JP7456612B2 - カジノ用ゲーム媒体およびゲームテーブルシステム - Google Patents

Description

本発明は、カジノ用ゲーム媒体およびゲームテーブルシステムに関する。

従来、カジノでは、テーブルゲームにチップやプラーク等のゲーム媒体がベットや配当として用いられている。近年では、このようなゲーム媒体に当該ゲーム媒体の情報を記憶したＲＦＩＤを内蔵することが知られている。このようなカジノ用ゲーム媒体は、樹脂で平板状にインサート成型された基体の内部に、ゲーム価値等のゲーム媒体情報を記憶するＩＣと、コイルおよびコンデンサを有する媒体側アンテナとを有している。このようなカジノ用ゲーム媒体は、ゲームテーブルに設けられたリーダライタが発生する磁場から誘導起電力を生成し、この電力により当該リーダライタへ媒体情報を送信する。例えば、ＲＦＩＤに用いる電波の周波数帯域は、短波帯（１３．５６ＭＨｚ）等に規定されており、媒体側アンテナは、共振周波数が短波帯の周波数となるように設計されることで通信の安定性を得る。

ところで、このようなカジノ用ゲーム媒体は、テーブルゲームを進行するディーラーやテーブルゲームの参加者等によって、リーダライタが設けられるゲームテーブル上に重ねて配置されることが一般的に行われる。そのため、このようなリーダライタは、重ねられた複数のカジノ用ゲーム媒体の媒体情報をそれぞれ正確に読み取る必要がある。しかしながら、カジノ用ゲーム媒体が重ねられた状態で読み取りを行った場合、複数の媒体側アンテナ間の相互インダクタンスによりそれぞれの共振周波数が低下する事象が発生し、リーダライタとの通信が困難となる場合がある。

そこで、例えば、引用文献１では、媒体側アンテナを、閉曲線に沿って設けられた主配索パターンと、各々の径が主配索パターンの径よりも小さい複数の副配索パターンとを含むように構成している。これにより、重ねられたカジノ用ゲーム媒体の各媒体側アンテナナ同士の電磁気的な相互干渉が発生する可能性を少なくし、複数のカジノ用ゲーム媒体を重ねたままでも、カジノ用ゲーム媒体とリーダライタとの間で通信を行うことを可能にしている。

米国特許出願公開第２０１５／０１１５０４２号明細書

ところで、リーダライタが発生する磁場はリーダライタからの距離に応じて広がることが知られている。そのため、カジノ用ゲーム媒体を重ねて配置したときに他のリーダライタとの通信（いわゆる隣接読み）を防止すべくリーダライタ同士の間隔を広げる必要があり、リーダライタを設けるゲームテーブルの設計が制限されてしまうという問題があった。

そこで、本発明は、ゲームテーブルの設計を制限せずに隣接読みを軽減することが可能なカジノ用ゲーム媒体およびゲームテーブルシステムを提供することを目的とする。

本発明のカジノ用ゲーム媒体は、
媒体側アンテナと、
前記媒体側アンテナに接続される抵抗素子と、
媒体情報を記憶し、前記媒体側アンテナに発生する誘導起電力に基づき前記媒体情報を出力するＩＣチップと、
を有することを特徴とする。

一般的に、従来の媒体側アンテナは、共振周波数が規定の周波数帯域となるようにＬＣ回路が設計されており、１／Ｒ√（Ｌ／Ｃ）で規定されるＱ（Quality Factor）値をなるべく高くすることにより、損失を軽減し、規定の周波数帯域での動作効率を高めることが行われている。本発明のカジノ用ゲーム媒体は、媒体側アンテナに、通常設けない抵抗素子が接続されている。これにより、媒体側アンテナに接続された抵抗素子の抵抗値によって、媒体側アンテナの共振周波数に影響せずにＱ値を下げることができ、敢えてＱ値を下げて感度を鈍くすることで実際に運用するゲームテーブルにおいて隣接読みしない程度に調整することが可能となる。

