JP7456239B2 - インダクタ - Google Patents

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Description

本発明は、磁性粉と樹脂を含む素体内にコイルが埋設されたインダクタに関する。
磁性粉と樹脂を含む素体内にコイルが埋設されたインダクタが知られている。その中には、導線が巻軸となる磁性粉を含む柱状部材の周囲に巻回されてコイルの巻回部が形成され、その巻回部が磁性粉と樹脂を含む外装部材で覆われたものが提案されている(引用文献1参照)。
特開2017-108059号公報
しかしながら、特許文献1に記載のようなインダクタを小型化しようとする場合、コイルの巻軸となる磁性粉と樹脂を含む柱状部材の外形を小さくするか、細い導線を用いて巻回部の径方向の寸法を小さくするか、外装部材の厚みを薄くする必要がある。その場合、柱状部材の外形を小さくすると、透磁率μが低くなり、直流重畳定格電流Isatも低くなる問題が生じる。細い導線を用いると、導線の断面積が減少して、コイルの直流抵抗Rdcが大きくなる問題が生じる。
仮に、外装部材の厚みをかなり薄くすることができれば、コイルの巻軸が小さくなることや、導線の断面積が小さくなることを、ある程度抑制することができる。しかし、その場合には、外装部材の特に巻回部の外周を覆う領域において、厚みが非常に薄くなって、外装部材の巻回部の外周を覆う領域の樹脂量が多くなって、磁性粉の密度が低下して、透磁率μが低下する問題が生じる。
本発明の1つの態様は、磁性粉と樹脂を含有する素体内にコイルが埋設されたインダクタであって、小型でありながら、透磁率が低下しないインダクタを提供することを目的とする。
本発明の1つの態様に係るインダクタは、
素体と、前記素体の外面に配置された一対の外部電極とを備え、
素体は、
磁性粉及び樹脂から形成され、ベース部及びベース部の上面に形成された柱状部を有する磁性部と、
柱状部の周囲に巻回された導線から構成され、下面がベース部の上面に面する巻回部、及び巻回部の両端部から引き出された導線から構成され、それぞれ外部電極に接続される一対の引き出し部を有するコイルと、
磁性粉及び樹脂から形成され、少なくとも巻回部の外周面及び上面を覆う磁性外装部と、
を備え、
柱状部の上面積がベース部の底面積の80%以上であり、
磁性外装部を形成する磁性粉は、第1の磁性粉と、第1の磁性粉の平均粒径よりも小さい平均粒径、及び第1の磁性粉の硬度よりも低い硬度を有する第2の磁性粉とを有する。
上記の態様によれば、磁性粉と樹脂を含有する素体内にコイルが埋設されたインダクタであって、小型でありながら、透磁率が低下しないインダクタを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係るインダクタを模式的に示す斜視図である。 図1に示すインダクタを上方から見た平面図である。 図1の断面を模式的に示す平面断面図である。 図2における断面A-Aを模式的に示す側面断面図である。 一般的な磁性粉の体積基準の累積分布を説明するためのグラフである。 一般的な磁性粉の平均値±標準偏差の範囲を説明するためのグラフである。 磁性外装部における磁性粉の充填の状態を模式的に示す図であって、粒度分布の標準偏差が大きい従来の場合を示す図である。 磁性外装部における磁性粉の充填の状態を模式的に示す図であって、粒度分布の標準偏差が小さい本実施形態の場合を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るインダクタを模式的に示す斜視図である。 図7に示すインダクタを上方から見た平面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための実施形態を説明する。なお、以下に説明するインダクタは、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本発明を以下のものに限定しない。