JP7449578B2 - 水処理装置及び回転式ミネラル溶出機の使用 - Google Patents

水処理装置及び回転式ミネラル溶出機の使用 Download PDF

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Description

本発明は、水処理装置及び回転式ミネラル溶出機の使用に関し、詳しくは、曝気槽内の活性汚泥の凝集性を向上させた水処理装置及び回転式ミネラル溶出機の使用に関する。
従来、特許文献1、2には、曝気槽と沈殿槽を用いた生物処理システムが開示されており、また近年、曝気槽と膜処理装置を用いた生物処理システムも研究が進んでいる。
特開2008-142632号公報 特許第6497763号公報
曝気槽と沈殿槽を用いた生物処理システムにおいては、処理継続中に、曝気槽内の活性汚泥の凝集性が低下し、沈殿槽から活性汚泥が流出してしてしまうことがある。かかる汚泥の流出が起こると、曝気槽内の活性汚泥濃度が減少し、有機物の過負荷現象が起こり、汚泥の解体という問題が起こることがある。
また曝気槽と膜処理装置を用いた生物処理システムでは、本発明者の知見によると、曝気槽内の活性汚泥の凝集性が低下することにより、膜処理装置における膜の目詰まりが起こり、固液分離が困難になる問題があった。
そこで、本発明は、安定した固液分離が可能な水処理装置及び回転式ミネラル溶出機の使用を提供することを課題とする。
さらに本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は以下の各発明によって解決される。
(請求項1)
有機物を含む原水を受け入れ、内部に生息する微生物により、前記有機物を分解処理する曝気槽と、
前記曝気槽内の微生物と懸濁液を含む活性汚泥を導入して固液分離する固液分離手段と、
前記固液分離手段で固液分離された活性汚泥の一部を前記曝気槽に返送可能な返送汚泥管と、を備え、
前記返送汚泥管から分岐管を介して導入される活性汚泥中に溶出したミネラル成分を含有させる回転式ミネラル溶出機が、前記分岐管に接続されており、
前記回転式ミネラル溶出機は、溶出されたミネラル成分により、前記活性汚泥を凝集性が向上するように改質することを特徴とする水処理装置。
(請求項2)
前記固液分離手段は、重力式の沈殿槽又は膜分離装置であることを特徴とする請求項1記載の水処理装置。
(請求項3)
有機物を含む原水を受け入れ、内部に生息する微生物により、前記有機物を分解処理する曝気槽と、
前記曝気槽内の微生物と懸濁液を含む活性汚泥を導入して固液分離する固液分離手段と、
前記固液分離手段で固液分離された活性汚泥の一部を前記曝気槽に返送可能な返送汚泥管と、を備え、
前記返送汚泥管から分岐管を介して導入される活性汚泥中に溶出したミネラル成分を含有させる回転式ミネラル溶出機が、前記分岐管に接続されており、
前記回転式ミネラル溶出機から溶出されたミネラル成分により、前記活性汚泥を凝集性が向上するように改質することを特徴とする回転式ミネラル溶出機の使用。
(請求項4)
前記固液分離手段は、重力式の沈殿槽又は膜分離装置であることを特徴とする請求項3記載の回転式ミネラル溶出機の使用。
本発明によれば、安定した固液分離が可能な水処理装置及び回転式ミネラル溶出機の使用を提供することができる。
本発明に係る高度処理装置の一例を示す処理フロー図 回転式ミネラル溶出機の概略断面図 回転式ミネラル溶出機の概略側面断面図 回転式ミネラル溶出機を構成する多孔性充填筒の取付構造の一例を示す要部斜視図 処理装置の一例を示す概略断面説明図 処理装置に用いられる1枚の撹拌羽根の断面図 処理装置の上面から下方を見た場合の傾斜羽根の一例を示す図 処理装置の処理の原理を説明する図 本発明の実験例を示す図 本発明の実験例を示す図 本発明の実験例を示す図 本発明の実験例を示す図