また、本発明のカジノ用ゲーム媒体において、
前記媒体側アンテナは、規定の周波数帯域よりも共振周波数が高くなるように設計されていてもよい。

上記構成によれば、媒体側アンテナを従来のような複雑な構成とせずともあらかじめ媒体側アンテナの共振周波数を規定の周波数帯域よりも上げておくことによって、積み重ねられた複数の媒体側アンテナの共振周波数が低下したとしてもカジノ用ゲーム媒体が動作可能な範囲に収まる可能性を向上させることができる。

また、本発明のカジノ用ゲーム媒体において、
前記媒体側アンテナ、前記抵抗素子、および、前記ＩＣチップは、ＰＣＢ（Printed Circuit Board）に設けられ、
前記抵抗素子は、前記ＰＣＢにおいて、前記ＩＣチップから離間され、前記媒体側アンテナのコイルとなる螺旋パターンの領域外に配置されていてもよい。

上記構成によれば、抵抗素子がＩＣチップから離間され、さらに媒体側アンテナが有するコイルを形成する螺旋パターンの領域外に配置されている。これにより、抵抗素子を調整して隣接読みを防止する抵抗値を設定する際、すでに共振周波数等が設定され配置が確定している媒体側アンテナおよびＩＣチップへの影響を軽減できる。その結果、抵抗素子の抵抗値の設定を最終段階で行えばよく、抵抗素子の変更を伴う設計を容易にすることが可能となる。

また、本発明のカジノ用ゲーム媒体において、前記抵抗素子は、抵抗値が可変であってもよい。

上記構成によれば、ゲームテーブル等の読み取り側の設計に合わせて、隣接読みしない抵抗素子の抵抗値を探ることが容易となる。

また、本発明のゲームテーブルシステムは、
カジノ用ゲーム媒体が含む媒体情報を読み込むゲームテーブルを有するゲームテーブルシステムであって、
前記カジノ用ゲーム媒体は、
媒体側アンテナと、
前記媒体側アンテナに接続される抵抗素子と、
媒体情報を記憶し、前記媒体側アンテナに発生する誘導起電力に基づき前記媒体情報を出力するＩＣチップと、
を有し、
前記ゲームテーブルは、前記カジノ用ゲーム媒体が配置される複数のチップ配置領域のそれぞれ下方に、前記規定の周波数帯域に含まれる周波数の発振信号を出力するリーダライタが設けられていることを特徴とする。

上記構成によれば、本発明のカジノ用ゲーム媒体は、媒体側アンテナが規定の周波数帯域よりも共振周波数が高くなるように設計され、この媒体側アンテナには、通常設けない抵抗素子が接続されている。これにより、媒体側アンテナに接続された抵抗素子の抵抗値によって、媒体側アンテナの共振周波数に影響せずにＱ値を下げることができ、敢えてＱ値を下げて感度を鈍くすることで実際に運用するゲームテーブルにおいてリーダライタが他のリーダライタに重ねられたカジノゲーム媒体を隣接読みしない程度に調整することが可能となる。

また、本発明のゲームテーブルシステムにおいて、
前記抵抗素子の抵抗値は、前記ゲームテーブルにおいて１のリーダライタに積層された所定枚数のカジノ用ゲーム媒体の各ＩＣチップが、前記１のリーダライタに隣り合うリーダライタが出力する発振信号に基づく磁場によって駆動されない値に設定されていてもよい。

一般的に、従来のゲームテーブルは、カジノ用ゲーム媒体が隣接読みされない程度に、リーダライタを離して設計される必要があったが、上記構成によれば、実際にカジノ用ゲーム媒体を用いるゲームテーブルにおいて、隣接読みしない抵抗値に、後で調整することが可能となる。その結果、カジノ用ゲーム媒体がゲームテーブルの設計を制限することなく、ゲームテーブルの設計の自由度を拡大することが可能となる。

また、本発明のゲームテーブルシステムにおいて、
前記媒体側アンテナは、規定の周波数帯域よりも共振周波数が高くなるように設計されていてもよい。

上記構成によれば、媒体側アンテナを従来のような複雑な構成とせずともあらかじめ媒体側アンテナの共振周波数を規定の周波数帯域よりも上げておくことによって、積み重ねられた複数の媒体側アンテナの共振周波数が低下したとしてもカジノ用ゲーム媒体が動作可能な範囲に収まる可能性を向上させることができる。