各図面中、同一の機能を有する部材には、同一符号を付している場合がある。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態や実施例に分けて示す場合があるが、異なる実施形態や実施例で示した構成の部分的な置換または組み合わせは可能である。後述の実施形態や実施例では、前述と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態や実施例ごとには逐次言及しないものとする。各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張して示している場合もある。
(第1の実施形態に係るインダクタ)
はじめに、図1から図4を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係るインダクタの説明を行う。図1は、本発明の第1の実施形態に係るインダクタを模式的に示す斜視図である。図2は、図1に示すインダクタを上方から見た平面図である。図3は、図1の断面を模式的に示す平面断面図である。図4は、図2における断面A-Aを模式的に示す側面断面図である。
図1では、実際には外部電極で隠れて外から見えない、外部電極と接続されるコイル20の引き出し部24Aの一部を点線で示している。図2では、素体に埋設されたコイル20を点線で示している。図1~4、7、8では、インダクタ2が、実装面を下にして水平面上に置かれた場合を示している。下記では、図示されたその状態に合わせて、上下を記載している。
本実施形態に係るインダクタ2は、素体4と、素体4の外面に配置された一対の外部電極6A、6Bとを備える。
素体4は、(1)磁性粉及び樹脂から形成され、ベース部12及びベース部の上側に形成された柱状部14を有する磁性部10、
(2)柱状部14の周囲に巻回された導線Pから構成され、下面22cがベース部12の上面12aに面する巻回部22、及び巻回部22の両端部P1、P2から引き出された導線Pから構成され、外部電極6A、6Bにそれぞれ接続される一対の引き出し部24A、24Bを有するコイル20、及び
(3)磁性粉及び樹脂から形成され、少なくとも巻回部22の外周面22b及び上面22aを覆う磁性外装部30
を備える。
<素体>
本実施形態に係る素体4は、外観形状が略直方体である。素体4は、下面4aと、下面4aに対向する上面4bと、短手方向に延在する側面4c、4dと、長手方向に延在する側面4e、4fとを有する。素体4の寸法として、長手方向の長さが約1~12mmであり、短手方向の長さが約1~12mmであり、高さ方向の長さが約0.5~8mmを例示することができるが、これに限られるものではない。
<磁性部>
磁性部10は、略直方体のベース部12と、横断面が楕円状の柱状部14を備える。ベース部12の上面12aには、上面12aの中心において略垂直に延在する中心軸に沿って、柱状部14が配置されている。この中心軸は、インダクタ2の上下方向の中心軸Cと略一致する。柱状部14の中心軸に沿った長さ(柱状部14の高さ)は、例えば、約0.5~4.5mmである。磁性部10を構成するベース部12及び柱状部14は、例えば、一体成形により形成することができる。ベース部6の長手方向の長さは、例えば、約1~12mmであり、短手方向の長さは、例えば、約1~12mmである。
磁性部10を形成する材料としては、磁性粉と樹脂の混合物が用いられる。磁性粉の充填率は、例えば、60重量%以上、好ましくは80重量%以上である。磁性粉としては、Fe、Fe-Si-Cr、Fe-Ni-Al、Fe-Cr-Al、Fe-Si、Fe-Si-Al、Fe-Ni、Fe-Ni-Mo等の鉄系の金属磁性粉、他の組成系の金属磁性粉、アモルファス等の金属磁性粉、表面がガラス等の絶縁体で被覆された金属磁性粉、表面を改質した金属磁性粉、ナノレベルの微小な金属磁性粉が用いられる。樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂が用いられる。
