JP7454398B2 - 電力線通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、電力線通信システムに関する。
従来、電力系統において電力線を用いて通信を行う電力線通信が知られていた。例えば、幹線と、当該幹線の複数の分岐点から分岐する複数の分岐線とを有する電力系統において、幹線側の電力線通信機器と分岐線側の電力線通信機器との間で電力線通信を行う場合、幹線側の電力線通信機器から出力された通信のための信号エネルギーが、場合により必要量以上に各分岐線に供給されることになるために、分岐線側の電力線通信機器に到達する信号エネルギーが減衰し、通信速度が低下する可能性があった。
そこで、電力線通信機器が接続されていない分岐線にフィルタを設けることにより、当該分岐線への信号エネルギーの伝達を抑制する技術が提案されていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2006-115481号公報
しかしながら、特許文献1の技術においては、電力線通信機器が接続されている分岐線にも場合により必要以上の信号エネルギーが供給されるので、例えば、電力線通信機器が接続されている分岐線が複数存在する場合、場合により、各分岐線に必要量以上の信号エネルギーが供給されるために、幹線側の電力線通信機器からより遠い分岐線に接続された電力線通信機器に十分な量の信号エネルギーが供給されず、通信速度が低下する可能性があった。
本発明は上記事実に鑑みなされたもので、電力線通信の通信速度を向上させることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の電力線通信システムは、電力を供給するための幹線における当該幹線が延在する方向に沿って設けられている複数の分岐点から分岐する複数の分岐線であって、少なくとも電力負荷又は電力線通信を行う電力線通信機器が接続される前記複数の分岐線と、前記複数の分岐線における複数の前記分岐点の近傍に設けられるフィルタであって、電力線通信を行うための信号エネルギーの少なくも一部の伝達を抑制するための前記フィルタと、を備え、前記電力線通信機器は、前記幹線側に接続されている相手側通信機器との間で電力線通信を行い、前記フィルタは、前記複数の分岐線の内の前記電力線通信機器が接続されていない第1分岐線に設けられる第1フィルタと、前記複数の分岐線の内の前記電力線通信機器が接続されている第2分岐線に設けられる第2フィルタと、を備え、前記第1フィルタのインピーダンスと、前記第2フィルタのインピーダンスとは、相互に異なっており、前記幹線は、単相3線式の3本の幹線側電力線により構成されており、前記第1分岐線は、単相3線式の3本の第1分岐線側電力線であって、前記分岐点にて3本の前記幹線側電力線各々から分岐している3本の前記第1分岐線側電力線により構成されており、前記第2分岐線は、単相3線式の3本の第2分岐線側電力線であって、前記分岐点にて3本の前記幹線側電力線各々から分岐している3本の前記第2分岐線側電力線により構成されており、前記電力線通信機器は、3本の前記第2分岐線側電力線の内の2本以上の前記第2分岐線側電力線に接続されており、前記第2フィルタは、前記電力線通信機器が接続されている2本以上の前記第2分岐線側電力線の一つ以上に1個以上ずつ設けられており、前記第1フィルタは、3本の前記第1分岐線側電力線において、前記幹線側電力線を介して前記電力線通信機器が接続されている2本以上の前記第2分岐線側電力線に接続されている2本以上の前記第1分岐線側電力線の一つ以上に1個以上ずつ設けられている。
請求項2に記載の電力線通信システムは、請求項1に記載の電力線通信システムにおいて、前記第1フィルタ及び前記第2フィルタは、フェライトコアにより形成されている。
請求項3に記載の電力線通信システムは、電力を供給するための幹線における当該幹線が延在する方向に沿って設けられている複数の分岐点から分岐する複数の分岐線であって、少なくとも電力負荷又は電力線通信を行う電力線通信機器が接続される前記複数の分岐線と、前記複数の分岐線における複数の前記分岐点の近傍に設けられるフィルタであって、電力線通信を行うための信号エネルギーの少なくも一部の伝達を抑制するための前記フィルタと、を備え、前記電力線通信機器は、前記幹線側に接続されている相手側通信機器との間で電力線通信を行い、前記フィルタは、前記複数の分岐線の内の前記電力線通信機器が接続されていない第1分岐線に設けられる第1フィルタと、前記複数の分岐線の内の前記電力線通信機器が接続されている第2分岐線に設けられる第2フィルタと、を備え、前記第1フィルタのインピーダンスと、前記第2フィルタのインピーダンスとは、相互に異なっており、前記第1フィルタ及び前記第2フィルタは、フェライトコアにより形成されており、前記第1フィルタを形成する第1フェライトコアは、第1間隙を介して前記第1分岐線を取り囲む環状形状となっており、前記第2フィルタを形成する第2フェライトコアは、第2間隙を介して前記第2分岐線を取り囲む環状形状となっており前記第1間隙の大きさと前記第2間隙の大きさは相互に異なっている。
請求項4に記載の電力線通信システムは、請求項1から3のいずれか一項に記載の電力線通信システムにおいて、前記第1フィルタのインピーダンスは、前記第2フィルタのインピーダンスよりも高い。
請求項1に記載の電力線通信システムによれば、複数の分岐線の内の電力線通信機器が接続されていない第1分岐線に設けられる第1フィルタと、複数の分岐線の内の電力線通信機器が接続されている第2分岐線に設けられる第2フィルタと、を備え、第1フィルタのインピーダンスと、第2フィルタのインピーダンスとは、相互に異なっていることにより、例えば、信号エネルギーが幹線側の相手側通信機器から分岐線側に必要量以上に供給されるのを制限することができるので、相手側通信機器から電力線通信機器に供給される信号エネルギーの減衰量を抑えることができ、電力線通信の通信速度を向上させることが可能となる。また、第1フィルタのインピーダンスと、第2フィルタのインピーダンスとが相互に異なっているので、例えば、電力線通信機器が接続されていない分岐線に供給される信号エネルギーのエネルギー量と、電力線通信機器が接続されている分岐線に供給される信号エネルギーのエネルギー量とを相互に異ならせることができ、電力線通信機器が接続されていない分岐線に供給される信号エネルギーのエネルギー量を最大限遮断し、電力線通信機器が接続されている分岐線に供給される信号エネルギーのエネルギー量を必要最低限にすることにより、幹線に供給される信号エネルギーの減衰を抑制することができ、これにより電力線通信の通信速度を向上させることが可能となる。
また、第2フィルタは2本以上の第2分岐線側電力線の一つ以上に1個以上ずつ設けられており、また、第1フィルタは、2本以上の第1分岐線側電力線の一つ以上に1個以上ずつ設けられていることにより、例えば、電力線通信を行うための信号エネルギーの少なくも一部の伝達を確実に抑制することができるので、通信速度を確実に向上させることが可能となる。
請求項2に記載の電力線通信システムによれば、第1フィルタ及び第2フィルタは、フェライトコアにより形成されていることにより、例えば、各フィルタの構成を単純化することができるので、利便性を向上させることが可能となる。
請求項3に記載の電力線通信システムによれば、複数の分岐線の内の電力線通信機器が接続されていない第1分岐線に設けられる第1フィルタと、複数の分岐線の内の電力線通信機器が接続されている第2分岐線に設けられる第2フィルタと、を備え、第1フィルタのインピーダンスと、第2フィルタのインピーダンスとは、相互に異なっていることにより、例えば、信号エネルギーが幹線側の相手側通信機器から分岐線側に必要量以上に供給されるのを制限することができるので、相手側通信機器から電力線通信機器に供給される信号エネルギーの減衰量を抑えることができ、電力線通信の通信速度を向上させることが可能となる。また、第1フィルタのインピーダンスと、第2フィルタのインピーダンスとが相互に異なっているので、例えば、電力線通信機器が接続されていない分岐線に供給される信号エネルギーのエネルギー量と、電力線通信機器が接続されている分岐線に供給される信号エネルギーのエネルギー量とを相互に異ならせることができ、電力線通信機器が接続されていない分岐線に供給される信号エネルギーのエネルギー量を最大限遮断し、電力線通信機器が接続されている分岐線に供給される信号エネルギーのエネルギー量を必要最低限にすることにより、幹線に供給される信号エネルギーの減衰を抑制することができ、これにより電力線通信の通信速度を向上させることが可能となる。