カジノ用ゲーム媒体の構造を示す説明図である。 遊技テーブルシステムの斜視図である。 アンテナモジュールの一部分解斜視図である。 積層されるカジノ用ゲーム媒体に対する隣接するアンテナの磁場の影響を示す説明図である。 ディーラーディスプレイの表示態様の一例を示す説明図である。 カジノ用ゲーム媒体の変形例の構造を示す説明図である。

以下、本発明を図面に基づいて説明する。

図１に示すように、本実施形態のカジノ用ゲーム媒体１００は、ＰＣＢ（Printed Circuit Board）１１と、ＰＣＢ１１を内部に収容しカジノ用ゲーム媒体１００の外形をなす収容体１２とを有している。

カジノ用ゲーム媒体１００の種類（属性）としては、チップやトークン、プラーク等が存在し、通貨情報やゲームポイントのゲーム価値を電子データや外面形態で有し、このゲーム価値を外部から読み取り可能にされた構成が該当する。尚、外面形態とは、色や模様、文字、画像、形状等の外部から識別可能な形態である。なお、本実施形態では、カジノ用ゲーム媒体としてカジノチップを例示するが、カジノにおいて用いられるゲーム媒体であればこれに限定されない。

ＰＣＢ１１は、媒体側アンテナ１１０と、抵抗素子１１１と、ＩＣチップ１１２と、を有している。ＰＣＢ１１は、あらかじめ媒体側アンテナ１１０の配線パターンが施されたＰＷＢ（Printed Wiring Board）に抵抗素子１１１およびＩＣチップ１１２がはんだ付けされて形成される。媒体側アンテナ１１０は、螺旋パターンに形成されており、その両端間に抵抗素子１１１と、ＩＣチップ１１２とが直列に接続されている。カジノ用ゲーム媒体１００は、このようなＰＣＢ１１の周囲に樹脂が塗布されるようインサート整形されることにより形成される。なお、本実施形態では、媒体側アンテナ１１０の配線パターンとして単体の螺旋パターンを適用しているがこれに限定されない。

本実施形態では、カジノ用ゲーム媒体１００は、パッシブ型の短波帯（１３．５６ＭＨｚ）に用いられるＲＦＩＤタグであるが方式や周波数帯域はこれに限定されない。媒体側アンテナ１１０の共振周波数は、この短波帯（１３．５６ＭＨｚ）よりも高く設定される。媒体側アンテナ１１０の共振周波数の設定値は、カジノ用ゲーム媒体１００の収容体１２の厚みや、所望するカジノ用ゲーム媒体１００の積層枚数によって変動する。すなわち、１枚から、所望する特定の積層枚数（例えば、９枚）まで、の枚数それぞれの場合において、規定の周波数帯域に発振するリーダライタで読み込めるかどうかを試行する。そして、すべての場合で読み込みが成功した共振周波数を媒体側アンテナ１１０の共振周波数に適用する。共振周波数を適用方法は既知のものを採用することができる。

抵抗素子１１１は、汎用の電子部品であり、一定の電気抵抗値を得て、Ｑ値を下げる目的で使用される。本実施形態では、媒体側アンテナ１１０に抵抗素子１１１が直列で接続され、抵抗値が高いほどＱ値が低下するがこれに限定されない。例えば、媒体側アンテナ１１０に抵抗素子１１１が並列に接続されてもよく、この場合には抵抗値が低いほどＱ値が低下することになる。

ＩＣチップ１１２は、汎用の電子モジュールであり、その機能は特に限定されない。ＩＣチップ１１２は、例えば、カジノ用ゲーム媒体１００の個体情報（ＩＤ）、額面、所有者、流通履歴等の各種データを記憶可能な記憶部を有しても良い。即ち、ＩＣチップ１１２の記憶部（メモリ領域）には、カジノ用ゲーム媒体の価値データ等の各種データが外部のサーバとの間で送信可能に記憶されている。

このように、カジノ用ゲーム媒体１００は、媒体側アンテナ１１０と、媒体側アンテナ１１０に接続される抵抗素子１１１と、媒体情報を記憶し媒体側アンテナ１１０に発生する誘導起電力に基づき媒体情報を出力するＩＣチップ１１２と、を有している。

