JP7447639B2 - 二次電池の寿命予測方法、寿命予測装置及び車両 - Google Patents

二次電池の寿命予測方法、寿命予測装置及び車両 Download PDF

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Description

本開示は、二次電池の寿命予測方法、寿命予測装置及び当該寿命予測装置を搭載した車両に関するものである。
従来より、物理モデルを用いて二次電池の劣化特性を推定することが行われている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1では、充放電に伴う二次電池の内部抵抗の増加のモデル化に際し、負極における不動態皮膜の成長を考慮して負極SEI成長モデル(負極不動態成長モデル)を含む物理モデルを用いることが開示されている。
特開2014-167406号公報
ところで、二次電池の劣化特性は、二次電池が外部に対して仕事をしているサイクル時における劣化(サイクル劣化)と、二次電池が外部に対して仕事をしていない保存時における二次電池の劣化(保存劣化)との二種類に大別される。
例えば特許文献1に記載の技術は、サイクル劣化の推定には適用できるものの、保存劣化の推定には適用できない。
また、従来、保存劣化は、経験則に基づく統計モデルを使用しているが、統計モデルを作成するのに膨大な時間、手間、及びコストがかかるという問題、及び、二次電池の材料が変化すると、予測精度が低下するという問題等があった。
そこで本開示では、物理モデルを用いた保存劣化の推定を可能とし、二次電池の電池寿命をより短期間で精度よく予測可能な方法、その装置及び当該装置を備えた車両を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本開示では、保存時の劣化特性を、電極の活物質表面と電解液との界面における副反応物の生成反応により消費された電流量を考慮してモデル化するようにした。
すなわち、ここに開示する二次電池の寿命予測方法は、二次電池の電池寿命を予測する方法であって、前記二次電池を含む電気回路の開回路状態が開始するときの前記二次電池の物理量である第1物理量と、前記開回路状態が終了するときの前記二次電池の前記物理量である第2物理量とを取得し、前記第1物理量と前記第2物理量との差を算出する工程と、前記第1物理量と前記第2物理量との前記差に基づいて、前記電気回路が前記開回路状態の間に放電した電流量である自己放電電流量を算出する工程と、前記自己放電電流量に基づいて、前記二次電池の電極に含まれる活物質表面と電解液との界面において生成された副反応物の生成量を算出する工程と、前記副反応物の前記生成量に基づいて、前記二次電池の界面抵抗の増加量を算出する工程と、前記界面抵抗の前記増加量に基づいて、前記開回路状態における前記二次電池の劣化特性を推定する工程と、を備えたことを特徴とする。
二次電池を含む電気回路が開回路状態の間は、二次電池は外部に対して仕事をしていない保存状態にある。二次電池は、保存状態にある場合においても、時間の経過とともに劣化していく。しかしながら、二次電池が保存状態にある場合には、電気回路は開回路状態であり充放電電流が流れないため、例えばサイクル劣化モデルを用いて保存状態における二次電池の劣化特性を推定することはできない。
ここに、本願発明者らは、満充電状態の二次電池を一定期間保存後、放電試験を行ったところ、保存前に比較して保存後には充放電電流量が減少することを見出した。この充放電電流量の減少分は、電極に含まれる活物質表面と電解液との界面における副反応物の生成反応により消費されたものと考えられる。すなわち、保存時においても、前記界面における副反応物の生成により、副反応物層が不動態皮膜の一部として成長し、界面抵抗が上昇して二次電池の内部抵抗が上昇、すなわち二次電池の劣化が進んだものと考えられる。
本構成では、電気回路の開回路状態が開始するときの第1物理量と、電気回路の開回路状態が終了するときの第2物理量との差に基づいて、開回路状態の間に放電した電流量、すなわち自己放電電流量を算出する。そして、自己放電電流量から、上記界面において生成した副反応物の生成量を算出する。さらに、当該生成量に基づいて、当該界面における界面抵抗の増加量を算出し、保存時における二次電池の劣化特性を推定する。
すなわち、本構成では、保存時における二次電池の劣化を電極活物質表面と電解液との界面における副反応物の増加によるものと想定し、自己放電電流量と副反応物の生成反応との関係を考慮した物理モデルを構築する。そして、当該物理モデルを用いて、保存時の二次電池の劣化特性を推定するから、短期間で精度の高い二次電池の寿命予測が可能となる。
なお、本明細書において、「電気回路の開回路状態が開始するとき」とは、対象となる開回路状態が開始するときであり、例えば電気回路が前の閉回路状態から当該開回路状態へ切り替わるとき、及び、電気回路が前の開回路状態から当該開回路状態になるときを含む。また、「電気回路の回路状態が終了するとき」とは、対象となる開回路状態が終了するときであり、例えば電気回路が当該開回路状態から次の閉回路状態へ切り替わるとき、及び、電気回路が当該開回路状態から次の開回路状態になるときを含む。また、「とき」とは、瞬間、直前、及び直後を含む概念である。また、「物理量」は、時刻、電流値、及び/又は電圧値等である。
好ましい態様では、前記電気回路は、前記開回路状態の前後は、閉回路状態であり、前記開回路状態が開始するときとは、前記電気回路が前の閉回路状態から前記開回路状態へ切り替わるときであり、前記開回路状態が終了するときとは、前記電気回路が前記開回路状態からの閉回路状態へ切り替わるときである。
電気回路が閉回路状態の場合、二次電池は外部に対して仕事を行う、すなわちサイクル時である。ユーザによる二次電池の一般的な使用を考慮すると、複数のサイクル時の間に保存時が存在する場合が十分に想定される。このような場合には、対象の開回路状態が開始するときとは、電気回路が前の閉回路状態から当該開回路状態へ切り替わるときとなる。また、対象の開回路状態が終了するときとは、電気回路が当該開回路状態から次の閉回路状態へ切り替わるときとなる。本構成によれば、二次電池の実際的な使用状況を反映した寿命予測が可能となる。
一実施形態では、前記物理量は、時刻であり、前記物理量が前記時刻の場合は、前記第1物理量と前記第2物理量との前記差は、前記二次電池が前記開回路状態にある時間としての保存時間であり、前記自己放電電流量を算出する工程では、前記差を算出する工程において算出された前記保存時間と、予め試験的に求めておいた前記二次電池の保存時間と自己放電電流量との関係と、に基づいて前記自己放電電流量を算出する。
