JP7452245B2 - ロック装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ロック装置に関する。
特許文献1には、後部に開口部が設けられる車体と、開口部を全閉する全閉位置及び開口部を全開する全開位置の間で回動するバックドアと、全閉位置に位置するバックドアを車体に拘束するロック装置と、を備える車両が記載されている。
車体は、開口部の下端にストライカを有する。一方、ロック装置は、ストライカに係止するフルラッチ位置及びストライカに係止しないアンラッチ位置の間で回動するラッチと、フルラッチ位置に位置するラッチに係止することによりラッチをフルラッチ位置に留めるポールと、を備える。さらに、ロック装置は、ポールをラッチから離れる方向に回動させるオープンレバーと、ラッチをフルラッチ位置に向けて回動させるクローズレバーと、第1方向に回動するときにオープンレバーを駆動し、第1方向の逆方向である第2方向に回動するときにクローズレバーを駆動する駆動レバーと、を備える。
ロック装置は、バックドアが開作動される場合、バックドアの全閉位置における拘束を解除するためにオープン作動を実施する。ロック装置は、オープン作動において、駆動レバーを第1方向に回動させ、オープンレバーでポールを駆動する。こうして、ロック装置は、ラッチをアンラッチ位置まで回動させる。一方、ロック装置は、バックドアが全閉位置の近傍まで閉作動された場合、バックドアを全閉位置に拘束するためにクローズ作動を実施する。ロック装置は、クローズ作動において、駆動レバーを第2方向に回動させ、クローズレバーでラッチを駆動する。こうして、ロック装置は、ラッチをフルラッチ位置まで回動させる。以降の説明では、オープン作動時にラッチをアンラッチ位置まで回動させることを「アンラッチ作動」といい、クローズ作動時にラッチをフルラッチ位置まで回動させることを「フルラッチ作動」という。
特開2013-136874号公報
上記のようなロック装置は、オープン作動時において、ラッチをアンラッチ作動させるために駆動レバーを第1方向に回動させた後、駆動レバーを中立位置に復帰させるために駆動レバーの回動方向を第2方向に切り換える。このため、駆動レバーの復帰時に、駆動レバーが中立位置よりも第2方向に回動すると、駆動レバーがクローズレバーに接触するおそれがある。同様に、ロック装置は、クローズ作動時において、ラッチをフルラッチ作動させるために駆動レバーを第2方向に回動させた後、駆動レバーを中立位置に復帰させるために駆動レバーの回動方向を第1方向に切り換える。このため、駆動レバーの復帰時に、駆動レバーが中立位置よりも第1方向に回動すると、駆動レバーがオープンレバーに接触するおそれがある。
したがって、上記のようなロック装置において、駆動レバーの回動範囲のうち、駆動レバーがオープンレバーもクローズレバーも駆動しない回動範囲を中立範囲としたとき、中立範囲は広いことが好ましい。こうした実情は、バックドアに適用されるロック装置に限らず、他の開口部を開閉する開閉体に適用されるロック装置にも概ね共通する。本発明の目的は、駆動レバーの中立範囲を広くできるロック装置を提供することである。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するロック装置は、車体及び前記車体の開口部を開閉する開閉体の一方に設けられ、前記車体及び前記開閉体の他方に設けられるストライカに係止することにより、前記開口部を閉じる全閉位置に前記開閉体を拘束するロック装置であって、前記ストライカに係止するフルラッチ位置及び前記ストライカに係止しないアンラッチ位置の間で回動し、前記フルラッチ位置から前記アンラッチ位置に向かって付勢されるラッチと、前記フルラッチ位置に位置する前記ラッチに係止することにより前記ラッチの前記アンラッチ位置に向かう回動を規制する係止位置及び前記フルラッチ位置に位置する前記ラッチから離れることにより前記ラッチの回動を許容する退避位置の間で回動し、前記退避位置から前記係止位置に向かって付勢されるポールと、オープン方向に回動することにより前記ポールを前記退避位置まで回動させ、前記オープン方向の逆方向に付勢されるオープンレバーと、クローズ方向に回動することにより前記ラッチを前記フルラッチ位置まで回動させ、前記クローズ方向の逆方向に付勢されるクローズレバーと、第1方向に回動するときに、前記オープンレバーを押して前記オープンレバーを前記オープン方向に回動させるオープンレバー押圧部と、前記第1方向の逆方向となる第2方向に回動するときに、前記クローズレバーを押して前記クローズレバーを前記クローズ方向に回動させるクローズレバー押圧部と、を有する駆動レバーと、を備え、前記駆動レバーの回動軸線の延びる方向において、前記オープンレバー押圧部及び前記クローズレバー押圧部は、互いに逆方向に延びる。
上記構成のロック装置は、オープンレバー押圧部及びクローズレバー押圧部が互いに逆方向に延びる。このため、駆動レバーの回動方向におけるオープンレバー押圧部及びクローズレバー押圧部の間隔を自由に設定しやすくなる。その結果、オープン作動時において、駆動レバーを中立位置に復帰させる際にクローズレバー押圧部がクローズレバーを押しにくくなり、クローズ作動時において、駆動レバーを中立位置に復帰させる際に駆動レバーがオープンレバーを押しにくくなる。こうして、ロック装置は、駆動レバーの中立範囲を広くできる。
上記ロック装置において、前記駆動レバーの回動軸線の延びる方向から前記駆動レバーを見たとき、前記駆動レバーの回動中心から前記オープンレバー押圧部までの長さ及び前記駆動レバーの回動中心から前記クローズレバー押圧部までの長さは、異なる長さであることが好ましい。
上記構成のロック装置は、駆動レバーの回動中心からオープンレバー押圧部までの長さ及び駆動レバーの回動中心からクローズレバー押圧部までの長さを等しくする場合と比較して、オープンレバー及びクローズレバーの配置に関する設計自由度を高くしやすい。
上記ロック装置において、前記駆動レバーの回動軸線の延びる方向から前記駆動レバーを見たとき、前記駆動レバーの回動中心から前記クローズレバー押圧部までの長さは、前記駆動レバーの回動中心から前記オープンレバー押圧部までの長さよりも長いことが好ましい。
ラッチをフルラッチ作動させるために必要な力、すなわち、クローズレバーをクローズ方向に回動させるために必要な力は、ラッチをアンラッチ作動させるために必要な力、すなわち、オープンレバーをオープン方向に回動させるために必要な力よりも大きくなりやすい。この点、上記構成のロック装置は、駆動レバーの回動中心からクローズレバー押圧部までの長さを長くできるため、言い換えれば、モーメントアームを長くできるため、クローズレバーに伝達する力を大きくできる。
上記ロック装置において、前記オープンレバーは、前記駆動レバーが前記第1方向に回動するときの前記オープンレバー押圧部の回動範囲に向かって延び、前記オープンレバー押圧部との接点となるオープンレバー係合体を有し、前記オープンレバー係合体における前記オープンレバー押圧部との接点は、前記オープンレバーが前記オープン方向に回動するにつれて、基端寄りの位置から先端寄りの位置に向かって変化することが好ましい。
オープン作動において、ラッチをアンラッチ作動させる場合には、静止しているポールを退避位置に向けて回動させ始めるときに、最も大きな力が必要になりやすい。つまり、アンラッチ作動の初期にオープンレバー押圧部がオープンレバー係合体を押す力が大きくなりやすい。
この点、上記構成のロック装置は、オープンレバー係合体におけるオープンレバー押圧部との接点は、オープン作動が進むにつれて、オープンレバー係合体の基端寄りの位置から先端寄りの位置に向かって変化する。つまり、オープンレバー押圧部がオープンレバー係合体を最も強く押すとき、オープンレバー押圧部はオープンレバー係合体の基端寄りの位置を押すことになる。言い換えれば、オープンレバー押圧部は、オープンレバー係合体の先端寄りの位置を強く押すことはない。こうして、ロック装置は、オープン作動において、オープンレバー係合体の基端に作用する曲げ応力を低減できる。
上記ロック装置において、前記クローズレバーは、前記駆動レバーが前記第2方向に回動するときの前記クローズレバー押圧部の回動範囲に向かって延び、前記クローズレバー押圧部との接点となるクローズレバー係合体を有し、前記クローズレバー係合体における前記クローズレバー押圧部との接点は、前記クローズレバーが前記クローズ方向に回動するにつれて、先端寄りの位置から基端寄りの位置に向かって変化することが好ましい。
クローズ作動において、ラッチをフルラッチ作動させる場合には、フルラッチ作動に伴うラッチの回動量が大きくなるほど、ラッチを回動させるのに必要な力が大きくなりやすい。つまり、フルラッチ作動に伴うラッチの回動量が大きくなるほど、クローズレバー押圧部がクローズレバー係合体を押す力が大きくなりやすい。
この点、上記構成のロック装置は、クローズレバー係合体におけるクローズレバー押圧部との接点は、クローズ作動が進むにつれて、クローズレバー係合体の先端寄りの位置から基端寄りの位置に向かって変化する。つまり、クローズレバー押圧部がクローズレバー係合体を強く押すとき、クローズレバー押圧部はクローズレバー係合体の基端寄りの位置を押すことになる。言い換えれば、クローズレバー押圧部は、クローズレバー係合体の先端寄りの位置を強く押すことはない。こうして、ロック装置は、クローズ作動において、クローズレバー係合体の基端に作用する曲げ応力を低減できる。
ロック装置は、駆動レバーの中立範囲を広くできる。