以下、本発明について好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る水処理装置の一例を示す説明図であり、図1において、1は有機物を含む原水を受け入れる原水調整槽である。工場などから排出される原水は、一定水量ずつ排出されることはまれであり、時間変動が大きかったりすることが多い。昼間は大量に排出されるが、夜はほとんど排出されなかったりするケースもある。原水には有機物を含むが、有機物濃度も一定でない場合が多い。これらの各種変動要因を含む原水の負荷変動を抑えるために原水調整槽1を設けている。
2は曝気槽である。前記原水調整槽内の原水を原水ポンプ20により、配管21を介して、所定量ずつ曝気槽2に受け入れる。
曝気槽2には、内部に汚泥濃度(MLSS)5000~10000mg/Lの範囲の活性汚泥が生息している。活性汚泥は、格別限定されるわけではないが、芽胞形成性の枯草菌が優占化された菌群が好ましい。この芽胞形成性の枯草菌は、糸状の菌で、内部に胞子を形成され、有機物のような栄養源があれば芽胞から糸状菌が伸びだし、胞子の数も増加し、枯草菌の濃度も上昇する。この枯草菌は、有機物分解能に優れる。本明細書では、このような有機物分解能にすぐれる枯草菌を有用微生物と称する。
曝気槽2では、この有用微生物の存在により、BOD源となる有機物を分解する。また油分や窒素、リンも分解する。窒素は、通常の処理では、嫌気と好気の組み合わせにより硝化・脱窒の反応により除去しているが、この有用微生物による場合には、好気反応下でも脱窒を行うことができる。
BOD、窒素、リンの除去に関しては、実施例において、例証されている。
曝気槽2で、有機物が処理された懸濁液は、曝気槽内の有用微生物と共に、沈殿槽3に移送される。この移送は、図示しない移送ポンプによって行ってもよいが、曝気槽2の液面を、沈殿槽3の液面よりも高くすれば、移送ポンプを用いずにヘッド圧によって行うこともできる。
沈殿槽3では、重力式で固液分離し、沈降汚泥と分離液に分離する。沈降汚泥の一部は、返送汚泥管30を介して曝気槽2に返送される。返送汚泥の量は、原水量と同等程度が好ましい。返送汚泥濃度は、沈殿槽3での沈降汚泥濃度と同じである。沈降汚泥濃度は、格別限定されるわけではないが、通常は曝気槽汚泥濃度の2倍程度に濃縮される。従って、返送汚泥濃度は、約10000~20000mg/Lの範囲である。
本発明では、返送汚泥管30に分岐管31が設けられている。分岐管31は、回転式ミネラル溶出機4に接続されている。回転式ミネラル溶出機4に送られた汚泥には、回転式ミネラル溶出機4から溶出したミネラル成分を含有させることができる。
返送汚泥管30から曝気槽2に直接送液される汚泥量Q1と、分岐管31を介して曝気槽2に送られる汚泥量Q2の比は、約1:1程度でよい。
回転式ミネラル溶出機4の構造と作用については、後段で詳述する。
更に図1において、沈殿槽3で固液分離されて得られた分離液(上澄液)は、分離液タンク5に送られ、分離液タンク5より図示しない分離液ポンプにより、処理装置6に送られ、少なくともSS分を除去する処理がなされる。
この処理装置6の種々の態様及び作用については、後述する。
次に、回転式ミネラル溶出機4について説明する。
図2は、回転式ミネラル溶出機の一例を示す概略断面説明図、図3は、図2示す回転式ミネラル溶出機の側面説明図である。
同図において、40は溶出槽であり、ミネラル溶出部材を充填してなる多孔性充填筒41を複数本着脱可能に設置されている。
ミネラル溶出部材を充填してなる多孔性充填筒41は、筒状のネット部材又は筒状のパンチングメタルによって形成されていることが好ましい。