上記構成によれば、媒体側アンテナ１１０が規定の周波数帯域よりも共振周波数が高くなるように設計され、この媒体側アンテナ１１０には、通常設けない抵抗素子１１１が接続されている。これにより、媒体側アンテナ１１０に接続された抵抗素子１１１の抵抗値によって、媒体側アンテナ１１０の共振周波数に影響せずにＱ値を下げることができ、敢えてＱ値を下げて感度を鈍くすることで実際に運用するゲームテーブルにおいて隣接読みしない程度に調整することが可能となる。

また、媒体側アンテナ１１０は、規定の周波数帯域よりも共振周波数が高くなるように設計されている。これにより、媒体側アンテナ１１０を従来のような複雑な構成とせずともあらかじめ媒体側アンテナ１１０の共振周波数を規定の周波数帯域よりも上げておくことによって、積み重ねられた複数の媒体側アンテナ１１０の共振周波数が低下したとしてもカジノ用ゲーム媒体１００が動作可能な範囲に収まる可能性を向上させることができる。

また、図１に示すように、ＰＣＢ１１上において、抵抗素子１１１は、ＩＣチップ１１２から離間された位置に配置されている。また、抵抗素子１１１は、媒体側アンテナ１１０のコイルとなる螺旋パターンの領域外に配置されている。これにより、抵抗素子１１１を調整して隣接読みを防止する抵抗値を設定する際、すでに共振周波数等が設定され配置が確定している媒体側アンテナ１１０およびＩＣチップ１１２への影響を軽減できる。その結果、抵抗素子１１１の抵抗値の設定を最終段階で行えばよく、抵抗素子１１１の変更を伴う設計を容易にすることが可能となる。

次に、カジノ用ゲーム媒体１００が含む媒体情報を読み込むゲームテーブル２を有するゲームテーブルシステム１について説明する。

図２に示すように、ゲームテーブルシステム１は、ゲームの参加者がベットする際にゲームテーブル２に配置されたカジノ用ゲーム媒体１００のＩＣチップ１１２に記憶された媒体情報を読み込むことが可能に構成されている。ゲームテーブル２には、着脱可能なゲームボード（不図示）が設けられている。ゲームボード上には参加者がベットするカジノ用ゲーム媒体１００を配置するベット領域、ディーラーの手持ちのカジノ用ゲーム媒体１００を配置するディーラー領域、および、ゲームのコミッションを支払うためのコミッション領域等が設けられている（不図示）。そして、ゲームボードの下方には、これらの領域の夫々に配置されたカジノ用ゲーム媒体１００を読み取るためのリーダライタとしての５つのアンテナモジュール２２０（アンテナモジュール２２１・２２２・２２３・２２４・２２５）、アンテナ２２６、アンテナ２２７が、各領域に対応する位置に埋設されている。図示しないが、アンテナ２２０１～２２０５、アンテナ２２６、及び、アンテナ２２７は、カプラボードを介して制御部に接続されている。

例えば、５つのアンテナモジュール２２０は、夫々、各ベット領域２１１・２１２・２１３・２１４・２１５が有するベット対象領域２１００を読み込むための複数のアンテナを有したユニットに構成されている。アンテナモジュール２２１・２２２・２２３・２２４・２２５は、全て同じに構成されているが、これに限定されない。

具体的に、図３に示すように、アンテナモジュール２２０は、略直方体の形状を有する。アンテナモジュール２２１の筐体２３０は、本体部２３１と蓋体部２３２とからなる。本体部２３１の解放された上面に、蓋体部２３２を重ね合わせることによって、内部空間を有したアンテナモジュール２２０の筐体２３０が形成される。

本実施形態のアンテナモジュール２２０は、バカラに用いるためのものであり、筐体２３０の内部空間に、ベット対象（プレイヤー、バンカー、バンカーペア、タイ、および、プレイヤーペア）ごとに、各領域に配置されたカジノ用ゲーム媒体１００をそれぞれ読み取るためのアンテナ２２０１・２２０２・２２０３・２２０４・２２０５を有している。アンテナ２２０１・２２０２・２２０３・２２０４・２２０５は、それぞれアンテナモジュール２２０から供給される電力により規定の周波数帯域の発振信号を出力し、それによる電磁誘導によって配置されたカジノ用ゲーム媒体１００の媒体側アンテナ１１０に誘導起電力を生じさせる。そして、カジノ用ゲーム媒体１００は、その誘導起電力によりＩＣチップ１１２が駆動し、記憶する媒体情報を対応するアンテナへ送信する。

