直交し、かつ板厚方向に直交な方向に沿って切断する。
次に、測定対象の切断加工部品を包埋硬化剤と所定の割合で混合させた包埋樹脂で包埋処理を施し、包埋処理したサンプルを機械研磨することで、切断加工部品を切断した切断面を露出させ、切断端面の直交方向の面を観察面とする試料を作製する。
試料の観察面に対して、SEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)により、倍率50~100で観察し、母鋼材の非めっき面に形成された任意箇所の補修塗膜の膜厚を測定する。
この膜厚測定を3つの包埋サンプルで実施し、3つの測定値の平均値を算出する。
--補修塗膜の塗膜抵抗値--
補修塗膜における、初期の塗膜抵抗値R1が10Ω/cmより低いと、補修塗膜中の金属粉が徐々に酸化してしまい、補修塗膜の犠牲防食性が早期に失活するため、耐食性が低下する。
補修塗膜における、初期の塗膜抵抗値R1が1000Ω/cmより高いと、補修塗膜
の犠牲防食性が全く作用せず、大気中の水上等の影響で補修塗膜下の鋼素地に赤錆等が生じることがあり、耐食性が低下する。
よって、補修塗膜における、初期の塗膜抵抗値R1は、10~1000Ω/cmとする。
なお、補修塗膜における、初期の塗膜抵抗値R1は、補修塗膜中の金属粉全量のうち腐食していない割合が80%以上の状態における塗膜抵抗値を示す。補修塗膜中の金属粉全量のうち腐食していない割合が80%以上の状態であれば、その状態での塗膜抵抗値R1は10~1000Ω/cmとなる。上記観点から初期の塗膜抵抗値R1は、300~500Ω/cmが好ましい。
ここで、初期の塗膜抵抗値R1とは、塗膜中の金属粉全量のうち腐食していない割合が80%以上の状態であれば、切断加工品を非腐食環境下で保管した状態、及び腐食環境下で使用された状態の、いずれの状態での塗膜抵抗値を示す。
具体的には、切断加工品を作製後、切断加工品が用途に供されるまで(例えば、切断加工品がガードレールのビームとして設置されるまで)の期間、かつ非腐食環境下で保管されていた切断加工品の補修塗膜における塗膜抵抗値は、「初期の塗膜抵抗値R1」に該当する。
また、補修塗膜中の金属粉全量のうち腐食していない割合が80%以上の状態であれば、ガードレールのビームとして腐食環境下で使用されていた切断加工品の補修塗膜における塗膜抵抗値も、「初期の塗膜抵抗値R1」に該当する。
金属粉全量の腐食割合は、金属粉の酸化比率と水酸化比率の合計比率とする。金属粉の腐食割合の計測方法は補修塗膜の断面画像の解析により行う。具体的には、次の通りである。
測定対象の切断加工部品の切断端面のうち、補修塗膜の端から10mmの範囲をのぞく中心エリアを、切断端面に直交し、かつ板厚方向に平行な方向に沿って切断する。
次に、測定対象の切断加工部品を包埋硬化剤と所定の割合で混合させた包埋樹脂で包埋処理を施し、包埋処理したサンプルを機械研磨することで、切断加工部品と補修塗膜とを切断した切断面を露出させ、切断端面の直交方向の面を観察面とする試料を作製する。
試料の観察面に対して、EDS(Energy Dispersive x-ray Spectroscopy:エネルギー分散型X線分光)搭載のSEM(Scanning Electron Microsscope:走査型電子顕微鏡)によるマッピング分析を行う。観察倍率は、補修塗膜と母鋼材界面から塗膜表面までの膜厚方向で補修塗膜全体が観察でき、且つ補修塗膜と母鋼材の界面が100μm以上観察できる視野になる倍率とする。
この視野観察を1つの包埋サンプルにつき3箇所、3つの包埋サンプルにつき合計9箇所で実施し、それぞれの視野における金属粉の腐食割合を算出する。
金属粉の腐食割合(%)は、視野中における「(腐食した金属粉の個数/金属粉全体の個数)×100」で算出する。
腐食した金属粉は、EDS搭載のSEMのマッピング分析により、Znなどの金属元素と酸素の検出位置が一致していることで判別できる。
ただし、この腐食した金属粉には、塗料に最初から酸化した状態で添加されている、MgO、Alなどの添加物は含まない。腐食した金属粉全体から、これら添加物を除外した割合は、以下のようにして算出する。
まず、視野観察により金属粉の腐食割合を算出したのち、原料となる塗料に添加している添加物(MgO、Alなど)の割合を引く。具体的には視野観察により得られた金属粉の腐食割合(%)から、塗料材料に含まれる金属粒子全体のうちMgO、Alなど最初から添加されている添加物割合(%)を引く。
つまり、金属粉の腐食割合(%)は、視野中における「(腐食した金属粉の個数-添加物の個数)/金属粉全体の個数×100」で算出する。
