JP7455843B2 - 非小細胞肺がんのバイオマーカーの検出 - Google Patents

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Description

本発明は、非小細胞肺がん(NSCLC)のバイオマーカーの検出に関する。
プロテオミクス研究の領域では技術面の進歩があるにもかかわらず、臨床に入っているバイオマーカーは一握りにすぎず、バイオマーカーの90%はタンパク質バイオマーカーである。本明細書中に記載する自己抗体バイオマーカーは、抗原に対する自己抗体であり、自己抗体は、個人自身のタンパク質(「自己」抗原)の1つ又は複数に対する、個人により産生される抗体である。バイオマーカーを臨床診療に用いるのが失敗している主要な理由のいくつかは、
1) がん疾患の診断の感度及び特異性が低いこと
2) 予後/予測値が低いこと
3) 臨床的な決定を下すのに重要ではないこと
4) 元々の主張が検証に失敗すること(偽発見)である。
非小細胞肺がん(NSCLC)については、多数の個別のタンパク質が、診断及び予後の補助となることが報告されているが、臨床的な使用に導入するのに十分な価値が示されているのはごくわずかである。更に、血清/血漿サンプルで発見されたタンパク質バイオマーカーは、その多くが他の疾患、特に他のがん及び炎症性疾患と重複すると考えられる。
したがって、本発明の目的は、非小細胞肺がんの検出のための自己抗体バイオマーカーの改善されたパネルを提供することである。
本発明の一態様において対象から抽出したサンプルから非小細胞肺がんを診断する方法であって、
(i)非小細胞肺がんに特異的な自己抗体バイオマーカーの存在についてサンプルを試験する工程と、
(ii)前記自己抗体バイオマーカーの検出に基づいて対象が非小細胞肺がんを有するかを決定する工程とを含み、
バイオマーカーがXAGE1D、LRRFIP2及びGAGE2Cを含む抗原に対する自己抗体であることを特徴とする、方法を提供する。
好都合なことに、自己抗体バイオマーカーは、非小細胞肺がんの診断に使用することができる。
一実施形態において、サンプルは、自己抗体バイオマーカーに対応する抗原のパネルを用いて試験する。典型的には、抗原はビオチン化タンパク質である。好都合なことに、ビオチン化により、抗原は、その正しい形態に確実にフォールディングされ、自己抗体バイオマーカーによる検出の精度を確実なものにする。
一実施形態において、抗原は、DDX53、DDX43、GAGE1、MAGEA10、ZNRD1、MAP2K5、MAGEA4、STAT1、CT47A1、IGF2BP3、CTAG2、RAD23B、FADD、PTPN20A、TPM1、CTAG1Aの1つ又は複数を更に含む。
全ての抗原が自己抗体応答を生成するわけではないこと、並びに所与のがん患者コホートにおいて、どの抗原がそうするかを演繹的に予測することは不可能であることは留意するべきであり-試験した1600種超の抗原のうち、上述の19種の抗原に対する自己抗体のみがNSCLCのバイオマーカーとして適切である。好都合なことに、NSCLCについてよく知られているEGFR試験が陰性である場合でも、19種の抗原のいくつかは、自己抗体バイオマーカーによって認識される。
一実施形態において、各ビオチン化タンパク質は、上記タンパク質とインフレームで融合されているビオチンカルボキシルキャリアタンパク質(BCCP)フォールディングマーカーから形成される。
一実施形態において、ビオチン化タンパク質は、ストレプトアビジンでコートされた基体に結合する。
好都合なことに、全長のタンパク質はインビボにおいて、融合パートナーが正しくフォールディングされていれば、それ自体がビオチン化するBCCPフォールディングマーカーに対する融合物として発現される。対照的に、ミスフォールディングされた融合パートナーは、BCCPをストレプトアビジン基体に結合できないように、「apo」(すなわち非ビオチン化)形態で維持させる。したがって、正しくフォールディングされた融合タンパク質のみがBCCPタグに付加したビオチン部分を介してストレプトアビジン基体に結合される。
一実施形態において、基体はガラススライド、バイオチップ、ストリップ、スライド、ビーズ、マイクロタイタープレートウェル、表面プラズモン共鳴支持体、マイクロ流体デバイス、薄膜ポリマー基層、ヒドロゲル形成ポリマー基層又は抗体抗原結合の検出に適切な任意の他のデバイス又は技術を含む。
一実施形態において、基体は、個人から抽出したサンプルに曝露されており、サンプル由来の自己抗体バイオマーカーが抗原に結合できるようになっている。
典型的には、サンプルは、エキソソーム、血液、血清、血漿、尿、唾液、羊水、脳脊髄液、母乳、精液又は胆汁のいずれか又は、これらの任意の組合せを含む。
好都合なことに、エキソソームはその起源の細胞を反映する膜結合タンパク質を含み、がんにおいて、腫瘍細胞と正常細胞との間のクロストークに関連することにより、悪性化プロセスを促進することが示されているため、エキソソームは診断及び予後マーカーの濃縮源として有望であることが見出されている。BCCPフォールディングマーカー技術を用いて検出されたエキソソーム自己抗体バイオマーカーは、したがって、従来のアプローチを用いて特定された血清学的なバイオマーカーの大部分と比較して潜在的に優れている。
一実施形態において、サンプルへの曝露後に、基体を蛍光タグ付き二次抗体に曝露し、パネル上の抗原に結合しているサンプル由来の任意の自己抗体の量を決定することが可能になる。典型的には、二次抗体は抗ヒトIgGであるが、他の二次抗体、例えば抗IgM、抗IgG1、抗IgG2、抗IgG3、抗IgG4又は抗IgAを使用してよいことは理解されるであろう。
一実施形態において、非小細胞肺がんの存在は、抗原に特異的に結合するサンプル由来の自己抗体の相対的又は絶対的な量に対応する。
一実施形態において、本方法はインビトロで行われる。
本発明のさらなる態様において、対象から抽出したサンプルから非小細胞肺がんを診断するためのキットを製造する方法であって、
パネル中の各抗原について、ビオチンカルボキシルキャリアタンパク質フォールディングマーカーを、抗原をコードし、得られるビオチン化抗原を発現させる遺伝子とインフレームでクローニングし、
1つ又は複数のストレプトアビジンでコートされた基体上のアドレス可能な位置にビオチン化抗原を結合させることにより、抗原アレイを形成する工程を含み、
パネル上の抗原に結合するサンプル由来の自己抗体の量を、基体をサンプルに曝露させ、応答を測定することにより決定できるようにし、
抗原がXAGE1D、LRRFIP2及びGAGE2Cを含むことを特徴とする、方法を提供する。
一実施形態において、抗原は、DDX53、DDX43、GAGE1、MAGEA10、ZNRD1、MAP2K5、MAGEA4、STAT1、CT47A1、IGF2BP3、CTAG2、RAD23B、FADD、PTPN20A、TPM1、CTAG1Aの1つ又は複数を更に含む。