ネットの網目の大きさ、あるいはパンチングメタルの径は、ミネラル溶出部材が外部に落ちない程度の大きさであればよい。
ミネラル溶出部材は、腐植物を含むペレット(以下、必要により「腐植ペレット」と略す)及び溶出性ミネラル成分を含む鉱物(以下、必要により、「ミネラル鉱物」と略す)が好ましく用いられる。
多孔性充填筒41は、腐植物を含むペレットを充填した多孔性充填筒410及び溶出性ミネラル成分を含む鉱物を充填した多孔性充填筒411の2種類を準備し、図3に示すように、外周仮想円42に沿って多孔性充填筒410を12本設置し、かつ内周仮想円43に沿って多孔性充填筒411を12本設置することも好ましい。設置本数は、図示の例に限定されない。
外周仮想円42に沿って腐植ペレットを充填した複数の多孔性充填筒410と溶出性ミネラル成分を含む鉱物を充填した多孔性充填筒411と混在させることもできる。また内周仮想円43に沿って腐植ペレットを充填した複数の多孔性充填筒410と溶出性ミネラル成分を含む鉱物を充填した多孔性充填筒411と混在させることもできる。
これまでの実験によれば、外周仮想円42に沿って腐植ペレットを充填した複数の多孔性充填筒410を配置すると、回転する際に、遠心力が大きく働くので、腐植ペレットの溶出を促進できる。
本実施形態では、溶出槽40に返送汚泥が導入される。その返送汚泥に、溶出したミネラル成分が含有され、ミネラル成分と有用微生物が接触し、その有用微生物を増殖させるエネルギー源ないし栄養源となる。
ミネラルとしては、水に溶解性のある成分であり、溶解性イオンとしては、珪酸マグネシウムイオン、シリカ(珪酸)イオン、マグネシウムイオン、カルシウム等、鉄イオン、アルミニウムイオンなどが挙げられる。
溶出槽40は、本体400と蓋体401からなり、内部に、モータ44に回動する、対向する円盤402と403が軸支されている。
複数の多孔性充填筒410と411は、円盤402と403に着脱可能に固定されている。固定の仕方は、円盤にフックを設けて置き、そのフックに多孔性充填筒410と411の留め具を着脱可能に引っ掛けるようにすることができる。
複数の多孔性充填筒410と411は、図4に示すように、充填筒押え樋412に装着し、バンド413で止めるようにすることが好ましい。充填筒押え樋412は、多孔性充填筒410と411を装着できるような湾曲面を有していることが好ましい。円盤402と403が回転しても、複数の多孔性充填筒410と411が脱落するのを防止できるからである。
充填筒押え樋412の長さは、2枚の円盤402と403の間隔と同じでもよいが、充填筒押え樋412を長手方向に3枚程度に分割してもよい。
多孔性充填筒410と411の径は、特に限定されないが、円盤の径が1mの場合には、5~20cm程度が好ましい。
溶出槽40は、図3に示すように、下方に傾斜(テーパー)領域45を有しており、最下部に散気管46が設けられる。テーパーには、曲面状にRをつけることが好ましい。汚泥をテーパーに沿って落下させることができるからである。
47は、蓋401に設けられる汚泥投入口であり、48は本体400に設けられるミネラル溶出液含有汚泥抜取り口である。
本発明に用いられる腐植物を含むペレットとは、溶出性シリカ成分を含有している腐植物やバインダ等を混練し、成形して得られたペレットであり、該ペレットには、他の無機材(例えばマグネシウム、カルシウム等のミネラル)、溶出制限剤等を含有することができる。
また溶出性ミネラル成分を含むとしては、粘土鉱物や火山性の岩石で水に溶け出すことができるシリカ成分を含有し、溶出を阻害しないためには微細多孔構造であるものが好ましく用いられる。
前記腐植物や鉱物に含まれる溶出性シリカ成分は、理由は定かではないが、有用微生物を増殖させる作用がある。