また、第1フィルタ及び第2フィルタは、フェライトコアにより形成されていることにより、例えば、各フィルタの構成を単純化することができるので、利便性を向上させることが可能となる。
また、第1フェライトコアは、第1間隙を介して第1分岐線を取り囲む環状形状となっており、また、第2フェライトコアは、第2間隙を介して第2分岐線を取り囲む環状形状となっており、また、第1間隙の大きさと第2間隙の大きさは相互に異なっていることにより、例えば、フェライトコアの磁気飽和を抑制することができ、また、間隙の大きさを変えることにより相互に異なるインピーダンスを実現することが可能となる。
請求項4に記載の電力線通信システムによれば、第1フィルタのインピーダンスは、第2フィルタのインピーダンスよりも高いことにより、例えば、電力線通信機器が接続されている分岐線に供給される信号エネルギーのエネルギー量をより大きくすることができ、電力線通信の通信速度を向上させることが可能となる。
電力システムを概略的に示す図である。 低インピーダンスフィルタを示す図である。 高インピーダンスフィルタを示す図である。 他のフィルタを示す図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る電力線通信システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、電力線通信システムに関する。
ここで、「電力線通信システム」とは、少なくとも電力線通信(PLC(Power Line Communications))にて通信を行うためのシステムである。なお、この電力線通信システムの適用対象は任意であり、例えば、建設現場に適用してもよいし、あるいは、建設現場以外の任意の適用対象(例えば、オフィスビル、又は、一般家庭等)に適用してもよいが、以下に示す実施の形態では、建設現場に適用する場合について説明する。電力線通信システムは、例えば、幹線、複数の分岐線、及びフィルタを備える。
「幹線」とは、少なくとも電力を供給する電力線であり、具体的には、電力線通信での伝送路にもなる導電線であり、例えば、電源(具体的には、変電設備(キュービクル)や、トランス、蓄電池等といった電力供給が可能な任意の機器等)から電力が供給されるものである。
「分岐線」とは、例えば、幹線から分岐する電力線である。「複数の分岐線」とは、例えば、幹線における当該幹線が延在する方向に沿って設けられている複数の分岐点から分岐する複数の電力線であって、少なくとも電力負荷又は電力線通信を行う電力線通信機器が接続される導電線であり、一例としては、第1分岐線、及び第2分岐線を有する。「分岐点」とは、例えば、幹線が延在する方向(つまり、幹線の長手方向であり、また、幹線の上流側又は下流側に向かう方向)に沿って当該幹線に設けられている部分であり、また、分岐線が接続されている部分等を含む概念である。「第1分岐線」とは、例えば、複数の分岐線の内の電力線通信機器が接続されていない分岐線であり、また、「第2分岐線」とは、例えば、複数の分岐線の内の電力線通信機器が接続されている分岐線である。
上述の「幹線」及び「分岐線」の構成は任意であり、例えば、3相3線式、単相2線式、又は単相3線式等に対応するように構成することができるが、以下に示す実施の形態では、単相3線式に対応するように構成する場合について説明する。なお、実際には、アース線も存在し得るが、当該アース線は省略して説明する。
そして、単相3線式に対応する場合、「幹線」は、3本の電力線(以下、「幹線側電力線」と称する)により構成されることになる。また、この場合、「第1分岐線」は、分岐点にて3本の幹線側電力線各々から分岐している3本の電力線(以下、「第1分岐線側電力線」と称する)により構成されることになる。また、この場合、「第2分岐線」は、分岐点にて3本の幹線側電力線各々から分岐している3本の電力線(以下、「第2分岐線側電力線」と称する)により構成されることになる。
「電力負荷」とは、幹線側からの電力が供給されるものであり、例えば、当該電力が供給されて作動又は動作するものであり、一例としては、電灯、建設用機器、建設用工具、又はその他の電気機器等を含む概念である。この電力負荷は、例えば、第1分岐線又は第2分岐線に接続され、特に、単相3線式に対応する場合、3本の分岐線の内の2本以上に接続される。
「電力線通信機器」とは、電力線通信を行うために用いられる機器であり、例えば、PLCアダプタ等を含む概念である。「PLCアダプタ」とは、例えば、電力線通信を行うための電力線通信信号を任意の形式のデータに変換したり、あるいは、任意の形式のデータを電力線通信信号に変換したりする機器である。この電力線通信機器は、例えば、第1分岐線又は第2分岐線の内の第2分岐線に接続され、特に、単相3線式に対応する場合、3本の第2分岐線の内の2本以上に接続される。
「フィルタ」とは、複数の分岐線における複数の分岐点の近傍に設けられるフィルタであって、電力線通信を行うための信号エネルギー(つまり、電力線通信信号の信号エネルギー)の少なくも一部の伝達を抑制するための抑制手段であり、例えば、第1フィルタ、及び第2フィルタを備える。
「第1フィルタ」とは、第1分岐線に設けられるフィルタであり、また、「第2フィルタ」とは、第1分岐線に設けられるフィルタである。第1フィルタ及び第2フィルタのインピーダンスは任意であるが、例えば、第1フィルタのインピーダンスと、第2フィルタのインピーダンスは相互に異なっており、特に、第1フィルタのインピーダンスは、第2フィルタのインピーダンスよりも高くなっている(つまり、第1フィルタが第2フィルタよりも高インピーダンスになっている)。
単相3線式に対応する場合、第2フィルタは、例えば、電力線通信機器が接続されている2本以上の第2分岐線側電力線の一つ以上に1個以上ずつ設けられる。なお、「電力線通信機器が接続されている2本以上の第2分岐線側電力線の一つ以上」とは、例えば、電力線通信機器が3本の第2分岐線側電力線に接続されている場合における、当該3本の第2分岐線側電力線の内の1本のみ、当該3本の第2分岐線側電力線の内の2本、及び当該3本の第2分岐線側電力線の内の3本を示す概念である。また、「電力線通信機器が接続されている2本以上の第2分岐線側電力線の一つ以上」とは、例えば、電力線通信機器が2本の第2分岐線側電力線に接続されている場合における、当該2本の第2分岐線側電力線の内の1本のみ、及び当該2本の第2分岐線側電力線の内の2本を示す概念である。
単相3線式に対応する場合、第1フィルタは、例えば、3本の第1分岐線側電力線において、幹線側電力線を介して電力線通信機器が接続されている2本以上の第2分岐線側電力線に接続されている2本以上の第1分岐線側電力線の一つ以上に1個以上ずつ設けられる。なお、「幹線側電力線を介して電力線通信機器が接続されている2本以上の第2分岐線側電力線に接続されている2本以上の第1分岐線側電力線の一つ以上」とは、例えば、電力線通信機器が3本の第2分岐線側電力線に接続されている場合における、当該3本の第2分岐線側電力線に接続されている3本の第1分岐線側電力線の内の1本のみ、当該3本の第1分岐線側電力線の内の2本、又は当該3本の第1分岐線側電力線の内の3本を示す概念である。また、「幹線側電力線を介して電力線通信機器が接続されている2本以上の第2分岐線側電力線に接続されている2本以上の第1分岐線側電力線の一つ以上」とは、例えば、電力線通信機器が2本の第2分岐線側電力線に接続されている場合における、当該2本の第2分岐線側電力線に接続されている2本の第1分岐線側電力線の内の1本のみ、又は当該2本の第1分岐線側電力線の内の2本を示す概念である。
