JP2009098840A - 非接触読み取りidカードおよび非接触読み取りidカード読み取り装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】多数のRFIDカードが重なっている状態でも個々のカードの個別読み取りおよび位置の確認が可能な非接触読み取りIDカードおよび読み取り装置を提供すること。
【解決手段】非接触読み取りIDカードは、RFIDタグ用回路と、カードの側面方向から外部と誘導結合するために、カードの側面に隣接して設けられ、カードの表面と並行な中心軸を有するコイルを備えている。コイルの両側あるいは内部に側面まで達する磁性体板を備えていてもよい。読み取り装置のアンテナと1対1に誘導結合してIDを読み取る構成であるので、IDカードを多数重ねて読み取り装置にセットした場合でも、各IDカードのIDを高速かつ高精度に読み取り可能であり、読み取ったIDと対応するカード位置を判別、表示可能である。
【選択図】図1
【解決手段】非接触読み取りIDカードは、RFIDタグ用回路と、カードの側面方向から外部と誘導結合するために、カードの側面に隣接して設けられ、カードの表面と並行な中心軸を有するコイルを備えている。コイルの両側あるいは内部に側面まで達する磁性体板を備えていてもよい。読み取り装置のアンテナと1対1に誘導結合してIDを読み取る構成であるので、IDカードを多数重ねて読み取り装置にセットした場合でも、各IDカードのIDを高速かつ高精度に読み取り可能であり、読み取ったIDと対応するカード位置を判別、表示可能である。
【選択図】図1
Description
本発明は、非接触読み取りIDカードおよび非接触読み取りIDカード読み取り装置に関するものであり、特に、多数のカードが重なっている状態でも個々のカードの個別読み取りおよび位置の確認が可能な非接触読み取りIDカードおよび非接触読み取りIDカード読み取り装置に関するものである。
従来、例えば国際規格に準拠し、13.56MHzの高周波を使用して固有のID情報を非接触で読み出し可能なRFID(IC)タグおよびタグ用のICチップが市販されている。このRFIDタグの使用方法は、読み取り装置に1つのRFIDタグをかざして1対1で読み取るか、あるいは読み取り空間内の多数のRFIDタグを1台の読み取り装置で一括して読み取るものであった。
また、従来のRFIDタグは、貼り付ける被対象物が金属や磁性体の場合には被対象物の影響を受け、コイルを用いて構成したアンテナの共振周波数が移動し、読み取れなくなるという問題があった。この問題点を解決するために、下記の特許文献1には、金属面4に垂直の断面積成分を有するコイル2を備えた磁界アンテナが金属面上に配置され、コイルは金属面との間に絶縁物3を介して密着固定されるとともに、磁界アンテナを使用周波数に共振させるためにコイルに並列にコンデンサが装荷されているRFIDタグが開示されている。
特開2005−192124号公報
従来、遊技店などにおいては、景品を収納したカード状の景品ケースを使用しており、この景品を収納した景品ケースの真偽および枚数を確認する必要があった。そこで、この景品ケースにRFIDタグを内蔵させ、読み取り装置によってIDを読み取るシステムが提案されている。また、RFIDタグを内蔵させたカード状のキーホルダを鍵に付けて管理する場合には、キーホルダが所定の位置に挿入されているか否かは目視によりチェックする必要があった。また、カルテ等のファイルを所定の収納位置に保管するシステムの場合に、誤って異なる位置に収納してしまった場合には目視により探す必要があった。
例えば、上記した従来のRFIDタグを内蔵した景品ケース(RFIDカード)を従来の読み取り装置で一括して読み取った場合には、応答のあったタグのID情報は判明するが、特定の位置のカードから応答が有ったか否か、あるいは特定の位置のカードから読み取ったID情報は何であるかは不明である。従って、不正なカードが混入していないことをチェックするためには、担当者がカードの枚数を目視にて数え、読み取れたIDの数と照合する必要があった。
また、不正なカードが混入している場合には、どれが読み取れなかったカードであるのかが不明であるので、1枚づつ読み取り装置でチェックする必要があり、非常に手間がかかるという問題点があった。また、RFIDタグの回路が何らかの理由で故障していた場合に、不正なカードとの識別が出来ないという問題点もあった。