本発明では、溶出槽40には、腐植ペレットや溶出性ミネラル成分を含む鉱物以外に、上記の溶出性シリカ成分を含有している腐植物や鉱物の粉末を添加する手法を併用してもよい。
以上の説明では、固液分離手段として、沈殿槽を用いたが、本発明では、これに限定されず、膜分離装置を用いてもよい。
膜分離装置に用いる膜は、格別限定されず、例えば、精密ろ過膜、中空糸膜、限外ろ過膜などを使用できる。
本発明において、回転式ミネラル溶出機4から溶出されたミネラル成分により、活性汚泥(有用微生物)は凝集性が向上するように改質される。かかる改質の現象は実施例において例証されている。
すなわち、回転式ミネラル溶出機の使用によって、曝気槽から沈澱槽に送られる活性汚泥は、凝集性が向上する結果、汚泥の沈降速度が上昇する。沈降速度が上昇すれば、沈殿槽の水面積負荷を向上できるので、沈殿槽の表面積を小さくでき、沈殿槽の容量も小さくできる効果がある。この結果、設備コストを低減できる。
また回転式ミネラル溶出機4の使用によって、有用微生物の活性も向上し、その結果として、膜処理装置においては、膜の目詰まりを少なくできる効果もある。
次に、処理装置6について説明する。
図5は、処理装置6の第1態様を示す説明図である。図5において、60は、横長円形形状の処理タンク本体である。処理タンク本体60は、金属や硬質樹脂などの硬質材料によって形成される。
図1に示す分離液タンク5から、図示しない分離液ポンプにより、処理対象となる分離液が、原液入口61を介して、処理装置6の処理タンク本体60内に供給される。
処理タンク本体60内には、撹拌手段を備える。
処理タンク本体60内の分離液(原液)は、凝集沈殿処理によって、固液分離後に、上澄水である処理水を得る。
処理タンク本体60の中心の水平方向には、撹拌軸62が設けられ、撹拌軸62には、1又は2以上の撹拌羽根63が着脱可能に固定されている。
撹拌羽根63の撹拌軸62への固定手段は、格別限定されないが、例えば図6に示す撹拌羽根部材63Aを4枚用意し、撹拌軸62に固定支持具を取り付け、図示しない固定支持具に撹拌羽根部材63Aを上下方向に各々2枚ずつ着脱可能に取り付け、軸方向に隣接する撹拌羽根部材63Aの一部を重ねるように取り付けることによって、図5に示すような構造にすることができる。隣接する撹拌羽根部材63Aの一部を重ねるように取り付けることによって、図示しない固定支持具を上下合わせて6か所固定することで、撹拌羽根63を構成することができる。
図6に示す撹拌羽根部材63Aを用いて、撹拌羽根63を構成することにより、撹拌時の抵抗を軽減できるので好ましい。
撹拌羽根63は、1枚でもよいが、複数枚でもよい。撹拌羽根63は撹拌軸62に平行な方向に延びる方形状の板状体によって構成されることも好ましい。
64は撹拌軸62を回動させるモータであり、回転数を可変できるモータを使用することが好ましい。
本実施の形態では、撹拌羽根63の一側又は両側に、傾斜羽根630が、図示しない固定支持具を介して、撹拌軸62に着脱可能に設けられていることも好ましい。
傾斜羽根630は、図7に示すように、回転軸62に対して傾斜して設けられていることが好ましい。傾斜羽根630の回転により、図5の処理タンク本体60の凝集撹拌汚泥を図面上左側に移動できるので、内部撹拌効率が上昇するので好ましい。
処理タンク本体60に導入された分離液は、凝集剤の存在により、凝集沈殿処理が行われ、固液分離後に上澄水である処理水を得ることができる。この処理水は、少なくともSS分が除去されている。
処理タンク本体60内における凝集沈殿処理により処理水を得る経時変化について、図8に基づいて説明する。