「第1フィルタ」及び「第2フィルタ」は、任意に形成することができるが、例えば、フェライトコアを用いて形成したり、あるいは、他の手法で形成したりすることができるが、以下に示す実施の形態では、フェライトコアにより形成する場合について説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成)
まず、本実施の形態に係る電力システムについて説明する。図1は、電力システムを概略的に示す図である。なお、電力システム100に設けられる負荷分電盤2及び子分電盤3A、3Bの個数は任意であるが、ここでは、図示されているものについて代表して説明する。
電力システム100は、図1に示すように、例えば、電源101、幹線5、親側分岐線6、負荷側分岐線7、子側分岐線8、9、親分電盤1、負荷分電盤2、子分電盤3A、3B、ルーター401、ONU(Optical Network Unit)402、電力負荷L、端末装置102A、102B、及び低インピーダンスフィルタ41、43A、43B、及び高インピーダンスフィルタ42を備える。なお、以下では、「親側分岐線6、負荷側分岐線7、子側分岐線8、9」を総称して「各分岐線」と称し、また、「親分電盤1、負荷分電盤2、子分電盤3A、3B」を総称して「各分電盤」と称し、また、「低インピーダンスフィルタ41、43A、43B、及び高インピーダンスフィルタ42」を総称して「各フィルタ」と称する。
(構成-電源)
電源101は、電力を幹線5に供給するための電源供給手段である。この電源101は、例えば公知の受変電設備(キュービクル)や、トランス、蓄電池、発電機等といった電力供給が可能な任意の機器を用いることができる。
(構成-幹線)
幹線5は、電源101から各分電盤へと電力を送電するための電力線である。この幹線5は、具体的には、一方の端部に電源101が接続されており、また、当該幹線5における上流側から下流側にわたる所定位置に分岐点600、700、800、900が設けられている。なお、「上流側」とは、電源101に近い側を示し、また、「下流側」とは、電源101から遠い側を示すこととする。また、幹線5は、単相3線式の電力線であり、図1に示すように、R相の電力線である幹線側R線51、N相の電力線である幹線側N線52、及びT相の電力線である幹線側T線53を備える。
(構成-各分岐線)
各分岐線は、幹線5に供給された電力を各分電盤に送電するための電力線である。
(構成-各分岐線-第1分岐線)
親側分岐線6は、分岐点600において当該幹線5から分岐しており、親分電盤1側に延在している。親側分岐線6は、単相3線式の電力線であり、図1に示すように、R相の電力線である親側分岐R線61、N相の電力線である親側分岐N線62、及びT相の電力線である親側分岐T線63を備える。なお、例えば、親側分岐線6が「第2分岐線」に相当し、また、親側分岐R線61、親側分岐N線62、及び親側分岐T線63が「第2分岐線側電力線」に相当する。
(構成-各分岐線-負荷側分岐線)
負荷側分岐線7は、分岐点700において当該幹線5から分岐しており、負荷分電盤2側に延在している。負荷側分岐線7は、単相3線式の電力線であり、図1に示すように、R相の電力線である負荷側分岐R線71、N相の電力線である負荷側分岐N線72、及びT相の電力線である負荷側分岐T線73を備える。なお、例えば、負荷側分岐線7が「第1分岐線」に相当し、また、負荷側分岐R線71、負荷側分岐N線72、及び負荷側分岐T線73が「第1分岐線側電力線」に相当する。
(構成-各分岐線-子側分岐線)
子側分岐線8は、分岐点800において当該幹線5から分岐しており、子分電盤3A側に延在している。子側分岐線8は、単相3線式の電力線であり、図1に示すように、R相の電力線である子側分岐R線81、N相の電力線である子側分岐N線82、及びT相の電力線である子側分岐T線83を備える。
子側分岐線9は、分岐点900において当該幹線5から分岐しており、子分電盤3B側に延在している。子側分岐線9は、単相3線式の電力線であり、図1に示すように、R相の電力線である子側分岐R線91、N相の電力線である子側分岐N線92、及びT相の電力線である子側分岐T線93を備える。なお、例えば、子側分岐線8、9が「第2分岐線」に相当し、また、子側分岐R線81、91、子側分岐N線82、92、及び子側分岐T線83、93が「第2分岐線側電力線」に相当する。
(構成-各分電盤)
各分電盤は、各種装置を収容する装置であり、また、各種機能が実装されている装置であり、例えば、建設現場に設置された架台や単管パイプや壁に固定されている。
(構成-各分電盤-親分電盤)
親分電盤1は、漏電遮断器11、タップ12、及びPLCアダプタ13を備える。
(構成-各分電盤-親分電盤-漏電遮断器)
漏電遮断器11は、タップ12と親側分岐線6との間に設けられている漏電遮断手段である。この漏電遮断器11は、オンオフを手動で切り替え可能となっており、オンの場合には二次側のタップ12に電力供給を可能とし、オフの場合には二次側のタップ12への電力供給を停止する。そして、本実施の形態の漏電遮断器11は、過電流遮断機能、すなわち、配線に流れる電流が所定値以上となった際に自動的にオフとなり電気を遮断する機能に加えて、さらに漏電遮断機能を有する。すなわち、漏電遮断器11は、電路を流れる往き還りの電流の数値に違いがあれば、電流が大地に漏洩しているものと判断して自動的にオフとなり電気を遮断する。
(構成-各分電盤-親分電盤-タップ)
タップ12は、例えば電気機器のような電力負荷が接続される端子であって、例えば公知のコンセントタップやプラグ受けや端子台として構成される。このタップ12の個数は任意であるが、本実施の形態では、図示のように2個のタップ12が、漏電遮断器11を介して、親側分岐N線62と、親側分岐R線61又は親側分岐T線63とに接続されている。
(構成-各分電盤-親分電盤-PLCアダプタ)
PLCアダプタ13は、前述の電力線通信機器であり、少なくとも親側分岐線6及び幹線5を通信路として電力線通信を行う電力線通信手段である。このPLCアダプタ13は、他のPLCアダプタ(PLCアダプタ33A、33B)との間で電力線通信ができるように、親側分岐R線61、親側分岐N線62、親側分岐T線63の内の当該他のPLCアダプタが接続されている分岐線に対応する(つまり、R線、N線、T線の内の他のPLCアダプタが接続されている線と同じ線である)親側分岐R線61及び親側分岐N線62に接続されている(後述するPLCアダプタ33A、33Bも同様である)。PLCアダプタ13は、例えば、親側分岐線6側からの受信した電力線通信信号をデータに変換し、変換したデータをルーター401側に送信し、また、ルーター401側から受信したデータを電力線通信信号に変換し、変換した電力線通信信号を親側分岐線6側に送信する。
(構成-各分電盤-負荷分電盤)
負荷分電盤2は、漏電遮断器21、及びタップ22を備える。
(構成-各分電盤-負荷分電盤-漏電遮断器)
漏電遮断器21は、タップ22と負荷側分岐線7との間に設けられている漏電遮断手段および過電流遮断手段である。この漏電遮断器21は、親分電盤1の漏電遮断器11と同様にして構成されていることとする(子分電盤3A、3Bの漏電遮断器31A、31Bも同様とする)。
(構成-各分電盤-負荷分電盤-タップ)
タップ22は、例えば電気機器のような電力負荷が接続される端子であって、例えば公知のコンセントタップやプラグ受けとして構成される。このタップ12の個数は任意であるが、本実施の形態では、図示のように2個のタップ22が、漏電遮断器21を介して、負荷側分岐N線72と、負荷側分岐R線71又は負荷側分岐T線73とに接続されている。
(構成-各分電盤-子分電盤3A)
子分電盤3Aは、漏電遮断器31A、タップ32A、PLCアダプタ33A、及び無線通信装置34Aを備える。
