JP7445565B2 - 電力系統監視装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は電力系統の状態を監視する電力系統監視装置および方法に関する。
電力系統は、電力エネルギー供給のために構築された大規模システムであり、安定運用のために多くの仕組みが施されている。
それでも何らかの要因により非定常状態になる場合には速やかに検出して対処することが求められる。
非定常状態には、電圧や周波数等の不安定状態、電力系統に起きる地絡、短絡、断線等の事故、設備異常、等がある。これらの非定常状態を検出するために、各種のセンサ、リレー等の設備が用意されている。例えば電力線に地絡事故が起きると零相電流が変動することが知られており、その波形の大きさを閾値判定することで地絡事故を検出する方法がある。しかし系統構成は多種であり、また地絡事故を引き起こす要因は様々であることから、零相電流に現れる波形も一様では無く、短期・微弱の波形である場合には閾値判定では検出できないことがある。
ところで近年のIT技術を活用して、線路にセンサ(計測機器)を配置することで系統状態を把握する試みがある。例えばPMU(位相検出器)、センサ付き開閉器等を配置して、電源周波数よりも高いサンプリングレートで採取した電圧電流波形を信号処理する方法がある。しかし電圧電流波形から何らかの指標を得るための信号処理方法については十分に確立しているとは言えない。
電力系統の事故に関して、特許文献1は「送配電系統の物理的条件に関する情報」と「データ収録時の環境条件に関する情報」と「事故波形を分析して得られる情報」と「事故後に調査して取得できる情報」を用いて、事故波形の分類、検索あるいは図形的特徴等を判定するなどして、事故原因推定等に適用することを提案している。
また特許文献2は、電力系統の事故モデルを用意して、計測した事故波形との差分が小さくなるように、事故モデルの抵抗、キャパシタンス、インダクタンスを推定するパラメータ調整部を備えている。
特開2012-249395号公報 特開2020-54164号公報
しかし特許文献1では、波形の図形的特徴の判定において、鋸波、針状波等の波形の形状のみに着目して分類するため、その波形を引き起こした要因との電気的な関係は明瞭に説明できない。また、電圧と電流の波形間の電気的な関係に着目していないため、波形の分類、検索等の精度が低下する。
また特許文献2では、電力系統、ならびに非定常状態を引き起こす要因には、多種多様の電気特性があるが、多くのパラメータが混在するなかから、事故モデルが備えるパラメータを分離して推定することには困難がある。それにも関わらず具体的なパラメータ推定方法を開示していないため実用性に欠ける。
また上記文献以外にも、計測波形の実効値、あるいは周波数成分を算出して事故原因と関係づける方法があるが、事故原因と、波高あるいは周波数成分との直接的な関係を説明するのは困難である。
以上のことから本発明においては「電力系統で計測した電圧と電流を入力する計測波形入力手段と、電力系統で発生した電気現象の時の電圧と電流の時系列的な変化を予め求め、波形要素として記憶する波形要素記憶手段と、計測波形入力手段からの電圧と電流を波形要素と比較して、波形要素が電圧と電流に含まれるか否かを判定する波形要素判定手段と、波形要素の判定結果に基づいて電気現象の有無を出力する判定出力手段を備えることを特徴とする電力系統監視装置」としたものである。
また本発明においては「配電変電所から配電線を介して負荷に電力を供給する配電線上に、配電系統で計測した電圧と電流を入力するセンサ機能付の開閉器を配置しているとともに、センサ機能付の開閉器は、親局装置との間で通信を行う子局装置を備えている電力系統監視装置であって、配電線上の複数の子局装置は、電力系統で発生した電気現象の時の電圧と電流の時系列的な変化を予め求め、波形要素として記憶する波形要素記憶手段と、計測した電圧と電流を波形要素と比較して、波形要素が電圧と電流に含まれるか否かを判定する波形要素判定手段と、波形要素の判定結果に基づいて電気現象の有無を出力する判定出力手段のうちの少なくとも一部の手段を備えており、親局装置との間で通信を行うことを特徴とする電力系統監視装置」としたものである。
また本発明においては「電力系統で計測した電圧と電流を入力し、電力系統で発生した電気現象の時の電圧と電流の時系列的な変化を予め求め、波形要素として記憶し、計測した電圧と電流を前記波形要素と比較して、波形要素が電圧と電流に含まれるか否かを判定し、波形要素の判定結果に基づいて電気現象の有無を判定することを特徴とする電力系統監視方法」としたものである。
本発明によれば、以下の効果がある。本発明は、電気現象に基づく波形要素を、時間経過に沿った電圧・電流波形の形状、あるいは電圧・電流の軌跡の幾何学的な形状、として表記する。波形要素の形状、軌跡に着目することで、計測波形の波高、継続時間等に関わらずに電気現象を検出可能とする。また計測波形が単発・微弱であっても、波形要素を検出して、電気現象の有無を精度よく判定し、出力することを可能とする。上記の入力と出力関係は電気現象に基づいて設定するため、判定結果の根拠説明が可能である。