一実施形態において、方法は、1つ又は複数の自己抗体バイオマーカーの上方制御/下方制御を検出することを含む。したがって、方法は、肺がんについて化学/標的化/免疫療法を受けている対象の応答をモニタリングし、対象をその自己抗体プロファイルに基づいて層別化するのに使用することができる。
本発明のさらなる態様において、本明細書中に記載する抗原のパネルを含む組成物を個人から抽出したサンプルに曝露し、抗原に結合しているサンプル由来の自己抗体のレベルを決定することにより、非小細胞肺がんを検出する方法を提供する。
発明のなおさらなる態様において、本明細書中に記載する抗原のパネルを含む組成物を個人から抽出したサンプルにインビトロで曝露し、抗原に結合しているサンプル由来の自己抗体のレベルを決定することによって、非小細胞肺がんを診断する方法を提供する。
本発明のさらなる態様において、非小細胞肺がんを検出するための抗原のパネルを含む組成物であって、抗原がXAGE1D、LRRFIP2及びGAGE2Cを含むことを特徴とする、組成物を提供する。
一実施形態において、抗原は、DDX53、DDX43、GAGE1、MAGEA10、ZNRD1、MAP2K5、MAGEA4、STAT1、CT47A1、IGF2BP3、CTAG2、RAD23B、FADD、PTPN20A、TPM1、CTAG1Aの1つ又は複数を更に含む。
一実施形態において、抗原はビオチン化タンパク質である。
一実施形態において、インビトロで患者由来のサンプル中の抗原に結合している1つ又は複数のエキソソーム自己抗体バイオマーカーの量を測定し、非小細胞肺がんの存在を決定することができる。
本発明のなおさらなる態様において、非小細胞肺がんを検出するためのエキソソーム自己抗体バイオマーカーのパネルを含む組成物を提供し、
ここで、エキソソーム自己抗体バイオマーカーのレベルはNSCLC患者由来のサンプルにおいて測定され、
エキソソーム自己抗体バイオマーカーは、少なくともXAGE1D (X Antigen Family Member 1D)、LRRFIP2(LRR Binding FLII Interacting Protein 2)及びGAGE2C(G Antigen 2C)に特異的な自己抗体から選択されることを特徴とする。
本発明の可能な配置を説明する添付の図面に関して本発明を更に記載することが好都合である。本発明の他の配置が可能であり、結果として添付の図面の特性は、本発明の先行する記載の一般性に取って代わるものとして解釈されるべきではない。
大腸菌(E. coli)ビオチンカルボキシルキャリアタンパク質ドメインの構造を示す。 NSCLC試験から特定した19種のバイオマーカー間の変数重要度スコアを示すグラフである。 19種のバイオマーカーのROC曲線を示す。 NSCLCの異なるステージにおける自己抗体バイオマーカーのレベルを示すグラフである。 患者におけるEGFR状態に関して、コアバイオマーカーパネル(XAGE1D、LRRFIP2及びGAGE2C)のレベルの比較を示す。 NSCLCの3つの異なるステージにおけるバイオマーカーのコアセットの全体的な自己抗体プロファイルを示す。 NSCLC患者の19種の最終候補バイオマーカーの特徴的な分子シグネチャーを示す。 ベクターとして使用された、pPRO9プラスミドを示す。 NSCLCの19種の最終候補バイオマーカー(XAGE1D、DDX53、GAGE2C、LRRFIP2、GAGE1、DDX43、MAGEA10、ZNRD1、STAT1、MAP2K5、MAGEA4、IGF2BP3、FADD、RAD23B、CT47A1、CTAG2、PTPN20A、TPM1、CTAG1A)のROC曲線を示す。 検証試験における7つのバイオマーカーのパネルのROC曲線を示す。 検証試験における19種のバイオマーカーのROC曲線を示す。
材料及び方法
遺伝子合成及びクローニング。pPRO9プラスミド(下記図8を参照のこと)は、標準的な技術により構築され、マルチクローニングサイトが先行するc-mycタグ及びBCCPタンパク質ドメインからなる。合成遺伝子インサートを、合成オリゴヌクレオチド及び/又はPCR産物から構築した。フラグメントを、SpeI及びNcoIクローニング部位を使用してpPRO9中にクローニングした。プラスミドDNAを形質転換した細菌から精製し、濃度をUV分光測定により決定した。最終構築物をシーケンシングにより検証した。使用した制限部位内の配列一致度は100%であり、5μgのプラスミド調製物を保存用に凍結乾燥した。
組換えバキュロウイルスを、強力なウイルスポリヘドリンプロモーターを有するバクミドを、目的のタンパク質のコード配列を有するトランスファーベクターとともに、親ツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda)細胞株IPLB-Sf-21-AEに由来するクローン化単離物であるSf9細胞株中に共トランスフェクションすることにより作製する。ウイルスシステムにより開始する相同組換えにより、トランスフェクションした細胞が培養インキュベーションの数日以内に、ウイルス細胞変性効果(CPE)の兆候を示すようになる。観察された最も一般的なCPEは、平均細胞サイズの有意な拡大であり、これはウイルス後代増殖の結果である。P0として知られているバキュロウイルスを次いで培養培地中に放出し、ウイルス増幅を行い、より高い力価のP1ウイルスを生成した。
タンパク質発現。発現は、ウェル当たり6x106のSf9細胞を含む3mlの培養物を用いて、24ウェルブロック中で行った。組換えバキュロウイルスの高力価、低い継代のウイルスストック(>107pfu/ml)を用いてsf9昆虫細胞を感染させた。感染細胞を次いで72時間培養し、目的の組換えタンパク質を産生させることを可能にする。細胞をPBSで洗浄し、緩衝液中に再懸濁し、必要に応じて溶解するように準備して、-80℃にて一定分量ずつ凍結した。トランスファーベクター構築物及びタンパク質自体の性質によって、組換えタンパク質溶解物を、培養細胞又は培養培地のいずれかから沈殿化させてよい。陽性組換えタンパク質を次いで、SDS-PAGE及びストレプトアビジン-HRP抗体に対するウェスタンブロットにより解析した。合計で1630のヒト抗原をクローニングし、この方法を用いて発現させた。
アレイ作製。HS(ヒドロゲル-ストレプトアビジン)スライドをSchott社から購入し、ビオチン化タンパク質をプリントするのに使用した。合計9ナノリットルの粗タンパク質溶解物を、非接触圧プリント技術を用いて、4つ組でHSスライド上にプリントした。7.0から7.5のpHを有するプリント緩衝液を使用した。洗浄及びブロッキングを開始する前に、スライドを遠心分離(200×g、5分間)により乾燥させた。プリントしたアレイを、リン酸緩衝液中にBSA又はカゼイン(濃度0.1mg/ml)を含む溶液を用いてブロッキングした。pHを7.0から7.5に調整し、冷溶液(4℃~20℃)を使用した。スライドは洗浄と洗浄の間で乾燥しないようにしており、光から保護した。合計で、それぞれの得られた「Immunomeアレイ」は、1630の抗原を含んでおり、それぞれが4つ組でプリントされていた。