(構成-各分電盤-子分電盤3A-漏電遮断器)
漏電遮断器31Aは、タップ32Aと子側分岐線8との間に設けられている漏電遮断手段である。
(構成-各分電盤-子分電盤3A-タップ)
タップ32Aは、例えば電気機器のような電力負荷が接続される端子であって、例えば公知のコンセントタップやプラグ受けとして構成される。このタップ32Aの個数は任意であるが、本実施の形態では、図示のように2個のタップ32Aが、漏電遮断器31Aを介して、子側分岐N線82と、子側分岐R線81又は子側分岐T線83とに接続されている。
(構成-各分電盤-子分電盤3A-PLCアダプタ)
PLCアダプタ33Aは、前述の電力線通信機器であり、少なくとも子側分岐線8及び幹線5を通信路として電力線通信を行う電力線通信手段である。このPLCアダプタ33Aは、他のPLCアダプタ(PLCアダプタ13、33B)との間で電力線通信ができるように、例えば、子側分岐R線81及び子側分岐N線82に接続されている。PLCアダプタ33Aは、例えば、子側分岐線8側からの受信した電力線通信信号をデータに変換し、変換したデータを無線通信装置34Aに送信し、また、無線通信装置34Aから受信したデータを電力線通信信号に変換し、変換した電力線通信信号を子側分岐線8側に送信する。
(構成-各分電盤-子分電盤3A-無線通信装置)
無線通信装置34Aは、無線で信号を送受信するための装置である。この無線通信装置34Aは、例えば、外部装置(例えば、端末装置102A等)との間で無線通信を行う無線通信手段であり、例えば、アンテナを有し、外部装置からの受信した無線通信信号(電波)をデータに変換し、変換したデータをPLCアダプタ33Aに送信し、また、PLCアダプタ33Aから受信したデータを無線通信信号に変換し、変換した無線通信信号を外部装置側に送信する。
(構成-各分電盤-子分電盤3B)
子分電盤3Bは、漏電遮断器31B、タップ32B、PLCアダプタ33B、及び無線通信装置34Bを備える。なお、漏電遮断器31B及びタップ32Bは、子分電盤3Aの同一名称の要素と同様である。
(構成-各分電盤-子分電盤3B-PLCアダプタ)
PLCアダプタ33Bは、前述の電力線通信機器であり、少なくとも子側分岐線9及び幹線5を通信路として電力線通信を行う電力線通信手段である。このPLCアダプタ33Bは、他のPLCアダプタ(PLCアダプタ13、33A)との間で電力線通信ができるように、例えば、子側分岐R線91及び子側分岐N線92に接続されている。PLCアダプタ33Bは、例えば、子側分岐線9側からの受信した電力線通信信号をデータに変換し、変換したデータを無線通信装置34Bに送信し、また、無線通信装置34Bから受信したデータを電力線通信信号に変換し、変換した電力線通信信号を子側分岐線9側に送信する。
(構成-各分電盤-子分電盤3B-無線通信装置)
無線通信装置34Bは、無線で信号を送受信するための装置である。この無線通信装置34Bは、例えば、外部装置(例えば、端末装置102B等)との間で無線通信を行う無線通信手段であり、例えば、アンテナを有し、外部装置からの受信した無線通信信号(電波)をデータに変換し、変換したデータをPLCアダプタ33Bに送信し、また、PLCアダプタ33Bから受信したデータを無線通信信号に変換し、変換した無線通信信号を外部装置側に送信する。
(構成-ルーター)
ルーター401は、親分電盤1のPLCアダプタ13とONU402との間でデータを中継する装置である。
(構成-ONU)
ONU402は、回線終端装置であり、例えば、いわゆるモデムとしての機能を発揮する装置である。このONU402は、例えば、ルーター401からの受信したデータを光信号に変換し、変換した光信号をネットワーク403(例えば、インターネット等)を介して他の装置(不図示)側に送信し、また、他の装置(不図示)側からネットワーク403を介して受信した光信号をデータに変換し、変換したデータをルーター401側に送信する。
(構成-電力負荷)
電力負荷Lは、前述の電力負荷であり、例えば、建設現場で用いられる電気機器である。この電力負荷Lは、タップ22及び漏電遮断器21を介して負荷側分岐線7に接続されている。
(構成-端末装置)
端末装置102A、102Bは、建設現場の作業員等に携帯される携帯端末、例えば、スマートフォン又はタブレット端末等である。
端末装置102Aは、例えば、子分電盤3Aの無線通信装置34Aとの間で無線通信可能となっている。端末装置102Aは、例えば、無線通信信号を無線通信装置34A側に送信したり、無線通信装置34A側から無線通信信号を受信したりする。
なお、端末装置102Bは、例えば、子分電盤3Bの無線通信装置34Bとの間で無線通信可能となっており、端末装置102Aと同様に構成されている。
(構成-各フィルタ)
図2は、低インピーダンスフィルタを示す図であり、図3は、高インピーダンスフィルタを示す図である。なお、各図のX-Y-Z軸は相互に直交する軸であることとする。また、図2においては、親側分岐N線62に取り付けられた状態の低インピーダンスフィルタ41が図示されており、(a)は側面図であり、(b)は(a)のA-A面から見た状態の正面図である。また、図3においては、負荷側分岐N線72に取り付けられた状態の高インピーダンスフィルタ42が図示されており、(a)は側面図であり、(b)は(a)のB-B面から見た状態の正面図である。
図1に示す各フィルタ(つまり、低インピーダンスフィルタ41、43A、43B、及び高インピーダンスフィルタ42)は、前述のフィルタであり、例えば、電力線通信を行うための信号エネルギーの少なくも一部の伝達を抑制するための抑制手段である。各フィルタは、例えば、50Hz/60Hzの交流は伝達し、一方、2MHz-50MHzの電力線通信信号の信号エネルギーの少なくとも一部の伝達を抑制するように構成されている。図1に示す各フィルタは、低インピーダンスフィルタ41、43A、43B、及び高インピーダンスフィルタ42を備える。
(構成-各フィルタ-低インピーダンスフィルタ)
低インピーダンスフィルタ41、43A、43Bは、前述の第2フィルタである。この低インピーダンスフィルタ41、43A、43Bのインピーダンスは、高インピーダンスフィルタ42のインピーダンスよりも低くなっており、すなわち、低インピーダンスフィルタ41、43A、43Bにおける電力線通信信号の信号エネルギーの抑制量は、高インピーダンスフィルタ42における電力線通信信号の信号エネルギーの抑制量よりも小さくなっている。
低インピーダンスフィルタ41は、例えば、電力線通信信号の幹線5側から親側分岐線6における親分電盤1側への信号エネルギーの少なくも一部の伝達を抑制するものである。低インピーダンスフィルタ41は、例えば、親分電盤1のPLCアダプタ13が接続されている親側分岐R線61又は親側分岐N線62であって、電力システム100において電力線通信信号の伝達に用いられる幹線側R線51及び幹線側N線52に接続されている親側分岐R線61又は親側分岐N線62の少なくも一方における分岐点600の近傍に設けられるが、例えば、親側分岐N線62に設けられている。「分岐点600の近傍」とは、例えば、分岐点600の近くの位置という概念であり、一例としては、親側分岐線6の物理的構造及び低インピーダンスフィルタ41の物理的構造を考慮して、適切に取付可能な範囲で分岐点600付近の位置を意味するものと解釈してもよい。
低インピーダンスフィルタ43Aは、例えば、電力線通信信号の幹線5側から子側分岐線8における子分電盤3A側への信号エネルギーの少なくも一部の伝達を抑制するものである。低インピーダンスフィルタ43Aは、例えば、子分電盤3AのPLCアダプタ33Aが接続されている子側分岐R線81又は子側分岐N線82であって、電力システム100において電力線通信信号の伝達に用いられる幹線側R線51及び幹線側N線52に接続されている子側分岐R線81又は子側分岐N線82の少なくも一方における分岐点800の近傍に設けられるが、例えば、子側分岐N線82に設けられている。