本発明は、上記した従来の問題点を解決し、多数のRFIDカードが重なっている状態でも個々のカードの個別読み取りおよび位置の確認が可能な非接触読み取りIDカードおよび非接触読み取りIDカード読み取り装置を提供することを目的とする。
本発明の非接触読み取りIDカードは、RFIDタグ用回路と、前記RFIDタグ用回路に接続され、カードの側面方向から外部と誘導結合する誘導結合手段とを備えたことを主要な特徴とする。また、前記した非接触読み取りIDカードにおいて、前記誘導結合手段は、前記カードの側面に隣接して設けられた、前記カードの表面と並行な中心軸を有するコイルを備えている点にも特徴がある。
また、前記した非接触読み取りIDカードにおいて、前記誘導結合手段は、更に前記コイルの両側に配置され、前記カードの側面近傍に達する磁性体板を備えている点にも特徴がある。また、前記した非接触読み取りIDカードにおいて、前記誘導結合手段は、前記コイルの内部を貫通して配置され、かつ少なくとも一端が前記カードの側面近傍に達する磁性体板を備えている点にも特徴がある。
また、前記した非接触読み取りIDカードにおいて、前記磁性体板は前記カードの表面と並行な面あるいは垂直な面のいずれか一方の面における形状がコ字状あるいはE字状である点にも特徴がある。また、前記した非接触読み取りIDカードにおいて、前記誘導結合手段は、前記カードの表面と垂直な中心軸を有するコイルと、前記コイルの両側に配置され前記カードの側面近傍に達する磁性体板とを備えている点にも特徴がある。また、前記した非接触読み取りIDカードにおいて、前記カードの前記誘導結合手段の両側に金属膜を設けた点にも特徴がある。また、前記した非接触読み取りIDカードにおいて、前記RFIDタグ用回路および前記誘導結合手段の組み合わせを複数個備えた点にも特徴がある。
本発明の非接触読み取りIDカード読み取り装置は、非接触読み取りIDカードからアンテナコイルを介してID情報を読み取る受信回路を備えた非接触読み取りIDカード読み取り装置において、前記非接触読み取りIDカードは、RFIDタグ用回路と、前記RFIDタグ用回路に接続され、カードの側面方向から外部と誘導結合する誘導結合手段とを備えており、前記非接触読み取りIDカード読み取り装置は複数の前記カードを重ねて搭載するカード搭載部を備え、かつにカード搭載部の底面あるいは側面の少なくとも一方に配列され、前記カードと1対1に対応して誘導結合する複数のアンテナコイルを備えたことを主要な特徴とする。
また、前記した非接触読み取りIDカード読み取り装置において、前記アンテナコイルと接続された2次コイルを備えた複数のアンテナアダプタと、前記2次コイルと誘導結合した3次コイルとを備え、前記受信回路は3次コイルを介して前記カードのID情報を読み取る点にも特徴がある。また、前記した非接触読み取りIDカード読み取り装置において、前記アンテナアダプタは、中心軸が前記カードの表面と並行なアンテナコイルと、アンテナコイルと接続され、中心軸が前記アンテナコイルの中心軸と直角な2次コイルを備えている点にも特徴がある。
本発明の非接触読み取りIDカードおよび非接触読み取りIDカード読み取り装置は上記のような特徴によって、以下のような効果がある。
(1)本発明のRFIDカードはカードの側面方向に磁束(磁力線)が生じ、読み取り装置のアンテナと1対1に誘導結合(磁気結合)してIDを読み取る構成であるので、IDカードを多数重ねて読み取り装置にセットした場合でも、各IDカードのIDを高速かつ高精度に読み取り可能である。
(1)本発明のRFIDカードはカードの側面方向に磁束(磁力線)が生じ、読み取り装置のアンテナと1対1に誘導結合(磁気結合)してIDを読み取る構成であるので、IDカードを多数重ねて読み取り装置にセットした場合でも、各IDカードのIDを高速かつ高精度に読み取り可能である。
(2)読み取ったIDと対応するカード位置を判別、表示可能であるので、IDカードを多数重ねて読み取り装置にセットした場合でも、不正あるいは故障した異常なカードを短時間で判別できる。
(3)2個以上のIDタグ回路を内蔵することにより、一部のIDしか読み取れないことでIDタグ回路の故障を検出することが可能であるので、不正なカードか故障したカードかを判別することができる。