本発明の実施例1に係る電力系統監視装置の構成例を示す図。 電力系統に地絡事故が発生した時の等価回路を示す図。 電圧電流波形を用いて、アーク放電の動作を説明するための図。 アーク放電時の電圧と電流の波形の軌跡を示す図。 波形判定手段3における検出手法1の例を示すフロー図。 検出手法1の時の波形判定手段3内の電圧電流波形特徴算出手段31の構成例を示す図。 波形判定手段3における検出手法2の例を示すフロー図。 図4で示した電圧電流軌跡を単位事象分のみ拡大して示した図。 電圧と電流の軌跡の幾何学的特徴に基いて波形要素を検出する例を示す図。 複数回のアーク放電が発生する場合の電圧電流波を示す図。 複数回のアーク放電が発生する場合の電圧電流波形の軌跡を示す図。 不感帯を持つ非線形抵抗の電気現象の時の電圧電流波形を示す図。 不感帯を持つ非線形抵抗の電気現象の時の電圧電流波形の軌跡を示す図。 三角波の時の電圧電流波形を示す図。 三角波の時の電圧電流波形の軌跡を示す図。 電力系統監視装置を配電系統に設置するときの構成例を示す図。
以下本発明の実施例について、図面を用いて詳細に説明する。
ここでは、本発明の実施例を説明するにあたり、その前提とする技術的な事項並びに本発明の概要について説明をしておく。まず電力系統は、定常状態を維持するように構築され制御されているが、何らかの要因により非定常状態になることがある。
電力系統の非定常状態を引き起こす要因には、例えば地絡、短絡、断線等の事故がある。さらには、落雷や樹木接触などの自然現象に由来する場合、あるいは保護継電装置や各種制御装置が作動した結果として非定常状態が引き起こされる場合もある。電力系統では、これらの要因ごとに別個の電気現象が引き起こされている。
本発明は、これらの何らかの要因によって電力系統に引き起こされる電気現象を、電圧・電流を組み合わせた波形要素として検出する。波形要素は、電力系統のRLC(抵抗、インダクタンス、キャパシタンス)等の電気特性、設備機器の特性、非定常状態を引き起こす要因等によって、電圧・電流の計測信号に現れる特徴的な波形である。
波形要素は、等価電気回路、計測信号、シミュレーション等に基づいて、電源1周期以内の波形として用意しておき、計測した電圧・電流波形を入力して、事前に用意した波形要素を比較することで電気現象の有無を検出する。
このため本発明は、電気現象に基づく波形要素を、時間経過に沿った電圧・電流波形の形状、あるいは電圧・電流の軌跡の幾何学的な形状、として表記する。波形要素の形状、軌跡に着目することで、計測波形の波高、継続時間等に関わらずに電気現象を検出可能とする。また計測波形が単発・微弱であっても、波形要素を検出して、電気現象の有無を精度よく判定し、出力することを可能とする。この結果、上記の入力と出力関係は電気現象に基づいて設定するため、判定結果の根拠説明が可能である。
なお本発明は電気現象の種類を限定するものではないが、アーク放電、不感帯を持つ非線形抵抗、不感帯を持たない非線形抵抗、線形抵抗等があり、さらに適宜に追加、修正、あるいは削除して良い。これらの電気現象と、電力系統に引き起こされる電圧と電流の計測波形を関連付けて、上記の電気現象に基づく波形要素が存在するか否かを判定して、存在するときは対応する電気現象が発生したことを出力することができる。
また本発明は、判定した電気現象から、非定常状態を引き起こした要因を判定する手段を備える。ここで、要因と電気現象との関連付けは、事前に用意して良く、あるいは、運用結果に基づいて要因を組み合わせても良い。例えば、事故が起きた月日時、事故が起きたときの気象状況、事故が起きた場所等を統計解析することで、事故がおきたときの周辺情報として、要因あるいは電気現象の判定に利用することができる。本発明は、これらの周辺情報の種類、組み合わせる方法、準備するタイミング等を限定するものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る電力系統監視装置の構成例を示す図である。図1の電力系統監視装置1は、計測波形入力手段2、波形要素記憶手段5、波形判定手段3、判定結果出力手段4から構成されている。
このうち計測波形入力手段2は、電力系統に設置された電圧変成器により計測した電圧信号Vと電力系統に設置された変流器により計測した電流信号Iとを入力し、それぞれについてAD変換器21、22においてアナログ信号をディジタル信号に変換し、メモリ23、24に一次記憶する。一次記憶に際しては各サンプリング時の極性付値と時刻信号が対になって記憶される。またここで電力系統とは、送電系統あるいは配電系統であり、一般的には発電所あるいは変電所といった電気所に設置された電圧変成器あるいは変流器により電圧信号Vと電流信号Iを入力している。なお波形比較の対象となる電圧、電流を生成する電圧変成器および変流器は、同一電気所内に設置されていることが望ましい。