物理量が時刻の場合、第1物理量は、開回路状態が開始するときの時刻である。また、第2物理量は、開回路状態が終了するときの時刻である。なお、第1物理量が、開回路状態が開始する瞬間の時刻であれば、第2物理量も開回路状態が終了する瞬間の時刻である。第1物理量と第2物理量との差は、二次電池が開回路状態にある時間、すなわち保存時間に該当する。この場合、例えば寿命予測対象の二次電池における保存時間と保存時の自己放電電流量との関係を予め試験的に求めておけば、第1物理量と第2物理量との差である保存時間の値と、当該関係と、に基づいて、保存時の自己放電電流量を算出できる。保存時間の算出は容易且つ高精度であり、また安定性に優れているため、当該保存時間と予め試験的に求めておいた関係とに基づいて自己放電電流量を算出することにより、精度及び安定性に優れた寿命予測が可能となる。
一実施形態では、前記物理量は、電圧値又は電流値であり、前記第1物理量は、前記電気回路が前記前の閉回路状態から前記開回路状態へ切り替わる直前の前記電圧値又は前記電流値であり、前記第2物理量は、前記電気回路が前記開回路状態から前記次の閉回路状態へ切り替わった直後の前記電圧値又は前記電流値である。
物理量が電圧値又は電流値の場合は、第1物理量として、前の閉回路状態から対象の開回路状態へ切り替わる直前の電圧値又は電流値を取得し、第2物理量として、当該開回路状態から次の閉回路状態へ切り替わった直後の電圧値又は電流値を取得する。第1物理量と第2物理量との差は、開回路状態、すなわち保存状態の間に生じた電圧値又は電流値の減少分となり、この電圧値又は電流値の減少分から自己放電電流量を得ることができる。
なお、本明細書において、「閉回路状態から開回路状態へ切り替わる直前の電圧値/電流値」とは、電気回路が閉回路状態から開回路状態となることにより、電圧値/電流値がゼロになる瞬間から0秒超0.5秒以内前の電圧値/電流値、又はその電圧値/電流値の平均値等とすることができる。また、「開回路状態から閉回路状態へ切り替わった直後の電圧値/電流値」とは、電気回路が開回路状態から閉回路状態となることにより、電圧値/電流値がゼロではなくなる瞬間から0秒以上0.5秒以内後の電圧値/電流値、又はその電圧値/電流値の平均値等とすることができる。
好ましい態様では、前記二次電池のライフサイクルは、複数の前記開回路状態を有し、前記複数の開回路状態の各々に関して算出された前記自己放電電流量は、時間的に前の前記開回路状態に比べて後の前記開回路状態となるほど減少する。
本願発明者らは、二次電池のライフサイクルにおける保存時間の積算量が長くなるにつれて、二次電池の自己放電電流量の増加率は減少することを見出した。言い換えると、保存時の自己放電電流量は、保存時間の増加に伴い徐々に減少する。本構成によれば、このような保存時間と自己放電電流量との関係が劣化特性の推定に反映されるから、精度の高い二次電池の寿命予測が可能となる。
好ましい態様では、前記電気回路は、前記開回路状態の前後の少なくとも一方において、閉回路状態にあり、前記電気回路が前記閉回路状態である場合には、前記二次電池の充放電電流に基づいて、前記界面の界面抵抗の増加量を算出する工程をさらに備えている。
電気回路が閉回路状態、すなわちサイクル時には、電気回路には二次電池の充放電電流が流れる。従って、この充放電電流の情報に基づき、一般的なサイクル劣化モデルを用いて、二次電池の劣化特性を推定できる。本構成によれば、サイクル時にはサイクル劣化モデルを用いる一方、保存時には自己放電電流量に基づく保存劣化モデルを用いて二次電池の劣化特性を推定することにより、二次電池の寿命予測を精度よく行うことができる。
好ましい態様は、前記二次電池のライフサイクルは、複数の前記閉回路状態及び複数の前記開回路状態を有し、複数の前記閉回路状態及び複数の前記開回路状態の各々に関して算出された前記界面抵抗の増加量を積算する工程をさらに備え、前記二次電池の劣化特性を推定する工程では、前記界面抵抗の前記増加量の積算値に基づいて、前記二次電池のライフサイクル全体における劣化特性を推定する。
本構成では、複数の閉回路状態についてはサイクル劣化モデルを用い、複数の開回路状態については保存劣化モデルを用い、閉回路状態及び開回路状態の各々で算出された界面抵抗の増加量を二次電池のライフサイクル全体に亘って積算する。本構成により、二次電池のライフサイクル全体に亘る寿命予測を短期間で精度よく行うことができる。
好ましくは、前記二次電池は、車両に搭載された二次電池である。また、好ましくは、前記二次電池は、リチウムイオン二次電池である。
本構成によれば、車両に搭載された二次電池、好ましくはリチウムイオン二次電池の寿命予測を短期間で精度よく行うことができる。
この場合、好ましくは、前記物理量は、時刻であり、前記第1物理量は、前記車両がイグニッションオフされた時刻であり、前記第2物理量は、前記車両が前記イグニッションオフされた後初めてイグニッションオンされた時刻であり、前記第1物理量と前記第2物理量との前記差は、前記車両の前記イグニッションオフから前記イグニッションオンまでの時間である。
本構成によれば、車両のエンジンがオフの状態における二次電池の劣化特性を精度よく推定できる。
好ましくは、前記副反応物は、前記活物質表面に不動態皮膜を形成し、前記界面抵抗の増加は、前記不動態皮膜を構成する分子中に含まれる低イオン伝導性分子の量の増加によるものである。
本構成によれば、不動態皮膜を構成する分子のうち低イオン伝導性分子の量の増加を考慮するから、精度よく且つ短期間で二次電池の電池寿命を予測することができる。
ここに開示する二次電池の寿命予測装置は、二次電池の電池寿命を予測する装置であって、前記二次電池を含む電気回路の開回路状態が開始するときの前記二次電池の物理量である第1物理量と、前記電気回路の前記開回路状態が終了するときの前記二次電池の前記物理量である第2物理量とを取得する取得部と、前記第1物理量と前記第2物理量との差を算出する第1算出部と、前記差に基づいて、前記電気回路が前記開回路状態の間に放電した電流量である自己放電電流量を算出する第2算出部と、前記自己放電電流量に基づいて、前記二次電池の電極に含まれる活物質表面と電解液との界面において生成された副反応物の生成量を算出する第3算出部と、前記副反応物の前記生成量に基づいて、前記界面の界面抵抗の増加量を算出する第4算出部と、前記界面抵抗の前記増加量に基づいて、前記開回路状態における前記二次電池の劣化特性を推定する推定部と、を備えたことを特徴とする。
本構成では、保存時における二次電池の劣化を電極活物質表面と電解液との界面における副反応物の増加によるものと想定し、自己放電電流量と副反応物の生成反応との関係を考慮した物理モデルを構築する。そして、当該物理モデルを用いて、保存時の二次電池の劣化特性を推定するから、短期間で精度の高い二次電池の寿命予測が可能となる。
また、ここに開示する車両は、前記二次電池と、上述した二次電池の寿命予測装置と、を備えた車両である。