低インピーダンスフィルタ43Bは、例えば、電力線通信信号の幹線5側から子側分岐線9における子分電盤3B側への信号エネルギーの少なくも一部の伝達を抑制するものである。低インピーダンスフィルタ43Bは、例えば、子分電盤3BのPLCアダプタ33Bが接続されている子側分岐R線91又は子側分岐N線92であって、電力システム100において電力線通信信号の伝達に用いられる幹線側R線51及び幹線側N線52に接続されている子側分岐R線91又は子側分岐N線92の少なくも一方における分岐点900の近傍に設けられるが、例えば、子側分岐N線92に設けられている。
(構成-各フィルタ-高インピーダンスフィルタ)
高インピーダンスフィルタ42は、前述の第1フィルタである。高インピーダンスフィルタ42は、例えば、電力線通信信号の幹線5側から負荷側分岐線7における負荷分電盤2側への信号エネルギーの少なくも一部の伝達を抑制するものである。高インピーダンスフィルタ42は、例えば、幹線側R線51及び幹線側N線52(つまり、PLCアダプタ13、33A、33Bが親側分岐線6及び子側分岐線8、9を介して接続されている幹線5であって電力システム100において電力線通信信号の伝達に用いられる幹線5)に接続されている負荷側分岐R線71又は負荷側分岐N線72の少なくも一方における分岐点700の近傍に設けられるが、例えば、負荷側分岐N線72に設けられている。
(構成-各フィルタ-具体的なインピーダンス)
図1の各フィルタの具体的なインピーダンスは、例えば、電力線通信を適切に行える限りにおいて任意である。特に、幹線5に各分岐線が存在する場合、幹線5を伝達される電力線通信信号の信号エネルギーは、当該各分岐線側に少なくとも一部が伝達されて減衰することになるので、当該減衰を可能な範囲で減少させることができるように、各フィルタのインピーダンスを設定する。
ここでは、例えば、電力システム100においては、親分電盤1側から子分電盤3A、3B側に電力線通信信号が送信される場合(以下、「第1の場合」と称する)(例えば、図1の端末装置102A、102B等にネットワーク403側からのデータをダウンロードする場合等)、及び子分電盤3A、3B相互間で電力線通信信号が送受信される場合(以下、「第2の場合」と称する)(例えば、図1の端末装置102A、102B相互間でデータの送受信を行う場合等)が想定されるが、これらの場合において電力線通信信号が確実に伝達されることに留意して、各フィルタのインピーダンスを設定する場合を例示して説明する。
例えば、上述の「第1の場合」の例では、ネットワーク403側からのデータをダウンロードする場合、親分電盤1側からの電力線通信信号が子分電盤3A、3B側に送信されることになるが、図1の例では、親分電盤1側からの電力線通信信号の信号エネルギーの一部が、幹線5の分岐点700、800、900等にて、各分岐線側に伝達されることになるので、当該伝達を適切に抑制する必要がある。
具体的には、負荷側分岐線7には電力線通信機器(つまり、PLCアダプタ)が接続されていないので、例えば、幹線5側から負荷側分岐線7側への電力線通信信号の信号エネルギーの伝達は不要となり、負荷側分岐線7に設けられるフィルタである高インピーダンスフィルタ42のインピーダンスは、比較的高い値に設定することが可能となる。一方で、子側分岐線8、9には電力線通信機器(つまり、PLCアダプタ33A、33B)が接続されているので、例えば、幹線5側から子側分岐線8、9側への電力線通信信号の信号エネルギーの伝達は必要となり、子側分岐線8、9に設けられるフィルタである低インピーダンスフィルタ43A、43Bのインピーダンスは、想定する電力線通信が可能となる程度の値(少なくとも、高インピーダンスフィルタ42のインピーダンスよりは低い値)に設定する必要がある。
また、例えば、上述の「第2の場合」の例では、端末装置102B側から端末装置102A側にデータを送信する場合、子分電盤3B側からの電力線通信信号が子分電盤3A側に送信されることになるが、図1の例では、子分電盤3B側からの電力線通信信号の信号エネルギーの一部が、幹線5の分岐点600、700、800等にて、各分岐線側に伝達されることになるので、当該伝達を適切に抑制する必要がある。
具体的には、「第1の場合」の例と同様に、負荷側分岐線7には電力線通信機器(つまり、PLCアダプタ)が接続されていないので、例えば、幹線5側から負荷側分岐線7側への電力線通信信号の信号エネルギーの伝達は不要となり、負荷側分岐線7に設けられるフィルタである高インピーダンスフィルタ42のインピーダンスは、比較的高い値に設定することが可能となる。一方で、親側分岐線6及び子側分岐線8には電力線通信機器(つまり、PLCアダプタ13、33A)が接続されているので、例えば、幹線5側から親側分岐線6及び子側分岐線8側への電力線通信信号の信号エネルギーの伝達は必要となり、親側分岐線6及び子側分岐線8に設けられるフィルタである低インピーダンスフィルタ41、43Aのインピーダンスは、想定する電力線通信が可能となる程度の値(少なくとも、高インピーダンスフィルタ42のインピーダンスよりは低い値)に設定する必要がある。
そして、これらの事項、あるいは、他の通信の可能性等を考慮して、実験又はシミュレーションを行うことにより、各フィルタの具体的なインピーダンスを決定して設定してもよい。また、ここでは、第1の場合及び第2の場合を想定してインピーダンスを設定する場合について説明したが、例えば、第1の場合のみを想定してインピーダンスを設定してもよいし、あるいは、第2の場合のみを想定してインピーダンスを設定してもよいし、あるいは、他の場合を想定してインピーダンスを設定してもよい。
(構成-各フィルタ-具体的な構成)
図1の各フィルタの具体的な構成は、例えば、前述ように設定したインピーダンスを実現できる構成である限りにおいて任意であるが、例えば、本実施の形態においては、フェライトコアとして形成する場合について説明する。
(構成-各フィルタ-具体的な構成-低インピーダンスフィルタ)
低インピーダンスフィルタ41、43A、43Bの具体的な構成は、相互に同様であることとし、低インピーダンスフィルタ41の構成についてのみ説明する。低インピーダンスフィルタ41は、例えば、いわゆるフェライトコアとして形成されており、全体としては円筒形状となっており、図2に示すように、第1部材411、第2部材412、及びスペーサ部材413を備える。なお、例えば、第1部材411及び第2部材412が「第2フェライトコア」に相当する。
第1部材411及び第2部材412は、例えば、磁性体としてのフェライトにて形成されている部材であり、図2に示すように、スペーサ部材413にて形成される間隙(第2間隙)を介して相互に対向している部材である。第1部材411及び第2部材412は、例えば、図2(b)に示すように、正面視において、スペーサ部材413(つまり、第2間隙)を介して環状形状となっており、スペーサ部材413と共に親側分岐N線62を取り囲んでいる。
スペーサ部材413は、第1部材411及び第2部材412の相互間に挟まれた状態で設けられる部材であり、例えば、第1部材411及び第2部材412の相互間に間隙を形成するための部材である。そして、第1部材411及び第2部材412が相互に対向する方向(Z軸方向)における、第1部材411及び第2部材412の端部の対向面相互間の距離D1が、スペーサ部材413におけるZ軸方向の長さに対応する距離となる。スペーサ部材413は、例えば、低インピーダンスフィルタ41の磁気飽和を抑制する観点から、非磁性体とすることが好ましく、一例としては、樹脂製としたり、紙エポキシ基板として形成したりしてもよい。
そして、この距離D1の値を調整することにより、低インピーダンスフィルタ41のインピーダンスを調整することができるので、例えば、前述のように実験又はシミュレーション等にて決定した低インピーダンスフィルタ41のインピーダンスとなるように、距離D1の値が調整されていることとする。