図8(A)は、処理タンク本体60に活性汚泥処理水である分離液(原液)が投入された状態を示している。この原液に凝集剤などが添加される。
図8(B)は、撹拌羽根63の撹拌が開始し、処理タンク本体60内で原液と凝集剤等の懸濁液が形成されている状態を示している。
図8(C)は、撹拌羽根63の撹拌を停止し、固液分離が開始し、処理タンク本体60内の円形傾斜面65に沿って凝集汚泥が沈降している状態が示されている。
図8(D)は、固液分離が終了し、沈降した汚泥66の上部の処理水は、ポンプなどにより外部に取り出される。
処理水の排出の際には、図5に示す処理水出口67を介して排出する。本発明では、排出管67の吸い込み口は、汚泥界面68の上部に設けられ、ポンプ69により、処理水をくみ上げるように構成されている。
排出管67は、処理水管70と汚泥管71に分岐されている。このような汚泥管71を設けるのは、汚泥量が予想よりも増加した場合を考慮したものである。
処理水管70には開閉制御弁72が設けられ、汚泥管71には開閉制御弁73が設けられている。開閉制御弁72と開閉制御弁73は、排出管67に設けられる濁度計74の計測値に応じて開閉が制御される。
濁度は、水の濁りの程度を表すものである。JIS K0101(「工業用水試験方法」)により測定可能である。
基本的な制御構成は、処理水の汲みあげを開始する時点、つまり固液分離が終了した時点では、処理水の液面は、図5の原水液面と同じである。この段階でポンプ69を作動させて処理水を排出していくと、濁度計74では濁度の検出は基準値以下であるので、開閉制御弁72が開、開閉制御弁73が閉となり、処理水は処理水管70から徐々に排出され、処理水の液面はどんどん下がる。
汚泥が図5に示す液面よりも高い場合には、処理水に汚泥が混入し始める可能性がある。
濁度計74が基準値以上のSSを検出したら、開閉制御弁72を閉、開閉制御弁73を開に切り替えて、汚泥の入った処理水を処理水管70から排出しないように制御する。
本発明では、凝集したフロックの沈降速度を増加させることができる。その結果、本発明の横長円筒形状の処理タンクの沈降分離の完了時間を短縮できる効果がある。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、かかる実施例によって限定されない。
実施例1
図3に示す回転式ミネラル溶出機を用いたことにより、活性汚泥(有用微生物)の凝集性が向上するように改質されたことを確認する実験を行った。
<実験1>
溶出機4の運転と、曝気槽2の曝気運転を30分止めた後、溶出機4の運転を開始し、曝気槽2での曝気を行った。
溶出機4内のDO(溶存酸素濃度)、pH、ORP(酸化還元電位)を測定した。図3中、AはDO計、BはpH計、Cは、ORP計である。
測定結果は、図9(a)~(c)に示す。
(評価)
溶出機4の溶出運転を稼働し、曝気槽の曝気を行った状況下において、溶存酸素量が増加するにつれてORPも増加し、酸化還元反応も活発化することが確認出来た。
時間経過と共に沈澱槽内の浮上汚泥は減少した。曝気槽内の汚泥の凝集性が向上したことを意味する。
<実験2>
溶出機4の運転と、曝気槽2の曝気運転を30分止めた後、溶出機4は運転しないで、曝気槽2の曝気だけ行った。
実験1と同様に測定し、測定結果は、図10(a)~(c)に示す。
(評価)
溶出機4を止め、曝気槽2の曝気を行った状況下では、酸化還元反応そのものが鈍化したままで推移した。
<実験3>
溶出機4の溶出運転と、曝気槽2の曝気運転を30分止めた後、溶出機4は運転して、曝気槽2の曝気運転を行わなかった。
実験1と同様に測定し、測定結果は、図11(a)~(c)に示す。
(評価)
溶出機4を動かし、曝気槽2の曝気運転を止めた状況下において、溶存酸素が存在している5分内は酸化還元反応が見られたが、その後、酸化還元反応は鈍化した。
