JP7455976B2 - 光走査装置、及びマイクロミラーデバイスの駆動方法 - Google Patents

光走査装置、及びマイクロミラーデバイスの駆動方法 Download PDF

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Description

本開示の技術は、光走査装置、及びマイクロミラーデバイスの駆動方法に関する。
シリコン(Si)の微細加工技術を用いて作製される微小電気機械システム(Micro Electro Mechanical Systems:MEMS)デバイスの1つとしてマイクロミラーデバイス(マイクロスキャナともいう。)が知られている。マイクロミラーデバイスは、光走査装置に設けられた駆動制御部により駆動される。駆動制御部は、マイクロミラーデバイスのミラー部を駆動することにより、ミラー部で反射される光ビームを、対象物に対して2次元走査する。
マイクロミラーデバイスによる光走査方式は、従来のポリゴンミラーによる光走査方式と比べて、小型、軽量、かつ低消費電力という点で優れている。このため、マイクロミラーデバイスは、LiDAR(Light Detection and Ranging)装置、又は走査ビームディスプレイなどへの適用が注目されている。
マイクロミラーデバイスの駆動方式には、静電駆動方式、電磁駆動方式、又は圧電駆動方式などがある。圧電駆動方式は、トルクが大きい一方で、デバイス構造及び駆動回路が単純であるため、小型で、かつスキャン角度が大きい。また、マイクロミラーデバイスは、質量、構造、及びばね定数で決まる固有の振動周波数で共振する。マイクロミラーデバイスを、共振周波数で駆動することにより、より大きなスキャン角度が得られる。スキャン角度は、ミラー部の振れ角に対応する。
国際公開第2018/230065号では、ミラー部を歳差運動させることを可能とする圧電型2軸駆動方式のマイクロミラーデバイスが提案されている。歳差運動とは、ミラー部の反射面に直交する中心軸が円を描くように振れる運動である。ミラー部を歳差運動させるためには、互いに直交する第1軸及び第2軸のそれぞれの周りにミラー部を、同一の周波数で揺動させる必要がある。このため、国際公開第2018/230065号では、第1軸周りの共振周波数(以下、第1共振周波数という。)と、第2軸周りの共振周波数(以下、第2共振周波数という。)とを一致させることが提案されている。
ミラー部を歳差運動させることにより、ミラー部で反射される光ビームは、円を描くように走査される。この円状の光ビームは、例えば、LiDAR装置で利用される。
また、特開2019-144497号公報では、圧電型2軸駆動方式のマイクロミラーデバイスにおいて、第1軸周りにミラー部を共振駆動する第1アクチュエータと、第2軸周りにミラー部を共振駆動する第2アクチュエータとの間でクロストークが発生することが開示されている。このクロストークは、一方のアクチュエータで生じる振動が、他方のアクチュエータに伝搬することにより、共振振動が励起されることが原因である。
国際公開第2018/230065号に記載のように、第1共振周波数と第2共振周波数とを一致させ、かつ第1及び第2アクチュエータに与える駆動信号の周波数を第1共振周波数及び第2共振周波数に一致させることで、駆動信号に対するミラー部の動作の応答性が向上する。しかし、第1共振周波数と第2共振周波数とを一致させると、特開2019-144497号公報に記載のクロストークが大きくなるという弊害が生じると考えられる。
本出願人は、第1アクチュエータがミラー部を第1軸周りに揺動させ、かつ第2アクチュエータがミラー部とともに第1アクチュエータを第2軸周りに揺動させるマイクロミラーデバイスでは、クロストークが生じやすいことを確認している。第1共振周波数と第2共振周波数とを一致させると、特に、ミラー部の振れ角が小さい場合、すなわち駆動信号が小さい場合に、クロストークの影響を大きく受ける。
ミラー部を歳差運動させるためには、第1軸周りの振れ角と、第2軸周りの振れ角とを正確に一致させる必要がある。しかし、上記のようなクロストークが発生すると、駆動信号の設定が困難となり、ミラー部の歳差運動に乱れが生じてしまう。
本開示の技術は、クロストークを低減し、ミラー部の歳差運動の精度を向上させることを可能とする光走査装置、及びマイクロミラーデバイスの駆動方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示の光走査装置は、入射光を反射する反射面を有するミラー部と、前記ミラー部が静止している場合の前記反射面を含む平面内にある第1軸周りに前記ミラー部を揺動可能に支持する第1支持部と、前記第1支持部を介して前記ミラー部に接続され、前記第1軸周りに前記ミラー部を揺動させる第1アクチュエータと、前記平面内において前記第1軸に直交する第2軸の周りに前記ミラー部を揺動可能に支持する第2支持部と、前記第2支持部を介して前記第1アクチュエータに接続され、前記第2軸周りに前記ミラー部を揺動させる第2アクチュエータとを備えるマイクロミラーデバイスと、第1アクチュエータ及び第2アクチュエータに、それぞれ同一の駆動周波数を有する第1駆動信号及び第2駆動信号を与えることによりミラー部を歳差運動させるプロセッサと、を備える光走査装置であって、マイクロミラーデバイスは、第1軸周りの共振周波数をfとし、かつ第2軸周りの共振周波数をfとした場合に、f<fの関係を満たし、ミラー部を第1軸周り及び第2軸周りに同時に駆動した場合に、第1軸周りの共振周波数がfからΔfだけ変化する特性を有し、駆動周波数をfとした場合に、f-Δf<fの関係を満たす。