試験手順。Immunomeアレイを実行するそれぞれの重要な試験工程は、操作者のバイアスを低減するために、手順中の全ての工程を徹底的にチェックし、正確に記録し、照合確認するための第2の訓練された人材を必要としていた。サンプルを採集して無作為化し、適宜アッセイラックに割り当てた。次いでこれらのサンプルを試験の設定が完了するまで、-20℃で保存した。
1.試験コホート
29から85歳の209人の参加者を含むコホートを試験に採用した。対象は、腺癌、扁平上皮癌、非小細胞肺癌、大細胞癌及び他の種類の肺悪性腫瘍を含む異なる種類の肺がんと診断された、6超の民族間で選択した。合計で31人の患者が、初期ステージの肺がんと診断され、同時に78人の患者が後期ステージの肺がんと診断された。合計で33人の対象が喫煙者であり、44人の対象は非喫煙者であった。EGFRを試験し、30人の対象において陽性であり、39人の対象において陰性であった。年齢及び性別を適合させた健常対象由来の合計で100のサンプルも収集した。
2.サンプル調製
合計で209の血漿サンプルを、上記のコホートから収集し、エキソソームをInvitrogen Total Exosome Isolation kit (Thermo Fisher社、カタログ番号4484450)を用いて各サンプルから単離した。エキソソーム調製物は、使用するまで-20℃で凍結した。
エキソソームサンプルを+20℃に設定した振盪インキュベーター中に配置し、30分間融解させた。完全に融解すると、各サンプルを全速力で3回激しくボルテックスし、微量遠心機を使用して3分間13,000 rpmで遠心沈殿した。サンプル22.5μLを0.1% v/v Triton、0.1% w/v BSAをPBS (20℃)中に含む血清アッセイ緩衝液(SAB、Serum Assay Buffer)4.5mLにピペット添加し、ボルテックスにより3回混合した。吸引時にチューブを傾け、血漿が最上部の脂質層の下部から確実にサンプリングされるが、沈降物が存在する場合に備えてチューブの底部に接触しないようにした。このエキソソーム希釈プロセスは、クラスII生物学的安全キャビネット中で行った。バッチ記録を適宜マーキングし、正しいサンプルが正しいチューブに確実に添加されるようにした。
他の種類のサンプル、例えば、血清、血漿、血液、尿、唾液、羊水、脳脊髄液、母乳、精液又は胆汁をアッセイ前に上記の手順の通りに希釈した。
3.バイオマーカーアッセイ
各タンパク質マイクロアレイを鉗子を用いて保存緩衝液から除き、200mLの冷SABを含むスライドボックス及びラックに配置し、50rpmで、5分間オービタルシェーカー上で振盪した。洗浄後、各タンパク質マイクロアレイを、アレイ面を上にして、予め希釈した個別の血漿を含むスライドハイブリダイゼーションチャンバー中に配置した。全てのスライドをバーコードスキャナーを用いて、関連するバッチレコードにスキャンし、20℃、50rpmで2時間水平シェーカー上でインキュベーションした。
4.血漿結合後のアレイ洗浄
タンパク質マイクロアレイスライドを次いで、個別の「パップジャー」中で30mLのSABにより2回リンスし、次いで室温で、50rpmにてシェーカー上で20分間、スライド染色ボックス中で200mLのSAB緩衝液によりリンスした。全てのスライドを連続して同じ方向でトランスファーした。
5.Cy3-抗IgGとのインキュベーション
複製Immunomeアレイ上の配列した抗原に対する自己抗体の結合は、製造者の推奨する手順(GE Healthcare社)にしたがって標識したCy3-ウサギ抗ヒトIgG(Dako Cytomation社)とのインキュベーションにより検出した。アレイを、Cy3-ウサギ抗ヒトIgG溶液の混合物(SAB緩衝液中で1:1000に希釈)を含むハイブリダイゼーション溶液中に浸漬し、50rpm、20℃で2時間振盪した。
6.Cy3-抗IgGとのインキュベーション後の洗浄
インキュベーション後、各スライドを200mLのSAB緩衝液中で50rpm、室温で振盪しながら5分間、3回洗浄した。過剰な緩衝液を、スライドを数分間200mLの純水中に浸漬することにより除いた。次いでスライドを240g、室温で2分間乾燥させた。スライドを次いで、スキャン(同日が好ましい)まで室温で保存した。ハイブリダイゼーションシグナルを、マイクロアレイレーザースキャナー(Agilent Scanner)を用いて10μmの解像度で測定した。蛍光強度を、製造者の指示にしたがって検出し、それにより、各スポットをAgilent Feature Extractionソフトウェアを用いてプロットする。
スポット区分化。半自動QCプロセスを、実行可能な結果を得るために行った。マイクロアレイスキャナーからの出力は生の.tiff形式の画像ファイルである。アレイ上の各スポットの抽出及び定量は、GenePix Pro 7ソフトウェア(Molecular Devices社)を用いて行った。アレイのGAL(GenePix Array List)ファイルを画像解析の補助のために作成した。GenePix Pro 7により、データ抽出のための自動的なスポットのグリッド合わせ及びアレイ上の各スポットの配列が可能になる。データ抽出後、GenePix Results(.GPR)ファイルを各スライドについて作成し、これは、各スポットの数値情報、タンパク質ID、タンパク質名、前景強度、背景強度等を含む。
バイオインフォマティクス解析
画像解析 生データ抽出
画像解析の目的は、各プローブスポット内の全てのピクセルの中央強度を測定することによって、血漿サンプル中に存在する自己抗体の量を評価することである。生の.tiff形式画像ファイルを各スライド、すなわち各サンプルについて作成する。アレイ上の各スポットの自動的な抽出及び定量は、アレイ上の各プローブスポットについて統計を出力するGenePix Pro 7ソフトウェア(Molecular Devices社)を用いて行う。これは、その局所的背景とともに、スポット内のピクセル強度の平均値及び中央値を含む。アレイについて、画像解析の補助となるようにGAL(GenePix Array List)ファイルを作成する。このファイルは、アレイ上の全てのプローブスポット及びその位置の情報を含む。データ抽出後、GenePix Results(.GPR)ファイルを各スライドについて作成し、これは、各スポットの情報、タンパク質ID、タンパク質名、前景強度、背景強度等を含む。試験から作成したデータシート中に、各スポットの前景及び背景の強度両方を、相対蛍光強度(RFU)で示す。
データ取り扱い及び前処理