一実施形態に係るロック装置を備える車両の模式図。 上記ロック装置の斜視図。 上記ロック装置の斜視図。 上記ロック装置の分解斜視図。 上記ロック装置の分解斜視図。 上記ロック装置のポールとラッチとの正面図。 上記ロック装置のオープンレバーの正面図。 上記ロック装置のクローズレバーと連動レバーとの正面図。 上記ロック装置の駆動レバーとドリブンギヤとの正面図。 上記ロック装置の主要部品の位置関係を示す平面図。 上記ロック装置の主要部品の位置関係を示す底面図。 上記ロック装置の主要部品の位置関係を示す正面図。 開閉体の閉作動時の各種信号の推移とモータの駆動態様の推移とを示すタイミングチャート。 ラッチがアンラッチ位置に位置するときの上記ロック装置の平面図。 ラッチがアンラッチ位置に位置するときの上記ロック装置の正面図。 ラッチが作動切換位置に位置するときの上記ロック装置の平面図。 ラッチが作動切換位置に位置するときの上記ロック装置の正面図。 駆動レバーがクローズレバーに接触したときの上記ロック装置の平面図。 駆動レバーがクローズレバーに接触したときの上記ロック装置の正面図。 フルラッチ作動が完了したときの上記ロック装置の平面図。 フルラッチ作動が完了したときの上記ロック装置の正面図。 クローズ作動が完了したときの上記ロック装置の平面図。 クローズ作動が完了したときの上記ロック装置の正面図。 開閉体の開作動時の各種信号の推移とモータの駆動態様の推移とを示すタイミングチャート。 駆動レバーがオープンレバーに接触したときの上記ロック装置の平面図。 駆動レバーがオープンレバーに接触したときの上記ロック装置の正面図。 ポールが退避位置に回動したときの上記ロック装置の平面図。 ポールが退避位置に回動したときの上記ロック装置の正面図。 アンラッチ作動が完了したときの上記ロック装置の平面図。 アンラッチ作動が完了したときの上記ロック装置の正面図。 駆動レバーの回動がロックされたときの上記ロック装置の平面図。 駆動レバーの回動がロックされたときの上記ロック装置の正面図。
以下、ロック装置を備える車両の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。以降の説明では、車両の幅方向を「幅方向」ともいい、車両の前後方向を「前後方向」ともいい、車両の上下方向を「上下方向」ともいう。
図1に示すように、車両10は、後部に格納室21を有する車体20と、可動式のルーフ30と、ルーフ30を駆動するルーフ駆動部40と、格納室21の開口部22を開閉するカバー50と、カバー50を駆動するカバー駆動部60と、全閉位置に位置するカバー50を車体20に拘束するロック装置100と、を備える。また、車両10は、ルーフ駆動部40とカバー駆動部60とロック装置100とを制御する制御装置300を備える。本実施形態の車両10は、いわゆるコンバーチブルタイプの車両である。
車体20において、格納室21は、下方に向かって凹む空間である。上方からの平面視において、格納室21の開口部22は、幅方向を長手方向とし、前後方向を短手方向とする矩形状をなしている。開口部22の後端には、幅方向における側面視において、略U字状をなすストライカ23が固定される。ストライカ23は、前方に向かって突出する。
ルーフ30は、ルーフ駆動部40によって、車両上部を構成する展開位置及び格納室21に格納される格納位置の間で作動される。ルーフ30は、展開位置から格納位置に向かって格納作動されるとき、幅方向にわたって山折りに折り畳まれる。一方、ルーフ30は、格納位置から展開位置に移動するとき、折り畳まれた状態から展開される。なお、ルーフ30は、いわゆるハードトップでもよいし、ソフトトップでもよい。
カバー50は、「開閉体」の一例に相当する。カバー50は、上方からの平面視において、幅方向を長手方向とし、前後方向を短手方向とする矩形板状をなしている。カバー50は、開口部22を隙間なく覆うことのできる大きさであることが好ましい。カバー50は、カバー駆動部60によって、開口部22を全閉する全閉位置及び開口部22を全開する全開位置の間で作動される。図1では、全閉位置に位置するカバー50を二点鎖線で示し、全開位置に位置するカバー50を実線で示している。カバー50の全開位置は、ルーフ30の作動を妨げない位置であれば、図1に示す位置でなくてもよい。
次に、ロック装置100について詳しく説明する。
図2に示すように、ロック装置100は、装置の構成部品を支持するハウジング110を備える。図3に示すように、ロック装置100は、ストライカ23に係止するフルラッチ位置及びストライカ23に係止しないアンラッチ位置の間を回動するラッチ120と、フルラッチ位置に位置するラッチ120に係止する係止位置及びフルラッチ位置に位置するラッチ120から離れる退避位置の間で回動するポール130と、ポール130を駆動するオープンレバー140と、ラッチ120を駆動するクローズレバー150と、オープンレバー140及びクローズレバー150とともに動作する連動レバー160と、を備える。図2に示すように、ロック装置100は、オープンレバー140及びクローズレバー150を駆動する駆動レバー170と、駆動レバー170を駆動するロック駆動部180と、を備える。
図2及び図3に示すように、ロック装置100は、ラッチ120とクローズレバー150と回動可能に支持するラッチ支持軸211と、ポール130を回動可能に支持するポール支持軸212と、オープンレバー140を回動可能に支持するオープンレバー支持軸213と、駆動レバー170を回動可能に支持する駆動レバー支持軸214と、クローズレバー150と連動レバー160とを相対回転可能に連結する連結軸215と、を備える。
図4及び図5に示すように、ロック装置100は、ラッチ120を付勢するラッチスプリング221と、ポール130を付勢するポールスプリング222と、オープンレバー140を付勢するオープンレバースプリング223と、クローズレバー150を付勢するクローズレバースプリング224と、を備える。
図2及び図3に示すように、ロック装置100は、ラッチ120を位置決めするラッチストッパ231と、クローズレバー150を位置決めするクローズレバーストッパ232と、ポール130の位置を検出するポールスイッチ241と、オープンレバー140の位置を検出するオープンレバースイッチ242と、駆動レバー170の位置を検出する駆動レバースイッチ243と、を備える。
図2に示すように、ハウジング110は、第1プレート111と、第1プレート111と交差する方向に延びる第2プレート112と、を有する。本実施形態では、第1プレート111に相当する部分に対して、第2プレート112に相当する部分を折り曲げることで、ハウジング110が構成される。本実施形態において、第1プレート111及び第2プレート112の間をなす角度は、略90度である。
第1プレート111は、第2プレート112に向かって延びる切り欠き113を有する。切り欠き113は、カバー50が全閉位置及び全閉位置の付近に位置するときに、ストライカ23が通過する溝である。図2及び図3に示すように、第1プレート111は、ラッチ支持軸211、ポール支持軸212及びオープンレバー支持軸213を支持する。このとき、ラッチ支持軸211、ポール支持軸212及びオープンレバー支持軸213の軸方向は、第1プレート111の板厚方向に延びる。第1プレート111において、ラッチ支持軸211は、切り欠き113によって区画される一方の部位に支持され、ポール支持軸212及びオープンレバー支持軸213は、切り欠き113によって区画される他方の部位に支持される。言い換えれば、第1プレート111の正面視において、切り欠き113は、ラッチ支持軸211とポール支持軸212及びオープンレバー支持軸213との間に位置する。
図2に示すように、第2プレート112は、第1プレート111寄りの位置に開口する第1連通孔114と、第1連通孔114よりも第1プレート111から離れた位置に開口する第2連通孔115と、を有する。第1連通孔114は、第2プレート112と干渉しないように複数のレバーを配置するための孔であり、第2連通孔115は、第2プレート112と干渉しないようにロック駆動部180の構成部品を配置するための孔である。また、第2プレート112は、ロック駆動部180と駆動レバー支持軸214とを支持する。このとき、駆動レバー支持軸214の軸方向は、第2プレート112の板厚方向に延びる。第2プレート112の平面視において、駆動レバー支持軸214は、第1連通孔114と第2連通孔115の間に位置する。
図4、図5及び図6に示すように、ラッチ120は、略楕円板状をなしている。ラッチ120は、ラッチ120の外側面からラッチ120の回動軸線に向かって延びる係合溝121を有する。また、ラッチ120は、ポール130が係止する第1係止部122と、連動レバー160が係止する第2係止部123と、ラッチ120の回動軸線に沿って延びる突出壁124と、を有する。
係合溝121は、カバー50の閉作動時にストライカ23が進入する溝である。第1係止部122及び第2係止部123と突出壁124とは、ラッチ120の回動軸線から離れた位置に設けられる。第1係止部122及び第2係止部123は、ラッチ120の回動方向にずれている。また、第2係止部123は、突出壁124からラッチ120の回動軸線と直交する方向に延びる。このため、第1係止部122及び第2係止部123は、ラッチ120の板厚方向にずれている。
図4及び図5に示すように、ラッチ120は、ラッチ支持軸211を介して、ハウジング110の第1プレート111に支持される。このとき、ラッチ120は、第1プレート111の板厚方向において、切り欠き113と重なる。また、ラッチ120の回動軸線は、ラッチ支持軸211の中心を通る軸線である。図6に示すように、ラッチ120は、ラッチスプリング221により、実線矢印で示す方向に付勢される。ラッチスプリング221の付勢方向は、ストライカ23を係合溝121から排出する方向である。そして、図6に示す状態において、ラッチスプリング221に付勢されるラッチ120は、ラッチストッパ231に接触することによりアンラッチ位置に位置決めされる。
