以下に添付図面を参照して、この発明に係る位置特定システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、位置特定システムに関する。本発明に係る位置特定システムは、対象物の位置を特定するシステムであり、例えば、対象物の位置を特定するための専用システム、あるいは、汎用的に用いられるシステムに対して対象物の位置を特定するための機能を実装することにより実現されるシステム等を含む概念である。また、位置特定システムは、例えば、基準発信器、対象物送受信器、受信端末、格納手段、及び特定手段を備え、任意で、管理手段を備える。
なお、「対象物」とは、位置を特定する対象となる物、人、動物等を含む概念であり、例えば、建設現場等の任意の場所で使用される高所作業車、フォークリフト、立馬、台車、カート、鍵、座席、車両、及び自転車等を含む概念である。
「基準発信器」とは、対象物が存在し得る対象領域内の複数箇所に配置された装置であり、例えば、基準発信器自身を示す基準発信器特定情報を含む電波を発信するものであり、一例としては、ビーコン等を含む概念である。「対象領域」とは、対象物が存在し得る領域であり、例えば、建設作業中の建物、倉庫、あるいは、野外の所定の領域等を含む概念である。
「対象物送受信器」とは、対象物に取り付けられた装置であって、基準発信器から発信された電波を受信し、少なくとも、受信した当該電波を発信した基準発信器を示す基準発信器特定情報と、自己(対象物送受信器自身)を示す対象物送受信器特定情報とを送信する装置であり、例えば、送受信型のビーコンである。
「受信端末」とは、少なくとも、対象物送受信器から送信された基準発信器特定情報と対象物送受信器特定情報とを受信する装置である。この「受信端末」としては、対象物送受信器から送信された基準発信器特定情報と対象物送受信器特定情報とを受信する機能を有する限りにおいて、任意の装置を用いることができ、例えば、基準発信器特定情報と対象物送受信器特定情報とを受信する機能を有する専用装置(例えば、ログ収集機等))、あるいは、汎用的に用いられる装置(例えば、携帯可能な任意の装置(一例としては、スマートフォン、タブレット端末、あるいは、ノート型パーソナルコンピュータ等)又は据え置き型の任意の装置(一例としては、デスクトップ型パーソナルコンピュータ等))に対して対基準発信器特定情報と対象物送受信器特定情報とを受信する機能を実装することにより実現される装置等を用いることができる。そして、以下に示す実施の形態では、限定されるものではないが、「受信端末」としてログ収集機を用いる場合について説明する。
「特定手段」とは、少なくとも、格納手段に格納されている基準発信器位置情報と、受信端末が受信した基準発信器特定情報及び対象物送受信器特定情報とに基づいて、対象物の位置を特定する手段である。
「管理手段」とは、受信端末が受信した基準発信器状態情報に基づいて、基準発信器を管理する処理を行う手段である。「基準発信器状態情報」とは、例えば、基準発信器の状態を示す情報であり、例えば、基準発信器の電池の残量に関する状態、あるいは、基準発信器の故障に関する状態等を示す情報である。「管理する処理」とは、例えば、情報を表示出力又は音声出力すること等を含む概念である。
そして、以下に示す実施の形態においては、「対象物」が高所作業車であり、「対象領域」が建設作業中の建物であり、「管理手段」を備えていない場合について説明し、「管理手段」については変形例にて説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成)
まず、本実施の形態に係る管理システムについて説明する。図1は、本実施の形態に係る管理システムが適用される現場である建設現場を簡略的に示す図であり、また、図2は、管理システムが適用される現場である建物の平面図であり、図3は、管理システムを機能概念的に示すブロック図であり、図4は、端末装置を機能概念的に示すブロック図である。なお、図2について、建設中の建物には実際には、階段、廊下等の任意の構造物も含まれているが、説明の便宜上、これらの構造物の図示は省略されている。図1の管理システム100は、位置特定システムであり、具体的には、高所作業車9の位置を特定するシステムであり、例えば、固定ビーコン端末1、移動ビーコン端末2、受信装置3、サーバ装置4、及び端末装置5を備える。
なお、実際には、高所作業車9、固定ビーコン端末1、及び移動ビーコン端末2の個数は任意であり、多数設けられるが、ここでは、例えば、高所作業車901~902、固定ビーコン端末101~103、及び移動ビーコン端末201~202を具体的に図示し、相互に区別する必要がある場合以外は、これらを高所作業車9、固定ビーコン端末1、及び移動ビーコン端末2と総称して説明する。
(構成‐高所作業車)
図1の高所作業車9は、対象物であり、例えば、作業員に操作されて建設現場内を適宜移動する装置である。
(構成‐固定ビーコン端末)
図1の固定ビーコン端末1は、前述の基準発信器であって送信型のビーコンである。この固定ビーコン端末1の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、図2に示すように、建設現場内の所定位置(天井等)に対して固定して複数個設けられている。また、固定ビーコン端末1は、不図示の自己の記録部にプロジェクト識別情報(以下、識別情報を「ID」と称する)及び固定ビーコンIDが記録されており、これらのプロジェクトID及び固定ビーコンIDを含む固定ビーコン側信号を、所定時間間隔(例えば、1秒~2秒間隔等)で電波として出力(発信)するように構成されている。
「プロジェクトID」とは、グループ特定情報であり、例えば、所属するプロジェクトを識別する情報である。「プロジェクト」とは、建設の目標を達成するためのグループであり、本実施の形態では、図1及び図2に示す「AAビルディング」の建設目標を達成するための「AAビルディング建設」のプロジェクト、及び不図示の「BBビルディング」の建設目標を達成するための「BBビルディング建設」のプロジェクト等が設定されている場合について説明する。そして、図1~図3の固定ビーコン端末101~103は、「AAビルディング建設」のプロジェクトに属しており、図3に図示されているように、各固定ビーコン端末101~103が所属しているプロジェクトを識別するプロジェクトIDとして「プロジェクトID」=「IDp001」が格納されている場合について説明する。
「固定ビーコンID」とは、基準発信器特定情報であり、各プロジェクト内において固定ビーコン端末1を一意に識別する情報であり、例えば、固定ビーコン端末101~103に、図3に図示されているように、固定ビーコン端末101~103を識別する固定ビーコンIDとして「固定ビーコンID」=「IDbf001」、「IDbf002」、「IDbf003」が格納されている場合について説明する。
(構成‐移動ビーコン端末)
図1の移動ビーコン端末2は、前述の対象物送受信器であって送受信型のビーコンである。この移動ビーコン端末2の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、高所作業車9に固定して設けられており、つまり、当該高所作業車9と共に移動するものである。また、図1及び図2に示されるように、移動ビーコン端末201、202は各々、高所作業車901、902に設けられている。移動ビーコン端末201、202の構成は相互同様であるので、移動ビーコン端末201の構成について代表して説明する。移動ビーコン端末201は、図3に示されるように、例えば、通信部21、記録部22、及び制御部23を備える。
(構成‐移動ビーコン端末‐通信部)
図3の通信部21は、信号を電波として無線送受信する通信手段である。この通信部21の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、無線通信回路を用いて構成することができる。この通信部21を介して行う無線通信の規格は任意であるが、例えば、ブルートゥースローエナジー(BLE)の規格に従って無線通信するものとして説明する。
なお、ここでは、無線通信の規格がブルートゥースローエナジー(BLE)の規格である場合について説明するが、これに限らず、その他の公知の規格を含む任意の規格に従って無線通信するように構成してもよいし、あるいは、独自のルールに従って無線通信するように構成してもよい。
(構成‐移動ビーコン端末‐記録部)
図3の記録部22は、移動ビーコン端末2の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、フラッシュメモリ等、あるいは、その他の任意の記録媒体を用いることができる(他の装置の記録部も同様である)。この記録部22には、前述のプロジェクトID、及び移動ビーコンIDが記録されている。「移動ビーコンID」とは、対象物送受信器特定情報であり、各プロジェクト内において移動ビーコン端末2を一意に識別する情報である。
そして、図1~図3の移動ビーコン端末201~202が、前述の「AAビルディング建設」のプロジェクト、又は「BBビルディング建設」のプロジェクト等の内の「AAビルディング建設」のプロジェクトに所属していることとする。移動ビーコン端末201の記録部22には、移動ビーコン端末201が所属するプロジェクトを識別する「プロジェクトID」=「IDp001」及び移動ビーコン端末201を識別する「移動ビーコンID」=「IDbm001」が格納されており、移動ビーコン端末202の記録部には、移動ビーコン端末202が所属するプロジェクトを識別する「プロジェクトID」=「IDp001」及び移動ビーコン端末202「移動ビーコンID」=「IDbm002」が格納されている場合について説明する。
(構成‐移動ビーコン端末‐制御部)
図3の制御部23は、移動ビーコン端末2を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである(他の装置の制御部も同様である)。この制御部23によって行われる具体的な処理については後述する。
(構成‐受信装置)
図1及び図3の受信装置3は、前述の受信端末である。この受信装置3の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、いわゆるゲートウェイとして機能する装置であり、不図示の通信部、記録部、及び制御部を備えている。また、受信装置3は、例えば、移動ビーコン端末2との間でブルートゥースローエナジー(BLE)の規格に従って無線通信を行い、また、サーバ装置4との間で任意の通信(例えば、有線又は無線での通信)を行うように構成されている。
(構成‐サーバ装置)
図1及び図3のサーバ装置4は、高所作業車9の位置を特定するための装置である。このサーバ装置4の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、図3に示すように、通信部41、記録部42、及び制御部43を備える。
(構成‐サーバ装置‐通信部)
図3の通信部41は、外部装置(受信装置3及び端末装置5)との間で通信するための通信手段である。この通信部41の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知の通信回路等を用いて構成することができる。
(構成‐サーバ装置‐記録部)
図3の記録部42は、サーバ装置4の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。この記録部42は、例えば、プロジェクト関連情報DB421、ユーザ関連情報DB422、図面関連情報DB423、固定ビーコン関連情報DB424、移動ビーコン関連情報DB425、及びログ情報DB426を備える。
(構成‐サーバ装置‐記録部‐プロジェクト関連情報DB)
図3のプロジェクト関連情報DB421は、プロジェクト関連情報を格納するプロジェクト関連情報格納手段である。図5は、プロジェクト関連情報を例示した図である。「プロジェクト関連情報」とは、前述のプロジェクトに関連する情報である。プロジェクト関連情報においては、図5に示すように、例えば、項目「プロジェクトID」に対応する情報、項目「プロジェクト名情報」に対応する情報、項目「固定ビーコンID」に対応する情報、及び項目「移動ビーコンID」に対応する情報が相互に関連付けられている。