(4)複数のID情報を保持させ、読み取り装置への接近の仕方によって異なるIDを読み取らせることができるので、1枚のカードに複数の機能を持たせることができる。
(3)2個以上のIDタグ回路を内蔵することにより、一部のIDしか読み取れないことでIDタグ回路の故障を検出することが可能であるので、不正なカードか故障したカードかを判別することができる。
(4)複数のID情報を保持させ、読み取り装置への接近の仕方によって異なるIDを読み取らせることができるので、1枚のカードに複数の機能を持たせることができる。
以下、図面を参照して実施例について説明する。なお、本願におけるカードとは、銀行やクレジット会社が発行している磁気カードの形状の他、CD、DVDなど任意の商品のケース、書類を収納するファイル、印刷配線基板、LSI、メダル、キーホルダなど、一定の厚みを持つ任意の大きさの板状の物品全てを含む。
図1は、本発明の非接触読み取りIDカードの構成を示す一部切り欠き平面図および断面図である。平面図においては、カード10の表面側の部材を除去し、コイル12および芯13を露出させた状態を示している。また、右側のA−A部分の断面図および下部の横断面図においては、カード10の厚さ方向を拡大して描いている(以下同様)。
本発明の非接触読み取りIDカード10は、絶縁性プラスティック等の材料により形成され、RFIDタグ用回路を構成する公知のRFIDタグ用ICチップ11、およびプラスティックなどの絶縁性部材によって形成された芯13に巻かれ、ICチップ11と接続されたコイル12を備えている。なお、芯13はコイル12の形状を保持するためのものであり、芯13を省いて中空のコイルを用いてもよい。
コイル12はカードの厚さ方向および長辺方向の中間位置に配置され、カード10の表面と並行な中心軸を備えている。コイル12はカードの側面方向から外部と誘導結合する誘導結合手段となる。ICチップ11としては、任意の周波数帯および信号方式を使用した公知の任意のRFIDタグ用ICチップを採用可能である。ICチップ11は固有ID読み出し機能の他、情報の書き込み、記憶機能を有していてもよい。
図2は、本発明の非接触読み取りIDカード読み取り装置の構成を示すブロック図である。読み取り装置20は、カード10を水平に重ねた状態で搭載するカード搭載部となる凹部27を備え、凹部27の奥にはカード10の厚さと同じ間隔で複数のアンテナ21およびカードセンサ26が上下に並べて配置されている。
カードセンサ26は例えば赤外線LEDとフォトトランジスタを組み合わせ、カードの側面からの反射光の有無を検出することによってカードの有無を検出するセンサである。各アンテナ21はそれぞれカード10と同様の構造のアンテナコイル(および磁性体板)を備えており、各アンテナコイルはそれぞれ受信回路22に接続されている。
受信回路22は信号送信回路、信号受信回路、制御用CPU等を備え、外部からの指示に基づき、採用したRFIDタグ用ICチップの規格に準拠した信号を送信してRFIDタグ用ICチップに電力を供給すると共に指令を伝達し、RFIDタグからの応答ID信号を受信し、読み取ったID情報を出力する。なお、このような受信回路ユニットは市販されている。アンテナ21は1枚のカード10とのみ誘導結合しているだけであるのでカードからの応答の衝突が無く、受信回路22のID読み取り動作は短時間で終了する。
各アンテナ21はそれぞれカード10と同様の構造のアンテナコイルを備えており、カード10を水平に重ねた状態で凹部に挿入すると、カード10のコイル12と対向するアンテナ21のアンテナコイルがそれぞれ密に誘導結合し、上下の異なる位置のカード10のコイル12とはわずかしか結合しない。従って、アンテナ21は上下のカード10や他のアンテナ21の影響をほとんど受けずに対向するカード10とのみ通信し、IDの読み出しができる。
なお、タグICはアンテナ21から送信された信号電力を電源として動作するので、アンテナ21からの送信電力は対向するカード10のみが動作し、漏れた磁界で上下のカード10が動作しないような電力に調整する。