図4、図5及び図6に示すように、ポール130は、ポール130の回動軸線と直交する方向を長手方向とする板状をなしている。ポール130は、ラッチ120の第1係止部122に係止する第1係止爪131と、ポールスイッチ241を操作するスイッチ操作部132と、連動レバー160と係合する係合片133と、を有する。ポール130の回動軸線はポール130の基端に位置し、第1係止爪131とスイッチ操作部132と係合片133とはポール130の先端寄りに位置する。第1係止爪131は、フルラッチ位置に位置するラッチ120の第1係止部122に係止することで、ラッチ120をフルラッチ位置に留める。スイッチ操作部132は、ポール130の回動に応じて、ポールスイッチ241を押下したり、ポールスイッチ241から離れたりする。
図4及び図5に示すように、ポール130は、ポール支持軸212を介して、ハウジング110の第1プレート111に支持される。つまり、ポール130の回動軸線は、ポール支持軸212の中心を通る軸線である。図6に示すように、ポール130は、ポールスプリング222により、実線矢印で示す方向に付勢される。すなわち、ポール130は、第1係止爪131がラッチ120に接近する方向に付勢される。
図5,図6及び図7に示すように、オープンレバー140は、板状をなしている。オープンレバー140は、駆動レバー170との接点となるオープンレバーピン141と、オープンレバースイッチ242を操作するスイッチ操作部142と、ラッチ120の第2係止部123に当接する当接部143と、を有する。また、オープンレバー140は、円弧状に延びる摺動溝144を有する。
オープンレバーピン141は、略円柱状をなし、オープンレバー140の回動軸線に沿って延びる。オープンレバーピン141は、「オープンレバー係合体」の一例に相当する。スイッチ操作部142は、オープンレバー140の回動に応じて、オープンレバースイッチ242を押下したり、オープンレバー140から離れたりする。当接部143は、摺動溝144の延びる方向における両端部のうち、オープンレバー140の回動軸線から遠い端部の近くに設けられる。当接部143は、オープンレバー140の回動軸線に沿って、オープンレバーピン141とは逆方向に延びる。
図5及び図6に示すように、オープンレバー140は、オープンレバー支持軸213を介して、ハウジング110の第1プレート111に支持される。つまり、オープンレバー140の回動軸線は、オープンレバー支持軸213の中心を通る軸線である。図7に示すように、オープンレバー140は、オープンレバースプリング223により、実線矢印で示す方向に付勢される。以降の説明では、オープンレバースプリング223の付勢方向の逆方向、すなわち、図7に示す実線矢印の逆方向を「オープン方向OP」ともいう。
図4、図5及び図8に示すように、クローズレバー150は、正面視略L字状をなしている。クローズレバー150は、連結軸215を介して、連動レバー160と相対的に回動可能に連結される。クローズレバー150は、駆動レバー170との接点となるクローズレバーピン151を有する。クローズレバーピン151は、略円柱状をなし、クローズレバー150の回動軸線に沿って延びる。クローズレバーピン151は、「クローズレバー係合体」の一例に相当する。クローズレバー150において、クローズレバーピン151と連結軸215とは、クローズレバー150の回動方向に離れて位置する。
図4及び図5に示すように、クローズレバー150は、ラッチ120とともに、ラッチ支持軸211を介して、ハウジング110の第1プレート111に支持される。つまり、クローズレバー150の回動軸線は、ラッチ支持軸211の中心を通る軸線である。図8に示すように、クローズレバー150は、クローズレバースプリング224により、実線矢印で示す方向に付勢される。クローズレバースプリング224の付勢方向は、ラッチスプリング221の付勢方向と同方向である。以降の説明では、クローズレバースプリング224の付勢方向の逆方向、すなわち、図8に示す実線矢印の逆方向を「クローズ方向CL」ともいう。
図4、図5及び図8に示すように、連動レバー160は、連動レバー160の回動軸線と直交する方向を長手方向とする棒状をなしている。連動レバー160は、ラッチ120の第2係止部123に係止する第2係止爪161と、オープンレバー140と摺動する摺動軸162と、を有する。連動レバー160の回動軸線は、連動レバー160の基端寄りに位置し、第2係止爪161と摺動軸162とは、連動レバー160の先端寄りに設けられる。第2係止爪161は、ラッチ120の第2係止部123に係止することで、ラッチ120をアンラッチ位置及びフルラッチ位置の間の位置に留める。摺動軸162は、連結軸215の軸方向に沿って延びる。摺動軸162は、オープンレバー140の摺動溝144に挿入される。クローズレバー150がクローズレバースプリング224に付勢されている点で、クローズレバー150に連結される連動レバー160もクローズレバースプリング224に付勢されているといえる。
図2及び図9に示すように、駆動レバー170は、周方向に複数の外歯171が並ぶセクターギヤ172と、オープンレバー140のオープンレバーピン141を押すオープンレバー押圧部173と、クローズレバー150のクローズレバーピン151を押すクローズレバー押圧部174と、駆動レバースイッチ243を操作するスイッチ操作部175を有する。
オープンレバー押圧部173及びクローズレバー押圧部174は、平板状をなしている。オープンレバー押圧部173及びクローズレバー押圧部174は、駆動レバー170の回動軸線に沿って互いに逆方向に延びる。本実施形態では、オープンレバー押圧部173及びクローズレバー押圧部174の延びる方向は、駆動レバー170の回動軸線の延びる方向と同方向であるが、オープンレバー押圧部173及びクローズレバー押圧部174の延びる方向は、駆動レバー170の回動軸線の延びる方向に対して傾いていてもよい。オープンレバー押圧部173は、駆動レバー170が第1方向R1に回動するときにオープンレバーピン141を押す部位であり、クローズレバー押圧部174は、駆動レバー170が第2方向R2に回動するときにクローズレバーピン151を押す部位である。
オープンレバー押圧部173は、第1押圧部173a及び第2押圧部173bを含む。第1押圧部173aは、駆動レバー170の回動軸線と交差する平面であり、第2押圧部173bは、駆動レバー170の回動軸線と直交する平面である。詳しくは、オープンレバー押圧部173の延びる方向を高さ方向としたとき、第1押圧部173aの高さは一定でなく、第2押圧部173bの高さは一定である。第1押圧部173aの高さは、第2押圧部173bから離れるにつれて一定の勾配で低くなる。本実施形態では、第1押圧部173a及び第2押圧部173bの間をなす角度は、略120度である。一方、クローズレバー押圧部174は、オープンレバー押圧部173の第1押圧部173aに相当する構成を含むが、オープンレバー押圧部173の第2押圧部173bに相当する構成を含まない。ただし、クローズレバー押圧部174は、他の実施形態において、オープンレバー押圧部173の第2押圧部173bに相当する構成を含んでもよい。
図9に示すように、駆動レバー170の回動中心からオープンレバー押圧部173までの長さL1と、駆動レバー170の回動中心からクローズレバー押圧部174までの長さL2と、は異なっている。詳しくは、駆動レバー170の回動中心からオープンレバー押圧部173までの長さL1は、駆動レバー170の回動中心からクローズレバー押圧部174までの長さL2よりも短くなっている。ここで、長さL1の基準となるオープンレバー押圧部173の位置は、オープンレバー押圧部173がオープンレバーピン141を押す位置であり、長さL2の基準となるクローズレバー押圧部174の位置は、クローズレバー押圧部174がクローズレバーピン151を押す位置である。ただし、オープンレバー押圧部173におけるオープンレバーピン141を押す位置は、駆動レバー170の回動に応じて変化するため、図9に示す長さL1は、最も長いときの長さを示している。
スイッチ操作部175は、セクターギヤ172の複数の外歯171と周方向に隣り合う位置に設けられる。スイッチ操作部175は、駆動レバー170の回動に応じて、駆動レバースイッチ243を押下したり、駆動レバースイッチ243から離れたりする。以降の説明では、図9に示すように、スイッチ操作部175が駆動レバースイッチ243を押下しているときの駆動レバー170の位置を「中立位置」ともいう。駆動レバー170が中立位置から第1方向R1又は第2方向R2に回動すると、スイッチ操作部175が駆動レバースイッチ243を押さなくなる。
図2に示すように、駆動レバー170は、駆動レバー支持軸214を介して、ハウジング110の第2プレート112の表側に回動可能に支持される。つまり、駆動レバー170の回動軸線は、駆動レバー支持軸214の中心を通る軸線である。このとき、オープンレバー押圧部173は、第2プレート112の第1連通孔114を介して、第2プレート112の裏側の空間に突出する。一方、クローズレバー押圧部174は、第2プレート112の表側の空間に突出する。
続いて、図10~図12を参照して、ロック装置100の主要部品の位置関係及び係合関係について説明する。
図10~図12に示すように、ロック装置100において、オープンレバーピン141及びクローズレバーピン151の延びる方向を「高さ方向」としたとき、ラッチ120とポール130とは略同じ高さに配置される。また、ラッチ120とポール130とは、高さ方向と直交する方向において、隣り合う位置に配置される。このため、図10及び図11に示すように、ラッチ120がアンラッチ位置に位置する場合、ポールスプリング222に付勢されるポール130は、ラッチ120に接触することによって位置決めされる。