項目「プロジェクトID」に対応する情報は、前述のプロジェクトIDである(図5では、「AAビルディング建設」のプロジェクトを識別する「IDp001」、及び「BBビルディング建設」のプロジェクトを識別する「IDp002」等)。項目「プロジェクト名情報」に対応する情報は、プロジェクトの名称を特定するプロジェクト名情報である(図5では、前述の各プロジェクトの名称を示す「AAビルディング建設」、及び「BBビルディング建設」等)。
項目「固定ビーコンID」に対応する情報は、前述の固定ビーコンIDである。図5では、この固定ビーコンIDとしては、「AAビルディング建設」のプロジェクトに所属している図1又は図2の固定ビーコン端末101~103を識別する「IDf001」~「IDbf003」(図5において「プロジェクト名情報」=「AAビルディング建設」に関連付けられているもの)、及び「BBビルディング建設」のプロジェクトに所属している不図示の固定ビーコン端末を識別する「IDbf001」~「IDbf003」(図5において「プロジェクト名情報」=「BBビルディング建設」に関連付けられているもの)等が格納されている。固定ビーコンIDとしては、前述のように、各プロジェクト内において各固定ビーコン端末1を一意に識別するために用いられるので、図5に示すように、相互に異なるプロジェクトにおいては同一の固定ビーコンID(例えば、「プロジェクトID」=「IDp001」に関連付けられている「固定ビーコンID」=「IDbf001」とプロジェクトID」=「IDp002」に関連付けられている「固定ビーコンID」=「IDbf001」等)を用いることができる。そして、プロジェクトID及び固定ビーコンIDを組み合わせて用いることにより、管理システム100において各固定ビーコン端末1を一意に識別することが可能となる。
項目「移動ビーコンID」に対応する情報は、前述の移動ビーコンIDである。図5では、この移動ビーコンIDとしては、「AAビルディング建設」のプロジェクトに所属している図1又は図2の移動ビーコン端末201~202を識別する「IDbm001」、「IDbm002」、及び不図示の移動ビーコン端末を識別する「IDbm003」(図5において「プロジェクト名情報」=「AAビルディング建設」に関連付けられているもの)、及び「BBビルディング建設」のプロジェクトに所属している不図示の移動ビーコン端末を識別する「IDbm001」~「IDbm003」(図5において「プロジェクト名情報」=「BBビルディング建設」に関連付けられているもの)等が格納されている。移動ビーコンIDとしては、固定ビーコンIDと同様に、前述のように、各プロジェクト内において各移動ビーコン端末2を一意に識別するために用いられるので、図5に示すように、相互に異なるプロジェクトにおいては同一の移動ビーコンID(例えば、「プロジェクトID」=「IDp001」に関連付けられている「移動ビーコンID」=「IDbm001」とプロジェクトID」=「IDp002」に関連付けられている「移動ビーコンID」=「IDbm001」等)を用いることができる。そして、プロジェクトID及び移動ビーコンIDを組み合わせて用いることにより、管理システム100において各移動ビーコン端末2を一意に識別することが可能となる。
そして、このような図5のプロジェクト関連情報については、例えば、「プロジェクトID」=「IDp001」が識別するプロジェクトの名称が「AAビルディング建設」であり、当該プロジェクトに所属する固定ビーコン端末1の固定ビーコンIDが「IDbf001」~「IDbf003」等であり、また、当該プロジェクトに所属する移動ビーコン端末2の移動ビーコンIDが「IDbm001」~「IDbm003」であること等が示されている。
なお、このようなプロジェクト関連情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、管理者が不図示の入力手段(例えば、キーボード又はマウス等)を介してサーバ装置4に情報を入力したり、あるいは、管理者が自己の端末装置(コンピュータ等)から情報を送信することにより当該サーバ装置4に情報を入力したりした場合に、制御部43が当該入力された情報に基づいて格納することとする。
(構成‐サーバ装置‐記録部‐ユーザ関連情報DB)
図3のユーザ関連情報DB422は、ユーザ関連情報を格納するユーザ関連情報格納手段である。図6は、ユーザ関連情報を例示した図である。「ユーザ関連情報」とは、端末装置5のユーザに関連する情報を特定する情報である。なお、ここでの「端末装置5」のユーザは任意であるが、例えば、各プロジェクトに割り当てられている建設現場の作業員がユーザである場合について説明する。ユーザ関連情報においては、図6に示すように、項目「ユーザID」に対応する情報、項目「氏名情報」に対応する情報、及び項目「プロジェクトID」に対応する情報が相互に関連付けられている。
項目「ユーザID」に対応する情報は、ユーザを一意に識別するユーザIDである(図6では、「IDu001」等)。項目「氏名情報」に対応する情報は、ユーザの氏名を特定する氏名情報である(図6では、便宜上の記載であり、「AAA1」等)。項目「プロジェクトID」に対応する情報は、前述のプロジェクトIDであり、各ユーザが所属しているプロジェクトを識別するプロジェクトIDである(図6では、「IDp001」等)。
そして、このような図6のユーザ関連情報の最上段の情報においては、例えば、「ユーザID」=「IDu001」のユーザの氏名が「AAA1」であり、当該ユーザが所属するプロジェクトのプロジェクトIDが「IDp001」であること等が示されている。なお、このようなユーザ関連情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、プロジェクト関連情報と同様にして格納されることとする。
(構成‐サーバ装置‐記録部‐図面関連情報DB)
図3の図面関連情報DB423は、図面関連情報を格納する図面関連情報格納手段である。図7は、図面関連情報を例示した図である。「図面関連情報」とは、各プロジェクトで用いる図面(つまり、各建設現場の図面)に関連する情報を特定する情報である。図面関連情報においては、図7に示すように、項目「プロジェクトID」に対応する情報、項目「階数情報」に対応する情報、及び項目「図面情報」に対応する情報が相互に関連付けられている。項目「プロジェクトID」に対応する情報は、図5の同一名称の情報を同様である。
項目「階数情報」に対応する情報は、各プロジェクトで建設中の建物(つまり、各プロジェクトに所属する建物)の階数を特定する階数情報である(図7では、「1階」等)。項目「図面情報」に対応する情報は、各プロジェクトで建設中の建物を表す図面(以下では、「平面図」とする)のデータを示す図面情報であって、例えば以下ではCADで作成された図面データとするが、これに限らず、印刷された図面をスキャンしたスキャンデータ等であっても構わない(図7では、「001.jpg」等)。
そして、このような図7の図面関連情報については、例えば、「プロジェクトID」=「IDp001」が識別するプロジェクトでの建物である「AAビルディング」について情報、及び「プロジェクトID」=「IDp002」が識別するプロジェクトでの建物である「BBビルディング」について情報等が格納されている。詳細には、例えば、図7の最上段の情報である(「IDp001」、「1階」、及び「001.jpg」の組み合わせの情報)については、「プロジェクトID」=「IDp001」が識別する建物である「AAビルディング」の1階の平面図を示す情報が「001.jpg」であることが示されている。なお、このような図面関連情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、プロジェクト関連情報と同様にして格納されることとする。
(構成‐サーバ装置‐記録部‐固定ビーコン関連情報DB)
図3の固定ビーコン関連情報DB424は、固定ビーコン関連情報を格納する固定ビーコン関連情報格納手段である。図8は、固定ビーコン関連情報を例示した図である。「固定ビーコン関連情報」とは、前述固定ビーコン端末1に関連する情報であり、例えば、固定ビーコン端末1の設置位置を示す情報である。固定ビーコン関連情報においては、図8に示すように、例えば、項目「プロジェクトID」に対応する情報、項目「固定ビーコンID」に対応する情報、項目「階数情報」に対応する情報、及び項目「位置情報」に対応する情報が相互に関連付けられている。
項目「プロジェクトID」に対応する情報は、図5の同一名称の情報と同様である。項目「固定ビーコンID」に対応する情報は、図5の同一名称の情報と同様であり、例えば、各プロジェクトIDが識別するプロジェクトに所属する固定ビーコン端末1を識別する固定ビーコンIDである(図8では、「IDbf001」等)。項目「階数情報」に対応する情報は、図7の同一名称の情報と同様であり、例えば、各プロジェクトIDが識別する各プロジェクトで建設中の建物における、固定ビーコンIDが識別する固定ビーコン端末1が設置されている階数を特定する階数情報である(図8では、「1階」等)。項目「位置情報」に対応する情報は、対象領域である建設作業中の建物における固定ビーコン端末1が配置されている位置である配置位置を特定する基準発信器位置情報であり、具体的には、固定ビーコン端末1が設置されている位置を特定する位置情報である(図8では、図7の図面情報が特定する図面(平面図)における座標であり、「X000,Y000」等)。なお、ここでの座標値については便宜上の記載であるものとする。
そして、このような図8の固定ビーコン関連情報の最上段の情報(「IDp001」、「IDf001」、「1階」、及び「X000,Y000」の組み合わせの情報)については、例えば、「プロジェクトID」=「IDp001」が識別するプロジェクトに所属する「固定ビーコンID」=「IDbf001」が識別する図1及び図2の固定ビーコン端末101が、前述の「プロジェクトID」=「IDp001」が識別するプロジェクトでの建物である「AAビルディング」の「階数情報」=「1階」が示す図2の1階における、「位置情報」=「X000,Y000」が示す位置(図2の固定ビーコン端末101が図示されている位置に対応する位置)に設置されていることが示されている。また、図8の固定ビーコン関連情報の上から2段目及び3段目の情報については、図1及び図2の固定ビーコン端末102、103が、「AAビルディング」の「階数情報」=「1階」が示す図2の1階における、「位置情報」=「X001,Y001」、「X002,Y002」が示す位置(図2の固定ビーコン端末102、103が図示されている位置に対応する位置)に設置されていることが示されている。
なお、このような固定ビーコン関連情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、後述する固定ビーコン端末登録処理を実行することにより格納されることとする。
(構成‐サーバ装置‐記録部‐移動ビーコン関連情報DB)
図3の移動ビーコン関連情報DB425は、移動ビーコン関連情報を格納する移動ビーコン関連情報格納手段である。図9は、移動ビーコン関連情報を例示した図である。「移動ビーコン関連情報」とは、前述移動ビーコン端末2に関連する情報であり、例えば、移動ビーコン端末2が設けられている高所作業車9を特定する情報である。移動ビーコン関連情報においては、図9に示すように、例えば、項目「プロジェクトID」に対応する情報、項目「移動ビーコンID」に対応する情報、及び項目「車両名称情報」に対応する情報が相互に関連付けられている。