波形要素記憶手段5には、電力系統に発生する非定常状態の電気現象について、当該電気現象の時に検知される電圧Vと電流Iの時系列的な変化パターンが対になって波形要素として記憶されている。このため、波形要素記憶手段5には想定可能な電気現象のときの電圧Vと電流Iの時系列的な変化パターン、あるいは特に識別したい特有の電気現象のときの電圧Vと電流Iの時系列的な変化パターンが予め実施された解析結果として準備されている。
ここで電力系統に発生する非定常状態の電気現象とは、電力系統の事故(例えば地絡、短絡、断線等)、落雷や樹木接触などの自然現象に由来する事象、あるいは保護継電装置や各種制御装置が作動した結果として非定常状態が引き起こされる事象などが想定可能である。従って、如何なる電気現象を識別し検知したいかという目的にもよるが、ここでは識別したい電気現象として電力系統の地絡事故により非定常状態が引き起こされた場合を想定する。特に、完全地絡に至る前の予兆的な地絡である微地絡、あるいは間歇地絡と呼ばれる電気現象を検知することについて説明する。
図2は、電力系統に地絡事故が発生した時の等価回路を示している。何らかの要因により発生した電力系統の地絡の電気現象は、一般的に三相電気回路の零相回路により解明することができ、図2に示すように地絡によってCR回路(キャパシタンスと抵抗)が形成され、電源の周波数と同期して電圧・電流が変化するときの電圧(零相電圧)と電流(零相電流)を計測することで、図1の計測波形入力手段2の入力である計測波形を得ることができる。この地絡回路を作る要因(事故要因)は様々であるが、電力系統にはアーク放電、非線形抵抗による導通、線形抵抗による導通、等の電気現象が現れることが知られている。
上記の関係は、一般的には「電力系統に非定常状態を引き起こす要因と、引き起こされる電気現象」と、「電気現象と、引き起こされる電圧と電流波形」のように、二者間の関係に分解して取り扱うことができる。本発明では、基本的には後者の「電圧と電流の計測波形から電気現象を判定する。」方式に関わる。さらに本発明では、電気現象の判定結果を用いて要因を判定する方式に関わる。
ところで電力系統では、線路個所によって電圧と電流の位相関係が変化することが知られている。ただし電気現象の発生個所と、電圧と電流の計測箇所が近接していれば、両者の電圧と電流の位相関係は保たれているとして扱える。そこで以下の説明は、電圧と電流の同期した計測波形を組み合わせて電気現象の判定、さらに要因判定をする場合を述べる。
電力系統に起きる電気現象の一つにアーク放電がある。アーク放電は地絡事故の予兆的な事象となることが多い。アーク放電が起きる要因には、電線と設備機器の接触、電線と樹木の接触、などがある。アーク放電は、交流1周期のなかで複数回発生する場合があり、また初期段階では単発微弱な波形しか発生しない場合がある。このような不規則で単発・微弱な電圧・電流の計測信号から実効値あるいは周波数成分を精度よく算出するのは困難であり、したがって実効値あるいは周波数成分と電気現象を関連付けるのは難しい。
本発明では、電圧・電流の計測信号に現れる特徴的な波形を、電気現象による波形要素として検出して判定する。電源周波数の1周期内に発生するアーク放電を、以下に説明するように波形の形状、軌跡、あるいは折れ点等に着目して波形要素として把握する。なお以下の説明は電源周波数1周期について表記しているが、半周期、あるいは1回の電気現象(ここではアーク放電)の期間、として表記しても良い。また、アーク放電が複数回連続して発生する場合には、上記の電気現象が複数回繰り返したとして扱える。
波形要素は、波形の形状、軌跡、あるいは折れ点等に着目して把握することが可能である。これをここでは、波形要素把握手法ということにするが、波形要素把握手法としては複数のものが採用可能であるので、ここでは代表的な波形要素把握手法について説明している。
まず波形要素把握手法1として、波形の形状に着目することについて説明する。図3に示す電圧・電流波形を用いて、アーク放電の動作を説明する。図3の電圧V・電流Iは、零相成分を示しており、従ってアーク放電発生前の状態(時刻t0以前)では、ともに0となっている。ここでは、参考として例えば地絡相であるa相について、a相電圧Vaを併せて表示することで、1周期の期間を明確にしているが、本来の零相回路には表れない成分であることは言うまでもない。
この変化事例では、アーク放電発生前の状態(時刻t0より前)では、零相電圧V、零相電流Iともに0になっている。この状態でアーク放電が、t0からt1の期間と、t2からt3の期間において間歇的に発生したものとする。アーク放電の事象はt0からt1後の期間を1つの単位事象として説明することが可能であり、後続するアーク放電の事象も同様に説明することができるので、ここではt0からt1後の期間の1つの単位事象で説明する。
