JP7449828B2 - プラント運転支援システムおよびプラント運転支援方法 - Google Patents
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Description
以下に本開示に係るプラント運転支援システムの実施形態について、図1および図5を用いて説明する。本実施例に係るプラント運転支援システムを示したブロック図である。図2は、本実施例に係る第1記憶部を示したブロック図である。図3は、本実施形態に係るプラント運転支援方法を示したフローチャートである。図4は、本実施形態に係る表示方法を示したフローチャートである。図5は、本開示に係る表示画面を示した図である。なお、本開示で説明するのは、本発明の一実施例であり、これにより本発明が限定されない。また、以下の説明では、プラントが、加圧水型原子力発電プラントの場合について行う。但し、本開示に係るプラントは、加圧水型原子力発電プラントに限られず、他の発電プラントでもよく、さらに、化学プラントや廃棄物処理プラント等でもよい。
本実施形態に係るプラント10は、加圧水型原子力発電プラントである。プラント10は、図1に示すように、格納容器12に原子炉容器14および蒸気発生器16が収められる。原子炉容器14と蒸気発生器16とは、循環配管で接続される。循環配管の往路配管18には加圧器20および加圧器サージ管22が設けられ、復路配管24には、一次冷却材ポンプが設けられる。加圧器20には、加圧器スプレイ30を備える。また、格納容器12には、蓄圧タンク28、格納容器スプレイ32および格納容器サンプ34を備える。原子炉容器14で生成された熱を用いて蒸気発生器16で蒸気が生成される。蒸気発生器16で生成された蒸気は、図示しない蒸気タービンに送られる。蒸気により蒸気タービンが駆動され、発電機により発電が行われる。蒸気タービンを駆動させた蒸気は、水に変化し蒸気発生器16に戻される。
プラント運転支援システム100は、プラント10の運転状態を監視するとともに、プラント10の操作について、予め模擬による結果の提示を行う。プラント10の運転状態の監視は、プラント10に設けられた計器から取得される出力データを監視することにより行われる。ここで、本明細書において「運転状態」とは、プラント10に設けられた計器からの出力データにより表される。また、「運転状態」には、後述する解析により算出される模擬データである再現データおよび予測データ並びに補間データが含まれることがある。プラント運転支援システム100は、出力取得装置110、第1模擬装置120、第2模擬装置130、設定入力部134および表示装置150を有する。出力取得装置110、第1模擬装置120、第2模擬装置130、設定入力部134および表示装置150は、ネットワークNを介してそれぞれ接続される。本実施形態のプラント運転支援システム100は、各部で連動して処理を実行するが、出力取得装置110、第1模擬装置120、第2模擬装置130、設定入力部134および表示装置150の処理及び各部に入出力する情報を管理する管理装置をさらに備えてもよい。この場合、管理装置は、運転支援プログラムを実行して、各部の動作を制御する。なお、プラント運転支援システム100は、1つの端末により構成されてもよい。この場合において、出力取得装置110、第1模擬装置120、第2模擬装置130、設定入力部134および表示装置150はネットワークNを介さずに構成される。
出力取得装置110は、プラント10の各設備に設けられた計器からの時系列ごとの出力データを、リアルタイムで取得する。出力取得装置110は、プラント10の各設備に設けられた計器から、例えば1分ごとの出力データを取得する。出力取得装置110はサーバー機能を有する。出力取得装置110は、取得した出力データを出力記憶部112に記録する。また、出力取得装置110は、取得した出力データを第1模擬装置120および第2模擬装置130に対して出力する。