図10~図12に示すように、オープンレバー140は、ハウジング110の第1プレート111に支持される構成の中で最も高い位置に配置される。ただし、オープンレバー140の当接部143は、ラッチ120の第2係止部123と同じ高さまで延びるため、当接部143は第2係止部123に当接可能となる。詳しくは、図10及び図11に示すように、ラッチ120がアンラッチ位置に配置される場合、オープンレバースプリング223に付勢されるオープンレバー140は、ラッチ120の第2係止部123に接触することにより、位置決めされる。また、オープンレバー140の円弧状をなす摺動溝144の中心は、オープンレバー140の回動軸線の近くに位置する。
図10~図12に示すように、クローズレバー150は、高さ方向において、ラッチ120及びポール130よりも高く、オープンレバー140よりも低い位置に配置される。図10及び図11に示すように、ラッチ120がアンラッチ位置に配置される場合、クローズレバー150は、ラッチ120ともポール130ともオープンレバー140とも係合しない。ラッチ120がアンラッチ位置に配置される場合、クローズレバースプリング224に付勢されるクローズレバー150は、クローズレバーストッパ232に接触することにより位置決めされる。
図10~図12に示すように、連動レバー160は、高さ方向において、ポール130とクローズレバー150との間に配置される。ただし、ラッチ120の第2係止部123は、連動レバー160と同じ高さに位置するため、連動レバー160の第2係止爪161はラッチ120の第2係止部123に係止可能となる。また、ポール130の係合片133は、連動レバー160と同じ高さに位置するため、連動レバー160は、ポール130の係合片133を押すことが可能となる。また、図10及び図11に示すように、連動レバー160の摺動軸162は、オープンレバー140の摺動溝144に挿通される。このため、オープンレバー140が回動する場合には、連動レバー160がオープンレバー140の回動方向に変位する。一方、クローズレバー150が回動する場合、連動レバー160の摺動軸162はオープンレバー140の摺動溝144に沿って変位できる。このため、クローズレバー150の回動に伴って、連動レバー160が変位する場合には、オープンレバー140が回動しない。
図10~図12に示すように、ラッチ120の回動軸線、ポール130の回動軸線、オープンレバー140の回動軸線及びクローズレバー150の回動軸線は、同方向に延びる。そして、ラッチ120の回動軸線、ポール130の回動軸線、オープンレバー140の回動軸線及びクローズレバー150の回動軸線は、駆動レバー170の回動軸線と異なる方向に延びる。言い換えれば、ラッチ120の回動軸線、ポール130の回動軸線、オープンレバー140の回動軸線及びクローズレバー150の回動軸線は、駆動レバー170の回動軸線とねじれの関係にある。ここで、本実施形態では、図10~図12に示すように、ラッチ120の回動軸線、ポール130の回動軸線、オープンレバー140の回動軸線及びクローズレバー150の回動軸線は、Y軸に沿って延び、駆動レバー170の回動軸線は、Z軸に沿って延びる。このため、Y軸及びZ軸の双方と直交するX軸の延びる方向から見たとき、ラッチ120の回動軸線、ポール130の回動軸線、オープンレバー140の回動軸線及びクローズレバー150の回動軸線と、駆動レバー170の回動軸線と、は直交しているといえる。なお、ラッチ120の回動軸線、ポール130の回動軸線、オープンレバー140の回動軸線及びクローズレバー150の回動軸線と、駆動レバー170の回動軸線との位置関係は、第1プレート111及び第2プレート112の間をなす角度に応じて変化する。
図10及び図12に示すように、駆動レバー170の回動軸線の延びる方向において、オープンレバー140の回動軸線は、駆動レバー170の一方側に位置し、クローズレバー150の回動軸線は、駆動レバー170の他方側に位置する。言い換えれば、駆動レバー170の回動軸線の延びる方向において、オープンレバー支持軸213は、駆動レバー170の一方側に位置し、ラッチ支持軸211は、駆動レバー170の他方側に位置する。また、駆動レバー170の回動軸線の延びる方向において、クローズレバーピン151は、セクターギヤ172の一方側に位置し、オープンレバーピン141は、セクターギヤ172の他方側に位置する。オープンレバーピン141及びクローズレバーピン151は、オープンレバー140及びクローズレバー150が回動するときに位置が変化するが、上述した関係は維持される。
図10及び図12に示すように、オープンレバーピン141は、駆動レバー170が中立位置から第1方向R1に回動するときのオープンレバー押圧部173の回動範囲に向かって延びる。一方、クローズレバーピン151は、駆動レバー170が中立位置から第2方向R2に回動するときのクローズレバー押圧部174の回動範囲に向かって延びる。オープンレバーピン141及びクローズレバーピン151は、軸方向における長さが同等である一方で、オープンレバー140は、クローズレバー150よりも高い位置に配置される。このため、オープンレバーピン141は、クローズレバーピン151よりも、駆動レバー170の回動軸線の近くまで延びる。図10及び図12に示すように、駆動レバー170が中立位置に位置する場合、駆動レバー170の回動方向において、オープンレバー押圧部173はオープンレバーピン141から離れ、クローズレバー押圧部174はクローズレバーピン151から離れる。
図10及び図12に示すように、オープンレバーピン141及びクローズレバーピン151は、オープンレバー140の回動軸線及び駆動レバー170の回動軸線の間に位置する。言い換えれば、オープンレバーピン141及びクローズレバーピン151は、オープンレバー支持軸213及びラッチ支持軸211の間に位置する。図12に示すように、駆動レバー170の回動軸線の延びる方向から見たとき、オープンレバーピン141及びクローズレバーピン151は一部が重複するが、図10に示すように、高さ方向から見たとき、オープンレバーピン141及びクローズレバーピン151は離れている。
図2に示すように、ロック駆動部180は、駆動レバー170のセクターギヤ172と噛み合うドライブギヤ181と、ドライブギヤ181の駆動源となるモータ182と、ドライブギヤ181とモータ182とが組み付けられるケーシング183と、を有する。図示を省略するが、ロック駆動部180は、モータ182の出力トルクを増大させてドライブギヤ181に伝達する減速機を有する。
ロック駆動部180は、ねじなどの締結部材を用いて第2プレート112の裏側から固定される。このとき、ドライブギヤ181は、ハウジング110の第2連通孔115を介して、第2プレート112の表側に配置される。こうして、ドライブギヤ181は、第2プレート112の表側に支持される駆動レバー170のセクターギヤ172の外歯171と噛み合う。ドライブギヤ181は、回転方向に応じて、駆動レバー170を第1方向R1に回動させたり、駆動レバー170を第2方向R2に回動させたりする。本実施形態では、モータ182の正転時に駆動レバー170が第1方向R1に回動し、モータ182の逆転時に駆動レバー170が第2方向R2に回動する。
次に、本実施形態の制御に関する構成について説明する。
制御装置300には、ユーザが電子キーなどの携帯機に設けられたボタンを操作したり、運転席の周囲に設けられたボタンを操作したりしたときに、ルーフ30の作動要求信号が入力される。また、制御装置300には、ポールスイッチ241、オープンレバースイッチ242及び駆動レバースイッチ243のオンオフ状況を示す信号として、ポール位置識別信号、オープンレバー位置識別信号及び駆動レバー位置識別信号がそれぞれ入力される。本実施形態では、ポール位置識別信号は、ポールスイッチ241が押下されるときにオンとなり、ポールスイッチ241が押下されないときにオフとなる。オープンレバー位置識別信号は、オープンレバースイッチ242が押下されるときのオンとなり、オープンレバースイッチ242が押下されないときにオフとなる。駆動レバー位置識別信号は、駆動レバースイッチ243が押下されるときにオフとなり、駆動レバースイッチ243が押下されないときにオンとなる。
制御装置300は、作動要求信号の有無に基づいて、ユーザからルーフ30の作動要求があるか否かを判定する。制御装置300は、作動要求信号が入力される場合、カバー駆動部60により、カバー50を全閉位置から全開位置に向けて開作動させる。続いて、制御装置300は、ルーフ駆動部40により、ルーフ30を格納作動させたり展開作動させたりする。ルーフ30の格納作動又は展開作動の完了後、制御装置300は、カバー駆動部60により、カバー50を全開位置から全閉位置に向けて閉作動させる。
制御装置300は、カバー駆動部60によりカバー50を全閉位置の付近まで閉作動させたとき、ロック駆動部180により、ラッチ120をフルラッチ位置まで回動させる「クローズ作動」を実施する。こうして、制御装置300は、ラッチ120をストライカ23に係止させ、カバー50を全閉位置に拘束させる。一方、制御装置300は、カバー駆動部60によりカバー50の開作動を開始する際、ロック駆動部180により、ラッチ120をアンラッチ位置まで回動させる「オープン作動」を実施する。こうして、制御装置300は、ラッチ120のストライカ23に対する係止を解除させ、カバー50の全閉位置での拘束を解除させる。制御装置300は、クローズ作動及びオープン作動の実施時において、ポール位置識別信号、オープンレバー位置識別信号及び駆動レバー位置識別信号のオンオフ状況の切り換わりに基づき、モータ182を正転、逆転及び停止させるタイミングを判断する。
本実施形態の作用について説明する。
初めに、クローズ作動時のロック装置100の作用について説明する。
図13は、クローズ作動時の識別信号のオンオフ状況とモータ182の作動状況とを示すタイミングチャートである。図14~図23に示すロック装置100は、図13における何れかのタイミングに対応した状態を示している。なお、図14~図23では、説明理解の容易のために、ロック装置100の一部の構成部品を簡略図示している。