<コイル>
本実施形態では、コイル20を形成する導線Pは、導体の表面に絶縁性を有する被覆層と、被覆層の表面に融着層を有する導線であって、互いに対向する一対の幅広面を有し、断面が矩形形状の導線(所謂、平角線)である。
導線を構成する導体は、例えば銅等で形成される。被覆層は、ポリアミドイミド等の絶縁性樹脂で形成される。融着層は、巻回部22を構成する導線同士を固定できる様に、自己融着成分を含む熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂等で形成される。
コイル20を形成する平角線は、幅方向の長さが、例えば120μm以上2000μm以下、厚みが、例えば10μm以上2000μm以下である。被覆層は、厚みが、例えば2μm以上10μm以下、好ましくは6μm程度である。融着層は、厚みが、例えば1μm以上3μm以下である。
平角線を用いることにより、巻回部22の径方向の寸法を抑制しながら、導線の断面積を大きくすることができる。これにより、コイル20の直流抵抗Rdcを低減させることができる。ただし、適用する導線が平角線に限られるものではなく、例えば、円形断面を有する線材を用いることもできるし、線材を扁平に潰して用いることもできる。
本実施形態に係る巻回部22は、平面部が互いに対向し、1本の導線が最内周で繋がった上段及び下段に巻回されて形成されており、引き出し部24A、24Bが、それぞれ巻回部22の最外周から引き出されている。所謂、α巻きに形成されている。巻回部22は、導線Pをその幅広面が巻軸と略平行になるように巻回して形成されている。これにより、巻回部22の内周面は、柱状部14の側面14bと面し、巻回部22の下面22cは、ベース部12の上面12aと面している。巻回部22の内周面、下面22cは、基本的に、柱状部14の側面14b及びベース部12の上面12aと接しているが、全領域が完全に接しているとは言えないので、面していると記載してある。
引き出し部24A、24Bの先端24Aa、24Baの露出部分が、それぞれ外部電極6A、6Bと電気的に接続されている。巻回部22を所謂α巻きに形成することにより、導線Pを効率的に巻くことができるとともに、無理な応力をかけることなく、スムーズに引き出し部24A、24Bを引き出すことができる。
本実施形態では、更に、巻回部22の表面全体が5~10μmの厚みの樹脂26により被覆されている(図3、図4参照)。図3では、引き出し部24A、24Bも樹脂層で覆われているが、少なくとも、巻回部22の表面全体が樹脂26で覆われていればよい。このように、樹脂層で覆って巻回部22を保護することにより、素体4を形成するために磁性粉及び樹脂とともに巻回部22を加圧するとき、高い圧力をかけることができる。よって、素体4における磁性粉の充填率を高めることができる。
<磁性外装部>
磁性外装部30も、磁性粉及び樹脂を含有する。磁性外装部30は、磁性部10の柱状部14の周囲に巻回された巻回部22の外面、及び磁性部10の巻回部22と面していない領域を覆うように形成されている。更に詳細に述べれば、磁性外装部30により、少なくとも、巻回部22の外周面22b及び上面22a、柱状部14の上面14a、並びにベース部12の上面12aの巻回部22と面していない領域が覆われている。これにより、素体4の略直方体の外観形状が得られる。
磁性外装部30を構成する磁性粉及び樹脂も、上記の磁性部10と同様の材料を用いることができる。後述するように、磁性外装部30を構成する磁性粉は、第1の磁性粉と、粒径及び硬度において第1の磁性粉と異なる第2の磁性粉から構成されている。
<外部電極>