第1模擬装置120は、解析によりプラント10の運転状態を模擬する。具体的には、第1模擬装置120は、解析により、プラント10の計器からの出力データを模擬した再現データ、および実際のプラント10の特定の箇所における補間データを模擬した補間データを取得する。模擬データは、解析結果のうち、プラント10に設けられた計器と対応する位置における状態量のデータである。また、補間データは、解析結果のうち、実際のプラント10の計器が設けられていない箇所におけるデータである。計器が設けられていない箇所とは、計器と計器との間の箇所のことである。なお、補間データは、模擬により算出された前の時系列における再現データをパラメータとして解析して算出されてもよい。ここで、解析モデルは、設備の構造データである。解析モデルは、計器が設けられる位置についての情報を含む。算出された模擬データおよび補間データは、第1模擬装置120の第1記憶部126に記録する。
第2模擬装置130は、解析によりプラント10の運転状態を模擬する。第2模擬装置130は、出力データをパラメータとして解析モデルについて解析し、プラント10の運転状態を模擬して再現する再現モードと、所定の模擬設定の入力を受け付けて、模擬設定後のプラント10の運転状態を模擬して予測する予測モードとを有する。
設定入力部134は、所定の模擬設定の入力を受ける。設定入力部134への入力は、例えば作業員により行われる。なお、模擬設定は、予めデータセットとして設定入力部134に記録されていてもよい。模擬設定は、事故事象や、任意のプラント操作である。入力された所定の模擬設定は第2模擬装置130へ送られる。模擬設定は、実行されると、模擬設定がパラメータおよび解析モデルに反映され、模擬設定反映後のパラメータおよび解析モデルについて解析が行われる。なお、設定入力部134は、第2模擬装置130とは別の端末装置として構成されてもよい。この場合において、設定入力部134を構成する端末装置はネットワークNに接続される。
表示装置150は、プラント10の運転状態のデータを表示する。具体的には、表示装置150は、模擬データ(再現データ)、予測データおよび補間データを時系列ごとに表示する。また、表示装置150は、出力データとおよび補間データを同一の画面に表示する。データは、グラフィック表示により画面に表示される。ここで、「グラフィック表示」とは、データを図形や色を用いて表示することを意味する。例えば、グラフィック表示では、データの数値に応じて、図形の位置、大きさまたは範囲を変化させ、あるいは色を変化させて表示する。表示装置150は、例えばカラー液晶モニタである。表示装置150は、表示画面180を操作するための入力機器を備える。表示装置150は、データの時系列を切り替えて表示することができる。
以下に本開示に係るプラント運転支援方法について、図3を用いて説明する。S10において出力取得装置110は、プラント10の各設備に設けられた計器から、時系列ごとの出力データを取得する。
以下に、プラントの運転状態の表示方法について、図4を参照して説明する。プラント運転支援システム100の出力取得装置110は、プラント10の各設備に設けられた計器から時系列ごとの出力データを取得する(ステップS110)。取得された出力データは、出力記憶部112に記録される。また、出力取得装置110は、出力データを出力する。
表示画面180について、図5を参照して詳しく説明する。表示画面180は、グラフィック表示により表示される。表示画面180には、時系列表示部181、運転状態表示部182、カラー表示部184、データ表示部186、ポップアップボタン188および時系列設定部190を備える。
12 格納容器
14 原子炉容器
16 蒸気発生器
18 往路配管
20 加圧器
22 加圧器サージ管
24 復路配管
26 炉心
28 蓄圧タンク
30 加圧器スプレイ
32 格納容器スプレイ
34 格納容器サンプ
100 プラント運転支援システム
110 出力取得装置
112 出力記憶部
120 第1模擬装置
122 第1受信部
124 第1制御部
126 第1記憶部
130 第2模擬装置、模擬装置
132 第2受信部
134 設定入力部
136 設定反映部
138 第2制御部、制御部
140 第2記憶部
150 表示装置
160 電気系モデル
162 制御系モデル
164 炉心核計算モデル
166 格納容器モデル
168 蒸気発生モデル
170 熱水力計算モデル
172 機器モデル
174 補助系熱水力計算モデル
180 表示画面
181 時系列表示部
182 運転状態表示部
184 カラー表示部
186 データ表示部
188 ポップアップボタン
190 時系列設定部
192 格納容器イメージ