まずt0からt1において、アークによって地絡回路が形成されることで事故電流Iが流れる。またこの期間では、事故電流Iによって浮遊容量(図2のキャパシタンスC)が充電されて零相電圧Vが高まる。その後、零相電圧Vと地絡相電圧Vaが接近する時刻t1に至り、事故電流Iが減少してアークが消弧する。さらにt1からt2にかけて、浮遊容量の放電により零相電圧Vが徐々に低下する。このt0からt1後までが、アーク放電の1つの単位事象として把握される。その後、地絡相電圧Vaが上昇し、零相電圧Vが低下して、両者の差が大きくなると時刻t2において再びアーク放電が発生する。時刻t2から時刻t3後のアーク放電も、同様に次のアーク放電の1つの単位事象として把握される。
このことから、電気現象の進行に伴って電源周波数の1周期内で形作られる電圧・電流波形の時系列的な変化の特徴を波形要素とする。あるいは単位事象内で形作られる電圧・電流波形の時系列的な変化の特徴を波形要素とする。定常状態では正弦波として変化する電圧と電流が、非定常状態であるアーク放電の電気現象によって特徴的な変化を示すことを、波形要素は表している。図1の波形要素記憶手段5には、例えばアーク放電時の電圧Vと電流Iの上記波形形状の時系列的な変動が波形要素としてあらかじめ記憶されている。
次に波形要素把握手法2として、アーク放電の電気現象における波形形状の変動は、下記波形の組み合わせとして把握することであってもよい。ここでは、インパルス波形は針状波、ステップ波形は台形波、と言い換えても良い。まず時刻t0からt1において、電流のインパルス波形の立ち上がりに同期して電圧のステップ波形が立ち上がる。次に時刻t1からt2において、電流のインパルス波形の立ち下がりに同期して電圧のステップ波形の波高が徐々に下がり始める。
次に波形要素把握手法3として、アーク放電の電気現象における波形形状の変動は、アーク放電を、電圧と電流波形の傾き(あるいは微分値、差分値)を用いて記述するものであってもよい。いずれも勾配の大きさを定量的に表記し、あるいは不等号で制約を設けても良い。この把握例では、時刻t0からt1において電流波形の勾配が大きくなる。その時刻に同期して、この期間の電圧波形の勾配が大きくなる。時刻t1において電流波形の勾配が大きく折れ曲がりマイナスになる。その時刻に同期して時刻t1からt2において電圧波形の勾配が大きく折れ曲がりマイナスになる。
さらに波形要素把握手法4として、アーク放電の電気現象における波形形状の変動は、アーク放電の電圧と電流の波形の軌跡を用いて記述するものであってもよい。図4は、アーク放電時の電圧と電流の波形の軌跡であり、電気現象の進行に伴う電圧と電流を組み合わせた変化を示している。図4では横軸に電圧、縦軸に電流の座標を示しており、電流と電圧で定まる座標点の時間的な経緯を把握する。この電圧と電流の軌跡の幾何学的な特徴を用いて、以下のように表記できる。
まず時刻t0では、負電圧、零電流の状態から、時刻t1に向けて電流と電圧が急激に立ち上がる。時刻t1では電流が急速に0に向かい、電圧がほぼ維持されるが、時刻t1以降では零電流のまま、電圧がゆっくり低下する。ここまでが、アーク放電の1つの単位事象である。なお次回のアーク放電の1つの単位事象は、時刻t2から時刻t3以降の段階で同様にして計測されている。
上記の説明は、軌跡の折り返し点の座標位置、あるいは折り返し点の方向変化を定義して表記しても良い。ここで示した電圧と電流の軌跡は、言い換えれば抵抗特性を表しており、要因の判定に利用できる。
なお、波形要素記憶手段5に準備する変化パターンの把握手法である波形要素把握手法は、上記波形要素把握手法1から4以外のものであってもよく、その他の把握手法としては、上記以外にフローチャート、あるいは波形イメージ等を利用しても良い。
図1に戻り、波形判定手段3では、計測波形入力手段2で入力した電圧と電流の波形が、波形要素記憶手段5に準備した電圧と電流の時系列的な変化パターンである波形要素に合致することを検知する。このため波形判定手段3では、まず電圧電流波形特徴算出手段31において、入力した電圧と電流の波形について、その特徴を求める。さらに波形要素判定手段32では、求めた特徴が波形要素記憶手段5に準備した電圧と電流の変化パターンに合致することを検知する。
波形判定手段3における判定処理手法としては、いくつかの検出方法が考えられる。ここでは代表的な4種類の検出方法について説明しておくが、本発明はいずれであっても実現が可能である。
検出方法1について、図5のフローチャートを用いて説明する。このフローチャートは、波形判定手段3における処理を計算機により実現する場合の処理手法を示している。これは電圧、電流の時間経過を監視する方法である。図5のフローチャートは、上記の波形要素把握手法3に基づいてアーク放電による電圧と電流の波形要素を検出する手順を示している。この場合に、電圧電流波形特徴算出手段31では特徴として電圧・電流波形の勾配ΔI、ΔVに着目し、時間変化分を求めている。このときに波形要素記憶手段5に記憶する記憶要素とは、後述する設定値KI1、KV1、KI0、KV0であり、図5に示す時系列的な判断の処理手順である。