なお、低インピーダンスフィルタ41は、実際には、親側分岐線6に対して着脱可能となるように構成されている。この着脱可能となる構成は任意であり、公知の構成を適用することができるので、概要のみ説明する。例えば、スペーサ部材413を第1部材411のみに接着することにより、図2(a)の低インピーダンスフィルタ41を上下方向(Z軸方向)において、スペーサ部材413及び第1部材411と、第2部材412とに分割可能に構成した上で、円筒形状の低インピーダンスフィルタ41を外部から着脱可能に覆って挟持する不図示のカバーを用いることにより着脱可能としてもよい。そして、カバーを取り外した場合に、分割されたスペーサ部材413及び第1部材411と、第2部材412との間に、図2に示すように親側分岐線6を設けた上で、当該カバーを取り付けることにより、当該カバーにて挟持することにより図2に示す状態を維持することが可能となる。
なお、前述の場合とは異なり、スペーサ部材413を第2部材412のみ接着した上で、前述のカバーを適用してもよいし、あるいは、なんら接着せずに、前述のカバーを適用してもよい。また、ここで用いるカバーの代わりに又は当該カバーと共にビニールテープを用いて、図2に示す状態を維持してもよい。
(構成-各フィルタ-具体的な構成-高インピーダンスフィルタ)
高インピーダンスフィルタ42は、例えば、いわゆるフェライトコアとして形成されており、全体としては円筒形状となっており、図3に示すように、第1部材421、第2部材422、及びスペーサ部材423を備える。なお、例えば、第1部材421及び第2部材422が「第1フェライトコア」に相当する。また、高インピーダンスフィルタ42は、スペーサ部材423のサイズ(つまり、図3の距離D2)以外については、低インピーダンスフィルタ41と同様となっていることとし、異なる部分のみ説明する。
図3の距離D2の値を調整することにより、高インピーダンスフィルタ42のインピーダンスを調整することができるので、例えば、前述のように実験又はシミュレーション等にて決定した高インピーダンスフィルタ42のインピーダンスとなるように、距離D2の値が調整されていることとする。この場合、図3の距離D2が図2の距離D1よりも短くなり、つまり、上下方向(Z軸方向)における図3の第1部材421及び第2部材422の相互間の間隙が、上下方向(Z軸方向)における図2の第1部材411及び第2部材412の相互間の間隙よりも小さく設定されることになる。
(動作)
次に、このように構成した電力システム100の動作について説明する。具体的には、例えば、ネットワーク403側からのデータを端末装置102B側に送信する場合の動作について説明する。
まず、ONU402が、図1のネットワーク403を介して受信した光信号をデータに変換し、変換したデータをルーター401側に送信する。次に、ルーター401は、ONU402側から受信したデータを親分電盤1のPLCアダプタ13側に送信する。次に、PLCアダプタ13は、ルーター401側から受信したデータを電力線通信信号に変換し、変換した電力線通信信号を親側分岐線6側に送信する。この場合、当該電力線通信信号は、親側分岐線6を介して幹線5側に送信されることになるが、分岐点700、800に高インピーダンスフィルタ42及び低インピーダンスフィルタ43Aが設けられているので、幹線5側から負荷側分岐線7及び子側分岐線8側に伝達される電力線通信信号の信号エネルギーの量が低減されるので、電力線通信信号は適切な量の信号エネルギーを維持した状態で分岐点900を介して子側分岐線9に伝達されることになる。なお、この場合、子側分岐線9には低インピーダンスフィルタ43Bが設けられているものの、前述した手法にて、低インピーダンスフィルタ43Bが比較的低く設定されているので、電力線通信信号は適切な量の信号エネルギーを維持した状態で分岐点900を介して子側分岐線9に伝達されることになる。この後、子分電盤3BのPLCアダプタ33Bは、子側分岐線9側からの受信した電力線通信信号をデータに変換し、変換したデータを無線通信装置34Bに送信する。次に、無線通信装置34Bは、PLCアダプタ33Bから受信したデータを無線通信信号に変換し、変換した無線通信信号を端末装置102B側に送信する。このようにして、ネットワーク403側からのデータを端末装置102B側に適切に送信されることになる。なお、ここで説明した例においては、例えば、PLCアダプタ13の「相手側通信機器」が、PLCアダプタ33Bに相当し、また、PLCアダプタ33Bの「相手側通信機器」が、PLCアダプタ13に相当する。これにて、電力システム100の動作の説明を終了する。
(本実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、各分岐線の内のPLCアダプタが接続されていない負荷側分岐線7に設けられる高インピーダンスフィルタ42と、各分岐線の内のPLCアダプタが接続されている親側分岐線6、子側分岐線8、9に設けられる低インピーダンスフィルタ41、43A、43Bと、を備え、高インピーダンスフィルタ42のインピーダンスと、低インピーダンスフィルタ41、43A、43Bとは、相互に異なっていることにより、例えば、信号エネルギーが幹線5側の相手側通信機器から各分岐線側に必要量以上に供給されるのを制限することができるので、相手側通信機器からPLCアダプタに供給される信号エネルギーの減衰量を抑えることができ、電力線通信の通信速度を向上させることが可能となる。また、高インピーダンスフィルタ42のインピーダンスと、低インピーダンスフィルタ41、43A、43Bのインピーダンスとが相互に異なっているので、例えば、PLCアダプタが接続されていない分岐線に供給される信号エネルギーのエネルギー量と、PLCアダプタが接続されている分岐線に供給される信号エネルギーのエネルギー量とを相互に異ならせることができ、PLCアダプタが接続されていない分岐線に供給される信号エネルギーのエネルギー量を最大限遮断し、PLCアダプタが接続されている分岐線に供給される信号エネルギーのエネルギー量を必要最低限にすることにより、幹線に供給される信号エネルギーの減衰を抑制することができ、電力線通信の通信速度を向上させることが可能となる。
また、高インピーダンスフィルタ42のインピーダンスは、低インピーダンスフィルタ41、43A、43Bのインピーダンスよりも高いことにより、例えば、PLCアダプタが接続されている分岐線に供給される信号エネルギーのエネルギー量をより大きくすることができ、電力線通信の通信速度を向上させることが可能となる。
また、低インピーダンスフィルタ41、43A、43Bは2本以上の第2分岐線側電力線の一つ以上に1個以上ずつ設けられており、また、高インピーダンスフィルタ42は、2本以上の第1分岐線側電力線の一つ以上に1個以上ずつ設けられていることにより、例えば、電力線通信を行うための信号エネルギーの少なくも一部の伝達を確実に抑制することができるので、通信速度を確実に向上させることが可能となる。
また、高インピーダンスフィルタ42及び低インピーダンスフィルタ41、43A、43Bは、フェライトコアにより形成されていることにより、例えば、各フィルタの構成を単純化することができるので、利便性を向上させることが可能となる。
また、図3の第1部材421及び第2部材422は、スペーサ部材423にて形成される間隙(第1間隙)を介して負荷側分岐N線72を取り囲む環状形状となっており、また、図2の第1部材411及び第2部材412は、スペーサ部材413にて形成される間隙(第2間隙)を介して親側分岐N線62を取り囲む環状形状となっており、また、第1間隙の大きさと第2間隙の大きさは相互に異なっていることにより、例えば、フェライトコアである第1部材421及び第2部材422又は第1部材411及び第2部材412の磁気飽和を抑制することができ、また、間隙の大きさを変えることにより相互に異なるインピーダンスを実現することが可能となる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。また、本出願における「システム」とは、複数の装置によって構成されたものに限定されず、単一の装置によって構成されたものを含む。また、本出願における「装置」とは、単一の装置によって構成されたものに限定されず、複数の装置によって構成されたものを含む。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(フィルタの構成について(その1))