本構成によれば、車載二次電池の寿命予測を短期間で精度よく行うことができる車両をもたらすことができる。
以上述べたように、本開示によると、保存時における二次電池の劣化を電極活物質表面と電解液との界面における副反応物の増加によるものと想定し、自己放電電流量と副反応物の生成反応との関係を考慮した物理モデルを構築する。そして、当該物理モデルを用いて、保存時の二次電池の劣化特性を推定するから、短期間で精度の高い二次電池の寿命予測が可能となる。
一実施形態に係る二次電池の寿命予測装置が組み込まれた電源システムの一例を示すブロック図である。 一実施形態に係る二次電池の寿命予測方法を説明するためのフロー図である。 寿命予測方法に用いる物理モデルの概念図である。 二次電池の構成を模式的に示す図である。 サイクル回数に対する内部抵抗の変化を示すグラフである。 二次電池の負極におけるサイクル時のリチウムイオンの伝導機構の一例を説明するための模式図である。 NMC系電池セルの保存試験前の充電曲線及び保存試験後の放電曲線を示すグラフである。 二次電池の負極において、保存時に自己放電電流が流れる機構を説明するための模式図である。 自己放電電流モデルを用いる保存劣化解析工程のフロー図である。 保存試験により算出した自己放電電流量の積算値を保存時間に対してプロットしたグラフである。 二次電池の経時劣化の様子を模式的に示すグラフである。 実施例及び比較例の保存時間に対する内部抵抗増加率の変化を示すグラフである。
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(実施形態1)
<二次電池の寿命予測装置>
図1は、本実施形態に係る二次電池の寿命予測装置200の構成例を示している。寿命予測装置200は、二次電池100に対応する物理モデルを用いて当該二次電池100の電池寿命を予測する装置である。
二次電池100は、特に限定されるものではなく、例えばNMC(Lithium Nichel Manganese Cobalt Oxide)系、コバルト酸リチウム系、マンガン酸リチウム系、ニッケル(NCA)系等のリチウムイオン二次電池や、ニッケル水素電池、鉛蓄電池等であってもよい。
寿命予測装置200は、例えば図1に示すような電源システム400に組み込まれ、二次電池100の寿命予測を行うために用いられる。電源システム400は、電気回路300を備える。電気回路300は、二次電池100と、二次電池100により駆動される例えば電動機等の負荷301と、電流値を検出する電流センサ310と、電圧値を検出する電圧センサ320と、電気回路300の閉回路状態330Aと開回路状態330Bとを切り替えるスイッチ330と、を含む。なお、電源システム400は、二次電池100の充電装置を含むが、簡単のため図示を省略している。二次電池100の充放電動作により電流センサ310及び電圧センサ320により検出された電流値及び電圧値情報が上述の充放電動作情報として寿命予測装置200に送られる。
電源システム400は、例えば、二次電池100によって駆動される電動機を駆動力源として備えたハイブリッド自動車や電気自動車等の車両に搭載され得る。また、二次電池100は、エンジン始動時のスターターモーターへの給電や、エンジン停止状態において車内照明やオーディオ機器が使用される際の給電を主な目的として、自動車等の車両に搭載される二次電池でもよい。さらに、二次電池100は、車両用に限らず、各種電子機器、各種携帯機器等に搭載される二次電池でもよい。
寿命予測装置200は、例えば周知のコンピュータをベースとする装置であり、制御部210、入力部220、出力部230、記憶部240、演算部250(取得部、第1算出部、第2算出部、第3算出部、第4算出部、推定部)及び計時部260を備えている。なお、寿命予測装置200は、二次電池100が搭載される各種車両、各種電子機器、各種携帯機器等の対象物にすでに搭載されているコントローラと兼ねることができる。
寿命予測装置200には、上述の電流センサ310、電圧センサ320等の各種センサ、ディスプレイ等の各種表示手段及び各種制御対象が電気的に接続又はワイヤレス接続されている。入力部220には、各種センサからの検出信号が入力される。出力部230は、各種表示手段及び各種制御対象に信号を出力する。記憶部240には、寿命予測対象の二次電池100に関する情報、充放電条件に関する情報、充放電動作情報、演算部250における演算に関する情報、並びに演算処理を実行するプログラム等が格納されている。特に、記憶部240には、寿命予測に使用するための物理モデルとしての後述する電池モデルが格納されている。演算部250は、入力部220に入力された検出信号及び記憶部240に格納された情報に基づいて所定の演算を行う。制御部210は、演算部250の演算結果に基づいて、対象となる電池の寿命予測を行う。
計時部260は、スイッチ330が閉回路状態330Aから開回路状態330Bに切り替わる瞬間の時刻(物理量)である第1時刻(第1物理量)とともに、開回路状態330Bから次の閉回路状態330Aに切り替わる瞬間の時刻(物理量)である第2時刻(第2物理量)を取得する。そして、計時部260は、第1時刻及び第2時刻の差、すなわち電気回路300が開回路状態330Bにある時間を保存時間として計測する。
なお、本実施形態に係る寿命予測装置200が車両に搭載される場合、例えば、第1時刻は、車両がイグニッションオフされた時刻、第2時刻は、車両がイグニッションオフ後初めてイグニッションオンされた時刻とすることができる。この場合、第1時刻と第2時刻との差は、車両の前記イグニッションオフから前記イグニッションオンまでの時間になる。
なお、図1には図示していないが、電源システム400には、二次電池100の温度を検出するための温度センサが搭載されてもよく、当該温度センサにより二次電池100の温度情報を取得して、寿命予測に反映させることができる。また、図1の電源システム400は例示にすぎず、本実施形態に係る寿命予測装置200が適用される電源システムはその他の構成を含んでもよい。
<二次電池の寿命予測方法>
寿命予測装置200を用いた二次電池100の寿命予測方法の一例を図2に示す。図2に示す寿命予測方法は、初期条件設定工程S100と、充放電解析工程S200と、物理量記録工程S300と、界面抵抗増加量算出工程S400と、サイクル回数判定工程S500と、界面抵抗増加量積算工程S600と、劣化特性推定工程S700と、電池寿命予測工程S800と、を備えている。
≪初期条件設定工程≫
初期条件設定工程S100では、予め記憶部240に格納されている二次電池100に関する電池構成、すなわち正極、負極、電解液を含むセパレータの仕様等のデータを読み出、当該データを初期条件として設定する。
≪充放電解析工程≫