図5の最初の処理ステップS101では、電流信号の勾配ΔIが設定値KI0よりも大きいことを検出する。同様に処理ステップS102では、電圧信号の勾配ΔVが設定値KV0よりも大きいことを検出する。なおこれらの勾配を検知する時刻は同期されていることは言うまでもない。この結果、電流と電圧の勾配が共に大きいときに処理ステップS103の処理に移動し、共に変動していない時には図5の以後の処理を実施しないことになる。この条件が成立したことは、図3のt0-t1区間の変動を検知したことを意味している。
続いて図5の処理ステップS103では、電流信号の勾配ΔIが設定値KI1よりも小さいことを検出する。同様に処理ステップS104では、電圧信号の勾配ΔVが設定値KV1よりも小さいことを検出する。なおこれらの勾配を検知する時刻は同期されていることは言うまでもない。またこの場合の設定値KI1、KV1は、設定値KI0、KV0よりも小さい値とされている。
ここでの判定において、電流信号の勾配ΔIが設定値KI1よりも大きく、あるいは電圧信号の勾配ΔVが設定値KV1よりも大きいという判定がされるとき(処理ステップS103、S104のNO側)は、この時刻がいまだ図3のt0-t1区間内にあると考えることができ、処理ステップS106において、所定期間T01を限定して再度の繰り返し判定を実行する。この結果、電流と電圧の勾配が共に小さいときに処理ステップS105の処理に移動し、判定結果としてアーク放電を出力する。なお、電流と電圧の勾配が共に小さいということは、図3のt0-t1区間の変動後に、t1後の緩やかな変動期間を検知したことを意味している。
このように検出方法1では、計測波形の幾何学的な特徴として電圧電流波形の勾配を算出して、事前に用意した波形要素の勾配並びに変化順序と一致するかを順次判定する。この手順は、順次実行するプログラムとして記述して、何らかのプロセッサを用いて実行することで、判定結果を得ることができる。
例えば図6は、アーク放電による電圧と電流の波形要素を検出する回路構成を示す。この回路構成は、波形判定手段3内の電圧電流波形特徴算出手段31が、電圧と電流の勾配を特徴として算出する勾配検出部31A、31Bにより構成されていることを表している。
次に、波形判定手段3における判定処理手法として検出方法2について説明する。検出方法2は、電圧、電流のプロット軌跡に基づく方法である。図7は、電圧と電流の軌跡の幾何学的特徴に基いて波形要素を検出する手順を示すフローチャートである。図8は、図4で示した電圧電流軌跡を単位事象分のみ拡大して示した図である。
図8の軌跡は、零相電流、零相電圧平面において、定常状態では、原点0に存在する電流、電圧点P0が、地絡発生時にはP1、P2、P3、P4の順に時間経過とともに変化することを表している。図7のフローチャートにおける各処理ステップS201、S202、S203、S204は、それぞれ電流、電圧点が、P1、P2、P3、P4に存在していることを、図8の零相電流、零相電圧平面に示す設定値Vt0、Vt1、Vt2、Vt3、It1、It3を用いて順次判定し、この順に事象が進展したことをもって処理ステップS205においてアーク放電を検知したとして外部出力することを表している。
検出方法2の場合に、図1の電圧電流波形特徴算出手段31は、計測した電圧と電流の波形をそのままに利用する。計測方法1では、特徴として勾配を求めたが、計測方法2では波形そのものを特徴として把握したものである。また、このときに波形要素記憶手段5に記憶する記憶要素とは、設定値Vt0、Vt1、Vt2、Vt3、It1、It3であり、図7に示す時系列的な判断の処理手順である。
図9は、電圧と電流の軌跡の幾何学的特徴に基いて波形要素を検出する回路構成を示す。この回路構成は、波形判定手段3内の電圧電流波形特徴算出手段31が、電圧と電流の軌跡を特徴として算出する電圧電流軌跡作成手法により構成されていることを表している。
次に、波形判定手段3における判定処理手法として検出方法3について説明する。検出方法3は、電圧と電流の波形要素を基底関数として、計測波形との相関関数を算出するものである。同様の基底関数を用いる計算手法には、フーリエ変換、ウェーブレット変換等の周波数変換の手法がある。ここでウェーブレット変換は、基底関数の位置と波形幅を変えながら、入力波形との相関演算を行う。本発明は、ウェーブレット変換の演算手順を利用しながら、基底関数として前記した波形要素を使う。ただしウェーブレット変換とは異なり、波形要素の有無を判定するために、基底関数(波形要素)と計測波形の類似性を算出することが目的である。したがって、周波数変換の手法とは異なり、変換結果からの逆変換(再構成)は不要であり、基底関数(波形要素)の数学的な信号直交性は不要であり、さらに基底関数の高次成分を用いた演算は不要である。