各スライドについて、タンパク質及び対照のプローブを4つ組-各スライドにつき4つのアレイでスポットする。次の工程を行い、データ解析に進む前に、タンパク質アレイデータの品質を確認する、
工程1:
各スポットの前景シグナル強度から、背景シグナル強度を減算することにより、各スポットの純強度を算出する。各スポットについて、背景シグナル強度は、スポットの中心の、スポットの直径の3倍の環形領域を用いて算出した。
工程2:
RFU≦0の複製スポットを除去する。
工程3:
1つの複製スポットのみが残存している場合、純強度は0である。
工程4:
変動係数のパーセント比率(CV%)を算出し、各スライド上の複製スポット間の変動を決定する。
Figure 0007455843000001
2つ以下の複製のみが残存しており、CV%>20%の複製スポットのセットを「高CV」としてフラッグ立てする。これらの複製スポット(すなわちタンパク質)の平均RFUは、下流の解析から除外する。
CV%>20%であり、3つ以上の複製スポットが残存しているタンパク質/対照について、この高いCV%値をもたらす複製スポットをフィルタリングにより除いた。これは、複製スポットの各セットについて、純強度と個別の純強度との中央値の間の標準偏差を算出することにより行った。最も高い標準偏差を有するスポットを除いた。CV%値を再算出し、プロセスを繰り返した。
工程5:
残存複製スポットについて純強度の平均値を算出する。
工程6:
2つの陽性対照、IgG及びCy3-BSAのシグナル強度を検査する。
工程7:
分位数ベース及び総強度ベースのモジュールの両方を用いて、データを混合式に正規化する。この方法は、異なるサンプルが、それらの中のフラッグ立てスポットが存在する可能性を考慮に入れながら、その対照プローブの共通の根底の分布を共有すると仮定している。Immunomeアレイは、Cy3標識化ビオチン化BSA(Cy3-BSA)複製物をスライド間の陽性対照スポットとして使用している。したがって、これは任意の所与の試験のシグナル強度正規化用ハウスキーピングプローブとして考えられている。
分位数モジュールは、Bolstadら、2003年により記載されているアルゴリズムを採用している。この再組織化により、任意のCy3BSA対照プローブの外れ値又はフラッグ立てスポットの検出及び取り扱いが可能になる。総強度ベースモジュールを次いで実施し、各サンプルのスケール係数を得た。この方法は、正規化後に、陽性対照は全てのサンプル間で共通の総強度値を有するはずであると仮定している。この混合式の方法は、サンプル間の標的化した生物活性を保持しながら、その測定値の変動からタンパク質アレイデータを正規化することを目的としている。工程は次の通りである:
全てのサンプル間の全cy3BSAの分位数ベースの正規化
(i=スポット数及びj=サンプル数)
1.全サンプルj間の全Cy3-BSAをiXjマトリクスXにロードする
2.Xの各行jにスポット強度を分別して、Xsortを得る
3.Xsortの各列i間の平均値を取って、<Xi>を得る。
強度ベースの正規化
1.各列i間の平均値の合計を算出する、Σ<Xi>
2.各サンプルkについて、全Cy3-BSA対照の合計を算出する、ΣXk
3.各サンプルkについて、
Figure 0007455843000002
データ解析
高濃度の配列したタンパク質は、血清学アッセイにおいて「偽」陽性シグナルを生じ得ることが時折あり、これは濃度駆動性の非選択的な免疫グロブリンの標的への結合によるものである。これは、理論的には結合活性効果、高密度の固定化したタンパク質の結果として、特定のタンパク質上の弱い非特異的な免疫グロブリン結合部位が抗体を介して複数の隣接するタンパク質分子間で結合することによるものであり、これによりタンパク質が高度に抗原性であるように見える。この現象が生じる場合はいつでも、健常対照サンプルにおいて観察されることが期待され、アレイ上では高強度のシグナル及び/又は飽和に近いシグナルを生じる。Sengenics社のImmunomeにおいて、RBPJ及びIGHG1のようなタンパク質は、一貫して全サンプル間で高いシグナル強度を示す。
この理由により、サンプルコホートのサンプル数(すなわち100~200のサンプル)及び利用可能性が大きい場合、浸透ベース倍数変化(pFC)解析方法を、各ケースサンプルにおいて高発現しているタンパク質を特定するために実施する。この方法は、タンパク質特異的な閾値(すなわち背景閾値)を設定することにより、データから任意の偽陽性シグナルを取り除く。この規定したタンパク質ごとの背景閾値は、健常対照サンプルの所与のコホートについて測定された各特定のタンパク質のシグナル強度に基づいて算出する。この方法の工程ごとの記載は次の通りである:
工程1:
ケース及び対照の両方について、個別の倍数変化を、各サンプル中の各タンパク質についてのRFU値Hを、全対照サンプル間の各タンパク質のRFU値の平均値(すなわち背景閾値)によって割ることで算出する。
Figure 0007455843000003
工程2
個別の倍数変化が背景閾値の2倍未満であるタンパク質について、そのシグナル強度(RFU)を0に置換する。
工程3
浸透頻度(個別の倍数変化が≧2倍のケース及び対照サンプルの数)をケース(頻度ケース)及び対照(頻度対照)の両方について、その差異とともに各タンパク質について決定する。
頻度Case=n(個別のFC(ケース))≧2) 等式4
頻度Control=n(個別のFC(対照))≧2) 等式5
頻度diff=頻度Case-頻度Control 等式6
工程4
ケース群及び対照群の両方の浸透倍数変化を各タンパク質について算出する。
Figure 0007455843000004
HCase[i]=FCケース≧2倍のHCase
HControl[i]=FC対照≧2倍のHControl
潜在的なバイオマーカーを特定し、次の基準にしたがってランキングする
1.浸透倍数変化Case≧2、
2.%頻度Case≧10%
%頻度差異≧10%
本発明は、上記及び欧州特許第1470229号に記載されているように、目的のタンパク質をコードする遺伝子とインフレームでクローニングされているビオチンカルボキシルキャリアタンパク質(BCCP)フォールディングマーカーを使用している。大腸菌BCCPドメインの構造は図1に示し、ここで残基77~156が図示され(コーディネイトファイル1bdo)、N-末端及びC-末端並びにインビボにおいてビオチンリガーゼによりリジン122に結合する単一ビオチン部を示している。
BCCPはタンパク質フォールディングマーカーとしてだけではなく、タンパク質可溶性促進剤としても作用する。BCCPは目的のタンパク質のN-末端又はC-末端のいずれかに融合し得る。全長タンパク質は、インビボでビオチン化するが、これはタンパク質が正しくフォールディングされている場合のみであるBCCPフォールディングマーカーへの融合物として発現する。対照的に、ミスフォールディングされたタンパク質は、BCCPをミスフォールディングさせ、ホストビオチンリガーゼによりビオチン化できないようにする。これにより、ミスフォールディングされたタンパク質は、ストレプトアビジンコート固体支持体に特異的に結合することができない。このため、正しくフォールディングされたタンパク質のみがBCCPタグを介して固体支持体に結合する。