一対の外部電極6A、6Bは、素体4の表面に形成され、互いに離隔して配置されている。本実施形態では、一方の外部電極6Aは、素体4の短手方向の側面4cとそれに隣接する4つの面4a、4e、4b、4fの一部とを覆っており、素体4から露出した引き出し部24Aの先端24Aaの幅広面と電気的に接続されている。また、他方の外部電極6Bは、素体4の側面4dとそれに隣接する4つの面4a、4e、4b、4fの一部とを覆っており、素体4から露出した引き出し部24Bの先端24Baの平面部と電気的に接続されている。
外部電極6A、6Bは、例えば、金属粒子及び樹脂を含有する導電性樹脂により形成される。金属粒子として、例えば銀が用いられる。樹脂として、例えばエポキシ樹脂が用いられる。また、外部電極6A、6Bは、金属粒子及び樹脂を含有する導電性樹脂上には、ニッケルから形成される第1層と、第1層上に形成され、スズから形成される第2層とを備えるめっき層が形成されてもよい。
(インダクタの性能)
本実施形態に係る磁性部10では、柱状部14の上面積がベース部12の底面積の80%以上となっている。図3において、斜線でハッチングされた部分の面積が柱状部14の上面積に該当し、側面4c、4e、4d及び4fで示す4辺で囲まれた長方形の面積がベース部12の底面積に該当する。柱状部14の上面積が、ベース部12の底面積に比べて相対的に大きく取られている。これにより、インダクタ2を小型化した場合であっても、巻回部22の巻軸となる磁性部の柱状部14によって巻回部22の巻軸の径を大きくできるので、巻回部の巻軸における、磁束飽和を従来のものよりも遅らせることができ、従来のものよりも飽和磁束密度を大きくすることができる。従って、従来のものよりも大きな電流を加えても巻回部の巻軸における磁気飽和を低減でき、直流重畳定格電流Isatを大きくすることができる。
更に、後述するように、外周を覆う磁性外装部30の厚みを薄くすることにより、巻回部22の巻軸を十分に大きく取るとともに、十分な断面積を有する導線Pを用いることができる。これにより、コイル20の直流抵抗Rdcを低減できる。
更に、上記のように平角線を用いることにより、巻回部22の径方向の寸法を抑制しながら、大きな導線の断面積を得ることができる。特に、図4に示すように、平角線の幅Wに対する厚みTの比が20%以上であることが好ましい。これにより、コイル20の直流抵抗Rdcを効果的に低減することができる。 なお、導線Pの断面積の増大、及び巻回部22の径方向の寸法の抑制のバランスを考慮すると、平角線の幅Wに対する厚みTの比が20%以上30%以下の範囲にあることが好ましい。
更に、本実施形態では、柱状部14の高さH1が磁性部10の全高H2の70%以上であり、柱状部14の体積が磁性部10の全体積の90%以上になっている(図4参照)。このように、磁性部10の中で柱状部14が大きく占めるので、高い透磁率μを得ることができる。
なお、ベース部12の強度等も考慮すると、柱状部14の高さH1が磁性部10の全高H2の70%以上80%以下の範囲にあり、柱状部14の体積が磁性部10の全体積の90%以上95%以下の範囲にあるのが好ましい。
このように柱状部14を大きく取る場合、特に、柱状部14の上面積がベース部12の底面積の80%以上とする場合には、コイル20の巻回部22の外面を覆う磁性外装部30の厚みを薄くする必要がある。その場合、特に、巻回部22の外周面22b及び素体4の側面4eの間の厚みL1、並びに巻回部22の外周面22b及び素体4の側面4fの間の厚みL2を小さくする必要がある。しかし、そのような領域では、樹脂量が多くなって、磁性粉の密度が低下する虞がある。
(磁性外装部を形成する粒子)
これに対処するため、本実施形態に係る磁性外装部30では、磁性粉が、第1の磁性粉と、第1の磁性粉の平均粒径よりも小さい平均粒径、及び第1の磁性粉の硬度よりも低い硬度を有する第2の磁性粉とを有している。これにより、平均粒径の大きい第1の磁性粉の間に平均粒径の小さい第2の磁性粉を効果的に充填することができる。特に、第2の磁性粉が、第1の磁性粉の硬度よりも低い硬度を有するので、第1の磁性粉の間の空間に第2の磁性粉がより充填され易くなる。