図14及び図15は、カバー駆動部60によりカバー50が全閉位置の付近まで閉作動した第1のタイミングt11におけるロック装置100の状態を示している。
図14及び図15に示すように、カバー50の閉作動に伴い、ラッチ120がストライカ23に接触するまでは、ラッチ120がアンラッチ位置に位置する。ラッチ120がアンラッチ位置に位置する場合、ポール130がポールスイッチ241から離れるため、第1のタイミングt11では、ポール位置識別信号がオフになる。
クローズレバー150は、クローズレバースプリング224に付勢され、クローズレバー150の一部が図11に示すクローズレバーストッパ232に接触している。また、オープンレバー140は、オープンレバースプリング223に付勢され、当接部143がラッチ120の第2係止部123に当接している。このため、オープンレバー140がオープンレバースイッチ242を押下し、第1のタイミングt11では、オープンレバー位置識別信号がオンになる。また、図15に示すように、駆動レバー170は中立位置に位置する。このため、駆動レバー170が駆動レバースイッチ243を押下し、第1のタイミングt11では、駆動レバー位置識別信号はオフになる。また、第1のタイミングt11では、ロック駆動部180のモータ182は停止している。
図16及び図17は、第1のタイミングt11よりも、カバー50の閉作動が進んだ第2のタイミングt12におけるロック装置100の状態を示している。
図16及び図17に示すように、カバー50の閉作動が進むと、ストライカ23がラッチ120を押しつつ、ストライカ23がラッチ120の係合溝121に進入し始める。このとき、ラッチ120は、ラッチスプリング221の付勢方向と逆方向に回動する。そして、ラッチ120は、図16に示す「作動切換位置」に位置する。
ポール130は、ラッチ120の回動に伴い、ポールスプリング222の付勢方向と逆方向に回動する。その結果、ポール130はポールスイッチ241を押下し、第2のタイミングt12において、ポール位置識別信号がオンになる。クローズレバー150は、ラッチ120の回動に伴い回動しない。
オープンレバー140は、ラッチ120の回動に伴い、当接部143がラッチ120の第2係止部123に当接しなくなる。このため、オープンレバー140は、オープンレバースプリング223の付勢方向に回動する。その結果、オープンレバー140がオープンレバースイッチ242から離れ、第2のタイミングt12において、オープンレバー位置識別信号がオフになる。
オープンレバー140がオープンレバースプリング223の付勢方向に回動するとき、オープンレバー140は、摺動溝144を介して連動レバー160を押す。すると、連動レバー160は、先端がラッチ120に接近する方向に変位する。その結果、連動レバー160の第2係止爪161がラッチ120の第2係止部123に係止する。この点で、図16に示す作動切換位置は、ラッチ120の第2係止部123が連動レバー160の第2係止爪161に係止するときのラッチ120の位置である。ラッチ120が作動切換位置に位置するとき、ラッチ120は、作動切換位置からアンラッチ位置に向かう回動が制限される。このため、ラッチ120が作動切換位置まで回動した後は、ラッチ120をストライカ23に押し付ける力が解消されても、ラッチ120の係合溝121からストライカ23が排出されることはない。
なお、図16では、カバー駆動部60により、ラッチ120をストライカ23に押し付ける力が作用しているため、ラッチ120の第2係止部123と連動レバー160の第2係止爪161との間に僅かな隙間が生じている。ただし、ラッチ120をストライカ23に押し付ける力が解消されると、ラッチ120がラッチスプリング221の付勢方向に回動することにより、ラッチ120の第2係止部123と連動レバー160の第2係止爪161とが接触する。
オープンレバー位置識別信号がオフになる第2のタイミングt12の次の第3のタイミングt13では、クローズ作動を開始すべくロック駆動部180が駆動される。詳しくは、ロック駆動部180のモータ182が逆転され、駆動レバー170が第2方向R2に回動される。このように、本実施形態では、ラッチ120が作動切換位置まで回動したこと、言い換えれば、オープンレバー位置識別信号がオフになった後に、カバー駆動部60が駆動される状態からロック駆動部180が駆動される状態に切り換わる。
図18及び図19は、ロック駆動部180のモータ182が逆転している最中の第4のタイミングt14におけるロック装置100の状態を示している。
図18及び図19に示すように、ロック駆動部180のモータ182が逆転する場合、駆動レバー170が第2方向R2に回動する。すると、駆動レバー170が駆動レバースイッチ243から離れるため、第4のタイミングt14では、駆動レバー位置識別信号がオンになっている。駆動レバー170が第2方向R2に回動し続けると、クローズレバー押圧部174がクローズレバーピン151に接触する。このとき、クローズレバー押圧部174は、クローズレバーピン151の先端寄りの部位に接触する。クローズレバー押圧部174がクローズレバーピン151に接触した後は、駆動レバー170が第2方向R2に回動するのに伴いクローズレバー150がクローズ方向CLに回動する。
図20及び図21は、ポール位置識別信号がオフになる第5のタイミングt15におけるロック装置100の状態を示している。
図20及び図21に示すように、駆動レバー170のクローズレバー押圧部174がクローズレバーピン151を押すと、クローズレバー150が連動レバー160とともに、実線矢印で示すクローズ方向CLに回動する。ここで、連動レバー160の摺動軸162はオープンレバー140の摺動溝144に挿入されるため、連動レバー160は摺動溝144に沿って変位する。このとき、連動レバー160の第2係止爪161とラッチ120の第2係止部123との係止状態が維持された状態で、連動レバー160が摺動溝144に沿って変位する。その結果、連動レバー160の変位に伴い、ラッチ120は、ストライカ23を引き込むようにラッチスプリング221の付勢方向の逆方向に回動する。ラッチ120の回動方向において、連動レバー160の第2係止爪161がポール130の第1係止爪131よりも進むと、ラッチ120の第1係止部122にポール130の第1係止爪131が係止可能になる。
こうして、図20に示すように、ラッチ120は、ストライカ23に係止するフルラッチ位置に位置し、ポール130は、フルラッチ位置に位置するラッチ120に係止してラッチ120のアンラッチ位置に向かう回動を規制する係止位置に位置する。以降の説明では、カバー50の閉作動時において、ロック駆動部180がラッチ120をフルラッチ位置まで回動させることを「フルラッチ作動」ともいう。
図21に示すように、フルラッチ作動の完了時点において、クローズレバー押圧部174は、クローズレバーピン151の基端寄りの部位に接触する。図17、図19及び図21に示すように、クローズ作動に伴うクローズレバー押圧部174の移動軌跡は、円弧状をなす。このため、クローズレバーピン151におけるクローズレバー押圧部174との接点は、クローズ作動が進むにつれて先端寄りの位置から基端寄りの位置に向かって変化する。また、クローズ作動に伴うラッチ120の回動量が多くなるにつれて、ラッチスプリング221の復元力が大きくなる。この点で、ラッチ120の回動量が多くなるにつれて、クローズレバーピン151に作用する力が大きくなる。つまり、クローズレバー押圧部174がクローズレバーピン151を押す力は、フルラッチ作動の完了時点が最も大きい。
図21に示すように、ポール130が係止位置に位置する場合、ポール130はポールスイッチ241から離れる。このため、第5のタイミングt15では、ポール位置識別信号がオフになる。第5のタイミングt15において、ポール位置識別信号がオフになることは、ラッチ120のフルラッチ作動が完了したことを示す。このため、第5のタイミングt15では、第2方向R2に回動させた駆動レバー170を中立位置に復帰させるべく、ロック駆動部180のモータ182の回転方向が反転される。つまり、ロック駆動部180のモータ182が正転される。
ロック駆動部180のモータ182を正転させるのに伴い、駆動レバー170が第1方向R1に回動すると、クローズレバー150をクローズ方向CLに回動させる力がクローズレバー150に伝達されなくなる。ただし、クローズレバー150は、フルラッチ位置に位置決めされるラッチ120の突出壁124に接触するため、クローズレバースプリング224の付勢方向に回動することはない。この点で、ラッチ120がフルラッチ位置に位置する場合、連動レバー160の第2係止爪161とラッチ120の第2係止部123との間には隙間が生じる。
図22及び図23は、駆動レバー170が中立位置に復帰した第6のタイミングt16におけるロック装置100の状態を示している。
図22及び図23に示すように、駆動レバー170が中立位置まで復帰すると、駆動レバー170が駆動レバースイッチ243を押下する。このため、第6のタイミングt16において、駆動レバー位置識別信号がオフになり、ロック駆動部180のモータ182が停止される。こうして、クローズ作動が完了する。
続いて、オープン作動時のロック装置100の作用について説明する。
図24は、オープン作動時の識別信号のオンオフ状況とロック駆動部180のモータ182の作動状況とを示すタイミングチャートである。図22、図23、図25~図32、図14及び図15に示すロック装置100は、図24における何れかのタイミングに対応した状態を示している。なお、上述した図14,図15,図22及び図23に加え、図25~図32では、説明理解の容易のために、ロック装置100の一部の構成部品を簡略図示している。