支持体の表面化学は注意深く設計され、3次元の薄膜ポリマー基層(ポリエチレングリコール、PEG)を使用していてもよく、これは、タンパク質スポット形状を維持し、アレイ間の一貫したスポットサイズを保証する。PEGレイヤーは、非特異的な結合を阻害し、それにより他のプラットフォームを使用すると観察される高い背景を低減させる。選択したバイオマーカーを固定化するのに使用される固体支持体はしたがって、非特異的な背景結合を最小化することによって、非特異的な高分子の吸着に抵抗し、優れたシグナル対ノイズ比率及び検出の低い限界値(すなわち改善された感度)を示すように設計されている。更にPEGレイヤーはまた、固定化後の配列したタンパク質及びタンパク質複合体のフォールディングされた構造及び機能性を保持する。これは正確な診断にとって重要であり、これは、ヒト血清抗体は一般的にフォールディングされていないタンパク質の露出した疎水性表面に非特異的に結合し、それによりフォールディングされていないタンパク質のアレイ上の血清学的なアッセイにおいて偽陽性を生じることが知られており、更に、ヒト自己抗体は典型的には非連続的なエピトープに結合し、そのためフォールディングされていないタンパク質又はミスフォールディングされたタンパク質のアレイ上の血清学的なアッセイはまた、自己抗体結合アッセイにおいて偽陰性を生じるためである。
ストレプトアビジンコート表面に結合したビオチン化タンパク質は無視できる程度の解離を示すため、この相互作用は、タンパク質を平面状の表面に係留するための優れた手段を提供し、タンパク質アレイ、SPR及びビーズベースのアッセイ等の応用に理想的である。小型のフォールディングされたビオチン化された80残基ドメインのBCCPの使用により、例えばAviTag及びインテインベースのタグを上回る2つの著しい利点が得られる。第一に、BCCPドメインは大腸菌ビオチンリガーゼを共発現する必要なく、酵母、昆虫及び哺乳類細胞において効率的にビオチン化されることを可能にする真核生物ビオチンリガーゼにより交差認識される。第二に、BCCPのN-末端及びC-末端は、物理的にビオチン化部位から50Å分離しており(図1に示す)、そのためBCCPドメインは、組換えタンパク質を固体支持体表面から離れて提示し、それにより固定化による任意の有害効果を最小化する茎状物質と考え得る。
最も複雑なタンパク質であってさえも、BCCPフォールディングマーカーを介する発現の成功率は98%を超えている。したがって、本技術は機能検証されたタンパク質のハイスループットの高度に一貫した産生をもたらす高度に並列化したパイプラインに応用し得る。
BCCPの付加により、インビボのビオチン化の程度を測定することにより、融合タンパク質フォールディングをモニタリングすることが可能になる。これはSDS-PAGE又はインサイチュコロニー溶解及びサンプルの膜へのトランスファーを用いた標準的なブロッティング手法、それに次ぐ、ストレプトアビジン結合物、例えばストレプトアビジンセイヨウワサビペルオキシダーゼを用いたビオチン化タンパク質の検出によって測定し得る。更に、BCCPドメインがインビボでビオチン化されるという事実は、特にタンパク質アレイの作製のためのタンパク質精製の多重化の際に有用であり、これは、ストレプトアビジン表面により示される高い親和性及び特異性により、単一工程で同時にタンパク質を細胞溶解物から精製し、固定化することができるためである。
本発明のバイオマーカーはNSCLCの初期診断、患者の層別化及び処置モニタリングに使用し得る。これは症状の任意の識別可能な顕在化を含み、NSCLCを有さないことも含まれる。試験は、患者におけるNSCLCの存在又は非存在、NSCLCを発症するリスク、NSCLCのステージ又は重症度及びNSCLCの処置の効果又はそれに対する応答を決定し得る。この状態に基づいて、さらなる医学的手順、例えばさらなる診断試験又は治療手順又はレジメンを示し得る。
マイクロアレイプロトタイプ及び最終産物は、他の免疫アッセイシステムの技術的な能力をはるかに超えて多重化することができ、これによりNSCLCの患者及び高リスク集団の極めて感度の高い特異的な試験が可能になるであろう。
状態を正しく予測する診断試験の能力は一般的に、アッセイの感度及び特異性又は受診者動作特性(「ROC」)曲線下面積として測定される。感度は、陽性であると正しく予測されている真陽性のパーセント比率であり、特異性は、陰性であると正しく予測されている真陰性のパーセント比率である。ROC曲線下面積が大きいほど、試験の予測能力は高くなる。
自己抗体バイオマーカーは、浸透倍数変化方法により決定し、ここで年齢適合対照を、肺がん患者における個別のバイオマーカーの上昇頻度(≧2の倍数変化)を観察するためのベースラインと考えている。ここでNSCLCの診断について特定されたバイオマーカーのリストをTable 1(表1)に示す。
Figure 0007455843000005
肺がんに対する個別のバイオマーカーの感度を評価するために、ROC及び曲線下面積(AUC)、95%信頼区間及びまた尤度比を、Table 2(表2)に示すように算出した。変数ランキングを、19種のバイオマーカーの全ての組合せを分離したパネルとして使用して行い、各パネルは、ランダムフォレストを作成することにより再帰的特徴消去に供した。バイオマーカーを各パネルに由来するランダムフォレスト推定変数重要度測定に基づいてランキングした(図2を参照のこと)。平均変数重要度スコアにより、全てのバイオマーカーパネル間で共通しているバイオマーカーの3つのコアセット、すなわちXAGE1D、LRRFIP2及びGAGE2Cが決定される。
Figure 0007455843000006
合計で19種の潜在的な自己抗体バイオマーカーすなわち、XAGE1D、PTPN20A、TPM1、CTAG1A、RAD23B、ZNRD1、LRRFIP2、STAT1、MAGEA10、CTAG2、GAGE1、GAGE2C、DDX43、MAGEA4、MAP2K5、FADD、IGF2BP3、CT47A1、DDX53がNSCLCの診断について特定された。Uniprot ID、記載、ヌクレオチド配列及びタンパク質配列は下記のTable 5(表5)に示す。
Immunomeアレイは、>1630の抗原を含み、これらは上述したようにフォールディングされた機能的な形態でアレイ表面上に提示されている。注目すべきことに、試験した>1630の抗原の集団のうち、どの特定の19種の抗原がNSCLCについて特徴的な測定可能な自己抗体応答を生じるかは演繹的には明らかであったものではないであろう。