よって、コイル20の巻回部22の外周面22bを覆う磁性外装部30の厚みを薄くする必要がある場合であっても、第2の磁性粉を第1の磁性粉の間に効率的に充填することにより、磁性外装部30の厚みの薄い部分においても、磁性粉の密度の低下を低減できる。 なお、巻回部22の軸心となる柱状部14はなるべく大きく取ることが好ましいが、磁性外装部30の強度、磁性外装部30における磁性粉の密度とのバランスを考慮すると、柱状部14の上面積がベース部12の底面積の80%以上90%以下の範囲にあることが好ましい。
<粒子の粒度分布>
更に、本実施形態では、第1の磁性粉及び第2の磁性粉の粒度分布の標準偏差が小さくなっている。このことを、図5A、図5B、図6A及び図6Bを参照しながら説明する。図5Aは、一般的な磁性粉の体積基準の累積分布を説明するためのグラフである。図5Bは、一般的な磁性粉の平均値±標準偏差の範囲を説明するためのグラフである。図6Aは、磁性外装部における磁性粉の充填の状態を模式的に示す図であって、粒度分布の標準偏差が大きい従来の場合を示す図である。図6Bは、磁性外装部における磁性粉の充填の状態を模式的に示す図であって、粒度分布の標準偏差が小さい本実施形態の場合を示す図である。
図5A、図5Bを用いて、磁性粉の粒度分布を説明する。磁性粉の粒度分布における体積基準の累積50%の粒子径が平均粒径であるD50を示す。同様に、磁性粉の粒度分布における体積基準の累積16%の粒子径を標準偏差の下限であるD16として示し、磁性粉の粒度分布における体積基準の累積84%の粒子径を標準偏差の上限であるD84として示す。
これにより、標準偏差SDは、
SD=(D84-D16)/2
で表すことができる。標準偏差SDの値が小さいほど、シャープな分布となる。
本実施形態では、第1の磁性粉S1に平均粒径D50が20~40μm、粒度分布の標準偏差が10μm以下のFe-Si-Cr系金属磁性粉が用いられ、第2の磁性粉S2に平均粒径D50が1μm以下、粒度分布の標準偏差が0.1~0.5μmの鉄粉が用いられる。つまり、第1の磁性粉S1及び第2の磁性粉S2の平均粒径に十分な差があり、第1の磁性粉S1及び第2の磁性粉R2の粒径が揃ったシャープな標準偏差を有する。第1の磁性粉と第2の磁性粉の比率は、第1の磁性粉と第2の磁性粉の合計体積に占める第1の磁性粉の体積が70%以上90%未満となる様に設定される。
図6Aは、液状の樹脂Rの中に含まれる大きな磁性粉Q1(点描された円)及び小さな磁性粉Q2(黒色の円)を示し、粒度分布の標準偏差が大きい従来の場合を示す。磁性粉Q1及び磁性粉Q2の粒径が揃っていないので、大きな磁性粉Q1の間に小さな磁性粉Q2が配置できる空間があっても(一点鎖線の丸が描かれた領域参照)、小さな磁性粉Q2がその周囲の大きな磁性粉Q1の間を通過できず(×印参照)、磁性粉が十分に充填されない虞がある。
図6Bは、液状の樹脂Rの中に含まれる大きな磁性粉(第1の磁性粉)S1(点描された円)及び小さな磁性粉(第2の磁性粉)S2(黒色の円)を示し、粒度分布の標準偏差が小さい本実施形態の場合を示す。第1の磁性粉S1及び第2の磁性粉S2の粒径が揃っているので、隣接する第1の磁性粉S1の間に着実に第2の磁性粉S2が充填されて、磁性粉の高い充填率を実現できる。
この様なインダクタにおいて、図4に示す様に、素体をインダクタの中心軸Cを含み長手方向に延在する仮想線で切断した切断面において、磁性外装部をSEMで撮影し、画像解析式粒度分布ソフトウエアを用いて第1の磁性粉S1と第2の磁性粉S2を測定したところ、第1の磁性粉S1の平均粒径D50が33μm、粒度分布の標準偏差が10μm、第2の磁性粉S2の平均粒径D50が1μm、粒度分布の標準偏差が0.4μmであった。