充放電解析工程S200では、任意のサイクルにおける二次電池100の充電及び放電を行い、当該充放電動作により得られた電流値及び電圧値等の充放電動作情報と、後述する電池モデルに含まれる充放電動作モデルとに基づいて、二次電池100の充放電解析を行う。
≪物理量記録工程≫
物理量記録工程S300では、充放電動作情報の一部として、二次電池100に関する物理量、具体的には例えば、計時部260により取得した時刻の情報、電流センサ310により検出された電流値、及び電圧センサ320により検出された電圧値等を記録し、記憶部240に格納する。
≪界面抵抗増加量算出工程≫
界面抵抗増加量算出工程S400では、上記充放電動作情報と、上記充放電解析工程S200で得られた充放電解析結果と、後述する電池モデルに含まれる劣化モデルとに基づいて、二次電池100の界面抵抗の増加量を算出する。
具体的に、界面抵抗増加量算出工程S400は、回路状態判定工程S410と、サイクル劣化解析工程S420と、保存劣化解析工程S430と、を備える。
-回路状態判定工程-
回路状態判定工程S410は、電気回路300が閉回路状態330Aにあるか否か、すなわち閉回路状態330Aにあるか開回路状態330Bにあるかを判定する。
-サイクル劣化解析工程-
回路状態判定工程S410において電気回路300が閉回路状態であると判断された場合には、サイクル劣化解析工程S420に進む。そうして、上記充放電動作情報と、上記充放電解析結果と、サイクル時の劣化モデルであるサイクル劣化モデルと、に基づいて、サイクル時における界面抵抗の増加量を算出する。
-保存劣化解析工程-
回路状態判定工程S410において電気回路300が開回路状態であると判断された場合には、保存劣化解析工程S430に進む。そうして、記録された上記物理量の情報と、保存時の劣化モデルである保存劣化モデルと、に基づいて、保存時における界面抵抗の増加量を算出する。
≪サイクル回数判定工程≫
サイクル回数判定工程S500では、充放電サイクルのサイクル回数が、所定値に到達したか否かを判定する。サイクル回数が所定値に到達していないと判定された場合には、充放電解析工程S200に戻り、充放電解析工程S200~サイクル回数判定工程S500を繰り返す。一方、サイクル回数が所定値に到達したと判定された場合には、次の界面抵抗増加量積算工程S600へ進む。
≪界面抵抗増加量積算工程≫
二次電池100のライフサイクルは、複数の閉回路状態330A及び複数の開回路状態330Bを有する。界面抵抗増加量積算工程S600では、複数の閉回路状態330A及び開回路状態330Bの各々に関して算出された界面抵抗の増加量を積算する。
≪劣化特性推定工程≫
劣化特性推定工程S700では、界面抵抗増加量積算工程S600で算出された界面抵抗の増加量の積算値に基づいて、二次電池100のライフサイクル全体における内部抵抗増加率、容量維持率等を算出し、その劣化特性を推定する。
≪電池寿命予測工程≫
電池寿命予測工程S800では、劣化特性推定工程S700で推定された劣化特性に基づき、二次電池100の電池寿命を予測する。
なお、電池寿命予測工程S800は、電池寿命の予測結果をユーザに知らせる工程を含むことができる。具体的には例えば、残りの電池寿命の閾値を予め定めておき、その閾値を下回ったときに、ユーザに対して電池交換を促す信号を表示手段に対し出力するといった処理が考えられる。
また、残りの電池寿命の閾値を下回ったときに、電気回路300のスイッチ330を強制的に開回路状態330Bとするようにしてもよい。この場合、例えば寿命予測装置200の出力部からスイッチ330に対して強制的に開回路状態330Bとする制御信号を出力するようにすればよい。
なお、本実施形態に係る寿命予測方法は、保存劣化のみの予測にも使用できる。この場合、図2において、所定のサイクル回数を0回に設定し、初期条件設定工程S100後、例えば所定の時間毎に複数の開回路状態330Bを繰り返すと想定すればよい。そうして、対象の開回路状態330Bが開始する瞬間の時刻を第1時刻、終了する瞬間の時刻を第2時刻とし、複数の開回路状態330Bの各々について保存劣化モデルを用いて界面抵抗の増加量を算出する。そして、得られた界面抵抗の増加量を積算して劣化特性を推定し、電池寿命を予測できる。
<電池モデル>
電池の寿命予測を行うための物理モデルとして、例えば図3に示す電池モデルを使用することができる。電池モデルは、電池の充放電動作モデルと、劣化モデルとにより構成されている。劣化モデルは、サイクル劣化モデルと、保存劣化モデルとにより構成されている。サイクル劣化モデルは、正極側の構造転移相成長モデルと、負極側のLi移動阻害モデルと、により構成されている。また、本実施形態において、保存劣化モデルとしては、自己放電電流モデルを採用する。
≪充放電動作モデル≫
充放電動作モデルは、例えば図4に示す二次電池100の構造をモデル化したものである。
二次電池100として、例えばNMC系のリチウムイオン二次電池を例に挙げて説明する。二次電池100は、図4に示すように、正極110と、負極120と、セパレータ130とを備えている。セパレータ130は、例えば正極110及び負極120間に配置された樹脂に電解液140を浸透させることで構成される。
正極110及び負極120は、それぞれ例えば球状の活物質の集合体で構成される。すなわち、図4に示すように、正極110は正極活物質112を含み、負極120は負極活物質122を含む(以下、正極活物質112及び負極活物質122をまとめて「活物質112,122」と称することがある)。セパレータ130に浸透させた電解液140は正極110及び負極120において、互いに隣り合う正極活物質112間及び互いに隣り合う負極活物質122間にまで浸透し、活物質112,122の表面と電解液140との界面が生じる。
二次電池100の放電時には、正極活物質112の界面上においてリチウムイオンLi及び電子eを吸収する化学反応が行われるとともに、負極活物質122の界面上においてリチウムイオンLi及び電子eを放出する化学反応が進行する。一方、充電時には、逆の反応が進行する。二次電池100では、セパレータ130を介したリチウムイオンLiの授受によって、充放電が行われ、充放電電流が発生する。
充放電動作モデルは、例えば活物質112,122の粒径、電気伝導率、正極110及び負極120の開回路電位、電解液140中の塩拡散係数、塩濃度等の確定パラメータと、例えば活物質112,122のLi拡散係数、リチウムイオン濃度、正極110及び負極120における反応速度定数等の変動パラメータと決定し、公知の方法により構築することができる。
≪劣化モデル≫
二次電池は、経時的に、またサイクル回数の増加に伴い、内部抵抗が増加し、出力が低下、すなわち劣化していくことが知られている。
-サイクル劣化モデル-