-Δf<f<fの関係を満たすことが好ましい。
Δf>0の関係を満たすことが好ましい。
-Δf<f<1.008(f-Δf)の関係を満たすことが好ましい。
第1アクチュエータ及び第2アクチュエータは、それぞれ圧電素子を備えた圧電アクチュエータであることが好ましい。
第1支持部及び第2支持部は、それぞれトーションバーであることが好ましい。
ミラー部が静止している場合の反射面に垂直に光ビームを照射する光源を備えることが好ましい。
本開示のマイクロミラーデバイスの駆動方法は、入射光を反射する反射面を有するミラー部と、前記ミラー部が静止している場合の前記反射面を含む平面内にある第1軸周りに前記ミラー部を揺動可能に支持する第1支持部と、前記第1支持部を介して前記ミラー部に接続され、前記第1軸周りに前記ミラー部を揺動させる第1アクチュエータと、前記平面内において前記第1軸に直交する第2軸の周りに前記ミラー部を揺動可能に支持する第2支持部と、前記第2支持部を介して前記第1アクチュエータに接続され、前記第2軸周りに前記ミラー部を揺動させる第2アクチュエータとを備えるマイクロミラーデバイスの駆動方法であって、マイクロミラーデバイスは、第1軸周りの共振周波数をfとし、かつ第2軸周りの共振周波数をfとした場合に、f<fの関係を満たし、ミラー部を第1軸周り及び第2軸周りに同時に駆動した場合に、第1軸周りの共振周波数がfからΔfだけ変化する特性を有し、第1アクチュエータ及び第2アクチュエータに、f-Δf<fの関係を満たす駆動周波数fを有する第1駆動信号及び第2駆動信号をそれぞれ与えることによりミラー部を歳差運動させる。
本開示の技術によれば、クロストークを低減し、ミラー部の歳差運動の精度を向上させることを可能とする光走査装置、及びマイクロミラーデバイスの駆動方法を提供することができる。
光走査装置の概略図である。 駆動制御部のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 マイクロミラーデバイスの外観斜視図である。 マイクロミラーデバイスを光入射側から見た平面図である。 図4のA-A線に沿った断面図である。 図4のB-B線に沿った断面図である。 逆位相の共振モードで第1アクチュエータを駆動した例を示す図である。 逆位相の共振モードで第2アクチュエータを駆動した例を示す図である。 第1アクチュエータ及び第2アクチュエータに与える駆動信号の一例を示す図である。 最大振れ角の時間変化を説明する図である。 ミラー部の歳差運動を説明する図である。 振れ角と駆動周波数との関係を模式的に示す図である。 最大振れ角に対するシフト量の変化の測定結果を示す図である。 第1振れ角及び第2最大振れ角と振幅電圧との関係を説明する図である。 駆動周波数fを、f<f-Δfの範囲内に設定した場合における最大振れ角の計測結果を示す図である。 駆動周波数fを、f-Δf<f<fの範囲内に設定した場合における最大振れ角の計測結果を示す図である。 駆動周波数fを、f<f<fの範囲内に設定した場合における最大振れ角の計測結果を示す図である。 駆動周波数fを、f<fの範囲内に設定した場合における最大振れ角の計測結果を示す図である。 最大振れ角と駆動周波数との関係の測定結果を示す図である。
添付図面に従って本開示の技術に係る実施形態の一例について説明する。
図1は、一実施形態に係る光走査装置10を概略的に示す。光走査装置10は、マイクロミラーデバイス(以下、MMD(Micro Mirror Device)という。)2と、光源3と、駆動制御部4とを有する。光走査装置10は、駆動制御部4の制御に従って、光源3から照射された光ビームLをMMD2により反射することにより被走査面5を光走査する。被走査面5は、例えばスクリーンである。
MMD2は、第1軸aと、第1軸aに直交する第2軸aとの周りに、ミラー部20(図3参照)を揺動させることを可能とする圧電型2軸駆動方式のマイクロミラーデバイスである。以下、第1軸aと平行な方向をX方向、第2軸aと平行な方向をY方向、第1軸a及び第2軸aに直交する方向をZ方向という。
光源3は、光ビームLとして、例えばレーザ光を発するレーザ装置である。光源3は、MMD2のミラー部20が静止した状態において、ミラー部20が備える反射面20A(図3参照)に垂直に光ビームLを照射することが好ましい。
駆動制御部4は、光走査情報に基づいて光源3及びMMD2に駆動信号を出力する。光源3は、入力された駆動信号に基づいて光ビームLを発生してMMD2に照射する。MMD2は、入力された駆動信号に基づいて、ミラー部20を第1軸a及び第2軸aの周りに揺動させる。
詳しくは後述するが、駆動制御部4は、ミラー部20を歳差運動させる。ミラー部20が歳差運動を行うことにより、ミラー部20で反射される光ビームLは、被走査面5上において円を描くように走査される。この円状の光ビームLは、例えば、LiDAR装置で利用される。