項目「プロジェクトID」に対応する情報は、図5の同一名称の情報と同様である。項目「移動ビーコンID」に対応する情報は、図5の同一名称の情報と同様であり、例えば、各プロジェクトIDが識別するプロジェクトに所属する移動ビーコン端末2を識別する移動ビーコンIDである(図9では、「IDbm001」等)。項目「車両名称情報」に対応する情報は、関連付けられている移動ビーコンIDが識別する移動ビーコン端末2が設けられている高所作業車9の名称を特定する車両名称情報であり、また、関連付けられている各プロジェクトIDが識別するプロジェクトに所属する高所作業車9の名称を特定する車両名称情報である(図9では、図1及び図2の高所作業車901、902の名称を特定する「1号機」、「2号機」等)。
そして、このような図9の移動ビーコン関連情報の最上段の情報(「IDp001」、「IDbm001」、及び「1号車」の組み合わせの情報)については、例えば、「プロジェクトID」=「IDp001」が識別するプロジェクトに所属する「移動ビーコンID」=「IDbm001」が識別する図1及び図2の移動ビーコン端末201が、前述の「プロジェクトID」=「IDp001」が識別するプロジェクトに所属する「車両名称情報」=「1号機」である高所作業車901に設けられていることが示されている。また、図9の移動ビーコン関連情報の2段目(「IDp001」、「IDbm002」、及び「2号車」の組み合わせの情報)及び3段目(「IDp001」、「IDbm003」、及び「3号車」の組み合わせの情報)の情報については、図1及び図2の移動ビーコン端末202、及び不図示のビーコン端末が、前述の「プロジェクトID」=「IDp001」が識別するプロジェクトに所属する「車両名称情報」=「2号機」、「3号機」である高所作業車902、及び不図示の高所作業車に設けられていることが示されている。
なお、このような移動ビーコン関連情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、管理者が、各プロジェクトで用いられる高所作業車9(つまり、各プロジェクトに所属する高所作業車9)に対して移動ビーコン端末2を設けた上で、各プロジェクトのプロジェクトID、当該移動ビーコン端末2の移動ビーコンID、及び当該高所作業車9の車両名称情報を、管理者が不図示の入力手段(例えば、キーボード又はマウス等)を介してサーバ装置4に入力したり、あるいは、管理者が自己の端末装置(コンピュータ等)から送信することにより当該サーバ装置4に情報を入力したりした場合に、制御部43が当該入力された情報に基づいて格納することとする。
(構成‐サーバ装置‐記録部‐ログ情報DB)
図3のログ情報DB426は、ログ情報を格納するログ情報格納手段である。図10は、ログ情報を例示した図である。「ログ情報」とは、サーバ装置4が受信装置3を介して移動ビーコン端末2から受信した情報の履歴を示す情報である。ログ情報においては、図10に示すように、例えば、項目「プロジェクトID」に対応する情報、項目「移動ビーコンID」に対応する情報、項目「固定ビーコンID」に対応する情報、及び項目「受信時間情報」に対応する情報が相互に関連付けられている。
項目「プロジェクトID」に対応する情報、項目「移動ビーコンID」に対応する情報、及び項目「固定ビーコンID」に対応する情報は、図5の同一名称の情報と同様であり、例えば、サーバ装置4が受信装置3を介して移動ビーコン端末2から受信した情報である。項目「受信時間情報」は、プロジェクトID、移動ビーコンID、及び固定ビーコンIDの組み合わせの情報を受信した時間を示す受信時間情報である(図10では、「13時01分20秒」等)。
そして、このような図10のログ情報の最上段の情報(「IDp001」、「IDbm001」、「IDbf002」、及び「13時01分20秒」の組み合わせの情報)については、例えば、「プロジェクトID」=「IDp001」、「移動ビーコンID」=「IDm001」、及び「固定ビーコンID」=「IDf002」の組み合わせの情報を、「受信時間情報」=「13時01分20秒」に受信したことが示されている。
なお、このようなログ情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、後述するログ情報格納処理を実行することにより格納されることとする。
(構成‐サーバ装置‐制御部)
図3の制御部43は、サーバ装置4を制御する制御手段である。制御部43は、例えば、機能概念的に、特定部431を備える。特定部431は、少なくとも、固定ビーコン関連情報DB424に格納されている位置情報と、受信装置3が受信した固定ビーコンID及び移動ビーコンIDとに基づいて、高所作業車9の位置を特定する特定手段である。なお、この制御部43の各部により行われる処理については、後述する。
(構成‐端末装置)
図1及び図3の端末装置5は、高所作業車9の位置を表示するための装置であり、例えば、作業員又は管理者等が携帯する端末装置であり、一例としては、スマートフォン又はタブレット端末等をとして構成することができる。端末装置5は、図4に示すように、例えば、通信部51、タッチパッド52、ディスプレイ53、記録部54、及び制御部55を備える。
(構成‐端末装置‐通信部)
図4の通信部51は、外部装置(例えば、サーバ装置4)との間で通信するための通信手段である。この通信部51の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知の通信回路等を用いて構成することができる。
(構成‐端末装置‐タッチパッド)
図4のタッチパッド52は、ユーザの指等で押圧されることにより、当該ユーザから各種操作入力を受け付ける操作手段である。このタッチパッド52の具体的な構成は任意であるが、例えば、抵抗膜方式や静電容量方式等による操作位置検出手段を備えた公知のものを用いることができる。
(構成‐端末装置‐ディスプレイ)
図4のディスプレイ53は、制御部55の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段である。このディスプレイ53の具体的な構成は任意であるが、例えば、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ等を用いることができる。なお、上記のタッチパッド52とディスプレイ53とを相互に重畳させてタッチパネルとして一体形成しても構わない。
(構成‐端末装置‐記録部)
図4の記録部54は、端末装置5の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。
(構成‐端末装置‐制御部)
図4の制御部55は、端末装置5を制御する制御手段である。なお、この制御部55の各部により行われる処理については、後述する。
(処理)
続いて、本実施の形態に係る管理システム100によって実行される処理について説明する。具体的には、固定ビーコン端末登録処理、ログ情報格納処理、及び位置特定処理について説明する。
(処理‐固定ビーコン端末登録処理)
まず、固定ビーコン端末登録処理について説明する。「固定ビーコン端末登録処理」とは、概略的には、高所作業車9の位置を特定する下準備として、作業員が端末装置5を持ちながら建設現場の建物を周って、当該建物の所定位置(天井等)に固定ビーコン端末1を配置し、配置した固定ビーコン端末1に関する情報を、端末装置5のタッチパッド52を介して入力した上で、サーバ装置4に送信することにより固定ビーコン関連情報DB424の図8の固定ビーコン関連情報を格納する処理である。
具体的には、まず作業員は、各プロジェクトに対応する建設現場の建物に、固定ビーコン端末1を配置する。続いて作業員は、所持している端末装置5を用いて、自らが配置した固定ビーコン端末1の固定ビーコンIDと、固定ビーコン端末1が配置された建物に対応するプロジェクトのプロジェクトID(つまり、当該固定ビーコン端末1が所属するプロジェクトのプロジェクトID)と、固定ビーコン端末1を配置した建物の階数を示す階数情報と、当該固定ビーコン端末1を配置した位置を特定する位置情報とを、固定ビーコン関連情報DB424の固定ビーコン関連情報として登録して格納する。この登録の具体的な方法は任意であり、以下では第1の例~第3の例を説明する。
===第1の例===
「第1の例」においては、まず、図4の端末装置5の制御部55は、タッチパッド52を介して作業員による所定操作を受け付けた場合に、ビーコン登録モードとなる。このモードにおいてはまず、制御部55は、図3のサーバ装置4にアクセスして図面関連情報DB423の図面関連情報を取得し、図7の図面情報が特定する図面のサムネイルを、ディスプレイ53に表示する。
次に、ユーザがタッチパッド52を介して、当該表示されているサムネイルの内の自己が固定ビーコン端末1を設置する位置を示す図面を示すサムネイルを選択した場合、制御部55は、当該ユーザに選択されたサムネイルに対応する図面をディスプレイ53に表示する。
次に、ユーザが建設現場の建物の天井に固定ビーコン端末1を配置し、自らが配置した固定ビーコン端末1の固定ビーコンIDと、固定ビーコン端末1が配置された建物に対応するプロジェクトのプロジェクトIDと、固定ビーコン端末1を配置した建物の階数を示す階数情報と、固定ビーコン端末1を配置した位置を特定する位置情報とを、タッチパッド52を介して入力する。
なお、位置情報を入力する手法は任意であるが、例えば、ディスプレイ53に表示されている図面(つまり、固定ビーコン端末1を配置した建物の平面図)において、固定ビーコン端末1の配置位置に対応する位置をタッチパッド52を介して指定することにより、当該位置情報を入力することとしてもよい。この場合、端末装置5の制御部55は、タッチパッド52から入力したプロジェクトID、固定ビーコンID、階数情報、及び位置情報を受け付けて、受け付けたこれらの情報を相互に関連付けた状態で、サーバ装置4に送信する。次に、サーバ装置4の制御部43は、端末装置5から送信されたプロジェクトID、固定ビーコンID、階数情報、及び位置情報を受信し、受信したこれらの情報を、固定ビーコン関連情報DB424の固定ビーコン関連情報として格納する。
ここでは、例えば、「AAビルディング建設」のプロジェクトで用いられる固定ビーコン端末101を、図2に示すように、「AAビルディング」の1階の天井に設置する場合を例示して説明する。この場合、図4の端末装置5の制御部55は、前述したように、ビーコン登録モードとなり、図7の図面情報が特定する図面のサムネイルを、ディスプレイ53に表示する。次に、ユーザがタッチパッド52を介して、当該表示されているサムネイルの内の自己が固定ビーコン端末101を設置する図面を示すサムネイル(図7の「図面情報」=「001.jpg」に対応するサムネイル)を選択した場合、制御部55は、当該ユーザに選択されたサムネイルに対応する図面として図2の平面図を示す図面をディスプレイ53に表示する。次に、ユーザが建設現場の「AAビルディング」の1階の天井に固定ビーコン端末101を配置し、自らが配置した固定ビーコン端末101の「固定ビーコンID」=「IDbf001」と、固定ビーコン端末101が配置された建物に対応するプロジェクトの「プロジェクトID」=「IDp001」と、固定ビーコン端末101を配置した建物の階数を示す「階数情報」=「1階」と、固定ビーコン端末101を配置した位置を特定する「位置情報」=「X000,Y000」とを、タッチパッド52を介して入力する。なお、「位置情報」=「X000,Y000」の入力については、前述したように、ディスプレイ53に表示されている図面(つまり、図2の平面図を支援す図面)において、固定ビーコン端末101の配置位置に対応する位置をタッチパッド52を介して指定することにより、入力してもよい。この場合、端末装置5の制御部55は、タッチパッド52から入力した「プロジェクトID」=「IDp001」、「固定ビーコンID」=「IDbf001」、「階数情報」=「1階」、及び「位置情報」=「X000,Y000」を受け付けて、受け付けたこれらの情報を相互に関連付けた状態で、サーバ装置4に送信する。次に、サーバ装置4の制御部43は、端末装置5から送信された「プロジェクトID」=「IDp001」、「固定ビーコンID」=「IDbf001」、「階数情報」=「1階」、及び「位置情報」=「X000,Y000」を受信し、受信したこれらの情報を、固定ビーコン関連情報DB424の固定ビーコン関連情報として格納することにより、例えば、図8の固定ビーコン関連情報における最上段の情報を格納する。