図5は、後述する<分析試験>において得られた、サイクル回数に対する内部抵抗の値を示したものである。図5に示すように、電池の内部抵抗は、サイクル回数の増加に伴い増加することが判る。そして、この内部抵抗の増加は、電極に含まれる活物質112,122と電解液140との界面において発生する界面抵抗の増加が主要因となっていることが判る。すなわち、サイクル時における界面抵抗の増加を適切にモデル化した界面抵抗増加モデルを採用することにより、二次電池100の寿命予測を精度よく行うことができると考えられる。
サイクル劣化モデルは、充放電に応じた二次電池100の劣化をモデル化したものである。サイクル劣化モデルは、正極110における界面抵抗の増加をモデル化した構造転移相成長モデルと、負極120における界面抵抗の増加をモデル化したLi移動阻害モデルとを含む。
[構造転移相成長モデル]
正極110では、正極活物質112の表面に構造転移相が存在するが、充放電が繰り返されるのに応じて、この構造転移相が活物質内部に進行し、構造転移相の厚さが増加していく。構造転移相の厚さが増加することにより、正極における界面抵抗が増加し、二次電池100の劣化の原因となる。構造転移相成長モデルは、このような正極110における界面抵抗の増加を構造転移相の厚さの増加に起因するものとしてモデル化したものである。構造転移相成長モデルとしては、公知のモデルを採用することができる。
[Li移動阻害モデル]
図6に示すように、負極120では、負極活物質122表面と電解液140との界面に不動態皮膜124が形成される。不動態皮膜は、負極活物質122表面で起こる化学反応により生成した副反応物が負極活物質122表面に堆積してなる層である。
本願発明者らは、上記副反応物の主成分として、リン酸リチウム、炭酸リチウム、フッ化リチウム、酸化リチウムが含まれ得ること、及び、これらのリチウム塩のうち、リン酸リチウムの増加が界面抵抗の増加に大きく寄与することを見出している(特願2018-174387号参照)。
詳細には、炭酸リチウム、フッ化リチウム、酸化リチウム等の分子126は、リチウムイオンLiの伝導性が高いと考えられる(以下、分子126を「高イオン伝導性分子126」と称することがある。)。そして、図6中符号Lで示すように、Liは、高イオン伝導性分子126が存在する位置を通って負極活物質122に到達すると考えられる。一方、リン酸リチウム等の分子128は、Liの伝導性が低く(以下、分子128を「低イオン伝導性分子128」と称することがある。)、Liの移動を阻害すると考えられる。従って、不動態皮膜124中に含まれる低イオン伝導性分子128の割合が増加するにつれて、不動態皮膜124におけるリチウムイオンLiの伝導性が低下し、界面抵抗が増加すると考えられる。
Li移動阻害モデルは、このような負極120における界面抵抗の増加を、不動態皮膜124中における低イオン伝導性分子128の割合の増加に起因するものとしてモデル化したものである。Li移動阻害モデルとしては、例えば特願2018-174387号に記載のモデルを好適に採用することができる。
-保存劣化モデル-
保存劣化モデルは、保存状態の二次電池100の経時的な劣化をモデル化したものである。
ここに、本実施形態に係る寿命予測方法は、保存劣化モデルとして、自己放電電流モデルを採用することを特徴とする。以下、自己放電電流モデルについて説明する。
図7は、後述する<比較例>において行った保存試験を行う前のNMC系電池セルの充電曲線と、保存試験後の放電曲線とを示している。図7に示すように、保存試験前の充電曲線における充放電電流量に比較して、保存試験後の放電曲線における充放電電流量はIからIへと減少していることが判る。この充放電電流量の減少分ΔI(=I-I)は、電極に含まれる活物質表面と電解液との界面における副反応物生成の化学反応(本明細書において、「副反応」と称することがある。)により消費されたものと考えられる。
具体的には例えば、二次電池100がNMC系電池セルの場合、正極活物質112の表面と電解液140との界面では、正極活物質112であるLi(Ni1/3Mn1/3Co1/3)Oと電解液140に含まれるLiとにより、例えば下記式(1)で示すような副反応が自発的に進行すると考えられる。
Figure 0007447639000001
また、負極活物質122の表面と電解液との界面においても、負極活物質122であるグラファイトと電解液140に含まれるLiPF、Liとにより、例えば下記式(2)で示すような副反応が自発的に進行すると考えられる。
Figure 0007447639000002
従って、正極110側の界面では上記式(1)における(x-2)e、及び、負極120側の界面では上記式(2)における(2y-1)/3eが、充放電電流量の減少分ΔIに相当すると考えられる。この充放電電流量の減少分Δは、電気回路300が開回路状態330Bの間、すなわち保存時に放電した電流量である「自己放電電流量」と定義づけることができる。
そして、正極110側の界面では、NiO、CoO、MnO、LiO等の副反応物、好ましくはNiO、CoO、MnO等の低イオン伝導性分子が生成することにより、副反応物層が不動態皮膜の一部として成長する。また、負極120側の界面では、図8に示すように、低イオン伝導性分子128であるLix-1PO4-x等の副反応物が生成することにより、、副反応物層が不動態皮膜124の一部として成長する。そうして、界面抵抗が上昇し、二次電池100の劣化が進行すると考えられる。
自己放電電流モデルは、保存時に活物質112,122と電解液との界面に形成される不動態皮膜を構成する副反応物、好ましくは低イオン伝導性分子の生成量を考慮して、界面抵抗の増加をモデル化した界面抵抗増加モデルである。
具体的には、自己放電電流モデルを用いる保存劣化解析工程S430は、例えば図9に示すように、第1物理量と第2物理量との差を算出する物理量差算出工程S431と、前記差に基づいて、自己放電電流量を算出する自己放電電流量算出工程S432と、該自己放電電流量に基づいて副反応物の生成量を算出する副反応物生成量算出工程S433と、該生成量に基づいて、界面抵抗の増加量を算出する界面抵抗増加量算出工程S434と、を備える。
[物理量差算出工程]
上述のごとく、計時部260は、電気回路300が閉回路状態330Aから開回路状態330Bへ切り替わるときの第1時刻と、電気回路300が開回路状態330Bから次の閉回路状態330Aへ切り替わるときの第2時刻とを取得する。そして、これらの第1時刻及び第2時刻は、記憶部240に格納されている。物理量差算出工程S431では、演算部250が、記憶部240に格納された第1物理量としての第1時刻と第2物理量としての第2時刻を取得し、これらの差を算出する。第1時刻と第2時刻との差は、二次電池100が開回路状態330Bにある時間、すなわち、保存時間である。
[自己放電電流量算出工程]