このように、上述の9つの視野における、腐食割合の測定値から添加物割合の測定値を引き、得られた割合の平均値を算出する、
そして、100%から得られた割合の平均値(%)を引いた値(=100-得られた割合の平均値)を「補修塗膜中の金属粉全量のうち腐食していない割合」とする。
なお、塗料に酸化した状態で含まれている、MgO、Alなどの添加物については、塗料中の添加物由来の酸化物から、補修塗膜中の酸化物の増加分を算出することで、腐食した金属粉と判別することができる。
一方、補修塗膜における、塩水浸漬後の塗膜抵抗値R2が5Ω/cmより低いと、腐食環境下において補修塗膜中の金属粉が急激に消耗してしまい、補修塗膜の犠牲防食性が早期に失活するとなるため、耐食性が低下する。
補修塗膜における、塩水浸漬後の塗膜抵抗値R2が50Ω/cmより高いと、腐食環境下において酸素の還元反応が補修塗膜直下の鋼素地露出部に集中し、塩基性環境に変化することで水素結合などの分子間力が働きにくくなるとなるため、補修塗膜のカソード剥離が生じ、結果的に耐食性が低下する。
塩水浸漬後の塗膜抵抗値R2は10~45Ω/cmが好ましく、25~40Ω/cm
2が更に好ましい。
ここで、補修塗膜における、塩水浸漬後の塗膜抵抗値は、5質量%塩水に切断加工品を3時間浸漬した浸漬後の塗膜抵抗値である。より具体的には、液温25℃で、5質量%塩水に、少なくとも切断加工品の切断端面を3時間浸漬した後の塗膜抵抗値である。
補修塗膜における、初期及び塩水浸漬後の塗膜抵抗値は、例えば、補修塗膜の膜厚、並びに、金属粉の種類及び量により調整できる。
塗膜抵抗値は、次の通り、測定する。
測定対象の切断加工品を10mm角で切り出し、補修塗膜が形成された切断端面を有する切出し片を得る。得られた切出し片の切断端面を測定面とし、測定面以外の部位に導線をスポット溶接又はハンダ処理など導通を妨げない方法で結合させる。測定対象の切断端面を一定面積のみ露出させ、その他部位を絶縁シールして、補修塗膜の試料を得る(図4参照)。
得られた試料に対して、露出させた切断端面における補修塗膜の交流インピーダンス計測をすることで、塗膜抵抗値を測定する。
この操作を2回実施し、塗膜抵抗値の平均値を算出する。
なお、図4中、400は試料、402は切断加工品の切出し片、404は導線、404Aは導線の結合部、406は絶縁シール、408は露出させた切断端面における補修塗膜を示す。
(切断加工品の用途)
本開示の切断加工品は、ガードレール(具体的には、ガードレール部品、特に、ガードレールのビーム)、ビニールハウスまたは農業ハウス用の形鋼、支柱、梁、遮音壁、防音壁、電気設備用部材、安全環境用部材、構造用部材、太陽光架台などに使用する鋼板等の用途に適用される。
本開示の切断加工品は、めっき鋼材を、切断加工後、上記用途に応じて、例えば、プレス成形等の加工が施されて、利用される。
以下、本開示を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本開示を制限するものではない。
(めっき鋼板の準備)
次の鋼種のめっき鋼材を準備した。
Zn-6%Al-3%Mg:Zn-Al-Mg系めっき鋼板(板厚=4.5mm、めっき組成=Al:6質量%、Mg:3質量%、残部:Zn、片面めっき付着量=120g/m
Zn-11%Al-3%Mg:Zn-Al-Mg系めっき鋼板(板厚=4.5mm、めっき組成=Al:11質量%、Mg:3質量%、残部:Zn、片面めっき付着量=120g/m
Zn-19%Al-6%Mg:Zn-Al-Mg系めっき鋼板(板厚=4.5mm、めっき組成=Al:19質量%、Mg:6質量%、残部:Zn、片面めっき付着量=120g/m
Zn:溶融亜鉛めっき鋼板(板厚=4.5mm、片面めっき付着量=120g/m
(補修用塗料)
表1に示す組成の補修用塗料を準備した。
(実施例)
表2の条件に従って、めっき鋼板に対して、レーザー切断法又は従来のシャーリング加工法により、切断加工を行い、図1又は図3に示す切断端面を有する試料を得た。なお、レーザー切断法では、レーザーノズルから噴き出しているガス流量とガス圧力を調整し、切断端面に対する線状皮膜の被覆率及び線状皮膜の最大長さを、表2に示す通りにした。また、シャーリング加工法では、シャー刃とダイのクリアランスを調整し、切断端面に対するめっき層の被覆率を、表2に示す通りにした。
次に、表2に示す条件に従って、試料の切断端面のうち、めっき鋼板の母鋼材の非めっき面と、非めっき面の周囲の線状皮膜又はめっき層とに、補修用塗料を塗装し、補修塗膜を形成した。