このような処理を各固定ビーコン端末1について繰り返し行うことにより、固定ビーコン関連情報を格納する。なお、本実施の形態では、前述したように、固定ビーコン端末1については、図8に示すように、相互に同じ固定ビーコンIDの固定ビーコン端末1が複数用いられており、これらの固定ビーコン端末1は各プロジェクトで用いられているために、図8の「プロジェクトID」=「IDp001」の「固定ビーコンID」=「IDbf001」及び「プロジェクトID」=「IDp002」の「固定ビーコンID」=「IDbf001」等の相互に同じ固定ビーコンIDが格納されている。
===第2の例===
「第2の例」においては、基本的には「第1の例」と同様にして登録するが、ビーコン登録モードにおいて、まず、制御部55が、図3のサーバ装置4にアクセスしてプロジェクト関連情報DB421のプロジェクト関連情報を取得して、図5のプロジェクト名情報のリストをディスプレイ53に表示する。次に、ユーザがタッチパッド52を介して、リストとして表示されているプロジェクト名情報の内の1個のプロジェクト名情報を選択した場合、図5のプロジェクト関連情報において当該選択された1個のプロジェクト名情報に関連付けられているプロジェクトIDが端末装置5に入力される。
次に、制御部55が、図5のプロジェクト関連情報において当該選択された1個のプロジェクト名情報に関連付けられている固定ビーコンIDのリストをディスプレイ53に表示する。次に、ユーザがタッチパッド52を介して、リストとして表示されている固定ビーコンIDの内の1個の固定ビーコンIDを選択した場合、当該固定ビーコンIDが端末装置5に入力される。
次に、このようにして入力された固定ビーコンID及びプロジェクトIDと、前述「第1の例」と同様にして入力された階数情報及び位置情報をサーバ装置4に送信することにより、固定ビーコン関連情報DB424の固定ビーコン関連情報を格納する。
===第3の例===
「第3の例」においては、例えば、固定ビーコン端末1の配置結果を示す情報(具体的には、プロジェクトID、固定ビーコンID、階数情報、及び位置情報)を任意の手法(例えば、作業員からの報告により把握する手法等)で管理者が把握した上で、管理者が不図示の入力手段(例えば、キーボード又はマウス等)を介してサーバ装置4に当該把握した情報を入力したり、あるいは、管理者が自己の端末装置(コンピュータ等)から当該把握した情報を送信することにより当該サーバ装置4に情報を入力したりした場合に、制御部43が当該入力された情報に基づいて格納する。
(処理‐ログ情報格納処理)
次に、ログ情報格納処理について説明する。図11は、ログ情報格納処理のフローチャートである。「ログ情報格納処理」とは、概略的には、管理システム100によって行われる処理であり、例えば、図3のログ情報DB426のログ情報を格納する処理である。このログ情報格納処理を実行するタイミングは任意であるが、例えば、管理システム100の各装置の電源をオンした後に、繰り返し実行を開始することとし、実行を開始したところが説明する。ここでは、特に、図1の高所作業車901に配置されている移動ビーコン端末201に着目して説明する。
まず、図11のSA1において移動ビーコン端末2の制御部23は、通信部21を介して固定ビーコン側信号を受信する。「固定ビーコン側信号」とは、図1の固定ビーコン端末1から出力される信号であり、例えば、プロジェクトID及び固定ビーコンIDを伝達するための電波である。図12は、管理システムが適用される現場である建物の平面図である。なお、図12においては、固定ビーコン側信号の伝達の様子が図示されている。また、固定ビーコン側信号は、実際には、360度全方位に出力されるが、図12では、便宜上、移動ビーコン端末201に向かう固定ビーコン側信号のみが一点鎖線で図示されている。本実施の形態では、例えば、固定ビーコン端末1が、前述したように、自己の不図示の記録部に記録されているプロジェクトID及び固定ビーコンIDを含む固定ビーコン側信号を生成し、所定時間間隔(例えば、1秒~2秒間隔等)で当該固定ビーコン側信号を電波として出力するように構成されていることとする。なお、各固定ビーコン端末1は、予め定められた相互に同じ所定の電波強度にて固定ビーコン側信号を出力することとする。
ここでは、例えば、図12に示すように、固定ビーコン端末101が「プロジェクトID」=「IDp001」及び「固定ビーコンID」=「IDbf001」を含む固定ビーコン側信号(以下、「第1固定ビーコン側信号」とも称する)を生成して出力し、また、固定ビーコン端末102が「プロジェクトID」=「IDp001」及び「固定ビーコンID」=「IDbf002」を含む固定ビーコン側信号(以下、「第2固定ビーコン側信号」とも称する)を生成して出力し、また、固定ビーコン端末103が「プロジェクトID」=「IDp001」及び「固定ビーコンID」=「IDbf003」を含む固定ビーコン側信号(以下、「第3固定ビーコン側信号」とも称する)を生成して出力する場合を例示して説明する。
図11のSA1について具体的には、移動ビーコン端末2の制御部23は、固定ビーコン端末1から出力されて移動ビーコン端末2に到達した固定ビーコン側信号を、通信部21を介して受信する。ここでは、例えば、移動ビーコン端末201の制御部23は、固定ビーコン端末101~103から出力された「第1固定ビーコン側信号」~「第3固定ビーコン側信」を受信する。
次に、図11のSA2において移動ビーコン端末2の制御部23は、SA1で受信した固定ビーコン側信号に、自己が所属するプロジェクト(つまり、自己が設けられている高所作業車9が所属するプロジェクト)と同じプロジェクトに所属している固定ビーコン端末1から出力された固定ビーコン側信号(以下、「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」とも称する)が含まれているか否かを判定する。具体的には任意であるが、例えば、SA1で受信した固定ビーコン側信号に含まれるプロジェクトIDを取得し、また、自己の記録部22に記録されているプロジェクトIDを特定し、前述の取得したプロジェクトIDにおいて前述の特定したプロジェクトIDと一致するものが含まれているか否かに基づいて判定する。そして、前述の取得したプロジェクトIDにおいて前述の特定したプロジェクトIDと一致するものが含まれていない場合、SA1で受信した固定ビーコン側信号に「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」が含まれていないものと判定し(SA2のNO)、処理を終了する。また、前述の取得したプロジェクトIDにおいて前述の特定したプロジェクトIDと一致するものが含まれている場合、SA1で受信した固定ビーコン側信号に「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」が含まれているものと判定し(SA2のYES)、SA3に移行する。
ここでは、例えば、移動ビーコン端末201の制御部23は、SA1で受信した「第1固定ビーコン側信号」~「第3固定ビーコン側信」各々に含まれる「プロジェクトID」=「IDp001」を取得し、また、自己の記録部22に記録されている「プロジェクトID」=「IDp001」を特定し、前述の取得したプロジェクトIDである「IDp001」(「第1固定ビーコン側信号」~「第3固定ビーコン側信」において全て同じ)が、前述の特定した「プロジェクトID」=「IDp001」と一致するので、SA1で受信した固定ビーコン側信号に「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」が含まれているものと判定する。
次に、図11のSA3において移動ビーコン端末2の制御部23は、SA1で受信した固定ビーコン側信号において「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」に含まれる固定ビーコンIDの内の1個の固定ビーコンIDを特定する。具体的には任意であるが、例えば、SA1で受信した固定ビーコン側信号の内の「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」が1個のみの場合と、SA1で受信した固定ビーコン側信号の内の「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」が複数個存在する場合に分けて、以下のように処理する。
===「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」が1個のみの場合===
「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」が1個のみの場合、移動ビーコン端末2の制御部23は、SA1で受信した固定ビーコン側信号の内の1個の「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」に含まれる固定ビーコンIDを特定する。
===「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」が複数個の場合===
「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」が複数個の場合、移動ビーコン端末2の制御部23は、SA1で受信した固定ビーコン側信号の内の複数個の「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」において、所定の特定手法で1個の「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」を特定し、特定した1個の「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」に含まれる固定ビーコンIDを特定する。
ここでの「所定の特定手法」は任意であるが、例えば、移動ビーコン端末2と固定ビーコン端末1との間の距離が短くなるにつれて、移動ビーコン端末2が受信する固定ビーコ側信号の電波強度がより強くなるので、最も電波強度が強い固定ビーコン側信号は、移動ビーコン端末2(つまり、高所作業車9)から最も近い距離に設けられている固定ビーコン端末1から出力されているものとして、複数個の「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」の内の電波強度が最も強い1個の「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」を特定する手法を用いてもよい。
より具体的には、移動ビーコン端末2に、通信部21を介して受信した固定ビーコン側信号の電波強度を測定する電波強度測定手段(例えば、電波強度を測定するための公知の回路等)が設けられていることとする。そして、移動ビーコン端末2の制御部23は、電波強度測定手段の測定結果に基づいて、SA1で受信した固定ビーコン側信号の内の複数の「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」の電波強度を特定し、当該特定した複数の電波強度を相互に比較することにより、SA1で受信した複数の「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」の内の最も強度が強い電波となっている「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」を送信した固定ビーコン端末1を特定し、特定した固定ビーコン端末1を識別する固定ビーコンIDとして、当該最も強度が強い電波となっている「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」に含まれる固定ビーコンIDを特定する。つまり、SA1で受信した複数の「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」の内の最も強度が強い電波となっている「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」に含まれる固定ビーコンIDを特定する。