19種の自己抗体バイオマーカーに対応する19種の抗原のこのパネルにおいて、CTAG2は、メラノーマ、非小細胞肺がん、膀胱、前立腺及び頭頚部がんの腫瘍サンプルの25~50%において観察される。CTAG1Aは、種々の種類のがんにおいて見られる腫瘍細胞抗原であり、これによりがんワクチンの良好な候補となっている。
ZNRD1は、2つの潜在的な亜鉛結合モチーフを含み、細胞増殖の制御に役割を果たし得る。コードされたタンパク質は、がん及びヒト免疫不全ウイルス進行に関連し得る。
XAGE1D及びMAGEA4 RNAマーカーは、肺がんの存在を検出するための肺腫瘍のスクリーニングにおける使用が考えられていた。正常組織において、XAGE1Dは精巣において高発現しており、乳がん、前立腺がん及び多数の種類の肺がん、例えば扁平細胞癌、小細胞癌、非小細胞癌及び腺癌並びに、ユーイング肉腫患者サンプルのいくつか及び1つの胞巣状横紋筋肉腫患者サンプルの1つにおけるユーイング細胞株において高発現している。MAGEA4は、いくつかの種類の多くの腫瘍、例えばメラノーマ、頭頚部扁平細胞癌、肺癌及び乳癌において発現しているが、精巣及び胎盤を除く正常組織では発現していない。
LRRFIP2は、Wntシグナル伝達経路に関連しており、異常なWntシグナル伝達は、ヒトにおける広範の病理の根底にある。Wntシグナル伝達経路は、幹細胞生物学、心臓発生及び分化、血管新生、心肥大、心不全及び加齢において重要な機能を有することが提示されている(Rao&Kuhl、2010年)。GAGE2Cは、種々の腫瘍で発現しているが、精巣を除く正常組織で発現していない遺伝子のファミリーに属する。
PTPN20Aは、多くの細胞株に(タンパク質レベルで)存在し、広範に発現している。TPM1は原発性の乳がん組織において検出されるが、スーダン人の患者の正常胸部組織では認識できない。アイソフォーム1は、成人及び胎児の骨格筋及び心組織において発現し、心組織においてより高く発現する。アイソフォーム10は成人及び胎児の心組織において発現しているが、骨格筋において発現していない。
DDX53、STAT1及びFADD発現レベルは、後期ステージ群において上昇していた。DDX53は、多数の腫瘍において広範の発現を示すがん-精巣抗原である。DDX53はEGFRと相互作用し、EGFRのプロモーター配列に結合することが報告されている。シグナル伝達性転写因子(STAT、Signal transducer and activator of transcription)1は、(JAK)/STATシグナル伝達キャスケードの一部であり、全ての種類のインターフェロン(IFN)に対する応答を介在する上で必須な役割について最もよく知られている。STAT1タンパク質発現レベルと不良の予後、浸潤性及び転移性の潜在能力の上昇との相関が、3つの乳がん試験において報告されている(Meisslら、2017年)。STAT1は腫瘍進行を促進することができ、したがってがん進行の潜在的なマーカー又は指標であり得ると結論付けられている(Meisslら、2017年)。FADDのリン酸化は、KRAS誘導肺がんを促進する(Bowmanら、2015年)。Fas結合デスドメインタンパク質(FADD、Fas-associated death domain protein)は、デスレセプターによって送達されるアポトーシスシグナルを伝達する重要なアダプター分子である。ヒトNSCLCによるFADDの放出は、腫瘍進行及び攻撃性の両方と正に相関し、不良な予後の新しいマーカーであり得ることもまた報告されている(Ciminoら、2012年)。
がん-精巣抗原は、精巣及び時折胎盤を除く全ての体細胞組織においてサイレンシングされているが、がん組織において異常発現し得ることにより、自己抗体応答を引き起こす、>1000の高度に発生的に制限されている胎児タンパク質のファミリーである(Wangら、2016年、Silvaら、2017年)。Immunomeアレイは、202のがん-精巣抗原を含み、これは、上述したようにフォールディングされた機能的な形態でアレイ表面上に提示されている。着目すべきことに、ここで特定された非小細胞肺がんの19種の自己抗体バイオマーカーは、がん-精巣抗原について有意に濃縮されているが、試験した202の集団のうち、どの特定の10のがん-精巣抗原がNSCLCについて特徴的な測定可能な自己抗体応答を生じるかは演繹的には明らかであったものではないであろう。
肺がん診断を検証する最良の方法は、単一のバイオマーカーアプローチよりもむしろ、複数のバイオマーカーアプローチを含む。
図3に示すように、受診者動作特性(ROC)曲線を、19種のバイオマーカーの個別の倍数変化に基づいて算出し、肺がん患者に対するバイオマーカーの感度を示した。それぞれについて、曲線下面積(AUC)、95%信頼区間(CI)及び個別の倍数変化の最適カットオフ(カットオフ(IFC)を、Lopez-Ratonら(2014年)に記載されている方法に基づいて、「最適カットポイント」Rパッケージを使用して算出した。CI及び最適カットオフ値は、肺がん患者の陽性又は陰性の試験結果を示すことにより、バイオマーカーの診断能を決定する手助けとなる。19種のバイオマーカーのパネルのROC曲線を図9に示す。
図4は、浸透倍数変化(pFC)方法により決定された自己抗体バイオマーカーを示し、ここで、年齢適合対照が肺がん患者における個別のバイオマーカーの上昇した頻度(≧2の倍数変化)を観察するためのベースラインと考えられている。データは、健常対照(Ctrl)、初期ステージ肺がん患者(初期)及び後期ステージ肺がん患者(後期)の間のpFC方法により特定された19種のバイオマーカーの正規化RFU値(Table 6(表6))のプロファイリングから作成した。
図5は、コア自己抗体バイオマーカーパネル(抗原XAGE1D、LRRFIP2及びGAGE2Cに対する自己抗体)レベルの、患者におけるEGFR状態に関する比較を示す。データは、健常対照(対照)、初期ステージ肺がん患者(初期stg)及び後期ステージ肺がん患者(後期stg)の間の(ランダムフォレストを用いた変数ランキングに基づいて特定された)バイオマーカーの3つのコアセットの正規化RFU値の比較から作成した。患者コホートをEGFR変異状態に基づいて、すなわち陽性(EGFR変異を有する患者)、陰性(EGFR変異を有さない患者)、不明(EGFR変異状態が不明の患者)についてサブ分割した。後期ステージNSCLCにおいて、初期ステージNSCLC及び対照と比較して、抗原特異的な自己抗体レベルの全体的な上昇が観察された。
同様の観察は図6において見られ、ここで、データは健常対照(Ctrl)、初期ステージ肺がん患者(初期)及び後期ステージ肺がん患者(後期)に対する(ランダムフォレストを用いた変数ランキングに基づいて特定された)バイオマーカーの3つのコアセットの正規化RFU値の比較から作成した。