CPU23はCPU、プログラムを格納したROM、RAM、I/Oポート等を備えた公知の1チップコンピュータであり、図示しない読み取り開始スイッチの押下を検出して、各カードセンサ26の出力を読み取り、カード10が存在する位置の各受信回路22に読み取り開始の指示を行い、受信回路22から出力されたID情報あるいはIDが検出出来なかったことを受信回路の位置と対応する番号情報と共にRS232CあるいはUSBなどの周知の規格のインターフェイス回路を介してPC24に出力する。なお、受信回路を奇数番目と偶数番目に分け、奇数番目あるいは偶数番目のみを順に動作させることにより、読み取り時に隣接するカード10やアンテナ21からの悪影響を更に低減することができる。
PC24はCPU、RAM、ROM、OSやアプリケーションプログラムを格納しているハードディスク装置、インターフェイス回路等を備えた周知のコンピュータ装置である。PC24はカード読み取り装置20から送信されてきた情報に基づき、受信されたIDについて、予め登録されているIDと照合して正当なIDであるか否かをチェックし、周知の表示装置25に正常なカードの位置、不正あるいは故障しているカードの位置等を色分けして図示し、正常なカードの枚数も表示する。
以上のような構成および動作により、多数のカードを重ねて凹部に挿入するだけで、IDを高速かつ高精度で読み取ることができ、正常なカードの枚数と共に異常なカードの位置を表示することができる。なお、異常なカードの位置は、凹部27の個々のカード位置と対応して配置されたLEDを点灯させることによって表示してもよい。
図3は、本発明の非接触読み取りIDカードの他の構成を示す一部切り欠き平面図および断面図である。図3(a)の実施例は、カードの厚さ方向における芯13の両側に芯13全体を覆うようにフェライト等の磁性体の板からなる直方体の磁性体板14を配置した例である。磁性体板14の1つの辺もカード10の長辺側面近傍に達している。即ち、端部が側面に露出しているか、あるいは側面のごく近傍まで存在している。磁性体板14は、アンテナコイル12によって発生される磁束(磁力線)がカード10の側面方向にのみ生じ、カード10の表面および裏面方向には漏れないように磁気遮蔽する効果がある。
図3(b)の実施例は、図3(a)の実施例において、更に芯13をフェライト等の磁性体の板からなる磁性体芯30としたものである。磁性体芯30の一方の端部はカード10の長辺側面近傍に達している。コイル12はカードの側面方向から外部と誘導結合する誘導結合手段となる。
なお、磁性体芯30および両側の磁性体板14を図1のカードの上側の側面近傍まで達するように延長し、両端部がカード10の長辺側面近傍に達するようにすれば、上側面からも読み取り可能となる。従って、カード10を180度回転させて読み取り装置に挿入しても読み取りが可能となる。
図3(c)の実施例は、図3(b)の実施例において、更に磁性体板14の外側にカード10の表面全体を覆うように良導体であるアルミニュウム等の金属からなる金属膜15を設けた例である。金属膜15はアンテナコイル12により生じる電磁波を遮蔽する効果がある。
図6は、図3(c)に示す本発明の非接触読み取りIDカードとIDカード読み取り装置のアンテナの結合状態を示す説明図である。アンテナ21はカード10と同様の構造のアンテナコイル12を備えており、カード10を凹部27に挿入すると、カード10の磁性体芯30および両側の磁性体板14とアンテナ21の磁性体芯30および両側の磁性体板14がそれぞれ誘導結合し、ほぼ閉じた磁気回路が形成される。
従って、磁束(磁力線)60は、カード10あるいはアンテナ21の表面側あるいは裏面側にはほとんど漏れず、カード10およびアンテナ21の内部にのみ生じる。よって、アンテナ21は隣接するカード10やアンテナ21の影響をほとんど受けずに対向するカード10とのみ誘導結合される。
図4は、本発明の非接触読み取りIDカードの更に他の構成を示す一部切り欠き平面図および断面図である。図4(a)の実施例は、図3(c)の磁性体芯30をコ字状に変更したものであり、図4(b)の実施例は磁性体芯31をE字状に変更したものである。これらの実施例は、カード10の表面と並行な中心軸を備えたコイル12と、コイル12の内部を貫通して配置され、かつ両端がカード10の側面近傍に達する磁性体芯30、31を備えており、磁性体芯30、31のカードの表面と並行な面の形状がコ字状あるいはE字状となっている。