第1の磁性粉の平均粒径D50を20μmよりも小さく、第1の磁性粉の粒度分布の標準偏差を10μmよりも大きくし、第2の磁性粉の平均粒径D50が1μmよりも大きく、第2の磁性粉の粒度分布の標準偏差を0.5μmよりも大きくしたところ、外装部材の厚みが薄い領域において、従来と同様に、樹脂量が多くなって、磁性粉の密度が低下した。
第1の磁性粉の平均粒径D50を40μmより大きく、第1の磁性粉の粒度分布の標準偏差を10μmより小さくし、第2の磁性粉の平均粒径D50を1μmより小さく、第2の磁性粉の粒度分布の標準偏差を0.1μmよりも小さくしたところ、やはり、外装部材の厚みが薄い領域において、従来と同様に、樹脂量が多くなって、磁性粉の密度が低下した。
従って、第1の磁性粉の平均粒径D50を20~40μm、第1の磁性粉の粒度分布の標準偏差が10μm以下とし、第2の磁性粉の平均粒径D50が1μm以下、第2の磁性粉の粒度分布の標準偏差が0.1~0.5μmとすることにより、第1の磁性粉の平均粒径と第2の磁性粉の平均粒径を適切に離間させ、第1の磁性粉の大きさのばらつき及び第2の磁性粉の大きさのばらつきを小さくすることができる。第1の磁性粉の平均粒径と第2の磁性粉の平均粒径を適切に離間させ、第1の磁性粉の大きさのばらつき及び第2の磁性粉の大きさのばらつきを小さくすることにより、磁性外装部30の厚みが薄い領域における、第1の磁性粉と第2の磁性粉の配置の偏りを小さくできる。さらに、第2の磁性粉の硬度が第1の磁性粉の硬度よりも低いため、第2の磁性粉を第1の磁性粉間の隙間の形状に合わせて変形させることができ、磁性粉間の距離をより小さくできる。従って、インダクタ2の大きさを大きくすることなく、巻回部22の巻軸の径を大きくし、断面積が大きな導線Pを用いることにより、磁性外装部30の厚みが薄くなった場合においても、磁性外装部30の厚みが薄い領域に磁性粉の密度を従来のものよりも高くすることができ、透磁率を高くすることができる。
(第2の実施形態に係るインダクタ)
次に、図7及び図8を参照しながら、本発明の第2の実施形態に係るインダクタの説明を行う。図7は、本発明の第2の実施形態に係るインダクタを模式的に示す斜視図である。図8は、図7に示すインダクタを上方から見た平面図である。
図7では、素体4に埋設され、外部電極と接続されるコイル部の引き出し部24A’,24B’の一部を点線で示している。図8では、素体4に埋設されたコイル20を点線で示している。
第2の実施形態では、コイル20の引き出し部24A’、24B’の形状及び配置、外部電極6A’、6B’の形状及び配置が、上記の第1の実施形態と異なる。ただし、磁性部10、コイル20の巻回部22及び磁性外装部30の基本的な形状や配置は、上記の第1の実施形態と同様である。
巻回部22から引き出された引き出し部24A’、24B’は、約90度捻られ、更に、先端の平面部が素体4の下面4aに露出するように折り曲げられている。引き出し部24A’、24B’を約90度捻るスペースを確保するため、磁性部10のベース部12のコーナー部に切り欠きを設けることが好ましい。
本実施形態では、一方の外部電極6A’は、素体4の下面4aの一部を覆っており、素体4から露出した引き出し部24A’の先端の平面部と電気的に接続されている。また、他方の外部電極6B’は、素体4の下面4aの一部を覆っており、素体4から露出した引き出し部24B’の先端の平面部と電気的に接続されている。一方の外部電極6A’及び他方の外部電極6B’は、互いに離間して配置されている。外部電極6A’、6B’の材質、形成方法は、上記の第1の実施形態と同様である。
その他の点については、上記の第1の実施形態と同様なので、更なる説明は省略する。なお、上記の第1、第2の実施形態に係るインダクタは、あくまで一例であり、磁性粉及び樹脂を含有する磁性部及びコイルを有するものであれば、その他の任意の構造のインダクタを採用することができる。