更に、後期ステージNSCLCにおける抗原特異的な自己抗体レベルの上昇は患者のEGFR状態とは独立している。更に、図7を更に参照すると、対照と比較して、XAGE1D、CTAG1A、CTAG2、GAGE1及びGAGE2Cに対する自己抗体において特徴的な差異が初期及び後期ステージNSCLCにおいて観察された。pFC方法により特定された19種のバイオマーカーについて、全ての健常対照(対照)、初期ステージ肺がん患者(初期Stg)及び後期ステージ肺がん患者(後期Stg)の間の個別の倍数変化の教師なしクラスタリングを行った。クラスタリングは、ウォード法及びユークリッド距離に基づいて算出した距離に基づいて、バイオマーカーについて行った。ヒートマップの上部の影付きバーは患者コホート、すなわち対照、初期ステージ及び後期ステージサンプルを表す。
フェーズ1試験から特定された19種の抗原を含むカスタムアレイを用いた検証試験
タンパク質発現
フェーズ1発見試験(上記参照)から特定された19種のBCCPタグ付き抗原(XAGE1D、CTAG2、CTAG1A、STAT1、DDX53、MAGEA4、IGF2BP3、MAGEA10、LRRFIP2、ZNRD1、PTPN20A、RAD23B、CT47A1、MAP2K5、FADD、GAGE1、DDX43、GAGE2C及びTPM1)を、上述したように(上記参照)昆虫細胞培養物において発現させた。細胞を回収し、上記のように溶解した。
カスタムアレイ作製
19種のBCCPタグ付き抗原のそれぞれに対する粗製の昆虫細胞溶解物をソースプレートの個々のウェルに一定量ずつ小分けし、ストレプトアビジンコートヒドロゲルスライド(Schott社、HSスライド)上にロボットによりプリントし、タンパク質マイクロアレイを形成した。19種の抗原のそれぞれを1つのアレイ上に3つ組でプリントした。16の複製アレイを7.5X2.5cm HSスライドの分離した領域にプリントした。プリント後、上記のようにアレイを洗浄し保存した。
試験コホート
126人の後期ステージNSCLC患者、30人の初期ステージNSCLC患者及び83人の年齢適合健常対照の独立したコホート由来の血漿サンプルを用いて、上述したように作製したカスタムアレイを用いて、フェーズ1試験からの19種の最終候補抗原を検証した。
サンプル調製、データ取り扱い及びQC
各血漿サンプルについて、サンプル22.5μLを、0.1% v/v Triton X-100、0.1% w/v BSAをPBS(20℃)中に含む血清アッセイ緩衝液(SAB)4.5mLにピペット添加し、ボルテックスにより3回混合した。次いで希釈した血漿をカスタムタンパク質マイクロアレイ上で、本質的には上述したようにアッセイした。端的には、各カスタムタンパク質マイクロアレイを鉗子を用いて保存緩衝液から除き、200mLの冷SABを含むスライドボックス中に配置し、50rpmで、5分間オービタルシェーカー上で振盪した。次いで、スライドを、アレイ面を上にして、上述したように希釈した個別の血漿を含むスライドハイブリダイゼーションチャンバー中に配置した。全てのスライドを、バーコードスキャナーを用いてスキャンし、20℃、50rpmにて2時間水平シェーカー上でインキュベーションした。各タンパク質マイクロアレイスライドを、次いで30mLのSABで2回、次いで50rpm、室温にてシェーカー上で20分間、200mLのSAB緩衝液でリンスした。全てのスライドを連続して同じ方向でトランスファーした。次いでアレイをCy3-ウサギ抗-ヒトIgG(SAB緩衝液中で1:1000に希釈)を含むハイブリダイゼーション溶液中で、50rpm、20℃で振盪しながら2時間浸漬した。
インキュベーション後、スライドを200mLのSAB緩衝液中で、50rpm、室温で振盪しながら5分間、3回洗浄した。過剰な緩衝液を、スライドを数分間200mLの純水中に浸漬することにより除いた。次いでスライドを240g、室温で2分間乾燥させ、スキャンまで室温で保存した。ハイブリダイゼーションシグナルを、マイクロアレイレーザースキャナー(Agilent Scanner)を用いて10μmの解像度で測定した。蛍光強度を、製造者の指示にしたがって検出し、それにより、各スポットをAgilent Feature Extractionソフトウェアを用いてプロットする。
スライドスキャン、生データ取り扱い及びQCは、フェーズ1試験について上述したように行った。
データ解析
浸透倍数変化解析を、19種の抗原のそれぞれについて行い、NSCLC患者と健常対照を、フェーズ1試験データ解析について記載した方法を用いて比較した。これにより、19種の抗原全てが、>10%の個別の浸透頻度及び>2倍の浸透倍数変化を有することが示された。
結果を下記に概要する。Table 3(表3)は、検証試験からの全19種の抗原間の後期ステージNSCLC対健常対照の浸透倍数変化の解析結果を示す。Table 4(表4)は、検証試験からの全19種の抗原間の初期ステージNSCLC対健常対照の浸透倍数変化の解析結果を示す。
Figure 0007455843000007
Figure 0007455843000008
バイオマーカーパネルの性能は、ランダムフォレスト-再帰的特徴消去(RF-RFE)アルゴリズムを用いて検証し、これは、後退的選択であり、NSCLCの分類のためのバイオマーカーの最良のサブセットを選択するために使用される反復性のプロセスである。選択されたバイオマーカーの検証は、モデルの最終性能を検証するための独立した検証セットを使用する前に、モデル作成及び性能評価のための訓練及び試験セットの使用を伴う。
モデル作成の間、19種のバイオマーカーの全ての可能な組合せを作成し、バイオマーカー組合せに基づく個別の倍数変化値を、モデル作成のインプットとして使用した。フェーズI(209のサンプル)からのデータを訓練(2/3)及び試験(1/3)データセットに分離した。RF-RFEを用いた訓練は、5倍の交差検証及び各モデル中のバイオマーカーの数に固定されているパネルサイズで、デフォルトパラメーターを用いて行った。作成したモデルを用いて、試験及び検証セットの両方を予測し、NSCLCの層別化におけるパネルの性能を評価した。全ての再帰的特徴消去及びランダムフォレスト解析は、Rのcaretパッケージを使用して行った(Kuhn、2008年(https://www.jstatsoft.org/article/view/v028i05))。
試験データセットのRF-RFEモデルの性能をTable 7(表7)に概略し、これは、コアバイオマーカー、19種のバイオマーカー及び降順のAUC値に基づく上位20のパネルの性能の結果を含む。
結果により、コアバイオマーカー(XAGE1D、LRRFIP2、GAGE2C)を含む7つのバイオマーカーのパネルは、19種のバイオマーカーのパネルよりも優れており、感度及び特異性がそれぞれ、0.680及び0.652と比較して0.753及び0.721であることが示された。図10及び図11は、7つのバイオマーカー(XAGE1D、LRRFIP2、MAGEA10、GAGE2C、STAT1、ZNRD1、RAD23B、AUC 0.818)及び19種のバイオマーカー(AUC 0.702)のそれぞれの最良のパネルのROC曲線を示す。