カバー50が全閉位置に位置する第1のタイミングt21では、図22及び図23に示すように、ラッチ120はフルラッチ位置に位置し、ポール130は係止位置に位置している。クローズレバー150は、ラッチ120との係合によりクローズ方向CLに回動した状態に保たれ、オープンレバー140は、オープンレバースプリング223の付勢方向に最も回動している。また、駆動レバー170は中立位置に位置している。このため、第1のタイミングt21では、クローズ作動の完了後の第6のタイミングt16と同様、ポール位置識別信号、オープンレバー位置識別信号及び駆動レバー位置識別信号はオフであり、ロック駆動部180のモータ182は停止している。
その後、オープン作動を開始する場合には、第2のタイミングt22において、ロック駆動部180のモータ182が正転される。すると、駆動レバー170が中立位置から第1方向R1に回動する。このため、第2のタイミングt22よりも後のタイミングにおいて、駆動レバー170が駆動レバースイッチ243から離れ、駆動レバー位置識別信号がオンになる。本実施形態では、オープン作動時において、ロック駆動部180のモータ182を正転させる期間をタイマーで管理する。つまり、オープン作動時には、ロック駆動部180のモータ182を所定の時間にわたって正転させた後、ロック駆動部180のモータ182を逆転させることになる。以降の説明では、オープン作動時において、ロック駆動部180のモータ182を正転させる時間を「規定作動時間Tth」ともいう。
図25及び図26は、駆動レバー170が第方向Rに回動中の第3のタイミングt23におけるロック装置100を示している。
図25及び図26に示すように、駆動レバー170が中立位置から第方向Rに回動すると、駆動レバー170のオープンレバー押圧部173がオープンレバー140のオープンレバーピン141に接触する。詳しくは、オープンレバー押圧部173の第1押圧部173aがオープンレバーピン141の基端寄りの部位に接触する。このため、オープンレバー押圧部173がオープンレバーピン141に接触した後は、駆動レバー170が第1方向R1に回動するにつれて、オープンレバー140がオープン方向OPに回動する。このとき、オープンレバー押圧部173とオープンレバーピン141とは摺動する。
図25及び図26に示す状態では、図22及び図23に示す状態よりも、オープンレバー140がオープン方向OPに僅かに回動する。このため、オープンレバー140がオープンレバースイッチ242を押下し、第3のタイミングt23では、オープンレバー位置識別信号がオンになる。また、オープンレバー140は、摺動溝144を介して、連動レバー160を押すことで、連動レバー160をラッチ120から離れる方向に変位させる。その結果、連動レバー160は、ポール130の係合片133に接触する。ただし、連動レバー160がポール130の係合片133に接触した段階では、ポール130の第1係止爪131とラッチ120の第1係止部122との係止関係は維持される。
図27及び図28は、第3のタイミングt23よりも駆動レバー170が第1方向R1に回動した第4のタイミングt24におけるロック装置100を示している。
図27及び図28に示すように、駆動レバー170が第1方向R1にさらに回動すると、オープンレバー押圧部173に押されるオープンレバー140がオープン方向OPに回動する。すると、オープンレバー140に係合する連動レバー160がラッチ120から離れる方向に変位する。また、連動レバー160はポール130の係合片133と係合しているため、連動レバー160がラッチ120から離れる方向に変位するとき、ポール130もラッチ120から離れる方向に回動する。こうして、ポール130の第1係止爪131がラッチ120の第1係止部122と係止しなくなる。言い換えれば、ポール130は、フルラッチ位置に位置するラッチ120から離れてラッチ120の回動を許容する退避位置に回動する。その結果、ラッチ120は、ラッチスプリング221の付勢方向に回動し始める。つまり、ラッチ120は、フルラッチ位置からアンラッチ位置に向かって回動し始める。以降の説明では、ロック装置100において、ラッチ120がフルラッチ位置からアンラッチ位置に回動することを「アンラッチ作動」ともいう。また、ポール130が退避位置に位置する場合、ポール130がポールスイッチ241を押下するため、第4のタイミングt24では、ポール位置識別信号がオンになる。
図29及び図30は、第4のタイミングt24の直後の第5のタイミングt25におけるロック装置100を示している。
図29及び図30に示すように、ポール130と連動レバー160との双方がラッチ120に係止しなくなると、ラッチ120は、アンラッチ作動する。こうして、ラッチ120は、フルラッチ位置からアンラッチ位置まで回動する。ラッチ120がアンラッチ作動するとき、ストライカ23は、ラッチ120の係合溝121から排出される。つまり、ラッチ120がストライカ23に係止しなくなり、カバー50の全閉位置での拘束が解除される。
ラッチ120がアンラッチ位置まで回動すると、ポール130は、退避位置からポール130に接近する方向に回動する。その結果、ポール130は、ポールスイッチ241から離れるため、第5のタイミングt25では、ポール位置識別信号がオフになる。また、ラッチ120がアンラッチ位置まで回動すると、クローズレバー150とラッチ120の突出壁124との係合が解除され、クローズレバー150がクローズレバースプリング224の付勢方向に回動可能となる。このため、クローズレバー150は、連動レバー160とともにクローズレバースプリング224の付勢方向に回動する。
アンラッチ作動が完了したタイミングでは、駆動レバー170の第1押圧部173aがオープンレバーピン141を押す状態にある。言い換えれば、ラッチ120のアンラッチ作動が完了したタイミングでは、第1押圧部173aがオープンレバーピン141に接触し、第2押圧部173bがオープンレバーピン141に接触していない。なお、オープンレバー押圧部173は、少なくともラッチ120のアンラッチ作動が完了するまでは、オープンレバー140をオープン方向OPに回動させつつ第1方向R1に回動する。
図31及び図32は、駆動レバー170が最も第1方向R1に回動した第6のタイミングt26におけるロック装置100を示している。
図31及び図32に示すように、ロック駆動部180のモータ182の正転が継続されることにより、ドライブギヤ181と駆動レバー170のセクターギヤ172の最も第2方向R2に位置する外歯171とが噛み合うと、ドライブギヤ181の回転がロックされる。このため、駆動レバー170の第1方向R1への回動もロックされる。
駆動レバー170の第1方向R1への回動がロックされる状態では、オープンレバー押圧部173の第2押圧部173bがオープンレバーピン141を押す。つまり、オープン作動時には、ラッチ120のアンラッチ作動が完了した後であって駆動レバー170の第1方向R1の回動がロックされる前に、駆動レバー170の第1押圧部173aがオープンレバーピン141を押す状態から駆動レバー170の第2押圧部173bがオープンレバーピン141を押す状態に移行する。
ここで、第2押圧部173bは、駆動レバー170の回動軸線と直交する平面であるため、第2押圧部173bがオープンレバーピン141を押す状況では、駆動レバー170が第1方向R1に回動してもオープンレバー140がオープン方向OPに回動しない。詳しくは、第2押圧部173bは、第1押圧部173aと異なり、オープンレバー140をオープン方向OPに回動させる力をオープンレバー140に伝達しない。つまり、第2押圧部173bは、オープンレバー140がオープンレバースプリング223の付勢方向に回動することを規制するだけである。この点で、駆動レバー170は、ラッチ120のアンラッチ作動が完了した後は、駆動レバー170の回動がロックされるまで、オープンレバー140をオープン方向OPに回動させずに第1方向R1に回動する。
図32に示すように、駆動レバー170の第1方向R1への回動がロックされる状態では、オープンレバー押圧部173の第2押圧部173bは、オープンレバーピン141の先端寄りの部位に接触する。図26,図28、図30及び図32に示すように、オープン作動において、駆動レバー170のオープンレバー押圧部173の移動軌跡は、円弧状をなす。このため、オープンレバーピン141におけるオープンレバー押圧部173との接点は、オープン作動が進むにつれて基端寄りの位置から先端寄りの位置に向かって変化する。
ここで、アンラッチ作動時には、ポール130を係止位置から退避位置に変位させる際に、ラッチ120の第1係止部122とポール130の第1係止爪131とを摺動させる必要がある。このため、静止摩擦係数及び動摩擦係数の大きさの関係上、第1係止部122と第1係止爪131との摺動を開始するときに、駆動レバー170からオープンレバー140に最も大きな力が伝達される。言い換えれば、オープン作動時には、図26に示す状態から駆動レバー170が第1方向R1に回動するときに、オープンレバーピン141に最も大きな荷重が作用する。つまり、オープンレバー押圧部173がオープンレバーピン141を押す力は、アンラッチ作動の開始時点が最も大きい。
なお、駆動レバー170の第1方向R1への回動がロックされる状態では、駆動レバー170とドライブギヤ181とに負荷が作用することになる。ところが、駆動レバー170とドライブギヤ181に対して負荷が作用する位置は、ギヤを構成する部位、言い換えれば、負荷に対する剛性の高い部位である。このため、負荷が作用しても駆動レバー170とドライブギヤ181とに問題が生じることはない。
ロック駆動部180のモータ182を正転させてからの経過時間が規定作動時間Tthとなる第7のタイミングt27になると、ロック駆動部180のモータ182の回転方向が反転される。つまり、モータ182が逆転され、駆動レバー170の回動方向が第1方向R1から第2方向R2に切り換えられる。この点で、規定作動時間Tthは、駆動レバー170が図23に示す中立位置から図32に示す終端位置まで回動するのに要する時間よりも長くすることが好ましい。規定作動時間Tthは、中立位置のばらつき及び外気温などの環境要因を踏まえた上で設定されることが好ましい。