ここでは、例えば、図12において、移動ビーコン端末201から固定ビーコン端末101~103までの距離は、移動ビーコン端末201から固定ビーコン端末101までの距離が最も近いので、固定ビーコン端末101から出力されて固定ビーコン側信号(つまり、「第1固定ビーコン側信号」)を移動ビーコン端末201側で測定した電波強度が最大となり、移動ビーコン端末2の制御部23は、SA1で受信した固定ビーコン側信号の内の複数個の「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」である「第1固定ビーコン側信号」~「第3固定ビーコン側信号」において、最も強度が強い電波となっている固定ビーコン側信号である「第1固定ビーコン側信号」を送信した固定ビーコン端末1として固定ビーコン端末101を特定し、特定した固定ビーコン端末101を識別する固定ビーコンIDとして、当該最も強度が強い電波となっている「第1固定ビーコン側信号」に含まれる「IDbf001」を特定する。
次に、図11のSA4において移動ビーコン端末2の制御部23は、通信部21を介して移動ビーコン側信号を受信装置3に送信する。「移動ビーコン側信号」とは、図1の移動ビーコン端末2から出力される信号であり、例えば、プロジェクトID、固定ビーコンID、及び移動ビーコンIDを伝達するための電波である。図11のSA4について具体的には、移動ビーコン端末2の制御部23は、自己の記録部22のプロジェクトID(つまり、移動ビーコン端末2が取り付けられている高所作業車9が所属するプロジェクトを識別するプロジェクトID)を取得し、また、SA3で特定した固定ビーコンIDを取得し、また、自己の記録部の移動ビーコンIDを取得した上で、これらの取得したプロジェクトID、固定ビーコンID、及び移動ビーコンIDを含む移動ビーコン側信号を生成し、生成した移動ビーコン側信号を、通信部21を介して受信装置3に送信する。
ここでは、例えば、移動ビーコン端末201の制御部23は、自己の記録部22の「プロジェクトID」=「IDp001」を取得し、また、SA3で特定した「固定ビーコンID」=「IDbf001」を取得し、また、自己の記録部の「移動ビーコンID」=「IDbm001」を取得した上で、これらの取得した「プロジェクトID」=「IDp001」、「固定ビーコンID」=「IDbf001」、及び「移動ビーコンID」=「IDbm001」を含む移動ビーコン側信号を生成し、生成した移動ビーコン側信号を、通信部21を介して受信装置3に送信する。
一方、図11のSB1において受信装置3の制御部は、SA4で送信された移動ビーコン側信号を、自己の通信部を介して受信する。ここでは、例えば、受信装置3の制御部は、前述の移動ビーコン端末201から送信された移動ビーコン側信号を受信する。
次に、図11のSB2において受信装置3の制御部は、SB1で受信した移動ビーコン側信号に含まれている情報を送信する。具体的には任意であるが、例えば、SB1で受信した移動ビーコン側信号に含まれている情報を取得し、取得した情報を、自己の通信部を介してサーバ装置4に送信する。
ここでは、例えば、受信装置3の制御部は、SB1で受信した前述の移動ビーコン端末201から送信された移動ビーコン側信号に含まれている「プロジェクトID」=「IDp001」、「固定ビーコンID」=「IDbf001」、及び「移動ビーコンID」=「IDbm001」を取得し、取得したこれらの情報をサーバ装置4に送信する。
一方、図11のSC1においてサーバ装置4の制御部43は、SB2で受信装置3から送信された情報を通信部41を介して受信する。ここでは、例えば、SB2で受信装置3から送信された「プロジェクトID」=「IDp001」、「固定ビーコンID」=「IDbf001」、及び「移動ビーコンID」=「IDbm001」を受信する。
次に、図11のSC2においてサーバ装置4の制御部43は、SC1で受信した情報に基づいて、ログ情報DB426の図10のログ情報を蓄積する。具体的には任意である、例えば、SC1で受信した各情報を取得し、また、任意の手法(例えば、サーバ装置4の不図示の計時手段(タイマー等)の計時結果に基づいて特定する手法等)を用いてSC1で当該情報を受信した時間を特定し、前述の取得した各情報を図10の同一名称の情報(つまり、プロジェクトID、移動ビーコンID、及び固定ビーコンID)として格納し、また、特定した時間を示す情報を図10の受信時間情報として格納する。
ここでは、例えば、SC1で受信した「プロジェクトID」=「IDp001」、「固定ビーコンID」=「IDbf001」、及び「移動ビーコンID」=「IDbm001」を取得し、また、任意の手法を用いてSC1で当該情報を受信した時間として「13時00分50秒」を特定した上で、図10の上から4段目の情報(つまり、「IDp001」、「IDbm001」、「IDbf001」、及び「13時00分50秒」の組み合わせの情報)を格納する。
図13は、管理システムが適用される現場である建物の平面図である。なお、図13においては、図12の高所作業車901(つまり、移動ビーコン端末201)が固定ビーコン端末102が設置されている位置付近に向かって移動した状態が図示されている。そして、高所作業車901が図12に示す位置から、図13に示すように、固定ビーコン端末102が設置されている位置付近に向かって移動する場合、移動ビーコン端末201が受信する前述の「第1固定ビーコン側信号」~「第3固定ビーコン側信号」の内の「第1固定ビーコン側信号」の電波強度が徐々に弱まり、「第2固定ビーコン側信号」の電波強度が徐々に強まって、当該「第2固定ビーコン側信号」の電波強度が最大となるので、前述の各処理を繰り返し実行することにより、図10の上から3段目の情報、2段目の情報、及び1段目の情報が格納されることになる。つまり、所定時間間隔で図10のログ情報が蓄積されることになる。なお、この図10の上から2段目の情報及び1段目の情報については、「固定ビーコンID」として「IDbf002」が格納されているので、「第2固定ビーコン側信号」の電波強度が最大となっている場合の情報に対応している。これにて、ログ情報格納処理を終了する。
(処理‐位置特定処理)
次に、位置特定処理について説明する。図14は、位置特定処理のフローチャートである。「位置特定処理」とは、概略的には、サーバ装置4によって行われる処理であり、例えば、高所作業車9の位置を特定する処理である。この位置特定処理を実行するタイミングは任意であるが、例えば、サーバ装置4が位置表示画像要求信号を受信した場合に実行を開始することとし、実行を開始したところから説明する。
なお、「位置表示画像要求信号」とは、位置表示画像を要求するための信号であり、例えば、端末装置5からサーバ装置4に送信される信号である。図15は、位置表示画像の表示例である。「位置表示画像」とは、高所作業車9の位置を表示する画像であり、例えば、図15に示すように、図7の図面情報が特定する図面において、高所作業車9の位置を示す高所作業車アイコンGが表示されている画像である。なお、実際には、図7の図面情報が特定する図面には、建物の構造物(階段、廊下等)も含まれており、位置表示画像にはこれらの構造物の画像も表示されるが、図15では、説明の便宜上、これらの構造物の画像は省略されている。
ここでは、例えば、「AAビルディング建設」のプロジェクトに所属する「AAA1」(図6)であるユーザが、AAビルディングの1階に配置されている高所作業車9の位置を確認する場合を例示して説明する。詳細には、例えば、「AAA1」であるユーザが、自己の端末装置5のタッチパッド52を介して、自己のユーザIDである「IDu001」及び階数情報である「1階」を端末装置5に入力した場合、端末装置5の制御部55が、当該入力された「ユーザID」=「IDu001」及び「階数情報」=「1階」を含む位置表示画像要求信号(以下、「例示の位置表示画像要求信号」とも称する)を通信部51を介してサーバ装置4に送信する。そして、サーバ装置4が当該「例示の位置表示画像要求信号」を通信部41を介して受信して、位置特定処理を起動した場合を例示して説明する。
まず、図14のSD1においてサーバ装置4の特定部431は、図10のログ情報からデータセットを取得する。なお、ここでの「データセット」とは、例えば、図10のログ情報において、相互に関連付けられている各情報の集合(つまり、プロジェクトID、移動ビーコンID、固定ビーコンID、及び受信時間情報の組み合わせ)を示すものとして説明する。
図14のSD1の処理について具体的には任意であるが、例えば、プロジェクトIDを基準にして、データセットを取得する。詳細には、位置特定処理の起動時に受信した位置表示画像要求信号に含まれるユーザIDを取得し、図6のユーザ関連情報を参照し、前述の取得したユーザIDに関連付けられているプロジェクトIDを特定し、図10のログ情報を参照して、当該特定したプロジェクトIDが関連付けられているデータセットを取得する。
ここでは、例えば、位置特定処理の起動時に受信した「例示の位置表示画像要求信号」に含まれる「ユーザID」=「IDu001」を取得し、図6のユーザ関連情報を参照し、前述の取得した「ユーザID」=「IDu001」に関連付けられている「プロジェクトID」=「IDp001」を特定し、図10のログ情報を参照して、当該特定した「プロジェクトID」=「IDp001」が関連付けられているデータセットを取得する。つまり、図10の上から1段目~4段目の情報等を取得する。
次に、図14のSD2においてサーバ装置4の特定部431は、SD1で取得したデータセットにおいて、図10の各移動ビーコンIDに対して、1個ずつデータセットを特定する。具体的には任意であるが、例えば、まず、SD1で取得したデータセットの内の、1個の移動ビーコンIDに関連付けられているデータセットを特定する(以下、「SD2の第1処理」と称する)。次に、この「SD2の第1処理」で特定されるデータセットは、前述したように、所定時間間隔で図10のログ情報が蓄積されるために、複数個存在することが想定されるので、図10の受信時間情報に着目して、所定の手法(サーバ装置4の計時手段(タイマー等)の計時結果を利用する手法等)で現在の時間に最も近い時間が当該受信時間情報として記録されている1個のデータセットを、「SD2の第1処理」で特定したデータセットにおいて特定する(以下、「SD2の第2処理」と称する)。そして、上述の「SD2の第1処理」及び「SD2の第2処理」を、SD1で取得したデータセットに含まれる全ての移動ビーコンIDについて処理することにより、移動ビーコンIDの個数分のデータセットを特定する。
ここでは、例えば、「SD2の第1処理」において、SD1で取得したデータセットの内の、1個の移動ビーコンIDである「IDbm001」に関連付けられているデータセットとして図10の上から1段目~4段目のデータセット等を特定する。次に、図10の1段目~4段目のデータセットにおける「受信時間情報」=「13時01分20秒」が現在の時間に最も近い時間である場合、「SD2の第2処理」において、図10の1段目のデータセット(つまり、「プロジェクトID」=「IDp001」、「移動ビーコンID」=「IDbm001」、「固定ビーコンID」=「IDbf002」、及び「受信時間情報」=「13時01分20秒」の組み合わせの情報)を特定する。そして、「移動ビーコンID」である「IDbm002」及び「IDbm003」等についても、同様な処理を行うことにより、移動ビーコンIDの個数分のデータセットを特定する。
このようにSD1及びSD2の処理を行うことにより、ユーザが所属するプロジェクトに関連する各移動ビーコンIDが含まれている直近に受信したログ情報の各データセットを特定することが可能となる。