なお、補修塗膜の膜厚は表2に示す通りにした。また、初期の塗膜抵抗値、塩水浸漬後の塗膜抵抗値(つまり質量%塩水に切断加工品を3時間浸漬した浸漬後の塗膜抵抗値)は、表2に示す通りであった。
これら操作により、切断加工品の試料を得た。
(評価)
得られた切断加工品の試料の切断端面に対して、次の評価を実施した。
-耐カソード剥離性-
CCT-JASO M609に準拠した複合サイクル腐食試験を30サイクル実施した。
その後、切断加工品の試料の切断端面における、補修塗膜形成面にテープ(「商品名セロテープ(登録商標)」ニチバン株式会社製)を貼り合わせた後、剥離した。
そして、剥離したテープを観察し、テープと張り合わせた補修塗膜の面積に対する、テープに剥離された補修塗膜の面積(以下「剥離面積率」)の割合を求め、下記基準で評価した。なお、合格は「A」、「B」とした。
A:剥離面積率0%
B:剥離面積率0%超~5%
D:剥離面積率5%超
-長期耐食性1-
CCT-JASO M609に準拠した複合サイクル腐食試験を120サイクル実施し
た。
切断加工品の試料の切断端面における、赤錆発生面積を計測し、下記基準で評価した。なお、合格は「A」、「B」とした。
A:赤錆面積率0%
B:赤錆面積率0%超~5%
C:赤錆面積率5%超~20%
D:赤錆面積率20%超
B以上合格
-長期耐食性2-
CCT-JASO M609に準拠した複合サイクル腐食試験を180サイクル実施し
た。
切断加工品の試料の切断端面における、赤錆発生面積を計測し、下記基準で評価した。なお、合格は「A」、「B」とした。
A:赤錆面積率0%
B:赤錆面積率0%超~20%
D:赤錆面積率20%超
B以上合格
上記結果から、本開示例では、比較例に比べ、補修塗膜のカソード剥離を抑制し、初期から長期にかけて優れた切断端面の耐食性を有することがわかる。
符号の説明は、次の通りである。
10 めっき鋼材
12 母鋼材
14 めっき層
16 線状皮膜
18 補修塗膜
101 切断加工品
101C 切断端面
なお、日本国特許出願第2022-157063号の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (11)

  1. 母鋼材と前記母鋼材の表面に被覆されたZn-Al-Mg系めっき層とを有するZn-Al-Mg系めっき鋼材の切断加工品であって、
    前記切断加工品の切断端面が、前記Zn-Al-Mg系めっき層の成分が線状に流入した線状皮膜で被覆され、かつ前記切断端面に対する前記線状皮膜の被覆率が、60~90%であり、
    前記切断加工品の切断端面における、前記母鋼材の非めっき面と前記非めっき面の周囲の前記線状皮膜とが、補修塗膜で被覆され、
    前記補修塗膜における、初期の塗膜抵抗値R1が10~1000Ω/cmであり、且つ5質量%塩水に前記切断加工品を3時間浸漬した浸漬後の塗膜抵抗値R2が5~50Ω/cmであり、
    前記補修塗膜の膜厚が、10μm以上である、
    切断加工品。
  2. 前記補修塗膜がZn系金属粉及びバインダー樹脂を含む請求項1に記載の切断加工品。
  3. 前記切断加工品の切断端面における、前記線状皮膜の最大長さが、前記切断加工品の板厚に対して70~100%である請求項1に記載の切断加工品。
  4. 前記補修塗膜における初期の塗膜抵抗値R1が、300~500Ω/cmである請求項1に記載の切断加工品。
  5. 前記補修塗膜における浸漬後の塗膜抵抗値R2が、25~40Ω/cmである請求項1に記載の切断加工品。
  6. 前記Zn系金属粉は、ZnおよびAlを含む請求項2に記載の切断加工品。
  7. 前記ZnおよびAlを含むZn系金属粉における、Znに対するAlの含有量が、20~45質量%である請求項6に記載の切断加工品。
  8. 前記ZnおよびAlを含むZn系金属粉における、Znに対するAlの含有量が、28~34質量%である請求項6に記載の切断加工品。
  9. 前記補修塗膜全体に対する前記Zn系金属粉の含有量は、金属粉60~80質量%である請求項2に記載の切断加工品。
  10. 前記バインダー樹脂は、ポリスチレン樹脂、及びエポキシ樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項2に記載の切断加工品。
  11. 請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の切断加工品を有するガードレール。
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