例えば、記憶部240には、後述する<比較例>の保存試験や、寿命予測対象の二次電池100と類似の構成の二次電池に関するシミュレーション等の試験的手法を用いることにより予め試験的に求めておいた、二次電池100における保存時間と保存時の自己放電電流量との関係が格納されている。自己放電電流量算出工程S432では、第1時刻と第2時刻との差である保存時間の値と、当該関係と、に基づいて、電気回路300が開回路状態330Bにある保存時の自己放電電流量を算出する。
ここに、予め試験的に求めておいた保存時間と自己放電電流量との関係は、保存時間が増加するにつれて、自己放電電流量の増加率が漸減する傾向を有していることが望ましい。具体的に、図10は、後述する<比較例>の保存試験と同様の試験を行って自己放電電流量ΔIを算出し、保存時間に対して自己放電電流量ΔIの積算値をプロットしたものである。図10に示すように、保存時間がtからt+t+t+tまで増加すると、保存時間t1、t2、t3に対応する複数の開回路状態330Bの各々に関して算出した自己放電電流量ΔI、ΔI、ΔIは、時間的に前の開回路状態330Bの保存時間に比べて後の開回路状態330Bとなるほど減少していることが判る。すなわち、図10の例では、保存時間が増加するにつれて、自己放電電流量の増加率が漸減している。保存時間と自己放電電流量との関係がこのような傾向を有していることにより、寿命予測対象である二次電池100の実態をより精度よく反映したシミュレーションが可能となるから、二次電池の寿命予測を精度よく行うことができる。
なお、自己放電電流量ΔIは、保存時に消費された電流量の絶対量であり、正極110及び負極120の大きさは互いに異なる場合がほとんどであるから、実際の計算式には、自己放電電流量ΔIを電極の断面積で除して得られる電流密度、すなわち自己放電電流密度iを用いることが好ましい。
[副反応物生成量算出工程]
副反応物生成量算出工程S433では、上記自己放電電流量ΔI、好ましくは自己放電電流密度iに基づいて、活物質112,122の表面と電解液140との界面で生成された副反応物、好ましくは低イオン伝導性分子の生成量を算出する。
[界面抵抗増加量算出工程]
そして、界面抵抗増加量算出工程S434では、上記副反応物の生成量に基づいて、上記界面の界面抵抗の増加量を算出する。
[具体例]
以下、副反応物生成量算出工程S433及び界面抵抗増加量算出工程S434の具体的な物理モデルの一例を示す。まず、副反応物の生成量を算出するための式を、下記式(3)~式(5)のように定義できる。
但し、式(3)~式(5)中、記号は以下を示す。
:副反応電流[A]
η:副反応過電圧[V]
film:副反応物抵抗[Ω]
δ:副反応物層の厚み[m]
:自己放電電流密度[A/m
F:ファラデー定数[C/mol]
R:気体定数[J/mol/K]
α:移行係数[-]
J:界面電流密度[A/m
η:副反応初期過電圧[V]
M:副反応物の分子量[kg/mol]
ρ:副反応物の密度[kg/m
n:副反応電子数[-]
式(3)~式(5)中、J、η、Rfilm、δは変動パラメータである。
式(3)及び式(4)は、副反応物の生成を記述している。式(3)は、電極活物質と電解液の界面において保存時に進行する副反応を引き起こす電流である副反応電流Jを求める式である。式(3)に対し、上述のごとく算出した自己放電電流密度iの値を入力する。なお、式(3)中のηは副反応の過電圧であり、式(4)で表せる。式(4)中Rfilmは、最終的に出力される副反応物による界面抵抗の増加量である。
式(5)は、副反応物の生成量を、副反応物層の厚みδの増加量として記述する式である。なお、副反応物層の厚みδの増加量とは、保存時における不動態皮膜の膜厚の増加分に相当する。
式(3)~(5)に対し、自己放電電流密度iの値を入力し、その計算結果として、下記式(6)により副反応物層の層厚みδの増加による界面抵抗の増加量Rfilmが出力される。
但し、式(6)中、κは副反応物の伝導度[S/m]である。
上記物理モデルの制御因子は、寿命予測対象である二次電池100の電極材料、電解液等の仕様、電極の面積、厚み等のサイズ、SOC等である。また、誤差因子は、外気温、初期抵抗のばらつき、接触抵抗等である。これら制御因子及び誤差因子を考慮し、上記物理モデルを用いて繰り返し計算を行うことにより、二次電池100の保存時における界面抵抗の増加を予測できる。
なお、界面抵抗の増加量から、最終的には二次電池100のライフサイクル全体における内部抵抗の増加率、容量量維持率等を算出し、二次電池100の劣化特性を推定する。そうして、二次電池100の寿命予測を行う。具体的には例えば、二次電池100の内部抵抗値R及び内部抵抗増加率Rは、内部抵抗値の初期値をR、界面抵抗の増加量Rfilmの積算値をΣRfilmとすると、それぞれ下記式(7)及び式(8)で与えられる。
=R+ΣRfilm ・・・(7)
=R/R ・・・(8)
<作用効果>
本実施形態に係る二次電池100の寿命予測方法及び装置では、電気回路300が閉回路状態330Aから開回路状態330Bに切り替わる瞬間の第1時刻と、開回路状態330Bから次の閉回路状態330Aに切り替わる瞬間の第2時刻との差を算出する。そして、第1時刻と第2時刻との差と、予め試験的に求めておいた当該差と自己放電電流量ΔIとの関係と、に基づいて、保存時における自己放電電流量ΔIを算出する。そして、自己放電電流量ΔIから、上記界面において生成した副反応物の生成量を算出する。さらに、当該生成量に基づいて、当該界面における界面抵抗の増加量を算出し、保存時における二次電池の劣化特性を推定する。
すなわち、本構成では、保存時における二次電池100の劣化を活物質112,122の表面と電解液140との界面における副反応物の増加によるものと想定する。そうして、自己放電電流量ΔIと副反応との関係を考慮した自己放電電流モデルを構築する。そして、当該自己放電電流モデルを用いて、保存時の二次電池100の劣化特性を推定するから、短期間で精度の高い二次電池の寿命予測が可能となる。
なお、本構成では、電気回路300が閉回路状態330A、すなわちサイクル時にある場合には、一般的なサイクル劣化モデルを用いて、二次電池100の劣化特性を推定できる。従って、二次電池100のライフサイクルが複数の閉回路状態330A及び複数の開回路状態330Bを有する場合には、複数の閉回路状態330Aについてはサイクル劣化モデルを用い、複数の開回路状態330Bについては保存劣化モデルを用いる。そうして、複数の閉回路状態330A及び複数の開回路状態330Bの各々について界面抵抗の増加量を算出する。そして、界面抵抗の増加量を二次電池100のライフサイクル全体に亘って積算する。
具体的に、図11は、二次電池100の経時劣化の様子を模式的にグラフ化したものである。保存時には二次電池100は外部に対して仕事をしない。この間にも二次電池100は徐々に劣化し得る。サイクル時には二次電池100は外部に対して仕事をする。この間に二次電池100は保存時よりも速いスピードで劣化し得る。保存時とサイクル時とを複数回繰り返すことにより、保存時及びサイクル時各々において進行した劣化度がライフサイクル全体に亘って積み重なっていく。