その後、第8のタイミングt28において、駆動レバー位置識別信号がオフになると、ロック駆動部180のモータ182が停止される。つまり、図14及び図15に示すように、駆動レバー170が中立位置に復帰し、ロック駆動部180のモータ182が停止される。こうして、オープン作動が完了する。
本実施形態の効果について説明する。
(1)駆動レバー170において、オープンレバー押圧部173及びクローズレバー押圧部174は、互いに逆方向に延びる。このため、駆動レバー170の回動方向におけるオープンレバー押圧部173及びクローズレバー押圧部174の間隔を自由に設定しやすくなる。その結果、オープン作動時において、駆動レバー170を中立位置に復帰させる際にクローズレバー押圧部174がクローズレバー150を押しにくくできるとともに、クローズ作動時において、駆動レバー170を中立位置に復帰させる際にオープンレバー押圧部173がオープンレバー140を押しにくくできる。こうして、ロック装置100は、駆動レバー170の中立範囲を広くできる。
(2)駆動レバー170において、駆動レバー170の回動中心からオープンレバー押圧部173までの長さL1は、駆動レバー170の回動中心からクローズレバー押圧部174までの長さL2と異なる。このため、ロック装置100は、駆動レバー170の回動中心からオープンレバー押圧部173までの長さL1及び駆動レバー170の回動中心からクローズレバー押圧部174までの長さL2を等しくする場合と比較して、オープンレバー140及びクローズレバー150の配置に関する設計自由度を高くしやすい。
(3)ラッチ120をフルラッチ作動させるために必要な力、すなわち、クローズレバー150をクローズ方向CLに回動させるために必要な力は、ラッチ120をアンラッチ作動させるために必要な力、すなわち、オープンレバー140をオープン方向OPに回動させるために必要な力よりも大きくなりやすい。この点、ロック装置100において、駆動レバー170の回動中心からクローズレバー押圧部174までの長さL2は、駆動レバー170の回動中心からオープンレバー押圧部173までの長さL1よりも長い。その結果、ロック装置100は、駆動レバー170の回動中心からクローズレバー押圧部174までの長さL2を長くできるため、言い換えれば、モーメントアームを長くできるため、クローズレバー150に伝達する力を大きくできる。
(4)オープン作動において、ラッチ120をアンラッチ作動させる場合には、ポール130を退避位置に向けて回動させ始めるときに、最も大きな力が必要になる。つまり、アンラッチ作動の初期にオープンレバー押圧部173がオープンレバーピン141を押す力が大きくなる。この点、ロック装置100は、オープンレバーピン141におけるオープンレバー押圧部173との接点は、オープン作動が進むにつれて基端寄りの位置から先端寄りの位置に向かって変化する。つまり、オープンレバー押圧部173がオープンレバーピン141を最も強く押すとき、オープンレバー押圧部173はオープンレバーピン141の基端寄りの位置を押すことになる。こうして、ロック装置100は、オープン作動において、オープンレバーピン141の基端に作用する曲げ応力を低減できる。
(5)クローズ作動において、ラッチ120をフルラッチ作動させる場合には、ラッチ120をフルラッチ位置に回動させ終わるときに、最も大きな力が必要になる。つまり、フルラッチ作動の終期にクローズレバー押圧部174がクローズレバーピン151を押す力が大きくなる。この点、ロック装置100は、クローズレバーピン151におけるクローズレバー押圧部174との接点は、クローズ作動が進むにつれて先端寄りの位置から基端寄りの位置に向かって変化する。つまり、クローズレバー押圧部174がクローズレバーピン151を強く押すとき、クローズレバー押圧部174はクローズレバーピン151の基端寄りの位置を押すことになる。こうして、ロック装置100は、クローズ作動において、クローズレバーピン151の基端に作用する曲げ応力を低減できる。
(6)ロック装置100は、オープン作動時に、ラッチ120がアンラッチ作動した後は、オープンレバー140がオープン方向OPに回動しないように、駆動レバー170を第1方向R1に回動させることができる。このため、ロック装置100は、アンラッチ作動の完了後に駆動レバー170の第1方向R1への回動を継続しても、オープンレバー140に過負荷が生じることを抑制できる。
(7)ロック装置100は、オープン作動時に、駆動レバー170におけるオープンレバー140を押す部位を第1押圧部173aから第2押圧部173bに切り換える。こうして、ロック装置100は、オープンレバー140がオープン方向OPに回動しないように、駆動レバー170を第1方向R1に回動させ続けることができる。また、第2押圧部173bは、オープンレバー140がオープン方向OPの逆方向に回動することを規制するため、ロック装置100は、ラッチ120がフルラッチ作動した後に、オープンレバー140の姿勢が変化することを抑制できる。
(8)ロック装置100は、オープン作動時に、駆動レバー170の第2方向R2における末端の外歯171に噛み合うことでドライブギヤ181が回転不能となる前に、ラッチ120のアンラッチ作動が完了する。つまり、オープン作動時にドライブギヤ181が回動不能となるときには、ラッチ120のアンラッチ作動が既に完了しているといえる。このため、ロック装置100は、オープン作動時に、ドライブギヤ181が回動不能になることを用いて、ドライブギヤ181を駆動するモータ182の制御を簡易なものにできる。本実施形態では、ロック装置100は、オープン作動時におけるモータ182の駆動時間を規定作動時間Tthとする。つまり、ロック装置100は、オープン作動時において、モータ182を規定作動時間Tthだけ駆動することにより、ラッチ120をアンラッチ作動できる。
(9)ロック装置100において、オープンレバー140の回動軸線、クローズレバー150の回動軸線及び駆動レバー170の回動軸線が同じ方向を向く場合、同一平面内にオープンレバー140、クローズレバー150及び駆動レバー170を配置する必要がある点で、装置の構成部品の配置の自由度が低くなりやすい。この点、ロック装置100は、駆動レバー170の回動軸線は、オープンレバー140の回動軸線と異なる方向に延び、クローズレバー150の回動軸線と異なる方向に延びるため、同一平面内にオープンレバー140、クローズレバー150及び駆動レバー170を全て配置する必要がない。したがって、ロック装置100は、装置の構成部品の配置の自由度を高くできる。
(10)駆動レバー170の回動軸線の延びる方向において、オープンレバー140の回動軸線は、駆動レバー170の一方側に位置し、クローズレバー150の回動軸線は、駆動レバー170の他方側に位置する。このため、ロック装置100は、駆動レバー170の回動軸線の延びる方向において、オープンレバー140の回動軸線及びクローズレバー150の回動軸線を離して配置できる。
(11)駆動レバー170の回動軸線の延びる方向において、クローズレバーピン151は、駆動レバー170の一方側に位置し、オープンレバーピン141は、駆動レバー170の他方側に位置する。このため、ロック装置100は、駆動レバー170の回動軸線の延びる方向において、オープンレバーピン141及びクローズレバーピン151を離して配置できる。
(12)ロック装置100は、第1プレート111に対して、第2プレート112を傾けることで、駆動レバー170の回動軸線をオープンレバー140の回動軸線及びクローズレバー150の回動軸線と異なる方向に延ばすことができる。
(13)ロック装置100において、X軸の延びる方向から見たとき、駆動レバー170の回動軸線とオープンレバー140の回動軸線及びクローズレバー150の回動軸線の双方と直交する。このため、ロック装置100において、駆動レバー170とオープンレバー140及びクローズレバー150との位置関係を管理しやすくできる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・ロック装置100は、ラッチ120に連動レバー160が係止するのではなく、ラッチ120にポール130が係止することにより、ラッチ120を作動切換位置に留める構成としてもよい。この場合、ラッチ120は、第1係止部122及び第2係止部123をラッチ120の回動方向に離して配置するとともに、第2係止部123にポール130を係止させることで、ラッチ120を作動切換位置に留めることが好ましい。
・駆動レバー170の形状及び大きさは適宜に変更することができる。例えば、駆動レバー170の回動軸線の延びる方向から駆動レバー170を見たとき、駆動レバー170の回動中心からオープンレバー押圧部173までの長さL1は、駆動レバー170の回動中心からクローズレバー押圧部174までの長さL2よりも長くてもよいし、等しくてもよい。
・オープンレバー140及びクローズレバー150の形状及び位置関係は適宜に変更することができる。例えば、駆動レバー170の回動軸線が延びる方向において、オープンレバー140の回動軸線及びクローズレバー150の回動軸線は、ともに駆動レバー170の一方側に配置してもよいし、ともに駆動レバー170の他方側に位置してもよい。また、駆動レバー170の回動軸線が延びる方向において、オープンレバーピン141及びクローズレバーピン151は、ともに駆動レバー170の一方側に配置してもよいし、ともに駆動レバー170の他方側に位置してもよい。
・オープン作動時において、オープンレバーピン141におけるオープンレバー押圧部173との接点は、オープン作動が進むにつれて基端寄りの位置から先端寄りの位置に向かって変化しなくてもよい。例えば、上記接点は、オープン作動が進むにつれて、基端寄りの位置から変化しなくてもよいし、先端寄りの位置から変化しなくてもよい。また、上記接点は、オープン作動が進むにつれて、先端寄りの位置から基端寄りの位置に向かって変化してもよい。