上記実施例は、対向する読み取り装置のアンテナ21も同じ構成とすることにより、磁性体芯30、31のみで閉じた磁気回路を形成することができる。従って、両側の磁性体板14を省略することが可能である。
図5は、本発明の非接触読み取りIDカードの更に他の構成を示す一部切り欠き平面図および断面図である。図5(a)の実施例は、図4(a)の磁性体芯を断面がコ字状の磁性体芯35に変更したものであり、図5(b)の実施例は磁性体芯の断面がE字状である磁性体芯36に変更したものである。これらの実施例は、カード10の表面と並行な中心軸を備えたコイル12と、コイル12の内部を貫通して配置され、かつ両端がカード10の側面近傍に達する磁性体芯35、36を備えており、磁性体芯35、36のカードの表面と垂直な面の形状がコ字状あるいはE字状となっている。
上記実施例は、対向する読み取り装置のアンテナ21も同じ構成とすることにより、やはり磁性体芯35、36のみで閉じた磁気回路を形成することができる。従って、片側あるいは両側の磁性体板14を省略することが可能である。
図5(c)の実施例は、カードの表面と垂直な中心軸を有するコイル37と、コイル37の両側に配置されカードの側面近傍に達する磁性体板14とを備えている。このようなコイル37はフレキシブル印刷配線基板等を使用して容易に製造可能である。コイル37の内部の空間に両側の磁性体板14に接するように磁性体を配置してもよい。
なお、カードが円形のコイン状である場合には、磁性体板14およびコイル37を円形にして、磁性体板14の大きさをコインと同じ直径とすることにより、コイン状カードが任意の方向を向いていても側面から読み取り可能となる。
図6は、本発明の非接触読み取りIDカードのIDタグの配置構成を示す平面図である。図6(a)は図1と同様にカード10の1つの側面の中央にRFIDタグ回路40を配置した例である。この例ではRFIDタグ回路40が図5の下方にくるように垂直軸を中心としてカード10を裏返してもRFIDタグ回路40の位置は変わらないので読み取り装置で読み取れる。しかし、カードを180度回転させたり、水平軸を中心として裏返すと、RFIDタグ回路40の位置が変わってしまうので読み取り装置で読み取れなくなる。
図6(b)は、カード10の1つの側面の中央から等距離の位置に2つのRFIDタグ回路40を配置した例である。この場合には読み取り装置のアンテナも2つのRFIDタグ回路40と対応する位置に2つ設け、それぞれのタグ40からIDを読み取るようにする。
1つのカードに2つのRFIDタグ回路40を実装すると、2つのRFIDタグ回路40が同時に故障する確率は非常に低いので、何らかの理由で1つのRFIDタグ回路40が故障しても、もう一方のIDを読み出すことにより、カード10が不正なものであるのか、あるいは故障しているのかを判別することができる。また、図2のカードセンサ26を省略することも可能である。
図6(c)は、カード10の長辺あるいは短辺の対向する2つの側面の中央にRFIDタグ回路40をそれぞれ配置した例である。この例では、読み取り装置の凹部27の両側面にアンテナ21が配置される。凹部27の幅によってカード10の挿入時の長辺、短辺の向きが規制されるので、カードが任意の方向に回転していても凹部27の幅に合わせてカード10を挿入すれば、2つのIDを読み取ることが可能である。また、図6(c)に示したカードを図2の読み取り装置20に挿入することにより、カードの挿入方向によって異なるIDを読み取らせることも可能である。
図6(d)は、カード10の長辺および短辺の4つの側面の中央にRFIDタグ回路40をそれぞれ配置し、更にカードの中央に既存のRFIDタグ回路41を配置した例である。既存のRFIDタグ回路41は例えば図5(c)に示すようなコイルを備えていてもよい。更に中央部の厚さ方向の中間に磁性体板42を配置することにより、既存のRFIDタグ回路41を磁性体板42を挟んで表裏に1つずつ配置することも可能である。
図8は、本発明の非接触読み取りIDカード読み取り装置の第2実施例の構成を示すブロック図である。カードセンサは省略してある。図2の実施例においては、アンテナ21と同数の受信回路22を設ける構成を開示したが、これでは回路規模が大きくなり、装置が小型化できない。そこで図8に示す実施例においては、CPU26によって制御されるスイッチ26を設け、複数のアンテナをスイッチ26によって切り替えて受信回路22に接続する。スイッチ26としては、ダイオードやFETを使用した電子スイッチ回路やリードリレーを使用可能である。このようにすれば、読み出しに時間はかかるが、多数のカードを少数の受信回路で読み取ることができる。