図2は、駆動制御部4のハードウェア構成の一例を示す。駆動制御部4は、CPU(Central Processing Unit)40、ROM(Read Only Memory)41、RAM(Random Access Memory)42、光源ドライバ43、及びMMDドライバ44を有する。CPU40は、ROM41等の記憶装置からプログラム及びデータをRAM42に読み出して処理を実行することにより、駆動制御部4の全体の機能を実現する演算装置である。CPU40は、本開示の技術に係るプロセッサの一例である。
ROM41は、不揮発性の記憶装置であり、CPU40が処理を実行するためのプログラム、及び前述の光走査情報等のデータを記憶している。RAM42は、プログラム及びデータを一時的に保持する不揮発性の記憶装置である。
光源ドライバ43は、CPU40の制御に従って、光源3に駆動信号を出力する電気回路である。光源ドライバ43においては、駆動信号は、光源3の照射タイミング及び照射強度を制御するための駆動電圧である。
MMDドライバ44は、CPU40の制御に従って、MMD2に駆動信号を出力する電気回路である。MMDドライバ44においては、駆動信号は、MMDドライバ44のミラー部20を揺動させるタイミング、周期、及び振れ角を制御するための駆動電圧である。
CPU40は、光走査情報に基づいて光源ドライバ43及びMMDドライバ44を制御する。光走査情報は、被走査面5にどのように光ビームLを走査するかを表す情報である。本実施形態では、被走査面5に円を描くように光ビームLを走査することを表す情報である。なお、例えば、光走査装置10をLiDAR装置に組み込む場合には、光走査情報には、距離測定用の光ビームLを照射するタイミング、及び照射範囲等が含まれる。
次に、図3~図6を用いてMMD2の一例を説明する。図3は、MMD2の外観斜視図である。図4は、MMD2を光入射側から見た平面図である。図5は、図4のA-A線に沿った断面図である。図6は、図4のB-B線に沿った断面図である。
図3及び図4に示すように、MMD2は、ミラー部20、第1アクチュエータ21、第2アクチュエータ22、支持枠23、第1支持部24、第2支持部25、及び固定部26を有する。MMD2は、いわゆるMEMSデバイスである。
ミラー部20は、入射光を反射する反射面20Aを有する。反射面20Aは、ミラー部20の一面に設けられた、例えば、金(Au)又はアルミニウム(Al)等の金属薄膜で形成されている。反射面20Aは、例えば円形である。
第1アクチュエータ21は、ミラー部20を囲うように配置されている。支持枠23は、ミラー部20及び第1アクチュエータ21を囲うように配置されている。第2アクチュエータ22は、ミラー部20、第1アクチュエータ21、及び支持枠23を囲うように配置されている。なお、支持枠23は、本開示の技術に必須の構成要素ではない。
第1支持部24は、ミラー部20と第1アクチュエータ21とを、第1軸a上で接続し、かつミラー部20を第1軸a周りに揺動可能に支持している。第1軸aは、ミラー部20が静止している場合の反射面20Aを含む平面内にある。例えば、第1支持部24は、第1軸aに沿って延伸したトーションバーである。また、第1支持部24は、第1軸a上で支持枠23に接続されている。
第2支持部25は、第1アクチュエータ21と第2アクチュエータ22とを、第2軸a上で接続し、かつミラー部20及び第1アクチュエータ21を第2軸a周りに揺動可能に支持している。第2軸aは、ミラー部20が静止している場合の反射面20Aを含む平面内において第1軸aと直交する。また、第2支持部25は、第2軸a上で支持枠23及び固定部26に接続されている。
固定部26は、第2支持部25により、第2アクチュエータ22と接続されている。固定部26は、外形が矩形状であり、第2アクチュエータ22を取り囲んでいる。固定部26のX方向及びY方向への長さは、それぞれ、例えば1mm~10mm程度である。固定部26のZ方向への厚みは、例えば5μm~0.2mm程度である。
第1アクチュエータ21及び第2アクチュエータ22は、それぞれ圧電素子を備えた圧電アクチュエータである。第1アクチュエータ21は、ミラー部20に第1軸a周りの回転トルクを作用させる。第2アクチュエータ22は、ミラー部20及び第1アクチュエータ21に第2軸a周りの回転トルクを作用させる。これにより、ミラー部20は、第1軸a及び第2軸a周りに揺動する。
第1アクチュエータ21は、XY面内においてミラー部20を囲む環状の薄板部材である。第1アクチュエータ21は、一対の第1可動部21A及び第2可動部21Bで構成されている。第1可動部21A及び第2可動部21Bは、それぞれ半環状である。第1可動部21Aと第2可動部21Bとは、第1軸aに関して線対称となる形状であり、第1軸a上で接続されている。
支持枠23は、XY面内においてミラー部20及び第1アクチュエータ21を囲む環状の薄板部材である。
第2アクチュエータ22は、XY面内においてミラー部20、第1アクチュエータ21、及び支持枠23を囲む環状の薄板部材である。第2アクチュエータ22は、一対の第1可動部22A及び第2可動部22Bで構成されている。第1可動部22A及び第2可動部22Bは、それぞれ半環状である。第1可動部22Aと第2可動部22Bとは、第2軸aに関して線対称となる形状であり、第2軸a上で接続されている。