また、フィルタの構成として、任意の構成を採用してもよい。例えば、複数のフェライト部材の相互間の間隙の大きさを調整可能に構成してもよい。図4は、他のフィルタを示す図である。なお、図4に示す他のフィルタは、当該フィルタの中央を通るZ軸に平行な仮想線440を基準にして図面左側に図示されている部分と、図面右側に図示されている部分が相互に同様に構成されているので、図面左側に図示されている部分にのみ符号を付して説明する。例えば、図4に示すように、正面視において、間隙441aを介して環状となるように、フェライト製の2個のフェライト部材441を用いてフィルタを形成してもよい。そして、2個のフェライト部材441の端部に任意の手法(例えば、接着剤を用いて直接的に接着して固定する手法、あるいは、任意の固定治具を用いて固定する手法等)を用いて第1調整板443及び第2調整板444を固定した上で、Z軸方向における第1調整板443及び第2調整板444の相互間の距離を調整することにより、間隙441aの大きさを調整するように構成してもよい。なお、ここでの、第1調整板443及び第2調整板444の相互間の距離を調整する機構は任意であるが、例えば、ボルト442及び当該ボルトと螺合するナット442a、442bを用いてもよい。具体的には、例えば、第1調整板443及び第2調整板444に対して、ボルト442が挿通される挿通穴を設けた上で、ボルト442を当該第1調整板443及び第2調整板444の挿通穴に挿通することにより、図4に示すように当該ボルト442及びナット442a、442bを取り付ける。そして、ナット442a又は442bを回転させてボルト442の長手方向(Z軸方向)に適宜移動させることにより、第1調整板443及び第2調整板444の相互間の距離を調整し、間隙441aの大きさを調整するように構成してもよい。なお、ここでの第1調整板443、第2調整板444、ボルト442、及びナット442a、442bを形成する材料は任意であり、これらの各要素を、金属製又は樹脂製等としてもよい。
(フィルタの構成について(その2))
また、上記実施の形態では、間隙のサイズを変更することにより、インピーダンスの値を調整して、低インピーダンスフィルタ及び高インピーダンスフィルタを形成する場合について説明したが、これに限らない。例えば、フェライト部材の形状又はサイズを変更することにより、あるいは、フィルタを構成する部材の材料を変更することにより、低インピーダンスフィルタ及び高インピーダンスフィルタを形成してもよい。又は、LCの電気回路を構成することにより、各フィルタを形成してもよい。また、例えば、各分岐線に設けるフィルタの個数を調整することにより、インピーダンスの値を調整してもよい。例えば、図2の低インピーダンスフィルタ41と同じ形状のフィルタ(以下、「基準単位フィルタ」と称する)の多数個(例えば、10個~12個等)を1セットとして、当該1セットの基準単位フィルタを第1フィルタとして用いて、また、当該基準単位フィルタを前述の多数個よりも少ない個数(例えば、1個~3個等)を1セットして、当該1セットの基準単位フィルタを第2フィルタとして用いてもよい。
(フィルタの構成について(その3))
また、上記実施の形態の図1の例において、高インピーダンスフィルタ42を負荷側分岐R線71のみに設けてもよいし、あるいは、負荷側分岐R線71及び負荷側分岐N線72の両方に設けてもよい。なお、高インピーダンスフィルタ42を負荷側分岐R線71及び負荷側分岐N線72の両方に設ける場合、実施の形態で説明した図3の高インピーダンスフィルタ42を、負荷側分岐R線71及び負荷側分岐N線72に1個ずつ設けてもよい。また、低インピーダンスフィルタ43Aを子側分岐R線81のみに設けてもよいし、あるいは、子側分岐R線81及び子側分岐N線82の両方に設けてもよい。なお、低インピーダンスフィルタ41、43Bも同様としてもよい。
(フィルタの構成について(その4))
また、第1フィルタが複数個設けられる場合、当該複数の第1フィルタ各々のインピーダンスについては、相互に同じにしてもよいし、あるいは、相互に異ならせてもよい。なお、第2フィルタが複数個設けられる場合も同様にして構成してもよい。
(フィルタの構成について(その5))
また、通信仕様等に応じて任意のフィルタを省略してもよい。例えば、上記実施の形態では、図1に示す低インピーダンスフィルタ41を設ける場合について説明したが、当該低インピーダンスフィルタ41を省略してもよい。
(組み合わせについて)
また、上記実施の形態及び変形例の技術を任意に組み合わせてもよい。
(付記)
付記1の電力線通信システムは、電力を供給するための幹線における当該幹線が延在する方向に沿って設けられている複数の分岐点から分岐する複数の分岐線であって、少なくとも電力負荷又は電力線通信を行う電力線通信機器が接続される前記複数の分岐線と、前記複数の分岐線における複数の前記分岐点の近傍に設けられるフィルタであって、電力線通信を行うための信号エネルギーの少なくも一部の伝達を抑制するための前記フィルタと、を備え、前記電力線通信機器は、前記幹線側に接続されている相手側通信機器との間で電力線通信を行い、前記フィルタは、前記複数の分岐線の内の前記電力線通信機器が接続されていない第1分岐線に設けられる第1フィルタと、前記複数の分岐線の内の前記電力線通信機器が接続されている第2分岐線に設けられる第2フィルタと、を備え、前記第1フィルタのインピーダンスと、前記第2フィルタのインピーダンスとは、相互に異なっている。
付記2の電力線通信システムは、付記1に記載の電力線通信システムにおいて、前記第1フィルタのインピーダンスは、前記第2フィルタのインピーダンスよりも高い。
付記3の電力線通信システムは、付記1又は2に記載の電力線通信システムにおいて、前記幹線は、単相3線式の3本の幹線側電力線により構成されており、前記第1分岐線は、単相3線式の3本の第1分岐線側電力線であって、前記分岐点にて3本の前記幹線側電力線各々から分岐している3本の前記第1分岐線側電力線により構成されており、前記第2分岐線は、単相3線式の3本の第2分岐線側電力線であって、前記分岐点にて3本の前記幹線側電力線各々から分岐している3本の前記第2分岐線側電力線により構成されており、前記電力線通信機器は、3本の前記第2分岐線側電力線の内の2本以上の前記第2分岐線側電力線に接続されており、前記第2フィルタは、前記電力線通信機器が接続されている2本以上の前記第2分岐線側電力線の一つ以上に1個以上ずつ設けられており、前記第1フィルタは、3本の前記第1分岐線側電力線において、前記幹線側電力線を介して前記電力線通信機器が接続されている2本以上の前記第2分岐線側電力線に接続されている2本以上の前記第1分岐線側電力線の一つ以上に1個以上ずつ設けられている。
付記4の電力線通信システムは、付記1から3のいずれか一項に記載の電力線通信システムにおいて、前記第1フィルタ及び前記第2フィルタは、フェライトコアにより形成されている。
付記5の電力線通信システムは、付記4に記載の電力線通信システムにおいて、前記第1フィルタを形成する第1フェライトコアは、第1間隙を介して前記第1分岐線を取り囲む環状形状となっており、前記第2フィルタを形成する第2フェライトコアは、第2間隙を介して前記第2分岐線を取り囲む環状形状となっており前記第1間隙の大きさと前記第2間隙の大きさは相互に異なっている。
(付記の効果)