図9は、本発明の非接触読み取りIDカード読み取り装置の第3実施例の構成を示すブロック図である。また、図10は、第3実施例において使用するアンテナアダプタの構成を示す平面図である。第3実施例においては、各カードと対応して配置されたアンテナアダプタ50を使用する。
図10(a)に示すアンテナアダプタ50は、カード10と誘導結合するための中心軸が前記カードの表面と並行なコイル52(コイルおよび磁性体の構成は使用するカードの構成と同一とする)、受信回路22のアンテナ51と誘導結合するための中心軸が前記アンテナコイルの中心軸と直角な2次コイル54、同調用のコンデンサ55、CPU23によって制御され、開放することによって受信回路と接続されている3次コイルとの誘導結合を解除するスイッチ56を備えている。コイル52、2次コイル54、コンデンサ55、スイッチ56は全て直列にループ状に接続され、共振回路を形成している。
受信回路22のアンテナ51はアンテナアダプタ50の2次コイル54と同一構成の3次コイルを備え、全てのアンテナアダプタ50の2次コイル54と誘導結合している。CPU23は読み出したい位置のアンテナアダプタ50のスイッチ56をオンにして受信回路22によってIDを読み出す。スイッチ56はコイル52を短絡する位置に挿入してもよい。アンテナアダプタ50を使用することにより、共通して使用される受信回路22は1つのアンテナ51とのみ接続すればよくなり、アンテナ51とのマッチングが取りやすくなると共に構成も単純になる。
図10(b)に示すアンテナアダプタ50は、カード10と誘導結合するためのコイル52受信回路22のアンテナ51と誘導結合するための2次コイル54のみを備えた例である。コイル52と2次コイル54はループ状に接続されているが、共振回路は形成していない。この実施例では各カード10のIDを個別に読み出すことはできず、一括して読み出すことになるが、アンテナアダプタ50の構成は単純になる。
図10(c)、(d)に示すアンテナアダプタは、複数のアンテナアダプタ70、71、72の2次コイル54を平面上の異なる位置に配置し、異なる位置と対応して配置された受信回路75において1つあるいは一部の複数のアンテナアダプタと対応するカードのIDのみを読み出すようにしたものである。
この実施例においては、3種類の形状の異なるアンテナアダプタ70、71、72を用いて2次コイル54を平面上の3ヶ所の異なる位置に配置している。(d)に示すように、3種類の形状の異なるアンテナアダプタ70、71、72を複数組重ねて配置した場合、例えばアンテナアダプタ70の上下にはアダプタ2枚分の厚さのスペースが出来るので、このスペースに3次コイルとなるアンテナコイルを内蔵した受信回路75を配置することができ、アンテナアダプタ70、71、72と受信回路75を1対1で誘導結合させることができる。
2次コイルの配置位置数は3に限らず、2以上の任意の数が可能である。また、他の2次コイルや3次コイルとの不要な結合を抑止するために、アンテナアダプタ70、71、72および/または受信回路75の一方の表面に磁性体板を配置してもよい。
本発明の実施例としては遊技店において使用する景品ケースに適用する例を開示したが、本発明の非接触読み取りIDカードおよび非接触読み取りIDカード読み取り装置は、CD、DVDなど任意の商品のケース、書類を収納するファイル、印刷配線基板、LSI、メダル、キーホルダなど、一定の厚みを持つ任意の大きさの板状の物品全てに適用可能である。
10…非接触読み取りIDカード
11…RFIDタグ用ICチップ
12…コイル
13…磁性体芯
11…RFIDタグ用ICチップ
12…コイル
13…磁性体芯
Claims (11)
- RFIDタグ用回路と、
前記RFIDタグ用回路に接続され、カードの側面方向から外部と誘導結合する誘導結合手段と
を備えたことを特徴とする非接触読み取りIDカード。 - 前記誘導結合手段は、前記カードの側面に隣接して設けられた、前記カードの表面と並行な中心軸を有するコイルを備えていることを特徴とする請求項1に記載された非接触読み取りIDカード。