図４に示すように、バンカーペア、タイ、および、プレイヤーペアのベット領域を読み取るアンテナ２２０３・２２０４・２２０５が近接しており、例えば、アンテナ２２０３を駆動させた場合、発生する磁場Ｚは上方へ行くに従い広がりを有する。そのため、アンテナ２２０４に積層されたカジノ用ゲーム媒体１００の媒体側アンテナ１１０に影響し、ＩＣチップ１１２が駆動するだけの誘導起電力を生じる可能性がある。そこで本実施形態のカジノ用ゲーム媒体１００では、媒体側アンテナ１１０に抵抗素子１１１を接続してＱ値を低下させることにより、磁場Ｚに対する感度を下げている。

カジノ用ゲーム媒体１００に設ける抵抗素子１１１の抵抗値は、実際にカジノ用ゲーム媒体１００を用いるゲームテーブルシステム１にて試行されることで値が確定される。すなわち、カジノ用ゲーム媒体１００に設ける抵抗素子１１１を可変抵抗とし、図４に示すように、カジノ用ゲーム媒体１００を所定のアンテナ（例えば、アンテナ２２０４）に所望の積層枚数重ねる。この枚数は、少なくともアンテナモジュール２２０が、カジノ用ゲーム媒体１００を読み込み可能な枚数であることが好ましい。そして、カジノ用ゲーム媒体１００を配置したアンテナに隣接するアンテナ（例えば、アンテナ２２０３）を駆動して、抵抗素子１１１の抵抗値を変えて、積層したカジノ用ゲーム媒体１００のすべてが読み込まれない抵抗値を見つけ、製造時にはこの値の抵抗素子が適用されることになる。このように、カジノ用ゲーム媒体１００に設ける抵抗素子１１１を、抵抗値を変更可能な可変抵抗とすることで、ゲームテーブル等の読み取り側の設計に合わせて、隣接読みしない抵抗素子の抵抗値を探ることが容易となる。

本実施形態では、図５に示すように、ゲームテーブルシステム１は、ディーラーが確認するためのディーラーディスプレイ４を有し、ディーラーディスプレイ４には、各アンテナ２２０１・２２０２・２２０３・２２０４・２２０５が読み取ったカジノ用ゲーム媒体１００の媒体情報が表示されるようになっている。

具体的に、ディーラーディスプレイ４には、各アンテナ２２０１・２２０２・２２０３・２２０４・２２０５に対応する５つのベット表示領域４２１・４２２・４２３・４２４・４２５が表示される。具体的に、ベット表示領域４２０（ベット表示領域４２１・４２２・４２３・４２４・４２５）は、それぞれ、プレイヤーベット表示領域４２１１と、バンカーベット表示領域４２１２と、プレイヤーペアベット表示領域４２１３と、タイベット表示領域４２１４と、バンカーペアベット表示領域４２１５と、を有している。プレイヤーベット表示領域４２１１には、アンテナ２２０１に配置されているカジノ用ゲーム媒体１００の有価価値の合計値が表示される。バンカーベット表示領域４２１２には、アンテナ２２０２に配置されているカジノ用ゲーム媒体１００の有価価値の合計値が表示される。プレイヤーペアベット表示領域４２１３には、アンテナ２２０３に配置されているカジノ用ゲーム媒体１００の有価価値の合計値が表示される。タイベット表示領域４２１４には、アンテナ２２０４に配置されているカジノ用ゲーム媒体１００の有価価値の合計値が表示される。バンカーペアベット表示領域４２１５には、アンテナ２２０５に配置されているカジノ用ゲーム媒体１００の有価価値の合計値が表示される。

したがって、カジノ用ゲーム媒体１００の共振周波数や、抵抗値の試行段階において、アンテナ２２０４に所望のカジノ用ゲーム媒体１００の枚数を積層し、アンテナ２２０１・２２０２・２２０３・２２０４・２２０５をすべて駆動した状態で、カジノ用ゲーム媒体１００を配置したアンテナのみで、すべてのカジノ用ゲーム媒体１００が読み込める状態を試行することになる。