次に、波形判定手段3における判定処理手法として検出方法4について説明する。検出方法4は、例えば波形をイメージ(絵)として取り扱い、深層学習手段の入力として学習させることにより、波形要素の判定結果を得る方法を用いても良い。前記した電気現象に基づいて、電気回路モデル、シミュレーション等を用いて波形要素を算出して、深層学習の学習データとして利用する。
本発明によれば、計測したアーク放電の波形の波高、発生回数に依存することなく波形要素を検出可能である。初期段階の単発微弱な計測波形からも波形要素の検出が阻害されるものではない。
上記説明においては、単位事象の波形変化を把握することについて説明してきたが、実際には連続する複数の単位事象が観測されることが多い。電源周波数の1周期内に複数回のアーク放電が発生する場合の電圧電流波を図10に、またこの時の電圧電流軌跡を図11に例示する。この場合にも、個々のアーク放電については前記と同様の波形要素を持っていることから前記説明と同様にアーク放電を検出可能である。
また以上の説明では微地絡を例にとり説明したが、他の電気事象についても同様に検知可能であることは言うまでもない。従って、複数の電気事象ごとに波形要素を準備し、検出波形と逐次比較することで、非定常状態を発生している電気事象の種別を識別することが可能である。
実施例1では、観測される波形が正弦波であることを前提としているが、現実には各種の影響を受けて波形が変形されて観測される場合があるので、実施例2ではこの取り扱いについて説明する。
変形されて観測される例の一つは不感帯によるものである。図2の等価回路において、不感帯を持つ非線形抵抗の電気現象の例について、図12に電圧電流波形、図13に電圧電流軌跡を示し説明する。不感帯を持つ非線形抵抗の電圧電流波形は、図12の例では電圧は正弦波として検出されるのに対し、電流は不感帯を持つ非線形抵抗により電圧値が高い期間でのみ検出されている。また図13の電圧電流軌跡によれば、電圧が低い範囲内では電流が0となっている。なお、本発明は、この不感帯を引き起こす要因を限定するものではない。
このときの、波形要素把握手法としては、波形要素把握手法1として電流がゼロのまま電圧が上昇あるいは下降する領域があること、波形要素把握手法2として電圧波形がゼロクロスする付近において電流がゼロ領域を持つこと、波形要素把握手法3として図12に示す電圧電流軌跡で示される非線形な電圧電流特性(抵抗特性)を持つことに着目するのがよい。なお波形要素を検出する手順、方法、回路構成については、前記したアーク放電と同様に構成することができる。
変形されて観測される例の一つは三角波として検出される場合である。図14に計測した電圧波形が正弦波であるに対し、電流が三角波として観測される例を示す。またこの事象での電圧電流軌跡は図15に示すような非線形特性(抵抗特性)を示したものである。ここでは、非線形特性を引き起こす要因を特定するものではないが、電線と接触物との表面状態に依存することが考えられる。波形要素を検出する手順、方法、回路構成については、前記したアーク放電と同様に構成することができる。
また同様に計測した電圧と電流波形が正弦波として観測される場合については電圧と電流が線形の関係にあるので特段の説明は不要である。波形要素を検出する手順、方法、回路構成については、前記したアーク放電と同様に構成することができる。
また変形されて観測される例の一つは、観測される波形変化が時間経過による変化を受ける場合である。前記したアーク放電の説明でも述べたように、電気現象は一様に継続して発生するとは限らない。短期に単発の事象として発生する場合があり、あるいは時間経過に伴って異なる電気現象に変化する場合がある。これらの変化の組み合わせを事前に把握できる場合には、判定結果を組み合わせを用いて要因推定に利用しても良い。事前に把握できない場合には運用結果をデータベース蓄積することで、変化の組み合わせを追加、修正する手段を備えても良い。
同じ線路、同じ区間で発生した波形については、継続性のある事象として関連付けて電気現象、並びに要因を判定する。
実施例3では、図1に例示する電力系統監視装置を構成するにあたり、特に波形要素を予め準備する段階において学習を利用することについて、説明する。
電力系統は、本来、安定状態で運用するシステムであり、本来、非定常状態は多く発生しないことが望まれる。したがって上記の非定常状態に関わる過去データは多く集めることができないことがある。また、事故に関わるシミュレーションは、不明パラメータが多いために十分な精度は得にくい。
そこで本発明の実施例3では、本発明を運用するにしたがって採取するデータに基づいて、要因、電気現象、電圧・電流の計測波形の関係を更新していくことを提案する。この更新手順は、学習手順と言い換えても良い。更新手順、もしくは学習手順を実行する手段の構成を限定するものではない。データベースへのデータ蓄積手段、統計解析手段、あるいは何らかの機械学習手段等を組み合わせることで実現可能である。