次に、図14のSD3においてサーバ装置4の特定部431は、ユーザに指定された階数に高所作業車9が存在するか否かを判定する。具体的には任意であるが、例えば、位置特定処理の起動時にユーザに入力されて指定された階数情報が特定する階数に当該ユーザのプロジェクトに所属する高所作業車9が存在するか否かを判定する。
詳細には、まず、位置特定処理の起動時に受信した位置表示画像要求信号に含まれる階数情報を取得し、また、SD1で特定したプロジェクトID(つまり、図6のユーザ関連情報において、位置特定処理の起動時に受信した位置表示画像要求信号に含まれるユーザIDに関連付けられているプロジェクトID)を取得した上で、図8の固定ビーコン関連情報を参照して、前述の取得した階数情報及びプロジェクトIDに関連付けられている固定ビーコンIDを取得する。次に、SD2で特定したデータセットの中に当該取得した固定ビーコンID(少なくとも1個の固定ビーコンID)を含むデータセットが存在するか否かに基づいて、ユーザに指定された階数に高所作業車9が存在するか否かを判定する。なお、以下では、前述の取得した固定ビーコンID(つまり、ユーザに入力された情報に対応するプロジェクトID及び階数情報に関連付けられている固定ビーコンID)を含むデータセットを、「対象データセット」とも称する。
そして、SD2で特定したデータセットの中に当該取得した固定ビーコンIDを含むデータセット(つまり、「対象データセット」)が存在しない場合、ユーザに指定された階数に当該ユーザのプロジェクトに所属する高所作業車9が存在しないものと判定し(SD3のNO)、処理を終了する。なお、この場合、ユーザに指定された階数に当該ユーザのプロジェクトに所属する高所作業車9が存在しない旨を示す情報を端末装置5に送信して表示することにより、ユーザに対して当該高所作業車9が存在しない旨を報知するように構成してもよい。また、SD2で特定したデータセットの中に当該取得した固定ビーコンIDを含むデータセット(つまり、「対象データセット」)が存在する場合、ユーザに指定された階数に当該ユーザのプロジェクトに所属する高所作業車9が存在するものと判定し(SD3のYES)、SD4に移行する。
ここでは、例えば、位置特定処理の起動時に受信した「例示の位置表示画像要求信号」に含まれる「階数情報」=「1階」を取得し、また、SD1で特定した「プロジェクトID」=「IDp001」を取得した上で、図8の固定ビーコン関連情報を参照して、前述の取得した「階数情報」=「1階」及び「プロジェクトID」=「IDp001」に関連付けられている「固定ビーコンID」=「IDbf001」、「IDbf002」、及び「IDbf003」等を取得する。次に、SD2で特定したデータセットである例えば図10の1段目のデータセットの中に当該取得した「固定ビーコンID」=「IDbf002」が含まれているために、SD2で特定したデータセットの中に「対象データセット」が存在するので、ユーザに指定された階数に当該ユーザのプロジェクトに所属する高所作業車9が存在するものと判定する。
次に、図14のSD4においてサーバ装置4の特定部431は、高所作業車9の位置を特定する。具体的には任意であるが、例えば、まず、SD2で特定したデータセットの内の、前述の「対象データセット」を1個選択し、選択した1個の「対象データセット」において図10のプロジェクトID、移動ビーコンID、及び固定ビーコンIDを特定する(以下、「SD4の第1処理」と称する)。次に、図9の移動ビーコン関連情報を参照して、「SD4の第1処理」で特定したプロジェクトID及び移動ビーコンIDに関連付けられている車両名称情報を特定し、特定した車両名称情報が示す高所作業車9を、位置を特定する対象となる高所作業車9として特定する(以下、「SD4の第2処理」)。次に、図8の固定ビーコン関連情報を参照して、「SD4の第1処理」で特定したプロジェクトID及び固定ビーコンIDに関連付けられている位置情報を取得する(以下、「SD4の第3処理」)。次に、SD3と同様にして、位置特定処理の起動時に受信した位置表示画像要求信号に含まれる階数情報を取得した上で、図7の図面関連情報を参照して、「SD4の第1処理」で特定したプロジェクトID及び当該取得した階数情報に関連付けられている図面情報を取得する(以下、「SD4の第4処理」と称する)。次に、「SD4の第2処理」で特定した高所作業車9の位置として、「SD4の第4処理」で取得した図面情報が示す平面図における、「SD4の第3処理」で取得した位置情報が示す位置を特定する(以下、「SD4の第5処理」と称する)。そして、SD2で特定したデータセットの内の全ての「対象データセット」について、「SD4の第1処理」~「SD4の第5処理」を行うことにより、ユーザに指定された階数における当該ユーザのプロジェクトに所属する高所作業車9の位置を特定する。
ここでは、例えば、まず、「SD4の第1処理」において、SD2で特定したデータセットの内の、前述の「対象データセット」として図10の最上段のデータセットとして選択し、「プロジェクトID」=「IDp001」、「移動ビーコンID」=「IDbm001」、及び「固定ビーコンID」=「IDbf002」を特定する。次に、「SD4の第2処理」において、図9の移動ビーコン関連情報を参照して、「SD4の第1処理」で特定した「プロジェクトID」=「IDp001」及び「移動ビーコンID」=「IDbm001」に関連付けられている「車両名称情報」=「1号機」を特定し、特定した「車両名称情報」=「1号機」が示す高所作業車901を、位置を特定する対象となる高所作業車901として特定する。次に、「SD4の第3処理」において、図8の固定ビーコン関連情報を参照して、「SD4の第1処理」で特定した「プロジェクトID」=「IDp001」及び「固定ビーコンID」=「IDbf002」に関連付けられている「位置情報」=「X001,Y001」を取得する。次に、「SD4の第4処理」において、SD3と同様にして、位置特定処理の起動時に受信した「例示の位置表示画像要求信号」に含まれる「階数情報」=「1階」を取得した上で、図7の図面関連情報を参照して、「SD4の第1処理」で特定した「プロジェクトID」=「IDp001」及び当該取得した「階数情報」=「1階」に関連付けられている「図面情報」=「001.jpg」を取得する。次に、「SD4の第5処理」において、「SD4の第2処理」で特定した高所作業車901の位置として、「SD4の第4処理」で取得した「図面情報」=「001.jpg」が示す平面図における、「SD4の第3処理」で取得した「位置情報」=「X001,Y001」が示す位置を特定する。ここでは、例えば、「図面情報」=「001.jpg」が示す平面図において、固定ビーコン端末102が配置されている位置に対応する位置を特定することになる。そして、SD2で特定したデータセットの内の全ての「対象データセット」について、「SD4の第1処理」~「SD4の第5処理」を行うことにより、高所作業車902の位置の特定等も行う。
次に、図14のSD5においてサーバ装置4の特定部431は、位置表示画像を表示する。具体的には任意であるが、例えば、SD4の処理結果に基づいて、位置表示画像を生成し、生成した位置表示画像を、位置特定処理の起動時に受信した位置表示画像要求信号を送信した端末装置5に送信し、送信した端末装置5のディスプレイ53に表示する。詳細には、「SD4の第4処理」で取得した図面情報(図7)が示す平面図において、「SD4の第5処理」で特定した高所作業車9の位置に対応する位置に高所作業車アイコンG及び「SD4の第2処理」で特定した車両名称情報を示すテキスト情報を表示する位置表示画像を生成して端末装置5に送信することにより、ディスプレイ53に表示する。
ここでは、例えば、図15に示すように、平面図において高所作業車901の位置を表示する高所作業車アイコンG1及び「1号機」というテキスト情報、及び高所作業車902の位置を表示する高所作業車アイコンG2及び「2号機」というテキスト情報等を表示する位置表示画画像を生成し、生成した位置表示画像を「AAA1」であるユーザの端末装置5に送信する。一方、当該端末装置5の制御部55は、当該位置表示画像を受信して、ディスプレイ53に図15の位置表示画像を表示する。そして、当該ユーザは、図15の位置表示画像を視認することにより、自己のプロジェクトに所属する「1号機」である高所作業車901及び「2号機」である高所作業車902等が、AAビルディングの1階に存在すること、当該各高所作業車901、902の現在の位置を把握することが可能となる。これにて、位置特定処理を終了する。
(本実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、高所作業車9に取り付けられた移動ビーコン端末2が、固定ビーコン端末1から発信された固定ビーコン側信号を受信し、受信した当該固定ビーコン側信号を発信した固定ビーコン端末1を示す固定ビーコンIDと、自己を示す移動ビーコンIDとを送信することにより、例えば、作業員の巡回等を前提とせずに、高所作業車9の位置を特定するために必要な情報(例えば、固定ビーコンID及び移動ビーコンID)を送信することができるので、高所作業車9の位置を確実に特定することが可能となる。
また、移動ビーコン端末2は送受信型のビーコンであることにより、例えば、管理システム100の低コスト化を図ることが可能となる。
また、移動ビーコン端末2は、複数の固定ビーコン端末1から固定ビーコン側信号を受信した場合、受信した当該固定ビーコン側信号の内の最も強度が強い電波を発信した固定ビーコン端末1を特定し、少なくとも、特定した当該固定ビーコン端末1を示す固定ビーコンIDと移動ビーコンIDとを送信することにより、例えば、送信する固定ビーコンIDを絞ることができるので、通信量又は通信頻度を低減させることが可能となる。
また、高所作業車9、固定ビーコン端末1、及び移動ビーコン端末2は、複数のプロジェクト(グループ)の内の1個のプロジェクトに所属しており、移動ビーコン端末2は、自己が取り付けられている高所作業車9が所属しているプロジェクトを特定するプロジェクトIDを更に送信し、特定部431は、固定ビーコン関連情報DB424に格納されている位置情報と、受信装置3が受信した固定ビーコンID、移動ビーコンID、及びプロジェクトIDとに基づいて、高所作業車9の位置を特定することにより、例えば、固定ビーコンIDとして各プロジェクト相互間で重複した情報を用いたとしても、固定ビーコンIDに加えてプロジェクトIDを用いることにより、固定ビーコン端末1を識別することが可能となる。すなわち、例えば、固定ビーコンIDとして用いる情報の自由度を向上させることが可能となる。
また、移動ビーコン端末2は、ブルートゥースローエナジー(BLE)の規格に従って、少なくとも固定ビーコンIDと移動ビーコンIDとを送信することにより、例えば、移動ビーコン端末2の低消費電力化を図ることが可能となる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。具体的には、受信装置3の機能をサーバ装置4に統合してもよい。また、記録部42の各DBのデータ構造を任意に変更してもよい。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(移動ビーコン側信号について(その1))
また、上記実施の形態では、図11のSA4において、移動ビーコン側信号に1個の固定ビーコンIDを含めて送信する場合について説明したが、これに限らない。例えば、移動ビーコン側信号を用いて複数個の固定ビーコンIDを送信するように構成してもよい。図16は、ログ情報を例示した図である。ここでの具体的な実装手法は任意であるが、例えば、実施の形態では、図11のSA3において1個の固定ビーコンIDを特定したが、この処理を変更して、SA3において、「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」が複数個存在する場合、当該複数個の「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」全ての固定ビーコンIDを特定したり、あるいは、所定の強度以上の「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」の固定ビーコンIDを特定したりしてもよい。そして、図11のSA4において、移動ビーコン端末2の制御部23が、SA3で特定した複数個の固定ビーコンIDを移動ビーコン側信号を介して送信するように構成してもよい。