<実験4>
溶出機4の運転と、曝気槽2の曝気運転を30分止めた後、溶出機4は運転しないで、曝気槽2の曝気も行わなかった。
実験1と同様に測定し、測定結果は、図12(a)~(c)に示す。
(評価)
溶出機4の運転と、曝気槽2の曝気運転を止めた状況下では、溶存酸素の減少に伴い、酸化還元反応も鈍化し、15分後には沈澱槽内で浮上汚泥が発生した。このことは曝気槽内の汚泥の凝集性が低下していることを示している。
以上の実験から、溶出機4内での溶存酸素量の低下は、酸化還元反応の低下となり、酸化還元反応電位の数値から、有用微生物(Bazillus)の世代交代が行われていないことがから推察される。
また、溶出機4内において、溶出性成分(水溶性シリカ、マグネシウム)が有用微生物(Bazillus)に影響を及ばさない状況下では、世代交代そのものが進まないことがわかった。
気温25℃で行った実験から、曝気時最大で、8mg/lから90%強の酸素が使われており、曝気停止によって、有用微生物(Bazillus)が0.1~0.2mg/Lの酸素を確保出来なくなることで、排水処理が著しく低下することがわかった。
以上のことから、溶出機4の運転と曝気槽2の曝気を30分止めた後、溶出機4の運転と、曝気槽2の曝気を稼働した状況下において、溶存酸素量が増加するにつれてORPも増加し、酸化還元反応も活発化することが確認できたが、時間経過と共に沈澱槽内の浮上汚泥は減少し、凝集性が向上した。
酸化還元反応も活発化していることから、凝集性の向上だけでなく、微生物の活性化も促進されている。
好気性菌であるバチルス群が活発に動くためには酸素を取り込む必要があり、その際、酸化還元反応電位の数値に変化が見られるが、酸素供給(曝気)を停止後、溶存酸素濃度が低下すると共に酸化還元電位の数値が変化なく曝気停止後15分で、沈殿槽に浮上汚泥が現れた。
新たにBODを捕食するバチルス群が増加していないことから、バチルス群の種子(胞子)・発芽のサイクルが酸素不足と、溶出性成分(水溶性シリカ、マグネシウム)の供給停止により、種子(胞子)のままバチルス群が存在していることから、世代交代が行われていないと推察できる。
実施例2
図1の水処理装置を用いて、以下の処理条件で処理を行った。
(1)原水
・実施例2と比較例1は同じ水量と、同じ水質とした。
(2)装置仕様
ア 曝気槽 ・MLSS:約5000mg/L
イ 沈殿槽 ・返送汚泥濃度:約15000mg/L
ウ 分離液タンク:沈殿槽の上澄水
エ 回転式ミネラル溶出機
・腐植ペレットを充填した複数の多孔性充填筒の本数:12本
・溶出性ミネラル成分を含む鉱物を充填した多孔性充填筒の本数:12本
(3)処理方法
ア 回転式ミネラル溶出機に返送汚泥を供給し、腐植ペレットを充填した複数の多孔性充填筒及び溶出性ミネラル成分を含む鉱物を充填した多孔性充填筒と、返送汚泥を接触させた。返送汚泥に、溶出したミネラル成分が含有され、曝気槽に戻された。
図1の分離液タンク5内の分離液水質を測定した。その結果を表1に示した。
Figure 0007449578000001
比較例1
実施例において、回転式ミネラル溶出機4を用いずに、返送汚泥を曝気槽に戻すこと以外は、実施例と同様に実施し、図1の分離液タンク5内の分離液水質を測定した。その結果を表2に示した。
Figure 0007449578000002
実施例2と比較例1から、回転式ミネラル溶出機を用いることにより、曝気槽内に戻されるまでに、回転式ミネラル溶出機内の汚泥が、溶出したミネラル成分と接触し、その有用微生物の改質が起こっていると予想され、その改質された有用微生物が曝気槽に戻されると、有機物等の分解能が各段に向上していることがわかった。
1:原水調整槽
2:曝気槽