第1アクチュエータ21において、第1可動部21A及び第2可動部21Bには、それぞれ圧電素子27A及び圧電素子27Bが設けられている。また、第2アクチュエータ22において、第1可動部22A及び第2可動部22Bには、それぞれ圧電素子28A及び圧電素子28Bが設けられている。
なお、図3及び図4では、圧電素子27A,27B,28A,28Bに駆動信号を与えるための配線及び電極パッドについては図示を省略している。電極パッドは、固定部26上に複数設けられる。
図5及び図6に示すように、MMD2は、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板30をエッチング処理することにより形成されている。SOI基板30は、単結晶シリコンからなる第1シリコン活性層31の上に、酸化シリコン層32が設けられ、酸化シリコン層32の上に単結晶シリコンからなる第2シリコン活性層33が設けられた基板である。
ミラー部20、第1アクチュエータ21、第2アクチュエータ22、支持枠23、第1支持部24、及び第2支持部25は、SOI基板30からエッチング処理により第1シリコン活性層31及び酸化シリコン層32を除去することで残存した第2シリコン活性層33により形成されている。第2シリコン活性層33は、弾性を有する弾性部として機能する。固定部26は、第1シリコン活性層31、酸化シリコン層32、及び第2シリコン活性層33の3層で形成されている。
圧電素子27A,27B,28A,28Bは、第2シリコン活性層33上に、下部電極51、圧電膜52、及び上部電極53が順に積層された積層構造を有する。なお、上部電極53上には絶縁膜が設けられるが、図示は省略している。
上部電極53及び下部電極51は、例えば、金(Au)又は白金(Pt)等で形成されている。圧電膜52は、例えば、圧電材料であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)で形成されている。上部電極53及び下部電極51は、配線及び電極パッドを介して、前述の駆動制御部4に電気的に接続されている。
上部電極53には、駆動制御部4から駆動電圧が印加される。下部電極51は、配線及び電極パッドを介して駆動制御部4に接続され、基準電位(例えば、グランド電位)が付与されている。
圧電膜52は、分極方向に正又は負の電圧が印加されると、印加電圧に比例した変形(例えば、伸縮)が生じる。すなわち、圧電膜52は、いわゆる逆圧電効果を発揮する。圧電膜52は、駆動制御部4から上部電極53に駆動電圧が印加されることにより逆圧電効果を発揮して、第1アクチュエータ21及び第2アクチュエータ22を変位させる。
図7は、第1可動部21A及び第2可動部21Bの一方の圧電膜52を伸張させ、他方の圧電膜52を収縮させることにより、第1アクチュエータ21を駆動した様子を示している。このように、第1可動部21Aと第2可動部21Bとが互いに逆方向に変位することにより、ミラー部20が第1軸aの周りに回動する。
また、図7は、第1可動部21A及び第2可動部21Bの変位方向と、ミラー部20の回動方向とが互いに逆向きである逆位相の共振モードで第1アクチュエータ21を駆動した例である。図7では、第1可動部21Aが-Z方向に変位し、かつ第2可動部21Bが+Z方向に変位することにより、ミラー部20が+Y方向に回動している。なお、第1可動部21A及び第2可動部21Bの変位方向と、ミラー部20の回動方向とが同じ方向である同位相の共振モードで第1アクチュエータ21を駆動してもよい。
ミラー部20の反射面20Aの法線Nが、YZ平面において傾斜する角度を第1振れ角θという。反射面20Aの法線Nが+Y方向に傾斜した場合には、第1振れ角θは正の値をとり、-Y方向に傾斜した場合には、第1振れ角θは負の値をとる。
第1振れ角θは、駆動制御部4が第1アクチュエータ21に与える駆動信号(以下、第1駆動信号という。)により制御される。第1駆動信号は、例えば正弦波の交流電圧である。第1駆動信号は、第1可動部21Aに印加される駆動電圧波形V1A(t)と、第2可動部21Bに印加される駆動電圧波形V1B(t)とを含む。駆動電圧波形V1A(t)と駆動電圧波形V1B(t)は、互いに逆位相(すなわち位相差180°)である。
図8は、第1可動部22A及び第2可動部22Bの変位方向と、ミラー部20の回動方向とが互いに逆向きである逆位相の共振モードで第2アクチュエータ22を駆動した例を示している。図8では、第1可動部22Aが-Z方向に変位し、かつ第2可動部22Bが+Z方向に変位することにより、ミラー部20が+X方向に回動している。なお、第1可動部22A及び第2可動部22Bの変位方向と、ミラー部20の回動方向とが同じ方向である同位相の共振モードで第2アクチュエータ22を駆動してもよい。
ミラー部20の反射面20Aの法線Nが、XZ平面において傾斜する角度を第2振れ角θという。反射面20Aの法線Nが+X方向に傾斜した場合には、第2振れ角θは正の値をとり、-X方向に傾斜した場合には、第2振れ角θは負の値をとる。
第2振れ角θは、駆動制御部4が第2アクチュエータ22に与える駆動信号(以下、第2駆動信号という。)により制御される。第2駆動信号は、例えば正弦波の交流電圧である。第2駆動信号は、第1可動部22Aに印加される駆動電圧波形V2A(t)と、第2可動部22Bに印加される駆動電圧波形V2B(t)とを含む。駆動電圧波形V2A(t)と駆動電圧波形V2B(t)は、互いに逆位相(すなわち位相差180°)である。