例えば、図５の例において、アンテナ２２０４のみに合計３００ペソのカジノ用ゲーム媒体１００を積層している場合、アンテナ２２０３によって、一部（１００ペソ分）のカジノ用ゲーム媒体１００が読み込まれていることになる。したがって、カジノ用ゲーム媒体１００のＱ値を低下させてアンテナ２２０３によって読み込まれないように抵抗素子の抵抗値を調整する必要がある。

また、図示しないが、アンテナ２２０４によってすべてのカジノ用ゲーム媒体１００が読み込まれない場合には、カジノ用ゲーム媒体１００が１枚の場合でも読み込める範囲で、コイルの巻き数等を調整してカジノ用ゲーム媒体１００の媒体側アンテナ１１１の共振周波数を上げる必要がある。

このように、抵抗素子１１１の抵抗値は、ゲームテーブル２においてアンテナ２２０４に積層された所定枚数のカジノ用ゲーム媒体１００の各ＩＣチップ１１２が、アンテナ２２０４に隣り合うアンテナ２２０３が出力する発振信号に基づく磁場によって駆動されない値に設定されている。

一般的に、従来のゲームテーブルは、カジノ用ゲーム媒体１００が隣接読みされない程度に、リーダライタを離して設計される必要があったが、上記構成によれば、実際にカジノ用ゲーム媒体１００を用いるゲームテーブル２において、隣接読みしない抵抗値に、後で調整することが可能となる。その結果、カジノ用ゲーム媒体１００がゲームテーブル２の設計を制限することなく、ゲームテーブル２の設計の自由度を拡大することが可能となる。

以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。

例えば、上述の実施形態では、本発明のカジノ用ゲーム媒体をカジノチップに適用して例示したがこれに限定されない。具体的に、カジノ用ゲーム媒体をプラークに適用した変形例について説明する。

図６に示すように、上述の実施形態と同様に、プラーク（カジノ用ゲーム媒体）１００Ａは、ＰＣＢ１１Ａと、ＰＣＢ１１Ａを内部に収容しカジノ用ゲーム媒体１００の外形をなす収容体１２Ａとを有している。ＰＣＢ１１Ａは、媒体側アンテナ１１０Ａと、抵抗素子１１１Ａと、ＩＣチップ１１２Ａと、を有している。ＰＣＢ１１Ａは、あらかじめ媒体側アンテナ１１０Ａの配線パターンが施されたＰＷＢに抵抗素子１１１ＡおよびＩＣチップ１１２Ａがはんだ付けされて形成される。媒体側アンテナ１１０Ａは、螺旋パターンに形成されており、その両端間に抵抗素子１１１Ａと、ＩＣチップ１１２Ａとが直列に接続されている。カジノ用ゲーム媒体１００Ａは、このようなＰＣＢ１１Ａの周囲に樹脂が塗布されるようインサート整形されることにより、長方形の平板状に形成される。

なお、媒体側アンテナ１１０Ａの螺旋パターンの巻き数は、上述したカジノチップよりもが多く設定される。一般的に、プラークは、厚みがカジノチップと同等に形成されるが、上記のように長方形の平板状に形成されるため、カジノチップよりもゲーム価値等が外面形態で示される面の面積が大きく設定される。したがって、カジノチップと比較した場合、媒体側アンテナ１１０Ａの無い領域が広くなってしまうため、例えば、螺旋パターンに形成された媒体側アンテナ１１０Ａの一部が、上述のアンテナモジュール２２０からの磁場の範囲から外れる可能性が高い。したがって、媒体側アンテナ１１０Ａは、媒体側アンテナ１１０Ａに影響する磁場が想定するより少ない場合に備え、螺旋パターンの巻き数が、カジノチップよりも多く設定されることが好ましい。