- 前記誘導結合手段は、更に前記コイルの両側に配置され、前記カードの側面近傍に達する磁性体板を備えていることを特徴とする請求項2に記載された非接触読み取りIDカード。
- 前記誘導結合手段は、前記コイルの内部を貫通して配置され、かつ少なくとも一端が前記カードの側面近傍に達する磁性体板を備えていることを特徴とする請求項2に記載された非接触読み取りIDカード。
- 前記磁性体板は前記カードの表面と並行な面あるいは垂直な面のいずれか一方の面における形状がコ字状あるいはE字状であることを特徴とする請求項4に記載された非接触読み取りIDカード。
- 前記誘導結合手段は、前記カードの表面と垂直な中心軸を有するコイルと、前記コイルの両側に配置され前記カードの側面近傍に達する磁性体板とを備えていることを特徴とする請求項1に記載された非接触読み取りIDカード。
- 前記カードの前記誘導結合手段の両側に金属膜を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載された非接触読み取りIDカード。
- 前記RFIDタグ用回路および前記誘導結合手段の組み合わせを複数個備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載された非接触読み取りIDカード。
- 非接触読み取りIDカードからアンテナコイルを介してID情報を読み取る受信回路を備えた非接触読み取りIDカード読み取り装置において、
前記非接触読み取りIDカードは、RFIDタグ用回路と、前記RFIDタグ用回路に接続され、カードの側面方向から外部と誘導結合する誘導結合手段とを備えており、
前記非接触読み取りIDカード読み取り装置は複数の前記カードを重ねて搭載するカード搭載部を備え、かつにカード搭載部の底面あるいは側面の少なくとも一方に配列され、前記カードと1対1に対応して誘導結合する複数のアンテナコイルを備えたことを特徴とする非接触読み取りIDカード読み取り装置。 - 前記アンテナコイルと接続された2次コイルを備えた複数のアンテナアダプタと、前記2次コイルと誘導結合した3次コイルとを備え、前記受信回路は3次コイルを介して前記カードのID情報を読み取ることを特徴とする請求項9に記載された非接触読み取りIDカード読み取り装置。
- 前記アンテナアダプタは、中心軸が前記カードの表面と並行なアンテナコイルと、アンテナコイルと接続され、中心軸が前記アンテナコイルの中心軸と直角な2次コイルを備えていることを特徴とする請求項10に記載された非接触読み取りIDカード読み取り装置。
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ID=40701797
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007268825A Pending JP2009098840A (ja) | 2007-10-16 | 2007-10-16 | 非接触読み取りidカードおよび非接触読み取りidカード読み取り装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009098840A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
RU2750280C2 (ru) * | 2016-12-07 | 2021-06-25 | Порта Сабер Лда | Активирование RFID-транспондера световым излучением |
-
2007
- 2007-10-16 JP JP2007268825A patent/JP2009098840A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
RU2750280C2 (ru) * | 2016-12-07 | 2021-06-25 | Порта Сабер Лда | Активирование RFID-транспондера световым излучением |
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