図9は、第1アクチュエータ21及び第2アクチュエータ22に与える駆動信号の一例を示す。図9(A)は、第1駆動信号に含まれる駆動電圧波形V1A(t)及びV1B(t)を示す。図9(B)は、第2駆動信号に含まれる駆動電圧波形V2A(t)及びV2B(t)を示す。
駆動電圧波形V1A(t)及びV1B(t)は、それぞれ次のように表される。
1A(t)=Voff1+Vsin(2πft)
1B(t)=Voff1+Vsin(2πft+α)
ここで、Vは振幅電圧である。Voff1はバイアス電圧である。fは駆動周波数である。tは時間である。αは、駆動電圧波形V1A(t)及びV1B(t)の位相差である。本実施形態では、例えば、α=180°とする。
駆動電圧波形V1A(t)及びV1B(t)がそれぞれ第1可動部21A及び第2可動部21Bに印加されることにより、ミラー部20が第1軸aの周りに揺動する(図7参照)。
駆動電圧波形V2A(t)及びV2B(t)は、それぞれ次のように表される。
2A(t)=Voff2+Vsin(2πft+φ)
2B(t)=Voff2+Vsin(2πft+β+φ)
ここで、Vは振幅電圧である。Voff2はバイアス電圧である。fは駆動周波数である。tは時間である。βは、駆動電圧波形V2A(t)及びV2B(t)の位相差である。本実施形態では、例えば、β=180°とする。また、φは、駆動電圧波形V1A(t)及びV1B(t)と、駆動電圧波形V2A(t)及びV2B(t)との位相差である。本実施形態では、ミラー部20を歳差運動させるために、φ=90°とする。
バイアス電圧Voff1及びVoff2は、ミラー部20が静止した状態を決定する直流電圧である。ミラー部20が静止した状態において、反射面20Aを含む平面は、固定部26の上面と平行でなくてもよく、固定部26の上面に対して傾斜していてもよい。
駆動電圧波形V2A(t)及びV2B(t)がそれぞれ第1可動部22A及び第2可動部22Bに印加されることにより、ミラー部20が第2軸aの周りに揺動する(図8参照)。
上記のように、第1駆動信号と第2駆動信号とは、同一の駆動周波数fを有し、かつ位相差は90°である。ミラー部20を歳差運動させるには、図10に示すように、第1振れ角θの最大振れ角θm1と第2振れ角θの最大振れ角θm2とが一致するように、振幅電圧V及びVを適切に設定する必要がある。これは、振幅電圧Vと第1振れ角θと、振幅電圧Vと第2振れ角θとの関係は同一でないためである。なお、本明細書の説明において、「一致」の意味には、完全な一致の意味の他に、設計上及び製造上において許容される誤差を含む略一致の意味も含まれる。
以下、第1振れ角θの最大振れ角θm1を第1最大振れ角θm1という。また、第2振れ角θの最大振れ角θm2を第2最大振れ角θm2という。さらに、第1最大振れ角θm1と第2最大振れ角θm2とを区別しない場合には、単に最大振れ角θという。
また、ミラー部20を精度よく歳差運動させるためには、駆動周波数fを適切に設定する必要がある。図11は、ミラー部20の歳差運動を示す。歳差運動とは、ミラー部20の反射面20Aの法線Nが円を描くように振れる運動である。このように歳差運動を行っているミラー部20に、光源3から光ビームLを照射することにより、被走査面5上に円を描くように光ビームLを走査することができる。
図12は、ミラー部20の振れ角と駆動周波数fとの関係を模式的に示す。ミラー部20は、第1軸a及び第2軸aの周りに固有の振動数で振動する。駆動周波数fが固有振動数に一致する場合にミラー部20は共振する。
図12において、fは、ミラー部20の第1軸a周りの共振周波数(以下、第1共振周波数という。)を表している。fは、ミラー部20の第2軸a周りの共振周波数(以下、第2共振周波数という。)を表している。第1共振周波数fは、ミラー部20を第2軸a周りには揺動させずに、第1軸a周りにのみ揺動させる場合における共振周波数である。第2共振周波数fは、ミラー部20を第1軸a周りには揺動させずに、第2軸a周りにのみ揺動させる場合における共振周波数である。
ミラー部20の揺動には、前述の可動部との位相(同位相又は逆位相)に加えて、複数の共振モードが存在する。例えば、第1共振周波数f及び第2共振周波数fは、それぞれ逆位相で、かつ最も低次(すなわち、最も周波数が低い)の共振モードにおける共振周波数である。
駆動周波数fが第1共振周波数fに近いほど、第1振れ角θが大きくなる。また、駆動周波数fが第2共振周波数fに近いほど、第2振れ角θが大きくなる。このため、一般的には、第1共振周波数fと第2共振周波数fとを一致させ、かつ駆動周波数fを第1共振周波数f及び第2共振周波数fと一致させることにより、駆動信号に対する振れ角の応答性を上げることが行われている。第1共振周波数f及び第2共振周波数fは、MMD2の構成要素の慣性モーメント及びばね定数等を設計的に調整することにより、設定することができる。
しかし、第1共振周波数fと第2共振周波数fとを一致させると、クロストークが大きくなるという弊害が生じると考えられる。クロストークは、第1アクチュエータ21及び第2アクチュエータ22のうちの一方で生じる振動が、他方に伝搬することにより、共振振動が励起されることが原因である。第1共振周波数fと第2共振周波数fとを一致させると、特に、ミラー部20の最大振れ角θが小さい場合、すなわち駆動信号が小さい場合に、クロストークの影響を大きく受ける。