付記1に記載の電力線通信システムによれば、複数の分岐線の内の電力線通信機器が接続されていない第1分岐線に設けられる第1フィルタと、複数の分岐線の内の電力線通信機器が接続されている第2分岐線に設けられる第2フィルタと、を備え、第1フィルタのインピーダンスと、第2フィルタのインピーダンスとは、相互に異なっていることにより、例えば、信号エネルギーが幹線側の相手側通信機器から分岐線側に必要量以上に供給されるのを制限することができるので、相手側通信機器から電力線通信機器に供給される信号エネルギーの減衰量を抑えることができ、電力線通信の通信速度を向上させることが可能となる。また、第1フィルタのインピーダンスと、第2フィルタのインピーダンスとが相互に異なっているので、例えば、電力線通信機器が接続されていない分岐線に供給される信号エネルギーのエネルギー量と、電力線通信機器が接続されている分岐線に供給される信号エネルギーのエネルギー量とを相互に異ならせることができ、電力線通信機器が接続されていない分岐線に供給される信号エネルギーのエネルギー量を最大限遮断し、電力線通信機器が接続されている分岐線に供給される信号エネルギーのエネルギー量を必要最低限にすることにより、幹線に供給される信号エネルギーの減衰を抑制することができ、これにより電力線通信の通信速度を向上させることが可能となる。
付記2に記載の電力線通信システムによれば、第1フィルタのインピーダンスは、第2フィルタのインピーダンスよりも高いことにより、例えば、電力線通信機器が接続されている分岐線に供給される信号エネルギーのエネルギー量をより大きくすることができ、電力線通信の通信速度を向上させることが可能となる。
付記3に記載の電力線通信システムによれば、第2フィルタは2本以上の第2分岐線側電力線の一つ以上に1個以上ずつ設けられており、また、第1フィルタは、2本以上の第1分岐線側電力線の一つ以上に1個以上ずつ設けられていることにより、例えば、電力線通信を行うための信号エネルギーの少なくも一部の伝達を確実に抑制することができるので、通信速度を確実に向上させることが可能となる。
付記4に記載の電力線通信システムによれば、第1フィルタ及び第2フィルタは、フェライトコアにより形成されていることにより、例えば、各フィルタの構成を単純化することができるので、利便性を向上させることが可能となる。
付記5に記載の電力線通信システムによれば、第1フェライトコアは、第1間隙を介して第1分岐線を取り囲む環状形状となっており、また、第2フェライトコアは、第2間隙を介して第2分岐線を取り囲む環状形状となっており、また、第1間隙の大きさと第2間隙の大きさは相互に異なっていることにより、例えば、フェライトコアの磁気飽和を抑制することができ、また、間隙の大きさを変えることにより相互に異なるインピーダンスを実現することが可能となる。
1 親分電盤
2 負荷用分電盤
3A 子分電盤
3B 子分電盤
5 幹線
6 親側分岐線
7 負荷側分岐線
8 子側分岐線
9 子側分岐線
11 漏電遮断器
12 タップ
13 PLCアダプタ
21 漏電遮断器
22 タップ
31A 漏電遮断器
31B 漏電遮断器
32A タップ
32B タップ
33A PLCアダプタ
33B PLCアダプタ
34A 無線通信装置
34B 無線通信装置
41 低インピーダンスフィルタ
42 高インピーダンスフィルタ
43A 低インピーダンスフィルタ
43B 低インピーダンスフィルタ
51 幹線側R線
52 幹線側N線
53 幹線側T線
61 親側分岐R線
62 親側分岐N線
63 親側分岐T線
71 負荷側分岐R線
72 負荷側分岐N線
73 負荷側分岐T線
81 子側分岐R線
82 子側分岐N線
83 子側分岐T線
91 子側分岐R線
92 子側分岐N線
93 子側分岐T線
100 電力システム
101 電源
102A 端末装置
102B 端末装置
401 ルーター
402 ONU
403 ネットワーク
411 第1部材
412 第2部材
413 スペーサ部材
421 第1部材
422 第2部材
423 スペーサ部材
440 仮想線
441 フェライト部材
441a 間隙
442 ボルト
442a ナット
442b ナット
443 第1調整板
444 第2調整板
600 分岐点
700 分岐点
800 分岐点
900 分岐点
D1 距離
D2 距離
L 電力負荷

Claims (4)

  1. 電力を供給するための幹線における当該幹線が延在する方向に沿って設けられている複数の分岐点から分岐する複数の分岐線であって、少なくとも電力負荷又は電力線通信を行う電力線通信機器が接続される前記複数の分岐線と、
    前記複数の分岐線における複数の前記分岐点の近傍に設けられるフィルタであって、電力線通信を行うための信号エネルギーの少なくも一部の伝達を抑制するための前記フィルタと、を備え、
    前記電力線通信機器は、前記幹線側に接続されている相手側通信機器との間で電力線通信を行い、
    前記フィルタは、
    前記複数の分岐線の内の前記電力線通信機器が接続されていない第1分岐線に設けられる第1フィルタと、
    前記複数の分岐線の内の前記電力線通信機器が接続されている第2分岐線に設けられる第2フィルタと、を備え、
    前記第1フィルタのインピーダンスと、前記第2フィルタのインピーダンスとは、相互に異なっており、
    前記幹線は、単相3線式の3本の幹線側電力線により構成されており、
    前記第1分岐線は、単相3線式の3本の第1分岐線側電力線であって、前記分岐点にて3本の前記幹線側電力線各々から分岐している3本の前記第1分岐線側電力線により構成されており、
    前記第2分岐線は、単相3線式の3本の第2分岐線側電力線であって、前記分岐点にて3本の前記幹線側電力線各々から分岐している3本の前記第2分岐線側電力線により構成されており、
    前記電力線通信機器は、3本の前記第2分岐線側電力線の内の2本以上の前記第2分岐線側電力線に接続されており、
    前記第2フィルタは、前記電力線通信機器が接続されている2本以上の前記第2分岐線側電力線の一つ以上に1個以上ずつ設けられており、
    前記第1フィルタは、3本の前記第1分岐線側電力線において、前記幹線側電力線を介して前記電力線通信機器が接続されている2本以上の前記第2分岐線側電力線に接続されている2本以上の前記第1分岐線側電力線の一つ以上に1個以上ずつ設けられている、
    電力線通信システム。
  2. 前記第1フィルタ及び前記第2フィルタは、フェライトコアにより形成されている、
    請求項に記載の電力線通信システム。
  3. 電力を供給するための幹線における当該幹線が延在する方向に沿って設けられている複数の分岐点から分岐する複数の分岐線であって、少なくとも電力負荷又は電力線通信を行う電力線通信機器が接続される前記複数の分岐線と、
    前記複数の分岐線における複数の前記分岐点の近傍に設けられるフィルタであって、電力線通信を行うための信号エネルギーの少なくも一部の伝達を抑制するための前記フィルタと、を備え、
    前記電力線通信機器は、前記幹線側に接続されている相手側通信機器との間で電力線通信を行い、
    前記フィルタは、
    前記複数の分岐線の内の前記電力線通信機器が接続されていない第1分岐線に設けられる第1フィルタと、
    前記複数の分岐線の内の前記電力線通信機器が接続されている第2分岐線に設けられる第2フィルタと、を備え、
    前記第1フィルタのインピーダンスと、前記第2フィルタのインピーダンスとは、相互に異なっており、
    前記第1フィルタ及び前記第2フィルタは、フェライトコアにより形成されており、
    前記第1フィルタを形成する第1フェライトコアは、第1間隙を介して前記第1分岐線を取り囲む環状形状となっており、
    前記第2フィルタを形成する第2フェライトコアは、第2間隙を介して前記第2分岐線を取り囲む環状形状となっており
    前記第1間隙の大きさと前記第2間隙の大きさは相互に異なっている、
    電力線通信システム。
  4. 前記第1フィルタのインピーダンスは、前記第2フィルタのインピーダンスよりも高い、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の電力線通信システム。
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