このように構成した場合、例えば、SA3において、複数個の「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」として前述の「第1固定ビーコン側信号」~「第3固定ビーコン側信号」が含まれている場合、SA4において「固定ビーコンID」=「IDbf001」~「IDbf003」を含む情報を移動ビーコン側信号を介して送信することになる。この場合、実施の形態と同様な処理を行うことにより、図11のSC2において、例えば、図16に示すように、各データセットにおいて1個のプロジェクトID、移動ビーコンID、及び受信時間情報に対して、複数個の固定ビーコンIDが関連付けられて格納されることになる。
そして、この場合、図14のSD4において、サーバ装置4の特定部431が、図16の1個のデータセットに含まれている複数個の固定ビーコンIDに関連付けられている複数個の位置情報(図8)に基づいて、高所作業車9の位置を特定するように構成してもよい。具体的には任意であるが、例えば、図16の「移動ビーコンID」=「IDbm001」に対応する高所作業車901の位置を、「固定ビーコンID」=「IDbf001」に対応する「位置情報」=「X000,Y000」、「固定ビーコンID」=「IDbf002」に対応する「位置情報」=「X001,Y001」、及び「固定ビーコンID」=「IDbf003」に対応する「位置情報」=「X002,Y002」に基づいて特定するが、以下の第1の手法又は第2の手法を用いて特定してもよい。
「第1の手法」は、複数の位置情報を全て用いて特定する手法であり、例えば、各位置情報が示す位置の中央の位置を、高所作業車901の位置として特定する手法である。また、「第2の手法」は、複数の位置情報の内の何れか1個を任意の手法(例えば、ランダムに選択する手法、あるいは、予め定められている優先順位に従って選択する手法等)で選択し、選択した位置情報を、高所作業車901の位置として特定する手法である。なお、これらの手法を用いる場合、各固定ビーコン端末1の個数又は設置位置、あるいは、固定ビーコン側信号の強度を、実験又はシミュレーション等で予め設定することにより、高所作業車9の位置の特定精度を向上させることが可能となる。
このように構成した場合、移動ビーコン端末2は、複数の固定ビーコン端末1から固定ビーコン側信号を受信した場合、受信した当該固定ビーコン側信号を発信した複数の固定ビーコン端末1を示す複数の固定ビーコンIDと、移動ビーコンIDとを送信することにより、例えば、複数の固定ビーコンIDを送信することができるので、高所作業車9の位置を特定する精度を向上させることが可能となる。
(移動ビーコン側信号について(その2))
また、上記の「(移動ビーコン側信号について(その1))」のように構成する場合において、移動ビーコン側信号を用いて、実施の形態で説明した各情報(プロジェクトID、固定ビーコンID、及び移動ビーコンID)に加えて他の情報を送信するように構成してもよい。図17は、ログ情報を例示した図である。ここで加える他の情報は任意であるが、例えば、電波強度情報又は電池残量情報の内の何れか一方のみ又は両方を、他の情報として加えて送信するように構成してもよい。ここでは、例えば、電波強度情報及び電池残量情報の両方を他の情報として送信する場合について説明する。「電波強度情報」とは、電波強度特定情報であり、図1のSA1で移動ビーコン端末2が受信した固定ビーコン側信号の、当該移動ビーコン端末2側での電波強度(つまり、電波のレベル)を特定する情報である。「電池残量情報」とは、基準発信器状態情報であり、例えば、固定ビーコン端末1が自己に設けられている電池で駆動していることとし、当該電池の残量を示す情報である。なお、ここでは、電波強度情報としては、強度が大きくなるにつれて値が大きくなる数値情報(図17の「40」等)を用いて説明し、また、電池残量情報としては、満量(電池が未使用である場合の電池残量、又は、出荷時の電池残量)に対する現在の電池残量の割合を示す数値情報を用いて説明する(図17では、90%を特定する「90」等)。
ここでの具体的な実装手法は任意であるが、例えば、固定ビーコン端末1が、プロジェクトID及び固定ビーコンIDに加えて、自己の電池の残量を示す電池残量情報を含む固定ビーコン側を出力するように構成する。そして、図11のSA3において、「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」に含まれる固定ビーコンIDと共に当該信号に含まれる電池残量情報を特定し、また、前述の電波強度測定手段を用いて「同プロジェクト内固定ビーコン側信号」の電波強度を測定し、測定した電波強度を示す電波強度情報を生成する。そして、図11のSA4において、移動ビーコン端末2の制御部23が、SA3で特定した電池残量情報及び生成した電波強度情報を移動ビーコン側信号を介して送信するように構成してもよい。
このように構成した場合、例えば、同プロジェクト内固定ビーコン側信号」である前述の「第1固定ビーコン側信号」~「第3固定ビーコン側信号」各々に、電池残量情報として「90」、「95」、及び「50」が含まれている場合、SA3において、電池残量情報として「90」、「95」、及び「50」を特定し、また、電波強度測定手段を用いて「第1固定ビーコン側信号」~「第3固定ビーコン側信号」の電波強度を測定し、測定した電波強度を示す電波強度情報として「40」、「60」、及び「20」を特定する。そして、図11のSA4において、移動ビーコン端末2の制御部23が、SA3で特定した電池残量情報及び電波強度情報を移動ビーコン側信号を介して送信するように構成してもよい。そして、図11のSA4において「電池残量情報」=「90」、「95」、及び「50」、「電波強度情報」=「40」、「60」、及び「20」を含む情報を移動ビーコン側信号を介して送信することになる。この場合、実施の形態と同様な処理を行うことにより、図11のSC2において、例えば、図17に示すように、各データセットにおいて1個のプロジェクトID、移動ビーコンID、及び受信時間情報に対して、複数個の固定ビーコンID、電波強度情報、電池残量情報が関連付けられて格納されることになる。
そして、この場合、図14のSD4において、サーバ装置4の特定部431が、図17の1個のデータセットに含まれている複数個の固定ビーコンIDに関連付けられている複数個の位置情報(図8)、及び前述の固定ビーコンIDに関連付けられている図17の電波強度情報に基づいて、高所作業車9の位置を特定するように構成してもよい。具体的には任意であるが、例えば、図17の「移動ビーコンID」=「IDbm001」に対応する高所作業車901の位置を、「固定ビーコンID」=「IDbf001」に対応する「位置情報」=「X000,Y000」及び図17の「電波強度情報」=「40」、「固定ビーコンID」=「IDbf002」に対応する「位置情報」=「X001,Y001」及び図17の「電波強度情報」=「60」、及び「固定ビーコンID」=「IDbf003」に対応する「位置情報」=「X002,Y002」及び図17の「電波強度情報」=「20」に基づいて特定するが、以下の手法を用いて特定してもよい。
具体的には、移動ビーコン端末2(つまり、高所作業車9)と固定ビーコン端末1との間の距離が短くなるにつれて、移動ビーコン端末2が受信する固定ビーコ側信号の電波強度がより強くなることに着目して、前述の3個の位置情報が特定する位置から、各関連付けられている電波強度情報が特定する電波強度に対応する距離だけ離れた位置を、高所作業車901の位置として特定してもよい。
このように構成した場合、電波強度情報と、固定ビーコン端末1の位置情報(図8)と、固定ビーコンIDと、移動ビーコンIDとに基づいて、高所作業車9の位置を特定することにより、例えば、高所作業車9の位置を特定する精度を向上させることが可能となる。
(移動ビーコン側信号について(その3))
また、上記実施の形態の図11のSA4において移動ビーコン端末2の制御部23が、移動ビーコン側信号を任意に送信するように構成してもよい。具体的には、例えば、送信するべき情報を複数回に分けて移動ビーコン側信号を用いて送信するように構成してもよいし、あるいは、当該情報を1回で移動ビーコン側信号を用いて送信するように構成してもよい。なお、「複数回に分けて移動ビーコン側信号を用いて送信する」とは、例えば、任意のフォーマットのパケットを用いて通信を行う場合において、複数個のパケットを送信することに対応し、また、「1回で移動ビーコン側信号を用いて送信する」とは、例えば、前述の任意のフォーマットのパケットを用いて通信を行う場合において、1個のパケットを用いて送信することに対応している。
ここでは、例えば、1個のパケットに、最大データ量が予め定められている第1情報領域、第2情報領域、及び第3情報領域が含まれており、当該各情報領域に情報を含めて生成したパケットで構成される移動ビーコン側信号を送信するように構成してもよい。なお、ここでの第1情報領域、第2情報領域、及び第3情報領域としては、例えば、公知の通信規格の「UUID」、「Major」、及び「Minor」に対応する情報領域(つまり、「UUID」、「Major」、及び「Minor」で識別される情報)であることとしてもよいが、これに限らず他の概念に対応するものとしてもよい。
実施の形態で説明したように、プロジェクトID、固定ビーコンID、及び移動ビーコンIDを送信する場合、例えば、「第1情報領域」=「プロジェクトID」、「第2情報領域」=「固定ビーコンID」、及び「第3情報領域」=「移動ビーコンID」が格納されるパケットで構成される移動ビーコン側信号を生成して、前述の情報を1回で移動ビーコン側信号を用いて送信してもよい。
また、「(移動ビーコン側信号について(その1))」で説明したように、複数個の固定ビーコンIDを送信する場合、「第1情報領域」=「プロジェクトID、移動ビーコンID」、「第2情報領域」=「シーケンシャル番号(1)」、及び「第3情報領域」=「固定ビーコンID(1個目)」が格納される第1パケットで構成される第1移動ビーコン側信号、「第1情報領域」=「プロジェクトID、移動ビーコンID」、「第2情報領域」=「シーケンシャル番号(2)」、及び「第3情報領域」=「固定ビーコンID(2個目)」が格納される第2パケットで構成される第2移動ビーコン側信号、「第1情報領域」=「プロジェクトID、移動ビーコンID」、「第2情報領域」=「シーケンシャル番号(3)」、及び「第3情報領域」=「固定ビーコンID(3個目)」が格納される第3パケット等の複数個のパケットで構成される第3移動ビーコン側信号等を生成して、前述の情報を複数回に分けて移動ビーコン側信号を用いて送信してもよい。なお、前述の「シーケンシャル番号」は、相互に関連する送信するべき情報を送信する相互に関連する信号であることを特定するための情報であり、例えば、数値の「1」から始まり1ずつ増加する数値情報(つまり、インクリメントされる数値情報)を用いてもよい。
また、「(移動ビーコン側信号について(その2))」で説明したように、複数個の固定ビーコンID、電波強度情報、及び電池残量情報を送信する場合も、複数回に分けて移動ビーコン側信号を用いて送信してもよい。
このように構成した場合、移動ビーコン端末2は、自己が送信するべき情報を複数回に分けて送信することにより、例えば、比較的大量の情報を送信することができるので、位置を特定するために必要な情報を比較的大量に送信したり、あるいは、位置を特定するために必要な情報以外の情報(例えば、前述の電池残量情報等)を比較的大量に送信したりすることが可能となる。
なお、前述の複数回に分けて移動ビーコン側信号を用いて送信するものと説明した情報については、例えば、パットの第1情報領域~第3情報領域の最大データ量を比較的大きくすることにより、1回で移動ビーコン側信号を用いて送信するように構成してもよい。
(管理部について)