本実施形態のMMD2は、第1アクチュエータ21がミラー部20を第1軸a周りに揺動させ、かつ第2アクチュエータ22がミラー部20とともに第1アクチュエータ21を第2軸a周りに揺動させる。このように、ミラー部20を第2軸a周りに揺動させる場合には、第1アクチュエータ21も第2軸a周りに揺動するため、第2軸a周りの振動成分が第1軸aに伝搬し、第1アクチュエータ21の電圧特性の変化及び第1共振周波数fに影響を与える。本出願人は、ミラー部20を第1軸a周り及び第2軸a周りに同時に揺動させた場合に、第1共振周波数fがシフトすることを確認した。以下、このシフト量をΔfと表記する。
クロストークを避けるためには、第1共振周波数fと第2共振周波数fとを一致させないことが好ましい。また、第1共振周波数fと第2共振周波数fとの大小関係は、シフト量Δfを考慮して決定する必要がある。これは、シフト量Δfが、ミラー部20の最大振れ角θの大きさに依存して変化するためである。
図13は、ミラー部20の最大振れ角θに対するシフト量Δfの変化の測定結果の一例を示す。本出願人は、ミラー部20を歳差運動させて、被走査面5に正円を描くように光ビームLを走査した場合における最大振れ角θに対する第1共振周波数fのシフト量Δfを測定した。被走査面5に走査される円の大きさは、最大振れ角θに比例する。
図13に示すように、第1共振周波数fのシフト量Δfは、最大振れ角θが大きくなるとともに大きくなることが確認された。ここで、シフト量Δfは、正の値(すなわちΔf>0)であった。したがって、f≠fとしたとしても、最大振れ角θの変化に伴ってシフト量Δfが変化することにより、シフト後の第1共振周波数f-Δfと、第2共振周波数fとが一致する場合がある。シフト後の第1共振周波数f-Δfと、第2共振周波数fとが一致すると、クロストークが発生する可能性がある。
例えば、f>fの関係を満たす場合には、最大振れ角θの変化に伴ってシフト量Δfが変化することにより、f-Δf=fとなり、クロストークが発生する。これに対して、f<fの関係を満たす場合には、最大振れ角θの変化に伴ってシフト量Δfが変化しても、f-Δf=fとなることはなく、常に、f-Δf<fの関係が満たされる。
以上から本出願人は、f<fの関係を満たし、かつf-Δf<fの関係を満たすように駆動周波数fを設定することにより、クロストークが低減されることを見出した。
例えば、光走査装置10をLiDAR装置に適用する場合には、光ビームLにより被走査面5上に走査される円の半径(以下、走査半径という。)の制御が行われる。この走査半径は、ミラー部20の最大振れ角θに対応する。また、第1最大振れ角θm1は、第1駆動信号の振幅電圧Vに依存する。第2最大振れ角θm2は、第2駆動信号の振幅電圧Vに依存する。このため、駆動制御部4により走査半径を制御するには、第1最大振れ角θm1と振幅電圧Vとの関係、及び第2最大振れ角θm2と振幅電圧Vとの関係が、それぞれ単一の関数で表されることが好ましい。
図14は、第1最大振れ角θm1と振幅電圧Vとの関係が対数関数で表され、かつ第2最大振れ角θm2と振幅電圧Vとの関係が線形関数で表される例を示している。この場合、θm1=θm2を満たす振幅電圧V及びVを決定するためには、対数関数に基づいて振幅電圧Vを決定し、線形関数に基づいて振幅電圧Vを決定すればよい。
仮に、前述のクロストークが発生した場合には、ミラー部20の最大振れ角θが小さい領域で、第1最大振れ角θm1と振幅電圧Vとの関係に乱れが生じ、駆動制御が困難となる。本出願人は、f-Δf<fを満たす場合には、ミラー部20の最大振れ角θが小さい領域においても、第1最大振れ角θm1と振幅電圧Vとの関係が単一の関数で表され、MMD2の駆動制御が容易となることを確認した。
以下に、ミラー部20の最大振れ角θと振幅電圧V及びVとの測定結果を示す。本出願人は、駆動周波数fを、f<f-Δfの範囲内に設定した場合、f-Δf<f<fの範囲内に設定した場合、f<f<fの範囲内に設定した場合、f<fの範囲内に設定した場合の4つのケースについてそれぞれ最大振れ角θを計測した。
具体的には、ミラー部20を歳差運動させて、被走査面5に正円を描くように光ビームLを走査した場合における円の半径(走査半径)に対する振幅電圧V及びVとの関係を測定した。被走査面5には、1mm間隔の目盛りが付されており、目盛りを用いた円の形状及びサイズの計測値に基づき、最大振れ角θを計測した。なお、本計測で用いたMMD2は、f=1228Hz、f=1237Hzであり、f<fの関係を満たすものである。
図15は、駆動周波数fを、f<f-Δfの範囲内に設定した場合における最大振れ角θの計測結果を示す。図15において、0≦V<3Vの第1領域、3V≦V<4.2Vの第2領域、及び4.2V≦V<9.2Vの第3領域の各領域で、第1最大振れ角θm1と振幅電圧Vとの関係が異なる。第1領域ではθm1=0.8Vの関係を有し、第1領域ではθm1=3.0Vの関係を有し、第3領域ではθm1=0.2Vの関係を有する。このように、f<f-Δfの場合には、領域ごとに電圧特性が異なり、第1最大振れ角θm1と振幅電圧Vとの関係を単一の関数で表すことができないので、MMD2の駆動制御が困難である。