また、上述した詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明した。本発明は、上述した詳細な説明に記載する実施形態に限定されず、その他の実施形態にも適用することができ、その適用範囲は多様である。また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされなければならない。また、要約書の目的は、特許庁及び一般的公共機関や、特許、法律用語又は専門用語に精通していない本技術分野に属する技術者等が本出願の技術的な内容及びその本質を簡易な調査で速やかに判定し得るようにするものである。従って、要約書は、請求の範囲の記載により評価されるべき発明の範囲を限定することを意図示したものではない。また、本発明の目的及び本発明の特有の効果を十分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌して解釈されることが望まれる。

１ ゲームテーブルシステム
２ ゲームテーブル
４ ディーラーディスプレイ
１１ ＰＣＢ
１２ 収容体
１００ カジノ用ゲーム媒体
１１０ 媒体側アンテナ
１１１ 抵抗素子
１１２ ＩＣチップ

Claims (8)

1. カジノ用ゲーム媒体が配置される複数の配置領域と、規定の周波数帯域に含まれる周波数の発振信号を出力し、複数の前記配置領域に対応する複数のリーダライタと、が設けられたゲームテーブルで用いられるカジノ用ゲーム媒体であって、
   媒体側アンテナと、
   前記媒体側アンテナに接続される抵抗素子と、
   媒体情報を記憶し、前記媒体側アンテナに発生する誘導起電力に基づき前記媒体情報を出力するＩＣチップと、
   を有し、
   １の前記配置領域に積層された前記カジノ用ゲーム媒体の前記ＩＣチップが１の前記配置領域と隣接する前記配置領域に対応する前記リーダライタが出力する発振信号に基づく磁場によって駆動されないように前記抵抗素子の抵抗値が設定されることを特徴とするカジノ用ゲーム媒体。
2. 前記抵抗素子の抵抗値が設定されることで、前記カジノ用ゲーム媒体の積層によって低下する前記媒体側アンテナの共振周波数に影響せずにＱ値を下げ、これにより前記媒体側アンテナの感度が鈍くされたことを特徴とする請求項１に記載のカジノ用ゲーム媒体。
3. 前記媒体側アンテナは、前記規定の周波数帯域よりも共振周波数が高くなるように設計されていることを特徴とする請求項１に記載のカジノ用ゲーム媒体。
4. 前記媒体側アンテナ、前記抵抗素子、および、前記ＩＣチップは、ＰＣＢ（Printed Circuit Board）に設けられ、
   前記抵抗素子は、前記ＰＣＢにおいて、前記ＩＣチップから離間され、前記媒体側アンテナのコイルとなる螺旋パターンの領域外に配置されていることを特徴とする請求項１に記載のカジノ用ゲーム媒体。
5. 前記抵抗素子は、抵抗値が可変であることを特徴とする請求項１に記載のカジノ用ゲーム媒体。
6. カジノ用ゲーム媒体が含む媒体情報を読み込むゲームテーブルを有するゲームテーブルシステムであって、
   前記カジノ用ゲーム媒体は、
   媒体側アンテナと、
   前記媒体側アンテナに接続される抵抗素子と、
   媒体情報を記憶し、前記媒体側アンテナに発生する誘導起電力に基づき前記媒体情報を出力するＩＣチップと、
   を有し、
   前記ゲームテーブルは、前記カジノ用ゲーム媒体が配置される複数の配置領域のそれぞれ下方に、規定の周波数帯域に含まれる周波数の発振信号を出力するリーダライタが設けられており、
   前記カジノ用ゲーム媒体は、１の前記配置領域に積層された前記カジノ用ゲーム媒体の前記ＩＣチップが１の前記配置領域と隣接する前記配置領域に対応する前記リーダライタが出力する発振信号に基づく磁場によって駆動されないように前記抵抗素子の抵抗値が設定されることを特徴とするゲームテーブルシステム。
7. 前記カジノ用ゲーム媒体は、前記抵抗素子の抵抗値が設定されることで、前記カジノ用ゲーム媒体の積層によって低下する前記媒体側アンテナの共振周波数に影響せずにＱ値を下げ、これにより前記媒体側アンテナの感度が鈍くされたことを特徴とする請求項６に記載のゲームテーブルシステム。
8. 前記媒体側アンテナは、前記規定の周波数帯域よりも共振周波数が高くなるように設計されていることを特徴とする請求項６に記載のゲームテーブルシステム。

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