細胞外小胞は、3つの主要カテゴリー、すなわちアポトーシス小体、微小胞及びエキソソームに分類し得る。エキソソームは、ほとんど全ての細胞種によって自然に分泌され、ほとんど全ての生物学的流体、例えば血液、血清、血漿、尿、唾液、羊水、脳脊髄液、母乳、精液又は胆汁において見出すことができる最小の細胞外小胞である。一般的に細胞は2つの機構を介してエキソソームを放出する。古典的な経路は、多胞性エンドソーム内の腔内小胞の形成を伴う。次いで、多胞性エンドソームの膜は細胞膜と融合し、腔内小胞の放出が引き起こされる。腔内小胞は分泌されるとエキソソームと称される。或いは、直接的な経路は、エキソソームと識別不能な小胞の細胞膜からの直接の放出を伴う(van der Polら、2012年)。興味深いことに、がん細胞からのエキソソームは、血管新生を促進し、免疫系を調節し、周囲の実質組織をリモデリングすることが示されており、全ての要因が腫瘍進行を支持するものである(Hessvik及びLlorente、2018年)。
NSCLCを有する患者及び健常対照由来のエキソソームサンプルを回収し、Invitrogen Total Exosome Isolation (from plasma) kit(Thermo Fisher Scientific社)を用いて製造者からの確立された手順に基づいて単離した。
エキソソームサンプルを用いたこれらの自己抗体バイオマーカーの発見は、より疾患特異的かつ有意義である可能性があり、これは、それらが起源の細胞を反映する膜結合タンパク質を含むためである。がんにおいて、エキソソームは、腫瘍細胞と正常細胞との間のクロストークに関連することにより、悪性化プロセスを促進することが示されている。いくつかの試験により、エキソソームが診断及び予後マーカーとして有望であることが見出されている (Sanfeld-Paulsenら、2016年)。
本発明はまた、システムの全体的な機能に影響を及ぼさない、システムになされたさらなる改変を更に含んでいてもよいことは、当技術分野の当業者により理解されるであろう。
(参考文献)
Figure 0007455843000009
Figure 0007455843000010
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Claims (16)

  1. 非小細胞肺がんを検出するための抗原のパネルを含む組成物であって、抗原がXAGE1D、LRRFIP2及びGAGE2Cを含むことを特徴とする、組成物。
  2. 抗原が、DDX53、DDX43、GAGE1、MAGEA10、ZNRD1、MAP2K5、MAGEA4、STAT1、CT47A1、IGF2BP3、CTAG2、RAD23B、FADD、PTPN20A、TPM1、CTAG1Aの1つ又は複数を更に含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 抗原がビオチン化タンパク質である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 各ビオチン化タンパク質が、タンパク質とインフレームで融合されているビオチンカルボキシルキャリアタンパク質フォールディングマーカーから形成されている、請求項3に記載の組成物
  5. ビオチン化タンパク質がストレプトアビジンでコートされた基体に結合している、請求項4に記載の組成物
  6. 基体がヒドロゲル形成ポリマー基層を含む、請求項5に記載の組成物
  7. インビトロで患者由来のサンプル中の抗原に結合している1つ又は複数のエキソソーム自己抗体バイオマーカーの量を測定し、非小細胞肺がんの存在を決定することができる、請求項1に記載の組成物。
  8. 非小細胞肺がんを、対象から抽出した血清及び/又は血漿を含むサンプルから診する、組成物であって前記診断は、
    (i) 非小細胞肺がんに特異的なバイオマーカーの存在についてサンプルを試験する工程と、
    (ii) 前記バイオマーカーの検出に基づいて、対象が非小細胞肺がんを有するかを決定する工程とを含み、
    バイオマーカーが、抗原に対する自己抗体であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物
  9. サンプル由来の自己抗体バイオマーカーが抗原に結合できるように、抗原が、個人から抽出したサンプルに曝露されている、請求項8に記載の組成物
  10. 抗原が、次いで蛍光タグ付き二次抗体に曝露され、抗原に結合しているサンプル由来の任意の自己抗体の量を決定することが可能になる、請求項9に記載の組成物
  11. 非小細胞肺がんの存在が、抗原に特異的に結合しているサンプル由来の自己抗体の相対的又は絶対的な量に対応する、請求項10に記載の組成物
  12. 工程がインビトロで行われる、請求項8に記載の組成物
  13. 前記診断は、前記バイオマーカーの1つ又は複数の上方制御/下方制御を検出することを含む、請求項8に記載の組成物
  14. 対象から抽出したサンプルから非小細胞肺がんを診断するためのキットを製造する方法であって、
    パネル中の各抗原について、ビオチンカルボキシルキャリアタンパク質フォールディングマーカーを、抗原をコードする遺伝子とインフレームでクローニングし、得られるビオチン化抗原を発現させる工程と、
    1つ又は複数のストレプトアビジンでコートされた基体のアドレス可能な位置にビオチン化タンパク質を結合させることにより、抗原アレイを形成する工程と
    を含み、
    パネル上の抗原に結合するサンプル由来の自己抗体の量を、サンプルに対して基体を曝露し、応答を測定することにより決定でき、
    抗原がXAGE1D、LRRFIP2及びGAGE2Cを含むことを特徴とする、方法。
  15. 抗原が、DDX53、DDX43、GAGE1、MAGEA10、ZNRD1、MAP2K5、MAGEA4、STAT1、CT47A1、IGF2BP3、CTAG2、RAD23B、FADD、PTPN20A、TPM1、CTAG1Aの1つ又は複数を更に含む、請求項14に記載の方法。
  16. 非小細胞肺がんを検出するためのエキソソーム自己抗体バイオマーカーのパネルを含む組成物であって:
    エキソソーム自己抗体バイオマーカーのレベルが、NSCLC患者由来のサンプルにおいて測定され、
    エキソソーム自己抗体バイオマーカーが、少なくともXAGE1D(X Antigen Family Member 1D)、LRRFIP2(LRR Binding FLII Interacting Protein 2)及びGAGE2C(G Antigen 2C)に特異的な自己抗体から選択されることを特徴とする、組成物。
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