図16は、駆動周波数fを、f-Δf<f<fの範囲内に設定した場合における最大振れ角θの計測結果を示す。図16において、第1最大振れ角θm1と振幅電圧Vとは、θm1=2.2ln(V)+1.7の関係を有し、単一の関数(対数関数)で表すことができる。
図17は、駆動周波数fを、f<f<fの範囲内に設定した場合における最大振れ角θの計測結果を示す。図17において、第1最大振れ角θm1と振幅電圧Vとは、θm1=1.8ln(V)+1.7の関係を有し、単一の関数(対数関数)で表すことができる。
図18は、f<fの範囲内に設定した場合における最大振れ角θの計測結果を示す。図18において、第1最大振れ角θm1と振幅電圧Vとは、θm1=2.8ln(V)-2.9の関係を有し、単一の関数(対数関数)で表すことができる。
なお、図15から図18のいずれの場合においても、第2最大振れ角θm2と振幅電圧Vとの関係が単一の関数(線形関数)で表すことができる。
以上のように、f-Δf<fを満たす場合には、第1最大振れ角θm1と振幅電圧Vとの関係、及び第2最大振れ角θm2と振幅電圧Vとの関係が単一の関数で表される。駆動制御部4は、単一の関数に基づいて振幅電圧V及びVをそれぞれ決定することができるので、MMD2の駆動制御を容易に行うことができる。
上述のように、f-Δf<fを満たす場合には、MMD2の駆動制御を容易に行うことが可能となるが、駆動周波数fがf<fの関係を満たす場合には、第1最大振れ角θm1の振幅電圧Vに対する応答性が低下する。図18に示すように、V=50Vとした場合でも第1最大振れ角θm1は10°未満である。このため、第1最大振れ角θm1の振幅電圧Vに対する応答性を高めるために、駆動周波数fは、f-Δf<f<fの関係を満たすことがより好ましい。図16及び図17に示すように、f-Δf<f<fの関係を満たす場合には、第1最大振れ角θm1を10°以上とすることが可能である。
上述のように、f<fの関係を満たし、かつf-Δf<f<fの関係を満たすように駆動周波数fを設定することにより、クロストークが低減される。しかし、第1共振周波数fと第2共振周波数fとが大きく異なる場合には、単一の駆動周波数fでミラー部20を第1軸a周り及び第2軸a周りに同時に揺動させることは難しくなる。
このため、本出願人は、第1共振周波数fに対する第2共振周波数fの上限について検討した。具体的には、本出願人は、f<f<fの範囲内で、第1最大振れ角θ及び第2最大振れ角θm2が10°に達することを可能とする第2共振周波数fの上限について検討した。
図19は、ミラー部20の最大振れ角と駆動周波数fとの関係の測定結果を示す。図19において、第1最大振れ角θm1は、V=5Vとし、ミラー部20を第1軸a周りに揺動させた場合における第1振れ角θの最大値である。第2最大振れ角θm2は、V=5Vとし、ミラー部20を第2軸a周りに揺動させた場合における第2振れ角θの最大値である。なお、本計測で用いたMMD2は、f=1228Hz、f=1237Hzであった。
図17において、V=5Vにおける第1最大振れ角θm1は4.8°であり、V=5Vにおける第2最大振れ角θm2は1.8°である。すなわち、1軸駆動で、θm1≧4.8°及びθm2≧1.8°を満たすことが可能であれば、振幅電圧V,Vを上げることにより、2軸駆動において、第1最大振れ角θ及び第2最大振れ角θm2を10°以上とすることが可能である。したがって、図19において、θm1=4.8°となる高周波側の駆動周波数fd1と、θm2=1.8°となる低周波側の駆動周波数fd2とが等しくなる場合の第2共振周波数fが、第2共振周波数fの上限である。駆動周波数fd1は、シフト量Δfを考慮すると、fd1=1.002(f-Δf)の関係を有する。駆動周波数fd2は、fd2=0.9939fの関係を有する。
1.002(f-Δf)=0.9939fとし、これを変形すると、f=1.008(f-Δf)の関係が得られる。したがって、f=1.008(f-Δf)の関係を満たす第2共振周波数fが、第1共振周波数fに対する第2共振周波数fの上限である。このことから、第1共振周波数f及び第2共振周波数fは、f-Δf<f<1.008(f-Δf)の関係を満たすことが好ましいといえる。
上記実施形態で示したMMD2の構成は適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、第1アクチュエータ21及び第2アクチュエータ22を環状としているが、第1アクチュエータ21及び第2アクチュエータ22のうちの一方又は両方をミアンダ構造とすることも可能である。また、第1支持部24及び第2支持部25として、トーションバー以外の構成の支持部材を用いることも可能である。
また、駆動制御部4のハードウェア構成は種々の変形が可能である。駆動制御部4の処理部は、1つのプロセッサで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA(Field Programmable Gate Array)の組み合わせ、及び/又は、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願および技術規格は、個々の文献、特許出願および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (8)