・クローズ作動時において、クローズレバーピン151におけるクローズレバー押圧部174との接点は、クローズ作動が進むにつれて先端寄りの位置から基端寄りの位置に向かって変化しなくてもよい。例えば、上記接点は、クローズ作動が進むにつれて、基端寄りの位置から変化しなくてもよいし、先端寄りの位置から変化しなくてもよい。また、上記接点は、クローズ作動が進むにつれて、基端寄りの位置から先端寄りの位置に向かって変化してもよい。
・オープンレバー140のオープンレバーピン141の延びる方向は、オープンレバー140の回動軸線に対して傾いた方向であってもよい。同様に、クローズレバー150のクローズレバーピン151の延びる方向は、クローズレバー150の回動軸線に対して傾いた方向であってもよい。
・ロック装置100は、クローズ作動時において、駆動レバー170からクローズレバー150に対する動力の伝達を中継する1又は複数の中継レバーを備えてもよいし、クローズレバー150及び連動レバー160からラッチ120に対する動力の伝達を中継する1又は複数の中継レバーを備えてもよい。つまり、駆動レバー170は、クローズレバー150を直接駆動する必要はなく、クローズレバー150及び連動レバー160は、ラッチ120を直接駆動する必要はない。
・ロック装置100は、オープン作動時において、駆動レバー170からオープンレバー140に対する動力の伝達を中継する1又は複数の中継レバーを備えてもよいし、オープンレバー140から連動レバー160に対する動力の伝達を中継する1又は複数の中継レバーを備えてもよいし、連動レバー160からポール130に対する動力の伝達を中継する1又は複数の中継レバーを備えてもよい。つまり、駆動レバー170は、オープンレバー140を直接駆動する必要はなく、オープンレバー140は、連動レバー160を直接駆動する必要はなく、連動レバー160は、ポール130を直接駆動する必要はない。
・ハウジング110において、第1プレート111及び第2プレート112は、別体でもよい。
・ロック装置100は、ロック駆動部180の故障時などに、ユーザがドアハンドルを操作することで、オープン作動を実施できるように構成してもよい。詳しくは、ロック装置100は、ドアハンドルの操作に伴いオープンレバー140をオープン方向OPに回動させるケーブルを備えてもよい。
・ロック装置100を開口部22に設けるとともに、ストライカ23をカバー50に設けてもよい。
・ロック装置100は、フロントドア、サイドドア及びバックドアを全閉位置で拘束するドアロック装置に適用することもできる。フロントドア及びサイドドアは、スイングドアでもよいし、スライドドアでもよい。
・オープン作動時において、オープンレバー押圧部173の第1押圧部173aがオープンレバーピン141を押す状態がオープンレバー押圧部173の第2押圧部173bがオープンレバーピン141を押す状態に切り換わるタイミングは、アンラッチ作動の開始タイミング以降であればいつでもよい。つまり、上記の切り換わるタイミングは、図27に示すように、ポール130の第1係止爪131がラッチ120の第1係止部122に係止しなくなったタイミング以降であればいつでもよい。言い換えれば、オープンレバー押圧部173は、オープン作動において、少なくともラッチ120がアンラッチ作動を開始するまでは、オープンレバー140をオープン方向OPに回動させつつ第1方向R1に回動し、ラッチ120がアンラッチ作動を開始した後は、オープンレバー140をオープン方向OPに回動させずに第1方向R1に回動するように構成してもよい。
・制御装置300は、オープン作動時において、駆動レバー170が第1方向R1に回動することにより、第2方向R2における末端の外歯171がドライブギヤ181と噛み合う状態となる前に、ロック駆動部180のモータ182を逆転させてもよい。ただし、モータ182を逆転させるタイミングは、アンラッチ作動の完了後であるとする。この場合、制御装置300は、ロック駆動部180のモータ182を逆転させるタイミングを、例えば、モータ182を正転させる時間に基づいて判定してもよいし、ラッチ120などの位置を検出するスイッチのオンオフ状況に基づいて判定してもよい。
10…車両
20…車体
22…開口部
23…ストライカ
50…カバー(開閉体の一例)
100…ロック装置
110…ハウジング
111…第1プレート
112…第2プレート
120…ラッチ
130…ポール
140…オープンレバー
141…オープンレバーピン(オープンレバー係合部の一例)
150…クローズレバー
151…クローズレバーピン(クローズレバー係合部の一例)
160…連動レバー
170…駆動レバー
171…外歯
173…オープンレバー押圧部
173a…第1押圧部
173b…第2押圧部
174…クローズレバー押圧部
180…ロック駆動部
181…ドライブギヤ
CL…クローズ方向
OP…オープン方向
R1…第1方向
R2…第2方向
L1,L2…長さ

Claims (4)

  1. 車体及び前記車体の開口部を開閉する開閉体の一方に設けられ、前記車体及び前記開閉体の他方に設けられるストライカに係止することにより、前記開口部を閉じる全閉位置に前記開閉体を拘束するロック装置であって、
    前記ストライカに係止するフルラッチ位置及び前記ストライカに係止しないアンラッチ位置の間で回動し、前記フルラッチ位置から前記アンラッチ位置に向かって付勢されるラッチと、
    前記フルラッチ位置に位置する前記ラッチに係止することにより前記ラッチの前記アンラッチ位置に向かう回動を規制する係止位置及び前記フルラッチ位置に位置する前記ラッチから離れることにより前記ラッチの回動を許容する退避位置の間で回動し、前記退避位置から前記係止位置に向かって付勢されるポールと、
    オープン方向に回動することにより前記ポールを前記退避位置まで回動させ、前記オープン方向の逆方向に付勢されるオープンレバーと、
    クローズ方向に回動することにより前記ラッチを前記フルラッチ位置まで回動させ、前記クローズ方向の逆方向に付勢されるクローズレバーと、
    第1方向に回動するときに、前記オープンレバーを押して前記オープンレバーを前記オープン方向に回動させるオープンレバー押圧部と、前記第1方向の逆方向となる第2方向に回動するときに、前記クローズレバーを押して前記クローズレバーを前記クローズ方向に回動させるクローズレバー押圧部と、を有する駆動レバーと、を備え、
    前記駆動レバーの回動軸線の延びる方向において、前記オープンレバー押圧部及び前記クローズレバー押圧部は、互いに逆方向に延びており、
    前記オープンレバーは、前記駆動レバーが前記第1方向に回動するときの前記オープンレバー押圧部の回動範囲に向かって延び、前記オープンレバー押圧部との接点となるオープンレバー係合体を有し、
    前記オープンレバー係合体における前記オープンレバー押圧部との接点は、前記オープンレバーが前記オープン方向に回動するにつれて、基端寄りの位置から先端寄りの位置に向かって変化する
    ロック装置。
  2. 車体及び前記車体の開口部を開閉する開閉体の一方に設けられ、前記車体及び前記開閉体の他方に設けられるストライカに係止することにより、前記開口部を閉じる全閉位置に前記開閉体を拘束するロック装置であって、
    前記ストライカに係止するフルラッチ位置及び前記ストライカに係止しないアンラッチ位置の間で回動し、前記フルラッチ位置から前記アンラッチ位置に向かって付勢されるラッチと、
    前記フルラッチ位置に位置する前記ラッチに係止することにより前記ラッチの前記アンラッチ位置に向かう回動を規制する係止位置及び前記フルラッチ位置に位置する前記ラッチから離れることにより前記ラッチの回動を許容する退避位置の間で回動し、前記退避位置から前記係止位置に向かって付勢されるポールと、
    オープン方向に回動することにより前記ポールを前記退避位置まで回動させ、前記オープン方向の逆方向に付勢されるオープンレバーと、
    クローズ方向に回動することにより前記ラッチを前記フルラッチ位置まで回動させ、前記クローズ方向の逆方向に付勢されるクローズレバーと、
    第1方向に回動するときに、前記オープンレバーを押して前記オープンレバーを前記オープン方向に回動させるオープンレバー押圧部と、前記第1方向の逆方向となる第2方向に回動するときに、前記クローズレバーを押して前記クローズレバーを前記クローズ方向に回動させるクローズレバー押圧部と、を有する駆動レバーと、を備え、
    前記駆動レバーの回動軸線の延びる方向において、前記オープンレバー押圧部及び前記クローズレバー押圧部は、互いに逆方向に延びており、
    前記クローズレバーは、前記駆動レバーが前記第2方向に回動するときの前記クローズレバー押圧部の回動範囲に向かって延び、前記クローズレバー押圧部との接点となるクローズレバー係合体を有し、
    前記クローズレバー係合体における前記クローズレバー押圧部との接点は、前記クローズレバーが前記クローズ方向に回動するにつれて、先端寄りの位置から基端寄りの位置に向かって変化する
    ック装置。
  3. 前記駆動レバーの回動軸線の延びる方向から前記駆動レバーを見たとき、
    前記駆動レバーの回動中心から前記オープンレバー押圧部までの長さ及び前記駆動レバーの回動中心から前記クローズレバー押圧部までの長さは、異なる長さである
    請求項1又は請求項2に記載のロック装置。
  4. 前記駆動レバーの回動軸線の延びる方向から前記駆動レバーを見たとき、
    前記駆動レバーの回動中心から前記クローズレバー押圧部までの長さは、前記駆動レバーの回動中心から前記オープンレバー押圧部までの長さよりも長い
    請求項に記載のロック装置。
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