また、上記実施の形態の管理システム100に対して、管理部を設けてもよい。「管理部」とは、前述の管理手段である。この管理部の具体的な実装手法は任意であるが、例えば、サーバ装置4の制御部43に管理部を設けてもよい。例えば、前述の「(移動ビーコン側信号について(その2))」で説明した構成に適用する場合について説明する、この場合、図17の電池残量情報を含む移動ビーコン側信号を図11のSB1で受信装置3が受信した上でSB2で当該情報も送信し、SC1の後のSC2において、例えば、ログ情報DB426に図17のログ情報が格納されることになる。
この場合、サーバ装置4の管理部は、任意のタイミングで図17のログ情報を参照して、現在の時間に最も近い受信時間情報に関連付けられている電池残量情報を参照して、所定の閾値(例えば、予め定められている値であり「55」等)と、各電池残量情報とを比較し、比較結果に基づいて閾値以下となる電池残量情報が存在するか否かを判定する。そして、存在するものと判定した場合、閾値以下となる電池残量情報に関連付けられている固定ビーコンIDを特定し、特定した固定ビーコンIDが識別する固定ビーコン端末1の電池残量が減少している旨を示す警報情報(例えば、警報メッセージ等)を出力する。具体的には任意であるが、例えば、管理システム100の管理者の端末に対して当該警報情報を送信して、当該端末を介して非警報情報を表示出力又は音声出力してもよい。また、図8の固定ビーコン関連情報を参照して、前述の閾値以下となる電池残量情報に関連付けられている固定ビーコンIDの位置を示す位置情報を特定し、特定した位置情報を含む警報情報を表示出力してもよい。なお、例えば、警報情報を出力ことが、固定ビーコン端末1(基準発信器)を管理する処理に対応する。
このように構成した場合、受信装置3が受信した電池残量情報に基づいて、固定ビーコン端末1を管理する処理を行うことにより、例えば、固定ビーコン端末1を管理することができるので、固定ビーコン端末1の動作を維持することができ、高所作業車9の位置を確実に特定することが可能となる。
(位置特定処理について)
また、上記実施の形態の図14の位置特定処理においては、ユーザが自己のユーザID及び階数情報を入力して、当該ユーザに指定された階数における、当該ユーザのプロジェクトに所属する高所作業車9の位置を特定する場合について説明したが、これに限らない。例えば、ユーザが、位置を特定する対象となる高所作業車9の車両名称情報を入力し、当該入力された車両名称情報が示す高所作業車9の位置を特定するように構成してもよい。
具体的には任意であるが、例えば、まず、特定部431は、図9の移動ビーコン関連情報を参照して、入力された車両名称情報に関連付けられているプロジェクトID及び移動ビーコンIDを特定し、図10のログ情報を参照して、当該特定したプロジェクトID及び移動ビーコンIDが含まれるデータセットの内の、受信時間情報として現在の時間に最も近い時間が格納されているデータセットを特定する。この後、実施の形態で説明した場合と同様にして、当該特定したデータセットに含まれる固定ビーコンIDが識別する固定ビーコン端末1の位置を、前述の入力された車両名称情報が示す高所作業車9の位置として特定してもよい。
(アキュラシー値について)
また、図17の電波強度情報に対応する情報として、いわゆるアキュラシー値(電波強度に基づいて推定される距離)を示す情報を用いてもよい。
(省略について)
また、上記実施の形態において、特定部431が高所作業車9の位置を特定できる限りにおいて、任意の情報又は処理を省略してもよい。例えば、プロジェクトに関連する情報又は処理を全て省略した上で、管理システム100に含まれる各装置(特に、固定ビーコン端末1及び移動ビーコン端末2)に対して一意となるIDを付して、前述の各処理と同様な処理を行うように構成してもよい。また、図10のログ情報を省略してもよい、この場合、図11のSC1で情報を受信する毎に、図14の位置特定処理と同様な処理を行うことにより、当該受信した情報に含まれる移動ビーコンIDに対応する高所作業車9の位置を特定して表示するように構成してもよい。
(組み合わせについて)
また、上記実施の形態の及び変形例を任意に組み合わせてもよい。つまり、例えば、実施の形態の技術と、変形例の「(移動ビーコン側信号について(その2))」で説明した技術とを相互に組み合わせて、電波強度情報も送信するように構成した上で、当該電波強度情報も考慮して高所作業車9の位置を特定するように構成してもよい。
(付記)
付記1の位置特定システムは、対象物の位置を特定するための位置特定システムであって、前記対象物が存在し得る対象領域内の複数箇所に配置された基準発信器と、前記対象物に取り付けられた対象物送受信器であって、前記基準発信器から発信された電波を受信し、少なくとも、受信した当該電波を発信した前記基準発信器を示す基準発信器特定情報と、自己を示す対象物送受信器特定情報とを送信する前記対象物送受信器と、前記対象物送受信器から送信された前記基準発信器特定情報と前記対象物送受信器特定情報とを受信する受信端末と、前記対象領域における前記基準発信器の配置位置を特定する基準発信器位置情報を格納する格納手段と、少なくとも、前記格納手段に格納されている前記基準発信器位置情報と、前記受信端末が受信した前記基準発信器特定情報及び前記対象物送受信器特定情報とに基づいて、前記対象物の位置を特定する特定手段と、を備える。
付記2の位置特定システムは、付記1に記載の位置特定システムにおいて、前記対象物送受信器は、送受信型のビーコンである。
付記3の位置特定システムは、付記1又は2に記載の位置特定システムにおいて、前記対象物送受信器は、複数の前記基準発信器から電波を受信した場合、受信した当該電波の内の最も強度が強い電波を発信した前記基準発信器を特定し、少なくとも、特定した当該基準発信器を示す前記基準発信器特定情報と前記対象物送受信器特定情報とを送信する。
付記4の位置特定システムは、付記1又は2に記載の位置特定システムにおいて、前記対象物送受信器は、複数の前記基準発信器から電波を受信した場合、受信した当該電波を発信した複数の前記基準発信器を示す複数の前記基準発信器特定情報と、前記対象物送受信器特定情報とを送信する。
付記5の位置特定システムは、付記3又は4に記載の位置特定システムにおいて、前記対象物送受信器は、複数の前記基準発信器から電波を受信した場合、受信した当該電波の強度を示す電波強度特定情報を更に送信し、前記受信端末は、前記対象物送受信器から送信された前記電波強度特定情報を更に受信し、前記特定手段は、前記受信端末が受信した前記電波強度特定情報と、前記格納手段に格納されている前記基準発信器位置情報と、前記基準発信器特定情報と、前記対象物送受信器特定情報とに基づいて、前記対象物の位置を特定する。
付記6の位置特定システムは、付記1から5の何れか一項に記載の位置特定システムにおいて、前記対象物送受信器は、前記基準発信器の状態を示す基準発信器状態情報を送信し、前記受信端末は、前記対象物送受信器から送信された前記基準発信器状態情報を受信し、前記位置特定システムは、前記受信端末が受信した前記基準発信器状態情報に基づいて、前記基準発信器を管理する処理を行う管理手段、を備える。
付記7の位置特定システムは、付記1から6の何れか一項に記載の位置特定システムにおいて、前記対象物送受信器は、自己が送信するべき情報を複数回に分けて送信する。
付記8の位置特定システムは、付記1から7の何れか一項に記載の位置特定システムにおいて、前記対象物、前記基準発信器、及び前記対象物送受信器は、複数のグループの内の1個のグループに所属しており、前記格納手段は、前記複数のグループ各々に所属する前記基準発信器についての、前記対象領域における配置位置を特定する情報を前記基準発信器位置情報として格納しており、前記対象物送受信器は、自己が取り付けられている前記対象物が所属しているグループを特定するグループ特定情報を更に送信し、前記受信端末は、前記グループ特定情報を更に受信し、前記特定手段は、前記格納手段に格納されている前記基準発信器位置情報と、前記受信端末が受信した前記基準発信器特定情報、前記対象物送受信器特定情報、及び前記グループ特定情報とに基づいて、前記対象物の位置を特定する。
付記9の位置特定システムは、付記1から8の何れか一項に記載の位置特定システムにおいて、前記対象物送受信器は、ブルートゥースローエナジー(BLE)の規格に従って、少なくとも前記基準発信器特定情報と前記対象物送受信器特定情報とを送信する。
(付記の効果)
付記1に記載の位置特定システムによれば、対象物に取り付けられた対象物送受信器が、基準発信器から発信された電波を受信し、受信した当該電波を発信した基準発信器を示す基準発信器特定情報と、自己を示す対象物送受信器特定情報とを送信することにより、例えば、作業員の巡回等を前提とせずに、対象物の位置を特定するために必要な情報(例えば、基準発信器特定情報及び対象物送受信器特定情報)を送信することができるので、対象物の位置を確実に特定することが可能となる。
付記2に記載の位置特定システムによれば、対象物送受信器は送受信型のビーコンであることにより、例えば、位置特定システムの低コスト化を図ることが可能となる。
付記3に記載の位置特定システムによれば、対象物送受信器は、複数の基準発信器から電波を受信した場合、受信した当該電波の内の最も強度が強い電波を発信した基準発信器を特定し、少なくとも、特定した当該基準発信器を示す基準発信器特定情報と対象物送受信器特定情報とを送信することにより、例えば、送信する基準発信器特定情報を絞ることができるので、通信量又は通信頻度を低減させることが可能となる。
付記4に記載の位置特定システムによれば、対象物送受信器は、複数の基準発信器から電波を受信した場合、受信した当該電波を発信した複数の基準発信器を示す複数の基準発信器特定情報と、対象物送受信器特定情報とを送信することにより、例えば、複数の基準発信器特定情報を送信することができるので、対象物の位置を特定する精度を向上させることが可能となる。
付記5に記載の位置特定システムによれば、電波強度特定情報と、基準発信器位置情報と、基準発信器特定情報と、対象物送受信器特定情報とに基づいて、対象物の位置を特定することにより、例えば、対象物の位置を特定する精度を向上させることが可能となる。
付記6に記載の位置特定システムによれば、受信端末が受信した基準発信器状態情報に基づいて、基準発信器を管理する処理を行うことにより、例えば、基準発信器を管理することができるので、基準発信器の動作を維持することができ、対象物の位置を確実に特定することが可能となる。
付記7に記載の位置特定システムによれば、対象物送受信器は、自己が送信するべき情報を複数回に分けて送信することにより、例えば、比較的大量の情報を送信することができるので、位置を特定するために必要な情報を比較的大量に送信したり、あるいは、位置を特定するために必要な情報以外の情報(例えば、前述の基準発信器状態情報等)を比較的大量に送信したりすることが可能となる。
付記8に記載の位置特定システムによれば、対象物、基準発信器、及び対象物送受信器は、複数のグループの内の1個のグループに所属しており、対象物送受信器は、自己が取り付けられている対象物が所属しているグループを特定するグループ特定情報を更に送信し、特定手段は、格納手段に格納されている基準発信器位置情報と、受信端末が受信した基準発信器特定情報、対象物送受信器特定情報、及びグループ特定情報とに基づいて、対象物の位置を特定することにより、例えば、基準発信器特定情報として各グループ相互間で重複した情報(例えば、識別情報等)を用いたとしても、基準発信器特定情報に加えてグループ特定情報を用いることにより、基準発信器を識別することが可能となる。すなわち、例えば、基準発信器特定情報として用いる情報(例えば、識別情報等)の自由度を向上させることが可能となる。
付記9に記載の位置特定システムによれば、対象物送受信器は、ブルートゥースローエナジー(BLE)の規格に従って、少なくとも基準発信器特定情報と対象物送受信器特定情報とを送信することにより、例えば、対象物送受信器の低消費電力化を図ることが可能となる。