本実施形態に係る寿命予測方法及び装置では、複数の閉回路状態330A及び開回路状態330Bの各々について算出された界面抵抗の増加量を積算することにより、二次電池100のライフサイクル全体に亘る劣化特性の推定が可能となる。そうして、短期間で精度の高い二次電池100の寿命予測が可能となる。
また、本実施形態に係る寿命予測方法及び装置では、物理量として時刻を用いる。保存時間の算出は容易且つ高精度であり、また安定性に優れているため、当該保存時間と予め試験的に求めておいた関係とに基づいて自己放電電流量を算出することにより、精度及び安定性に優れた寿命予測が可能となる。
(実施形態2)
以下、本開示に係る他の実施形態について詳述する。なお、これらの実施形態の説明において、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
上記実施形態1では、物理量として時刻を用いる場合を例に挙げて説明したが、物理量は時刻に限られるものではなく、電圧値、電流値等を用いてもよい。
具体的には例えば、物理量として電圧値を用いる場合には、例えば、第1物理量は、電気回路300が閉回路状態330Aから開回路状態330Bへ切り替わる直前の電圧値である第1電圧値とすることができる。また、第2物理量は、電気回路300が開回路状態330Bから閉回路状態330Aへ切り替わった直後の電圧値である第2電圧値とすることができる。なお、第1電圧値及び第2電圧値は、例えば図7に示すV、Vである。
この場合、演算部250は、記憶部240に格納された第1電圧値及び第2電圧値を取得し、両者の差を算出する。当該差は、開回路状態330B、すなわち保存時に生じた電圧の減少分となり、この電圧の減少分から自己放電電流量ΔIを算出できる。
同様に、物理量として電流値を用いる場合には、例えば、第1物理量は、電気回路300が閉回路状態330Aから開回路状態330Bへ切り替わる直前の電流値(以下、「第1電流値」と称する。)とすることができる。また、第2物理量は、電気回路300が開回路状態330Bから閉回路状態330Aへ切り替わった直後の電流値(以下、「第2電流値」と称する。)とすることができる。なお、第1電流値及び第2電流値は、例えば図7に示すI、Iである。
この場合、演算部250は、記憶部240に格納された第1電流値及び第2電流値を取得し、両者の差を算出する。当該差は、開回路状態330B、すなわち保存時に生じた電流の減少分となり、自己放電電流量ΔIそのものに相当する。
物理量として電圧値又は電流値を用いることにより、モデル化が容易であり自己放電電流量ΔIの算出が容易となり得る。しかしながら、スイッチ330のオンオフ等に伴う電圧値/電流値の検出値の誤差が大きくなることによる、自己放電電流量の算出精度の低下を抑制する観点からは、実施形態1の時刻を物理量とする構成が望ましい。
(実施形態3)
正極110の界面抵抗増加モデルは、上述の構造転移相成長モデルに限られず、他の物理モデルであってもよい。具体的には例えば、負極120に適用した上記Li移動阻害モデルや、例えば界面抵抗の増加を不動態皮膜の膜厚の増加に起因するものとしてモデル化した不動態皮膜成長モデル等の公知のモデル、又はこれらを組み合わせたモデルであってもよい。
具体的には、例えばNMC系電池では、サイクル時においても、正極活物質112と電解液140の界面では、上記式(1)と類似の反応が進行し、低イオン伝導性分子としてのNiO、CoO、MnO等が生成する。そうして、不動態皮膜が成長する。従って、正極110における界面抵抗の増加を、不動態皮膜中における低イオン伝導性分子の割合の増加に起因するものとしてモデル化できるから、正極110の界面抵抗増加モデルとしてLi移動阻害モデルを採用できる。
なお、負極120の界面抵抗増加モデルも、実施形態1のLi移動阻害モデルに限らず、上述の構造転移相成長モデルや、上記不動態皮膜成長モデル等の他の公知のモデルであってもよい。
正極110及び負極120における界面抵抗増加モデルは、想定される電池の構成に応じて適切なものを適宜選択するようにすればよい。
次に、具体的に実施した実施例及び比較例について説明する。
<比較例>
表1に示すNMC系電池セルについて、保存試験を行った。具体的には、温度45℃、SOC100%の状態で、試験開始から0時間、290時間、570時間、1050時間、1350時間、1470時間経過後の、電池セルの内部抵抗値をIV試験により測定した。IV試験は、温度25℃、SOC50%の状態から10秒間、0.5C、0.7C、1C、2Cの電流を流すという条件により行った。結果を図12に示す。なお、図12では、0時間の内部抵抗値を100%とし、それぞれの保存時間の内部抵抗値を0時間の内部抵抗値との比較値としての内部抵抗増加率(%)で示している。
Figure 0007447639000007
<実施例>
表1に示すNMC系電池セルについて、実施形態1において記載した方法により、自己放電電流モデルを作成した。なお、電池セルの保存時間と自己放電電流との関係は、<比較例>と同様の保存試験により求めた。当該自己放電電流モデルを用いたシミュレーションにより得られた、保存時間に対する内部抵抗増加率の変化曲線を図12中実線で示す。なお、自己放電電流モデルのモデル開発期間、すなわち自己放電電流モデルの作成開始から完成までに要した期間は、約0.1年であった。
<考察>
図12に示すように、実施例の予測結果は、比較例の実機試験結果と高い整合性を有していることが判る(誤差2.0%)。なお、比較例において、290時間の内部抵抗値は、0時間のセルの内部抵抗値に比べて低くなっているが、このことは、例えば二次電池製造時のエージング処理が不十分であったこと等が原因と考えられる。二次電池の電池寿命を予測する上では、例えば10年後等の劣化特性を推定することが重要であるから、初期における内部抵抗値のばらつきが与える影響は小さいと考えられる。
また、従来の統計モデルは、例えば、試験条件等を調整しつつ、複数の電池セルについて、比較例に示すデータと同様のデータを収集し、最小二乗法等を用いて作成される。このような統計モデルのモデル開発期間、すなわち保存試験の開始から統計モデルの完成までに要する期間は、少なくとも約2年に及び得る。
実施例の電池モデルは、このような従来の統計モデルに比べて、モデル開発期間が極めて短期間である。
このように、本開示に係る二次電池の寿命予測方法及び装置によれば、二次電池の寿命予測を非常に短期間且つ低コストで、精度よく行うことができる。
<分析試験>
表2に示す電池セルについて、温度55℃、充電/放電電流5.8A(1C)/5.8A(1C)の条件で充放電動作を所定回数(0回、400回、800回)繰り返す充放電試験を行った。