実施例4では、電力系統監視装置の判定結果の出力形式に関する。本発明による判定結果は、様々な形式で出力可能である。波形要素の有無を論理値(例えば0と1)として出力して良い。また計測波形と基底関数の相関値を用いた検出方法は、両者の波形の類似性が数値として算出できるので、この数値を適宜に正規化したうえで出力しても良い、あるいは上記の類似性の算出結果を0から1までの数値として正規化することで、確率値(0から1までの数値)として換算して出力してもよい。確率値として出力することで、他の統計値あるいは信号処理結果と組み合わせて確率計算することができる。この確率計算には、ベイズの定理として知られる確率計算の公式を利用することができる。
実施例5では、電力系統監視装置を用いて地絡方向判定に適用することに関する。地絡事故があるとき、線路の対地静電容量に蓄積されているエネルギーが地絡点に向かって流れる。ここで電源側と負荷側のあいだに地絡点があるとき、電源側から地絡点に向かう電流と、負荷側から地絡点に向かう電流の流れが発生して、両者は逆向きに流れることになる。このとき、地絡点を挟む2点に計測点があれば両者で計測した電流は逆向きになり、地絡点の片側の2点に計測点があれば両者で計測した電流は同一方向になる。
電圧と電流の計測信号を、電圧と電流の軌跡としてプロットするとき、電流の向きが逆向きであるとき軌跡の回転方向は逆向きになる。この原理から、隣接する計測機器の電圧電流軌跡の回転方向が逆向きであるとき、計測機器間に地絡点があると判定できる。
実施例6では、電力系統監視装置を配電系統に適用する場合の好適な構成例について説明する。実施例1の電力系統監視装置は、発電所や変電所といった電気所、あるいは中央給電指令所や地方給電指令所といった特定の場所に設置し、電力系統各所で計測した電圧、電流信号をここに集約して判断結果を出力するということを想定した中央型装置を意図したものである。
この考え方は送電系統や配電系統の監視に好適であるが、特に配電系統である場合には図16のような分散装置とするのがよい。配電系統では配電変電所SSから配電線Fを介して負荷に電力を供給しているが、配電線F上に配置されて配電網の切り替えを実現する開閉器DSは近年においてはセンサ機能付きの設備とされることが多い。
センサ機能付き開閉器DSは、単にセンサを備えるのみではなく、演算機能と通信機能を備えた子局装置12を付属した開閉器設備として形成されており、相互間のデータ通信、あるいは制御系ネットワークを介して配電変電所SS内の制御装置11や表示装置10と相互に連携することが可能である。
近年の配電制御、監視装置は、上記構成を前提とするものであることから、本発明の実施例6では、図1の電力系統監視装置1における計測波形入力手段2、ならびに波形判定手段3内の電圧電流波形特徴算出部31の機能を、個々の子局装置12内に収納し、通信を介して波形特徴を中央の制御装置11に集約する。制御装置11は、図1の電力系統監視装置1における波形判定手段3内の波形要素判定手段32並びに波形要素記憶手段5の機能を有し、表示装置11に判定結果を表示出力する。なお、個々の子局装置12内に収納する機能は、さらに波形要素判定手段32まで拡張されて構成されるものであってもよい。どこまでを分散化するのがよいかは適宜に行い得ることである。
図16の設備構成によれば、配電線F上に配置されたセンサ機能付き開閉器DSの単位で、電気事象の発生が検知可能である。この結果、発生方向の特定ばかりではなく、発生位置の特定にも貢献可能であり、かつ配電変電所側からの個別操作による事故除去、配電網の復旧処理、再構成が容易となる。
なお上記に述べた電力系統監視装置1、制御装置11等の電力系統に関わる監視、制御の実行手段を、第三者が提供する汎用的な計算機サービス(いわゆるクラウド、あるいはデータセンタ等)のもとに構築しても良い。インフラストラクチャに関わるソフトウェアとデータを扱う場合には、高度なセキュリティ管理が必要であることは言うまでもないが、計算機サービス機能の一つとしてセキュリティの提供を受けるならば、監視、制御等の機能と性能に注力できることになる。また計算能力、データ蓄積容量の上限制約を考慮する必要が無く、計算機設備の更新コストを軽減できる。これらの機能の配置と構成は適宜に行い得る。
1:電力系統監視装置
2:計測波形入力手段
3:波形判定手段
4:判定結果出力手段
5:波形要素記憶手段
10:表示装置
11:制御装置
12:子局装置
21、22:AD変換器
23、24:メモリ
31:電圧電流波形特徴算出手段
32:波形要素判定手段
DS:開閉器
F:配電線
SS:配電変電所

Claims (13)

  1. 電力系統で計測した電圧と電流を入力する計測波形入力手段と、入力時点における電流と電圧の波形の特徴を時系列的に算出する電圧電流波形特徴算出手段と、電力系統で発生した電気現象の時の電圧と電流の時系列的な変化を対として予め求め、波形要素として記憶する波形要素記憶手段と、前記入力時点における電圧と電流の波形の特徴を前記波形要素の対時系列的に比較して、前記波形要素が入力した電圧と電流に含まれるか否かを判定する波形要素判定手段と、波形要素の判定結果に基づいて電気現象の有無を出力する判定出力手段を備えることを特徴とする電力系統監視装置。