以上のように、上記の実施形態に係るインダクタ2では、素体4と、素体4の外面に配置された一対の外部電極6A、6B(6A’、6B’)とを備え、素体4は、磁性粉及び樹脂から形成され、ベース部12及びベース部12の上面に形成された柱状部14を有する磁性部10と、柱状部14の周囲に巻回された導線Pから構成され、下面22cがベース部12の上面12aに面する巻回部22、及び巻回部22の両端部から引き出された導線Pから構成され、それぞれ外部電極6A、6B(6A’、6B’)に接続される一対の引き出し部24A、24B(24A’、24B’)を有するコイル20と、磁性粉及び樹脂から形成され、少なくとも巻回部22の外周面22b及び上面22aを覆う磁性外装部30と、を備え、柱状部14の上面積がベース部の底面積の80%以上であり、磁性外装部30を形成する磁性粉は、第1の磁性粉と、第1の磁性粉の平均粒径よりも小さい平均粒径、及び第1の磁性粉の硬度よりも低い硬度を有する第2の磁性粉とを有する。
従って、外装部材の厚みが薄くなった領域における磁性粉の密度を高くできるので、透磁率が低下しないインダクタを提供できる。
以上、本発明の実施形態及び実施例を説明したが、開示内容は構成の細部において変化してもよく、実施形態及び実施例における要素の組合せや順序の変化等は請求された本発明の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。
2 インダクタ
4 素体
4a 下面
4b 上面
4c~4f 側面
6A、6B、6A’、6B’ 外部電極
10 磁性部
12 ベース部
12a 上面
14 柱状部
14a 上面
14b 側面
20 コイル部
22 巻回部
22a 上面
22b 外周面
22c 下面
24A、24B、24A’、24B’ 引き出し部
24Aa、24Ba 先端
26 樹脂
30 磁性外装部
P 導線
Q1 大きい磁性粉
Q2 小さい磁性粉
R 樹脂
S1 第1の磁性粉
S2 第2の磁性粉

Claims (2)

  1. 素体と、前記素体の外面に配置された一対の外部電極とを備え、
    前記素体は、
    磁性粉及び樹脂から形成され、ベース部及び前記ベース部の上面に形成された柱状部を有する磁性部と、
    前記柱状部の周囲に巻回された導線から構成され、下面が前記ベース部の上面に面する巻回部、及び前記巻回部の両端部から引き出された前記導線から構成され、それぞれ前記外部電極に接続される一対の引き出し部を有するコイルと、
    磁性粉及び樹脂から形成され、少なくとも前記巻回部の外周面及び上面を覆う磁性外装部と、
    を備え、
    前記磁性部は、前記柱状部の上面積が前記ベース部の底面積の80%以上90%以下、前記柱状部の高さが前記磁性部の全高の70%以上80%以下、前記柱状部の体積が前記磁性部の全体積の90%以上95%以下であり、
    前記コイルは、互いに対向する一対の平面部を有し、幅に対する厚みの比が20%以上30%以下の前記導線を前記柱状部の周囲に巻回して、1本の前記導線が最内周で繋がった上段及び下段に巻回された前記巻回部が形成され、前記引き出し部が、前記巻回部の最外周から引き出され、
    前記磁性外装部を形成する磁性粉は、平均粒径が20~40μm、粒度分布の標準偏差が10μm以下のFeとSiを含有する金属磁性粉で構成される第1の磁性粉と、平均粒径が1μm以下、粒度分布の標準偏差が0.1~0.5μmで、前記第1の磁性粉の硬度よりも低い硬度を有する鉄粉で構成される第2の磁性粉とを有し、前記磁性外装部の前記巻回部の外周面と素体の長手方向に延在する側面間の樹脂量が前記磁性部の樹脂量と同等であることを特徴とするインダクタ。
  2. 少なくとも前記巻回部の表面全体が5~10μmの厚みの樹脂により被覆されることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ。
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