Figure 0007447639000008
充放電試験後の電池セルについて、交流インピーダンス測定を行い、得られたナイキストプロットについてフィッティング解析を行って電池セルの内部抵抗を算出した(図5)。なお、図5に示す界面抵抗の値は、当該交流インピーダンス測定及びそのフィッティング解析結果から算出される正極及び負極の各界面抵抗の合算値である。
本開示は、物理モデルを用いた保存劣化の推定を可能とし、二次電池の電池寿命をより短期間で精度よく予測可能な方法、その装置及び当該装置を備えた車両を提供することができるので、極めて有用である。
100 二次電池
110 正極
112 正極活物質
120 負極
122 負極活物質
124 (負極の)不動態皮膜
126 高イオン伝導性分子
128 低イオン伝導性分子
130 セパレータ
140 電解液
200 寿命予測装置
210 制御部
220 入力部
230 出力部
240 記憶部
250 演算部
260 計時部
300 電気回路
301 負荷
310 電流センサ
320 電圧センサ
330 スイッチ
330A 閉回路状態
330B 開回路状態
400 電源システム

Claims (11)

  1. 二次電池の電池寿命を予測する方法であって、
    前記二次電池を含む電気回路の開回路状態が開始するときの前記二次電池の物理量である第1物理量と、前記開回路状態が終了するときの前記二次電池の前記物理量である第2物理量とを取得し、前記第1物理量と前記第2物理量との差を算出する工程と、
    前記第1物理量と前記第2物理量との前記差に基づいて、前記電気回路が前記開回路状態の間に放電した電流量である自己放電電流量を算出する工程と、
    前記自己放電電流量に基づいて、前記二次電池の電極に含まれる活物質表面と電解液との界面において生成された副反応物の生成量を算出する工程と、
    前記副反応物の前記生成量に基づいて、前記二次電池の界面抵抗の増加量を算出する工程と、
    前記界面抵抗の前記増加量に基づいて、前記開回路状態における前記二次電池の劣化特性を推定する工程と、を備えた
    ことを特徴とする二次電池の寿命予測方法。
  2. 請求項1において、
    前記電気回路は、前記開回路状態の前後は、閉回路状態であり、
    前記開回路状態が開始するときとは、前記電気回路が前の閉回路状態から前記開回路状態へ切り替わるときであり、
    前記開回路状態が終了するときとは、前記電気回路が前記開回路状態からの閉回路状態へ切り替わるときである
    ことを特徴とする二次電池の寿命予測方法。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記物理量は、時刻であり、
    前記物理量が前記時刻の場合は、前記第1物理量と前記第2物理量との前記差は、前記二次電池が前記開回路状態にある時間としての保存時間であり、
    前記自己放電電流量を算出する工程では、前記差を算出する工程において算出された前記保存時間と、予め試験的に求めておいた前記二次電池の保存時間と自己放電電流量との関係と、に基づいて前記自己放電電流量を算出する
    ことを特徴とする二次電池の寿命予測方法。
  4. 請求項2において、
    前記物理量は、電圧値又は電流値であり、
    前記第1物理量は、前記電気回路が前記前の閉回路状態から前記開回路状態へ切り替わる直前の前記電圧値又は前記電流値であり、
    前記第2物理量は、前記電気回路が前記開回路状態から前記次の閉回路状態へ切り替わった直後の前記電圧値又は前記電流値である
    ことを特徴とする二次電池の寿命予測方法。
  5. 請求項1~4のいずれか1つにおいて、
    前記二次電池のライフサイクルは、複数の前記開回路状態を有し、
    前記複数の開回路状態の各々に関して算出された前記自己放電電流量は、時間的に前の前記開回路状態に比べて後の前記開回路状態となるほど減少する
    ことを特徴とする二次電池の寿命予測方法。
  6. 請求項1~5のいずれか1つにおいて、
    前記電気回路は、前記開回路状態の前後の少なくとも一方において、閉回路状態にあり、
    前記電気回路が前記閉回路状態である場合には、前記二次電池の充放電電流に基づいて、前記界面の界面抵抗の増加量を算出する工程をさらに備えた
    ことを特徴とする二次電池の寿命予測方法。
  7. 請求項6において、
    前記二次電池のライフサイクルは、複数の前記閉回路状態及び複数の前記開回路状態を有し、
    複数の前記閉回路状態及び複数の前記開回路状態の各々に関して算出された前記界面抵抗の増加量を積算する工程をさらに備え、
    前記二次電池の劣化特性を推定する工程では、前記界面抵抗の前記増加量の積算値に基づいて、前記二次電池のライフサイクル全体における劣化特性を推定する
    ことを特徴とする二次電池の寿命予測方法。
  8. 請求項1~7のいずれか1つにおいて、
    前記二次電池は、車両に搭載された二次電池である
    ことを特徴とする二次電池の寿命予測方法。
  9. 請求項8において、
    前記物理量は、時刻であり、
    前記第1物理量は、前記車両がイグニッションオフされた時刻であり、
    前記第2物理量は、前記車両が前記イグニッションオフされた後初めてイグニッションオンされた時刻であり、
    前記第1物理量と前記第2物理量との前記差は、前記車両の前記イグニッションオフから前記イグニッションオンまでの時間である
    ことを特徴とする二次電池の寿命予測方法。
  10. 二次電池の電池寿命を予測する装置であって、
    前記二次電池を含む電気回路の開回路状態が開始するときの前記二次電池の物理量である第1物理量と、前記電気回路の前記開回路状態が終了するときの前記二次電池の前記物理量である第2物理量とを取得する取得部と、
    前記第1物理量と前記第2物理量との差を算出する第1算出部と、
    前記差に基づいて、前記電気回路が前記開回路状態の間に放電した電流量である自己放電電流量を算出する第2算出部と、
    前記自己放電電流量に基づいて、前記二次電池の電極に含まれる活物質表面と電解液との界面において生成された副反応物の生成量を算出する第3算出部と、
    前記副反応物の前記生成量に基づいて、前記界面の界面抵抗の増加量を算出する第4算出部と、
    前記界面抵抗の前記増加量に基づいて、前記開回路状態における前記二次電池の劣化特性を推定する推定部と、を備えた
    ことを特徴とする二次電池の寿命予測装置。
  11. 前記二次電池と、請求項10に記載の二次電池の寿命予測装置と、を備えた車両。
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