  1. 入射光を反射する反射面を有するミラー部と、前記ミラー部が静止している場合の前記反射面を含む平面内にある第1軸周りに前記ミラー部を揺動可能に支持する第1支持部と、前記第1支持部を介して前記ミラー部に接続され、前記第1軸周りに前記ミラー部を揺動させる第1アクチュエータと、前記平面内において前記第1軸に直交する第2軸の周りに前記ミラー部を揺動可能に支持する第2支持部と、前記第2支持部を介して前記第1アクチュエータに接続され、前記第2軸周りに前記ミラー部を揺動させる第2アクチュエータとを備えるマイクロミラーデバイスと、
    前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータに、それぞれ同一の駆動周波数を有する第1駆動信号及び第2駆動信号を与えることにより前記ミラー部を歳差運動させるプロセッサと、
    を備える光走査装置であって、
    前記マイクロミラーデバイスは、前記第1軸周りの共振周波数をfとし、かつ前記第2軸周りの共振周波数をfとした場合に、f<fの関係を満たし、
    前記ミラー部を前記第1軸周り及び前記第2軸周りに同時に駆動した場合に、前記第1軸周りの共振周波数がfからΔfだけ変化する特性を有し、かつf -Δf<f <1.008(f -Δf)の関係を満たし、
    前記駆動周波数をfとした場合に、f-Δf<fの関係を満たす、
    光走査装置。
  2. -Δf<f<fの関係を満たす、
    請求項1に記載の光走査装置。
  3. Δf>0の関係を満たす、
    請求項1又は請求項2に記載の光走査装置。
  4. 前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータは、それぞれ圧電素子を備えた圧電アクチュエータである、
    請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の光走査装置。
  5. 前記第1支持部及び前記第2支持部は、それぞれトーションバーである、
    請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の光走査装置。
  6. 前記ミラー部が静止している場合の前記反射面に垂直に光ビームを照射する光源を備える、
    請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の光走査装置。
  7. 入射光を反射する反射面を有するミラー部と、前記ミラー部が静止している場合の前記反射面を含む平面内にある第1軸周りに前記ミラー部を揺動可能に支持する第1支持部と、前記第1支持部を介して前記ミラー部に接続され、前記第1軸周りに前記ミラー部を揺動させる第1アクチュエータと、前記平面内において前記第1軸に直交する第2軸の周りに前記ミラー部を揺動可能に支持する第2支持部と、前記第2支持部を介して前記第1アクチュエータに接続され、前記第2軸周りに前記ミラー部を揺動させる第2アクチュエータとを備えるマイクロミラーデバイスと、
    前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータに、それぞれ同一の駆動周波数を有する第1駆動信号及び第2駆動信号を与えることにより前記ミラー部を歳差運動させるプロセッサと、
    を備える光走査装置であって、
    前記マイクロミラーデバイスは、前記第1軸周りの共振周波数をf とし、かつ前記第2軸周りの共振周波数をf とした場合に、f <f の関係を満たし、
    前記ミラー部を前記第1軸周り及び前記第2軸周りに同時に駆動した場合に、前記第1軸周りの共振周波数がf からΔfだけ変化する特性を有し、
    前記駆動周波数をf とした場合に、f -Δf<f の関係を満たし、
    前記第1支持部及び前記第2支持部は、それぞれトーションバーである、
    光走査装置。
  8. 入射光を反射する反射面を有するミラー部と、前記ミラー部が静止している場合の前記反射面を含む平面内にある第1軸周りに前記ミラー部を揺動可能に支持する第1支持部と、前記第1支持部を介して前記ミラー部に接続され、前記第1軸周りに前記ミラー部を揺動させる第1アクチュエータと、前記平面内において前記第1軸に直交する第2軸の周りに前記ミラー部を揺動可能に支持する第2支持部と、前記第2支持部を介して前記第1アクチュエータに接続され、前記第2軸周りに前記ミラー部を揺動させる第2アクチュエータとを備えるマイクロミラーデバイスの駆動方法であって、
    前記マイクロミラーデバイスは、前記第1軸周りの共振周波数をfとし、かつ前記第2軸周りの共振周波数をfとした場合に、f<fの関係を満たし、
    前記ミラー部を前記第1軸周り及び前記第2軸周りに同時に駆動した場合に、前記第1軸周りの共振周波数がfからΔfだけ変化する特性を有し、かつf -Δf<f <1.008(f -Δf)の関係を満たし、
    前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータに、f-Δf<fの関係を満たす駆動周波数fを有する第1駆動信号及び第2駆動信号をそれぞれ与えることにより前記ミラー部を歳差運動させる、
    マイクロミラーデバイスの駆動方法。
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