  2. 請求項1に記載の電力系統監視装置であって、
    前記波形要素は、電圧と電流の波形の形状、軌跡、あるいは折れ点に着目して定められていることを特徴とする電力系統監視装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電力系統監視装置であって、
    前記波形要素記憶手段は、電圧と電流の勾配についての設定値と、時系列的な判断手順を波形要素として記憶しており、前記波形要素判定手段は、電圧と電流の勾配と波形要素を比較することを特徴とする電力系統監視装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の電力系統監視装置であって、
    前記波形要素記憶手段は、電圧と電流についての設定値と、時系列的な判断手順を波形要素として記憶しており、前記波形要素判定手段は、電圧と電流の値と波形要素を比較することを特徴とする電力系統監視装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載の電力系統監視装置であって、
    前記波形要素記憶手段は、電圧・電流平面上における電流と電圧の軌跡を波形要素として記憶しており、前記波形要素判定手段は、計測した電圧と電流が示す軌跡と波形要素を比較することを特徴とする電力系統監視装置。
  6. 請求項1または請求項2に記載の電力系統監視装置であって、
    前記波形要素記憶手段は、電圧と電流の幾何学的形状を波形要素として記憶しており、前記波形要素判定手段は、計測した電圧、電流と波形要素を比較することを特徴とする電力系統監視装置。
  7. 請求項1または請求項2に記載の電力系統監視装置であって、
    前記波形要素を基底関数として前記電圧と電流の波形に波形要素が含まれるか否かを判定することを特徴とする電力系統監視装置。
  8. 請求項1または請求項2に記載の電力系統監視装置であって、
    前記波形要素記憶手段は、電気現象としてアーク放電、不感帯を持つ非線形抵抗特性、三角波、の少なくとも一つの電気現象に基づいて、時間的に同期して変化する電圧と電流波形の組み合わせを記憶していることを特徴とする電力系統監視装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電力系統監視装置であって、
    前記判定出力手段は、波形要素の判定結果に基づいて電気現象の発生を確率値として出力することを特徴とする電力系統監視装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の電力系統監視装置であって、
    電力系統に起きる事故の要因と電気現象を関連付けておき、波形要素の判定結果に基づいて候補となる事故原因を出力することを特徴とする電力系統監視装置。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電力系統監視装置であって、
    電気現象の方向を判定する方向判定手段を備え、前記判定出力手段は波形要素の判定結果に基づいて電気現象の有無と種別、および方向を出力することを特徴とする電力系統監視装置。
  12. 配電変電所から配電線を介して負荷に電力を供給する配電線上に、配電系統で計測した電圧と電流を入力するセンサ機能付の開閉器を配置しているとともに、センサ機能付の開閉器は、親局装置との間で通信を行う子局装置を備えている電力系統監視装置であって、
    配電線上の複数の前記子局装置は、電力系統で計測した電圧と電流を入力する計測波形入力手段と、入力時点における電流と電圧の波形の特徴を時系列的に算出する電圧電流波形特徴算出手段と、電力系統で発生した電気現象の時の電圧と電流の時系列的な変化を対として予め求め、波形要素として記憶する波形要素記憶手段と、前記入力時点における電圧と電流の波形の特徴を前記波形要素の対と時系列的に比較して、前記波形要素が入力した電圧と電流に含まれるか否かを判定する波形要素判定手段と、波形要素の判定結果に基づいて電気現象の有無を出力する判定出力手段のうちの少なくとも一部の手段を備えており、前記親局装置との間で通信を行うことを特徴とする電力系統監視装置。
  13. 計算機を用いて実現される電力系統監視方法であって、
    電力系統で計測した電圧と電流を入力し、入力時点における電流と電圧の波形の特徴を時系列的に算出し、電力系統で発生した電気現象の時の電圧と電流の時系列的な変化を対として予め求め、波形要素として記憶し、前記入力時点における電圧と電流の波形の特徴を前記波形要素の対と時系列的に比較して、前記波形要素が入力した電圧と電流に含まれるか否かを判定し、波形要素の判定結果に基づいて電気現象の有無を判定することを特徴とする電力系統監視方法。
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