194 原子炉容器イメージ
196 蒸気発生器イメージ
196A 蒸気発生器一次側イメージ
196B 蒸気発生器二次側イメージ
196C 一次冷却材ポンプ高温側イメージ
196D 一次冷却材ポンプ低温側イメージ
198 加圧器サージ管イメージ
200 加圧器イメージ
202 炉心イメージ
204 蓄圧タンクイメージ
206 加圧器スプレイイメージ
208 格納容器スプレイイメージ
210 格納容器サンプイメージ
N ネットワーク
Claims (7)
- プラントの運転状態の情報を取得し、前記プラントの運転状態を模擬する第1模擬装置と、
前記プラントの運転状態の情報を取得し、前記プラントの運転状態を模擬し、入力された模擬設定を検出した場合に、前記模擬設定に基づいた前記プラントの運転状態を模擬する第2模擬装置と、を有し、
前記模擬設定は、前記模擬設定の実行するための所定の条件を有し、
前記第2模擬装置は、前記プラントの運転状態が所定の条件を満たした場合、前記模擬設定を実行するプラント運転支援システム。 - 前記第1模擬装置は、前記プラントの運転状態の情報として、前記プラントに設けられた計器の出力データを取得し、前記出力データをパラメータとして前記プラントの解析モデルについての解析を実行することにより前記プラントの前記計器が設けられた箇所に対応する再現データを算出し、
前記第2模擬装置は、前記模擬設定の入力を受け付ける設定入力部と、
前記模擬設定を前記出力データおよび前記解析モデルに反映する設定反映部と、を備え、
前記第2模擬装置は、前記プラントの運転状態の情報として、前記出力データを取得し、前記出力データをパラメータとして前記プラントの前記解析モデルについての解析を実行することにより前記プラントの運転状態を模擬した前記再現データを算出し、
前記設定入力部への所定の前記模擬設定を検出した場合、算出された前記再現データおよび解析モデルに対して前記模擬設定を反映し、前記模擬設定反映後の前記再現データをパラメータとし、前記模擬設定反映後の解析モデルについて解析して、前記模擬設定実行後における前記プラントの予測データを算出する請求項1に記載のプラント運転支援システム。 - 前記再現データ及び前記予測データは、前記プラントの前記計器と同じ位置での解析結果のデータを含み、
前記第2模擬装置は、前記出力データ、前記再現データ及び前記予測データをパラメータとして、解析によって前記プラントの所定の箇所における状態を補間した補間データを算出する請求項2に記載のプラント運転支援システム。 - 前記出力データと、前記再現データおよび前記予測データとを同一の画面に表示する表示装置を備える請求項2または請求項3に記載のプラント運転支援システム。
- 前記プラントに設けられた前記計器から前記出力データを取得する出力取得装置を有し、
前記第1模擬装置および前記第2模擬装置は、前記出力取得装置を介して前記出力データを取得する請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のプラント運転支援システム。 - 前記模擬設定は、前記プラントを構成する機器の操作を模擬した設定、または前記プラントに発生した事故により、前記プラントの設備に生じる変化を模擬した設定を含む請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のプラント運転支援システム。
- 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のプラント運転支援システムを用いて、プラントに設けられた計器から出力データを取得するステップと、
前記出力データをパラメータとし、前記プラントの解析モデルについて解析することにより前記プラントの運転状態を模擬した再現データを算出するステップと、
所定の模擬設定の入力を受け付けるステップと、
前記模擬設定を前記再現データおよび前記解析モデルに反映するステップと、
前記模擬設定反映後の再現データをパラメータとし、前記模擬設定反映後の前記解析モデルについての解析を実行することにより、前記模擬設定実行後の前記プラントの運転状態を模擬した予測データを算出するステップとを有するプラント運転支援方法。
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