20:原水ポンプ
21:配管
3:沈殿槽(固液分離手段)
30:返送汚泥管
31:分岐管
4:回転式ミネラル溶出機
40:溶出槽
400:本体
401:蓋体
402、403:円盤
41:多孔性充填筒
410:腐植ペレットを充填した多孔性充填筒
411:溶出性ミネラル成分を含む鉱物を充填した多孔性充填筒
412:充填筒押え樋
413:バンド
42:外周仮想円
43:内周仮想円
44:モータ
45:傾斜(テーパー)領域
46:散気管
47:汚泥投入口
48:ミネラル溶出液含有汚泥抜取り口
5:分離液タンク
6:処理装置
60:処理タンク本体
61:原液入口
62:撹拌軸
63:撹拌羽根
63A:撹拌羽根部材
630:傾斜羽根
64:モータ
65:円形傾斜面
66:汚泥
67:排出管
68:汚泥界面
69:ポンプ
70:処理水管
71:汚泥管
72:開閉制御弁
73:開閉制御弁
74:濁度計

Claims (5)

  1. 有機物を含む原水を受け入れ、内部に生息する微生物により、前記有機物を分解処理する曝気槽(2)と、
    前記曝気槽(2)内の微生物と懸濁液を含む活性汚泥を導入して固液分離する固液分離手段(3)と、
    前記固液分離手段(3)で固液分離された活性汚泥の一部を前記曝気槽(2)に返送可能な返送汚泥管(30)と、を備え、
    前記返送汚泥管(30)から分岐管(31)を介して導入される活性汚泥中に溶出するミネラル成分を含有させる回転式ミネラル溶出機(4)が、前記分岐管(31)に接続されており、
    前記回転式ミネラル溶出機(4)は、溶出槽(40)の内部に対向する円盤(402)と(403)がモータ(44)により回動するように軸支されており、該円盤(402)と(403)の間に、ミネラル溶出部材を充填してなる複数本の多孔性充填筒(41)が着脱可能に設置されており、
    前記溶出槽(40)内の返送汚泥の溶存酸素濃度及び酸化還元電位を計測し、前記溶出槽(40)内の返送汚泥の溶存酸素濃度と酸化還元電位の計測により、前記汚泥の酸化還元反応が活発化し、前記汚泥は凝集性を向上するように改質されたことを確認することを特徴とする水処理装置。
  2. 複数本の多孔性充填筒(41)は、腐植物を含むペレットを充填した多孔性充填筒(410)と、溶出性ミネラル成分を含む鉱物を充填した多孔性充填筒(411)からなり、
    外周仮想円(42)に沿って、前記多孔性充填筒(410)が複数本設置されており、且つ前記外周仮想円(42)よりも小径の内周仮想円(43)に沿って、前記多孔性充填筒(411)が複数本設置されていることを特徴とする請求項1記載の水処理装置
  3. 複数本の多孔性充填筒(41)は、腐植物を含むペレットを充填した多孔性充填筒(410)と、溶出性ミネラル成分を含む鉱物を充填した多孔性充填筒(411)からなり、
    外周仮想円(42)に沿って、前記多孔性充填筒(410)および多孔性充填筒(411)を混在させて複数本設置されており、且つ前記外周仮想円(42)よりも小径の内周仮想円(43)に沿って、前記多孔性充填筒(410)および多孔性充填筒(411)を混在させて複数本設置されていることを特徴とする請求項1記載の水処理装置
  4. 複数の多孔性充填筒(41)は、湾曲面を有する充填筒押え樋(412)に装着し、バンド(413)で止めるようにして装着していることを特徴とする請求項1、2又は3記載の水処理装置
  5. 前記固液分離手段は、重力式の沈殿槽又は膜分離装置であることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の水処理装置。
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